以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図13は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
ガラス扉4の裏側には、図2に示す遊技盤11が着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、特別図柄始動手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース14には、液晶式等の画像表示装置21の他、普通図柄表示手段22、特別図柄表示手段23、普通保留個数表示手段24、特別保留個数表示手段25等が設けられている。画像表示装置21は、演出図柄表示手段31、利益状態演出表示手段32等を構成している。
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、通過ゲート等よりなる普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段16は、特別図柄表示手段23による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの特別始動口27a,27bと、下特別始動口27bを開閉する開閉手段28とを備え、例えばセンターケース14の下側に配置されている。
上特別始動口27aは、開閉手段等を有しない非作動式入賞口である。下特別始動口27bは、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞口で、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
特別図柄表示手段23は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別始動口27a,27bへの入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の第1大当たり態様又は第2大当たり態様で、小当たり判定値と一致する場合には所定の小当たり態様で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄には、例えば第1大当たり態様、第2大当たり態様、小当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのような特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に特別始動口27a,27bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、特別保留個数表示手段25が大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
演出図柄表示手段(図柄表示手段)31は、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動表示中に演出図柄を変動表示するもので、画像表示装置21の表示画面21a上に複数、例えば左右方向に3つの図柄表示部31a〜31cを設け、それら各図柄表示部31a〜31cに、複数個の図柄よりなる図柄列を夫々循環スクロール表示するように構成されており、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち上下2つの特別始動口27a,27bの何れかに遊技球が入賞することに基づいて(所定の図柄変動開始条件の成立の一例)、特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動表示、即ち各図柄表示部31a〜31cのスクロール表示を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に第1大当たり態様、第2大当たり態様、小当たり態様又は外れ態様で最終停止するように、各図柄表示部31a〜31c上のスクロール表示を左、右、中等の所定の順序で停止させて演出図柄を停止・確定させるようになっている。
なお本実施形態では、特別図柄が第1大当たり態様、第2大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止する場合には、演出図柄もそれに対応して第1大当たり態様、第2大当たり態様、小当たり態様、外れ態様で停止するものとする。
ここで、演出図柄の第1大当たり態様(第1特定態様)は、複数(3つ)の図柄が全て同じ図柄で揃った「ぞろ目」の停止図柄態様、第2大当たり態様(第2特定態様)は、複数(3つ)の図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる「非ぞろ目」の停止図柄態様のうちで予め定められた1又は複数、小当たり態様(第2特定態様)は、同じく「非ぞろ目」の停止図柄態様のうちで予め定められた1又は複数、外れ態様は「非ぞろ目」の停止図柄態様のうち、第2大当たり態様及び小当たり態様以外の停止図柄態様で構成されている。
本実施形態では、図5に示すように、各図柄列を構成する図柄として「1」〜「9」の9種類の数字図柄と「X」,「Y」,「Z」の3種類の英字図柄とが使用されており、第1大当たり態様(第1特定態様)には「1・1・1」〜「9・9・9」の9種類が、第2大当たり態様(第2特定態様)には「4・6・8」,「1・3・5」の2種類が、小当たり態様(第2特定態様)には「9・5・1」の1種類が夫々割り当てられているものとする。
また、利益状態演出表示手段32は、後述する特別利益状態中、即ち大当たり状態中及び小当たり状態中に、表示画面21aにより利益状態演出を行うもので、演出図柄が大当たり態様となって大当たり状態が発生した場合には表示画面21a上にその大当たり状態に対応する大当たり演出画像を、演出図柄が小当たり態様となって小当たり状態が発生した場合には表示画面21a上に小当たり演出画像を、夫々例えばアニメーション表示するように構成されている。
なお、演出図柄表示手段31と利益状態演出表示手段32とは画像表示装置21上で排他的に作動するようになっており、特別利益状態(大当たり状態又は小当たり状態)が開始されると、画像表示装置21上からは演出図柄表示手段31による演出図柄の表示が消去されて利益状態演出表示手段32による演出画像が表示され、またその特別利益状態が終了すると、それまで画像表示装置21上に表示されていた利益状態演出表示手段32による演出画像に代えて演出図柄表示手段31による演出図柄が再び表示されるようになっている。
