JP5791477B2 - 内燃機関の排気装置 - Google Patents
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Description
排気センサは、各気筒からの排気の組成を全て検出するために、検出部が各気筒の排気流が全て均等に当たる位置にコーン部内に突出して配置される(特許文献1参照)。
特に、V型横置き内燃機関で機関直下触媒を配置する車両の場合に、車両の前方側のFRバンク側コーン部においては、レイアウト制限が厳しく、排気センサと排気が衝突するFRバンク側コーン部壁面との間の距離の確保や、排気センサを通過した排気がFRバンク側コーン部壁面に強く衝突しないように丸み形状を持たすことができなかった。このため、静音性の問題が顕著に発生する。
更に、排気センサの検出部に向かって直線的に排気が流入するので、検出部に各気筒からの排気がしっかりと流入し、各気筒間で均等な検出を行える。
また、排気センサの検出部に向かって直線的に流入した排気の外側壁面における衝突位置は排気流れ方向に対して直交する一列上の位置となる。これにより、各気筒から排出され排気センサの検出部を通過した排気が排気通路の外側壁面に排気流れ方向に対して直交する方向で一列上に位置を異ならせて衝突する場合に発生する応力をリブで緩和し、当該応力に起因して生じるノイズを低減し、静音性を向上できる。
なお、(1)の発明に対し、リブを排気流れ方向に沿って配置することも考えられるが、各気筒からの排気は排気通路の外側壁面に排気流れ方向に対して直交する方向で位置を異ならせて衝突し、衝突位置は排気流れ方向に対して直交する一列上の位置となるので、上記のようにリブを排気流れ方向に沿って配置することはリブを設ける効率が悪い。
また、リブは外側壁面を外側に突出させて設けられているので、リブが形成された排気通路の内側を流通する排気の流れの抵抗とならず、排気の流れを阻害しない。
また、リブは1本だけ設けられているので、リブを多数本設けてしまうことによりリブが形成された排気通路の内側を流通する排気の流れの抵抗を増大させてしまうことがなく、これによっても排気の流れを阻害しない。
一方、車両の後方側のリアバンクについては、スペースに空きがありレイアウトに余裕があるので、排気センサの検出部と排気通路の排気が衝突する外側壁面との間の距離を長くすることや、排気センサを通過した排気が外側壁面に強く衝突しないように外側壁面に丸み形状を持たすことができ、静音性を向上できる。
これらにより、車両の前方及び後方において最適に静音性を向上できる。
図1は、本実施形態に係る内燃機関1の全体を示す側面図である。図1に示す内燃機関1は、横置きのV型6気筒のエンジンである。このため、車両の前方側と後方側とに3つずつ別れて気筒が配置され、車両の前方側にはFRバンク(フロントバンク)2が構成され、車両の後方側にはRRバンク(リアバンク)3が構成される。
FRバンク2側の排気系は、排気ポート21a〜21fと、排気集合部としてのエキゾーストマニホルド22と、排気通路としてのコーン部23と、機関直下触媒24と、FRバンク側排気管25と、を備える。
エキゾーストマニホルド22は、図2に示すように、4番気筒から通じる2本の排気ポート21a,21bと、5番気筒から通じる2本の排気ポート21c,21dと、6番気筒から通じる2本の排気ポート21e,21fと、を、4番〜6番の気筒ごとに枝管22a,22b,22cとして集合させ、更に下流で4番〜6番の気筒の各枝管22a,22b,22cを集合させ、集合部22dにて排気を集合させる。
コーン部23は、図2に示すように、エキゾーストマニホルド22に対してフランジ部23aで面接触して接合される。
コーン部23には、LAF(Linear Air Fuel Ratio)センサ26が配置される。LAFセンサ26は、例えばジルコニア固体電解質中を通過する酸素イオン量に基づき空燃比に比例した電流値をECU(Engine Control Unit)に出力し、排気の成分を検出する。
LAFセンサ26は、水平面視で4番〜6番の各気筒からの排気排出方向の延長線上に配置される。つまり、4番〜6番の各気筒の各排気ポート21a〜21fから集合部22dを経てコーン部23のLAFセンサ26の検出部26aまでが、それぞれ水平面視で一直線上に結べるように構成され、LAFセンサ26の検出部26aに向かって直線的に排気が流入する。
RRバンク3側の排気系は、排気ポート31a〜31fと、排気集合部としてのエキゾーストマニホルド32と、排気通路としてのコーン部33と、機関直下触媒34と、RRバンク側排気管35と、を備える。
エキゾーストマニホルド32は、図3に示すように、1番気筒から通じる2本の排気ポート31a,31bと、2番気筒から通じる2本の排気ポート31c,31dと、3番気筒から通じる2本の排気ポート31e,31fと、を、1番〜3番の気筒ごとに枝管32a,32b,32cとして集合させ、更に下流で1番〜3番の気筒の各枝管32a,32b,32cを集合させ、集合部32dにて排気を集合させる。
コーン部33は、図3に示すように、エキゾーストマニホルド32に対してフランジ部33aで面接触して接合される。
