JP5781137B2 - 防波扉 - Google Patents

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本発明は、防波堤の開口部や構造物の出入口を必要に応じて閉じることで波の浸入を防ぐ防波扉に関する。
2011年3月11日の東日本大震災において、海岸近くの水門などの門扉の閉鎖作業に携わった消防団員が多数犠牲になった。日本国内に門扉は2万5000基あり、そのほとんどが都道府県や市町村が管理し、閉鎖作業は消防団員に委託されているケースが多い。従って、門扉の閉鎖作業を行う作業者の命を守るため、水門を自動的に閉鎖させることが切望されている。
従来、例えば、特許文献1に記載の防波扉(浮体連結式フラップゲート)は、水が流入する開口部あるいは出入口を遮断すべく、高さ方向に分割した複数の扉体ブロックを、流入する水の方向に高さ方向の平面内で回転可能に連結して扉体を構成したもので、高さ方向の先端側の扉体ブロックが倒伏状態にある場合の扉体先端面と対向する位置に、水の流入方向に導水管を設けている。導水管は、流入する水を取り込み可能な開口を形成した取水部と、この取水部で取り込んだ水を扉体先端面の高さ方向上側の部分に向けて噴出可能なノズル部とを備える。従って、起立動作の遅れによる越流を防止でき、防災設備としての信頼性が向上する。
特開2012−197619号公報
上述したように日本国内に門扉は2万5000基あり、これら全てを上記浮体連結式フラップゲートに置き換えることは難しい。従って、従前からある門扉に近似する構成にて門を自動的に閉鎖できる防波扉が望まれる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、門を自動的に閉鎖することのできる防波扉を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の防波扉は、鉛直方向に沿って配置された回転軸と、前記回転軸に基端が支持されて前記回転軸の廻りに回転移動することで開状態の門を閉鎖する扉体とを含み、前記門における水の流入方向の上流に前記扉体の先端を向けて配置した開状態で、前記扉体における前記門の反対側に前記扉体と所定間隔を隔てて前記扉体に沿って配置される側壁、および前記側壁に連続して前記扉体の基端側を塞ぐ閉止壁を備えることを特徴とする。
この防波扉によれば、扉体と側壁と閉止壁とで、門における水の流入方向の上流にのみ開口する空間が形成される。この空間は、津波などにより水が浸入した場合に死水域となって静水圧を生じる。一方、門には水が通過するため、水流によって静水圧から速度水頭分減圧することになる。このため、扉体は、水頭差により門側に向けて回転トルクが生じて回転移動し、門を閉鎖する。この結果、門を自動的に閉鎖することができる。
また、本発明の防波扉では、前記扉体を開状態の位置で保持する保持機構を備え、前記保持機構は、浮体により水の流入に伴って浮上して前記扉体の移動を許容することを特徴とする。
この防波扉によれば、保持機構を備えることで、扉体を開状態の位置で保持して扉体と側壁と閉止壁とで囲まれた空間を形成することができる一方、浮体により水の流入に伴って門を閉鎖する扉体の移動を許容することができる。
また、本発明の防波扉では、前記保持機構は、前記浮体の浮上を助勢する別の浮体をさらに有することを特徴とする。
この防波扉によれば、別の浮体により浮体の浮上を助勢するため、扉体の移動を許容する動作を確実に行うことができる。
また、本発明の防波扉では、前記側壁は、前記扉体の先端よりも水の流入方向の上流側に長く形成されていることを特徴とする。
この防波扉によれば、側壁が扉体の先端よりも水の流入方向の上流側に長く形成されていることで、扉体と側壁と閉止壁とで囲まれた空間に対して水の流入を案内することができる。この結果、扉体に水頭差による回転トルクを生じ易くして門を確実に閉鎖することができる。
また、本発明の防波扉では、前記扉体が片開きに構成され、前記門を閉鎖した状態の前記扉体の先端側となる前記門の開口縁に、前記側壁と向き合う対向側壁を備えることを特徴とする。
この防波扉によれば、扉体が片開きに構成され、対向側壁を備えることで、扉体を開方向(門から遠ざかる方向)に回転させるように扉体に衝突する水を遮ることができる。
また、本発明の防波扉では、前記扉体は、両開きに構成されており、前記門における水の流入方向の上流に両扉体の先端を向けて配置した開状態で、各前記扉体における前記門の反対側に各前記扉体と所定間隔を隔てて各前記扉体に沿って配置される側壁、および前記側壁に連続して各前記扉体の基端側を塞ぐ閉止壁を備えることを特徴とする。
