JP5782892B2 - バッテリ液温推定装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2、3には、バッテリ近傍に温度センサを配置し、その温度センサからの温度センサ値に基づいてバッテリ液温を推定する技術が開示されている。
そのため、バッテリ液温を推定する目的でバッテリ近傍に配置されている温度センサの温度センサ値は、バッテリが配置されている空間の構造及び車両の走行状態の影響を受けてしまう。これにより、そのような温度センサの温度センサ値を用いた場合に、実際のバッテリ液温とかけ離れたバッテリ液温推定値が算出される恐れがあった。
また、本発明によれば、テーブルを用いるといった簡単な構成によって温度変化係数の設定が可能になる。
本実施形態は、車両に搭載されたバッテリ液温推定装置である。
(構成)
図1は、バッテリ液温推定装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、バッテリ液温推定装置1は、バッテリ温度センサ2、車速センサ3、及びコントローラ10を有している。また、この車両は、発電制御部31及びアイドリングストップ制御部32を有している。
ここで、バッテリ41としては、鉛蓄電池を挙げることができるが、これに限定されないことは言うまでもない。
図2に示すように、バッテリ温度センサ2は、バッテリ41のマイナスコネクタ41a近傍に配置される。
なお、バッテリ液温と温度センサ値とが相対関係をもつような位置であれば、バッテリ温度センサ2をマイナスコネクタ41a近傍以外の他のバッテリ近傍位置に配置しても良い。
コントローラ10は、バッテリ温度センサ2からの温度センサ値に基づいて、バッテリ41の液温を推定する。そして、コントローラ10は、推定したバッテリ液温を発電制御部31及びアイドルストップ制御部32に出力する。
記憶部20は、図1に示すように、例えば、バッテリ液温推定値21、温度上昇用係数テーブル22、及び温度下降用係数テーブル23が記憶される。
アイドルストップ制御部32は、予め設定した状況において、エンジンを自動的に停止させ、その後再始動させる。例えば、アイドルストップ制御部32は、車両停止時にエンジンを自動的に停止させ、その後の発進時にエンジンを再始動させる。
次に、コントローラ10のバッテリ液温推定部11による処理手順を説明する。
図3は、バッテリ液温推定部11による処理手順を示すフローチャートである。
ステップS2では、バッテリ液温推定部11は、バッテリ温度センサ値t(0)を取得する。さらに、バッテリ液温推定部11は、車速センサ値(車輪速信号)に基づき車速v(0)を取得する。
一方、ステップS4では、バッテリ液温推定部11は、バッテリ温度センサ値t(n)を取得する。さらに、バッテリ液温推定部11は、車速センサ値(車輪速信号)に基づき車速v(n)を取得する。
また、ステップS7では、バッテリ液温推定部11は、温度下降用係数テーブルkdtable(v(n))を参照して、前記ステップS4で取得した車速v(n)に対応する温度変化係数k(n)を取得する。そして、バッテリ液温推定部11は、ステップS8に進む。
図4は、温度上昇用係数テーブル及び温度下降用係数テーブルの一例を示す図である。図4中、実線は、温度上昇用係数テーブルの値を示し、点線は、温度下降用係数テーブルの値を示す。図1に示すように、これら温度上昇用係数テーブル22及び温度下降用係数テーブル23は、記憶部(例えばROM)20に記憶されている。
しかし、温度下降用係数テーブルの方が、車速v(n)の増加に対する温度変化係数k(n)の増加割合が低い。さらに、温度下降用係数テーブルの方が、同一値の車速v(n)に対して温度変化係数k(n)が小さい。
T(n)=T(n−1)×(1−k(n))+t(n)×k(n) ・・・(1)
なお、前記(1)式は、変形すると下記式のようになる。
この(1)式は、前回処理時のバッテリ液温推定値T(n−1)に対して今回処理時のバッテリ温度センサ値t(n)がどの程度差があるかを算出し、その算出した値に温度変化係数k(n)を掛け、前回処理時のバッテリ液温推定値T(n−1)に加算して、今回処理時のバッテリ液温推定値T(n)を推定することを示す。
次に、バッテリ液温推定装置1の動作等の一例を説明する。
バッテリ液温推定装置1は、イグニッションスイッチ43がONされると、初期バッテリ液温推定値が未だ算出されていないため、先ず、バッテリ温度センサ値t(0)及び車速v(0)を取得する。そして、バッテリ液温推定装置1は、取得したバッテリ温度センサ値t(0)を初期バッテリ液温推定値T(0)に設定する。
バッテリ液温推定装置1は、イグニッションONになっている期間中、以上のようなバッテリ温度センサ値t(n)及び車速v(n)の取得、温度上昇用係数テーブルkutable(v(n))及び温度下降用係数テーブルkdtable(v(n))の何れかを用いた温度変化係数k(n)の取得、並びにバッテリ液温推定値T(n)の算出を逐次行う。
