以下、本発明の実施形態を、遊技場に設置された複数のスロットマシンと、各スロットマシンの状態を監視し、メダルの補給が必要なスロットマシンに対して、メダル補給装置を稼働させてメダルを補給するホールコンピュータと、を備える遊技システムの場合を例に挙げて説明する。
図1は、第1の実施形態にかかる遊技システム1の概略構成図である。
遊技システム1は、ホールコンピュータ2と、複数のスロットマシン(遊技機)3やメダル貸出機4を備えるゲーム島5と、遊技機で余剰となったメダルをメダル補給装置7に回収するメダル回収装置6と、メダルをスロットマシン3やメダル貸出機4に補給するメダル補給装置7と、を備える。
ゲーム島5においてスロットマシン3は、横並びに1列または背面同士を対向させた2列に配置されており、隣接するスロットマシン3の間には、メダル貸出機4が設けられている。これらスロットマシン3およびメダル貸出機4の状態は、ホールコンピュータ2により集中監視されている。
また、ホールコンピュータ2は、各スロットマシン3の遊技状態をモニタすると共に、スロットマシン3やメダル貸出機4からメダルの補給が要求される、またはモニタの結果メダルの補給が必要であると判断されると、メダル補給装置7を制御して、メダルの補給が要求なスロットマシン3やメダル貸出機4にメダルを供給する。
メダル回収装置6の回収コンベヤ6aは、スロットマシン3とメダル貸出機4が載置された遊技台の内部において、ゲーム島5の長手方向に沿って設けられている。スロットマシン3のホッパ装置(図示せず)から溢れたメダルは、回収シュート6bにより回収コンベヤ6aに導かれたのち、ゲーム島5の端に位置するメダル補給装置7に回収される。
メダル補給装置7は、図示しないメダル洗浄装置と、メダル供給用のホッパ装置7aと、メダル搬送レール7bとを備える。
ホッパ装置7aから延びるメダル搬送レール7bは、スロットマシン3やメダル貸出機4の上方をゲーム島5の長手方向に沿って設けられており、メダル搬送レール7bの途中には、メダル搬送レール7bから分岐して下方に延びるメダルシュート管7cが、複数設けられている。
メダルシュート管7cは、スロットマシン3やメダル貸出機4毎に用意されており、メダルシュート管7cとメダル搬送レール7bとの接続部には、モータ7dにより開閉駆動される図示しないシャッタが設けられている。
メダル補給装置7は、ホールコンピュータ2からの指令(コマンド)に基づいて、メダル供給用のホッパ装置7aを駆動して、メダルをメダル搬送レール7bに送出し、補給が必要なスロットマシン3またはメダル貸出機4のメダルシュート管7cの開口を、モータ7dを駆動して開くことで、メダルの補給が必要なスロットマシン3またはメダル貸出機4にメダルを供給する。
実施の形態では、メダルシュート管7cには、当該メダルシュート管7c内を落下したメダルを検知するセンサ(メダルセンサ7e(図8参照)が設けられており、ホールコンピュータ2は、このセンサの出力に基づいて、メダルシュート管7cを伝ってスロットマシン3またはメダル貸出機4に供給されたメダルの枚数を特定し、特定結果に基づいて、所定枚数のメダルがスロットマシン3またはメダル貸出機4に供給されるようにモータ7dを駆動してシャッタを開閉している。
なお、メダル補給装置の詳細は、例えば、特開2005−192608号公報や、特開平3−155884号公報に開示されている。
次に、ゲーム島5に備えられる本実施の形態のスロットマシン3の構造を説明する。
図2はスロットマシン3の全体斜視図である。図3は、スロットマシン3の前面扉11の裏側に取り付けられて、メダル投入口24から投入されたメダルの供給先を切り換えるセレクタ31の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン3の前面扉11を取外して、スロットマシン3の筐体本体10内を正面側から見た平面図である。図5は、スロットマシン3を斜め上方から見た斜視図であって、筐体本体10の下部側のホッパ装置43周りを説明する図である。
図2に示すように、スロットマシン3の筐体は、正面側が開口する箱形状の筐体本体10と、その開口部を閉じる前面扉11とから構成される。
前面扉11は、左端側の上下複数カ所がヒンジによって筐体本体10に取り付けられ、ヒンジを軸として水平に揺動し、筐体本体10の開口部を開閉可能となっている。
前面扉11の右端部には、筐体本体10側と協働して前面扉11を閉鎖し施錠状態とする施錠機構28が設けられている。
前面扉11の表側は、表示窓15を備える遊技パネル12、メダル投入口24、各種の操作レバーやボタン、スイッチ類を備える操作部13、メダルが貯留される貯留部14などが設けられた公知の遊技面となっている。
これらの詳細は、例えば特開2008−61739号公報に開示されている。
遊技パネル12において表示窓15の上側には、遊技の進行に伴って点灯・点滅する上部ランプ16が、前面扉11の上辺に沿って設けられており、上部ランプ16の下方位置の左右両側には、種々の報知音(効果音)を出力する一対のスピーカ17が設けられている。そして、これら一対のスピーカ17の間には、画像・映像等の種々の情報を表示する液晶ディスプレイ18が設けられている。
遊技パネル12において表示窓15の下側には、左側から右側に向かって順番に、メダルMのベット数(賭け数)に応じて点灯するベットランプ19、クレジット枚数表示部20、排出枚数表示部21などが設けられている。
操作部13は、遊技パネル12の下端から手前側に延在する平面部13aと、その平面部13aの前端部から鉛直方向に延びる縦壁部13bと、を有している。
平面部13aの左側には、ベットボタン22と、3枚用のベットボタン23とが横方向に並んで設けられており、平面部13aの右側には、メダル投入口24が設けられている。
縦壁部13bには左側から右側に向かって順番に、スロットマシン3にクレジットされたメダルの払い出しを指示するためのクレジット精算ボタン25と、リールユニット40の各リール41の回転開始を指示するためのスタートレバー26と、リール41の回転停止を指示するためのストップボタン27と、が設けられている。
スタートレバー26は、縦壁部13bから手前側に向かって突設されており、下方に押し下げる、または上方に押し上げることによって操作される。
ストップボタン27は、各リール41に対応する位置にそれぞれ配設されており、押し動作によって操作される。また、縦壁部13bの下部には、機種名や遊技に関わるキャラクタ等が表示された表示プレート29等が設けられている。
貯留部14は、操作部13の下方位置で左右方向に亘って延在するように配置形成されており、メダル払出口302から払い出されたメダルMを受けて貯留するメダル受け皿30や灰皿301等が設けられている。
前面扉11の裏側には、メダル投入口24から投入されたメダルMの供給先を、後記するホッパ装置43と、メダル受け皿30の何れかに切り換えるセレクタ31(図示せず)が設けられている。
図3に示すように、セレクタ31のセレクタボディ32には、メダル投入口24から送出されたメダルMをホッパ装置43に導くためのメダル案内路33が設けられている。
メダル案内路33は、図3に矢印Aで示すように、セレクタボディ32のボディ上面左側部分から垂下してセレクタボディ32の略中央高さ位置でボディ右側に向かってカーブし、更に矢印Bで示すように所定の傾斜角で右側面の下部まで延在しており、メダルMが一列で通行することができるように形成されている。本実施の形態では、セレクタボディ32から図の手前側に突出する突条33aによって構成されており、メダルMは、突条33a上を転がりながら下流方向に流れる。
メダル案内路33の途中位置には、図中に矢印Cで示すように、メダル案内路33から分岐してメダル受け皿30に連通する分岐通路36が形成されており、メダル案内路切換手段37によって、メダルMを、そのままメダル案内路33を通過させてホッパ装置43に供給するか、それとも分岐通路36に導いてメダル受け皿30に供給するのかが、切り換えられるように構成されている。
メダル案内路切換手段37は、メダル案内路33に対して出没可能な切換片37aと、この切換片37aを動作させるためのソレノイド(図示せず)とを備える。ソレノイドの非励磁時にはメダル案内路33内に切換片37aが突出して、メダルMのホッパ装置43側への流れが阻害される。これにより、メダルMは、突条33aの上から図中の手前側に移動したのち、分岐通路36に誘導されて、メダル受け皿30に排出させる。また、ソレノイドの励磁時にはメダル案内路33外に切換片37aが没入させて、メダルMをメダル案内路33に沿って移動させて、ホッパ装置43に供給する。
メダル案内路33の下流側位置には、メダルMの通過を検出するメダル通過検出部38が設けられている。メダル通過検出部38は、通過するメダルMを介して両側に一対の投光部と受光部(それぞれ図示せず)を有するフォトカプラによって構成されており、本実施の形態において第1投入メダル通過検出センサ38aと第2投入メダル通過検出センサ38bを備えている。第1投入メダル通過検出センサ38aと第2投入メダル通過検出センサ38bは、少なくとも通過する1枚のメダルMを同時に検出しうる程度に近接した状態で上流側と下流側に並設され、例えば各投入メダル通過検出センサ38a、38bは受光時には「Lo」信号、遮光時には「Hi」信号をそれぞれ出力するように設定されている。
図4に示すように、筐体本体10は、天板10a、底板10b、背板10c、左側板10d、右側板10eから構成され、筐体本体10の内部は、仕切板10fによって上下に2分割されている。
仕切板10fの上部には、前面扉11の各表示窓15(15L、15M、15R:図2参照)に対して1対1で対応させて横に並べたリール41(41L、41M、41R)を同一軸線上で回転可能に支持したリールユニット40が取り付けられている。
さらに、正面から見て、背板10cのリールユニット40よりも上方には、スロットマシン3の制御を行うメイン制御基板50を収容する制御基板収容ボックス42が、取付けられている。
仕切板10fの下部には、ホッパ装置43と、電源ボックス46と、メダル収容箱47とが配置されている。
ホッパ装置43は、メダルを貯留する貯留部44と、メダルを前面扉11のメダル受け皿30へ払い出す払出装置部45とを備えており、貯留部44には、貯留部44に貯留されたメダルの量(高さ)を検出するメダル残量センサ48が取り付けられている。
図5に示すように、メダル残量センサ48は、互いに平行な一対の導電ロッド48a、48aを貯留部44内に垂下させた状態で配置されており、貯留部44内のメダルの高さが所定高さ以上になると、導電ロッド48a、48aがメダルを介して導通状態になり、所定高さ未満になると非導通状態になるようになっている。
実施の形態では、導電ロッド48a、48aが導通状態から非導通状態になる高さ位置が、メダルの供給の要否を判断するためのメダル枚数(例えば、400枚)に基づいて決定されており、導電ロッド48a、48aが導通状態から非導通状態になって、メダル残量センサ48の出力信号がオンからオフになると、一定条件のもと、メダルの補給を要求する補給要求信号が、スロットマシン3からホールコンピュータ2側に出力されるようになっている。
貯留部44は、払出装置部45の仕切板10f側の上面にあるメダル取込口45bを囲むように設けられており、仕切板10f側の上方に向かうにつれて開口径が広がる形状で形成されている。
貯留部44の右側板10e側の側壁には、開口44aが設けられており、貯留部44に貯留できなくなったメダルが、開口44aを通ってメダル収容箱47(図4参照)に排出されるようになっている。
図4に示すように、メダル収容箱47は、ホッパ装置43と右側板10eとの間に配置されており、貯留部44の開口44a(図5参照)から溢れたメダルを収容する。
実施の形態では、筐体本体10の底板10bに開口10b1が設けられており、メダル収容箱47にもまた、開口10b1に対応する位置に開閉可能な開口(図示せず)が設けられている。よって、メダル回収装置6を備えるゲーム島5のスロットマシン3の場合、ホッパ装置43からメダル収容箱47に排出されたメダルは、開口52aを通って、スロットマシン3の外部に排出されたのち、メダル回収装置6の回収シュート6bおよび回収コンベヤ6aにより、メダル補給装置7に回収される。
筐体本体10の背板10cには、貯留部44の上端と略整合する高さ位置に、開口10c1が設けられている。この開口10c1には、メダル補給装置7のメダルシュート管7cの先端側が挿通され、メダル補給装置7のメダルシュート管7cを落下したメダルが、貯留部44に直接補給されるようになっている。
払出装置部45には、前面扉11のメダル受け皿30へ払い出されたメダルを検出する払出メダル検出センサ45a(図示せず)が設けられている。
この払出メダル検出センサ45aは、一対の投光部と受光部を有するフォトカプラによって構成されており、例えば受光時には「Lo」信号、遮光時には「Hi」信号をそれぞれ出力するように設定されている。
実施の形態では、この払出メダル検出センサ45aの出力に基づいて、サブ制御基板60の払出枚数カウンタ64aに、スロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が記憶され、メダルの払い出し枚数を規定するメダル排出信号が、外部集中端子板80からホールコンピュータに出力されるようになっている。
次に、制御基板収容ボックス42内に配設されているスロットマシン3のメイン制御基板50等について説明する。図6は、スロットマシン3のメイン制御基板50の構成を説明するブロック図である。
図6に示すように、メイン制御基板50は、遊技の主な制御処理を行うものであり、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU51と、そのMPU51に接続されると共にセンサ類やスイッチ類などの各種の入出力手段に接続された入出力ポート52が搭載されている。
MPU51には、MPU51により実行される制御プログラムや固定値データなどを記憶したROM53と、そのROM53内に記憶される制御プログラムの実行にあたって各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM54と、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路等の各種回路等が内蔵されている。
このROM53には、図9〜図12、図18、図19、図29、図30、図34〜37に示されたフローチャートのプログラムが、制御プログラムの一部として記憶されている。
RAM54のメダル数記憶エリア54aは、クレジット精算ボタン25の操作により貯留モードとされたときに、セレクタ31の第1投入メダル通過検出センサ38a、第2投入メダル通過検出センサ38bから出力された検出信号に基づき認識したメダルの枚数と、入賞により獲得したメダルの枚数を、予め設定された枚数(例えば50枚)まで電子的に記憶する。
外部出力バッファ54bは、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ2へ出力する出力情報を一時的に記憶するバッファである。この外部出力バッファ54bは、複数のデータビットから構成され、各データビットに、遊技中における管理すべき状態(例えば、ビッグボーナス(BB)中であるか否か、レギュラーボーナス(RB)中であるか否か、メダルが投入されたか否か、メダルが排出されたか否か、アシストタイム(AT)中であるか否か、リプレイタイム(RT)中であるか否か、補給が要求されているか否か、前面扉11が開かれているかなど)に応じて、0(オフ)または1(オン)の値が設定される。
外部出力バッファ54bに記憶された出力情報(各データビットの値)は、後記するタイマ割込制御処理(図10参照)の実行間隔である1.490ms間隔で更新され、タイマ割込制御処理のポート出力処理(ステップ215)により、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ2に送信される。
補給カウンタタイマ54cは、タイマ割込制御処理での補給カウンタ処理(ステップ211)の実行タイミングを規定するタイマである。
補給カウンタタイマ54cの値は、電源投入時または再起動時に初期値、例えば「38」にリセットされ、タイマ割込制御処理のタイマ減算処理(ステップ209)において「1」ずつ減算される。そして、補給カウンタタイマ54cの値が「0」になると、補給カウンタ処理(ステップ211)が実行され、かかる処理において再び初期値にリセットされる。
補給カウンタ54dは、補給要求信号におけるオン信号とオフ信号の出力回数を規定するカウンタである。
例えば、メダルの補給が必要であると判断された場合に、単純に補給が必要であることをホールコンピュータ2側に通知するために1回だけオン信号を出力するのか、補給が必要なメダルの枚数を通知するために、補給が必要なメダルの枚数に対応する回数のオン信号を出力するのかに応じて、異なる数値がセットされるようになっている。
補給判断終了フラグ54eは、メダルの補給の要否の判断が実行されたか否かを示すフラグであり、1(オン)である場合には、後記する通常遊技処理(図12参照)の補給要求処理(ステップ415)において、メダルの補給の要否判断が実行されたことを示し、0(オフ)ある場合には、メダルの補給の要否判断が実行されていないことを示している。
RB中フラグ54fは、スロットマシン3の遊技状態が、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態のうちのRB(レギュラーボーナス)状態であることを示すフラグであり、RB状態であることを示すRB中信号を、ホールコンピュータ2へ出力すべき状態であるか否かを示すフラグである。
RB中フラグ54fは、電源投入時にオフに初期化されたのち、遊技の結果、RBへの入賞が確定した場合に、RB中信号をホールコンピュータ2に出力するために、1(オン)にされる。そして、RBが終了すると、0(オフ)にされる。
実施の形態では、総てのリール41が停止した際に有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが、RBの入賞役の図柄の組み合わせである場合に、RBへの入賞が確定する。
BB中フラグ54gは、スロットマシン3の遊技状態が、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態のうち、RBよりも有利な状態で遊技が進行するBB(ビッグボーナス)状態であることを示すフラグであり、BB状態であることを示すBB中信号を、ホールコンピュータ2へ出力すべき状態であるか否かを示すフラグである。
BB中フラグ54gは、電源投入時にオフに初期化されたのち、遊技の結果、BBへの入賞が確定した場合に、BB中信号をホールコンピュータ2に出力するために、1(オン)にされる。そして、BBが終了すると、0(オフ)にされる。
実施の形態では、総てのリール41が停止した際に有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが、BBの入賞役の図柄の組み合わせである場合に、BBへの入賞が確定する。
RT中フラグ54hは、スロットマシン3の遊技状態が、通常遊技状態よりも、再遊技への入賞確率が高い状態で遊技が進行するRT(リプレイタイム)状態であることを示すフラグであり、RT状態であることを示すRT中信号を、ホールコンピュータ2へ出力すべき状態であるか否かを示すフラグである。
RT中フラグ54hは、電源投入時にオフに初期化されたのち、遊技の結果、RTへの入賞が確定した場合に、RT中信号をホールコンピュータ2に出力するために、1(オン)にされる。そして、RTが終了すると、0(オフ)にされる。
実施形態では、総てのリール41が停止した際に有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが、RTの入賞役の図柄の組み合わせ(例えば、リプレイ・リプレイ・ベル)である場合や、BBが終了した場合に、RT状態となる。
AT中フラグ54iは、スロットマシン3の遊技状態が、同時にねらうことのできない小役入賞のフラグが成立したこと、およびフラグが成立した小役の種類を遊技者に報知して、遊技者が小役入賞を取りこぼさないようにしながら遊技できるAT(アシストタイム)状態であることを示すフラグであり、AT状態であることを示すAT中信号を、ホールコンピュータ2へ出力すべき状態であるか否かを示すフラグである。
AT中フラグ54iは、電源投入時にオフに初期化されたのち、遊技の結果、ATへの入賞が確定した場合に、AT中信号をホールコンピュータ2に出力するために、1(オン)にされる。そして、ATが終了すると、0(オフ)にされる。
実施の形態では、総てのリール41が停止した際に有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが、ATの入賞役の図柄の組み合わせである場合や、BBが終了した場合に、AT状態になる。
ART中フラグ54jは、スロットマシン3の遊技状態が、AT(アシストタイム)とRT(リプレイタイム)の両方の特徴を備えるART(アシストリプレイタイム)状態であることを示すフラグである。
ART中フラグ54jは、電源投入時にオフに初期化されたのち、例えば、遊技の結果、ARTへの入賞が確定した場合に、ART中信号をホールコンピュータ2に出力するために、1(オン)にされる。そして、BBが終了すると、0(オフ)にされる。
実施形態では、総てのリール41が停止した際に有効ライン上に並んだ図柄の組み合わせが、ARTの入賞役の図柄の組み合わせである場合にART状態となる。さらに、BBが終了した場合に、RTとATが同時に発生して、ART状態となる。
獲得枚数カウンタ54kは、特別遊技状態の間に獲得したメダルの累積枚数を係数するカウンタである。
オフ信号フラグ54mは、補給要求信号でメダルの補給枚数を指定する場合において、補給要求信号のオン信号とオフ信号の何れを出力するのかを規定するフラグである。
補給判断実行タイマ54nは、特別遊技状態において補給の要否判断の機会が複数回設けられている場合に、補給の要否判断を実行するタイミングを規定するタイマである。
払出枚数カウンタ54pは、ホッパ装置43から払い出されたメダルの枚数を計数するカウンタである。
ここで、ART(アシストリプレイタイム)について説明する。
実施の形態のスロットマシンでは、BB終了後にRTとATが同時に開始されてART状態となる。このARTでは、ゲーム数(遊技回数)が100ゲームに達するたびに、ATを継続するか否かの抽選(継続抽選)が実行され、1/2の抽選確率で、ATが継続(ARTが継続)されるようになっている。そして、以降、ゲーム数が100ゲームに達するたびに継続抽選が実行され、最大で1000ゲームまでARTが継続するようになっている。
なお、ATには、100ゲーム毎の継続抽選に外れた場合の他にも、終了条件が設定されており、例えばBBやRBに入賞した場合や、液晶ディスプレイ18などに表示されて遊技者に報知されていた取りこぼし役(例えば「7、ベル、ベル」)を取りこぼした場合にも終了するようになっている。
実施形態のスロットマシン3では、「7(赤)、ベル、ベル」、「7(青)、ベル、ベル」、「7(白)、ベル、ベル」の小役の入賞フラグは、各々約1/12の抽選確率で成立するように設定されているため、「7、ベル、ベル」の小役の入賞フラグは、7の色を問わない場合には、1/4の抽選確率で成立する。
上記の小役のうち、何れかの「7、ベル、ベル」の小役の入賞フラグが成立すると、成立フラグの「7」の種類に対応して成立小役が報知される。
ここで、リール41(図4参照)の外周には、21個の図柄が周方向に並んで配置されており、左リール41Lでは、7(赤)、7(青)、7(白)の各図柄が、6コマの間隔を空けて(6個の図柄を間に挟んで)配置されている。また、中リール41Mと右リール41Rでは、最大で4コマの間隔を空けて(4個の図柄を間に挟んで)ベルの図柄が配置されている。
ここで、スロットマシン3では、ストップボタン27を押してから最大4コマまでリールをすべらせて止めることが許されているので、遊技者は、左リール41Lにおいてのみ、報知された色の7の図柄を引き込み可能な範囲でストップボタンを押すだけで、中リール41M、右リール41Rについては目押しの必要なく、「7、ベル、ベル」の小役を獲得できるようになっている。
また、通常遊技状態における再遊技の当選確率が約1/7.3であるのに対し、RT(ART)における再遊技の当選確率は、1/2.5となる。そしてRTは、「7、ベル、ベル」の小役を取りこぼした場合に停止する停止態様が表示された場合や、BBまたはRBに当選した場合に終了する。
よって、ATの継続抽選でATが終了になると、「7、ベル、ベル」の7の図柄の色の報知がなくなるので、遊技者は7の図柄の色を予想して目押しをすることになる。この場合、2/3の確率で取りこぼすことになるので、「7、ベル、ベル」を取りこぼしたゲームでRTも終了となる。
実施の形態のスロットマシンにおける役の種類と、抽選確率と、払出枚数との関係は、BB(図柄組み合わせ「7、7、7」)は、抽選確率が1/400で払出枚数が180枚(BBの図柄組み合わせが揃ったのち、複数回行われるビッグボーナスゲームによって、計180枚払い出される)であり、RB(図柄組み合わせ「BRA、BAR、BAR」)は、抽選確率が1/400で払出枚数が60枚(RBの図柄組み合わせが揃ったのち、複数回行われるレギュラーボーナスゲームによって、計60枚払い出される。)、スイカ(図柄組み合わせ「スイカ、スイカ、スイカ」)は、抽選確率が1/50で払出枚数が8枚であり、ベル(図柄組み合わせ「ベル、ベル、ベル」)は、抽選確率が1/100で払出枚数が10枚であり、7ベル(図柄組み合わせ「7(赤)、ベル、ベル」)は、抽選確率が1/12で払出枚数が10枚であり、7ベル(図柄組み合わせ「7(青)、ベル、ベル」)は、抽選確率が1/12で払出枚数が10枚であり、7ベル(図柄組み合わせ「7(白)、ベル、ベル」)は、抽選確率が1/12で払出枚数が10枚であり、チェリー(図柄組み合わせ「チェリー、ANY、ANY(ANYはどの図柄でも良いという意味である)」)は、抽選確率が1/50で払出枚数が2枚である。
また、リプレイ(図柄組み合わせ「リプレイ、リプレイ、リプレイ」)は、通常遊技状態での抽選確率が1/7.3であり、RT状態での抽選確率が1/2.5である、リプレイに入賞すると、メダルの払い出しは行われないが、メダルを投入することなく次の遊技を一回に限り行うことができるという再遊技ゲームが付与される。
また、入賞することでRT、AT、ARTを付与する特殊リプレイが設定されており、例えば、RT付与特殊リプレイ(図柄組み合わせ「ベル、リプレイ、リプレイ」)は、抽選確率が1/2000で、再遊技の特典とRTの特典が付与され、AT付与特殊リプレイ(図柄組み合わせ「ベル、ベル、リプレイ」)は、抽選確率が1/2000で、再遊技の特典とATの特典が付与され、ART付与特殊リプレイ(図柄組み合わせ「ベル、リプレイ、ベル」)は、抽選確率が1/2000で、再遊技の特典とARTの特典とが付与される。
ARTでは、「7、ベル、ベル」を取りこぼすことなく取得することが可能となるので、メダル3枚の投入(ベット)に対して、1ゲームあたり4枚のメダルの払い出しが期待でき、1ゲームあたりのメダルの純増枚数は約1枚となる。よって、ARTが100ゲーム続くと、最大で約100枚のメダル獲得が可能となる。
RAM54は、上記したカウンタやフラグなどの他にも、MPU51の内部レジスタの内容やMPU51により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリア、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)などを備えている。
