以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明であるメダル貸出機1の外観斜視図である。
メダル貸出機1は、遊技店(パチンコ店、スロット店等)において、遊技島に設置されたスロットマシン等の遊技台一台毎に隣設され、遊技客による貨幣類の投入により遊技媒体であるメダルMを貸し出す装置である。
該メダル貸出機1は、前面側を開口した縦長箱状の本体枠3と、前記本体枠3の前面側上部に位置し、メダル貸出機1の状態、サーバ等の外部機器との通信状況の状態などを発光、点滅等で表示する状態表示ランプ5aを備えた上部パネル5と、前記本体枠3と前面側より着脱可能な制御装置7と、メダルMを補給する際に開閉する補給パネル9と、前記本体枠3の前面側下方に位置し、前記補給パネル9と蝶板にてネジ止めされ、前記本体枠3と着脱自在の構成からなる供給部パネル11と、から構成されている。
上部パネル5は、本体枠3の内部上方に備えた紙幣識別収納装置13(図5参照)の前面側に位置し、該紙幣識別収納装置13の紙幣挿入口13aが上部パネル5の開口部より前面側へ延出する。メダル貸出機1は、前記紙幣識別収納装置13の前記紙幣挿入口13aに遊技客より挿入される貨幣の真偽を識別し、挿入された貨幣が正規と判断された場合は、後述するメダル払出装置31より所定枚数のメダルMを遊技台101の受皿101bに払い出すとともに、挿入された正規の貨幣を紙幣識別収納装置13の内部へ収納する。
制御装置7は、本体枠3の前面側より着脱可能であり、メダル貸出機1の状態、サーバ等の外部機器との通信状況の状態などを発光、点滅等で表示する状態表示ランプ7aと、メダル貸出機1に関する情報等の表示を行うと共に、遊技客が操作可能な液晶操作部7bと、遊技客が操作する各種操作ボタン7cと、遊技客がICカード、ICコイン等の記憶媒体を挿入する、ICカード挿入口7dと、ICコイン投入口7eと、ICコイン返却口7fと、が設けられている。
前記ICカード挿入口7d、及び前記ICコイン投入口7eに記憶媒体が投入されると、該記憶媒体に記憶されている金額、遊技媒体数等のデータが液晶操作部7bに情報表示され、遊技客が該液晶操作部7bへの入力や、夫々の操作ボタン7cを操作することで、記憶されている金額、又は、遊技媒体数からメダルMを引き落とすことができる。
制御装置7に配置された液晶操作部7bはタッチパネル型液晶であり、メダル貸出機1の情報等の表示を行うとともに、遊技客が会員カード等ICカードの媒体を挿入した際、暗証番号を入力するため操作するものである。本実施例において、液晶操作部7bはタッチパネル型液晶としたが、メダル貸出機1の情報等を表示するのみの表示部としてもよい。
補給パネル9は、遊技店店員がメダル貸出機1へメダルMを補給する際に開閉するものであり、前記補給パネル9には遊技客が不正に開閉できないように施錠鍵9aが設けられている。
供給部パネル11には、所定枚数のメダルMを隣設する遊技台101へ払い出すメダル供給部15が設けられている。また、該供給部パネル11は前記補給パネル9と蝶板にてネジ止めされ一体化されており、供給部パネル11を着脱する際、補給パネル9も着脱することとなる。また、本体枠3の背面下方には、後述する排出シュート91が設けられている。
メダル供給部15は、所定枚数のメダルMを隣設する遊技台101の受皿101bに供給するものであり、供給部パネル11に取り付けられた供給基部15aと、該供給基部15aに水平方向に回転可能に支持され、所定位置で固定する供給シュート15bと、から構成される。よって、遊技台101のメンテナンス時等に該供給シュート15bを水平方向へ可動させて退避するとともに、遊技台101の受皿101bへ湾曲しながら傾斜して臨むように成形されている。また、前記供給基部15aの上端には後述する投入口17と、投入口蓋19が設けられている。
図2はメダル貸出機1のメダル供給部15周辺を示す部分拡大図であり、(a)は投入口蓋19を開いた状態を示す部分拡大斜視図であり、(b)は投入口17を上方へ回動させた状態を示す部分拡大斜視図である。
メダル供給部15の供給基部15aの上端には、上方向に開口する受皿形状の投入口17と、前記投入口17の開口部分を閉塞する投入口蓋19と、が設けられている。本発明であるメダル貸出機1は、本体枠3の内部下方向に後述するメダル計数装置51を備えており、遊技客が遊技で獲得したメダルMを、前記メダル貸出機1の投入口17へ投入して、獲得枚数を計数することができる。
図2(a)に示すように、投入口17は供給基部15aの上端に配置され、遊技客が獲得したメダルMを投入しやすい様、上方向に大きく開口する受皿形状で、且つ、供給基部15aの前面側よりも突出して形成されており、該投入口17の内部では、投入口17へ投入されたメダルMを、メダル貸出機1の内部に備えたメダル計数装置51の計数導入口61aへと案内するように傾斜状に形成し、且つ、連通する構成となっている。
また、投入口17の開口部分を閉塞している投入口蓋19は、図1に示すように前記投入口蓋19の上面に蓋固定片19aが形成されており、前記投入口17に対して上方向に回動可能である。遊技客が獲得したメダルMを計数する時に該投入口蓋19を上方へ回動させた際、蓋固定片19aが供給部パネル11に形成された固定溝(図示せず)に嵌合することで該投入口蓋19の開状態を維持することができる。なお、前記投入口蓋19は、計数時以外は投入口17を常時閉塞しているので、計数時以外において、メダル貸出機1の内部に備えたメダル計数装置51へゴミ、ジュース等の飲料水などの混入を防ぐことができる。
また、メダル貸出機1には、遊技客が投入口17に投入後、獲得枚数を計数するために押下する計数ボタン3aが備えられ、投入口蓋19を開くと該計数ボタン3aが押下できるように配置されている。遊技客は遊技で獲得したメダルMを、投入口蓋19を開けて投入口17へ投入後、計数ボタン3aを押下することで、メダル貸出機1の内部に備えたメダル計数装置51が稼動して獲得枚数を計数することができる。また、上記構成から計数ボタン3aは投入口蓋19を開けなければ押下することができないので、遊技客による誤操作を防止することが可能である。
また、投入口蓋19と同様に、図2(b)に示すように、投入口17は供給基部15aに対して上方向へ回動可能である。
図3、図4を用いて投入口17の構成、作用を説明する。
図3はメダル貸出機1の投入口17周辺を示す部分拡大図であり、(a)は投入口蓋19と投入口17と、を閉じた通常状態を示す部分拡大側面図であり、(b)は投入口蓋19を開けて、投入口17を上方向へ回動させて後退した退避状態を示す部分拡大側面図である。また、図4はメダル貸出機1の投入口17を上方向へ回動させて後退した退避状態を示す作用図である。
