(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わる撮像装置の構成を示すブロック図である。1は撮像装置、2はズームレンズ群、3はフォーカスレンズ群、4はズームレンズ群2及びフォーカスレンズ群3等からなる撮影光学系を透過する光束の量を制御する光量調節手段であり露出手段である絞りである。31はズームレンズ群2、フォーカスレンズ群3、絞り4等からなる撮影レンズ鏡筒、5は撮影光学系を透過した被写体像が結像し、これを光電変換する固体撮像素子(以下CCD)である。6はこのCCD5によって光電変換された電気信号を受けて各種の画像処理を施すことにより所定の画像信号を生成する撮像回路、7はこの撮像回路6により生成されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変化するA/D変換回路である。8はこのA/D変換回路7の出力を受けてこの画像信号を一時的に記憶するバッファメモリ等のメモリ(VRAM)である。9はこのVRAM8に記憶された画像信号を読み出してこれをアナログ信号に変換するとともに再生出力に適する形態の画像信号に変換するD/A変換回路、10はこの画像信号を表示する液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置(以下LCD)である。12は半導体メモリ等からなる画像データを記憶する記憶用メモリである。11はVRAM8に一時記憶された画像信号を読み出して記憶用メモリ12に対する記憶に適した形態にするために画像データの圧縮処理や符号化処理を施す圧縮回路及び記憶用メモリ12に記憶された画像データを再生表示等をするのに最適な形態とするための復号化処理や伸長処理等を施す伸長回路とからなる圧縮伸長回路である。13はA/D変換回路7からの出力を受けて自動露出(AE)処理を行うAE処理回路、14はA/D変換回路7からの出力を受けてAF評価値を生成する自動焦点調節(AF)処理を行うスキャンAF処理回路である。15は撮像装置の制御を行う演算用のメモリを内蔵したCPU、16は所定のタイミング信号を発生するタイミングジェネレータ(以下TG)、17はCCDドライバーである。21は絞り4を駆動する絞り駆動モータ、18は絞り駆動モータ21を駆動制御する第1モータ駆動回路、22はフォーカスレンズ群3を駆動するフォーカス駆動モータである。19はフォーカス駆動モータ22を駆動制御する第2モーター駆動回路、23はズームスレンズ群2を駆動するズーム駆動モータ、20はズーム駆動モータ23を駆動制御する第3モータ駆動回路である。24は各種のスイッチ群からなる操作スイッチ、25は各種制御等を行うプログラムや各種動作を行わせるために使用するデータ等が予め記憶されている電気的に書き換え可能な読み出し専用メモリであるEEPROMである。26は電池、28はストロボ発光部、27はストロボ発光部28の閃光発光を制御するスイッチング回路、29は警告表示などを行うLEDなどの表示素子である。30は音声によるガイダンスや警告などを行うためのスピーカー、33はAF評価値を取得する際に被写体の全部又は一部を照明する照明手段であるLEDなどの光源で構成されるAF補助光、32はAF補助光33を駆動するためのAF補助光駆動回路である。35は手振れなどを検出する振れ検出センサー、34は振れ検出センサー35の信号を処理する振れ検出回路、36はA/D変換回路7からの出力を受けて画面上での顔の位置や顔の大きさなどを検出する顔検出回路である。
なお、画像データ等の記憶媒体である記憶用メモリは、フラッシュメモリ等の固定型の半導体メモリや、カード形状やスティック形状からなり装置に対して着脱自在に形成されるカード型フラッシュメモリ等の半導体メモリの他、ハードディスクやフロッピィ−ディスク等の磁気記憶媒体等、様々な形態のものが適用される。
また、操作スイッチ24としては、撮像装置1を起動させ電源供給を行うための主電源スイッチや撮影動作(記憶動作)等を開始させるレリーズスイッチ、再生動作を開始させる再生スイッチがある。また。撮影光学系のズームレンズ群2を移動させズームを行わせるズームスイッチ、光学式ファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)の切り替えスイッチ等がある。
そしてレリーズスイッチは撮影動作に先立ち行われるAE処理、AF処理を開始させる指示信号を発生する第1ストローク(以下SW1)と実際の露光動作を開始させる指示信号を発生する第2ストローク(以下SW2)との二段スイッチにより構成される。
このように構成された本実施形態の撮像装置の動作を以下に説明する。まず、撮像装置1の撮影レンズ鏡筒31を透過した被写体光束は絞り4によってその光量が調整された後、CCD5の受光面に結像される。この被写体像は、CCD5による光電変換処理により電気的な信号に変換され撮像回路6に出力される。撮像回路6では、入力された信号に対して各種の信号処理が施され、所定の画像信号が生成される。この画像信号はA/D変換回路7に出力されデジタル信号(画像データ)に変換された後、VRAM8に一時的に格納される。VRAM8に格納された画像データはD/A変換回路9へ出力されアナログ信号に変換され表示するのに適した形態の画像信号に変換された後、LCDに画像として表示される。一方VRAM8に格納された画像データは圧縮伸長回路11にも出力される。この圧縮伸長回路11における圧縮回路によって圧縮処理が行われた後、記憶に適した形態の画像データに変換され、記憶用メモリ12に記憶される。
また。例えば操作スイッチ24のうち不図示の再生スイッチが操作されオン状態になると、再生動作が開始される。すると記憶用メモリ12に圧縮された形で記憶された画像データは圧縮伸長回路11に出力され、伸長回路において復号化処理や伸長処理等が施された後、VRAM8に出力され一時的に記憶される。更に、この画像データはD/A変換回路9へ出力されアナログ信号に変換され表示するのに適した形態の画像信号に変換された後、LCD10に画像として表示される。
