JP5798345B2 - TAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物 - Google Patents

TAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物 Download PDF

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本発明は、TAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物に関する。
日本を含む先進諸国における死因の第1位は悪性新生物(癌)、2位は心疾患、第3位は脳血管疾患である。そして、心疾患及び脳血管疾患の多くは、動脈硬化などに起因する心筋梗塞や脳梗塞等の血栓性疾患であり、動脈内で形成されるフィブリン血栓によってもたらされる。血栓は凝集した血小板にフィブリン線維が絡み付いて構成されているため、かかる血栓性疾患(血栓症)の治療にはフィブリン線維を切断して、凝集した血小板を乖離させる線溶系の活性化が必要である。そこで、現在の血栓症治療には、フィブリン溶解の主役であるプラスミンを活性化する組織プラスミノゲン・アクチベーター(tissue plasminogen activator:tPA)が用いられている。
多数のフィブリン線維の分子中に組み込まれているアミノ酸、リジン(Lys、側鎖Lys)に対し、tPA及びプラスミノゲンは、低いながらも親和性を有する。線溶系は、これらの分子が結合することから始まる。Lys残基に結合したtPAは、同様に近傍のフィブリン線維分子中のLys残基に結合したプラスミノゲンを限定分解して活性化し、タンパク質分解酵素であるプラスミンを産生させる。プラスミンはLysとそのカルボキシ末端(C末端)側のアミノ酸の間を切断するので、線溶系の初期段階でフィブリン線維のC末端はLys残基が露出する。そして、tPAおよびプラスミノゲンは側鎖LysよりC末端Lys残基に高い親和性を示し、C末端Lysを介して効率的にプラスミンを産生し、フィブリン線維の切断を加速する。すなわち、フィブリン線維のC末端Lysは線溶を加速するtPA及びプラスミノゲンの受容体として機能し、線溶は完了することになる(図1 参照)。しかしながら、tPAは投与後の出血の危険性が高く、特に致死的な出血性の副作用を示すこともあることから、新規血栓溶解薬の開発が望まれている。
一方、近年、トロンビン活性化線溶阻害因子(Thrombin activatable fibrinolysis inhibitor:TAFI)がヒト血漿中に酵素前駆体として発見され、本前駆体はトロンビンによって活性化を受け、活性型TAFI(TAFIa)が線溶系の活性を阻害することが明らかになっている(非特許文献1)。さらに、TAFIは主に肝臓で合成され、血漿中へ遊離される分子量約58kDaの一本鎖糖たんぱく質であり(非特許文献2)、プロカルボキシペプチダーゼB(procarboxypeptidase B)、プロカルボキシペプチダーゼR(procarboxypeptidase R)及びプロカルボキシペプチダーゼU(procarboxypeptidase U)と同一の酵素前駆体であることも知られている。
また、TAFIのTAFIaへの活性化機序並びにその線溶系への影響については以下のことが知られている。すなわち、分子量57kDaを示すTAFIはアルギニン(Arg)92の位置でトロンビンやプラスミンにより加水分解を受けて、23kDaの活性化ペプチドが切り離され、分子量35kDaの活性型TAFI(TAFIa)となる(非特許文献2、3)。そして、TAFIaはカルボキシペプチダーゼB(carboxypeptidase B)様の活性、すなわちペプチドC末端のLys又はArg残基を特異的に切断する活性を有するようになる。従って、前述の通り、部分分解を受けたフィブリン線維においては線溶を加速するC末端Lys残基が露出しているが、TAFIaはそれを基質として切断することができるため、TAFIa活性はフィブリン線維のC末端Lys残基を切断して線溶系を阻害することになる(図1 参照)。
また、臨床研究において、静脈血栓症の患者では、TAFI抗原量高値が静脈血栓症のリスクファクターであるという報告(非特許文献4)や急性期虚血性脳梗塞において、血漿中TAFI抗原量が高値を示すという報告(非特許文献5)があり、TAFIが血栓症の増悪因子であることを示唆している。
さらに、本発明者らが行った動物実験において、TAFIa活性を阻害することによって、tPAに比べ出血の危険性が極めて少なく、十分な血栓溶解の効果が得られることが立証されており、TAFIa活性阻害剤は出血性の副作用が極めて少ない新規血栓溶解薬となる可能性が強く示唆されている(非特許文献6)。
しかしながら、阻害活性の特異性や体内動態等の点において、臨床での適用に耐えうる、TAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物は、未だ開発されていないのが現状である。
Eaton DL.ら、J.Biol.Chem.、1994年、266巻、21833〜21838ページ Bajzer L.ら、J.Biol.Chem.、1996年、271巻、16603〜16608ページ Bajzer L.ら、J.Biol.Chem.、1995年、270巻、14477〜14484ページ Eichinger S.ら、Blood、2004年、103巻、3773〜3776ページ Leebeek FW.ら、J.Thromb Haemost.、2005年、3巻、2211〜2218ページ Muto Y.ら、Crit Care Med.、2009年5月、37巻、5号、1744〜1749ページ
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、TAFIaタンパク質に結合し、該タンパク質による基質の切断を阻害することを可能とする化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、フィブリン線維等の基質がTAFIaタンパク質によって切断(加水分解)される際に必要な構造、すなわち、基質の加水分解反応に必要な亜鉛原子及びTAFIaタンパク質の125位のアルギニン残基と、基質特異性を決定するTAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基と、基質との結合に必要なTAFIaタンパク質の142位のアスパラギン残基及び143位のアルギニン残基とに着目し、鋭意研究を重ねた(TAFIaタンパク質の立体構造と基質の切断との相関については、Bouma BN.、Thromb Res、2001年、101巻、329〜354ページを参照のこと)。
結果、TAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基に配位し得る塩基性官能基と、TAFIaタンパク質の125位のアルギニン残基、142位のアスパラギン残基及び143位のアルギニン残基に配位し得る酸性官能基とを含有させ、さらに亜鉛に配位できる官能基としてセレンを含有する官能基を選択して含有させた化合物は、TAFIaタンパク質に対して極めて高い阻害活性を有していることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、より詳しくは、下記を提供するものである
<1> TAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物であって、下記一般式(1)で表わされる有機セレン化合物、該有機セレン化合物同士がジセレニド結合を介して結合している二量体、又はこれらの薬理学上許容される塩若しくは溶媒和物。