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段23の変動後の特別図柄が特定態様、即ち第1大当たり態様(第1特定態様)、第2大当たり態様(第2特定態様)又は小当たり態様(第2特定態様)となることに基づいて特別利益状態、即ち大当たり状態又は小当たり状態が発生したときに、開閉板29が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
本実施形態では、図5に示すように、大入賞手段17の開放パターンとしてA,Bの2種類が設けられており、特別図柄表示手段23及び演出図柄表示手段31の変動後の停止図柄が第1大当たり態様(第1特定態様)となった場合には開放パターンAに従って大入賞手段17が開放され(第1利益状態)、第2大当たり態様又は小当たり態様(第2特定態様)となった場合には開放パターンBに従って大入賞手段17が開放される(第2利益状態)ようになっている。
開放パターンAは、大入賞手段17を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作
(単位利益状態)を15ラウンド行うように設定されている。一方の開放パターンBは、大入賞手段17を0.2秒開放する動作を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンBは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかも繰り返しラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、33は主制御基板、34は演出制御基板で、これら各制御基板33,34は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板33は、主に遊技盤11側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通利益状態発生手段45、普通図柄表示制御手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)55、特別図柄表示制御手段56、特別遊技状態発生手段57、制御コマンド送信手段58等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段15による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
なお本実施形態では、当たり判定に用いる当たり判定値の数を、後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、図4に示すように、特別遊技状態中の当たり確率(例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定されている。
普通利益状態発生手段45は、普通図柄処理手段44による判定結果が当たりとなり、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、特別図柄始動手段16を構成する下特別始動口27bの開閉手段28を例えば複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図4に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
普通図柄表示制御手段46は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段44で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段44で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
特別乱数作成処理手段51は、大当たり/小当たり/外れの判定に用いる大当たり判定乱数の他、大当たり判定の場合の停止図柄態様の選択に用いる大当たり図柄乱数、外れ判定の場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段16への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段16が遊技球を検出すること、即ち特別始動口27a,27bに遊技球が入賞することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段23が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/小当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/小当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)55は、特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、大当たり状態発生手段55aと小当たり状態発生手段55bとを備えている。
大当たり状態発生手段55aは、特別図柄処理手段54による大当たり/小当たり/外れの判定結果が大当たりとなり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が第1大当たり態様又は第2大当たり態様となることに基づいて大当たり状態を発生させるためのものである。本実施形態では、図5に示すように、大当たり状態における大入賞手段17の開放パターンとしてA,Bの2種類が設けられており、大当たり図柄乱数値が1〜9の場合、即ち変動後の停止図柄が第1大当たり態様となる場合には開放パターンAが選択され、大当たり図柄乱数値が10,11の場合、即ち変動後の停止図柄が第2大当たり態様となる場合には開放パターンBが選択されるようになっている。
