JP5784271B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、下層吸収要素とこの下層吸収要素の使用面側であって幅方向中央部に長手方向に沿って配設される細長の上層吸収要素とを有する吸収性物品において、肌当たりを低下させずに身体の丸みに沿って滑らかに湾曲することができるようにした吸収性物品に関する。
従来より、この種の吸収性物品では、前記上層吸収要素を身体にフィットさせ経血等の漏れを防止することなどを目的として前記上層吸収要素が設けられているが、幅方向中央部で吸収要素の厚みが増すため、吸収要素を身体の丸みに沿って長手方向に滑らかに湾曲させることが困難となっていた。
このため、下記特許文献1では、吸収体の内在する範囲内にて、幅方向に向かう折線で長手方向に折り曲げられて包装される吸収性物品において、上記折線の長手方向の前後それぞれに、該折線と並行な複数のエンボス溝が、上記吸収体にその上面から該吸収体の内部に向けて形成されたものが開示されている。
また、下記特許文献2では、吸収体が上層吸収体及び下層吸収体からなる2層構造を有しており、該上層吸収体の上面側に、幅方向に延びる複数本の横溝が長手方向に所定のピッチで設けられた吸収性物品が開示されている。
特開2006−149413号公報 特開2007−14635号公報
しかしながら、上記特許文献1、2記載の吸収性物品では、エンボス溝及び横溝がエンボス(熱圧着)により施されているため、時間が経過してもしっかりとした溝が維持されるようにするには、エンボス加工時に強く圧搾したり、高温で圧着したりする必要があった。このため、溝周辺の吸収体が硬化して肌当たりが悪くなる問題が生じていた。
また、この硬化を抑制するためエンボスを弱く入れた場合には、パルプの復元力によってエンボス溝が解除され、吸収体の滑らかな湾曲が不可能となったり、吸収体表面を被覆する被包シートが浮いて吸収体への体液吸収が阻害されたりすることが懸念されていた。
そこで本発明の主たる課題は、下層吸収要素とこの下層吸収要素の使用面側であって幅方向中央部に長手方向に沿って配設される細長の上層吸収要素とを有する吸収性物品において、エンボスを弱く入れた場合でもエンボス溝を安定的に維持できるようにすることで、肌当たりを低下させずに身体の丸みに沿って滑らかに湾曲することができるようにした吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に、下層吸収要素とこの下層吸収要素の使用面側であって幅方向中央部に長手方向に沿って配設される細長の上層吸収要素とが介在された吸収性物品において、
前記上層吸収要素は、合成繊維が含まれる上層吸収体と、この上層吸収体を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シートとから構成され、
前記上層吸収要素には、前記被包シートの表面側からのエンボスによって、該上層吸収体を幅方向に横断する横断溝が長手方向に間隔を空けて複数設けられているとともに、前記横断溝は、平面視で、吸収性物品の前側に凸の折れ線又は湾曲線と、吸収性物品の後側に凸の折れ線又は湾曲線の組合せからなり、吸収性物品の前側では吸収性物品の前側に凸の折れ線又は湾曲線が配置され、吸収性物品の後側では後側に凸の折れ線又は湾曲線が配置されていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、上層吸収要素として、合成繊維が含まれる上層吸収体と、この上層吸収体を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シートとから構成されたものを使用し、この上層吸収要素に対し、前記被包シートの表面側からのエンボスによって、該上層吸収要素を幅方向に横断する横断溝を長手方向に間隔を空けて複数設けるようにした。従って、エンボス加工時の加熱により、被包シートの合成繊維と上層吸収体に含まれる合成繊維とが熱融着され、エンボスを弱く入れても横断溝の形状が安定的に維持できるようになる。また、エンボスによる吸収体の硬化が抑えられるため肌当たりを低下させることなく、前記横断溝を可撓軸として身体の丸みに沿って滑らかに湾曲させることができるようになる。
また、前記横断溝は、平面視で、吸収性物品の前側に凸の折れ線又は湾曲線と、吸収性物品の後側に凸の折れ線又は湾曲線の組合せからなり、吸収性物品の前側では吸収性物品の前側に凸の折れ線又は湾曲線が配置され、吸収性物品の後側では後側に凸の折れ線又は湾曲線が配置されている。従って、前側及び後側への経血の堰き止め効果が得られる。また、横断溝を曲線とすることにより、角が無くなり肌当たりが柔らかくなる。
