JP5803292B2 - ロボット制御方法、ロボット - Google Patents

ロボット制御方法、ロボット Download PDF

Info

Publication number
JP5803292B2
JP5803292B2 JP2011123489A JP2011123489A JP5803292B2 JP 5803292 B2 JP5803292 B2 JP 5803292B2 JP 2011123489 A JP2011123489 A JP 2011123489A JP 2011123489 A JP2011123489 A JP 2011123489A JP 5803292 B2 JP5803292 B2 JP 5803292B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
motor
abnormality
robot
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011123489A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012250304A (ja
Inventor
正樹 元▲吉▼
正樹 元▲吉▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2011123489A priority Critical patent/JP5803292B2/ja
Publication of JP2012250304A publication Critical patent/JP2012250304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5803292B2 publication Critical patent/JP5803292B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Description

本発明は、ロボット制御方法、このロボット制御方法を用いて駆動するロボットに関する。
ワークの搬送や組み立て等の作業において用いられる多関節構造を有するロボットは、多方面で採用されている。最近では、これらのロボットは、より高速、かつ正確にアームを移動させることが要求されてきている。そこで、複数のロボットを併設させて作業をさせる際、一つのロボットが故障し、作業時間が遅延すると判断したときには、故障対象ロボットの動作を停止し、他方のロボットにおいて継続可能な作業を実行させるロボット制御方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2000−194412号公報
このような特許文献1では、一方のロボットの故障を検出ときには、安全性を確保するために動作を直ちに停止させる必要がある。しかし、故障対象ロボットを、他方のロボットとの共有作業領域で停止させると、その領域では、他方のロボットの作業は行えないことから、作業効率が著しく低下する。このような場合、共有領域から離れた位置に故障対象ロボットのアームを退避させて停止させる方法が考えられる。
このような方法では、アームの移動量を律するものとしてモーターの回転角度を検出するための角度センサーが用いられるが、角度センサーが故障した場合には、所定の退避移動経路で退避させることができない。このことによって、退避移動経路内に障害物がある場合には、障害物と干渉し、その位置で停止したり、さらなる故障を引き起こすことが考えられる。
また、障害物として作業者の作業領域も含む場合には、作業者の安全性が脅かされることも考えられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るロボット制御方法は、モーターと、前記モーターの回転角度を検出する角度センサーと、前記モーターに連結されるアームと、前記アームに取り付けられる慣性センサーと、を備えるロボット制御方法であって、前記ロボットの作業動作中において、前記角度センサーの異常を検出する工程と、前記角度センサーの異常を検出したときに前記角度センサーが故障したと判定し、前記アームの退避移動経路を決定する工程と、前記慣性センサーを用いて故障した前記角度センサーの角速度および角度を演算する演算工程と、前記演算工程で取得した演算結果に基づき、前記退避移動経路に従い退避移動動作を行う工程と、を有することを特徴とする。
ここで、上述の角度センサーとしては、たとえば、エンコーダー、慣性センサーとしてはジャイロセンサーを用いることができる。
本適用例に係るロボットは、モーターの回転角度を検出する角度センサーと、アーム先端の慣性量を検出する慣性センサーとを有している。慣性センサーは、アーム先端の振動を検出し、振動の抑制を主たる目的として設けているが、角度センサーの異常(故障と判定される程度の異常)を検出したときには、この慣性センサーを用いて、アームの退避移動を制御し、所定の退避移動経路を経由して停止させる。よって、故障後の退避移動を考慮して角度センサーを複数個備えておくことなく、アームを所定の退避移動経路に従い、所定位置に退避させることができる。
また、従来技術のように異常検出位置で停止させしまうことによる作業効率の低下や、メンテナンスの作業性の低下を防止することができる。