(式(1)中、Rは、−R−NH、−R−C(=NH)NH、−R−NH−C(=NH)NH、又は下記式(2)で表わされる基を示し、Rは、−COORで表わされる基を示し、Rは、水素原子、−C(=O)R、−C(=O)R−Ar、又は−C(=O)Arで表わされる基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基を示し、Arはアリール基を示す。)
(式(2)中、Rは、水素原子又はハロゲン原子を示し、nは0〜3の整数を示す。)
本発明によれば、TAFIaタンパク質に結合し、該タンパク質による基質の切断に対する阻害活性を有する化合物を提供することが可能となる。
tPA、プラスミノゲン及びプラスミンによるフィブリン血栓の溶解(フィブリン溶解、線溶)機構と、TAFIaタンパク質による該線溶に対する阻害機構とを示す概略図である。
先ず、本発明のTAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物について説明する。本発明のTAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物は、塩基性官能基と、酸性官能基と、TAFIaタンパク質の亜鉛に配位できるセレン原子とを含有することを特徴とする有機セレン化合物、該有機セレン化合物同士がジセレニド結合を介して結合している二量体、及びこれらの薬理学上許容される塩又は溶媒和物であることを特徴とするものである。
本発明にかかるTAFIaタンパク質は、活性型トロンビン活性化線溶阻害因子(Activated Thrombin activatable fibrinolysis inhibitor)とも称され、TAFIタンパク質(分子量57kDa)が、その92位のアルギニン残基における加水分解により、23kDaの活性化ペプチドが切り離されることによって生成される、分子量35kDaのタンパク質である。また、本発明にかかるTAFIaタンパク質は、カルボキシペプチダーゼB様の活性(ペプチドC末端のLys又はArg残基を特異的に切断する活性)を有する。
かかるTAFIaタンパク質として、ヒト由来の典型的なものには、GenBank アクセッション番号 NP_001863.2で特定されるタンパク質のうちの115位のアラニンから423位のバリンまでの309アミノ酸からなるタンパク質が挙げられる。また、タンパク質のアミノ酸配列は、自然界において(すなわち、非人工的に)変異し得る。従って、本発明におけるTAFIaタンパク質には、このような天然の変異体も含まれる。
本発明のTAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物における前記塩基性官能基は、前記TAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基に配位し得る基であり、前記酸性官能基は、前記TAFIaタンパク質の125位のアルギニン残基、142位のアスパラギン残基及び143位のアルギニン残基に配位し得る基である(アミノ酸残基の位置は、TAFIaタンパク質のN末端アミノ酸残基を1位とした場合の位置である)。
本発明にかかるTAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基、125位のアルギニン残基、142位のアスパラギン残基及び143位のアルギニン残基としては、典型的には、GenBank アクセッション番号 NP_001863.2で特定されるタンパク質の最N末端側に位置するメチオニン残基を1番目とした時に各々、370番目に位置するアスパラギン酸残基、239番目に位置するアルギニン残基、256番目に位置するアスパラギン残基及び257番目に位置するアルギニン残基が挙げられる。
本発明にかかるTAFIaタンパク質の亜鉛は、該タンパク質の活性中心に含有されているものである。該亜鉛に、TAFIaタンパク質の67位のヒスチジン残基、70位のグルタミン酸残基及び196位のヒスチジン残基と、水分子とが配位することによって、TAFIaタンパク質の触媒基が形成される。本発明の化合物は、前記亜鉛にセレン原子を配位させることにより、TAFIaタンパク質による基質の切断を阻害することができる。
また、本発明のTAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物は、下記一般式(1)で表わされる有機セレン化合物、該有機セレン化合物同士がジセレニド結合を介して結合している二量体、及びこれらの薬理学上許容される塩又は溶媒和物であることを特徴とするものである。
[式(1)中、Rは、−R−NH、−R−C(=NH)NH、−R−NH−C(=NH)NH、又は下記式(2)で表わされる基を示し、Rは、−COORで表わされる基を示し、Rは、水素原子、−C(=O)R、−C(=O)R−Ar、又は−C(=O)Arで表わされる基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基を示し、Arはアリール基を示す。]
[式(2)中、Rは、水素原子又はハロゲン原子を示し、nは0〜3の整数を示す。]。
本発明のかかる化合物は、後述の実施例に示す通り、前記TAFIaタンパク質の125位のアルギニン残基、142位のアスパラギン残基及び143位のアルギニン残基に配位し得る、Rで示される酸性官能基と、前記TAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基に配位し得る、Rで示される塩基性官能基と、TAFIaタンパク質の亜鉛に配位できるセレン原子とを含有するため、TAFIaタンパク質による基質の切断を阻害することができる。
前記式(1)のRは、−R−NH、−R−C(=NH)NH、−R−NH−C(=NH)NH、又は前記式(2)で表わされる基である。前記式(1)におけるRは、炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、前記式(2)におけるRは、水素原子又はハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である。
における「炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、ブチルエチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基を挙げることができる。前記TAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基に配位し易いという観点から、Rは、好ましくは、炭素数が4である直鎖状のアルキレン基である。
前記式(2)のRにおける「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。前記TAFIaタンパク質の256位のアスパラギン酸残基に配位し易いという観点から、前記式(2)において、Rは、好ましくは、水素原子又は塩素原子であり、nは0であることが好ましい。
前記式(1)のRは、−COORで表わされる基であり、Rは水素原子、炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基である。
における「炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を挙げることができる。さらに、Rにおける「アリール基」としては、例えば、フェニル基、アルコキシフェニル基(例えば、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、i−プロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、i−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基)、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
