以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[外観構造の説明]
本発明の実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には20個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された20個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rの各中段Mを横切る1本の入賞ラインLが定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(各リールの中段M)に停止表示された3つの図柄からなる組合せがいずれかの役に対応していたときに、その役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、単位遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。
ここで、スロットマシン10で単位遊技を行うために投入するメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)や、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された、単位遊技を行うことができる価値情報であってもよい。スロットマシン10では、3枚のメダルが投入されると1回の単位遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27(貯留数表示手段)は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御回路100内のRAMに記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28(付与数表示手段)は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において単位遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御回路100へメダル検出信号を出力するメダルセンサが設けられている。これにより、主制御回路100においてメダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。
また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の単位遊技において投入が許容される最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。なお、スロットマシン10においては、後述するMB遊技における規定枚数は2枚であり、MB遊技ではない遊技(通常遊技)における規定枚数は3枚である。
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していく。また、前述した主制御回路100のRAM(貯留手段160に相当)に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値も減算される。さらに、規定枚数のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、主制御回路100のRAMに記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値に加算される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルを投入すると操作が有効となる。なお、単位遊技で後述する再遊技役が入賞したときは、メダルが投入されなくても、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の単位遊技のための、スタートスイッチ36の操作が有効となる。この状態で遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。
操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が複数色に発光し得る構造になっている。また、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。なお、疑似遊技中は、ストップスイッチ37とリール40との対応関係を変更してもよい。具体的には、例えば、左ストップスイッチ37Lの操作により右リール40Rを停止させるようにする。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に定速ともいう。)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。ここで、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分における発光色が赤くなっており、定常回転速度に達して操作が有効になると、押しボタン部分の発光色は青に変化する。
そして、遊技者が左ストップスイッチ37Lを押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置と、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Lの各中央位置とが、一致するように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置といい、スロットマシン10がリールを停止させるときは、リールの各図柄が定位置で停止するようなリール停止制御が行われる。
操作パネル部30の左側には、精算スイッチ38が設けられており、メダル投入の受付期間内に操作されると、クレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダル投入の受付期間は、例えば、スタートスイッチ36の操作が有効と見なされてリール40L、40C及び40Rが回転を開始してから、全てのリールが停止するまで(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了するまで)の間とする。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動してその小役に対応した枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で精算スイッチ38が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、単位遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、単位遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合、入賞した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
[リール図柄の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。図2(a)に示すように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には20個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、20分割に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類は、図2(b)に示すように、7種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。スロットマシン10における図柄の種類には、数字の7を赤色で表した「7」図柄、“BAR”と標記された「BAR」図柄、水色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄、薄いグレーの目立たない色で表され、いずれの役にも関連しない星をモチーフとした「ブランク」図柄がある。
なお、1リールにおける図柄数は20図柄に限らず、21図柄等、任意の図柄数に定めることができる。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御回路100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段L)に表示された図柄を認識し、後述するリール停止制御を行う際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示し、実際にリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「18」,「19」,「0」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「19」,「0」,「1」→図柄番号「0」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「0」から「19」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
[制御回路の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御回路について説明する。スロットマシン10の制御回路は、主制御回路100(主制御基板に備えられている回路、主制御手段とも呼ぶ)と副制御回路200(副制御基板に備えられている回路、副制御手段とも呼ぶ)とによって構成されており、主制御回路100は、スロットマシン10における単位遊技の制御を行い、副制御回路200は、主制御回路100から送信された情報に基づいてスロットマシン10で行われる演出の制御を行っている。なお、主制御回路100と副制御回路200との間の情報伝達は、主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御回路の説明≫
<主制御回路およびその周辺のハードウェア構成>
主制御回路100は、CPU、ROM、RAM、および、外部と信号のやり取りを行うためのI/Oポートに加え、乱数を発生するための乱数発生器や、CPUなどが作動するためのクロック信号や割込信号を発生するクロック発生回路などによって構成されている。ここで、乱数発生器は0〜65535の数値範囲で乱数を発生している。主制御回路100には、操作手段300と、遊技情報表示手段400と、モータ駆動回路44と、インデックスセンサ46と、ホッパー駆動回路80およびメダル払出装置82と、外部集中端子基板84とが電気的に接続されている。
操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320と、1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35からなる投入指示手段330と、精算スイッチ38とによって構成されている。また、遊技情報表示手段400は、図1に示したベット数表示ランプ26a〜26cと、クレジット数表示器27と、獲得枚数表示器28とによって構成されている。
モータ駆動回路44は、主制御回路100から出力される励磁信号に従って、各リール用のステッピングモータ42L,42C,42Rを個々に励磁し、対応するリールを回転または停止させる。インデックスセンサ46L,46C,46Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられているインデックスを検出すると、主制御回路100に対して基準位置信号を出力する。これにより主制御回路100は、当該基準位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(換言すると、表示窓22に表示されている図柄)を認識している。各リールは336分割されており、ステッピングモータの1ステップの回転によりリール1分割が回転移動する。ホッパー駆動回路80は、メダルを払い出す際に主制御回路100から出力される駆動信号に従って、メダル払出装置82を駆動する。また、メダル払出装置82は、メダルを1枚払い出すごとに払出信号を主制御回路100に対して出力し、主制御回路100は、当該払出信号をカウントすることで、メダル払出装置82から払い出すメダルの枚数を制御する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部へ出力する際に、それらの情報を中継する基板である。これにより、スロットマシン10が、例えばスロットマシン10に対応して別途設置されている遊技情報表示装置や、遊技場に設置されている各遊技機の遊技状態や出玉などを管理しているいわゆるホールコンピュータへ情報を送信する場合は、この外部集中端子基板84を介して行われる。ここで、スロットマシン10から外部へ送信される情報としては、単位遊技が行われる際にスロットマシン10へメダルが投入されたことを示す信号(IN信号)、単位遊技の結果、遊技者にメダルが払い出されたことを示す信号(OUT信号)、遊技状態が「MB遊技」になったことを示す信号(MB発生信号)、再遊技役が入賞したことを示す信号(RP発生信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、スタートスイッチ36が操作されたことを示す信号(スタート信号)、および、後述するサブボーナスが行われていることを示すサブボーナス実行信号とATが行われていることを示すAT信号を出力する。なお、サブボーナス実行信号の出力契機とAT信号の出力契機は異なるようにしてもよく、サブボーナス実行信号は表示窓上に7揃したタイミングで出力するようにし、AT信号は小役1(ベル)当選時の押し順の操作パターンに応じて出力することが考えられる。
<主制御回路の機能ブロック>
次に、主制御回路100の機能ブロックについて説明する。主制御回路100は、役抽選手段110と、リール制御手段120と、特殊演出制御手段130と、入賞判定手段140と、入賞処理手段150と、貯留手段160と、外部信号出力手段170と、を含んでいる。なお、以下に説明する各手段の機能は、主制御回路100を構成するROMに記憶された制御プログラムを、CPUによって実行することで実現されるものとする。
<役抽選手段の説明>
役抽選手段110は、遊技者によるスタートスイッチ36の操作に応じて、主制御回路100が有する乱数発生器によって発生された乱数をサンプリングし、当該サンプリングした乱数に基づいて、予め定められた役のうちいずれか1つまたは複数の役を当選した役(当選役)とするか否かを定めるものである。スロットマシン10では、予め定められている役(本役)として、図4(a)に示す様に、MB役、再遊技役、特殊再遊技役、小役1、小役2、小役3a〜3dの9種類があり、各々の役には、図4(a)に示すように各図柄組合せが対応付けられている。そして、図1に示した入賞ラインLに沿って停止表示された図柄組合せが、役抽選によって当選役に定められた役の図柄合せと一致すると、その役が入賞したことになる。
図4(a)に示した各役について、まず、MB役は、入賞すると次の単位遊技からMB遊技が開始されることとなる役である。MB遊技中は、役抽選の結果に関係なく、全ての小役が当選状態となり、当選状態とされた小役のうち、小役1または小役2が必ず入賞するようになっている。なお、MB遊技中でない単位遊技(以下、通常遊技という)において、小役1が入賞すると5枚のメダルが払い出され、小役2が入賞すると3枚のメダルが払い出されるが、MB遊技中小役1または小役2が入賞したときは、いずれの場合も2枚のメダルしか払い出されない。そして、MB遊技中に合計で18枚のメダルが払い出されると、当該MB遊技が終了する。
次に、再遊技役および特殊再遊技役は、入賞すると次の単位遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技またはリプレイともいう)を行うことができる役である。なお、上述したMB役も、この再遊技役および特殊再遊技役も、それぞれの役が入賞したことによるメダルの払い出しは無い。これに対して、小役は、入賞すると予め定められていた枚数のメダルが払い出されることになる。入賞時に払い出されるメダルの枚数は、小役1は5枚(MB遊技中は2枚)、小役2は3枚(MB遊技中は2枚)、小役3a〜3dは、通常遊技中またはMB遊技中の区別無く、いずれの場合も1枚になっている。
また、図4(a)に示すように、役抽選手段110が行う役抽選では、MB役、再遊技役、小役2については、各役が個々に当選役と定められるが(単独抽選対象)、小役1およと小役3a〜3d、再遊技役と特殊再遊技役とは、複数の役が同時に当選役に定められる(複合抽選対象)。すなわち、小役1および小役3a〜3dについては、各々複数の役で構成された複合A、複合B、複合Cが抽選対象となっている。また、再遊技役および特殊再遊技役については、再遊技役および特殊再遊技役で構成された複合Dが抽選対象となっている。そして、図4(a)中、「○」印で示すように、複合Aが当選したときは、小役1および小役3a〜3dが当選役となり、複合Bが当選したときは、小役1および小役3b〜3dが当選役となり、複合Cが当選したときは、小役1および小役3a,3c,3dが当選役となる。また、複合Dが当選したときは、再遊技役および特殊再遊技役が当選役となる。
一般に、役抽選の結果、何らかの役が当選した場合は、その状態は当選した役が入賞するか否かを問わず、単位遊技が終了するとクリアされる。しかしながら、MB役が当選したときは、その単位遊技でMB役を入賞させることができなくても、入賞するまで次の単位遊技以降に当選した状態が維持される。すなわち、MB役が入賞するまで、MB役を入賞させることができるチャンスが継続する。以下、MB役の当選状態が維持されている期間を、ボーナス持越中または内部中という。なお、後述するように、内部中における役抽選ではMB役が抽選対象とはされず、MB役が当選役になっているときに重ねて当選役と定められることはない。また、以下では、MB役が当選していない通常遊技が行われている状態を「非内部中」といい、MB役の当選が維持されている通常遊技が行われている状態を「内部中」という。また、単に「通常遊技中」といった場合は、特に定義がなされていなければ、「非内部中」および「内部中」の双方状態を意味する。
なお、MB役でなく、小役の当選確率を通常遊技よりも高めるRB役、RB役を連続作動させることができるBB役であってもよい。また、MB役の他にRB役やBB役を備えていてもよい。
図4(b)は、疑似役の内容を示す図である。図4(b)に示すように、疑似役には「7」図柄が入賞ラインLに沿って仮停止表示(後述)される7揃役と「BAR」図柄が入賞ラインLに沿って仮停止表示されるBAR揃役がある。7揃役が入賞ラインLに沿って仮停止表示されると、サブボーナス(AT)が2個ストックされ、BAR揃役が入賞ラインLに沿って仮停止表示されると、サブボーナス(AT)が1個ストックされる。
次に、図5に示す役抽選テーブルを参照して、役抽選における各抽選対象の当選確率について説明する。図5に示す役抽選テーブルは、非内部中および内部中における各抽選対象について、主制御回路100の乱数発生器が発生する乱数値(0〜65535のいずれかの整数)のうち、当選と見なされる数値の数(以下、置数という。)を示している。なお、乱数値「0」も数値に含まれるため、乱数発生器が発生し得る乱数値の数は65536となる。よって、各抽選対象の当選確率は、対応する置数を65536で割った値となる。また、図5に示す役抽選テーブルにおいて、MB役および再遊技役(単独再遊技役と複合Dとの合算値)の行は、破線によって上下段に分割されているが、上段は非内部中における置数、下段は内部中における置数を示している。さらに、「設定1」〜「設定6」は、スロットマシン10の内部に設けられたスイッチ等を操作することで設定されるものであり、遊技場の関係者が、スロットマシン10における各役の当選確率を変更する際に適宜設定される。以下では、「設定1」〜「設定6」の設定について言及する際には、カギ括弧を付して「設定」と記載することで、一般的な意味で用いる設定の文言と区別することにする。
