JP5791474B2 - 天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法及びその装置 - Google Patents

天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、天然ガスからプロパン、ブタン等のC3成分以上の炭化水素を分離するための天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法及びその装置に関するものである。
ガス田や油田等で採掘される天然ガス(NG)には、メタンの他に、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン等のC2成分以上の炭化水素や窒素が含まれ、また不純物として水や炭酸ガス(CO2)や硫化水素(H2S)が含まれている。
産地で採掘された天然ガスは、輸送のために−162℃以下の温度で液化してLNGとするが、天然ガス中にプロパンやブタンなどC3成分以上の炭化水素が多く含まれると、発熱量が高くなり、都市ガスなどに使用される天然ガス規格に適合しなくなるため、産地にて天然ガスを精製して液化することがなされている。
従来、天然ガスの精製は、原料のNGを高圧、低温にして、メタンを気相にし、C3以上の炭化水素を液相にし、炭酸ガスや硫化水素等の不純物は前もって吸収液或いは吸着剤で分離して、液相のLPG成分を、気相のメタンから分離することがなされている(特許文献1)。
この際、天然ガスからメタン成分とLPG成分を気液分離する場合、圧力を約4MPaとし、天然ガスを−35〜−45℃に冷却する必要がある。天然ガスからLPG成分を分離するための加圧分離回収方法では、高圧低温法か、低圧極低温法のいずれかで分離する必要があり、分離のために耐圧容器等が必要となり、運転エネルギーを大量に消費すると共に、設備費も高くなる問題がある。
そこで、本出願人は、天然ガスを、冷却水に吹き込んで、天然ガス中のC3成分以上の重質炭化水素をHC水和物として水上に浮上させ、これを冷水から分離することで、メタンとC3成分以上の重質炭化水素を分離することを提案した(特許文献2)。
特開2009−19192号公報 特開2010−275399号公報
この特許文献2では、メタンから分離したHC水和物を加熱して、プロパンやブタンをガス化して回収するものであるが、分離したC3成分以上の重質炭化水素は、回収したメタンと同様に液化する必要がある。
天然ガス中のメタンとC3成分以上の重質炭化水素の組成比は、モル比で4対1であり、分離した重質炭化水素の量は膨大であり、これを貯蔵するにしても、液化するにしても、コストがかかってしまう問題があることがわかった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、天然ガスからC3成分以上の重質炭化水素を除去する際に、低圧で、しかも液化状態で分離・回収できる天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、天然ガスからC3成分以上の重質炭化水素を分離回収する方法において、冷却した水に天然ガスを気泡として吹き込んで天然ガス中のC3成分以上の重質炭化水素をHC水和物として天然ガスを分離回収し、そのHC水和物を水から浮上させて分離すると共にHC水和物をセットリングタンクの下部に移送し、セットリングタンクでHC水和物の上向流を形成しながら加熱してLPGと水に分解し、生成したLPGを回収することを特徴とする天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法である。
請求項2の発明は、水から浮上させたHC水和物と共に浮上するメタンの泡に水をスプレーして消泡してセットリングタンクに導入するHC水和物に同伴するメタン量を少なくする請求項1記載の天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法である。
請求項3の発明は、セットリングタンク内に導入したHC水和物を、圧力1〜4MPa、温度10〜30℃に保ってHC水和物をLPGと水に分解し、LPGを水から分離回収する請求項1又は2記載の天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法である。
