JP5798085B2 - 分注装置 - Google Patents

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本発明は、分注装置に関し、更に詳しくは例えば検体および試薬などの液体試料を分注処理するための分注装置に関する。
従来、検体の分析を行うための前処理、具体的には検体および試薬の小分け、あるいは試薬の配合などのための液体試料の分注処理には、分注装置が用いられている。
分注装置の或る種のものとしては、筒状の分注ノズル部材が装着されるノズル装着部材と、シリンダとピストンとよりなるシリンダ機構とを備えたシリンダユニットとを有する構成のものがある。
このような構成の装置においては、シリンダユニットの吸引動作によって、ノズル装着部に装着された分注ノズル部材内に所定の液体試料の所定量を吸引取得し、目的とする容器に当該液体試料を吐出させることによって分注が行われる。
然るに、このような分注装置においては、分注処理される液体試料の種類などによって必要とされる分注量が大きく異なり、例えば0.5〜300μLの広い範囲の分注量に対応することが必要とされており、またそれと共に、分注処理の高精度化および装置の小型化が求められている。
而して、広い範囲の分注量に対応すると共に、装置の大型化を抑制しながら分注量の精度を確保するために、従来、シリンダユニットにおいて、シリンダ機構を交換可能な構成とし、シリンダ部材の内径およびピストン部材の外径が異なる2種類のシリンダ機構、具体的には、小径のシリンダ部材および小径のピストン部材よりなり、例えば0.5〜30μLの低分注量に対応する低容量分注用シリンダ機構、および大径のシリンダ部材および大径のピストン部材よりなり、例えば10〜300μLの高分注量に対応する高容量分注用シリンダ機構を用意し、必要とされる分注量に応じて適宜のシリンダ機構を選択して用いる構成の分注装置が提案されている。
これは、分注装置として、シリンダ機構が1種のみでは装置大型化の抑制および分注量の高精度確保の両方を達成することができない、という問題があるからである。
具体的に説明すると、低容量分注用のシリンダ機構を用いる場合には、ピストン部材の単位移動量当たりの吸引量が小さことから、ピストン部材の移動量の制御によって吸引量を微調整することができるため分注量に高い精度を得ることができるものの、分注すべき量が高容量である場合にはピストン部材の全移動量を大きくすることが必要となることから装置が大型化してしまう、という問題が生じる。
一方、高容量分注用のシリンダユニットを用いる場合には、ピストン部材の単位移動量当たりの吸引量が大きいことから、ピストン部材の全移動量を大きくすることが必要とされないために装置の大型化を抑制することはできるものの、ピストン部材の移動量の制御による吸引量の微量な調整をすることができなくなることから分注量に高い精度を得ることができなくなる、という問題が生じる。
しかしながら、低容量分注用シリンダ機構および高容量分注用シリンダ機構が交換可能に設けられた構成の分注装置においては、分注量に応じてシリンダ機構の交換作業を行わなくてはならず、例えば試薬を配合するために、分注量が大きく異なる複数種類の液体試薬の分注処理を連続して行う場合には、非常に多大の時間を要することとなる、という問題がある。
特開平6−94584号公報 特開平9−29111号公報 特開2011−163771号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、単一のシリンダ機構を有するものであるにも拘わらず、広い分注量範囲において、分注すべき量が低容量でも高容量でも分注量の精度が高い小型の分注装置を提供することにある。
本発明の分注装置は、シリンダとピストンとよりなるシリンダ機構を備えたシリンダユニットを有する分注装置であって、
前記シリンダ機構は、下端に吸引吐出用開口を有する大径シリンダ部材と、当該大径シリンダ部材の内部に摺動自在に挿入され、下端に吸引吐出用開口を有する小径シリンダ部材と、当該小径シリンダ部材の内部に摺動自在に挿入されたピストン部材とを備えており
前記大径シリンダ部材上に、前記小径シリンダ部材の上端部が固定された小径シリンダ部材用フレームが、当該大径シリンダ部材と当該小径シリンダ部材用フレームとを引張力によって固定する固定用部材によって一体的に固定されて配設され、
前記小径シリンダ部材用フレーム上に、前記ピストン部材の上端が固定されたピストン部材用フレームが、上下方向に移動可能に配設され、当該小径シリンダ部材用フレームと当該ピストン部材用フレームとを係合するための係合機構が設けられており、
低容量分注モードにおいては、前記ピストン部材が、前記大径シリンダ部材に一体的に固定された前記小径シリンダ部材の内部を移動するよう駆動され、当該ピストン部材が、低容量分注用移動領域において、大径シリンダ部材およびこれに一体的に固定された小径シリンダ部材に対して相対的に上方に移動するよう駆動されることによって吸引動作が行われ、
高容量分注モードにおいては、前記ピストン部材とこれに一体的に固定された小径シリンダ部材が、前記大径シリンダ部材の内部を移動するよう駆動され、ピストン部材とこれに一体的に固定された小径シリンダ部材が、前記低容量分注用移動領域より上方における高容量分注用移動領域において、大径シリンダ部材に対して相対的に上方に移動するよう駆動されることによって吸引動作が行われ、
前記ピストン部材用フレームが上方に移動されることによって前記ピストン部材が前記低容量分注用移動領域を上方向に移動するよう駆動され、
当該ピストン部材用フレームが更に上方に移動されることによって前記係合機構により当該ピストン部材用フレームが小径シリンダ部材用フレームに係合し、当該小径シリンダ部材用フレームが前記固定用部材を引伸しながら上方に移動されることにより、当該ピストン部材とこれに一体的に固定された前記小径シリンダ部材が前記高容量分注用移動領域を上方向に移動するよう駆動されることを特徴とする。
本発明の分注装置においては、複数のシリンダユニットが並設され、各シリンダユニットに共通のピストン駆動機構が設けられていることが好ましい。
