以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)」、「白ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)」、「黒ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号13の図柄)」、「ブランク1(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「ブランク2(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号14の図柄)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)」、「BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号7の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、タッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、メダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、ビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち逆V字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、の4種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、準備モード、有利RT、不利RT、ビッグボーナス、内部中RTにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L4の全てが有効となる。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨るラインを含むものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。
ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L4上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。
また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜4の4段階からなり、4が最も払出率が高く、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として4が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。
なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ボーナス当選フラグ)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態(たとえば、後述する不利RTなど)中であるときには当該遊技状態に制御される残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合でも、原則として、設定変更モード移行前の遊技状態(遊技状態の種類および不利RTであるときには残りゲーム数)に関する情報が維持される。これにより、たとえば、有利RT中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後においても当該有利RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。また、ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する不利RT中に設定変更モードに移行させた場合には、残りゲーム数についても維持管理される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、ボーナスの当選フラグが初期化されボーナス抽選で当選すると再度当選フラグを設定可能であって当該内部中RT中のリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。このため、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域は、原則として、設定変更に関連して初期化されることはない。例外として、たとえば、設定変更モード移行前の遊技状態がボーナスであるときには、設定変更に関連してたとえば準備モードを示す遊技状態フラグが格納される。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、通常遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
なお、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図5(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、ボーナス終了後に制御される準備モード、所定条件が成立(後述する準備モードあるいは有利RTにおいて特殊出目停止、あるいは不利RTにおいて所定回数ゲーム消化)することにより制御される通常遊技状態、通常遊技状態において所定の有利条件が成立(後述する昇格リプレイ入賞)することにより制御される有利RT、通常遊技状態や有利RTにおいて所定の不利条件が成立(後述する転落リプレイ入賞)することにより制御される不利RT、ボーナス内部当選したときに制御される内部中RT、およびボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。
有利RTは、再遊技役の当選率が極めて高確率となる点において、準備モードおよび通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、不利RTは、所定回数(たとえば32)ゲーム消化するかあるいはボーナス当選するまで他の遊技状態に制御されずかつ有利RTに直接制御されることがない点において、通常遊技状態よりも遊技者にとって不利な状態といえる。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、通常遊技状態、有利RT、不利RT、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が通常遊技状態、有利RT、および内部中RTなどであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5(a)を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜5(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)の5種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB5は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス1(以下、RB1と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。また、BB4〜BB5のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス2(以下、RB2と称する)に毎ゲーム制御されるボーナスに移行される。
遊技状態がボーナスにある間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、RBの種類に対応するレギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始される毎に対応するレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
BB1〜BB3のいずれかの入賞に起因して発生したボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB4またはBB5の入賞に起因して発生したボーナスは、73枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB5のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
後述する内部抽選においてBB1〜BB5のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB5を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ブドウ1〜ブドウ8、バナナブドウ1〜バナナブドウ12、メロン、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1、1枚役2が含まれる。
小役のうちメロンは、入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると3枚メダルが払い出される。メロンは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。メロンを構成する図柄(「メロン」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
次に、小役のうちイチゴ1は、入賞ラインのいずれかに「イチゴ−バナナ−バナナ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。小役のうちイチゴ2は、リール2Cについて入賞ラインのいずれかに「イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。なお、イチゴ2が入賞した場合には、入賞ラインL1〜L4のすべてにおいて入賞となるため、4枚のメダルが払出される。
次に、小役のうち1枚役1は、入賞ラインのいずれかに「ブランク2−ブランク2−BAR」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。
小役のうち1枚役2は、入賞ラインのいずれかに「BAR−白7−白7」の図柄が導出されることにより入賞となり、1枚のメダルが払い出される。1枚役2は、後述するようにRB1中のみ当選可能に設定されている。
次に、ブドウ1〜8について説明する。ブドウ1は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ2は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ3は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ4は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ5は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ6は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ7は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウ8は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、ブドウ1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてブドウ1〜8のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているブドウに入賞することはない。
しかしながら、ブドウ1〜ブドウ8は、後述するように、同時に抽選対象役として読み出されて、同時に当選する。また、「黒ブドウ」および「白ブドウ」のいずれかが、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。また、上記のように、ブドウ1〜8は、「黒ブドウ」および「白ブドウ」から構成され得る8通りすべての組合せである。このため、ブドウ1〜ブドウ8に当選しているときには、原則として、いずれかのブドウを入賞させることができる。
次に、バナナブドウ1〜12について説明する。バナナブドウ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−黒ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ2は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−黒ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ3は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ4は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ5は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−白ブドウーバナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ6は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ7は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−黒ブドウ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ8は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−白ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ9は、入賞ラインのいずれかに「黒ブドウ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ10は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白ブドウ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ11は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−黒ブドウ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。バナナブドウ12は、入賞ラインのいずれかに「白ブドウ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、バナナブドウ1〜12各々を構成する図柄のうち「バナナ」は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、「黒ブドウ」および「白ブドウ」各々は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されておらず、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてバナナブドウ1〜12のいずれかに当選していても、当選しているバナナブドウの「黒ブドウ」および「白ブドウ」に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているバナナブドウに入賞することはない。