[適用例2]上記適用例に係るロボット制御方法において、前記退避移動経路は、前記アームの移動可能範囲内において、前記アームの移動の障害となる物体に干渉する範囲、または作業者の作業範囲を避けた移動経路が選択されること、が好ましい。
このようにすれば、アームの退避移動経路を、ワークや治具等の移動の障害となる物体を避けた経路とすることで、アームがワークや治具等に干渉し、その位置で停止してしまったり、さらなる故障を引き起こすことを防止できる。
なお、アームの移動可能範囲に作業者の作業領域が存在する場合には、この作業領域を避けた退避移動経路とすることで、作業者の安全性が脅かされることを防止できる。
[適用例3]上記適用例に係るロボット制御方法において、前記角度センサーの異常を検出した後の退避移動速度は、異常を検出した時点の動作速度よりも遅いこと、が好ましい。
慣性センサーによる退避移動は、慣性センサーの検出値により演算された故障した角度センサーの角速度および角度の演算結果を用いて制御する。この場合、角度センサーを用いる場合よりも演算結果を用いる場合のほうが一般的に信号の精度は落ちる。よって、動作速度を遅くすることにより安全性を高めることができる。
[適用例4]上記適用例に係るロボット制御方法において、前記ロボットには、前記モーターと前記アームとを有するアームユニットが二組備えられ、前記二組のアームユニットが独立して動作可能であって、二組のアームユニットには、前記角度センサーと前記慣性センサーとが備えられており、一方のアームユニットの前記角度センサーが異常を検出したとき、異常が検出されたアームユニットは前記退避移動動作を行い、他方のアームユニットは通常作業の移動経路に基づき駆動を継続すること、が好ましい。
このような構成のロボットは、二組のアームユニットが独立して駆動可能なことから双腕型ロボットと呼ばれる。一方のアームユニットの角度センサーの異常を検出した場合には、異常が検出されたアームユニットは慣性センサーを用いて退避移動させ、他方のアームユニットは、角度センサーを用いて予め設定された通常作業を行うことができる。この際、退避移動経路を、故障していない他方のアームユニットとの共有作業領域を避けて設定することで、他方のアームユニットの動作を妨げることはない。
[適用例5]本適用例に係るロボットは、モーターと、前記モーターに連結されて駆動されるアームと、前記モーターの回転角度を検出する角度センサーと、前記アームに取り付けられた慣性センサーと、前記角度センサーの検出値から角速度または角度を演算する角速度および角度演算部と、前記角度センサーの異常を検出する異常検出部と、前記アームの移動経路を生成する移動経路生成部と、前記異常検出部が前記角度センサーの異常を検出した場合に、前記慣性センサーの検出情報を用いて、前記移動経路のうちの退避移動経路に基づき前記アームを所定位置に移動させるように前記モーターを駆動制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、角度センサーの異常(故障と判定される程度の異常)を検出したときには、この慣性センサーを用いて、アームの退避移動を制御し、所定の退避移動経路を経由して停止させる。よって、故障後の退避移動を考慮して角度センサーを複数個備えておくことなく、アームを所定の退避移動経路に従い、所定位置に退避させることができる。
また、従来技術のように異常検出位置で停止させしまうことによる作業効率の低下や、メンテナンスの作業性の低下を防止することができる。
[適用例6]上記適用例に係るロボットにおいて、前記モーターと前記アームとを有するアームユニットが二組備えられ、前記二組のアームユニットが独立して動作可能であって、前記二組のアームユニットには、前記角度センサーと前記慣性センサーとが備えられていること、が好ましい。
このような構成のロボットは、一般に双腕型ロボットと呼ばれる。双腕のうち、一方のアームユニットの角度センサーの故障を検出した場合には、異常が検出されたアームユニットは退避移動させ、他方のアームユニットは、正常な角度センサーにより設定された通常作業を行うことができる。この際、退避移動経路を、故障していない他方のアームユニットとの共有作業領域を避けて設定することで、他方のアームユニットの動作を妨げることはない。
実施形態1に係るロボットの概略構成を例示する構成説明図。 実施形態1に係る制御装置の主たる構成を示す構成説明図。 ロボット制御方法の主要工程を示すフロー説明図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
まず、ロボット10の構成について説明する。
図1は、実施形態1に係るロボットの概略構成を例示する構成説明図である。なお、図1は、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。図1において、ロボット10は、平板状の基台38をベースとして、複数のモーターとアームとが連結されて構成されている。基台38上には、空間が形成された支持台39が配置されている。この空間は支持板部40によって上下に分割されている。
支持板部40の下方空間にはモーター41が配置され、モーター41の軸方向端部には角度センサーとしての第1エンコーダー42が配置されている。第1エンコーダー42は、モーター41の回転角度を検出する。
