JP5787212B2 - 船舶用ハイブリッド式推進システム - Google Patents
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Description
以下、特許文献1に開示された回生制御を本発明と対比するために本発明の構成に準じた従来技術として、図6の構成例を参照して説明する。
なお、2は主機プロペラ4を駆動する主機で、発電機3を主機2により主機プロペラ4とともに駆動する所謂軸発電機とするケースもある。
なお、図6に記載された従来のシステム構成図中の部品と同一部品には同一符号を付けて、重複する説明は適宜省略する。
図1は本発明の実施形態1による船舶用ハイブリッド式推進システムの構成図、図2は実施形態1の回生トルク制限値制御器の内部構成例を示す図、図3は本実施形態1で採用したインバータユニットの概略を示す構成図である。
本実施形態1の図1が従来例の図6と相違する主な点は、インバータ制御回路6Cにリミッタ回路を付加したことと、新たに回生トルク制限値制御器14を設けた点である。その他の構成は図6と同じである。
回生トルク制限値制御器14は、回転速度設定器(速度ハンドル)10からの信号10sを入力し、ハンドル操作状態判定手段141において回転速度設定器(速度ハンドル)10の位置情報10sが「増速または一定速度」の位置に対応したものであるのか、それとも「減速(逆転)」の位置に対応したものであるのかを判定する。
なお、本実施形態では減速操作(逆転操作)時の回生トルク制限値を30%と定めたが、この30%という値は一例に過ぎず、船体の大きさや推進力によって変わり得る。
インバータユニット6のインバータ制御回路6Cは、回転速度検出器11で検出した推進装置用電動機7の実回転速度NRを同制御回路6C内で処理しやすい実回転速度信号nrに変換する第1の信号変換器6C1と、推進装置用電動機7に回転速度指令値を設定するための回転速度設定器10から出力された回転速度指令値nsと前記信号変換器6C1から出力された実回転速度信号nrとの速度偏差nc(nc=ns−nr)を求める第1の加算部6C2と、この第1の加算部6C2から出力された速度偏差ncを入力してこれを比例積分(PI制御)により増幅することにより電流指令i*を作成する自動速度制御器6C3と、この自動速度制御器6C3から出力された電流指令i*を入力し、この電流指令が予め定めた力行トルク制限値(プラス側の制限値)あるいは回生トルク制限値(マイナス側の制限値)の範囲から逸脱することのないように、すなわち、力行トルク制限値を上回る大きさの電流指令i*とか、回生トルク制限値を下回る大きさの電流指令i*が出力されることがないように制限をかけて出力するリミッタ回路6C4と、電流検出器(CT)12で測定された推進装置用電動機7に流れる電流Iを処理しやすい形に変換して電流検出値iを出力する第2の信号変換器6C5と、この第2の信号変換器6C5で得られた電流検出値iを前記リミッタ回路6C4を通過した電流指令i*と付き合わせて電流偏差を求める第2の加算部6C6と、この第2の加算部6C6で求めた電流偏差を入力してこれを比例積分(PI制御)により増幅する自動電流制御器6C7と、この自動電流制御器6C7の出力に応じてインバータ主回路6Pの半導体制御素子(例えば、IGBT)にゲート信号を与える第3の信号変換器6C8と、を備えている。
インバータ主回路6Pは、ダイオードのブリッジ結線によって構成され、交流端子を船内母線5に接続されたダイオードコンバータ回路6P1と、このダイオードコンバータ回路6P1の直流端子間に接続された平滑用コンデンサ6P2と、IGBT等のスイッチング素子のブリッジ結線によって構成され、直流端子を前記平滑用コンデンサ6P2に接続され、交流端子を前記推進装置用電動機7に接続されたインバータ回路6P3とから構成されている。なお、インバータ主回路6Pの構成部品ではないが、インバータ回路6P3の直流側端子間には、インバータユニット6の回生動作時に回生用抵抗器13を接続するためのスイッチング素子6P4が接続されている。
制御対象となる推進装置用電動機7の実回転速度NR(実線)が回転速度指令値ns(破線)より高い場合は、インバータユニット6はインバータ回路6P3に回生動作(電力は電動機からインバータの方向へ発生)を行なわせ、スイッチング素子6P4を介して回生用抵抗器13で電力消費することによって推進装置用電動機7に電気ブレーキをかけ、回転速度NRを目標回転速度nsと一致するように制御する。