ブドウ1〜8、およびバナナブドウ1〜12のうちいずれかが入賞した場合には、9枚のメダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ1、転落リプレイ2、制御用リプレイが含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
通常リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。昇格リプレイを構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L、右リール2R各々において7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態において昇格リプレイに入賞した後は、有利RTに制御される。後述するように、昇格リプレイは、準備モードや不利RTにおける内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、準備モードや不利RTにおいては昇格リプレイに入賞しない。その結果、準備モードや不利RTから有利RTに制御されないように構成されており、通常遊技状態であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常遊技状態からのみ有利RTに制御されるように構成されている。
なお、準備モードであるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)で昇格リプレイについて抽選して当選し得るようにし、準備モードからも有利RTに制御されるように構成してもよい。不利RTであるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)で昇格リプレイについて抽選して当選し得るようにしてもよいが、この場合不利RTにおいて昇格リプレイ入賞しても有利RTに制御させないように制御してもよい。
転落リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−黒ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−白ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイ1および転落リプレイ2各々を構成する図柄のうち、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているが、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)は、7コマ以内に配置されていない。
しかしながら、転落リプレイ1と転落リプレイ2とは、同時に当選するため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングに関わらず、転落リプレイ1および転落リプレイ2のうちいずれかの右リール2Rを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、転落リプレイ1および転落リプレイ2は、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、通常遊技状態や有利RTにおいて転落リプレイに入賞した後は、不利RTに制御される。
制御用リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−白7−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。制御用リプレイを構成する図柄のうち、リール2L、2Rの図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されているが、中リール2Cの図柄(「白7」)は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において制御用リプレイに当選していても、ストップスイッチ8Cを適正なタイミングで操作しなければ、制御用リプレイに入賞しない。
しかし、制御用リプレイは、昇格リプレイや転落リプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングに関わらず、昇格リプレイや転落リプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、制御用リプレイは、原則として、当選しても入賞させることができないが、同時に当選するリプレイのいずれかを入賞させることができる役といえる。
次に、図5(b)を参照して、特殊出目について説明する。特殊出目は、「バナナ−メロン−黒ブドウ」など、図5(b)に示す16種類の図柄組合せを含む。本実施の形態において特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させるリール制御は、いずれの遊技状態においても、ブドウ1〜8のいずれかに当選しているときであって当該当選しているブドウを取りこぼし、かつ当該ブドウと同時にバナナブドウが当選していたときには当該バナナブドウを取りこぼしたときに行なわれる。その結果、ブドウ1〜8のいずれかに当選しているときであって、当該当選しているブドウを構成する図柄を入賞ラインL1〜L4のいずれにも停止させることができない場合で、かつバナナブドウに同時当選している場合で当該当選しているバナナブドウを構成する図柄を入賞ラインL1〜L4のいずれにも停止させることができない場合には、特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させることができる。
図6に示すように、準備モードあるいは有利RTにおいて特殊出目が停止した後は、通常遊技状態に制御される。通常遊技状態は、ボーナスに当選するか、昇格リプレイあるいは転落リプレイに入賞するまで継続して制御される。なお、準備モードあるいは有利RT以外の遊技状態において特殊出目が停止されたとしても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において特殊出目が停止されたとしても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施の形態では、遊技状態がいずれであるかによって抽選対象役の組合せが異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図7においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、図7の○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役(図7の通常の「メロン」)の当選確率は、300/65536となる。
遊技状態が通常遊技状態であるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、リプGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+転落リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、および転落リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。リプGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ+転落リプレイ+制御用リプレイをいい、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、および制御用リプレイが読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
また、左押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ2+バナナブドウ9をいう。左押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ5+バナナブドウ12をいう。中押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ4+バナナブドウ8をいう。中押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ7+バナナブドウ11をいう。右押しブドウ1とは、ブドウ+バナナブドウ1+バナナブドウ3をいう。右押しブドウ2とは、ブドウ+バナナブドウ10+バナナブドウ6をいう。左、中、右押しブドウ1および2におけるブドウは、ブドウ1+ブドウ2+ブドウ3+…+ブドウ8をいう。よって、たとえば、左押しブドウ1とは、ブドウ1〜8、バナナブドウ2、およびバナナブドウ9が読み出されて内部抽選が行なわれることを示す。
遊技状態が準備モードであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が有利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が不利RTであるときには、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB1+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、BB2+イチゴ1+イチゴ2、BB3+イチゴ1、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が内部中RTであるときには、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、ブドウ、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、右押しブドウ2、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、通常遊技状態などにおいて、BB1〜BB3のいずれかと同時当選し得るイチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の判定値数は、内部中RTにおいて、各々、ボーナスと別個に読み出される、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1に加算されているため、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1各々の当選確率が一定となるように担保されている。
遊技状態がRB1であるときには、メロン、イチゴ1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、1枚役1、1枚役2、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読み出される。全小役とは、ブドウ1〜8+バナナブドウ1〜12+メロン+イチゴ1+イチゴ2+1枚役1をいう。また、遊技状態がRB2であるときには、全小役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として読み出される。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、ボーナスは、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の各役と同時に当選し得る。このうち、特に、イチゴ1およびイチゴ2を同時当選役ともいう。イチゴ1+イチゴ2+1枚役1、イチゴ1+イチゴ2、イチゴ1のうち当選したときにボーナスと同時当選している割合は、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1が最も高く、次にイチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の順となるように判定値数が設定されている。
次に、図7の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役当選確率を比較する。準備モードあるいは不利RTであるときには、通常リプレイが読み出され、そのときの判定値数として「9000」が設定されている。このため、準備モードあるいは不利RTにおいては、再遊技役として、通常リプレイのみに入賞可能であり、遊技状態の移行を伴なう昇格リプレイや転落リプレイに入賞しない。その結果、準備モードにおいては、前述した特殊出目が停止することによってのみ、通常遊技状態に制御されるといえる。また、不利RTにおいては、32ゲーム消化することによってのみ、通常遊技状態に制御されるといえる。
通常遊技状態および有利RTにおいては、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイおよび転落リプレイにも入賞し得る。
通常遊技状態において、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「1000」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「4000」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「4000」が設定されている。また、有利RTにおいて、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「1000」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「20000」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「20000」が設定されている。通常遊技状態において昇格リプレイに入賞したときには、有利RTに制御される。また、通常遊技状態あるいは有利RTにおいて転落リプレイに入賞したときには、不利RTに制御される。
なお、本実施の形態における通常遊技状態におけるリプレイの判定値数の合計値は、準備モードや不利RTであるときの通常リプレイの判定値数と同じ値となるように設定されている。よって、通常遊技状態においては、準備モードや不利RTと、リプレイ当選確率が同じになるように設定されている。一方、有利RTにおけるリプレイの判定値数の合計値は、準備モードや不利RTであるときよりも高確率となるように設定されている。