他方、A/D変換回路7によってデジタル化された画像データは、上述のVRAM8とは別にAE処理回路13、スキャンAF処理回路14及び顔検出回路36に対しても出力される。まずAE処理回路13においては、入力されたデジタル画像信号を受けて、一画面分の画像データの輝度値に対して累積加算等の演算処理が行われる。これにより、被写体の明るさに応じたAE評価値が算出される。このAE評価値はCPU15に出力される。またスキャンAF処理回路14(合焦位置検出手段)においては、入力されたデジタル画像信号を受けて、画像データの高周波成分がハイパスフィルター(HPF)等を介して抽出され、更に累積加算等の演算処理を行い、高域側の輪郭成分量等に対応するAF評価値信号が算出される。具体的にはスキャンAF処理はAF領域として指定された画面の一部分の領域に相当する画像データの高周波成分をハイパスフィルター(HPF)等を介して抽出し、更に累積加算等の演算処理を行う。これにより、高域側の輪郭成分量等に対応するAF評価値信号が算出される。このAF領域は中央部分あるいは画面上の任意の部分の一箇所である場合や、中央部分あるいは画面上の任意の部分とそれに隣接する複数箇所である場合、離散的に分布する複数箇所である場合などがある。このようにスキャンAF処理回路14は、AF処理を行う過程において、CCD5によって生成された画像信号から所定の高周波成分を検出する高周波成分検出手段の役割を担っている。顔検出回路36においては、入力されたデジタル画像信号を受けて、目、眉などの顔を特徴付ける部分を画像上で探索し、人物の顔の画像上での位置を求める。更に顔の大きさや傾きなどを、顔を特徴付ける部分の間隔などの位置関係から求める。
一方、TG16からは所定のタイミング信号がCPU15、撮像回路6、CCDドライバー17へ出力されており、CPU15はこのタイミング信号に同期させて各種の制御を行う。また撮像回路6は、TG16からのタイミング信号を受け、これに同期させて色信号の分離等の各種画像処理を行う。さらにCCDドライバー17は、TG16のタイミング信号を受けこれに同期してCCD5を駆動する。
またCPU15は、第1モータ駆動回路18、第2モータ駆動回路19、第3モータ駆動回路20をそれぞれ制御することにより、絞り駆動モータ21、フォーカス駆動モータ22、ズーム駆動モータ23を介して、絞り4、フォーカスレンズ群3、ズームスレンズ群2を駆動制御する。すなわちCPU15はAE処理回路13において算出されたAE評価値等に基づき第1モータ駆動回路18を制御して絞り駆動モータ21を駆動し、絞り4の絞り量を適正になるように調整するAE制御を行う。またCPU15はスキャンAF処理回路14において算出されるAF評価値信号に基づき第2モータ駆動回路19を制御してフォーカス駆動モータ22を駆動し、フォーカスレンズ群3を合焦位置に移動させるAF制御を行う。また操作スイッチ24のうち不図示のズームスイッチが操作された場合は、これを受けてCPU15は、第3モータ駆動回路20を制御してズームモータ23を駆動制御することによりズームレンズ群2を移動させ、撮影光学系の変倍動作(ズーム動作)を行う。
次に本実施形態の撮像装置の実際の撮影動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。なお本実施形態の説明においては、フォーカスレンズ群3を所定位置に駆動しながらAF評価値を取得する動作をスキャン、AF評価値を取得するフォーカスレンズの位置の間隔をスキャン間隔とする。また、AF評価値を取得する位置をスキャンポイント、AF評価値を取得する数をスキャンポイント数、AF評価値を取得する範囲をスキャン範囲、合焦位置を検出するための画像信号を取得する領域をAF枠と言うものとする。
本実施形態の撮像装置1の主電源スイッチがオン状態であり、かつ撮像装置の動作モードが撮影(録画)モードにあるときは、撮影処理シーケンスが実行される。
まずステップS1においてCPU15は、撮影レンズ鏡筒31を透過しCCD5上に結像した像をLCDに画像として表示する。すなわちCCD5上に結像した被写体像は、CCD5により光電変換処理され電気的な信号に変換された後、撮像回路6に出力される。そこで入力された信号に対して各種の信号処理が施され、所定の画像信号が生成された後、A/D変換回路7に出力されデジタル信号(画像データ)に変換されVRAM8に一時的に格納される。VRAM8に格納された画像データはD/A変換回路9へ出力されアナログ信号に変換され表示するのに適した形態の画像信号に変換された後、LCDに画像として表示される。
次いでステップS2において、レリーズスイッチの状態を確認する。撮影者によってレリーズスイッチが操作され、SW1(レリーズスイッチの第1ストローク)がオン状態になったことをCPU15が確認すると、次のステップS3に進む。ステップS3では、通常のAE処理が実行される。続いてステップS4においてスキャンAF処理を行う。
すなわちCPU15は、ステップS4で合焦位置を検出するためのスキャンAF処理を行う。その概略を図3を用いて説明する。スキャンAFはCCD5によって生成された画像信号の高周波成分が最も多くなるフォーカスレンズ群3の位置(焦点位置)を求めることにより行われる。CPU15はフォーカス駆動モータ22を駆動制御する第2モーター駆動回路19を介してフォーカス駆動モータ22を制御する。そして、フォーカスレンズ群3を無限遠に相当する位置(図3における「A」)から各々の撮影モードにおいて設定される至近距離に相当する位置(図3における「B」)まで駆動する。そして駆動しながらスキャンAF処理回路の出力(AF評価値信号)を取得し、フォーカスレンズ群3の駆動が終了した時点で取得したAF評価値信号から、それが最大になる位置(図3における「C」)を求める。そして詳細を後述する方法で合焦位置補正量(BP補正量)を求め、それを加味した位置にフォーカスレンズ群3を駆動する。