実施の形態では、RAM54は、スロットマシン3の電源の遮断後においても電源基板70からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM54に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM54に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM54に記憶される情報に基づいて、スロットマシン3の状態が電源遮断前の状態に復帰される。
RAM54への書き込みはタイマ割込制御処理(図10)によって電源遮断時に実行され、RAM54に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU51のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路72からの停電信号が入力されるように構成されており、その停電信号がMPU51へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図9)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM54に記憶される。
入出力ポート52には、上記したベットボタン22、23、クレジット精算ボタン25、スタートレバー26、ストップボタン27、払出メダル検出センサ45a、第1投入メダル通過検出センサ38a、第2投入メダル通過検出センサ38b、ベットランプ19、クレジット枚数表示部20、排出枚数表示部21などのほかに、外部集中端子板80、サブ制御基板60などが接続されている。
外部集中端子板80は、複数の端子(図示せず)を有しており、メイン制御基板50(外部出力バッファ54b)およびサブ制御基板60とホールコンピュータ2とが、外部集中端子板80の各端子を介して接続できるように構成されている。
外部出力バッファ54bには出力情報が記憶されるようになっており、出力情報における各情報項目の設定データビットと、外部集中端子板80の端子とは、1対1に接続されている。そのため、メイン制御基板50から出力される各信号(例えば、BB中信号、RB中信号、AT中信号、補給要求信号など)は、それぞれひとつの出力経路によってホールコンピュータ2へ伝送(中継)される。
外部集中端子板80における図示されない端子は、フォトカプラによって構成されており、フォトカプラの一次側である発光ダイオードがスロットマシン3のメイン制御基板50に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)がホールコンピュータ2に接続されている。
よって、この外部集中端子板80を介して行われるスロットマシン3とホールコンピュータ2との間における通信は、端子を構成するフォトカプラの一次側に接続されたスロットマシン3から、フォトカプラの二次側に接続されたホールコンピュータ2への一方向通信となっており、ホールコンピュータ2からスロットマシン3側への不正な電気信号(パルス信号など)の伝送が防止されるようになっている。
図7は、スロットマシン3のサブ制御基板60の構成を説明するブロック図である。
サブ制御基板60は、メイン制御基板50から送信されるコマンドを受信して補助的な制御処理を行うものであり、メイン制御基板50と別個に設けられている。
サブ制御基板60は、上部ランプ16の点灯・点滅制御、スピーカ17からの報知音などの出力制御、表示用制御基板68を制御して液晶ディスプレイ18上に演出表示、ホッパ装置43からのメダルの払い出しや払出枚数の計算などを行うように構成されている。
サブ制御基板60には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU61と、そのMPU61に接続されると共にセンサ類やスイッチ類などの各種の入出力手段に接続され、メイン制御基板50から送信されるコマンドを受信する入出力ポート62が搭載されている。
MPU61には、MPU61により実行される制御プログラムや、上部ランプ用発光テーブル、報知音テーブルなどの固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行にあたって各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路等の各種回路などが内蔵されている。
さらに、クレジット精算ボタン25の操作に基づきメダルの排出が開始されてからメダルの排出が終了するまでの間にメイン制御基板50から送信されてきたメダル排出コマンドに基づきメダルの排出枚数をカウントする払出枚数カウンタ64a等の各種カウンタ等が内蔵されている。図13〜図17に示されたフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM63内に記憶されている。
入出力ポート62には、発光制御コントローラ66、報知音出力コントローラ67、表示用制御基板68、外部集中端子板80等が接続されており、表示用制御基板68との間ではデータ等を双方向に送受信可能に構成されている。
発光制御コントローラ66は、MPU61によりROM63の上部ランプ用発光テーブルから読み出された上部ランプ用発光データに基づいて上部ランプ16のLEDを発光制御するように構成される。
報知音出力コントローラ67は、MPU61によりROM63の報知音テーブルから読み出された報知音データに基づいてスピーカ17から報知音を出力するように構成されている。
電源基板70は、電源ボックス46内に設けられており、メイン制御基板50の他に、スロットマシン3の各電子機器に駆動電力を供給する電源部71と、電源断の発生を監視する停電監視回路72等の各種回路を備えている。スロットマシン3の電源オフ後には、電源基板70の電源部71からRAM54にバックアップ電圧が供給される。
停電監視回路72は、停電等の発生による電源断時(電源スイッチのオフによる電源断を含む)に、メイン制御基板50のNMI端子および入出力ポート52と、サブ制御基板60のNMI端子に、停電信号を出力するための回路である。
停電監視回路72は、電源基板70から出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号を出力するように構成されている。停電信号の出力に基づいて、メイン制御基板50は、停電の発生を認識し、停電時処理を実行するように構成されている。なお、停電監視回路72の停電信号は、メイン制御基板50とサブ制御基板60のNMI端子に代えて、INT端子に入力されるように構成しても良い。
また電源基板70は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。例えば、本実施の形態において30msecの間は、駆動電源が出力されるように構成されている。よって、メイン制御基板50は、停電時処理を正常に実行することができる。また、停電監視回路72を、電源基板70ではなく、例えばメイン制御基板50に設けるようにしても良い。
次に、遊技場内に設置されたスロットマシン3を管理するホールコンピュータ2の構成を説明する。図8は、実施の形態にかかるホールコンピュータ2の構成を示すブロック図である。
図1および図8に示すように、ホールコンピュータ2は、遊技場(ホール)内のスロットマシン3を集中管理するための外部装置である。
ホールコンピュータ2は、演算装置であるCPU201と、CPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内の制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するRAM203と、各種音声データを記憶した音声メモリ204と、スロットマシン3の外部集中端子板80に接続された入出力ポート205とを備えている。
ホールコンピュータ2の入出力ポート205には、バスライン206を介してCPU201とROM202とRAM203とが接続されていると共に、音声メモリ204が接続されている。
さらに、ホールコンピュータ2には、入出力ポート205を介して、スロットマシン3、メダル貸出機4、メダル回収装置6、メダル補給装置7、マウスやキーボードなどの入出力装置207、異常報知などの各種情報を視覚的に表示するディスプレイ208、そして異常報知などの各種情報を聴覚的に出力するスピーカ209などが接続されている。
RAM203の出力情報受信バッファ203aは、各スロットマシン3の外部集中端子板80から送信された出力情報を一時的に記憶する記憶領域であり、ホールコンピュータ2に接続されたスロットマシン3毎に専用の記憶領域が確保されている。
BB回数カウンタ203bは、ホールコンピュータ2に接続された各スロットマシン3でのBBの発生回数を計数するカウンタであり、遊技場の開店時のスロットマシン3の起動から現在までの間に何回のBBが発生したのかを示すデータである。
RB回数カウンタ203cは、ホールコンピュータ2に接続された各スロットマシン3でのRBの発生回数を計数するカウンタであり、遊技場の開店時のスロットマシン3の起動から現在までの間に何回のRBが発生したのかを示すデータである。
ART回数カウンタ203dは、ホールコンピュータ2に接続された各スロットマシン3でのARTの発生回数を計数するカウンタであり、遊技場の開店時のスロットマシン3の起動から現在までの間に何回のARTが発生したのかを示すデータである。
補給回数カウンタ203eは、ホールコンピュータ2に接続された各スロットマシン3にメダルの補給を実行した回数を計数するカウンタであり、遊技場の開店時のスロットマシン3の起動から現在までの間に何回の補給があったのかを示すデータである。
ここで、BB回数カウンタ203b、RB回数カウンタ203c、補給回数カウンタ203eは、それぞれ毎日リセットされる。
BB回数カウンタ203bの値は、スロットマシン3からBB中信号のオン信号が入力されるたびに、RB回数カウンタ203cの値は、スロットマシン3からRB中信号のオン信号が入力されるたびに、それぞれ1ずつ加算される。
補給回数カウンタ203eは、後記する補給要求信号処理において、スロットマシン3からメダルの補給が要求されたことが確認された場合に、1ずつ加算される。
ART回数カウンタ203dは、後記するART中フラグ203nがオンされるたびに、1ずつ加算される。
BB中獲得枚数カウンタ203fおよびRB中獲得枚数カウンタ203gは、それぞれBB中、RB中に遊技の結果獲得したメダルの枚数を計数するカウンタでありART中獲得枚数カウンタ203hは、ART中における遊技の結果、獲得したメダルの枚数を係数するカウンタである。
BB中フラグ203iは、BB中信号のオン信号を受信中であることを示すフラグである。
RB中フラグ203jは、RB中信号のオン信号を受信中であることを示すフラグである。
RT中フラグ203kは、RT中信号のオン信号を受信中であることを示すフラグである。
AT中フラグ203mは、AT中信号のオン信号を受信中であることを示すフラグである。
ART中フラグ203nは、スロットマシン3がART状態であることを示すフラグである。
これらフラグ203i〜203nは、電源投入時にオフに初期化されたのち、スロットマシン3からホールコンピュータ2に入力される出力情報の後記する出力情報受信処理(図21)において、オンまたはオフされる。
例えば、BB中フラグ203iの場合には、BB中信号に対応する設定データビットの値が1であることが確認された場合にオンされ、0であることが確認された場合にオフにされる。他の信号203j〜203mについても同様である。
補給要求フラグ203pは、補給要求信号のオン信号を受信した場合にオンされるフラグであり、スロットマシン3からの補給要求があったことを示すフラグである。
補給要求フラグ203pは、電源投入時にオフに初期化されたのち、スロットマシン3からホールコンピュータ2に入力される出力情報の後記する出力情報受信処理(図21)において、補給要求信号に対応する設定データビットの値が1であることが確認された場合にオンされる。そして、補給要求信号に対応する設定データビットの値が0であることが確認された場合にオフにされる。
受信履歴メモリ203qは、スロットマシン3から受信したBB中信号、RB中信号、RT中信号、AT中信号、補給要求信号などの受信履歴を記憶する。
例えばRB中信号の受信履歴の場合、後記する出力情報受信処理(図21)において、RB中フラグ203jがオフからオンに切り替わった場合に、RB中信号の受信履歴が、図示されない計時手段(例えば、RTC回路など)から取得した受信時刻と共に記憶される。
補給実行フラグ203rは、スロットマシン3にメダルを補給する場合にオンされるフラグである。
補給カウンタ203tは、スロットマシン3に補給するメダルの枚数を示すカウンタである。
補給要求終了フラグ203sは、スロットマシン3から送信された補給要求情報のオフ信号が、オン信号の終了に伴うオフ信号であるのかを区別するために用いられるフラグである。
なお、実施の形態においてホールコンピュータ2には、遊技場内に設置された複数のスロットマシン3の各々から出力された出力情報が入力されるので、RAM203の各カウンタ203b〜203h、203t、各フラグ203i〜203n、203r、203sそして受信履歴メモリ203qは、各スロットマシン3の出力情報を、何れのスロットマシンの出力情報であるのかを区別可能に記憶している。
実施の形態においてホールコンピュータ2は、メダル回収装置6の回収コンベヤ6aを駆動させる駆動コマンドをメダル回収装置6に出力すると共に、メダル補給装置7のホッパ装置7aおよびモータ7dを駆動させる駆動コマンドをメダル補給装置7に出力する。メダル補給装置7のメダルセンサ7eは、当該メダルセンサ7eが取り付けられているメダルシュート管7cを通過してスロットマシン3またはメダル貸出機4に補給されたメダルの枚数を示す信号をホールコンピュータ2に出力する。
次に、図9〜図12に示すフローチャートを参照して、メイン制御基板50で行われる各処理について説明する。
実施の形態では、メイン制御基板50で行われる処理として、電源投入に伴い起動されるメイン処理(電源投入時処理)と、定期的(本実施の形態では、1.49ms周期)に起動されるタイマ割込制御処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込処理が設定されている。
以下の説明では、便宜上、NMI割込処理とタイマ割込制御処理について説明し、その後にメイン処理について説明する。
図9は、NMI割込処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生等により電源が遮断されると、停電監視回路72から、停電信号がメイン制御基板50のMPU51に入力される。MPU51は、NMI端子を介して停電信号が入力されると、NMI割込処理を即座に実行する。なお、前記したようにメイン制御基板50においてNMI端子に代えてINT端子を設ける構成とした場合には、停電監視回路72の停電信号はINT端子を介して入力される。
NMI割込処理では、ステップ101において、MPU51内に設けられた使用レジスタのデータをRAM54内に設けられたスタックエリアへ退避させる処理(レジスタ退避処理)が実行される。
次に、ステップ102では、停電フラグをオンにして、停電発生情報をRAM54内に設けられた所定のワークエリアに設定する。その後、ステップ103において、スタックエリアへ退避させたデータを、MPU51に搭載の使用レジスタに復帰させる処理(レジスタ復帰処理)を実行して、本ルーチンの処理を終了する。
なお、使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグをセット処理可能な場合には、レジスタ退避処理とレジスタ復帰処理を省略することができる。
図10は、メイン制御基板50で定期的(本実施の形態では1.490ms毎)に実行されるタイマ割込制御処理のフローチャートである。
このタイマ割込制御処理では、例えば、クレジット精算ボタン25の操作状態読み込み処理、ホッパ装置43の払出メダル検出センサ45a、セレクタ31の投入メダル通過検出センサ38a、38b等の各種センサの監視処理、入賞抽選結果コマンド等のコマンド送信処理等が行われる。
まずステップ201に示すレジスタ退避処理では、通常遊技処理(図11参照)で使用している全レジスタの値をスタックエリアへ退避させる。ステップ202では、停電フラグがオンされているか否かを確認し、停電フラグがオンされている場合(ステップ202においてYes)、図9のNMI割込処理で説明した通り停電の発生であるので、ステップ203に進み停電時処理を実行する。
本実施の形態において、ステップ203の停電時処理は、タイマ割込処理のうち特にレジスタ退避処理(ステップ201)の直後に行われることから、他の割込処理を中断することなく実行可能である。従って、例えば各種のコマンドの送信処理中やスイッチの状態(オン又はオフ)の読み込み処理中等のように、各々の処理に割り込んで停電時処理が実行されることはないことから、このようなタイミングで停電時処理が実行されることを考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がない。これにより、停電時処理のプログラムを簡略化して、プログラム容量を削減可能となる。
一方、停電フラグがオンされていなければ(ステップ202においてNo)、停電は発生していないので、ステップ204以降の処理が行われる。
ステップ204では、誤動作の発生を監視するウォッチドッグタイマの値を初期化するウォッチドッグタイマクリア処理を行う。そして、ステップ205では、MPU51自身に対して割込許可を出す割込終了宣言処理を行う。ステップ206では、筐体本体10に収納された各リール41(41L、41M、41R)11の回胴モータ(ステッピングモータ)を回転駆動させる回胴モータ制御処理を行う。ステップ207では、各種スイッチのオン・オフ状態を読み込むスイッチ状態読み込み処理を行う。
ステップ208では、各種センサの状態を読み込んで、読み込み結果が正常であるか否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップ209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ減算処理を行う。
ステップ210では、IN・OUTカウンタ処理を行う。ステップ211では、補給カウンタ処理を行う。ステップ212では、サブ制御基板60へコマンドを送信するコマンド出力処理を行う。
例えばスロットマシンの遊技状態がATまたはART状態である場合には、このステップ212の出力処理により、入賞フラグの成立した入賞小役の種類を遊技者に通知するために、例えば液晶ディスプレイ18に報知情報を表示させるためのコマンドが出力される。
ステップ213において、クレジット枚数表示部20、排出枚数表示部21にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行ってから、ステップ214において、セグメントデータを各表示部20、21にそれぞれ供給して数字や記号などを表示させるセグメントデータ表示処理を行う。ステップ215では、入出力ポート52から出力データ(出力情報)を出力するポート出力処理を行う。
そして、これらの処理の実行後には、ステップ216において、スタックエリアへ退避させた各レジスタの値をそれぞれの対応のレジスタへ復帰させ、ステップ217にて次回のタイマ割込の発生を許容する割込許可処理を行って、タイマ割込処理を終了する。
図11は、電源投入時にメイン制御基板50で実行される起動処理のフローチャートである。電源スイッチがオン操作されてスロットマシン3の電源が投入されると(停電からの復旧による電源入を含む)、この処理が実行される。まず、初期化処理として、スタックポインタの値を設定し(ステップ301)、割込モードを設定し(ステップ302)、そしてCTC・内蔵レジスタの設定処理を行う(ステップ303)。
初期化処理が終了すると、ステップ304では、設定キーが設定キースイッチ(図示せず)に挿入されて、オンされているか否かを判定する。設定キースイッチがオンされている場合(ステップ304においてYes)、ステップ305に進み、強制的RAMクリア処理を実行して、RAM54の全ての内容を0クリアする。その後、ステップ306で6段階確率設定処理を実行する。6段階確率設定処理では、遊技の当選確率が6段階に切り替えられ、後述する遊技に関わる主要な制御を行う通常遊技処理(図12)に移行する。
一方、ステップ304において設定キースイッチがオンされていない場合(ステップ304においてNo)、ステップ307に進み、6段階確率設定値の設定値が、正常であるか否かを判定する。具体的には、設定値が、1〜6の範囲内のいずれかの正常な数値であり、0または7以上の異常な数値でないか否かを判定する。設定値が正常である場合(ステップ307においてYes)、ステップ308に進み、復電フラグがオンされているか否かを確認する。復電フラグがオンされていることを確認した場合(ステップ308においてYes)、ステップ309に進み、RAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM54のチェックサム値を調べ、RAM判定値を加味したチェックサムの値が正常の0であるか否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合(ステップ309においてYes)、RAM54のデータは正常であると判定する。
ステップ309においてRAM判定値が正常であると判定した場合、ステップ310に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をMPU51のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源断の前の状態に復帰させる。次に、ステップ311において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを設定する。その後、ステップ312にて遊技状態として打ち止め、自動精算設定処理を行い、続いてステップ313にてクレジット精算ボタン25などのスイッチ状態の初期化を行う。以上の処理の終了後、ステップ314において停電フラグをリセットし、電源断前の番地に戻る。具体的には、タイマ割込処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップ204)が実行される。
一方、ステップ307〜ステップ309のいずれかのステップにおいてNoであった場合、RAM54のデータが破壊されている等の異常が発生しているので、ステップ315以降の処理に進み、動作禁止処理を行う。具体的には、ステップ315において、次回のタイマ割込処理を禁止し、その後、ステップ316において、入出力ポート52内の全ての出力ポートをクリアして、入出力ポート52に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。そして、ステップ317に進んで、エラー表示を行ってバックアップエラーの発生を報知して、無限ループに入る。
図12は、図11に示すフローチャートに基づき電源投入後のメイン処理(電源投入時処理)が行われた後にメイン制御基板50のMPU51により行われる通常遊技処理のフローチャートである。
本ルーチンは、メイン制御基板50のMPU51により繰り返し行われるスロットマシン3の主要な制御処理であり、電源投入後に設定キースイッチがオフの場合(ステップ304においてNo)、前回の電源断時の番地に復帰する。一方、電源の投入後に設定キースイッチがオンされている場合(ステップ304においてYes)、図10に示す強制的RAMクリア処理(ステップ305)および6段階確率設定処理(ステップ306)が行われてから本ルーチンのステップ401に移行する。
まずステップ401では、初期化処理として本ルーチンにおいて割込を許可する割込許可の設定が行われて、ステップ402において遊技状態として打ち止め、および自動精算設定処理が行われ、例えば電源ボックス46に設けられた打ち止め有無スイッチ、自動精算有無スイッチ(それぞれ図示せず)の状態をRAM54の所定領域に格納してから、以下に説明する繰り返しルーチンに移行する。
ステップ403ではRAM初期化処理が行われ、RAM54において1回の遊技で使用される領域(RAM54の1回遊技用領域)をクリアする処理が行われる。本ステップでは、例えば、発生したエラーに関する情報、入賞図柄(ハズレを含む)、入賞ライン、入賞獲得メダル数等の入賞間に関する情報、遊技で用いた乱数、リール41の回転に関する情報などがクリアされる。
RAM54の初期化処理が行われると、ステップ404に進み、スタートレバー26の操作が行われたかを判定する始動装置ON待ち処理が行われる。本ステップで、スタートレバー26が操作されていない場合、MPU51は制御処理を行うことなく本ルーチンは待機する。ステップ404の処理では、スタートレバー26の操作が行われるまでルーチンが待機しているので、種々の処理が行われる。
例えば、上述のようにスタートレバー26が操作されないことにより所定時間に亘って遊技が行われなかった場合、液晶ディスプレイ18上で行われるデモに移行するためのタイマ設定処理を行う。また、当該遊技が再遊技である場合、メダルの自動投入処理を行う(クレジット枚数表示部20に表示されている数値は変わらない)。
このような処理ののち、前記したタイマ割込制御処理(図10)の中でセンサ監視処理が行われており(ステップ208)、かかる処理において、ホッパ装置43の払出メダル検出センサ45a、メダル残量センサ48、セレクタ31の第1投入メダル通過検出センサ38a、第2投入メダル通過検出センサ38bなどを監視していることから、これらのセンサで異常が発生した場合には、エラー報知を行うためのセンサエラー報知処理を行う。
センサエラーが発生していないか、または所定のセンサエラー報知処理を行ったのち、クレジット精算ボタン25が操作されたのかどうかの判断がなされる。クレジット精算ボタン25が操作されたものと判定した場合、メダルの排出開始にかかる精算排出開始コマンドを生成し、貯留メダルの排出を行うべく貯留メダル排出処理に移行する。
MPU51により行われる貯留メダル排出処理では、例えばRAM54のメダル数記憶エリア54aに電子的に記憶されているメダル数を読み出し、読み出した数値をホッパ装置43の払出メダル検出センサ45aの検出信号に基づいて1ずつ減算していく。そして、メダル数記憶エリア54aのメダル数が1ずつ減算する毎にメダル排出コマンドをサブ制御基板60に送信できるようにRAM54のリングバッファに格納する。そして、読み出されたメダル数記憶エリア54aの数値がゼロとなったときに、ホッパ装置43から排出が終了したものと認識する。このとき、メダルの精算終了にかかる精算排出終了コマンドを生成してRAM54に格納する。
そして、メダル投入口24からメダルの投入があった場合には、投入枚数の判定処理がなされる。例えば、セレクタ31の第1投入メダル通過検出センサ38aと第2投入メダル通過検出センサ38bの検出信号に基づき適正な検出信号であれば、1枚のメダルとして認識する。また、この段階で、メダル排出報知等の所定の演出が行われている場合、MPU51によるメダルの認識をもって所定の演出を強制的に終了させるコマンド(例えば、メダル排出報知強制終了コマンド)を生成する。
