JP5790162B2 - 空気調和装置の室外機 - Google Patents
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Description
(1)空気調和装置の構成の概要
本発明の第1実施形態に係る空気調和装置10は、図1に示されているように、室内機20と室外機30とが連絡配管12によって接続されて構成されている。この空気調和装置10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転及び排気運転などの複数の運転モードを持っており、これらの運転モードを適宜組み合わせることもできる。
冷媒回路の動作は従来からあるものと変わらないが、図2に示されている冷媒回路の動作について簡単に説明する。
室内機20には、室内熱交換器21の他に、図2に示されているように、モータで駆動される室内ファン22が室内熱交換器21の下流側に設けられている。この室内ファン22はクロスフローファンである。室内ファン22が駆動されると、図1に示されている室内機20上部の吸込口23から吸い込まれた室内空気が、室内熱交換器21を通過して室内機20下部の吹出口24から吹き出される。
(3−1)室外機の構成の概要
室外機30は、ケーシング40と仕切板43とを備えており、図2に示すように、ケーシング40の内部空間が仕切板43によって送風機室41と機械室42とに分けられている。室外機30では、送風機室41から機械室42に風が回り込まないように、送風機室41と機械室42とが仕切板43によって遮蔽されている。
図3は、室外機30の斜視図であり、図1の室外機30からグリル45などが取り外された状態を示している。図4は、室外機30の平面図であり、室外機30の天板48が取外された状態を示している。図5は、室外機30の斜視図であり、前板46、天板48及び左側板50などが取り外されている状態を示している。また、図6は、図1のI−I線断面図である。
室外熱交換器33は、既に説明したように、ケーシング40の後側に配置される後面部331と左側面側に配置される左側面部332を有しており、上面視においてL字型の形状を呈する。この室外熱交換器33は、高さ方向に長く延びる多数のフィンと、フィンを貫いて水平に取り付けられて多数のフィンと熱的に接続されている伝熱管とを有している。そして、室外熱交換器33は、底板49から天板48に達する背丈を持っている。伝熱管は、室外熱交換器33の両端部で複数回折り返されることによって高さ方向に多数列配置されている。例えば、冷房時には、室外熱交換器33の最下層の列の伝熱管から高温の冷媒が入って上の列ほど冷媒温度が下がるように配置され、暖房時には、最上層の列の伝熱管から低温の冷媒が入って下の列ほど冷媒温度が上がるように配置される。このような配置にすると、暖房時には、室外熱交換器33の上部付近で冷やされた外気が加湿ユニット60の吸湿用ダクト68に導かれる。
図7及び図8には、室外熱交換器33の前に配置されている加湿ユニット60が示されている。図7は、加湿ユニット60を取り出して、加湿ユニット60の前方右斜め上から見た斜視図であり、図8は、加湿ユニット60の後方右斜め上から見た斜視図である。ただし、図7及び図8は、図4及び図5に示されている上部カバー67を取外した状態を示している。
図1に示されているグリル56は、ケーシング40の前板46に取り付けられ、吹出口44を覆っている。グリル56には、外気を吹き出すため、図9に示されている開口部56aが多数形成されている。 また、図9に示されているように、吸気口68aの正面側に面するグリル56の上部の領域Ar1にまで開口部56aが形成されている。図9に二点鎖線で示されている経路r1のように、グリル56の領域Ar1の開口部56aから吸い込まれた外気は、吸気口68aから吸気ダクト68を通り、加湿ロータ63を通過して、室外ファン39によって負圧になっている空間70へと導かれる。
(3−5−1)吸湿部と放湿部
加湿ユニット60は、図2や図5などに示されているように、外気から吸湿するための吸湿部61と、放湿して空気を加湿するための放湿部62とを有する。この加湿ユニット60においては、吸湿部61と放湿部62とは、図10に示されているような1枚の円盤状の加湿ロータ63によって構成されている。つまり、加湿ロータ63は、吸湿部61と放湿部62とを兼ねる吸放湿材である。この円盤状の加湿ロータ63は、ゼオライト等の焼成によって形成されたハニカム構造のゼオライトロータである。加湿ロータ63は、円盤の中心を回転軸として回転するように取り付けられ、加湿ロータ63の周囲に設けられているギア64に伝達されるロータ駆動用モータ(図示省略)の動力によって回転駆動される。