図2(b)、及び図3(a)、(b)に示すように、投入口17は、供給基部15aに形成された回転軸15cに軸支され、該投入口17の両側面には係合ピン17aと、投入口17の下端に嵌合片17bが形成されている。一方、供給基部15aの投入口17が嵌り込む内側には、該投入口17の係合ピン17aが係合する複数の係合穴15dと、該投入口17の嵌合片17bが嵌り合う嵌合穴15eと、が形成されている。
図3(a)において、投入口17、及び投入口蓋19は閉状態であり、投入口17が供給基部15aの前面側よりも突出している状態(図中矢印方向a)である。投入口17の下端に形成された嵌合片17bは供給基部15aに形成された嵌合穴15eに嵌合している状態であり、該投入口17の閉状態を維持することができる。
図3(b)において、投入口17、及び投入口蓋19は開状態であり、該投入口17が供給基部15aの前面側よりも後退した状態(図中矢印方向b)となる。前記投入口17を供給基部15aに対して上方向へ回動させた際、該投入口17に形成された係合ピン17aが、供給基部15aに形成された一方の係合穴15dに係合された状態から、もう一方の係合穴15dへ移動して再度係合することで、該投入口17の上方向へ開状態を維持することできる。
図4に示すように、メダル貸出機1に隣り合う遊技台101が、メンテナンス時などで遊技台扉101aを開いた際に、図3(a)に示す投入口17と投入口蓋19と、を通常状態である閉状態の場合、該メダル貸出機1の投入口17が供給基部15aの前面側よりも突出しているため、該投入口17の突出部分が遊技台扉101aと衝突して破損してしまう。よって、投入口17、及び投入口蓋19を上方向へ回動させて供給基部15aの前面側よりも後退させた退避状態(矢印方向b)に可変することで、投入口17と遊技台扉101aとの衝突を避けることができる。
本実施例において、投入口17は、メダル供給部15の上端に設けられているが、該メダル供給部15と独立した構成であってもよい。また、前記投入口17は、該投入口17の突出部分と遊技台扉101aとの衝突を避けるため上方向へ回動可能と示したが、供給基部15aの前面側よりも突出しない構造であればよい。例えば、投入口17が、メダル供給部15の前面側よりも突出した状態の通常状態から、メダル供給部15の前面側よりも後退した状態の退避状態への可変を、前後方向にスライド可動により可変可能として、供給基部15aからの突出量を調整する構成としてもよい。
次に図5、図6を用いてメダル貸出機1の内部を詳細に説明する。
図5は、メダル貸出機1の内部を示す外観斜視図である。図6は、メダル貸出機1の内部を示す外観斜視図であり、メダル計数装置51とメダル払出装置31を取り外した状態を示す図である。
メダル貸出機1の本体枠3の内部上方には、前述した紙幣識別収納装置13と、制御装置7が備えられている。また、内部下方には、遊技台101の受皿101bへメダルを供給するために該メダルMを払い出すメダル払出装置31と、遊技客は遊技で獲得したメダルMを計数するメダル計数装置51と、が備えられている。
本体枠3の背面側には補給口3bが形成され、該メダル貸出機1の背面側にて接続する補給管25(図9参照)より流下されるメダルMをメダル貸出機1の内部へ入れ込み補給する。本体枠3の補給口3b近傍には前記補給管25より流下するメダルMをメダル払出装置31へ案内する案内プレート3cが設けられている。なお、メダル払出装置31の上方の空間を該メダル払出装置31の貯留部Tとして形成し、メダル貸出機1の背面側より接続する補給管25から流下されるメダルMや、メダル貸出機1の前面側より補給パネル9を開けて補給されるメダルMが貯留される。
メダル供給部15を設けた供給部パネル11は、補給パネル9と蝶板にてネジ止めされ一体化されており、供給部パネル11を着脱する際、補給パネル9も着脱することとなる。供給部パネル11を本体枠3の前面側に設置する際、該本体枠3の前面側下端に形成されたパネル差込片3dに該供給部パネル11の下端部を差し込み、補給パネル9の両側面に形成された補給口壁9bを本体枠3に挿入し嵌合することで、設置することができる。
本体枠3の前面側略中央には、計数ボタン3aと、パネル検知センサ3eと、が備えられており、供給部パネル11を本体枠3に取り付けた際、該供給部パネル11の計数ボタン3aの前面側を覆う部分が大きく開口しており、計数ボタン3aがこの開口部分より前面側へ露出するような構成となっており、遊技客に押下することが可能となる。
また、前記計数ボタン3aの上方に備えたパネル検知センサ3eは、補給パネル9の背面側に形成された検知片(図示せず)を検知するために備えられ、前記パネル検知センサ3eの検知によって、補給パネル9、及び供給部パネル11の着脱を認識できるようになっている。この補給パネル9、及び供給部パネル11が取り外されると、メダル貸出機1に備えたメダル計数装置51、等の機器の稼動を停止し、状態表示ランプ5a、7aや、液晶操作部7b、等で発光、点滅、表示等で報知する。補給パネル9、及び供給部パネル11が取り外した際に、機器の稼動を停止させることで、各機器の交換、修理といったメンテナンスを行えるようになり、また、状態表示ランプ5a、7aや、液晶操作部7b、等で報知することで、遊技店店員以外が不正に取り外した場合に、早期に不正を発見することが可能となる。
図6に示すように、本体枠3の内部下方には払出載置部21と、計数載置部23と、が設けられ、前記払出載置部21にはメダル払出装置31を、前記計数載置部23にはメダル計数装置51を、前後方向へ抜き差しして夫々載置することが可能であり、夫々の装置の故障、交換等のメンテナンスの際は前面側へ引き出すことができる。また、メダル払出装置31、及びメダル計数装置51を本体枠3内に前方側より摺動移動して載置する際、前述した夫々の装置に配したコネクタ(払出コネクタ35a、計数コネクタ57g)と本体枠3に備え夫々の装置に対応したコネクタ21a、23aと、を装置の抜き差しのみで接続することができるため、メダル払出装置31、及びメダル計数装置51への電源の供給、制御装置7や外部機器等との信号やデータの送受信を容易に行うことができる、
また、払出載置部21は、その前面側が大きく切りかかれており、後述するメダル計数装置51のメダル流下シュート61がメダル払出装置31の前方を塞ぐように配置されており、メダル払出装置31は、メダル計数装置51を引き出して取り外さなければ着脱できない構成となっている。また、該メダル払出装置31の払出口37bを形成する払出通路37aは、前方を塞ぐメダル流下シュート61の側部を迂回するように前方へ延出する構成となっている。よって、メダル払出装置31の払出通路37aと、メダル計数装置51のメダル流下シュート61は本体枠3の内部において夫々横方向に並行して配置される。
