JP5800677B2 - 金属部材の接合方法 - Google Patents

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本発明は、金属部材の接合方法に係り、特に、Fe系金属部材と、Al系金属部材と、レーザービームを熱源として用いてろう付により接合する金属部材の接合方法に関する。
従来、Fe(鉄)系金属部材と、Al(アルミニウム)系金属部材と、を接合する場合には、これらの金属部材間にろう材を介在させ、このろう材を、レーザービーム等によってエネルギーを注入して溶かし、ろう付によりこれらの異種金属部材を接合している。ろう材としては、融点が低く、母材との共晶組織を容易に形成することができるZn(亜鉛)系のろう材、特に、Zn−Al系ろう材が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3740858号公報
ところで、Fe系金属部材(鋼板)と、共晶融解したAl系金属部材を含むZn−Al系ろう材による接合部の境界部では、Fe系金属部材からFe(鉄)が混合溶融金属プールに拡散し、Fe−Al系の金属間化合物層(Fe2Al5)が形成されてしまう場合がある。Fe−Al系の金属間化合物は、脆弱であるため、Fe−Al系の金属間化合物層が金属部材の接合部に形成された場合、接合部の強度が低下する要因となっていた。そのため、Zn−Si系のろう材を用いて、Fe系金属部材と、接合部と、の境界部にSi(シリコン)膜を形成し、Fe系金属部材からFeが混合溶融プールへ拡散するのを防止することで、Fe−Al系の金属間化合物層の形成を防止することが考えられている。しかしながら、Fe系金属部材の表面には、例えばGA鋼板や、GI鋼板、のようにZnめっき(溶融亜鉛めっき)が施されており、Si膜が形成される温度帯では、これらのめっき材料は溶融し凝固していないため、Si膜を、Fe系金属部材と、接合部と、の境界部に安定して形成するのは容易ではなかった。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、接合強度を向上させることができる金属部材の接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、レーザービームを熱源として用いて、Fe系金属部材と、Al系金属部材と、をZn、Si、および、不可避不純物からなるろう材により接合する金属部材の接合方法であって、前記Fe系金属部材と、前記Al系金属部材と、の接合部を、前記Fe系金属部材の融点以上に熱するエネルギーを注入する先行レーザービームを前記接合部に照射する第1工程と、前記先行レーザービームによって前記Fe系金属部材の融点以上の温度に加熱された前記接合部に前記ろう材を供給する第2工程と、前記先行レーザービームよりも小さなエネルギーを前記ろう材を供給した前記接合部に注入するブレーズビームを前記接合部に照射する第3工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記の金属部材の接合方法において、前記ブレーズビームは、前記先行レーザービームによって溶融した前記ろう材、前記Fe系金属部材、および、前記Al系金属部材からなる混合溶融金属プールの温度を、前記Fe系金属部材の融点温度より下であって、前記ろう材に含まれるSiと、溶融した前記Fe系金属部材および前記Al系金属部材と、の化合物が形成される温度に保持するエネルギーを前記接合部に注入することを特徴とする。
この構成によれば、FeAlSiが安定して形成されるのに十分な時間、混合溶融金属プールの温度をFeAlSiが析出する温度に保持することができ、FeAlSiの化合物(Si膜)を安定して形成し、脆弱なFe−Al系の金属間化合物の形成を抑制して、接合強度を向上させることができる。
また、本発明は、上記の金属部材の接合方法において、前記ブレーズビームは、前記先行レーザービームによって溶融した前記ろう材、前記Fe系金属部材、および、前記Al系金属部材からなる前記混合溶融金属プールの温度を、1169度より高い温度で維持する加熱を行うことを特徴とする。
この構成によれば、FeAlSiが安定して形成されるのに十分な時間、混合溶融金属プールの温度をFeAlSiが析出する温度に保持するとともに、混合溶融金属プールの温度をFe2Al5の凝固点より高い温度で維持する加熱をすることで、Si膜を安定して形成し、脆弱なFe−Al系の金属間化合物の形成を抑制して、接合強度を向上させることができる。
