JP5789021B2 - 光電子増倍管 - Google Patents

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Description

本発明は、外部からの入射光を検出する光電子増倍管に関するものである。
従来から、微細加工技術を利用した小型の光電子増倍管の開発が進められている。例えば、筐体を構成する基板上に光電面、ダイノード、アノード等が配置された薄型の光電子増倍管が知られている(下記特許文献1参照)。このような構造を採用することで、2段階の製造プロセスで装置の微細加工が実現される。
米国特許第5,568,013号明細書
しかしながら、上述したような従来の光電子増倍管では、光電面から放出された光電子は、筐体の電位によってはその一部が電子増倍部に入射することなく筐体を構成する側管や基板等に入射してしまう場合がある。このように光電子が電子増倍部以外に逸れて入射してしまうと検出感度の低下の原因となってしまう。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、光電面から放出された光電子を効率的に電子増倍部に入射させることにより検出感度を向上させることが可能な光電子増倍管を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の光電子増倍管は、互いに対向して配置され、それぞれの対向面が絶縁材料からなる第1及び第2の基板と、第1及び第2の基板と共に筐体を構成する側壁部と、第1の基板の対向面上の一端側から他端側に向けて順に離間して配列された複数段の電子増倍部と、一端側に電子増倍部から離間して設けられ、外部からの入射光を光電子に変換して、光電子を放出する光電面と、他端側に電子増倍部から離間して設けられ、電子増倍部によって増倍された電子を信号として取り出す陽極部と、対向面と正対する方向から見て、内壁が光電面を取り囲むように配置され、他端側の電子増倍部と対向する部位に切り欠き部が形成された壁状電極と、光電面と対向するように対向面上に配置された導電膜と、を備える。
このような光電子増倍管によれば、入射光が光電面に入射することによって光電子に変換され、この光電子が第1の基板の対向面上の複数段の電子増倍部に入射することによって増倍され、増倍された電子が電気信号として陽極部から取り出される。ここで、光電面は基板の対向面と正対する方向から見て、壁状電極によって取り囲まれており、その壁状電極の他端側には切り欠き部が形成されているので、光電面からの光電子が電子増倍部に向けて効率的に導かれる結果、光電面への入射光の検出感度を向上させることができる。
壁状電極と導電膜とが電気的に接続されている、ことが好適である。
また、壁状電極はシリコンからなる、ことも好適である。
さらに、壁状電極の隅部には、導電膜との接続用の給電部が立設されている、ことも好適である。
またさらに、切り欠き部の内側には、光電面から放出された光電子を集束して電子増倍部に導くための集束電極が設けられている、ことも好適である。この場合、光電子を電子増倍部に向けてより効率的に導くことができ、入射光の検出感度のさらなる向上が実現される。
さらにまた、集束電極は、切り欠き部の両端部をつなぐように設けられた薄板状部材から対向面に対してほぼ垂直に延びるように形成されている、ことも好適である。
また、壁状電極には、第2の導電膜を介して光電面と電気的に接続するための平板状の接続部が形成されている、ことも好適である。
本発明によれば、光電面から放出された光電子を効率的に電子増倍部に入射させることにより検出感度を向上させることができる。
本発明の好適な一実施形態に係る光電子増倍管の斜視図である。 図1の光電子増倍管の分解斜視図である。 図1の側壁フレームの平面図である。 (a)は、図1の上側フレームを裏面側から見た底面図、(b)は、図1の側壁フレームの平面図である。 図4の上側フレームと側壁フレームとの接続状態を示す斜視図である。 本発明の変形例に係る光電子増倍管の分解斜視図である。 本発明の別の変形例に係る光電子増倍管の分解斜視図である。 本発明の別の変形例に係る光電子増倍管の分解斜視図である。 本発明の別の変形例に係る光電子増倍管の分解斜視図である。 図3の側壁フレームから壁状電極を取り除いた側壁フレームの平面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る光電子増倍管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る光電子増倍管1の斜視図、図2は、図1の光電子増倍管1の分解斜視図、図3は、図1の側壁フレーム3の平面図である。
