JP2014053863A - 撮影機器 - Google Patents

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啓介 齋藤
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Abstract

【課題】流し撮り撮影において最適撮影パラメータを自動設定することで、簡単に高画質の流し撮り撮影画像を得る。
【解決手段】 撮影機器は、動体を連続撮影して得た画像を上記動体の位置を基準に合成することにより流し撮り効果画像を得る撮影機器において、上記動体を連続撮影可能な撮像部と、上記動体の移動速度を検出する動体検出部と、上記動体の移動速度に基づいて上記撮像部が連続撮影を行う露光時間を決定し、上記露光時間における露出を算出する露出決定部と、上記露出決定部が算出した露出に従って上記撮像部を制御して、上記動体を連続撮影する流し撮り制御部とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続撮影機能を備えた撮影機器に関する。
近年、デジタルカメラなどの撮影機能付き携帯機器(撮影機器)が普及している。この種の撮影機器においては、撮影時の種々の設定が自動化されたものがある。例えば、デジタルカメラ等には、ピント合わせを自動化したAF機能や、露出を自動化した自動露出(AE)機能を搭載したものがある。
露出調整はレンズの絞りとシャッタ速度とを変化させることで行われる。最適な露出を得るための絞りとシャッタ速度とは様々な値を取り得る。デジタルカメラ等では、絞りとシャッタ速度の関係を規定したプログラム線図を用いて、最適露出を与える絞り及びシャッタ速度を決定している。
更に、特許文献1においては、流し撮り撮影を簡単に行う流し撮りモードを備えた撮影機器が開示されている。特許文献1の装置においては、撮影モードにおいて、流し撮りモード設定ボタンの押下操作により流し撮りモードに設定された状態で、シャッターボタンが押下操作されると、撮像センサを用いた連写によって複数の合成用画像が取得される。連写終了後、画像合成部で、各合成画像間で相対的な位置が変化している動体に対応する部分画像(動体画像)を検出する。そして、当該検出されたそれぞれにおける動体画像の位置が略一致するように複数の合成用画像を用いて合成することで1フレームの合成画像を生成する。
特開2006−25312号公報
しかしながら、特許文献1の発明においては、流し撮り撮影に適した撮影パラメータを設定するために、極めて煩雑な操作が必要であるという問題があった。
本発明は、流し撮り撮影において最適撮影パラメータを自動設定することで、簡単に高画質の流し撮り撮影画像を得ることができる撮影機器を提供することを目的とする。
本発明に係る撮影機器は、動体を連続撮影して得た画像を上記動体の位置を基準に合成することにより流し撮り効果画像を得る撮影機器において、上記動体を連続撮影可能な撮像部と、上記動体の移動速度を検出する動体検出部と、上記動体の移動速度に基づいて上記撮像部が連続撮影を行う露光時間を決定し、上記露光時間における露出を算出する露出決定部と、上記露出決定部が算出した露出に従って上記撮像部を制御して、上記動体を連続撮影する流し撮り制御部とを具備する。
本発明によれば、流し撮り撮影において最適撮影パラメータを自動設定することで、簡単に高画質の流し撮り撮影画像を得ることができるという効果を有する。
本発明の一実施の形態に係る撮影機器の回路構成を示すブロック図。 流し撮り効果モードを説明するための説明図。 本実施の形態における流し撮り効果モードにおける制御を説明するための説明図。 分割露光時間と露光時間との関係を示す説明図。 カメラ制御を説明するためのフローチャート。 表示部35の表示例を示す説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る撮影機器の回路構成を示すブロック図である。
本実施の形態における撮影機器1は、本体部10及び交換レンズ20によって構成されている。本体部10は、撮影機器1の主要な回路部分が収納された筐体であり、前面に交換レンズ20が着脱自在に取り付けられている。
交換レンズ20は、鏡筒22内に、本体部10の撮像部12に被写体像を導く光路部21を有している。光路部21は、ズームやフォーカシングのためのレンズ及び絞り等を備えており、これらのレンズ及び絞りを駆動するピント制御部21a、ズーム制御部21b及び絞り機構部21cを有する。ピント制御部21a、ズーム制御部21b及び絞り機構部21cは駆動部24及び絞り制御部25によって駆動制御されるようになっている。
