JP5796777B2 - 内燃機関の排ガス浄化装置及び尿素の堆積検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排ガス通路に還元触媒を配設し、還元剤として尿素水から生成されたアンモニアを供給することにより、NOx(窒素酸化物)を還元して排ガスを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置及び尿素の堆積検出方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関の排ガス中に含まれるNOxを浄化するための排ガス浄化装置として、内燃機関の排ガス通路に還元触媒を配設し、還元剤としてアンモニアを供給することにより、NOxを還元して排ガスを浄化する排ガス浄化装置が用いられている。
このような排ガス浄化装置では、尿素水を排ガス中に供給するのが一般的であり、尿素水インジェクタなどを用いて排ガス中に尿素水を噴射する。尿素水インジェクタから排ガス中に噴射された霧状の尿素水は排ガスの熱により加水分解し、その結果生成されるアンモニアが還元触媒に供給される。こうして還元触媒に供給されたアンモニアと排ガス中のNOxとの間の脱硝反応が還元触媒によって促進されることによりNOxが還元されて排ガスが浄化される。
このとき、尿素水インジェクタから噴射された霧状の尿素水の一部は、排ガス通路内の壁面などに衝突することにより液状となり排ガス通路内の壁面に付着する場合がある。付着した尿素水は、図6に示すように、その水分が気化することにより尿素固形物となって排ガス通路内の壁面上に堆積する。尿素固形物の生成が継続すると、排ガス通路における排ガス流動抵抗の増大や排ガス通路の閉塞を引き起こすおそれがある。
また、排ガス通路内の壁面に付着した尿素水の大部分は、重力で壁面を流下して排ガス通路内の下端部に滞留する。その後、尿素水の水分が排ガスの熱で蒸発することにより液状尿素となり、そのまま温度が下がると固体尿素となって排ガス通路内の下端部に堆積する。そして、固体尿素が排ガス等により加熱されて熱分解する事で、シアヌル酸、ビュレット、メラニンなど尿素由来の固形物となる。したがって、排ガス通路内に滞留している液状の尿素水、当該尿素水の水分が蒸発して形成された固体尿素及び尿素由来の固形物(以下、排ガス通路内に滞留している液状の尿素水、排ガス通路内に堆積している固体尿素、尿素由来の固形物をまとめて尿素由来堆積物という。)は、排ガス通路の下端部に堆積(以下、本明細書で使用する堆積とは、尿素水が滞留する意味も含むものとする。)する。これにより、本来NOxの還元に必要とされるアンモニアの量が不足し、排ガス浄化率が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、還元触媒の上流側の排ガス通路に配設されているDPFの強制再生時に昇温された排ガスの熱を利用して尿素由来堆積物をガス化してアンモニアに転化させ、尿素由来堆積物を除去する方法が一般的に用いられている。
ところで、尿素由来堆積物の堆積量を検知する方法として、例えば、特許文献1には、尿素由来堆積物の堆積量を推定可能な浄化装置が開示されている。この浄化装置は、還元触媒の上流に噴射される尿素水の供給量及び排ガス温度から、排ガス通路内に堆積する単位時間当たりの尿素由来堆積物の析出量を推定し、これを順次積算することで排ガス通路内に堆積する尿素由来堆積物の堆積量を推定する。次に、排ガス温度に応じて排ガス通路から離脱する単位時間当たりの尿素由来堆積物の離脱量を推定し、尿素由来堆積物の堆積量からこれを順次減算することで、排ガス通路に残留する尿素由来堆積物の堆積量を推定している。
特開2011−220232号公報
しかしながら、DPFの強制再生時に昇温された排ガスの熱を利用して尿素由来堆積物をガス化する場合は、排ガスが高温となった場合に、排ガス通路内に堆積している尿素由来堆積物が一気にアンモニアに転化して、還元触媒に必要以上のアンモニアが供給され、余剰となったアンモニアが大気中へ放出される、即ちアンモニアスリップが発生するという問題があった。
また、特許文献1に記載の浄化装置では、尿素由来堆積物の堆積量の推定値を取得することはできるが、実測値ではないため、推定値が実際の堆積量と大きく異なる場合があるという問題点があった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するものであって、尿素由来堆積物の堆積を早期に、且つ正確に検出可能な内燃機関の排ガス浄化装置及び堆積検出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する本発明に係る内燃機関の排ガス浄化装置は、内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、前記還元触媒よりも上流側の前記排ガス通路内に尿素水を供給する尿素水供給手段と、を備えた内燃機関の排ガス浄化装置であって、
前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内に配置され、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水のうち少なくとも一方が堆積する堆積部の温度を計測する第1温度センサと、
前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内に、前記内燃機関からの距離が、前記第1温度センサが配置された距離と同じ距離に配置され、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水が堆積しない非堆積部の温度を計測する第2温度センサと、
前記第1温度センサにより計測された第1温度と、第2温度センサにより計測された第2温度との比較結果に基づいて、尿素水又は前記尿素固形物の堆積の有無を判定する堆積判定手段と、を備えることを特徴とする。