本発明の分注装置によれば、シリンダ機構が大径シリンダ部材、小径シリンダ部材およびピストン部材によって構成されており、このシリンダ機構においては、分注すべき量が低容量である場合には、低容量分注モードにて、ピストン部材が単独でピストンとして作用すると共に小径シリンダ部材が大径シリンダ部材と一体となってシリンダとして作用することによって吸引吐出動作を行い、一方、分注すべき量が高容量である場合には、高容量分注モードにて、ピストン部材と小径シリンダ部材が一体となってピストンとして作用すると共に大径シリンダ部材がシリンダとして作用することによって吸引吐出動作を行うことができることから、分注すべき量に応じた分注モードで吸引吐出動作を行うことにより、単一のシリンダ機構によって広い分注範囲に対応することができ、その上、装置大型化を抑制しつつ、必要とされる分注量の精度を確保することができる。
本発明の分注装置の構成の一例を示す概略図である。 図1の分注装置の液体試料分取吐出手段の構成を示す説明用斜視図である。 図2の液体試料分取吐出手段の分解斜視図である。 図2の液体試料分取吐出手段の断面を示す説明用断面図である。 図2の液体試料分取吐出手段の要部を拡大して示す説明用拡大図である。 図2の体試料分取吐出手段において分注ノズル部材の取外し処理が行われる状態を示す説明図である。 図1の分注装置によって低容量分注モードによって分注処理が行われる状態を示す説明図であり、(a)は分注装置に小容量分注用ノズル部材が装着された状態を示す図であり、(b)は小容量分注用ノズル部材の先端が液体試料中に位置された状態を示す図であり、(c)は小容量分注用ノズル部材内に液体試料が吸引された状態を示す図である。 図1の分注装置において高容量分注モードによって分注処理が行われる状態を示す説明図であり、(a)は分注装置に大容量分注用ノズル部材が装着された状態を示す図であり、(b)は分注装置におけるピストン部材が低容量分注用移動領域を超えて高容量分注用移動領域に移動された状態を示す図であり、(c)は大容量分注用ノズル部材の先端が液体試料中に位置された状態を示すであり、(d)は大容量分注用ノズル部材内に液体試料が吸引された状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の分注装置の構成の一例を示す概略図であり、図2は、図1の分注装置の液体試料分取吐出手段の構成を示す説明用斜視図であり、図3は、図2の液体試料分取吐出手段の分解斜視図であり、図4は、図2の液体試料分取吐出手段の断面を示す説明用断面図であり、図5は、図2の液体試料分取吐出手段の要部を拡大して示す説明用拡大図である。
分注装置10は、分注すべき量が同一である複数の分注処理を同時に行うことのできる構成を有し、液体試料の吸引および吐出を行う液体試料分取吐出手段20と、分注ステージ11と、液体試料分取吐出手段20を支持すると共に分注ステージ11上において前後方向(図1におけるY方向)、左右方向(図1におけるX方向)および上下方向(図1におけるZ方向)に移動するための支持移動機構とを有する装置本体12とを備えてなるものである。
この分注装置10において、液体試料分取吐出手段20は、装置本体12に着脱自在に設けられている。また、装置本体12は、分注ステージ11に対向する処理開口(図示せず)および液体試料分取吐出手段20を着脱するための着脱開口13Aを有すると共に液体試料分取吐出手段20の駆動源(図示せず)が設けられてなる駆動部13と、駆動部13を支持するための支持部14と、ステッピングモータよりなり、支持部14に形成されている分注動作路14A内において駆動部13を移動させるための駆動部移動手段(図示せず)とが設けられており、これらの駆動部13、支持部14および駆動部移動手段によって支持移動機構が形成されているものである。
この図1に係る例において、分注ステージ11には、試薬載置部16A,16B,16Cと、分注容器載置部17と、ノズル部材載置部18A,18Bと、ノズル部材廃棄部19とが設けられている。試薬載置部16A,16B,16Cには、例えば複数の試薬収容部を有する試薬容器が載置され、また分注容器載置部17には、例えば複数の液体試料収容部を有する分注容器が載置される。
分注装置10を構成する液体試料分取吐出手段20は、分注ノズル部材が着脱自在に装着されるノズル装着部材31と、シリンダとピストンとよりなるシリンダ機構とを備えたシリンダユニット21の複数(図1に係る例においては96個)が、縦横に並んで並設された状態で一体に設けられてなるものであり、図3に示すように、複数のノズル装着部材31が設けられたノズル装着部30と、複数のシリンダ機構が設けられたシリンダ部40とにより構成されている。
ノズル装着部30を構成する複数のノズル装着部材31の各々に装着される分注ノズル部材としては、例えば容量の異なる2種類の分注ノズル部材のいずれかが選択的に用いられる。
すなわち、分注ノズル部材としては、分注処理において必要とされる分注量に応じて、2種類の分注ノズル部材のうちの適宜なものが用いられる。
2種類の分注ノズル部材としては、例えば0.5〜30μLの低分注量に対応する小容量分注用ノズル部材22A(図7参照)と、例えば10〜300μLの高分注量に対応する大容量分注用ノズル部材22B(図8参照)とが挙げられる。
この図1に係る例において、分注ステージ11における2つのノズル部材載置部18A,18Bのうちの一方のノズル部材載置部(以下、「小容量用分注ノズル載置部」ともいう。)18Aには、複数(図1に係る例においては96個)の小容量分注用ノズル部材22Aが、液体試料分取吐出手段20における複数のシリンダユニット21の配列状態に対応するように配列されて載置されており、他方のノズル部材載置部(以下、「大容量用分注ノズル載置部」ともいう。)18Bには、複数(図1に係る例においては96個)の大容量分注用ノズル部材22Bが、液体試料分取吐出手段20における複数のシリンダユニット21の配列状態に対応するように配列されて載置されている。