このAF処理回路の出力の取得はスキャンAFの高速化のために、全てのフォーカスレンズ群3の停止位置については行わず、所定のステップ毎に行う。この場合、図3に示すa1、a2、a3点においてAF評価値信号を取得することがありうる。このような場合はAF評価値信号が最大値(極大値)となった点とその前後の点から合焦位置Cを計算にて求めている。このように補間計算を行いAF評価値信号が最大値となる点(図3のC)を求める前にAF評価値信号の信頼性を評価する。具体的な方法は特許第04235422号公報や特許第04185741号公報に記載されているので説明は割愛する。
そしてAF評価値信号が最大値となる点を求めた後BP補正量を加味した位置にフォーカスレンズ群3を駆動し、ステップS5においてAFOK表示を行う。これは表示素子29を点灯することなどにより行うと同時にLCD上に緑の枠を表示するなどの処理を行う。
またステップS4において、得られたAF評価値信号の信頼性が低い場合には、AF評価値信号が最大値となる点を求める処理は行わず、ステップS5に進みAFNG表示を行う。これは表示素子29を点滅表示することなどにより行うと同時にLCD上に黄色の枠を表示するなどの処理を行う。
CPU15はステップS6において、SW2(レリーズスイッチの第2ストローク)の確認を行い、SW2がオンになっていたならば、ステップS7に進み、実際の露光処理を実行する。
ここでステップS5で行われるスキャンAFの詳細、フォーカスレンズ群3を駆動しながら取得するAF評価値信号が最大になる位置に対する合焦位置補正量(BP補正量)の求め方、及びそれを加味した位置にフォーカスレンズ群3を駆動する方法に関して説明する。
一般に光学系の球面収差などの収差が生じると、被写体の周波数に応じたピント位置が異なる。よって周波数の異なる被写体をAF評価値信号をフォーカスレンズ群3を駆動しながらを取得すると、例えば図4に示すようその値が最大となるフォーカスレンズ群3の位置が異なる。
図4において、Aはナイキスト周波数の10%、Bはナイキスト周波数の20%、Cはナイキスト周波数の30%、Dはナイキスト周波数の40%の空間周波数をもつ被写体のAF評価値の変化を表している。実際の被写体は多くの空間周波数を含んでいるので、高域成分を抽出するフィルターの特性によってその被写体の画像から得られたAF評価値が最大となるフォーカスレンズ群3の位置が異なることになる。ナイキスト周波数の10%、20%、30%、40%に透過率がピークとなるフィルターをAF評価値を求める際のフィルターとして用いると、そのAF評価値信号波形は図4のA、B、C、Dのようになる。
この分布の仕方はフォーカスレンズ3を含む撮影レンズ鏡筒31の特性によるものであるため、必ず図4の様になるとは限らない。逆の特性になる場合もあれば、その差が小さくほとんど同じ位置にAF評価値が最大になる位置が分布する場合もある。またその量は、撮影レンズ鏡筒の変倍に伴う焦点距離や撮影距離などによっても異なることがある。
従って我々が自動焦点調整動作を行う場合は、なるべく高い周波数においてフィルターの透過率が最大となるものを用い、そのAF評価値が最大になる位置へフォーカスレンズ群3を駆動すれば、撮影者が見た目でベストのピント位置と感じるフォーカスレンズ群3の位置を得ることが可能になる。
これは空間周波数の高い被写体と、低い被写体が混在する被写体を撮影した場合、空間周波数の低い被写体は多少ベストのピント位置からずれていても像がボケていると感じないが、空間周波数の高い被写体の場合は僅かなずれでも像がボケていると感じやすいからである。
しかし低照度時に高い周波数においてフィルターの透過率が最大となるBPF(バンドパスフィルター)を用いた場合、得られるAF評価値信号の信頼性が十分でない場合が多い。その理由は、高域の信号にはCCDや回路系において重畳されるノイズが含まれているため、偽の信号を発生させることがあるからである。特に低照度では、CCDにて受光される光量が減少するため本来の信号成分が減少してこの傾向が顕著になる。また信号量が十分な照度においても。手振れや被写体振れによって高域の信号は失われるので、あまり高い周波数のフィルターを設定することはできない。
そこで低照度や手振れ・被写体振れがあっても信頼性のある信号が得られる周波数のファイルを用い、空間周波数の高い被写体とのフォーカスレンズ群3の位置の差は、あらかじめ測定した値で補正するようにしている。この値が合焦位置補正量(BP補正量)である。
このBP補正量は、AF評価値を求める際に使用するフィルターの特性(透過率が最大となる周波数)が異なると異なることが一般的であり、また撮影レンズ鏡筒の焦点距離や撮影距離などによっても異なることがある。そこで焦点距離・被写体距離をパラメータとした補正量をデータとして不図示のメモリーに記録している。低照度と通常照度でフィルターの設定を変え、それぞれのフィルターの特性に合わせて補正量のテーブルを持つことが実用的であるが、ここでは説明の都合上フィルターの特性はひとつとして説明する。
焦点距離に関しては停止可能な全てのポジションにおける補正量を記録する。但しその停止するポジションがあまりにも多い場合は、その量を考慮していくつかのズームポジションをまとめて一つの値とすることがある。例えば0〜128のズームポジションに停止可能な場合は0〜8、9〜16、…、121〜128の様に分割し、分割した単位ごとに補正量を持つことにする。
距離に関しては4つの距離に関する補正量を記録しており、記憶されていない距離における補正量は、その両側の距離の値から補間して求める。最至近の4番目の距離より近い場合は4番目の距離の補正量を用いる。4番目の距離が像面湾曲が起こる距離である。この距離付近より近側で平面被写体(平面状の被写体)を撮影した場合、光学系の像面湾曲が生じるため、中央のAF枠でのAF評価値信号がピーク値を取るフォーカスレンズ群3の位置と、周辺のAF枠でのAF評価値信号がピーク値を取るフォーカスレンズ群3の位置が異なる。そのため中央のAF枠でのAF評価値信号がピーク値となるフォーカスレンズ群3の位置にフォーカスレンズ群3を制御した場合、周辺の解像感が中央の解像感に比べて劣る場合があり、この場合撮影者は撮影された画像に関して違和感を覚えることがある。そこで、この4番目の距離における補正量は像面湾曲を考慮し中央部と周辺部の解像感のバランスが取れるように中央部と周辺部の中間になるような値にしてある。