この防波扉によれば、扉体が両開きに構成されていても、両扉体と側壁と閉止壁とで、門における水の流入方向の上流にのみ開口する空間が形成される。この空間は、津波などにより水が浸入した場合に死水域となって静水圧を生じる。一方、門には水が通過するため、水流によって静水圧から速度水頭分減圧することになる。このため、両扉体は、水頭差により門側に向けて回転トルクが生じて回転移動し、門を閉鎖する。この結果、門を自動的に閉鎖することができる。
本発明によれば、門を自動的に閉鎖することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る防波扉の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る防波扉の斜視図である。 図3は、本発明の実施形態に係る防波扉の平面図である。 図4は、本発明の実施形態に係る防波扉における扉体の下端部拡大図である。 図5は、本発明の実施形態に係る防波扉の作用を示す平面図である。 図6は、本発明の実施形態に係る防波扉の作用を示す平面図である。 図7は、本発明の実施形態に係る防波扉の作用を示す平面図である。 図8は、本発明の実施形態に係る防波扉の保持機構を示す正面図である。 図9は、本発明の実施形態に係る防波扉の保持機構を示す側面図である。 図10は、本発明の実施形態に係る防波扉の保持機構の作用を示す側面図である。 図11は、本発明の実施形態に係る防波扉の保持機構を示す側面図である。 図12は、本発明の実施形態に係る防波扉の他の形態を示す平面図である。 図13は、本発明の実施形態に係る防波扉による作用の解析結果を示す図である。 図14は、本発明の実施形態に係る防波扉による作用の解析結果を示す図である。 図15は、本発明の実施形態に係る防波扉による作用の解析結果を示す図である。 図16は、本発明の実施形態に係る防波扉の他の形態を示す平面図である。 図17は、本発明の実施形態に係る防波扉の他の形態を示す平面図である。 図18は、本発明の実施形態に係る防波扉の他の形態を示す斜視図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1および図2は、本実施形態に係る防波扉の斜視図であり、図3は、本実施形態に係る防波扉の平面図であり、図4は、本実施形態に係る防波扉における扉体の下端部拡大図であり、図5〜図7は、本実施形態に係る防波扉の作用を示す平面図である。
本実施形態に係る防波扉1は、図1および図2に示すように、陸地に設置された防波堤50の門51を開閉するものである。門51は、防波堤50において出入口となるもので、防波堤50の高さによって、図1に示すように上部が塞がれた形態や、図2に示すように上部が開放された形態がある。なお、図には明示しないが、防波堤50に限らず、門は建物の出入口となる開口部や、水路の出入口となる水門であってもよい。
防波扉1は、回転軸2と、当該回転軸2に回転可能に支持された扉体3とを含む。回転軸2は、門51の開口側縁に設けられ、鉛直方向に沿って配置されている。本実施形態において回転軸2は、扉体3の上下位置に設けられている形態を図示しているが、扉体3の上下に連続する形態であってもよい。扉体3は、回転軸2に基端が支持されて回転軸2の廻りに回転移動可能に設けられている。また、扉体3は、図3に示すように、門51を閉鎖する板材3aと、当該板材3aを補強する枠材3bおよび梁材3cとで堅牢に構成されている。そして、防波扉1は、図1〜図3に示すように、門51における水の流入方向の上流に扉体3の先端を向けて配置することで門51を開状態とする。一方、防波扉1は、開状態から回転軸2の廻りに扉体3が回転移動することで、図3に一点鎖線で示すように門51を閉鎖する。また、扉体3は、図4に示すように、その下端にシール材3dが垂下して設けられている。シール材3dは、扉体3にて門51を閉鎖する際、門51の開口端に傾斜して迫り上がった段部51aに接触することで門51の下端部を閉じる。このように、扉体3は、片開きに構成されている。
防波扉1は、図1〜図3に示すように、扉体3の開状態で、すなわち門51における水の流入方向の上流に扉体3の先端を向けて配置した状態で、扉体3における門51の反対側に、扉体3と所定間隔を隔てて扉体3に沿って配置される側壁4a、および側壁4aに連続して扉体3の基端側を塞ぐ閉止壁4bを備える。図1〜図3において側壁4aおよび閉止壁4bは、開状態の扉体3に沿って防波堤50に一体に形成された壁体4により構成されている。すなわち、本実施形態の防波扉1は、扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで、門51における水の流入方向の上流にのみ開口する空間5が形成されている。