コーン部33には、LAFセンサ36が配置される。LAFセンサ36は、例えばジルコニア固体電解質中を通過する酸素イオン量に基づき空燃比に比例した電流値をECUに出力し、排気の成分を検出する。
LAFセンサ36は、水平面視で1番〜3番の各気筒からの排気排出方向の延長線上に配置される。つまり、1番〜3番の各気筒の各排気ポート31a〜31fから集合部32dを経てコーン部33のLAFセンサ36の検出部36aまでが、それぞれ水平面視で一直線上に結べるように構成され、LAFセンサ36の検出部36aに向かって直線的に排気が流入する。
FRバンク2側のコーン部23は、フランジ部23aによってエキゾーストマニホルド22に面接触して接合され、4番〜6番の各気筒からの排気排出方向(図示水平方向)に対して途中で向きを図示下方へ変えるよう屈曲し、排気を機関直下触媒24に流通させる。コーン部23は、下流の機関直下触媒24が大径であることから、屈曲後の下流側の内部が徐々に大径となるスカート状となっている。
LAFセンサ26は、コーン部23における外側壁面23bが曲面であるので、上方向から差し込めるように断面L字型の支持台23dを介して固定される。
RRバンク3側のコーン部33は、フランジ部33aによってエキゾーストマニホルド32に面接触して接合され、1番〜3番の各気筒からの排気排出方向(図示水平方向)に対して途中で向きを図示下方へ変えるよう屈曲し、排気を機関直下触媒34に流通させる。コーン部33は、下流の機関直下触媒34が大径であることから、屈曲後の下流側の内部が徐々に大径となるスカート状となっている。
LAFセンサ36は、コーン部33における外側壁面33bが上面を有するので、当該上面において支持台33dを介して上方向から差し込み固定される。
すなわち、車両の前方側のFRバンク2のコーン部23におけるLAFセンサ26の検出部26aから当該検出部26aを通過した排気が衝突する外側壁面23bまでの距離L1(図4参照)に対して、車両の後方側のRRバンク3のコーン部33における距離L2が長くなっている。つまり、L2>L1の関係が成立する。このため、距離L2を設けたコーン部33では、外側壁面33bに衝突する排気の勢いが弱まり、衝突時の応力が緩和される。
加えて4番〜6番の各気筒からそれぞれ排出される排気は、外側壁面23bに衝突する位置を異ならせる。図6は本実施形態に係るFRバンク側の4番〜6番の各気筒の排気ポート21a〜21fからコーン部23内への排気流を示す図である。LAFセンサ26の検出部26aに向かって直線的に流入した排気の外側壁面23bへの衝突位置は、図6に示す破線領域のように4番〜6番の各気筒に応じて排気流れ方向に対して直交する位置が変化する。しかし、図4に示す排気流れの矢印のように外側壁面23bへの高さ方向の衝突位置は4番〜6番の各気筒で変わらない。よって、4番〜6番の各気筒からの排気の外側壁面23bへの衝突位置は、排気流れ方向に対して直交する一列上の位置となる。
そこで本実施形態では、FRバンク2側のコーン部23におけるLAFセンサ26が配置された外側壁面23bよりも下流側における、4番〜6番の各気筒からの排気衝突位置に、排気流れ方向に対して直交する向き(図示水平方向)に一直線状に外側壁面23b上に伸びるリブ23cを設ける。
なお、リブ23cの外側壁面23bにおける外側への突出形状は、外側壁面23bの剛性を高めることと、コーン部23の内側を流通する排気の流れの抵抗とならないこととのバランスを最適に発揮できる所定の曲率半径の円弧形状に形成される。
リブ23cによって、排気の衝突位置の外側壁面23bの剛性を高めているので、4番〜6番の各気筒からの排気が衝突位置を排気流れ方向に対して直交する方向(図示水平方向)で異ならせて衝突する場合に発生する応力をリブ23cで緩和できる。一方で、リブ23cは外側壁面23bを外側に突出させて設けられているので、リブ23cが形成されたコーン部23の内側を流通する排気の流れの抵抗とならない。加えて、リブ23cは1本だけ設けられているので、リブを多数本設けてしまうことによりリブが形成されたコーン部23の内側を流通する排気の流れの抵抗を増大させてしまうことがない。
試験条件:4番気筒から排気を排出させ、そのときのFRバンク2側のコーン部23、231の外側壁面に発生する応力を測定した。
結果:図8に示すように、本実施形態に係るFRバンク2側のコーン部23及び比較例に係るリブ23cの無いコーン部231は、図示左側の外側壁面に応力が発生する。なお、この結果は4番気筒から排気を排出させたためであり、5番気筒及び6番気筒から排気を排出させた場合には、同じ高さ位置の図示中央や図示右側の外側壁面に応力が発生する。
また、本実施形態に係るFRバンク2側のコーン部23においては、応力が発生する位置はリブ23c周辺となる。
図9に示すように、本実施形態に係るFRバンク2側のコーン部23では、発生する応力は目標値を下回る応力となり、一方比較例に係るリブ23cの無いコーン部231では、発生する応力は目標値を上回る応力となり、応力をリブ23cで緩和できる効果を確認できた。なお、目標値は、ノイズの生じないRRバンク3側でのコーン部33で生じる応力を基準として設定されている。