また3番目の距離における補正量は近距離における補正量であり、撮影光学系が理想的な光学系である場合は4番目の距離における補正量と等しくなるような値にしてある。そして1番目の距離における補正量は風景など遠距離の撮影における補正量、2番目の距離における補正量は人物撮影など中距離の撮影における補正量である。例えば無限遠、3m、1m、50cmの4つの距離における補正量を記録する。この距離は光学系の特性により異なる。この補正値を記録する距離は、焦点距離によって異なるようにしても良い。
ここで補間の方法について説明する。前述のように中間の距離はその両側の距離の値より補間する。50cmと1mの間の距離L1の補正量H1は、50cmと1mの補正量を用いた以下の式で求められる。
H1=Hn+(Hp−Hn)×{LP(Ln−L1)/L1/(Ln−Lp)}2
但し、Lpは50cm、Lnは1m、Hpは50cmの補正量、Hnは1mでの補正量である。1mと3mの間の距離L2の補正量H2は、3mと1mの補正量を用いた以下の式で求められる。
H2=Hm+(Hn−Hm)×(Lm−L2)×Ln/L2/(Lm−Ln)
但し、Lnは1m、Lmは3m、Hnは1mの補正量、Hmは3mでの補正量である。また3mと無限遠の間の距離L3での補正量H3は以下の式で求められる。
H3=Hi+(Hm−Hi)×Lm/L3
但し、Lmは3m、Hiは無限遠の補正量、Hmは3mでの補正量である。この計算で使用される距離は自動焦点調整の結果から逆算される。
この補正量はレンズ設計値から各焦点距離・各距離について計算して求める場合、実際に複数の個体の補正量を各焦点距離・各距離について測定しその平均値を用いる場合、個別に測定したその個体特有の値を用いる場合がある。どの方法をとるかは、撮影レンズ鏡筒31の設計がある程度終了した段階で、補正量の各個体ごとの補正量がどの程度ばらつくのかを検討し決定する。
このように50cmと1mの間の距離L1の補正量H1だけ二次関数で補間するのは、像面湾曲に起因する中央部と周辺部のピント差は4番目の距離付近から生じ、平面被写体の解像感に影響を与える。しかし、3番目の距離付近ではほとんど生じないので、3番目の距離付近では補正量が3番目の距離における補正量にほぼ等しく、4番目の距離付近になるに従って4番目の距離における補正量にほぼ等しくなるようにするためである。また4番目の距離より近側の場合は4番目の距離の補正量を用い、像面湾曲が生じない状態で3番目の距離より近側の場合は3番目の距離の補正量を用いる。
次いで、BP補正量をスキャンAFの結果から決定しフォーカスレンズ群3を制御する動作を図5を用いて説明する。
まずステップS501において、図3を用いて説明した方法でスキャンAFを行い、各フォーカスレンズ群3の位置におけるAF評価値を取得する。本実施形態においては中央部分の測距枠におけるAF評価値を用いてAFを行っているが、像面湾曲が生じているか否かを判定する必要があるため、中央部分の測距枠の周辺に8つの測距枠を設け、その測距枠におけるAF評価値も同様な方法で取得している。例えば図6(A)のように9つの測距枠を配置し、11枠が中央部分の測距枠、他の8枠を周辺部分の測距枠とすれば良い。
次いで、ステップS502において、中央部分の測距枠で取得したAF評価値の信頼性を評価することで合焦可能か否かの判定を行い、合焦可能ならばステップS503へ、不可能ならばステップS520へ進む。
ステップS503では、スキャンAFが行われたズームポジションが所定のズームポジションか否かを判定する。その結果所定のズームポジションであればステップS504へ、所定のズームポジションでなければステップS530へ進む。これは像面湾曲が生じるのは設計上所定のズームポジションのみなので、そのズームポジションであるか否かを判定し、像面湾曲が生じないズームポジションであるならば、従来と同様の方法でフォーカスレンズ群3を制御すれば良いので、従来と同様の制御を行うステップS530へ推移するようにしているためである。
ステップS504では中央部分の測距枠で取得したAF評価値から、その値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求め、更にそのピーク位置から被写体の撮影距離を演算する。そしてその距離が所定の距離と比較し、その距離以下の距離であるならばステップS505へ、その距離より遠ければステップS530へ進む。この所定の距離は、例えばBP補正量を記録する際のパラメータとして用いた距離の3番目の距離とすれば良い。
ステップS505では中央部分に設定された測距枠の周辺に配置された測距枠のAF評価値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求める。但し、中央部分の測距枠と同様に、その測距枠で取得したAF評価値の信頼性を評価し、信頼性が低い場合はピーク位置の算出は行わない。
次いで、ステップS506において、信頼性が高いとみなされピーク位置を算出した周辺測距枠のピーク位置と中央のピーク位置の差を求め、その値がu−vからu+vまでのものを選択する。そしてステップS507において選択された周辺測距枠のAF評価値のピーク位置の平均値を求め、ステップS508において、中央測距枠のAF評価値のピーク位置との差を求める。ここでuは像面湾曲量であり、撮影レンズの設計値より求めることができる。またvは面倒れ量で生産工程において測定される。生産工程において検査を行う近距離において、撮影レンズの対角で同じ像高におけるAF評価値が最大となる位置を測定することで求めることができる。今、測定された対角のピント位置をp、q、中央のピント位置をtとした場合、像面湾曲量u、面倒れ量vはそれぞれ、
u=(p+q)/2−t
v=(p−q)/2
と求められる。 像面湾曲量はこの測定値を用いても良い。
ステップS509においては、ステップS508で求められた中央と周辺のピーク位置の差が大きいか否かの判定を行い、大きい場合はステップS512へ、小さい場合はステップS510へ進む。これは求められた差を所定値と比較し、所定値以上なら差が大きいとみなすことで実行される。所定値は例えば、1.5深度程度の値に設定すれば良い。