この図に示す役抽選テーブルでは、複合A〜Cおよび特殊複合の当選確率は、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても一定の値となっている。これに対して、小役2の当選確率は、「設定1」のときに最も低く、「設定」の値が大きくなるに連れて高くなっている。MB役については、非内部中は、小役2と同様に、当選確率が「設定1」のときに最も低く、設定の値が大きくなるに連れて高くなっているが、前述したように、MB役が当選して内部中になると、抽選対象から除外されるため、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても当選確率が「0」となる。これに対して、再遊技役は、非内部中は、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても同じ当選確率になっているが、内部中になると、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても置数が増大しており、再遊技役の当選確率が大幅に上昇している。なお、複合Dの当選確率は、非内部中および内部中に係わらず、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても置数が一律100となっており、100/65536となっている。そして、図5に示す値から100を引いた数が単独再遊技役の当選確率となっている。また、「設定1」〜「設定6」の内部中における再遊技役、小役2、複合A〜Cおよび特殊複合の置数を合計すると、いずれの「設定」においても65536となる。すなわち、内部中はいずれかの役が必ず当選し、ハズレが無い状態となる。
なお、ハズレを、例えば1/65536の確率で決定されるように設けてもよい。そして、ハズレが決定された場合には、サブボーナス(AT)や疑似遊技(特殊演出)が付与されてもよい。
ここで、内部中となって再遊技役の当選確率が上昇した状態を「RT」中といい、内部中になる前(非内部中)の再遊技役の当選確率が低い状態を「非RT」中という。図6を参照して、役抽選の観点から見た遊技状態(換言すると、主制御回路100が直接的に認識し得る遊技状態)の遷移について説明すると、まず、スロットマシン10の電源投入直後、または、遊技状態をリセット(設定変更)した直後は、「非RT」中になっており、再遊技役の当選確率は、約1/7.30になっている。そして、この遊技状態でMB役が当選すると、「設定」による差はあるものの、再遊技役の当選確率が1/2.69〜1/2.74と大幅に上昇する「RT」中に移行する。「RT」中の状態はMB役が入賞するまで継続し、入賞ラインL上に「赤セブン−BAR−BAR」の図柄組合せが揃ってMB役が入賞すると、次の単位遊技からMB遊技が開始される。そして、「MB遊技」中に払い出されたメダルの枚数が、合計18枚を超えると、遊技状態は再び「非RT」中となる。このように、スロットマシン10では、「非RT」中、「RT」中、「MB遊技」中という3つの遊技状態を循環的に遷移している。
<リール制御手段の説明>
図3に戻り、リール制御手段120は、リール40L,40C,40Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されると、モータ駆動回路44によってステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始させる。そして、リール40L,40C,40Rの回転速度を加速していき、毎分80回転の回転速度に達すると定速回転に移行し、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作が有効な状態にする。
リール停止制御手段122は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作が有効になった後、遊技者によっていずれかのストップスイッチが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御(通常停止制御)を行う。停止制御(通常停止制御)は、通常遊技中と、MB遊技中とで異なる。通常遊技中は、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる制御を行う。したがって、定速回転速度が約80回転/分であり、1つのリールに配置された図柄数が20個であるため、リール停止制御手段122は、ストップスイッチが操作された時のリール位置から、最大で約5.07図柄分だけ移動するまでの間に、リールを停止させることになる。ここで、前述したように、図柄の停止位置のばらつきを無くすため、リール上の図柄が定位置で停止表示されるように、リールを停止させなくてはならないという制約がある。このため、直ちにリールを停止させたい場合でも、ストップスイッチの操作タイミングによっては、ほぼ1図柄分、リールを回動させなくてはならない場合が生じ得る。したがって、この分の幅を考慮すると、ストップスイッチが操作されてから、最大で4図柄分リールが回動するまでの間が、停止制御可能範囲(すなわち、滑りコマ数が4)となる。
よって、リール停止制御手段122が引込制御を行う場合は、ストップスイッチが操作された時に、入賞ラインLから上流側にある4つの図柄のうち、当選役に対応する図柄組合せを構成する図柄があるときは、その図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの回転を停止させる。これに対して、リール停止制御手段122が蹴飛ばし制御を行う場合は、全てのリールが停止するまでに、入賞ラインL上に何らかの役に対応した図柄組合せが停止表示されないように、リールの回転を停止させる。
一方、MB遊技中は、中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rが操作された場合は、通常遊技中と同様のリール停止制御を行うが(操作されてから190ミリ秒以内に対応するリールを停止)、左ストップスイッチ37Lについては、操作されてから75ミリ秒以内に左リール40Lの回転を停止させる制御を行う。したがって、MB遊技中においては、左ストップスイッチ37Lが操作されてから左リール40Lが最大で約2.0図柄分、回動するまでの間に停止させなくてはならない。よって、図柄を定位置で停止させるための幅を1図柄分取るとすると、停止制御可能範囲は最大で1図柄分となる。
また、リール停止制御手段122は、図3に示すインデックスセンサ46L,46C,46Rから出力される各基準位置信号と、モータ駆動回路44からステッピングモータ42L,42C,42Rへ各々出力される励磁信号のパターンを更新した回数(すなわち、各ステッピングモータが1ステップ分、回動した回数)とに基づいて、表示窓22に表示されている図柄を認識している。リール上の図柄の認識方法については、従来の方法が採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
上述したリール停止制御を前提として、図2(a)に示した各リールの図柄配列と、図4(a)に示した各役に対応した図柄組合せをみると、リール40L,40C,40Rに各々配置されている「リプレイ」図柄は、最大でも4つの図柄を挟んで配置されているため、通常遊技中は、役抽選で再遊技役が当選したときは、如何なるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、必ず入賞させることができる。また、「ベル」図柄および左リール40Lにおける「スイカ」図柄も同様に配置されているため、通常遊技中であれば、小役1および小役2も必ず入賞させることができる。
さらに、左リール40Lにおいて、「ベル」図柄と「スイカ」図柄とは、1つの図柄を挟んで交互に配置されているため、MB遊技中であっても、遊技者による左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに応じて小役1または小役2のいずれか一方を、必ず入賞させることができる。ここで、MB遊技中は、全ての小役が当選役とされるが、リール停止制御手段122は、左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに応じて小役1または小役2のいずれか一方を入賞させるリール停止制御を行い、その他の小役を入賞させることはないものとする。
次に、図4(a)に示された小役3a〜3dの図柄組合せを見ると、通常遊技中に、左リール40Lについては「リプレイ」図柄が、中リール40Cおよび右リール40Rについては、各々、「チェリー」図柄または「スイカ」図柄のいずれか一方が、入賞ラインL上に停止表示されれば、小役3a〜3dのいずれか1つが入賞することになる。これを踏まえて図2(a)の図柄配列を見ると、通常遊技中に小役3a〜3dが当選した場合は、如何なるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しても、小役3a〜3dのうちいずれか1つを入賞させることができる。
ここで、図4(a)に示す様に、複合A〜複合Cが当選したときに、小役1およびいずれかの小役3a〜3dが同時に当選することになる。このとき、リール停止制御手段122は、複合Aが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右または左→右→中の順序で操作されたときに、小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。また、複合Bが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中→左→右または中→右→左の順序で操作されたときに、小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3b〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。さらに、複合Cが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが右→左→中または右→中→左の順序で操作されたときに、小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a、3c、3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。
このように、リール停止制御手段122は、複合A〜複合Cのいずれかが当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて入賞させる小役を変更している。なお、上述したリール停止制御では、最初に操作されたストップスイッチの種類に応じて入賞させる小役を変更していたが(いわゆる3択のAT)、さらに複合抽選対象を増やして、最初から最後までのストップスイッチの操作順序(すなわち、6通りの操作順序)について、小役1が入賞することとなる操作順序を個々に異ならせても良い(いわゆる6択のAT)。また、左ストップスイッチ37L以外が第1停止操作されるとペナルティが科されるようにして、AT中には、第1停止操作が左ストップスイッチ37L以外のいずれかの操作順序で停止操作されると小役1が入賞するようにしてもよい(4択のAT)。
さらに、内部中はMB役が当選した状態が維持されることから、MB役と、小役または再遊技役とが、同時に当選した状態となる。この場合、リール停止制御手段122は、再遊技役または小役を優先的に入賞させるリール停止制御を行う。
なお、図5に示す役抽選テーブルには、ハズレが無いが、例えば、ハズレに対応する置数を1として役抽選テーブルにハズレを設け、ハズレが抽選されたときにMB役が入賞するようにしてもよい。また、役抽選テーブルに取りこぼしのある小役を設け、その小役を取りこぼしたときに、MB役が入賞するようにしてもよい。
ここで、取りこぼしとは、当選役に対応する図柄を揃えることができず、当選役に対応する特典を獲得できずにその特典が消滅してしまうことをいう。取りこぼしには、当選した役に対応する図柄の組み合わせを引き込みできなかったことによる取りこぼしと、入賞するために操作順序が定められた小役が定められた操作順序で操作されなかったことにより入賞しなかったときの取りこぼしと、がある。
<通常停止テーブルの説明>
通常停止テーブルは、ストップスイッチ37が操作されたときのリール40の図柄番号に応じたリール40の停止位置に関する情報を定めたものであり、具体的には、ストップスイッチ37が操作された時点のリール40の図柄番号に応じて、リール40の図柄位置から移動可能な最大移動可能図柄数(最大スベリコマ数、4コマ)の範囲におけるいずれの位置でリール40を停止させるかを定めたものである。通常停止テーブルは、役に応じて対応する通常停止テーブルが選択される。
換言すれば、通常停止テーブルにおいては、リール40の図柄が中段ラインLに位置しているときを基準の図柄番号として、この基準の図柄番号から移動可能なコマ数(0コマから4コマまで)の範囲内のいずれかの図柄番号が停止位置として定められている。
図7は、役抽選手段110による役抽選によって、小役2(スイカ)が当選したときに選択される通常停止テーブルである。図7(a)は、停止操作を受け付けた時点の図柄番号とリール40を停止させるまでの滑りコマ数との対応関係を示す図である。小役2(スイカ)が当選すると、リール40L、40C、40R各々に対応する通常停止テーブルが選択される。例えば、左リール40Lの図柄番号10の図柄「7」が中段ラインLに位置しているときに、左ストップスイッチ37Lの停止操作が受け付けられると、2コマ滑って図柄番号12の図柄「スイカ」が中段ラインLに停止されることを示す(図7(b)参照)。
同様に、中リール40Cの図柄番号10の図柄「7」が中段ラインLに位置しているときに、中ストップスイッチ37Cの停止操作が受け付けられると、3コマ滑って図柄番号13の図柄「スイカ」が中段ラインLに停止されることを示す(図7(c)参照)。
また、右リール40Rの図柄番号10の図柄「7」が中段ラインLに位置しているときに、右ストップスイッチ37Rの停止操作が受け付けられると、3コマ滑って図柄番号13の図柄「スイカ」が中段ラインLに停止されることを示す(図7(d)参照)。
<疑似役停止テーブルの説明>
疑似役停止テーブルは、ストップスイッチ37が操作されたときのリール40の図柄番号に応じたリール40の仮停止位置に関する情報を定めたものであり、後述する疑似役に応じて対応する疑似役停止テーブルが選択される。より具体的には、ストップスイッチ37が操作された時点のリール40の図柄番号に応じて、リール40の図柄位置から移動可能な最大移動可能図柄数(最大スベリコマ数、19コマ)の範囲におけるいずれの位置でリール40を停止させるかを定めたものである。
図8は、7揃役の仮停止が決定されたときに選択される疑似役停止テーブルである。図8(a)は、停止操作を受け付けた時点の図柄番号とリール40を停止させるまでの滑りコマ数との対応関係を示す図である。7揃役の仮停止が決定されると、リール40L、40C、40R各々に対応する疑似役停止テーブルが選択される。例えば、右リール40Rの図柄番号5の図柄「ベル」が中段ラインLに位置しているときに、右ストップスイッチ37Rの停止操作が受け付けられると、5コマ滑って図柄番号10の図柄「7」が中段ラインLに停止されることを示す(図8(b)参照)。
同様に、中リール40Cの図柄番号5の図柄「ブランク」が中段ラインLに位置しているときに、中ストップスイッチ37Cの停止操作が受け付けられると、5コマ滑って図柄番号10の図柄「7」が中段ラインLに停止されることを示す(図8(c)参照)。
また、左リール40Lの図柄番号5の図柄「ベル」が中段ラインLに位置しているときに、左ストップスイッチ37Lの停止操作が受け付けられると、5コマ滑って図柄番号10の図柄「7」が中段ラインLに停止されることを示す(図8(d)参照)。
なお、疑似役停止テーブルは、後述するフリーズ演出中における、リール演出または疑似遊技において使用される。疑似役停止テーブルには、リール40が順方向(図1に示した表示窓22内において、図柄が上方から下方へ移動する方向)に回転して7揃が成立するテーブルと、7揃が成立しないテーブルと、左リール40Lにおいて図柄「7」が中段ラインLより半図柄上方向に離れた位置に仮停止表示、中リール40Cにおいて図柄「7」が中段ラインLに仮停止表示、右リール40Rにおいて図柄「7」が中段ラインLより半図柄下方向に離れた位置に仮停止表示されるテーブル(詳細は後述)と、リール40が順方向または順方向と逆方向に回転して7揃が成立するテーブルと、がある。
なお、リール演出または疑似遊技では、上述した疑似役停止テーブルを使用しなくてもよい。疑似役停止テーブルを使用しないときは、現在図柄が停止している位置から、図柄が仮停止する位置までの距離を演算し、演算した距離分だけ図柄を移動させる。疑似役停止テーブルを使用することなく距離に基づき図柄を移動させることにより、テーブルが不要となるため、主制御回路100の記憶容量が不足することを防げる。
また、疑似遊技では疑似役停止テーブルを用いずに、直接停止すべき図柄の図柄番号を設定するようにしてもよい。例えば、7揃役が決定されたときには、後述する停止図柄位置(図34、S786参照)として、疑似役停止テーブルを用いずに、「7」図柄の図柄番号である10(図2参照)を指定するようにしてもよい。そして、第1リール(左リール)の場合、主制御回路100のRAMの7E69番地(図23参照)に、10の値を記憶する。第2リール(中リール)、第3リールも同様に、停止位置用の図柄番号としてRAMに10の値を記憶する。このようにすることにより、記憶容量の削減を行うことも可能である。
<フリーズ演出の説明>
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体の受付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットスイッチ35の操作の受付け、遊技を開始するためのスタートスイッチ36の操作の受付け、又は、リールの停止操作の受付けに関する機能を一時停止状態にすることが挙げられる。
フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、ベットスイッチ35の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートスイッチ36の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、リール停止スイッチの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止している期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートスイッチ36の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートスイッチ36が操作されたときに所定期間はリールの回転を行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ36が操作されたときに所定期間は役抽選とリールの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ36が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリールの回転は行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ36が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリールの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップスイッチ37の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップスイッチ37の操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出とストップスイッチ37の操作の結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出において、フリーズ演出の制御処理が異なる。
ストップスイッチ37の操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリールの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリールを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップスイッチ37の操作の受付け処理より後の停止制御処理を行うので、停止受付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップスイッチ37の操作の結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、最後のストップスイッチ37以外のストップスイッチ37の操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次に停止するストップスイッチ37の停止制御を行わず、最後のストップスイッチ37の操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットスイッチ35の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、リプレイが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
