[第1実施形態]
以下、本発明の遊技機をパチンコ遊技機に具体化した第1実施形態について図1〜図13を参照して説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の図示しない中枠が開放及び着脱自在に組み付けられている。この中枠の前面側には、中央部に窓口14を有する前枠16が開閉及び着脱自在に組み付けられている。
前枠16の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。前枠16は、窓口14の下方に遊技球を貯留可能な上皿15を一体成形した構成とされている。
また、前枠16の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下皿23が装着されている。下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、パチンコ遊技機10には、発光演出(発光)を行う発光手段としてのランプ17と、各種音声を出力して音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカ20が配置されている。また、上皿15の上面15aには、貸し球(遊技球)の貸し受けに関しての各種操作を行うための操作部としての球貸し操作部が装備されている。
上皿15に貯留された遊技球は、発射ハンドル24の回動操作に応じて、貯留通路により上皿取込口へ案内され、1球ずつ機内に取り込まれ、機内に装備された発射ユニット49(図7に示す)によって遊技盤YBに向けて発射される。
次に、遊技盤YBの構成について図2を参照して詳しく説明する。
図2に示すように、遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール30が円形渦巻き状に敷設されている。この遊技領域H1は、遊技球が転動可能な領域であり、パチンコ遊技の主体となる領域である。この誘導レール30によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路30aが形成されるとともに、誘導レール30の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール30の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
また、遊技盤YBのほぼ中央には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体32が装着されている。本実施形態の表示枠体32は、遊技盤YBの前面側から当該遊技盤YBに装着される前面側部材YB1と、遊技盤YBの後面側から当該遊技盤YBに装着される裏面側部材YB2(図3に示す)とから構成されている。表示枠体32の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口32aが形成されており、当該セット口32aに整合して表示枠体32には、液晶ディスプレイ型の液晶表示部33aを有する表示手段としての演出表示装置33が配設されている。演出表示装置33には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置33の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置33の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、演出表示装置33の左下には、7セグメント型の特別図柄表示装置34aが配設されている。特別図柄表示装置34aでは、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。特別図柄表示装置34aには、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特別図柄が、図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。
そして、演出表示装置33には、特別図柄表示装置34aの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置34aに大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置33にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置34aにはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置33にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
なお、演出表示装置33に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置33に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。演出表示装置33は、特別図柄表示装置34aに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾り図柄は特別図柄に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置33に確定停止表示された飾り図柄から大当り又ははずれを認識し得る。
また、演出表示装置33では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチが形成される。ここで、一旦停止表示とは、液晶表示部33aにおいてゆれ変動状態で表示されている状態であり、液晶表示部33aにおいて図柄が確定停止している確定停止表示とは区別される。
特別図柄表示装置34aの右方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置34bが配設されている。特別図柄保留表示装置34bは、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動入賞口36に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口36へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、特別図柄保留表示装置34bの右方には、普通図柄表示装置35が配設されている。普通図柄表示装置35では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置35は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置35では、大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では下側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では上側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では上側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では下側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
演出表示装置33の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口36が配設されている。始動入賞口36は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図7に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根37を備えている。始動入賞口36は、開閉羽根37の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根37の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口36の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図7に示す)が配設されている。始動入賞口36は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(本実施形態では3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口36の下方には、第2アクチュエータとしての大入賞口ソレノイドSOL2(図7に示す)の作動により開閉動作(開閉制御)を行う開閉手段としての大入賞口扉38を備えた大入賞口39が配設されている。特別入球口としての大入賞口39の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図7に示す)が配設されている。大入賞口39は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば15個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口39は、大当り遊技中に大入賞口扉38の開動作によって開放される(開放状態となる)ことで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態において、これらのような大入賞口扉38、大入賞口39が特別入球手段として機能する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りが決定され、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定的に停止表示されて該図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始されると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉38の開動作により大入賞口39が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、16回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉38の開動作により大入賞口39が開放されてから大入賞口扉38の閉動作により大入賞口39が閉鎖される(閉鎖状態となる)迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口39は、規定入球数(例えば、10球)の遊技球が入球する迄の間、又は規定時間(1ラウンドは25s)が経過する迄の間、開放される。また、1回のラウンド遊技が終了した後には、予め定められた時間(本実施形態では1.5s)、ラウンドインターバル時間が設定されており、大入賞口扉38の閉動作により大入賞口39が閉鎖状態のまま継続される。そして、特定の大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、演出表示装置33の右方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)40が配設されている。ゲート40の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図7に示す)が配設されている。ゲート40は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、複数の可動体(可動演出部材)を設定しており、これらの可動体を各別に設定された所定の動作範囲(例えば、原位置から最大可動位置までの範囲)で動作させて行う可動演出が実行可能となっている。