このような防波扉1は、図5に示すように、津波などにより門51に水が浸入した場合(矢印W)、上記空間5にも水が浸入することになる。空間5に浸入した水は、さらに浸入しようとする水の圧力により塞がれて水の流れがない(流れがあったとしても空間5内で渦状である)死水域となるために静水圧を生じる。一方、門51には水が通過するため、水流によって静水圧から速度水頭分減圧することになる。このため、扉体3は、図6に示すように、水頭差により門51側に向けて回転トルクが生じて回転移動し、図7に示すように門51を閉鎖する。
すなわち、本実施形態の防波扉1において、扉体3と側壁4aとの所定間隔は、扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで囲まれた空間5に水が浸入した場合に、死水域となるように設定される。例えば、図3に示すように、扉体3と側壁4aとの間隔Wは、扉体3の厚さ以上であることが好ましく、さらに扉体3の基端から先端までの寸法Lに対し0.2L以上1.0L以下の範囲とすることが空間5から外に出る流れを抑制でき、死水域を得るために好ましい。
このように、本実施形態の防波扉1は、鉛直方向に沿って配置された回転軸2と、回転軸2に基端が支持されて回転軸2の廻りに回転移動することで開状態の門51を閉鎖する扉体3とを含み、門51における水の流入方向の上流に扉体3の先端を向けて配置した開状態で、扉体3における門51の反対側に扉体3と所定間隔を隔てて扉体3に沿って配置される側壁4a、および側壁4aに連続して扉体3の基端側を塞ぐ閉止壁4bを備える。
この防波扉1によれば、扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで、門51における水の流入方向の上流にのみ開口する空間5が形成される。この空間5は、津波などにより水が浸入した場合に死水域となって静水圧を生じる。一方、門51には水が通過するため、水流によって静水圧から速度水頭分減圧することになる。このため、扉体3は、水頭差により門51側に向けて回転トルクが生じて回転移動し、門51を閉鎖する。この結果、門51を自動的に閉鎖することができる。しかも、本実施形態の防波扉1は、水頭差により扉体3を回転移動させるため、扉体3を移動させる機械的動力を必要としない。しかも、扉体3は、鉛直方向に沿って配置された回転軸2の廻りに回転移動するような既存の門扉と同等の構成であり、当該既存の門扉に対して本実施形態の防波扉1の構成を容易に適用することが可能である。
なお、扉体3と側壁4aとは、図3に示すように平行であってもそうでなくてもよい。また、扉体3と側壁4aとは、門51における水の流入方向に対して平行であってもそうでなくてもよい。また、側壁4aは、防波堤50から突出する壁体4により形成されている形態を示しているが、壁体4を有さず、防波堤50において門51を構成する開口部内の壁により形成されていてもよい。また、門51が、水路の途中の出入口となる水門である場合、側壁4aは水路の側壁の一部として構成される。
また、本実施形態の防波扉1は、図3に示すように、扉体を開状態の位置で保持する保持機構6を備える。図8は、本実施形態に係る防波扉の保持機構を示す正面図であり、図9は、本実施形態に係る防波扉の保持機構を示す側面図であり、図10は、本実施形態に係る防波扉の保持機構の作用を示す側面図であり、図11は、本実施形態に係る防波扉の保持機構を示す側面図である。
図8に示すように、保持機構6は、地盤などの不動部に固定される固定部6Aと、扉体3に取り付けられる移動部6Bと、扉体3の開状態において、固定部6Aと移動部6Bとを連結する連結部6Cとを有する。固定部6Aおよび移動部6Bは、上下方向に開通する係止穴6Aaおよび6Baが形成されている。これら係止穴6Aa,6Baは、扉体3の開状態において、上下に連通する。連結部6Cは、固定部6Aに形成された係止穴6Aa、および移動部6Bに形成された係止穴6Baに挿入される挿入部6Caを有している。挿入部6Caは、楔状に形成されており、各係止穴6Aa,6Baは、挿入部6Caの楔状に対応した径に形成されている。また、連結部6Cは、挿入部6Caの上端側に浮体6Cbを有している。挿入部6Caは各係止穴6Aa,6Baからは容易に抜けないように錘(例えば、20kg程度)として構成されているが、浮体6Cbは、水に浸かった場合に挿入部6Caを浮上させる浮力を有し、挿入部6Caを固定部6Aの係止穴6Baから抜けるように浮上させる。
また、保持機構6は、図9および図10に示すように、固定部6Aに対して連結部6Cを抜き挿し操作する操作部6Dを有する。操作部6Dは、移動部6Bに取り付けられたアーム6Daに対し、棒状の操作レバー6Dbの中間部が軸6Dcを介して回転可能に支持されている。この操作レバー6Dbの一端に連結部6Cが軸6Ddを介して取り付けられている。そして、操作レバー6Dbの他端を上下に操作することで、挿入部6Caが錘として構成されていても、図9に示すように固定部6Aに対して連結部6Cを挿したり、図10に示すように固定部6Aから連結部6Cを抜いたりすることを容易に行うことができる。
