JP5786291B2 - インバータ装置 - Google Patents
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従来のインバータ装置の異常検出方法としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、インバータ回路のゲート信号を出力する制御器を起動し、一定時間内に検出器で検出したインバータ回路の出力電流値または出力電圧値が所定範囲外となる条件で、検出器の故障、信号線の断線(検出器の接続不良)及びインバータ回路の故障を検知するものである。
また、異常判定を行うためにインバータ装置を運転したとき、万が一装置が破損してしまうと、復旧までに時間とコストがかかってしまう。
そこで、本発明は、電流検出器の接続不良を適切に検出可能なインバータ装置を提供することを課題としている。
これにより、作業者は電流検出器の接続不良が発生していることを素早く正確に認識することができ、復旧作業を適切に行うことができる。
これにより、電流検出器が正常に作動する状態である場合には、過電流保護手段によって過電流から装置を保護することができる。また、電流検出器に接続不良が発生しており、過電流保護が正常に機能しない場合でも、制御停止手段によって装置の保護が可能となるため、より装置の安全性を確保することができる。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明に係るインバータ装置の構成を示すブロック図である。
図中、符号1はインバータ装置である。インバータ装置1は、三相交流電源2に接続されたダイオード整流器(コンバータ部)11と、その直流側に平滑コンデンサ12を介して接続されたインバータ回路(インバータ部)13とを備えている。
図2は、制御回路20の詳細を示すブロック図である。
この図2に示すように、制御回路20は、電流指令発生回路21と、電流制御器22と、PWM制御器23とを備え、これらによりベクトル制御を行う。
電流制御器22は、電流検出器15の出力端子から出力される電流検出値と、電流指令発生回路21から出力される電流指令値との偏差を入力する。すると、電流制御器22は、この電流偏差に対してPI制御を施して電流制御値(電圧指令値)を算出し、これをPWM制御器23に出力する。PWM制御器23は、上記電流制御値に基づいてインバータ回路13を駆動するPWM信号のデューティ比を算出し、このPWM信号をインバータ回路13に出力する。
電流検出器15は、ホール素子やシャント抵抗等で構成され、電源を有していない。そのため、電流検出器15の電源は制御回路20から供給される。すなわち、電流検出器15のプラス側端子(電源供給端子)が制御回路20内部の電源30に接続され、マイナス側端子が接地される。
なお、図2において、抵抗28及び断線検出器29が監視手段に対応し、OR回路26及びインバータ強制オフ回路27が制御停止手段及び過電流保護手段に対応し、過電流レベル設定回路24及び比較器25が過電流検出手段に対応している。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
電流検出器15に接続不良が発生していない正常状態である場合、電流検出器15へ電源電流が流れるため、断線検出器29は抵抗28を介して電源電流が流れることを確認し、“0”となる信号をOR回路26に出力する。また、このとき電流検出器15はインバータ装置1の出力電流を検出し、比較器25はその電流検出値と過電流レベルとを比較する。そして、過電流でない場合には、比較器25は“0”となる信号をOR回路26に出力する。したがって、OR回路26の出力信号は“0”となり、インバータ強制オフ回路27は、PWM制御器23とインバータ回路13とを接続した状態とする。
一方、電流検出器15とインバータ装置1の制御回路20とを接続するケーブルが断線している接続不良時には、電流検出器15へ電源電流が流れないため、断線検出器29は電源電流=0[A]であることを確認する。そのため、断線検出器29は、“1”となる信号をOR回路26に出力する。すると、OR回路26の出力信号は“1”となり、インバータ強制オフ回路27は、PWM制御器23とインバータ回路13とを切り離した状態とする。これにより、制御回路20によるインバータ回路13の駆動制御が停止する。このようにして、インバータ装置1の出力を強制的にオフする。
このように、第1の実施形態では、インバータ装置の制御回路に電流検出器の電源電流を監視する機能を設けるので、電流検出器の接続不良が発生している場合には、確実にこれを検知することができる。したがって、異常発生時には、装置全体を調査することなく、電流検出器の接続不良に対応した復旧作業を行うことができる。このように、異常原因の特定が容易であるため、復旧までにかかる時間を短縮することができる。