図2及び図3に示すように、裏面側部材YB2においてセット口32aの上方には、上下方向に動作可能な五角形状の上可動体K1が配設されている。また、上可動体K1は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第1モータMOT1(図7及び図8に示す)と接続されている。また、上可動体K1の駆動伝達部には、上可動体K1の原位置を検出する第1モータ原位置センサSE1(図7及び図8に示す)が配設されている。なお、本実施形態における上可動体K1の原位置は、図2に示す位置である。
また、図3に示すように、裏面側部材YB2においてセット口32aの右上方には、ピストルの形を模したピストル可動体K2が上下方向に動作可能となるように配設されている。なお、ピストル可動体K2の原位置は、上可動体K1の原位置よりも裏面に位置しているため、ピストル可動体K2が原位置(図2に示す位置)に位置しているときには、上可動体K1によってピストル可動体K2を視認することができない。その一方で、ピストル可動体K2が最大可動位置(図3に示す位置)に位置しているときには、ピストル可動体K2を視認できるようになっている。
また、ピストル可動体K2は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第2モータMOT2(図7及び図8に示す)と接続されている。また、ピストル可動体K2の駆動伝達部には、ピストル可動体K2の原位置を検出する第2モータ原位置センサSE2(図7及び図8に示す)が配設されている。
また、図3に示すように、上可動体K1の後側には、上ランプL1と、該上ランプL1の周囲を回転する上リフレクタR1を、透過性を有するケースC1内に収容した上回転灯K3が配設されている。なお、上回転灯K3は、上可動体K1よりも裏面に位置しているため、上可動体K1が原位置に位置しているときには、上回転灯K3を視認することができない。その一方で、上可動体K1が最大可動位置に位置しているときには、上回転灯K3を視認することができるようになっている。また、上リフレクタR1は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第3モータMOT3(図7及び図8に示す)と接続されている。なお、本実施形態において上回転灯K3では、上リフレクタR1が回転するだけであるため、上回転灯K3の原位置を検出するセンサは設けられていない。
また、図2及び図3に示すように、表示枠体32を構成する裏面側部材YB2の左下方には、左可動体K4が配設されている。左可動体K4は、複数の可動体によって構成されており、具体的には、サーチライトを模した左発光灯K5aが、回転可能となるようにディスク状の左台座D2の表面に立設されている。また、左台座D2の表面(図2に示す状態では裏面)には、左ランプL2と、該左ランプL2の周囲を回転する左リフレクタR2を、透過性を有するケースC2内に収容した左回転灯K5bが立設されている。つまり、左発光灯K5aと左回転灯K5bは、左台座D2において表裏一体形成されていることになる。
そして、左可動体K4(より詳しくは、左台座D2)は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第4モータMOT4(図7及び図8に示す)と接続されている。また、左可動体K4の駆動伝達部には、左可動体K4(左台座D2)の原位置を検出する第4モータ原位置センサSE4(図7及び図8に示す)が配設されている。なお、本実施形態における左可動体K4の原位置は、図2に示すように左発光灯K5aが視認できる位置である。
また、左回転可動体K5としての左発光灯K5a及び左回転灯K5b(左リフレクタR2)は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第5モータMOT5(図7及び図8に示す)と接続されている。したがって、左発光灯K5aが回転しているときは、遊技者側からは視認できないが、左リフレクタR2も同方向に回転していることになる。なお、本実施形態において左回転可動体K5では、左発光灯K5aや左リフレクタR2が回転するだけであるため、左回転可動体K5の原位置を検出するセンサは設けられていない。
また、図2及び図3に示すように、表示枠体32を構成する裏面側部材YB2の右下方には、右可動体K6が配設されている。右可動体K6は、複数の可動体によって構成されており、具体的には、サーチライトを模した右発光灯K7aが、回転可能となるようにディスク状の右台座D3の表面に立設されている。また、右台座D3の表面(図2に示す状態では裏面)には、右ランプL3と、該右ランプL3の周囲を回転する右リフレクタR3を、透過性を有するケースC3内に収容した右回転灯K7bが立設されている。つまり、右発光灯K7aと右回転灯K7bは、右台座D3において表裏一体形成されていることになる。
そして、右可動体K6(より詳しくは、右台座D3)は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第6モータMOT6(図7及び図8に示す)と接続されている。また、右可動体K6の駆動伝達部には、右可動体K6(右台座D3)の原位置を検出する第6モータ原位置センサSE6(図7及び図8に示す)が配設されている。なお、本実施形態における右可動体K6の原位置は、図2に示すように右発光灯K7aが視認できる位置である。
また、右回転可動体K7としての右発光灯K7a及び右回転灯K7b(右リフレクタR3)は、駆動伝達部(ギア、支持部材など)を介して、アクチュエータとしての第7モータMOT7(図7及び図8に示す)と接続されている。したがって、右発光灯K7aが回転しているときは、遊技者側からは視認できないが、右リフレクタR3も同方向に回転していることになる。なお、本実施形態において右回転可動体K7では、右発光灯K7aや右リフレクタR3が回転するだけであるため、右回転可動体K7の原位置を検出するセンサは設けられていない。
このような構成により、左発光灯K5aが遊技者に視認可能となっている状態では、左回転灯K5bは遊技者に視認不能な状態となっている(図2)。その一方で、左可動体K4が回転軸(図示しない)を中心に180°反転すると、左回転灯K5bが遊技者に視認可能な状態となる一方で、左発光灯K5aが遊技者に視認不能な状態となる(図3)。同様に、右発光灯K7aと右回転灯K7bは右台座D3において表裏一体形成されているため、右発光灯K7aが遊技者に視認可能となっている状態では、右回転灯K7bは遊技者に視認不能な状態となっている(図2)。その一方で、右可動体K6が回転軸(図示しない)を中心に180°反転すると、右回転灯K7bが遊技者に視認可能な状態となる一方で、右発光灯K7aが遊技者に視認不能な状態となる(図3)。
なお、以下の説明では、上可動体K1、ピストル可動体K2、上回転灯K3、左可動体K4、左回転可動体K5(左発光灯K5a、左回転灯K5b)、右可動体K6、右回転可動体K7(右発光灯K7a、及び右回転灯K7b)を、それぞれ可動体K1〜K7と示すことがある。
次に、パチンコ遊技機10の機裏側の構成について図4〜図6を参照して以下に説明する。
図4に示すように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の機裏側には、遊技場の遊技機設置設備から供給される遊技球を貯留可能な球タンク46が装着されている。また、球タンク46内の遊技球を上皿15に向けて払出す際に遊技球を案内する案内通路が形成された樋部材47が装着されている。樋部材47は、球タンク46の下方に連設されるとともに、上下方向に延設されている。また、樋部材47の案内通路の下方出口には、1台の払出ユニット48が連設されている。払出ユニット48は、球タンク46に貯留された遊技球を機外(上皿15又は下皿23)に払出す払出動作を行う装置である。払出ユニット48から払出された遊技球は、上皿15又は下皿23へ案内される。
また、パチンコ遊技機10の機裏側の中央には、主制御装置50が配置されている。また、パチンコ遊技機10の機裏側における主制御装置50の下方には、払出制御基板71と、発射制御基板72とが基板ケースにより覆われるように配置されている。また、パチンコ遊技機10の機裏側における主制御装置50の上方には、統括制御基板73と、演出表示制御基板80と、演出表示装置33とが配設されている。なお、統括制御基板73及び演出表示制御基板80は、それぞれ基板ケースにより覆われるように配置されている。
主制御装置50は、払出制御基板71や統括制御基板73を始めとするパチンコ遊技機10全体を制御する機能を有する。払出制御基板71は、遊技球を払出す払出ユニット48の払出動作を制御し、賞球又は貸し球として払出す遊技球の払出しに関する払出制御を実行する。発射制御基板72は、発射ハンドル24の操作状態を検知し、その検知結果に応じて遊技球の発射間隔や発射強度などの発射制御を実行する。
統括制御基板73は、主制御装置50が出力する制御信号を入力し、演出表示装置33、各種のランプ17、スピーカ20、及び可動体K1〜K7などの演出を実行する演出実行手段を統括的に制御し、このような制御を行うための制御信号を演出表示制御基板80に出力する。演出表示制御基板80は、統括制御基板73が出力する制御信号を入力し、演出表示装置33の表示態様を専門的に制御する。
また、図4では図示しないが、パチンコ遊技機10の機裏側には、主制御中継端子板75と、遊技球等貸出装置接続端子板76と、外部端子板77と(ともに図7に示す)が装着されている。主制御中継端子板75は、主制御装置50と払出制御基板71との間に接続される基板である。遊技球等貸出装置接続端子板76は、パチンコ遊技機10に並設される図示しないカードユニット装置と球貸し操作部とを払出制御基板71に接続される基板である。外部端子板77は、払出制御基板71に接続される基板であり、ホールコンピュータ等の外部装置に、遊技に関する遊技情報を出力する端子が配設された基板である。カードユニット装置は、遊技者に貸し出される遊技球と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードから遊技価値(度数)を読み書き可能な構成である。
また、遊技盤YBの裏面側には、始動入賞口36へ入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図7に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、大入賞口39へ入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図7に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、ゲート40を通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図7に示す)が装着されている。
遊技盤YBの裏面側には、始動入賞口36に装備した開閉羽根37と対応する位置に、該開閉羽根37を開閉動作させる普通電動役物ソレノイドSOL1(図7に示す)が装着されている。また、遊技盤YBの裏面側には、大入賞口39に装備した大入賞口扉38と対応する位置に、該大入賞口扉38を開閉動作させる大入賞口ソレノイドSOL2(図7に示す)が装着されている。
図5に示すように、パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10の各種制御基板や各種演出装置に対して電源を供給する図示しない電源装置60が装着されている。電源装置60は、各種の制御基板に電源を供給する電源基板60aと、電源基板60aを収納する電源基板ケース60bとから構成される。電源基板ケース60bは、磁性材料(例えばフェライト)を含有しており、収納された電源基板60aから発生され得る高調波を電源装置60外部に伝達し難くすることができる。この電源基板60aは、電源スイッチSW4(図13に示す)と、遊技機設置設備の電源に接続される図示しない電源コードとを有し、さらに、パチンコ遊技機10の電源投入時に操作することにより、バックアップデータをクリアするRWMクリアスイッチSW5(図13に示す)を有する。
