JP5791985B2 - 帯電防止剤及びそれを含有する樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(a)片末端が酸変性されたポリオレフィン
(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物
(c)(a)及び/又は(b)と反応可能な化合物
ここで前記(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンは、ポリオレフィンの片末端をα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物により変性することにより得られるものであるものが好ましい。
また前記(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物が、ポリエーテルモノオール及び/又はポリエーテルジオールであることが好ましい。
さらに前記ブロック共重合体が、(A)前記(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンに由来するブロックと、(B)前記(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物に由来するブロックとが、(A)−(B)型に結合した構造、(A)−(B)−(A)型に結合した構造、又はこれら双方の構造を有する共重合体であることが好ましい。
また前記(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物が、ポリエーテルモノオール及び/又はポリエーテルジオールであることが好ましい。
さらに前記ブロック共重合体が、(A)前記(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンに由来するブロックと、(B)前記(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物に由来するブロックとが(A)−(B)型に結合した構造、(A)−(B)−(A)型に結合した構造、又はこれら双方の構造を有する共重合体であることが好ましい。
(a)片末端が酸変性されたポリオレフィン
(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物
(c)(a)及び/又は(b)と反応可能な化合物
以下、本発明を詳細に説明する。
(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンは、例えばポリオレフィンの片末端をα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物により変性することにより得ることができる。
片末端が変性可能なポリオレフィンの好適例として、一分子当たりの平均末端二重結合数が通常0.5〜1.5個、好ましくは0.7〜1.0個のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等が挙げられる。
末端が酸変性されたポリオレフィン一分子当たりの酸変性度はGPCによる数平均分子量Mnと酸価もしくは鹸化価によって求める事ができる。後述の(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンに由来するブロック(A)と、(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物に由来するブロック(B)とが、(A)−(B)−(A)型又は(A)−(B)型に結合した構造を有するブロック共重合体を合成するために酸変性度は0.5〜1.5個が好ましく、より好ましいのは0.7〜1.0個である。
化合物(b)は、帯電防止性等の観点から、ポリオキシアルキレン基を化合物(b)の全質量に対して好ましくは20〜100質量%、さらに好ましくは50〜100質量%、特に好ましくは70〜100質量%含有する。化合物(b)としては、例えばポリエーテルモノオールやポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン等が含まれる。
脂肪族二価アルコールとしては、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,12−ドデカンジオールが挙げられる。脂環式二価アルコールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールが挙げられ、芳香族二価アルコールとしては、例えば、キシリレンジオール等が挙げられる。
二価フェノールとしては、例えば、単環二価フェノール(ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ウルシオール等)、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン、ジヒドロキシビフェニル等)及び縮合多環二価フェノール(ジヒドロキシナフタレン、ビナフトール等)が挙げられる。
三級アミノ基含有ジオールとしては、例えば、炭素原子数1乃至30の脂肪族又は脂環式一級モノアミン(メチルアミン、エチルアミン、シクロプロピルアミン、1−プロピルアミン、2−プロピルアミン、アミルアミン、イソアミルアミン、ヘキシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、3,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノヘプタン、3−アミノヘプタン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物及び炭素原子数6乃至12の芳香族一級モノアミン(アニリン、ベンジルアミン等)のビスヒドロキシアルキル化物が挙げられる。
これらジオール化合物の中でも、好ましくは脂肪族二価アルコール類及びビスフェノール類であり、特に好ましくはエチレングリコール及びビスフェノールAである。
化合物(c)としては前記(a)及び/又は(b)と反応可能な化合物であれば特に限定されるものではないが、例えばカルボン酸(無水物)基、水酸基、アミノ基、イソシアネート基等を有する化合物を挙げることができる。具体的には、モノカルボン酸、ジカルボン酸、モノオール、ジオール、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸等を挙げることができる。
モノカルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、およびリシノレイン酸等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸等であり、分散性の観点から特に好ましいのはステアリン酸である。
ジカルボン酸としては、例えば、炭素原子数4〜12またはそれ以上の飽和および不飽和の脂肪族ジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、マレイン酸、フマール酸;炭素原子数6〜40の脂環式ジカルボン酸、例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4´−ジシクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸;炭素原子数8〜15の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−および2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸が挙げられる。これらのジカルボン酸は、無水物を使用することもできる。
モノオール、ジオールとしては、前記したものが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、炭素原子数2〜12の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、ω−オキシカプロン酸、ω−オキシエナント酸、ω−オキシカプリル酸、ω−オキシペラルゴン酸、ω−オキシカプリン酸、11−オキシウンデカン酸、12−オキシドデカン酸が挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素原子数2〜12のアミノカルボン酸、例えばグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン等のアミノ酸、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。
これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に係るブロック共重合体は、前記(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンと前記(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物との反応物、あるいは前記(a)、(b)及び(c)(a)及び/又は(b)と反応可能な化合物の反応物から得られ、該反応物中に残存する酸基の一部もしくは全部がアルカリ性物質により中和されてなることを特徴とする。例えば(a)が片末端を無水マレイン酸で変性したポリオレフィンである場合、該ブロック共重合体は(a)と(b)を反応させることで(a)中の無水マレイン酸由来の構造が開環し、残存する遊離のカルボキシル基がアルカリ性物質によって中和され塩を形成してなるハーフエステルとなる。
また、上記触媒として、三酸化アンチモンなどのアンチモン系触媒;モノブチルスズオキシドなどのスズ系触媒;テトラブチルチタネートなどのチタン系触媒;テトラブチルジルコネートなどのジルコニウム系触媒;酢酸ジルコニル、酢酸亜鉛などの有機酸金属塩系触媒;酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム系触媒;及びこれらの2種以上の組み合わせを用いてもよい。これらのうち好ましいものは、ジルコニウム系触媒及び有機酸金属塩系触媒であり、特に好ましいものは酢酸ジルコニルである。このような有機金属塩系触媒を使用する際は、残存酸基のアルカリ性物質による中和工程が必要となり、中和工程はブロック共重合体の反応前に行っても良いし、反応後に行っても良い。なおここで用いられるアルカリ性物質とは、後述の残存する酸基の中和のために使用するアルカリ性物質として挙げるものを好適に使用できる。
(a)と(b)の反応割合は特に限定されないが、後述の(A)−(B)−(A)型のブロック共重合体を効率よく得る点でモル比で(a):(b)=2:1に近いほど好ましい。
(a)と(b)に加えて(c)を反応させる場合には、(a)、(b)及び(c)を同時に反応させてもよいし、また例えば先に(a)と(b)を反応させた後にこれと(c)を反応させる、あるいは(b)と(c)の反応物と(a)と反応させる等、任意の反応順序をとることができる。
具体的には水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リチウム、トリポリ燐酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パラトルエンスルホン酸カリウム、メタ硼酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等を例示する事ができるがこの限りではない。
これらアルカリ性物質のうち、帯電防止性の点でカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましい。
またアルカリ性物質による中和工程によって塩を形成している酸基の割合は、必ずしも(a)片末端が酸変性されたポリオレフィンと(b)ポリオキシアルキレン基と、水酸基及び/又はアミノ基を有する化合物の反応後に残存する酸基の全てでなくてもよいが、帯電防止性の点で30モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。また残存する酸基をより多く中和するために、アルカリ性物質は残存する酸基に対して100モル%以上使用する事ができる。使用量は残存する酸基に対して10〜200モル%が好ましく、より好ましくは30〜150モル%であり、更に好ましくは50〜100モル%である。なお、その後に帯電防止剤として使用するとき、ブリードアウトの低減のために、中和工程後、減圧脱気する事でアルカリ性物質のうち金属塩部分以外を除去することが好ましい。
(式中、R1はポリオレフィン残基、A1は炭素原子数2〜4のアルキレン基、nは1〜200の整数、R2は炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基又は炭素原子数1〜24のアシル基、M1はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、有機アンモニウムを示す。)
R2としては、先に例示したモノオール、例えば一価アルコールやフェノール類からヒドロキシ基を除いた残基である炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基や、前記モノカルボン酸に由来する炭素原子数1〜24のアシル基が挙げられる。
A1としては、炭素原子数2乃至4のアルキレン基が挙げられる。nは通常1乃至200、好ましくは3乃至60、特に好ましくは5乃至30の整数である。
M1はリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムである。
A2、A3としては、炭素原子数2乃至4のアルキレン基が挙げられる。p、qはそれぞれ独立して1乃至100、好ましくは2乃至30、特に好ましくは3乃至10の整数である。
R4、R5はポリオレフィン残基であり、具体的には先に例示したポリオレフィンに由来する残基が挙げられるが、好ましくはポリ(イソ)ブテニル基である。
M2、M3はリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムである。
これはすなわち、(A)ブロックと(B)ブロックとの繰り返し単位の平均繰り返し数(Nn)が2未満であることが好ましく、特に平均繰り返し数が1.8以下が好ましい。Nnがこの範囲であると帯電防止性、HAZEの観点から好ましい。Nnが2を超えるとブロック共重合体がゲル化しハンドリング性が不良になるばかりか、樹脂への分散性も悪化するため、帯電防止性と樹脂外観を両立させることが困難になる。
本発明は前述の帯電防止剤と、熱可塑性樹脂とを含有する帯電防止樹脂組成物にも関する。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリスチレン樹脂としては、スチレン類の単独重合体の他、スチレン類と共重合可能な単量体とスチレン類との共重合体が挙げられる。具体的には、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)等が挙げられる。
ビニル樹脂としては、ジエン系重合体、例えばブタジエン樹脂、ポリイソプレン樹脂等が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンサクシネートアジペート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステル等が挙げられる。
ポリアセタール樹脂としては、ホルムアルデヒド又はトリオキサンの重合体が挙げられる。ポリカーボネート樹脂としては、ビスフェノールAとホスゲンとの縮合物、ビスフェノールAと炭酸ジエステルとの縮合物が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては、有機ジイソシアネートと高分子ジオールの反応物が挙げられる。フッ素樹脂としては、フッ素含有モノマーの重合体が挙げられる。
これら熱可塑性樹脂の中でも、特にポリオレフィン樹脂が好ましい。
本発明に係る帯電防止剤を添加した帯電防止樹脂組成物は、公知公用の成形法に適用できる好適な材料であり、得られる成形体には、特に制限はなく、例えばフィルム・シート、モノフィラメント、繊維や不織布等のマルチフィラメント、射出成形体、ブロー成形体、積層体、発泡体、真空成形体などの熱成形体が挙げられる。又、本発明に係る帯電防止剤を添加した樹脂組成物は、延伸配向結晶化させる際の成形性が良く、本発明効果が顕著に現れ、延伸して得られるフィルム・シート、テープヤーン、延伸ブロー成形体、(モノ、マルチ)フィラメントの製造に好適である。
数平均分子量(Mn)はゲルパーミネーションクロマトグラフィーにて、下記測定条件に従って測定した。
装置:高温ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(Waters allianceGPC 2000)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