上記内燃機関の排ガス浄化装置によれば、第1温度センサは尿素由来堆積物が堆積する堆積部に設けられているため、尿素由来堆積物が堆積すると第1温度センサは尿素由来堆積物に覆われてしまう。これにより、第1温度センサは、排ガス通路内を流れる排ガスと接触しなくなるため、第1温度センサによる計測結果は実際の排ガスの温度と異なった値となる。一方、第2温度センサは、尿素由来堆積物が堆積しない非堆積部に設けられているため、尿素由来堆積物に覆われない。これにより、第2温度センサは、排ガスと接触した状態を維持できるため、第2温度センサによる計測結果は実際の排ガスの温度を正確に現した値となる。即ち、第1温度センサによる計測結果の第1温度と、第2温度センサによる計測結果の第2温度とには温度差が生じることとなる。したがって、第1温度と第2温度とを比較することで、尿素由来堆積物の有無を正確に検出することができる。
また、尿素由来堆積物の有無の判定は、第1温度と第2温度とを比較するだけなので、短時間で行うことができる。これにより、尿素由来堆積物の堆積を早期に検出することができる。
また前記排ガス通路は、屈曲部を介して前記還元触媒を収容するケーシングに接続されており、前記第1温度センサおよび前記第2温度センサは、前記屈曲部に配置されていてもよい。
また、前記堆積判定手段は、第1温度と第2温度との差分の絶対値が所定閾値以上の場合に、尿素水及び前記尿素固形物のうち少なくとも一方が前記排ガス通路内に堆積していると判定する。
内燃機関の稼働時において、排ガス通路内に尿素由来堆積物が堆積して第1温度センサを覆った場合、第1温度は、排ガスに直接触れている第2温度よりも低くなったり、温度の経時変化が鈍くなったりする。かかる場合の第1温度Tと第2温度Tとの差分(T−T)は所定閾値以上となる。
また、内燃機関を停止した後、排ガス通路内に液状の尿素由来堆積物がそのまま残置される場合がある。このとき、第1温度センサは液状の尿素由来堆積物に覆われた状態となる。その後、排ガス通路本体が十分に冷却される前、即ち液状の尿素由来堆積物が熱い状態のときに、内燃機関を再始動すると、液状の尿素由来堆積物は熱く、冷態運転状態の排ガス温度は低いため、第1温度Tは、第2温度Tよりも高い状態となる。かかる場合の第1温度Tと第2温度Tとの差分(T−T)は所定閾値以上となる。
このように、第1温度と第2温度との差分の絶対値が所定閾値以上か否かで尿素由来堆積物の有無を判定するため、判定結果を短時間で取得することができる。
また、前記第1温度センサは、前記排ガス通路の軸直交断面の下端部に設けられ、前記第2温度センサは、前記第1温度センサよりも上側の前記軸直交断面に設けられていてもよい。
一般的に、排ガス通路の外側壁面は外気に晒されていることから、排ガス通路内の内側壁面は、内部を通過する排ガスの温度に比べて低い温度にある。したがって、排ガス中で霧化している尿素水が排ガス通路の内側壁面に接触すると、温度の低下により再び液化して排ガス通路の内側壁面に付着する場合がある。そして、排ガス通路の内側壁面に付着した尿素水の多くは、重力で内側壁面を流下して排ガス通路内の下端部に集水された後、尿素水の水分が排ガスの熱で蒸発することにより固形になり、排ガス通路内の下端部に堆積する。本発明では、尿素由来堆積物が堆積する排ガス通路の下端部に第1温度センサを設け、当該第1温度センサよりも上側の尿素由来堆積物が堆積しない位置に第2温度センサを設けるため、第1温度と第2温度との温度差を確実に検出することができる。
また、排ガスは、排ガス通路内を通過することにより次第に冷やされるため、排ガス通路の下流側端部を流れる排ガスは、排ガス通路の上流側端部を流れる排ガスと比べて低い温度となる。即ち、内燃機関から離れるにしたがって排ガスの温度は低くなるため、第1温度センサ及び第2温度センサをそれぞれ内燃機関から異なる距離に配置すると、排ガスの温度が異なる場合がある。しかしながら、本発明では、第1温度センサ及び第2温度センサを、内燃機関から同じ距離の排ガス通路内に、即ち同一の軸直交断面上に設けているため、第1温度センサ及び第2温度センサによる計測結果はほぼ同一となる。そして、尿素由来堆積物が第1温度センサを覆うように堆積した場合にのみ、第1温度と第2温度との値が異なることとなる。したがって、第1温度と第2温度とを比較することにより、尿素由来堆積物の堆積の有無を正確に検出することができる。
また、前記第2温度センサは、前記排ガス通路の前記軸直交断面の上端部に設けてもよい。
このように、第2温度センサは排ガス通路の軸直交断面の上端部に設けられるので、尿素由来堆積物が第2温度センサ上に堆積することを防止できる。
また、前前記排ガス通路の前記下端部の内周には、凹部が形成されており、
前記第1温度センサは、前記凹部内に設けられていてもよい。
排ガス中に供給された尿素水の一部は、排ガス通路内の内側壁面などに接触することにより液化して排ガス通路の内側壁面に付着する。こうして付着した尿素水は、重力により排ガス通路の内周面を流下し、凹部内に集水されて堆積する。そして、この凹部内に第1温度計が配置されているため、確実に尿素由来堆積物が堆積したことを検出することができる。
また、前記堆積判定手段により尿素水及び前記尿素固形物のうち少なくとも一方が堆積していると判定されたときに、前記尿素水供給手段を制御して前記尿素水の供給量を調整する尿素水制御手段を更に備えていてもよい。
このように、尿素水制御手段を備えているので、排ガス通路内に尿素由来堆積物が堆積していることを検出したら、尿素水の供給量を調整することができる。例えば、排ガス通路内に尿素由来堆積物が堆積していることを検出したら、尿素水の供給を停止することで、尿素由来堆積物の堆積が進行することを防止できる。これにより、排気流動抵抗の増大や排ガス通路の閉塞等を防止することができる。
また、前記堆積判定手段により尿素水及び前記尿素固形物のうち少なくとも一方が堆積していると判定されたときに、前記排ガス通路内を通過する排ガスを目標温度以上に昇温させる排ガス昇温手段を更に備えていてもよい。
このように、排ガス昇温手段を備えているので、排ガス通路内に尿素由来堆積物が堆積していることを検知したら、排ガスを目標温度以上に昇温することができる。排ガスを目標温度以上に昇温することで、尿素由来堆積物をガス化してアンモニアに転化することができる。本発明では、尿素由来堆積物の堆積を早い段階で検知することができるため、堆積している尿素由来堆積物の量は少ない。したがって、短時間で尿素由来堆積物をアンモニアに転化することができるとともに、すべての尿素由来堆積物が一気にアンモニアとなっても、発生するアンモニアは少量なので、還元作用にすべて利用され、アンモニアスリップが生じることはない。