光路部21は、物体側から撮像部12の撮像面(像面)に至る光軸上に図示しない複数のレンズが配置されて構成される。光路部21中には、ピント合わせによりフォーカス(合焦)状態に設定するために可動されるフォーカスレンズ及びフォーカス状態で変倍するズームレンズを有する。
フォーカス制御及びズーム制御を行うためには、光路部21中の各レンズの光軸方向の位置(以下、群位置という)を把握する必要がある。交換レンズ20の制御部23が群位置を把握するために、初期位置検出部26a及び群位置検出部26bが設けられている。初期位置検出部26aは各レンズの初期位置を検出し、群位置検出部26bは各レンズの群位置を検出する。
絞り機構部21cは、絞り制御部25に制御されて、図示しない絞りを駆動する。絞りは、例えば、光路部21の所定のレンズ相互間に配置される。
鏡筒22には、ユーザによる撮影に関するパラメータ、例えば、ズームや絞りに関するパラメータの設定操作のために、操作リング22aが設けられている。操作検出部27は、操作リング22aに対するユーザ操作を検出して検出結果を制御部23に出力する。制御部23は、マイコン等によって構成されており、操作検出部27の検出結果及び後述する本体部10の信号処理及び制御部11からの信号に基づいて、各部を制御する。制御部23の駆動制御部23aは、操作検出部27の検出結果及び信号処理及び制御部11の制御に従って各種制御信号を発生する。例えば、駆動制御部23aは、フォーカス信号及びズーム信号を発生して、駆動部24を制御する。また、駆動制御部23aは、絞り制御信号を発生して、絞り制御部25を制御する。
駆動部24は、フォーカス信号に基づいてピント制御部21aを駆動制御し、ズーム信号に基づいてズーム制御部21bを駆動制御する。また、絞り制御部25は、絞り制御信号に基づいて絞り機構部21cを駆動制御する。
制御部23は、初期位置検出部26a及び群位置検出部26bの検出結果が与えられ、例えば、信号処理及び制御部11の制御に対応したピント位置、ズーム位置、絞り状態となるように駆動部24及び絞り制御部25を制御する。リセット部23bは、電源投入時等におけるリセット動作を制御するものであり、各機構部を初期位置に設定する。
交換レンズ20には、通信部28が設けられている。また、本体部10には通信部13が設けられている。通信部28は、所定の伝送路を介して本体部10の通信部13との間で情報の送受を行う。制御部23は、本体部10の通信部13との間の通信が確立すると、図示しない記録部に格納したレンズ情報及びズーム操作に関するズーム情報等を通信部28,13によって本体部10に送信させることができる。
レンズ情報により、本体部10は、交換レンズ20がどのようなズーム機能を有しているか、ズームレンズの焦点距離範囲(倍率)、焦点距離、明るさナンバー等を認識することができる。また、制御部23は、操作検出部27の検出結果の情報も本体部10に送信することができる。また、制御部23は、ピント位置、ズーム位置、絞り状態等の情報を本体部10に送信してもよい。制御部23は、通信部13,28を介して本体部10の信号処理及び制御部11から制御信号が供給されて、信号処理及び制御部11によって制御可能に構成されている。
撮影機器1を構成する本体部10は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子によって構成された撮像部12を有している。撮像部12は、本体部10の前面に設けられた交換レンズ20からの被写体像を光電変換して撮影画像を得る。撮像部12は、連続撮影が可能であり、信号処理及び制御部11によって駆動制御されて、撮影画像を出力する。
信号処理及び制御部11は、CPU等によって構成されて撮影機器1の各部を制御する。信号処理及び制御部11は、撮像部12に撮像素子の駆動信号を出力すると共に、撮像部12からの撮影画像を読み出す。信号処理及び制御部11は、読み出した撮影画像に対して、所定の信号処理、例えば、色調整処理、マトリックス変換処理、ノイズ除去処理、その他各種の信号処理を行う。
本体部10には、時計部14及び操作判定部15も配設されている。時計部14は信号処理及び制御部11が用いる時間情報を発生する。操作判定部15は、本体部10に設けられた図示しないレリーズボタン、ファンクションボタン、撮影モード設定等の各種スイッチ等を含む操作部に対するユーザ操作に基づく操作信号を発生して、信号処理及び制御部11に出力するようになっている。信号処理及び制御部11は、操作信号に基づいて、各部を制御する。
信号処理及び制御部11は、信号処理後の撮影画像を圧縮処理し、圧縮後の画像を記録部16に与えて記録させることができる。記録部16としては、例えばカードインターフェースを採用することができ、記録部16はメモリカード等の記録媒体に画像情報及び音声情報等を記録可能である。