次いで、ステップS510でステップS508で求められた差が非常に小さいか否かを判定し、非常に小さい場合はステップS512へ、そうでない場合はステップS511へ進む。これは求められた差を所定値と比較し、所定値以下なら差が非常に小さいとみなすことで実行される。所定値は例えば、4分の1深度から3分の1深度程度の値に設定すれば良い。
このようにすることにより近距離で平面被写体を撮影していると判断された場合はステップS511に進むことになる。そこでステップS511では、中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける4番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。但し。撮影距離が3番目の距離と4番目の距離の中間の場合は上述の補間方法で求めた値を使用する。
ステップS512に進んだ場合は、中央部分の測距枠及び周辺部分の測距枠から得られた情報より平面被写体を撮影していないと判断できる場合である。そこで中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける3番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。
またステップS520においては、中央部分の測距枠で得られたAF評価値の信頼性が低く、合焦動作が不可能と判断されたので、非合焦の処理を行う。
ステップS530に進んだ場合は、像面湾曲の生じるズームポジションではない、撮影距離が像面湾曲の生じる近距離ではない等の理由により像面湾曲は生じていないと判断できる場合である。そこで中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける撮影距離に対応したBP補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。
なお、第1の実施形態では、コンパクトタイプのデジタルカメラを例に説明したが、本発明は、デジタルビデオカメラやデジタルSLRにも適用可能である。また、第1の実施形態では、撮像素子としてCCDを例に説明したが、本発明は他の撮像素子、例えばCMOSセンサであっても適用可能である。
(第2の実施形態)
だ2の実施形態の第1の実施形態との差は、BP補正量は従来通り3つの距離に対して持つが、像面湾曲が生じるような条件で平面被写体を撮影した場合の合焦位置を補正するために、該当のズームポジションについて3番目の距離の補正量から更にフォーカスレンズ群3の位置をシフトするパルスシフト量を持つようにしている点である。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に合焦位置補正量(BP補正量)焦点距離・被写体距離をパラメータとした補正量をデータとして不図示のメモリーに記録している。但し、距離に関しては3つの距離に関する補正量を記録しており、記憶されていな距離における補正量は、その両側の距離の値から補間して求める。最至近の3番目の距離より近い場合は3番目の距離の補正量を用いる。3番目の距離より近い場合は像面湾曲が起こる可能性がある。この距離付近より近側で平面被写体を撮影した場合、光学系の像面湾曲が生じるため、中央のAF枠でのAF評価値信号がピーク値を取るフォーカスレンズ群3の位置と、周辺のAF枠でのAF評価値信号がピーク値を取るフォーカスレンズ群3の位置が異なる。そのため中央のAF枠でのAF評価値信号がピーク値となるフォーカスレンズ群3の位置にフォーカスレンズ群3を制御した場合、周辺の解像感が中央の解像感に比べて劣る場合があり、この場合撮影者は撮影された画像に関して違和感を覚えることがある。
そこで、この3番目の距離より近い距離で撮影が行われた場合は、平面被写体の撮影か否かを判定し、平面被写体を撮影した場合は像面湾曲を考慮し中央部と周辺部の解像感のバランスが取れるように、フォーカスレンズ群3の位置が中央部と周辺部の中間になるようにシフトするようにしている。このシフト量をパルスシフト量と呼ぶ。
そしてこの量は設計値から求められる像面湾曲量と、フォーカスレンズ群3のシフトによる中央部分の解像度の劣化の程度により決める。具体的には設計値から求められる像面湾曲量の半分程度フォーカスレンズ群3をシフトした場合の中央部分の解像感の劣化具合が問題なければ、像面湾曲量の半分程度をパルスシフト量とする。中央部分の解像感の劣化具合に問題があれば、問題ないと判断できるシフト量をパルスシフト量とする。また1番目の距離における補正量は風景など遠距離の撮影における補正量、2番目の距離における補正量は人物撮影など中距離の撮影における補正量であることは第1の実施形態と同じである。
例えば無限遠、2m、50cmの3つの距離における補正量を記録する。この距離は光学系の特性により異なる。この補正値を記録する距離は、焦点距離によって異なるようにしても良い。
次いで、BP補正量をスキャンAFの結果から決定しフォーカスレンズ群3を制御する動作を図7を用いて説明する。第1の実施形態と同じ動作を行う部分は同じ番号を振り、説明も割愛する。
第1の実施形態と同様の動作によりステップS701に到達したならば、中央部分の測距枠で取得したAF評価値から、その値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求め、更にそのピーク位置から被写体の撮影距離を演算する。そしてその距離が所定の距離と比較し、その距離より近い距離であるならばステップS505へ、その距離より遠ければステップS530へ進む。この所定の距離は、例えばBP補正量を記録する際のパラメータとして用いた距離の3番目の距離とすれば良い。
図7に示す第1の実施形態と同様の動作を行うことにより近距離で平面被写体を撮影していると判断された場合はステップS702に進むことになる。そこでステップS702では、中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける3番目の距離の補正値とそのズームポジションにおけるパルスシフト量を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の第1の実施形態との差は、平面被写体を撮影しているか否かの判定方法及び第2の実施形態と同様にBP補正量は3つの距離に対して持つ点である。