支持板部40の上方空間には第1減速機43が配置されており、モーター41の回転軸41aが支持板部40を貫通して第1減速機43と連結されている。第1減速機43の上側には出力軸43aが突設配置されており、モーター41の回転速度を所定の減速比で減速した回転速度にて出力軸43aが回転する。第1減速機43は各種の減速機構を採用することができるが、本実施形態では、ハーモニックドライブ(登録商標)を採用している。出力軸43aは、支持台39の孔部39aを貫通して支持台39の上方に突設されている。
突設された出力軸43aには、アーム44の一方の端部が連結されて、アーム44は出力軸43aを回転軸としてXY平面内で回動する。アーム44の他方の端部には、第2減速機46、モーター47が重ねて連結されており、モーター47の回転軸方向端部には角度センサーとしての第2エンコーダー48が配置されている。第2エンコーダー48は、モーター47の回転角度を検出する。そして、第2減速機46の出力軸46aは、アーム44の孔部44aを貫通して、アーム44から突設されている。第2減速機46の出力軸46aは、モーター47の回転速度を所定の減速比で減速した回転速度にて回転する。
モーター41及びモーター47は電気信号によって回転方向が制御可能であれば各種のモーターを用いることができる。本実施形態では、例えば、直流モーターを採用する。第1エンコーダー42はモーター41の回転角度を検出可能であればよく、第2エンコーダー48はモーター47の回転角度を検出可能であればよいので、各種のロータリーエンコーダーを用いることができる。本実施形態では、例えば、光学式のロータリーエンコーダーを採用する。出力軸46aには、アーム49の一方の端部が連結されており、出力軸46aを回転軸としてXY平面内で回動する。
アーム49の他方の端部には、慣性センサーとしてのジャイロセンサー50が配置されている。ジャイロセンサー50は、種別は特に限定されないが、本実施形態では、振動型ジャイロセンサーを採用している。なお、ジャイロセンサー50は、少なくともZ軸方向の検出が可能なジャイロセンサーを採用している。
アーム49のジャイロセンサー50側には、モーター51が配置され、モーター51の回転軸51aが、アーム49の孔部49aを貫通して基台38側に突設されている。回転軸51aには昇降装置52が連結されており、回転軸51aによって回転可能な構成としている。
昇降装置52の下先端部には手部53が配置されている。昇降装置52は上下(Z軸方向)に移動する直動機構を有し、手部53を昇降することができる。手部53は複数の指部53aと直動機構(図示せず)とを有し、直動機構は複数の指部53aの間隔を変更することができる。そして、手部53は指部53aの間に作業対象のワーク(図示せず)を挟んで保持することが可能になっている。
ロボット10は、上述した駆動系を制御する制御装置34が備えられている。制御装置34は、モーター41,47,51の駆動制御、角度センサー42,48、およびジャイロセンサー50の検出インターフェイス、角度センサー42,48、およびジャイロセンサー50の検出値に基づきアーム44,49の移動経路を演算するための演算部等を含んでいる。
続いて、制御装置34の構成、および機能について説明する。
図2は、本実施形態に係る制御装置の主たる構成を示す構成説明図である。制御装置34は、第1エンコーダー42によるモーター41の回転角度検出値、および第2エンコーダー48によるモーター47の回転角度検出値、およびジャイロセンサー50の検出値を入手し、故障エンコーダーの角速度と角度とを演算する角速度・角度演算部60と、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の異常を検出する異常検出部61と、アーム44,49の移動経路を生成する移動経路生成部62と、移動経路生成部62によって指示された経路を用いて、アーム44,49を移動させるためにモーター41,47の回転角度、および回転方向を制御する制御部63とを、含んで構成されている。
なお、制御部63は、異常検出部61が第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の異常を検出した場合に、ジャイロセンサー50の検出情報を利用して演算した故障エンコーダーの角速度と角度を用いて、前述した移動経路のうちの退避移動経路に基づきアーム44,49を所定位置に移動させるようにモーター41,47を駆動制御する機能を有する。
(ロボット制御方法)
次に、上述したロボット10の制御方法について図1、図2、図3を参照して説明する。なお、ここでは、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48のいずれかが異常検出(つまり、故障と判定)された場合における、アーム44,49の退避制御の方法について説明する。
図3は、ロボット制御方法の主要工程を示すフロー説明図である。まず、ロボット10の動作を開始し、移動経路生成部62によって生成されたアーム44,49の移動経路を決定する(S1)。移動経路には、実作業を行わせる作業移動経路と、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の異常を検出した場合の退避移動経路とがある。