請求項2に係る本発明として、前記上層吸収体は、パルプ中に合成繊維を均一に混入させた単層体から構成されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記上層吸収体として、パルプ中に合成繊維を均一に混入させた単層体から構成することによって、表面側には合成繊維とともにパルプも露出するようになるため、親水度が低い合成繊維を使用した場合でも体液の吸収が阻害されることがなくなる。また、パルプと合成繊維を混合して積繊することにより、上層吸収体の加工工程が簡便となる。
請求項3に係る本発明として、前記上層吸収体は、パルプを主成分とする下側パルプ層と、合成繊維を主成分とする上側合成繊維層との積層体から構成されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記上層吸収体として、パルプを主成分とする下側パルプ層と、合成繊維を主成分とする上側合成繊維層との積層体から構成することによって、表面側が合成繊維層となるため、被包シートの合成繊維とより強固に熱融着でき、前記横断溝の形状が維持しやすくなる。
請求項4に係る本発明として、前記上層吸収体は、合成繊維を主成分とする下側合成繊維層と、パルプを主成分とするとともに、幅方向に沿った間欠部が長手方向に間隔を空けて形成された上側パルプ層との積層体から構成され、前記間欠部に前記横断溝が形成されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記上層吸収体として、合成繊維を主成分とする下側合成繊維層と、パルプを主成分とするとともに、幅方向に沿った間欠部が長手方向に間隔を空けて形成された上側パルプ層との積層体から構成し、前記間欠部に前記横断溝を形成することによって、前記横断溝として下側合成繊維層まで達するエンボス溝とすることができ、上層吸収体の厚みに対して横断溝の深さを深く形成することができる。従って、この横断溝を可撓軸として上層吸収体を身体の丸みに沿ってより滑らかに湾曲させることができるようになる。
上記請求項2〜4記載の発明は、前記上層吸収体の構成パターンを規定したものである。具体的には、パルプ中に前記合成繊維を均一に混入させたり、パルプを主成分とする下側パルプ層と前記合成繊維を主成分とする上側合成繊維層との積層体から構成したり、合成繊維を主成分とする下側合成繊維層と、パルプを主成分とするとともに、幅方向に沿った間欠部が長手方向に間隔を空けて形成された上側パルプ層との積層体から構成され、前記間欠部に前記横断溝が形成されている構造とすることができる。
請求項5に係る本発明として、前記上層吸収体における合成繊維の配合割合が50重量%以上である請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明は、前記上層吸収体における合成繊維の配合割合を50重量%以上とすることにより、横断溝の形状を確実に維持できるようにしたものである。
請求項6に係る本発明として、前記下層吸収要素は、合成繊維が含まれる下層吸収体と、この下層吸収体を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シートとから構成され、前記不透液性裏面シート側の面であって前記上層吸収要素の横断溝に対応する位置又は前記上層吸収要素の横断溝の間に対応する位置に、被包シートの外側からのエンボスによって該下層吸収要素を幅方向に横断する第2の横断溝が設けられている請求項1〜5いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項6記載の発明では、上層吸収要素及び下層吸収要素を全体的に身体の丸みに沿って滑らかに湾曲させるため、下層吸収要素に対して被包シートの外側から吸収性物品の幅方向に横断する第2の横断溝を設けるようにしたものである。この第2の横断溝は、前記上層吸収要素の横断溝に対応する位置に設けられるか、前記上層吸収要素の横断溝の間に対応する位置に設けるようにしている。特に後者では、装着時に臀部に沿って湾曲した際、上層側の横断溝間が圧縮されることになるが、下層吸収要素側の前記第2の横断溝が可撓軸となって変形するため、より滑らかに湾曲するようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、エンボスを弱く入れた場合でもエンボス溝を安定的に維持できるようにすることで、肌当たりが低下せずに身体の丸みに沿って滑らかに湾曲させることができるようにした吸収性物品を得ることができる。