図1に示す光電子増倍管1は、透過型の光電面を有する光電子増倍管であって、上側フレーム(第2の基板)2と、側壁フレーム(側壁部)3と、上側フレーム2に対して側壁フレーム3を挟んで対向する下側フレーム(第1の基板)4により構成された筐体を備える。この光電子増倍管1は、光電面への光の入射方向と、電子増倍部での電子の増倍方向が交差する、つまり図1の矢印Aで示された方向から光が入射されると、光電面から放出された光電子が電子増倍部に入射し、矢印Bで示された方向に二次電子をカスケード増幅し、陽極部から信号を取り出す電子管である。
なお、以下の説明においては、電子増倍方向に沿って、電子増倍経路(電子増倍チャネル)の上流側(光電面側)を“一端側”とし、下流側(陽極部側)を“他端側”とする。
引き続いて、光電子増倍管1の各構成要素について詳細に説明する。
図2に示すように、上側フレーム2は、矩形平板状の絶縁性のセラミックスを主材料とする配線基板20を基材として構成されている。このような配線基板としては、微細な配線設計が可能で、かつ表裏の配線パターンを自由に設計できるLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)等の多層配線基板が用いられる。配線基板20には、その主面20b上に、側壁フレーム3、後述する光電面41、集束電極31、壁状電極32、電子増倍部33、及び陽極部34と電気的に接続されて外部からの給電や信号の取り出しを行う複数の導電性端子201A〜Dが設けられている。導電性端子201Aは側壁フレーム3の給電用として、導電性端子201Bは、光電面41、集束電極31、及び壁状電極32の給電用として、導電性端子201Cは、電子増倍部33の給電用として、導電性端子201Dは、陽極部34の給電及び信号取り出し用として、それぞれ設けられている。これらの導電性端子201A〜Dは、配線基板20の内部で主面20bに対して対向する絶縁性の対向面20a上の導電膜や導電性端子(詳細は後述する。)と相互に接続され、これらの導電膜、導電性端子と側壁フレーム3、光電面41、集束電極31、壁状電極32、電子増倍部33、及び陽極部34とが接続される。また、上側フレーム2は、導電性端子201を設けた多層配線基板に限らず、外部からの給電や信号の取り出しを行う導電性端子が貫通して設けられた、ガラス基板等の絶縁材料からなる板状部材でもよい。
側壁フレーム3は、矩形平板状のシリコン基板30を基材として構成されている。シリコン基板30の主面30aからそれに対向する面30bに向かって、枠状の側壁部302に囲まれた貫通部301が形成されている。この貫通部301はその開口が矩形であって、その外周はシリコン基板30の外周に沿うように形成されている。
この貫通部301内には、一端側から他端側に向かって、壁状電極32、集束電極31、電子増倍部33、及び陽極部34が配置されている。これらの壁状電極32、集束電極31、電子増倍部33、及び陽極部34は、シリコン基板30をRIE(Reactive Ion Etching)加工等によって加工することにより形成され、シリコンを主要材料としている。
壁状電極32は、後述するガラス基板40の対向面40aと正対する方向(対向面40aに対する略垂直方向、図1の矢印Aで示す方向に対して反対向きの方向)から見て、後述する光電面41を取り囲むように形成された枠状の電極である。また、集束電極31は、光電面41から放出された光電子を集束して電子増倍部33へと導くための電極であり、光電面41と電子増倍部33との間に設けられている。
電子増倍部33は、光電面41から陽極部34に向う電子増倍方向に沿って異なる電位に設定されるN段(Nは2以上の整数)のダイノード(電子増倍部)から構成されており、各段を跨って複数の電子増倍経路(電子増倍チャネル)を有している。また、陽極部34は光電面41とともに電子増倍部33を挟む位置に配置される。
これら壁状電極32、集束電極31、電子増倍部33、及び陽極部34は、それぞれ、下側フレーム4に陽極接合、拡散接合、さらには低融点金属(例えばインジウム)等の封止材を用いた接合等によって固定されており、これにより該下側フレーム4上に二次元的に配置される。