作業移動経路は、あらかじめ教示されたワークプログラムに基づく実作業用の移動経路であって、ロボット10は、この移動経路を辿るように第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の検出信号に基づき制御される。退避駆動経路は、異常を検出した位置から所定の位置まで移動させる経路であって、可能な限り短縮された経路を選択する。
続いて、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の異常検出があるか判定する(S2)。異常の検出は、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の検出値が、通常有り得ない値を示した場合や、決定された移動経路から逸脱した値を検出した場合に異常(つまり、故障した)と判定する。検出タイミングは、ロボット10の動作中において、第1エンコーダー42および第2エンコーダー48の検出分解能にあわせて逐次行われる。
異常が検出されなかった場合(NO)には、指示された作業動作を継続する(S3)。そして、ワークプログラムに定められた移動経路に従って所定の移動が終了したかを判定し(S4)、所定の移動が終了したと判定した場合(YES)、次の動作に移行する。移動が終了しない(NO)と判定した場合には、終了するまでの工程S1〜工程S4までを繰り返す。
異常検出工程(S2)で異常が検出された場合(YES)には、退避移動経路を決定する(S10)。退避移動経路は、異常検出した位置から、所定の退避位置までの経路を決定するものであって、可能な限り短縮された経路を選択することが望ましい。なお、この退避移動経路は、アーム44およびアーム49(手部53も含む)が、アーム44,49の移動可能範囲内にあるワークや治具等の移動の障害となる物体を避けた移動経路を選択する。また、アーム44,49の移動可能範囲に作業者の作業領域がある場合、他のロボットが併設されてロボット10との共有作業領域がある場合には、この共有作業領域も障害となる。従って、これら作業領域を避けた退避移動経路を選択する。また、併設された他のロボットが、カメラを使用している場合には、カメラの視野を遮らない領域を退避移動経路とする。
次に、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48のうちの一つが故障したと判定した場合、退避移動させるために、ジャイロセンサー50と故障していないエンコーダーを用いて故障エンコーダーの角速度および角度の演算を行う(S11)。この演算は、ジャイロセンサー50を用いて検出した角速度を積分して退避移動の際のモーター41またはモーター47の回転角度を算出する方法で行う。
この演算処理を行うためのパラメーターを以下に表す。
θm1:第1エンコーダー42で検出した角度から算出したモーター41の角速度。
θm2:第2エンコーダー48で検出した角度から算出したモーター47の角速度。
ωm1:第1エンコーダー42で検出した角度を近似微分して算出したモーター41の角速度。
ωm2:第2エンコーダー48で検出した角度を近似微分して算出したモーター47の角速度。
1:第1減速機43の減速比。
2:第2減速機46の減速比。
ωg:ジャイロセンサー50の角速度。
とする。
まず、第1エンコーダー42が故障したときのモーター41の角速度ωm1´、回転角度θm1´は、次の数式で表される。
Figure 0005803292
Figure 0005803292
なお、θm1cは、第1エンコーダー42が故障する直前に検出したモーター41の回転角度として算出したものである。
また、第2エンコーダー48が故障したときのモーター47の角速度ωm2´、回転角度θm2´は、次の数式で表される。
Figure 0005803292
Figure 0005803292
なお、θm2cは、第2エンコーダー48が故障する直前に検出したモーター47の回転角度として算出したものである。
上記数式を用いて算出した角速度ωm1´、または回転角度θm1´を用いてモーター41の回転を制御し、角速度ωm2´、または回転角度θm2´を用いてモーター47の回転を制御して、退避移動経路を辿ってアーム44,49を退避動作させる(S12)。
そして、所定の退避位置への退避動作が完了したかを判定する(S13)。退避動作完了を確認した(YES)場合には、その位置で停止させる。退避動作が完了していない場合(NO)には、前述した演算工程(S11)から退避動作が完了するまで退避移動を継続する。また、退避動作完了の位置は、指定された作業の妨げにならない位置、メンテナンスがしやすい位置に設定することがより好ましい。
なお、アーム44,49の退避移動速度は、異常を検出した時点の動作速度よりも遅くして動作させることが好ましい。ジャイロセンサー50を用いた退避移動は、故障した第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の角速度および角度を基準として、ジャイロセンサー50の検出値を利用して演算した故障エンコーダーの角速度、および角度の演算とを用いて制御する。