本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。 図1のII−II線矢視図である。 吸収要素6,9の展開図である。 図3のIV−IV線矢視図である。 上層吸収体7の形態例を示す縦断面図である。 横断溝16の形態例である。 他の形態例(その1)に係る図1のII−II線矢視図である。 他の形態例(その2)に係る図1のII−II線矢視図である。 横断溝16及びエンボス溝17の付与形態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔生理用ナプキン1の基本構造〕
本発明に係る生理用ナプキン1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介装された綿状パルプまたは合成パルプなどを含む吸収体(下層吸収体4、上層吸収体7)及び各吸収体4、7の形状保持および拡散性向上のために各吸収体4、7を囲繞する被包シート5、8からなる吸収要素(下層吸収要素6、上層吸収要素9)と、前記下層吸収要素6の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも体液排出部を含むように前後方向に所定の区間内において表面側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSとから主に構成され、かつ前記下層吸収要素6の周囲においては、その上下端縁部では前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では下層吸収要素6よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と、前記立体ギャザーBSを形成しているサイド不織布10とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、これら不透液性裏面シート2とサイド不織布10とによる積層シート部分によって側方に突出するウイング状フラップW、Wが形成されているとともに、これよりも臀部側に位置する部分に第2ウイング状フラップW、Wが形成されている。なお、図2に示されるように、透液性表面シート3と吸収要素6,9との間に親水性のセカンドシートSを配設しても良い。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記不透液性裏面シート2の非使用面側(外面側)には1または複数条の粘着剤層(図示せず)が形成され、身体への装着時に生理用ナプキン1を下着に固定するようになっている。前記不透液性裏面シート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。前記透液性表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等(以下、まとめて体液という。)が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
前記吸収要素は、下層吸収要素6と、この下層吸収要素6の使用面側であって幅方向中央部に長手方向に沿って配設される細長の上層吸収要素9とから構成されている。前記下層吸収要素6は、下層吸収体4と、必要に応じてこの下層吸収体4を囲繞するクレープ紙又は不織布などからなる被包シート5とから構成されている。また、前記上層吸収要素9は、合成繊維が含まれる上層吸収体7と、この上層吸収体を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シート8とから構成されている。
前記下層吸収要素6を構成する下層吸収体4としては、体液を吸収・保持し得るものであれば良く、通常はフラッフ状パルプ中に吸水性ポリマー粉末を混入したものが吸収機能および価格の点から好適に使用される。前記下層吸収体4は形状保持等のためにクレープ紙又は不織布などからなる被包シート5によって囲繞するのが望ましい。前記上層吸収要素9については後段で詳述する。
一方、前記透液性表面シート3の幅寸法は、下層吸収要素6の幅よりも若干長めとされ、吸収要素6、9を覆うだけに止まり、前記立体ギャザーBSは前記透液性表面シート3とは別のサイド不織布10、具体的には経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されている。かかるサイド不織布10としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を13〜23g/mとして作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