そして、例えば、メダル投入口24から1枚〜3枚のメダルが投入されるか、または何れかのベットボタン22、23が操作されて、投入されたメダルの枚数が規定数に到達したのち、スタートレバー26の操作がなされたものと判定した場合には、メダルの受け入れを禁止する処理が行われる。例えば、セレクタ31の切換片37aをメダル案内路33に突出させて、メダル受入禁止中に投入されたメダルを分岐通路36に誘導し、前面扉11のメダル払出口302からメダル受け皿30に排出させる処理が行われる。あるいは、ベットボタン22、23のいずれかのベットボタンが操作されても、ベットボタンの操作と判定しないような処理が行われる。そして、メダル受入禁止処理を行って本ステップの処理を終了する。あるいは、この段階でも未だにスタートレバー26の操作がなされていない場合には、上述のセンサエラー処理から繰り返して行う。
このようにして、エラーが発生するか、メダルの精算排出が開始されるか、セレクタ31の切換片37aの出没処理が行われるか、またはメダルの投入等が行われると、サブ制御基板60にコマンドを送信するために各々の処理で生成されたコマンドがRAM54のリングバッファに格納される。
ステップ404でスタートレバー26が操作されると、ステップ405に進み、乱数作成処理が行われる。具体的には、ステップ404でスタートレバー26の操作がMPU51により認識されると、メイン制御基板50に搭載された発振器の所定周期に基づきカウントするフリーランニングカウンタ(図示せず)のカウント数をハードウエア的にラッチし、所定のタイミングでMPU51が乱数値として読み出すことによって作成される。このようにしてMPU51に読み出された乱数値はRAM54に格納される。
乱数が作成されると、ステップ406に進んで6段階確率設定処理(ステップ306)で設定された設定値に応じて決められた当選確率に基づき内部抽選処理が行われる。内部抽選処理とは、ステップ405においてRAM54に格納された乱数値に基づいて、ROM53に予め設定されている入賞テーブルの数値範囲との対比によって入賞しているのか否かを決定する処理である。
内部抽選処理で使用される入賞テーブルには、メダルの払い出しが比較的多いビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)等の入賞役、これらの入賞役と対称的に、メダルの払い出しが比較的少ないチェリー等の入賞役(通常、複数種類の入賞役が設定され「小役」と称されている)、このような入賞役に該当せずメダルの払い出しが行われないハズレ、そしてメダルの払い出し自体は行われないが、メダルを投入することなく次の遊技を一回に限り行うことができる再遊技役等の複数種類の入賞役が設定されている。
さらに、実施の形態では、通常遊技状態よりも、再遊技への入賞確率が高い状態で遊技が進行するリプレイタイム(RT)、同時にねらうことのできない小役入賞のフラグが成立したこと、およびフラグが成立した小役の種類を遊技者に報知して、遊技者が小役入賞を取りこぼさないようにしながら遊技できるようにアシストするアシストタイム(AT)、アシストタイムとリプレイタイムの両方の特徴を備えるアシストリプレイタイム(ART)の入賞役が設定されている。
これら各々の入賞役に対して、その入賞役に当選する割合が、フリーランニングカウンタにより生成される所定の範囲の乱数に所定の数値範囲にて設定されている。各々の入賞役は、6段階確率設定処理(ステップ306)において設定された当選確率(「設定1」〜「設定6」)に基づいて数値範囲を変えて設定されている。例えば、当選確率の設定値の数字が小さくなるほど、ハズレ以外の入賞役の数値範囲が狭くなるように設定されている。そして、現在設定されている設定値と、内部抽選によって得られた結果をRAM54の所定のワークエリアに格納する。
MPU51において内部抽選処理が行われると、ステップ407に進んで回胴回転初期化処理が行われる。回胴回転初期化処理では、ステップ406の内部抽選結果に基づきリール41の回転制御で用いられる制御テーブルの中からテーブル番号を決定する。
そして、ステップ408において前回のリール41の回転開始から4.1秒が経過したかどうかの4.1秒経過待ち処理が行われ、具体的には、設定された4.1秒タイマの数値がゼロとなっているかどうかの確認がなされる。本ステップで4.1秒が経過していない場合には、現在の遊技状態を表す状態コマンド(以下、単に「状態コマンド」と称する。)をRAM54に格納し、上部ランプ16等を通じてウエイト処理(即ち、4.1秒待ち)を報知する。
一方、4.1秒経過している場合には、次回の4.1秒経過待ち処理のために4.1秒タイマを設定すると共に、状態コマンドをRAM54に格納し、タイマ割込制御処理の中で投入メダルの枚数を出力できるように(ステップ210)所定の設定を行う。
その後、リール41のモータ制御初期化処理が行われ、リール41の回転に関するRAMの所定領域を回転開始用に設定する処理が行われる。このような設定が行われると、ステップ206の回胴モータ制御処理に基づき回胴用モータ(ステッピングモータ)の加速処理が実際に開始され、リール41の回転が開始される。
リール41が実際に回転開始すると、ステップ409に進み回胴回転処理が行われる。本ステップでは、回胴回転処理で用いるRAMの所定領域を初期化し(上記のステップ408)、回胴回転情報コマンドと状態コマンドを格納し、上述の回胴用モータの加速処理に基づきリール41が正常回転となるまで待機する。リール41の回転が正常回転か否かの判断は、回胴モータ制御処理(ステップ206)に基づき加速処理が終了した時点でのインデックス検出によって行われる。インデックス検出に基づきリール41の回転が正常回転になったものと判定された場合、スロットマシン3の設定状態が後記する所定の停止操作によりリール41の回転を停止させることができる状態であると判定し、回転停止可能である旨の報知を行う。
リール41の回転が停止可能状態にある旨の報知は、ストップボタン27に内蔵されたランプの発光形態を変化させることにより行われる。例えば、ストップボタン27のランプの発光させる色を変更したり、消灯状態であったランプを点灯状態にすることにより報知が行われる。なお、このような報知は、ストップボタン27の操作が有効となったストップボタンのみにおいて行われる。
そして、有効となったストップボタン27が実際に操作されると、ステップ406の内部抽選処理で決定された停止図柄の組み合わせをステップ407で設定したテーブル番号に基づきリール41を停止させる処理を行う。本ステップにおいてリール41を、テーブル番号で設定されているとおりに停止させることは必ずしも必要なく、例えばストップボタン27の停止順序や停止位置に応じてテーブル番号を変更したり、強制的にリール41を引き込むような処理を行うようにリール41のステッピングモータの駆動制御を行う。リール41が停止すると、停止したリール41に対応したストップボタン27の操作許可が無効となる。
このようなリール41の停止処理は、全てのリール41(41L、41M、41R)が停止するまで行い、リール41の回転が停止する毎に対応するストップボタン27の操作許可を無効にして、全てのストップボタン27の操作許可が無効となって時点で本ステップを終了する。ステップ409では、リール41(41L、41M、41R)のいずれかのリールが停止する毎に、回胴回転情報コマンド、停止図柄コマンドをRAM54に格納する。
全てのリール41が停止すると、ステップ410に進んで入賞図柄判定処理が行われ、表示窓15を通じて認識可能なリール41の図柄がどのような組み合わせにて停止しているのかを判定する。
本ステップでは、まず遊技状態に応じて有効ラインを判断する。具体的には、5本ある有効ラインのうちのどのラインが有効なのか遊技状態に基づき判断する。例えば、遊技状態が通常遊技である場合、ベット数に応じて有効ラインが1ライン〜5ラインまでとなり、例えばベット数が3枚であると5ラインの全てが有効ラインとなる。また、遊技状態が役物遊技である場合、ベット数は1枚で1ラインのみが有効となる。
有効ラインの本数を認識すると、表示窓15を通じて認識可能な図柄(9マス分)が有効ライン上でどのような組み合わせにて停止しているのかを各有効ライン毎に判定する。表示窓15における絵柄は、各リール41(41L、41M、41R)の各々の絵柄に付されている図柄番号に基づいて認識される。
各有効ライン毎の図柄の組み合わせを認識し、図柄が所定の入賞図柄にて揃っている場合には、入賞図柄として設定し、その入賞図柄に対応した払出枚数をホッパ装置43から払い出すことができるように所定の設定を行う。このとき、有効ライン上に複数の入賞図柄が揃っている場合には、各々の入賞図柄に対応した払出枚数を順次加算していく処理が行われるが、スロットマシン3は1回の払出枚数として規定数(通常15枚)のメダルだけを払い出すように構成されているので、払出枚数を加算して規定数を超過したときには払出枚数を規定数に変更する処理が行われる。また、ステップ406の内部抽選処理により決定した入賞図柄以外の図柄が有効ライン上に停止した場合には、エラーとして認識する。
ステップ410において、認識した入賞図柄、入賞図柄が揃っていた有効ライン及びエラーが発生した場合にはエラーをそれぞれ入賞図柄コマンド、入賞ラインコマンド及びエラーコマンドとしてRAM54に格納する。
次いで、ステップ411に進み、ステップ410において設定された払出枚数に基づき獲得したメダルの払い出しが行われる。ステップ410において払出枚数が0枚である場合、ステップ411は行われることなく次のステップにスキップされる。
クレジット精算ボタン25の操作により貯留モードとなっている場合には、スロットマシン3のクレジット機能により、RAM54のメダル数記憶エリア54aに50枚になるまで電子的に蓄積していき(クレジット枚数表示部20に表示されている数値に1ずつ加算されて表示される)、50枚を超えた時点でホッパ装置43からメダルを払い出す処理を行う。一方、支払モードとなっている場合には、本ステップにおいて認識した払出枚数分のメダルがホッパ装置43から払い出される。
本ステップにおいて、獲得メダルの払出にかかる払い出し開始コマンドと獲得した全てのメダルの払い出し終了にかかる払出終了コマンドがそれぞれ払い出し種別コマンドとしてRAM54に格納される。
そして、ステップ412に進んでステップ410の入賞図柄判定処理にて設定した入賞図柄について再遊技にかかる入賞図柄であるのかどうかを判定する。入賞図柄が再遊技でない場合には本ステップが行われることなくスキップされる。一方、入賞図柄として再遊技が設定されている場合、内部状態を再遊技に設定する等の必要な設定を行い、遊技状態が再遊技である状態コマンドをRAM54に格納する。
現在の内部状態がBBまたはRB中である場合、ステップ413に進んで役物作動中の処理を行う。BB中である場合、BB中に獲得することができるメダルの上限の枚数等のチェックを行い、RB中である場合、RBの回数等のチェックを行う。
これらのチェックを行うと、内部状態や、外部出力バッファ54bに記憶された外部集中端子板80から出力させる出力情報の変更等を行う。
そして、本ステップがBB中であり、このBB終了と判断した場合には、特別遊技制御終了コマンドをRAM54に格納にしたのち、終了ディレイの処理、外部集中端子板80の出力情報クリア処理、打ち止め/自動精算処理を行い、BB用に使用されたRAM54の領域をクリアすると共に、BB中フラグ54gと補給判断終了フラグ54eをオフにして、本ステップを終了する。
また、本ステップがRB中、RT中、AT中、ART中であり、これらの終了と判断したときには、RBの場合は、RB中フラグ54fと補給判断終了フラグ54eがオフにされ、RT、AT、ARTの場合は、それぞれBBの場合と同様の処理が行われて、RT中フラグ54h、AT中フラグ54i、ART中フラグ54jが、それぞれオフされることになる。
ステップ410の入賞判定処理で設定した入賞図柄がBBまたはRBである場合には、ステップ414に進んで役物作動判定処理を行う。本ステップにおいて、入賞図柄がBBである場合、BB開始時のウエイト処理、RAM54の初期化処理、BB中に獲得できるメダルの枚数の設定処理、外部集中端子板80の出力情報の変更処理、BB開始処理等のBBを開始するに当たり必要な処理を行う。一方、RBである場合、RB最大ゲーム数コマンド、RBゲーム数コマンドをRAM54に格納する。
そして、内部状態がBB中やRB中の場合には、ステップ415において、後記する補給要求処理を実行する。ステップ415に続いてステップ416では、ゲーム数表示設定処理を行う。具体的には、ステップ413またはステップ414においてチェックしたゲーム数を液晶ディスプレイ18に表示させる所定の処理を行う。なお、内部状態がBBまたはRB以外のときには、液晶ディスプレイ18の表示がクリアされる。そして、遊技終了後に、内部状態が変化している(BB中またはRB中での変化等)場合には、状態コマンドをRAM54に格納する。
以上説明したルーチンを終了すると、再びステップ403に戻って本ルーチンが繰り返し行われる。
次に、図13〜図17に示すフローチャートを参照して、サブ制御基板60で行われる各処理について説明する。サブ制御基板60で行われる処理として、所定周期毎に行われるタイマ割込処理と、メイン制御基板50からコマンドデータが送信されてきたときに行われるコマンド割込処理と、停電処理と、サブ制御基板60で主として行われるメイン処理が設定されている。以下の説明において、便宜上、タイマ割込処理、コマンド割込処理及び停電処理について説明し、その後にメイン処理について説明する。
図13は、サブ制御基板60のMPU61により定期的(本実施の形態において1.0ms毎)に行われるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、サブ制御基板60において周期的に実行することによりRAM64に割込回数を蓄積して、MPU61により実行されるメイン処理でのタイマ処理(1msタイマ処理)に用いている(図16参照)。
タイマ割込処理が開始されると、まずステップ501において、割込フラグの読み込みを行う。この処理は、本ルーチンの最後に読み込んだ割込フラグをクリアするために行われるものである。ステップ501において割込フラグが読み込まれると、ステップ502に進み、読み込まれた割込フラグが有効なフラグであるかどうかの確認がなされる。割込フラグが有効でない場合(ステップ502においてNo)、以下に説明する処理が行われることなく本ルーチンは終了する。
一方、割込フラグが有効である場合(ステップ502においてYes)、ステップ503に進んで、割込タイマカウンタに「1」が加算されて、カウンタの値が更新される。割込タイマカウンタの値が更新されると、ステップ504に進み、次回の割込が行えるように割込フラグがクリアされて、タイマ割込処理を終了する。本ルーチンでは、1.0ms毎に割込があると、割込タイマカウンタのカウント数を単に「1」ずつ加算していき、減算されない限り割込タイマカウンタの更新値はクリアされないように構成されている。
図14は、メイン制御基板50からコマンドが送信されてきた場合に行われるコマンド割込処理の一例を示すフローチャートである。上記したように、サブ制御基板60は、メイン制御基板50から送信されてくるコマンドに基づき上部ランプ16、スピーカ17などを制御するように構成され、メイン制御基板50に対して所定のコマンドを送信できないことから、メイン制御基板50からのコマンドを確実に受信する必要がある。このような理由から、本ルーチンは、サブ制御基板60においてメイン制御基板50から送信されてきたコマンドを確実に受信するために設けられた制御処理であり、サブ制御基板60において行われる制御処理の中でも優先順位が高く設定されている。
まずステップ601において、受信したストローブが正常であるかどうかのチェックが行われる。本実施の形態においてメイン制御基板50から送信される1のコマンドは2バイトで構成されていることから、1のコマンドの先の1バイト目が送信されてきたのかを確認する。これにより、例えばクレジット精算ボタン25等の操作時に発生するチャタリング等のノイズに基づいて本ルーチンによる処理が行われることを防止することができる。
受信したストローブが正常である場合(ステップ601においてYes)、ステップ602において、送信されてきたコマンドの先頭の1バイトを取得する。そして、ステップ603に進んで、取得したコマンドデータが正常であるかどうかを判断する。
取得したコマンドデータが正常である場合(ステップ603においてYes)、ステップ604に進んで、取得したコマンドデータについて実際にコマンドを受信するコマンド受信処理が行われる。具体的には、コマンドデータの先頭の1バイト目を受信しているので、次の1バイトを受信してRAM64の所定のエリアに格納する。上記したように、メイン制御基板50から送信されてきたコマンドデータを確実に受信する必要があるので、コマンドデータが正常であると判定されたときには、確実に取り込み保持してMPU61により行われるメインの処理(図16参照)でコマンドデータの解析を行うことができるようにする。
例えば本実施の形態において、メイン制御基板50側から送信されたクレジット精算ボタン25の操作にかかるコマンド、そのクレジット精算ボタン25の操作に基づく精算排出開始コマンド、貯留メダルの排出の終了にかかる精算排出終了コマンド、メダル排出コマンドなどを本ルーチンによって受信する。なお、本ルーチンでは、メイン制御基板50から送信されてきたコマンドは、RAM64の所定ワークエリアに格納されるだけである。
ステップ604においてコマンド受信処理が終了すると、ステップ605に進んで、リトライカウンタにリトライ最大数を設定する。ステップ604において本ルーチンの目的であるメイン制御基板50のコマンドデータを受信してサブ制御基板60のRAM64に格納したので、リトライの最大数をリトライカウンタに設定する。
一方、ストローブが正常でない場合(ステップ601においてNo)、上述のようにノイズ等に起因する信号である可能性が高いのでコマンドデータの取得処理を行わずに、ステップ606に進んでステップ605と同様にリトライカウンタにリトライ最大数をセットする。
また、コマンドデータの取得時にコマンドデータが異常であると判定した場合(ステップ603においてNo)、ステップ607に進んで、リトライカウンタに「1」を加算して更新する。
ステップ605〜ステップ607の各々のステップでリトライカウンタの処理を行うと、ステップ608においてリトライカウンタの値が最大値であるかどうかを判定する。上記したように、ステップ605およびステップ606においては、リトライカウンタにリトライ最大数がセットされることから、以下に説明する処理に移行する。一方、ステップ607を経由して移行してきた場合には、リトライカウンタにリトライ最大数(最大値)がセットされていない場合もあるので、リトライカウンタの値を読み出すことによって最大値まで到達しているかどうかを判定する。
リトライカウンタの値が最大値である場合(ステップ608においてYes)、ステップ609に進み、割込フラグ読込処理により割込クリアのための読み込みを行い、次いでステップ610に進んで、リトライカウンタの値をクリアし、最後にステップ611で割込フラグをクリアする。
一方、リトライカウンタの値が最大値に到達していない場合(ステップ608においてNo)、ステップ609〜ステップ611までの処理を行うことなく本ルーチンを終了する。リトライカウンタの値が最大値でないことから、最大値となるまで本ルーチンを繰り返すことにより、メイン制御基板50からコマンドデータの取得を継続して行う。
図14に示したフローチャートに基づきコマンド割込処理を行うと、ステップ604におけるコマンドデータの受信処理に先立って、ステップ601の処理とステップ603の処理の2回に亘ってコマンドデータのチェックを行うことにより、ノイズを排除することができるので、メイン制御基板50から送信されたコマンドデータを確実に受けることができる。また、ステップ604において一度でコマンドデータを受信できなくても、リトライカウンタの値が最大値となるまで本ルーチンを繰り返すことによりコマンドデータの確実な受信を可能にしている。
図15は、図9に示したNMI割込処理により停電処理が開始されるのに同期してサブ制御基板60において行われる停電処理の一例を示したフローチャートである。
まずステップ701において、外部RAM書き込み処理が行われると、ステップ702に進んで、電圧が復帰しているかどうかを判定する。上記したように、停電監視回路は電源基板の電圧を監視しており、所定の電圧(22ボルト)未満となった場合に停電監視回路からメイン制御基板50とサブ制御基板60のNMI端子に停電信号が送信されるので、所定の電圧以上に電圧が復帰したのかどうかを監視している。電圧が復帰しない場合(ステップ702においてNo)、電圧が復帰するまで待機する。なお、停電信号はNMI端子に代えて、INT端子に送信されるようにしても良い。
一方、電圧が復帰した場合(ステップ702においてYes)、ステップ703に進んで、30ms待機して、更にステップ704に進み電圧が復帰したのかどうかを判定する。なお、本ステップの待機時間は、30msに限らずに種々の時間を設定可能である。
ステップ704では、ステップ702での処理と同様に電圧が所定の電圧に復帰したのかどうかを判定している。電圧が所定の電圧に復帰していない場合(ステップ704においてNo)、ステップ702と同様に電圧が復帰するまで待機する。
一方、電圧が所定の電圧に復帰した場合(ステップ704においてYes)、ステップ705に進み、起動処理を行って、以下に説明するメイン処理に移行する。
図16は、サブ制御基板60のMPU61により行われるメイン処理の一例を示したフローチャートである。本ルーチンは、サブ制御基板60のMPU61により繰り返し行われる主要な制御処理であり、メイン制御基板50から送信されてきたコマンドを解析し、解析結果に基づいて上部ランプ16、スピーカ17等を制御するのに必要な設定を行う。
まずステップ801において、MPU61により初期化処理が行われる。例えば、MPU61から入出力ポート62を介して上部ランプ16の点灯にかかる信号が出力されたり、表示用制御基板68に液晶ディスプレイ18を表示させる信号を出力する。そして、ステップ802に進み、本ルーチンの主要な処理に先立ってスロットマシン3のシステム状態が電圧低下状態にあるのかどうかを判定する。
システム状態が電圧低下状態にある場合(ステップ802においてYes)、例えば電源スイッチのオフ操作に基づきスロットマシン3が電源断となるべく処理が進行していると判断し、以下に説明するルーチンを行わず、図15のフローチャートで示した停電処理に移行する。
一方、システム状態が電圧低下状態でない場合(ステップ802においてNo)、ステップ803に進んで、割込タイマカウンタにカウント数が加算されているかどうかを判定する。図13に示したタイマ割込処理で説明したように、タイマ割込処理では1.0ms毎の周期で起動することによって割込タイマカウンタにカウント数が漸次加算されていることから、割込タイマカウンタのカウント数を読み出すことによって割込タイマカウンタが更新されているのかどうかを判定する。
割込タイマカウンタのカウント数が更新されている場合(ステップ803においてYes)、ステップ804に進んで、割込タイマカウンタのカウント数から「1」を減算することによって、カウント数を更新する。そして、ステップ805において割込タイマカウンタから減算した1回分の1msの処理を1msタイマ処理として実行する。
ここで、1msタイマ処理について説明する。図17は、メイン処理の過程で行われる1msタイマ処理の一例を示したフローチャートである。
まずステップ901では、起動時コマンドチェック処理が行われる。例えば、電源スイッチのオン操作によりスロットマシン3が起動された後にRAM54のデータが破壊されている等によってエラー表示がなされた場合(図11のステップ317)、メイン制御基板50のMPU51自身はエラー状態をサブ制御基板60に送信できず、また、サブ制御基板60側でも、メイン制御基板50からコマンドデータの送信がない旨のコマンドをメイン制御基板50に出力できない。従って、ステップ901では、所定時間、例えば2秒以内にメイン制御基板50からのコマンドを受信しない場合、サブ制御基板60のMPU61は、表示用制御基板68を通じて液晶ディスプレイ18にエラー表示を行ったり、外部集中端子板80を通じて遊技場のホールコンピュータ2にエラーの発生にかかる信号を送信したりする等して、エラーの発生を周囲に対して報知する制御を行う。
ステップ901において、起動時コマンドチェック処理により正常にコマンドの受信を認識すると、ステップ902に進んで、デバイス制御処理が行われる。具体的には、前回の1msタイマ処理において上部ランプ発光データ、報知音データ等の演出データの変更処理が行われた場合(後記するステップ907)、変更データに基づいて報知等が行えるように上部ランプ16、左右のスピーカ17等に変更データをセットする。例えば、MPU61によりROM63の報知音テーブルから音量を一段階大きくした内容の報知音データが読み出されて、スピーカ17の報知音出力コントローラ67にセットされる。
ステップ902のデバイス制御処理が行われると、ステップ903に進み、システム状態変更処理が行われる。システム状態には、例えば、電圧低下状態、初期化状態(液晶ディスプレイ18の初期化待ち状態を含む)等が含まれ、システム状態が変更されたことによりサブ制御基板60上で必要な設定処理が行われる。
次いで、ステップ904に進み、貯留メダル精算処理が行われる。詳細については後述するが、貯留メダルの排出である場合、メイン制御基板50からのコマンドに基づいてサブ制御基板60のMPU61は排出されているメダルの枚数が基準排出メダル数に到達したのか否かについて判断する。
そして、ステップ905に進み、電圧低下チェック処理によりスロットマシン3の電圧状態のチェックが行われると、ステップ906に進み、10msタイマ処理が行われる。10msタイマ処理では、例えば上部ランプ16のLEDの上部ランプ発光用テーブルを更新したり、上述のデバイス制御処理(ステップ902)の例示のように、変更された報知音データがセットされたら、報知音出力コントローラ67によりスピーカ17の音量を実際に変更したりする処理が行われる。ここでは、10ms毎にタイマ処理を行うようにしているが、より長い周期毎に処理を行っても実際に行われるメダル排出報知制御に影響を与えないことから、例えば100ms程度のタイマ処理として行うようにしても良い。
ステップ906の10msタイマ処理が終了すると、ステップ907に進み、演出データ変更処理が行われる。ここでは、次回の1msタイマ処理において、スピーカ17の報知音を変更し、例えば、スピーカ17からの報知音を一段階大きくするような場合、当該報知音データに基づいて出力される報知音より一段階大きい報知音に関する報知音データをROM63の報知音テーブルから取り出して次回の1msタイマ処理で報知音出力コントローラ67にセットできるように準備する。
このようにしてステップ901〜ステップ907までの一連の処理が行われると、本ルーチンは終了する。
図16のメイン処理の説明に戻り、ステップ805の1msタイマ処理が終了すると、ステップ806に進み、システム状態が電圧低下状態であるかどうかの判定がなされる。システム状態が電圧低下状態である場合(ステップ806においてYes)、ステップ802においてシステム状態が電圧低下状態であると判定したときと同様に停電処理に移行する。