また、本発明に係る尿素の堆積検出方法は、内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、前記還元触媒よりも上流側の前記排ガス通路内に尿素水を供給する尿素水供給手段と、を備えた排ガス浄化装置の前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水のうち少なくとも一方の堆積を検出する尿素の堆積検出方法であって、
前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内で、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水のうち少なくとも一方が堆積する堆積部の第1温度と、
前記内燃機関からの距離が、前記第1温度センサが配置された距離と同じ距離であり、
前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内で、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水が堆積しない非堆積部の第2温度と、の比較結果に基づいて、尿素水又は前記尿素固形物の堆積の有無を判定することを特徴とする。
上記尿素の堆積検出方法によれば、尿素由来堆積物が堆積すると尿素由来堆積物に覆われてしまい実際の排ガスの温度と異なった値を示す第1温度と、尿素由来堆積物に覆われず実際の排ガスの温度の値を正確に示す第2温度と、では温度差が生じることとなる。したがって、第1温度と第2温度とを比較することで、尿素由来堆積物の有無を正確に検出することができる。
また、尿素由来堆積物の有無の判定は、第1温度と第2温度とを比較するだけなので、短時間で行うことができる。これにより、尿素由来堆積物の堆積を早期に検出することができる
本発明によれば、尿素由来堆積物が堆積したことを早期に、且つ正確に検出可能な内燃機関の排ガス浄化装置及び堆積検出方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置が適用されたエンジンシステムの概略全体構成図である。 本実施形態に係るECUとその周辺機器との関係を示す概略図である。 図1のA−A矢視図である。 第1温度センサの他の配置例を示す図である。 排ガス浄化装置を用いた尿素由来堆積物の堆積検出フローを示す図である。 排ガス通路内に尿素由来堆積物が堆積している状態を示す模式図である。
以下、本発明に係る内燃機関の排ガス浄化装置及び堆積検出方法について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置が適用されたエンジンシステムの概略全体構成図である。また、図2は、本実施形態に係るECUとその周辺機器との関係を示す概略図である。
図1及び図2に示すように、ディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排ガス浄化装置2は、前段酸化触媒4と、パティキュレートフィルタ(以下フィルタ6という)と、SCR(SelectiveCatalyst Reduction)触媒8と、後段酸化触媒10と、を備えている。
エンジン1は、燃料の噴射時期及び噴射量がECU(Electronic
Control Unit)12によって電子制御されており、かかる噴射時期及び噴射量にてシリンダ毎に設けられた燃料噴射弁3から燃焼室5内に燃料が噴射される。ECU12は、図示しないCPU、ROM及びRAMから構成されるマイクロコンピューターを備えている。また、ECU12は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御する。
エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド9を介して排ガス通路16に接続されている。なお、排気マニホールド9と吸気マニホールド11との間には、EGR弁13を介して排気マニホールド9と吸気マニホールド11とを連通するEGR通路15が設けられている。
排ガス通路16は、ターボチャージャ7のタービン7aを経由して排ガス浄化装置2に接続されている。また、タービン7aはコンプレッサ7bと機械的に連結されており、タービン7aが排ガス通路16内を流動する排気を受けてコンプレッサ7bを駆動する。
排ガス浄化装置2は、排ガス通路16に設けられた筒状の上流側ケーシング14と、上流側ケーシング14の下流側に連通路32を介して接続された筒状の下流側ケーシング18と、を備えている。
上流側ケーシング14内には、前段酸化触媒4が収容されると共に、この前段酸化触媒4の下流側にはフィルタ6が収容されている。
フィルタ6は、排ガス中のPM(Paticulate Matter:粒子状物質)を捕集する。このフィルタ6はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、この通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排ガスが内部を流通することによって排ガス中のPMが捕集される。
前段酸化触媒4は排ガス中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO(二酸化窒素)を生成するので、前段酸化触媒4の下流にフィルタ6を配置することにより、フィルタ6に捕集され堆積しているPMは、前段酸化触媒4から供給されたNOと反応して酸化し、これによってフィルタ6の連続再生が行われる。
また、下流側ケーシング18内には、アンモニアを還元剤として、排ガス中のNOxを選択還元して排ガスを浄化するSCR触媒8が収容されると共に、このSCR触媒8の下流側にはSCR触媒8を通過したアンモニアを排ガス中から除去するための後段酸化触媒10が収容されている。この後段酸化触媒10は、フィルタ6の強制再生でPMが焼却される際に発生するCO(一酸化炭素)を酸化し、CO(二酸化炭素)として大気中に排出する機能も有している。