図5及び図6に示すように、パチンコ遊技機10の下部には、上皿15から溢れた遊技球を下皿23に案内する案内路や発射された遊技球を誘導する誘導路などが形成された中枠下部ユニット81が配設されている。この中枠下部ユニット81には、電源装置60を取り付けるための取付面82aを有する電源ベース部材82が配設されている。この第1ベース部材としての電源ベース部材82は、パチンコ遊技機10における電源装置60の奥行き方向に配置される。取付面82aは、板形状の金属から構成されている。
また、パチンコ遊技機10の電源装置60の奥行き方向において、電源ベース部材82とは逆側には、払出制御基板71及び発射制御基板72を取り付けるための取付面83aを有する基板ベース部材83が配設されている。第2ベース部材としての基板ベース部材83は、電源装置60の奥行き方向に配置される。取付面83aは、板形状の金属から構成されている。また、取付面83aの裏面83bは、電源装置60と対面する。
このように、パチンコ遊技機10の奥行き方向に対して、中枠下部ユニット81、電源ベース部材82、電源装置60、基板ベース部材83、特定の制御基板としての払出制御基板71及び発射制御基板72が順に配置されることとなる。また、電源装置60は、パチンコ遊技機10の奥行き方向に対して、電源ベース部材82の取付面82aと、基板ベース部材83の裏面83bとに挟まれるように配置される。電源ベース部材82の取付面82aと基板ベース部材83の裏面83bとは、金属製であり、磁性材料を含有する磁性部材から形成されている。このため、電源ベース部材82の取付面82aと、基板ベース部材83の裏面83bとは、電源装置60から発生され得る高調波をパチンコ遊技機10外部に伝達し難くすることができる。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図7を参照して以下に説明する。図7に示すように、主制御手段としての主制御基板51には、主制御中継端子板75が接続されている。主制御中継端子板75には、払出制御基板71が接続されている。主制御基板51には、演出制御手段、駆動制御手段としての統括制御基板73が接続されている。この統括制御基板73は、主制御基板51から出力される制御コマンドに基づいて、各種の演出を実行させる制御を行う。
主制御基板51と主制御中継端子板75との間、及び主制御中継端子板75と払出制御基板71との間は、それぞれ互いに信号の送受信が可能な双方向通信を許容した形態で接続されている。その一方で、主制御基板51から統括制御基板73には送信が可能であるが、統括制御基板73から主制御基板51には送信が不可能である。つまり、主制御基板51から統括制御基板73への単方向通信を許容した形態で接続されている。
次に、払出制御基板71には、発射制御基板72がそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。発射制御基板72には、遊技球を遊技盤YBへ向けて発射する発射ユニット49が接続されている。
また、払出制御基板71には、払出ユニット48と遊技球等貸出装置接続端子板76とがそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。そして、遊技球等貸出装置接続端子板76には、上皿15の内部において球貸し操作部と対応する位置に装着された球貸し操作基板78がそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。また、遊技球等貸出装置接続端子板76には、図示しないカードユニット装置がそれぞれに双方向通信を許容した形態で接続されている。そして、払出制御基板71と、球貸し操作基板78と、カードユニット装置とは、遊技球等貸出装置接続端子板76を介して、遊技球の貸出に関する通信を行う。
また、払出制御基板71には、外部端子板77が接続されているとともに、該外部端子板77には図示しないホールコンピュータ等の外部装置が接続されるようになっている。払出制御基板71は、外部端子板77を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して、パチンコ遊技機10の動作状態等の遊技情報を出力可能である。
次に、主制御基板51には、図柄表示基板79が接続されている。図柄表示基板79には、特別図柄表示装置34aと普通図柄表示装置35が接続されている。主制御基板51は、特別図柄表示装置34a及び普通図柄表示装置35に対して制御信号を入力することにより特別図柄表示装置34a及び普通図柄表示装置35の表示内容を制御する。
また、主制御基板51には、始動入賞口36へ入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1、大入賞口39へ入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2、ゲート40を通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3などの各種のスイッチが接続されている。また、主制御基板51には、開閉羽根37を開閉動作させる普通電動役物ソレノイドSOL1、大入賞口扉38を開閉動作させる大入賞口ソレノイドSOL2などの各種の可動体作動用のソレノイドが接続されている。
また、統括制御基板73には、演出表示制御基板80が接続されている。演出表示制御基板80には、演出表示装置33が接続されている。統括制御基板73には、演出制御手段、駆動制御手段としての統括駆動基板74が接続されている。この統括駆動基板74には、各種のランプ17と、スピーカ20と、各モータMOT1〜MOT7、各原位置センサSE1,SE2,SE4,SE6が接続されている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における主制御基板51、統括制御基板73、統括駆動基板74等の制御内容について図8を参照してさらに詳しく説明する。なお、図8においては、主制御基板51、統括制御基板73、統括駆動基板74等を除く各種構成要素が省略されている。
図8に示すように、主制御基板51には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU(Central Processing Unit)51aと、主制御用CPU51aの制御プログラムを格納する主制御用ROM(Read Only Memory)51bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RWM(Read Write Memory)51cなどが設けられている。主制御用CPU51aは、大当り判定用乱数などの各種乱数値を所定の周期毎にカウントし、発生させる。また、主制御基板51は、統括制御基板73に信号を出力する。
統括制御基板73には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU73aと、統括制御用CPU73aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM73bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RWM73cなどが設けられている。統括制御基板73は、統括駆動基板74に各種の信号を出力する。なお、本実施形態において、統括制御用ROM73bとしては、読み書き可能なフラッシュメモリが採用されている。
統括駆動基板74は、統括制御基板73との入出力通信を行うためのバッファBFと、統括駆動基板74の制御を行う駆動制御部74aと、各種のモータMOT1〜MOT7を駆動制御するためのモータドライバMD1〜MD7とを含む構成である。また、この統括駆動基板74には、モータドライバMD1〜MD7に対応するように各モータMOT1〜MOT7が接続されている。また、この統括駆動基板74には、各原位置センサSE1,SE2,SE4,SE6が接続されている。
駆動制御部74aは、統括制御基板73からのデータに基づいて、モータドライバMD1〜MD7の中から駆動させるモータドライバを選択し、その選択したモータドライバに対してチップセレクト信号を供給する。このチップセレクト信号は、モータドライバMD1〜MD7に接続されているモータMOT1〜MOT7を駆動させることを示すとともに、統括制御基板73からバッファBFに記憶されたデータのアドレスを示すデータである。モータドライバMD1〜MD7は、駆動制御部74aから供給されるチップセレクト信号に基づいて、バッファBFからデータを読み出し、そのデータに対応する駆動信号(駆動パルス、駆動方向)を、接続されているモータに対して供給する。これによって、モータMOT1〜MOT7は、モータドライバからの駆動信号により、可動体K1〜K7を変位させる。なお、モータの個数が機種によって異なる場合であっても、統括制御基板73を変更する必要がなく、モータに個数に対応するモータドライバを搭載するように統括駆動基板74を変更することによって、対応可能である。
また、駆動制御部74aは、各原位置センサSE1,SE2,SE4,SE6からの検知信号に基づいて、バッファBFに検知信号に対応するデータが記憶された場合、いずれの原位置センサから検知信号が入力されたことを示す信号を統括制御基板73に出力する。これによって、駆動制御部74aは、統括制御基板73に対して、各モータMOT1,MOT2,MOT4,MOT6の駆動により、可動体K1,K2,K4,K6の何れかが原位置に達したことを特定させることができる。
これら各モータMOT1〜MOT7は、遊技に関する可動体K1〜K7(可動演出部材)を変位させるアクチュエータである。また、これら各原位置センサSE1,SE2,SE4,SE6のそれぞれは、対応する可動体K1,K2,K4,K6が原位置に達していることを検知するセンサである。
第1モータMOT1は、複合型(ハイブリット型、HB型:Hybrid Type)のステッピングモータであり、直流電圧20Vで駆動するモータである。この第1モータMOT1は、永久磁石を使用する永久磁石型(PM型:Permanent Magnet Type)であるとともに、空隙部に可変リアクタンス構造が採用された可変リラクタンス型(VR型:Variable Reluctance Type)でもある。具体的に、第1モータMOT1は、軸方向にNS極の着磁をした永久磁石の両端外周に小歯又は誘導子(小歯極)が設けられたロータ鉄心を挟んで、NS極が軸方向に交互に並んだ多極回転子を構成し、ステータは巻き線用の磁極線を増やさずに、磁極先端部に小歯(小歯極)を設けることで構成される。つまり、第1モータMOT1は、永久磁石と磁性体とを混成させて構成された複合型のモータである。
その一方で、第2〜第7モータMOT2〜MOT7は、HB型、VR型ではなく、永久磁石を使用したPM型のステッピングモータである。また、その中でも、第2モータMOT2は、直流電圧20Vで駆動するモータであり、それ以外のモータMOT3〜MOT7は、直流電圧12Vで駆動するモータである。つまり、各モータMOT2〜MOT7は、永久磁石と磁性体とを混成させては構成されず、永久磁石から構成されたモータである。
また、これら第1〜第7モータMOT1〜MOT7は、バイポーラ駆動のモータであり、ユニポーラ駆動のモータではない。バイポーラ駆動のモータは、ユニポーラ駆動のモータと比較して、大きいトルクを出力可能な傾向があるが、消費電力が大きくなる。
第1モータMOT1は、それ以外のモータMOT2〜MOT7と比較して、大きいトルクを出力可能な傾向があるが、消費電力が大きくなる。また、第1モータMOT1は、それ以外のモータMOT2〜MOT7と比較して、細かい回転角度で制御可能であり、速い速度で制御(高速制御)が可能である。つまり、第1モータMOT1は、それ以外のモータMOT2〜MOT7と比較して、駆動能力(可動演出部材の変位能力)が高いが、消費電力が大きくなる。