また、内部中RTにおいては、通常リプレイ、リプGR1、リプGR2が読み出され、通常リプレイのみならず、昇格リプレイや転落リプレイにも入賞し得る。内部中RTであるときには、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「7600」が、リプGR1が読み出されるときの判定値数として「15200」が、リプGR2が読み出されるときの判定値数として「15200」が、設定されている。内部中RTにおいて、昇格リプレイあるいは転落リプレイに入賞したときであっても、遊技状態が移行されず当該内部中RTが維持される。
以上より、準備モード、通常遊技状態、不利RT、有利RT、および内部中RT各々における、いずれかのリプレイに当選する確率は、上記割り当てられた判定値数の合計から、以下のようになる。
準備モードであるときのリプレイ当選確率・・・・ 9000/65536
通常遊技状態であるときのリプレイ当選確率・・・ 9000/65536
不利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・ 9000/65536
有利RTであるときのリプレイ当選確率・・・・・41000/65536
内部中RTであるときのリプレイ当選確率・・・・38000/65536
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、有利RTおよび内部中RTであるときに、準備モード、不利RT、および通常遊技状態であるときよりも高くなるように設定されている。このため、有利RTおよび内部中RTは、準備モード、不利RT、および通常遊技状態であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、有利RTであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、有利RTであるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴ1、メロン、ブドウ1など)に当選した場合、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB1+通常リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、リプGR1など)には、図8(a)に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図8(a)は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。本実施の形態においては、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて定められた種類のリプレイを入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
たとえば、通常リプレイと昇格リプレイと転落リプレイとを含むリプGR1が当選し、左リール2Lあるいは中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、通常リプレイと昇格リプレイと転落リプレイと制御用リプレイとを含むリプGR2が当選し、左リール2Lあるいは中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
図3に示すように、昇格リプレイを構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されている。また、図3に示すように、転落リプレイ1および転落リプレイ2各々単独では、右リール2Rの図柄(「黒ブドウ」「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていないために、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって取りこぼす。しかし、リプGR1やリプGR2に当選したときには、転落リプレイ1と転落リプレイ2とが同時に当選する。このため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイあるいは転落リプレイのうちいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
また、リプGR1に当選したときには、右リール2Rを第1停止させると転落リプレイを入賞させ、左リール2Lあるいは中リール2Cを第1停止させると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。これに対し、リプGR2に当選したときには、左リール2Lあるいは中リール2Cを第1停止させると転落リプレイを入賞させ、右リール2Rを第1停止させると昇格リプレイを入賞させるようにリール制御が行なわれる。このように、リプGR1に当選したときとリプGR2に当選したときとで、昇格リプレイに入賞させるための操作手順、および転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順が異なるように設定されている。
このため、通常遊技状態において、リプGR1あるいはリプGR2に当選しているときには、1/2の確率で昇格リプレイに入賞することにより有利RTに制御され、1/2の確率で転落リプレイに入賞することにより不利RTに制御される。また、有利RTにおいて、リプGR1あるいはリプGR2に当選しているときには、1/2の確率で昇格リプレイに入賞することにより有利RTが維持され、1/2の確率で転落リプレイに入賞することにより不利RTに制御される。
後述するように、演出状態がATに制御されているときには、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときに昇格リプレイを入賞させるための操作手順に関わる情報を報知するナビ演出が実行される。このため、通常遊技状態においてATに制御されているときには、意図的に転落リプレイ入賞を回避して昇格リプレイを入賞させて有利RTに制御することができる。また有利RTにおいてATに制御されているときには、意図的に転落リプレイ入賞を回避して昇格リプレイを入賞させて当該有利RTを継続させることができる。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ1+イチゴ2、ブドウ1〜8すべてなど)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、ブドウ(ブドウ1〜8)、左押しブドウ1、左押しブドウ2、中押しブドウ1、中押しブドウ2、右押しブドウ1、および右押しブドウ2のいずれかに当選している場合には、図8(b)に示すように、同時当選したブドウおよびバナナブドウの種類および最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、に応じて、ブドウを入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図8(b)は、ブドウに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、バナナブドウが同時に当選することなくブドウに当選している場合には、第1停止させたリールの種類、およびストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、ブドウ1〜8のいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。図3に示すように、ブドウ1〜8各々を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2Rにおいて7コマ以内の間隔で配置され、中リール2Cにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L4が設定されているため、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、ブドウ1〜8のいずれかが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
また、左押しブドウ1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したブドウのうちブドウ1〜8のいずれかを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、左押しブドウ1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選したバナナブドウ2またはバナナブドウ9のうちいずれかを入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、バナナブドウ2を構成する図柄は、左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄(「黒ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。また、バナナブドウ9を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2R各々の図柄(「黒ブドウ」、「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選したバナナブドウ2またはバナナブドウ9のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するバナナブドウ2または9に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図5(b)で示した特殊出目のいずれかが導出され得る。
また、左押しブドウ2が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選したブドウのうちブドウ1〜8のいずれかを入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
一方、左押しブドウ2が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選したバナナブドウ5またはバナナブドウ12のうちいずれかを入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、バナナブドウ5を構成する図柄は、左リール2Lおよび中リール2C各々の図柄(「白ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。また、バナナブドウ12を構成する図柄は、左リール2Lおよび右リール2R各々の図柄(「白ブドウ」、「黒ブドウ」)が7コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選したバナナブドウ5またはバナナブドウ12のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するバナナブドウ5または12に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図5(b)で示した特殊出目のいずれかが導出され得る。
このように、左押しブドウ1あるいは左押しブドウ2に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中押しブドウ1あるいは中押しブドウ2に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右押しブドウ1あるいは右押しブドウ2に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にブドウ1〜8のいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているバナナブドウを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
このように本実施の形態では、左押しブドウ1あるいは2が当選したか、中押しブドウ1あるいは2が当選したか、右押しブドウ1あるいは2が当選したかによって、ブドウ1〜8を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
後述するように、演出状態がATに制御されているときには、左押しブドウ1〜右押しブドウ2のいずれかに当選したときに、ブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための操作手順に関わる情報を報知するナビ演出が実行される。このため、演出状態がATに制御されているときには、確実にブドウ1〜8を入賞させてメダルを獲得することができる。
次に、イチゴ1に当選している場合のリール制御について説明する。イチゴ1は、図7で示したように、単独で当選する場合、イチゴ2と同時当選する場合、イチゴ2+1枚役1と同時当選する場合が生じ、各々、図8(c)に示すようにリール制御が行なわれる。
まず、イチゴ1に単独で当選しているときには、イチゴ1を構成する図柄である「イチゴ−バナナ−バナナ」を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。図3に示すように、イチゴ1を構成する図柄のうち、中リール2Cおよび右リール2R各々の図柄である「バナナ」は、5コマあるいは7コマ以内の間隔で配置されているが、左リール2Lの図柄である「イチゴ」は、7コマ以内の間隔で配置されていないため、ストップスイッチ8Lの停止操作タイミングに応じて入賞するようにリール制御が行なわれる。
次に、イチゴ1+イチゴ2に当選しているときには、左リール2Lの「イチゴ」と、中リール2Cの「イチゴ」と、を入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。なお、中リール2Cの「イチゴ」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちイチゴ2を取りこぼす場合には、イチゴ1を入賞させるリール制御が行なわれる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2Lと中リール2Cとで「イチゴ」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。なお、右リール2Rについては、「バナナ」を入賞ライン上に引き込むリール制御が行なわれ、「イチゴ」については少なくとも入賞ラインに引き込まないようにリール制御が行なわれる。すなわち、イチゴ1+イチゴ2に当選しているときには、「イチゴ」が、左リール2Lおよび中リール2Cに揃って停止され得るが、さらに右リール2Rにまで揃って停止されないようにリール制御が行なわれる。
イチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選しているときには、左リール2Lの「イチゴ」と、中リール2Cの「イチゴ」と、右リール2Rの「イチゴ」とを入賞ラインのいずれかに優先的に引き込むリール制御が行なわれる。これにより、引き込み可能な限り、左リール2L、中リール2C、右リール2Rとで「イチゴ」を入賞ライン上に揃えて停止させることができる。すなわち、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1に当選しているときには、「イチゴ」が、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において揃って停止され得るようにリール制御が行なわれる。なお、中リール2Cの「イチゴ」を入賞ライン上に引き込むことができない場合、すなわちイチゴ2を取りこぼす場合には、イチゴ1を入賞させるリール制御が行なわれる。さらに、イチゴ1を入賞させることができない場合には、引き込み可能な限り1枚役1を構成する図柄を引き込むリール制御が行なわれる。