また、排ガス浄化装置2は、前段酸化触媒4の直上流の排ガス通路16に設けられ、排ガス中に含まれるNOxの濃度を計測するNOx濃度センサ44と、DPF6の直下流に設けられ、フィルタ6を通過した排ガスの温度を検出するDPF直下温度センサ28と、DPF直下温度センサ28の直下流に尿素水を噴射する噴射装置20を備えている。
NOx濃度センサ44は、計測結果を電気信号としてECU12へ出力する。ECU12の尿素水制御部22(後述する)は、NOx濃度センサ44により計測されたNOx濃度に基づいて、排ガス中に含まれているNOxを還元するために必要な尿素水量を算出する。
DPF直下温度センサ28は、計測結果を電気信号としてECU12へ出力する。ECU12の尿素水制御部22は、DPF直下温度センサ28により計測された排ガスの温度に基づいて、噴射装置20から尿素水を供給するか否かを決定する。
噴射装置20は、フィルタ6の直下流の排ガス通路16に設けられた尿素水インジェクタ24と、尿素水インジェクタ24に尿素水を供給する尿素水供給用ポンプ25と、尿素水を貯留する尿素水タンク26と、を備えている。
尿素水供給用ポンプ25は、尿素水の供給量を調整可能な可変機構を有している。尿素水供給用ポンプ25の可変機構は、尿素水制御部22により制御される。
尿素水制御部22は、DPF直下温度センサ28の計測結果に基づいて、排ガスの温度が尿素水を加水分解可能な温度以上か否かを判定する。そして、排ガスの温度が加水分解可能な温度以上であると判定した場合に、排ガス中に含まれるNOxを還元するために必要な尿素水量の尿素水を排ガス中に供給する。このとき、尿素水供給用ポンプ25からの供給量を制御して、NOxを還元するために必要な量の尿素水を供給する。
尿素水供給用ポンプ25から供給された尿素水は、尿素水インジェクタ24を介して排ガス中に噴射される。
具体的には、DPF直下温度センサ28により計測された排ガスの温度が、例えば、200℃未満の場合には、尿素水供給用ポンプ25を停止し、排ガスの温度が200℃以上の場合に尿素水供給用ポンプ25を稼働させる。一般的に、排ガスの温度が200℃未満の場合、噴射した尿素水の分解反応が進み難く、アンモニアスリップが生じる場合がある。したがって、尿素水制御部22は、DPF直下温度センサ28により計測された排ガスの温度が200℃以上の場合、尿素水供給用ポンプ25を稼働させて尿素水を噴射する。
尿素水インジェクタ24及びDPF直下温度センサ28は、円筒状の上流側ケーシング14の周面から中心軸線に近づく方向に形成された段部に装着されている。このような位置に尿素水インジェクタ24及びDPF直下温度センサ28を装着することにより、DPF直下温度センサ28の排ガス温度検出点を、フィルタ6から流出する排ガスの中央部分に近づけて排ガス温度の検出精度を向上させると共に、尿素水インジェクタ24から噴射された尿素水をフィルタ6から流出した排ガス中に均等に拡散することができる。
噴射装置20の尿素水インジェクタ24は、上流側ケーシング14の流出部14aに対向する位置に装着されており、図1中に一点鎖線で示すように、尿素水の噴射方向が排ガス通路16の下流方向を向くように配置されている。
尿素水インジェクタ24から噴射された尿素水は排ガス中で霧化し、排ガスの熱により加水分解してアンモニアとなってSCR触媒8に供給される。SCR触媒8は、供給されたアンモニアと排ガス中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。なお、このときアンモニアがNOxと反応せずにSCR触媒8から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒10によって排ガス中から除去される。
排ガス浄化装置2の下流側ケーシング18は、車両への搭載の都合により、筒状の上流側ケーシング14の中心軸線に対して側方に配置されているが、この配置に限定されるものではない。
連通路32の上流側端部は、上流側ケーシング14の下流側側壁に設けられた流出部14aに接続されている。一方、連通路32の下流側端部は、下流側ケーシング18の上流側側壁に設けられた流入部18aに接続されている。そして、連通路32には、このような接続を可能とするために、第1屈曲部32a及び当該第1屈曲部32aより下流側の第2屈曲部32bの2つの屈曲部を有している。
後段酸化触媒10よりも下流側となる位置の下流側ケーシング18の側壁には、流出部18bが設けられており、下流側ケーシング18内を通過した排ガスを大気中に放出するためのテールパイプ34が、流出部18bに接続されている。
ところで、連通路32の外側壁面は外気に晒されているため、連通路32内の内側壁面は、内部を通過する排ガスの温度に比べて低い温度にある。したがって、排ガス中で霧化している尿素水が連通路32の内側壁面に接触すると、温度の低下により再び液化して連通路32の内側壁面に付着する場合がある。そして、連通路32の内側壁面に付着した尿素水の多くは、重力で内側壁面を流下して連通路32内の下端部に滞留する。その後、尿素水の水分が排ガスの熱で蒸発することにより液状尿素となり、そのまま温度が下がると固体尿素となって連通路32内の下端部に堆積する。そして、固体尿素が排ガス等により加熱されて熱分解する事で、シアヌル酸、ビュレット、メラニンなど尿素由来の固形物となる。液状の尿素水、尿素水の水分が蒸発して形成された固体尿素及び尿素由来の固形物(即ち尿素由来堆積物30)の多くは、連通路32の下端部に堆積する。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、連通路32の内側壁面の下端(即ち尿素由来堆積物30が堆積する堆積部33)に第1温度センサ36を配置し、連通路32の内側壁面の上端(即ち尿素由来堆積物30が堆積しない非堆積部35)に第2温度センサ38を配置した。
なお、第1温度センサ36を、図4に示すように、連通路32の内側壁面の下端部に形成された凹部39内に配置してもよい。尿素由来堆積物30の多くは凹部39内に堆積するため、第1温度センサ36を凹部39内に配置することにより、確実に尿素由来堆積物30が堆積したことを検出することができる。