図7、図8を用いてメダル払出装置31を詳細に説明する。
図7はメダル払出装置31を示す外観斜視図であり、図8はメダル払出装置31の詳細を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
メダル払出装置31は、箱型形状であり、上方が大きく開口し円板状のメダルMを多数枚貯留する払出メダルタンク33と、メダル払出装置31の土台となる払出ベース部35と、前記払出メダルタンク33と前記払出ベース部35との間に配置される略平面形状の払出基盤37と、から構成される。払出メダルタンク33は、上方と同様に下方にも略円状に開口しており、後述する払出基盤37に設けられた回転ディスク39に貯留するメダルMを送り込む構成となっている。また、払出基盤37の前方側側面には前記回転ディスク39により投出されたメダルMを外部へ払い出すための払出通路37aが設けられ、貯留されているメダルMは、一枚ずつ該払出通路37aを通過して、該払出通路37aの端部に形成した払出口37bより払い出される。また、前記払出ベース部35には、メダル貸出機1の本体枠3に設置されたコネクタ21aと接続する払出コネクタ35aが設けられている。
払出基盤37の両側面には、該払出基盤37の両側面より窪んだ嵌合凹部37cが複数(実施例では4箇所)形成されている。また、払出メダルタンク33の下部両側面には払出基盤37の嵌合凹部37cと嵌合する嵌合凸部33aが複数(嵌合凹部37cと同数)形成されている。よって、払出基盤37の両側面に対し、払出メダルタンク33の両側面を挟み込む様に互いに嵌め込み、払出メダルタンク33に形成された嵌合凸部33aと、払出基盤37に形成された嵌合凹部37cと、が互いに嵌り込む様に摺動移動することで嵌合し、嵌合後に前記払出メダルタンク33と前記払出基盤37と、をネジ止めして固定する。
図8において、払出基盤37には、該払出基盤37の略中央に配置され、略円盤形状で周囲に払出メダルタンク33に貯留されているメダルMを取り込むメダル取込穴39aを円周上一定間隔に設けられた回転ディスク39と、前記回転ディスク39を回転駆動させる駆動モータ37dと、払出基盤37と払出メダルタンク33との間に位置し、前記回転ディスク39の上面周縁部と周囲面を覆うディスクカバー37eと、前記払出基盤37の下面より突出し、メダル取込穴39aに取り込まれたメダルMを払出通路37aへ案内する案内ピン37fと、前記案内ピン37fより案内されたメダルMを弾く様に払出通路37aへ投出する投出レバー37gと、払出通路37aに配置し、投出されたメダルMの通過を検知し払出枚数を計数する計数センサ41と、から構成される。また、払出基盤37には、回転ディスク39の下面に位置する箇所に、埃、ゴミ等の異物を送出メダルタンク33内から排出する異物排出穴37hが形成されている。
払出メダルタンク33に貯留されているメダルMの払出動作を説明する。前記払出メダルタンク33に貯留されているメダルMは、駆動モータ37dにより矢印方向cに回転駆動する回転ディスク39のメダル取込穴39aに取り込まれ、該回転ディスク39の回転により払出通路37a側へ移送すると共に、下面より突出した案内ピン37fにメダルMが当接して払出通路37a側へ案内されつつ、投出レバー37gによって弾く様に一枚ずつ投出され、払出通路37aへ通って払出口37bより払い出される。前述する払出動作を回転ディスク39の回転駆動に応じて連続的に行い、計数センサ41にてメダルMの払出枚数を計数することで、払出メダルタンク33に多数枚貯留されているメダルMを、払出口37bから所定枚数分外部へ払い出すことが可能である。
払出ベース部35には、係止片43aが形成されたロックレバー43が設けられ、図6に示すように、メダル貸出機1の本体枠3に設けた払出載置部21に摺動移動して載置する際、該払出載置部21の底面側に形成された係止部21bと、ロックレバー43に形成された係止片43aと、が係止され、メダル払出装置31を本体枠3の内部にネジ止めすることなく固定することができる。
払出通路37aは、払出基盤37の前方側側面の一端側から、該払出通路37aの端部に形成した払出口37bを略中央方向へ向けて湾曲した形状であり、メダル払出装置31を本体枠3に載置した際、該メダル払出装置31の前方を塞ぐメダル計数装置51のメダル流下シュート61の側部を迂回するように前方へ延出する構成となっている。
図9は、メダル貸出機1の内部を示す側面図であり、払い出すメダルMの経路を示す図である。
遊技客が貨幣類を紙幣挿入口13aに挿入した際、或いは、ICカード、ICコイン等の記憶媒体を制御装置7のICカード挿入口7d、ICコイン投入口7eに投入した際に、投入した金額、該記憶媒体に記憶されている金額、もしくは、遊技媒体数等のデータに応じて所定枚数のメダルMを払い出す。
メダル払出装置31が稼動し、前述した払出動作によって、払出メダルタンク33内に貯留されているメダルMが払出口37bより所定枚数払い出される。前記払出口37bは、メダル供給部15の供給シュート15bとメダル貸出機1の内部にて連通しており、払出口37bより払い出されたメダルMは供給シュート15bに受け渡され、隣設する遊技台101の受皿101bに移送される。
払出メダルタンク33の内部に貯留されているメダルMの貯留量が減少した際に、外部機器であるメダル自動補給システム(図示せず)から、メダル貸出機1の背面側にて接続する補給管25より洗浄済みのメダルMが流下され、払出メダルタンク33の内部に自動補給される。また、メダル自動補給システムに何らかのトラブルが発生して自動補給が行えなくなった場合に、遊技店店員がメダル貸出機1の補給パネル9を開けて前面側よりメダルMを補給することも可能である。補給パネル9を開けてメダルMを補給する際、補給口壁9bが本体枠3の両側を塞ぐため、メダルMをメダル貸出機1の外部に溢すことなく補給できる。
メダル払出装置31の上方向に大きく空間を有して前記メダル払出装置31の貯留部Tとして形成されるため、補給管25から流下するメダルMや、補給パネル9を開けて補給されるメダルMを、メダル貸出機1の内部により多く取り入れることができるので、該メダル払出装置31は払出メダルタンク33の貯留量以上のメダルMをメダル貸出機1の内部に貯留することが可能となる。
次に、図10、図11、及び図12を用いてメダル計数装置51を詳細に説明する。