本発明によれば、レーザービームを熱源として用いて、Fe系金属部材と、Al系金属部材と、をZn、Si、および、不可避不純物からなるろう材により接合する金属部材の接合方法であって、Fe系金属部材と、Al系金属部材と、の接合部を、前記Fe系金属部材の融点以上に熱するエネルギーを注入する先行レーザービームを前記接合部に照射した後に、前記先行レーザービームよりも小さなエネルギーを前記ろう材を供給した前記接合部に注入するブレーズビームを前記接合部に照射するため、先行レーザービームによってFe系金属部材表面のめっき層を除去し、Fe系金属部材の新生面を露出させて、ブレーズビームにより、接合部の温度を高温保持した状態で除冷することができ、露出したFe系金属部材の新生面に、Feの次に個体析出するFeAlSiの化合物(Si膜)を安定して形成することができ、脆弱なFe−Al系の金属間化合物の形成を抑制して、接合強度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る金属部材の接合方法により金属部材を接合している状態を概略的に示した斜視図である。 ろう付加工システムの構成を示す図である。 金属部材の接合方法の工程を示した図である。 Fe系部材のFe母材表面の温度履歴を示す図である。 先行レーザービームと、ブレーズビームとを照射した場合の接合部の温度履歴と、各部材の反応界面の状態の関係を示す図である。 Si膜形成温度より低い温度に接合部を熱するブレーズビームを接合部に照射した場合の接合部の温度履歴と、各部材の反応界面の状態の関係を示す図である。 Si膜形成温度内の温度に接合部を熱するブレーズビームを接合部に照射した場合の接合部の温度履歴と、各部材の反応界面の状態の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る金属部材の接合方法によりFe(鉄)系金属部材1と、Al(アルミニウム)系金属部材2と、を接合している状態を概略的に示した図である。Fe系金属部材1は、Fe母材に溶融亜鉛(Zn)めっきを施した金属部材であり、本実施形態では、Fe−Zn合金であるめっき層を有する合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(GA鋼板)を用いている。Al系金属部材2は、アルミニウムを主成分とする合金であり、本実施形態では、6000系アルミニウム合金を用いている。
本実施形態に係る金属部材の接合方法は、例えば図1に示すように、曲げ加工が施されたFe系金属部材1、及び、Al系金属部材2の曲げ部11,12でできた開先部(接合部)13をろう材3を用いて、レーザービームを熱源とし、フレア継手で溶接する際等に好適に用いることができる。本実施形態では、Fe系金属部材1としては、板厚1mmの合金化溶融亜鉛メッキ鋼板(JAC270)を用い、Al系金属部材2としては、板厚1.2mmのアルミニウム合金(A6022−T4)を用いた。ろう材3は、Znを主体とし、0.25〜2.5重量%のSi(シリコン)、および、不可避不純物を含有したZn−Si系ろう材である。ろう材3は、ワイヤ状に形成されて、ワイヤガイド101を通じて送出され、開先部13の中心部に供給される。
図2は、本発明の実施形態に係るろう付加工システム10の構成を概略的に示す図である。図2に示すように、ろう付加工システム10は、先行レーザービーム100と、先行レーザービーム100が照射された後に、照射されるブレーズビーム102と、の2つのレーザービームを接合部13に照射する。ろう付加工システム10は、先行レーザービーム100の光源である先行レーザービーム用レーザー光源21と、ブレーズビーム102の光源であるブレーズビーム用レーザー光源22と、を備える。先行レーザービーム用レーザー光源21、ブレーズビーム用レーザー光源22から出力されるレーザー光は、走査用反射鏡23,24でそれぞれ図1に示した溶接方向に開先部13上を走査される。
また、ろう付加工システム10は、先行レーザービーム用レーザー光源21、ブレーズビーム用レーザー光源22、及び、走査用反射鏡23,24を制御する制御装置25を備える。制御装置25は、先行レーザービーム用レーザー光源21、及び、ブレーズビーム用レーザー光源22からの出力を制御するとともに、先行レーザービーム100と、ブレーズビーム102と、の走査速度を制御し、先行レーザービーム100と、ブレーズビーム102と、の間に、所定の照射時間間隔をあけて、それぞれ所定のエネルギーを開先部13に注入する。なお、本実施形態では、先行レーザービーム用レーザー光源21、及び、ブレーズビーム用レーザー光源22には、YAGレーザーを用いる。また、レーザーの種類は、YAGレーザーに限らず、高出力半導体レーザー(LDレーザー)等でも良い。