図7で示したように、イチゴ1やイチゴ2は、ボーナスと同時当選する同時当選役であって、イチゴ1+イチゴ2+1枚役1が最も高く、次にイチゴ1+イチゴ2、イチゴ1の順となるように判定値数が設定されている。また、イチゴ1やイチゴ2に当選しているときには、図8(c)で示したリール制御が行なわれる。このため、「イチゴ」の図柄が入賞ライン上に多く出現する程、ボーナス当選していることに対する期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、抽選処理では、BB1〜BB5のいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれる。
抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、リールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB5のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
また、入賞判定処理において、通常遊技状態中あるいは有利RT中であるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、不利RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に不利RTの値を設定など)が行なわれる。また、通常遊技状態中であるときに昇格リプレイに入賞したと判断されたときには、有利RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に有利RTの値を設定など)が行なわれる。
また、準備モードあるいは有利RT中であるときにいずれの入賞も発生しておらずかつ特殊出目が入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止していると判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においては、払出センサ34cからの信号に基づき払い出されたメダルを計数するための払出計数処理、該計数されたメダル枚数に基づきボーナス終了条件が成立したか否か(たとえば払い出されたメダルが270枚以上か否か)を判定するためのボーナス終了判定処理、不利RT中において32ゲーム消化することにより不利RT終了条件が成立したか否かを判定するための不利RT終了判定処理が行なわれる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、準備モードに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に準備モードフラグの値を設定など)が行なわれる。また、不利RT終了判定処において、不利RT終了条件が成立したと判定されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(準備モードであるか、通常遊技状態であるか、有利RTであるか、不利RTであるか、ボーナス中であるか等)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、メイン制御部41におけるRAM41cの特別ワークに記憶されているボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。なお、本実施の形態におけるゲーム制御処理では、ATに制御された旨を示すAT信号をスロットマシンの外部に出力するための処理が行なわれる。この処理については、後述する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、通常遊技状態、有利RT、不利RT、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROM91bに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATへの制御に関連するAT関連処理、および遊技状態や演出状態に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
AT関連処理は、メイン制御部41からのコマンドに応じてATに制御するか否かの決定およびATに制御する期間の決定に関わる各種抽選を行なうAT抽選処理と、各種抽選の結果に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理とを含む。なお、各種抽選は、たとえば、所定の乱数発生装置などにより発生される乱数を用いてランダムに決定するような抽選をいう。また、遊技演出実行処理は、演出状態がATに制御されているときの内部当選の結果に応じたナビ演出を実行するためのナビ演出実行処理を含む。
[AT抽選処理]
AT抽選処理では、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、AT抽選条件が成立したと判定されたときにATに制御するか否かのAT抽選と、ATに制御するときにATに制御する期間を決定するための期間抽選とが行なわれる。
AT抽選でAT当選したときには、ATに当選している旨を示すAT当選フラグが、RAM91cの所定領域に格納される。AT制御処理では、後述するようにAT当選フラグにしたがって演出状態をATに制御する。
また、期間抽選では、ATに制御する期間を特定するための終了枚数が決定される。AT抽選においてAT当選することにより開始されるATは、有利RTに制御されてからのメダルの純増枚数が、決定された終了枚数に到達するまで制御される。よって、終了枚数が多い程、ATに制御される期間が長くなるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。終了枚数が決定されたときには、該終了枚数を特定するための終了枚数情報がRAM91cの所定領域に格納されて、終了枚数が設定される。
次に、図9および図10を用いて、AT抽選および期間抽選の一例を説明する。図9は、AT抽選条件を説明するための図である。また、図10は、AT抽選および期間抽選において参照されるテーブルを説明するための図である。
図9に示すように、AT抽選条件は、遊技状態に関わらず、ボーナス当選することにより成立する。ボーナス当選したか否かは、たとえば、メイン制御部41からの内部抽選コマンドに基づき判定される。
AT当選フラグが設定されていないAT非当選中においてボーナス当選したときには、図10(a)に示すテーブルを参照してAT抽選および期間抽選が行なわれる。また、AT当選フラグが設定されているAT当選中においてボーナス当選したときには、図10(b)に示すテーブルを参照してAT抽選および期間抽選が行なわれる。
図10(a)に示すテーブルが参照された場合、50%の割合で終了枚数が0に決定され、30%の割合で終了枚数が100に決定され、15%の割合で終了枚数が200に決定され、10%の割合で終了枚数が300に決定され、3%の割合で終了枚数が400に決定され、2%の割合で終了枚数が500に決定されるように、AT抽選が行なわれる。
終了枚数として0に決定されたときには、AT非当選となり、終了枚数として1以上(本実施の形態では100以上)に決定されたときには、AT当選となりAT当選フラグが設定される。このように本実施の形態においては、0を含む複数の終了枚数から一の終了枚数を決定することにより、1回の抽選でAT抽選と期間抽選とが行なわれる。なお、AT抽選と期間抽選とは、1回の抽選で行なうものに限らず、各々別個に行なうものであってもよい。たとえば、AT抽選を行ない、当該AT抽選で当選したときに期間抽選を行なうようにしてもよい。
図10(b)に示すテーブルが参照された場合、60%の割合で終了枚数が100に決定され、25%の割合で終了枚数が200に決定され、10%の割合で終了枚数が300に決定され、3%の割合で終了枚数が400に決定され、2%の割合で終了枚数が500に決定されるように、AT抽選が行なわれる。このように、AT当選中においてボーナス当選したときには、必ずAT当選するように設定されている。
AT当選中においてボーナス当選する前においては、AT当選中であったため終了枚数が設定されている。本実施の形態においては、AT当選中においてボーナス当選したときには、当該ボーナス当選前の終了枚数情報をリセットして、当該ボーナス当選することにより行なわれる期間抽選で決定された終了枚数を特定するための終了枚数情報をRAM91cの所定領域に格納する。
図9に戻り、AT抽選条件は、AT非当選中であるときにおいて、遊技状態が通常遊技状態であるときには、昇格リプレイ入賞したときにも成立する。遊技状態が通常遊技状態であるか否かは、たとえば、前回のゲーム終了時にメイン制御部41から送信されている遊技状態コマンドに基づき判定される。また、昇格リプレイ入賞したか否かは、たとえば、メイン制御部41からの入賞判定コマンドに基づき判定される。AT非当選中であって通常遊技状態であるときに、昇格リプレイ入賞したときには、図10(c)に示すテーブルを参照してAT抽選および期間抽選が行なわれる。
図10(c)に示すテーブルが参照された場合、90%の割合で終了枚数が0に決定され、4%の割合で終了枚数が100に決定され、3%の割合で終了枚数が200に決定され、2%の割合で終了枚数が300に決定され、1%の割合で終了枚数が400に決定されるように、AT抽選が行なわれる。
本実施の形態においては、図10(a)や図10(b)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれたときの方が、図10(c)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれたときよりも、高い割合でAT当選するとともに、高い割合でより多い終了枚数に決定されるように当選率が設定されている。このため、図10(a)に示すテーブルの方が図10(c)に示すテーブルよりも遊技者にとっての有利度合いが高いテーブルといえ、図10(a)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれる契機となるボーナスに当選することに対する期待感を向上させることができる。
また、図10(b)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれたときの方が、図10(a)に示すテーブルが参照されてAT抽選が行なわれたときよりも、高い割合でAT当選するとともに、高い割合でより多い終了枚数に決定されるように当選率が設定されている。このため、図10(b)に示すテーブルの方が図10(a)に示すテーブルよりも遊技者にとっての有利度合いが高いテーブルといえ、AT当選中であるときにボーナス当選することに対する期待感を向上させることができる。なお、本実施の形態における図10(b)に示すテーブルは、必ずAT当選する例について説明したが、これに限らず、図10(a)に示すテーブルよりも高い割合でAT当選するものや、図10(a)に示すテーブルよりも高い割合でより多い終了枚数に決定されるように当選率が設定されているものであればよい。
また、AT抽選条件は、ボーナス当選することに限らず、通常遊技状態において昇格リプレイ入賞することによっても成立する。また、通常遊技状態は、ボーナス終了後の準備モードが終了した後、あるいは有利RTや不利RTが終了した後に移行される遊技状態である。このため、AT非当選中においては、通常遊技状態に制御されているときにおいて昇格リプレイ入賞することに対し期待感を抱かせることができる。
なお、AT抽選条件は、図9に示したものに限るものではない。AT抽選条件については、たとえば、特定の図柄組合せが停止することや、所定ゲーム数消化することによって成立するものであってもよい。これにより、AT抽選条件のバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT抽選および期間抽選に用いる当選率は、図10に示したものに限るものではない。ボーナス当選を契機に実行されるAT抽選において用いられる当選率は、たとえば、該ボーナス当選したときの遊技状態に応じて異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態によってATに関する有利度合いを異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、AT非当選中であっても、特定の遊技状態(たとえば、準備モード)であるときにAT抽選条件が成立したときには、必ず、AT当選、すなわち100以上の終了枚数に決定されるように構成してもよい。これにより、特定の遊技状態においてAT抽選条件が成立することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、AT抽選処理では、終了枚数が設定(後述の継続時の更新を含む)されたことを条件として、有利RTにおける純増枚数が設定済の終了枚数に到達するまでに、ATを継続させる確率を示す継続確率を決定する継続確率抽選を行なうとともに、決定された継続確率にしたがってAT継続抽選を行なう。AT継続抽選とは、有利RTにおける純増枚数が設定済の終了枚数に到達した後において、ATを継続させるか否かを決定することをいう。
図11は、継続確率抽選に用いる継続確率決定時参照テーブルを説明するための図である。本実施の形態における継続確率抽選では、終了枚数情報から特定される設定済の終了枚数に応じて、異なるテーブルが参照される。
図11(a)は、設定済の終了枚数が400以下であるときの継続確率抽選に用いるテーブルである。継続確率抽選において図11(a)のテーブルが参照されたときには、20%の振分率で継続確率として「25%」に、40%の振分率で継続確率として「50%」に、30%の振分率で継続確率として「75%」に、10%の振分率で継続確率として「85%」に決定される。
図11(b)は、設定済の終了枚数が500以上であるときの継続確率抽選に用いるテーブルである。継続確率抽選において図11(b)のテーブルが参照されたときには、50%の振分率で継続確率として「25%」に、30%の振分率で継続確率として「50%」に、20%の振分率で継続確率として「75%」に決定される。
このように、継続確率抽選では、設定済の終了枚数が500以上であるときの方が400以下であるときよりも、高い割合で継続確率として低い確率が決定される。これにより、設定済の終了枚数が500以上であることにより一定の利益を獲得することが確定しているときにまで、高い継続確率に決定されさらにATが継続されやすくなることにより射幸性が高まりすぎることを極力防止することができる。
AT抽選処理では、継続確率抽選によって決定された継続確率にしたがって、有利RTにおける純増枚数が設定済の終了枚数に到達した後において、さらにATを継続させるか否かのAT継続抽選を行なう。