また、第2モータMOT2は、それ以外のモータMOT3〜MOT7と比較して、大きいトルクを出力可能な傾向があるが、消費電力が大きくなる。その一方で、第2モータMOT2は、それ以外のモータMOT3〜MOT7と同じ回転角度で制御可能であり、同じ速度で制御が可能である。
なお、本実施形態では、第1モータMOT1は、1.8度毎に駆動可能であり、それ以外のモータMOT2〜MOT7は、3度毎に駆動可能である。また、本実施形態では、第1モータMOT1は、10000ppsを上限として制御可能なモータであり、それ以外のモータMOT2〜MOT7は、500ppsを上限として制御可能なモータである。つまり、第1モータMOT1は、各モータMOT2〜MOT7よりも駆動速度の上限(上限駆動速度)が速く設定されている。また、本実施形態では、第1モータMOT1が特定モータとして機能し、第3〜第7モータMOT3〜MOT7は、非特定モータ(第1非特定モータ、第2非特定モータ)として機能する。
各モータMOT1〜MOT7は、それぞれ対応する各可動体K1〜K7を変位させる。図3に示すように、第1可動演出部材としての可動体K1は、予め定められた原位置から最大可動位置まで直線的に移動するように可動する。その一方で、可動体K2〜K7は、予め定められた位置を中心に回転する変位が可能である。つまり、第2〜第7モータMOT2〜MOT7は、予め定められた位置を中心に可動体K2〜K7を回転させることで、可動体K2〜K7を変位可能とする。なお、可動体K2,K4,K6は、予め定められた角度が原位置となり、原位置となる角度から所定の角度だけ回転した位置が最大可動位置となる。その一方で、可動体K3,K5,K7は、単に回転し、原位置や最大可動位置は設定されていない。なお、本実施形態において、可動体K1は、第2可動演出部材、第3可動演出部材としての可動体K3〜K7と比較して移動距離が長い。ここでいう移動距離とは、可動体の時間あたりの移動距離(可動体の時間あたりの移動経路の距離)であり、移動距離が長いと、可動体を移動させる駆動速度を速くするために駆動能力の高いモータが必要となる。また、本実施形態において、可動体K1,K2は、可動体K3〜K7と比較して重量が大きい。このように、可動体の重量が大きいと、可動体を移動させるトルクを大きくするために駆動能力の高いモータが必要となる。また、可動体K1は、鉛直方向に移動するので、鉛直方向の上方に変位させる場合には特に、予め定められた位置を中心に回転する可動体K3〜K7と比べて、可動体を移動させるトルクを大きくするために駆動能力の高いモータが必要となる。また、可動体K2は、可動体K3〜K7と比べて、可動体を回転させる半径が大きいので、駆動能力の高いモータが必要となる。
また、可動体K1,K2は、大当りとなる期待度(大当り期待度)が高い演出が実行される場合に変位し易く、大当り期待度が低い演出が実行される場合に変位し難い。その一方で、可動体K3〜K7は、大当り期待度が低い演出が実行される場合にも変位し易く、大当り期待度が高い演出が実行される場合に変位し難い。例えば、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出に発展する場合、可動体K1,K2が変位し易くなっている。つまり、可動体K1,K2は、可動体K3〜K7と比べて、大当り期待度が高い演出である。
また、可動体K1,K2は、演出表示装置33の液晶表示部33a(表示領域)を跨がない原位置から、液晶表示部33aを跨ぐ位置に移動する変位が可能となっている。つまり、第1モータMOT1及び第2モータMOT2は、演出表示装置33の液晶表示部33aを跨がない位置と、演出表示装置33の液晶表示部33aを跨ぐ位置との間で可動体K1,K2を変位可能とする。
なお、本実施形態において、統括制御用CPU73aは、統括制御用ROM73bに記憶されたモータMOT1〜MOT7を制御するためのモータ制御プログラム自体、モータ制御プログラムに従って参照される参照データを、所定期間(本実施形態では1/60s、約16.7ms)毎に統括制御用RWM73cに展開する。
統括制御用CPU73aは、1ms毎に統括制御用RWM73cからプログラムを読み出す場合、統括制御用ROM73bからプログラムを読み出す場合よりも短く、約1/3の時間でプログラムを読み出すことができる。また、1/60s毎に統括制御用ROM73bにプログラムを読み出し、統括制御用RWM73cに一時記憶する処理を加えたとしても、効率よく処理を進めることが可能である。
また、モータ制御プログラムや参照データが所定期間毎に更新されることは、遊技場等での強力なノイズ等を考慮して、統括制御用RWM73cにおけるデータの誤記憶(所謂「データ化け」)が発生した場合であっても誤制御を抑制するためである。
なお、本実施形態において、統括制御用CPU73aは、モータ制御プログラムを除く各種のプログラム自体を、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開させない。これは、各モータMOT1〜MOT7を正確に駆動制御させ、各可動体K1〜K7を高速かつ精密に制御するためであり、統括制御用CPU73aは、モータ制御プログラムに限り統括制御用RWM73cに展開する。
なお、本実施形態において、各モータMOT1〜MOT7(アクチュエータ)を制御するためのプログラム(制御情報)及びそのプログラムに基づく参照データが予め記憶された統括制御用ROM73bが第1記憶手段として機能する。また、本実施形態において、統括制御用ROM73bよりも各種データの読み出し時間が短く、モータ制御プログラム及びそのプログラムに基づく参照データが記憶される読み書き可能な統括制御用RWM73cが第2記憶手段として機能する。
また、統括制御用CPU73aは、所定の周期(本実施形態では1ms)毎に割込みが発生しているか否かを判定する。統括制御用CPU73aは、割込みが発生しているときには、その割込みに対応する割込処理を実行する。また、統括制御用CPU73aは、複数種類の割込みが発生したときには、優先順位の高い順番で割込処理を実行する。
割込処理の優先順位は、図9に示すように、高い順に、メインコマンド受信処理、タイマカウント処理、パルス制御処理、パラレルランプ諧調処理、サウンドIC処理、システム処理、枠シリアル通信処理、盤面シリアル通信処理、RTC・モータシリアル通信処理と設定されている。
メインコマンド受信処理は、主制御基板51からの各種の制御コマンドがハードウェア割込みとして入力されたときに実行される処理である。このハードウェア割込処理としてのメインコマンド受信処理は、最も高い優先順位に設定されている。具体的な一例として、統括制御用CPU73aは、図柄変動ゲームの開始とその変動内容を指定するためのコマンド(所謂「変動パターン指定コマンド」)が入力されたときに、そのコマンドを受信する処理を実行する。
タイマカウント処理は、統括制御用CPU73aにおいて1ms毎にタイマ計数条件が成立してソフトウェア割込みが発生したときに、統括制御用CPU73aを管理するタイマを計数するための処理である。この第2ソフトウェア割込処理としてのタイマカウント処理は、メインコマンド受信処理よりも優先順位が低いものの、それ以外の割込処理よりも優先順位が高く規定されている。
パルス制御処理は、統括制御用CPU73aにおいて各可動体K1〜K7を変位させる変位条件が成立してソフトウェア割込みが発生したときに、モータ制御プログラムに基づいて、駆動パルスの供給によりモータMOT1〜MOT7を制御し、可動体K1〜K7を変位させる可動演出を行うための処理である。特に、パルス制御処理は、各モータMOT1〜MOT7を駆動させるための信号を出力する必要最小限の処理であり、その信号を出力したことを確認(監視)する処理等を含まない。この第1ソフトウェア割込処理としてのパルス制御処理は、メインコマンド受信処理及びタイマカウント処理よりも優先順位が低いものの、それ以外の割込処理よりも優先順位が高く規定されている。
なお、本実施形態では、パルス制御処理のほうが、パラレルランプ諧調処理、サウンドIC処理、システム処理よりも優先順位が高く規定されている。これは、各種のランプ17の発光制御やスピーカ20の制御等よりも、各モータMOT1〜MOT7を正確に駆動制御させ、各可動体K1〜K7を高速かつ精密に制御するために、パルス制御処理の遅延を少しでも抑制できるように規定されている。
パラレルランプ諧調処理は、統括駆動基板74に配設される図示しないランプ制御部の制御を行うランプ制御条件が成立してソフトウェア割込みが発生したときに、各種のランプ17による発光の諧調制御等、各種のランプ17の制御を行うための処理である。特に、パラレルランプ諧調処理は、各種のランプ17を発光させるための信号を出力する必要最小限の処理であり、その信号を出力したことを確認(監視)する処理等を含まない。この第3ソフトウェア割込処理としてのパラレルランプ諧調処理は、メインコマンド受信処理、タイマカウント処理及びパルス制御処理よりも優先順位が低いものの、それ以外の割込処理よりも優先順位が高く規定されている。
サウンドIC処理は、統括制御基板73に配設される図示しない音声出力手段としての音声制御部からの割込み信号(制御コマンド)がハードウェア割込みとして入力されたときに実行される処理である。この第2ハードウェア割込処理としてのサウンドIC処理は、メインコマンド受信処理、タイマカウント処理、パルス制御処理及びパラレルランプ諧調処理よりも優先順位が低いものの、それ以外の割込処理よりも優先順位が高く規定されている。
システム処理は、演出表示制御基板80や、統括駆動基板74における図示しない音声制御部へのコマンドの出力等、システム制御を要するシステム制御条件が成立してソフトウェア割込みが発生したときに、タイマカウント処理により計数されたタイマ毎にシステム制御を行うための処理である。また、この第4ソフトウェア割込処理としてのシステム処理は、例えば、パルス制御処理やパラレルランプ諧調処理において各種の信号の出力を確認する処理等も含まれている。これは、パルス制御処理やパラレルランプ諧調処理において最小限の処理に留めることによって、パルス制御処理やパラレルランプ諧調処理の実行時間を短縮させ、それよりも優先順位の低いパラレルランプ諧調処理の実行やシステム処理におけるコマンドの出力の遅延を抑制するためである。
枠シリアル通信処理は、統括駆動基板74に配設される図示しないランプ制御部からの割込み信号がハードウェア割込みとして入力されたときに実行される処理である。
盤面シリアル通信処理は、遊技盤YBに配設された各種のスイッチSW1〜SW3からの信号がハードウェア割込みとして入力されたときに実行される処理である。
RTC・モータシリアル通信処理は、現在の時刻を計数するために統括制御基板73に配設される図示しないリアルタイムクロック素子(Real Time Clock)からの信号や、可動体K1,K2,K4,K6が原位置にあると検知されたことを示す統括駆動基板74からの信号がハードウェア割込みとして入力されたときに実行される処理である。
これら第3ハードウェア割込処理としての枠シリアル通信処理、盤面シリアル通信処理、RTC・モータシリアル通信処理は、メインコマンド受信処理、タイマカウント処理、パルス制御処理、パラレルランプ諧調処理、サウンドIC処理、システム処理よりも優先順位が低くなるように規定されている。
なお、これらの各種の割込処理は、基本周期である1msよりも極めて短い時間で実行されるため、全ての割込処理が1msを超えて実行されることはないものの、割込処理の優先順位によっては、僅かな時間の遅延が生じることがある。また、割込みを判定する上限数(本実施形態では「4」)が規定されており、パルス制御処理は、駆動させるモータの種類毎にソフトウェア割込みを発生させる。このため、パルス制御処理は、タイマカウント処理及びパルス制御処理よりも優先順位が低いので、最大約20μsの遅延が生じるものの、パルス制御処理の実行契機となる1msと比較して僅かな遅延であり、支障のない程度に実行されることとなる。
また、これら複数のモータMOT1〜MOT7を制御するためにモータ制御テーブルがモータ制御プログラムに基づいて参照されるデータとして、統括制御用ROM73bに予め記憶され、統括制御用RWM73cに展開される。