下側フレーム4は、矩形平板状のガラス基板40を基材として構成されている。このガラス基板40は、絶縁材料であるガラスによって配線基板20の対向面20aに対向する対向面40aを形成する。対向面40a上における、側壁フレーム3の貫通部301に対向する部位(側壁部302との接合領域以外の部位)であって、陽極部34側と反対側の端部には、透過型光電面である光電面41が形成されている。また、対向面40a上の電子増倍部33及び陽極部34が搭載される部位には、増倍電子の対向面40aへの入射を防止するための矩形状の窪み部42が形成されている。
図3を参照して、光電子増倍管1の内部構造についてより詳細に説明する。貫通部301内の電子増倍部33は、対向面40a上の一端側から他端側に向けて(電子増倍方向である矢印Bの示す方向に向けて)、順に離間して配列された複数段のダイノードから構成されている。これらの複数段のダイノードは、矢印Bの示す方向に沿って、一端側の第1段目のダイノード33aから他端側の最終段(第N段目)のダイノード33bにかけて連続するように設けられたN個の電子増倍孔から構成された電子増倍チャネルCを複数並列に有している。
また、光電面41は、一端側の第1段目のダイノード33aから、集束電極31を挟んだ対向面40a上の一端側に離間して設けられている。この光電面41は、ガラス基板40の対向面40a上に矩形状の透過型光電面として形成されている。外部から下側フレーム4であるガラス基板40を透過した入射光が光電面41に到達すると、この入射光に応じた光電子が放出され、その光電子は壁状電極32及び集束電極31によって第1段目のダイノード33aへと導かれる。
また、陽極部34は、他端側の最終段のダイノード33bから、対向面40a上の他端側に離間して設けられている。この陽極部34は、電子増倍部33の電子増倍チャネルC内を矢印Bの示す方向に増倍してきた電子を、電気信号として外部に取り出すための電極である。
さらに、壁状電極32は、貫通部301内において対向面40aから上側フレーム2に向けて側壁部302の内壁に沿うようにほぼ垂直に延びる複数の板状部から構成される矩形枠状の電極であり、光電面41の形成領域をその縁部に沿って取り囲むように対向面40a上に立設されている。この壁状電極32の他端側壁部であって第1段目のダイノード33aにおける電子増倍チャネルCの形成された領域と対向する部位には、切り欠かれた略矩形状の切り欠き部35が形成されている。そして、この切り欠き部35の対向面40a上の両端部をつなぐように設けられた薄板状部材35aから、上側フレーム2側にほぼ垂直に延びるように集束電極31が形成されている。なお、本実施形態においては、壁状電極32と薄板状部材35aおよび集束電極31は一体に形成されているが、それぞれ別々に形成されても良い。
次に、図4及び図5を参照して、光電子増倍管1の配線構造について説明する。図4において、(a)は、上側フレーム2を裏面20a側から見た底面図、(b)は、側壁フレーム3の平面図であり、図5は、上側フレーム2と側壁フレーム3との接続状態を示す斜視図である。
図4(a)に示すように、上側フレーム2の裏面20aには、導電性端子201B,201C,201Dのそれぞれに上側フレーム2の内部で電気的に接続された複数の導電膜202と、導電性端子201Aに上側フレーム2の内部で電気的に接続された導電性端子203が設けられている。また、図4(b)に示すように、電子増倍部33及び陽極部34の端部には、導電膜202との接続用の給電部36,37がそれぞれ立設されており、壁状電極32の隅部には、導電膜202との接続用の給電部38が立設されている。また、集束電極31は、薄板状部材35aとともに、壁状電極32と下側フレーム4側で一体形成されることで壁状電極32に対して電気的に接続されている。さらに、壁状電極32には、下側フレーム4の対向面40a側に矩形平板状の接続部39が一体的に形成されており、この接続部39と、対向面40a上に光電面41に電気的に接触して形成された導電膜(図示せず)とが接合されることで、壁状電極32と光電面41とが電気的に接続されている。
上記構成の上側フレーム2と側壁フレーム3とを接合すると、導電性端子203が側壁フレーム3の側壁部302に電気的に接続される。併せて、電子増倍部33の給電部36、陽極部34の給電部37,及び壁状電極32の給電部38が、それぞれ、金(Au)などからなる導電部材を介して対応する導電膜202に独立に接続される。このような接続構成により、側壁部302、電子増倍部33、陽極部34が、それぞれ、導電性端子201A、201C,201Dに電気的に接続可能にされるとともに、壁状電極32が、集束電極31及び光電面41とともに、導電性端子201Bに電気的に接続される(図5)。