また、AT抽選処理では、AT継続抽選でATを継続させると決定されたときに、継続させるATの制御期間、すなわち設定済の終了枚数に上乗せする上乗せ枚数を決定するための上乗せ期間抽選を行なう。
図12は、上乗せ期間抽選に用いる上乗せ期間抽選時参照テーブルを説明するための図である。図12に示すテーブルが参照された場合、60%の割合で上乗せ枚数が100に決定され、25%の割合で上乗せ枚数が200に決定され、10%の割合で上乗せ枚数が300に決定され、3%の割合で上乗せ枚数が400に決定され、2%の割合で上乗せ枚数が500に決定されるように、上乗せ期間抽選が行なわれる。
AT抽選処理では、上乗せ期間抽選によって上乗せする上乗せ枚数が決定されたときには、決定された上乗せ枚数を特定するための上乗せ枚数情報がRAM91cの所定領域に格納される。なお、AT当選中においてボーナス当選したときには、当該ボーナス当選前の上乗せ枚数をリセットして、当該ボーナス当選することにより行なわれる上乗せ期間抽選で決定された上乗せ枚数を特定するための上乗せ枚数情報をRAM91cの所定領域に格納する。
後述するように、上乗せ枚数が設定されている状態において、有利RT中における純増枚数が設定済の終了枚数に到達したときには、終了枚数情報を、現在設定済の終了枚数に当該上乗せ枚数を上乗せ加算させた枚数を特定するための情報に更新される。
また、上乗せ加算により終了枚数が更新されたときには、さらに、更新後の終了枚数に到達した後、前述した継続確率抽選およびAT継続抽選と同様の抽選が行なわれる。この場合において、AT継続抽選でATを継続させると決定されたときには、前述した上乗せ期間抽選と同様の抽選が行なわれ、抽選結果に応じた上乗せ枚数を特定するための上乗せ枚数情報がRAM91cの所定領域に格納される。
このように、本実施の形態においては、AT抽選でAT当選した後においては、原則として、AT継続抽選でATを継続させないと決定されるまで、ATを継続させることができる。
[AT制御処理]
AT制御処理では、AT当選フラグが設定されているときに、通常遊技状態への制御が開始されることにより、演出状態をATに制御する。ATに制御されると、後述するように、後述するように、たとえば、ナビ対象役に当選したときにナビ演出が実行される。たとえば、ATに制御されると、昇格リプレイや転落リプレイに当選したときにナビ演出が実行されるために、遊技者は意図的に有利度合いが高い図柄の組合せ(本実施の形態では昇格リプレイ)を停止させることが可能となる。よって、ナビ演出にしたがい停止操作することにより、通常遊技状態から有利RTに制御させることができるとともに、有利RTを維持することができる。
通常遊技状態においてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、ペナルティとしてAT当選フラグを消去してATを終了させて、その後AT抽選で当選するまでATに制御されない。なお、通常遊技状態においてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、AT当選フラグを消去せずに、当該不利RTにおいてもATに制御してナビ演出を実行するようにしてもよく、また、不利RTにおいてはATに制御せずに当該不利RTから通常遊技状態に制御されたときにATに制御するようにしてもよい。
また、AT制御処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、当該ATが開始された通常遊技状態において昇格リプレイ入賞して有利RTに制御されてから後における純増枚数を特定するための純増枚数特定用情報を更新するための処理が行なわれる。AT制御処理では、たとえば、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき通常遊技状態から有利RTに制御されたこと、および有利RTに制御されていることが特定される。また、AT制御処理では、たとえば、有利RT中におけるメイン制御部41からのBETコマンドに基づき賭数の設定に用いられたメダル枚数を特定して純増枚数特定用情報を減算更新し、有利RT中における入賞判定コマンドに基づき払い出されたメダル枚数を特定して純増枚数特定用情報を加算更新する。純増枚数特定用情報は、RAM91cの所定領域に格納される。
有利RTにおいてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、ペナルティとしてAT当選フラグを消去してATを終了させて、その後AT抽選で当選するまでATに制御されない。なお、有利RTにおいてATに制御されながら、停止操作を誤って転落リプレイ入賞させてしまい、不利RTに制御させてしまったときには、当該不利RTにおいてもATに制御してナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合、その後、不利RTから通常遊技状態を介して、再び有利RTに制御されることとなるが、本実施の形態においては、この不利RTおよび通常遊技状態における純増枚数については、純増枚数特定用情報に反映させてもよく、また、反映させないようにしてもよい。
また、有利RTにおいてATに制御されているときにおいて、ボーナス当選して内部中RTに制御されたときには、当該内部中RTにおいてもATに制御してナビ演出を実行する。なお、内部中RTにおいてATに制御しているときであっても、後述するようにボーナス当選している旨が報知された後においては、ナビ演出が実行されないように制御される。これにより、内部中RTにおいてナビ演出がいつまでも実行されるものと比較して、ボーナス入賞を意図的に回避して内部中RTを継続させるようなゲームの進行が行なわれることを防止することができる。
また、AT制御処理では、ATに制御しているときであって、算出される純増枚数特定用情報から特定される純増枚数が、設定済の終了枚数に到達したか否かが判定される。純増枚数が設定済の終了枚数に到達していないと判定されたときには、そのままATを継続する。
AT制御処理においては、純増枚数が設定済の終了枚数に到達したと判定されたときであって、上乗せ枚数が設定されていないと判定されたときに、ATへの制御を終了する。このとき、AT当選フラグをリセットする。
これに対し、純増枚数が設定済の終了枚数に到達したと判定されたときであって、上乗せ枚数が設定されていると判定されたときには、その後もATを継続させるために、AT制御処理において、終了枚数情報が、現在設定済の終了枚数に当該上乗せ枚数を上乗せ加算させた枚数を特定するための情報に更新される。また、終了枚数が加算更新されることにより、上乗せ枚数情報は、終了枚数に上乗せ加算されることによりリセットされる。これにより、上乗せ枚数が設定されているときには、終了枚数に到達した後においてもATを継続させることができる。また、前述したように、終了枚数が加算更新された後、さらに、継続確率抽選およびAT継続抽選と同様の抽選が行なわれ、AT継続抽選でATを継続させると決定されたときには、前述した上乗せ期間抽選と同様の抽選が行なわれ、抽選結果に応じて上乗せ枚数が再び設定される。
以上、AT抽選処理およびAT制御処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じてATに制御でき、継続確率抽選で決定された継続確率にしたがったAT継続抽選の結果に応じてATを継続させることができ、さらに期間抽選および上乗せ期間抽選の結果に応じた期間に亘りATに制御することができる。
[ナビ演出実行処理]
ナビ演出実行処理では、演出状態がAT中であるか否かが判定され、AT中であると判定されたときに、ナビ対象役に当選したか否かが判定される。ナビ対象役とは、昇格リプレイ、転落リプレイ、バナナブドウなどをいう。ナビ対象役に当選したか否かは、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
ナビ演出実行処理では、AT中においてナビ対象役に当選したと判定されたときに、該当選したナビ対象役に対応するナビ演出が実行される。より具体的には、AT中においてナビ対象役を含む、リプGR1やリプGR2に当選したと判定されたときや、左押しブドウ1〜右押しブドウ2に当選したと判定されたときに、遊技者にとって有利となる図柄組合せ(昇格リプレイ、ブドウ)を停止させるための操作手順を報知するナビ演出が実行可能となる。これにより、AT中であるときには、意図的に当選した昇格リプレイあるいはブドウを入賞させることができ、かつ転落リプレイ入賞を回避させることができる。
昇格リプレイや転落リプレイに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図8(a)参照)が報知される。たとえば、リプGR1に当選したときのナビ演出としては、「左あるいは中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、リプGR2に当選したときのナビ演出としては、「右押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、左押しブドウ1〜右押しブドウ2のいずれかに当選したときのナビ演出としては、ブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための押し順(図8(b)参照)が報知される。たとえば、左押しブドウ1に当選したときには、左リールを第1停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させることができるため、左リールを第1停止させるための「左押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中押しブドウ1に当選したときには、中リールを第1停止させることにより有利となる図柄組合せとしてブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させることができるため、中リールを第1停止させるための「中押し!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが、当選しているナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選しているナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作手順で操作することができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
[その他の遊技演出]
遊技演出実行処理により実行される遊技演出は、前述したナビ演出と、遊技状態演出とを含む。遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中であるときには、通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中!」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中!」といったメッセージを表示など)が行なわれる。
有利RTや、ボーナス当選している内部中RTに制御されている期間であるときには、ボーナスよりも優先して引き込み制御が行なわれるリプレイに入賞する確率が高まる。また、有利RTや、ボーナス当選している内部中RTに制御されている期間であるときには、前述したようにボーナスよりも優先して引き込み制御が行なわれるバナナブドウなどに当選する。よって、仮にボーナス当選している内部中RTに制御されているとしても当選しているボーナスを入賞させることが困難となり、有利RT中と同じようにリプレイに高確率で入賞するかあるいはブドウやバナナブドウに入賞する。
本実施の形態においては、ボーナス当選して内部中RTに制御されたとき、および有利RT中において所定の演出実行条件が成立(たとえば、ボーナスと同時当選し得るイチゴ1、イチゴ2などに当選)したときに、ボーナス当選していることを煽るための演出が行なわれる。すなわち、内部中RTに制御されているとき、および有利RT中において所定の演出実行条件が成立したときには、遊技状態演出として、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行なわれる。連続演出は、所定期間(たとえば、5ゲーム)にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてボーナス当選の有無および種類を報知するボーナス当選報知を行なう演出である。上記の理由により連続演出が実行されているときには仮にボーナス当選していても当該ボーナス入賞させることが困難であるため、当該連続演出が実行されている期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、ATに制御されているときにおいて、連続演出が実行されてボーナス当選している旨が報知された後においては、前述したように、ナビ演出が実行されないように制御される。
また、遊技状態演出としては、所定の報知条件が成立したときに、ボーナス終了後においてATに制御されるか否かに関わる情報を報知するAT制御演出が行なわれる。AT制御演出は、たとえば、AT当選フラグが設定されているときに、AT当選フラグが設定されていないときよりも高い割合で、液晶表示器51に「ATに制御されるかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであってもよい。これにより、AT制御演出が実行されたことにより、ATに制御されることに対する期待感を高めることができる。所定の報知条件とは、たとえば、AT抽選条件成立により成立するものや、特定の入賞役に当選することにより成立するものや、所定ゲーム数消化したことにより成立するものなど、遊技の進行において成立し得る条件であればよい。
また、本実施の形態におけるATの終了枚数は、100枚単位で異なる複数種類の終了枚数から決定される。このため、ATに制御されているときには、純増枚数が100枚に差し掛かる前において、その後もATが継続されるか否かに遊技者を注目させることができる。これを利用し、たとえば、AT中の遊技状態演出として、有利RTにおける純増枚数が100枚に到達する前、たとえば90枚に到達したときに、その後もATに継続して制御されることが確定しているか否かに関わる情報を報知する継続演出が行なわれる。または、ATに制御されたときにATに制御される期間に関わる情報(設定済の終了枚数を特定する情報、および設定済の終了枚数から100枚以上少ない枚数を特定する情報を含む)を報知する場合においては、たとえば有利RTにおける純増枚数が報知された情報から特定される枚数に到達するまでに、その後もATに継続して制御されることが確定しているか否かに関わる情報を報知する継続演出が行なわれるものであってもよい。これらの場合における継続演出としては、たとえば、設定済の終了枚数から現在の純増枚数を差し引いた枚数、あるいは上乗せ枚数が設定されているときには終了枚数と上乗せ枚数との合計枚数から現在の純増枚数を差し引いた枚数が、100以上であるときには、100未満であるときよりも高い割合で、液晶表示器51に「継続するかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであってもよい。これにより、継続演出が実行されたことにより、ATが継続することに対する期待感を高めることができる。