また、排ガスは、連通路32内を通過することにより次第に冷やされるため、連通路32の下流側端部を流れる排ガスは、連通路32の上流側端部を流れる排ガスと比べて低い温度となる。即ち、エンジン1から離れるにしたがって排ガスの温度は低くなるため、第1温度センサ36及び第2温度センサ38をそれぞれエンジン1から異なる距離に配置すると、排ガスの温度が異なる場合がある。
そこで、第1温度センサ36及び第2温度センサ38を、エンジン1から同じ距離の連通路32内に配置した。具体的には、第1温度センサ36の真上に第2温度センサ38を配置した。
各温度センサ36、38は計測結果を電気信号として、ECU12へ出力する。以下の説明では、第1温度センサ36、第2温度センサ38による計測結果をそれぞれ第1温度T、第2温度Tという。
尿素由来堆積物30が連通路32内に堆積していない場合、第1温度Tと第2温度Tとは、ほぼ等しい値となる。なお、実際は各温度センサ36、38の計測結果が誤差を含んでいるため、数℃程度の温度差は生じる。
一方、連通路32の下端部に尿素由来堆積物30が堆積すると、尿素由来堆積物30が第1温度センサ36を覆った状態となる。かかる場合に、第1温度Tは、排ガスに直接触れている第2温度Tよりも低くなるため、予め設定された所定閾値以上の明確な温度差が生じる。本発明は、この温度差を検出することにより、尿素由来堆積物30の堆積を検知するものである。
ECU12は、尿素由来堆積物30の堆積の有無を判定する堆積判定部40と、尿素水の供給量を制御する尿素水制御部22と、排ガスを昇温する排ガス昇温制御部42と、を備えている。
堆積判定部40は、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値を算出するとともに、この差分ΔTの絶対値が所定閾値以上か否かを判定する(1回目)。堆積判定部40は、この差分ΔTの絶対値が所定閾値以上の場合に、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定する。
具体的には、エンジン1稼働時において、連通路32の下端部に尿素由来堆積物30が堆積して第1温度センサ36を覆った場合、第1温度Tは、排ガスに直接触れている第2温度Tよりも低くなったり、温度の経時変化が鈍くなったりする。かかる場合の第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値は所定閾値以上となる。
また、外気温度が低い場合、エンジン1を停止した後、連通路32内に残置された尿素水が十分に冷却されて尿素固形物となり堆積する。このとき、第1温度センサ36は尿素固形物に覆われた状態となる。その後、エンジン1を再始動すると、エンジン1の始動時における第1温度Tの温度上昇は、第2温度Tの温度上昇と比べて緩やかになる。かかる場合の第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値は所定閾値以上となる。
また、外気温度が高い場合、エンジン1を停止した後、連通路32内に残置された尿素水が熱い液状の尿素水まま堆積するときがある。このとき、第1温度センサ36は液状の尿素水に覆われた状態となる。その後、連通路32本体が十分に冷却される前、即ち尿素水が熱い状態(例えば150℃程度)のときに、エンジン1を再始動すると、液状の尿素由来堆積物30は熱く、冷態運転状態の排ガス温度は低い(例えば100℃程度)ため、第1温度Tは、第2温度Tよりも高くなる場合がある。かかる場合の第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値は所定閾値以上となる。
一方、堆積判定部40は、差分ΔTの絶対値が所定閾値未満の場合には、連通路32内に尿素由来堆積物30は堆積していないと判定する。
本実施形態では、所定閾値を10℃として、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値が10℃以上の場合には、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定し、差分ΔTの絶対値が10℃未満の場合には、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していないと判定する。なお、本実施形態では、所定閾値を10℃としたが、この値に限定されるものではなく、連通管32内を流れる排ガスの温度及び流量等を考慮して設計等により決定することができる。
ECU12の堆積判定部40は、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定すると、その旨を尿素水制御部22に出力する。
尿素水制御部22は、堆積判定部40から尿素由来堆積物30が堆積している旨の出力を受けると、尿素水供給用ポンプ25を制御して尿素水の供給を停止する。これにより、尿素由来堆積物30の堆積が進行することを防止できる。
また、尿素水の供給を停止すると尿素水の供給による排ガスの温度低下が無くなるため、排ガスの温度が上昇する。このため、尿素由来堆積物30が少量である場合や排ガスの温度が350℃(即ち尿素固形物の昇華温度)程度の場合に、尿素水の供給を停止すると、DPFを通過した後の高温の排ガスがそのままの温度で連通管32内を通過することにより、尿素由来堆積物30が直ちにガス化してアンモニアに転化する。したがって、尿素水の供給を停止することにより、直ちに尿素由来堆積物30を除去することができる場合がある。
しかしながら、尿素水の供給を停止しても、エンジン1の低負荷状態が続いて、排ガスの温度が尿素水を蒸発させることが可能な蒸発温度(約150℃)よりも低い場合には、尿素由来堆積物30を除去できない。
なお、尿素水の供給を停止している間は、EGRへの再還流率を高めたり、エンジン1の出力を強制的に低下させたりして、排ガス通路16及び連通路32を流れる排ガスの流量を減少させてNOxの排出量を低減する。
尿素水の供給を停止した後、尿素水制御部22は、尿素水の供給を停止した旨を堆積判定部40に出力する。