図10、及び図11は、メダル計数装置51を示す外観斜視図であり、図12は、メダル計数装置51のメダル流下シュート61と、送出メダルタンク59を取り外した状態を示す図である。
メダル計数装置51は、メダル供給部15の上端に配置された投入口17に投入されたメダルMを正規のメダルMと、該正規のメダルMの直径とは異なる異径のメダルMと、に選別し、正規のメダルMのみ計数を行うメダル選別部55と、該メダル選別部55に投入口17に投入されたメダルMを一枚ずつ送出するメダル送出部53と、メダル計数装置51の土台となる計数ベース部57と、から構成されている。なお、前記計数ベース部57の前面側下端部には固定ネジ57aが備えられ、メダル貸出機1の本体枠3の計数載置部23に載置した際、該計数載置部23に形成された固定穴23bとネジ止めしてメダル貸出機1の内部に配置することができる。(図6参照)なお、本実施例において、異径のメダルMとは、正規のメダルMの直径より小さいメダル、コイン、硬貨、円板等、遊技台で獲得したメダルM以外の媒体である。
メダル送出部53には、箱型形状であり、上方が大きく開口し円板状のメダルを多数枚流入可能な送出メダルタンク59と、上方に延出し上部先端側に計数導入口61aを開口するメダル流下シュート61と、前記送出メダルタンク59と前記計数ベース部57との間に配置される略平面形状の送出基盤63と、から構成される。前記送出メダルタンク59は、上方と同様に下方にも略円状に開口しており、後述する送出基盤63に設けられた回転ディスク65に流入したメダルMを送り込む構成となっている。
送出基盤63の両側面には、該送出基盤63の両側面より窪んだタンク嵌合凹部63aが複数(実施例では4箇所)形成されている。また、送出メダルタンク59の下部両端面には送出基盤63のタンク嵌合凹部63aと嵌合するタンク嵌合凸部59aが複数(タンク嵌合凹部63aと同数)形成されている。よって、送出基盤63の両側面に対し、送出メダルタンク59の両側面を挟み込む様に互いに嵌め込み、送出メダルタンク59に形成されたタンク嵌合凸部59aと、送出基盤63に形成されたタンク嵌合凹部63aと、が互いに嵌り込む様に摺動移動することで嵌合し、嵌合後、前記送出メダルタンク59と送出基盤63と、をネジ止めして固定する。
また、送出基盤63と同様に、送出メダルタンク59の両側面にはシュート嵌合凹部59bが複数(実施例では4箇所)形成され、且つ、送出メダルタンク59と同様に、メダル流下シュート61の下部両端面には送出メダルタンク59のシュート嵌合凹部59bと嵌合するシュート嵌合凸部61bが複数(シュート嵌合凹部59bと同数)形成されている。また、メダル流下シュート61には、前面側に弾性部材によって下方向に付勢されたシュート固定レバー61cが設けられている。該シュート固定レバー61cには、下方向に向けて突出するシュート嵌合片61dが形成され、送出メダルタンク59に形成されたシュート嵌合溝59cに嵌り込む構成となっており、よって、送出メダルタンク59の両側面に対し、メダル流下シュート61の両側面を挟み込む様に互いに嵌め込み、メダル流下シュート61に形成されたシュート嵌合凸部61bと、送出メダルタンク59に形成されたシュート嵌合凹部59bと、が互いに嵌り込む様に摺動移動することで嵌合し、シュート固定レバー61cのシュート嵌合片61dが、送出メダルタンク59に形成されたシュート嵌合溝59cに嵌り込むことで、前記メダル流下シュートと送出メダルタンク59と、をネジ止めすることなく固定することができる。
なお、メダル流下シュート61は、メダル貸出機1の本体枠3の内部にメダル計数装置51を載置固定された状態であっても、送出メダルタンク59から着脱することが可能であり、図5に示すようにメダル計数装置51が本体枠3の内部に載置固定された状態であっても、シュート固定レバー61cを操作してシュート嵌合片61dとシュート嵌合溝59cと、の嵌合を解いて、該メダル流下シュート61のみを前面側へ引き出して取り外すことができる。よって、メダル流下シュート61を取り外した後、該メダル流下シュート61の後方側に配置されたメダル払出装置31を着脱することが可能となる。
図12、及び図15に示すように、送出基盤63には、該送出基盤63の略中央に配置され、略円盤形状で周囲に送出メダルタンク59に流入されたメダルMを取り込むメダル取込穴65aを円周上一定間隔に設けられた回転ディスク65と、前記回転ディスク65を回転駆動させる駆動モータ57bと、前記送出基盤63の下面より突出し、メダル取込穴65aに取り込まれたメダルMをメダル選別部55へ案内する案内ピン63bと、前記案内ピン63bより案内されたメダルMを弾く様にメダル選別部55へ投出する投出レバー63cと、送出基盤63と送出メダルタンク59との間に位置し、前記回転ディスク65の上面周縁部と周囲面を覆うディスクカバー63dと、投出されたメダルMの通過を検知する送出口センサ67と、が設けられている。また、送出基盤63には、回転ディスク65の下面に位置する箇所に、埃、ゴミ等の異物や、ジュース等の飲料水、等を送出メダルタンク59の内部から排出する複数の異物排出穴63eと、送出メダルタンク59内にパチンコ玉等の遊技玉が混入した際に送出メダルタンク59の内部から排出させるための玉排出穴63fと、が形成されている。
図13は、メダル流下シュート61と送出メダルタンク59の内部を示すメダル計数装置51の外観斜視図である。
メダル流下シュート61は、送出メダルタンク59の上方向の開口部分を閉塞するよう嵌合され、上方に延出し上部先端側に計数導入口61aを開口する。前記計数導入口61aは、メダル供給部15の上端に設けた投入口17と連通し、遊技客が遊技で獲得したメダルMを投入口17に投入すると、該投入口17から前記計数導入口61aへ流下し、さらに、メダル流下シュート61の内部に設けたメダル案内部材61eによって送出メダルタンク59内へ流下する構成となっている。
また、計数導入口61aの外周部分、及び投入口17の内部と連通嵌合する箇所には、本体枠3の内部に設置されたメダル払出装置31や、他の内部機器へ不正を行えないように閉塞する遮蔽枠61fを形成し、図2、及び図5に示すように、投入口蓋19を開けた際、または、投入口17を上方向へ回動させた際にも、該遮蔽枠61fによって本体枠3内部への触れることができず、メダル流下シュート61の背面側に設置されたメダル払出装置31や、本体枠3の内部機器等に対して不正を行えないようにしている。
図14は、メダル送出部53の詳細を示す部分拡大断面図である。図14(a)は、メダル送出部53の平面から見た部分拡大断面図であり、(b)は、側面から見た部分拡大断面図である。