一方、割込タイマカウンタにカウント数が加算されていない場合(ステップ803においてNo)及びシステム状態が電圧低下状態でない場合(ステップ806においてNo)、ステップ807に進んで、受信コマンドの有無を判定する。受信コマンドがない場合(ステップ807においてNo)、ステップ809に進んで乱数ベース値を加算することによって更新して、ステップ802に戻る。
一方、受信コマンドがある場合(ステップ807においてYes)、ステップ808に進み、受信コマンドチェック処理が行われ、メイン制御基板50から送信されてきたコマンドの解析が行われる。
本ルーチンの受信コマンドチェック処理によるコマンドの解析では、最初に受信コマンド別の処理が行われ、受信したコマンドの種別を認識する。上記したように、メイン制御基板50から送信されてきたコマンドは、サブ制御基板60のMPU61によるコマンド割込処理によってRAM64の所定のワークエリアに格納されていることから(図14参照)、RAM64のワークエリアからコマンドの先頭の1バイト目を読み出し、コマンドの種別を認識する。本実施の形態において、例えば、どのようなコマンドに基づいてホッパ装置43からメダルを支払うのかをサブ制御基板60のMPU61に認識させる払い出し種別情報が設定されている。
次に、コマンドの2バイト目を読み出し、払い出し種別情報に更にコマンドが設定されているのかを認識する。例えば、払い出し種別コマンドとして、貯留メダル排出コマンド、投入メダル排出コマンド、獲得メダル払い出しコマンド、および自動精算コマンドの4種類が設定されているので、この中のどのコマンドが送信されてきたのかを解析する。本実施の形態では、例えば、MPU61は貯留メダル排出コマンド(クレジット精算ボタン25の操作によりメイン制御基板50から送信されてくるコマンド)であると解析している。
ステップ808の受信コマンドチェック処理により、受信したコマンドの解析が終了すると、ステップ809で乱数ベース値の更新が行われて、ステップ802に戻る。
次に、通常遊技処理(図12)における補給要求処理(ステップ415)を詳細に説明する。図18は、補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
補給要求処理は、図12の通常遊技処理の内部抽選処理(ステップ406)によりBBまたはRBに当選し、入賞図柄判定処理(ステップ410)により、BBまたはRBへの入賞が確定した場合に、役物作動判定処理(ステップ414)に続いて、メイン制御基板50のMPU51により実施される。
始めに、ステップ1001において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定すると、ステップ1002において、補給判断終了フラグ54eがオフであるか否かが確認される。
ステップ1002において補給判断終了フラグ54eがオフである場合、ステップ1003において、補給カウンタ54dの値を0クリアする。
ステップ1004において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル貯留量が不足しているか否かが確認される。
前記したように、メダル残量センサ48は、貯留部44内のメダルの高さが規定高さ以上になると、導電ロッド48a、48aがメダルを介して導通状態になってON信号を出力し、所定高さ未満になると非導通状態になってON信号を出力しない。よって、ON信号が出力されていない場合、規定高さ以上のメダルが貯留されていない(メダルの貯留量が不足している)と判断される。
ここで、メダル残量センサ48が検出する規定高さは、BBやRBの際にスロットマシンから払い出され得るメダルの最大枚数に基づいて設定されている。例えば、BB時に払い出され得る最大枚数が300枚で、RB時に払い出され得る最大枚数が100枚である場合には、貯留部44内に400枚(300枚+100枚)のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定される。
よって、メダル残量センサ48は、貯留部44内におおよそ400枚のメダルが貯留されている場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態となり、そこからメダル枚数が少なくなると非導通状態となって、ステップ1004においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ1004においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ1005において、RAM54の補給カウンタ54dに補給情報をセットする。具体的には、補給カウンタ54dの値として、「1」がセットされる。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)の補給カウンタ処理(ステップ211)とポート出力処理(ステップ215)により、ホールコンピュータ2にメダルの補給を要求するために、補給要求信号のオン信号が出力されるようになる。
続いて、ステップ1006において、補給判断終了フラグ54eの値が「1」にされて、補給判断終了フラグ54eがオンにされる。
ここで、補給判断終了フラグ54eは、補給の要否の判断が行われたか否かを示すフラグであり、1(オン)である場合には既に補給の要否の判断が行われたことを、0(オフ)である場合には、補給の要否の判断が行われていないことを、それぞれ示している。
実施形態では、BBまたはRBへの入賞が確定した場合に、BBまたはRBにおける最初の遊技の開始前に1回、メダルの補給の要否判断が実行されるようになっている。ここで、図12のステップ403〜ステップ416までの処理は、1回の遊技毎に繰り返し実行されるので、BBまたはRBの間に実行される以降の補給要求処理において、既に補給の要否の判断が行われたことを確認できるようにする必要がある。よって、ステップ1006において補給判断終了フラグ54eをオンにして、ステップ1002において、補給判断終了フラグ54eがオンである場合には、ステップ1003以降の処理が実行されずに、補給要求処理を終了するようになっている。
なお、補給判断終了フラグ54eは、通常遊技処理(図12)の役物作動中の処理(ステップ413)において、BBまたはRBが終了したと判断された場合(BB中フラグ54g、またはRB中フラグ54fがオフにされた場合)にオフにされて、次回のBBまたはRBの入賞時に、補給要否の判断が改めて行えるようになっている。
なお、ステップ1004において貯留部44に規定高さ以上メダルが貯留されており、メダルの貯留量が不足していない場合には、貯留部44へのメダルの補給が必要ないので、処理が終了し、補給カウンタの値が「0」のままで保持される。
次に、タイマ割込制御処理(図10)において行われる補給カウンタ処理(ステップ211)を詳細に説明する。図19は、補給カウンタ処理の詳細を示すフローチャートである。
補給カウンタ処理は、タイマ割込制御処理(図10)のIN・OUTカウンタ処理(ステップ210)に続いて、メイン制御基板50のMPU51により実行される処理である。
始めに、ステップ1101において、補給カウンタ処理の実行タイミングを規定する補給カウンタタイマ54cの値が、0(ゼロ)であるか否かが確認される。
補給カウンタタイマ54cの値が0(ゼロ)である場合、ステップ1102において、補給カウンタタイマ54cの値が、初期値にリセットされる。次回の補給カウンタ処理の実行タイミングを決めるためである。
ここで、実施形態では、1.49msごとに繰り返されるタイマ割込制御処理(図10参照)が38回実行されるたびに1回、すなわち56.62ms(1.49ms×38)ごとに1回、補給カウンタ処理が実行される。そのため、ステップ1102では、補給カウンタタイマ54cの初期値として、「38」がセットされる。
なお、補給カウンタタイマ54cの値は、スロットマシン3の電源投入時に初期値が設定され、以降、タイマ割込制御処理(図10)のタイマ減算処理(ステップ209)が実行される度に「1」ずつ減算される。
一方、ステップ1101において補給カウンタタイマ54cの値がゼロでない場合には、補給カウンタ処理を終了する。
ステップ1103において、外部集中端子板80からホールコンピュータ2に出力される出力情報のうち、メダルの補給に関する情報が、「補給要求なし」にリセットされる。具体的には、RAM54の外部出力バッファ54bに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が0クリアされる。
そして、ステップ1104において、補給カウンタ54dに補給情報がセットされているか否かが確認される。ステップ1104において補給情報がセットされている場合、ステップ1105において、出力情報におけるメダルの補給に関する情報が、「補給要求あり」に変更される。具体的には、RAM54の外部出力バッファ54bに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が、「1」に変更される。
一方、ステップ1104において補給情報がセットされていない場合には、処理を終了する。これにより、出力情報におけるメダルの補給に関する情報が、「補給要求なし」のままで保持される。具体的には、RAM54の外部出力バッファ54bに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が、「0」のままで保持される。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)において補給カウンタ処理の後に実行されるポート出力処理(ステップ215)において、「補給要求なし」または「補給要求あり」に応じて決まる補給要求信号(オン信号またはオフ信号)が、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ2に送信されることになる。
図20は、外部集中端子板80から出力される信号(BB中信号と補給要求信号)の一例を示すタイムチャートである。
BB中信号のオン信号は、通常遊技処理(図12)の入賞図柄判定処理(ステップ410)により、BBへの入賞が確定してBB中フラグがオンにされると、タイマ割込制御処理(図10)のポート出力処理(ステップ215)の際に出力される。
そのため、BB中信号のオン信号は、スロットマシン3の状態がBB状態である間(図20の場合には時刻t1からt2までの間)、外部集中端子板80から連続して出力される。なお、実施の形態では、RB中信号、RT中信号、そしてAT中信号もまた、同様の出力波形となる。
一方、補給要求信号のオン信号は、通常遊技処理(図12)の補給要求処理(ステップ415)により、補給カウンタ54dに補給情報がセットされると、タイマ割込制御処理(図10)のポート出力処理(ステップ215)の際に出力される。
なお、補給要求信号のオフ信号は、補給カウンタに補給情報がセットされていない場合に、ポート出力処理(ステップ215)の際に出力される。
ここで、前記したように、図19の補給カウンタ処理は、タイマ割込制御処理(図10参照)が38回実行されるたびに1回実行される。そのため、出力情報におけるメダルの補給に関する情報が「補給要求あり」に一端変更されると、補給要求信号のオン信号は、次に補給カウンタ処理が行われるまでの、56.62ms(1.49ms×38)の間、連続して出力される。
そのため、BBへの入賞が確定したのちにメダルの補給が必要であると判断されると、BB中信号のオン信号が入力されている間に1回、補給要求信号のオン信号が、56.62msの間、入力されることになる。
実施形態では、ホールコンピュータ2は、BB中信号またはRB中信号のオン信号が入力されている間に、補給要求信号のオン信号が1回入力された場合に、補給要求信号のオン信号を出力したスロットマシン3に対し、後記するメダル補給処理を実行する。
次に、ホールコンピュータ2が実行する処理を説明する。
なお、前記したように、ホールコンピュータ2は、遊技場(ホール)内に設置された複数のスロットマシン3を各々管理するものであるが、以下の説明では、理解を容易にする目的で、1台のスロットマシン3に対する管理を行う場合を例に挙げて説明をする。
図21は、ホールコンピュータ2で実行される出力情報受信処理を示すフローチャートである。この出力情報受信処理は、所定時間毎(本実施形態では1.49ms毎)に実行されるタイマ割込処理であり、ホールコンピュータ2は、この出力情報受信処理により、メダルの補給や異常報知などの処理を実行する。
ホールコンピュータ2では、スロットマシン3の外部集中端子板80から出力された出力情報を受信すると、受信した出力情報を、出力情報受信バッファ203aに記憶する。
そのため、図21に示すように、出力情報受信処理では、ステップ1201において、出力情報受信バッファ203aに、スロットマシン3から出力された出力情報が記憶されているか否かを確認する。
そして、出力情報が記憶されていない場合には処理を終了し、記憶されている場合には、ステップ1202において、BB中信号処理を実行する。
図22は、BB中信号処理の詳細を示すフローチャートである。
BB中信号処理では、ステップ1301において、出力情報にBB中信号のオン信号が含まれているか否かを確認する。具体的には、出力情報におけるBB中信号に対応する設定データビットの値が「1」であるかを確認し、「1」である場合には、オン信号が含まれていると判断され、「0」である場合には、含まれていないと判断される。
ステップ1301においてオン信号が含まれている場合、ステップ1302において、BB中フラグ203iがオフであるか否かが確認され、BB中フラグ203iがオフである場合には、ステップ1303において、BB中フラグ203iの値を「1」にして、BB中フラグ203iをオンにしたのち、ステップ1304において、BB回数カウンタ203bの値に「1」を加算する。
ステップ1302の処理により、前回の出力情報の処理から今回の出力情報の処理までの間で、BB中信号のオフ信号がオン信号に変化したことが特定でき、これによりスロットマシン3がBB状態になったことが判るからである。
一方、ステップ1301においてオン信号が含まれていない場合、ステップ1305において、BB中フラグ203iがオンであるか否かが確認され、BB中フラグ203iがオンである場合には、ステップ1306において、BB中フラグ203iがオフにされる。
ステップ1305の処理により、前回の出力情報の処理から今回の出力情報の処理までの間で、BB中信号のオン信号がオフ信号に変化したことが特定でき、これによりスロットマシン3におけるBB状態が終了したことが判るからある。
なお、ステップ1302において、BB中フラグ203iがオフでない(オンである)場合は、前回の出力情報の処理から今回の出力情報の処理までの間で、BB中信号のオン信号の入力が継続している(スロットマシン3のBB状態が継続している)ことを意味しているので、BB中フラグ203iやBB回数カウンタ203bの値を変更せずに処理を終了する。
また、ステップ1305において、BB中フラグ203iがオンでない(オフである)場合は、前回の出力情報の処理から今回の出力情報の処理まで、BB中信号のオフ信号の入力が継続している、すなわちスロットマシン3がBB状態でない状態(例えば通常遊技状態)が継続していることを意味しているので、この場合にもまた、BB中フラグ203iやBB回数カウンタ203bの値を変更せずに処理を終了する。
図21に示すように、ステップ1202のBB中信号処理が終了すると、ステップ1203においてRB中信号処理が行われる。なお、このRB中信号処理は、ステップ1202のBB中信号処理の結果、BB中フラグ203iがオンになっている場合には省略される。
図23は、RB中信号処理の詳細を示すフローチャートである。
RB中信号処理では、ステップ1401において、出力情報にRB中信号のオン信号が含まれているか否かを確認する。具体的には、出力情報におけるRB中信号に対応する設定データビットの値が「1」であるかを確認し、「1」である場合には、RB中信号が含まれていると判断され、「0」である場合には、含まれていないと判断される。
ステップ1401においてオン信号が含まれている場合、ステップ1402において、RB中フラグ203jがオフであるか否かが確認され、RB中フラグ203jがオフである場合には、ステップ1403において、RB中フラグ203jの値を「1」にして、RB中フラグ203jをオンにしたのち、ステップ1404において、RB回数カウンタ203cの値に「1」を加算する。
一方、ステップ1401においてRB中信号が含まれていない場合、ステップ1405において、RB中フラグ203jがオンであるか否かが確認され、RB中フラグ203jがオンである場合には、ステップ1406において、RB中フラグ203jがオフにされる。
図21に示すように、ステップ1203のRB中信号処理が終了すると、ステップ1204においてRT中信号処理(図24参照)が行われて、RT中フラグ203kがオンまたはオフにされたのち、ステップ1205においてAT中信号処理(図25参照)が行われて、AT中フラグ203mがオンまたはオフにされる。なお、RT中信号処理とAT中信号処理は、前記したBB信号処理およびRB信号処理と略同じ処理フローで行われるので、ここではその説明を省略する。
続いて、ステップ1206において、ART判定処理が実行される。
図26は、ART判定処理の詳細を示すフローチャートである。
ART判定処理では、ステップ1701において、RT中フラグ203kとAT中フラグ203mの両方がオンであるか否かを確認する。ARTは、RTとATとが同時に発生している場合であるからである。
ステップ1701においてRT中フラグ203kとAT中フラグ203mの両方がオンである場合、ステップ1702において、ART中フラグ203nがオフであるか否かが確認され、ART中フラグ203nがオフである場合には、ステップ1703において、ART中フラグ203nの値を「1」にしてART中フラグ203nをオンしたのち、ステップ1704において、ART回数カウンタ203dの値に「1」を加算する。
一方、ステップ1701においてRT中フラグ203kとAT中フラグ203mの両方がオンでない場合、ステップ1705において、ART中フラグ203nがオンであるか否かが確認され、ART中フラグ203nがオンである場合には、ステップ1706において、ART中フラグ203nがオフにされる。
図21に示すように、ステップ1204のART判定処理が終了すると、ステップ1207において、その他の信号処理が実行される。
具体的には、出力情報における他の設定データビット(例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、ドア開放信号など)の値などに応じた処理を実行する。
ステップ1207のその他の信号処理が終了すると、ステップ1208において、補給要求信号処理が行われる。
図27は、補給要求信号処理の詳細を示すフローチャートである。
補給要求信号処理では、ステップ1801において、BB中フラグ203iとRB中フラグ203jのうちの何れか一方がオンであるか否かを確認する。
BB中フラグ203iとRB中フラグ203jの何れもオフである場合には処理を終了する。本実施形態では、BBまたはRBへの入賞が確定した場合にメダルの補給の要否が判断されるからである。
BB中フラグ203iとRB中フラグ203jの何れか一方がオンである場合、ステップ1802において、受信した出力情報におけるメダルの補給に関する情報が、「補給要求あり」であるか否かを確認する。具体的には、RAM203の出力情報受信バッファ203aに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が「1」であるかを確認し、「1」である場合には、「補給要求あり」と判断され、「0」である場合には、「補給要求なし」と判断される。
ステップ1802において「補給要求あり」である場合、ステップ1803において、補給実行フラグ203rがオンにされたのち、ステップ1804において、補給回数カウンタ203eの値に「1」を加算する。
これにより、後記するメダル補給処理において、メダルの補給に関する情報が「補給要求あり」である出力情報を出力したスロットマシン3に対してメダルの補給が実施される。
図21に示すように、ステップ1208の補給要求信号処理が終了すると、ステップ1209において、出力情報受信バッファ203aを0クリアして、出力情報受信処理を終了する。
次に、ホールコンピュータ2が実行するスロットマシン3へのメダル補給処理を説明する。図28は、ホールコンピュータ2が実行するメダル補給処理のフローチャートである。このメダル補給処理は、出力情報受信処理(図21)の補給要求信号処理(ステップ1208)の結果、補給実行フラグ203rがオンにされた場合に、実行される。
始めに、ステップ1901において補給実行フラグ203rがオンにされると、ステップ1902において、補給実行フラグ203rがオンにされたスロットマシン3を特定、すなわちメダルを補給するスロットマシン3を特定する。
そして、ステップ1903において、メダルの補給枚数を示す補給カウンタ203tの値に、あらかじめ決められた所定値、例えば500をセットする。
ステップ1904において、メダル補給装置7を駆動して、スロットマシン3へのメダル補給を実行する。
具体的には、ホッパ装置7aを駆動してメダル搬送レール7bにメダルを供給し、モータ7dを駆動して、スロットマシン3にメダルを供給するメダルシュート管7cのシャッタ(図示せず)を開放する。
ここで、前記した補給要求信号処理において、メダルの補給枚数が補給カウンタ203tの値として設定されているので、ホールコンピュータ2は、補給カウンタ203tの値を、メダルシュート管7cのメダルセンサ7eの検出信号に基づいて1ずつ減算してゆく。
ステップ1905において、メダルの補給が完了したか否かを、補給カウンタ203tの値がゼロになったか否かに基づいて確認し、補給カウンタ203tの値がゼロになってメダルの補給が完了したと判断された場合に、モータ7dを駆動してシャッタ(図示せず)を閉鎖することで、スロットマシン3へのメダルを終了する。
メダル補給が完了すると、ステップ1906において、補給実行フラグ203rをオフにして処理を終了する。
ここで、実施の形態におけるホッパ装置43の貯留部44が、発明における貯留部に相当し、実施の形態におけるメダル残量センサ48が、発明におけるセンサに相当する。
以上の通り、第1の実施形態では、スロットマシン3において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態(BB、RB)に対応した所定条件が成立した場合に、ホッパ装置43へのメダル(遊技媒体)の補給の要否の判断を実行し、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されたメダルの高さが、規定量(400枚)のメダルを貯留している場合の高さ未満となったことが、メダル残量センサ48の出力信号から確認された場合に、メダルの補給が必要と判断し、メダル補給を要求する補給要求信号を、ホールコンピュータ2に出力する構成とした。
このように構成すると、特別遊技状態に対応した所定条件が成立しないと、補給の要否判断の機会がないので、所定条件が成立していない間は、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、ホッパ装置43の貯留部44に遊技媒体が補給されない。よって、遊技を行わずに、不正行為によりメダルがホッパ装置43の払出装置部45から払い出されたとしても、貯留部44にメダルが際限なく補給されることがないので、大量のメダルが不正に取得されることがない。よって、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
また、メダルの補給の要否の判断は、特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄、または図柄組み合わせが停止表示されて、特別遊技状態(BB、RB)への入賞が確定した場合に1回実行される構成としたので、特別遊技状態(BB、RB)への入賞が確定したあとに不正行為によりメダルが払い出されたとしても、補給の機会は1回しかなく、貯留部44に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。
さらに、メダルの補給の要否の判断は、特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄、または図柄組み合わせが停止表示されて、特別遊技状態(BB、RB)への入賞が確定したのち、特別遊技状態における最初の遊技が行われる前に実行される構成としたので、メダルが大量に払い出されることが見込まれる特別遊技状態での遊技が開始される前に、メダルの補給の要否が判断され、メダルが必要に応じて補給される。これにより、特別遊技状態の途中や終了近くで補給の要否の判断が実行される場合と比べて、特別遊技状態の終了後に貯留部44に貯留されるメダルの量を抑えることができる。よって、その後、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。また、特別遊技状態での遊技を開始した直後に、払い出し用のメダルが不足して遊技が中断する事態の発生も防止できる。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態では、メダルの補給を要求する補給要求信号において、メダルの補給枚数が指定されるようになっており、この補給要求信号では、メダルの一枚が、一組のオン信号とオフ信号で表されている。
なお、以下の説明では、第1の実施形態の構成および処理と異なる部分について説明し、共通する部分ついての説明は省略する。
図29は、第2の実施形態における補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
第2の実施形態における補給要求処理もまた、第1の実施形態の場合と同様に、通常遊技処理(図12)の内部抽選処理(ステップ406)によりBBまたはRBに当選し、入賞図柄判定処理(ステップ410)により、BBまたはRBへの入賞が確定した場合に、役物作動判定処理(ステップ414)に続いて、メイン制御基板50のMPU51により実施される。
始めに、ステップ2001において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定すると、ステップ2002において、補給判断終了フラグ54eがオフであるか否かが確認される。
ステップ2002において、補給判断終了フラグ54eがオフである場合、ステップ2003において、補給カウンタ54dの値を0クリアする。
ステップ2004において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダルの貯留量が不足しているか否かが確認される。
ここで、第2の実施形態の場合、貯留部44内に400枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定されている。
ステップ2004においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ2005において、ROM53の補給テーブル53aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ2006において、RAM54の補給カウンタ54dの値に、補給枚数を2倍した値をセットする。