以上説明した光電子増倍管1によれば、入射光が下側フレーム4を透過して光電面41に入射することによって光電子に変換され、この光電子が下側フレーム4の対向面40a上の複数段の電子増倍部33に入射することによって増倍され、増倍された電子が電気信号として陽極部34から取り出される。ここで、光電面41は対向面40aに正対する方向から見て、壁状電極32によって取り囲まれており、その壁状電極32の他端側には切り欠き部35が形成されているので、光電面41からの光電子が側壁フレーム3等の筐体に入射することが防止されてその光電子が電子増倍部33に向けて効率的に導かれる結果、光電面41への入射光の検出感度を向上させることができる。
ここで、図3及び図10を参照しながら、本実施形態の効果を具体的に説明する。図10は、図3の側壁フレーム3から壁状電極32を取り除いた場合の側壁フレーム903の平面図である。側壁フレーム903を用いた場合には、入射光に伴い光電面41から発生した光電子は、大半は第1段目のダイノード33aに向けて入射するが、一部は側壁部302の方向(図10の矢印E,Eの方向)に導かれ検出信号に寄与しなくなってしまうおそれがある。これは、側壁部302の電位が不安定な状態ではより顕著となる。また、光電面41のうち、側壁部302に近い領域から発生した光電子ほど、側壁部302の影響は大きい。つまり、光電面41のうち、側壁部302の影響を受けづらい領域が実質的な有効領域であると言えるため、光電面41の実質的有効面積が小さくなってしまう。このような問題に対処するために、側壁部302に光電面41と同じ電位を与えることも考えられるが、この場合は側壁部302と電子増倍部33及び陽極部34との間の電位差が大きくなり、耐電圧不良が発生するおそれが出てくる。この問題は特に陽極部34において顕著であり、継いで電子増倍部33においても後段側におけるほど顕著になる。そのような耐電圧不良の発生を防ぐためには十分な空間を確保する必要があるため、結果的に1チップに要する材料面積を増大させることになってコストアップを招いてしまうおそれがある。また、貫通部301内の他端側等において、増倍された二次電子の絶縁体への衝突等によって発光が生じる場合がある。その光が矢印Eのように進み、光電面41にまで到ると、入射光とは関連性のない光電子放出が行われ、検出信号にノイズを発生させてしまいSN比を低下させるおそれもある。
これに対して、本実施形態では、光電面41から発生した光電子は、安定的に電位が設定された壁状電極32の存在により、側壁部302の電位にかかわらず効率よく第1段目のダイノード33aに向けて(図3の矢印Eの方向)入射させることができる。また、貫通部301内の他端側等で発生した光が光電面41に向かう方向(図3の矢印Eの方向)に進んできたとしても、壁状電極32によって遮蔽して光電面41への入射を防止することができる。これにより、側壁部302の電位を自由に設定しても検出感度が維持でき、かつ、ノイズ特性を改善させてSN比を向上させることができる。例えば、側壁部302を所望の電位としてグラウンド電位に設定することで、光電子増倍管1の電気的ノイズ特性を向上させることができる。特に、グラウンド電位に設定することでノイズ低減効果を最大にすることができるとともに、人体に対する感電の危険性も低減することができる。また、壁状電極32で取り囲まれた領域が実質的に有効な光電面領域であると言えるために、光電子増倍管1を外観視した場合、適切な光入射領域を容易に特定することができる。
また、光電面41と壁状電極32とが電気的に接続されて同電位に設定されているので、光電面41からの光電子が壁状電極32に入射すること無く、電子増倍部33に導かれるのに好適な電界が形成されるため、検出感度がさらに向上することになる。
また、壁状電極32の切り欠き部35は、電子増倍部33の電子増倍チャネルCの領域に対向する部位に形成されているので、電子増倍部33に導かれる光電子を効率的に増倍することができ、入射光の検出感度がさらに向上する。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、図6に示す本発明の変形例である光電子増倍管1Aのように、上側フレーム2Aの裏面(対向面50a)側に光電面41Aを設けてもよい。この場合、上側フレーム2Aとしてはガラス基板等の光透過性を有する絶縁性基板に給電端子を埋め込んだものを使用することができ、下側フレーム4Aとしてはガラス基板以外に様々な絶縁性基板を用いることができる。そして、壁状電極32は、上側フレーム2Aの対向面50aと正対する方向(対向面50aに対する略垂直方向)から見て、光電面41Aを取り囲むように配置されている。