BP補正量をスキャンAFの結果から決定しフォーカスレンズ群3を制御する動作を図8を用いて説明する。第1及び第2の実施形態と同じ動作を行う部分は同じ番号を振り、説明も割愛する。
第1及び第2の実施形態と同様の動作によりステップS801に到達したならば、ステップS505で信頼性が高いとみなされピーク位置を算出した周辺測距枠のピーク位置と中央のピーク位置の差を求め、その値が±1深度以内のものを選択する。
次いで、ステップS802において、選択された周辺測距枠の個数をカウントし、その個数が多ければステップS803、少なければステップS512、中間の個数の場合はステップS804へ進む。
個数が多い少ないの判定はそれぞれ所定個数と比較することで行う。いま図6(A)のように11枠を中央部分の測距枠として9個の枠を設定していると仮定するならば、周辺の測距枠個数は8個となるので、選択された周辺測距枠の個数が5個以上であれば、個数が多いと判定しステップS803へ進む。この場合は多くの測距枠が同じような測距結果を示しているので平面被写体を撮影していると判断できる。また選択された測距枠の個数が2個以下の場合は、個数が少ないと判定しステップS512へ進む。この場合は中央部分の測距枠と同じような測距結果を示している測距枠が少ないので、中央部分が主要部分である被写体を撮影していると判断できる。それ以外の場合、すなわち選択された測距枠が3〜4個の場合は、中間個数と判断してステップS804へ進む。この場合は平面被写体ではあるが主要部分は中央部分の測距枠にある被写体を撮影していると判断できる。
ステップS803では、平面被写体を像面湾曲が生じる状態で撮影している場合なので、中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置Fcと、周辺の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置の平均値Foaveの中間点((Fc+Foave)/2)にそのズームポジションにおける3番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。
ステップS804では、平面被写体を像面湾曲が生じる状態で撮影しているが主要部分は中央部分にあるので中央部分を重視してフォーカスレンズ群3の制御を行う。まず中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置Fcと、周辺の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置の平均値Foaveの中間点((Fc+Foave)/2)の位置を求める。次いで中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置Fcにそのズームポジションにおけるパルスシフト量を加えた位置を求める。両者を比較し、より中央のAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置Fcに近い方を選択する。選択された値にそのズームポジションにおける3番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。
ステップS512に進んだ場合は、第1及び第2の実施形態と同様に、中央部分の測距枠及び周辺部分の測距枠から得られた情報より平面被写体を撮影していないと判断できる場合である。そこで中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける3番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の第1の実施形態との差は、像面湾曲が生じるような条件で平面被写体を撮影した場合の合焦位置を補正するために、周辺の測距枠(測距位置)でのAF評価値の情報(測距情報)を用いない点である。
BP補正量をスキャンAFの結果から決定しフォーカスレンズ群3を制御する動作を図9を用いて説明する。第1の実施形態と同じ動作を行う部分は同じ番号を振り、説明も割愛する。
像面湾曲が生じると予想されるズームポジションで撮影が行われていると判定されると、ステップS503からステップS901へ進む。ステップS901では中央部分の測距枠で取得したAF評価値から、その値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求め、更にそのピーク位置から被写体の撮影距離を演算する。そしてその距離を所定の距離と比較し、その距離以下の距離であるならばステップS511へ、その距離より遠ければステップS530へ進む。この所定の距離は、例えばBP補正量を記録する際のパラメータとして用いた距離の3番目の距離と4番目の距離の平均値とすれば良い。
ステップS511において、中央部分の測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける4番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。但し。撮影距離が3番目の距離と4番目の距離の中間の場合は上述の補間方法で求めた値を使用する。
また、第4の実施形態においては、4番目の距離における補正値は、中央部分の解像感を劣化させない設定にしている。これにより誤測距により中央の解像感が劣化することを防止することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態の第1の実施形態との差は、中央部を含む複数の測距枠から得られるAF評価値信号のピークとなるフォーカスレンズ群3の位置から、合焦動作に用いる測距枠を決定し、その位置へ合焦動作を行う点である。