<リール演出の説明>
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止させるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップスイッチ37の操作に基づく停止制御処理は行わないが、リールの回転態様は任意に設定することができる。
所定期間におけるリールの回転態様(以下リール演出と称する)として、リールを通常回転とは逆方向に回転すること、リールを所定図柄数回転し特定の図柄組合せを停止(以下リール演出中の停止を仮停止と称する)すること、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リールの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリールの動作を変化することが挙げられる。
リール演出においては、所定の図柄を移動前位置から基準位置に移動して、遊技者のストップスイッチ37の操作なしに、仮停止させる特定リール制御が行われても良い。また特定リール制御では例えば前述した疑似役停止テーブルが使用されても良い。
なお、特定リール制御では疑似役停止テーブルを用いずに、通常停止テーブルを使用してもよい。すると、通常遊技において、「BAR」図柄が入賞ラインLに沿って停止表示される特殊再遊技役と、疑似遊技において、「BAR」図柄が入賞ラインLに沿って仮停止表示されるBAR揃役と、を共通の通常停止テーブルにより停止表示することができる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートスイッチ36、ベットスイッチ35、ストップスイッチ37、清算スイッチ38)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止期間を短くする制御処理として、一時停止期間を強制終了すること、または、一時停止期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止期間を長くする制御処理として、一時停止期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
<疑似遊技の説明>
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出(以下疑似遊技と称する)を行うことが挙げられる。疑似遊技フリーズ演出(疑似遊技)は、スタートスイッチ36が操作されたことに基づいたスタートスイッチ受付け処理からリール回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートスイッチ36の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップスイッチ37の操作に基づいてリールを停止(以下疑似遊技中の停止を仮停止と称する)する。但し、スタートスイッチ36の操作に基づく役抽選処理やストップスイッチ37の操作に基づく入賞判定処理または払出し制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出(疑似遊技)では、ストップスイッチ37が操作されたタイミング、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで仮停止したリール40が上下に揺れ変動する動き(揺れ変動ともいう)を行う。また、前述したリール演出により、リール40が仮停止したときにリール40が上下に揺れ変動する動き(揺動ともいう)を行ってもよい。なお、疑似遊技において、ストップスイッチ37が操作されることなく、所定時間が経過したとき、リール40を自動停止し図柄が仮停止表示されるようにしてもよい。そして、揺れ変動とは、疑似演出中に、リール40が出力相Φ0で励磁された第1の停止位置と、出力相Φ3・Φ0で励磁された第2の停止位置との間を、変動している停止状態である。第1の停止位置と第2の停止位置との間の角度は、リール中心において1/336度(1図柄の1/16または1/17の距離に相当)であることが望ましい。このように、仮停止の揺れ変動は微小であるが、遊技者が通常停止と仮停止との区別をすることが可能となっている。なお、仮停止は、上述した第1の停止位置と第2の停止位置との間の揺れ変動に限らず、3箇所以上の位置間を揺れ変動する停止状態としてもよい。これにより、通常の遊技であるか疑似遊技フリーズ演出(疑似遊技)であるかを示唆することができる。
なお、実施例において、フリーズ演出は、疑似遊技であるものとして説明を行うが、疑似遊技を前述したリール演出に置き換えることもできる。
<特殊演出の説明>
図3に戻り、リール制御手段120は、非内部中または内部中の単位遊技において、疑似遊技の開始が決定されるとスタートスイッチ36の操作によって、リール40L,40C,40Rを回転させ、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に応じて対応するリールの回転を停止させる疑似遊技からなる特殊演出を行う。疑似遊技からなる特殊演出は、後述するように特殊演出A(図9(a)参照)がある。なお、特殊演出中は、入賞判定(入賞ラインL上に仮停止表示された図柄組合せが何らかの役に対応しているか否かの判定)を行わない、または、入賞判定を行う場合であっても、何らかの役が入賞しても、その入賞を無効として扱う。このため、特殊演出中に仮停止表示された図柄組合せが、たとえ何らかの役に対応する図柄組合せと一致していたとしても、その役が入賞したことによる特典が遊技者に付与されることはない。なお特殊演出は、疑似遊技とリール演出との組み合わせからなってもよい。また、特殊演出は、疑似遊技が複数回数(2回〜10回等)行われてもよい。
<特殊演出制御手段の説明>
特殊演出制御手段130は、非内部中または内部中の単位遊技において、特殊演出を行うか否かの決定を行う。
図9(a)は、特殊演出の内容を示す図である。特殊演出制御手段130は、所定の乱数抽選に基づき、特殊演出を特殊演出A、Bで開始する。
ここで、本実施形態では決定確率が異なる高確率状態と通常確率状態とを備え、高確率状態では各々1/36の確率で決定し、合計1/18の確率で決定し、通常確率状態では各々1/72の確率で決定する。
なお、これら確率は適宜設定することができる。例えば、通常確率状態として各々1/72で決定されるようにしているが、通常確率状態では特殊演出Aは抽選されないように設定することもできるし、特殊演出A及び特殊演出Bの両方とも抽選されないように設定することもできる。
また、通常確率状態から高確率状態への移行は、再遊技役(再遊技役の一部でも良い)が当選したときに予め定めた操作順序で停止操作された場合に高確率状態へ移行するように制御することや、再遊技役(再遊技役の一部でも良い)が当選したときに抽選により操作順序を決定し、決定された操作順序で停止操作された場合に高確率状態へ移行するように制御することが考えられる。
一方、高確率状態から通常確率状態への移行は、複合A乃至Cに当選したときに小役1に対応する図柄組合せが停止表示されなかった(所謂、押し順のハズレ)場合に通常確率状態に移行するように制御することや、複合A乃至Cに当選した遊技が複数回あったときに連続して小役1に対応する図柄組合せが停止表示されなかった場合に通常確率状態に制御することが考えられる。
また、種々の遊技状態を管理するために、高確率状態や通常確率状態を記憶する為の記憶領域(RAM)を備えていることが望ましい。
特殊演出Aが決定されると、特殊演出番号PDとしてAが設定される。特殊演出Aにおいては、7揃が仮停止表示される疑似遊技が1回行われる。特殊演出Bが決定されると、特殊演出番号PDとしてBが設定される。特殊演出Bにおいては、BAR揃が仮停止表示される疑似遊技が1回行われる。なお、目的の図柄が必ず仮停止表示される疑似役停止テーブルの代りに、通常遊技で使用されるような4図柄滑り以内で目的の図柄が引き込めるときに目的の図柄を仮停止するような停止テーブルを使用して疑似遊技を行ってもよい。このとき、目的の図柄を引き込めないとき、はずれの組み合わせを仮停止して、リール40を揺れ変動してもよい。
また、特殊演出制御手段130は、遊技機の遊技状態が通常遊技状態か疑似遊技状態かを判断可能とするフラグAと、リール毎の揺れ変動状態を判断可能とする揺れ変動フラグと、に基づき各リール40の揺れ変動状態を制御する。フラグAと揺れ変動フラグの状態は、主制御回路100内のRAMに記憶される。
図9(b)は、フラグAと揺れ変動フラグの内容を示す図である。フラグAが1の遊技状態は、通常遊技が行われている通常遊技状態であることを示し、フラグAが2の遊技状態は、疑似遊技が行われている疑似遊技状態であることを示す。
揺れ変動フラグは、各リール40毎に揺れ変動状態のときオンされ、揺れ変動状態にないときオフされる。なお、各リール40の揺れ変動の処理は、後述する割込処理によって制御される。
<入賞判定手段の説明>
図3に戻り、入賞判定手段140は、遊技状態制御手段142を有し、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、何らかの役に対応するか否か(すなわち、何らかの役が入賞したか否か)を判定する。また、その判定結果に基づいて、遊技状態制御手段142に遊技状態の移行制御を行わせる。ここで、入賞判定手段140は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを直接認識しなくともよく、各リールにおいて、予め定められた位置(例えば、各リールの下段Uや、各リールの表示窓22の枠上など)の図柄を認識することで、間接的に入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを判断しても良い。また、入賞判定後に、小役または再遊技役の当選状態(MB役の当選状態を除く)を非当選状態にし、当選していたMB役が入賞したときに、MB役の当選状態を非当選状態にする。
通常遊技が行われる通常遊技状態には、「非内部中」(「非RT」中)と「内部中」(「RT」中)とがある。遊技状態制御手段142は、図6の遷移図に示すように、遊技状態が「非内部中」(「非RT」中)のときにMB役が当選すると、遊技状態を「内部中」(「RT」中)に移行させる。また、「内部中」にMB役が入賞すると、遊技状態を「MB遊技」中に移行させる。さらに、MB遊技の終了条件が成立したか否かを判断し、成立したと判断したときは、遊技状態を「非内部中」に移行させる。
<入賞処理手段の説明>
入賞処理手段150は、入賞判定手段140によりいずれかの小役が入賞したと判定されると、図3に示すホッパー駆動回路80によってスロットマシン10の内部に設けられているメダル払出装置82を駆動して、入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための制御を行う。すなわち、メダル払出装置82が、1枚ずつメダルを払い出すたびに出力する払出信号を計数し、入賞した小役に対応する枚数が排出されたと判断すると、メダル払出装置82の駆動を停止する。
<貯留手段の説明>
貯留手段160は、図1に示したメダル投入口32から投入されたメダルを最大で50枚まで貯留する。すなわち、単位遊技の終了後、メダル投入口32からメダルが投入されたメダルのうち、規定枚数を越えた分のメダルを貯留し、現在貯留しているメダルの枚数を、クレジット数表示器27に表示する。なお、貯留されているメダルの枚数が50枚になっているときに、メダル投入口32にメダルが投入されると、投入されたメダルはそのままメダル排出口60から排出される。また、メダルの投入受付期間中に精算スイッチ38が操作されると、ホッパー駆動回路80によってメダル払出装置82を駆動して、貯留していたメダルをメダル排出口60から排出させる。
また、再遊技役の成立後、スタートスイッチ36が操作されるまでの期間に、メダルが投入されると、投入されたメダルは貯留手段160に貯留され、精算スイッチ38が操作されると、貯留していたメダルはメダル排出口60から排出される。
<外部信号出力手段の説明>
外部信号出力手段170は、前述したIN信号、OUT信号、MB発生信号、RP発生信号、異常発生信号、スタート信号、後述する特殊演出の当選信号、「疑似遊技において仮停止表示された図柄番号」および「疑似遊技において仮停止表示されたこと」を示す信号、および、サブボーナス(AT)実行信号を、外部集中端子基板84へ出力する。これらの各信号は、外部集中端子基板84で1つのコネクタにまとめられ、当該コネクタを介して、前述した遊技情報表示装置やホールコンピュータなどと接続される。そして、各信号は、それぞれ外部集中端子基板84の対応する出力ピン(出力端子)から別の信号として出力される。
≪副制御回路の説明≫
<副制御回路およびその周辺のハードウェア構成>
副制御回路200は、CPU、ROM、RAM、音声や画像を生成するための各種専用IC、および、主制御回路100や演出報知手段500と情報の授受を行うためのインターフェイス回路などによって構成されている。副制御回路200は、主制御回路100の他に、演出報知手段500と電気的に接続されている。演出報知手段500は、図1に示した表示装置70および上部演出ランプ72と、スロットマシン10の下方内部に設けられたスピーカ64L,64Rと、を含んで構成されている。
<副制御回路の機能ブロック>
次に、副制御回路200の機能ブロックについて説明する。副制御回路200は、主に演出制御手段210と、報知遊技制御手段220と、からなっている。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段210は、演出データ記憶手段212と、演出抽選手段214とを有し、演出報知手段500において、単位遊技中に実行される演出を制御する。演出制御手段210は、例えば、疑似遊技中においては、画像表示装置に疑似遊技に特有の演出を行い、リール演出中においては、画像表示装置に、疑似遊技に特有の演出とは異なるリール演出に特有の演出を行う。演出データ記憶手段212は、演出データとして、各種演出を実行するための、画像(動画または静止画)データ、音声、楽音及び効果音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータ等を記憶している。演出抽選手段214は、主制御回路100から送信される役抽選の結果および遊技状態に応じて、実行する演出の内容を抽選によって決定する。そして、演出制御手段210は、演出抽選手段214によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータに基づく各種制御信号を生成し、演出報知手段500へ出力する。
<報知遊技制御手段の説明>
報知遊技制御手段220は、報知期間制御手段222と、操作態様報知手段224と、特典付与手段226とを有し、通常遊技中において、より多くのメダルが獲得可能な遊技者にとって有利な遊技状態となるAT遊技(サブボーナス)の制御を行う。以下、この報知遊技をAT遊技と称する。報知期間制御手段222は、報知遊技の開始および終了を制御する。具体的には、報知遊技制御手段220は、疑似遊技において7揃が成立すると、サブボーナス(AT)の実行権利を2個ストックし、BAR揃が成立すると、サブボーナス(AT)の実行権利を1個ストックし、サブボーナス(AT)のストックがあるとき、サブボーナス(AT)を開始する。また、通常遊技において、特殊再遊技役(BAR揃)が成立したとき、実行権利を1個ストックするようにしてもよい。サブボーナス(AT)は、開始してから単位遊技が50回(50ゲーム)行われると終了する。また、サブボーナス(AT)は、小役1が成立する操作順序を報知した回数、サブボーナス(AT)中の純増枚数、払出枚数等が所定の値を超えると終了するようにしてもよい。また、押し順正解で7揃いが成立することにより、サブボーナス(AT)を開始するようにしてもよい。
操作態様報知手段224は、報知期間制御手段222によってサブボーナスが開始されると、主制御回路100の役抽選手段110による役抽選で、複合A〜Cが当選した時に、小役1が入賞する操作順序を遊技者に報知する。また、BAR揃いが成立する操作順序を設定し、複合Dが当選したとき、BAR揃いが成立する操作順序を遊技者に報知するようにしてもよい。この操作順序の報知は、表示装置70に表示される画像や、スピーカ64L,64Rから出力される音声によって行われるが、その他にも、従来と同様の報知手段および報知方法による操作態様の報知が可能である。
特典付与手段226は、主制御回路100から受信した情報に基づいて、疑似遊技中に仮停止表示された図柄組合せに応じて遊技者に特典を付与する。例えば、疑似遊技において、入賞ラインL上に7揃役の図柄組合せが仮停止表示されたことが主制御回路100から送信されてきた場合は、サブボーナス(AT)を2個ストックし、入賞ラインL上にBAR揃役の図柄組合せが仮停止表示されたことが主制御回路100から送信されてきた場合はサブボーナス(AT)を1個ストックする。
なお、疑似遊技中において、例えば、主制御回路100から図10に示した各リールの対応するリール停止受付コマンドを送信するようにしておき、副制御回路200側において、受信したリール停止受付コマンドに含まれた情報に基づいて、入賞ラインL上に停止表示される図柄組合せを判断するようにしてもよい。また、全てのリールが停止したときに、仮停止表示された図柄組合せ(全ての仮停止出目)を副制御回路200に送信するようにしてもよい。
<疑似遊技中の演出とリール演出中の演出>
疑似遊技を実行する場合には、疑似遊技(フリーズ演出の一つ)に対応した演出データを用いた演出制御を実行する。
例えば、スタートレバーの操作を行った後(全リールが疑似遊技の為の加速処理を行うとき)に「当該遊技で疑似遊技を実行すること」を遊技者に報知する確定演出や、遊技者の停止操作タイミング・操作順序に係わらず「7」図柄が揃う疑似遊技を実行すること(「7」図柄の報知)」を遊技者に報知する図柄報知演出を出力することが挙げられる。
疑似遊技とは異なるリール演出を実行する場合には、実行されるリール演出(フリーズ演出の一つ)に対応した演出データを用いた演出制御を実行する。
例えば、スタートレバーの操作を行った後、左リールが1ステップ上(Φ3・Φ0)に1000割込位置した後に加速処理を実行する場合(ウェイト演出)や、加速処理を実行するまでに500割込経過した後に全リールの加速処理を実行する場合は、「当選確率が低いレア役(例:スイカ役)が当選したこと」を遊技者に報知(示唆)する当選役示唆演出や、「サブボーナス(AT)に移行する可能性があること」を遊技者に報知(示唆)するサブボーナス(AT)示唆演出を実行する。
また、スタートレバーの操作を行った後にリールが自動的に所定図柄「例えば7揃い」で仮停止され、再度スタートレバーの操作を行うことによりリールが逆回転するときに、「サブボーナス(AT)のゲーム数が上乗せされる可能性があること、又は、サブボーナス(AT)のゲーム数が上乗せされること」を遊技者に報知(示唆)するサブボーナス(AT)上乗せ演出や、全リールが停止したときにサブボーナス(AT)ゲームが終了する条件を満たした場合には、「サブボーナス(AT)遊技が終了したこと」を遊技者に報知するエンディング演出等が挙げられる。また、上記の条件を適宜組み合わせた演出を行うこともできる。
尚、演出は、上記の演出の内容に限られたものではなく、少なくとも「疑似遊技」で出力される演出と「リール演出」で出力される演出とで異なる演出が一部あればよい。換言すると、上記演出のうち一部は、「疑似遊技」で出力される演出であって「リール演出」でも出力される演出であって良い。
<ペナルティの説明>
副制御回路200は、サブボーナス(AT)中に報知された操作順序に従って遊技が行われなかったときには、ペナルティを与える。具体的なペナルティとしては、例えば、操作順序に従わなかった遊技から所定ゲーム間、操作順序の報知が行われなくなる。また、所定ゲーム間、特殊演出の抽選が行われなくなるようにしてもよい。