前記サイド不織布10は、図1に示されるように、幅方向中間部より外側部分を下層吸収要素6の内側位置から吸収要素側縁を若干越えて不透液性裏面シート2の外縁までの範囲に亘ってホットメルトなどの接着剤によって接着し、これら前記サイド不織布10と不透液性裏面シート2との積層シート部分により、ほぼ体液排出部に相当する吸収要素側部位置に左右一対のウイングフラップW、Wを形成するとともに、これより臀部側位置に第2ウイング状フラップW、Wを形成している。これらウイング状フラップW、Wおよび第2ウイング状フラップW、Wの外面側にはそれぞれ粘着剤層(図示せず)を備え、ショーツに対する装着時に、前記ウイング状フラップW、Wが折返し線RL位置にて反対側に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて止着するようになっている。
一方、前記サイド不織布10の内方側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された複数本の糸状弾性伸縮部材11、11…が配設されている。この二重シート部分は前後端部では、断面Z状に折り畳んで積層された状態で透液性表面シート3側に接着されることによって、前記糸状弾性伸縮部材11配設部位を屈曲点として、断面く字状に内側に開口を向けたポケットを形成しながら表面側に起立する立体ギャザーBS、BSが形成されている。
前記透液性表面シート3の表面側からは、適宜のパターンでフィットエンボス12〜15が付与されている。図1に示される例では、上層吸収体7を囲むように、ナプキン長手方向に細長く周方向に閉合するフィットエンボス12と、このフィットエンボス12の後側に該フィットエンボス12と間を開けて左右一対の弧状曲線のフィットエンボス13、13と、前記フィットエンボス12の前側に該フィットエンボス12の両側部から連続するとともに、間を開けて円弧状のフィットエンボス14と、前記フィットエンボス12の後側に該フィットエンボス12と間を開けて略逆傘形状のフィットエンボス15とが付与されている。なお、前記フィットエンボス12で囲まれた部分の透液性表面シート3には、この部分の透液性を高めるため、適宜の位置、例えば排血口部、会陰部、臀部の溝などに対応する位置に複数の小さな開孔を形成するようにしても良い。
〔上層吸収要素9について〕
本生理用ナプキン1では、詳細には図3及び図4に示されるように、前記下層吸収要素6の使用面側であって幅方向中央部にナプキン長手方向に沿って細長の上層吸収要素9が配設されている。この上層吸収要素9は、合成繊維を含む上層吸収体7と、この上層吸収体7を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シート8とから構成されている。前記上層吸収要素9には、該上層吸収体7を囲繞する被包シート8の表面側からのエンボスによって、該上層吸収要素9をナプキン幅方向に横断する横断溝16、16…がナプキン長手方向に間隔を空けて複数設けられている。
本生理用ナプキン1では、前記上層吸収体7に合成繊維が含まれるとともに、この上層吸収体7を囲繞する被包シート8を合成繊維からなる不織布によって構成し、前記上層吸収体7に、前記被包シート8の表面側からのエンボスによって、上層吸収体7を幅方向に横断する横断溝16、16…が長手方向に間隔を空けて複数設けられているため、エンボス加工時の加熱作用により、被包シート8の合成繊維と上層吸収体7に含まれる合成繊維とが熱融着され、エンボスを弱く入れても横断溝16の形状が安定的に維持できるようになっている。従って、エンボスによる吸収体の硬化が抑えられるため肌当たりを低下させることなく、前記横断溝16を可撓軸として身体の丸みに沿った滑らかな湾曲が可能となる。
また、前記上層吸収体7に合成繊維を含んでいるため、上層吸収体7の嵩高性を維持することができ、フィット性が向上できる。さらに、被包シート8の合成繊維と上層吸収体7の合成繊維とを組合せることにより、上層吸収体7の密度が低下するため、吸収した経血等が下層の下層吸収要素6に移行しやすくなる。
前記合成繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を好適に使用することができる。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を好適に用いることもできる。前記芯鞘型繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)を芯としポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)を鞘としたものなどが挙げられる。これらの合成繊維は、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えるようにするのが望ましい。