前記TAFIaタンパク質の125位のアルギニン残基、142位のアスパラギン残基及び143位のアルギニン残基に配位し易いという観点から、Rは、好ましくは、−COOH又は−COOCである。
前記式(1)のRは、水素原子、−C(=O)R、−C(=O)R−Ar、又は−C(=O)Arで表わされる基であり、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基であり、Arはアリール基である。
における「炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を挙げることができる。
における「炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、エチルエチレン基、ジメチルエチレン基、ブチルエチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基を挙げることができる。
における「アリール基」としては、例えば、フェニル基、アルコキシフェニル基(例えば、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、i−プロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、i−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基)、アルキルフェニル基(例えば、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基)、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
前記TAFIaタンパク質の亜鉛に配位し易いという観点から、Rは、好ましくは、水素原子、−C(=O)C、−C(=O)C−フェニル基又は−C(=O)C−フェニル基である。
また、本発明の化合物には、上記本発明の有機セレン化合物同士がジセレニド結合を介して結合している二量体、及びこれらの薬理学上許容される塩又は溶媒和物も含まれる。
かかる薬理学上許容される塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素塩、硝酸塩、硫酸水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、樟脳スルホン酸塩、スルファミン酸塩、マンデル酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、ステアリン酸塩、リンゴ酸塩、アスコルビン酸塩、パモン酸塩、フェニル酢酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、スルファニル酸塩、2−アセトキシ安息香酸塩、エタンジスルホン酸塩、シュウ酸塩、イセチオン酸塩、ギ酸塩、トリフルオロ酢酸塩、エチルコハク酸塩、ラクトビオン酸塩、グルコン酸塩、グルコヘプトン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ラウリル硫酸塩、アスパラギン酸塩、アジピン酸塩、ヨウ化水素酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、ピクリン酸塩、チオシアン酸塩、ウンデカン酸塩が挙げられる。また、溶媒和物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水和物も含まれるものとする。
本発明の化合物としては、TAFIaタンパク質の、256位のアスパラギン酸残基、125位のアルギニン残基、142位のアスパラギン残基、143位のアルギニン残基、亜鉛原子に配位し易いという観点から、下記化合物であることがより好ましい。
さらに、本発明の化合物としては、TAFIaタンパク質に対する阻害活性がより高いという観点から、前記式中の化合物DD22及び化合物DD28であることが特に好ましく、また、TAFIaタンパク質に対する特異性がより高いという観点から、前記式中の化合物DD28であることが特に好ましい。
なお、本発明の化合物には、幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の総ての異性体及び異性体混合物が含まれる。また、本発明化合物が生体内で酸化、還元、加水分解、抱合等の代謝を受けてなお所望の活性を示す化合物をも包含し、さらに本発明は生体内で酸化、還元、加水分解等の代謝を受けて本発明化合物を生成する化合物をも包含する。
また、本発明の化合物の合成方法としては特に制限はなく、例えば、下記式において示されるような合成方法が挙げられる。なお、下記式においてR〜Rは前述の通りである。
前記式に示すように、すなわち先ず、ウーリンス試薬(Woolins’試薬、PhSe、なお「Ph」はフェニル基を示す)の無水トルエン懸濁液にROHで表される化合物を加えて加熱還流することにより、RSeHで表されるセレノール体を得る。次に、得られたセレノール体に、Rで表される基及びRで表わされる基を有するアルケン化合物を加え、マイケル付加反応を生じさせることにより、Rで表される基、Rで表わされる基及びRで表わされる基を有する有機セレン化合物を得ることができる。
また、かかる場合、R中のアミノ基を保護するために、前記アルケン化合物は、保護基を導入した化合物であってもよい。かかる保護基としては特に制限はなく、例えば、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基が挙げられる。さらに、かかる保護基を導入した化合物を用いた場合においては、必要に応じて、得られたRで表される基、Rで表わされる基及びRで表わされる基を有する有機セレン化合物を導入した保護基に応じた脱保護反応に供してもよい。かかる脱保護反応としては、例えば、tert−ブトキシカルボニル基を導入した場合は、トリフルオロ酢酸や4規定の塩酸等の強酸性条件下の脱保護反応が挙げられる。
以上、本発明の化合物の好適な合成方法について説明したが、本発明の化合物の合成方法は上記方法に限定されるものではない。また、本発明の化合物の具体的な製造方法は後述の実施例に示されているので、当業者であれば、上記の一般的な説明及び実施例の具体的な説明を参照しつつ、反応原料、反応試薬、反応条件(例えば、溶媒、反応温度、反応時間)等を適宜選択しつつ、必要に応じてこれらの方法に適宜、修飾ないし改変を加えることにより、本発明の化合物を製造することは可能である。
また、前述の通り、そして後述の実施例において示す通り、本発明の化合物は、TAFIaタンパク質に対して高い阻害活性を有し、体内で形成されるフィブリン血栓を溶解させることができるため、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、肺塞栓、慢性動脈閉塞症、急性動脈血栓・塞栓症、血管炎症候群、糖尿病性壊疽、血栓性静脈炎・深部静脈血栓症、血栓性血小板減少性紫斑病・溶血性尿毒素症候群、播種性血管内凝固症候群、抗リン脂質抗体症候群等の各種血栓性疾患、生体内線溶能の低下に伴う血栓傾向が指摘されている糖尿病、高脂血症、炎症等の病態の予防のために投与される医薬組成物として、また、体内に留置する装置(例えば、カテーテル、ステント、心臓弁、人工血管、透析装置)における血栓形成を予防するために該装置にコーティングされる医薬組成物として好適に用いることができる。