ここで、本実施形態の比較例は、本実施形態のような係数テーブルによって温度変化係数k(n)を取得するような構成になっていない例である。すなわち、本実施形態の比較例は、温度変化係数k(n)は車速に応じて変化しない例である。
図5は、外気温度が上昇したときの、本実施形態及びその比較例で得られるバッテリ液温推定値の時間変化を示す図である。ここで、図5には、外気温度、バッテリ温度センサ値、バッテリ液温推定値、実際のバッテリ液温値、及び車速の時間変化を示す。
一方、車速が発生すると、バッテリ41の配置空間で空気の流れが発生するため、実際のバッテリ液温値は、増加して外気温度により近づくようになる。このとき、本実施形態の比較例では、車速に対応して温度変化係数が変化しないため、バッテリ液温推定値が、実際のバッテリ液温値の変化に追従できず、実際のバッテリ液温値から乖離してしまう。
次に、前回処理時のバッテリ液温推定値T(n−1)と今回処理時のバッテリ温度センサ値t(n)との比較結果(T(n−1)<t(n)を満たすか否か)に基づいて、温度変化係数k(n)を取得するための温度上昇用係数テーブルkutable(v(n))と温度下降用係数テーブルkdtable(v(n))とを切り換えている理由を説明する。
さらに、バッテリ温度センサ2の取り付け位置によって、実際のバッテリ液温とバッテリ温度センサ2に基づき推定されるバッテリ液温推定値との相関関係も変化すると推測される。
また、バッテリ液温降下時(T(n−1)≧t(n)の場合)には、走行風によって実際のバッテリ41温度が緩やかに降下することが推測されることから、温度下降用係数テーブルkdtable(v(n))によって小さい温度変化係数を取得できるようにしている。
ここで、本実施形態では、バッテリ温度センサ2は、例えば、温度検出部を構成する。また、バッテリ液温推定部11は、例えば、バッテリ液温推定部及び温度変化係数設定部を構成する。また、車速センサ3は、例えば、車速検出部を構成する。
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)バッテリ液温推定装置1では、バッテリ41近傍に配置したバッテリ温度センサ2の温度センサ値に基づきバッテリ液温推定部11が前回処理時に算出したバッテリ液温推定値と今回処理時の温度センサ値との比較結果、及び車速に基づいて、バッテリ液温推定部11が今回処理時にバッテリ液温推定値の算出に用いる温度変化係数を設定することで、バッテリ41が配置されている空間の構造及び車両の走行状態に応じた温度変化係数の設定が可能になる。
(2)バッテリ液温推定装置1では、テーブルを用いるといった簡単な構成によって温度変化係数の設定が可能になる。
(3)バッテリ液温を高い精度で推定できるため、発電制御部31は、バッテリ液温によって充電できる電流量が変化する鉛蓄電池のようなバッテリ41に対しても、効率良く充電できる。
これに対して、本実施形態では、バッテリ液温を高い精度で推定できるため、そのようなことを招来することなく、効率良く充電できる。この結果、本実施形態では、例えば、車両の燃費向上が見込まれる。
(本実施形態の変形例)
本実施形態において、バッテリ液温に基づいて行う制御は、発電制御部31及びアイドルストップ制御部32が行う制御に限定されない。この場合でも、発電制御部31及びアイドルストップ制御部32と同様に、高い推定精度のバッテリ液温を用いることで、高い精度で制御を行うことができるようになる。
Claims (2)
- 車両に搭載されたバッテリの近傍の雰囲気温度を逐次的に検出する温度検出部と、前記温度検出部の温度検出値に基づいて前記バッテリの液温を逐次的に推定するバッテリ液温推定部と、を備えたバッテリ液温推定装置において、
前記バッテリ液温推定部は、前記温度検出部の温度検出値及びバッテリ液温推定のために前記温度検出値に乗算される温度変化係数に基づいて前記バッテリの液温を推定しており、
車速を検出する車速検出部と、
前記バッテリ液温推定部が前回推定したバッテリの液温と前記温度検出部が今回検出した温度検出値との比較結果、及び前記車速検出部が検出した車速に基づいて、今回の前記温度変化係数を設定する温度変化係数設定部と、
を備えることを特徴とするバッテリ液温推定装置。 - 前記バッテリ液温推定部が前回推定したバッテリの液温が前記温度検出部が今回検出した温度検出値未満である場合に用いる温度変化係数と車速との関係を示す第1テーブルと、前記バッテリ液温推定部が前回推定したバッテリの液温が前記温度検出部が今回検出した温度検出値以上である場合に用いる温度変化係数と車速との関係を示す第2テーブルと、を備え、
前記温度変化係数設定部は、前記第1テーブル及び前記第2テーブルのうちの前記比較結果に対応するテーブルを参照して、前記車速に対応する今回の温度変化係数を設定することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ液温推定装置。
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