請求項4の発明は、天然ガスからC3成分以上の重質炭化水素を分離する装置において、冷却水が貯留され、その冷却水に天然ガスを気泡として吹き込んでC3以上のHC水和物を生成する水和物生成器と、水和物生成器で生成されたHC水和物を導入し、そのHC水和物を上向流で流しながら分解してLPGを分離回収するためのセットリングタンクとを備えたことを特徴とする天然ガスからの重質炭化水素分離回収装置である。
請求項5の発明は、水和物生成器は、筒状本体内下部に天然ガスを吹き込む気泡発生器が設けられ、その気泡発生器からの気泡を包囲し、HC水和物を生成すると共に上昇したHC水和物をオーバーフローで分離する内筒からなるHC水和物分離器が設けられて構成され、その筒状本体内の上部にHC水和物中のメタンの泡を消泡する消泡スプレー管が設けられる請求項4記載の重質炭化水素分離回収装置である。
請求項6の発明は、セットリングタンクは、HC水和物を下部から導入するタンク本体と、HC水和物を分解すべく加熱する加熱管と、タンク本体に設けられ分解して得られたLPGをオーバーフローで回収するLPG回収堰とで構成される請求項4又は5記載の重質炭化水素分離回収装置である。
本発明によれば、天然ガスを、冷却した水に気泡として吹き込み天然ガス中のC3成分以上のHCを水和物とし、これをセットリングタンクに導入して分解して、プロパン等をLPGとして分離回収することができるという優れた効果を発揮するものである。
本発明の一実施の形態を示す全体図である。 本発明において、プロパンハイドレートの分解圧力に対するLPGの回収率と分解温度の関係を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
本発明は、水和物生成器10内に貯留した水12中に天然ガス(NG)を気泡として吹き込み、天然ガスに含まれているプロパン、ブタン等のC3成分以上の炭化水素(HC)を天然ガスの主成分であるメタン成分から優先的にハイドレート化して分離する際に、ハイドレート化した炭化水素をLPGとして回収するものである。
図1に示すように、C3成分以上のHCの水和物生成による天然ガスからの炭化水素分離回収装置は、水12を貯留した水和物生成器10と、水和物生成器10でハイドレート化したHC水和物18を導入し、そのHC水和物18を分解して、HC水和物18に含まれるメタン等のガス、C3成分以上のHCからなるLPGと水分とを分離するセットリングタンク60とからなるものである。
水和物生成器10は、筒状本体11内に水12が貯留され、その筒状本体11内の下部に、冷却された水12に原料NG13を気泡として吹き込む気泡発生器14が設けられ、その気泡発生器14の上部にHC水和物の生成と生成した水和物の分離機能を有するHC水和物生成・分離器15が設けられて構成される。
HC水和物生成・分離器15は、気泡発生器14の上部に設けられると共に筒状本体11内で上部に延び、気泡発生器14からの気泡を包囲してHC水和物18を生成するための内筒16と、内筒16と筒状本体11間に形成され、内筒16をオーバーフローしたHC水和物18を一時的に溜める貯留部11aで構成される。
また、筒状本体11内の上部には、HC水和物18の生成で生じるメタンの泡をセットリングタンク60から分離した水12をスプレーして消泡する消泡スプレー管17が設けられる。
原料NG13は、NG圧縮機19にて1MPa程度に昇圧され、供給管20から流量調整弁55を介して気泡発生器14に供給される。流量調整弁55は、供給管20に接続された第1流量計FIC−1により、気泡発生器14に供給するNGの流量が一定となるように制御される。
気泡発生器14は、多孔質リングなどで形成され、内筒16内の水12中に気泡を万遍なく噴射できるように、また噴射されるNGの気泡は、微細な気泡として、好ましくは、水和物生成速度を速くするために200μm以下のマイクロバブルで吹き出されるように構成される。