かかる医薬組成物は、公知の製剤学的方法により製剤化することができる。例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、液剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、フィルムコーティング剤、ペレット剤、トローチ剤、舌下剤、咀嚼剤、バッカル剤、ペースト剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤、乳剤、塗布剤、軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、経皮吸収型製剤、ローション剤、吸引剤、エアゾール剤、注射剤、坐剤などとして、経口的または非経口的に使用することができる。
これら製剤化においては、薬理学上許容される担体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、溶剤、基剤、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、芳香剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤、希釈剤、等張化剤、無痛化剤、増量剤、崩壊剤、緩衝剤、コーティング剤、滑沢剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤あるいはその他の添加剤等と適宜組み合わせることができる。
本発明の化合物を医薬組成物として適用する場合には、血栓形成に関連する疾患の予防に用いられる公知の医薬組成物(例えば、抗血栓剤(抗凝固剤及び血小板凝集阻害剤)、血栓溶解剤(例えば、tPA)、他の繊維素溶解促進活性を有する物質、抗高血圧薬、血糖調節剤、脂質低下薬及び抗不整脈薬)と併用してもよい。
また、かかる医薬組成物は、ヒトを含む動物を対象として使用することができるが、ヒト以外の動物としては特に制限はなく、種々の家畜、家禽、ペット、実験用動物等を対象とすることができる。具体的には、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、カモ、ダチョウ、アヒル、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、マウス、ラット、サルが挙げられるが、これらに制限されない。
かかる医薬組成物を投与する場合、その投与量は、対象の年齢、体重、症状、健康状態、組成物の種類等に応じて、適宜選択される。例えば、1回当たりの本発明の組成物の投与量は、1mg/kg体重〜10mg/kg体重である。
本発明の化合物を含有する製品(例えば、医薬品、試薬)又はその説明書は、血栓を溶解するために用いられる旨の表示を付したものであり得る。ここで「製品または説明書に表示を付した」とは、製品の本体、容器、包装などに表示を付したこと、あるいは製品の情報を開示する説明書、添付文書、宣伝物、その他の印刷物などに表示を付したことを意味する。血栓を溶解するために用いられる旨の表示においては、本発明の化合物を投与することにより血栓が溶解される機序についての情報を含むことができる。機序としては、例えば、フィブリン線維のC末端Lys残基を切断して線溶系を阻害するTAFIaタンパク質の機能を阻害することにより、線溶系を促進することに関する情報が挙げられる。また、血栓を溶解するために用いられる旨の表示においては、血栓性疾患の予防又は治療のために用いられることに関する情報を含むことができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、下記実施例及び調製例において得られた化合物は、核磁気共鳴スペクトル法(NMR:H NMR、13C NMR)、エレクトロスプレーイオン化法質量分析法(ESI−MS)、高分解能質量分析法(HRMS)にて分析した。なお、H−NMRにおける多重度は、s=singlet(一重線)、d=doublet(二重線)、t=triplet(三重線)、q=quintet(四重線)、m=multiplet(多重線)、dd=double doublet(ダブルダブレット)、bs=broad singlet(ブロードシングレット)を示す。また、は結合定数を示す。さらに、NMR( )の括弧内は分析に用いた溶媒を示す。
(調製例1)
前記式に示すスキームに記載の通り、セレノールエステル1を合成した。すなわち、先ず、Woolins’試薬(225.8mg,0.42mmol,2eq)の無水トルエン(toluene、1mL)懸濁液にプロピオン酸(190μL,2.55mmol,3eq)を加え、2時間加熱還流し、セレノプロピオン酸を調製した。続いて、反応液を0℃に冷却し、エチルエステル体1(240.6mg,0.84mmol)のトルエン(500+250+250μL)溶液を加え、70℃で41時間撹拌し、マイケル付加反応を生じさせた。次いで、反応液を室温まで戻し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、15% 酢酸エチル(AcOEt)/ヘキサン(Hexane)溶出部よりセレノールエステル1(114.5mg,32.1%)を得た。以下に得られたセレノールエステル1についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDCl) δ1.17(3H,t,=7.5Hz,SeCOCH ),1.26(3H,t,=7.1Hz,COOCH ),1.3〜1.8(8H,m,C x4),1.44(9H,s,Boc),2.63(3H,m,C,SeCOC CH),3.08(4H,m,C NHBoc,C Se),4.14(2H,q,=7.1Hz,COOC CH),4.53(1H,m,N).
13C NMR(CDCl) δ9.7,14.5,26.3,26.8,26.9,28.6(3carbons),30.1,33.0,40.7,41.7,46.5,60.8,79.3,156.2,174.9,202.6.
ESI−MS (%):448(M+Na,20),447(M+Na,20),446(M+Na,100),445(M+Na,10),444(M+Na,50),443(M+Na,18),442(M+Na,18),424(25),423(20),422(75),421(13),420(38),419(10),418(8),392(8),391(6),390(40),389(3),388(6),387(6),386(6),326(13),325(9),324(63),323(5),322(31),321(11),320(11).
HRMS(ESI) calcd for C1833NNaO 80Se 446.14216, found 446.14188。
(実施例1)
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、調製例1で得られたセレノールエステル1を脱保護し、化合物Aを得た。すなわち、セレノールエステル1(25.9mg,0.061mmol)に濃塩酸(HCl、1mL)を加え、100℃で2時間撹拌した。次いで、反応液の溶媒を留去し、化合物A(16.5mg,98.3%)を得た。以下に得られた化合物A(化合物DD9)についての、H NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(DO) δ1.40(8H,m,C x4),1.67(8H,m,C x4),2.84(2H,m,Cx2),2.99(4H,t,=7.5Hz,C NHx2),3.13(4H,dd,=7.1,2.4Hz,C Sex2).
ESI−MS (%):481(M+H,25),480(M+H,8),479(M+H,35),478(22),477(M+H,100),476(M+H,22),475(M+H,92),474(M+H,35),473(M+H,55),472(M+H,15),471(M+H,22),470(M+H,12),469(M+H,3).