また、通常遊技中において、複合A、複合B、複合Cのいずれかが当選した遊技において、左リール第1停止以外の変則押し(ペナルティ押し)が行われたときは、ペナルティを与える。具体的なペナルティとしては、例えば、変則押し(ペナルティ押し)が行われた遊技から所定ゲーム間、サブボーナス(AT)の抽選が行われなくなること、または、サブボーナス(AT)の抽選確率が低確率から高確率になる状態への移行抽選が行われなくなること等が考えられる。
複合A、複合B、複合Cのいずれかが当選した遊技において、左リール第1停止以外の変則押し(ペナルティ押し)が行われ、小役1が成立した場合には、ペナルティが科される所定ゲーム間として7ゲームを科たし、小役1が成立してない場合には、ペナルティが科される所定ゲーム間として1ゲームを科たすようにしてもよい。換言すると、変則押し(ペナルティ押し)として「小役1」が入賞した場合と「小役1」が入賞しなかった場合とでペナルティが科されるゲーム数を変化させてもよい。
≪主制御回路から副制御回路へ送信される情報の説明≫
次に図10を参照して、1回の単位遊技中に主制御回路100から副制御回路200へ送信される主な情報について説明する。主制御回路100から副制御回路200へ送信される情報は、コマンドという形態で送信される。コマンドは、割込処理で送信され、1割込に1コマンド(識別情報と内容の両方)送信する。1つのコマンドは、コマンドの種類を識別するための識別情報と、そのコマンドによって送信する情報の内容を示す送信情報とによって構成されている。副制御回路200は、主制御回路100から受信したコマンドの種類およびコマンドと共に送られて来た情報に基づいて、単位遊技の進行について認識し得るとともに、各種演出に関する処理を行う。
なお、図10に示すコマンドの一覧は、1回の単位遊技が行われるごとに副制御回路200へ送信される主立った情報を示しているが、リール演出中または疑似遊技中においても、例えば各種スイッチの操作が行われたときや、リールの回転開始時または仮停止時などに、通常遊技中と同様のコマンドが送信されるようにしてもよい。また、図10に示すコマンド以外にも、疑似遊技中に、副制御回路200において演出や報知に関する制御を行わせる場合は、必要な情報を適宜送信するようにしても良い。
(主なコマンドの内容)
以下に、図10に示す各種コマンドの内容について説明する。
各種コマンドには下記(A)〜(H)までの上位コマンドと下記(1)〜(20)までの下位コマンドとがある。
(A)遊技開始コマンドには、下記(1)〜(4)のコマンドがある。
(1)設定値指定コマンド
新たな単位遊技の処理を開始する時に、現在、スロットマシン10にセットされている「設定」の値(設定1〜6のいずれか。図5参照)を送信するためのコマンドである。ここで、「新たな単位遊技の処理を開始する時」とは、後述する単位遊技終了コマンドの送信直後の状態をいう。
(2)遊技状態コマンド
上述した設定値指定コマンドに続いて送信されるコマンドであり、次に行われる単位遊技が、MB遊技、再遊技、または、それらのいずれでもない遊技の、いずれであるかを示す情報を送信する。
(3)RT状態コマンド
上述した遊技状態コマンドに続いて送信されるコマンドであり、現在のRT状態が「非RT」中であるか、「RT」中であるかを示す情報を送信する。
(4)MB獲得可能枚数コマンド
MB遊技中のときに、上述したRT状態コマンドに続いて送信されるコマンドであり、MB遊技の終了条件が成立するまでに獲得することができる残りのメダル枚数を示す情報を送信する。
(B)メダル投入コマンド
ベットスイッチ34,35が操作されたとき、または、メダル投入口32にメダルが投入されたときに、投入されたメダルの枚数を送信するためのコマンドである。ここで、1−ベットスイッチ34が操作されたときは、自動メダル投入(1)コマンドが送信される。また、最大ベットスイッチ35が操作されたときは、MB遊技中は自動メダル投入(2)コマンドが、MB遊技中でなければ自動メダル投入(3)コマンドが送信される。さらに、メダル投入口32にメダルが投入されるごとに、手動メダル投入コマンドが送信される。
(C)スタートスイッチ受付コマンドには、下記(5)〜(7)のコマンドがある。
(5)スタートスイッチ受付コマンド
スタートスイッチ36の操作が有効なときに、スタートスイッチ36が操作されると送信されるコマンドであり、スタートスイッチ36が操作されたときに投入されていたメダル枚数(2枚または3枚)の値を送信する。
(6)役抽選結果1コマンド
スタートスイッチ36が操作されたことによって役抽選が行われると送信されるコマンドであり、役抽選の結果を示す情報を送信する。ここでは、役抽選によって当選とされた抽選対象(但しMB役を除く)が送信される。すなわち、「再遊技役」、「小役2」、「複合A」、「複合B」、「複合C」または「複合D」のいずれかが送信される。また、役抽選の結果いずれの抽選対象も決定されなかった場合(「非RT」中に起こり得る)は、「ハズレ」を示す情報が送信される。さらに、MB遊技中は、役抽選の結果に関係なく、全ての小役が当選状態となり、「全小役当選」を示す情報が送信される。
(7)役抽選結果2コマンド
役抽選結果1コマンドに続いて送信されるコマンドであり、MB役が当選している状態になっているか否かを送信する。ここで、内部中は単位遊技が行われる毎に、MB役が当選していることが送信される。
(D)回転開始コマンドには、下記(8)、(9)のコマンドがある。
(8)回転待機終了コマンド
役抽選結果2コマンドの送信後、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから4.1秒が経過すると、送信されるコマンドである。なお、役抽選結果2コマンドを送信したときに、既に4.1秒が経過していたときは、直ちに回転待機終了コマンドが送信される。
(9)回転開始コマンド
回転待機終了コマンドに続いて送信されるコマンドであり、左リール40Lが回転を開始したときに左リール回転開始コマンドが送信され、中リール40Cが回転を開始したときに中リール回転開始コマンドが送信され,右リール40Rが回転を開始したときに右リール回転開始コマンドが送信される。
(E)回転停止コマンドには、下記(10)、(11)のコマンドがある。
(10)リール停止受付コマンド
回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されると、操作されたストップスイッチに応じて、左リール停止受付コマンド、中リール停止受付コマンド、または、右リール停止受付コマンドが送信される。また、各リール停止受付コマンドが送信される際に、併せて、対応するリールに対する停止制御について、入賞ラインL上に停止させる予定の図柄番号(以下、停止図柄番号という。)を示す情報と、滑りコマ数を示す情報とが送信される。
疑似遊技では、通常時に使用されるビットテーブル、例えば小役2に対応するビットテーブルの停止図柄番号を、疑似役(例えば7揃役)に対応する停止図柄番号に書き換える。そして、副制御回路200には、疑似役(例えば7揃役)に対応する停止図柄番号を送信する。疑似遊技では、滑りコマ数を示す情報は、副制御回路200において使用されないため、書き換え前の例えば小役2に対応する滑りコマ数をそのまま送信する。そして、副制御回路200は、滑りコマ数を示す情報を受信するだけで、滑りコマ数を示す情報を使用することはない。
(11)リール停止コマンド
送信されたリール停止受付コマンドに対応するリールが、回転を停止したときに送信されるコマンドである。
(F)全リール停止コマンドには、下記(12)〜(14)のコマンドがある。
(12)作動図柄コマンド
全リールの回転が停止し、入賞判定が行われると送信されるコマンドであり、入賞判定の結果、入賞した役を示す情報を送信する。また、入賞した役がなかった場合は、その旨を示す情報が送信される。
(13)メダル払出開始コマンド
作動図柄コマンドに続いて送信されるコマンドであり、小役が入賞した場合は、そのときの遊技状態(MB遊技中か否か)に応じた払出枚数を示す情報を送信する。また、MB役もしくは再遊技役が入賞したとき、または、いずれの役も入賞しなかったときは、払出枚数が0枚であることを示す情報を送信する。
(14)メダル払出終了コマンド
単位遊技の結果、小役が入賞したことによってメダルが払い出され、当該メダルの払い出しが終了したときに送信されるコマンドである。
(G)遊技終了コマンドには、下記(15)、(16)のコマンドがある。
(15)MB遊技終了コマンド
MB遊技中にメダル払出終了コマンドが送信された後に送信されるコマンドであり、小役が入賞したことによりメダルが払い出された結果、MB遊技の終了条件が満たされたときに送信されるコマンドである。
(16)単位遊技終了コマンド
1回の単位遊技で行うべき処理が全て終了したときに送信されるコマンドである。
(H)特殊演出コマンドには、下記(17)〜(20)のコマンドがある。
(17)特殊演出開始決定結果コマンド
後述する役抽選処理が終了したのち、行われる特殊演出開始決定処理において、図9に示した特殊演出開始の決定結果が送信されるコマンドである。例えば、特殊演出を開始しないときは0を送信し、特殊演出Aを開始するときは1を送信し、特殊演出Bを開始するときは2を送信する。
(18)特殊演出開始コマンド
前述した特殊演出開始決定処理の結果、特殊演出を開始することが決定されたときに送信されるコマンドである。
(19)特殊演出終了コマンド
上述した特殊演出処理において、特殊演出が終了したときに送信されるコマンドである。
(20)7揃またはBAR揃成立コマンド
上述した特殊演出処理において、7揃またはBAR揃が成立したときに送信されるコマンドである。
<特殊演出Aの説明>
図11(a)は特殊演出Aにおける遊技状態の変遷を説明するための図である。特殊演出Aにおいては、7揃が仮停止表示される疑似遊技が1回行われる。特殊演出Aが当選する前には、遊技状態は通常遊技状態(フラグA=1)、各リールの揺れ変動フラグはオフとなっている。そして、スタートスイッチ36が操作されて特殊演出Aが当選すると、遊技状態は疑似遊技状態(フラグA=2)に移行し、全リールが回転を開始する。
そして、ストップスイッチ37が停止操作されると、対応するリール40が仮停止される。例えば、遊技者が左ストップスイッチ37Lを第1停止操作すると、入賞ラインLに左リール40Lの「7」図柄が仮停止表示され、後述する揺れ変動カウンタが0になると左リール40Lの揺れ変動フラグがオンになり、左リール40Lは揺れ変動を開始する。次に、遊技者が中ストップスイッチ37Cを第2停止操作すると、入賞ラインLに中リール40Cの「7」図柄が仮停止表示され、後述する揺れ変動カウンタが0になると中リール40Cの揺れ変動フラグがオンになり、中リール40Cは揺れ変動を開始する。そして、遊技者が右ストップスイッチ37Rを第3停止操作すると、入賞ラインLに右リール40Rの「7」図柄が仮停止表示され、後述する揺れ変動カウンタが0になると右リール40Rの揺れ変動フラグがオンになり、右リール40Rは揺れ変動を開始する。そして、7揃が成立したため、7揃成立コマンドが副制御回路200に送信され、サブボーナス(AT)が2個ストックされる。そして、以後の処理は特殊演出Aの処理と同様の処理が行われる。
そして、スタートスイッチ36が操作されると、遊技状態は通常遊技状態(フラグA=1)に移行され、後述するリール回転開始待機カウンタが0になると、各リールの揺れ変動フラグはオフになり、リール40は揺れ変動を終了する。揺れ変動フラグは、特殊演出(疑似遊技)の開始が決定されたのち、遊技進行処理(メインループ)において設定されてもよい。
なお、揺れ変動フラグは、一つとし、各リールが一つの揺れ変動フラグを参照するようにしてもよい。例えば、揺れ変動フラグは、疑似遊技の第1停止操作時にオンされ、全リールが仮停止した後、全リールが加速処理を開始するとオフされる。
なお、揺れ変動フラグをオンする場合は、少なくとも全リールが疑似遊技のための加速処理が開始された後であればいつでもよい。
また、揺れ変動フラグを使用しなくしてもよい。本明細書で揺れ変動フラグを用いるのは、リール駆動状態を「停止中/揺れ変動中」として、停止中と揺れ変動中とを同じ状態として扱っている為、揺れ変動フラグを用いないと、揺れ変動中か否かの判断ができないためである。
よって、リール駆動状態として「疑似遊技中」を設け、疑似遊技時の仮停止が識別できるようにすると、疑似遊技中の仮停止を識別することができ、仮停止後に揺れ変動を行うようにすることができる。
なお、疑似遊技において、ストップスイッチ37の操作がないまま所定時間が経過したときは、一旦図柄を停止させ、通常遊技における通常回転を行うようにしてもよい。
<特殊演出Bの説明>
図11(b)は特殊演出Bにおける遊技状態の変遷を説明するための図である。特殊演出Bにおいては、BAR揃が仮停止表示される疑似遊技が1回行われる。特殊演出Bが当選する前には、遊技状態は通常遊技状態(フラグA=1)、各リールの揺れ変動フラグはオフとなっている。そして、スタートスイッチ36が操作されて特殊演出Bが当選すると、遊技状態は疑似遊技状態(フラグA=2)に移行し、全リールが回転を開始する。
そして、ストップスイッチ37が停止操作されると、対応するリール40が仮停止される。例えば、遊技者が左ストップスイッチ37Lを第1停止操作すると、入賞ラインLに左リール40Lの「BAR」図柄が仮停止表示され、後述する揺れ変動カウンタが0になると左リール40Lの揺れ変動フラグがオンになり、左リール40Lは揺れ変動を開始する。次に、遊技者が中ストップスイッチ37Cを第2停止操作すると、入賞ラインLに中リール40Cの「BAR」図柄が仮停止表示され、後述する揺れ変動カウンタが0になると中リール40Cの揺れ変動フラグがオンになり、中リール40Cは揺れ変動を開始する。そして、遊技者が右ストップスイッチ37Rを第3停止操作すると、入賞ラインLに右リール40Rの「BAR」図柄が仮停止表示され、後述する揺れ変動カウンタが0になると右リール40Rの揺れ変動フラグがオンになり、右リール40Rは揺れ変動を開始する。そして、BAR揃が成立したため、BAR揃成立コマンドが副制御回路200に送信され、サブボーナス(AT)が1個ストックされる。そして、以後の処理は特殊演出Aの処理と同様の処理が行われる。
<ステッピングモータ制御>
次に、リール制御手段120によるステッピングモータ42への制御について説明する。図12(a)は、本実施形態のスロットマシンが採用する、1−2相励磁方式によるステッピングモータの回転制御の原理を説明するための図である。
リールを回転駆動するステッピングモータ42は、4つの相Φ0〜Φ3を有している。主制御回路100からの駆動指令データ信号に基づいて、各相Φ0〜Φ3の励磁コイル421〜424には、互いにπ/2(単位:ラジアン)だけ位相がずれた駆動パルス信号が所定周期の割込み処理により次々に供給される。また、駆動パルス信号は、デューティ比が3/8(1周期に対しては3/4π相当)のパルス幅を有している。
図12(b)は、1−2相励磁法駆動パルス信号波形を説明するための図である。1−2相励磁方式により、各相の励磁状態がΦ3・Φ0、Φ0、Φ0・Φ1、Φ1、Φ1・Φ2、Φ2、Φ2・φΦ3及びΦ3の8つの励磁相のステップ順で推移しながら、これを1サイクルとして回転動作が繰り返される。なお、リール40は、336ステップの励磁で一回転される。
具体的には、励磁相は、後述する「リール駆動パルスデータ検索用カウンタ」が出力する「出力相」に対応している。
本実施形態では、リール駆動パルスデータ検索用カウンタが「0」のときに「Φ3・Φ0」を出力し、リール駆動パルスデータ検索用カウンタが「1」のときに「Φ0」を出力し、リール駆動パルスデータ検索用カウンタが「2」のときに「Φ0・Φ1」を出力するように制御している(図17参照)。
<揺れ変動幅の説明>
図13は、揺れ変動幅を変更する形態を説明するための図である。図13(a)は、疑似遊技において、遊技者が中ストップスイッチ37Cを停止操作したときの中リール40Cの仮停止表示された「7」図柄の揺れ変動状態を示す。疑似遊技では、揺れ変動幅が入賞ラインL(Φ0相)から入賞ラインLの1ステップ上の位置(Φ3・Φ0相)までの揺れ変動幅となっている。
図13(b)は、揺れ変動幅変更用の揺れ変動カウンタを説明するための図である。主制御回路100は、1割込(2.35ms)毎に1カウントインクリメントされる揺れ変動カウンタを有する。揺れ変動カウンタは、0〜159までのカウンタ値を有し、0から159までを1周期として、その周期が周期的に繰り返される。主制御回路100は、カウンタ値が2、3にあるときに、見た目上、揺れ変動を上部の位置に制御し、カウンタ値が0、1、4〜159の間にあるときに、見た目上、揺れ変動を下部の位置に制御する。
なお、後述するように割込処理におけるリールの駆動制御は、割込処理の最後の方に行われるポート出力処理(図30参照)で行われる。そのため、揺れ変動カウンタのカウンタ値が1にあるときは、割込処理の最後の方に行われるポート出力処理において揺れ変動の位置が上部の位置に制御されるので、揺れ変動の位置は下部の位置である定位置にあるように見える。
図14は、リール40を加速するときに使用される、リール加速処理テーブルを示す。ステッピングモータ42は、定速回転時には1割込(1パルス)/ステップで駆動される。これは、ステッピングモータ42を1ステップ回転させるのに、1回の割込処理が行われ1パルスの矩形波の電力が供給されることを示す。
ステッピングモータ42の始動時に、例えば、1割込/ステップの電力が与えられると、ステッピングモータ42が脱調し停止する不具合が生じる。そのため、ステッピングモータ42が始動する加速時には、例えば、50割込/ステップから順番に1ステップあたりの割込数を減らして1割込/ステップまで移行させる処理が行われ、ステッピングモータ42の脱調が防止されている。この加速処理の間に、リール40は7ステップ回転する。
そして、減速処理においては、ステッピングモータ42の4相(Φ0、Φ1、Φ2、Φ3)がオンされリールの停止が開始され、リールが停止するまで約5ステップ要する。
図15は、主制御回路100で行われる遊技進行処理(メインループ)と割込処理との関係を示す図である。遊技進行処理(メインループ)では、遊技に係る主な制御が行われ、2.35msごとに定期的に割込処理が行われる。約0.5ms行われる割込処理が行われているときには、遊技進行処理(メインループ)は完全に停止し、割込処理が終了すると再び遊技進行処理(メインループ)が行われる。割込処理では、リールの加速処理や揺れ変動処理等が行われる。
<揺れ変動駆動データテーブル>
図16は、揺れ変動駆動データテーブルを示す図である。揺れ変動駆動データテーブルは、揺れ変動カウンタとリール駆動データと出力相(リール駆動パルスデータ)との対応関係を示している。揺れ変動駆動データテーブルは、疑似遊技時の揺れ変動中のステッピングモータ42の出力相(リール駆動パルスデータ)を決定するのに用いられる。ここで、揺れ変動カウンタは、1割込(2.35ms)毎に1カウントインクリメントされるカウンタである。
リール駆動データは、今回の割込時に励磁される出力相(リール駆動パルスデータ)を決定するために用いられるデータである。リール駆動データは、「0」、「2」、「3」、「4」の番号を取り得、揺れ変動が行われてない通常遊技中に出力相(リール駆動パルスデータ)に変化を与えないときに、リール駆動データは「0」とする。リール駆動データが「2」のときは、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)から−1したステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)を励磁する。例えば、揺れ変動カウンタが「1」、リール駆動データが「2」のとき、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)は「Φ0」であるので、今回の割込時には−1したステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ3・Φ0」を励磁する。換言すれば、リール駆動データ「2」は、1ステップ分、図柄位置が上方に移動するように制御するデータである。
リール駆動データが「3」のときは、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)と同じステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)を励磁する。例えば、揺れ変動カウンタが「2」、リール駆動データが「3」のとき、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)は「Φ3・Φ0」であるので、今回の割込時には前の割込時と同じステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ3・Φ0」を励磁する。