小容量分注用ノズル部材22Aおよび大容量分注用ノズル部材22Bは、各々、下端に液体試料を吸引および吐出するための吸引吐出用開口23A,23B、および上端に吸引吐出用開口23A,23Bよりも大きな開口径を有する開口(以下、「装着用開口」ともいう。)24A,24Bが形成されており、下端に向かうに従って小径となるテーパー状の周面を有する円筒状のものであり、内部に吸引した液体試料を保持するための液体保持空間が形成されている。
この図1に係る例において、小容量分注用ノズル部材22Aは、容量が30μLのものであり、一方、大容量分注用ノズル部材22Bは、容量が300μLであって小容量分注用ノズル部材22Aに比して、装着用開口24Bの開口径および全長が大きいものである。
液体試料分取吐出手段20を構成するノズル装着部30は、小容量分注用ノズル部材22Aおよび大容量分注用ノズル部材22Bを交換可能に装着することのできる円柱状のノズル装着部材31の複数と、これらの複数のノズル装着部材31を固定するため矩形板状のノズル装着部材固定用フレーム35とを備えている。また、ノズル装着部材固定用フレーム35の下方側の表面上には、ノズル装着部30における複数のノズル装着部材31に装着された分注ノズル部材を一括して離脱させるための取外し板37が着脱自在に、具体的にはノズル装着部材固定用フレーム35と取外し板37の積重方向(図4および図5における上下方向)に移動可能に設けられている。
このノズル装着部30において、複数のノズル装着部材31の各々は、ノズル装着部材固定用フレーム35に設けられた円柱状の貫通孔36に、その上端部が挿入された状態で固定されている。また、ノズル装着部材固定用フレーム35に固定された複数のノズル装着部材31の下端部(以下、「装着用部」ともいう。)32は、取外し板37がノズル装着部材固定用フレーム35に一体的に固定された状態において、取外し板37に設けられた貫通孔38から下方に突出した状態とされている。
図1に係る例において、39は取外し板37のガイドピンである。
ノズル装着部材31は、上下方向に伸び、装着される分注ノズル部材の液体保持空間に連通する貫通孔31Aが形成されており、また、装着用部32において、下端側に向かうに従って径が小さくなる階段状の外周面を有しているものである。
ノズル装着部材31において、装着用部32は、小径周面部32Aと、当該小径周面部32Aよりも大径の大径周面部32Bとよりなり、小径周面部32Aは小容量分注用ノズル部材22Aの装着用開口24Aに適合した外径を有しており、また大径周面部32Bは大容量分注用ノズル部材22Bの装着用開口24Bに適合した外径を有している。
この図1に係る例において、ノズル装着部材31には、上端部の周面に、当該周面に沿って伸びる円環状の鍔部33が設けられている。
ノズル装着部材固定用フレーム35には、ノズル装着部材31の上端部の外径に適合した内径を有する貫通孔36が複数形成されている。
この図の例においては、ノズル装着部材固定用フレーム35の下方側の表面には、貫通孔36の開口を一巡する円環状の凹部36Aが形成されており、この凹部36Aとノズル装着部材31の顎部33とによってノズル装着部材31の上下方向の取り付け位置を規定するための位置決め機構が構成されている。そして、位置決め機構によって上下方向の取り付け位置が調整された状態でノズル装着部材31の上端部とノズル装着部材固定用フレーム35の貫通孔36とが嵌合することにより、複数のノズル装着部材31が同一の取り付け高さで固定されている。
取外し板37には、ノズル装着部材31の装着用部32の外径よりも僅かに大径であって小容量分注用ノズル部材22Aの装着用開口24Aおよび大容量分注用ノズル部材22Bの装着用開口24Bの外径よりも僅かに小径の内径を有する貫通孔38が複数形成されている。
また、取外し板37は、例えば引張バネなどの弾性体よりなり、上端がノズル装着部材固定用フレーム35に固定され、下端が取外し板37に固定されている固定用部材29により、当該固定用部材29の引張力によってノズル装着部材固定用フレーム35に一体的に固定されており、分注装置10が分注ノズル部材の取外し処理を行う場合のみ、図6に示すように、ノズル装着部材固定用フレーム35と離間するように下方に移動され、取外し処理後には、ノズル装着部材固定用フレーム35に向かうように上方向に移動されて再び当該ノズル装着部材固定用フレーム35に一体的に固定された状態とされる。
この取外し板37による分注ノズル部材の離脱は、取外し板37が、装置本体12の駆動部13に設けられているノズル装着部駆動源によって、ノズル装着部材固定用フレーム35と離間するように下方向に移動されることにより、取外し板37の貫通孔38における下方側の開口縁がノズル装着部材31に装着されている分注ノズル部材に当接し、更に分注ノズル部材が下方向に移動されることによって行われる。
ここに、駆動部13には、ノズル装着部30における取外し板37を駆動するためのステッピングモータよりなるシリンダ部駆動源と共に、シリンダ部40におけるピストン部材用フレーム76を駆動するためのシリンダ部駆動源が設けられている。
液体試料分取吐出手段20を構成するシリンダ部40は、複数のシリンダ機構を有しており、複数のシリンダ機構は、各々、上方側の表面に複数の凹部51が形成された、複数のシリンダ機構に共通の直方体状の大径シリンダ部材50と、大径シリンダ部材50における凹部51の内部に形成された円柱状空間(以下、「大ピストン摺動用空間」ともいう。)S1(図8参照)に摺動自在に挿入された、上端に開口(以下、「ピストン用開口」ともいう。)62を有する有底円筒状体の小径シリンダ部材60と、小径シリンダ部材60の内部の各々に形成された円柱状空間(以下、「小ピストン摺動用空間」ともいう。)S2(図7参照)に摺動自在に挿入された円柱状のピストン部材70とを備えている。
また、シリンダ部40には、大径シリンダ部材50の上方側の表面上に、複数の小径シリンダ部材60の上端部が固定された矩形板状の小径シリンダ部材用フレーム66と、複数のピストン部材70の上端部が固定された矩形板状のピストン部材用フレーム76とがこの順に積重されるようにしてそれぞれ着脱自在に、具体的には小径シリンダ部材用フレーム66とピストン部材用フレーム76の積重方向(図4および図5における上下方向)に移動可能に設けられている。