図3は、ろう付加工システム10を用いて、ろう付により金属部材を接合する工程を示した図である。本実施形態の金属部材の接合方法では、第1工程として、開先部13には、ろう材3に先行して、図1、図2、及び、図3に示すように、まず、先行レーザービーム100が照射される。先行レーザービーム100は、開先部13に、Fe系金属部材1、及び、Al系金属部材2の表面をFe系金属部材1の融点(1535℃)以上の温度、例えば、1600℃以上、に加熱するエネルギーを注入する。なお、本実施形態では、先行レーザービーム100は、集光径Φ3.0mm、レーザー出力0.5〜0.8kWで、図1に示した溶接方向に速度1.0m/minで移動しながら、開先部13にエネルギーを注入する。この構成によれば、先行レーザービーム100によって、開先部13の温度をFe系金属部材1の融点以上の温度に加熱することで、Fe系金属部材1表面の融点の低いめっき層は蒸発し、除去される。これによって、Fe系金属部材1の表面には、新生面が露出する。
次に、第2工程では、Fe系金属部材1の融点以上の温度に加熱された開先部13の中心部に、ろう材3が供給される。なお、本実施形態では、ろう材3は、送出速度3.2m/minで開先部13に供給される。ろう材3が供給されると、開先部13には、母材Fe−母材Al間に溶融したFe、Al、及び、ろう材(ZnSi)3が混合する混合溶融金属プール4が形成される。
続いて、第3工程では、混合溶融金属プール4にブレーズビーム102が照射され、混合溶融金属プール4には、混合溶融金属プール4の温度をFe−Al−Siの化合物が形成される例えば1100℃〜1300℃程度の温度に加熱するエネルギーが注入される。先行レーザービーム100と、ブレーズビーム102と、の総和は、1.2〜1.4kWとなるように設定することが好ましい。本実施形態では、ブレーズビーム102は、集光径Φ3.0mm、レーザー出力0.4〜0.9kWで、図1に示した溶接方向に速度1m/minで移動する。
図4は、Fe系部材のFe母材表面の温度履歴を示す図であり、開先部13に形成された混合溶融金属プール4の温度履歴を示す。先行レーザービーム100の照射の後、Fe系金属部材1のFe母材表面は、図4に示すように、高温保持した状態で除冷され、混合溶融金属プール4の温度は、徐々に下がる。混合溶融金属プール4の温度が1535℃以下、つまりFeの凝固点以下まで下がると、Feは、結晶格子の安定したFe系金属部材1のFe母材(固相)表面で個体析出する。混合溶融金属プール4の除冷が進み、混合溶融金属プール4の温度が1100℃〜1300℃程度の間では、Feの次に個体析出する、つまり、Feの次に凝固点が高いFe−Al−Si化合物が形成される。
続いて、第3工程では、先行レーザービーム100を追って、ブレーズビーム102が開先部13に照射される。ブレーズビーム102は、先行レーザービーム100によって開先部13に注入されたエネルギーによって熱せられた混合溶融金属プール4の温度が、脆弱な金属間化合物層(Fe2Al5)の形成温度(1169℃以下)まで下がる前に、開先部13に形成された混合溶融金属プール4に、先行レーザービーム100よりも小さなエネルギーを注入する。ブレーズビーム102は、混合溶融金属プール4の温度を、Fe−Al−Si化合物の形成温度(凝固温度)に維持する加熱を行う。Fe−Al−Si化合物は、図5(C)に示すように、結晶格子面間隔がFe系金属部材1のFe母材と等しい。これにより、結晶格子の安定したFe系金属部材1のFe母材表面には、図5(B)に示すように、個体析出したFe−Al−Si化合物層(Si膜)が安定して形成される。この構成によれば、混合溶融金属プール4の温度は、Fe−Al−Si化合物の形成温度まで除冷された後に、ブレーズビーム102によって、Fe−Al−Si化合物の形成温度(1100℃〜1300℃程度の間)に、Fe母材表面にSi膜が安定して形成されるのに十分な時間維持される。
次に、第4工程で、図3、図4に示すように、接合部13の冷却(レーザービームの照射を終了する)が行われて、残りの混合溶融金属プール4が凝固する。