HRMS(ESI) calcd for C1633 80Se 477.07780, found 477.07708。
(実施例2)
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、調製例1で得られたセレノールエステル1を脱保護し、アミノ体Aを得た。すなわち、0℃に冷却したセレノールエステル1(19.2mg,0.045mmol)にdist HO(50μL)とトリフルオロ酢酸(TFA、950μL)を加え、1時間撹拌した。次いで、反応液の溶媒を留去し、アミノ体A(19.9mg)を定量的に得た。以下に得られたアミノ体A(化合物DD10)についての、H NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDOD) δ1.13(3H,t,=7.5Hz,SeCOCH ),1.24(3H,t,=7.1Hz,COOCH ),1.40(4H,m,C x2),1.64(4H,m,C x2),2.61(3H,m,C,SeCOC CH),2.91(2H,t,=7.5Hz,C NH),3.06(2H,m,C Se),4.13(2H,q,=7.1Hz,COOC CH).
ESI−MS (%):327(M+H,2),326(M+H,21),325(M+H, 17),324(M+H,100),323(M+H,8),322(M+H,53),321(M+H,19),320(M+H,19),280(3),379(2),278(17),277 1),276(8),275 (3),274(3),270(6),269(4),268(32),267(2),266(16),265(6),264(6),224(14),223(14),222(50),221(3),220(37),219(13),218(14),140(27).
HRMS (ESI) calcd for C1326NO 80Se 324.10779, found 324.10839。
(実施例3)
前記式に示すスキームに記載の通り、セレノールエステル2を合成した。すなわち、先ず、Woolins’試薬(371.1mg,0.70mmol,2eq)の無水トルエン(1mL)懸濁液にプロピオン酸(310μL,4.16mmol,3eq)を加え、2時間加熱還流し、セレノプロピオン酸を調製した。続いて、反応液を0℃に冷却し、エキソメチレン体1(346.3mg,1.35mmol)のトルエン(500+500+250μL)溶液を加え、70℃で18時間撹拌し、マイケル付加反応を生じさせた。次いで、反応液を室温まで戻し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、30%AcOEt/Hexane溶出部よりセレノールエステル2(235.3mg,44.3%)を得た。以下に得られたセレノールエステル2についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDCl) δ1.18(3H,t,=7.5Hz,SeCOCH ),1.3〜1.8(8H,m,C x4),1.44(9H,s,Boc),2.64(3H,m,C,SeCOC CH),3.09(4H,m,C NHBoc,C Se),4.60(1H,m,N).
13C NMR(CDCl) δ9.7,25.9,26.7,26.8,28.6(3 cabons),30.0,32.8,40.6,41.7,46.3,79.4,156.3,179.6,202.6.
ESI−MS (%):421(M+Na,1),420(M+Na,20),419(M+Na,18),418(M+Na,100),417(M+Na,9),416(M+Na,50),415(M+Na,18),414(M+Na,17),364(7),363(5),362(40),361(3),360(19),359(6),368(7),298(6),297(3),296(33),295(2),294(15),293(5),292(40),224(7),223(3),222(44),221(3),220(30),219(7),218(11),217(2),216(3).
HRMS(ESI) calcd for C1629NNaO 80Se 418.11086, found 418.11011。
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、得られたセレノールエステル2を脱保護し、アミノ体Bを得た。すなわち、0℃に冷却したセレノールエステル2(24.3mg,0.062mmol)にdist HO(50μL)とトリフルオロ酢酸(950μL)とを加え、1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去し、アミノ体B(25.3mg)を定量的に得た。以下に得られたアミノ体B(化合物DD12)についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDOD) δ1.14(3H,t,=7.5Hz,SeCOCH ),1.42(4H,m,C x2),1.66(4H,m,C x2),2.58(1H,m,C),2.65(2H,q,=7.5Hz,SeCOC CH),2.92(2H,t,=7.5Hz,C NH),3.06(2H,m,C Se).
13C NMR(CDOD) δ9.8,26.6,27.1,27.6,28.3,33.4,40.6,42.2,47.4,178.2,203.7.
ESI−MS (%):299(M+H,1),298(M+H,17),297(M+H,12),296(M+H,88),295(M+H,6),294(M+H,44),293(M+H,16),292(M+H,17),243(1),242(8),241(4),240(40),239(2),238(21),237(7),236(8),225(4),224(34),223(18),222(100),221(9),220(95),219(32),218(36),217(1),216(4).
HRMS(ESI) calcd for C1122NO 80Se 296.07649, found 296.07723。
(実施例4)
前記式に示すスキームに記載の通り、セレノールエステル3を合成した。すなわち、先ず、Woolins’試薬(240.6mg,0.45mmol,3eq)の無水トルエン(1mL)懸濁液に4−フェニル酪酸(349.3mg,2.13mmol,3.5eq)を加え、2時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、エキソメチレン体1(153.6mg,0.60mmol)の無水トルエン(500+250+250μL)溶液を加え、70℃で18時間撹拌し、マイケル付加反応を生じさせた。次いで、反応液を室温まで戻した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、20%AcOEt/Hexane溶出部よりセレノールエステル3(135.7mg,46.9%)を得た。以下に得られたセレノールエステル3についての、H NMRを示す。
H NMR (CDOD) δ1.2〜1.8(8H,m,C x4),1.42(9H,s,Boc),1.95(2H,m,C CHPh),2.56(1H,m,C),2.63(4H,m,C Ph,C CO),3.03(4H,m,C NH,C Se),7.16(3H,m,Ph−),7.26(2H,m,Ph−)。
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、得られたセレノールエステル3を脱保護し、アミノ体Cを得た。すなわち、0℃に冷却したセレノールエステル3(17.2mg,0.036mmol)にdist HO(50μL)とトリフルオロ酢酸(950μL)とを加え1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去し、アミノ体C(19.3mg)を定量的に得た。以下に得られたアミノ体C(化合物DD19)についての、H NMR、13C NMRを示す。
H NMR (CDOD) δ1.42(4H,m,C x2),1.66(4H,m,C x2),1.94(2H,m,C CHPh),2.58(1H,m,C),2.64(4H,m,C Ph,C CO),2.91(2H,m,C NH),3.07(2H,m,C Se),7.16(3H,m,Ph−),7.26(2H,m,Ph−).