水和物生成器10には、貯留する水12を冷却するための冷却装置21が接続される。冷却装置21は、筒状本体11の下部に水12を間接冷却する冷却コイルで構成してもよいが、図示のように筒状本体11に冷却水循環ライン22を接続し、その冷却水循環ライン22に、循環ポンプ23と冷却器24と循環流量調節弁25とを接続して構成する。
筒状本体11内の水12は、筒状本体11の下部に接続した冷却水循環ライン22の吸込ライン22sから循環ポンプ23で吸い込まれ、冷却器24で冷却された後、循環流量調節弁25で循環量を調節し、気泡発生器14の下部に位置して設けた戻し管22rから筒状本体11に戻されて循環されて、筒状本体11内の水12を冷却する。冷却装置21の吸込ライン22sに位置した筒状本体11内には、生成する炭酸ガス等の水和物を吸い込まないための吸い込み防止カバー26が設けられる。
筒状本体11には、第1温度調節計TIC−1が設けられ、その第1温度調節計TIC−1で検出される水12の温度が設定温度となるように循環流量調節弁25の開度が調整されて、冷却装置21の冷却水循環量が制御される。
筒状本体11の頂部にはC3以上のHCが分離された精製NG排出管27が接続され、その精製NG排出管27に冷熱回収器28、圧力調整弁56が接続される。筒状本体11には、筒状本体11内の圧力を検出する第1圧力検出計PIC−1が設けられ、その検出値が、圧力制御器80に入力される。
NG圧縮機19の吸込側には、原料NG13の成分を分析する第1ガス成分分析器AIC−1が接続され、第1ガス成分分析器AIC−1での分析値が圧力制御器80に入力される。圧力制御器80は、第1ガス成分分析器AIC−1での分析値と第1圧力検出計PIC−1の検出値に基づいて圧力調整弁56を制御して、筒状本体11内の圧力を制御する。
筒状本体11の底部には、生成した炭酸ガス等の水和物30を排出する排出ライン31が接続され、その排出ライン31に払出ポンプ32が接続され、炭酸ガス等の水和物が排出ライン31を介して炭酸ガス等の水和物分離回収装置33に供給される。また筒状本体11の底部には生成する炭酸ガス等の水和物30の比重を検出する比重計WIC−1が設けられ、その比重計WIC−1により払出ポンプ32の回転数が制御されて炭酸ガス等の水和物の払出量が制御される。
HC水和物生成・分離器15に位置した筒状本体11には、HC水和物排出管35が接続され、そのHC水和物排出管35にHC水和物ポンプ36を介してセットリングタンク60が接続される。HC水和物生成・分離器15上の筒状本体11には、生成するHC水和物18のレベルを検出する第1レベル調節計LIC−1が接続され、その第1レベル調節計LIC−1でHC水和物ポンプ36が制御される。
セットリングタンク60は、HC水和物ポンプ36で昇圧されたHC水和物を導入するタンク本体61と、タンク本体61内に設けられHC水和物を分解すべく加熱する加熱管62と、分解して得られたLPG63をオーバーフローで回収するLPG回収堰64とで構成される。
セットリングタンク60には、LPG回収堰64で回収されたLPG63をLPG貯槽65に移送するLPG移送管66が接続され、そのLPG移送管66にLPGポンプ67と流量調整弁68が接続される。
LPG回収堰64の下部には、オーバーフローしたLPG63から水12を排出する排出口69が設けられ、また排出口69の下方のタンク本体61内の底部には、分離水相70が形成される。
HC水和物排出管35は、分離水相70と隔離した位置のタンク本体61の底部に接続され、タンク本体61の頂部には、分解したHC水和物に含まれるメタンガス等を排出する分解NG排出管37が接続され、その分解NG排出管37が、冷熱回収器28の下流側の精製NG排出管27に接続される。また分解NG排出管37から分岐してNG戻し管38が接続され、そのNG戻し管38が供給管20に接続される。
NG戻し管38の上流側の分解NG排出管37には、セットリングタンク60内でのHC水和物18の分解圧力を調整する圧力調整弁71が接続され、NG戻し管38に戻し圧力調整弁72が接続され、これらが圧力調整器73で制御されるようになっている。
筒状本体11の下部には、HC水和物の生成と排出で不足する水を補充するための補充水ライン40が接続される。補充水ライン40は、補給タンク74に接続され、その補充水ライン40に、補充水供給ポンプ41と補充量調節弁42が接続され、補充量調節弁42が補充水ライン40に接続した第2流量計FIC−2で制御され、天然ガス量に対して水和物生成反応に必要な水量を供給できるようになっている。