メダル流下シュート61の内部に設けたメダル案内部材61eの下端部(送出メダルタンク59の上面近傍)は、一方向(図中矢印方向d)に向けて湾曲して形成されており、払出基盤63に設けた回転ディスク65の回転駆動方向(図中矢印方向e)とは逆方向にメダルMを流下させる構成としている。
例えば、メダル案内部材61eからの流下方向と、回転ディスク65の回転駆動方向と、が同方向(メダル案内部材61eからの流下方向が図中矢印方向dとは逆方向)の場合、該回転ディスク65の回転駆動により計数導入口61aから流下するメダルMを送出メダルタンク59の内部へより多く取り込む作用となり、送出メダルタンク59の内部が流下したメダルMで満杯状態となって、回転ディスク65の回転駆動に負荷が掛かり、メダルMを連続的にメダル選別部55へ送出することができず、送出メダルタンク59内でメダル詰まり等による故障やトラブルの原因となる。
そのため、メダル案内部材61eから流下するメダルMの流下方向を、回転ディスク65の回転駆動方向とは逆方向に変えて案内することで、送出メダルタンク59へ流下するメダルMをより多く取り込むことなく流下量を抑えることが可能となり、送出メダルタンク59の内部が満杯状態にならず、回転ディスク65の回転駆動に負荷を与えることなく、メダルMを連続的にメダル選別部55へ送出することが可能となる。よって、該送出メダルタンク59の内部でメダル詰り等による故障やトラブルの原因を発生することなく、メダル選別部55へ連続的にメダルMを送出することが可能となる。
また、送出メダルタンク59には、メダル案内部材61eの下端近傍に水平状態に延びたコイルバネで構成したメダル残留防止部材59dが設けられている。前記メダル残留防止部材59dは、メダル案内部材61eの下端部を流下するメダルMが送出メダルタンク59へ流入落下する箇所に一端側を固定して設けられ、回転ディスク65の回転に伴って送出メダルタンク59内のメダルMが抵抗を受けて、該回転ディスク65のメダル取込穴65aに取り込むように作用するものである。また、メダル残留防止部材59dはコイルバネで構成され、メダル案内部材61eより流入落下するメダルMによって、前記メダル残留防止部材59dと送出基盤63と、がメダル取込穴65aを介して互いに導通することで回転ディスク65を駆動させて送出動作を行う構成としている。よって、遊技客は、遊技で獲得したメダルMを投入口17に投入しただけで、計数ボタン3aを押すことなく計数することが可能である。
前述する構成により、遊技客が計数導入口61a近傍までメダルMを多数枚投入してから計数ボタン3aを押下する場合に発生する、メダル流下シュート61の内部でのメダル詰りや、送出メダルタンク59の内部が満杯状態で発生するメダル詰り等を防止することができる。さらに、メダル残留防止部材61eと送出基盤63と、が導通しない場合には、投入口17に投入後、計数ボタン3aを押下すればよい。
また、ディスクカバー63dの開口部分の円周上等間隔には複数(図中4箇所)の突起63gが形成されており、回転ディスク65の回転に伴って送出メダルタンク59内のメダルMが抵抗を受けて、横に倒れた略水平状態のメダルMを該回転ディスク65のメダル取込穴65aに取り込むように作用するものである。よって、送出メダルタンク59内のメダル残留防止部材59d、及びディスクカバー63dに形成された複数の突起63gによって、該送出メダルタンク59内に取り込まれた多数枚のメダルMを一枚も残さずに回転ディスク65のメダル取込穴65aに取り込むことが可能となる。なお、本実施例において、形成された突起63gは4箇所だが、その数は限定しない。また、突起63gは、ディスクカバー63dの開口部分の円周上等間隔に形成されたとしたが、回転ディスクの外周近傍であれば、送出メダルタンクに形成してもよい。
図15を用いて送出メダルタンク59に流入されているメダルMの送出動作を説明する。
図15は、メダル計数装置51の平面図を示す図である。
遊技客によって投入されたメダルMは、メダル流下シュート61より送出メダルタンク59に流入落下し、遊技客が計数ボタン3aを押下する、もしくは、流入するメダルMによってメダル残留防止部材59dと送出基盤63が導通することで、回転ディスク65が回転駆動(図中矢印方向)する。メダルMは、回転駆動する回転ディスク65のメダル取込穴65aに取り込まれて、該回転ディスク65の回転によりメダル選別部55側へ移送されると共に、下面より突出した案内ピン63bにメダルMが当接してメダル選別部55へ案内されつつ、投出レバー63cによって、弾くようにメダル選別部55へ一枚ずつ投出される。前述する送出動作を回転ディスク65の回転駆動に応じて連続的に行い、メダル選別部55へ投出する箇所に供えた送出口センサ67にて投出されたメダルMの通過を検知する。
メダル送出部53は、前記送出口センサ67の検知状態と、回転駆動する回転ディスク65の回動状態と、を夫々監視することによって、送出メダルタンク59の内部に流入したメダルMをすべて送出したことの確認や、送出メダルタンク59の内部でのメダル詰り等故障やトラブルの発生を早期検出することが可能となる。例えば、送出口センサ67の検知が無く、回転ディスク65が回転駆動している場合は、送出メダルタンク59内のメダルMを全て送出したことであり、また、送出口センサ67の検知が無く、回転ディスク65が回転駆動していない場合は、送出メダルタンク59の内部でのメダル詰り等故障やトラブルが発生していることである。
次に、メダル選別部55について説明する。
図11に示すように、メダル計数装置51のメダル選別部55は、メダル送出部53の後方に配置され、メダル送出部53より1枚ずつ投出されたメダルMを搬送するメダル搬送アーム部69と、前記メダル搬送アーム部69と前記計数ベース部57との間に配置される略平面形状の選別基盤71と、前記メダル搬送アーム部53より搬送されるメダルMの枚数を計数する計数センサ73と、から構成される。本発明によるメダル計数装置51のメダル選別部55では、メダル送出部53より一枚ずつ送出されるメダルMが計数センサ73へ向かって搬送される際に、正規のメダルMと、該正規のメダルMの直径に比べて小さい異径のメダルMと、に選別する構成となっている。