また、保持機構6は、図11に示すように、補助解除機構6Eを備えていてもよい。補助解除機構6Eは、扉体3に、滑車6Eaと、別の浮体6Ebを支持しつつ上方へ別の浮体6Ebの移動を許容する浮体支持部6Ecと、滑車6Eaを介して別の浮体6Ebおよび上述した操作レバー6Dbの他端を繋ぐワイヤ6Edと、を有する。つまり、補助解除機構6Eは、別の浮体6Ebが水の流入に伴って浮上することで、ワイヤ6Edを引き、このワイヤ6Edが操作レバー6Dbの他端を下方に引くことから、図10に示すように固定部6Aから連結部6Cを抜くことを補助することができる。
このように、本実施形態の防波扉1は、扉体3を開状態の位置で保持する保持機構6を備え、保持機構6は、浮体6Cbにより水の流入に伴って浮上して扉体3の移動を許容する。
この防波扉1によれば、保持機構6を備えることで、扉体3を開状態の位置で保持して扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで囲まれた空間5を形成することができる一方、浮体6Cb,6Ebにより水の流入に伴って門51を閉鎖する扉体3の移動を許容することができる。
特に、この防波扉1は、補助解除機構6Eの別の浮体6Ebにより浮体6Cbの浮上を助勢するため、扉体3の移動を許容する動作を確実に行うことができる。
なお、防波扉1が水路の水門に適用される場合、浮体6Cb,6Ebの高さ位置が水路の水面よりも上方であって、かつ高潮時の水面よりも上方に設ける。
また、本実施形態の防波扉1は、図3に示すように、側壁4aは、扉体3の先端よりも水の流入方向の上流側に長く形成されていることが好ましい。
この防波扉1によれば、側壁4aが扉体3の先端よりも水の流入方向の上流側に長く形成されていることで、扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで囲まれた空間5に対して水の流入を案内することができる。この結果、扉体3に水頭差による回転トルクを生じ易くして門51を確実に閉鎖することができる。
図12は、本実施形態に係る防波扉の他の形態を示す平面図である。上述したように防波扉1は、扉体3が片開きに構成されている。そして、図12に示すように、防波扉1は、門51を閉鎖した状態の扉体3の先端側となる門51の開口側縁近傍に、側壁4aと向き合う対向側壁7aを備える。
対向側壁7aは、図12に示すように、側壁4aをなす壁体4と門51を間において対向配置された対向壁7により構成されている。この対向側壁7aは、側壁4aに対して図12に示すように平行あってもそうでなくてもよい。また、対向側壁7aは、門51における水の流入方向に対して平行であってもそうでなくてもよい。
この防波扉1によれば、扉体3が片開きに構成され、対向側壁7aを備えることで、扉体3を開方向(門51から遠ざかる方向)に回転させるように扉体3に衝突する水を遮ることができる。
なお、対向側壁7aをなす対向壁7は、水の流入方向の上流側に延在しているが、壁体4よりも長くなると、壁体4側から流入する水を反射させて扉体3に衝突させるおそれがあることから、壁体4と同等の長さで水の流入方向の上流側に延在して設けられていることが好ましい。
図13〜図15は、本実施形態に係る防波扉による作用の解析結果を示す図である。図13〜図15において、横軸は、水が門51に向かって流入する時間を示す。また、図13〜図15において、縦軸は、扉体3に係る回転モーメント(荷重)を示し、実線は扉体3を閉方向(門51に近づく方向)に回転させる回転モーメントを示し、破線は扉体3を開方向(門51から遠ざかる方向)に回転させる回転モーメントを示す。また、本解析においては、図12において、門51の開口を縦4m×横4mの矩形状とし、この門51を閉鎖する扉体3の重さを7tonとしている。
図13は、図12において扉体3が開状態(閉状態から90度開いた状態)の場合に扉体3と平行な矢印A方向から水が流入した場合の解析結果である。図13に示すように、扉体3と平行に水が流入した場合は、門51への水の流入と、扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで囲まれた空間5への水の流入とが同時に行われることから、常に実線の扉体3を閉方向(門51に近づく方向)に回転させる回転モーメントが大きくなる。このため、扉体3が閉方向に回転移動することになる。