セットリングタンク60の分離水相70内の水は、排水ライン57、三方弁58を介して補給タンク74に戻され、また一部は三方弁58から消泡ライン75を介して消泡スプレー管17に供給されるようになっている。
冷却器24、冷熱回収器28、セットリングタンク60の加熱管62は、多段冷凍サイクル43に接続され、多段冷凍サイクル43の冷媒で、冷却或いは熱回収されるようになっている。
多段冷凍サイクル43は、冷媒(プロパン等)の吸入ドラム45に低圧側圧縮機46が接続され、その低圧側圧縮機46の吐出側に高圧側圧縮機47が接続されて構成され、その高圧側圧縮機47の高圧サイクル48では、高圧側圧縮機47の圧縮冷媒が凝縮器49、冷熱回収器28を通り、高圧側膨張弁50で膨張されて冷媒ガスとされ、その冷媒ガスが、セットリングタンク60の加熱管62、冷媒レシーバタンク51、低圧側膨張弁52、冷却器24を通って吸入ドラム45に戻るように構成され、低圧側圧縮機46の低圧サイクル53では、高圧側圧縮機47へ至る高圧サイクル48より分岐し、低圧側流量調整弁59で流量制御された冷媒が、高圧サイクル48から高圧側膨張弁50で膨張された冷媒ガスと合流して、セットリングタンク60の加熱管62に供給されるようになっている。
冷却装置21の冷却水循環ライン22には、冷却器24で冷却された循環冷却水の温度を検出する第2温度調節計TIC−2が接続され、冷媒レシーバタンク51に第2レベル調節計LIC−2が設けられ、その第2温度調節計TIC−2と第2レベル調節計LIC−2の検出値が制御器82に入力され、制御器82で、低圧サイクル53の低圧側膨張弁52の弁開度が制御される。
セットリングタンク60には、分離水相70内の水のレベルを検出する第3レベル調節計LIC−3が設けられ、その第3レベル調節計LIC−3の検出値で、三方弁58が切換制御される。またセットリングタンク60のLPG回収堰64にはLPG63の液面を検出する第4レベル調節計LIC−4が設けられ、その第4レベル調節計LIC−4の検出値で流量調整弁68が制御され、LPG回収堰64からLPG移送管66を介してLPG貯槽65に移送するLPG63の量が制御される。
セットリングタンク60には、第3温度調節計TIC−3が設けられ、その第3温度調節計TIC−3の検出値で、低圧側流量調整弁59が制御される。またセットリングタンク60には、第2ガス成分分析器AIC−2、第2圧力検出計PIC−2が設けられ、これら検出値が圧力調整器73に入力され、圧力調整弁71と戻し圧力調整弁72が制御される。
高圧サイクル48の凝縮器49には、冷媒の凝縮液のレベルを検出する第5レベル調節計LIC−5(或いは凝縮調節計でもよい)が接続され、その第5レベル調節計LIC−5で高圧側膨張弁50の開度が制御される。
この図1の天然ガスからの重質炭化水素分離回収装置による重質炭化水素分離回収方法を説明する。
水和物生成器10の筒状本体11内に水12を貯めておき、その中に原料NG13をNG圧縮機19で1.0MPa程度(0.7〜1.5MPaの範囲)に昇圧し、気泡発生器14を通してNGをマイクロバブル状にして内筒16内に吹き込む。マイクロバブルの径は水和物反応速度を速くするために200μm以下の気泡にし、内筒16内に万遍なく分散するように噴射する。また補充水ライン40からC3以上の重質炭化水素(HC)の水和物反応に必要な水が供給される。
NGの気泡と水が接触する内筒16の下部の領域では、所定の水和化反応を円滑に進めるために冷却装置21で冷却循環水を冷却し、循環ポンプ23により水和物生成器10に送入して水和物の反応熱を吸収して適正な反応温度2〜1℃以下、0℃以上を保持するように冷却する。
本発明では、メタンに対するHC成分の水和物化の平衡係数の比が大きくなる圧力と温度として、例えば、0.7MPa、1.1℃を選定している。
冷却装置21からの水和物生成器10に送入される冷却循環水は、生成器10に設置されている気泡発生器14の下部の間近に気泡に対して均等な配分になるように送入する。