なお、ジャイロセンサー50で検出する角速度ωgには誤差が含まれることがあるため、長時間積分し続けると位置精度は悪くなるが、退避移動だけの短い時間であれば、支障のない程度の精度を保つことができる。たとえば、ジャイロセンサーがオフセット誤差0.5[deg/s]を持つ場合において6分間動かすと、算出された角度はアームの回転角度換算で180[deg]以上の誤差となる。しかし、退避移動だけならば5〜10秒程度で行えることから、アーム44,49の角度誤差は2.5〜5[deg]である。よって、退避場所に2.5〜5[deg]に相当する余裕をもたせれば十分に実用に供することができる。
本実施形態のロボット制御方法、およびこのロボット制御方法を用いたロボット10によれば、第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の異常(故障と判定される程度の異常)を検出したときには、ジャイロセンサー50を用いて、アーム44,49の退避移動を制御し、所定の退避移動経路を経由して停止させる。よって、一つのモーターに対して2個のエンコーダーを互いに補完するように備えることなく、振動抑制のために設けられたジャイロセンサー50を用いてアーム44,49を所定位置に退避させることができる。
また、アーム44,49の退避移動経路を、障害物(作業対象ワーク、治具)を避けた経路とすることで、アーム44,49が障害物と干渉し、その位置で停止してしまったり、さらなる故障を引き起こすことを防止できる。
なお、障害物として作業者の作業領域を含む場合には、作業者の安全性が脅かされることを防止できるという効果がある。作業者の作業領域とは、たとえば、光電装置などの安全装置で特定された作業領域である。
また、障害物としては、他のロボットが併設されてロボット10との共有作業領域がある場合には、この共有作業領域を障害物として避けることによって、他のロボットの動作を妨げることがない。併設された他のロボットが、カメラを使用している場合には、カメラの視野を遮らない退避移動経路とすることで、他のロボットの作業効率を低下させることがない。
さらに、ジャイロセンサー50を用いた退避移動は、故障した第1エンコーダー42または第2エンコーダー48の角速度および角度と、ジャイロセンサー50の検出値とを用いてモーター41またはモーター47の回転を制御する。よって、この演算時間を含んだ移動速度で作動させることによって、アーム44,49を所定の移動経路に添って正確に移動させることができる。
以上のことから、従来技術のように異常検出位置で停止させしまうことによる作業効率の低下や、メンテナンスの作業性低下を防止することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明する。実施形態2は、双腕型ロボットに前述した実施形態1の技術思想を応用したものである。図面は省略するが、図1を参照して説明する。双腕ロボットは、図1に示すモーター41,47と、アーム44,49との構成を第1アームユニットとしたとき、この第1アームユニットとは独立して動作可能な第2アームユニットを有する。アーム44は、第1アームユニットと第2アームユニットとの共通アームであって、モーター41によって揺動される。第2アームユニットでは、アーム44の先端部に配置されるモーターによって回動されるアーム(アーム49に相当する)を有する。
この二組のアームユニットのそれぞれには、角度センサーとしてのエンコーダーや慣性センサーとしてのジャイロセンサーが備えられている。第1アームユニットには、図1で示したように、第1エンコーダー42、第2エンコーダー48、ジャイロセンサー50が設けられている。第2アームユニットにも第1アームユニットで用いられたものに相当するエンコーダー、ジャイロセンサーが設けられている。なお、第1アームユニットに用いられる第1エンコーダー42は、共通使用である。
そして、前述したロボット制御方法(図3、参照)を用いて制御される。たとえば、第1アームユニットの第2エンコーダー48が故障した場合には、ジャイロセンサー50の検出値から算出されたモーター47の角速度ωm2´、回転角度θm2´を、数式3、数式4を用いて算出し、ジャイロセンサー50を用いて退避移動を行う。
この際、第2アームユニットは、正常動作が行える状態であることから、指定された通常作業の移動経路に従って駆動を継続できる。第1アームユニットの退避移動経路は、第2アームユニットとの共有作業領域を避けた経路に選択することによって、第2アームユニットの動作を妨げることがなく、ロボットの作業効率の低下を防止することができる。第2アームユニットのエンコーダーが故障した場合も、同様な考え方で、第2アームユニットの退避移動が可能である。
また、第1エンコーダー42が故障した場合には、第1アームユニットおよび第2アームユニットそれぞれの退避移動経路を決定し、所定の退避位置に移動させて停止させる。
なお、退避移動対象のアームの退避移動経路としては、対象アームの重心位置を可能な限りロボットの重心位置に近づけるよう選択することが望ましい。これは、双腕型ロボットでは、第1アームユニットと第2アームユニットとの駆動時における重量バランスをとるためである。
10…ロボット、41,47…モーター、42…第1エンコーダー(角度センサー)、44,49…アーム、48…第2エンコーダー(角度センサー)、50…ジャイロセンサー(慣性センサー)、60…故障エンコーダーの角速度・角度演算部、61…異常検出部、62…移動経路生成部、63…制御部。