小当たり状態発生手段55bは、特別図柄処理手段54による大当たり/小当たり/外れの判定結果が小当たりとなり、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動後の停止図柄が小当たり態様となることに基づいて小当たり状態を発生させるためのものである。小当たり状態における大入賞手段17の開放パターンは例えば1種類で、図5に示すように、変動後の停止図柄が第2大当たり態様となる場合と同じく、大入賞手段17を0.2秒開放する動作を2ラウンド行う開放パターンBが設定されている。
特別図柄表示制御手段56は、特別図柄表示手段23の表示制御を行うもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄表示手段23による特別図柄の変動を開始させると共に、選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて所定の停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段23の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下特別始動口27bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。この確変状態は、大当たり状態発生後、例えば次の大当たり状態が発生するまで継続される。
なお本実施形態では、図5に示すように、大当たり図柄乱数値が10の場合の特別遊技状態、即ち開放パターンBによる大当たり状態後に突入する時短状態がいわゆる「突然時短」であり、大当たり図柄乱数値が11の場合の特別遊技状態、即ち開放パターンBによる大当たり状態後に突入する高確率状態がいわゆる「突然確変」である。
制御コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板34等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、特別図柄の停止図柄を指定する図柄指定コマンドを演出制御基板34側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板34側に送信する機能、特別遊技状態発生手段57による特別遊技状態の発生時及び終了時にその特別遊技状態に応じて特別遊技状態発生コマンド、特別遊技状態終了コマンド等を演出制御基板34側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板34は、演出図柄表示手段31、利益状態演出表示手段32を含む各種演出手段を制御するためのもので、例えば図示しない液晶制御基板等を介して演出図柄表示手段31、利益状態演出表示手段32の表示制御を行う演出図柄制御手段(図柄制御手段)61、利益状態演出制御手段62等が設けられており、例えば図6に示す演出制御処理を所定周期で実行するように構成されている。この演出制御処理では、演出図柄制御手段61による演出図柄制御処理(S1)、利益状態演出制御手段62による利益状態演出制御処理(S2)が順次実行される。
演出図柄制御処理(S1)では、例えば図7に示すように、まず特別利益状態中であるか否か、即ち大当たり状態中又は小当たり状態中であるか否かが判定される(S11)。特別利益状態中であれば(S11:Yes)、演出図柄制御処理はここで終了する。
S11において特別利益状態中でない、即ち大当たり状態中でも小当たり状態中でもないと判定された場合には(S11:No)、演出図柄の変動に関する現在の状態(図柄ステータス)が判定され(S12)、その判定結果に応じた処理が実行される。S12において図柄ステータスが「変動待機中」であると判定された場合、即ち例えば演出図柄の変動中でなく且つ特別保留個数が0の場合には、画像表示装置21の表示画面21a上に所定の待機中画像が表示される。例えば図柄ステータスが「変動待機中」のときに特別図柄始動手段16に遊技球が入賞した場合には、図柄ステータスが「変動開始時」に変更される。
S12において図柄ステータスが「変動開始時」であると判定された場合には、主制御基板33から受信した変動パターンコマンド等より認識される大当たり/小当たり/外れの判定結果等に基づいて演出図柄の変動後の停止図柄態様が決定され(S14a)、指定された変動パターンに従って演出図柄表示手段31による演出図柄の変動が開始される
(S14b)。
ここで、演出図柄表示手段31による演出図柄の変動では、原則として通常図柄列が用いられ、また原則として前回の図柄変動の停止図柄態様(後述するS16)を表示した状態から変動が開始されるようになっている。通常図柄列は、図9に示すように例えば第1〜9番目までの9つの図柄により構成されており、左、中、右の図柄表示部31a〜31cに対応する左、中、右の図柄列を夫々A(i),B(i),C(i),i=1〜9とすると、A(1)〜A(9)=「1」〜「9」,B(1)〜B(9)=「1」〜「9」,C(1)〜C(9)=「1」〜「9」となっている。そして、例えば前回の図柄変動の停止図柄態様が「3・4・3」であれば、図10に示すように、図柄表示部31a〜31cに夫々A(3)=「3」,B(4)=「4」,C(3)=「3」が表示された状態から各通常図柄列による循環スクロール表示が開始される。なお、演出図柄の変動が開始されると(S14b)、図柄ステータスは「変動中」に変更される。
S12において図柄ステータスが「変動中」であると判定された場合には、指定された変動パターンによる演出図柄の変動処理が引き続き行われる(S15)。そして、主制御基板33から変動停止コマンドを受信すると、図柄ステータスが「変動停止時」に変更され、変動開始時のS14aで決定された停止図柄態様で演出図柄が停止表示される(S12→S16)。
また、利益状態演出制御処理(S2)では、例えば図8に示すように、まず特別利益状態中であるか否か、即ち大当たり状態中又は小当たり状態中であるか否かが判定される
(S21)。特別利益状態中でなければ(S21:No)、利益状態演出制御処理はここで終了する。