リール駆動データが「4」のときは、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)から+1したステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)を励磁する。例えば、揺れ変動カウンタが「3」、リール駆動データが「4」のとき、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)は「Φ3・Φ0」であるので、今回の割込時には+1したステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ0」を励磁する。換言すれば、リール駆動データ「4」は、1ステップ分、図柄位置が下方に移動するように制御するデータである。
また、揺れ変動カウンタが「0」、「4〜159」、リール駆動データが「3」のとき、前の割込時に励磁していた出力相(リール駆動パルスデータ)は「Φ0」であるので、今回の割込時には前の割込時と同じステップ位置の出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ0」を励磁する。
図17(a)は、リール駆動データと出力相(リール駆動パルスデータ)との対応関係を示す図である。出力相(リール駆動パルスデータ)は、詳細にはリール駆動パルスデータ検索用カウンタとリール駆動データとに基づく演算により決定される。リール駆動パルスデータ検索用カウンタは、0〜255の値の範囲で更新され、揺れ変動開始時に1、9、17等の1に8の倍数を加算した値が初期値として設定される。換言すると、通常のリール停止時や疑似遊技のリール停止時もリール駆動パルスデータ検索用カウンタが「1、9、17、・・・」となるように、減速処理を行った後にリール駆動パルスデータ検索用カウンタを補正する制御を実行する。このような補正を行うことで、揺れ変動制御を行うにあたってリール駆動パルスデータ検索用カウンタを用いて意図した(1ステップ単位の)揺れ変動制御を実行することができる。
そして、リール停止後、ステッピングモータ42の4相(Φ0、Φ1、Φ2、Φ3)がオンされる期間(疑似遊技中で35割込)の経過後、リール駆動パルスデータ検索用カウンタは、1、9、17等に設定され、ステッピングモータ42は出力相Φ0で励磁される。
なお、Φ0(検索用カウンタが1、9、・・・)を停止位置と定めたが他の停止位置としてもよい。例えば、図柄毎に停止位置がΦ0、Φ1、Φ2、Φ3等に異なるようにしてもよい。
出力相(リール駆動パルスデータ)は以下の方法により決定される。リール駆動パルスデータ検索用カウンタが「1」、リール駆動データが「2」のときを例に、出力相(リール駆動パルスデータ)の決定例を説明する。最初に、リール駆動データ「2」から−4をする演算を行い(演算1)、演算1の結果「−2」を得る。
次に、演算1の結果「−2」にリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値「1」を加算し(演算2)、演算2の結果「255(−1)」を得る。そして、演算2の結果「255(−1)」に+1を行う演算を行い(演算3)、演算3の結果「0」を得る。次に、演算3の結果「0」と「00000111」との論理演算(論理積)を行い(演算4)、演算4の結果「00000000」(0)を得る。ここで、演算4の結果は1バイトのデータで表わされる。データの第0ビットは1、第1ビットは2、第2ビットは4に対応する。例えば、「00000000」は10進法で表すと0、「00000001」は1、「00000011」は3、「00000111」は7を示す。
演算4の結果(0)は「Φ3・Φ0」に対応し、出力相(リール駆動パルスデータ)として「Φ3・Φ0」を得る。そして、次の割込におけるリール駆動パルスデータ検索用カウンタの値には、演算3の結果「0」が使用される。
なお、図16に示す揺れ変動駆動データテーブルを使用することなく、揺れ変動カウンタから出力相(リール駆動パルスデータ)を決定してもよい。設定すべき出力相は、図17に示されるリール駆動検索用カウンタの値を「1」減算した値に対応する出力相(リール駆動パルスデータ)とすることができる。
例えば、揺れ変動カウンタが「1」、現在の「リール駆動検索用カウンタ」が「1」であるとき、リールの駆動前の出力相は「Φ0」になる(図17参照)。そして、揺れ変動カウンタが「1」のときは、1ステップ図柄を上げる制御をするので、現在の「リール駆動検索用カウンタ」から−1したリール駆動検索用カウンタである「0」に対応する出力相「Φ3・Φ0」をポート出力する。
図17(b)は、リール駆動パルステーブルであり、出力相(リール駆動パルスデータ)のポート出力用データを示す図である。リール駆動パルステーブルは、主制御回路100のROMに記憶されている。演算4の結果「0」は、出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ3・Φ0」に対応し、RAMに格納されるポート出力用データは「00001001」となる。ここで、ポート出力用データの一番右側のビットを第0ビット、左側に行くに従い第1ビット、第2ビットとし、一番左側のビットを第7ビットとする。そして、ポート出力用データの第0ビットはΦ0、第1ビットはΦ1、第2ビットはΦ2、第3ビットはΦ3に対応する。そして、上記の出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ3・Φ0」に対応するポート出力用データは、第0ビットと第3ビットに1が記憶されるため、「00001001」となっている。
また、演算4の結果「1」は、出力相(リール駆動パルスデータ)「Φ0」に対応し、RAMに格納されるポート出力用データは「00000001」となる。主制御回路100は、このポート出力用データに基づき、ステッピングモータ42の励磁すべき出力相(リール駆動パルスデータ)のデータを作成する。
図18は、各リールの駆動状態と、対応するリール駆動状態番号との関係を示す図である。図19は、リールの駆動状態を示す図である。リール駆動状態番号「0」は、リールが停止中/揺れ変動中であることを示す。リール駆動状態番号「1」のリール回転開始待機中は、スタートスイッチ36が操作されてからリール回転開始待機カウンタが割込毎に減算されて0となりリールが回転を開始するまでの状態を示す。リール駆動状態番号「5」の加速中は、リール回転開始待機カウンタが「0」になってから、ステッピングモータ42が定速である1割込/ステップで駆動されるまでの状態を示す。
リール駆動状態番号「4」の定速中は、ステッピングモータ42が定速である1割込/ステップで駆動されてからストップスイッチ37が停止操作されるまでの状態を示す。リール駆動状態番号「3」の減速開始中は、ストップスイッチ37が停止操作されてから、リールが停止開始位置に到達し、ステッピングモータ42に4相がオンされる減速時パルスデータが励磁されるまでの状態を示す。
リール駆動状態番号「2」の減速中は、ステッピングモータ42に4相がオンされる減速時パルスデータがリール駆動パルス出力カウンタ(疑似遊技35割込、通常遊技90割込)だけ励磁されたのち、揺れ変動カウンタが0になるまでの状態を示す。そして、揺れ変動カウンタが0になると、駆動状態は停止中/揺れ変動中となり、減速終了フラグおよび揺れ変動フラグがオンになる。
<リール減速時のリール駆動パルス出力カウンタ>
図20は、リール減速中に励磁される減速時パルスデータの励磁期間を説明するための図である。図20(a)は、疑似遊技中において励磁される減速時パルスデータの励磁期間を説明するための図である。疑似遊技中において、ストップスイッチ37が停止操作され、図柄が停止開始位置(停止図柄位置、停止開始ステップ)に到達すると、リール40の減速が開始される。その減速時には、ステッピングモータ42の出力相全てΦ0、Φ1、Φ2、Φ3が励磁(オン)される減速時パルスデータが、ステッピングモータ42に加えられる。
減速時パルスデータ(4相オン)が加えられる期間は、リール駆動パルス出力カウンタによって管理される。疑似遊技中は、リール駆動パルス出力カウンタは、35(35割込に相当)に設定され、リールは35割込以内に停止して静止し、35割込が経過すると出力相Φ0のみがオン状態となる。なお、35割込が経過したとき、出力相全てΦ0、Φ1、Φ2、Φ3がオフされるようにしてもよい。
図20(b)は、通常遊技中において励磁される減速時パルスデータの励磁期間を説明するための図である。通常遊技中において、ストップスイッチ37が停止操作され、図柄が停止開始位置(停止図柄位置、停止開始ステップ)に到達すると、リール40の減速が開始される。その減速時には、ステッピングモータ42の出力相全てΦ0、Φ1、Φ2、Φ3が励磁(オン)される減速時パルスデータが、ステッピングモータ42に加えられる。
減速時パルスデータ(4相オン)が加えられる期間は、リール駆動パルス出力カウンタによって管理される。疑似遊技中は、リール駆動パルス出力カウンタは、90(90割込に相当)に設定され、リールは90割込以内に停止して静止し、90割込が経過すると出力相全てΦ0、Φ1、Φ2、Φ3がオフされる減速終了時パルスデータが出力される。
減速時パルスデータ(4相オン)が加えられると、リール40は停止して静止する。通常遊技中は、停止時間は90割込(約210ms)と長くリールが静止しているように見える。それに対して、疑似遊技中は、静止時間は35割込(約80ms)と短く停止後すぐに揺れ変動処理に移行し、リールが停止することなく揺れ変動しているように遊技者にみせることが可能となる。そのため、遊技者に与える違和感を少なくすることができる。
減速時パルスデータとして4相励磁(オン)の代わりに2相励磁(オン)のデータを使用してもよい。例えば、2相励磁(オン)のときは、4相励磁(オン)のときと較べて励磁を開始する位置が異なる(2相励磁のときは4相励磁のときよりも遅く励磁をかける)ようにすることが好ましい。それは、2相励磁の方が4相励磁よりもブレーキ力(例:2相励磁で4ステップ、4相励磁で5ステップ)が強いため(慣性力が異なるため)、仮に4相励磁と同タイミングで励磁をかけると、2相励磁の場合には目的の定位置よりも上方で図柄が停止してしまうからである。
<揺れ変動カウンタ>
図21は、揺れ変動カウンタと図柄の仮停止位置(出力相)との対応関係を示す図である。主制御回路100は、割込処理の開始時に揺れ変動カウンタの値が1、2にあるときは、ステッピングモータ42の出力相「Φ3・Φ0」を励磁して揺れ変動を上部の位置に制御し、揺れ変動カウンタの値が0、3〜159にあるときに、ステッピングモータ42の出力相「Φ0」を励磁して揺れ変動を下部の位置に制御する。
図21においては、揺れ変動カウンタの値が1にあるとき、割込処理の最後の方に行われるポート出力処理(図30参照)において揺れ変動の位置が上部の位置(Φ3・Φ0)に制御され、続く揺れ変動カウンタの値が1である遊技進行処理(メインループ)では、揺れ変動の位置が上部の位置(Φ3・Φ0)に維持される。そして、揺れ変動カウンタの値が2にあるとき、割込処理および遊技進行処理(メインループ)では、揺れ変動の位置が上部の位置(Φ3・Φ0)に維持される。揺れ変動カウンタのカウンタ値が3にあるとき、割込処理の最後の方に行われるポート出力処理において揺れ変動の位置が下部の位置(Φ0)に制御され、続く揺れ変動カウンタのカウンタ値が3である遊技進行処理(メインループ)では、揺れ変動の位置が下部の位置(Φ0)に維持される。
揺れ変動は、疑似遊技中にリール40が停止操作され、設定されたリール駆動パルス出力カウンタの35割込が経過後に、揺れ変動カウンタが0になると開始する。また、35割込が経過したとき、揺れ変動カウンタが4である場合にはΦ0が励磁され、揺れ変動カウンタが更新されて0になったのち、揺れ変動カウンタが1のときの割込処理のポート出力処理においてΦ3・Φ0が励磁される。
なお、揺れ変動カウンタの値が0になるまで揺れ変動を待機しなくてもよい。停止に要する励磁出力(35割込)が終了した後、揺れ変動カウンタの値に基づいて、直ぐに揺れ変動を実行することもできる。
また、揺れ変動カウンタは、主制御回路100のRAMの1の記憶領域に記憶される。3個のリールは、全て1の記憶領域の揺れ変動カウンタを参照するので、全てのリールは揺れ変動カウンタが見た目上2、3のときΦ3・Φ0に相当するステップ位置に図柄が仮停止している。そのため、3個のリールは、同期して揺れ変動する。なお、揺れ変動カウンタが記憶されるRAMの記憶領域は1に限らず複数あってもよい。
<揺れ変動カウンタとリール回転開始待機カウンタとの関係>
図22は、揺れ変動カウンタとリール回転開始待機カウンタとの関係を示す図である。図22(a)は、基本となる揺れ変動カウンタとリール回転開始待機カウンタとの関係を示す図である。主制御回路100は、揺れ変動カウンタ値が2、3にあるときに、見た目上、揺れ変動を上部の位置(Φ3・Φ0)に制御し、揺れ変動カウンタ値が0、1、4〜159の間にあるときに、見た目上、揺れ変動を下部の位置(Φ0)に制御する。
リール回転開始待機カウンタの初期値の範囲は2〜337であり、主制御回路100のメインループ制御において0〜335(336個)の乱数範囲からランダム抽選された値に+2をした値である。なお、336個の乱数の個数は、リールを1回転させるのに必要な励磁数336ステップと同じ数となっている。リール回転開始待機カウンタの初期値とは、スタートスイッチ36が操作されたときに最初に設定されるリール回転開始待機カウンタの値であり、割込毎に減算される値である。
このため、リールが実際に回転を始めるステップ位置と決定された乱数値は1対1で対応するので、例えば乱数の個数が500個であるときなど1対1に対応しない端数が発生する場合等に制御プログラムが複雑化することを防げる。
次に、各リール毎のリール回転開始待機カウンタの初期値の設定に使用される乱数の取得方法について説明する。
第1リール(左リール)用に使用されるリール回転開始待機カウンタ用の乱数の数値は、0〜335までの336通りの数値をとる。乱数値は、更新前の乱数値に151を加算することで生成される。加算値151は、素数であるため第1リール用の乱数は、336回の更新で全ての数値が出現する。
第1リール用の乱数は、割込毎に1回更新され、さらに、遊技開始(メダル投入)からスタートスイッチ36を受け付けるまでの区間と、リール回転開始から全リール停止までの区間で不特定回数更新される。
第2リール(中リール)用に使用されるリール回転開始待機カウンタ用の乱数の数値は、0〜335までの336通りの数値をとる。乱数値は、更新前の乱数値に283を加算することで生成される。加算値283は、素数であるため第1リール用の乱数は、336回の更新で全ての数値が出現する。第2リール用の乱数は、割込毎に1回更新される。
第3リール(右リール)用に使用されるリール回転開始待機カウンタ用の乱数の数値は、0〜335までの336通りの数値をとる。乱数値は、更新前の乱数値にリフレシュレジスタの値(ランダム更新される値)を加算することで生成される。第3リール用の乱数は、割込毎に1回更新される。
上記に記載した通り、乱数の取り得る範囲は、各リールで同一(0〜355)であるものの、乱数の更新方法については各リールで異なるようにしている。よって、リール回転開始待機カウンタ用の乱数の数値は、各リールで出来る限りランダムになるように構成されている。
また、0〜185(186個)の乱数範囲からランダム抽選された値に2ステップを割当てるようにしてもよい。例えば、乱数1が決定されたときは、リール回転開始待機カウンタの初期値を2とし、乱数2が決定されたときは、リール回転開始待機カウンタの初期値を4とする。
また、0〜95(96個)の乱数範囲からランダム抽選された値に4ステップを割当てるようにしてもよい。例えば、乱数1が決定されたときは、リール回転開始待機カウンタの初期値を4とし、乱数2が決定されたときは、リール回転開始待機カウンタの初期値を8とする。
また、図柄数に対応する0〜19(20個)の乱数範囲からランダム抽選された値に16、または17ステップを割当てるようにしてもよい。例えば、乱数1が決定されたときは、リール回転開始待機カウンタの初期値を16または17とし、乱数2が決定されたときは、リール回転開始待機カウンタの初期値を図柄に対応したステップ数(例えば16+17=34、17+17=34)とする。
このように図柄数に対応する乱数範囲からランダム抽選を行うことにより、少ないカウンタにより図柄単位のリール回転開始を行うことができる。
上記のように、乱数値の個数=全ステップ数(336)/n(nは自然数)となるようにnを設定してもよい。そのとき、nは具体的には1、2、4、8、16等になる。
揺れ変動カウンタが2のときリール回転開始待機カウンタが3であり、揺れ変動カウンタが3のときリール回転開始待機カウンタが2である場合、ステッピングモータ42のΦ3・Φ0が励磁される。そして、リール回転開始待機カウンタが0の時、リール駆動パルス出力カウンタが50割込である加速処理の最初の処理が開始される。加速処理では、8回のリール駆動パルス出力カウンタの切替えが行われ、切替えの回数はリール駆動パルス切替え回数で表わされる。
図22(b)は、揺れ変動カウンタが3、リール回転開始待機カウンタが1であるときにおける揺れ変動カウンタとリール回転開始待機カウンタとの関係を示す図である。揺れ変動カウンタが3、リール回転開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなし、リール駆動パルス出力カウンタが50割込である加速処理の最初の処理が開始される。すると、次の割込時(揺れ変動カウンタ4のとき)には、リールがΦ3・Φ0の位置からΦ0の位置に1ステップ回転するため、図中仮想位置と書かれたΦ0の位置に「7」図柄があることになる。
次に、揺れ変動カウンタが3であり、左リールがリール開始待機カウンタ≠1且つ1より大きく、中リールがリール開始待機カウンタ≠1且つ1より大きく、右リールがリール開始待機カウンタ=1である場合について説明する。
左リールのリール開始待機カウンタが例えば2であるときは、出力相はΦ3・Φ0になり、次の割込時には、揺れ変動カウンタが4、リール開始待機カウンタが1となり出力相はΦ0になる。そして、リール開始待機カウンタが0になると、加速処理が開始される。
また、中リールのリール開始待機カウンタが例えば20であるときは、出力相はΦ0になり、次の割込時には、揺れ変動カウンタが4、リール開始待機カウンタが19となり出力相はΦ0になる。そして、リール開始待機カウンタが0になると、加速処理が開始される。
また、右リールのリール開始待機カウンタが例えば1であるときは、リール回転開始待機カウンタを0とみなし、リール駆動パルス出力カウンタが50割込である加速処理の最初の処理が開始される。つまり、右リールのみ例外としてリール開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなす。
このとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなした位置が基準位置(Φ0)から1ステップ上の位置(Φ3・Φ0)であることから1ステップ上の位置(Φ3・Φ0)から加速処理が開始されることとなる。
リール回転開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなさない場合、リール開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなす場合と較べて、一定速度に達するときが「1割込み」遅くなる。よって、リール開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなすことにより一定速度に達するときが「1割込み」遅くなることを防げる。
一方、図22(a)に示す例で説明したように、揺れ変動カウンタが2、3以外の0、1、4〜159にあるとき、リール回転開始待機カウンタが0であると出力相はΦ0となり、加速処理の開始時の出力相の殆どがΦ0になる。つまり、3つのリールにおいて、加速処理の開始時の出力相がΦ0になることを基本としている。前述のように、揺れ変動カウンタが3、リール回転開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなさないと、加速処理の開始時の出力相はΦ3・Φ0となる。そのため、2つのリールにおいて加速処理の開始時の出力相がΦ0、1つのリールにおいて加速処理の開始時の出力相がΦ3・Φ0となり、3つのリールにおいて、加速処理の開始時の出力相にずれが生じる。このため、加速処理中に、例えばエラー等でリールが停止したときに、図柄の位置が3つのリールにおいてずれて表示されてしまう不具合が起こる。