具体的には、小径シリンダ部材用フレーム66には、複数の貫通孔67が形成されており、これらの複数の貫通孔67は、各々、大径部分67Aと小径部分67Bとにより構成されている。また、ピストン部材用フレーム76には、下方側の表面に開口する凹部77が複数形成されている。そして、複数の小径シリンダ部材60が、小径シリンダ部材用フレーム66に設けられた複数の貫通孔67の大径部分67Aに、その上端部が挿入された状態で固定されており、また、複数のピストン部材70が、小径シリンダ部材用フレーム66における貫通孔67の小径部分67Bに挿通された状態において、ピストン部材用フレーム76に設けられた複数の凹部77に、その上端部が挿入された状態で固定されている。
この図1に係る例においては、上下方向に移動する小径シリンダ部材用フレーム66およびピストン部材用フレームに共通のフレームガイドピン49が設けられている。
大径シリンダ部材50において、内部に大ピストン摺動用空間S1を有する凹部51は、上端に開口(以下、「ピストン用開口」ともいう。)52を有すると共に、下端にはノズル装着部材31の貫通孔31Aに連通する吸引吐出用開口54を有しており、また、吸引吐出用開口54側に向かうに従って径が小さくなる階段状の内周面を有している。
この図1に係る例において、大径シリンダ部材50は、上下方向に伸びる貫通孔(以下、「本体貫通孔」ともいう。)が複数形成された本体部材55と、当該本体貫通孔の下方側の開口を塞ぐように設けられた円板状の吸引吐出用開口形成シール部材56とにより構成されている。この吸引吐出用開口形成シール部材56には、中央部に貫通孔56Aが形成されており、この貫通孔56Aにより、大径シリンダ部材50の下端における吸引吐出用開口54が構成されている。
小径シリンダ部材60は、大径シリンダ部材50における大ピストン摺動用空間S1を上下方向に移動することのできるよう、大ピストン摺動用空間S1の内径に適合した外径を有するものである。
また、小径シリンダ部材60の下端底部61Bの中心部には、小ピストン摺動用空間S2に連通する貫通孔63が形成されており、この貫通孔63により、小径シリンダ部材60の下端における吸引吐出用開口64が構成されている。
この図1に係る例において、小径シリンダ部材60には、下端底部61Bの外周側にOリング69Aが設けられており、また周壁部61Aの内周側にOリング69Bが設けられている。
また、小径シリンダ部材60は、大径シリンダ部材50内に装入された状態、すなわち小径シリンダ部材60の下端底部61Bが大径シリンダ部材50における吸引吐出用開口形成シール部材56に当接するように挿入された状態において、当該小径シリンダ部材60の上端部が、大径シリンダ部材50のピストン用開口52から突出するよう、大径シリンダ部材50における大ピストン摺動用空間S1の全長よりも僅かに大きな全長を有している。
ピストン部材70は、小径シリンダ部材60における小ピストン摺動用空間S2を移動することのできるよう、当該小ピストン摺動用空間S2の内径に適合した外径を有する円柱状のものである。
また、ピストン部材70は、小径シリンダ部材60内に装入された状態、すなわちピストン部材70の下面が小径シリンダ部材60における下端底部61Bに当接するように挿入された状態において、当該ピストン部材70の上端部が、小径シリンダ部材60のピストン用開口62から突出すると共に小径シリンダ部材用フレーム66の貫通孔67から突出するよう、小径シリンダ部材60における小ピストン摺動用空間S2の全長と、小径シリンダ部材用フレーム66の貫通孔67の全長との合計の長さよりも大きな全長を有している。
更に、シリンダ部40には、小径シリンダ部材用フレーム66を大径シリンダ部材50に引張力によって固定する固定用部材81が設けられており、それと共に、装置本体12の駆動部13に設けられているシリンダ部駆動源によって上下方向に移動されるピストン部材用フレーム76を、上方に移動する過程において、小径シリンダ部材用フレーム66に係合させるための係合機構が設けられている。
ここに、駆動部13におけるシリンダ部駆動源は、ノズル装着部駆動源と同様にステッピングモータよりなるものである。
固定用部材81は、例えば引張りバネなどの弾性体よりなるものであり、大径シリンダ部材50に形成されている、当該大径シリンダ部材50の上方側の表面に開口する固定用部材設置空間57に配設されており、この固定用部材設置空間57内において、下端が大径シリンダ部材50における固定用部材設置空間57の底面に固定され、上端が小径シリンダ部材用フレーム66に固定されている。
係合機構は、上端部83Bがピストン部材用フレーム76に固定された係合用部材83を備えている。
係合用部材83は、その全長によってピストン部材用フレーム76が単独移動される領域が定められる円柱状本体部83Aと、当該円柱状本体部83Aの上面に設けられた小径円柱状の上端部83Bと、当該円柱状本体部83Aの下面に設けられた下端鍔部83Cとよりなるものである。
この係合用部材83は、上端部83Bが、ピストン部材用フレーム76に形成された、当該上端部83Bに適合した内径を有する凹部78に挿入された状態で当該ピストン部材用フレーム76に固定されると共に、大径シリンダ部材50に形成された、当該大径シリンダ部材50の上方側の表面に開口し、当該係合用部材83の下端鍔部83Cの外径よりも僅かに大径の内径を有する凹部58と、小径シリンダ部材用フレーム66に形成された、当該係合用部材83の下端鍔部83Cの外径よりも僅かに小径であって円柱状本体部83Aの外径よりも僅かに大径の内径を有する貫通孔68とよりなる係合用部材配置空間に配設されている。