Claims (6)

  1. モーターと、前記モーターの回転角度を検出する角度センサーと、前記モーターに連結されるアームと、前記アームに取り付けられる慣性センサーと、を備えるロボット制御方法であって、
    前記ロボットの作業動作中において、前記角度センサーの異常を検出する工程と、
    前記角度センサーの異常を検出したときに前記角度センサーが故障したと判定し、前記アームの退避移動経路を決定する工程と、
    前記慣性センサーを用いて故障した前記角度センサーの角速度および角度を演算する演算工程と、
    前記演算工程で取得した演算結果に基づき、前記退避移動経路に従い退避移動動作を行う工程と、
    を有することを特徴とするロボット制御方法。
  2. 前記退避移動経路は、前記アームの移動可能範囲内において、前記アームの移動の障害となる物体に干渉する範囲、または作業者の作業範囲を避けた移動経路が選択されること、
    を特徴とする請求項1に記載のロボット制御方法。
  3. 前記角度センサーの異常を検出した後の退避移動速度は、異常を検出した時点の動作速度よりも遅いこと、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のロボット制御方法。
  4. 前記ロボットには、前記モーターと前記アームとを有するアームユニットが二組備えられ、前記二組のアームユニットが独立して動作可能であって、
    二組のアームユニットには、前記角度センサーと前記慣性センサーとが備えられており、
    一方のアームユニットの前記角度センサーの異常を検出したとき、異常が検出されたアームユニットは退避移動動作を行い、
    他方のアームユニットは通常作業の移動経路に基づき駆動を継続すること、を特徴とする請求項1に記載のロボット制御方法。
  5. モーターと、前記モーターに連結されて駆動されるアームと、
    前記モーターの回転角度を検出する角度センサーと、
    前記アームに取り付けられた慣性センサーと、
    前記慣性センサーの検出値から角速度または角度を演算する角速度および角度演算部と、
    前記角度センサーの異常を検出する異常検出部と、
    前記アームの移動経路を生成する移動経路生成部と、
    前記異常検出部が前記角度センサーの異常を検出した場合に、前記慣性センサーの検出情報を用いて、前記移動経路のうちの退避移動経路に基づき前記アームを所定位置に移動させるように前記モーターを駆動制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とするロボット。
  6. 前記モーターと前記アームとを有するアームユニットが、二組備えられ、前記二組のアームユニットが独立して動作可能であって、
    前記二組のアームユニットには、前記角度センサーと前記慣性センサーとが備えられていること、
    を特徴とする請求項5に記載のロボット。
JP2011123489A 2011-06-01 2011-06-01 ロボット制御方法、ロボット Active JP5803292B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011123489A JP5803292B2 (ja) 2011-06-01 2011-06-01 ロボット制御方法、ロボット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011123489A JP5803292B2 (ja) 2011-06-01 2011-06-01 ロボット制御方法、ロボット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012250304A JP2012250304A (ja) 2012-12-20
JP5803292B2 true JP5803292B2 (ja) 2015-11-04