堆積判定部40は、尿素水制御部22から尿素水の供給を停止した旨の出力を受けると、所定時間経過後、再び第1温度Tと第2温度Tとを計測し、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値を算出する。そして、この差分ΔTの絶対値が所定閾値以上か否かを判定する(2回目)。なお、2回目の判定に利用する所定閾値は、1回目の判定に利用した所定閾値と同じ値を用いる。
尿素水の供給を停止したことにより尿素由来堆積物30が除去された場合、第1温度Tと第2温度Tとは、ほぼ等しい値となり、差分ΔTの絶対値は所定閾値未満となる。かかる場合に、堆積判定部40は、連通路32内に尿素由来堆積物30は堆積していないと判定する。また、堆積判定部40は、2回目の判定において、尿素由来堆積物30が堆積していないと判定した場合、その旨を尿素水制御部22に出力し、尿素水の供給を再開する。
一方、尿素水の供給を停止しても尿素由来堆積物30が除去されていない場合、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値は所定閾値以上となる。かかる場合に、堆積判定部40は、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定する。
そして、堆積判定部40は、2回目の判定において、尿素由来堆積物30が堆積していると判定した場合、その旨をタイマー27に出力する。
タイマー27は、その出力を受けた時点からの経過時間tを計測する。タイマー27が稼働している間は、尿素水の供給停止状態を維持する。
尿素水の供給を停止した状態を維持すると、排ガスによって尿素由来堆積物30が徐々に温められて、ガス化してアンモニアに転化する場合がある。かかる場合には、尿素由来堆積物30を除去することができる。
しかしながら、尿素水の供給を停止した後、エンジン1の低負荷状態が続く場合等には、尿素由来堆積物30を除去できないときがある。
そして、タイマー27は、経過時間tが予め設定された所定時間tthに達すると、当該所定時間tthに達した旨を堆積判定部40部に出力する。本実施形態では、所定時間tthを10分としたが、この値に限定されるものではなく、エンジン1の出力、連通路32の径等に基づいて設計等により決定される。
堆積判定部40は、タイマー27から所定時間tthが経過した旨を受けると、再び第1温度Tと第2温度Tとを計測し、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値を算出する。そして、この差分ΔTの絶対値が所定閾値以上か否かを判定する(3回目)。なお、3回目の判定に利用する所定閾値は、1回目及び2回目の判定に利用した所定閾値と同じ値を用いる。
所定時間tthにわたって尿素水の供給を停止したことにより尿素由来堆積物30が除去された場合、第1温度Tと第2温度Tとは、ほぼ等しい値となり、差分ΔTの絶対値は所定閾値未満となる。かかる場合に、堆積判定部40は、連通路32内に尿素由来堆積物30は堆積していないと判定する。また、堆積判定部40は、3回目の判定において、尿素由来堆積物30が堆積していないと判定した場合、その旨を尿素水制御部22に出力し、尿素水の供給を再開する。
一方、所定時間tthにわたって尿素水の供給を停止しても尿素由来堆積物30が除去されていない場合、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値は所定閾値以上となる。かかる場合に、堆積判定部40は、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定する。
そして、堆積判定部40は、3回目の判定において、尿素由来堆積物30が堆積していると判定した場合、その旨を排ガス昇温制御部42に出力する。
排ガス昇温制御部42は、堆積判定部40から尿素由来堆積物30が堆積している旨の出力を受け付けたら、排ガスを昇温する。連通路32内に堆積する尿素水、尿素固形物はそれぞれ約150℃以上、約350℃以上でガス化してアンモニアに転化するため、排ガスを350℃以上に昇温する。
排ガス昇温制御部42は、燃料噴射装置(図示しない)を制御して燃料を燃料噴射弁3へ供給し、当該燃料噴射弁3から燃焼室5内にポスト噴射する。このポスト噴射により、HC(炭化水素)を排ガス中に増加させてエンジン1から排ガスとともに排ガス通路16に供給する。排ガス中のHCは、前段酸化触媒4において酸化反応して排ガス自体の温度が上昇し、その下流側に存在するフィルタ6の温度を上昇させる。フィルタ6の温度が上昇してPMが燃焼可能な温度、例えば600℃を越えると、フィルタ6に捕集されたPMはその熱により燃焼し、これによりフィルタ6は再生する。
PMが燃焼しているフィルタ6を通過した高温(>350℃)の排ガスは連通路32を通過してSCR触媒8に達する。このとき、連通路32内に堆積している尿素由来堆積物30は、排ガスの温度によってガス化してアンモニアに転化する。したがって、ポスト噴射により、排ガス通路16内の尿素由来堆積物30を確実に除去することができる。
次に、上述した構成からなる排ガス浄化装置2を用いた排ガス浄化フローについて図5を用いて説明する。
図5に示すように、エンジン1が稼働して排ガスの温度が、尿素水を加水分解可能な温度以上になったら、尿素水を連通路32内の排ガス中に供給する(ステップS2)。
次に、第1温度センサ36及び第2温度センサ38にて連通管32内の排ガスの第1温度T、第2温度Tをそれぞれ計測する(ステップS4)。
続いて、堆積判定部40は、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値を算出し、差分ΔTの絶対値が10℃(所定閾値)以上か否かを判定する(ステップS6)。
堆積判定部40は、ステップS6において、差分ΔTの絶対値が10℃未満の場合に、排ガス通路16内に尿素由来堆積物30は堆積していないと判定し、再びステップS4を実施する。
一方、堆積判定部40は、ステップS6において、差分ΔTの絶対値が10℃以上の場合に、排ガス通路16内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定し、尿素由来堆積物30が堆積している旨を尿素水制御部22に出力する。このように、温度の差分ΔTの絶対値に基づいて尿素水由来堆積物30の堆積の有無を判定するため、尿素由来堆積物30の堆積を早期に、且つ正確に検出することができる。