実施形態では、補給テーブル53aに記憶された補給情報において、入賞役がBBである場合は補給枚数が300枚、RBである場合は補給枚数が100枚というように、入賞役ごとに補給枚数が規定されている。よって、例えば入賞役がBBである場合には、「600」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
続いて、ステップ2007において、補給判断終了フラグ54eの値が「1」にされて、補給判断終了フラグ54eがオンにされる。
なお、ステップ2004において貯留部44に規定高さ以上メダルが貯留されており、メダルの貯留量が不足していない場合、貯留部44へのメダルの補給が必要ないので、補給要求処理を終了する。これにより、補給カウンタ54dの値が、「0」のままで保持されることになる。
次に、第2の実施形態における補給カウンタ処理を詳細に説明する 図30は、第2の実施形態における補給カウンタ処理の詳細を示すフローチャートである。
第2の実施形態における補給カウンタ処理もまた、第1の実施形態の場合と同様に、タイマ割込制御処理(図10)のIN・OUTカウンタ処理(ステップ210)に続いて、メイン制御基板50のMPU51により実行される。
始めに、ステップ2101において、補給カウンタ処理の実行タイミングを規定する補給カウンタタイマ54cの値が、0(ゼロ)であるか否かが確認される。
補給カウンタタイマ54cの値が0(ゼロ)である場合、ステップ2102において、補給カウンタタイマ54cの値が、初期値(例えば38)にリセットされる。次回の補給カウンタ処理の実行タイミングを決めるためである。
一方、ステップ2101において補給カウンタタイマ54cの値がゼロでない場合には、補給カウンタ処理を終了する。
ステップ2103において、外部集中端子板80からホールコンピュータ2に出力される出力情報のうち、メダルの補給に関する情報が、「補給要求なし(オフ信号出力)」にリセットされる。具体的には、RAM54の外部出力バッファ54bに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が0クリアされる。
ステップ2104において、補給カウンタ54dに「0」以外の数値がセットされているか否か、すなわち補給情報がセットされているか否かが確認される。
ステップ2104において「0」以外の数値がセットされている場合、ステップ2105において、オフ信号フラグ54mがオンであるか否かが確認される。
ここで、オフ信号フラグ54mとは、前回の補給カウンタ処理の結果、外部集中端子板80から出力された補給要求信号が、オン信号とオフ信号の何れであったのかを区別するためのフラグである。オフ信号フラグ54mがオンである場合には、前回の補給要求処理において、補給要求信号に対応する設定データビットの値が「0」にセットされて、外部集中端子板80から補給要求信号のオフ信号が出力されたことを示し、オフである場合には、設定データビットの値が「1」にセットされて、外部集中端子板80から補給要求信号のオン信号が出力されたことを示している。
ステップ2105においてオフ信号フラグ54mがオンであった場合、ステップ2106において、出力情報におけるメダルの補給に関する情報が、「オン信号出力」に変更される。具体的には、RAM54の外部出力バッファ54bに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が、「1」に変更される。
そして、ステップ2107において、オフ信号フラグ54mをオフにする。
一方、オフ信号フラグ54mがオフであった場合には、ステップ2108において、出力情報におけるメダルの補給に関する情報が、「オフ信号出力」のままで保持される。
具体的には、RAM54の外部出力バッファ54bに保持されている出力情報のうち、補給要求信号に対応する設定データビットの値が、「0」のままで保持される。
そして、ステップ2109において、オフ信号フラグ54mをオンにする。
オフ信号フラグ54mのオンまたはオフのセット(ステップ2107またはステップ2109)が終了すると、ステップ2110において、補給カウンタ54dの値を「1」減算したのち、処理を終了する。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)において、補給カウンタ処理(ステップ211)の後に実行されるポート出力処理(ステップ215)において、オン信号またはオフ信号のうちの何れかの補給要求信号が、外部集中端子板80を介してホールコンピュータ2に送信されることになる。
なお、ステップ2104において補給カウンタ54dの値が「0」である場合、ホールコンピュータ2にメダルの補給を要求する必要がないので、補給カウンタ処理を終了する。
この場合、前記したステップ2103の処理において、外部集中端子板80からホールコンピュータ2に出力される出力情報のうち、メダルの補給に関する情報が、「補給要求なし(オフ信号出力)」にリセットされているので、タイマ割込制御処理(図10)のポート出力処理(ステップ215)において、補給要求信号のオフ信号が外部集中端子板80を介してホールコンピュータ2に送信される。
図31は、第2の実施形態において、外部集中端子板80から出力される信号(BB中信号と補給要求信号)の一例を示すタイムチャートである。
BB中信号のオン信号は、第1の実施形態の場合と同様に、スロットマシン3の状態がBB状態である間(図31の場合には時刻t1からt2までの間)、外部集中端子板80から連続して出力される。
一方、第2の実施形態の補給要求信号では、ホールコンピュータ2側でメダルの補給枚数を特定できるようにするために、時間軸上で連続するオン信号とオフ信号の一組で、メダル一枚を意味するように設定されている。よって、例えば500枚のメダルの補給を要求する場合には、補給カウンタ54dの値が1000にセットされて、補給カウンタ54dの値が「0」になるまでの間、タイマ割込制御処理(図10)において、補給カウンタ処理(ステップ211)の後のポート出力処理(ステップ215)が実行されるたびに、オン信号とオフ信号とが交互に出力される。
ここで、第2の実施形態においてもまた、タイマ割込制御処理は、1.49msごとに繰り返し実行され、補給カウンタ処理は、56.62ms(1.49ms×38)ごとに実行される。よって、ホールコンピュータ2には、時間軸上で連続すると共に56.62ms毎に切り替わるオン信号とオフ信号が500組、入力されることになる。
図32は、第2の実施形態の場合において、ホールコンピュータ2が、出力情報受信処理(図21)において実行する補給要求信号処理のフローチャートである。
始めに、ステップ2201において、BB中フラグ203iとRB中フラグ203jのうちの何れか一方がオンであるか否かを確認する。
BB中フラグ203iとRB中フラグ203jの何れもオフである場合には処理を終了する。実施の形態では、BBまたはRBへの入賞が確定した場合に1回、メダルの補給の要否が判断されるからである。
BB中フラグ203iとRB中フラグ203jの何れか一方がオンである場合、ステップ2202において、受信した出力情報におけるメダルの補給に関する情報が、「補給要求あり(オン信号入力)」であるか否かを確認する。具体的には、出力情報における補給要求信号に対応する設定データビットの値が「1」であるかを確認し、「1」である場合には、「補給要求あり」と判断され、「0」である場合には、「補給要求なし(オフ信号入力)」と判断される。
ステップ2202において「補給要求あり」と判断された場合、ステップ2203において、補給要求フラグ203pがオフであるか否かが確認される。具体的には、RAM203に記憶された補給要求フラグ203pの値が「0」であるか否かを確認し、補給要求フラグ203pの値が「0」である場合には、補給要求フラグ203pがオフであると判断する。
補給要求フラグ203pがオフである場合には、ステップ2204において、補給要求フラグ203pの値を「1」にして補給要求フラグ203pをオンにしたのち、ステップ2205において、補給回数カウンタ203eの値に「1」を加算する。
ステップ2203の処理により、前回の補給要求信号の処理から今回の補給要求信号の処理までの間で、補給要求信号のオフ信号がオン信号に変化して、スロットマシン3から補給の要求があったことが判るからである。
ステップ2202において「補給要求なし」と判断された場合、ステップ2206において、補給要求フラグ203pがオンであるか否かを確認し、補給要求フラグ203pがオンである場合には、ステップ2207において、補給要求終了フラグ203sがオフであるか否かを確認する。
補給要求終了フラグ203sがオフである場合、ステップ2208において、補給カウンタ203tの値に「1」を加算し、ステップ2209において、補給要求終了フラグ203sをオンにする。
前記したように、第2の実施の形態では、メダルの補給を要求する場合、補給枚数が、時間軸上で連続する一組のオン信号とオフ信号のセット数により、特定されるようになっている。
そのため、オン信号のあとのオフ信号と、補給要求の終了によるオフ信号とを区別するために、補給要求終了フラグ203sが設定されている。
そして、オン信号の入力に続く次の処理でオフ信号が入力された場合に、補給要求終了フラグ203sがオンにされ、次の処理でオフ信号が再び入力された場合に、その時点を以って補給要求信号のオン信号の入力が終了したと判断されるようになっている。
そして、オフ信号が入力されたのちに再びオン信号が入力された場合に、次のオフ信号の入力時点で補給要求が終了したと判断されないようにするために、ステップ2210の処理において、補給要求終了フラグ203sの値を「0」にして、フラグを一旦オフにしている。
また、オフ信号が連続して入力された場合には、ステップ2211の処理において、補給要求信号のオン信号が入力されていることを示す補給要求フラグ203pの値を「0」にして、補給要求フラグ203pをオフにしたのち、ステップ2212の処理において、補給実行フラグ203rの値を「1」にして、補給実行フラグ203rをオンにしている。
これにより、例えば500組のオン信号とオフ信号からなる補給要求信号がホールコンピュータ2に入力されている場合、メダルの補給枚数を規定する補給カウンタ203tの値が「500」となる。よって、ホールコンピュータ2では、この補給カウンタ203tの値に基づいて、メダル補給処理を実行することになる。
図33は、第2の実施形態の場合において、ホールコンピュータ2が実行するメダル補給処理のフローチャートである。
始めに、ステップ2301において補給実行フラグ203rがオンにされると、ステップ2302において、補給実行フラグ203rがオンにされたスロットマシン3を特定、すなわちメダルを補給するスロットマシン3を特定する。
ステップ2303において、補給カウンタ203tに、補給枚数を示す補給情報がセットされているか否かを確認する。具体的には、補給カウンタ203tの値が、「0」以外の値であるか否かを確認し、「0」以外である場合には、補給情報がセットされていると判断する。
ステップ2303において補給情報がセットされている場合、ステップ2304において、メダル補給装置7を駆動して、スロットマシン3へのメダル補給を実行する。
具体的には、ホッパ装置7aを駆動してメダル搬送レール7bにメダルを供給し、モータ7dを駆動して、スロットマシン3にメダルを供給するメダルシュート管7cのシャッタ(図示せず)を開放する。
ここで、前記したステップ2303において、メダルの補給枚数が補給カウンタ203tの値として設定されているので、ホールコンピュータ2は、補給カウンタ203tの値を、メダルシュート管7cのメダルセンサ7eの検出信号に基づいて1ずつ減算してゆく。
ステップ2305において、メダルの補給が完了したか否かを、補給カウンタ203tの値がゼロになったか否かに基づいて確認し、補給カウンタ203tの値がゼロになってメダルの補給が完了したと判断された場合に、モータ7dを駆動してシャッタ(図示せず)を閉鎖することで、スロットマシン3へのメダルを終了する。
メダル補給が完了すると、ステップ2306において、補給実行フラグ203rをオフにして処理を終了する。
以上の通り、第2の実施形態では、入賞役として、BB、RBなどの払出枚数の異なる複数の異なる入賞役があり、スロットマシン3は、当選している入賞役毎に決められた所定枚数のメダルの補給を要求する補給要求信号を、ホールコンピュータ2に出力する構成とした。
このように構成すると、入賞役に当選してメダルが、ホッパ装置43(貯留部44)から払い出されると、入賞役毎に決められた所定枚数のメダルが補給される。よって、例えば、入賞役における払出枚数と補給枚数とを略同じに設定することで、ホッパ装置43から払い出されるメダルの量と、ホッパ装置43(貯留部44)に供給されるメダルの量とを均衡させて、貯留部44内にメダルが過剰に貯留されることを防止できる。
よって、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を、いっそう抑えることができる。
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
第3の実施形態では、補給の要否判断の機会が、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態である間に複数回設けられている。
図34は、第3の実施形態における補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
始めに、ステップ3001において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定すると、ステップ3002において、補給判断終了フラグ54eがオフであるか否かが確認される。
補給判断終了フラグ54eがオフである場合、ステップ3003において、補給判断実行タイマ54nの値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。
補給判断実行タイマ54nの値が0(ゼロ)である場合、ステップ3004において、補給判断実行タイマ54nの値を、規定値にリセットする。次回の補給の要否判断の実行タイミングを決めるためである。
ここで、第3の実施形態では、BBまたはRB状態になった時点と、BBまたはRB状態での払出枚数が100枚に達するたびに、補給の要否判断が行われるようになっている。そのため、補給判断実行タイマ54nの値は、BBまたはRBに入賞していない間は、0(ゼロ)に設定されて、BBまたはRBへの入賞が確定した時に必ず1回補給の要否が判断されるようになっている。そして、BBまたはRBへの入賞が確定した後に、補給判断実行タイマ54nの値が、規定値「100」にリセットされたのち、BBまたはRB状態である間はタイマの値が0(ゼロ)になる度に規定値リセットされて、補給の要否判断が繰り返し実行されるようになっている。なお、補給判断実行タイマ54nの値は、ホッパ装置43の払出メダル検出センサ45aの出力信号に基づいて、ホッパ装置43からメダルが1枚払い出される毎に、「1」ずつ減算されるようになっている。
補給判断実行タイマ54nの値がリセットされると、ステップ3005において、補給カウンタ54dの値が0クリアされて、補給カウンタ54dの値として、「0」がセットされる。
続いて、ステップ3006において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル貯留量が不足しているか否かが確認される。
ここで、第3の実施形態では、メダル残量センサ48が検出する規定高さは、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さに設定されている。
BBまたはRBの間に複数回の補給の要否判断が実行されるようになっており、貯留部44内のメダルの量を少なくしても、BBまたはRBの途中でメダルの量が不足するおそれがないので、貯留部44内に貯留されるメダルの量が少なくされている。
よって、メダル残量センサ48は、貯留部44内におおよそ200枚のメダルが貯留されている場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態となり、そこからメダル枚数が少なくなると非導通状態となって、ステップ3006においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ3006においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ3007において、ROM53の補給テーブル53aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ3007において、RAM54の補給カウンタ54dの値に、例えば100枚のメダルの補給を要求する補給要求情報がセットされる。
ここで、メダルの補給枚数は、BBやRBにおいて獲得され得るメダルの最大枚数よりも少ない枚数に設定されている。
なお補給カウンタ54dの値は、補給枚数に応じて決まる数値であり、実施の形態では補給枚数を2倍した値がセットされる。よって、メダルを100枚補給する場合には、「200」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)が繰り返されるたびに、補給カウンタ54dの値が「0」になるまでの間、補給カウンタ処理(ステップ211)のあとのポート出力処理(ステップ215)が実行されるたびに、オン信号とオフ信号とが交互に出力されて、ホールコンピュータ2には、時間軸上で連続するオン信号とオフ信号とからなる補給要求信号(図31)が入力されることになる。なお、補給カウンタ処理の内容は、第2の実施形態の補給カウンタ処理(図30参照)と同じであるので、説明は省略する。
続いて、ステップ3009において、BBまたはRB状態において、スロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が払出上限枚数を超えたか否かを確認する。
ここで、払出上限枚数は、入賞役の種類に応じて決められており、例えばBBの場合には300枚、RBの場合には100枚に設定されている。BBやRB状態での遊技の結果払い出されうる最大枚数が、払出上限枚数として設定されている。
よって、払出枚数カウンタ54pの値が、払出上限枚数を超えている場合、ステップ3010において、補給判断終了フラグ54eがオンにされる。これにより、以降のBBまたはRBでは、メダルの補給の要否判断が実行されなくなる(ステップ3002参照)。
以上の通り、第3の実施形態では、メダルの補給の要否判断は、特別遊技状態(BB、RB)において、ホッパ装置43(貯留部44)から払い出されたメダルの量が、入賞役ごとに決められた上限枚数(払い出され得るメダルの最大枚数、例えばBBの場合は300枚、RBの場合は100枚)を超えるまでの間、上限枚数よりも少ない所定枚数(例えばBBの場合は100枚、RBの場合は50枚)のメダルが払い出されるたびに、実施される構成とした。
このように構成すると、補給の要否判断の機会が複数あるので、メダル残量センサ48が検知するメダルの高さを、通常の400枚のメダルが貯留されている高さから、例えば200枚のメダルが貯留されている高さというように、低くすることができる。
そうすると、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されるメダルの量が少なくなるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。
第4の実施形態では、補給の要否の判断機会が、特別遊技状態のうちのART(アシストリプレイタイム)に設けられている。
図35は、第4の実施形態における補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
第4の実施形態における補給要求処理は、通常遊技処理(図12)の役物作動判定処理(ステップ414)において、BBの終了が確認された場合に、補給要求処理(ステップ415)において、メイン制御基板50のMPU51により実施される。
始めに、ステップ4001において、ART中フラグ54jがオンにされてスロットマシン3の状態がART状態になったことが確認されると、ステップ4002において、補給判断終了フラグ54eがオフであるか否かが確認される。
ステップ4002において、補給判断終了フラグ54eがオフである場合、ステップ4003において、補給判断の実行タイミングを規定する補給判断実行タイマ54nの値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。補給判断実行タイマ54nの値が0(ゼロ)である場合、ステップ4004において、補給判断実行タイマ54nの値が、規定値にリセットされる。次回の補給判断実行処理の実行タイミングを決めるためである。
ここで、第4の実施形態では、ART状態になった時点と、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに、補給要求処理が実行されて、補給の要否が判断されるようになっている。そのため、補給判断実行タイマ54nの値は、ART状態になっていない間は、0(ゼロ)に設定されて、ART状態になった時点で必ず1回補給の要否判断が実行されるようになっている。そして、ART状態になった後に、補給判断実行タイマ54nの値が規定値にリセットされたのち、ART状態である間は、タイマの値が0(ゼロ)になる度に規定値にリセットされて、補給の要否判断が繰り返し実行されるようになっている。
ここで、実施の形態では、規定値の値が「100」に設定されて、例えばART状態での遊技回数が100ゲームに達するたびに、補給の要否判断が実行されるようになっている。そのため、この補給判断実行タイマ54nの値は、通常遊技処理(図12)の入賞図柄判定処理(ステップ410)が実行されるたびに、「1」ずつ減算されるようになっている。
補給判断実行タイマ54nの値がリセットされると、ステップ4005において、補給カウンタ54dの値が0クリアされて、補給カウンタ54dの値として、「0」がセットされる。
続いて、ステップ4006において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル貯留量が不足しているか否かが確認される。
ここで、メダル残量センサ48が検出する規定高さは、ART状態で100ゲーム行った場合に、スロットマシン3から払い出され得るメダルの平均枚数に基づいて設定されている。ここで、第4の実施形態では、平均枚数が100枚となるので、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定されている。
よって、メダル残量センサ48は、貯留部44内におおよそ200枚のメダルが貯留されている場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態となり、そこからメダル枚数が少なくなると非導通状態となって、ステップ4006においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ4006においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ4007において、ROM53の補給テーブル53aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ4008において、RAM54の補給カウンタ54dに、補給情報をセットする。
具体的には、補給情報が示すメダルの補給枚数を2倍した値が、RAM54の補給カウンタ54dの値としてセットされる。
実施形態では、補給テーブル53aに記憶された補給情報において、ARTである場合の補給枚数が100枚とされており、「200」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)が繰り返されるたびに、補給カウンタの値が「0」になるまでの間、補給カウンタ処理(ステップ211)のあとのポート出力処理(ステップ215)が実行されるたびに、オン信号とオフ信号とが交互に出力されて、ホールコンピュータ2には、時間軸上で連続するオン信号とオフ信号とからなる補給要求信号(図29参照)が入力されることになる。なお、補給カウンタ処理の内容は、第2実施形態の補給カウンタ処理(図30参照)と同じであるので、説明は省略する。
一方、貯留部44に規定高さ以上メダルが貯留されており、メダルの貯留量が不足していない場合、補給カウンタ54dの値が、「0」のままで保持されることになる。
続いて、ステップ4009において、ART状態においてスロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が払出上限枚数を超えたか否かを、払出枚数カウンタ54pの値に基づいて確認する。
ここで、払出上限枚数は、入賞役の種類に応じて決められており、例えばARTの場合には1000枚に設定されている。
よって、払出枚数カウンタ54pの値が払出上限枚数を超えている場合、ステップ4010において、補給判断終了フラグ54eがオンにされる。これにより、以降のARTでは、メダルの補給の要否判断が実行されなくなる(ステップ4002参照)。
以上の通り、第4の実施形態では、貯留部44へのメダルの補給の要否の判断は、スロットマシン3のART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに実施される構成としたので、払い出され得るメダルの最大量が遊技の結果に応じて変動するARTの場合に、払い出され得る最大量のメダルを、始めから貯留部44に補給しておく必要がない。よって、貯留部44に貯留されるメダルの量を少なくすることができるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
さらに、ARTの間におけるメダルの補給の要否判断は、貯留部44から払い出されたメダルの量が、ART状態に対応して決められたメダルの払出枚数の上限枚数を超えるまで実施され、上限枚数を超えた場合には行われない構成としたので、ART状態となったあとに、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、メダルが貯留部44に際限なく補給されることがないので、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。
第5の実施形態では、ホッパ装置43の貯留部44でのメダルの貯留量が不足していることが確認された場合に、特別遊技状態(BB、RB)への入賞が確定している条件のもと、補給要求信号のオン信号が出力される。
図36は、第5の実施形態にかかる補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
始めに、ステップ5001において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダルの貯留量が不足しているか否かが確認される。
第5の実施形態では、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定される。
よって、メダル残量センサ48は、貯留部44内におおよそ200枚のメダルが貯留されている場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態となり、そこからメダル枚数が少なくなると非導通状態となって、ステップ5001においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ5001においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ5002において、補給判断終了フラグ54eがオフであるか否かが確認される。