このため、揺れ変動カウンタが2または3、リール回転開始待機カウンタが1であるとき、リール回転開始待機カウンタを0とみなすことにより、リールは1割込早く回転を始めるので、3つのリールにおいて、加速処理の開始時の出力相にずれが生じることを防げる。
図22(c)は、揺れ変動カウンタが1、リール回転開始待機カウンタが1である場合における揺れ変動カウンタとリール回転開始待機カウンタとの関係を示す図である。揺れ変動カウンタが1、リール回転開始待機カウンタが1であるとき、次の割込時に揺れ変動カウンタが2、リール回転開始待機カウンタが0になると、本来ならば、ステッピングモータ42の出力相はΦ3・Φ0に励磁される。しかし、本実施形態においては、3つのリールにおいて、加速処理の開始時の出力相にずれが生じることを防ぐために、揺れ変動カウンタが1、リール回転開始待機カウンタが1である場合、次の割込時にリール回転開始待機カウンタが0となると、出力相をΦ0に移持することが行われる。
このため、揺れ変動カウンタが1、リール回転開始待機カウンタが1であるとき、次の割込時にリール回転開始待機カウンタが0となったとき出力相をΦ0に移持することにより、3つのリールにおいて、加速処理の開始時の出力相にずれが生じることを防げる。
揺れ変動カウンタが1であり、左リールがリール開始待機カウンタ≠1且つ1より大きく、中リールがリール開始待機カウンタ≠1且つ1より大きく、右リールがリール開始待機カウンタが1である場合について説明する。
左リールのリール開始待機カウンタが例えば4であるときは、出力相はΦ0になり、次の割込時には、揺れ変動カウンタが2、リール開始待機カウンタが3となり出力相はΦ3・Φ0になる。そして、リール開始待機カウンタが0になると、加速処理が開始される。
また、中リールのリール開始待機カウンタが例えば20であるときは、出力相はΦ0になり、次の割込時には、揺れ変動カウンタが2、リール開始待機カウンタが19となり出力相はΦ3・Φ0になる。そして、リール開始待機カウンタが0になると、加速処理が開始される。
また、右リールのリール開始待機カウンタが例えば1であるときは、次の割込時にリール回転開始待機カウンタが0となったとき出力相をΦ0に移持し、リール駆動パルス出力カウンタが50割込である加速処理の最初の処理が開始される。つまり、右リールのみ例外としてリール開始待機カウンタが1であるとき、次の割込時にリール回転開始待機カウンタが0となったとき出力相をΦ0に移持する。
図22(b)や図22(c)における右リールのように例外的な制御をすると、一定速度に達するときのタイミングを抽選により定めたランダム遅延時間(リール開始待機カウンタの初期値)に正しく設定することができる。
<主制御回路100のRAM>
図23は、リール駆動状態等を記憶する主制御回路100のRAMの内容を示す図である。一番左の行はRAMの番地、左から2番目の行はデータ種類、左から3番目の行はデータ内容、左から4番目の行はデータ範囲(数値)を示す。
番地7E64には、第1リール(左リール)の駆動状態である、リール駆動状態番号(数値範囲0〜5)が記憶される(図18参照)。数値は1バイトのデータで表わされ、データの第0ビットは1、第1ビットは2、第2ビットは4、第3ビットは8、第4ビットは16、第5ビットは32、第6ビットは64、第7ビットは128に対応する。例えば、「00000000」は十進数で表すと0、「00000001」は1、「00000011」は3、「00000111」は7を示す。
番地7E65には、第1リールの駆動パルス出力カウンタの励磁を切替える割込み回数(数値範囲0〜90)が記憶され、疑似遊技では35、通常遊技では90が記憶される。また、番地7E65には、加速中においては、加速処理で次のステップ数に切り替えるまでに要する割込み回数も記憶される。番地7E66には、リール加速時における第1リールの駆動パルス切替え回数(数値範囲0〜10)が記憶される(図14参照)。番地7E67には、第1リールの1図柄のステップ数(数値範囲0〜16)が記憶される。番地7E68には、通過位置用の第1リールの図柄番号であって、中段を通過している図柄番号(数値範囲0〜19)が記憶され、リールセンサ未通過時にはFFHが記憶される。番地7E69には、停止位置用の第1リールの図柄番号であって、中段に停止している図柄番号(数値範囲0〜19)が記憶され、停止させる図柄番号が未設定時にはFFHが記憶される。
番地7E6Bには、第1リールのリール駆動パルスデータ検索用カウンタであって、出力相(リール駆動パルスデータ)を生成するためのカウンタ(数値範囲0〜255)が記憶される。番地7E6Cには、第1リールのリール回転開始待機カウンタであって、最小遊技時間経過からリール回転開始までの割込回数(数値範囲0〜337)が記憶される。なお、説明を省くが、第2リール、第3リールに関しても第1リールと同様の記憶領域がある。
図24は、リール駆動データ等を記憶する主制御回路100のRAMの内容を示す図である。番地7EB2には、第1リールのリール駆動データ (数値範囲0、2、3、4)が記憶される(図16参照)。番地7EB3には、第2リールのリール駆動データ (数値範囲0、2、3、4)が記憶され、番地7EB4には、第3リールのリール駆動データ (数値範囲0、2、3、4)が記憶される。
[制御回路で行われる各種処理の説明]
次に、上述した制御回路によって行われる各種の制御について、フローチャートを参照して説明する。
≪主制御回路における制御処理の説明≫
まず、主制御回路100において実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図25、26のフローチャートを用いながら説明する。
まず、スロットマシン10の電源を投入すると、主制御回路100は、スロットマシン10の内部に設けられている各種スイッチにおいて、「設定」の値を変更するための操作がなされているか否かを判断し、「設定」の値を変更するための操作がなされている場合は、その後の操作に応じて現在の「設定」を変更する電源投入処理を行う(ステップS10)。次に、主制御回路100は、スロットマシン10に設定されている設定値(1〜6のいずれか)の情報を含んだ設定値指定コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS12)。そして、これから行う単位遊技がMB遊技または再遊技であれば、そのいずれであるのかを示す情報を含んだ遊技状態コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS14)。さらに、現在のRT状態が、非RT中であるのか、RT中であるのかを示す情報を含んだRT状態コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS16)。
次に、主制御回路100は、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断し(ステップS18)、MB遊技中である(YES)と判断したときは、MB遊技の終了条件が成立するまでの残りメダル枚数を含むMB獲得可能枚数コマンドを副制御回路200に対して送信する(ステップS20)。主制御回路100が、ステップS20の処理を行うと、または、ステップS18の判断処理でMB遊技中ではない(NO)と判断したときは直ちに、次に行う単位遊技が再遊技であるか否かを判断する(ステップS22)。主制御回路100が次に行う単位遊技が再遊技である(YES)と判断したときは、規定枚数が2枚となるMB遊技中には再遊技役が入賞しないことから、副制御回路200に対して自動メダル投入(3)コマンドを送信する(ステップS24)。
主制御回路100は、次に行う単位遊技が再遊技でない(ステップS22/NO)と判断したときは直ちに、メダル投入口32にメダルが投入されたか否かを判断する(ステップS30)。そして、メダルが投入された(ステップS30/YES)と判断したときは、副制御回路200に対して手動メダル投入コマンドを送信する(ステップS32)。メダルの投入操作が行われなかった(ステップS30/NO)と判断したときは、1−ベットスイッチ34または最大ベットスイッチ35が操作されたか否かを判断する(ステップS34)。主制御回路100がいずれのベットスイッチも操作されなかった(ステップS34/NO)と判断したときは、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達したか否かを判断する(ステップS38)。いずれかのベットスイッチが操作された(ステップS34/YES)と判断したときは、操作されたベットスイッチの種類と、現在の遊技状態に応じて自動メダル投入(1)〜(3)コマンドのいずれかを副制御回路200へ送信する(ステップS36)。そして、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達したか否かを判断する(ステップS38)。
主制御回路100が、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達していない(ステップS38/NO)と判断したときは、前述したステップS30の判断処理へ戻る。投入されたメダルの枚数が規定枚数に達した(ステップS38/YES)と判断したときは、このときスロットマシン10に投入されているメダルの枚数が、規定枚数に到達していたときは、投入されたメダルの枚数を、記憶しているクレジット数(貯留枚数)に加算する。
次にスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS40)。ここで、ステップS22で、次に行う単位遊技が再遊技である(ステップS22/YES)と判断された時は、ステップS38の判断結果はYESとなる。そして、ステップS40の判断処理で、主制御回路100が、スタートスイッチ36が操作されていない(ステップS40/NO)と判断したときは、ステップS30の判断処理に戻る。このように、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達し、かつ、スタートスイッチ36が操作されるまで、ステップS30〜S36のメダル投入処理が繰り返し行われる。
なお、上述のフローでは、単位遊技が再遊技であるとき、ベットスイッチの操作およびメダル投入は行われないものとしたが、単位遊技が再遊技であるときにベットスイッチの操作およびメダル投入を行うことを可能にしてもよい。疑似遊技およびリール演出を含むフリーズ中において、ベットスイッチの操作およびメダル投入を行うことを可能にしてもよい。
主制御回路100が、スタートスイッチ36が操作されたと判断したとき(ステップS40/YES)、副制御回路200へスタートスイッチ受付コマンドを送信する(ステップS42)。次に、主制御回路100は、役抽選処理を行う(ステップS44)。すなわち、現在の遊技状態が非内部中または内部中であれば、図5に示した役抽選テーブルに基づいて役抽選を行う。また、MB遊技中であれば、全ての小役を当選した状態とする。さらに、遊技状態が「非内部中」であるときに、MB役が当選し、MB役の当選を持ち越した場合は、遊技状態を「内部中」に更新する。この役抽選処理を終えると、主制御回路100は、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS46)。
次に、ステップS46に続く制御処理の説明を、図26のフローチャートを用いながら説明する。まず、主制御回路100は、現在の遊技状態が「MB遊技」中であるか否かを判断する(ステップS48)。そして、「MB遊技」中である(YES)と判断したときは、ステップS66の判断処理へ移行する。「MB遊技」中でない(NO)と判断したときは、ステップS50の特殊演出開始決定処理へ移行する。
<特殊演出開始決定処理の説明>
次に、図26のステップS50に示した特殊演出開始決定処理の詳細な内容について、図27のフローチャートを参照しつつ説明する。
<特殊演出開始決定処理>
図27は、特殊演出開始の決定処理を説明するためのフローチャートである。まず、主制御回路100は乱数発生器から、乱数RND(0〜71のいずれかの整数)を抽出する(ステップS100)。次に主制御回路100は、疑似遊技高確率モードの抽選を行う(ステップS102)。そして、疑似遊技高確率モードが当選したか否かが判断される。具体的には抽出した乱数RNDの値が2または3であるか否かを判断する(ステップS104)。疑似遊技高確率モードが当選したと判断したとき(ステップS104/YES)、抽出した乱数RNDの値が「4」未満、すなわち「3」以下であるか否かを判断する(ステップS106)。乱数RNDの値が「4」以上ではずれである(ステップS106/NO)と判断したときは、現在の特殊演出番号PDを「0」に更新し(ステップS114)、フラグAを1(通常遊技状態)に設定し(ステップS116)、図27の特殊演出開始決定処理を終了し、図26のステップS52の判断処理へ移行する。
これに対して乱数RNDの値が「3」以下である(ステップS106/YES)と判断したときは、ステップS100で抽出した乱数RNDの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS108)、乱数RNDの値が「0」または「1」である(ステップS108/YES)と判断したときは、現在の特殊演出番号PDを「A」に更新する(ステップS110)。乱数RNDの値が「0」または「1」でないすなわち「2」または「3」である(ステップS108/NO)と判断したときは、現在の特殊演出番号PDを「B」に更新する(ステップS112)。
一方、疑似遊技高確率モードが当選してないと判断したとき(ステップS104/NO)、抽出した乱数RNDの値が「2」未満、すなわち「1」以下であるか否かを判断する(ステップS118)。乱数RNDの値が「2」以上ではずれである(ステップS118/NO)と判断したときは、ステップS114の処理を行う。これに対して乱数RNDの値が「1」以下である(ステップS118/YES)と判断したときは、抽出した乱数RNDの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS120)、乱数RNDの値が「0」である(ステップS120/YES)と判断したときは、現在の特殊演出番号PDを「A」に更新する(ステップS122)。乱数RNDの値が「0」でない(ステップS120/NO)と判断したときは、現在の特殊演出番号PDを「B」に更新する(ステップS124)。
また、ステップS110、ステップS112、ステップS122、ステップS124の処理の後、図27の特殊演出開始決定処理を終了し、図26のステップS52の判断処理へ移行する。
図26に戻り、主制御回路100は、特殊演出開始決定処理の結果を副制御回路200に送信する(ステップS52)。なお、ステップS50およびステップS52の処理は、役抽選処理(ステップS44)の後、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドの副制御回路200へ送信処理(ステップS46)の前に行われてもよい。特殊演出の開始が決定されたとき(ステップS54/YES)、特殊演出中フラグをオンにする(ステップS56)。そして、副制御回路200へ特殊演出開始コマンドを送信し(ステップS58)、特殊演出制御処理を開始する(ステップS60)。この特殊演出制御処理の内容については、後に詳しく説明する。特殊演出制御処理を終えると、主制御回路100は、副制御回路200へ特殊演出終了コマンドを送信し(ステップS62)、特殊演出中フラグをオフにする(ステップS64)。
ステップS64の処理を終えると、主制御回路100は、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから、4.1秒が経過したか否かを判断する(ステップS66)。そして、4.1秒が経過していない(ステップS66/NO)と判断したとき、4.1秒が経過するまで待機状態となり、4.1秒が経過した(ステップS66/YES)と判断すると、回転待機終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS68)。なお、疑似遊技終了後のリールの回転開始のランダム遅延時間の取得は、ステップS70のリール回転制御を開始する前に行われる。次に、主制御回路100は、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させるためのリール回転制御を開始し(ステップS70)、後述する割込中の加速中に使用されるリール駆動パルス切替え回数(8回)を取得する(ステップS71)。次いで副制御回路200へリール回転開始コマンドを送信する(ステップS72)。
なお、主制御回路100は、ステップS60の特殊演出処理によって、特殊演出を全リール停止後まで実行したとき、ステップS70のリール回転制御処理において、リール40L,40C,40Rの回転を開始するタイミングを、各々ランダムに遅延させる。これにより、リール40L,40C,40Rを用いる特殊演出を行ったことによって、当該特殊演出を行わなかった場合に比べて、例えば遊技者の目押しが有利になる、といったことを避けることができる。なお、全リール停止後まで特殊演出を行った後は、再びリール40L,40C,40Rの回転を開始する際に、一旦、前回の単位遊技で表示窓22に停止表示された図柄に戻してから、各リールを一斉に回転させるようにしてもよい。また、各リールの回転を、各々ランダムに遅延させる場合と、前回の単位遊技の停止表示図柄に一旦戻してから一斉に回転させる場合とを、適宜切り替えて回転させてもよい。
次に主制御回路100は、リール回転速度が所定の定常回転速度(例えば、約80回転/分)に達したことにより、ストップスイッチの操作を受け付けることができる状態になると、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS74)。そして、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と判断したとき、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS76)。これにより、副制御回路200では、各リール停止受付コマンドの受信を契機として、実行中の演出内容を切り替えていくなど、演出や各種報知に関する制御が行われる。
ステップS76の処理を行うと、主制御回路100は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、役抽選の結果と、ストップスイッチが操作されたタイミングとに基づいてリール停止制御を行う(ステップS78)。なお、このリール停止制御の内容は、図3に示したリール制御手段122によるリール停止制御について説明した通りである。そして、リール停止制御を行ったことによりリールが停止すると、主制御回路100は、副制御回路200に対してリール停止コマンドを送信する(ステップS80)。次に主制御回路100は、全てのリールが停止したか否かを判断し(ステップS82)、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したとき、ステップS74の処理へ戻る。これに対して、全てのリールが停止した(YES)と判断したとき、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う(ステップS84)。このとき、MB役が入賞したと判定した場合は、遊技状態を「内部中」から「MB遊技」に更新する。
これにより主制御回路100は、何らかの役が入賞したと判定したとき、その入賞役の種類を、また、いずれの役も入賞しなかったと判定したとき、その旨を示す情報を、作動図柄コマンドによって副制御回路200へ送信する(ステップS86)。次に主制御回路100は、入賞判定の結果に応じて払い出すメダルの枚数(0〜5枚)の情報を含むメダル払出開始コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS88)。ここで、入賞判定によっていずれの役も入賞しなかったと判定されたとき、メダル払出開始コマンドによって送信される払い出しメダルの枚数は0枚となる。
次に主制御回路100は、入賞判定の結果、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS90)。そして、いずれかの小役が入賞した(YES)と判断したとき、図3に示したホッパー駆動回路80を制御してメダル払出装置82を駆動し、入賞した小役に対応する払出枚数(図4(a)参照)のメダルを払い出す(ステップS92)。そして、メダルの払い出し終えると、主制御回路100は、メダル払出終了コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS94)、MB遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS96)。現在の遊技状態が「MB遊技」中であり、当該MB遊技中におけるメダルの払出枚数が18枚を超えた(YES)と判断すると、主制御回路100は、MB遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS98)、ついで単位遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS99)。
