JP5790485B2 - 超硬合金製品の分解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超硬合金製のインサートが焼き入れされた鋼製のケースに焼き嵌めや圧入によって強固に固定された鍛造型のような超硬合金製品を安全かつ容易に分解して超硬合金製インサートを取り出すための超硬合金製品の分解方法に関するものである。
WCを主成分として結合材にCoを用いたWC−Co系に代表される超硬合金は高硬度であるため、例えば切削工具の交換式の刃先(切削インサート)などに多く利用されているが、原材料となるW(タングステン)が希少資源であるので、使用済みの超硬合金スクラップからWCを回収して再利用する方法が、特許文献1などに提案されている。
特開平10−30130号公報
ところで、上述した超硬合金製の交換式刃先などは、製品全体が超硬合金によって形成されているので、これをそのまま、例えば特許文献1に記載されているように酸性水溶液によって処理することにより、WCの回収を図ることができる。
しかしながら、例えば各種金属材料の鍛造に用いられる鍛造型などにおいては、構造用合金鋼や熱間ダイス鋼等の焼き入れされた鋼よりなる円筒状あるいは円環状のケース内に、同じく円筒状あるいは円環状の超硬合金製のインサートが焼き嵌めまたは圧入によって強固に固定されて構成されており、この状態で、鋼製のケースには引っ張り応力が、また超硬合金製のインサートには圧縮応力が作用しているため、油圧プレス等によってもインサートを抜き出すことは容易ではない。
また、例えば外側の鋼よりなるケースを切削により削り取ってインサートを取り出すことも考えられるが、上述のようにケースには引っ張り応力が、またインサートには圧縮応力が作用しているため、切削によってケースの強度が低下して引っ張り応力と圧縮応力のバランスが崩れた瞬間にインサートの圧縮応力が一気に開放されて破壊が発生し、切削を行う工作機械の損傷を招く危険性がある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述の鍛造型のような焼き入れされた鋼よりなるケース内に超硬合金製のインサートが焼き嵌めまたは圧入によって固定された超硬合金製品を、安全かつ容易に分解してインサートを取り出すことが可能な超硬合金製品の分解方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、焼き入れされた鋼よりなるケース内に超硬合金製のインサートが焼き嵌めまたは圧入によって固定された超硬合金製品を分解して上記インサートを取り出す超硬合金製品の分解方法であって、上記超硬合金製品を、上記鋼のA3変態線以上の温度に加熱した後に徐冷して、上記インサートを取り出すことを特徴とする。
図1は鋼の相変態を示すFe−C状態図であるが、焼き入れされた鋼が、このFe−C状態図におけるA3変態線上の炭素含有量に応じたA3変態点以上の温度に加熱されて保持されると、マルテンサイト組織からオーステナイト組織に変態し、そのまま徐冷することによって硬度や引っ張り強さが徐々に低下する。いわゆる焼き鈍しである。そして、このように硬度や引っ張り強さが低下する過程で、ケースに作用していた引っ張り応力も低下し、これに伴い超硬合金製のインサートに作用していた圧縮応力も徐々に緩和される。
従って、徐冷後の超硬合金製品において、例えば比較的押し出し力の小さな油圧プレスなどによっても容易に、ケースからインサートを抜き出して取り出すことが可能となる。また、こうしてインサートに作用していた圧縮応力が緩和されることにより、例えば徐冷後の超硬合金製品のケースを切削加工によって削り取ることによりインサートを取り出しても、インサートが破壊するおそれはない。そして、こうして取り出されたインサートは全体が超硬合金製であるので、そのまま処理して容易に再利用を図ることができる。
ここで、上記超硬合金製品を加熱する際には、上記ケースを形成する鋼のA3変態線の温度以上の加熱温度で組織を上述のようにマルテンサイト組織からオーステナイト組織に変態させればよいが、このA3変態線の温度よりも5℃〜100℃の範囲で高温に加熱した後に徐冷して、上記インサートを取り出すのが望ましい。加熱温度がA3変態線の温度に対して高温ではあるが温度差が5℃未満であると十分にマルテンサイト組織をオーステナイト組織に変態させることができなくなるおそれがある一方、逆に温度差を100℃より高温としてもマルテンサイト組織からオーステナイト組織への相変態に変化はなく、却って非効率的かつ非経済的となる。
以上説明したように、本発明によれば、焼き入れされた鋼よりなるケースに焼き嵌めまたは圧入された超硬合金製のインサートを安全かつ容易に取り出すことができ、こうして取り出した超硬合金製インサートの再利用を容易に行うことが可能となる。
鋼の相変態を示すFe−C状態図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態においては、構造用合金鋼や熱間ダイス鋼等の焼き入れされた鋼よりなる円筒状あるいは円環状のケース内に、同じく円筒状あるいは円環状の超硬合金よりなるインサートが焼き入れまたは圧入によって固定された鍛造型のような超硬合金製品を分解してインサートを取り出す。インサートを形成する超硬合金は、例えばWC−Co系超硬合金である。
本実施形態では、このような超硬合金製品を炉に装入し、上記鋼のA3変態線以上の温度、すなわち図1に示したFe−C状態図におけるA3変態線上の上記ケースを形成する鋼の炭素含有量に応じたA3変態点の温度以上に加熱して保持した後、徐冷する。加熱温度は上記A3変態点の温度よりも5℃〜100℃の範囲で高温とされるのが望ましく、また保持時間は0.5〜1時間とされるのが望ましい。さらに、徐冷の際の温度低下率は10〜100℃/時間とされるのが望ましい。