図10に示すように、モータ制御テーブルは、モータMOT1〜MOT7を制御するためのテーブルである。また、統括制御用CPU73aは、統括駆動基板74に対して所定の基本周期(本実施形態では1ms)でパラレル通信を行うことによって、4チャンネル分のモータ制御を並列して行うことができる。このため、本実施形態では、モータ制御テーブルとしては、4つのモータ制御テーブルTB1〜TB4が採用されている。また、これらモータ制御テーブルTB1〜TB4では、チャンネル毎に時系列順に所定の基本周期で制御するモータの種類が設定可能である。
統括制御用CPU73aは、図柄変動ゲームの内容等に基づいて、モータ制御テーブル(チャンネル)毎に駆動制御が有効であるか無効であるかを判定する。そして、統括制御用CPU73aは、モータ制御テーブルと、時系列順序を示すカウンタとを参照し、駆動制御するためのデータをそれぞれ統括制御用RWM73cに設定する。このデータとしては、モータ制御テーブル毎に規定されたデータであり、具体的には、駆動制御するモータの種類を示すデータ、駆動制御する駆動方向を示すデータが含まれる。続いて、統括制御用CPU73aは、パラレル通信を介して、統括駆動基板74に対して、統括制御用RWM73cに設定されたデータを1ms毎に出力する。
統括駆動基板74において、駆動制御部74aは、統括制御基板73から出力されたデータのうち、駆動制御するモータの種類を示すデータを入力すると、そのモータに接続されるモータドライバに対してチップセレクト信号を出力する。なお、駆動制御部74aは、1ms毎に4チャンネル分のチップセレクト信号を出力可能である。そして、モータドライバMD1〜MD7は、駆動制御部74aからチップセレクト信号が入力されると、バッファBFに記憶された駆動制御する駆動方向を示すデータを読み出し、そのデータに基づいて、駆動パルスを接続されたモータMOT1〜MOT7に出力する。
このように統括制御用CPU73a、駆動制御部74a、各モータドライバMD1〜MD7は、予め定められた基本周期(本実施形態では1ms)毎に各モータMOT1〜MOT7の何れかを駆動可能に制御する。特に、統括制御用CPU73aは、予め定められた基本周期(例えば、1ms)毎に、予め定められた個数(本実施形態では4個)のモータを上限として並列して駆動可能に制御し、4つの可動体を上限として変位させることができる。このように、統括制御基板73、統括駆動基板74は、モータMOT1〜MOT7の駆動制御により可動体K1〜K7を変位させることで可動演出を実行させる制御を行う制御基板である。
具体的に、第1モータ制御テーブルTB1は、1チャンネル目のモータを制御するテーブルであり、1ms毎に第1モータMOT1を駆動させるように繰り返し制御可能である。このように、第1モータ制御テーブルが参照されることによって、図11に示すように、基本周期Tと同じ第1周期(1ms)毎に第1モータMOT1を駆動制御させる信号を出力することができ、第1モータMOT1の駆動制御が可能となる(1000pps)。このように、第1モータ制御テーブルTB1は、基本周期(1ms)を基準として第1周期(1ms)毎に第1モータMOT1を駆動制御させるためのテーブルである。なお、本実施形態においては、統括制御用CPU73aの基本周期である1000ppsが、モータの最高駆動速度であり、最も駆動能力の高い第1モータMOT1が駆動制御される。
また、図10に示す第2モータ制御テーブルTB2は、2チャンネル目のモータを制御するテーブルであり、1ms毎に、第2モータMOT2、ダミーモータ(図中では「−」と示す)を時系列順に繰り返し駆動させるように制御可能である。このように、第2モータ制御テーブルTB2が参照されることによって、図11に示すように、1ms毎に、第2モータMOT2、ダミーモータの順に駆動制御させる信号を出力することができる。つまり、基本周期Tの2倍となる周期2T(2ms)毎に第2モータMOT2を駆動制御させる信号を出力することができる(500pps)。なお、本実施形態において、ダミーデータを設定しておくことによって、2ms毎に第2モータMOT2を駆動制御させる信号を出力することとなる。
その一方で、図10に示す第3モータ制御テーブルTB3は、3チャンネル目のモータを制御するテーブルであり、1ms毎に、第3モータMOT3、第5モータMOT5、第7モータMOT7を時系列順に繰り返し駆動させるように制御可能である。このように、第3モータ制御テーブルTB3が参照されることによって、図11に示すように、1ms毎に、第3モータMOT3、第5モータMOT5、第7モータMOT7の順に駆動制御させる信号を出力することができる。つまり、第1周期よりも長く、基本周期Tの3倍となる第2周期3T(3ms)毎に、第3モータMOT3、第5モータMOT5、第7モータMOT7を駆動制御させる信号を出力することができる(333pps)。
また、図10に示す第4モータ制御テーブルTB4は、4チャンネル目のモータを制御するテーブルであり、1ms毎に、第4モータMOT4、第6モータMOT6、ダミーモータを時系列順に繰り返し駆動させるように制御可能である。このように、第4モータ制御テーブルTB4が参照されることによって、図11に示すように、1ms毎に、第4モータMOT4、第6モータMOT6、ダミーモータの順に駆動制御させる信号を出力することができる。つまり、基本周期Tの3倍となる第2周期3T(3ms)毎に、第4モータMOT4、第6モータMOT6を駆動制御させる信号を出力することができる(333pps)。なお、本実施形態において、ダミーデータを設定しておくことによって、3ms毎に、第4モータMOT4、第6モータMOT6を駆動制御させる信号を出力することとなる。このように、第3、第4モータ制御テーブルTB3,TB4は、基本周期を基準として各モータMOT3〜MOT7の駆動制御とを順に行うことにより、第1周期よりも長い第2周期(3ms)で、各モータMOT3〜MOT7を駆動制御させるためのテーブルである。
なお、本実施形態において、これらのようなモータ制御テーブルTB1〜TB4が予め記憶された統括制御用ROM73bがモータ制御テーブル記憶手段として機能する。また、本実施形態において、第1モータ制御テーブルTB1が特定モータ制御テーブルに相当し、第3、第4モータ制御テーブルTB3,TB4が非特定モータ制御テーブルに相当する。
また、このようなモータ制御テーブルが参照されることによって、複数の可動体K1〜K7を並列して変位させることが可能なシステムが構築されている。その一方で、電源電力を効率よく使用するためにも、可動体K1〜K7を変位させる可動演出の実行タイミングが考慮されており、必要最小限、モータを重複して駆動させないようになっている。
例えば、第1モータMOT1は、HB型のモータであり、他のモータMOT2〜MOT7よりも消費電力が大きい。また、第1モータMOT1以外でも、第2モータMOT2は、直流電圧20Vにより駆動するため、他のモータMOT3〜MOT7よりも消費電力が大きい。このように消費電力が大きい第1モータMOT1と、第2モータMOT2とを重複して駆動させないように制御することによって、パチンコ遊技機10全体の電源電力を効率よく使用することができる。つまり、統括制御用CPU73aは、第1モータMOT1による可動体K1の変位と、第2モータMOT2による可動体K2の変位とを重複させない制御を行う。
また、例えば、第1モータMOT1と第2モータMOT2とを重複して駆動させない以外にも、第1モータMOT1と、第2モータMOT2以外の他のモータMOT3〜MOT7とを重複して駆動させない場合がある。また、第2モータMOT2と、第1モータMOT1以外の他のモータMOT3〜MOT7とを重複して駆動させない場合がある。このように制御することによって、パチンコ遊技機10全体の電源電力を効率よく使用することができる。つまり、統括制御用CPU73aは、第1モータMOT1による可動体K1の変位又は第2モータMOT2による可動体K2の変位と、第3〜第7モータMOT3〜MOT7による可動体K3〜K7の変位とを重複させない制御を行う。
また、例えば、各モータMOT1〜MOT7以外にも、大入賞口扉38を開放させる大入賞口ソレノイドSOL2が駆動している場合には、第1モータMOT1と第2モータMOT2とを重複して駆動させない。このように制御することによって、パチンコ遊技機10全体の電源電力を効率よく使用することができる。つまり、統括制御用CPU73aは、大当り遊技中において大入賞口ソレノイドSOL2により大入賞口扉38が開放状態に動作されているラウンド遊技では、第1モータMOT1による可動体K1の変位、及び第2モータMOT2による可動体K2の変位を重複させない制御を行う。
具体的な一例について図12を参照して以下に説明する。図12(a)に示すように、リーチ演出が実行され、スーパーリーチ演出に発展する前に実行される可動演出を一例とする。この場合、符号T11のタイミングで、原位置に配置されている第1モータMOT1の順方向に対する駆動が開始される。また、符号T12のタイミングまで第1モータMOT1の順方向に対する駆動が繰り返され、符号T12のタイミングで第1モータMOT1の駆動が停止される。このように第1モータMOT1が駆動している間、他のモータMOT2,MOT3の駆動が停止されている。
そして、符号T13のタイミングで、原位置に配置されている第2モータMOT2の順方向に対する駆動が開始される。また、符号T14のタイミングまで第2モータMOT2の順方向に対する駆動が繰り返され、符号T14のタイミングで第2モータMOT2の駆動が停止される。このように第2モータMOT2が駆動している間、他のモータMOT1,MOT3の駆動が停止されている。
続いて、符号T15のタイミングで、第3モータMOT3の順方向に対する駆動が開始される。また、符号T16のタイミングまで第3モータMOT3の順方向に対する駆動が繰り返され、符号T16のタイミングで第3モータMOT3の駆動が停止される。このように第3モータMOT3が駆動している間、他のモータMOT1,MOT2の駆動が停止されている。
そして、同じように、符号T17のタイミングで、第2モータMOT2の逆方向に対する駆動が開始される。また、符号T18のタイミングまで第2モータMOT2の逆方向に対する駆動が繰り返され、符号T18のタイミングで第2モータMOT2の駆動が停止される。このように第2モータMOT2が駆動している間、他のモータMOT1,MOT3の駆動が停止されている。
続いて、同じように、符号T19のタイミングで、第1モータMOT1の逆方向に対する駆動が開始される。また、符号T20のタイミングまで第1モータMOT1の逆方向に対する駆動が繰り返され、符号T20のタイミングで第1モータMOT1の駆動が停止される。このように第1モータMOT1が駆動している間、他のモータMOT2,MOT3の駆動が停止されている。
したがって、モータMOT1〜MOT3の駆動が重複しないように制御されることによって、パチンコ遊技機10の全体として電源電力を効率よく使用することができる。なお、この場合は、大当り遊技中ではないので、主制御基板51において大入賞口扉38が開放状態となるようには、大入賞口ソレノイドSOL2が駆動していない。
次に、図12(b)に示すように、大当り遊技中における可動演出を一例とする。この場合において、符号T21のタイミングで、ラウンド遊技が開始されると、大入賞口ソレノイドSOL2の駆動が開始され、大入賞口扉38が変位し、大入賞口39が開放状態となる。また、この符号T21のタイミングで、第3モータMOT3の順方向に対する駆動が開始される。そして、符号T22のタイミングでラウンド遊技が終了すると、符号T22のタイミングまで継続されていた大入賞口ソレノイドSOL2の駆動が終了され、大入賞口扉38が変位し、大入賞口39が閉鎖状態となる。また、この符号T22のタイミングまで第3モータMOT3の順方向に対する駆動が繰り返され、符号T22のタイミングで第3モータMOT3の駆動が停止される。このように大入賞口ソレノイドSOL2や第3モータMOT3が駆動している間、他のモータMOT1,MOT2の駆動が停止されている。