基準物質:ポリスチレン
窒素導入管、攪拌機、温度計を備えたステンレス製オートクレーブ(以下同様)にポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)2080g、ポリエチレングリコール(9モル)モノメチルエーテル720g、酸化防止剤(イルガノックス1010)9gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH195gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、20torr以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で5時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は33mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体1とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)1930g、ポリエチレングリコール(18モル)モノステアリルエーテル1140g、酸化防止剤(イルガノックス1010)10gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH125gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、20torr以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で5時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は19mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体2とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)1360g、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル(水酸基価41mgKOH/g)1042g、酸化防止剤(イルガノックス1010)8gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH90gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、170℃まで昇温した後、170℃、20torr以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で6時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は17mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体3とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)2930g、脱イオン交換水16g、ポリエチレングリコール(水酸基価374mgKOH/g)490g、ステアリン酸464g、酸化防止剤(イルガノックス1010)12gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH92gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で12時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は47mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体4とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、ポリエチレングリコール(水酸基価187mgKOH/g)1,200g、酸化防止剤(イルガノックス1010)20gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH234gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は36mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体5とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)2,000g、酸化防止剤(イルガノックス1010)22gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH234gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は32mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体6とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、ポリエチレングリコール(水酸基価75mgKOH/g)3,000g、酸化防止剤(イルガノックス1010)21gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH234gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は28mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1735cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体7とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、東邦化学工業製ビスオール18EN(ビスフェノールA−18EO付加物、水酸基価111mgKOH/g)2,026g、酸化防止剤(イルガノックス1010)18gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH234gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は32mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1734cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1564cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体8とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)3,600g、ポリエチレングリコール(水酸基価187mgKOH/g)600g、酸化防止剤(イルガノックス1010)22gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH234gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は26mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1736cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1564cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体9とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、東邦化学工業製ビスオール18EN(ビスフェノールA−18EO付加物、水酸基価111mgKOH/g)2,026g、酸化防止剤(イルガノックス1010)22gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH176gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は24mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1734cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1564cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体10とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)3,600g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)1,000g、酸化防止剤(イルガノックス1010)24gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、30%水酸化リチウム一水和物210gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は24mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1736cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1590cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体11とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)3,600g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)1,000g、酸化防止剤(イルガノックス1010)24gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、30%水酸化リチウム一水和物280gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は24mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1736cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1590cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体12とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、ポリエチレングリコール(水酸基価37mgKOH/g)6,000g、酸化防止剤(イルガノックス1010)56gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、ステアリルジメチルアミン287gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は20mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1733cm−1、アンモニウム逆対称伸縮2710cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体13とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、ポリエチレングリコール(水酸基価561mgKOH/g)400g、酸化防止剤(イルガノックス1010)18gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH234gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で3時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は40mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1732cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体14とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)3,715g、ポリエチレングリコール(水酸基価280.5mgKOH/g)277g、東邦化学工業(株)製ビスオール18EN(ビスフェノールA−18EO付加物、水酸基価111mgKOH/g)345g、酸化防止剤(イルガノックス1010)23gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH242gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で5時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は26mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1732cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体15とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)3,411g、N−メチルジエタノールアミン9.4モルEO付加物(アミン価106mgKOH/g)743g、酸化防止剤(イルガノックス1010)23gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、48%KOH329gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、220℃、0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で6時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物のエステル価は40mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1733cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1565cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体16とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価62mgKOH/g)2,496g、両末端アミノ化ポリエチレンオキサイド(アミン価56.1mgKOH/g)1,388g、酸化防止剤(イルガノックス1010)20gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、80℃まで昇温した後、カリウムメトキシド96gを添加した。更に充分な窒素置換を行い、同温度で0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間脱メタノール反応を行った。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。また、IRスペクトルでは、C(=O)O−M逆対称伸縮1565cm−1、C(=O)−N伸縮振動1641cm−1、また極わずかながらC(=O)−N−C(=O)伸縮1709及び1770cm−1に吸収がみられた。得られた生成物をブロック共重合体17とする。
ステンレス製オートクレーブにMnが3,300で平均末端二重結合数が0.9の低分子量ポリプロピレン9,700部と無水マレイン酸300部とを仕込み、窒素ガス雰囲気下、220℃で溶融し10時間反応を行った。その後、過剰のマレイン酸を200℃で4時間減圧留去してポリプロピレンの無水マレイン酸変性物を得た。Mnは3,400、鹸化価は30mgKOH/g、1分子あたりの酸変性度は0.9であった。
ステンレス製オートクレーブにMnが8,800で平均末端二重結合数が0.9の低分子量ポリプロピレン9,900部と無水マレイン酸100部とを、窒素ガス雰囲気下、220℃で溶融し14時間反応を行った。その後、過剰のマレイン酸を200℃で4時間減圧留去してポリプロピレンの無水マレイン酸変性物を得た。Mnは8,900、鹸化価は14mgKOH/g、1分子あたりの酸変性度は1.1であった。
ステンレス製オートクレーブにMnが2,800で平均末端二重結合数が1.3の低分子量ポリプロピレン9,500部と無水マレイン酸500部とを仕込み、窒素ガス雰囲気下、220℃で溶融し20時間反応を行った。その後、過剰のマレイン酸を200℃で4時間減圧留去してポリプロピレンの無水マレイン酸変性物を得た。Mnは2,900、鹸化価は39mgKOH/g、1分子あたりの酸変性度は1.0であった。