また、図7に示す発明の変形例である光電子増倍管1Bのように、光電面としては反射型の光電面を用いてもよい。例えば、上側フレーム2Bとして光透過性を有する絶縁性基板を用い、側壁フレーム3Bの壁状電極32Bの内側には、対向面40aに対して他端側に傾斜する傾斜面を形成する。そして、この傾斜面から対向面40aにかけて光電面41Bを形成する。このような傾斜面の形状としては、上側フレーム2Bを透過してきた入射光に伴って光電面41Bから発生する光電子が電子増倍部33に向かうような形状であれば、平面であっても曲面であっても構わない。
さらに、本実施形態の配線構造に関しても様々な変形態様を採ることができる。例えば、図8に示すように、導電性端子401を下側フレーム4Cに貫通して形成し、この導電性端子401を介して、光電面41、壁状電極32、集束電極31、電子増倍部33、及び陽極部34に対して給電するような構成としてもよい。このような構成よって、上側フレーム2に形成された導電膜202(図4(a))と、各電極とを独立に給電することが可能になる。
また、図9に示すように、導電性端子401を設けた下側フレーム4Cと、導電性端子201A〜201Dを除いた上側フレーム2Cとを組み合わせてもよい。この場合、上側フレーム2Cとして、裏面側に複数の導電膜202が形成された絶縁性基板を用いる。このような組み合わせにおいて図4を参照して説明した配線構造を用いることで、下側フレーム4Cの導電性端子401から、壁状電極32、電子増倍部33、及び陽極部34を介して、上側フレーム2Cの導電膜202に給電することができる。
またいずれの実施形態および変形例においても、壁状電極32は必ずしも光電面41全体を取り囲む必要はなく、放出された光電子を電子増倍部33に導くことのできるような実質的な有効領域を取り囲んでいれば、辺縁部に関しては取り囲まないような配置としても良い。
1,1A,1B…光電子増倍管、2,2A,2B,2C…上側フレーム(第2の基板)、3…側壁フレーム(側壁部)、4,4A,4B,4C…下側フレーム(第1の基板)、20a,40a…対向面、31…集束電極、32,32B…壁状電極、33…電子増倍部、34…陽極部、35…切り欠き部、35a…薄板状部材、38…給電部、39…接続部、41,41A,41B…光電面、202…導電膜、C…電子増倍チャネル。

Claims (7)

  1. 互いに対向して配置され、それぞれの対向面が絶縁材料からなる第1及び第2の基板と、
    第1及び第2の基板と共に筐体を構成する側壁部と、
    前記第1の基板の前記対向面上の一端側から他端側に向けて順に離間して配列された複数段の電子増倍部と、
    前記一端側に前記電子増倍部から離間して設けられ、外部からの入射光を光電子に変換して、前記光電子を放出する光電面と、
    前記他端側に前記電子増倍部から離間して設けられ、前記電子増倍部によって増倍された電子を信号として取り出す陽極部と、
    前記対向面と正対する方向から見て内壁が前記光電面を取り囲むように配置され、前記他端側の前記電子増倍部と対向する部位に切り欠き部が形成された壁状電極と、
    前記光電面と対向するように前記対向面上に配置された導電膜と、
    を備える光電子増倍管。
  2. 前記壁状電極と前記導電膜とが電気的に接続されている、
    請求項1記載の光電子増倍管。
  3. 前記壁状電極はシリコンからなる、
    請求項1又は2記載の光電子増倍管。
  4. 前記壁状電極の隅部には、前記導電膜との接続用の給電部が立設されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電子増倍管。
  5. 前記切り欠き部の内側には、前記光電面から放出された前記光電子を前記電子増倍部に導くための集束電極が設けられている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電子増倍管。
  6. 前記集束電極は、前記切り欠き部の両端部をつなぐように設けられた薄板状部材から前記対向面に対してほぼ垂直に延びるように形成されている、
    請求項5に記載の光電子増倍管。
  7. 前記壁状電極には、第2の導電膜を介して前記光電面と電気的に接続するための平板状の接続部が形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電子増倍管。
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