そして、ラウンド遊技が終了後、ラウンドインターバル時間において、符号T23のタイミングで、第1モータMOT1の逆方向に対する駆動が開始される。また、符号T24のタイミングまで第1モータMOT1の逆方向に対する駆動が繰り返され、符号T24のタイミングで第1モータMOT1の駆動が停止される。このように第1モータMOT1が駆動している間、他のモータMOT2,MOT3や大入賞口ソレノイドSOL2の駆動が停止されている。
そして、符号T25のタイミングで、原位置に配置されている第2モータMOT2の順方向に対する駆動が開始される。また、符号T26のタイミングまで第2モータMOT2の順方向に対する駆動が繰り返され、符号T26のタイミングで第2モータMOT2の駆動が停止される。このように第2モータMOT2が駆動している間、他のモータMOT1,MOT3や大入賞口ソレノイドSOL2の駆動が停止されている。
そして、同じように、符号T27のタイミングで、第2モータMOT2の逆方向に対する駆動が開始される。また、符号T28のタイミングまで第2モータMOT2の逆方向に対する駆動が繰り返され、符号T28のタイミングで第2モータMOT2の駆動が停止される。このように第2モータMOT2が駆動している間、他のモータMOT1,MOT3や大入賞口ソレノイドSOL2の駆動が停止されている。
続いて、同じように、符号T29のタイミングで、原位置に配置されている第1モータMOT1の順方向に対する駆動が開始される。また、符号T30のタイミングまで第1モータMOT1の順方向に対する駆動が繰り返され、符号T30のタイミングで第1モータMOT1の駆動が停止される。このように第1モータMOT1が駆動している間、他のモータMOT2,MOT3や大入賞口ソレノイドSOL2の駆動が停止されている。
また、ラウンドインターバル時間が終了し、次のラウンド遊技が開始される場合には、符号T31〜T40では、符号T21〜T30のタイミングと同じように制御が行われる。このように、第1モータMOT1と第2モータMOT2との駆動、第1モータMOT1と第3モータMOT3や大入賞口ソレノイドSOL2との駆動、第2モータMOT2と第3モータMOT3や大入賞口ソレノイドSOL2との駆動が重複しないように制御されることによって、パチンコ遊技機10の全体として電源電力を効率よく使用することができる。
上記のようにモータ制御を行う場合には、パチンコ遊技機10において供給される電源電力を効率よく使用することが考慮されているが、本実施形態では、供給する電源電力の効率化を図ることも考慮されている。特に、本実施形態では、電源基板60aにおいて各種の制御基板に供給される電源電力の効率化が図られている。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10における電源基板60aの制御内容について図13を参照してさらに詳しく説明する。図13に示すように、電源装置60には、商用の交流電圧100V(AC100V)の電源から図示しない変圧器により変換された交流電圧24V(AC24V)の電源が供給される。
電源装置60には、電源スイッチSW4が設けられ、電源スイッチSW4の操作に応じて電源が供給されるか否かが切り替わる。また、電源装置60には、RWMクリアスイッチSW5が設けられ、RWMクリアスイッチSW5の操作に応じて、主制御基板51等、各種基板にRWMクリア信号が出力される。
また、電源装置60には、電源電力の力率を改善するための力率改善モジュール62が設けられている。力率改善モジュール62は、電源電力の力率を改善する以外にも、過電流や過熱を防止する機能を備えている。
なお、本実施形態における力率改善モジュール62は、複数の基板から構成されている。これら複数の基板は、金属により形成されたケースCA(金属ケース)内に収納されている。このケースCAには、放熱用の通気口が形成されている。つまり、力率改善モジュール62の外周の少なくとも一部が、通気口が形成されたケースCAにより覆われている。
また、このケースCAの内部において、複数の基板の間には、放熱用のヒートシンクHSが配置されている。また、複数の基板は、ケースCAの内壁に配置される図示しない樹脂製のフレームにより外側から係止され、挟持される。この樹脂製のフレームが配置されることによって、電源基板60aからの高調波を抑制することができる。
力率改善モジュール62は、力率改善回路63と、過熱検出回路64と、過電流検知回路65と、過電流保護回路66と、磁性素子67とを含むように構成される。
力率改善回路63には、電源スイッチSW4がオンとなっている場合に交流電圧24Vの電流が供給される。力率改善回路63は、供給された電源電力の力率を改善するとともに、整流及び平滑化により交流電圧24Vから直流電圧34Vを生成し、過電流検知回路65及び過電流保護回路66に出力する。この力率改善回路63は、ピーク値が大きくなる電流が入力された場合であっても、ピーク値が小さくし、正弦波に近い波形となるように補正することによって、電源電力の力率を改善させることとなる。なお、本実施形態において、力率改善回路63を備える電源装置60は、皮相電力値を基準とすると、電源電力の力率が75%から99.8%に改善される。
過熱検出回路64は、力率改善モジュール62内における温度を検出し、予め定められた温度を超えた場合には、接続されている力率改善回路63にその旨の信号を出力し、力率改善回路63に対して電源の供給を停止させることとなる。
過電流検知回路65と過電流保護回路66とは、力率改善回路63に接続されている。過電流検知回路65は、力率改善回路63から供給される電流が定格(本実施形態では15A)以上となる過電流状態であることを検知する。過電流保護回路66は、過電流状態であると検知された場合に内部に対する電流を遮断し、過電流状態であると検知されていない場合に内部に対する電流を遮断せずに通電する。
磁性素子67は、高調波を抑制するためのチップ型のフェライトビーズであり、主に力率改善回路63を構成する電子部品の端子に電気的に接続されることによって、力率改善回路63に対する高調波を抑制するために設けられている。
力率改善モジュール62には電源生成回路68が接続されており、電源生成回路68には直流電圧34Vの電源電力が供給される。電源生成回路68は、入力された直流電圧34Vの電源電力から、直流電圧34V、直流電圧12V、直流電圧5Vの電源電力を生成して、出力する。なお、本実施形態において、電源基板60aでは、力率改善モジュール62を介さずに交流電圧24Vの電源電力も出力される。また、統括駆動基板74において、図示しない電源生成回路が配置されており、電源装置60により生成された直流電圧12Vの電源電力から、直流電圧20Vの電源電力が生成され、第1,第2モータMOT1,MOT2に対して供給される。
また、力率改善モジュール62には、電断監視回路69も接続されている。この電断監視回路69は、力率改善モジュール62から出力される電源電圧を監視し、予め定められた最低電圧値未満であるか否かを判定することが可能である。電断監視回路69は、力率改善モジュール62から出力される電源電圧が最低電圧値未満であると判定した場合、電断状態であることを示す電断信号を主制御基板51等の各種基板に出力する。また、電断監視回路69は、力率改善モジュール62から出力される電源電圧が最低電圧値未満であると判定した後に、最低電圧値以上であると判定したときには、リセット信号を主制御基板51等の各種基板に出力する。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)従来、モータやソレノイドなどのアクチュエータ(駆動源)を備え、可動演出部材を変位させて行う可動演出が実行されているものの、可動演出部材の変位態様に関する改良を行うことによって、可動演出の演出効果の更なる向上を図ることが望まれている。特に、モータ制御の制御速度が遅くて効率的ではなく、モータを高速に駆動させることができないばかりか、モータを精密に駆動させることもできなくなってしまうおそれがあり、可動演出の演出効果の更なる向上を図るべく、モータ制御の効率化が望まれている。そこで、本実施形態において、統括制御用CPU73aは、各モータMOT1〜MOT7を制御するためのモータ制御プログラム(制御情報)や参照データを、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開し、可動体K1〜K7の何れかを変位させるためのパルス制御処理を実行する。統括制御用CPU73aは、統括制御基板73を管理するタイマを計数するためのタイマカウント処理と、主制御基板51からの制御コマンドの入力によるメインコマンド受信処理とのほうが、パルス制御処理よりも高い優先順位で制御する。このため、各モータMOT1〜MOT7を制御するためのモータ制御プログラムや参照データを一時記憶領域に展開することができ、1回のパルス制御処理を実行させる処理速度を高めることができる。また、パルス制御処理を実行させるために必要なタイマカウント処理及びメインコマンド受信処理を、パルス制御処理よりも優先して実行させることができ、制御処理の効率化を図ることができる。したがって、処理速度を高め、制御処理の効率化を図ることによって、制御負荷を軽減することができ、可動体K1〜K7を変位させる制御を精密に行うことができるなど、可動体K1〜K7を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(2)統括制御用CPU73aは、メインコマンド受信処理のほうがタイマカウント処理よりも高い優先順位で制御される。このため、統括制御用CPU73aは、実行するプログラムと非同期なハードウェア割込処理としてのメインコマンド受信処理を、同期するタイマカウント処理よりも優先して実行させることができ、制御処理の効率化を図ることができる。したがって、制御処理の効率化を図ることによって、制御負荷を軽減することができ、可動体K1〜K7を変位させる制御を精密に行うことができるなど、可動体K1〜K7を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(3)統括制御用CPU73aは、各モータMOT1〜MOT7を制御するためのモータ制御プログラムや参照データを一時記憶領域に展開して実行されるパルス制御処理のほうが、パラレルランプ諧調処理、及びサウンドIC処理よりも高い優先順位で制御する。このため、各モータMOT1〜MOT7を制御するためのモータ制御プログラムや参照データを一時記憶領域に展開するための処理時間が必要なパルス制御処理を、所定周期内に実行されなくても遊技者に違和感を与え難いパラレルランプ諧調処理、及びサウンドIC処理よりも優先して実行することができる。したがって、制御処理の効率化を図ることによって、制御負荷を軽減することができ、可動体K1〜K7を変位させる制御を精密に行うことができるなど、可動体K1〜K7を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(4)統括制御用CPU73aは、統括制御用ROM73bに記憶されているモータ制御プログラムや参照データを、所定期間毎に統括制御用RWM73cに展開する。このため、統括制御用RWM73cに展開されたモータ制御プログラムや参照データがノイズ等によって誤って記憶された場合であっても、所定期間毎に記憶し直す(更新する)ことができ、そのモータ制御プログラムや参照データに基づいてより一層正確に各モータMOT1〜MOT7を制御することができる。