図10に示されているように、放湿部62から放湿させるために、加湿ロータ63の放湿部62の上方にヒータ71が設けられている。図11は、ヒータ71及びヒータ支持部材74を下方から見た底面図である。ヒータ71は、筒状の筐体の中に電熱線(図示省略)が設けられた構造を持ち、吸入口72から吸入されて加湿ロータ63に送られる外気を電熱線で加熱する。加湿ロータ63のハニカム構造の開口を加熱された空気が通り抜けるときに、加湿ロータ63からの放湿によって加湿用ダクト73の空気が加湿される。
図7及び図8に示されているように、円盤状の加湿ロータ63の外周の全周囲は、包囲壁65,66によって包囲されている。この加湿ユニット60では、吸湿部61の外周が包囲壁65によって覆われ、放湿部62の外周が包囲壁66によって覆われている。
吸湿部61の上部には、吸湿部61に外気を導くための吸湿用ダクト68が設けられている。吸湿用ダクト68を上から見ると、図4に示されているように、中心角αが180度より大きい扇形の吸湿部61の上を覆っている。
排気口69は、加湿ロータ63の下方にある。そして、この排気口69は、吸湿用ダクト68の上面からの投影部分にほぼ等しい領域を占める。排気口69の下方には、図6や図9に示されているように、プロペラ39bが配置されている。つまり、この排気口69は、プロペラ39bが回転するときに負圧になる空間70に対向していることになる。このような構成によって、ベルマウス52からプロペラ39bにより吹き出されて吸気口68aに入った外気が、図9に二点鎖線で記されている経路を通って、負圧の空間70の方に引かれて排気口69から送風機室41に吹き出される。そのため、室外ファン39のみによって外気が吸湿部61に送られ、従来必要であった吸湿部61に外気を送るための専用のファンを省くことができる。
加湿用ダクト73は、上述のように、加湿ロータ63の下方後面側に位置していて室外熱交換器33の前方に位置するため、室外熱交換器33を通過する外気にとっての送風抵抗になる。また、ターボファン75も室外熱交換器33の前に配置されると送風抵抗を発生させる原因になるため、図2や図4に示されているように機械室42に設置されている。
図13には、加湿ユニット60の断面形状が示されている。加湿ユニット60は、ファンモータ台53の上にビス53aで固定されている。そのため、室外熱交換器33の前面33aと加湿ユニット60後面60bとの間に所定隙間Isが形成されている。固定された状態では、加湿ユニット60は前後左右に移動しない。さらに、この隙間Isは、後面60bに形成されているリブ60cによって確実に保たれる。また、加湿ユニット60の前方が前板46に嵌め込まれる。
次に本発明の第2実施形態に係る空気調和装置について図14を用いて説明する。第1実施形態の空気調和装置10では、吸湿用ダクト68を板金部材で構成することにより、吸湿用ダクト68内の空気を冷却している。第2実施形態に係る空気調和装置10Aでは、板金部材製の吸湿用ダクト68の上に放熱フィン81を取り付けて、吸湿用ダクト68を放熱フィン81によって冷却するようにしている。それにより、吸湿用ダクト68内の空気が冷やされ、吸湿部61での吸湿が促進される。
(4−1)
図2、図5及び図7などに示されているように、吸湿用ダクト68及び包囲壁65が室外熱交換器33の前に配置されている。吸湿用ダクト68及び包囲壁65が送風機室41内に配置されるということは、吸湿用ダクト68や包囲壁65がケーシング40の内部にあって、室外機30の外観を構成しないということである。そのため、吸湿用ダクト68や包囲壁65を有する加湿ユニット60は、図7や図8に示されているように、従来のような直方体の中に無理やり配置する必要がなく、比較的形状の設計が自由に行なえるようになる。つまり、外観による形状の拘束がなくなったことによって、加湿ユニット60の吸湿用ダクト68や包囲壁65には、できるだけ容積が小さくなるような形状が与えられるということである。また、吸湿用ダクト68や包囲壁65の形状が多少歪んでいてもその周囲は送風経路として用いることができる。そのため、吸湿用ダクト68や包囲壁65の周囲の空間は有効に活用され、無駄な空間が省かれることで室外機33のコンパクト化が図られる。
図14に示されているような放熱フィン81が用いられる場合には、吸湿用ダクト68や包囲壁65からの放熱効率を向上させることができる。そのため、放熱フィン81が用いられる場合には、吸湿部61に導かれる空気が十分に冷やされ、その結果、吸湿部61(加湿ロータ63)が冷やされて吸湿性能の向上が図られる。
吸湿用ダクト68及び包囲壁65が板金部材などの金属材料で構成されている場合には、吸湿用ダクト68や包囲壁65の外部から内部への熱伝達の効率を上げることができる。そのため、吸湿用ダクト68及び包囲壁65が金属材料で構成されている場合には、吸湿部61に導かれる空気が十分に冷やされ、その結果、吸湿部61(加湿ロータ63)が冷やされて吸湿性能の向上が図られる。