このように、係合機構は、ピストン部材用フレーム76の上下方向の移動に伴って係合用部材設置空間の伸びる方向(図4における上下方向)に移動可能とされている係合用部材83と、小径シリンダ部材用フレーム66における貫通孔68とにより構成されており、係合用部材83が係合用部材設置空間における最上位に位置した状態、すなわち係合用部材83の下端鍔部83Cが小径シリンダ部材用フレーム66に当接した状態とされることにより、ピストン部材用フレーム76と小径シリンダ部材用フレーム66とを係合するものである。
以上の分注装置10においては、液体試料分取吐出手段20を構成する小径シリンダ部材用フレーム66、ピストン部材用フレーム76、固定用部材81および係合用部材83と、装置本体12における駆動部13に設けられているシリンダ部駆動源とにより、複数のシリンダユニット21に共通のピストン駆動機構が構成されている。
このピストン駆動機構によれば、シリンダ部駆動源が分注処理において必要とされる液体試料の分注量に応じた移動量でピストン部材用フレーム76を上方向に移動することにより、そのピストン部材用フレーム76の移動量、すなわちピストン部材用フレーム76の移動に伴って上方向に移動するよう駆動されるピストン部材70の移動量に応じて、低容量分注モードまたは高容量分注モードのいずれかの分注モードで液体試料が吸引されて採取される分注処理が行われることとなる。
ここに、「低容量分注モード」および「高容量分注モード」は、分注装置10が対応すべき分注量に応じて適宜に定められるものであり、例えば分注装置10が対応すべき分注量が0.5〜300μLである場合には、低容量分注モードは必要とされる分注量が0.5〜30μLとされる分注処理に対応する形態とされ、一方、高容量分注モードは必要とされる分注量が10〜300μLとされる分注処理に対応する形態とされる。
具体的に、低容量分注モードにおいては、図7に示すように、ピストン部材用フレーム76が、ピストン部材70が単独で移動されるよう駆動される低容量分用移動領域T1内において移動され、吸引動作が、ピストン部材用フレーム76が低容量分注用移動領域T1内において上方向に移動されることに伴って、ピストン部材70が大径シリンダ部材50に一体的に固定された小径シリンダ部材60の小ピストン摺動用空間S2を上方向に移動することによって行われる。また、吐出動作は、ピストン部材用フレーム76が低容量分注用移動領域T1内において下方向に移動されることに伴って、ピストン部材70が大径シリンダ部材50に一体的に固定された小径シリンダ部材60の小ピストン摺動用空間S2を下方向に移動することによって行われる。
このようにして、ピストン部材70が単独でピストンとして作用すると共に小径シリンダ部材60が大径シリンダ部材50と一体となってシリンダとして作用することによって発生する吸引圧力および吐出圧力により、液体試料の吸引および吐出が行われる。
ここに、低容量分注モードにおいては、ピストン部材用フレーム76は、小径シリンダ部材用フレーム66が固定用部材81(引張バネ)の引張力の作用によって大径シリンダ部材50に一体的に固定された状態において、上下方向に移動される。
一方、高容量分注モードにおいては、図8に示すように、ピストン部材固定用フレーム76が、低容量分注用移動領域T1の上方に連続し、ピストン部材70が小径シリンダ部材60と一体的に固定された状態で移動される高容量分注用移動領域T2まで移動された後、当該高容量分注用移動領域T2内において移動され、吸引動作が、ピストン部材用フレーム76が高容量分注用移動領域T2内において上方向に移動されることに伴って、ピストン部材70に一体的に固定された小径シリンダ部材60が大径シリンダ部材50の大ピストン摺動用空間S1を上方向に移動することによって行われる。また、吐出動作は、ピストン部材用フレーム76が高容量分注用移動領域T2内において下方向に移動されることに伴って、ピストン部材70に一体的に固定された小径シリンダ部材60が大径シリンダ部材50の大ピストン摺動用空間S1を下方向に移動することによって行われる。
このようにして、ピストン部材70と小径シリンダ部材60が一体となってピストンとして作用すると共に大径シリンダ部材50がシリンダとして作用することによって発生する吸引圧力および吐出圧力により、液体試料の吸引および吐出が行われる。
ここに、高容量分注モードにおいては、ピストン部材固定用フレーム76は、係合用部材83が係合用部材設置空間における最上位に位置した状態、すなわち係合用部材83の下端鍔部83Cが小径シリンダ部材用フレーム66に当接した状態とされた後、小径シリンダ部材用フレーム66と係合した状態で上下方向に移動される。
すなわち、ピストン部材用フレーム76が上方向に移動される場合においては、ピストン部材用フレーム76は、単独で移動した後、更に小径シリンダ部材用フレーム66と係合した状態で係合用部材83(引張バネ)を引伸しながら移動することとなる。また、ピストン部材用フレーム76が下方向に移動される場合においては、ピストン部材用フレーム76は、小径シリンダ部材用フレーム66と係合した状態で移動した後、小径シリンダ部材用フレーム66を単独で移動することとなる。
このような構成の分注装置10は、液体試料分取吐出手段20が所期の状態に装着された駆動部13が、支持移動機構によって分注ステージ11上を移動されると共に、液体試料分取吐出手段20が駆動部13に設けられている駆動源、具体的にはシリンダ部40におけるピストン部材用フレーム76を駆動するためのステッピングモータよりなるシリンダ部駆動源と、ノズル装着部30における取外し板37を駆動するためのノズル装着部駆動源によって駆動され、低容量分注モードおよび高容量分注モードのいずれかの分注モードによって分注処理が行われる。
以下、分注装置10による低容量分注モードおよび高容量分注モードによる分注処理動作について、図7および図8を用いて説明する。
図7および図8において、図中の一点鎖線の左右には、異なる部分の断面が示されている。
(小容量分注モード:ノズル部材装着過程)
小容量分注モードにおいては、図7(a)に示すように、先ず、液体試料分取吐出手段20におけるノズル装着部30を構成する複数のノズル装着部材31の各々に小容量分注用ノズル部材22Aが装着される。