尿素水制御部22は、堆積判定部40から尿素由来堆積物30が堆積している旨の出力を受けたら、排ガス中への尿素水の供給を停止する(ステップS12)。尿素水制御部22は、尿素水供給用ポンプ25の可変機構を制御して尿素水の供給を停止する。これにより、尿素由来堆積物30の堆積が進行することを防止できる。また、尿素水の供給を停止することにより、連通路32内を通過する排ガスの温度が上昇するため、尿素由来堆積物30がガス化してアンモニアに転化することで、尿素由来堆積物30を除去することができる場合がある。
次に、所定時間経過後、再び連通管32内の排ガスの第1温度T及び第2温度Tをそれぞれ計測する(ステップS14)。
続いて、堆積判定部40は、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値を算出し、差分ΔTの絶対値が10℃以上か否かを判定する(ステップS16)。
堆積判定部40は、ステップS16において、差分ΔTの絶対値が10℃未満の場合に、尿素由来堆積物30は堆積していないと判定し、再びステップS2を実施する。
一方、堆積判定部40は、ステップS16において、差分ΔTの絶対値が10℃以上の場合に、排ガス通路16内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定する。
堆積判定部40が、尿素由来堆積物30が堆積していると判定した場合、タイマー37が経過時間tの計測を開始する(ステップS18)。
次に、タイマー37は、その経過時間tが所定時間tthに達したら(ステップS20)、その旨を堆積判定部40に出力する。
次に、再び連通管32内の排ガスの第1温度T及び第2温度Tをそれぞれ計測する(ステップS22)。
続いて、堆積判定部40は、第1温度Tと第2温度Tとの差分ΔTの絶対値を算出し、差分ΔTの絶対値が10℃以上か否かを判定する(ステップS24)。
堆積判定部40は、ステップS24において、差分ΔTの絶対値が10℃未満の場合に、尿素由来堆積物30は堆積していないと判定し、再びステップS2を実施する。
一方、堆積判定部40は、ステップS24において、差分ΔTの絶対値が10℃以上の場合に、排ガス通路16内に尿素由来堆積物30が堆積していると判定する。
堆積判定部40は、尿素由来堆積物30が堆積していると判定した場合、その旨を排ガス昇温制御部42に出力する。
排ガス昇温制御部42は、堆積判定部40から尿素由来堆積物30が堆積している旨の出力を受け付けたら、燃料噴射装置(図示しない)から燃料を供給して燃料室5内にポスト噴射する(ステップS26)。このポスト噴射により、HCを排ガス中に増加させてエンジン1から排ガスとともに排ガス通路20に供給する。排ガス中にHCが増加すると、その増加したHCは前段酸化触媒4において酸化反応して排ガスの温度が上昇し、その下流側に存在するフィルタ6の温度を上昇させる。フィルタ6の温度が上昇してPMが燃焼可能な温度、例えば600℃を越えると、フィルタ6に捕集されたPMはその熱により燃焼し、これによりフィルタ6は再生する。
PMが燃焼しているフィルタ6を通過した高温(>350℃)の排ガスは連通路32を通過してSCR触媒8に達する。このとき、連通路32内に堆積している尿素由来堆積物30はガス化してアンモニアに転化する。これにより、排ガス通路16内の尿素由来堆積物30を除去することができる(ステップS28)。
エンジン1が稼働している間、上述したステップS2からステップS28までを繰り返し実施して、連通路32内に尿素水由来堆積物32が堆積して、排ガス流動抵抗の増大や連通路32が閉塞することを防止する。
上述したように、本実施形態に係る排ガス浄化装置2によれば、第1温度センサ36は尿素由来堆積物30が堆積する連通路32の内側壁面の下端に設けられているので、尿素由来堆積物30が堆積すると第1温度センサ36は尿素由来堆積物30に覆われてしまう。これにより、第1温度センサ36は排ガスと直接接触しなくなる。一方、第2温度センサ38は尿素水が堆積しない連通路32の内側壁面の上端に設けられているので、第2温度センサ38は尿素由来堆積物30に覆われることは無い。これにより、第2温度センサ38は排ガスと直接接触した状態を維持できる。このとき、第1温度センサ36による第1温度Tと、第2温度センサ38による第2温度Tとの差分ΔTの絶対値は10℃以上となり、明確な温度差として検出することができる。
そして、差分ΔTの絶対値が10℃以上の場合に、尿素由来堆積物30が連通路32の内側壁面に堆積していると判定するため、尿素由来堆積物30の堆積の有無を早期に、且つ正確に検出することができる。
また、排ガス浄化装置2は、尿素水制御部22を備えているので、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していることを検知したら、尿素水の供給を停止することができる。例えば、連通路32内に尿素由来堆積物30が堆積していることを検出したら、尿素水の供給を停止することで、尿素由来堆積物30の堆積が進行して排気流動抵抗の増大や連通路32が閉塞等することを防止できる。
また、尿素由来堆積物30の堆積を早期に、即ち尿素由来堆積物30の堆積量が少ない段階で検出することができるため、ポスト噴射等にて尿素由来堆積物30をガス化しても、大量のアンモニアは発生しない。これにより、アンモニアスリップを防止することができる。
さらに、第1温度センサ36、第2温度センサ38は、一般的な温度センサを用いることができるので、排ガス浄化装置2を安価に構築することができる。
なお、本実施形態では、第1温度センサ36及び第2温度センサ38を連通路32の下流側端部に配置した場合について説明したが、この位置に限定されるものではなく、連通路32の第1屈曲部32a、第2屈曲部32b、SCR触媒8よりも上流側の下流側ケーシング18内等に配置してもよい。要は、上流側ケーシング14の流出部14aからSCR触媒8までの間に両温度センサ36、38が配置されていればよい。
