JP5782167B1 - 洋式便器の便座の開閉把手 - Google Patents

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【課題】第1は便座の開閉把手において、従来の固定法は、便座との取り合いにおいて強度的に問題があり、便座破損の恐れがある。便座を破損しにくい固定法が課題である。第2は衛生上の課題である。把手部は繰り返しの利用により汚れてくるのは、自明である。衛生上、把手部の洗浄、殺菌を容易に行える構造が不可欠である。【解決手段】洋式便器の便座に取り付け、便座を上下に開閉する把手に於いて、柔軟性、或いは柔軟性と伸縮性を有し、両端付近に留め具を具備する結束バンドと、前記結束バンドに連続する把手部からなる事を特徴とする洋式便座の開閉把手。【選択図】図4

Description

本発明は、洋式便器の便座に取り付けて用いられる便座の開閉把手に関する。
一般に洋式便器には、便器上部にヒンジによって開閉する便座および便蓋が設けられている。自動便座開閉機構を有する一部の高級洋式便器を除く、既設洋式便器の大多数を占める手動便座開閉式の洋式便器(以下洋式便器と呼ぶ)において、便座の開閉は、便座の縁辺下部に手指を添えて持ち上げて行うのが普通である。ところが上記便座の縁辺下部は座って大小の用便に供する時、或いは水洗時に、便器内面に当たって跳ね返る汚物の飛沫により汚れることがある。これは衛生上問題視されており、対策として多くの考案がなされている。
特許文献1は、電動式、特許文献2は、足踏み式である。上記2案は専用の洋式便器として製造するものであり、手動便座開閉式洋式便器に全く手を加えずにそのまま適用するのは事実上不可能である。
特許文献3から特許文献6は既設の洋式便器の便座に開閉把手を取り付ける考案である。
特許文献3は、便座用の把手にあって、便座の裏面に貼着固定される貼着部と、該貼着部に連接してあり、前記便座の外周縁から外方へ突出する把持部(把手)を具備していることを特徴としている。
特許文献4は、便座外周側面の一部に摘み片(把手)の基端部を取り付けられるようにすると共に、先端部を当該側面より外向きに突出できるようにし、その摘み片(把手)に手指を添えて便座を開閉できるようにしたものである。摘み片の取り付け法は、セットビスや接着剤で固定する或いは便座と一体成形する。
特許文献5は、便座の下側平面に接着する平板状の固着板部と、固着板部の一側に形成した狭幅の補強リブ付首部と、首部に一体に連接された上方に突出して便座の外側縁部に対設される鰐部と、鰐部の外側に一体に連接された球状の把持部(把手)を具備したことを特徴としている。
特許文献6は、便座に着脱自在に固定される固定手段を備えた固定部と、該固定部に連接されて、便座の側方に突出させる把手部を備えることを特徴としている。固定部は、2つの挟み爪にて便座の一部を狭持することを特徴としている。
洋式便器の便座の開閉把手は、衛生上極めて高いニーズ(特に公衆が使用するコンビニやレストラン)があり、かつ多くの考案が公表されているにも係らず実用化されていない。この原因の一つに便座の構造に基づく強度的問題があると考えられる。
即ち、上記特許文献3〜5の考案は、把手部を便座下部或いは側面へ接着等にて固定している。また特許文献6は便座の一部を2つの挟み爪にて挟みこんでいる。一方、便座は一般的にプラスチックの内空材であるため局所的な力に弱く、硬質プラスチックを局所的に接着したり、局所的に挟み込んだりする構造では、固定部に集中荷重が繰り返しかかる他、乱暴に扱った場合には衝撃荷重がかかり、便座の固定部或いは固定部周辺に亀裂が入り損傷し易い。
実開昭61−158289号公報 特開昭55−116318号公報 特開2000−333878号公報 特開平10−309246号公報 特開平8−56871号公報 登録実用新案公報 第3020912号
第1は便座の開閉把手において、従来の固定法は、便座との取り合いにおいて強度的に問題があり、便座破損の恐れがある。便座を破損しにくい固定法が課題である。
第2は衛生上の課題である。把手部は繰り返しの利用により汚れてくるのは、自明である。衛生上、把手部の洗浄、殺菌を容易に行える構造が不可欠である。
第1の発明は、洋式便器の便座を開閉する把手に於いて、無端円形の略丸形(略丸形と呼ぶ)或いは前部が開いている馬蹄形(馬蹄形と呼ぶ)の便座の一部を結束する柔軟性、或いは柔軟性と伸縮性を有する帯状材の両端付近に留め具を具備する結束バンドと、前記結束バンドに連続する把手部を設けた事を特徴とする洋式便座の開閉把手である。