また、設定済の終了枚数に到達するまでに、遊技状態演出として、上乗せ枚数が設定されているか否か(すなわちATが継続することが決定されたか否か)に関わる情報を報知するAT継続抽選演出を行なうようにしてもよい。AT継続抽選演出は、たとえば、AT継続すると決定されたときに、AT継続しないと決定されたときよりも高い割合で、液晶表示器51に「継続するかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであってもよい。これにより、AT継続抽選演出が実行されたことにより、ATが継続することに対する期待感を高めることができる。
なお、遊技状態演出の態様は、このような態様に限らず、どのようなものであってもよい。また、遊技状態演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
[AT信号出力に関わる処理]
次に、メイン制御部41により実行されるゲーム制御処理のうち、ATに制御された旨を示すAT信号をスロットマシンの外部に出力するためのAT信号出力処理について説明する。
ATは、サブ制御部91によって制御される。このため、メイン制御部41は、ATに制御されているか否か、およびどの程度ATに制御されているのかを、直接的に判断できない。しかし、サブ制御部91によってATに制御されるとナビ演出が実行されるために、停止操作を誤らなければ、リプGR1やリプGR2に当選したときに昇格リプレイを入賞させて転落リプレイ入賞を回避でき、また、ブドウ+バナナブドウに当選したときにブドウを入賞させて特殊出目が停止されることを回避できる。その結果、サブ制御部91によってATに制御されると、リプレイ当選確率が向上する有利RTへの制御が継続するとともに、意図的にブドウを取りこぼさずに入賞させることができるため、純増枚数が順調に増えることになる。
一方、サブ制御部91によってATに制御されていないとナビ演出が実行されないために、意図的に、昇格リプレイを入賞させて転落リプレイ入賞を回避することができず、かつブドウ入賞させ特殊出目停止を回避させることができない。その結果、サブ制御部91によってATに制御されていなければ、通常遊技状態や不利RTで遊技が行なわれることが大半となるとともに、意図的にブドウを入賞させることもできないため、純増枚数が増えないことになる。
この点を利用して、AT信号出力処理では、有利RTにおける純増枚数を算出し、算出された純増枚数に基づきATへの制御状況を判定し、判定結果にしたがってAT信号を外部に出力するための処理が行なわれる。AT信号出力処理は、有利RTにおける純増枚数を算出するための純増枚数算出処理と、算出された純増枚数に基づきサブ制御部91側におけるATへの制御状況を判定し、判定結果にしたがってAT信号を外部に出力するためのAT判定処理とを含む。
まず、純増枚数算出処理について説明する。純増枚数算出処理では、有利RTに制御されてから、他の遊技状態に制御されることなく、当該有利RTにおけるメダルの純増枚数を算出する。有利RTにおけるメダルの純増枚数とは、当該有利RT中において払出されたメダルの枚数から、当該有利RT中における賭数の設定に用いたメダルの枚数を差し引いたメダル枚数をいう。
純増枚数算出処理では、有利RTにおけるメダルの払出・賭数設定に応じて、所定の判定対象カウンタの値を更新し、当該判定対象カウンタの値からメダルの純増枚数を特定する。判定対象カウンタは、RAM41cの所定領域において格納され更新される。
より具体的に、純増枚数算出処理では、有利RT中において賭数が設定されたときに該設定された賭数分だけ判定対象カウンタの値を減算更新し、有利RT中に開始されたゲームにおいて入賞が発生してメダルが払出されたときに該払出された枚数分だけ判定対象カウンタの値を加算更新する。また、判定対象カウンタの値は、有利RTにおいて転落リプレイ入賞、特殊出目停止、あるいはボーナス当選などにより他の遊技状態に制御されたときや、設定変更モードへの切替えられたときなどにリセットされる。これにより、判定対象カウンタの値から、有利RTにおけるメダルの純増枚数を特定することができる。
次に、AT判定処理について説明する。AT判定処理は、算出された純増枚数に基づきサブ制御部91側におけるATへの制御状況を判定し、判定結果にしたがってAT信号を外部に出力する。AT判定処理は、1ゲームにおける所定タイミングで行なわれるものであればよく、本実施の形態ではたとえば入賞判定処理が行なわれた後に行なわれる。
図13は、AT判定処理を説明するための図である。AT判定処理では、まず、S1において、遊技状態が有利RT中であるか否かが判定される。具体的には、終了したゲームが有利RT中において開始されたゲームであるか否かが判定される。遊技状態が有利RTでないときには、前述した理由により、サブ制御部91側において演出状態がATでない可能性が高いといえる。よって、S1では、演出状態がATである可能性の高低が判定される。S1において、有利RTでないと判定されたときには、ATでない可能性が高いため、そのままAT判定処理を終了する。一方、S1において、有利RTであると判定されたときには、ATである可能性があるといえるため、S2に移行する。
S2においては、AT判定済フラグが設定されていないか否かが判定される。AT判定済フラグとは、後述するS4においてメイン制御部41のRAM41cの所定領域に設定されるフラグであって、AT判定処理において既にAT中であると判定された旨を示すフラグをいう。AT判定済フラグは、有利RTが終了したときにリセットされる。S2において、AT判定済フラグが設定されていないと判定されたときにはS3へ移行し、AT判定済フラグが設定されていると判定されたときにはS5へ移行する。
S3においては、純増枚数算出処理において更新される判定対象カウンタの値が、所定の初回基準値(閾値)以上であるか否かを判定する。初回基準値とは、サブ制御部91によりATに制御されておらずナビ演出が実行されない状態(非AT)において、自力で純増させることが期待できない予め定められた純増枚数をいう。初回基準値は、メイン制御部41のROM41bに格納されている。本実施の形態においては、初回基準値として「7」が設定されている。
ここで、S3において判定対象カウンタの値が初回基準値である「7」以上であると判定されたときに、サブ制御部91側により演出状態がATに制御されている可能性について以下に説明する。
まず、有利RTであるが非AT中であるときにおける1ゲーム当りの純増枚数を算出する。1ゲーム当りの純増枚数については、小役のうち、比較的高い確率で当選するとともに比較的多いメダル払出(9枚払出)を伴うブドウやバナナブドウの入賞率に基づき算出する。なお、1ゲーム当りの純増枚数の算出において、小役のうちその他の小役(メロン、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1)については低確率で当選するとともに払出枚数が賭数である3以下であるために無視する。また、いずれの入賞役にも当選しなかったときにおける純増枚数の減少は、有利RT中であるために高確率でいずれかのリプレイに入賞することから無視する。さらに、リプレイについては、高確率で当選するものの入賞したとしても実質的に賭数分しか付与されず、純増枚数が0となることから無視する。
有利RTであるが非AT中であるときにおいて、ブドウ1〜8に当選することによる1ゲーム当りの純増枚数は、ブドウ1〜8の判定値数が「2775」であり、操作手順に関わらず必ず入賞させることができ、かつ入賞したときの純増枚数が(9−3)=「6」となることから、(2775/65536)×6=16650/65536となる。
また、有利RTであるが非AT中であるときにおいて、ブドウ1〜8がバナナブドウのいずれかと同時に当選することによる1ゲーム当りの純増枚数は、左押しブドウ1〜右押しブドウ2の判定値数が2775×6=「16650」であり、1/3の確率で100%ブドウ1〜8を入賞させることができ、2/3の確率で当選しているバナナブドウの構成図柄(黒ブドウあるいは白ブドウ)を2つのリールで引き込む確率(1/2×1/2)でしかバナナブドウを入賞させることができないこと、および入賞したときの純増枚数が(9−3)=「6」となることから、(2775×6/65536)×(1/3+2/3×1/2×1/2)×6=49950/65536となる。
以上より、有利RTであるが非AT中であるときの1ゲーム当りの純増枚数は、(16650/65536+49950/65536)=66600/65536となる。
これより、有利RTであるが非AT中であるときにおいて、純増枚数が「7」以上に到達するまでに要するゲーム数は、7/(66600/65536)≒6.88となる。
次に、有利RTであるが非AT中であるときにおける1ゲームで特殊出目停止あるいは転落リプレイ入賞により有利RTが終了する確率を算出する。有利RTが終了する確率を算出する際、ボーナス当選確率が特殊出目停止あるいは転落リプレイ入賞する確率と比較して低いため、ボーナス当選により終了する確率については無視する。
有利RTであるが非AT中であるときにおける1ゲームで特殊出目が停止する確率は、左押しブドウ1〜右押しブドウ2の判定値数が2775×6=「16650」であり、ブドウおよびバナナブドウのいずれも取りこぼす確率が1/2であることから、(16650/65536)×1/2=8325/65536となる。
有利RTであるが非AT中であるときにおける1ゲームで転落リプレイが入賞する確率は、転落リプレイの判定値数が「40000」であり、転落リプレイが入賞する操作手順で操作される確率が1/2であることから、(40000/65536)×1/2=20000/65536となる。
以上より、有利RTであるが非AT中であるときの1ゲームで特殊出目停止あるいは転落リプレイ入賞により有利RTが終了する確率は、(8325/65536+20000/65536)=28325/65536となる。
次に、有利RTであるが非AT中であるときにおいて、特殊出目を停止させることなくかつ転落リプレイ入賞を回避することにより有利RTを維持したまま、純増枚数が「7」以上に到達する確率は、1ゲームにおいて特殊出目を停止させることなくかつ転落リプレイ入賞を回避する確率が(1−28325/65536)となること、および純増枚数が「7」以上に到達するまでに要するゲーム数である6.88回連続させる必要があることから、(1−28325/65536)の6.88乗となり、約0.0203≒2%となる。
この値から、S3において判定対象カウンタの値が初回基準値である「7」以上であると判定されたときに、サブ制御部91側により演出状態がATに制御されている可能性は、100−2=98%であるといえる。
S3において、判定対象カウンタが初回基準値に達していないときにはAT判定処理を終了する。一方、S3において、判定対象カウンタが初回基準値に達していると判定されたときに、S4においてAT判定済フラグを設定するとともに、AT信号を外部に出力し、AT判定処理を終了する。AT信号の出力は、所定期間(たとえば、2ミリ秒)に亘り1回だけ出力される。
図10や図12で示したように、AT当選するときには、終了枚数として100以上に決定される。このため、AT信号が出力されたときには、純増枚数が100枚に達するまでATに制御されることを特定することができる。
一方、S2において、AT判定済フラグが既に設定されていると判定されたときには、S5に移行して、判定対象カウンタの値が、所定の特定基準値(閾値)に達したか否かを判定する。図10や図12で示したように、終了枚数は、100枚単位で異なる複数種類の終了枚数から決定される。このため、純増枚数が100枚に達する毎に、複数種類の終了枚数のうち有利度合いが一段階以上高い終了枚数に決定されていたことが確定する。
特定基準値とは、終了枚数として200枚以上でなく100枚が設定されている状態においては自力で純増させることが期待できない予め定められた純増枚数や、終了枚数として300枚以上でなく200枚が設定されている状態においては自力で純増させることが期待できない予め定められた純増枚数など、確定している終了枚数よりも有利度合いが一段階以上高い終了枚数に決定されていない状態において、自力で純増させることが期待できない予め定められた純増枚数をいう。
たとえば、終了枚数として100枚に決定されているときにおいて、ATが終了したときの純増枚数が最小の場合としては、純増枚数が94枚であるときにさらにブドウに入賞して6枚純増してちょうど純増枚数が100枚となることにより終了する場合が考えられ、ATが終了したときの純増枚数が最大の場合としては、純増枚数が99枚であるときにさらにブドウに入賞して6枚純増して純増枚数が105枚となることにより終了する場合が考えられる。
また、初回基準値で説明したように、「7」枚以上純増することによりATに制御されている可能性が98%であるといえる。よって、本実施の形態における特定基準値としては、純増枚数が最大の場合からさらに「7」枚純増したときの純増枚数が設定されており、100n+12(ただし、nは自然数であって、初期値は1)で算出される枚数が設定されている。これにより、S5において判定対象カウンタの値が特定基準値以上であると判定されたときに、有利度合いが一段階以上高い終了枚数に決定されている可能性は、98%以上であるといえる。なお、特定基準値は、nの値に対応する枚数を特定するための情報が、メイン制御部41のROM41bに格納されている。
S4においてAT信号が出力された後において未だAT信号が出力されていない状態ではn=1であるため、S5では、判定対象カウンタの値が、n=1であるときの特定基準値である112に達したか否かを判定する。これにより、100枚よりも有利度合いが一段階以上高い200枚以上の終了枚数に決定されているか否かが判定される。
S5において、特定基準値に達していないと判定されたときには、AT判定処理を終了する。一方、S5において、特定基準値に達していると判定されたときには、S6へ移行して、S4と同様に、AT信号を外部に出力する。S7においては、nの値を1加算更新し、AT判定処理を終了する。nの値は、有利RTが終了したときや設定変更モードへの切替えられたときなどに、初期値である1が設定される。
S6においてAT信号が出力される度に、S7においてnの値が1加算更新される。これにより、次回以降のS5では、加算更新後のnの値から特定される特定基準値に達したか否かが判定されることになる。これにより、確定している終了枚数よりも有利度合いが一段階以上高い終了枚数に決定されているか否かを判定することができる。たとえば、n=2に更新されたときには、次回以降のS5では、純増枚数が212に達したか否かを判定することにより、200枚よりも有利度合いが一段階以上高い300枚以上の終了枚数に決定されているか否かが判定される。
本実施の形態における初回基準値は、判定対象カウンタが当該初回基準値以上となったときに、サブ制御部91側においてATに制御されている可能性をたとえば98%以上となる値に設定されている例について説明した。また、特定基準値は、判定対象カウンタが特定基準値以上となったときに、サブ制御部91側において有利度合いが一段階以上高い終了枚数に決定されている可能性をたとえば98%以上となる値に設定されている例について説明した。しかし、初回基準値および特定基準値は、これに限るものではなく、たとえば、各々の可能性が90%以上となる値に設定されているものであってもよい。