信号処理及び制御部11の表示制御部11aは表示に関する各種処理を実行する。表示制御部11aは、信号処理後の撮影画像を表示部35に与えることができる。表示部35は、LCD等の表示画面を有しており、表示制御部11aから与えられた画像を表示する。また、表示制御部11aは、各種メニュー表示等をこれらの表示画面に表示させることもできるようになっている。
表示部35は、後述するように、撮像画像を表示する表示画面35aを有している。また、表示画面35a上には、タッチパネル36が設けられている。タッチパネル36は、ユーザが指で指し示した表示画面35a上の位置に応じた操作信号を発生することができる。この操作信号は、信号処理及び制御部11に供給される。これにより、信号処理及び制御部11は、ユーザが表示画面35a上をタッチしたりスライドさせたりした場合には、ユーザのタッチ位置、指を離間させる操作、スライド操作やスライド操作によって到達した位置、スライド方向、タッチしている期間等の各種操作を検出することができ、ユーザ操作に対応した処理を実行することができるようになっている。
なお、表示部35は、本体部10の例えば背面の略全域を占めるように配設されており(図6参照)、撮影者は、撮影時に表示部35の表示画面35a上に表示されたスルー画を確認することができ、スルー画を確認しながら撮影操作を行うことができる。
本実施の形態においては、信号処理及び制御部11は、流し撮り撮影を行うための流し撮り効果モードを設定可能である。流し撮り効果モードを可能にするために、信号処理及び制御部11は、動体検出部11b、露光時間決定部11c、露出決定部11d及び流し撮り制御部11eを備える。
図2は流し撮り効果モードを説明するための説明図である。図2(a)は撮影機器1の撮影範囲41内において、樹木43,44aを背景として、樹木43,44の手前側を1人の人物42が左側から右側に向かって移動している様子を示している。即ち、人物42,42a〜42cは、同一人物であり、その移動の軌跡を人物42a〜42cとして示している。即ち、撮影範囲41を固定して連続撮影を行うと、固定している樹木43,44は、撮影範囲41の同一位置において撮像され、移動している人物42は、移動途中の人物42a〜42cに示すように、移動に応じた位置で順次撮影される。
流し撮り効果モードにおいては、このように複数枚の連続撮影を行い、移動している人物42を同一位置に重ねて、連続撮影した画像を合成する。例えば、図2(a)の人物42b、42c、42を連続撮影によって撮像し、撮像した3枚の画像を合成する。そうすると、人物42の移動に応じて、3枚の画像の背景がずれて合成されることになり、流し撮り撮影と同様の撮像画像が得られる。
図2(b)はこのような3枚の連続撮影による撮像画像を合成する流し撮り効果モードにおける合成画像45を示している。合成画像45は、連続撮影された人物42の移動量に応じて樹木43a,44aはぶれた画像となる。
本実施の形態においては、流し撮り効果モードにおいて、露出に関する撮影パラメータを、動体の動きに応じて最適な値に自動的に設定することができるようになっている。
図3は本実施の形態における流し撮り効果モードにおける制御を説明するための説明図である。図3は図2に対応したものであり、人物42の移動の軌跡を人物42a〜42d,42によって示している。
流し撮り効果モードにおいては、連続撮影した画像を、動体の位置を固定して合成することで、流し撮り撮影時と同様の合成画像(以下、流し撮り効果画像という)を得る。複数枚の画像を画像合成して1枚の流し撮り効果画像を得るようになっており、連続撮影時における各撮影(以下、分割撮影という)は、露出アンダーで撮影する必要がある。
そこで、本実施の形態においては、動体の速度に応じて、露出量を自動的に決定することで、最適露出の流し撮り効果画像を得るようになっている。
また、動体の位置を固定して各分割撮影による画像を合成することから、流し撮り効果画像は、各分割撮影の共通の視野範囲部分のみの画像となり、通常モードにおける視野範囲よりも狭い視野範囲となる。即ち、連続撮影時の視野範囲と得られた流し撮り効果画像の視野範囲との相違から、撮影者にとって違和感のある撮影が行われてしまう。
そこで、本実施の形態においては、流し撮り効果モードが指定されると、表示制御部11aは、撮像画像の例えば中央の所定領域の画像を切出して表示部35に与えることにより、流し撮り効果画像の視野範囲と同一サイズの視野範囲のスルー画を表示部35に表示させるようになっている。これにより、流し撮り効果モードの撮影時においても、スルー画によって、実際に得られる流し撮り効果画像を比較的簡単に類推することができ、違和感のない撮影が可能となる。