ここで、ポリエチレンの融点は130℃であり、ポリプロピレンの融点が170℃であり、ポリエチレンテレフタレートの融点は260℃であるから、前記被包シート8に使用される合成繊維及び上層吸収体7の合成繊維としては、相対的に低融点のポリエチレンを使用するか一部に含んでいることが望ましい。また、融点を一致させることで、所定の温度でエンボスを付与した際に、両素材が同様に溶融するため、エンボス溝をより安定的に維持できるようになる。
前記上層吸収体7としては、図5(A)に示されるように、パルプ中に合成繊維を均一に混入させた単層体(構成パターン1)や、同図(B)に示されるように、パルプを主成分とする下側パルプ層7Aの上面に合成繊維を主成分とする上側合成繊維層7Bを積繊した積層体(構成パターン2)や、更には同図(C)に示されるように、合成繊維を主成分とする下側合成繊維層7Bの上面に、パルプを主成分とするとともに、幅方向に沿った間欠部7a、7a…が長手方向に間隔を空けて形成された上側パルプ層との積層体から構成され(構成パターン3)、前記間欠部7aに前記横断溝16を形成するようにしたものなどを使用することができる。
前記構成パターン1では、表面側に合成繊維とともにパルプも露出するようになるため、親水度が低い合成繊維を使用した場合でも体液の吸収が阻害されることがなくなる。また、パルプと合成繊維を混合して積繊するため、上層吸収体7の加工工程が簡便となる。さらに、パルプ中に合成繊維を均一に混入させることにより、上層吸収体7の嵩高性が維持できフィット性が向上する。
前記構成パターン2では、上層側に合成繊維層7Bが配設されるため、横断溝16のエンボス加工時に被包シート8の合成繊維と上層吸収体7の合成繊維との熱融着が確実に行われ、横断溝16の安定性が向上すると同時に、上層に疎水性の合成繊維層7Bが配置される場合、パルプ層7Aへの体液移行が促進されるようになる。
前記構成パターン3では、上側パルプ層7Aに複数の間欠部7a、7a…が形成されているため、エンボス加工時にこの間欠部7aを通して被包シート8の合成繊維と下側合成繊維層7Bとの熱融着が行われるようになる。このため、前記横断溝16として、下側合成繊維層7Bまで達するエンボス溝とすることができ、上層吸収体の厚みに対して横断溝16の深さを深く形成することができる。従って、この横断溝16を可撓軸として上層吸収体7を身体の丸みに沿ってより滑らかに湾曲させることができるようになる。
前記上層吸収体7における合成繊維の配合割合としては、50重量%以上、好適には60重量%以上70重量%以下とするのが望ましい。このような配合割合で合成繊維を含ませるには、前記構成パターン1(図5(A))では、パルプ中に合成繊維を50%重量以上の割合で均一に混合させ、構成パターン2、3(図5(B)、(C))では、合成繊維層7Bの厚みをパルプ層7Aと同等以上とする。
前記横断溝16は、図6に示されるように、種々の平面形状で形成することができる。例えば、(A)直線、(B)前側に凸の横V字形の折れ線、(C)後側に凸の横V字形の折れ線、(D)前側に凸の多角形状の折れ線(後側に凸の多角形状の折れ線は図示省略)、(E)前側に凸の湾曲線(後側に凸の湾曲線は図示省略)とすることができる。また、これらの横断溝16は、図6(F)に湾曲線の例で示されるように、ナプキンの前部側では前側に凸とし、ナプキンの後部側では後側に凸とするように組み合わせて配置することもできる。これら前後方向に並設される横断溝16、16…は、互いに重ならないように設けることが望ましい(K>0)。
前記(C)〜(E)に示される横断溝16のように、後側に凸に形成することにより後側に拡散し易い経血の堰き止め効果が得られる。この点、前記(F)では前部側及び後部側でそれぞれ前側及び後側へ凸に形成されているため前側及び後側への堰き止め効果が得られる。また、前記(E)、(F)のように、横断溝16を曲線とすることにより、角が無くなり肌当たりが柔らかくなる。
前記横断溝16のパターンは、図示例では等間隔で且つ同等の溝幅で設けられているが、臀部の丸みに沿って滑らかに湾曲させるため、ナプキン後部側については、ナプキンの前部側よりもよりも相対的に狭い間隔で形成するか、及び/又は太い溝幅で形成するようにしてもよい。