S21において特別利益状態中である、即ち大当たり状態中又は小当たり状態中であると判定された場合には(S21:Yes)、大当たり演出/小当たり演出に関する現在の状態(演出ステータス)が判定され(S22)、その判定結果に応じた処理が実行される。S22において演出ステータスが「演出開始時」であると判定された場合、即ち演出図柄が第1大当たり態様,第2大当たり態様,小当たり態様の何れかで停止・確定して特別利益状態(大当たり状態又は小当たり状態)が開始される際には、図11の(a)→(b),図12の(a)→(b)に示すように、それまで画像表示装置21の表示画面21a上に表示されていた演出図柄表示手段31、即ち演出図柄の表示画像が消去されると共に、利益状態演出表示手段32によって特別利益状態の種類に応じた演出、即ち大当たり演出又は小当たり演出が開始される(S23)。なお、大当たり演出又は小当たり演出が開始されると(S23)、演出ステータスは「演出中」に変更される。
S22において演出ステータスが「演出中」であると判定された場合には、大当たり演出又は小当たり演出が引き続き行われ(S24)、大当たり演出又は小当たり演出が終了すると、演出ステータスが「演出終了時」に変更される。
S22において演出ステータスが「演出終了時」であると判定された場合には、第1大当たり態様、即ちぞろ目の停止図柄態様による大当たりであったか否かが判定される(S25)。
そして、第1大当たり態様による大当たりであったと判定された場合には(S25:Yes)、前回の停止図柄態様が開始図柄態様に設定され(S26)、図11(b)→(c)に示すように、それまで画像表示装置21の表示画面21a上に表示されていた利益状態演出表示手段32による大当たり演出又は小当たり演出の表示が消去されると共に、演出図柄表示手段31によって、S26で設定された開始図柄態様による演出図柄の表示画像が表示画面21a上に表示される(S28)。この場合、開始図柄態様を構成する図柄は必ず通常図柄列に含まれているから、その後に演出図柄制御処理(図7)において新たに演出図柄の変動を開始する際には(S14b)、その開始図柄態様を表示した状態、例えば図柄表示部31a〜31cに夫々A(7)=「7」,B(7)=「7」,C(7)=「7」が表示された状態(図11(c))から夫々通常図柄列による循環スクロール表示が開始される。
一方、S25において第1大当たり態様による大当たりではない、即ち小当たり又は第2大当たり態様による大当たりであったと判定された場合には(S25:No)、専用図柄による非ぞろ目の専用図柄態様が開始図柄態様に設定される(S27)。ここで、専用図柄は、通常図柄列には含まれない図柄であり、本実施形態では「X」,「Y」,「Z」の3種類の英字図柄を専用図柄に設定している。
そして、図12(b)→(c)に示すように、それまで画像表示装置21の表示画面21a上に表示されていた利益状態演出表示手段32による大当たり演出又は小当たり演出の表示が消去されると共に、演出図柄表示手段31によって、S27で設定された開始停止図柄態様、即ち「X・Y・Z」等の専用図柄態様による演出図柄の表示画像が表示画面21a上に表示される(S28)。
ここで、専用図柄「X」,「Y」,「Z」は、図9に示すように例えば各通常図柄列の先頭、即ちA(0),B(0),C(0)に追加され、それによって専用図柄列A(i),B(i),C(i),i=0〜9が構成されている。そして、その後の演出図柄制御処理(図7)による新たな演出図柄の変動(S14b)は、その専用図柄態様を表示した状態、即ち図柄表示部31a〜31cに夫々A(0)=「X」,B(0)=「Y」,C(0)=「Z」が表示された状態(図13)から専用図柄列による一巡目の循環スクロール表示が開始され、二巡目以降はその専用図柄列から先頭の専用図柄を排除した通常図柄列による循環スクロール表示に切り替えられるようになっている。
以上のように、本実施形態のパチンコ機では、非ぞろ目の停止図柄態様である第2大当たり態様又は小当たり態様となって特別利益状態(第2利益状態)が発生した場合、大当たり演出又は小当たり演出の開始に伴って一旦表示画面21aから消去された演出図柄が特別利益状態の終了後に再び表示される際には、前回の図柄変動の停止図柄(即ち特別利益状態の開始時に消去された非ぞろ目の停止図柄)に拘わらず、通常図柄列には含まれない専用図柄を非ぞろ目となるように各図柄表示部31a〜31cに表示した状態(専用図柄態様)となり、その状態から新たな図柄変動が開始されるため、特別利益状態の終了後に再表示された演出図柄を見た遊技者が例えば確変等の有利な状態にあるものと誤解する可能性を小さくできる。
また、非ぞろ目の停止図柄態様である第2大当たり態様又は小当たり態様となって特別利益状態(第2利益状態)が発生した場合、その特別利益状態終了後の最初の図柄変動では、通常図柄列の先頭に専用図柄を追加した専用図柄列を使用して一巡目のスクロール表示を行い、二巡目以降はその専用図柄列から先頭の専用図柄を排除した通常図柄列を使用するように構成されているため、図柄の並べ替え等の複雑な内部処理を行うことなく、専用図柄を変動表示対象から外すことができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、非ぞろ目の第2大当たり態様及び小当たり態様(第2特定態様)となった場合には、その後の特別利益状態(第2利益状態)終了後の最初の図柄変動を、前回の図柄変動の停止図柄に拘わらず専用図柄を非ぞろ目となるように各図柄表示部に表示した状態から開始させる一方、ぞろ目の第1大当たり態様となった場合には、その後の特別利益状態
(第1利益状態)終了後の最初の図柄変動を、前回の図柄変動の停止図柄と同じ図柄、即ちぞろ目の通常図柄を各図柄表示部に表示した状態から開始させるように構成した例を示したが、ぞろ目の第1大当たり態様となった場合を含む全ての特別利益状態終了後の最初の図柄変動を、専用図柄を表示した状態から開始させるようにしてもよい。このとき、ぞろ目の第1大当たり態様の場合には専用図柄をぞろ目となるように各図柄表示部に表示した状態から図柄変動を開始させればよい。
専用図柄態様を複数種類設け、専用図柄列で開始される図柄変動毎に、最初に表示される専用図柄態様を異ならせてもよい。また演出図柄には数字図柄、英字図柄以外の例えばキャラクター図柄等を用いてもよい。
また、非ぞろ目である第2特定態様に対応する第2利益状態は小当たり状態を含まなくてもよい。
実施形態では、大当たり状態終了後の専用図柄への切り替えを大当たり演出中の最後に行った例を示したが、それに限られるものではなく、例えば演出表示終了後の変動開始時に行ってもよい。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、パチンコ機以外の弾球遊技機、スロットマシン等の各種遊技機に対して広く適用可能である。