便座は平面的に略丸形或いは馬蹄形をしており、平面と直角方向の切断面(便座断面と呼ぶ)は外形が略楕円の中空体である。従来の提案は、便座断面の下面或いは側面に接着或いはビス等にて硬いプラスチック板状等の把手を局所的に固着している。この方法では、固着部に集中荷重が繰り返しかかり、特に固着部周辺にひび割れが生じる。これを回避するためには、把手と便座の間にクッション効果を持たせると力が分散するので効果がある。例えば、接着にクッション材を挟んだ両面テープを使用することにより固着部への集中荷重を減じることができる。ところが両面テープによる局所的接着ははがれやすく、把手が脱落する恐れがある。
本願では便座断面2の周りを柔軟性、或いは柔軟性と伸縮性を有するバンド3でまわし、両端付近の留め具4にて結束している。更にバンドに連続する把手を設けている。バンドの結束部位は、略丸形或いは馬蹄形便座のできるだけ手前側(便座のヒンジ13と反対側)に取り付けるのが望ましい。従来の提案は、便座に座った場合、固定部が尻にあたることを考慮し、便座下面又は側面に固定部を無理して収めているものと推察されるが、本願の様に例えば薄いゴム状バンドでは、その上に座っても特に問題を生じない。又、取り付け場所をできるだけ手前側にすることにより、バンドの上に座ることを避けることができる。
又、バンド3の場合、便座との取り合いが、ソフトである(固着してない)ため便座を損傷することは皆無である。又、下から上に便座を持ち上げる時、バンド3による適度の弾力が回転運動を補助し、軽く、円滑に便座を持ち上げることができる。
把手部は、抗菌処理にて衛生に配慮した構造にするのは勿論であるが、定期的にバンド及び把手部を便座から取り外し、洗浄、消毒することが望ましい。
第2の発明は、洋式便器の便座に取り付け、便座を上下に開閉する把手に於いて、柔軟性、或いは柔軟性と伸縮性を有する帯状材の両端付近に留め具を具備する結束バンドと、前記結束バンドの片側を延長、折り返し、折り返し部分に二重リング或いはカラビナを結束バンド平面と平行に差し込める空隙(鉤孔)を設け、二重リング或いはカラビナを把手部としたことを特徴とする洋式便座の開閉把手である。
本発明では、把手部に二重リング或いはカラビナを使用している。これらは結束バンドへ簡単に取り付けたり取り外したりすることができる。このため、把手部のみを必要に応じ洗浄、殺菌することが容易である。又、二重リング或いはカラビナは、金属製も使用できるため、抗菌性に優れた銅或いは銀メッキ製も利用できる。二重リング或いはカラビナを差し込む鉤孔が、結束バンドと平行であることは重要である。何故なら、把手部を掴んで便座を閉める際、二重リング或いはカラビナは便器上面にあたったり、便座の下に挟まれることがある。一方、二重リングやカラビナが結束バンド平面と平行(便器上面と平行)に取りつけてある場合、便器上面と平行方向の厚さが薄く、便器上面に当たることが少ないと共に、便器上面と便座隙間より薄いため、便器、便座を損傷することがない。
洋式便器の便座の上下開閉把手において、構造的に便座と把手の取り合いがソフトなため、プラスチックの中空体でできている便座の破損の心配がない。更に把手部のみが脱着可能なため、把手部の洗浄、殺菌がし易い。又、構造的にシンプルで既設洋式便器の便座に容易に取り付けることができ極めて実用的である。
便座を有する洋式便器の斜視図を図1に、便座を裏から見た平面図を図2に示す。
実施例1の平面図を図3に、実施例1の図2のA-A断面図を図4に示す。
実施例2の図2のA-A断面図を図5に示す。
実施例3の平面図を図6に、実施例3の図2のA-A断面図を図7に示す。
図1に示す様に便座を有する洋式便器は便器の上に便座11と便蓋12が、ヒンジ13を介して上下に開閉できる構造を有する。図2に示す様に裏から見た便座11には幅10mm、高さ10mm程度の便座クッション14が図2のように具備されている。一般に便器は陶器、便座はプラスチックスの中空体で作られている。尚、便座の平面形状は、図2に示す略丸形或いは馬蹄形(図示せず)とがある。
本発明による、便座開閉把手1は、便座が略丸形の場合、図1及び図2に示す様に便器に向かって手前側ほぼ中央の便座断面2を締めつける状態にて取り付けられ、把手A部5等を指でつまんで上下に開閉される。又便座11が馬蹄形の場合、手前側の開いた部分の奥側にバンド3で便座断面2を締め付ける状態にて取り付ける。この場合、尻にあたり難い様、できるだけ手前側に取り付けることが望ましい。