メダル搬送アーム部69は、計数ベース部57に設けた搬送駆動モータ57cによって回転駆動する駆動プーリ69aと、メダル送出部53側に設けられた従動プーリ69bと、前記駆動プーリ69aと、従動プーリ69bと、に掛け渡され、メダル送出部53より送出されたメダルMを搬送する搬送ベルト69cと、該搬送ベルト69cに張力を与えるとともに、搬送される異径のメダルMを後述する落下孔71aより下方へ落とし込むキックプーリ69dと、から構成され、前記駆動プーリ69aは、同軸で対向して軸止されたモータ従動プーリ69eが搬送駆動モータ57cからの動力を、該搬送駆動モータ57cのモータプーリ57dと掛け渡された駆動ベルト57eによって伝達されて駆動する。
キックプーリ69dは、図13、図17に示すようにテンションバネ69fによって下方に付勢されたテンションアーム69gによって支持されており、該キックプーリ69dはテンションアーム69gによって、下方に付勢された状態となり、駆動プーリ69aと、従動プーリ69bと、に掛け渡された搬送ベルト69cに張力を与えると共に、搬送される異径のメダルMを後述する落下孔71aより下方へ落とし込む構造となっている。
図16は、メダル選別部55の詳細を示す図であり、(a)は、メダル選別部55の部分拡大平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
選別基盤71には、図16(a)に示すように下方向に大きく開口した落下孔71a(図中網目線部分)が形成されており、搬送ベルト69cによって搬送されたメダルMが異径のメダルMである場合に、前記メダル搬送アーム部69のキックプーリ69dによって下方向へ落とし込む構造となっている。
図16(a)、(b)に示すように、選別基盤71の上面には、搬送されるメダルMの搬送姿勢を規制するメダル規制板71bと、該選別基盤71と該メダル規制板71bとの間に挟まれた状態で配置されたガイドプレート71cと、が設けられている。前記選別基盤71と、前記メダル規制板71bと、の間に前記ガイドプレート71cを挟み込んで落下孔71aの両側面に挟持部71dを形成し、該挟持部71dよって、搬送されるメダルMの側面両端を挟持しながら、搬送ベルト69cによってメダルMは水平姿勢で計数センサ73まで搬送される。また、落下孔71a、及び、挟持部71dの両側端面であるガイドプレート71cは、搬送ベルト69cによる搬送方向(図(a)において垂直方向)に対し、傾斜状(図中矢印方向)に形成して、挟持部71dの両側端面であるガイドプレート71cの片側一方を、搬送されるメダルMの外周縁が常に摺動する基準面として形成している。
図17は、メダル計数装置51の側面図を示す図である。
メダル計数装置51の土台となる計数ベース部57には、前述したメダル搬送アーム部69の搬送ベルト69cを駆動する搬送駆動モータ57cと、メダル計数装置51の制御を行う制御部57fと、メダル貸出機1の本体枠3に設置されたコネクタ23aと接続する計数コネクタ57g(図11参照)と、メダル計数装置51の前面側下部に、メダル選別部55によって異径のメダルMとして選別されたメダルMを遊技客へ返却するため返却貯留部Hと、が設けられている。返却貯留部Hの前面側は開口しており、供給部パネル11の前面側下部の開口11aと連通して、返却口蓋75aにて閉塞することで返却口75を形成する。また、落下孔71aの下方には、キックプーリ69dによって落とし込まれた異径のメダルMを返却貯留部Hへ移送する返却樋77が設けられている。返却樋77は、異径のメダルMを返却貯留部Hへ垂直姿勢で転動させながら移送するため、図19に示すように樋形状をV字形状に形成され、返却貯留部Hへ向かって傾斜状に設けられている。
また、メダル送出部53と、返却貯留部Hと、の間には異物カバー57hが設けられ、送出基盤63に形成された異物排出穴63e、及び玉排出穴63fより排出された埃、ゴミ等の異物を該異物カバー57hにて受け取ると共に、送出メダルタンク59の内部にジュース等の飲料水が混入した際、該飲料水が異物排出穴63eより排出されても、計数ベース部57に設けた制御部57fに掛からないようにするためのものである。また、玉排出穴63fより排出された遊技玉は、該異物カバー57hで一旦受け取った後、返却貯留部Hに転動落下して排出する構造となっている。なお、メダル選別部55のメダル搬送アーム部69は、駆動プーリ69aを軸止する軸を中心に開閉可能(図中矢印方向)であり、搬送中のメダルMが詰まるトラブルや、搬送ベルト69c等のメンテナンス、等の際に開閉することが可能である。
次に、図18を用いてメダル選別構造を詳細に説明する
図18は、メダル計数装置51のメダル選別構造を示す図であり、(a)は正規のメダルMが搬送される際のメダル選別部55の部分拡大平面図を示す図であり、(b)は(a)のB−B断面図であり、(c)は異径のメダルMが搬送される際のメダル選別部55の部分拡大平面図を示す図であり、(d)は(c)のC−C断面図である。
メダル送出部53より送出されるメダルMは、該メダル送出部53の投出レバー63cによって弾くように一枚ずつメダル選別部55へ投出される。図15に示すように、投出されたメダルMはメダル搬送アーム部69の従動プーリ69b側の搬送ベルト69cに受け渡されると共に、メダルMの側面両端が挟持部71dに入り込み、該挟持部71dによってメダルMは水平姿勢に規制されながら、搬送ベルト69cによって計数センサ73まで搬送される。搬送ベルト69cによって搬送されるメダルMは、該メダルMの外周縁が片側一方のガイドプレート71cの端面である基準面Kに常に摺動する状態で搬送ベルト69cの搬送方向に対し傾斜して搬送される。
搬送されるメダルMは、キックプーリ69dによってメダルMの直径が正規の大きさであれば計数センサ73へそのまま搬送し、異径の大きさであれば落下孔71aより下方の返却樋77へ落とし込んで返却貯留部Hへ移送するよう選別される。図(a)、及び(b)に示すように、搬送されるメダルMの直径が基準面Kよりβ以上α以下であれば、メダルMの側面両端が挟持部71dにて挟持されているため、下方向に付勢されているキックプーリ69dで落下孔71aから下方の返却樋77に落とし込むことができず、正規のメダルMとして計数センサ73へ向かってそのまま搬送される、
また、図(c)、及び(d)に示すように、搬送されるメダルMの直径がβより小さければ、該メダルは基準面Kと反対側の挟持部71dの挟持が解かれ、異径のメダルMとしてキックプーリ69dで落下孔71aから下方の返却樋77へ落とし込む。水平姿勢で搬送されるメダルMの外周縁が、搬送ベルト69cによる搬送方向に対して傾斜状に形成された基準面Kに常に摺動させた状態で搬送するため、メダルMの直径を計る基準を明確にすることが可能であり、より正確な選別が可能である。