補給判断終了フラグ54eがオフである場合、ステップ5003において、補給カウンタ54dの値が0クリアされて、補給カウンタ54dの値として「0」がセットされる。
ステップ5004において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定しているか否かが確認される。
ステップ5004において特別遊技状態への入賞が確定している場合、ステップ5005において、ROM53の補給テーブル53aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ5006において、RAM54の補給カウンタ54dの値に、補給枚数を2倍した値をセットする。
実施形態では補給テーブル53aに記憶された補給情報において、入賞役がBBである場合は補給枚数が300枚、RBである場合は補給枚数が100枚というように、入賞役ごとに補給枚数が規定されている。よって、例えば入賞役がBBである場合には、「600」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
続いて、ステップ5007において、補給判断終了フラグ54eの値が「1」にされて、補給判断終了フラグ54eがオンにされる。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)が繰り返されるたびに、補給カウンタ54dの値が「0」になるまでの間、補給カウンタ処理(ステップ211)のあとのポート出力処理(ステップ215)が実行されるたびに、オン信号とオフ信号とが交互に出力されて、ホールコンピュータ2には、時間軸上で連続するオン信号とオフ信号とからなる補給要求信号(図31参照)が入力されることになる。なお、補給カウンタ処理の内容は、第2実施形態の補給カウンタ処理(図30参照)と同じであるので、説明は省略する。
以上の通り、第5の実施形態では、スロットマシン3において、貯留部44に貯留されたメダル(遊技媒体)の量が規定量未満であることが確認された場合、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BB、RB)への入賞が確定すると、メダルの補給が必要であると判断する構成とした。
このように構成すると、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されたメダルの量が不足しても、特別遊技状態の入賞役(BB、RB)への入賞が確定しないと、ホッパ装置43にメダルが補給されないので、遊技を行わずに、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、ホッパ装置43にメダルが際限なく補給されることがない。
さらに、特別遊技状態の入賞役(BB、RB)への入賞が確定しないとメダルが供給されないので、ホッパ装置43でのメダルの貯留量の不足が確認された場合に単純にメダルを補給する従来例の場合に比べて、ホッパ装置43にメダルが過剰に供給されて、ホッパ装置43に大量のメダルが貯留された状態となることない。よって、遊技を行わずに、不正行為によりホッパ装置43(払出装置部45)を誤作動させてメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
ここで、入賞役は、BB、RBなどの払出枚数の異なる複数の入賞役があり、ホッパ装置43にメダルを補給する場合、当選している入賞役ごとに決められた所定枚数のメダルを供給する構成としたので、ホッパ装置43に補給されるメダルの量と、スロットマシン3(ホッパ装置43)から払い出されるメダルの量とを均衡させて、ホッパ装置43に過剰のメダルが貯留されることを防止できる。よって、不正行為により例えばホッパ装置43(払出装置部45)を誤作動させてメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
また、メダルの補給の要否の判断は、特別遊技状態の入賞役への入賞が確定した場合に1回実行される構成としたので、特別遊技状態の入賞役への入賞が確定したあとに不正行為によりメダルが払い出されたとしても、補給の機会は1回しかなく、貯留部44に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。
さらに、メダルの補給の要否の判断は、特別遊技状態の入賞役への入賞が確定したのち、特別遊技状態における最初の遊技が行われる前に実行される構成としたので、メダルが大量に払い出されることが見込まれる特別遊技状態での遊技が開始される前に、メダルの補給の要否が判断され、メダルが必要に応じて補給される。これにより、特別遊技状態の途中や終了近くで補給の要否の判断を実行される場合と比べて、特別遊技状態の終了後に貯留部44に貯留されるメダルの量を抑えることができる。よって、その後、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。また、特別遊技状態での遊技を開始した直後に、払い出し用のメダルが不足して遊技が中断する事態の発生を防止できる。
次に、本発明の第6の実施形態を説明する。
第6の実施形態では、ホッパ装置43でのメダルの貯留量が不足していることが確認された場合における、補給要否の判断機会が複数回設けられている。
図37は、第6の実施形態における補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
始めに、ステップ6001において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダルの貯留量が不足しているか否かが確認される。
第6の実施形態では、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定されており、貯留部44内に貯留されているメダルの枚数(量)がおおよそ200枚よりも少なくなった場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態から非導通状態となって、ステップ6001においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ6001においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ6002において、補給判断終了フラグ54eがオフであるか否かが確認される。
ステップ6002において補給判断終了フラグ54eがオフである場合、ステップ6003において、補給判断の実行タイミングを規定する補給判断実行タイマ54nの値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。補給判断実行タイマの値が0(ゼロ)である場合、ステップ6004において、補給判断実行タイマ54nの値が、規定値にリセットされる。次回の補給判断実行処理の実行タイミングを決めるためである。
ここで、第6の実施形態では、第3の実施形態の場合と同様に、ART状態になった時点と、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに、補給要求処理が実行されて、補給の要否が判断されるようになっている。そのため、補給判断実行タイマの値は、ARTに入賞していない間は、0(ゼロ)に設定されて、ART開始時に必ず1回補給の要否が判断されるようになっている。そして、ART開始後に、補給判断実行タイマの値が規定値にリセットされたのち、ART状態である間は、タイマの値が0(ゼロ)になる度に規定値にリセットされて、補給の要否判断が繰り返し実行されるようになっている。
ここで、実施の形態では、規定値の値が「100」に設定されて、メダルの貯留量が不足している場合には、例えばART状態での遊技回数が100ゲームに達するたびに、補給の要否の判断が行われるようになっている。そのため、この補給判断実行タイマの値は、通常遊技処理(図12)の入賞図柄判定処理(ステップ410)が実行されるたびに、「1」ずつ減算されるようになっている。
補給判断実行タイマ54nの値がリセットされると、ステップ6005において、補給カウンタ54dの値が0クリアされて、補給カウンタ54dの値として、「0」がセットされる。
続いて、ステップ6006において、メダルの貯留量が不足していると判断されたスロットマシン3の状態がART状態であるか否かが確認される。
ここで、ART中フラグ54jがオンである場合に、ART状態であると判断される。
スロットマシンの状態がART状態である場合、ステップ6007において、ROM53の補給テーブル53aを参照して、ARTである場合の補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ6008において、RAM54の補給カウンタ54dの値に、補給枚数を2倍した値をセットする。
実施形態では、補給テーブル53aに記憶された補給情報において、ARTである場合の補給枚数が100枚とされており、「200」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
これにより、タイマ割込制御処理(図10)が繰り返されるたびに、補給カウンタ54dの値が「0」になるまでの間、補給カウンタ処理(ステップ210)のあとのポート出力処理(ステップ215)が実行されるたびに、オン信号とオフ信号とが交互に出力されて、ホールコンピュータ2には、時間軸上で連続するオン信号とオフ信号とからなる補給要求信号(図29参照)が入力されることになる。なお、補給カウンタ処理の内容は、第2実施形態の補給カウンタ処理(図31参照)と同じであるので、説明は省略する。
一方、ステップ6006においてスロットマシン3の状態がART状態でない場合、補給カウンタ54dの値が、「0」のままで保持されることになる。
続いて、ステップ6009において、ART状態においてスロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が払出上限枚数を超えたか否かを、払出枚数カウンタ54pの値に基づいて確認する。
ここで、払出上限枚数は、入賞役の種類に応じて決められており、例えばARTの場合には1000枚に設定されている。
よって、払出枚数カウンタ54pの値が払出上限枚数を超えている場合、ステップ6010において、補給判断終了フラグ54eがオンにされる。これにより、以降のARTでは、メダルの補給の要否判断が実行されなくなる(ステップ6002参照)。
以上の通り、第6の実施形態では、貯留部44へのメダルの補給の要否の判断は、貯留部44に貯留されたメダルの貯留量不足が確認された場合、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに実施される構成としたので、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動するARTの場合に、払い出され得る最大量のメダルを、始めから貯留部44に補給しておく必要がない。よって、貯留部44に貯留されるメダルの量を少なくすることができるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
なお、第6の実施形態において、貯留部44へのメダルの補給の要否の判断が、貯留部44に貯留されたメダルの貯留量不足が確認された場合に、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに実施される構成としたが、ART状態でのメダルの払出枚数が所定枚数になるたびに実施されるようにしても良い。
例えば100枚のメダルが払い出されるたびに、補給の要否判断が実行されるようにする場合、補給判断実行タイマ54nの値の規定値を「100」として、補給判断実行タイマ54nの値を、ホッパ装置43の払出メダル検出センサ45aの出力信号に基づいて、ホッパ装置43からメダルが1枚払い出される毎に、「1」ずつ減算されるようにすることで実現できる。
このように構成することによっても、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態の入賞役(ART)の場合に、払い出され得る最大量のメダルを、始めから貯留部44に補給しておく必要がないので、貯留タンク44に貯留されるメダルの量を少なくすることができる。よって、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。
第7の実施形態では、スロットマシンではなく、ホールコンピュータでメダルの補給の要否が判断される。
図38は、第7の実施形態にかかるスロットマシン3のメイン制御基板50Aの構成を説明するブロック図であり、図39は、第7の実施形態にかかるホールコンピュータ2Aの構成を示すブロック図である。
メイン制御基板50Aでは、メダル補給の要否判断に関係するメダル残量センサ48(図6参照)と、RAM54の補給カウンタタイマ54c、補給カウンタ54d、補給判断終了フラグ54e、ART中フラグ54j、補給判断実行タイマ54nなどが省略されている。
そのため、メイン制御基板50で行われていた処理のうち、タイマ割込制御処理(図10)における補給カウンタ処理(ステップ211)と、通常遊技処理(図12)における補給要求処理(ステップ415)とが、第7の実施形態にかかるスロットマシン3では、実行されないようになっている。
一方、図39に示すように、第7の実施形態にかかるホールコンピュータ2Aでは、スロットマシン3のホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48が、入出力ポート205に接続されており、メダル残量センサ48の出力信号(オン信号、オフ信号)が、ホールコンピュータ2Aに入力されるようになっている。
ホールコンピュータ2AのROM202は、制御プログラムや固定値データのほかに、特別遊技状態の入賞役ごとに決められたメダルの補給枚数を示す補給テーブル202aを備えている。
ホールコンピュータ2AのRAM203は、補給カウンタ203t、補給判断終了フラグ203u、補給判断実行タイマ203v、払出枚数カウンタ203w、などをさらに備えている。
以下、ホールコンピュータ2Aにおいて実行される処理を説明する。
図40は、スロットマシン3の出力情報を受信したホールコンピュータ2Aが実行する出力情報受信処理を説明するフローチャートである。
この出力情報受信処理は、所定時間毎(本実施形態では1.49ms毎)に実行されるタイマ割込処理であり、ホールコンピュータ2Aは、この出力情報受信処理の結果を受けて、メダルの補給などの処理を実行する。
ホールコンピュータ2では、スロットマシン3の外部集中端子板80から出力された出情報を受信すると、受信した出力情報を、出力情報受信バッファ203aに記憶する。
そのため、図40に示すように、出力情報受信処理では、ステップ7001において、出力情報受信バッファ203aに、スロットマシン3から入力された出力情報が記憶されているか否かを確認する。
そして、出力情報が記憶されていない場合には処理を終了し、記憶されている場合には、BB中信号処理(ステップ7002)、BR中信号処理(ステップ7003)、RT中信号処理(ステップ7004)、AT中信号処理(ステップ7005)、ART判定処理(ステップ7006)、その他信号処理(ステップ7007)を、順番に実行する。
なお、ステップ7002からステップ7007の各処理は、第1の実施形態の図21から図26の各処理と同じであるので、説明を省略する。
ステップ7007の処理が終了すると、ステップ7008において、補給カウンタ処理を実行する。
図41は、補給カウンタ処理の詳細を示すフローチャートである。
補給カウンタ処理では、ステップ7101において、スロットマシン3が、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定したか否かを確認する。
ここで、入賞が確定したか否かの判断は、BB中フラグ203iまたはRB中フラグ203jがオンされているか否かに基づき判断される。なお、BB中フラグ203iとRB中フラグ203jのオン/オフのセットは、図40の出力情報受信処理におけるBB中信号処理(ステップ7002)とBR中信号処理(ステップ7003)において行われている。
ステップ7102において、補給判断終了フラグ203uがオフであるか否かが確認される。実施の形態では、メダルの補給の要否の判断は、特別遊技状態になる入賞役(BB、RB)に当選した場合に1回実行されるからである。
ステップ7102において補給判断終了フラグ203uがオフである場合、ステップ7103において、補給カウンタ203tの値が0クリアされて、補給カウンタ203tの値として、「0」がセットされる。
補給カウンタ203tの値が0クリアされると、ステップ7104において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダルの貯留量が不足しているか否かが確認される。ここで、貯留部44内に400枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定される。
ステップ7104においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ7105において、ROM202の補給テーブル202aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ7106において、補給カウンタ203tに補給情報をセットする。具体的には、補給情報が示すメダルの補給枚数を、RAM54の補給カウンタ203tの値にセットする。
実施の形態では、補給テーブル53aにおいて、特別遊技状態となる入賞役がBBである場合の補給枚数が300枚、RBである場合の補給枚数が100枚というように、入賞役ごとに補給枚数が規定されているので、例えば入賞役がBBである場合には、「3000」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
そして、ステップ7107において、補給回数カウンタ203eの値に「1」を加算したのち、ステップ7108において、補給実行フラグ203rをオンにする。これにより、メダル補給処理(図42参照)が実行されて、補給カウンタ203tにセットされた枚数のメダルが、スロットマシン3に供給されることになる。
補給実行フラグ203rがオンにされる、またはステップ7104においてメダルの貯留量が不足していないと判断された場合、ステップ7107において、補給の要否判断が完了したことを示すために、補給判断終了フラグ203uをオンにし、処理を終了する。
図40に示すように、補給カウンタ処理(ステップ7008)が終了すると、ステップ7009において、出力情報受信バッファ203aを0クリアし、ステップ7010において、タイマ減算処理を実行し、処理を終了する。
図42は、第7の実施形態の場合において、ホールコンピュータ2が実行するメダル補給処理のフローチャートである。
始めに、RAM203の補給実行フラグ203rがオンにされると(ステップ7201)、ステップ7202において、補給実行フラグ203rがオンにされたスロットマシン3を特定する。ステップ7203において、補給カウンタ203tに補給情報がセットされているか否かを確認する。具体的には、補給カウンタ203tの値が、「0」以外の値であるか否かを確認し、「0」以外である場合には、補給情報がセットされていると判断する。
ステップ7203において補給情報がセットされている場合、ステップ7204において、メダル補給装置7を駆動して、特定したスロットマシン3へのメダル補給を実行する。
具体的には、ホッパ装置7a(図1参照)を駆動してメダル搬送レール7bにメダルを供給し、モータ7dを駆動して、特定したスロットマシン3にメダルを供給するメダルシュート管7cのシャッタ(図示せず)を開放する。
ここで、前記したステップ7106において、メダルの補給枚数が補給カウンタ203tの値として設定されているので、ホールコンピュータ2は、補給カウンタ203tの値を、メダルシュート管7cのメダルセンサ7eの検出信号に基づいて1ずつ減算してゆく。
ステップ7205において、メダルの補給が完了したか否かを、補給カウンタ203tの値がゼロになったか否かに基づいて確認し、補給カウンタ203tの値がゼロになってメダルの補給が完了したと判断された場合に、モータ7dを駆動してシャッタ(図示せず)を閉鎖することで、スロットマシン3へのメダルを終了する。
なお、メダル残量センサ48の出力信号がオン信号であることを、メダルの補給が完了したか否かの判断要件に加えても良い。
そして、メダルの補給が完了すると、ステップ7206において、補給実行フラグ203rをオフにして処理を終了する。
以上の通り、第7の実施形態では、スロットマシン3において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態になる入賞役(BB、RB)への入賞が確定した場合に、ホールコンピュータ2が、ホッパ装置43へのメダル(遊技媒体)の補給の要否の判断を実行し、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されたメダルの高さが、規定量のメダルを貯留している場合の高さ未満となったことが、メダル残量センサ48の出力信号から確認された場合に、メダルの補給が必要と判断し、入賞役に応じて決められた所定枚数のメダルを、メダル補給装置7を駆動して、スロットマシン3に補給する構成とした。
このように構成すると、特別遊技状態になる入賞役への入賞が確定しないと、補給の要否判断の機会がないので、入賞役に当選していない間や当選後の入賞が確定するまでの間は、貯留部44に貯留されたメダルの量が規定量未満になっても、貯留部44にメダルが補給されない。よって、遊技を行わずに、例えば不正行為によりホッパ装置43の払出装置部45からメダルが払い出されたとしても、貯留部44にメダルが際限なく補給されることがないので、大量のメダルが不正に取得されることがない。よって、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第8の実施形態を説明する。
第8の実施形態では、補給の要否の判断機会が、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態である間に複数回設けられている。
図43は、第8の実施形態における補給要求処理の詳細を示すフローチャートである。
始めに、ステップ8001において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定すると、ステップ8002において、補給判断終了フラグ203uがオフであるか否かが確認される。
補給判断終了フラグ203uがオフである場合、ステップ8003において、補給判断実行タイマ203vの値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。
補給判断実行タイマ203vがオフの値が0(ゼロ)である場合、ステップ8004において、補給判断実行タイマ203vの値を、規定値にリセットする。次回の補給の要否判断の実行タイミングを決めるためである。
ここで、第8の実施形態では、BBまたはRB状態になった時点と、BBまたはRB状態での払出枚数が100枚に達するたびに、補給の要否の判断が行われるようになっている。そのため、補給判断実行タイマ203vの値は、BBまたはRBに入賞していない間は、0(ゼロ)に設定されて、BBまたはRB入賞時に必ず1回補給の要否が判断されるようになっている。そして、BBまたはRB入賞後に、補給判断実行タイマ203vの値が、規定値「100」にリセットされたのち、BBまたはRB状態である間はタイマの値が0(ゼロ)になる度に規定値リセットされて、補給の要否判断が繰り返し実行されるようになっている。なお、補給判断実行タイマ203vの値は、ホッパ装置43の払出メダル検出センサ45aの出力信号に基づいて、ホッパ装置43からメダルが1枚払い出される毎に、「1」ずつ減算されるようになっている。
補給判断実行タイマ203vの値がリセットされると、ステップ8005において、補給カウンタ203tの値が0クリアされて、補給カウンタ203tの値として、「0」がセットされる。
続いて、ステップ8006において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル貯留量が不足しているか否かが確認される。
ここで、第8の実施形態では、メダル残量センサ48が検出する規定高さは、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さに設定されている。
BBまたはRBの間に複数回の補給の要否判断が実行されるようになっており、貯留部44内のメダルの量を少なくしても、BBまたはRBの途中でメダルの量が不足するおそれがないので、貯留部44内のメダルの量が少なくされている。
ステップ8006においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ8007において、ROM202の補給テーブル202aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ8008において、RAM203の補給カウンタ203tの値に、例えば100枚のメダルの補給を要求する補給要求情報がセットされる。
ここで、メダルの補給枚数は、BBやRBにおいて獲得され得るメダルの最大枚数よりも少ない枚数に設定されている。
なお補給カウンタ203tの値は、補給枚数に応じて決まる数値であり、例えばメダルを100枚補給する場合には、「100」が補給カウンタ203tの値としてセットされる。
続いて、ステップ8009において、補給回数カウンタ203eに「1」が加算されたのち、ステップ8010において、補給実行フラグ203rがオンにされる。
ステップ8011において、BBまたはRB状態において、スロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が払出上限枚数を超えたか否かを確認する。
ここで、払出上限枚数は、特別遊技状態の入賞役毎に異なる枚数が設定されており、例えば、BBやRBの場合には、BBやRB状態での遊技の結果払い出されうる最大枚数が、払出上限枚数として設定されている。
そして、払出枚数カウンタ203wの値が払出上限枚数を超えている場合、ステップ8011において、補給判断終了フラグ203uをオンにする。これにより、以降実行される補給要求処理では、ステップ8002において処理が終了し、メダル補給の要否判断が実行されなくなる。
特別遊技状態の間に補給の要否判断の機会を複数設けた場合、判断機会の終了条件を設定していないと、特別遊技状態の間に不正行為が行われてメダルが払い出された場合に、ホッパ装置43に際限なく補給されてしまうおそれがあるからである。
なお、第8の実施形態の場合のメダル補給処理は、第7の実施形態の場合のメダル補給処理と同じなので、説明を省略する。
以上の通り、第8の実施形態では、メダルの補給の要否判断は、特別遊技状態(BB、RB)において、貯留部44から払い出されたメダルの量が、入賞役ごとに決められた上限枚数(払い出され得るメダルの最大枚数、例えばBBの場合は300枚、RBの場合は100枚)を超えるまでの間、上限枚数よりも少ない所定枚数のメダルが払い出されるたびに、実施される構成とした。