図3において、一番外側の枠は撮像部12の撮像面に対応した撮影領域の全体を示している。流し撮り効果画像の視野範囲と同一サイズの視野範囲が、分割撮影の視野範囲(以下、分割撮影範囲)となる。即ち、撮像面の全撮影領域のうち一部の領域は、流し撮り効果画像の作成に用いられない。そこで、本実施の形態においては、流し撮り効果画像の作成に用いられない一部の撮影領域を動体の速度検出用の領域として用いる。
例えば、撮影対象の動体である人物42が撮像面に基づく視野範囲(以下、全視野範囲という)の左側から現れた場合には全視野範囲の左側に動体速度検出用の領域を設け、右側から現れた場合には全視野範囲の右側に動体速度検出用の領域を設ける。動体検出部11bは、この動体速度検出用の領域において、動体の移動速度を検出する。
例えば、動体検出部11bは、視野範囲内に等間隔に検出ポイントを設定し、検出ポイント相互間の距離(検出ポイント距離)の移動に要したフレーム数によって、動体移動速度を求める。例えば、検出ポイント距離を、全視野範囲の水平方向距離の1/16に設定する。動体検出部11bは、撮像画像から動体移動速度を検出するので、撮像画像のフレームレートが検出のサンプリングレートと考えることができる。例えば、動体検出部11bは、下記(1)式によって動体移動速度を求める。
動体移動速度=(1/サンプリングレート)×フレーム数 …(1)
露光時間決定部11cは、求められた動体移動速度に基づいて、露光時間を決定する。露光時間決定部11cが決定する露光時間において、連続撮影の各分割撮影が行われる。従って、露光時間決定部11cは、露光時間に、撮影対象の動体が視野範囲の略中央近傍を移動しながら撮影されるように、視野範囲の中央の一部に露光区間を設定する。露光時間決定部11cは、動体が露光区間の移動に要する時間に基づいて露光時間を決定する。
例えば、露光時間決定部11cは、露光区間の距離と、検出ポイント距離と動体移動速度に基づいて下記(2)式によって露光時間を求める。
露光時間=(露光区間距離/検出ポイント距離)×動体移動速度 …(2)
露出決定部11dは、上記(2)式によって求めた露光時間(シャッタ速度)を元に、絞りと感度を算出する。例えば、露出決定部11dは、スルー画時の輝度を基準にして、シャッタ速度、絞り及び感度のAPEX値を用いた演算によって、絞り及び感度を算出する。
流し撮り制御部11eは、露光時間決定部11cが決定したシャッター速度、露出決定部11dが決定した絞り及び感度を設定して、撮像部12を制御して分割撮影を行う。この場合、動体の移動速度が比較的高速である場合には、露光時間内において十分な数の分割撮影が行われない可能性がある。そこで、流し撮り制御部11eは、動体の移動速度に応じて分割撮影におけるフレームレート、即ち、各分割撮影における露光時間(以下、分割露光時間という)を決定する。なお、一般的には、分割露光時間は、被写体ブレを起こしにくい値を基準とし、例えば、1/120s(秒)以下が望ましい。
図4は分割露光時間と露光時間との関係を示す説明図である。図4のシャッタ開期間が露光時間に相当する。この露光時間において、サンプリングパルス(垂直同期信号)VDに従って、分割撮影が行われる。図4の例では、露光時間内にA〜Gの分割撮影が行われる例を示している。即ち、分割露光回数(分割撮影回数)は、下記(3)式によって与えられる。
分割露光回数=露光時間/分割露光時間 …(3)
なお、分割露光時間を決定することにより分割露光回数が決定される例を示したが、分割露光回数が所定の回数以上となるように、分割露光時間を決定するようにしてもよい。分割露光時間、即ち、撮像部12の撮像フレームレートが比較的低い場合には、分割撮影によって得られる画像に被写体ブレが生じる可能性がある。そこで、動体速度に応じて先ず分割露光時間を決定した方がよい。一般的には、被写体ブレを起こしにくいとされるシャッタ速の上限は、1/120s(秒)と言われている。なお、分割露光時間の上限値は、1/120sである必要はない。
例えば、流し撮り制御部11eは、以下の条件に従って、分割露光時間を例えば1/120sと1/240sとで切換えてもよい。
露光時間/(1/120)≧最低分割回数ならば、分割露光時間として1/120sを選択する。
露光時間/(1/120)<最低分割回数ならば、分割露光時間として1/240sを選択する。
なお、分割露光時間として1/120s,1/240sの例を示したが、他の時間を選択可能に構成されていてもよいことは明らかである。
また、流し撮り制御部11eは、分割撮影を開始するタイミングを決定する。即ち、流し撮り制御部11eは、動体が予め設定された露光区間に到達するまでの時間を求める。例えば、流し撮り制御部11eは、下記(4)式によって、露光を開始するまでの時間を求める。
露光開始までの時間={(露光区間の位置−現在位置)/検出ポイント距離}×(移動速度×サンプリングレート) …(4)