ステンレス製オートクレーブにMnが8,900で平均末端二重結合数が1.6の低分子量ポリプロピレン9,800部と無水マレイン酸200部とを仕込み、窒素ガス雰囲気下、220℃で溶融し20時間反応を行った。その後、過剰のマレイン酸を200℃で4時間減圧留去してポリプロピレンの無水マレイン酸変性物を得た。Mnは9,000、鹸化価は20mgKOH/g、1分子あたりの酸変性度は1.6であった。
ステンレス製オートクレーブに製造例18で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4,000g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)530g、酸化防止剤(イルガノックス1010)24g、48%NaOH88g、イオン水176gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、攪拌を1時間行なった。更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物のハンドリングは良好であり、固体状のポリマーであった。生成物のエステル価は13mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は1.3であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1737cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1579cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体18とする。
ステンレス製オートクレーブに製造例18で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4000g、ポリエチレングリコール(水酸基価73mgKOH/g)825g、酸化防止剤(イルガノックス1010)24g、酢酸ナトリウム44g、酢酸ジルコニル24g、イオン水132gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、攪拌を1時間行なった。更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物のハンドリングは良好であり、固体状のポリマーであった。生成物のエステル価は13mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は1.4であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1738cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1566cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体19とする。
ステンレス製オートクレーブに製造例19で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4,000g、ポリエチレングリコール(水酸基価374mgKOH/g)61g、酸化防止剤(イルガノックス1010)20g、酢酸ナトリウム32g、酢酸ジルコニル20g、イオン水96gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、攪拌を1時間行なった。更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物のハンドリングは良好であり、固体状のポリマーであった。生成物のエステル価は6mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は1.4であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1738cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1566cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体20とする。
ステンレス製オートクレーブに製造例18で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4,000g、ポリエチレングリコール(水酸基価28mgKOH/g)2,144g、酸化防止剤(イルガノックス1010)24g、水酸化リチウム29g、酢酸ジルコニル24gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、攪拌を1時間行なった。更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物のハンドリングは良好であり、固体状のポリマーであった。生成物のエステル価は10mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は1.3であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1737cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体21とする。
ステンレス製オートクレーブに製造例20で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4,000g、ポリエチレングリコール(水酸基価374mgKOH/g)414g、酸化防止剤(イルガノックス1010)22g、酢酸ジルコニル22gを仕込んだ。十分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧条件で4時間維持した。後に80℃まで降温し水酸化カリウム74g、イオン水264gを仕込んだ。更に更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧条件で2時間脱水した。得られた生成物のハンドリングは良好であり、固体状のポリマーであった。生成物のエステル価は17mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は1.7であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1742cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1572cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体22とする。
ステンレス製オートクレーブに製造例18で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4,000g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)1058g、酸化防止剤(イルガノックス1010)25g、48%NaOH98g、イオン水196gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、攪拌を1時間行なった。更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物のハンドリングは良好であり、固体状のポリマーであった。生成物のエステル価は13mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は0.9であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1737cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1579cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体23とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)1,245g、ポリエチレングリコール(水酸基価75mgKOH/g)750g、酸化防止剤(イルガノックス1010)10g、パラトルエンスルホン酸6gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、230℃まで昇温した後に4時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物の酸価は33mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1733cm−1の吸収は見られたが1570cm−1付近に特徴的なカルボン酸陰イオンの逆対称伸縮吸収はなかった。得られた生成物をブロック共重合体24とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価90mgKOH/g)4,980g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)2000g、酸化防止剤(イルガノックス1010)36gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、230℃まで昇温した後に5時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物の酸価は35mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1733cm−1の吸収は見られたが1570cm−1付近に特徴的なカルボン酸陰イオンの逆対称伸縮吸収はなかった。得られた生成物をブロック共重合体25とする。