低温の冷却循環水と接触した気泡中の成分は水和物となり周囲の水12を温めつつ内筒16内を上昇する。内筒16内で生成されたHC水和物18は、水12よりも軽いので気泡と共に水面に上昇する。
一方、水和物生成器10の水12の温度は、冷却循環水により比重が最も重くなる4℃以下に保持されており、水和化熱で加熱されて温度が上昇した冷却水は、送入される冷却水よりも比重が重くなるので、下降流となって水和物生成器10の下方に向う。従って、冷却装置21に循環されて戻し管22rで戻される温度の低い冷却水は比重差により上方流となり、気泡と混合することになる。
このように、炭化水素ガスの水和化は発熱反応であるために反応の進行中に温度が上昇するので温度上昇を抑制することが重要であり、低温(1.1℃)の循環水を、冷却器24で生成し、これを水和物生成器10に送って顕熱で冷却すると共に、水和化の成分としている。
これにより水和物生成器10ではNG中のC3成分以上のプロパン、ブタン等のHCが主体的に水和物を生成し、メタン、エタンの水和物は少ない状態で、メタン等が水12中を上昇し、水和物生成器10から精製NG排出管27に排出され、冷熱回収器28で冷熱が回収されて処理済NGとして排出される。
この際、HC水和物18上にはメタンと水による泡が発生するが消泡スプレー管17からの水の噴射により消泡され、メタンは精製NG排出管27に排出され、水は、HC水和物18を通して降下する。
HC水和物の生成と共に原料NG13中に含まれる炭酸ガス、硫化水素等の不純物は炭酸ガス等の水和物30となり、比重が水より重いので筒状本体11の底部に沈殿するため、これを排出ライン31より排出する。
生成したHC水和物18は、HC水和物生成・分離器15である内筒16からオーバーフローにより貯留部11aに貯留され、そのHC水和物生成・分離器15よりHC水和物排出管35を通してセットリングタンク60に送られる。
水和物生成器10で生成されるHC水和物は、ゲストとしてのプロパンやブタンに対してホストとしての水は、約7倍あり、またHC水和物以外に水が約50%、メタンが十数%含まれており、特許文献2では、HC水和物からプロパン等を回収するためには熱分解するしか方法がなかった。
本発明においては、セットリングタンク60に導入する前に、消泡スプレー管17から水12を噴射してHC水和物中に含まれるメタンを数%として、セットリングタンク60に導入し、セットリングタンク60内で、HC水和物18を、圧力を、1.0〜4.0MPa、好ましくは1.0〜3.0MPa、温度を10〜30℃、好ましくは10〜25℃に保つことで、HC水和物を、LPG63と水12に分解することが可能となる。
ここで、HC水和物18は、1.0MPa程度(0.7〜1.5MPa)、温度2〜1℃であり、セットリングタンク60内の圧力を1.0〜4.0MPa、好ましくは1.0〜3.0MPaに保持した状態で、加熱管62にてHC水和物18を10〜30℃、好ましくは10〜25℃に加熱することで、HC水和物18がLPG63と水に分解され、同時にHC水和物18に同伴したメタンが放出される。セットリングタンク60内の圧力は、第2圧力検出計PIC−2で検出され、その検出値が圧力調整器73に入力され、圧力調整器73が、第2圧力検出計PIC−2の検出値を基に、圧力調整弁71又は圧力調整弁72を制御して、セットリングタンク60内の圧力を1.0〜4.0MPa、好ましくは1.0〜3.0MPaに保持する。
セットリングタンク60内に導入されるHC水和物18は、全体に緩やかな上向流となり、セットリングタンク60内を上昇する間に、ゲストであるプロパンやブタンを包接している水が融解し、その融解潜熱で、ホストであるプロパン、ブタンが液化してLPG63となる。また加熱によりメタンが放出されるが、HC水和物18中に同伴するメタンの量は、消泡スプレー管17で予め少なくしているため、セットリングタンク60内の上向流を妨げることはない。
LPG63の比重は約0.55であり、セットリングタンク60内で緩やかな上向流を形成することで、分解で生成したLPG63は、攪拌されることなく上澄み液として浮上し、LPG回収堰64にオーバーフローにて分離・回収される。またLPG回収堰64内にオーバーフローしたLPG63は、そのLPG63中に水が含まれるが、比重差で沈降させて排出口69から分離水相70に排出することで、LPG回収堰64内のLPG63の純度を高めることができる。