13C NMR(CDOD) δ26.8,27.2,28.3,28.4,33.4,36.7,40.6,47.4,48.0,127.1,129.45(2carbons),129.49(2carbons),142.5,178.1,202.8。
(実施例5)
前記式に示すスキームに記載の通り、セレノールエステル4を合成した。すなわち、先ず、Woolins’試薬(247.4mg,0.47mmol,3eq)の無水トルエン(1mL)懸濁液に3−フェニルプロピオン酸(327.3mg,2.18mmol,3.5eq)を加え、2時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、エキソメチレン体1(158.1mg,0.61mmol)の無水トルエン(500+250+250μL)溶液を加え、70℃で16時間撹拌し、マイケル付加反応を生じさせた。次いで、反応液を室温まで戻した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、25%AcOEt/Hexane溶出部よりセレノールエステル4(108.4mg,37.5%)を得た。以下に得られたセレノールエステル4についての、H NMRを示す。
H NMR(CDOD) δ1.2〜1.8(8H,m,C x4),1.43(9H,s,Boc),2.56(1H,m,C),2.94(4H,m,C Ph,C CO),3.03(4H,m,C NH,C Se),7.17(3H,m,Ph−),7.25(2H,m,Ph−)。
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、得られたセレノールエステル4を脱保護し、アミノ体Dを得た。すなわち、0℃に冷却したセレノールエステル4(27.1mg,0.058mmol)にdist HO(50μL)とトリフルオロ酢酸(950μL)とを加え、1時間撹拌した。反応液の溶媒を留去し、アミノ体D(29.4mg)を定量的に得た。以下に得られたアミノ体D(化合物DD20)についての、H NMR、13C NMRを示す。
H NMR(CDOD) δ1.39(4H,m,C x2),1.60(4H,m,C x2),2.59(1H,m,C),2.92(2H,m,C NH),2.95(4H,m,C Ph,C CO),3.06(2H,m,C Se),7.17(3H,m,Ph−H),7.26(2H,m,Ph−H).
13C NMR(CDOD) δ26.8,27.1,27.6,28.3,32.3,33.4,40.6,47.3,50.0,50.3,127.4,129.4(2carbons),129.5(2carbons),141.2,178.1,202.1。
(調製例2)
前記式に示すスキームに記載の通り、セレノールエステル5を合成した。すなわち、先ず、Woolins’試薬(198.0mg,0.37mmol,3eq)の無水トルエン(1mL)懸濁液にプロピオン酸(130μL,1.74mmol,3.5eq)を加え、2時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、エキソメチレン体2(150.7mg,0.49mmol)の無水トルエン(1000+250+250μL)溶液を加え、70℃で16時間撹拌し、マイケル付加反応を生じさせた。次いで、反応液を室温まで戻した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(25g)で精製し、2.5% アンモニア−メタノール(NH:MeOH=1:9)/ジクロロメタン(CHCl)溶出部よりセレノールエステル5(192.6mg,88.3%)を得た。以下に得られたセレノールエステル5についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDCl) δ1.16 (3H,t,=7.1Hz,COOC CH),1.17(3H,t,=7.5Hz,COC CH),1.53(9H,s,Boc),2.63(2H,q,=7.5Hz,COCH ),2.80(1H,m,C),2.91(2H,m,C CH),3.07(2H,d,=6.2Hz,C Se),4.07(2H,q,=7.1Hz,COOCH ),7.48(1H,dd,=8.6,2.3Hz,Py−4),7.88(1H,d,=8.6Hz,Py−5),8.02(1H,bs,N),8.08(1H,d,=2.3Hz,Py−2).
13C NMR(CDCl) δ9.7,14.4,26.0,28.6(3carbons),35.5,41.7,48.0,61.1,81.1,112.2,128.4,138.9,148.2,151.1,152.7,173.7,202.0.
ESI−MS (%):448(M+H,8),447(M+H,22),446(M+H,23),445(M+H,100),444(M+H,13),443(M+H,53),442(M+H,20),441(M+H,19),392(3),391(15),390(13),389(73),388(7),387(35),386(15),385(15).
HRMS(ESI) calcd for C1929 80Se 445.12417, found 445.12508。
(実施例6)
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、調製例2で得られたセレノールエステル5を脱保護し、化合物Bを得た。すなわち、セレノールエステル5(24.3mg,0.055mmol)に濃塩酸(1mL)を加え、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで戻した後、溶媒を留去し、dist HOとエーテルとを加えた。次いで、エーテル層を取り除いた後、溶媒を留去し、化合物B(14.9mg,92.0%)を得た。化合物Bは陽イオン交換カラムOASIS MCXカートリッジにて精製し、1〜2%NH/MeOH溶出部の溶媒を留去した。続いて4M HClに溶解し、溶媒を留去して化合物B(10.8mg,66.7%,約1:1の混合物)を得た。以下に得られた化合物B(化合物DD22)についての、H NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDOD) δ2.90(4H,d,=6.7Hz,C CHx2),3.13(6H,m,Cx2,C Sex2),7.01(2H,d,=9.1Hz,Py−4x2),7.71(2H,s,Py−5x2),7.87(2H,d,=9.1Hz,Py−2x2).
13C NMR(CDOD) δ31.5 and 31.6(1:1,2carbons),34.5and34.6(1:1,2carbons),48.8and48.9(1:1,2carbons),114.9(2carbons),125.0(2carbons),135.1(2carbons),147.0(2carbons),154.7(2carbons),176.2(2carbons).
ESI−MS(%):523(M+H,3),522(M+H,5),521(M+H,19),520(M+H,13),519(M+H,57),518(M+H,15),517(M+H,52),516(M+H,20),515(M+H,30),514(M+H,8),513(M+H,10),512(M+H,3),511(M+H,2),276(9),275(30),274(80),273(78),272(43),271(18),270(5),269(5),268(5),267(8),266(6),265(5),262(8),261(5),260(100),259(75),258(54),257(20),256(8),208(13),207(35),180(30),179(75).