吸湿用ダクト68は、図9に示されているように、グリル56の領域Ar1に向けて開口して配置されている吸気口68aを有している。排気口69がプロペラ39bの回転により負圧になる空間70に対向しているため、吸湿用ダクト68を介して室外ファン39によって加湿ロータ63(吸放湿材)に外気を供給するための専用のファンやファンモータを小型化し或いは削減することができる。このような専用のファンやモータの小型化や削減によって。室外機30のコンパクト化が図れる。
図4及び図13などに示されているように、吸湿用ダクト68の後側に傾斜部68cが設けられている。一方、放湿部62の後側にあたる上部カバー67には、このような傾斜が設けられていない。そのため、吸湿側61の包囲壁65(吸湿部側包囲壁)に当たった外気の一部は、この傾斜部68cに沿って前方へ進みながら室外ファン39の方へ抜ける経路r3が用意されている。そのため、放湿部62の包囲壁66(放湿部側包囲壁)に当たって前方に回りこむ外気流路の送風抵抗に比べて、包囲壁65に当たる方の外気流路の送風抵抗の方が小さくなる。その結果、吸湿側61の包囲壁65に当たる外気の量が放湿部62の包囲壁66に当たる外気の量よりも多くなり、吸湿側61の包囲壁65からの放熱量を多くできる一方、放湿部62の包囲壁66からの放熱量を抑えることができる。
図4に示されているように、室外熱交換器33を上面視L字型にして左側面側(他方の側面側)に左側面部332を配置することで左側面側においても熱交換が行われる構成となっている。それにより、ケーシング40の後側だけに室外熱交換器33を配置する場合に比べて、熱交換の性能の低下を防止できる。また、右側面側(一方の側面側)の機械室42にターボファン75(加湿ファン)を配置することで、室外熱交換器33の前にターボファン75が配置されなくなり、ターボファン75による送風抵抗の増加を防ぐことができる。同時に、ターボファン75を機械室42に配置することでターボファン75の周囲にあった無駄な空間が機械室42に設置される他の部品の設置スペースとして利用され、このように空間の無駄が省かれることによってコンパクト化し易くなる。
図12に示されているように、上面部74aに断熱材74d(断熱構造)を貼り付けられているので、室外熱交換器33を通過した冷たい外気からヒータ71が断熱される。それにより、ヒータ71の消費電力の削減を図ることができる。
(5−1)
図5及び図6に破線で示されているように、排気用ダクト80が設けられてもよい。このような排気用ダクトが設けられる場合にも、室外熱交換器33の前面33aから排気用ダクトの後面との間に所定隙間Is以上の隙間Is2が設けられることが好ましい。また、排気用ダクト80の下方に傾斜部80aが設けられて、傾斜部80aによって送風抵抗が低下されることが好ましい。
上記実施形態では、1台の室内機20に1台の室外機30が接続されているペア型の空気調和装置10について説明したが、本発明が適用できる空気調和装置のタイプはペア型には限られない。例えば、1台の室外機に複数台の室内機が接続されているマルチ型の空気調和装置にも本発明を適用することができる。
上記実施形態では、室外機30のケーシング40内が、送風機室41と機械室42の2つに分割されている場合について説明したが、内部に送風機室41が設けられているケーシング40であれば本発明の室外機を構成することができる。例えば、送風機室41と機械室42以外に仕切られた空間が形成されていてもよく、機械室42が他の機能も含む他の室として設けられていてもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器33が上面視L字型の形状を呈するものについて説明したが、本発明の室外機を構成する室外熱交換器は上述の形状には限られない。例えば、上面視I字型形状の室外熱交換器で構成することもできる。
上記実施形態では、室外ファン39がプロペラ型のプロペラ39bを持つものについて説明したが、プロペラ型のプロペラ39bを持つものに限られない。プロペラ型以外のファンロータを持つ室外ファンでも本発明の室外機を構成することができる。
上記実施形態では、吸湿部61が放湿部62よりも大きく、図4に示されているように、吸湿部61の中心角αが180度より大きい扇形になる場合について説明したが、吸湿部61と放湿部62の大きさは適宜設定できる。例えば。図14に示されるように、吸湿部61と放湿部62の大きさはほぼ等しくなるように、中心角をそれぞれ180度に設定することもできる。
上記実施形態では、吸湿部61に外気を導くための専用のファンやそのファンを駆動するためのモータを省いているが、従来よりも小型化された専用ファンや専用ファン用のモータを取り付けてもよい。そのような場合であっても、室外ファン39によって吸湿部61に送風されるため、吸湿部61に外気を導くためだけの専用ファンや専用ファン用のモータを従来に比べて弧型かできる分だけ従来よりも室外機をコンパクト化できる。