ステンレス製オートクレーブにポリ(イソ)ブテニルコハク酸無水物(鹸化価91mgKOH/g)616g、12−アミノドデカン酸162gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃、0.2kPa以下、微量窒素ブローの減圧下条件で6時間維持し、生成物は粘ちょうなポリマーを得た。次にこの生成物を57.5g、ポリエチレングリコール(水酸基価74.8mgKOH/g)33.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7.8g、酸化防止剤(BHT)0.3g、パラトルエンスルホン酸1.0gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、230℃、0.2kPa以下、微量窒素ブローの減圧下条件で5時間維持した。得られた生成物は粘ちょうなポリマーであった。生成物の酸価は0.05mgKOH/gであった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1734cm−1、1639cm−1、C(=O)−N−C(=O)伸縮1705cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体26とする。
ステンレス製オートクレーブに製造例17で作製したポリプロピレンの無水マレイン酸変性物4,000g、ポリエチレングリコール(水酸基価112mgKOH/g)292g、酸化防止剤(イルガノックス1010)25g、水酸化カリウム33g、イオン水100gを仕込んだ。充分に窒素置換を行い、220℃まで昇温した後、攪拌を1時間行なった。更に0.2kPa以下、微量窒素バブリングの減圧下条件で4時間維持した。得られた生成物のハンドリングは不良であり、ゴム状固体のポリマーであった。生成物のエステル価は7mgKOH/gであり、平均繰り返し数(Nn)は3.1であった。また、IRスペクトルでは、C=O伸縮1737cm−1、C(=O)O−逆対称伸縮1579cm−1に特徴的な吸収があった。得られた生成物をブロック共重合体27とする。
具体的には、試験片は、表1及び表2に記載の帯電防止剤(ブロック共重合体)を、下記<試験片の作成>の手順に従ってフィルム又はシート形態の試験片に作製され、そして後述の<評価方法>に従って試験片の帯電防止性、外観及び透明性を評価した。
なお、表2中、DBSNaはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを、AcNaは酢酸ナトリウムを示す。実施例26はブロック共重合体7とDBSNaとの質量比:19:1混合物であり、実施例27はブロック共重合体7とAcNaとの同19:1混合物であり、そして、実施例42はブロック共重合体15とDBSNaとの同19:1混合物である。
また、表1及び表2中の欄「配合量」は、上記樹脂組成物中の帯電防止剤の割合(質量%)を表し、欄「試験片」は下記<試験片の作成>に示す試験片1乃至試験片5の種類を示す。
下記手順に倣い、試験片を作製した。なお、後述の外観評価及び透明性評価においては、帯電防止剤を配合しない試験片を基準試験片として、同様の手順にて作製した。
(1)試験片1
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン[ノバテックPP FL6H(商品名:日本ポリプロ(株)販売)]に対して前述の本発明の帯電防止剤を表1に示した配合量で配合し、ラボプラストミルとローラミキサー((株)東洋精機製作所製)にて200℃で溶解混合した後、混合した樹脂をプレス機にて厚さ0.5mm、縦60mm、横60mmのシート状に成型した。次にこのシートをオーブンの中で加熱した後、縦5.0倍、横5.0倍に延伸し厚み20μmのフィルムを得た。
(2)試験片2
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン[プライムポリプロ F−300SP(商品名:(株)プライムポリマー販売)]に対して前述の本発明の帯電防止剤を表1に示した配合量で配合し、Tダイ押出機で溶融温度200−240℃にて厚さ200μmのシートを製膜した。
(3)試験片3
熱可塑性樹脂としてポリエチレン[スミカセン F−102(商品名:住友化学(株)販売)]に対して前述の本発明の帯電防止剤を表1に示した配合量で配合し、Tダイ押出機で溶融温度200−220℃にて厚さ200μmのシートを製膜した。
(4)試験片4
熱可塑性樹脂としてポリ乳酸[レイシアH−400(商品名:三井化学(株)販売)]に対して前述の本発明の帯電防止剤を表1に示した配合量で配合し、ラボプラストミルとローラミキサー((株)東洋精機製作所製)にて200℃で溶解混合した後、混合した樹脂をプレス機にて厚さ0.2mm、縦60mm、横60mmのシート状に成型した。次にこのシートをオーブンの中で加熱した後、縦3.0倍、横3.0倍に延伸し厚み20μmのフィルムを得た。
(5)試験片5
熱可塑性樹脂としてポリプロピレン[ノバテックPP FL6H(商品名:日本ポリプロ(株)販売)]に対して前述の本発明の帯電防止剤を表1に示した配合量で配合し、二軸押出機にてマスターバッチ化を行なった。この樹脂組成物をTダイにより押出し、テンター法二軸延伸機により厚さ30μmの延伸フィルムを得た。
(1)帯電防止性
試験片を温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日放置した後、同条件下でJIS−K6911に準じ、(株)川口電気製作所製超絶縁計P−616を使用して作製した試験片の表面固有抵抗値を測定した。その後、試験片を80℃のお湯に30分浸漬し、綺麗な布で表面を拭き取り後、同様に表面固有抵抗値を測定した。なお、数値が小さい程、帯電防止性が優れている事を示し、表面固有抵抗値(LogΩ/□)は13以下が目標である。
得られた結果を表1に示す。
(2)外観
帯電防止剤未配合の試験片と本発明の帯電防止剤を配合した試験片を目視で比較確認した。未配合と同等の外観で、帯電防止剤が樹脂に相溶して一様な外観を有しているものを○、スジ、ボイドやフィッシュアイ等が発生し外観が不良なものを×で評価した。
得られた結果を表1に示す。
(3)透明性
HAZE測定装置((有)東京電色製 HAZEMETER TC−HIIIDPK)にて作製した試験片(フィルム、シート)のHAZE値を測定し、帯電防止剤未配合の試験片と本発明の帯電防止剤配合の試験片との差ΔHAZEを比較評価した。なお、ΔHAZEが小さいほど、帯電防止剤未配合の試験片に近い透明性を示し、ΔHAZEは10以下が目標である。
得られた結果を表1及び表2に示す。
一方、比較例1乃至比較例4においては、帯電防止性の持続性、外観及び透明性の全てを満足できる結果は得られなかった。
以上の結果より、本発明に係る帯電防止剤は、帯電防止性とその持続性に優れ、かつ、樹脂に練り込んでもその外観や透明性を損なわないことが確認できた。
Claims (5)
- 請求項1に記載の帯電防止剤と熱可塑性樹脂とを含有することを特徴とする帯電防止樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂である、請求項2に記載の帯電防止樹脂組成物。
- 請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物からなるシート。
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