HRMS(ESI) calcd for C1823 80Se 519.00497, found 519.00600。
(実施例7)
次に、前記式に示すスキームに記載の通り、調製例2で得られたセレノールエステル5を脱保護し、化合物Cを得た。すなわち、0℃に冷却したセレノールエステル5(21.6mg,0.049mmol)にdist HO(50μL)とトリフルオロ酢酸(950μL)とを加え、1時間撹拌した。次いで、反応液の溶媒を留去し、dist HOとヘキサンとを加え、ヘキサン層を取り除いた後、溶媒を留去し、化合物C(12.5mg,56.1%)を得た。以下に得られた化合物C(化合物DD23)についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDOD) δ1.14(3H,t,=7.4Hz,COC CH),1.19(3H,t,=7.1Hz,COOC CH),2.66(2H,q,=7.4Hz,COCH ),2.79(1H,m,C),2.85(1H,m,C CH),2.97(1H,m,C CH),3.10(2H,m,C Se),4.09(2H,q,=7.1Hz,COOCH ),6.98(1H,d,=9.1Hz,Py−5),7.67(1H,d,=2.1Hz,Py−2),7.84(1H,dd,=9.1,2.1Hz,Py−4).
13C NMR(CDOD) δ9.7,14.5,26.1,34.7,42.2,48.2,62.1,114.8,124.8,135.3,147.0,154.9,175.6,203.1.
ESI−MS (%):349(M+H,3),348(M+H,10),347(M+H,60),346(M+H,53),345(M+H,100),344(M+H,28),343(M+H,95),342(M+H,57),341(M+H,59),340(M+H,1),339(M+H,6).
HRMS(ESI) calcd for C1421 80Se 345.07174, found 345.08189。
(実施例8)
前記式に示すスキームに記載の通り、アミノ体Eを合成した。すなわち、先ず、Woolins’試薬(208.2mg,0.39mmol,6eq)の無水トルエン(1mL)懸濁液にプロピオン酸(130μL,1.74mmol,6.5eq)を加え、2時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、エキソメチレン体3(88.4mg,0.26mmol)の無水トルエン(1000+250+250μL)溶液を加え、70℃で20時間撹拌し、マイケル付加反応を生じさせた。次いで、反応液を室温まで戻した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(15g,40g,30g)で精製し、1%AcOEt/Hexane溶出部よりアミノ体E(84.9mg,86.5%)を得た。以下に得られたアミノ体E(化合物DD29)についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDCl) δ1.18(3H,t,=7.5Hz,COC CH),1.19(3H,t,=7.1Hz,COOC CH),2.65(2H,q,=7.5Hz,COCH ),2.78(1H,m,C),2.86(2H,m,C ),3.07(2H,d,=6.1Hz,C Se),4.09(2H,q,=7.1Hz,COOCH ),4.78(2H,bs,N),7.35(1H,d,=2.0Hz,Py−4),7.79(1H,d,=2.0Hz,Py−2).
13C NMR(CDCl) δ9.7,14.4,25.9,34.9,41.7,48.1,61.1,115.0,125.1,137.7,146.6,153.7,173.7,202.0.
ESI−MS (%):383(M+H,5),382(M+H,6),381(M+H,45),380(M+H,18),379(M+H,100),378(M+H,13),377(M+H,50),376(M+H,15),375(M+H,17).
HRMS(ESI) calcd for C1420 ClN 80Se 379.03277, found 379.03314。
(実施例9)
前記式に示すスキームに記載の通り、化合物Dを合成した。すなわち、アミノ体E(32.6mg,0.086mmol)に濃塩酸(1mL)を加え、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで戻した後、溶媒を留去した。得られた残渣を陽イオン交換カラムSHISEIDO PCXカートリッジで精製し、5%NH/MeOH溶出部の溶媒を留去した後4M HClに溶解し、溶媒を留去した後、化合物D(30.0mg,1:1の混合物)を定量的に得た。以下に得られた化合物D(化合物DD28)についての、H NMR、13C NMR、ESI−MS、HRMSを示す。
H NMR(CDOD) δ2.94(4H,d,=7.0Hz,C CHx2),3.07(2H,m,Cx2),3.20(4H,m,C Sex2),7.81(2H,s,Py−4x2),8.14(2H,d,=1.7Hz,Py−2x2).
13C NMR(CDOD) δ31.6,31.7(1:1,2carbons),34.37,34.41(1:1,2carbons),48.71,48.74(1:1,2carbons),119.8(2carbons),125.8(2carbons),134.6(2carbons),145.9(2carbons),152.0(2carbons),176.06,176.08(1:1,2carbons).
ESI−MS(%):591(M+H,10),590(M+H,5),589(M+H,30),588(M+H,12),587(M+H,48),586(M+H,13),585(M+H,37),584(M+H,13),583(M+H,20),582(M+H,5),581(M+H,8),580(M+H,1),579(M+H,1).