具体的には、液体試料分取吐出手段20が収容され、分注ステージ11から上方に離間して水平方向の移動が可能となる高さレベル(以下、「移動レベル」ともいう。)に位置されている駆動部13が、移動レベル面内で小容量用分注ノズル載置部18A上に移動され、この小容量用分注ノズル載置部18A上において下降されることにより、小容量用分注ノズル載置部18Aに載置されている複数の小容量分注用ノズル部材22Aが液体試料分取吐出手段20における複数のノズル装着部材31に装着される。
(小容量分注モード:吸引吐出動作過程)
次いで、図7(b)に示すように、複数の小容量分注用ノズル部材22Aの下端の吸引吐出開口23Aが液体試料中に位置された状態において、図7(c)に示すように、複数の小容量分注用ノズル部材22Aの各々において液体試料が吸引されて保持され、その後、小容量分注用ノズル部材22Aに保持された液体試料が分注容器に対して吐出される。
具体的には、駆動部13が移動レベル面内で小容量用分注ノズル載置部18A上から分注処理すべき液体試薬が複数の試薬収容部91に収容されている試薬容器が載置されている試薬載置部、例えば試薬載置部16A上に移動され、この試薬載置部16A上において下降されることにより、複数の小容量分注用ノズル部材22Aの吸引吐出開口23Aが試薬収容部91の液体試料中に位置した状態とされる。そして、液体試料分取吐出手段20のピストン部材用フレーム76が上方向に移動され、それに伴ってピストン部材70が小径シリンダ部材60における小ピストン摺動用空間S2を上方向に向かって移動するように駆動されることにより、小容量分注用ノズル部材22Aの液体保持空間に液体試料が吸引され、吸引された液体試料が保持される。
その後、駆動部13が移動レベル面内で試薬載置部16A上から分注容器載置部17上に移動され、この分注容器載置部17上において下降されることにより、複数の小容量分注用ノズル部材22Aの吸引吐出開口23Aが、分注容器載置部17に載置されている分注容器の複数の液体試料収容部の各々に近接した状態とされる。そして、液体試料分取吐出手段20のピストン部材用フレーム76が下方向に移動されることに伴ってピストン部材70が小径シリンダ部材60における小ピストン摺動用空間S2を下方向に向かって移動するよう駆動されることにより、小容量分注用ノズル部材22Aの液体保持空間に保持されていた液体試料の全量が吸引吐出用開口23Aから吐出され、以って分注容器の複数の液体試料収容部の各々に液体試料が注がれる。
(小容量分注モード:ノズル部材廃棄過程)
その後、複数の小容量分注用ノズル部材22Aがノズル装着部材31から離脱されて廃棄される。
具体的には、駆動部13が移動レベル面内で分注容器載置部17上からノズル部材廃棄部19上に移動され、このノズル部材廃棄部19上において、液体試料分取吐出手段20の取外し板37が下降されることにより、小容量分注用ノズル部材22Aは、ノズル装着部材31から取り外されてノズル部材廃棄部19内に収容されることによって廃棄される。
(大容量分注モード:ノズル部材装着過程)
また、大容量分注モードにおいては、図8(a)に示すように、先ず、液体試料分取吐出手段20におけるノズル装着部30を構成する複数のノズル装着部材31の各々に大容量分注用ノズル部材22Bが装着される。
具体的には、液体試料分取吐出手段20が収容され、移動可能レベルに位置されている駆動部13が、移動レベル面内で大容量用分注ノズル載置部18B上に移動され、この大容量用分注ノズル載置部18B上において下降されることにより、大容量用分注ノズル載置部13Bに載置されている複数の大容量分注用ノズル部材22Bが液体試料分取吐出手段20における複数のノズル装着部材31に装着される。
(大容量分注モード:吸引準備過程)
次いで、図8(b)に示すように、ピストン部材70が低容量分用移動領域T1内から、当該低容量分注用移動領域T1を超えた高容量分注用移動領域T2内に移動される。
具体的には、駆動部13が移動レベルまで上昇された後、液体試料分取吐出手段20のピストン部材用フレーム76が、係合用部材83が係合用部材設置空間における最上位に位置した状態となるまで上方に移動され、これに伴ってピストン部材70が小径シリンダ部材60における小ピストン摺動用空間S2を上方向に向かって移動するよう駆動され、ピストン部材70が小ピストン摺動用空間S2における上方向の最上位に位置されることにより、ピストン部材70が低容量分注用移動領域T1から高容量分注用移動領域T2に移動される。
この吸引準備過程においては、大容量分注用ノズル部材22Bの下端の吸引吐出用開口23Bが大気中に位置されており、よって液体試料が吸引されることはない。
(大容量分注モード:吸引吐出動作過程)
次いで、図8(c)に示すように、複数の大容量分注用ノズル部材22Bの下端の吸引吐出用開口23Bが液体試料中に位置された状態において、複数の大容量分注用ノズル部材22Bの各々において液体試料が吸引されて保持され、その後、大容量分注用ノズル部材22Bに保持された液体試料が分注容器に対して吐出される。
具体的には、駆動部13が移動レベル面内で大容量用分注ノズル載置部18B上から分注処理すべき液体試薬が複数の試薬収容部に収容されている試薬容器が載置されている試薬載置部、例えば試薬載置部16B上に移動され、この試薬載置部16B上において下降されることにより、複数の大容量分注用ノズル部材22Bの吸引吐出用開口23Bが試薬収容部92の液体試料中に位置した状態とされる。そして、液体試料分取吐出手段20のピストン部材用フレーム76とそれに係合している小径シリンダ部材用フレーム66が一体的に上方向に移動することに伴って小径シリンダ部材60が大径シリンダ部材50における大ピストン摺動用空間S1を上方向に向かって移動するよう駆動されることにより、大容量分注用ノズル部材22Bの液体保持空間に液体試料が吸引され、吸引された液体試料が保持される。