さらに、電流検出器の接続不良を検知した場合には、インバータ装置の運転を不可とするので、過電流保護が正常に機能しない状態でインバータ装置が運転されることに起因するインバータ装置の破損や、異常動作による負荷装置への悪影響などを確実に防止することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、制御回路20においてベクトル制御を行う場合について説明したが、出力電圧Vと出力周波数Fの比を所定の値にしてモータ3を可変速制御するV/F制御を行う場合についても適用可能である。この場合、図3に示すように、図2に示す電流指令発生回路21、電流制御器22及びPWM制御器23に代えて、電圧/周波数制御器31及びPWM制御器32を設ければよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、電流検出器15の接続不良時に、これを外部に報知するようにしたものである。
(構成)
図4は、第2の実施形態における制御回路20の詳細を示すブロック図である。
この図4に示すように、本実施形態の制御回路20は、図2に示す制御回路20において、異常状態通報回路35が追加されていることを除いては、図2の制御回路20と同様の構成を有する。したがって、ここでは構成の異なる部分を中心に説明する。
なお、図4において、異常状態通報回路35が報知手段に対応している。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
電流検出器15とインバータ装置1の制御回路20とを接続するケーブルが断線している接続不良時には、電流検出器15へ電源電流が流れないため、断線検出器29は電源電流=0[A]であることを確認する。そのため、断線検出器29は、“1”となる信号をOR回路26に出力する。すると、OR回路26の出力信号は“1”となり、インバータ強制オフ回路27は、PWM制御器23とインバータ回路13とを切り離した状態とする。これにより、制御回路20によるインバータ回路13の駆動制御が停止する。このようにして、インバータ装置1の出力を強制的にオフする。
さらにこのとき、断線検出器15の出力信号は異常状態通報回路35に入力される。断線検出器15の出力信号は“1”であるため、異常状態通報回路35は、通報装置によって外部に電流検出器15の接続不良を知らせる。
これにより、作業者は電流検出器15の接続不良を認識し、迅速に復旧作業にあたることができる。
このように、第2の実施形態では、電流検出器の接続不良時には、インバータ装置の出力を強制的にオフすると共に、当該接続不良が発生していることを外部に通報する。そのため、作業者は電流検出器の接続不良を早く正確に認識することができる。
(変形例)
なお、上記第2の実施形態においては、図3に示す制御回路20と同様に、V/F制御を行う場合についても適用可能である。この場合、図5に示すように、図3に示す制御回路20に対して異常状態通報回路35を追加すればよい。これにより、電流検出器15の接続不良時に、インバータ強制オフ回路27がインバータ装置1の出力を強制的にオフすると共に、当該接続不良を外部に知らせることができる。
Claims (3)
- 交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ部と前記直流電圧を可変周波数、可変電圧の交流電圧に変換するインバータ部とからなる主回路と、前記主回路を制御する制御回路と、前記主回路の出力電流を検出する電流検出器と、を備えるインバータ装置であって、
前記電流検出器は、前記制御回路から接続手段を介して電源電流が供給されるように構成されており、前記制御回路は、前記電流検出器の電源電流を監視する監視手段と、前記監視手段で前記電流検出器の電源電流が零であることを検知したとき、前記主回路の制御を停止する制御停止手段と、を備え、
前記監視手段は、前記制御回路内部の電源と前記電流検出器の電源供給端子との間に直列接続された抵抗を備え、前記抵抗に流れる電流を監視し、前記抵抗を介して前記電流検出器へ流れる電流が零であることを検出したとき、前記主回路の制御を停止する信号を前記制御停止手段に出力することを特徴としていることを特徴とするインバータ装置。 - 前記監視手段で前記電流検出器の電源電流が零であることを検知したとき、外部にこれを報知する報知手段を備えることを特徴としていることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
- 前記制御回路は、前記電流検出器で検出した前記主回路の出力電流が予め設定した過電流レベルに達している過電流状態を検出する過電流検出手段と、前記過電流検出手段で前記過電流状態を検出したとき、前記主回路の制御を停止する過電流保護手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ装置。
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