また、圧力調整器73は、第2ガス成分分析器AIC−2で、セットリングタンク60内のガス相内のガス成分を検出し、メタン成分が多いときには、分解NG排出管37から精製NG排出管27に流し、プロパン成分が多いときはNG戻し管38を介して再度水和物生成器10に戻す。
セットリングタンク60でHC水和物18の分解で生成した水或いは同伴した水12は、分離水相70に溜まり、分離水相70から排水ライン57、三方弁58を介し、消泡ライン75を介して消泡スプレー管17からスプレーされ、水和物生成器10で生成されて浮上するHC水和物18中のメタンの泡を消泡し、セットリングタンク60に導入するHC水和物18に同伴するメタン量を少なくする。また、余剰の水は、三方弁58を介して補給タンク74に戻される。
以上において、水和物生成器10で、メタンと分離して生成したC3以上のHC水和物を、HC水和物生成・分離器15で分離し、その分離したHC水和物からプロパンやブタンを回収する際に、これをセットリングタンク60に導入し、セットリングタンク60内で上向流として流して分解することで、LPG63と水12に分離することができると共に、LPG63は、LPG回収堰64に回収し、LPG回収堰64からLPG移送管66にてLPG貯槽65に移送して貯蔵し、一般のLPGと同様に粗LPGとして使用することが可能となる。
ここで、図2は、水和物生成器10でハイドレート化圧力を0.7MPa、ハイドレート化温度を1.1℃としたHC水和物18の生成条件での主成分であるプロパンハイドレート分解圧力に対するLPGの回収率とハイドレート分解温度の関係を示したものである。
図2よりプロパンハイドレート分解圧力を高くすることで、LPGの回収率が高くなり、ここでLPGの回収率が50%では、分解圧力が1.5MPa、分解温度が12℃、回収率60%では、分解圧力が2.0MPa、分解温度が16℃、回収率67%では、分解圧力が3.0MPa、分解温度が23℃となり、その後は、分解圧力と分解温度を上げても回収率は上がらないことがわかる。
そこで、セットリングタンク60での分解圧力は1.0MPa以上3.0MPa以下にし、分解温度(加熱温度)を10℃以上30℃以下、好ましくは、10℃以上25℃以下とするのがよい。
以上本発明は、原料NG13中のC3成分以上のHCを除去する際に、これを水和物とすることにより、メタン、エタン等の成分から容易に分離することができる。またHC水和物をセットリングタンク60に導入して一部をLPGとして回収することで、HC水和物に生成に要した熱をLPG生成に利用できる。
ハイドレートの生成熱を冷却するために設置されている冷凍サイクル43の冷却に使用された蒸発冷媒は、低圧側圧縮機46で加圧されてハイドレート加熱管62に送られて凝縮し、その熱によりハイドレートを分解する熱回収システムを構成している。
ハイドレートを生成器10からハイドレートを分解するセットリングタンク60に送り高圧でLPGを製造するためにポンプ36を使用しているので、高圧にする方法として圧縮機を使用する場合に比べて消費動力を非常に少なくできる。
本発明は、上述した実施の形態の他に種々の変更が可能である。
例えばセットリングタンク60に入るハイドレートは、図では、セットリングタンク60内で加熱管62にて加熱しているが。セットリングタンク60に入る前に単独の加熱器を設置して加熱してもよい。
次に原料ガスからハイドレートを生成し、そのハイドレートを分解して、粗LPGを回収する場合の実施例を説明する。
先ず水和物生成器10の気泡発生器14に供給される原料ガスの成分は以下の通りである。
原料ガス 原料組成
成分 組成m.f(mol組成))
C1(メタン) 0.6074
C2(エタン) 0.1511
C3(プロパン) 0.1520
iC4(イソブタン) 0.0184
nC4(ノルマルブタン) 0.0465
iC5(イソペンタン) 0.0246
合計 1.0000
原料ガスから下記の条件で得られるハイドレート化のHC成分の組成と量は、次の通りである。
圧力 MPaA 0.7
温度 ℃ 1.1
ハイドレート化のHC成分
成分 組成m.f(mol組成))