その後、収容部13が移動レベル面内で試薬載置部16B上から分注容器載置部17上に移動され、この分注容器載置部17上において下降されることにより、複数の大容量分注用ノズル部材22Bの吸引吐出用開口22Bが分注容器載置部17に載置されている分注容器の複数の液体試料収容部の各々に近接した状態とされる。そして、液体試料分取吐出手段20のピストン部材用フレーム76とそれに係合している小径シリンダ部材用フレーム66が一体的に下方向に移動することによって小径シリンダ部材60が大径シリンダ部材50における大ピストン摺動用空間S1を下方向に向かって移動するように駆動されることにより、大容量分注用ノズル部材22Bの液体保持空間に保持されていた液体試料の全量が吸引吐出用開口から吐出され、以って分注容器の複数の液体試料収容部の各々に液体試料が注がれる。
(大容量分注モード:ノズル部材廃棄過程)
その後、複数の大容量分注用ノズル部材22Bがノズル装着部材31から離脱されて廃棄される。
具体的には、駆動部13が移動レベル面内で分注容器載置部17上からノズル部材廃棄部19上に移動され、このノズル部材廃棄部19上において、液体試料分取吐出手段20の取外し板37が下降されることにより、大容量分注用ノズル部材22Bは、ノズル装着部材31から取り外されてノズル部材廃棄部19内に収容されることによって廃棄される。
以上のように、分注装置10によれば、シリンダ機構21が大径シリンダ部材50、小径シリンダ部材60およびピストン部材70によって構成されており、このシリンダ機構においては、分注処理に必要とされる分注量が低容量である場合には、低容量分注モードにて、ピストン部材70が単独でピストンとして作用すると共に小径シリンダ部材60が大径シリンダ部材50と一体となってシリンダとして作用することによって吸引吐出動作を行い、一方、必要とされる分注量が高容量である場合には、高容量分注モードにて、ピストン部材70と小径シリンダ部材60が一体となってピストンとして作用すると共に大径シリンダ部材50がシリンダとして作用することによって分注動作を行うことができることから、分注処理に必要とされる分注量に応じた分注モードで分注処理を行うことにより、単一のシリンダ機構によって広い分注範囲に対応することができ、その上、装置大型化を抑制しつつ、必要とされる分注量の精度を確保することができる。
従って、分注装置10においては、分注量が大きく異なる複数種類の液体試薬の分注処理を、多大な時間を要することなく連続して行うことができる。
また、分注装置10は、ピストン部材70が低容量分注用移動領域T1を上方向に移動する場合には低容量分注モードに係る吸引動作が行われ、また、ピストン部材70が、低容量分注用移動領域T1を超えた高容量分注用移動領域T2を上方向に移動する場合には高容量分注モードに係る吸引動作が行われる構成を有することから、分注処理に必要とされる分注量に応じてピストン部材70を移動させることのみにより、その分注量に応じた適宜の分注モードを選択することができるため、分注モードを切り替えるための専用の機構を設ける必要がない。従って、液体試料分取吐出手段20を装着するための装着本体12としては、例えばシリンダ機構が交換可能に設けられてなる構成の分注装置などに用いられている従来公知のものを用いることができる。
本発明の分注装置においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、分注装置は、ピストン部材を駆動するための駆動機構と、小径シリンダ部材を駆動するための駆動機構とが別個に設けられてなる構成のものであってもよい。
以下、本発明の作用効果を確認するために行った実験例について説明する。
(実験例1)
図1〜図5の構成に従い、液体試料分取吐出手段20を構成する複数のシリンダユニットにおけるシリンダ機構として、外径が2mmのピストン部材70と、外径が6mmの小径シリンダ部材と、当該小径シリンダ部材に適合した内径を有する大径シリンダ部材とを備え、また、シリンダ機構のシリンダ部駆動源として、1パルス当たりのピストン移動量が0.001mmとされるステッピングモータを備え、低容量分注用移動領域T1が10mmであって高容量分注用移動領域T2が22.5mmであり、分注量が0.5〜30μLである分注処理が低容量分注モードによって行われ、分注量が10〜300μLである分注処理が高容量分注モードによって行われる構成の分注装置(以下、「分注装置(1)」ともいう。)を作製した。
比較用の分注装置として、2種類の分注装置を作製した。
具体的には、外径が2mmのピストン部材と、当該ピストン部材に適合した内径を有するシリンダ部材とよりなるシリンダ機構を備え、このシリンダ機構の駆動源として、分注装置(1)と同様に1パルス当たりのピストン移動量が0.001mmとされるステッピングモータを備えてなる構成の分注装置(以下、「比較用分注装置(1)」ともいう。)、および外径が6mmのピストン部材と、当該ピストン部材に適合した内径を有するシリンダ部材とよりなるシリンダ機構を備え、このシリンダ機構の駆動源として、分注装置(1)と同様に1パルス当たりのピストン移動量が0.001mmとされるステッピングモータを備えてなる構成の分注装置(以下、「比較用分注装置(2)」ともいう。)を作製した。
作製した分注装置(1)、比較用分注装置(1)および比較用分注装置(2)の各々により、分注量1μLの分注処理と、分注量300μmの分注処理とを行い、各分注処理におけるピストン移動量、および吸引量に生じる誤差を確認した。
分注装置(1)においては、分注量1μLの分注処理については、ピストン移動量は0.33mmであり、吸引量に生じた誤差は0.001μLであった。また、分注量300μLの分注処理については、ピストン移動量は20.714mm(低容量分注用移動領域T1から高容量分注用移動領域T2までの移動量10mmと、高容量分注用移動領域T2内における移動量10.714mmの合計量)であり、吸引量に生じた誤差は0.008μL、すなわち吸引量1μL当たりの誤差は2.7×10-5μLであった。
比較用分注装置(1)においては、分注量1μLの分注処理については、ピストン移動量は0.33mmであり、吸引量に生じた誤差は0.001μLであった。また、分注量300μLの分注処理については、ピストン移動量は100mmであり、吸引量に生じた誤差は0μL、すなわち誤差は生じなかった。