また、キックプーリ69dは、基準面Kと反対側の挟持部71d側(図中左方向)に配置され、メダルMの側面片側の位置から下方へ押し込むことで、挟持部71dの挟持が解かれた異径のメダルMを落とし込みやすくすると共に、後述する返却樋77へ、水平姿勢で搬送されるメダルMを垂直姿勢に変換して落下させるようにしている。
図19は返却樋77の詳細を示す図であり。(a)は返却樋77の側面図であり、(b)は(a)のD−D断面図を示す図である。
図17に示すように、計数ベース部57に設けられ、落下孔71aの下方に配置された返却樋77は、該計数ベース部57の返却貯留部Hへ向かって傾斜状に設けられており、垂直姿勢で落下したメダルMは返却貯留部Hへ向かって垂直姿勢のまま転動して移送する。また、図19(b)、に示すように、返却樋77のメダルMが転動する内側に向かって凸形状をなす樋凸部77aが形成されており、返却樋77の内側の面と、転動するメダルMの側面と、の面接触を極力減らすことでメダルMが抵抗無く転動しやすくなり、返却樋77内でのメダルMが留まることなく返却貯留部Hへ移送することが可能となる。
図20は、メダル貸出機1の内部を示す側面図であり、計数するメダルMの経路を示す図である。
遊技客は遊技によって獲得したメダルMを、メダル供給部15の上端に配置された投入口17に、投入口蓋19を開いて投入することで、メダル貸出機1の本体枠3に備えたメダル計数装置51で獲得枚数を計数することができる。該投入口17の内部は、メダル流下シュート61の計数導入口61aと連通するとともに、投入口17へ投入されたメダルMを該計数導入口61aに案内するように傾斜状に形成しているため、投入された多数枚のメダルMは、メダル流下シュート61からメダル送出部53の送出メダルタンク59の内部へ流下する。メダルMを投入後、遊技客が計数ボタン3aを押下するか、もしくは、流下したメダルMによって送出メダルタンク59に設けたメダル残留防止部材59dと送出基盤63と、がメダル取込穴65aを介して互いに導通することで回転ディスク65を回転駆動し、メダル選別部55へメダルMを一枚ずつ送出する。投出されたメダルMの通過を検知する送出口センサ67によって、該送出口センサ67の検知が無く、回転ディスク65が回転駆動している場合は、送出メダルタンク59内のメダルMを全て送出したとし、送出動作を停止する。
メダル送出部53より送出されたメダルMは、メダル選別部55にてメダルMの直径から正規のメダルMか、異径のメダルMか、に選別され、正規のメダルMであれば計数センサ73まで搬送されて、該計数センサ73にてメダルMの通過を検知する。検知された信号は、メダル計数装置51の制御部57fから計数コネクタ57gへ、該計数コネクタ57gと接続する本体枠3のコネクタ23aからメダル貸出機1の制御装置7、又は外部機器へと送信され、獲得枚数を表示する。
また、計数センサ73を通過したメダルMは、メダル計数装置51の背面側から排出シュート91の内部へ勢いよく排出され、該排出シュート91に備えた排出管97より遊技島に備えたメダル回収レール(図示せず)へ排出する。獲得枚数データは、遊技客が遊技を終了する際、ICコイン、もしくはICカード等記憶媒体に前記獲得枚数データを保存してICコイン返却口7f、もしくはICカード挿入口7dより遊技客に返却する。また、メダル選別部55にて異径と選別されたメダルMは、キックプーリ69dによって落下孔71aから下方の返却樋77に落とし込まれ、該返却樋77に落下したメダルMは返却樋77を垂直姿勢で転動して返却貯留部Hへ移送され、遊技客に返却する。
なお、送出口センサ67では、投出されたメダルMの通過を検知している状態であって、計数センサ73では検知が無い状態が長時間続く場合には、該計数センサ73の故障、もしくは、異径のメダルMを多数枚投入されるといった不正、悪戯、などを検出することが可能である。
図9、及び図20に示すように、本発明によるメダル貸出機1は、メダル払出装置31と、メダル計数装置51と、が夫々別体であり、遊技客へ払い出すメダルMの経路と、遊技客が遊技で使用、獲得したメダルMを投入して計数するメダルMの経路と、が夫々独立した経路で構成されている。払い出すメダルMと、計数するメダルMと、がメダル貸出機1の内部で混在させず、且つ、計数したメダルMを、払い出すメダルMとして循環使用せずに遊技島に設置されたメダル回収レールへ排出する。よって、遊技客に払い出されるメダルMはメダル自動補給システムから補給された洗浄済みのメダルMであるため、遊技客は払い出されたメダルMによって手を汚すことなく、またメダル払出装置31等の内部機器に汚れ、ゴミ等の付着することがなく故障、トラブル等の問題が生じることはない。
メダル計数装置51の上方に配置されたメダル払出装置31の払出口37bは、図9に示すように、メダル供給部15の供給シュート15bとメダル貸出機1の内部にて連通して払出連通経路を形成し下方向へ払い出し、メダル貸出機1に内部下方に配置されるメダル計数装置51のメダル流下シュート61は、図20に示すように、上方向に延出し上部先端側に形成した計数導入口61aがメダル供給部15に上端に設けた投入口17と連通して計数連通経路を形成する。
払出載置部21を、メダル貸出機1の内部に載置したメダル計数装置51のメダル選別部55近傍まで下げ、その位置でメダル払出装置31を載置し、払出載置部21の大きく切りかかれた前面側からメダル流下シュート61を該メダル払出装置31の前方を塞ぐように延出して配置されており、該メダル払出装置31の払出口37bを形成する払出通路37aは、前方を塞ぐメダル流下シュート61の側部を迂回するように湾曲して前方へ延出する構成となっているので、メダル払出装置31の払出通路37aと、メダル計数装置51のメダル流下シュート61は本体枠3において夫々横方向に並行して配置する。
よって、払出口37bと供給シュート15bの払出連通経路と、計数導入口61aと投入口17の計数連通経路が、メダル貸出機1の内部で夫々上下交差するよう形成している。前記払出連通経路、及び前記計数連通経路と、を夫々上下交差することで、メダル計数装置51の上方に配置されたメダル払出装置31から払い出したメダルMを供給シュート15bから遊技台101の下方に位置する受皿101bへ流下するよう払い出すことが可能となる。また、投入口17をメダル供給部15に上端に設けられるので、該投入口17を遊技客にとってはメダルMを投入しやすい位置に配置することが可能となる。
また、払出載置部21の本体枠3内での位置をメダル計数装置51のメダル選別部55近傍まで下方向に下げたことで、メダル払出装置31の上方向に大きく空間を有した貯留部Tを形成することができ、補給管25から流下するメダルMや、補給パネル9を開けて補給されるメダルMを、メダル貸出機1の内部により多く取り入れて貯留することが可能となる。