図14は、図12において扉体3が開状態から20度閉方向に回転移動した状態での解析結果である。図14に示すように、扉体3が開状態から20度閉方向に回転移動した状態では、実線の扉体3を閉方向(門51に近づく方向)に回転させる回転モーメントがさらに大きくなる。このため、扉体3が閉方向にさらに回転移動することになる。
図15は、図12において扉体3が開状態(閉状態から90度開いた状態)の場合に矢印A方向に対して対向側壁7a側から45度傾いた矢印B方向、すなわち扉体3を開方向に回転させる方向に水が流入した場合の解析結果である。図15に示すように、扉体3を開方向に回転させる方向に水が流入した場合は、当初は、扉体3を開方向(門51から遠ざかる方向)に回転させるように扉体3に水が衝突することになり、破線の扉体3を開方向(門51から遠ざかる方向)に回転させる回転モーメントが大きいが、その後、扉体3と側壁4aと閉止壁4bとで囲まれた空間5への水の流入により、実線の扉体3を閉方向(門51に近づく方向)に回転させる回転モーメントが大きくなる。このため、扉体3が閉方向に回転移動することになる。この場合、対向側壁7aが設けてあることから、扉体3を開方向(門51から遠ざかる方向)に回転させるように扉体3に水が衝突する事態を抑制する。
なお、上記解析は、扉体3全体が水面下になる場合としている。これに限らず、扉体3を閉鎖させる回転モーメントは、扉体3全体が水面下にならなくても生じる。
図16は、本実施形態に係る防波扉の他の形態を示す平面図であり、図17は、本実施形態に係る防波扉の他の形態を示す平面図であり、図18は、本実施形態に係る防波扉の他の形態を示す斜視図である。
図16〜図18に示す防波扉1は、扉体3が両開きに構成されている。つまり、片開きの上述した扉体3が門51を間に対向して設けられ、それぞれ門51の反対側に側壁4aおよび閉止壁4bを備えている。このように、扉体3を両開きとしても、門51を自動的に閉鎖することができる。
なお、図17および図18に示す防波扉1では、門51は、上方が開放して構成された形態であり、扉体3の上端側を支える構成がない。このような場合、図16に示すように、両開きの各扉体3が閉状態で直線上に配置されると、水圧により扉体3が押されて破損するおそれがある。このため、図17および図18に示す防波扉1では、扉体3は、水の流入方向となる外面が側壁4aに向けて傾斜するように互いの先端を突き合わせた状態で門51を閉鎖するように構成されている。また、図17および図18に示す防波扉1は、扉体3の下端部に、各扉体3の互いの先端を突き合わせた閉状態を保持する突き当て(図示せず)が設けられている。このような防波扉1によれば、扉体3の上端側に支える構成がない場合に、水圧により扉体3が押されても、各扉体3が相互の突き合わせにより水圧を支えるように作用するため、破損を防ぐことができる。
1 防波扉
2 回転軸
3 扉体
4a 側壁
4b 閉止壁
5 空間
6 保持機構
6Cb 浮体
6Eb 別の浮体
7a 対向側壁
51 門

Claims (5)

  1. 鉛直方向に沿って配置された回転軸と、前記回転軸に基端が支持されて前記回転軸の廻りに回転移動することで開状態の門を閉鎖する扉体とを含み、前記門における水の流入方向の上流に前記扉体の先端を向けて配置した開状態で、前記扉体における前記門の反対側に前記扉体と所定間隔を隔てて前記扉体に沿って配置される側壁、および前記側壁に連続して前記扉体の基端側を塞ぐ閉止壁を備えており、
    前記扉体を開状態の位置で保持する保持機構を備え、前記保持機構は、浮体により水の流入に伴って浮上して前記扉体の移動を許容することを特徴とする防波扉。
  2. 前記保持機構は、前記浮体の浮上を助勢する別の浮体をさらに有することを特徴とする請求項に記載の防波扉。
  3. 前記側壁は、前記扉体の先端よりも水の流入方向の上流側に長く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防波扉。
  4. 前記扉体が片開きに構成され、前記門を閉鎖した状態の前記扉体の先端側となる前記門の開口縁に、前記側壁と向き合う対向側壁を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の防波扉。
  5. 前記扉体は、両開きに構成されており、前記門における水の流入方向の上流に両扉体の先端を向けて配置した開状態で、各前記扉体における前記門の反対側に各前記扉体と所定間隔を隔てて各前記扉体に沿って配置される側壁、および前記側壁に連続して各前記扉体の基端側を塞ぐ閉止壁を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の防波扉。
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