比較用分注装置(2)においては、分注量1μLの分注処理については、ピストン移動量は0.036mmであり、吸引量に生じた誤差は0.008μLであった。また、分注量300μLの分注処理については、ピストン移動量は10.714mmであり、吸引量に生じた誤差は0.008μL、すなわち吸引量1μm当たりの誤差は2.7×10-5μLであった。
以上の結果から、本発明に係る分注装置(1)においては、単一のシリンダ機構を有するものであるにも拘わらず、広い分注量範囲に対応することができ、その上、分注量が小容量であっても大容量であっても、分注量に高い精度が得られ、またピストン部材に大きなストローク(全移動量)が必要とされることがなく、よって装置大型化の抑制および分注量の高精度確保の両方を達成できることが確認された。
一方、シリンダ機構が1種類のピストン部材およびシリンダ部材よりなる分注装置においては、装置大型化の抑制および分注量の高精度確保の両方を達成することができない、ということが明らかである。
すなわち、比較用分注装置(1)においては、ピストン部材の単位移動量当たりの吸引量が小さいことから、分注処理において必要とされる分注量が小さい場合には、分注量に高い精度を得ることができるものの、その一方で分注処理において必要とされる分注量が大きい場合には、ピストン部材に極めて大きなストローク(全移動量)が必要とされる。また、比較用分注装置(2)においては、ピストン部材の単位移動量当たりの吸引量が大きいことから、分注処理において必要とされる分注量が大きい場合には、ピストン部材に大きなストローク(全移動量)が必要とされないものの、その一方で分注処理において必要とされる分注量が小さい場合には、分注量に高い精度を得ることができない。
10 分注装置
11 分注ステージ
12 装置本体
13 駆動部
13A 着脱開口
14 支持部
14A 分注動作路
15
16A,16B,16C 試薬載置部
17 分注容器載置部
18A,18B ノズル部材載置部
19 ノズル部材廃棄部
20 液体試料分取吐出手段
21 シリンダユニット
22A 小容量分注用ノズル部材
22B 大容量分注用ノズル部材
23A,23B 吸引吐出用開口
24A,24B 開口(装着用開口)
29 固定用部材
30 ノズル装着部
31 ノズル装着部材
31A 貫通孔
32 下端部(装着用部)
32A 小径周面部
32B 大径周面部
33 鍔部
35 ノズル装着部材固定用フレーム
36 貫通孔
36A 凹部
37 取外し板
38 貫通孔
39 ガイドピン
40 シリンダ部
49 フレームガイドピン
50 大径シリンダ部材
51 凹部
52 開口(ピストン用開口)
54 吸引吐出用開口
55 本体部材
56 吸引吐出用開口形成シール部材
56A 貫通孔
57 固定用部材配置空間
58 凹部
60 小径シリンダ部材
61A 周壁部
61B 下端底部
62 開口(ピストン用開口)
63 貫通孔
64 吸引吐出用開口
66 小径シリンダ部材用フレーム
67 貫通孔
67A 大径部分
67B 小径部分
68 貫通孔
69A,69B Oリング
70 ピストン部材
76 ピストン部材用フレーム
77 凹部
78 凹部
81 固定用部材
83 係合用部材
83A 円柱状本体部
83B 上端部
83C 下端鍔部
91,92 試薬収容部

Claims (2)

  1. シリンダとピストンとよりなるシリンダ機構を備えたシリンダユニットを有する分注装置であって、
    前記シリンダ機構は、下端に吸引吐出用開口を有する大径シリンダ部材と、当該大径シリンダ部材の内部に摺動自在に挿入され、下端に吸引吐出用開口を有する小径シリンダ部材と、当該小径シリンダ部材の内部に摺動自在に挿入されたピストン部材とを備えており
    前記大径シリンダ部材上に、前記小径シリンダ部材の上端部が固定された小径シリンダ部材用フレームが、当該大径シリンダ部材と当該小径シリンダ部材用フレームとを引張力によって固定する固定用部材によって一体的に固定されて配設され、
    前記小径シリンダ部材用フレーム上に、前記ピストン部材の上端が固定されたピストン部材用フレームが、上下方向に移動可能に配設され、当該小径シリンダ部材用フレームと当該ピストン部材用フレームとを係合するための係合機構が設けられており、
    低容量分注モードにおいては、前記ピストン部材が、前記大径シリンダ部材に一体的に固定された前記小径シリンダ部材の内部を移動するよう駆動され、当該ピストン部材が、低容量分注用移動領域において、大径シリンダ部材およびこれに一体的に固定された小径シリンダ部材に対して相対的に上方に移動するよう駆動されることによって吸引動作が行われ、
    高容量分注モードにおいては、前記ピストン部材とこれに一体的に固定された小径シリンダ部材が、前記大径シリンダ部材の内部を移動するよう駆動され、ピストン部材とこれに一体的に固定された小径シリンダ部材が、前記低容量分注用移動領域より上方における高容量分注用移動領域において、大径シリンダ部材に対して相対的に上方に移動するよう駆動されることによって吸引動作が行われ、
    前記ピストン部材用フレームが上方に移動されることによって前記ピストン部材が前記低容量分注用移動領域を上方向に移動するよう駆動され、
    当該ピストン部材用フレームが更に上方に移動されることによって前記係合機構により当該ピストン部材用フレームが小径シリンダ部材用フレームに係合し、当該小径シリンダ部材用フレームが前記固定用部材を引伸しながら上方に移動されることにより、当該ピストン部材とこれに一体的に固定された前記小径シリンダ部材が前記高容量分注用移動領域を上方向に移動するよう駆動されることを特徴とする分注装置。
  2. 複数のシリンダユニットが並設され、各シリンダユニットに共通のピストン駆動機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分注装置。
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