HRMS(ESI) calcd for C1820 Cl 78Se80Se 583.91999, found 583.92394。
<TAFIaに対する阻害活性の評価>
実施例1〜9にて得られた各化合物について、TAFIa阻害作用の測定を、Suzuki K.ら、J Pharmacol Exp Ther.、2004年、309巻、607〜615ページに記載の方法に準じて下記のように行った。
(a)ヒト新鮮血漿からのTAFIの精製
先ず、クエン酸採血したヒト血漿中に80mMの塩化バリウムを加え、4℃で30分間処理した。10000rpmで20分間遠心した上清を0.15M塩化ナトリウム含有20mM HEPES緩衝液(pH7.4)で透析した。さらに、35〜70%の硫安画分のタンパクをQ−セファロース、ヘパリン−セファロース、セファクリルS−300及びプラスミノーゲン−セファロースの各種カラムを用いたクロマトグラフィーにより精製した。
(b)TAFIの活性化
次に、得られたTAFI20μLにトロンボモジュリン液(トロンボモジュリン(ウサギ肺由来、American Diagnostia
inc社製、製品番号#237)を緩衝液A(0.1%ルブロール(Lubrol)、0.1%BSA、0.15M塩化ナトリウム含有50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.4))に300ng/mLの濃度で溶解して得られた液)20μLを加え、25℃で3分間処理した後、トロンビン液(トロンビン(ヒト血漿由来、Sigma社製、
製品番号T8885)を緩衝液B(0.1% BSA、0.15M NaCl、10mM塩化カルシウム含有50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4))に3u/mLの濃度で溶解した液)20μLを加え、更に25℃で20分間処理することにより、TAFIを活性化し、TAFIa溶液を得た。
(c)TAFIa阻害活性測定法
次に、得られたTAFIa溶液25μLに、27μMジチオスレイトールを含む50mM トリス−塩酸緩衝液(pH7.6)で段階希釈した各種阻害剤(実施例1〜9にて得られた各化合物を、これらの終濃度が1pM〜1mMとなるように10倍の希釈系列として調整した液)30μLを加えて良く混ぜ、25℃、10分間処理した。さらに、基質溶液(Hip−Arg(Sigma社製、H2508)を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に3.2mMの濃度になるように溶解した液)25μLを加えて良く混ぜ25℃、30分間反応させた。次いで、12.5%Tween含有0.2M PIPES緩衝液(pH7.5)を100μLを加え、反応を停止させた。そして、その5分後に発色液(1%塩化シアヌル含有2−メトキシエタノール)100μLを加えて室温にて15分間放置した後、405nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Bio Rad社製、Model3550)で測定した。これらの測定結果から、阻害率が50%となる濃度をIC50値として求めた。得られた結果を表1に示す。
<カルボキシペプチダーゼB(CPB)に対する阻害活性の評価>
実施例1〜9にて得られた各化合物について、CPB阻害作用の測定を下記のように行った。
(d)CPB阻害活性測定法
ブタ膵臓由来カルボキシペプチダーゼB(CPB)(Worthington Biochemical Corporation社製)を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)に32U/Lで溶解した液25μLに、27μMジチオスレイトールを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)で段階希釈した各種阻害剤(実施例1〜9にて得られた各化合物を、これらの終濃度が1pM〜1mMとなるように10倍の希釈系列として調整した液)30μLを加えて良く混ぜ25℃、10分間処理した。さらに、基質溶液(Hip−Arg(Sigma社製、H2508)を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に3.2mMの濃度になるように溶解した液)25μLを加えて良く混ぜ、25℃、30分間反応させた。次に、12.5%Tween含有0.2M PIPES緩衝液(pH7.5)を100μLを加え、反応を停止させた。5分後に発色液(1%塩化シアヌル含有2−メトキシエタノール)100μlを加え、室温にて15分間放置した後、405nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(Bio Rad社製、Model3550)で測定した。これらの測定結果から、阻害率が50%となる濃度をIC50値として求めた。得られた結果を表1に示す。
<カルボキシペプチダーゼN(CPN)に対する阻害活性の評価>
実施例1〜9にて得られた各化合物について、CPN阻害作用の測定を下記のように行った。
(e)CPN阻害活性測定法
ヒト血漿由来カルボキシペプチダーゼN(CPN)(ELASTIN PRODUCTS COMPANY、INC社製)を50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.6)に2μg/mlで溶解した液25μLに、27μMジチオスレイトールを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.6)で段階希釈した各種阻害剤(実施例1〜9にて得られた各化合物を、これらの終濃度が1pM〜1mMとなるように10倍の希釈系列として調整した液)30μLを加えて良く混ぜ37℃、10分間処理した。さらに、基質溶液(Hip−Lys(Sigma社製、H6750)を50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に10mMの濃度になるように溶解した液)25μLを加えて良く混ぜ、37℃、40分間反応させた。次に、12.5%Tween含有0.2M PIPES緩衝液(pH7.5)を100μLを加え、反応を停止する。5分後に発色液(1%塩化シアヌル含有2−メトキ
シエタノール)100μLを加え、室温にて15分間放置した後、405nmでの吸光度をマイクロプレートリーダー(BioRad社製、Model3550)で測定した。これらの測定結果から、阻害率が50%となる濃度をIC50値として求めた。得られた結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、本発明の化合物(実施例1〜9)は、いずれもTAFIaに対する阻害活性は高く、優れたものであった。特に、本発明の化合物(実施例6及び9、化合物DD22及びDD28)は、IC50値が10−12〜10−11M台とTAFIaに対する阻害活性は極めて高いものであった。また、本発明の化合物(実施例9、化合物DD28)は、CPNに対する阻害活性は極めて低く、TAFIaに対する特異性の点においても優れたものであった。
以上説明したように、TAFIaタンパク質に結合し、該タンパク質による基質の切断を阻害することを可能とする化合物を提供することが可能となる。
したがって、本発明の化合物は、TAFIaタンパク質に対して高い阻害活性を有しているため、心筋梗塞や脳梗塞等の血栓性疾患の予防又は治療のための医薬組成物として有用である。

Claims (1)

  1. TAFIaタンパク質に対して阻害活性を有する化合物であって、下記一般式(1)で表わされる有機セレン化合物、該有機セレン化合物同士がジセレニド結合を介して結合している二量体、又はこれらの薬理学上許容される塩若しくは溶媒和物。
    (式(1)中、Rは、−R−NH、−R−C(=NH)NH、−R−NH−C(=NH)NH、又は下記式(2)で表わされる基を示し、Rは、−COORで表わされる基を示し、Rは、水素原子、−C(=O)R、−C(=O)R−Ar、又は−C(=O)Arで表わされる基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、Rは炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数が1〜6である直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基を示し、Arはアリール基を示す。)
    (式(2)中、Rは、水素原子又はハロゲン原子を示し、nは0〜3の整数を示す。)
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