このように、先行レーザービーム100を、開先部13にろう材3を供給する前に照射し、開先部13の温度をFeの融点以上に加熱することで、Fe系金属部材1表面のめっき層を除去し、Fe母材の新生面を露出させることができる。さらに、母材Fe−母材Al間に溶融したFe、Al、及び、ろう材(ZnSi)3が混合する混合溶融金属プール4にブレーズビーム102を照射することで、Fe−Al−Si化合物の形成温度に維持する加熱を行い、Fe母材表面にSi膜を安定して形成することができる。
この構成によれば、Fe系金属部材1のFe母材表面に結晶格子面間隔の等しいFe−Al−Si化合物層を安定して形成することができ、Fe−Al−Si化合物層によって、Fe母材からFeが混合溶融金属プール4に拡散するのを防止することができ、よって、接合部13に脆弱な金属間化合物層(Fe2Al5)の形成が抑制される。このため、接合部13の接合強度を向上させることができる。
図6(A)は、ZnSi系のろう材3を用いて、Fe系金属部材1と、Al系金属部材2と、をブレーズビーム102を熱源としてろう付により接合する際に、先行レーザービーム100を照射せずに、ブレーズビーム102でろう材3を溶融させる程度の温度に加熱するエネルギーを注入した場合のFe系金属部材1のFe母材表面の温度履歴を示した図である。なお、この図6(A)は、ブレーズビーム102の条件を集光径Φ1.8mm、レーザー出力1.3kWに設定した場合の例を示す図である。
図6に示すように、ブレーズビーム102でろう材3を溶融させる程度の温度に加熱した場合には、反応界面の接合温度が低いため、図6(B)に示すように、Fe系金属部材1の、Fe−Zn合金であるめっき層から、400℃以下の低温で拡散が始まるFeが混合溶融金属プール4に拡散する。Alは660℃より高い温度で溶融するため、溶融したろう材と、Alとの混合溶融金属プール4にFeが拡散すると、Feが混合溶融金属プール4中のAlと反応し、接合部13には、図6(C)に示すように、脆弱なFe2Al5化合物層が形成される。そのため、接合部13の接合強度は、図5に示した、先行レーザービーム100と、これを追う、ブレーズビーム102と、を用いた接合方法の方が高くなる。
また、図7(A)は、ZnSi系のろう材3を用いて、Fe系金属部材1と、Al系金属部材2と、をブレーズビーム102を熱源としてろう付により接合する際に、先行レーザービーム100を照射せずに、ブレーズビーム102で開先部13の温度をFe−Al−Si化合物の形成温度に加熱するエネルギーを注入した場合のFe系金属部材1のFe母材表面の温度履歴を示した図である。なお、この図7(A)は、ブレーズビーム102の条件を集光径Φ1.8mm、レーザー出力1.4kWに設定した場合の例を示す図である。
図7に示すように、ブレーズビーム102で、開先部13の温度をFe−Al−Si化合物の形成温度に加熱した場合には、Fe−Al−Si化合物層は形成され、Fe系金属部材1のめっき層からFeがろう材と、Alとの混合溶融金属プール4に拡散するのは抑制される。しかしながら、Fe−Al−Si化合物の形成温度では、Zn−Feめっき中のZnが溶融飛散している。残留したZnは、Fe母材表面でZnを固溶したαFe内に残存し、このαFe(Zn)の表面にFe−Al−Si化合物層が形成されるため、Fe−Al−Si化合物層は、図7(B)に示すように、安定して形成されない。また、αFe(Zn)の結晶格子面は、図7(C)に示すように、Fe母材と略同じであるが、厳密には、残留Zn分膨張しているため、図5(C)に示したFe母材表面にFe−Al−Si化合物層が形成された場合にくらべて不安定な状態となり、反応界面で格子構成が完全には一致しない。そのため、接合部13の接合強度は、図5に示した、先行レーザービーム100と、これを追う、ブレーズビーム102と、を用いた接合方法の方が高くなる。
また、図示は省略したが、ZnSi系のろう材3を用いて、Fe系金属部材1と、Al系金属部材2とを、Fe系金属部材1の表面をFeの溶融温度以上に熱する先行レーザービーム100を熱源としてろう付により接合した場合には、Fe系金属部材1の表面のめっき層は除去することができるが、混合溶融金属プール4の温度がFe−Al−Si化合物の形成温度となる時間が短いため、Fe−Al−Si化合物層が十分に形成されない。そのため、接合部13の接合強度は、図5に示した、先行レーザービーム100と、これを追う、ブレーズビーム102と、を用いた接合方法の方が高くなる。