上記実施形態では、仕切板43によって放湿部62とターボファン75との間を仕切り場合について説明したが、図15及び図16に示されている仕切板43によって吸湿部61と放湿部62との間で仕切るように構成することもできる。図15及び図16に示されているように、吸湿部61と放湿部62との境に仕切板43を配置することによって、放湿部62と加湿用ダクト73とターボファン75とを機械室42に設置するように構成することができる。それにより、室外熱交換器33を通過した外気によって放湿部62が冷やされるのを防ぐことができる。つまりこの場合には、仕切板43が断熱構造としての役割を果たしている。また、ターボファン75と加湿用ダクト73の一部だけでなく、放湿部62及び加湿用ダクト73の全体が室外熱交換器33を通過した外気の通路から外れるので、これらによる通風抵抗の増加を低減することができる。
20 室内機
30 室外機
33 室外熱交換器
39 室外ファン
40 ケーシング
60 加湿ユニット
63 加湿ロータ
68 吸湿用ダクト
73 加湿用ダクト
75 ターボファン
Claims (7)
- 空気調和を行うために室内機(20)に接続される空気調和装置(10)の室外機(30)であって、
機械室(42)及び外気が通過する送風機室(41)を有するケーシング(40)と、
前記送風機室に設置され、外気との間で熱交換を行う室外熱交換器(33)と、
前記送風機室に設置され、前記室外熱交換器に外気を送風する室外ファン(39)と、
外気から吸湿し加熱されることにより吸湿した水分を放湿する吸放湿材(63)と、前記吸放湿材に外気を導く吸湿用ダクト(68)及び前記吸湿用ダクトを通過して前記吸放湿材に導かれる外気と前記室外熱交換器を通過した外気とを分離するように前記吸放湿材を囲う包囲壁(65)とを有し、前記ケーシング内に設置されている加湿ユニット(60)と、
を備え、
前記吸湿用ダクト及び前記包囲壁のうちの少なくとも一方は、前記送風機室内に配置され、前記室外熱交換器を通過した後の外気が当たる場所に設置されている、
空気調和装置の室外機。 - 前記吸湿用ダクト及び前記包囲壁のうちの少なくとも一方は、前記室外熱交換器を通過した後の外気が当たる位置に配置されている放熱フィン(81)を有し、前記放熱フィンによって冷却される、
請求項1に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記吸湿用ダクト及び前記包囲壁のうちの少なくとも一方は、前記室外熱交換器を通過した後の外気が当たる部位が金属部材で構成され、前記金属部材が前記吸湿用ダクト及び前記包囲壁の内部を通過する空気に接触するように設置されている、
請求項1に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記吸湿用ダクトは、前記送風機室に設置され、前記室外ファンによって負圧になる領域に配置されている排気口(69)を有し、
前記加湿ユニットは、前記吸湿用ダクトを介して前記室外ファンによって前記吸放湿材に外気を供給するよう構成されている、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記包囲壁は、前記吸放湿材のうち水分を吸湿する側を囲う吸湿側包囲壁(65)及び、前記吸放湿材のうち水分を放湿する側を囲う放湿側包囲壁(66)を含み、
前記室外熱交換器から前記吸湿側包囲壁に当たり前記ケーシング外に抜ける外気流路の送風抵抗よりも、前記室外熱交換器から前記放湿側包囲壁に当たり前記ケーシング外に抜ける外気流路の送風抵抗が大きい、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記ケーシングは、一方の側面側に前記機械室が配置され、
前記室外熱交換器は、前記ケーシングの他方の側面側から背面にかけて上面視略L字型に配置され、
前記加湿ユニットは、前記吸放湿材から放湿された水分を含む空気を導く加湿用ダクト及び、前記加湿用ダクト内の空気を前記室内機に送風するため前記機械室に配置されている加湿ファン(75)をさらに有する、
請求項5に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ユニットは、前記吸放湿材のうち水分を放湿する側に供給される外気を加熱するためのヒータ(71)と、前記室外熱交換器を通過した後の外気から前記ヒータを断熱するための断熱構造(74d,67)とをさらに有する、請求項5又は請求項6に記載の空気調和装置の室外機。
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