このように構成すると、補給の要否判断の機会が複数あるので、メダル残量センサ48が検知するメダルの高さを、通常の500枚のメダルが貯留されている高さから、例えば200枚のメダルが貯留されている高さというように、低くすることができる。
そうすると、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されるメダルの量が少なくなるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第9の実施形態を説明する。
第9の実施形態では、スロットマシン3の状態がART状態になった場合に、ホールコンピュータ2Aが、ホッパ装置43でのメダルの貯留量に応じて、メダルの補給の要否の判断を実行する。
図44は、第9の実施形態における補給カウンタ処理の詳細を示すフローチャートである。
始めに、ステップ9001において、ART中フラグ203nがオンにされてスロットマシン3の状態がART状態になったことが確認されると、ステップ9002において、補給判断終了フラグ203uがオフであるか否かが確認される。
ステップ9002において補給判断終了フラグ203uがオフである場合、ステップ9003において、補給判断の実行タイミングを規定する補給判断実行タイマ203vの値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。補給判断実行タイマ203vの値が0(ゼロ)である場合、ステップ9004において、補給判断実行タイマ203vの値が、規定値にリセットされる。次回の補給判断実行処理の実行タイミングを決めるためである。
ここで、第9の実施形態では、ART状態になった時点と、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに、補給カウンタ処理が実行されて、補給の要否が判断されるようになっている。そのため、補給判断実行タイマの値は、ARTに入賞していない間は、0(ゼロ)に設定されて、ART状態になった時点で必ず1回の補給の要否判断が実行されるようになっている。そして、ART状態になった後に、補給判断実行タイマ203vの値が規定値にリセットされたのち、ART状態である間は、タイマの値が0(ゼロ)になる度に規定値にリセットされて、補給の要否判断が繰り返し実行されるようになっている。
ここで、実施の形態では、規定値の値が「100」に設定されて、例えばART状態での遊技回数が100ゲームに達するたびに、補給の要否判断が実行されるようになっている。そのため、この補給判断実行タイマ203vの値は、通常遊技処理(図12参照)の入賞図柄判定処理(ステップ410)が実行されるたびに、「1」ずつ減算されるようになっている。
補給判断実行タイマ203vの値がリセットされると、ステップ9005において、補給カウンタ203tの値が0クリアされて、補給カウンタ203tの値として、「0」がセットされる。
続いて、ステップ9006において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダル貯留量が不足しているか否かが確認される。
ここで、第9の実施形態では、メダル残量センサ48が検出する規定高さは、ART状態で100ゲーム行った場合に、スロットマシンから払い出され得るメダルの平均枚数に基づいて設定されている。第9の実施形態では、平均枚数が100枚となるので、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定される。
よって、メダル残量センサ48は、貯留部44内におおよそ200枚のメダルが貯留されている場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態となり、そこからメダル枚数が少なくなると非導通状態となって、ステップ9006においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ9006においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ9007において、ROM202の補給テーブル202aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ9008において、RAM203の補給カウンタ203tに、補給情報をセットする。具体的には、補給情報が示すメダルの補給枚数を、RAM203の補給カウンタ203tの値にセットする。
実施の形態では、補給テーブル202aにおいて、特別遊技状態となる入賞役がARTである場合の補給枚数が100枚に設定されているので、「100」が補給カウンタ203tの値としてセットされる。
そして、ステップ9009において、補給回数カウンタ203eの値に「1」を加算したのち、ステップ9010において、補給実行フラグ203rをオンにする。これにより、前記したメダル補給処理(図42)が実行されて、補給カウンタ203tにセットされた枚数のメダルが、スロットマシン3に供給されることになる。
ステップ9011において、ART状態において、スロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が払出上限枚数を超えたか否かを確認する。
そして、払出枚数カウンタ203wの値が払出上限枚数を超えている場合、ステップ9012において、補給判断終了フラグ203uをオンにする。これにより、以降実行される補給要求処理では、ステップ9002において処理が終了し、メダル補給の要否判断が実行されなくなる。
第9の実施の形態の場合のメダル補給処理は、第7の実施の形態の場合のメダル補給処理と同じなので、説明を省略する。
以上の通り、第9の実施形態では、貯留部44へのメダルの補給の要否の判断は、スロットマシン3がART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに実施される構成としたので、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動するARTの場合に、払い出され得る最大量のメダルを、始めから貯留部44に補給しておく必要がない。よって、貯留部44に貯留されるメダルの量を少なくすることができるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第10の実施形態を説明する。
第10の実施形態では、ホッパ装置43でのメダルの貯留量が不足していることが確認された場合に、スロットマシン3において何れかの入賞役に入賞している条件のもと、ホールコンピュータ2Aがメダルの補給を実施する。この処理は、ホールコンピュータ2AのCPU201により実行される。
図45は、第7の実施形態にかかる補給カウンタ処理の詳細を示すフローチャートである。
始めに、ステップ9501において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダルの貯留量が不足しているか否かが確認される。
第10の実施形態では、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定される。
よって、メダル残量センサ48は、貯留部44内におおよそ200枚のメダルが貯留されている場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態となり、そこからメダル枚数が少なくなると非導通状態となって、ステップ9501においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ9501においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ9502において、補給判断終了フラグ203uがオフであるか否かが確認される。
補給判断終了フラグ203uがオフである場合、ステップ9503において、補給カウンタ203tの値が0クリアされて、補給カウンタ203tの値として、「0」がセットされる。
ステップ9504において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定しているか否かが確認される。
ステップ9504において特別遊技状態の入賞役への入賞が確定している場合、ステップ9505において、ROM202の補給テーブル202aを参照して、入賞役ごとの補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ9506において、取得した補給情報を、RAM203の補給カウンタ203tにセットする。
具体的には、補給情報が示すメダルの補給枚数を、RAM203の補給カウンタ203tの値をしてセットする。
実施の形態では、補給情報において、入賞役がBBである場合は補給枚数が300枚、RBである場合は補給枚数が100枚というように、入賞役ごとに補給枚数が規定されている。よって、例えば入賞役がBBである場合には、「300」が補給カウンタ203tの値としてセットされる。
そして、ステップ9507において、補給回数カウンタ203eの値に「1」を加算したのち、ステップ9508において、補給実行フラグ203rをオンにする。これにより、前記したメダル補給処理(図42)が実行されて、補給カウンタ203tにセットされた枚数のメダルが、スロットマシン3に供給されることになる。
補給実行フラグ203rがオンにされる、またはステップ9504において特別遊技状態の入賞役(BBまたはRB)への入賞が確定していないと判断された場合、ステップ9509において、補給の要否判断が完了したことを示すために、補給判断終了フラグ203uをオンにし、処理を終了する。
以上の通り、第10の実施形態では、スロットマシン3において、貯留部44に貯留されたメダル(遊技媒体)の量が規定量未満であることが確認された場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態になる入賞役(BB、RB)への入賞が確定すると、メダルの補給が必要であると判断し、入賞役に応じて決められた所定枚数のメダルを、メダル補給装置7を駆動して、スロットマシン3に補給する構成とした。
このように構成すると、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されたメダルの量が不足しても、入賞役への入賞が確定していないと、ホッパ装置43にメダルが補給されないので、遊技を行わずに、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、ホッパ装置43にメダルが際限なく補給されることがない。
さらに、入賞役への入賞が確定しないとメダルが補給されないので、ホッパ装置43でのメダルの貯留量の不足が確認された場合に単純にメダルを補給する従来例の場合に比べて、ホッパ装置43にメダルが過剰に供給されて、ホッパ装置43に大量のメダルが貯留された状態となることない。よって、遊技を行わずに、不正行為によりホッパ装置43(払出装置部45)を誤作動させてメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
次に、本発明の第11の実施形態を説明する。
第11の実施形態では、ホッパ装置43でのメダルの貯留量が不足していることが確認された場合における、補給要否の判断機会が複数回設けられている。
図46は、第11の実施形態における補給カウンタ処理のフローチャートである。
始めに、ステップ9601において、ホッパ装置43に取り付けられたメダル残量センサ48の出力に基づいて、ホッパ装置43の貯留部44に規定高さ以上のメダルが貯留されているか否か、すなわちメダルの貯留量が不足しているか否かが確認される。
第11の実施形態では、貯留部44内に200枚のメダルが貯留されている場合の高さが、メダル残量センサ48が検出する規定高さとして設定されており、貯留部44内に貯留されているメダルの枚数(量)がおおよそ200枚よりも少なくなった場合に、導電ロッド48a、48aが導通状態から非導通状態となって、ステップ9601においてメダルの貯留量が不足していると判断される。
ステップ9601においてメダルの貯留量が不足している場合、ステップ9602において、補給判断終了フラグ203uがオフであるか否かが確認される。
ステップ9602において補給判断終了フラグ203uがオフである場合、ステップ9603において、補給判断の実行タイミングを規定する補給判断実行タイマ203vの値が0(ゼロ)であるか否かが確認される。補給判断実行タイマ203vの値が0(ゼロ)である場合、ステップ9604において、補給判断実行タイマ203vの値が、規定値にリセットされる。次回の補給判断実行処理の実行タイミングを決めるためである。
ここで、第11の実施形態では、第4および第6の実施形態の場合と同様に、ART状態になった時点と、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに、補給カウンタ処理が実行されて、補給の要否が判断されるようになっている。そのため、補給判断実行タイマの値は、ARTに入賞していない間は、0(ゼロ)に設定されて、ART入賞時に必ず1回補給の要否が判断されるようになっている。そして、ART入賞後に、補給判断実行タイマ203vの値が規定値にリセットされたのち、ART状態である間は、タイマの値が0(ゼロ)になる度に規定値にリセットされて、補給の要否の判断が繰り返し実行されるようになっている。
ここで、実施形態では、規定値の値が「100」に設定されて、メダルの貯留量が不足している場合には、例えばART状態での遊技回数が100ゲームに達するたびに、補給の要否の判断が行われるようになっている。そのため、この補給判断実行タイマ203vの値は、出力情報受信処理(図40参照)のタイマ減算処理(ステップ7010)が実行されるたびに、「1」ずつ減算されるようになっている。
補給判断実行タイマ203vの値がリセットされると、ステップ9605において、補給カウンタ203tの値が0クリアされて、補給カウンタ203tの値として、「0」がセットされる。
続いて、ステップ9606において、メダルの貯留量が不足していると判断されたスロットマシン3の状態がART状態であるか否かが確認される。
ここで、ART中フラグ203nがオンである場合に、ART状態であると判断される。
スロットマシン3の状態がART状態である場合、ステップ9607において、ROM202の補給テーブル202aを参照して、ARTである場合の補給枚数を示す補給情報を取得し、ステップ9608において、補給カウンタ203tに補給情報をセットする。
具体的には、補給情報が示すメダルの補給枚数をRAM203の補給カウンタ203tの値にセットする。
実施の形態では、補給テーブル202aにおいて、特別遊技状態となる入賞役がARTである場合の補給枚数が200枚に設定されているので、「200」が補給カウンタ54dの値としてセットされる。
そして、ステップ9609において、補給回数カウンタ203eの値に「1」を加算したのち、ステップ9610において、補給実行フラグ203rをオンにする。これにより、前記したメダル補給処理(図42参照)が実行されて、補給カウンタ203tにセットされた枚数のメダルが、スロットマシン3に供給されることになる。
ステップ9611において、ART状態において、スロットマシン3から払い出されたメダルの枚数が払出上限枚数を超えたか否かを確認する。
そして、払出枚数カウンタ203wの値が払出上限枚数を超えている場合、ステップ9612において、補給判断終了フラグ203uをオンにする。これにより、以降実行される補給要求処理では、ステップ9602において処理が終了し、メダル補給の要否判断が実行されなくなる。
以上の通り、第11の実施形態では貯留部44へのメダルの補給の要否の判断は、貯留部44に貯留されたメダルの貯留量不足が確認された場合、ART状態での遊技回数が所定回数に達するたびに実施される構成としたので、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動するARTの場合に、払い出され得る最大量のメダルを、始めから貯留部44に補給しておく必要がない。よって、貯留部44に貯留されるメダルの量を少なくすることができるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
以上の通り、上記の実施形態では、オン/オフ信号を出力する信号線を介して、外部集中端子板80とホールコンピュータ2、2Aとを接続する構成としたので、コマンド線を利用して情報交換を行う場合に比べて、より安価に構成できる。
また、補給要求信号をスロットマシン3から出力させる場合には、外部集中端子板80の端子と、信号線を追加するだけで済むので、スロットマシン3から出力させる情報が増えても、柔軟かつ迅速に対応できる。
以下、上記の実施の形態に適用可能な変形例を、必要に応じて効果と共に記載する。
第3の実施形態では、メダルの補給の要否判断は、特別遊技状態(BB、RB)において、ホッパ装置43(貯留部44)から所定枚数のメダルが払い出されるたびに、実施される構成としたが、特別遊技状態(BB、RB)における遊技回数が、例えば10回になるたびに、メダルの補給の要否判断を行うようにしても良い。さらに、BB、RB状態になった時点で判断を行ったのちは、所定時間が経過するたびに、補給の要否の判断を行うようにしても良い。
この場合もまた、補給の要否判断の機会が複数あるので、メダル残量センサ48が検知するメダルの高さを、従来の遊技機の場合に一般的な400枚のメダルが貯留されている高さから、例えば200枚のメダルが貯留されている高さというように、低くすることができる。
そうすると、ホッパ装置43の貯留部44に貯留されるメダルの量が少なくなるので、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの量を抑えることができる。
第4の実施形態では、ART状態での遊技回数が所定回数(例えば100回)に達するたびに、補給の要否が判断される構成としたが、ART状態になった時点で判断を行ったのちは、所定時間が経過するたびに、補給の要否の判断が実行されて必要に応じてメダルが補給されるようにしても良い。
かかる場合、補給判断実行タイマ54nの値が、1.490ms間隔で実行されるタイマ割込制御処理(図10)のタイマ減算処理(ステップ209)で減算されるようにすることで、所定時間が経過するたびに、補給の要否の判断が実行されて、必要に応じてメダルが補給されるようにすることができる。
さらに、ART状態になった時点で判断を行ったのちは、ART状態における遊技の結果、遊技者が獲得したメダルの枚数が所定枚数(例えば100枚)に達するたびに、補給の要否の判断が実行されて必要に応じてメダルが補給されるようにしても良い。
かかる場合、遊技の結果獲得したメダルの枚数を係数する獲得枚数カウンタ54kの値が100に達した後の補給要求処理において補給の要否の判断を実行するようにすることで、必要に応じてメダルが補給されるようにすることができる。
なお、これらは第8、第11の実施形態においても同様に適用可能である。
第1の実施形態から第3の実施形態、そして第7の実施形態から第8の実施形態では、入賞図柄判定処理(図12のステップ410)において特別遊技状態の入賞役(BB、RB)への入賞が確定した場合に補給の要否判断を実行する構成としたが、内部抽選処理(図12のステップ406)において特別遊技状態の入賞役に当選した時点で、補給の要否判断を実行するようにしても良い。通常遊技状態の場合には、入賞役に当選した時点では、特別遊技状態であることが遊技者に通知されていないので、かかる段階でメダルが補給されると、メダルが貯留部44に補給される音をもって、遊技者は、特別遊技状態の入賞役に当選していること(特別遊技状態の入賞フラグが成立していること)に気付くことができる。そうすると、その後、ストップボタン27を押して回転しているリールを停止させて有効ライン上に図柄を揃えようとする場合に、遊技者は一層の注意をもってストップボタン27を押すようになるので、抽選に当選している入賞役への入賞の確定に寄与できるようになる。
なお、スロットマシン3が、当選している入賞役を遊技者に報知するAT状態である場合には、当選している入賞役を遊技者に報知する前に、補給の要否判断または補給が行われるようにすれば、同様の効果が奏されることになる。
補給の要否判断が1回のみである実施形態(第1の実施形態、第2の実施形態、第5の実施形態、第7の実施形態、第10の実施形態)では、メダルの補給が必要であると判断された場合に、あらかじめ決められた所定枚数のメダルであって、入賞役(BB、RB)において払い出され得る最大枚数よりも少ない枚数のメダルが補給されるように設定されていたが、最大枚数のメダルが補給されるようにしても良い。
このようにすることで、特別遊技状態の途中でメダルが不足することを避けつつ、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、最大枚数を大きく超えてメダルが不正に取得されることがない。
また、補給の要否判断が複数回ある実施形態(第3の実施形態、第4の実施形態、第6の実施形態、第8の実施形態、第9の実施形態、第11の実施形態)では、補給が必要と判断された場合に、スロットマシン3に補給するメダルの枚数を、常に同じ枚数とした。
しかし、補給の要否判断を実行した時点における、特別遊技状態での払出枚数や遊技回数などに応じて、変更するようにしても良い。
例えば、特別遊技状態での払出枚数に応じて変更する場合、入賞役において払い出され得る最大枚数から、その時点までに既に払い出されたメダル枚数を減算した枚数を、補給するようにしても良い。
また、遊技回数に応じて変更する場合、遊技回数が多くなるほど、補給枚数が減少するようにしても良い。
このようにすることで、過剰のメダルが貯留部44に貯留されることを防止でき、不正行為によりメダルが払い出されたとしても、不正に取得されるメダルの枚数をおさえることができる。
さらに、補給の要否判断が複数回ある実施形態(第3の実施形態、第4の実施形態、第6の実施形態、第8の実施形態、第9の実施形態、第11の実施形態)では、補給されたメダルの合計枚数が、入賞役において払い出され得る最大枚数を超えると、以降、新たに特別遊技状態になるまでは、補給の要否判断が実行されないように構成したが、この場合において、エラー報知が行われるようにしても良い。
例えば、液晶ディスプレイ18へのエラーメッセージの表示、上部ランプ16の点滅、スピーカ17からの警報音の出力、そしてホールコンピュータ2への異常発生通知などを行うようにしても良い。
入賞役において払い出され得る最大枚数を超えてメダルが払い出された場合、払出装置部45の故障や、不正行為によるメダルの不正取得が疑われるので、かかる事態の発生を迅速に知ることができる。
第2の実施形態から第6の実施形態では、補給要求信号において、メダルの一枚が一組のオン信号とオフ信号で規定されているので、補給を要求するメダルの枚数分だけ、補給要求信号のオン信号を出力していたが、例えば、BBの場合にはオン信号を1回、RBの場合にはオン信号を2回と設定し、ホールコンピュータ2側でオン信号の入力回数に応じて決められた所定枚数のメダルを補給するようにしても良い。かかる場合、補給要求信号のオン信号の出力にかかる時間を短縮できるので、より迅速なメダルの補給が可能になり、とくに、入賞フラグが成立した時点で補給の要否判断を実行し、遊技者に入賞フラグの成立を認識させ得るようにする場合には有効である。
さらに、オン信号の回数ではなく、オン信号の入力されている時間に応じて、入賞役(BB、RB)が特定できるようにしても良い。
また、スロットマシン3に所定枚数のメダルが補給されたか否かの判断を、メダルセンサ7eの出力信号に基づいて特定していた。しかし、メダル補給装置7のホッパ装置7aからメダル搬送レール7bに送出されるメダルの枚数が、ホッパ装置7a駆動時間に正確に比例する場合には、単位時間当たりにホッパ装置7aから送出されるメダル枚数に基づいて、所定枚数のメダルを送出するのに必要な駆動時間を算出し、ホールコンピュータ2から、ホッパ装置7aを駆動させるコマンド信号を算出した駆動時間の間だけ出力して、ホッパ装置7aを駆動させるようにしても良い。
このように構成すると、例えば1秒あたり10枚のメダルを送出するホッパ装置7aを駆動して、300枚のメダルをスロットマシン3に補給する場合には、コマンド信号を30秒出力することで、予定されている300枚のメダルをスロットマシン3に補給することができるようになる。
以上、実施の形態では、メイン制御基板50からBB中信号、RB中信号、RT中信号、AT中信号、ART中信号を出力する構成としたが、これら信号の総てをサブ制御基板60から出力する構成としても良い。
また、例えばAT抽選をサブ制御基板60で行う構成としたうえで、AT中信号やART中信号を、サブ制御基板60から出力する、というように、上記の信号のうちの一部が、サブ制御基板60から出力される構成としても良い。
また、実施の形態では、遊技機がスロットマシンである場合を例に挙げて説明をした。
本発明は、スロットマシンとは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機、いわゆるパチンコ機などに適応しても良い。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球などの遊技機として実施するようにしても良い。
また、弾球式でない遊技機、例えば外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留および取り込み装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技玉が取り込み装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機、いわゆるパロットとして実施するようにしても良い。
以下、上記の実施形態および変形例から抽出される発明の特長を、必要に応じて効果など共に記載する。
本発明は、(1)遊技媒体を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満であるかを検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記貯留部への遊技媒体の補給の要否を判断する判断手段と、
入賞役の抽選を行うと共に、遊技の進行を制御する制御手段と、を備え、
前記入賞役に当選し、前記入賞役に対応した図柄または図柄組み合わせが停止表示された場合に、前記入賞役に応じた量の遊技媒体が、前記貯留部から払い出される遊技機において、
前記判断手段は、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態に対応した所定条件が成立した場合に、前記遊技媒体の補給の要否の判断を実行し、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満である場合に、遊技媒体の補給が必要と判断することを特徴とする遊技機。
このように構成すると、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、補給の要否の判断機会がないので、貯留部に遊技媒体が補給されない。よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。よって、遊技を行わずに、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(2)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選した場合、または前記特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示された場合に1回実行されることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