Family

ID=47523611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011123489A Active JP5803292B2 (ja) 2011-06-01 2011-06-01 ロボット制御方法、ロボット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5803292B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6708428B2 (ja) * 2016-02-12 2020-06-10 キヤノン株式会社 ロボット装置、制御方法、製造方法、プログラム、及び記録媒体
JP2017177290A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 ソニー株式会社 アーム制御方法及びアーム制御装置
JP7118628B2 (ja) * 2017-12-01 2022-08-16 キヤノン株式会社 ロボット装置、およびロボット装置の制御方法
CN117242409A (zh) * 2021-05-14 2023-12-15 发那科株式会社 拍摄环境调整装置和计算机可读取存储介质

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62212710A (ja) * 1986-03-14 1987-09-18 Agency Of Ind Science & Technol 移動型ロボツトの移動制御装置
JPH07299777A (ja) * 1994-05-09 1995-11-14 Hitachi Ltd 搬送ロボットの制御方法
JPH10128688A (ja) * 1996-09-04 1998-05-19 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd ロボットの非干渉化制御方法
JP2007272720A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Fanuc Ltd 電動機制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012250304A (ja) 2012-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10471603B2 (en) System for conveying workpiece having external force monitoring function
CN108000477B (zh) 一种全位姿主被动柔顺机器人旋拧阀门方法
TWI577515B (zh) 機器人之控制裝置、控制方法及機器人
KR101495949B1 (ko) 감속기의 이상 판정 방법, 이상 판정 장치 및 로봇 시스템
JP5803292B2 (ja) ロボット制御方法、ロボット
KR101742454B1 (ko) 양단 지지 포지셔너 및 그 구동 감시 방법
JP6392825B2 (ja) 学習制御機能を備えたロボット制御装置
EP3238893A1 (en) Robot system
US9782893B2 (en) Robot
JP6248544B2 (ja) ロボット、制御装置、ロボットシステム
EP3351355B1 (en) Device and method for positioning processing tool
JPWO2013175553A1 (ja) ロボット
US20160089787A1 (en) Robot controller
JP2008183680A (ja) 負荷機械の制御装置とその衝突検出しきい値更新方法
WO2010060475A1 (en) Industrial robot
JP2013189767A (ja) 電動式旋回装置
JP6474339B2 (ja) ブレーキの異常による駆動軸における部材の移動を停止する機械
JP2014147997A (ja) 移動作業ロボット
KR20110106279A (ko) 매니퓰레이터 시스템을 제어하기 위한 방법 및 장치
US20170371321A1 (en) Robot, control device, and robot system
JP4944661B2 (ja) ロボット出力の測定方法
JP5529920B2 (ja) ロボットのターゲット位置検出装置、半導体装置およびターゲット位置検出方法
TW202206244A (zh) 偵測機械手之臂段的速度的裝置及方法
CN111170238B (zh) 用于高空作业平台的控制系统、控制方法及高空作业平台
US6791292B2 (en) Method for controlling the movement of a robot

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140526

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150817

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5803292

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350