これに対して、ステップS96の判断処理で、現在の遊技状態が「MB遊技」中ではないとき、または、「MB遊技」中であっても払出枚数が18枚を超えていないとき、判断結果がNOとなって、直ちにステップS99の処理へ移行し、単位遊技終了コマンドのみを副制御回路200へ送信する。そして、単位遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信すると、再びステップS12の処理へ戻り、次の単位遊技を行うための処理を開始する。以下、ステップS12〜S99の処理を繰り返し行うことにより、遊技者は単位遊技を継続して繰り返し行うことができる。
<特殊演出Aの制御処理の説明>
次に、図26のステップS60に示した特殊演出制御処理において、特殊演出の処理が行われる場合を図28のフローチャートを参照しつつ説明する。主制御回路100は、図28のステップS200の処理へ進むと、特殊演出制御処理を開始し、特殊演出番号PDがAか否かを判断する(ステップS200)。主制御回路100は、特殊演出番号PDがAであると判断すると(ステップS200/YES)、フラグAを2(疑似遊技状態)に設定する(ステップS202)。
そして、割込回数WTの値を「8949」にセットする(ステップS204)。なお、各操作毎に割込回数WTの代りに無操作許容時間WT(例えば、約20秒)をセットしてもよい。ここで、割込回数WTは主制御回路100のRAMなどに記憶されている変数であり、特殊演出中に遊技者が操作を行うことができる許容時間を示している。後述するように、割込回数WTの値は、後述する割込処理である計時処理によって1割込毎に「1」ずつ減少していき、「0」になると制御回路100は特殊演出を強制的に終了させる。換言すると、疑似遊技が開始されてから全リールに対応する停止操作を受け付けるまでに所定時間が経過すると疑似遊技を終了させるために全てのリールを仮停止させる制御を行う。したがって、割込回数WTの値が「8949」ということは、8949割込後(約20秒後)に疑似遊技演出が終了することを示している。なお、全てのリールの回転中に割込回数WTの値が「0」となったとき、リール40L、40C、40Rの中のいずれか一つのリールのみをあらかじめ定められた順序に沿って仮停止し、一つのリールが仮停止する度に、割込回数WTの値を「8949」に設定するようにしてもよい。また、疑似遊技が開始されてから何れかの停止操作を受け付けるまで、または、何れかの停止操作がなされてから次の停止操作がなされるまでに所定時間が経過すると、疑似遊技を終了させるために仮停止制御がなされていないリールを仮停止させる制御を行っても良い。
次に主制御回路100は、左リール40L、中リール40C、右リール40Rにおいて「7」図柄が有効ラインLに、仮停止する停止テーブルを作成する(ステップS206)。
次に主制御回路100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、全てのリールが定速に到達したか否かを判断する(ステップS208)。主制御回路100は、単位遊技中における回転速度(約毎分80回転)と同じ回転速度(例えば毎分80回転)となるように、リール40L,40C,40Rを加速させる。リールの回転開始から定速に至るまでの加速処理は、後述する割込処理によって行われる。なお、主制御回路100は、単位遊技中における回転速度(約毎分80回転)よりも速い回転速度(例えば毎分90回転)となるように、リール40L,40C,40Rを加速させても良い。これに限らず、単位遊技中における回転速度よりも遅い速度回転させる、単位遊技中とは異なる方向にリールを回転させる、各リールの回転を開始させるタイミングを任意に、または、遊技状態や役抽選の結果などに応じて変更する等、単位遊技中とは異なる回転制御を行っても良い。また、これらの回転制御を、特殊演出の実行毎に適宜切り替えても良い。さらに、単位遊技中におけるリール回転制御と、同じ加速度および回転速度で定速回転させても良い。
そして、全てのリールが一定の回転速度になると(ステップS208/YES)、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して最初の操作(第1停止操作)が行われたか否かを判断し(ステップS210)、第1停止操作が行われていないと判断したとき(ステップS210/NO)、割込回数WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS224)。そして、割込回数WTの値が「0」になったと主制御回路100が判断したとき(ステップS224/YES)、回転しているリール40の中の左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの「7」図柄が有効ラインLに仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS226)。全てのリールの「7」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS226/NO)、全てのリールの「7」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS226/YES)、全てのリールは揺れ変動する。
また、割込回数WTの値が「0」になっていない(NO)と主制御回路100が判断したとき、ステップS210の判断処理に戻る。以下、遊技者によって第1停止操作が行われるか、割込回数WTの値が「0」になるまで、ステップS210およびS224の判断処理が繰り返し行われる。
なお、割込回数WTの値が「0」になった(ステップS224/YES)と主制御回路100が判断したとき、いずれのリール40も自動停止することなく回転を続けるようにしてもよい。このとき、図27のステップS116の処理に移行するようにする。これにより、所定時間停止操作が無いときには、特殊演出が自動的に終了し、通常遊技が行われる。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第1停止操作が行われたと判断したとき、ステップS210の判断結果がYESとなり、割込回数WTの値を「8949」にセットし直す(ステップS212)。そして、第1停止操作がされたのは、左ストップスイッチ37Lであるか否かを判断し(ステップS214)、左ストップスイッチ37Lであると主制御回路100が判断したとき(ステップS214/YES)、入賞ラインL(中段)に左リール40Lの「7」図柄が仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS216)。左リール40Lの「7」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS216/NO)、左リール40Lの「7」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS216/YES)、左リール40Lは揺れ変動する。
左ストップスイッチ37Lでない(ステップS214/NO)と主制御回路100が判断したとき、中ストップスイッチ37Cであるか否かを判断し(ステップS218)、中ストップスイッチ37Cである(ステップS218/YES)と主制御回路100が判断したとき、入賞ラインL(中段)に中リール40Cの「7」図柄が仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS220)。中リール40Cの「7」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS220/NO)、中リール40Cの「7」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS220/YES)、中リール40Cは揺れ変動する。
中ストップスイッチ37Cでない(ステップS218/NO)と主制御回路100が判断したとき、入賞ラインL(中段)に右リール40Rの「7」図柄が仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS222)。右リール40Rの「7」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS222/NO)、右リール40Rの「7」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS222/YES)、右リール40Rは揺れ変動する。
主制御回路100は、ステップS216、ステップS220、ステップS222の処理のあと、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して2回目の操作(第2停止操作)が行われたか否かを判断する(ステップS230)。第2停止操作が行われていない(ステップS230/NO)と判断したとき、割込回数WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS244)。そして、割込回数WTの値が「0」になったと主制御回路100が判断したとき(ステップS244/YES)、ステップS226と同様の処理が行われる(ステップS246)。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第2停止操作が行われたと判断したとき、ステップS230の判断結果がYESとなり、ステップS212〜222の処理と同様の処理が行われる(ステップS232〜242)。
主制御回路100は、ステップS236、ステップS240、ステップS242の処理のあと、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して3回目の操作(第3停止操作)が行われたか否かを判断する(ステップS250)。第3停止操作が行われていない(ステップS250/NO)と判断したとき、割込回数WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS264)。そして、割込回数WTの値が「0」になったと主制御回路100が判断したとき(ステップS264/YES)、ステップS226と同様の処理が行われる(ステップS266)。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第3停止操作が行われたと判断したとき、ステップS250の判断結果がYESとなり、ステップS212〜222の処理と同様の処理が行われる(ステップS252〜262)。
主制御回路100は、ステップS226、ステップS246、ステップS256、ステップS260、ステップS262、またはステップS266の処理のあと、7揃が成立しているため、7揃成立コマンドを、副制御回路200へ送信し(ステップS268)、図26のステップS62の処理に移行する。
<特殊演出Bの制御処理の説明>
次に、図29のステップS200/NOのとき、特殊演出Bの処理が行われる場合を図29のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、主制御回路100は、フラグAを2(疑似遊技状態)に設定する(ステップS302)。
そして、割込回数WTの値を「8949」にセットする(ステップS304)。次に主制御回路100は、左リール40L、中リール40C、右リール40Rにおいて「BAR」図柄が有効ラインLに、仮停止する停止テーブルを作成する(ステップS306)。
次に主制御回路100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始し、全てのリールが定速に到達したか否かを判断する(ステップS308)。そして、全てのリールが一定の回転速度になると(ステップS308/YES)、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して最初の操作(第1停止操作)が行われたか否かを判断し(ステップS310)、第1停止操作が行われていない(ステップS310/NO)と判断したとき、割込回数WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS324)。そして、割込回数WTの値が「0」になったと主制御回路100が判断したとき(ステップS324/YES)、回転しているリール40の中の左リール40L、中リール40Cおよび右リール40Rの「BAR」図柄が有効ラインLに仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS326)。全てのリールの「BAR」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS326/NO)、全てのリールの「BAR」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS326/YES)、全てのリールは揺れ変動する。また、割込回数WTの値が「0」になっていない(NO)と主制御回路100が判断したとき、ステップS310の判断処理に戻る。以下、遊技者によって第1停止操作が行われるか、割込回数WTの値が「0」になるまで、ステップS310およびS324の判断処理が繰り返し行われる。
なお、割込回数WTの値が「0」になった(ステップS324/YES)と主制御回路100が判断したとき、いずれのリール40も自動停止することなく回転を続けるようにしてもよい。このとき、図27のステップS116の処理に移行するようにする。これにより、所定時間停止操作が無いときには、特殊演出が自動的に終了し、通常遊技が行われる。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第1停止操作が行われたと判断したとき、ステップS310の判断結果がYESとなり、割込回数WTの値を「8949」にセットし直す(ステップS312)。そして、第1停止操作がされたのは、左ストップスイッチ37Lであるか否かを判断し(ステップS314)、左ストップスイッチ37Lである(ステップS314/YES)と主制御回路100が判断したとき、入賞ラインL(中段)に左リール40Lの「BAR」図柄が仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS316)。左リール40Lの「BAR」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS316/NO)、左リール40Lの「BAR」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS316/YES)、左リール40Lは揺れ変動する。
左ストップスイッチ37Lでない(ステップS314/NO)と主制御回路100が判断したとき、中ストップスイッチ37Cであるか否かを判断し(ステップS318)、中ストップスイッチ37Cである(ステップS318/YES)と主制御回路100が判断したとき、入賞ラインL(中段)に中リール40Cの「BAR」図柄が仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS320)。中リール40Cの「BAR」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS320/NO)、中リール40Cの「BAR」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS320/YES)、中リール40Cは揺れ変動する。
中ストップスイッチ37Cでない(ステップS318/NO)と主制御回路100が判断したとき、入賞ラインL(中段)に右リール40Rの「BAR」図柄が仮停止表示されたか否かを判断する(ステップS322)。右リール40Rの「BAR」図柄が仮停止表示されるまで割込処理が行われ(ステップS322/NO)、右リール40Rの「BAR」図柄が中段に仮停止表示されると(ステップS322/YES)、右リール40Rは揺れ変動する。
主制御回路100は、ステップS316、ステップS320、ステップS322の処理のあと、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して2回目の操作(第2停止操作)が行われたか否かを判断する(ステップS330)。第2停止操作が行われていないと判断したとき(ステップS330/NO)、割込回数WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS344)。そして、割込回数WTの値が「0」になったと主制御回路100が判断したとき(ステップS344/YES)、ステップS326と同様の処理が行われる(ステップS346)。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第2停止操作が行われたと判断したとき、ステップS330の判断結果がYESとなり、ステップS312〜322の処理と同様の処理が行われる(ステップS332〜342)。
主制御回路100は、ステップS336、ステップS340、ステップS342の処理のあと、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して3回目の操作(第3停止操作)が行われたか否かを判断する(ステップS350)。第3停止操作が行われていないと判断したとき(ステップS350/NO)、割込回数WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS364)。そして、割込回数WTの値が「0」になったと主制御回路100が判断したとき(ステップS364/YES)、ステップS326と同様の処理が行われる(ステップS366)。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第3停止操作が行われたと判断したとき、ステップS350の判断結果がYESとなり、ステップS312〜322の処理と同様の処理が行われる(ステップS352〜362)。
主制御回路100は、ステップS326、ステップS346、ステップS356、ステップS360、ステップS362、またはステップS366の処理のあと、BAR揃が成立しているため、BAR揃成立コマンドを、副制御回路200へ送信し(ステップS368)、図26のステップS62の処理に移行する。
<割込処理の説明>
図30は、主制御回路で実行される割込処理の内容を示すフローチャートである。図30のフローチャートを参照しつつ割込処理を説明する。まず、主制御回路100は、メインループにおいてレジスタに記憶されているデータ、例えば、リール駆動状態(図18参照)等に用いる演出用データや演出結果等を別の記憶領域に退避する(ステップS500)。次に、揺れ変動カウンタを1加算し(ステップS502)、揺れ変動カウンタを保存する(ステップS504)。
次に、回転待機時間(4.1秒)や停止操作間(100ms〜200ms)の計測を行うタイマ計測が行われる(ステップS506)。次に、S510で処理されるリール駆動制御を行うリール数がセットされる(ステップS508)。ここでは、左、中、右リールがセットされる。そして、後に詳述するリールの駆動制御を行うリール駆動制御(ステップS510)、後に詳述するリールの揺れ変動制御を行う揺れ変動制御(ステップS512)、後に詳述するリールの出力相等の設定を行うリール回転演出制御(ステップS514)を行い、全てのリールについてステップS510〜ステップS514の処理が終了したか否かを判断する(ステップS516)。全てのリールについてステップS510〜ステップS514の処理が終了してないと判断したとき、ステップS510の処理に戻る。
主制御回路100は、全てのリールについてステップS510〜ステップS514の処理が終了したと判断したとき、ステップS510〜ステップS514の処理で決定された各リールの出力相(Φ0)、(Φ3・Φ0)等を、ステッピングモータ42に出力するポート出力処理(ステップS518)を行う。次に、各種乱数の更新を行う乱数更新処理(ステップS520)を行う。乱数更新処理は、必要に応じて行われる。次に、別の記憶領域に退避したレジスタのデータを復帰する(ステップS522)。