C1 0.2342
C2 0.1750
C3 0.4793
iC4 0.0611
nC4 0.0505
iC5 0.0000
合計 1.0000
原料ガスから得られるハイドレート化したHC量は24.1モル%となる。
次に生成されたハイドレートのセットリングタンク60内での分解温度と圧力の関係は、例えば、分解圧力が1.4MPaAの場合、分解温度は約13℃以上となる。
この条件で、セットリングタンク60で、粗LPGとして回収できる組成と量は次のようになる。
粗LPG成分 組成m.f(mol組成))
C1 0.0524
C2 0.1180
C3 0.6343
iC4 0.1088
nC4 0.0866
iC5 0.0000
合計 1.0000
セットリングタンク60で、ハイドレートを分解して得られる粗LPG回収量は、43.2モル%となる。
また粗LPGと平衡状態にあるガスの組成は次の通りである。
ガス成分 組成m.f(mol組成))
C1 0.3724
C2 0.2183
C3 0.4094
合計 1.0000
ガスは通常生成ガスとして圧力調整弁71を介して分解NG排出管37に排気する。
上記のようにLPGと平衡にあるガス中のC3以上の重質成分が原料ガスよりも多い場合には、ガスを圧力調整弁72とNG戻し管38を経由して原料ガスの供給管20に戻して、水和物生成器10でのC3以上の重質成分の回収量を多くする。
C1、C2等の軽質成分のLPG中の含有量を許容する場合は、分解圧と温度を高めることにより回収率を高めることができると同時に、平衡ガス中の重質成分の残量も原料ガスよりも少なくできる。
10 水和物生成器
12 水
13 原料NG
14 気泡発生器
18 HC水和物
21 冷却装置
60 セットリングタンク
63 LPG

Claims (6)

  1. 天然ガスからC3成分以上の重質炭化水素を分離回収する方法において、冷却した水に天然ガスを気泡として吹き込んで天然ガス中のC3成分以上の重質炭化水素をHC水和物として天然ガスを分離回収し、そのHC水和物を水から浮上させて分離すると共にHC水和物をセットリングタンクの下部に移送し、セットリングタンクでHC水和物の上向流を形成しながら加熱してLPGと水に分解し、生成したLPGを回収することを特徴とする天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法。
  2. 水から浮上させたHC水和物と共に浮上するメタンの泡に水をスプレーして消泡してセットリングタンクに導入するHC水和物に同伴するメタン量を少なくする請求項1記載の天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法。
  3. セットリングタンク内に導入したHC水和物を、圧力1〜4MPa、温度10〜30℃に保ってHC水和物をLPGと水に分解し、LPGを水から分離回収する請求項1又は2記載の天然ガスからの重質炭化水素分離回収方法。
  4. 天然ガスからC3成分以上の重質炭化水素を分離する装置において、冷却水が貯留され、その冷却水に天然ガスを気泡として吹き込んでC3以上のHC水和物を生成する水和物生成器と、水和物生成器で生成されたHC水和物を導入し、そのHC水和物を上向流で流しながら分解してLPGを分離回収するためのセットリングタンクとを備えたことを特徴とする天然ガスからの重質炭化水素分離回収装置。
  5. 水和物生成器は、筒状本体内下部に天然ガスを吹き込む気泡発生器が設けられ、その気泡発生器からの気泡を包囲し、HC水和物を生成すると共に上昇したHC水和物をオーバーフローで分離する内筒からなるHC水和物分離器が設けられて構成され、その筒状本体内の上部にHC水和物中のメタンの泡を消泡する消泡スプレー管が設けられる請求項4記載の重質炭化水素分離回収装置。
  6. セットリングタンクは、HC水和物を下部から導入するタンク本体と、HC水和物を分解すべく加熱する加熱管と、タンク本体に設けられ分解して得られたLPGをオーバーフローで回収するLPG回収堰とで構成される請求項4又は5記載の重質炭化水素分離回収装置。
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