本発明による便座開閉把手1は、便座11の一部をバンド3で結束し、バンド3の延長上にある把手部を具備することを特徴としている。バンド3と留め具4と把手部との構造に関して、取扱い性と衛生上の観点からいくつかの構造が考えられる。
実施例1を、図3および図4に示す。本実施例1にしめす便座開閉把手1はバンド3と、留め具4と、把手A部5からなり、バンド3と把手A部5は同一の帯状材にて作られている。使い方は、留め具4を開いた状態で便座の一部に巻き付け、留め具4を閉めることによってバンド3を結束する。把手A部5は、便器手前側に突き出た状態になる。バンド3の材質は柔軟性と伸縮性があるゴム系、プラスチック系が適している。又、シリコーン系は耐熱性が高く更に望ましい。何故なら、便座は保温のため発熱体を具備したものが一般的なため軟化温度が低いものは不向きである。又、留め具4の構造及び周辺の構造、材質の選定は、開閉のし易さと耐久性から重要である。留め具4にボタン式のスナップファスナーを使った実施例1では、留め具4の取り付け孔から把手A部5はバンド3の1.5倍程度の厚肉とした。これにより把手の硬さが増しスナップファスナーの開閉が容易になり、かつ留め具の孔の変形が抑えられ耐久性も向上した。
図5は実施例2を示している。実施例2の便座開閉把手1は、バンド3と、留め具4と、把手B部6からなり、バンド3と把手B部6は別の材料にて作られている。把手B部6は、皮革、硬質プラスチック、金属等いろいろな材質、形状にて作ることができるが、留め具の開閉のし易さを考慮することは重要である。例えば、実施例2の様に留め具4にスナップファスナーを使用する場合には、把手B部6の材質は、バンド3の材質にくらべて固めが望ましい。実施例2では把手B部6に硬質プラスチックスを使用している。スナップファスナーは把手B部6の相対する端を留め具が外れる側に引っ張り、開けられるが、把手B部6がゴム材の様に柔軟性があると、把手B部6に設けられている留め具4の固定孔部が変形し(伸びて楕円になる)破損の恐れがある。
又、留め具4及び把手B部6の一部に互いに嵌合する接続部を併設し、把手を着脱自在にすることもできる。又、把手B部6は、結束バンドの片側のみに設けてもよい。
図6は実施例3の平面図を、図7は実施例3の断面図(図2のA-A)を示している。実施例3は、バンド3と、留め具4と、折り返し部7と、二重リング又はカラビナからなる把手C部8よりなる。折り返し部7は、柔軟性、或いは柔軟性と伸縮性を有する結束バンド3の片側を延長、折り返し、把手C部8となる二重リング或いはカラビナをバンド3の平面と平行に差し込める鉤孔を形成している。
尚、二重リングは完全な丸形よりも折り返し部の鉤孔への挿入部が直線になる半円形或いはD形が更に望ましい。同様の理由にてカラビナもD形が望ましい。
尚、本実施例1〜3に於いて、留め具4は上下にボタンが付いたスナップファスナーを用いているが、他に面状ファスナー、バックル形締め付け具或いは切込みによる嵌合形でも良い。又バンドは、幅5−20mm、厚さ0.5−2.0mmが望ましい。

洋式便器の便座の上下開閉把手において、構造的にシンプルで洋式便器の便座に容易に取り付けることができ、かつ便座と把手の取り合いがソフトなため、便座の破損の心配がない。更に把手部のみが脱着可能なため、把手部の洗浄、殺菌がし易く、極めて実用的である。
便座を有する洋式便器の斜視図である。 便座を裏から見た平面図である。 実施例1の平面図である。 実施例1の図2のA-A断面図である。 実施例2の図2のA-A断面図である。 実施例3の平面図である。 実施例3の図2のA-A断面図である。
1 便座開閉把手
2 便座の断面
3 バンド
4 留め具
5 把手A部
6 把手B部
7 折り返し部
8 把手C部(二重リング/カラビナ)
10 洋式便器
11 便座
12 便蓋
13 ヒンジ
14 便座クッション

Claims (1)

  1. 洋式便器の便座に取り付け、便座を上下に開閉する把手に於いて、柔軟性と伸縮性と耐熱性を有するシリコーン系プラスチックス或いはシリコーン系ゴムのバンドの両端付近に、バンドより硬い材質の把手部材を重ね、重ねた部分をスナップファスナーにて構成された留め具によりバンドを結束することを特徴とする洋式便座の開閉把手。
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