こうしてA3変態点以上の温度に加熱されて保持された後に徐冷されることにより、ケースを形成する鋼は焼き鈍しされ、焼き入れされてマルテンサイト組織であったものがオーステナイト組織に相変態して硬度や引っ張り強さなどの機械的強度が徐々に低下する。例えば、1000℃で焼き入れした熱間ダイス鋼SKD61(炭素含有量0.40wt%)は硬度HRC53.0、引っ張り強さ1200〜2000MPa程度であるのに対し、これをA3変態点以上の800℃で0.5時間保持した後、70℃/時間程度の温度低下率となるようにして徐冷したものでは硬度HB200、引っ張り強さ400MPa程度にまで低下する。
そして、このようにケースを形成する鋼の硬度や引っ張り強さが徐々に低下して軟化することにより、ケースに作用していた引っ張り応力も低下し、これに伴い超硬合金製のインサートに作用していた圧縮応力も徐々に開放されて緩和される。従って、徐冷した超硬合金製品に対し、油圧プレスによってケースとインサートを互いの円筒または円環の中心線方向に相対移動させて分解する際に、比較的押し出し力の小さい油圧プレスでも分解可能とすることができたり、あるいは超硬合金製品を上記中心線回りに回転させつつ、バイト等の切削工具によって外周側のケースを切削して除去することにより上記インサートを分離する場合でも、切削中に応力の開放によってインサートに破壊が発生するのを防ぐことができたりして、安全かつ容易に超硬合金製のインサートを取り出すことができ、これを処理してWCの回収、再利用を図ることができる。
また、本実施形態では、超硬合金製品の加熱温度を上述のようにA3変態線の温度よりも5℃〜100℃高温の範囲とすることにより、ケースを形成する鋼の確実なオーステナイト組織への相変態を促しつつ、効率的かつ経済的なインサートの分解を図ることができる。すなわち、加熱温度がA3変態線の温度以上であっても温度差が5℃未満でA3変態線の温度に近すぎると、保持時間等によっては焼き入れされた鋼のマルテンサイト組織を十分にオーステナイト組織に相変態させることができなくなって上述した効果を確実に得ることができなくなるおそれがある。その一方で、温度差が100℃を上回るほど大きくても相変態に変化はなく、炉内を高温に保持しなければならないため、非効率的かつ非経済的となる。
次に、本発明の実施例を挙げて上述した効果について実証する。本実施例においては、上述したように1000℃で焼き入れした熱間ダイス鋼SKD61(炭素含有量0.40wt%、硬度HRC53.0、引っ張り強さ1200〜2000MPa)よりなる外径150mm、内径50mm、中心線方向の長さ100mmの円環状のケース内に、WC−Co系超硬合金よりなる外径50mm、内径25mm、中心線方向の長さ100mmの円環状のインサートを、締め代0.25mmで焼き嵌めした超硬合金製品の試験体を3つ作成した。
そして、このうち2つの試験体には、本発明の実施例による試験体として、やはり上述のようにA3変態点以上の800℃で0.5時間保持した後、70℃/時間程度の温度低下率となるように徐冷することにより、熱処理を施した。こうして熱処理を施した試験体では、ケースの機械的強度が硬度HB200、引っ張り強さ400MPa程度にまで低下していた。
次いで、こうして熱処理を施した実施例の試験体のうちの1つと、この実施例に対する比較例としての熱処理を施さなかった1つの試験体とで、油圧プレスによって押圧力を与えてケースとインサートを中心線方向に相対移動させることによりインサートの抜き出しを試みた。その結果、熱処理を施した実施例の試験体では100tonプレス機でインサートの抜き出しが可能であったのに対し、熱処理を施していない比較例の試験体では1000tonプレス機でもインサートの抜き出しは不可能であった。
また、熱処理を施した2つの実施例の試験体のうち残り1つに対しては、切削によりケースを削り取ってインサートを取り出すことが可能かも確認した。なお、熱処理を施さない比較例の試験体については、ケース、インサートの破壊により工作機械に損傷が生じるおそれがあるため、切削試験は行わなかった。
実施例の試験体に対する切削は旋削加工であり、試験体を中心線回りに500rpmで回転させつつ、WC−Co系超硬合金製の刃先を有するバイトによって切り込み2mm、送り0.3mm/rev、湿式でケースを外周側から順次削り取っていった。その結果、インサートには破壊が発生することはなく、ケースを完全に削り取ることができた。
A3 鋼のA3変態線

Claims (4)

  1. 焼き入れされた鋼よりなるケース内に超硬合金製のインサートが焼き嵌めまたは圧入によって固定された超硬合金製品を分解して上記インサートを取り出す超硬合金製品の分解方法であって、上記超硬合金製品を、上記鋼のA3変態線以上の温度に加熱した後に徐冷して、上記インサートを取り出すことを特徴とする超硬合金製品の分解方法。
  2. 上記超硬合金製品を、上記鋼のA3変態線の温度よりも5℃〜100℃の範囲で高温に加熱した後に徐冷して、上記インサートを取り出すことを特徴とする請求項1に記載の超硬合金製品の分解方法。
  3. 上記超硬合金製品を徐冷して、油圧プレスにより上記ケースから上記インサートを抜き出して取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超硬合金製品の分解方法。
  4. 上記超硬合金製品を徐冷して、上記ケースを削り取ることにより上記インサートを取り出すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超硬合金製品の分解方法。
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