このように構成すると、補給の要否の判断は1回しか行われないので、特別遊技状態になる入賞役に当選したあと、または特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたあとに不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、補給の機会は1回しかなく、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。
(3)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選、または入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたのち、前記特別遊技状態における最初の遊技が行われる前に実行されることを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技機。
このように構成すると、遊技媒体が大量に払い出されることが見込まれる特別遊技状態での遊技が開始される前に、遊技媒体の補給の要否が判断され、遊技媒体が必要に応じて補給される。
これにより、特別遊技状態の途中や終了近くで補給の要否の判断が実行される場合と比べて、特別遊技状態の終了後に貯留部に貯留される遊技媒体の量を抑えることができる。よって、その後、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
また、特別遊技状態での遊技を開始した直後に、払い出し用の遊技媒体が不足して遊技が中断する事態の発生も防止できる。
(4)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態の間、前記遊技媒体が所定量払い出されるたびに実施され、
前記所定量は、前記特別遊技状態で払い出され得る遊技媒体の最大量よりも少ない量に設定されていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
このように構成すると、遊技媒体が所定枚数払い出される度に補給の要否を判断しているので、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態であっても、払い出され得る最大量の遊技媒体を、始めから貯留部に貯留しておく必要がない。また、遊技媒体の補給が必要と判断する際の基準である規定量を少なくすることで、貯留部に貯留されている遊技媒体の量を少なくすることができる。
よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(5)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態である間、前記抽選が所定回数行われるたびに実施されることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
このように構成すると、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態であっても、払い出され得る最大量の遊技媒体を、始めから貯留部に貯留しておく必要がないので、貯留部に貯留される遊技媒体の量を抑えることができ、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(6)前記特別遊技状態の間における前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記貯留部から払い出された前記遊技媒体の量が、前記特別遊技状態に対応して決められた上限量を超えた場合には行われないことを特徴とする(4)または(5)に記載の遊技機。
このように構成すると、特別遊技状態になったあとに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、遊技媒体が貯留部に際限なく補給されることがないので、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
また、本発明は、
(7)遊技媒体を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量を検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記貯留部への遊技媒体の補給の要否を判断する判断手段と、
入賞役の抽選を行うと共に、遊技の進行を制御する制御手段と、を備え、
前記入賞役に当選し、入賞役に対応した図柄または図柄組み合わせが停止表示された場合に、前記入賞役に応じた量の遊技媒体が、前記貯留部から払い出される遊技機において、
前記判断手段は、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になったことが検出された場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態に対応した所定条件が成立すると、前記遊技媒体の補給が必要と判断することを特徴とする遊技機。
このように構成すると、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、補給の要否の判断機会がないので、貯留部に遊技媒体が補給されない。よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。よって、遊技を行わずに、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(8)前記入賞役は、前記遊技媒体の払い出し量の異なる複数の入賞役から構成され、
前記判断手段は、当選している入賞役に応じて決まる所定量の遊技媒体の補給が必要であると判断することを特徴とする(7)に記載の遊技機。
このように構成すると、入賞役に当選して遊技媒体が貯留部から払い出されると、入賞役に応じて決められた所定枚数の遊技媒体が補給される。よって、貯留部から払い出される遊技媒体の量と、遊技媒体に供給される遊技媒体の量とを均衡させて、貯留部内に遊技媒体が過剰に貯留されることを防止できる。
よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を、いっそう抑えることができる。
(9)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態に当選した場合、または前記特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示された場合に1回実行されることを特徴とする(7)または(8)に記載の遊技機。
このように構成すると、補給の要否の判断は抽選1回につき1回しか行われないので、特別遊技状態になる入賞役に当選したあと、または特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたあとに不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがない。よって、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。
(10)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選、または特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたのち、前記特別遊技状態における最初の遊技が行われる前に実行されることを特徴とする(7)から(9)の何れかひとつに記載の遊技機。
このように構成すると、遊技媒体が大量に払い出されることが見込まれる特別遊技状態での遊技が開始される前に、遊技媒体の補給の要否が判断され、遊技媒体が必要に応じて補給される。
これにより、特別遊技状態の途中や終了近くで補給の要否の判断が実行される場合と比べて、特別遊技状態の終了後に貯留部に貯留される遊技媒体の量を抑えることができる。よって、その後、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
特別遊技状態での遊技を開始した直後に、遊技媒体が不足して遊技が中断する事態の発生を防止できる。
(11)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態の間、前記遊技媒体が所定量払い出されるたびに実施され、
前記所定量は、前記特別遊技状態で払い出され得る遊技媒体の最大量よりも少ない量に設定されていることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
このように構成すると、遊技媒体が所定枚数払い出される度に補給の要否を判断しているので、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態であっても、払い出され得る最大量の遊技媒体を、始めから貯留部に貯留しておく必要がない。また、遊技媒体の補給が必要と判断する際の基準である規定量を少なくすることで、貯留部に貯留されている遊技媒体の量を少なくすることができる。
よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
また、本発明は、
(12)少なくとも一台の遊技機と、前記遊技機の状態をモニタする管理装置と、を備える遊技機管理システムにおいて、
前記遊技機は、
遊技媒体を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満であるかを検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記貯留部への遊技媒体の補給の要否を判断する判断手段と、
遊技の進行を制御すると共に入賞役の抽選を実行し、前記入賞役に当選し、入賞役に対応した図柄または図柄組み合わせが停止表示された場合に、入賞役に応じた量の遊技媒体の前記貯留部からの払い出しを実行する制御手段と、を備え、
前記判断手段は、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態に対応した所定条件が成立した場合に、前記遊技媒体の補給の要否の判断を実行し、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満である場合に、遊技媒体の補給が必要と判断して遊技媒体の補給を要求する補給要求信号を前記管理装置に出力し、
前記管理装置は、
前記遊技機に遊技媒体を補給する補給装置を制御する補給制御手段を備え、
前記補給制御手段は、前記補給要求信号が入力された場合に、前記補給装置を駆動して、前記補給要求信号を出力した遊技機への遊技媒体の補給を実行することを特徴とする遊技機管理システム。
このように構成すると、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、遊技を行わずに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがない。
よって、遊技を行わずに、不正行為に寄り遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(13)少なくとも一台の遊技機と、前記遊技機の状態をモニタする管理装置と、を備える遊技機管理システムにおいて、
前記遊技機は、
遊技媒体を貯留する貯留部と、
遊技の進行を制御すると共に入賞役の抽選を実行し、前記入賞役に当選し、入賞役に対応した図柄または図柄組み合わせが停止表示された場合に、入賞役に応じた量の遊技媒体の前記貯留部からの払い出しを実行する制御手段と、
前記入賞役に当選した場合に、当選した入賞役を示す信号を前記管理装置に出力して、入賞役を報知する報知手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満であるかを検出するセンサと、
前記貯留部への遊技媒体の補給の要否を判断する判断手段と、を備え、
前記判断手段は、
前記遊技機において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態に対応した所定条件が成立した場合に、前記遊技媒体の補給の要否の判断を実行し、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満である場合に、遊技媒体の補給を実行することを特徴とする遊技機管理システム。
このように構成すると、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、遊技を行わずに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがない。さらに、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、貯留部に遊技媒体が過剰に供給されて、貯留部内に大量の遊技媒体が貯留された状態となることない。
よって、遊技を行わずに、不正行為に寄り遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(14)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選した場合、または前記特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示された場合に1回実行されることを特徴とする(12)または(13)に記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、特別遊技状態になる入賞役に当選したあと、または特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたあとに不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、補給の機会は1回しかなく、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。
(15)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選、または特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたのち、前記特別遊技状態における最初の抽選が行われる前に実行されることを特徴とする(12)から(14)の何れかひとつに記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、遊技媒体が大量に払い出されることが見込まれる特別遊技状態での遊技が開始される前に、遊技媒体の補給の要否が判断され、遊技媒体が必要に応じて補給される。
これにより、特別遊技状態の途中や終了近くで補給の要否の判断が実行される場合と比べて、特別遊技状態の終了後に貯留部に貯留される遊技媒体の量を抑えることができる。よって、その後、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
また、特別遊技状態での遊技を開始した直後に、払い出し用の遊技媒体が不足して遊技が中断する事態の発生を防止できる。
(16)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態の間、前記遊技媒体が所定量払い出されるたびに実施され、
前記所定量は、前記特別遊技状態で払い出され得る遊技媒体の最大量よりも少ない量に設定されていることを特徴とする(12)または(13)に記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態であっても、払い出され得る最大量の遊技媒体を、始めから貯留部に貯留しておく必要がない。また、遊技媒体の補給が必要と判断する際の基準である規定量を少なくすることで、貯留部に貯留されている遊技媒体の量を少なくすることができる。
よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(17)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態である間、前記抽選が所定回数行われるたびに実施されることを特徴とする(12)または(13)に記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態であっても、払い出され得る最大量の遊技媒体を、始めから貯留部に貯留しておく必要がないので、貯留部に貯留される遊技媒体の量を抑えることができ、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(18)前記特別遊技状態の間における前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記貯留部から払い出された前記遊技媒体の量が、前記特別遊技状態に対応して決められた上限量を超えた場合には行われないことを特徴とする(16)または(17)に記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、特別遊技状態になったあとに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、遊技媒体が貯留部に際限なく補給されることがないので、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
また、本発明は、
(19)少なくとも一台の遊技機と、前記遊技機の状態をモニタする管理装置と、を備える遊技機管理システムにおいて、
前記遊技機は、
遊技媒体を貯留する貯留部と、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満であるかを検出するセンサと、
前記センサの検出結果に基づいて、前記貯留部への遊技媒体の補給の要否を判断する判断手段と、
遊技の進行を制御すると共に入賞役の抽選を実行し、前記入賞役に当選し、入賞役に対応した図柄または図柄組み合わせが停止表示された場合に、入賞役に応じた量の遊技媒体の前記貯留部からの払い出しを実行する制御手段と、を備え、
前記判断手段は、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になったことが検出された場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態に対応した所定条件が成立すると、遊技媒体の補給が必要と判断して遊技媒体の補給を要求する補給要求信号を前記管理装置に出力し、
前記管理装置は、
前記遊技機に遊技媒体を補給する補給装置を制御する補給制御手段を備え、
前記補給制御手段は、前記補給要求信号が入力された場合に、前記補給装置を駆動して、前記補給要求信号を出力した遊技機への遊技媒体の補給を実行することを特徴とする遊技機管理システム。
このように構成すると、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、遊技を行わずに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがない。さらに、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、貯留部に遊技媒体が過剰に供給されて、貯留部内に大量の遊技媒体が貯留された状態となることない。
よって、遊技を行わずに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(20)少なくとも一台の遊技機と、前記遊技機の状態をモニタする管理装置と、を備える遊技機管理システムにおいて、
前記遊技機は、
遊技媒体を貯留する貯留部と、
遊技の進行を制御すると共に入賞役の抽選を実行し、前記入賞役に当選し、入賞役に対応した図柄または図柄組み合わせが停止表示された場合に、入賞役に応じた量の遊技媒体の前記貯留部からの払い出しを実行する制御手段と、
前記入賞役に当選した場合に、当選した入賞役を示す信号を前記管理装置に出力して、入賞役を報知する報知手段と、を備え、
前記管理装置は、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満であるかを検出するセンサと、
前記貯留部への遊技媒体の補給の要否を判断する判断手段と、
前記遊技機に遊技媒体を補給する補給装置を制御する補給制御手段と、を備え、
前記判断手段は、
前記貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になったことが検出された場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態で遊技が進行する特別遊技状態に対応した所定条件が成立すると、前記遊技媒体の補給が必要と判断し、
前記補給制御手段は、前記遊技媒体の補給が必要であると判断された場合に、前記補給装置を駆動して、前記補給が必要であると判断された遊技機へのメダルの補給を実行することを特徴とする遊技機管理システム。
このように構成すると、貯留部に貯留された遊技媒体の量が規定量未満になっても、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、遊技を行わずに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがない。さらに、特別遊技状態に対応した所定条件が成立するまでは、貯留部に遊技媒体が補給されないので、貯留部に遊技媒体が過剰に供給されて、貯留部内に大量の遊技媒体が貯留された状態となることない。
よって、遊技を行わずに、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(21)前記入賞役は、前記遊技媒体の払い出し量の異なる複数の入賞役から構成され、
前記判断手段は、当選している入賞役に応じて決まる所定量の遊技媒体の補給が必要であると判断することを特徴とする(19)または(20)に記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、入賞役に当選して遊技媒体が貯留部から払い出されると、入賞役に応じて決められた所定枚数の遊技媒体が補給される。よって、貯留部から払い出される遊技媒体の量と、遊技媒体に供給される遊技媒体の量とを均衡させて、貯留部内に遊技媒体が過剰に貯留されることを防止できる。
よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を、いっそう抑えることができる。
(22)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選した場合、または前記特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示された場合に1回実行されることを特徴とする(19)から(21)の何れかひとつに記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、特別遊技状態になる入賞役に当選したあと、または特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたあとに不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、補給の機会は1回しかなく、貯留部に遊技媒体が際限なく補給されることがないので、大量の遊技媒体が不正に取得されることがない。
(23)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態になる入賞役に当選、または前記特別遊技状態になる入賞役に対応した図柄若しくは図柄組み合わせが停止表示されたのち、前記特別遊技状態における最初の遊技が行われる前に実行されることを特徴とする(19)から(22)の何れかひとつに記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、遊技媒体が大量に払い出されることが見込まれる特別遊技状態での遊技が開始される前に、遊技媒体の補給の要否が判断され、遊技媒体が必要に応じて補給される。
これにより、特別遊技状態の途中や終了近くで補給の要否の判断が実行される場合と比べて、特別遊技状態の終了後に貯留部に貯留される遊技媒体の量を抑えることができる。よって、その後、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
特別遊技状態での遊技を開始した直後に、払い出し用の遊技媒体が不足して遊技が中断する事態の発生を防止できる。
(24)前記遊技媒体の補給の要否の判断は、前記特別遊技状態の間、前記遊技媒体が所定量払い出されるたびに実施され、
前記所定量は、前記特別遊技状態で払い出され得る遊技媒体の最大量よりも少ない量に設定されていることを特徴とする(19)または(20)に記載の遊技機管理システム。
このように構成すると、払い出され得る遊技媒体の最大量が遊技の結果に応じて変動する特別遊技状態であっても、払い出され得る最大量の遊技媒体を、始めから貯留部に貯留しておく必要がない。また、遊技媒体の補給が必要と判断する際の基準である規定量を少なくすることで、貯留部に貯留される遊技媒体の量を少なくすることができる。
よって、不正行為により遊技媒体が払い出されたとしても、不正に取得される遊技媒体の量を抑えることができる。
(25)上記の(1)から(11)の何れかの遊技機において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機。
なかでも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて、球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が背負え知事看護に確定停止されるものがあげられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータなども含む)が付与されるものがあげられる。
(26)上記の(1)から(11)の何れかの遊技機において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
なかでも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に、識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体は、メダルなどが代表例として挙げられる。
(27)上記の(1)から(11)の何れかの遊技機において、前記遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
なかでも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に、識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、を備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。