図21、22を用いて排出シュート91について説明する。
図21は、メダル貸出機1の排出シュート91周辺の部分拡大断面図を示す図であり、図22は、メダル貸出機1の排出シュート91の構成を示す分解斜視図を示す図である。
排出シュート91は、メダル貸出機1の本体枠3の外部背面側の下方に設置するものであり、メダル計数装置51の計数センサ73を通過し一枚ずつ排出された正規のメダルMを、前記排出シュート91の内部に受け入れて遊技島内部に設置されたメダル回収レール(図示せず)へ案内するものである。
図21、図22に示すように、前記排出シュート91は、下方向に開口する筒状であり、上方側部にメダル貸出機1の背面に開口し、メダル計数装置51からのメダルMが排出されるメダル排出口3fと連通する排出受入口91aと、ウレタン樹脂、ゴム材等で形成されたメダル規制部材93と、メダル回収レールからのメダルMの詰りを検出する排出口センサ95と、メダル貸出機1の背面に開口するセンサ取付口3gと連通するセンサ受入口91bと、から構成されている。また、前記排出シュート91の下方向の開口部分には、メダル回収レールと接続する排出管97が取付可能な構造となっている。
前記排出シュート91を、メダル貸出機1の本体枠3の底面側ではなく、本体枠3の外部背面側に設置されているので、該メダル貸出機1を遊技島に設置する際、遊技島のメダル貸出機1を載置する箇所の底面に、計数後に排出するメダルMの排出穴を開けたり、他の排出備品を取り付けたり、といった遊技島に加工を行う必要が無く、該メダル貸出機1を容易に設置することが可能となる。
前記メダル規制部材93は、ウレタン樹脂、ゴム材等で形成され、該排出シュート91内に形成した溝91cに沿って湾曲状に配置しており、メダル計数装置51より勢いよく排出されたメダルMが、該メダル規制部材93と当接して減勢するとともに、水平姿勢で排出されたメダルMを垂直姿勢に変換させて排出管97へ落下させる。前記メダル規制部材93によって、勢いよく排出されたメダルMが前記排出シュート91の内部に直接当接することによる破損を防止する。
排出口センサ95は、本発明において透過型センサを用いており、発光部及び受光部を夫々備え、排出シュート91の下方向開口部分である排出管97の近傍に配置されている。前記排出口センサ95が、メダル回収レールと接続する排出管97の内部でメダルMの詰りが発生し、排出シュート91の内部まで詰り上がってきたメダルMによって該排出口センサ95を常時遮った状態を検知することで、前記排出管97にメダルMを排出しないようにメダル計数装置51の稼動を停止してトラブルを未然に防ぐことが可能である。
また、メダル規制部材93によってメダル計数装置51から水平姿勢で排出されたメダルMが、垂直姿勢に変換されて排出管97へ落下するので、該排出管97近傍に配置された排出口センサ95は落下するメダルMの側面で検知することができる。該排出口センサ95は、垂直姿勢で落下するメダルMの側面で検知を行うことで、水平姿勢で落下するメダルMの外周縁に比べて、メダルMの側面の方が検知する面が広いため、排出口センサ95によって容易に検知することが可能で、且つ、一枚ずつ検知することが可能となる。
前述するように検知を行うことで、例えば、計数センサ73ではメダルMの検知が無い状態で排出口センサ95では一枚ずつ検知している状態、もしくは、計数センサ73では検知が無い状態で送出口センサ67と、排出口センサ95と、の両センサでは一枚ずつ検知している状態、であれば、該計数センサ73の故障を検出することも可能である。なお、排出口センサ95は、前述と同様の作用が得られれば透過型センサに限定しない。
図22に示すように、メダル規制部材93と、排出口センサ95と、は前記排出シュート91をメダル貸出機1の外部背面に外側から設置した状態で、夫々メダル貸出機1の本体枠3の内部から該排出シュート91の内部へ取り付けを行うことが可能である。排出シュート91をメダル貸出機1の本体枠3の外部下方背面側に設置後、該メダル規制部材93を規制部材取付板93aに固定して、該本体枠3の内部から本体枠3の背面に開口するメダル排出口3fを介して排出シュート91の内部に挿入して、該排出シュート91内に形成した溝91cに沿って湾曲状に取り付ける。また、排出口センサ95は、発光部と受光部を夫々センサ取付台95aに固定し、該本体枠3の内部から本体枠3の背面に開口するセンサ取付口3gを介して排出シュート91の内部に取り付ける。
メダル規制部材93と、排出口センサ95と、は本体枠3に配置されているメダル計数装置51を前面側へ引き出して、該本体枠3の内部から排出シュート91の内部へ夫々着脱可能とすることで、前記メダル規制部材93、及び前記排出口センサ95の故障、メンテナンスなどから生じる交換作業において、メダル貸出機1を遊技島より取り外すことなく、容易、且つ、迅速に交換作業を行うことができる。
本実施例におけるメダル計数装置51において、該メダル計数装置51のメダル選別部55は、正規のメダルMと、該正規のメダルMの直径に比べて小さい異径のメダルMと、に選別する構成としたが、遊技客より投入された媒体が、正規のメダルMの直径に比べて大きい異径のメダルや、メダル以外の媒体であった場合は、メダル送出部53の送出メダルタンク59内で回転ディスク65のメダル取込穴65aに取り込まれず、メダル選別部55へ移送されないで該送出メダルタンク59内に残ることとなる。結果、正規のメダルMの直径に比べて大きい異径のメダルや、メダル以外の媒体を、計数センサ73を備えたメダル選別部55へ送出させないので、不正に計数されることはない。また、前述する異径のメダルや、メダル以外の媒体が送出メダルタンク59の内部に残った状態を検知し、状態表示ランプ5a、7aや、液晶操作部7b、等で報知して、早期に不正を発見することも可能である。
本実施例におけるメダル貸出機1において、前記メダル貸出機1の本体枠3の内部上方に紙幣識別収納装置13を備え、前記紙幣識別収納装置13の紙幣挿入口13aに遊技客より挿入される貨幣の真偽を識別して貨幣が正規と判断された場合に、メダル払出装置31より所定枚数のメダルMを遊技台101の受皿101bに払い出すとともに、挿入された正規の貨幣を装置内部へ収納するものとしたが、紙幣識別収納装置13をメダル貸出機1の内部に備えず、該メダル貸出機1と別体で構成し、外部機器として通信接続してもよい。また、別体の外部機器とした紙幣識別収納装置は、収納機能を持たない紙幣識別装置でもよく、該紙幣識別装置に挿入された紙幣を、遊技島に備える紙幣搬送装置によって遊技島端まで搬送する構成としても良い。