また、初回基準値の他の例としては、たとえば、所定ゲーム数(1日の平均ゲーム数:6000ゲーム、3日間の平均ゲーム数:17500ゲームなど)消化することによりいわゆる型式試験が行なわれることに鑑みて、当該所定ゲーム数消化する間に、判定対象カウンタが初回基準値以上となったときにサブ制御部91側においてATに制御されていなかった回数が1回未満となるように定められた値であってもよい。
本実施の形態においては、図6で示したように、転落リプレイに入賞すると不利RTが32ゲーム消化で終了した後に、昇格リプレイ入賞により有利RTに制御され得る通常遊技状態に制御される。このため、たとえば、前述した1日の平均ゲーム数である6000ゲーム消化したときに、通常遊技状態となる回数は、不利RT以外の遊技状態において消化されるゲームを無視して実際よりも多く見積もり、6000/32=187.5回となる。このうち、有利RTに制御される回数が、操作手順に応じて1/2の確率で昇格リプレイに入賞するため、約94回となる。よって、初回基準値としては、94回に1回も生じない確率、すなわち1/94≒0.0106未満となる値を設定してもよい。これと同様に、たとえば、初回基準値として、前述した3日間の平均ゲーム数が17500ゲームであることを考慮しても、1回も生じない確率未満となる値を設定してもよい。このように、初回基準値以上となったにも関わらず、ATに制御されていないといった状況が1回も生じないように、初回基準値を設定してもよい。
また、特定基準値の他の例としても、同様に、たとえば、所定ゲーム数(1日の平均ゲーム数:6000ゲーム、3日間の平均ゲーム数:17500ゲームなど)消化することによりいわゆる型式試験が行なわれることに鑑みて、当該所定ゲーム数消化する間に、判定対象カウンタが特定基準値以上となったときにサブ制御部91側において有利度合いが一段階以上高い終了枚数に決定されていなかった回数が1回未満となるように定められた値であってもよい。
図14は、有利RT中の純増枚数とAT信号の出力タイミングとの関係を説明するための図である。図14では、縦軸に有利RT中の純増枚数を示し、横軸に時間の流れとともにAT信号の出力タイミングを示し、実線により判定対象カウンタの値の変動を示している。AT判定処理が行なわれることにより、図14に示すように、判定対象カウンタの値すなわち有利RT中の純増枚数が、まず初回基準値に達したときにAT信号が出力される。これにより、ATに制御されたことを特定可能となる。
また、図14に示すように、有利RT中の純増枚数が、n=1であるときの特定基準値である112、n=2であるときの特定基準値である212、n=3であるときの特定基準値である312に達する毎、すなわち、nの値により変動する特定基準値に達する毎に、AT信号が出力される。これにより、一段階有利度合いの高い終了枚数が確定していることを特定可能となる。
たとえば、AT信号が出力される毎に、第1のAT信号により、ATに制御されたことが特定可能となり、第2のAT信号により、純増枚数が200枚に到達するまでATに制御されることが特定可能となり、第3のAT信号により、純増枚数が300枚に到達するまでATに制御されることが特定可能となり、以降、AT信号が出力される毎に、一段階有利度合いの高い終了枚数に到達するまでATに制御されることが特定可能となる。
ここで、スロットマシン外部に出力される信号について説明する。本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図15に示すように、メインCPU41aの制御により、遊技制御基板40に接続された外部出力基板1000から、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)において、たとえば各スロットマシンの上方に設置され対応するスロットマシンなどの履歴を表示可能な履歴情報公開端末や、いわゆる遊技島に設置されている情報提供端子板1010を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がBB中の旨を示すBB中信号、遊技状態が有利RT中の旨を示す有利RT中信号、図13および図14で示したAT信号、有利RTにおいて転落リプレイ入賞あるいは特殊出目停止により不利RTあるいは通常遊技状態に制御されて有利RTが終了した旨およびATであったときには当該ATが終了した旨を示す転落信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
各スロットマシンに対応して設置されている履歴情報公開端末では、たとえば、BB中信号を受信したときにビッグボーナス発生回数の履歴情報を1加算して、スロットマシンから出力される信号に基づき、当該スロットマシンの履歴を記憶し、表示することが可能となる。
また、履歴情報公開端末では、AT信号および転落信号に関して、たとえば、AT信号を受信する毎にAT突入回数の履歴情報を1加算するとともに、AT中である旨(たとえば、「AT中!」といったメッセージ)を表示し、転落信号を受信したときにAT中である旨の表示を終了する処理などが行なわれる。これにより、AT突入回数から、純増枚数が100枚単位に設定されているATに何回制御されたかを特定することができる。また、AT中であるか否かを特定することができる。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するためのコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、BB中信号、有利RT中信号、AT信号、転落信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として履歴情報公開端末や情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、(予備信号)は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、BB中信号、有利RT中信号、AT信号、転落信号は、履歴情報公開端末や、情報提供端子板1010を介してホール機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号、予備信号に再変換されてホール機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、ホール機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
また、現時点では使用されていないが、将来的に使用する可能性のある予備信号線を備えた場合でも、予備信号線から出力される信号を含めて1本の端子にて個々の信号を識別可能に出力可能になるとともに、使用されていない予備信号線の端子が、空き端子となってしまうことがない。
なお、本実施の形態では、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっているが、たとえば、AND回路などによって、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号のいずれか1つの信号でも出力されている場合に、エラー信号を1本の端子にて外部に出力するようにしてもよく、このようにした場合でも、外部の機器でエラーの発生中、ドア開放中、設定変更中のいずれかが発生中であることを特定することが可能であり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。また、この場合には、複数の信号をシリアル信号に変換せずとも1本の端子にて外部に出力できるため、製造コストも軽減できる。
なお、遊技制御基板40から外部出力基板1000に対して出力される信号、およびスロットマシン外部に出力される信号は、図15で示す信号に限るものではない。たとえば、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときにゲームが開始された旨を示すゲーム開始信号や、すべてのリールが停止したときあるいは払出が終了したときにゲームが終了した旨を示すゲーム終了信号を外部に出力するように構成してもよい。これにより、ホール機器において、たとえばゲーム数を計数することができる。また、転落リプレイに当選したときに転落リプレイが当選した旨を示す転落リプレイ当選信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホール機器において、たとえば転落リプレイに当選していることを特定することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、図6などを参照して説明したように、ボーナス終了後に準備モードに制御し、準備モードにおいて、左押しブドウ1〜右押しブドウ2のいずれかに当選しているときでブドウあるいはバナナブドウを取りこぼしたときにのみ導出され得る特殊出目が停止されたときに、通常遊技状態に制御する。通常遊技状態において、昇格リプレイ入賞したときには、遊技者にとって有利な有利RTへ制御する。一方、通常遊技状態あるいは有利RTにおいて転落リプレイが入賞したときには、遊技者にとって有利RTよりも不利な不利RTに制御される。不利RTは、32ゲーム消化することにより終了し、通常遊技状態に制御される。
不利RTへ移行させ、有利RTへの移行および有利RTの継続を阻止する契機となる転落リプレイは、図8(a)で説明したように、リプGR1が当選したか、リプGR2が当選したかによって、昇格リプレイ入賞させるための操作手順および転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順が各々異なるように、リール制御が行なわれる。また、左押しブドウ1〜右押しブドウ2は、図8(b)で説明したように、当選した種類によって、ブドウ1〜8を確実に入賞させるための操作手順および特殊出目停止を回避させるための操作手順が各々異なるように、リール制御が行なわれる。一方、通常遊技状態や有利RTにおいて演出状態がATに制御されたときには、リプGR1やリプGR2に当選したときや、左押しブドウ1〜右押しブドウ2のいずれかに当選したときに、当選状況に応じたナビ演出が実行される。
このため、通常遊技状態や有利RTにおいて、ATに制御されたときには、リプGR1やリプGR2に当選したときや、左押しブドウ1〜右押しブドウ2のいずれかに当選したときであっても、ナビ演出にしたがって、転落リプレイ入賞を回避させるための操作手順で操作したり、ブドウを確実に入賞させ特殊出目停止を回避させるための操作手順で操作することができる。一方、通常遊技状態や有利RTにおいてATに制御されなかったときには、転落リプレイ入賞を意図的に回避することができず、意図的にブドウ入賞させて特殊出目停止を回避することができないため、有利RTに制御あるいは維持できる可能性が低くなるのに対し、不利RTに制御されてしまう可能性が高まる。その結果、通常遊技状態や有利RTであっても、ATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリをつけることができ、ATに制御されることに対する期待感を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることができる。また、ATに制御された場合に期待できる純増枚数は、決定される終了枚数によって異なる。よって、ATに制御される場合に、より多い終了枚数に決定されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、通常遊技状態や有利RTにおいてATに制御されているか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリがつくという理由から、通常遊技状態や有利RTであってもATであるか否か、およびいずれの終了枚数に決定されるかは、遊技者およびスロットマシンが設置される遊技場双方にとって関心が高いところ、前述した実施の形態によれば、メイン制御部41により実行されるAT判定処理において、有利RTに制御されてからのゲーム状況に応じて更新される判定対象カウンタが予め定められた初回基準値以上となったと判定されたときに、AT判定済フラグが設定されて、遊技制御基板40からスロットマシン外部に対してAT信号が出力される。さらに、その後において、判定対象カウンタが特定基準値に到達する毎に、AT信号が出力される。
また、初回基準値としては、有利RTに制御されているがATではない場合において到達することが期待できる純増枚数を超える純増枚数である「7」が定められている。このため、有利RTに制御されているがATではない場合において純増枚数が初回基準値に到達することが実質的になく、純増枚数が初回基準値に到達したときには実質的にATであるといえる。これにより、有利RTに制御されているときには、サブ制御部91側で決定されるATであるか否かを間接的にメイン制御部41側のみにおいて判定し、判定対象カウンタが初回基準値以上となったときにAT信号を遊技制御基板40から外部出力することにより演出制御基板90から外部出力するための信号経路を設けることなく、ATであるか否かをより確実にスロットマシン外部に伝達させることができる。
また、特定基準値としては、純増枚数として最大と成り得る枚数(たとえば、終了枚数100に対しては105、終了枚数200に対しては205)に、有利RTに制御されているがATではない場合において到達することが期待できる純増枚数を超える純増枚数である「7」が加算された枚数が定められている。このため、ATが既に終了している場合において純増枚数が特定基準値に到達することが実質的になく、純増枚数が特定基準値に到達したときには実質的にATであり、その結果決定されている終了枚数が、一段階以上有利度合いが高い終了枚数であるといえる。これにより、有利RTに制御されているときには、サブ制御部91側で決定される終了枚数が、現在確定している終了枚数よりも一段階以上有利度合いが高い終了枚数であるか否かを間接的にメイン制御部41側のみにおいて判定し、判定対象カウンタが特定基準値以上となったときにAT信号を遊技制御基板40から外部出力することにより演出制御基板90から外部出力するための信号経路を設けることなく、決定される終了枚数が、一段階以上有利度合いが高い終了枚数であるかをより確実にスロットマシン外部に伝達させることができる。
より具体的に説明すると、偶然、非ATにおいて昇格リプレイ入賞して有利RTに制御されたときであっても、当該有利RTにおいて更新される判定対象カウンタが初回基準値を超えるまでAT信号が出力されず、かつ当該初回基準値に到達するまでにほぼ転落リプレイ入賞あるいは特殊出目停止して当該有利RTが終了するため、実質的にATに制御されたときにしかAT信号が出力されないように構成されている。その結果、AT信号が出力されたときに実際にATに制御されている確実性を向上させることができる。また、偶然、ATに制御されていたときであって終了枚数に到達することによりATが終了した後においては、当該有利RTにおいて更新される判定対象カウンタが特定基準値を超えるまで次のAT信号が出力されず、かつ当該特定基準値に到達するまでに転落リプレイ入賞あるいは特殊出目停止して当該有利RTが終了するため、実質的にATが継続されており、決定される終了枚数が、一段階以上有利度合いが高い終了枚数であるときにしかAT信号が出力されないように構成されている。その結果、AT信号が出力されたときに実際に決定される終了枚数が、一段階以上有利度合いが高い終了枚数である確実性を向上させることができる。