図1において、船舶の通常航行中は、速度ハンドルに設けられた回転速度設定器10から回生トルク制限値制御器14へ入力する信号10sが、増速または一定速度の操作状態を示す信号であるため、回生トルク制限値制御器14からは、インバータ制御回路6Cのリミッタ回路6C4に回生トルク制限値ゼロ(0%)の回生トルク制限指令14sを出力する。
以上に述べたように、本実施形態1によれば、回生トルク制限値制御器14により、速度ハンドルの操作に応じて増速または一定速時で航行中はインバータ制御回路6C内のリミッタ回路6C4の制限値を0(ゼロ)%に切換えるようにしたので、万一、外乱によって推進装置用電動機7の実回転速度NRが回転速度指令値nsよりも高くなったとしても、従来システムで発生していたような不要な回生制動の発生を防ぐことが可能となる。
次に図5を参照して本発明の実施形態2によるインバータ主回路について説明する。
本実施形態2が前述の実施形態1と異なる点は、インバータ主回路6Pのコンバータ回路6P1にある。
Claims (4)
- 主機と、
前記主機によって駆動される主機プロペラと、
前記主機あるいは別個設けた原動機によって駆動されて発電し、発電した交流電力を船内母線に供給する発電機と、
前記船内母線を電源とし、インバータユニットのインバータ主回路を介して駆動される推進装置用電動機と、
前記推進装置用電動機によって駆動される電気推進プロペラと、
前記推進装置用電動機の回転速度指令値を設定する回転速度設定器と、
前記推進装置用電動機の実回転速度を検出する回転速度検出器と
前記回転速度指令値と前記実回転速度を入力して速度偏差を演算し、その速度偏差に応じて前記インバータ主回路にゲート信号を与えるインバータ制御回路と、
前記インバータ主回路を介して前記推進装置用電動機からの回生電力を消費する回生用抵抗器とからなる船舶用ハイブリッド推進システムにおいて、
前記実回転速度が前記回転速度指令値より大きくなった時の速度偏差が予め定めた回生トルク制限値を超えないように制限をかけるリミッタ回路を前記インバータ制御回路に設けると共に、前記回転速度設定器からの信号を入力して回転速度設定器から増速度または一定速度の指令が出力されていることを判別したときは、前記リミッタ回路の回生トルク制限値をゼロに設定変更する回生トルク制限値制御器を設け、前記実回転速度が前記回転速度指令値より大きくなった時の速度偏差に応じたゲート信号が前記インバータ主回路に出力されないように制限することを特徴とする船舶用ハイブリッド式推進システム。 - 前記インバータ制御回路は、前記回転速度設定器の前記回転速度指令値と前記回転速度検出器の実回転速度との偏差を入力して速度制御演算を行い電流指令を出力する自動速度制御器と、この自動速度制御器から出力された電流指令を入力しその電流指令を予め定めた上限値および下限値の範囲内に制限して出力するリミッタ回路と、このリミッタ回路から出力された電流指令と電流検出器で検出された推進装置用電動機に流れる出力電流との電流偏差に応じて電流制御を行なう自動電流制御器を備え、前記回生トルク制限値制御器によって前記回転速度設定器が増速度または一定速度の指令を出力していることを判別したとき、前記リミッタ回路の下限値を予め定めた制限値であるゼロに設定変更し、前記自動速度制御器から出力された電流指令のマイナス分が次段の自動電流制御器に入力されないように制御することを特徴とする請求項1記載の船舶用ハイブリッド式推進システム。
- 前記インバータ主回路は、ダイオードをブリッジ結線して構成されたダイオードコンバータ回路と、このダイオードコンバータ回路の直流端子間に接続された平滑用コンデンサと、スイッチング素子をブリッジ結線して構成され直流端子を前記平滑用コンデンサ側に接続され、交流端子を前記推進装置用電動機側に接続されたインバータ回路とからなり、前記インバータ回路の直流側端子間にスイッチング素子を介して回生用抵抗器を接続したことを特徴とする請求項1または2記載の船舶用ハイブリッド推進システム。
- 前記インバータ主回路は、スイッチング素子をブリッジ結線して構成されたコンバータ回路と、このコンバータ回路の直流端子間に接続された平滑用コンデンサと、スイッチング素子をブリッジ結線して構成され、直流端子を前記平滑用コンデンサに接続され、交流端子を前記推進装置用電動機側に接続されたインバータ回路と、からなることを特徴とする請求項1または2記載の船舶用ハイブリッド推進システム。
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