(5)従来、複数のモータ毎に均等に制御時間が割り当てられているので、モータを高速に駆動させることができなかった。そこで、本実施形態において、統括制御用ROM73bには、第1モータ制御テーブルTB1と第3、第4モータ制御テーブルTB3,TB4とが記憶されている。第1モータ制御テーブルTB1は、基本周期を基準として第1周期毎に第1モータMOT1を駆動制御させるためのテーブルである。第3、第4モータ制御テーブルTB3,TB4は、基本周期を基準として、各モータMOT3〜MOT7の駆動制御を順に行うことにより、第1周期よりも長い第2周期で、各モータMOT3〜MOT7を駆動制御させるためのテーブルである。また、第1モータ制御テーブルTB1に基づく第1モータMOT1の駆動制御と、第3、第4モータ制御テーブルTB3,TB4に基づく各モータMOT3〜MOT7の駆動制御とを並列して実行可能である。このため、駆動させたい速度に応じてモータが別々のモータ制御テーブルに割り当てられており、並列して実行可能となる。そして、各モータMOT3〜MOT7を低速に駆動制御させるための第3、第4モータ制御テーブルTB3,TB4よりも、第1モータMOT1を高速に駆動制御させるための第1モータ制御テーブルTB1のほうが、駆動制御の頻度が高くなるように設定されている。したがって、所望とする可動体K1〜K7の変位速度に応じたモータ制御テーブルが設定可能となることによって、可動体K1〜K7を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(6)統括制御用CPU73aにより制御可能な基本周期と同じ第1周期で第1モータMOT1の駆動制御が行われる。このため、可動体K1の変位速度を低くすることなく、変位させることができる。したがって、可動体K1を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(7)第1モータMOT1は、演出表示装置33の液晶表示部33a(表示領域)を跨がない位置と、演出表示装置33の液晶表示部33aを跨ぐ位置との間で可動体K1を変位可能とする。このため、遊技者によって液晶表示部33aが視認されている状態で、可動体K1が変位することとなり、より一層注目される位置において可動体K1による可動演出の演出効果を高めることができる。したがって、可動体K1を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(8)従来、可動演出の演出効果の更なる向上を図るべく、駆動性能の高いモータを採用することも考えられていたが、パチンコ遊技機における電源電力には限りがあり、駆動性能の高いモータを採用すると、可動体の数を減少させなければならず、可動演出の演出効果の更なる向上には至らなかった。そこで、本実施形態において、可動体K1を変位させる第1モータMOT1は、永久磁石と磁性体とを混成させて構成されるHB型のモータである。また、可動体K1を変位させることで可動演出を実行させる統括制御基板73や統括駆動基板74に電源を供給する電源基板60aには、電源電力の力率を改善する力率改善回路63が設けられた。このため、第1モータMOT1は、PM型の各モータMOT2〜MOT7よりも消費電力が大きくなるものの、力率改善回路63が設けられることによって、瞬間的なピーク電流(過電流)を抑制することができ、消費電力の効率化を図ることができる。したがって、第1モータMOT1を用いることによって、可動体K1を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(9)また、永久磁石と磁性体とを混成させて構成され、消費電力が大きく、駆動能力が高いHB型の第1モータMOT1により、重量及び時間あたりの移動距離が大きい可動体K1を変位させる。その一方で、消費電力が小さく、駆動能力が低い各モータMOT3〜MOT7により、重量及び時間あたりの移動距離が小さい可動体K3〜K7を変位させる。このため、消費電力が大きい第1モータMOT1のみを用いることなく、可動体K3〜K7に適した各モータMOT3〜MOT7を用いることによって、消費電力を抑制することができるとともに、重量及び時間あたりの移動距離が大きい可動体K1による可動演出の演出効果を高めることができる。したがって、可動体K1〜K7を変位させて行う可動演出の演出効果の更なる向上を図ることができる。
(10)第1モータMOT1による可動体K1の変位と、第2モータMOT2による可動体K2の変位とを重複させない。このため、第1モータMOT1と、第2モータMOT2とを並行して駆動させることがなく、消費電力の上限を低くすることができる。
(11)また、第1モータMOT1による可動体K1の変位や第2モータMOT2による可動体K2の変位と、各モータMOT3〜MOT7による可動体K3〜K7の変位とを重複させない。このため、第1モータMOT1や第2モータMOT2と、各モータMOT3〜MOT7とを並行して駆動させることがなく、消費電力の上限を低くすることができる。
(12)また、大当り遊技において大入賞口ソレノイドSOL2により大入賞口扉38が開放状態に動作されている場合には、第1モータMOT1による可動体K1や第2モータMOT2による可動体K2を変位させない。このため、第1モータMOT1や第2モータMOT2と大入賞口ソレノイドSOL2とを並行して駆動させることがなく、消費電力の上限を低くすることができる。
(13)各モータMOT2〜MOT7は、予め定められた位置を中心に可動体K2〜K7を回転させることで、可動体K2〜K7を変位可能とする。このため、回転させる可動体K2〜K7に対しては、消費電力が小さい各モータMOT2〜MOT7を用いることによって、消費電力を抑制することができる。
(14)従来、可動演出部材を変位させる速度やトルクの増大等によって演出効果の向上が望まれているものの、それに伴ってパチンコ機の消費電力の増大や外部へのノイズの発生等、遊技機のハードウェアに関する問題が生じるおそれがあった。特に、駆動性能の高いモータを採用することができるように、パチンコ遊技機における電源装置の強化を図ることも可能ではあるが、著しい高調波の発生や高温化というパチンコ遊技機10のハードウェアに関する新たな問題も生じてしまうおそれがあった。例えば、著しい高調波が発生すると、遊技場において係員等により使用されている無線システムに対して干渉してしまうおそれがあった。また、例えば、パチンコ遊技機10の内部が高温化してしまい、パチンコ遊技機10の誤動作を防止するために、使用温度や連続使用時間等の使用基準を低下させなければならなかった。そこで、本実施形態において、遊技機の電源基板60aに力率改善回路63が設けられることによって、電源電力の力率を改善することができる。更にまた、電源基板60aに設けられた力率改善回路63の外周の一部が、通気口が形成されたケースCAにより覆われることで、力率改善回路63から生じる高調波が外部に伝達し難くすることができ、電源基板60aからの高調波を抑制することができるとともに、放熱性を高めることができる。更にまた、力率改善回路63を構成する電子部品には、高調波を抑制する磁性素子67が設けられることで、力率改善回路63から生じる高調波を抑制することができる。したがって、電源電力の力率を改善することができるとともに、それに伴って生じる高調波を抑制することができ、パチンコ遊技機10のハードウェアに関する問題を抑制することができる。また、高調波の抑制、高温化以外のハードウェアに関する問題の具体的な一例としては、電線に必要以上の太い線を使用しなくてもよくなる。また、ピーク電流が下がるので、ブレーカが落ち難くなる。また、ピーク電流を考慮された契約上限電流値を下げることができ、遊技場における電気料金を低減することができる。
(15)電源基板60aが、磁性材料を含有する電源基板ケース60bに収納されるため、電源基板60aからの高調波を抑制することができ、パチンコ遊技機10のハードウェアに関する問題を抑制することができる。
(16)電源基板60aは、電源ベース部材82と基板ベース部材83とで、パチンコ遊技機10の奥行き方向に対して挟まれるように配置されているので、遊技者や遊技場の係員等に対して高調波を伝達し難くすることができ、電源基板60aからの高調波を抑制することができ、パチンコ遊技機10のハードウェアに関する問題を抑制することができる。
(17)特に、電源ベース部材82及び基板ベース部材83には、磁性材料を含有する磁性部材から形成されている。このため、遊技者や遊技場の係員等に対して高調波を伝達し難くすることができ、電源基板60aからの高調波を抑制することができ、パチンコ遊技機10のハードウェアに関する問題を抑制することができる。
(18)力率改善モジュール62には、過電流保護回路66、及び過熱検出回路64が内蔵されている。このため、過電流保護回路66、及び過熱検出回路64をケースCA外部に設ける必要がなく、各種部品を減少させることができ、省スペース化を図ることができるとともに、回路の実装効率を高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、モータ制御プログラムと、そのプログラムに基づいて参照されるデータとを、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに所定周期毎に展開したが、これに限らず、例えば、初期設定時に展開してもよく、これらの組み合わせであってもよい。また、例えば、可動体K1〜K7の全てを変位させない図柄変動ゲームが実行される場合に、モータ制御プログラム等を、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開させないように構成してもよい。この場合、モータ制御プログラムとは別のプログラムとして、可動体K1〜K7の少なくとも何れかを変位させるか否かが含まれないように構成してもよい。つまり、可動体K1〜K7の少なくとも何れかを変位させるか否かを判定するプログラムが、モータ制御プログラムに含まれており、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開されるように構成してもよい。その一方で、可動体K1〜K7の少なくとも何れかを変位させるか否かを判定するプログラムが、モータ制御プログラム以外のプログラムに含まれており、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開されず、統括制御用ROM73bから読み出すように構成してもよい。
・上記実施形態において、モータ制御プログラムと、そのプログラムに基づいて参照されるデータとを、統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開したが、これに限らず、例えば、モータ制御プログラム以外の各種プログラムを統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開してもよい。また、例えば、モータ制御プログラムに基づいて参照するデータを統括制御用ROM73bから統括制御用RWM73cに展開させなくてもよく、モータ制御プログラムとそれに基づいて参照するデータとの両方を展開させなくてもよい。
・上記実施形態において、第1記憶手段としての統括制御用ROM73bがフラッシュメモリであったが、これに限らず、例えば、記録されている内容を書き換えることができないマスクROM等であってもよい。つまり、第1記憶手段としては、プログラムやそのプログラムに基づいて参照されるデータが予め記憶された記憶媒体であればよく、書き込みや消去が可能であってもなくてもよい。
・上記実施形態において、第2記憶手段として、統括制御用CPU73aとは別体の統括制御用RAM73cが採用されたが、これに限らず、例えば、内蔵されたレジスタ等の記憶領域を有する統括制御用CPU73a自体が第2記憶手段として機能させてもよい。また、第2記憶手段としては、通電状態ではない場合に、プログラムやそのプログラムに基づいて参照されるデータが保持されるか否かも問わない。
・上記実施形態において、9種類の割込処理に優先順位が設定されたが、これに限らず、例えば、8種類以下であっても10種類以上であってもよい。
・上記実施形態において、パルス制御処理は、メインコマンド受信処理とタイマカウント処理以外の処理よりも優先順位が高くなるように規定されたが、これに限らず、例えば、パラレルランプ諧調処理や、サウンドIC処理、システム処理等よりも優先順位が低くなるように規定されてもよい。また、例えば、パルス制御処理は、メインコマンド受信処理とタイマカウント処理よりも優先順位が高くなるように規定されてもよい。