<リール駆動制御処理の説明>
次に、図30のステップS510に示したリール駆動制御処理において、リール駆動制御処理が行われる場合を図31のフローチャートを参照しつつ説明する。主制御回路100は、図31のステップS700の処理へ進むと、RAMに記憶されたリール駆動状態(図18参照)に基づき、リールが停止中または揺れ変動中であるか否かを判断する(ステップS700)。具体的には、リール駆動状態番号が0(停止中または揺れ変動中)か否かを判断する。主制御回路100は、リール駆動状態番号が0(停止中または揺れ変動中)であると判断すると(ステップS700/YES)、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。
リール駆動状態番号が0(停止中または揺れ変動中)でないと判断すると(ステップS700/NO)、リール駆動状態番号が1(リール回転待機中)か否かを判断する(ステップS702)。主制御回路100は、リール駆動状態番号が1(リール回転開始待機中)でないと判断すると(ステップS702/NO)、リール駆動状態番号が2(減速中)、リール駆動状態番号が3(減速開始中)、リール駆動状態番号が4(定速中)、リール駆動状態番号が5(加速中)であるので、図32のステップS732の処理に移行する。リール駆動状態番号が1(リール回転開始待機中)であると判断すると(ステップS702/YES)、リール回転開始待機カウンタの初期値を設定する(ステップS704)。
リール回転開始待機カウンタの初期値の範囲は2〜337であり、主制御回路100のメインループ制御において0〜335(336個)の範囲からランダム抽選された値に+2をした値が初期値である。そして、リール回転開始待機カウンタを−1する処理を行う(ステップS706)。ここで、疑似遊技と通常遊技とで処理を同一とするために、通常遊技時にはステップS704でリール回転開始待機カウンタの初期値として「1」を設定し、ステップS706で「0」とすることにより続く処理が実行されるようにしている。次に、減速終了フラグがオンか否かを判断する(ステップS708)。減速終了フラグは、図32のS741でオンされるフラグである。減速終了フラグがオンでないと判断すると(ステップS708/NO)、リール回転開始待機カウンタが0であるか否かを判断する(ステップS710)。リール回転開始待機カウンタが0でないと判断すると(ステップS710/NO)、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。リール回転開始待機カウンタが0であると判断すると(ステップS710/YES)、図32のステップS728の処理に移行する。
減速終了フラグがオンであると判断すると(ステップS708/YES)、揺れ変動フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS712)。揺れ変動フラグは、図32のS748でオンされるフラグである。揺れ変動フラグがオンでないと判断すると(ステップS712/NO)、ステップS718の処理に移行する。揺れ変動フラグがオンであると判断すると(ステップS712/YES)、揺れ変動カウンタが2又は3であるか否かを判断する(ステップS714)。揺れ変動カウンタが2又は3でないと判断すると(ステップS714/NO)、ステップS718の処理に移行する。
揺れ変動カウンタが2又は3であると判断すると(ステップS714/YES)、リール回転開始待機カウンタが1であるか否かを判断する(ステップS716)。リール回転開始待機カウンタが1でないと判断(ステップS716/NO)すると、ステップS718の処理に移行する。リール回転開始待機カウンタが1であると判断(ステップS716/YES)すると、リール回転開始待機カウンタを0にする処理が行われる(ステップS720)。リール回転開始待機カウンタが0であると判断すると(ステップS718/YES)、ステップS720の処理が行われる。リール回転開始待機カウンタが0でないと判断すると(ステップS718/YES)、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。
ステップS720の処理のあと、リール駆動データがクリアされ(ステップS722)、減速終了フラグがオフされ、保存される(ステップS724)。なお、ステップS720以後の処理は、揺れ変動後の加速準備期間となる。次に、揺れ変動フラグがオフされ、保存される(ステップS726)。そして、現在処理しているリール番号をセットする(ステップS728)。リール番号1は左リール、リール番号2は中リール、リール番号3は左リールを示す。そして、リール駆動状態を加速中にする(ステップS730)。そして、RAMのアドレスにリール駆動状態番号を記憶する(ステップS732)。
そして、リール駆動パルス出力カウンタを−1する(ステップS734)。次に、リール駆動パルス出力カウンタが0であるか否かを判断する(ステップS736)。リール駆動パルス出力カウンタが0でないと判断したとき(ステップS736/NO)、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。リール駆動パルス出力カウンタが0であると判断したとき(ステップS736/YES)、減速終了時パルスデータ(4相オフ)を設定する処理およびリール駆動状態を停止状態中にする処理が行われる(ステップS738)。次に減速中か否かを判断する(ステップS740)。減速中でないと判断したとき(ステップS740/NO)、図33に示すステップS756に示す処理に進む。減速中であると判断したとき(ステップS740/YES)、減速終了フラグをオンにして(ステップS741)、疑似遊技中であるか否かを判断する(ステップS742)。
疑似遊技中であると判断したとき(ステップS742/YES)、疑似遊技中の減速終了時パルスデータ(Φ0オン)を設定し、リール駆動状態を揺れ変動中に設定し、揺れ変動フラグをオンにする。疑似遊技中でないと判断したとき(ステップS742/NO)、リール駆動状態番号をRAMに格納する(ステップS750)。そして、副制御回路200に送信するリール回転停止時の出力データを設定し(ステップS752)、出力相(リール駆動パルスデータ)を保存する(ステップS754)。そして、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。
図33は、図32においてステップS740/NOのときに行われる処理を示すフローチャートである。主制御回路100は、後に図37を用いて詳述するリール駆動パルスデータ取得制御において出力相(リール駆動パルスデータ)を取得する(ステップS756)。次に、リール駆動状態が加速中か否かを判断する(ステップS758)。リール駆動状態が加速中であると判断すると(ステップS758/YES)、リール駆動パルス切替え回数を1減算する(ステップS760)。リール駆動パルス切替え回数の初期値は、図26のステップS71において8回が取得される。
次に、リール駆動パルス切替え回数が0か否かを判断する(ステップS762)。リール駆動パルス切替え回数が0であると判断したとき(ステップS762/YES)、リール駆動状態を定速中に更新する(ステップS768)。リール駆動パルス切替え回数が0でないと判断したとき(ステップS762/NO)、リール駆動パルス切替え回数に対応するリール駆動パルス出力カウンタを設定する(ステップS764)。そして、ステップS764およびステップS768の処理ののち、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。
一方、リール駆動状態が加速中でないと判断したとき(ステップS758/NO)、定速中または減速開始中であり、リールセンサ信号等を取得し、1図柄のステップ数(16ステップまたは17ステップ)から−1を行う処理が行われる(ステップS769)。ステップS769の処理のあと、図34のステップS770が行われる。
図34は、図33におけるステップS769の処理後に行われる処理を示すフローチャートである。まず、図柄が1図柄分動いたか否かを判断する(ステップS770)。図柄が1図柄分動いたと判断したとき(ステップS770/YES)、1図柄のステップ数(16ステップまたは17ステップ)を設定する(ステップS772)。次に、図柄番号を1加算する処理が行われ(ステップS774)、図柄番号が19以下か否かを判断する(ステップS776)。図柄番号が19以下であると判断したとき(ステップS776/YES)、リール駆動制御処理を終了し、図30のステップS512に示した揺れ変動制御処理を行う。図柄番号が19以下でない即ち図柄番号が20であると判断したとき(ステップS776/NO)、図柄番号を0に修正する(ステップS778)。
図柄が1図柄分動いていないと判断したとき(ステップS770/NO)、停止開始ステップ(13ステップ)であるか否かを判断する(ステップS780)。停止開始ステップ(13ステップ)でないと判断したとき(ステップS780/NO)、リール駆動制御処理を終了する。停止開始ステップ(13ステップ)であると判断したとき(ステップS780/YES)、疑似遊技中であるか否かを判断する(ステップS782)。疑似遊技中であると判断したとき(ステップS782/YES)、減速開始ステップにあるか否かを判断する(ステップS784)。
減速開始ステップにないと判断したとき(ステップS784/NO)、リール駆動制御処理を終了する。疑似遊技中でない(ステップS782/NO)、または減速開始ステップにあると判断したとき(ステップS784/YES)、停止図柄位置にあるか否かを判断する(ステップS786)。停止図柄位置にないと判断したとき(ステップS786/NO)、リール駆動制御処理を終了する。停止図柄位置にあると判断したとき(ステップS786/YES)、通常遊技時のリール駆動パルスカウンタ1(90割込)を設定する(ステップS788)。次に、減速時パルスデータ(4相オン)を設定し(ステップS790)、リール駆動状態を減速中に設定する(ステップS792)。
そして、疑似遊技中であるか否かを判断する(ステップS794)。疑似遊技中にないと判断したとき(ステップS794/NO)、図32のステップS750に移行する。疑似遊技中にあると判断したとき(ステップS794/YES)、疑似遊技時のリール駆動パルスカウンタ2(35割込)を設定し(ステップS796)、減速時パルスデータ(4相オン)を設定する(ステップS798)。そして、図32のステップS750に移行する。
なお、停止開始ステップ、減速開始ステップが同一の場合には、ステップS780とステップS784を一つの判断処理にすることができる。特に通常遊技時は4相励磁で減速処理を行い、疑似遊技時は2相励磁で減速処理を行う場合には、ステップS780とステップS784で異なるステップ位置で励磁の開始を行うことが好ましいため、2つの判断処理を行うことが望ましい。
<揺れ変動処理の説明>
次に、図30のステップS512に示した揺れ変動処理において、揺れ変動処理が行われる場合を図35のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、主制御回路100は、揺れ変動カウンタが0であるか否かを判断する(ステップS900)。揺れ変動カウンタが0であると判断したとき(ステップS900/YES)、減速終了フラグを取得し(ステップS902)、揺れ変動フラグを保存する(ステップS904)。
ステップS904の処理のあと、または、揺れ変動カウンタが0でないと判断したとき(ステップS900/NO)、揺れ変動フラグがオンか否かを判断する(ステップS906)。揺れ変動フラグがオンでないと判断したとき(ステップS906/NO)、揺れ変動処理を終了し、図30のステップS514に示したリール回転演出制御処理を行う。揺れ変動フラグがオンであると判断したとき(ステップS906/YES)、リール回転開始待機中か否かを判断する(ステップS908)。
リール回転開始待機中であると判断したとき(ステップS908/YES)、揺れ変動カウンタを0に補正する(ステップS910)。これは、前の割込と同位置の出力相を励磁するリール駆動データである3を取得するための補正である。次に、リール回転開始待機カウンタが1であるか否かを判断する(ステップS912)。リール回転開始待機カウンタが1であると判断したとき(ステップS912/YES)、ステップS920の処理に移行する。リール回転開始待機カウンタが1でないと判断したとき(ステップS912/NO)、揺れ変動カウンタを取得する(ステップS914)。
次に、揺れ変動カウンタが0〜3であるか否かを判断する(ステップS916)。揺れ変動カウンタが0〜3でないとき即ち4〜159であるとき(ステップS916/NO)、揺れ変動カウンタを0に補正する(ステップS918)。ここで、「揺れ変動カウンタを0に補正する」とは、揺れ変動駆動データテーブルから駆動データを取得するためのオフセット値(基準値)を取得するための処理である。具体的には揺れ変動駆動データテーブル(図16参照)の一番上のデータ「リール駆動データ3(Φ0を出力する)」を取得するためのものである。揺れ変動カウンタが0〜3であるとき(ステップS916/YES)、揺れ変動駆動データテーブル(図16参照)を設定する(ステップS920)。そして、各リールに応じたリール駆動データを保存する(ステップS922)。
<リール回転演出制御の説明>
次に、図30のステップS514に示したリール回転演出制御処理において、リール回転演出制御処理が行われる場合を図36のフローチャートを参照しつつ説明する。主制御回路100は、図36のステップS1100の処理へ進むと、リール駆動状態番号アドレスを設定する(ステップS1100)。具合的には、第1リールのアドレス(7E64)、第2リールのアドレス(7E6E)、第3リールのアドレス(7E78)のいずれかを設定する(図23参照)。
そして、各リールに応じたリール駆動データ(図24参照)を取得する(ステップS1102)。リール駆動データは0であるか否かを判断する(ステップS1104)。リール駆動データは0であるとき(ステップS1104/YES)、リール回転演出制御処理を終了し、図30のステップS516に示す処理を行う。リール駆動データは0でないとき(ステップS1104/NO)、リール駆動データによりリール駆動パルスデータ検索用カウンタを更新する(ステップS1106)。具体的には、前述の演算1、2を行う。次に、図37で詳細に説明する、リール駆動パルスデータ取得制御が行われる(ステップS1108)。
<リール駆動パルスデータ取得制御の説明>
次に、図36のステップS1108に示したリール回転演出制御処理において、リール駆動パルスデータ取得制御処理が行われる場合を図37のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、主制御回路100は、リール駆動パルスデータ検索用カウンタを+1する(ステップS1300)。具体的には、前述の演算3を行う。次に、リール駆動パルスデータ検索用オフセットを生成する(ステップS1302)。具体的には、前述の演算4を行う。そして、リール駆動パルステーブルを設定し(ステップS1304)、リール駆動パルスデータを取得する(ステップS1306)。
次に、リールモータ出力アドレスを設定する(ステップS1308)。具合的には、第1リールのアドレス、第2リールのアドレス、第3リールのアドレスのいずれかを設定する。そして、対応するリール駆動パルスデータを保存する(ステップS1310)。
<情報受信処理>
図38に示すフローチャートを参照して、主制御回路100から送信されたコマンドを受信する情報受信処理の内容について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から送信されたいずれかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS1500)。ここで、いずれのコマンドも受信していない(ステップS1500/NO)と、副制御回路200が判断したときは、図38の情報受信処理を終了する。これに対して、主制御回路100から何らかのコマンドを受信した(ステップS1500/YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信したコマンドが、7揃またはBAR揃成立コマンドであるか否かを判断する(ステップS1502)。
副制御回路200は、7揃またはBAR揃成立コマンドであると判断したとき(ステップS1502/YES)、サブボーナス(AT)が成立揃に応じて2または1個ストックされストック数(ST)が2または1加算される(ステップS1504)。受信したコマンドが、図26のステップS46の処理によって送信された役抽選結果1or2コマンドであるか否かを判断する(ステップS1506)。役抽選結果1or2コマンドであると判断したとき(ステップS1506/YES)、サブサブボーナス(AT)フラグがオンか否かが判断され(ステップS1508)、副制御回路200が役抽選結果1or2コマンドでないと判断したとき(ステップS1506/NO)、図38の情報受信処理を終了する。
サブボーナス(AT)フラグがオンであると判断したとき(ステップS1508/YES)、複合Aが当選したか否かを判断する(ステップS1518)。そして、複合Aが当選したと判断したとき(ステップS1518/YES)、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序として、左→中→右または左→右→中の操作順序を報知する(ステップS1520)。
また、複合Aが当選していないと判断したとき(ステップS1518/NO)、複合Bが当選したか否かを判断する(ステップS1528)。そして、複合Bが当選したと判断したとき(ステップS1528/YES)、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序として、中→左→右または中→右→左の操作順序を報知する(ステップS1530)。
また、複合Bが当選していないと判断したとき(ステップS1528/NO)、複合Cが当選したか否かを判断する(ステップS1532)。そして、複合Cが当選したと判断したとき(ステップS1532/YES)、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序として、右→左→中または右→中→左の操作順序を報知する(ステップS1534)。
ステップS1520、ステップS1530、ステップS1534、ステップS1532/NOの処理のあと、ATゲーム数(G)を1減算する処理(ステップS1522)を行う。次に、ATゲーム数(G)が0か否かを判断する(ステップS1524)。そして、ATゲーム数(G)が0であると判断したとき(ステップS1524/YES)、サブボーナス(AT)フラグをオフにする(ステップS1526)。そして、ATゲーム数(G)が0でないと判断したとき(ステップS1524/NO)、図38の情報受信処理を終了する。
一方、サブボーナス(AT)フラグがオンでないと判断したとき(ステップS1508/NO)、ストック数(ST)が0より大きいか否かを判断する(ステップS1510)。ストック数(ST)が0より大きいと判断したとき(ステップS1510/YES)、ストック数(ST)を1減算する(ステップS1512)。次に、サブボーナス(AT)フラグをオンにし(ステップS1514)、ATゲーム数(G)を50に設定する。また、ストック数(ST)が0より大きくないと判断したとき(ステップS1510/NO)、図38の情報受信処理を終了する。
なお、疑似遊技(特殊演出)が決定されたときに、疑似遊技の内容に応じて、サブボーナス中の第3停止後に発生するフリーズ演出(設定値の示唆等を行うエンディング演出等)を実行するゲーム数を設定するようにしてもよい。
例えば、BAR揃い/7揃いをする遊技時(サブボーナス開始時)に「50ゲーム」後の「第3停止操作後」にフリーズ演出(設定値の示唆等を行うエンディング演出等)を実行するようなゲーム数カウンタを備えることもできる。
また、単に遊技の実行回数をカウント(減算)するものではなく、「押し順ベル(小役1)が当選した回数」をカウント(減算)するように構成することもできる。もし押し順ベル(小役1)が当選した回数を採用した場合、入賞・非入賞に係わらず当選回数で減算することが好ましい。
さらに、BAR揃い時のサブボーナスの終了条件を50ゲーム、7揃い時のサブボーナスの終了条件を100ゲームというようにサブボーナスの終了条件を異なるようにして、ゲーム数カウンタの数を異なるように設定することもできる。
また、サブボーナス中の抽選結果等(ゲーム数上乗せ等)に応じて、サブボーナスの終了条件が延長されたときは、併せてゲーム数カウンタの数も加算する。