以上説明したように、本発明を適用した実施形態によれば、レーザービームを熱源として用いて、Fe系金属部材1と、Al系金属部材2と、をSiを含むろう材3により接合する金属部材の接合方法であって、Fe系金属部材1と、Al系金属部材2と、の接合部13を、Fe系金属部材1の融点以上に熱するエネルギーを注入する先行レーザービーム100を接合部13に照射した後に、先行レーザービーム100よりも小さなエネルギーをろう材3を供給した接合部13に注入するブレーズビーム102を接合部13に照射する。これにより、ろう材3を接合部13に供給するのに先行して、Fe系金属部材1の表面のめっき層を除去し、Fe母材の新生面を露出させることができ、さらに、ブレーズビーム102で、母材Fe−母材Al間に溶融したFe、Al、及び、ろう材3が混合する混合溶融金属プール4を加熱して、接合部13に脆弱な金属間化合物層(Fe2Al5)が形成されるのを抑制することができるため、母材Fe表面に母材Feと格子構造が一致するFe−Al−Si化合物層を形成することができ、接合部13の接合強度を向上させることができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、ブレーズビーム102は、先行レーザービーム100によって溶融したろう材3、Fe系金属部材1、および、Al系金属部材2からなる混合溶融金属プール4の温度を、Fe系金属部材1の融点温度より下であって、ろう材3に含まれるSiと、溶融したFe系金属部材1およびAl系金属部材2と、の化合物が形成される温度に保持するエネルギーを接合部13に注入する。これにより、混合溶融金属プール4の温度をFe−Al−Si化合物の形成温度に維持する加熱をすることができ、結晶格子の安定したFe系金属部材1のFe母材表面にFSi膜を安定して形成することができる。よって、Fe母材からFeが混合溶融金属プール4に拡散するのをSi膜で防止することができ、接合部13に脆弱な金属間化合物層(Fe2Al5)が形成されるのを抑制することができ、接合部13の接合強度を向上させることができる。
また、本発明を適用した実施形態によれば、ブレーズビーム102は、先行レーザービーム100によって溶融したろう材3、Fe系金属部材1、および、Al系金属部材2からなる混合溶融金属プール4の温度を、1169度より高い温度で維持する加熱を行う。これにより、混合溶融金属プール4の温度をFe−Al−Si化合物の形成温度に維持する加熱をすることができるとともに、混合溶融金属プール4の温度を脆弱な金属間化合物層(Fe2Al5)の形成温度より高い温度に維持することができるため、脆弱な金属間化合物層の形成を抑制し、Fe−Al−Si化合物層を安定して形成することができるため、接合部13の接合強度を向上させることができる。
1 Fe系金属部材
2 Al系金属部材
3 ろう材
4 混合溶融金属プール
13 開先部(接合部)
100 先行レーザービーム
102 ブレーズビーム

Claims (3)

  1. レーザービームを熱源として用いて、Fe系金属部材と、Al系金属部材と、をZn、Si、および、不可避不純物からなるろう材により接合する金属部材の接合方法であって、
    前記Fe系金属部材と、前記Al系金属部材と、の接合部を、前記Fe系金属部材の融点以上に熱するエネルギーを注入する先行レーザービームを前記接合部に照射する第1工程と、
    前記先行レーザービームによって前記Fe系金属部材の融点以上の温度に加熱された前記接合部に前記ろう材を供給する第2工程と、
    前記先行レーザービームよりも小さなエネルギーを前記ろう材を供給した前記接合部に注入するブレーズビームを前記接合部に照射する第3工程と、を含むことを特徴とする金属部材の接合方法。
  2. 前記ブレーズビームは、前記先行レーザービームによって溶融した前記ろう材、前記Fe系金属部材、および、前記Al系金属部材からなる混合溶融金属プールの温度を、前記Fe系金属部材の融点温度より下であって、前記ろう材に含まれるSiと、溶融した前記Fe系金属部材および前記Al系金属部材と、の化合物が形成される温度に保持するエネルギーを前記接合部に注入することを特徴とする請求項1に記載の金属部材の接合方法。
  3. 前記ブレーズビームは、前記先行レーザービームによって溶融した前記ろう材、前記Fe系金属部材、および、前記Al系金属部材からなる前記混合溶融金属プールの温度を、1169度より高い温度で維持する加熱を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の金属部材の接合方法。
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