その結果、スロットマシンにおける外部出力のための信号経路を複雑にすることなくAT信号を出力することができ、かつ当該AT信号に基づきスロットマシン履歴情報公開端末やホールコンピュータなどのホール機器におけるATに関する履歴情報をより確実に更新させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、内部抽選において左押しブドウ1〜右押しブドウ2のうちいずれかに当選した場合において、ATであるときには当選した種類に応じたナビ演出が実行されるため意図的にブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための手順で操作することができるのに対し、ATでないときにはナビ演出が実行されず意図的にブドウ1〜8のいずれかを確実に入賞させるための手順で操作することができない。このため、非ATであるときと比較して、ATであるときには左押しブドウ1〜右押しブドウ2のうちいずれかに当選したときの取りこぼしを低減させることができる点において、遊技者にとっての有利性をより顕著にすることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、転落リプレイ入賞あるいは特殊出目停止により、有利RTおよびATが終了したことをメイン制御部41側のみにおいて間接的に判定し、転落信号を出力することにより、ATが終了したことをより確実にスロットマシン外部に伝達させることができる。
(4) 前述した実施の形態において、設定変更モードに切替えられた場合には、それまで更新されてきた判定対象カウンタがリセットされ、当該設定変更モードが終了した後のゲーム状況において新たに更新された判定対象カウンタに基づきAT信号が外部出力される。このため、設定変更モードに切替えられる前に更新された判定対象カウンタを設定変更モードが終了した後においても更新させ、当該判定対象カウンタに基づきAT信号を外部出力するものと比較して、当該AT信号が出力されたときにサブ制御部91においてATに制御されていることおよび決定される終了枚数が、一段階以上有利度合いが高い終了枚数であることの可能性・確実性を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態において、有利RTにおいてボーナス当選した場合には、それまで更新されてきた判定対象カウンタがリセットされ、当該ボーナス終了後における有利RT中のゲーム状況において新たに更新された判定対象カウンタに基づきAT信号が外部出力される。このため、ボーナス終了後お有利RT中における純増枚数が、未だ初回基準値や特定基準値に到達していないにも関わらず、AT信号が出力されてしまい、実際のAT制御状況と合致しないことにより遊技者に不信感を抱かせてしまうといった不都合の発生を未然に防止できる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
(1) 前述した実施の形態における初期基準値および特定基準値は、予め定められた値となる例について説明した。しかし、初期基準値および特定基準値は、所定条件を満たしたときに、変更可能に構成してもよい。
所定条件として、たとえば、基準値変更装置を遊技制御基板40に接続して電源を投入することにより成立するものであってもよい。所定条件が成立すると基準値変更モードに移行し、当該基準値変更モードにおいて、たとえば基準値変更装置に基準値を変更するための操作手段が設けられているときには当該操作手段を操作することにより初期基準値および特定基準値を変更可能にしてもよく、また、基準値変更装置に操作手段が設けられていないときにはスロットマシン1に設けられている操作手段(たとえばスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L〜8R)を操作することにより初期基準値および特定基準値を変更可能にしてもよい。これにより、ATに制御されたときにどの程度純増枚数を増加させるようにするかなど、スロットマシンの機種に合わせて、AT信号が出力されるタイミング・間隔などを調整することができるため、開発段階における設計を容易に行なうことができる。また、基準値変更装置をスロットマシン製造メーカが管理することにより、スロットマシン製造メーカが設定した初期基準値および特定基準値から大きくかけ離れた基準値に設定されてしまい、遊技者を混乱させてしまうような不都合の発生を未然に防止することができる。
また、所定条件としては、たとえば、前述した実施の形態におけるスロットマシンにおいて設定変更モードに移行させて設定値を設定した後、引き続いて、初期基準値を設定し、特定基準値を設定可能とすることにより、初期基準値および特定基準値を変更可能となるようにしてもよい。この場合、スロットマシン1に設けられている操作手段(たとえばスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L〜8R)を操作することにより初期基準値および特定基準値を変更可能にしてもよい。これにより、設定値と同様に、遊技場の経営方針に合わせて、初期基準値および特定基準値を設定することができる。
なお、初期基準値および特定基準値を変更可能にする場合、たとえば、初期基準値および特定基準値各々のデフォルト値を、メイン制御部41のROM41bに格納し、変更された後の初期基準値および特定基準値を、メイン制御部41のRAM41cに格納するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、図13のS4で出力されるAT信号と、S6で出力されるAT信号とが同じ信号である例について説明した。しかし、図13のS4で出力される信号と、S6で出力される信号とを異ならせてもよい。たとえば、S4で出力される信号を初回AT信号とし、S6で出力される信号を加算AT信号とし、各々別個の信号経路を用いてスロットマシン外部に出力されるようにしてもよい。これにより、たとえば、履歴情報公開端末において、初回AT信号を受信したときに、初当りAT発生回数を1加算して表示し、加算AT信号を受信したときに、当該ATにおいて100枚単位のATが繰り返された回数を示す連続繰返回数を1加算して表示するといったように、より詳細にAT中において付与されたメダルの量を報知することが可能となる。
(3) 前述した実施の形態においては、特定基準値がnの値によって変化する100n+12である例について説明した。しかし、特定基準値は一定値(たとえば、112)であってもよい。たとえば、図13のS5においては、判定対象カウンタの値が特定基準値である112に到達したか否かを判定し、到達したと判定されたときには、S6と同様、AT信号を出力した後、S7の処理に換えて判定対象カウンタの値から112を減算する処理を行ない、AT判定処理を終了するようにしてもよい。このように構成した場合であっても、S5では有利RTにおける純増枚数が112以上に到達する毎に、AT信号を出力することができ、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
(4) 前述した実施の形態においてAT中であるときであって、ナビ対象役に当選したときには、必ず、ナビ演出を実行する例について説明した。しかし、AT中であるときであって、ナビ対象役に当選したときであっても、所定確率(たとえば、70%)でしかナビ演出が実行されないものであってもよい。また、非AT中であっても、所定確率よりも低い確率(たとえば1%)でナビ演出を実行するものであってもよい。この場合における特定基準値は、たとえば有利RTに制御されているが所定確率以上でナビ演出が実行されない場合において到達することが期待できる純増枚数を超える枚数であればよい。
また、ナビ演出が実行される実行確率が変化する(たとえば、100%のときもあれば、70%、50%、30%のときもある)ものであってもよい。この場合における特定基準値は、たとえば有利RTに制御されているが予め定めた一の実行確率(たとえば、70%)以上でナビ演出が実行されない場合において到達することが期待できる純増枚数を超える枚数であればよい。
(5) 前述した実施の形態におけるATにおいてナビ演出の対象となる小役について、特定手順で操作されたときにブドウ1〜8のいずれかを入賞させ、特定手順以外の手順で操作されたときに所定確率(1/2)でバナナブドウを入賞させる例について説明した。しかし、ATにおいてナビ演出の対象となる小役については、これに限るものではない。
たとえば、当選しているゲームにおいて、特定手順で操作されたときにブドウ1〜8のいずれかを入賞させ、特定手順以外で操作されたときにはずれ(特殊出目)を停止させ入賞を発生させないものであってもよい。また、当選しているゲームにおいて、特定手順で操作されたときに9枚払出を伴うブドウを入賞させ、特定手順以外で操作されたときに9枚よりも払出が少ない小役を入賞させるようにしてもよい。このように構成した場合であっても、AT中であるときには、意図的にブドウを入賞させるための入賞手順で操作することができるが、AT中でないときには意図的に入賞手順で操作することができないため、ATの有利性をより顕著なものとすることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、リプGR1あるいはリプGR2に当選したときのリール制御として、図8(a)で示したように、当選状況を特定することができない限り、昇格リプレイ入賞のための操作手順や転落リプレイ入賞回避のための操作手順を特定することができない例について説明した。しかし、当選状況を特定することができなくても、昇格リプレイ入賞のための操作手順が予め定められているものであってもよい。たとえば、リプGR1およびリプGR2のいずれに当選したときであっても、左リール2Lあるいは中リール2Cを第1停止させたとき(この変形例では、共通の操作手順という)には、通常リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、右リール2Rを第1停止させたとき(この変形例では、特殊な操作手順という)には、昇格リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なうように構成してもよい。
上記のように構成した場合には、当選状況を特定できないとき、すなわちATでないときであっても、昇格リプレイを入賞させるための特殊な操作手順で操作することにより、容易に有利RTに制御・継続させることができてしまう。これを防止するために、ATでないときに、特殊な操作手順で操作されたときには、遊技者にとって不利益となるペナルティを課すようにしてもよい。ペナルティとしては、たとえば、所定ゲーム(1000)消化する間、AT抽選条件が成立したとしてもAT抽選が行なわれないといったものであってもよい。これにより、通常遊技状態においてATでないときには、特殊な操作手順で操作して有利RTに制御されたとしても、ATに制御されていないことから特殊出目が停止することにより有利RTを継続させることが不可能であり、さらにペナルティが課されることにより、不利益が大きくなる。よって、特殊な操作手順で操作するよりも共通の操作手順で操作する方が、遊技者にとっての有利度合いを高くすることができる。その結果、AT中でないときに特殊な操作手順で操作されることを防止でき、AT中であるときにのみ特殊な操作手順で操作させて昇格リプレイ入賞させ有利RTに制御することができる。
このように構成した場合、前述した実施の形態におけるAT判定処理では、通常遊技状態において昇格リプレイ入賞したときに、S4と同様の処理を行なってAT信号を外部出力するようにしてもよい。これにより、より早い段階で、初回のAT信号を外部出力することができる。
(7) AT抽選条件は、AT非当選中であるときにおいて、特定の入賞役(たとえば1枚役1)に当選したときにも成立するように構成してもよい。これにより、制御されている遊技状態に関わらず、常に、AT当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。この場合、不利RTにおいてAT抽選条件が成立して、AT当選する場合が生じ得る。不利RTにおいてAT当選したときには、当該不利RTにおいて規定ゲーム消化して通常遊技状態への制御が開始されてから、ATを開始するようにしてもよい。これにより、不利RTが終了するときに、AT当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、AT継続抽選で当選する限り、ATに継続して制御される例にいついて説明したが、これに限らず、AT継続抽選でATを継続させないと決定されていないときであっても、所定の終了条件(たとえば、純増枚数が所定の上限枚数(1000など)に到達すること、所定の入賞役に当選、所定の図柄組合せ停止など)が成立したときに終了するものであってもよい。これにより、ATに制御されることによる射幸性が高まりすぎることを防止することができる。
(9) 前述した実施の形態においては、ATに制御されているときであってボーナス当選したときには、終了枚数までの残りが存在している場合であっても、AT抽選が行なわれて、当該AT抽選に伴う期間抽選で決定された終了枚数が設定される例について説明した。しかし、ATに制御されているときであってボーナス当選したときには、終了枚数までの残り分と、当該AT抽選に伴う期間抽選で決定された終了枚数との合計枚数分を終了枚数として設定するように構成してもよい。これにより、設定された終了枚数の合計分純増するまでATに制御されるため、遊技者にとっての有利度合いを向上させることができる。
また、ATに制御されているときであってボーナス当選したときにおけるAT抽選は、終了枚数までの残り分に応じて異なる割合で、期間抽選を行なうように構成してもよい。たとえば、残り分が多いときには、少ないときよりも高い割合で、300以上の終了枚数が決定されるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態においては、遊技状態演出として、ボーナス当選報知を行なう例について説明した。ボーナス当選中において、ボーナス当選報知が行なわれた後においては、遊技状態演出としてさらに、ボーナスを入賞させるチャンスタイミングであることを報知するチャンス演出を行なう例について説明した。ボーナスを入賞させるチャンスタイミングとは、ボーナスよりも優先して引き込まれる小役や再遊技役のいずれにも当選していないときをいう。また、チャンス演出としては、当選しているボーナスの種類、当該ボーナスを入賞させるための操作手順など、遊技者にとって有利な情報を報知するナビ演出を行なうように構成してもよい。
(11) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
(12) 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(13) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。