本実施形態では中央と周辺の複数のAF枠にてAF評価値を求めているので、実際はAF評価値信号のグラフが複数存在し、その値が最大値となるフォーカスレンズ位置が異なることもある。よって全てのAF枠に対応するAF評価値信号の信頼性を評価し、そのいずれかの信頼性が十分であれば、そのAF枠におけるAF評価値信号が最大値となる点を求めた後BP補正量を加味した位置にフォーカスレンズ群3を駆動し、ステップS5においてAFOK表示を行う。これは表示素子29を点灯することなどにより行うと同時にLCD上に緑の枠を表示するなどの処理を行う。
またステップS4において、全てのAF枠で得られたAF評価値信号の信頼性が低い場合には、AF評価値信号が最大値となる点を求める処理は行わず、ステップS5に進みAFNG表示を行う。これは表示素子29を点滅表示することなどにより行うと同時にLCD上に黄色の枠を表示するなどの処理を行う。
第5の実施形態の動作を図10を用いて説明する。まずステップS1001において、図3を用いて説明した方法でスキャンAFを行い、各フォーカスレンズ群3の位置におけるAF評価値を取得する。本実施形態においては中央部分を含む複数の測距枠におけるAF評価値を用いてAFを行い、かつ像面湾曲が生じているか否かを判定する必要があるため、中央部分の測距枠の周辺に8つの測距枠および更にその周辺に16個の測距枠を設け、その測距枠におけるAF評価値も同様な方法で取得している。
例えば図6(B)のように9つの測距枠を配置し、22枠が中央部分の測距枠、11枠、12枠、13枠、21枠、23枠、31枠、32枠、33枠が周辺の測距枠、他の16枠を像面湾曲が生じているか否かを判定するための周辺部分の測距枠とすれば良い。但し測距枠の設定の仕方はこれに限定されるものではない。
次いで、ステップS1002において、中央部分とそれに隣接する測距枠で取得したAF評価値の信頼性を評価することで合焦可能か否かの判定を行い、合焦可能ならばステップS1003へ、不可能ならばステップS520へ進む。
本実施形態では中央と周辺の複数の測距枠にてAF評価値を求めているので、その値が最大値となるフォーカスレンズ位置が異なることもある。よって全ての測距枠に対応するAF評価値信号の信頼性を評価し、そのいずれかの信頼性が十分であれば、合焦可能と判断し、その測距枠におけるAF評価値信号が最大値となる点を求める。逆に全ての測距枠で得られたAF評価値信号の信頼性が低い場合には、合焦不可能と判断する。
そして、ステップS1003では信頼性が十分であると判定された測距枠の中から合焦動作に用いる測距枠(以下合焦測距枠)を選択する。その選択の具体的方法は特許第02620235号公報などの特許文献に記載されているので、説明は割愛する。
ステップS503では、スキャンAFが行われたズームポジションが所定のズームポジションか否かを判定する。その結果所定のズームポジションであればステップS1004へ、所定のズームポジションでなければステップS530へ進む。
ステップS1004では合焦測距枠で取得したAF評価値から、その値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求め、更にそのピーク位置から被写体の撮影距離を演算する。そしてその距離が所定の距離と比較し、その距離以下の距離であるならばステップS1005へ、その距離より遠ければステップS530へ進む。この所定の距離は、例えばBP補正量を記録する際のパラメータとして用いた距離の3番目の距離とすれば良い。
ステップS1005では合焦測距の周辺に配置された測距枠のAF評価値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求める。但し、合焦測距枠と同様に、その測距枠で取得したAF評価値の信頼性を評価し、信頼性が低い場合はピーク位置の算出は行わない。例えば、合焦測距枠として図6(B)の11枠が選択されたならば、11枠の周辺に配置された00枠、01枠、02枠、10枠、12枠、20枠、21枠、22枠の信頼性を評価し、信頼性が十分であれば、その測距枠のAF評価値がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置を求める。
次いでステップS1006において、信頼性が高いとみなされピーク位置を算出した合焦測距枠周辺の測距枠のピーク位置と合焦測距枠のピーク位置の差を求め、その値がu−vからu+vまでのものを選択する。
そしてステップS1007において選択された合焦枠周辺測距枠のAF評価値のピーク位置の平均値を求め、ステップS1008において、合焦測距枠のAF評価値のピーク位置との差を求める。ここでuは像面湾曲量であり、撮影レンズの設計値より求めることができる。またvは面倒れ量で生産工程において測定される。
ステップS1009においては、ステップS1008で求められた合焦測距枠とその周辺のピーク位置の差が大きいか否かの判定を行い、大きい場合はステップS1012へ、小さい場合はステップS1010へ進む。これは求められた差を所定値と比較し、所定値以上なら差が大きいとみなすことで実行される。所定値は例えば、1.5深度程度の値に設定すれば良い。
ついでステップS1010でステップS1008で求められた差が非常に小さいか否かを判定し、非常に小さい場合はステップS1012へ、そうでない場合はステップS1011へ進む。これは求められた差を所定値と比較し、所定値以下なら差が非常に小さいとみなすことで実行される。所定値は例えば、4分の1深度から3分の1深度程度の値に設定すれば良い。このようにすることにより近距離で平面被写体を撮影していると判断された場合はステップS1011に進むことになる。
そこでステップS1011では、合焦測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける4番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。但し。撮影距離が3番目の距離と4番目の距離の中間の場合は上述の補間方法で求めた値を使用する。