・上記実施形態において、モータMOT1〜MOT7のいずれかを駆動させる信号を出力する処理をパルス制御処理としたが、これに限らず、例えば、信号を出力する処理以外にも、その信号の出力を確認する処理等も実行可能なパルス制御処理としてもよい。また、例えば、可動体K1〜K7が原位置に配置されていることを示す信号が入力されたときの処理も含めてもよい。
・上記実施形態において、モータ制御の基本周期と、第1モータMOT1の制御周期である第1周期とを同じとしたが、各モータMOT3〜MOT7の制御周期である第2周期よりも短ければ、モータ制御の基本周期と第1周期とを異ならせてもよい。また、例えば、モータ制御テーブルのチャンネル毎に制御することによって、複数のモータ制御を並列して行うが、必ずしも同時でなくてもよい。また、例えば、各可動体K1〜K7の種類によってその移動距離や重量を異ならせたが、上記実施形態に示す態様でなくてもよい。
・上記実施形態において、モータ制御テーブルの2チャンネル目、4チャンネル目で、ダミーモータを設定したが、これに限らず、例えば、ダミーモータを設定しなくてもよい。
・上記実施形態において、統括制御用ROM73bにモータ制御テーブルが予め記憶されており、そのモータ制御テーブル自体が統括制御用RWM73cに展開され、参照されたが、これに限らない。例えば、統括制御用ROM73bにモータの駆動速度自体が記憶されており、その駆動速度に基づいてモータ制御テーブルが生成され、統括制御用RWM73cに記憶されてもよい。例えば、駆動速度の上限が1000ppsであると仮定すると、1s間に1000回駆動制御が可能である。このため、0〜1000ppsまでで1pps刻みに駆動速度を調整することが可能である。具体的な一例をあげると、1s間に1000回中777回の駆動制御を行うことによって、777ppsを実現可能となる。このような精密な駆動速度が調整可能となる。また、上記実施形態におけるモータ制御テーブルは一例に過ぎず、各種のモータ制御テーブルが設定可能である。例えば、ダミーモータに替えて別のモータが設定されてもよい。この場合、第1モータ制御テーブルTB1に1つのモータを1000ppsで、第2モータ制御テーブルTB2に2つのモータを500ppsで、第3モータ制御テーブルTB3に3つのモータを333ppsで、第4モータ制御テーブルTB4に3つのモータを333ppsで、それぞれ駆動制御が可能となる。つまり、統括制御用CPU73aの基本周期である1000ppsを最高速度として、駆動速度の諧調制御が可能となる。
・上記実施形態において、4チャンネル分のモータ制御を並列して行ったが、これに限らず、3チャンネル以下、5チャンネル以上のモータ制御を並列して行ってもよい。
・上記実施形態において、チャンネル毎に対応するモータ制御テーブルが規定されたが、これに限らず、例えば、チャンネル数以上のモータ制御テーブルが規定されていてもよい。
・上記実施形態において、第1モータMOT1と、第2モータMOT2と、それ以外のモータMOT3〜MOT7とで重複しないように予め駆動タイミングを規定したが、これに限らず、例えば、複数のモータを並列して駆動させる場合に、モータ毎に規定された優先順位に基づいて、優先順位の高いモータを駆動させるようにしてもよい。
・上記実施形態において、第1モータMOT1と、第2モータMOT2と、大入賞口ソレノイドSOL2とで重複しないように予め駆動タイミングを規定したが、これに限らず、例えば、第1モータMOT1及び第2モータMOT2と、大入賞口ソレノイドSOL2とを重複して駆動させるようにしてもよい。また、第1モータMOT1と第2モータMOT2とを重複して駆動させるようにしてもよい。
・上記実施形態において、磁性素子67として、基板上に実装するチップ型のフェライトビーズを採用したが、これに限らず、例えば、電子素子の端子に挿通させるフェライトビーズを採用してもよい。
・上記実施形態において、力率改善モジュール62として、力率改善回路63以外に、過熱検出回路64、過電流検知回路65、過電流保護回路66、磁性素子67等の何れかを含まないように構成してもよい。
・上記実施形態において、パチンコ遊技機10の奥行き方向に対して、金属製の部材により両側から挟まれるように電源装置60を配置したが、これに限らず、例えば、電源装置60の奥行き方向に配置される金属製の部材を、フェライト等の磁性材料が含有された樹脂で形成してもよい。また、例えば、磁性材料を含有する部材に一方側に対面するように電源装置60を配置してもよく、これら磁性材料を含有する部材を、電源装置60の奥行き方向に配置しなくてもよい。
・上記実施形態において、ケースCAは、力率改善モジュール62として力率改善回路63等の各種回路の一部を覆うように構成したが、これに限らず、例えば、各種回路の全部を覆うように構成してもよい。
・上記実施形態において、ケースCAを金属で形成したが、これに限らず、例えば、フェライト等の磁性材料が含有された樹脂で形成してもよい。また、ケースCAに通気口が形成されていなくてもよい。また、例えば、力率改善回路63がケースCAに収納されていなくてもよい。
・上記実施形態において、磁性材料を含有した電源基板ケース60bを採用したが、これに限らず、例えば、磁性材料を含有しない電源基板ケースを採用してもよい。また、例えば、電源基板60aが電源基板ケースに収納されなくてもよい。
・上記実施形態において、各種の複数の制御基板を一つの制御基板として構成してもよく、一つの制御基板を複数の制御基板として構成してもよい。具体的には、統括制御基板73と統括駆動基板74とを一体に構成してもよい。また、主制御基板51と統括制御基板73とを一体に構成してもよい。
・上記実施形態において、モータMOT1〜MOT7としてバイポーラ駆動のモータを採用したが、これに限らず、例えば、モノポーラ駆動のモータを採用してもよい。また、モータの種類としても、駆動速度、トルクの何れかが高いように分類されるようにしてもよい。
・上記実施形態において、可動体K1〜K7を変位させるアクチュエータとして、ステッピングモータである各モータMOT1〜MOT7を採用したが、これに限らず、例えば、少なくとも何れかに、ステッピングモータではなくても、コンデンサモータ等、別のモータを採用してもよく、各モータMOT1〜MOT7の駆動形式も問わない。また、例えば、各モータMOT1〜MOT7のいずれかにソレノイドを採用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)主制御手段と、前記主制御手段から出力された制御コマンドに基づいて、可動演出部材を変位させる可動演出を実行させる制御を行う演出制御手段とを備えた遊技機において、前記可動演出部材を変位させるアクチュエータを備え、前記演出制御手段は、前記アクチュエータを制御するための制御情報が予め記憶された第1記憶手段と、前記第1記憶手段よりも制御情報の読み出し時間が短く、前記制御情報及び該制御情報に基づく情報が記憶される読み書き可能な第2記憶手段と、を有し、前記第1記憶手段に記憶された前記制御情報を前記第2記憶手段に展開し、該制御情報に基づいて前記アクチュエータを制御することにより前記可動演出部材を変位させる可動演出を行うための第1ソフトウェア割込処理を実行し、該演出制御手段を管理するタイマを計数するための第2ソフトウェア割込処理と、前記主制御手段からの制御コマンドの入力によるハードウェア割込処理とのほうが、前記第1ソフトウェア割込処理よりも高い優先順位で制御する遊技機。
(ロ)遊技に関する可動演出部材を変位させることで可動演出を実行する遊技機において、変位可能な第1可動演出部材と、前記第1可動演出部材とは別に変位可能な第2可動演出部材と、前記第1可動演出部材及び前記第2可動演出部材とは別に変位可能な第3可動演出部材と、前記第1可動演出部材を変位させる特定モータと、前記第2可動演出部材を変位させる第1非特定モータと、前記第3可動演出部材を変位させる第2非特定モータと、予め定められた基本周期毎に、前記特定モータ、前記第1非特定モータ、及び前記第2非特定モータの何れかを駆動可能に制御する駆動制御手段と、を備え、前記駆動制御手段は、前記基本周期を基準として第1周期毎に前記特定モータを駆動制御させるための特定モータ制御テーブルと、前記基本周期を基準として前記第1非特定モータの駆動制御と前記第2非特定モータの駆動制御とを順に行うことにより、前記第1周期よりも長い第2周期で、前記第1非特定モータと前記第2非特定モータとを駆動制御させるための非特定モータ制御テーブルとが記憶されたモータ制御テーブル記憶手段を有し、前記特定モータ制御テーブルに基づく前記特定モータの駆動制御と、前記非特定モータ制御テーブルに基づく前記第1非特定モータの駆動制御又は前記第2非特定モータの駆動制御とを並列して実行可能に制御する遊技機。
(ハ)遊技に関する可動演出部材を変位させることで可動演出を実行する遊技機において、変位可能な第1可動演出部材と、前記第1可動演出部材とは別に変位可能な第2可動演出部材と、消費電力が大きく、駆動能力が高いモータと、前記モータと比較して、消費電力が小さく、変位能力が低いアクチュエータと、を備え、前記第1可動演出部材は、前記第2可動演出部材と比較して、重量及び移動距離の少なくとも何れかが大きく、前記モータは、永久磁石と磁性体とを混成させて構成され、前記モータは、前記第1可動演出部材を変位させ、前記アクチュエータは、前記第2可動演出部材を変位させる遊技機。
(ニ)図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段と、前記図柄変動ゲームに関する制御を行う制御基板と、を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された場合には、遊技者に有利となる大当り遊技が生起される遊技機において、前記制御基板に電源を供給する電源基板と、遊技に関する可動演出部材を変位させるモータと、を備え、前記制御基板は、前記モータの駆動制御により前記可動演出部材を変位させることで可動演出を実行させる制御を行い、前記モータは、永久磁石と磁性体とを混成させて構成され、前記電源基板及び前記制御基板の少なくとも何れかには、前記制御基板に供給される電源電力の力率を改善させる力率改善回路が設けられた遊技機。
(ホ)図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段と、前記図柄変動ゲームに関する制御を行う制御基板と、を備え、前記図柄変動ゲームにおいて予め定めた大当り表示結果が表示された場合には、遊技者に有利となる大当り遊技が生起される遊技機において、前記制御基板に電源を供給する電源基板を備え、前記電源基板には、供給される電源電力の力率を改善させる力率改善回路が設けられ、前記力率改善回路の外周の少なくとも一部が、通気口が形成された金属ケースにより覆われ、前記力率改善回路を構成する電子部品に対して、高調波を抑制する磁性素子が設けられた遊技機。
(ヘ)前記演出制御手段は、前記第3ソフトウェア割込処理及び前記第2ハードウェア割込処理のほうが、前記第2ソフトウェア割込処理により計数されたタイマ毎に実行される第4ソフトウェア割込処理よりも高い優先順位で制御する請求項3に記載の遊技機。
(ト)前記演出制御手段は、前記第4ソフトウェア割込処理のほうが、前記ハードウェア割込処理及び前記第2ハードウェア割込処理とは異なる第3ハードウェア割込処理よりも高い優先順位で制御する(ヘ)に記載の遊技機。
(チ)前記アクチュエータは、ステッピングモータであり、前記演出制御手段は、前記第1ソフトウェア割込処理において、前記ステッピングモータに駆動パルスを供給することで、前記ステッピングモータの駆動制御を行う請求項1〜請求項3、(ヘ)及び(ト)のうち何れか一項に記載の遊技機。
(リ)前記第2記憶手段に展開される制御情報には、前記可動演出部材を変位させるためのプログラム、該プログラムに従って処理が実行される場合に参照される予め定められたデータが少なくとも含まれる請求項1〜請求項4、及び(ヘ)〜(チ)のうち何れか一項に記載の遊技機。