ところで、本発明では、図7及び図8に示されるように、前記下層吸収要素6に対しても、前記被包シート5の外側からナプキン幅方向に沿って該下層吸収要素6を幅方向に横断する第2の横断溝17、17…を設けることができる。これにより、上層吸収要素9及び下層吸収要素6を全体的に身体の丸みに沿って滑らかに湾曲させることができるようになる。
具体的には、図7に示される例は、前記下層吸収要素6は、合成繊維が含まれる下層吸収体4、この下層吸収体4を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シート5とから構成され、前記不透液性裏面シート2側の面であって前記上層吸収要素9の横断溝16、16…に対応する位置に、被包シート5の外側からのエンボスによって該下層吸収要素6を幅方向に横断する第2の横断溝17、17…を設けるようにしたものである。
また、図8に示される例は、前記下層吸収要素6は、合成繊維が含まれる下層吸収体4と、この下層吸収体4を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シート5とから構成され、前記不透液性裏面シート2側の面であって前記上層吸収要素9の横断溝16,16…の間に対応する位置に、被包シート5の外側からのエンボスによって該下層吸収要素6を幅方向に横断する第2の横断溝17,17…を設けるようにしたものである。特に、図8に示される例の場合は、装着時に臀部に沿って湾曲した際、上層側の横断溝16,16間が圧縮されることになるが、下層吸収要素6側の前記第2の横断溝17、17…が可撓軸となって変形するため、より滑らかに湾曲するようになる。
前記横断溝16及び第2の横断溝17の付与形態としては、図9に示されるように、(A)実線、(B)点線、(C)長円の破線、(D)平行四辺形の破線、(E)一点鎖線のいずれであってもよい。各線の幅は1〜3mm、好ましくは2〜3mmとするのがよい。
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…下層吸収体、5…被包シート、6…下層吸収要素、7…上層吸収体、8…被包シート、9…上層吸収要素、10…サイド不織布、16…横断溝、17…第2の横断溝

Claims (6)

  1. 透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に、下層吸収要素とこの下層吸収要素の使用面側であって幅方向中央部に長手方向に沿って配設される細長の上層吸収要素とが介在された吸収性物品において、
    前記上層吸収要素は、合成繊維が含まれる上層吸収体と、この上層吸収体を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シートとから構成され、
    前記上層吸収要素には、前記被包シートの表面側からのエンボスによって、該上層吸収体を幅方向に横断する横断溝が長手方向に間隔を空けて複数設けられているとともに、前記横断溝は、平面視で、吸収性物品の前側に凸の折れ線又は湾曲線と、吸収性物品の後側に凸の折れ線又は湾曲線の組合せからなり、吸収性物品の前側では吸収性物品の前側に凸の折れ線又は湾曲線が配置され、吸収性物品の後側では後側に凸の折れ線又は湾曲線が配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記上層吸収体は、パルプ中に合成繊維を均一に混入させた単層体から構成されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記上層吸収体は、パルプを主成分とする下側パルプ層と、合成繊維を主成分とする上側合成繊維層との積層体から構成されている請求項1記載の吸収性物品。
  4. 前記上層吸収体は、合成繊維を主成分とする下側合成繊維層と、パルプを主成分とするとともに、幅方向に沿った間欠部が長手方向に間隔を空けて形成された上側パルプ層との積層体から構成され、前記間欠部に前記横断溝が形成されている請求項1記載の吸収性物品。
  5. 前記上層吸収体における合成繊維の配合割合が50重量%以上である請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記下層吸収要素は、合成繊維が含まれる下層吸収体と、この下層吸収体を囲繞する合成繊維の不織布からなる被包シートとから構成され、前記不透液性裏面シート側の面であって前記上層吸収要素の横断溝に対応する位置又は前記上層吸収要素の横断溝の間に対応する位置に、被包シートの外側からのエンボスによって該下層吸収要素を幅方向に横断する第2の横断溝が設けられている請求項1〜5いずれかに記載の吸収性物品。
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