ステップS1012に進んだ場合は、合焦測距枠及びその周辺の測距枠から得られた情報より平面被写体を撮影していないと判断できる場合である。そこで合焦測距枠で得られたAF評価値信号がピークとなるフォーカスレンズ群3の位置にそのズームポジションにおける3番目の距離の補正値を加えたフォーカスレンズ群3の位置を合焦位置とし、そこへフォーカスレンズ群3を制御する。ステップS520、ステップS530の処理は第1の実施形態と同じである。
(第6の実施形態)
第6の実施形態の第1の実施形態との差は、像面湾曲が生じるような状態で平面被写体を撮影しているか否かを判定する際に、撮影者により設定された撮影モードと顔検出の有無を考慮している点である。
基本的に撮影者が意図をもって撮影していると推測される場合は、撮影者が選択した中央部の測距枠の情報を重視してフォーカスレンズ群3の制御位置を決定し、その意思が小さいと推測される場合は画面全体のバランスを重視しフォーカスレンズ群3の制御位置を決定している。
基本的な動作は第1の実施形態と同じであるので、その説明は割愛する。異なるのは図5のステップS504における近距離か否か判定に使用する所定値が撮影モードと顔検出の有無によって異なる点である。
その所定値の決定の方法図11を用いて説明する。まずステップS1101においてマクロモード(近接撮影モード)に設定されているか否かを判定し、マクロモードに設定されている場合はステップS1110へ進む。
マクロモードに設定させていない場合はステップS1102に進み、プログラムモード(Pモード)、シャッター速度優先モード(Tv優先モード)、絞り優先モード(Av優先モード)のいずれかに設定されているかを調べる。いずれかのモードに設定されていならば、ステップS1110へ進む。
プログラムモード、シャッター速度優先モード、絞り優先モード以外の撮影モードに設定されている場合はステップS1103において、オートモードに設定されているかどうかを調べる。オートモードはシーン判別を行い、測距枠位置、ストロボ発光、ドライブモード、撮影感度など撮影に関する多くの事項をカメラが自動的に設定するモードである。オートモードに設定されている場合はステップS1114へ進む。
オートモード以外に設定されている場合は、ステップS1105において顔検出が成功しているか判定する。なお顔検出機能がオフされている場合は顔検出が失敗したとみなすこととする。顔検出が成功している場合はステップS1106へ、失敗している場合はステップS1107へ進む。
ステップS1106ではスポーツモードに設定されているかを調べる。スポーツモードはその名の通りスポーツをする人を取るための撮影モードで高速連写、高速シャッター、動体追従などの機能が自動に設定される。スポーツモードに設定されている場合はステップS1111へ、設定されていない場合は1112へ進む。
ステップS1107でもスポーツモードに設定されているかを調べ、スポーツモードに設定されている場合はステップS1114へ、設定されていない場合は1113へ進む。
本実施形態では判定の所定距離をLO、L1、L2、L3のいずれかに設定する。L0はBP補正量を持つ際のパラメータの4番目の距離よりも近い距離で、この値に設定した場合、かなりの近距離で撮影し像面湾曲が大きく発生するような場合でない限り、中央部分の測距枠のピーク位置を用いてフォーカスレンズ群3を制御することになる。
L1はBP補正量を持つ際のパラメータの4番目の距離で、像面湾曲が画面にかなり影響を与える程度発生する場合のみ画面全体のバランスを考慮してフォーカスレンズ群3を制御することになる。
L2はBP補正量を持つ際のパラメータの3番目と4番目の中間の距離で、像面湾曲がある程度発生した場合でも画面全体のバランスを考慮してフォーカスレンズ群3を制御することになる。
L3はBP補正量を持つ際のパラメータの3番目と4番目の中間のL2より遠い距離で、少しでも像面湾曲が発生した場合でも画面全体のバランスを考慮してフォーカスレンズ群3を制御することになる。
ステップS1110では判定の所定距離をLOに設定する。これはマクロモードに設定して意図的に近接被写体を撮影している場合や、シャッター速度、絞りを撮影者自らが指定して撮影している場合なので、撮影者が写真に対する知識が豊富と推測できる。よって自らが測距枠とした位置の解像感を重視して、フォーカスレンズ群3を制御するのが、適していると言える。
ステップS1111では判定の所定距離をL1に設定する。これはポートレートモードでの撮影、スポーツモードでの顔があるシーンの撮影なので、かなりの意図をもって測距枠の被写体にピントを合わせようとしていると推測できる。よって自らが測距枠とした位置の解像感をある程度重視して、フォーカスレンズ群3を制御するのが適していると言える。
ステップS1113では判定の所定距離をL2に設定する。これは風景・紅葉・水族館など顔がないシーンモードで顔がないシーンの撮影なので、多少の意図をもって測距枠の被写体にピントを合わせようとしていると推測できる。よって自らが測距枠とした位置の解像感と画面全体のバランスの双方を考慮して、フォーカスレンズ群3を制御するのが適していると言える。
ステップS1112、ステップS1114では判定の所定距離をL3に設定する。これはポートレートモードで顔のないシーンの撮影、オートモードでの撮影なので、意図をもって測距枠の被写体にピントを合わせようとしていると推測できない。よって画面全体のバランスを重視して、フォーカスレンズ群3を制御するのが、適していると言える。
以上のように、上記の実施形態においては 、像面湾曲が生じた状態で平面被写体を撮影する場合においてのみ合焦位置補正量を異ならせることが可能になるので、平面被写体を撮影した場合は全体の解像感のバランスのとれた画像が撮影でき、中央部と周辺部で被写体距離の異なる被写体を撮影した場合は主被写体に精度良くピントのあった解像感の高い画像を撮影することが可能になる。
更に、ポートレート・スポーツ・風景・マクロ/非マクロ・オートなどの撮影モードや、顔検出結果によって、像面湾曲が生じたか否かの判定基準のひとつである被写体距離を異ならせることで、より撮影者の意図に沿った像面湾曲が生じた状態で平面被写体を撮影をしているか否かの判定を可能にしている。
また像面湾曲と倒れを分離して考慮し、平面被写体か否かを判定することで、平面被写体の撮影か否かの判定の正確さを増している。