(1)リブ23cが排気流れ方向に対して直交する向きに外側壁面23b上に伸びて形成され、外側壁面23bの剛性を高めているので、4番〜6番の各気筒から排出されLAFセンサ26の検出部26aを通過した排気がコーン部23の外側壁面23bに排気流れ方向に対して直交する方向で位置を異ならせて衝突する場合に発生する応力をリブ23cで緩和し、当該応力に起因して生じるノイズを低減し、静音性を向上できる。
なお、本実施形態に対し、リブを排気流れ方向に沿って配置することも考えられるが、各気筒からの排気はコーン部の外側壁面に排気流れ方向に対して直交する方向で位置を異ならせて衝突し、衝突位置は排気流れ方向に対して直交する一列上の位置となるので、上記のようにリブを排気流れ方向に沿って配置することはリブを設ける効率が悪い。
また、リブ23cは外側壁面23bを外側に突出させて設けられているので、リブ23cが形成されたコーン部23の内側を流通する排気の流れの抵抗とならず、排気の流れを阻害しない。
また、リブ23cは1本だけ設けられているので、リブを多数本設けてしまうことによりリブが形成されたコーン部の内側を流通する排気の流れの抵抗を増大させてしまうことがなく、これによっても排気の流れを阻害しない。
また、LAFセンサ26の検出部26aに向かって直線的に流入した排気の外側壁面23bにおける衝突位置は排気流れ方向に対して直交する一列上の位置となる。これにより、4番〜6番の各気筒から排出されLAFセンサ26の検出部26aを通過した排気がコーン部23の外側壁面23bに排気流れ方向に対して直交する方向で一列上に位置を異ならせて衝突する場合に発生する応力をリブ23cで緩和し、当該応力に起因して生じるノイズを低減し、静音性を向上できる。
一方、車両の後方側のRRバンク3については、スペースに空きがありレイアウトに余裕があるので、LAFセンサ36の検出部36aとコーン部33の排気が衝突する外側壁面33bとの間の距離を長くすることや、LAFセンサ36を通過した排気が外側壁面に強く衝突しないように外側壁面33bに大きな丸み形状33cを持たすことができ、静音性を向上できる。
これらにより、車両の前方及び後方において最適に静音性を向上できる。
本実施形態では、排気センサとしてLAFセンサを用いたが、本発明としては排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ等を用いることもできる。
2…FRバンク
21a〜21f…排気ポート
22…エキゾーストマニホルド
22a〜22c…枝管
22d…集合部
23…コーン部
23a…フランジ部
23b…外側壁面
23c…リブ
23d…支持台
24…機関直下触媒
25…FRバンク側排気管
26…LAFセンサ
26a…検出部
3…RRバンク
31a〜31f…排気ポート
32…エキゾーストマニホルド
32a〜32c…枝管
32d…集合部
33…コーン部
33a…フランジ部
33b…外側壁面
33c…大きな丸み形状
33d…支持台
34…機関直下触媒
35…RRバンク側排気管
36…LAFセンサ
36a…検出部
4…エンジン本体
5…集合排気管
Claims (4)
- 内燃機関の複数の気筒から延出される排気ポートの各々が集合し、前記複数の気筒から排出される排気が集合する排気集合部と、
前記排気集合部に接続され、各気筒からの排気排出方向に対して途中で向きを変えるよう屈曲し、前記排気集合部から排気を下流へ流通させる排気通路と、
前記排気通路における前記排気集合部から遠方の外側壁面に設けられ、検出部が前記排気通路内に突出して排気の成分を検出する排気センサと、
前記排気通路における前記排気センサが配置された前記外側壁面よりも下流側に設けられ、前記各気筒から前記排気センサの前記検出部に向かって直線的に流入した排気が前記外側壁面に衝突する一列上の位置に、排気流れ方向に対して直交する向きに、前記外側壁面上に伸びるリブと、を備えたことを特徴とする内燃機関の排気装置。 - 前記リブは、前記排気センサの検出部を通過した排気が衝突する位置の前記外側壁面を外側に突出させて1本設けられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気装置。
- 前記内燃機関は横置きのV型エンジンであって、
車両の前方側のフロントバンクにおける前記排気通路は、前記リブが設けられた前記外側壁面を有し、車両の後方側のリアバンクにおける前記排気通路は、前記リブが設けられた前記外側壁面を有しないことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の内燃機関の排気装置。 - 前記車両の前方側のフロントバンクの前記排気通路における前記排気センサの前記検出部から当該検出部を通過した排気が衝突する前記外側壁面までの距離に対して、前記車両の後方側のリアバンクの前記排気通路における前記距離が長いことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気装置。
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