なお、本実施形態では、ポスト噴射により排ガスを昇温させる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、排ガス通路16や連通路32の上流側端部にコイルヒータを巻き付けて、当該コイルヒータで排ガスを加熱することにより、排ガスを昇温させてもよい。要は、排ガス通路16内を通過する排ガスの温度を、尿素固形物が昇華する温度、例えば、350℃以上にできればよい。
1 エンジン
2 排ガス浄化装置
3 燃料噴射弁
4 前段酸化触媒
5 燃焼室
6 フィルタ
7 ターボチャージャ
7a タービン
7b コンプレッサ
8 SCR触媒
9 排気マニホールド
10 後段酸化触媒
11 吸気マニホールド
12 ECU
13 EGR弁
14 上流側ケーシング
15 EGR通路
16 排ガス通路
18 下流側ケーシング
20 噴射装置
22 尿素水制御部
24 尿素水インジェクタ
25 尿素水供給用ポンプ
26 尿素水タンク
27 タイマー
28 DPF直下温度センサ
30 尿素由来堆積物
32 連通路
32a 第1屈曲部
32b 第2屈曲部
33 堆積部
34 テールパイプ
35 非堆積部
36 第1温度センサ
38 第2温度センサ
39 凹部
40 堆積判定部
42 排ガス昇温制御部
44 NOx濃度センサ

Claims (9)

  1. 内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、前記還元触媒よりも上流側の前記排ガス通路内に尿素水を供給する尿素水供給手段と、を備えた内燃機関の排ガス浄化装置であって、
    前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内に配置され、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水のうち少なくとも一方が堆積する堆積部の温度を計測する第1温度センサと、
    前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内に、前記内燃機関からの距離が、前記第1温度センサが配置された距離と同じ距離に配置され、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水が堆積しない非堆積部の温度を計測する第2温度センサと、
    前記第1温度センサにより計測された第1温度と、第2温度センサにより計測された第2温度との比較結果に基づいて、尿素水又は前記尿素固形物の堆積の有無を判定する堆積判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 前記排ガス通路は、屈曲部を介して前記還元触媒を収容するケーシングに接続されており、
    前記第1温度センサおよび前記第2温度センサは、前記屈曲部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 前記堆積判定手段は、第1温度と第2温度との差分の絶対値が所定閾値以上の場合に、尿素水及び前記尿素固形物のうち少なくとも一方が前記排ガス通路内に堆積していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 前記第1温度センサは、前記排ガス通路の軸直交断面の下端部に設けられ、前記第2温度センサは、前記第1温度センサよりも上側の前記軸直交断面に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 前記第2温度センサは、前記排ガス通路の前記軸直交断面の上端部に設けられることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  6. 前記排ガス通路の前記下端部の内周には、凹部が形成されており、
    前記第1温度センサは、前記凹部内に設けられていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  7. 前記堆積判定手段により尿素水及び前記尿素固形物のうち少なくとも一方が堆積していると判定されたときに、前記尿素水供給手段を制御して前記尿素水の供給量を調整する尿素水制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜のうち何れか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  8. 前記堆積判定手段により尿素水及び前記尿素固形物のうち少なくとも一方が堆積していると判定されたときに、前記排ガス通路内を通過する排ガスを目標温度以上に昇温させる排ガス昇温手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜のうち何れか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  9. 内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、前記還元触媒よりも上流側の前記排ガス通路内に尿素水を供給する尿素水供給手段と、を備えた排ガス浄化装置の前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水のうち少なくとも一方の堆積を検出する尿素の堆積検出方法であって、
    前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内で、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水のうち少なくとも一方が堆積する堆積部の第1温度と、
    前記内燃機関からの距離が、前記第1温度センサが配置された距離と同じ距離であり、前記尿素水の供給位置と前記還元触媒との間の前記排ガス通路内で、且つ前記排ガス通路内に供給された尿素水により生成される固形の尿素固形物及び前記排ガス通路内に供給された尿素水が堆積しない非堆積部の第2温度と、の比較結果に基づいて、尿素水又は前記尿素固形物の堆積の有無を判定することを特徴とする尿素の堆積検出方法。
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