例えば、図3は3回の分割撮影を行う例を示しており、人物42が人物42cで表す露光区間の開始位置に到達したタイミングで破線に示す分割撮影範囲の1回目の分割撮影を行い、更に、人物42が人物42dで表す位置に到達したタイミングで実線に示す分割撮影範囲の2回目の分割撮影を行い、最後に、人物42が人物42で表す位置に到達したタイミングで一点鎖線に示す分割撮影範囲の3回目の分割撮影が行われる。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図5及び図6を参照して説明する。図5はカメラ制御を説明するためのフローチャートである。また、図6は表示部35の表示例を示す説明図である。
撮影機器1の電源が投入されると、信号処理及び制御部11は、図5のステップS1において、撮影モードが指示されたか否かを判定する。撮影モードが指示されていない場合には、信号処理及び制御部11は、再生モードに移行する。撮影モードが指示されると、信号処理及び制御部11は、ステップS2において、撮像部12からの画像信号に基づいて、表示部35に撮像画像(スルー画)をライブビュー表示させる。
次に、表示制御部11aは、例えばユーザ操作に基づいて、流し撮り効果モードを指定するためのメニュー表示を表示する。図6(a)はスルー画上に表示されたメニュー表示を示している。本体部10の上面には、レリーズボタン51が配設され、背面右側には、選択ボタン52及びカーソルスイッチ53が配設されている。本体部10の背面中央の略全域には、表示部35の表示画面35aが配設されている。表示画面35a上には、スルー画61が表示されている。スルー画61中には、背景である樹木43,44の画像が表示されている。スルー画61上には、メニュー表示62,63が表示されている。メニュー表示62は、流し撮り効果モードを指定するための表示であり、メニュー表示63は、他のモードを指定するための表示である。
信号処理及び制御部11は、ステップS3において流し撮り効果モードが指定されるか否かを判定している。通常撮影に関する他のモードが指定されると、信号処理及び制御部11は、ステップS4において通常撮影のために待機する。
ここで、図6(b)に示すように、ユーザがメニュー表示62の表示上を指64でタッチして流し撮り効果モードを選択するものとする。なお、この操作は、カーソルスイッチ53及び選択ボタン52を用いても行うことができる。表示制御部11aは、図6(c)に示すように、流し撮り効果モード用のスルー画65を表示する(ステップS5)。スルー画65はスルー画61の中央の部分を切出して拡大表示したものであり、流し撮り効果画像の視野範囲と同一サイズの視野範囲を有する。ユーザはこのスルー画65によって、流し撮り効果モードで撮影を行った場合における視野範囲を撮影及び合成前に確認することができ、違和感のない撮影が可能となる。
次に、動体検出部11bは、ステップS6において、撮像画像から動体を検出する。この動体検出は、全撮影領域の左右端部に対応する領域、即ち、表示画面35aに表示されていない速度検出用領域において行われる。動体検出部11bは、ステップS7において一定時間動体検出が行われなかったことを判別すると、ステップS8においてその旨の警告画面表示を表示し(図示省略)、再度図6(a)のメニュー表示を表示する。
一定時間が経過する前に動体が検出されると、ステップS9において動体移動速度の検出が開始される。動体検出部11bは、例えば上記(1)式に従って動体移動速度を検出する。動体検出部11bは、動体移動速度の検出のために動体を追尾しており、表示制御部11aは、追尾位置を示す追尾表示67をスルー画65上に表示させる(図6(d))。図6(d)においては、スルー画65中に左端から人物66が動体として視野範囲内に進入してきたことを示している。
動体検出部11bは、ステップS11において動体が動体移動速度の検出終了ポイントに到達したか否かを判定する。動体が検出終了ポイント到達しない場合には、動体が消失したことを示す警告画面表示を行う(ステップS12)。動体が検出終了ポイントに到達すると、動体検出部11bは、動体移動速度の算出結果を取得する(ステップS13)。
動体の移動速度が極めて高速である場合には、露光区間において複数回の分割撮影を行うことができない。そこで、動体検出部11bは、動体移動速度が閾値よりも速いか否かを判定し(ステップS14)、速い場合には流し撮り効果モードでの撮影が不可能であることを示す警告画面表示を表示して(ステップS12)処理を終了する。
動体移動速度が閾値よりも遅い場合には、露光時間決定部11cはステップS15において、露光時間を算出する。露光時間決定部11cは、例えば上記(2)式に従って露光時間を決定する。露出決定部11dは、ステップS16において露出を算出する。露出決定部11dは、ステップS15において求められた露光時間(シャッタ速度)を元に、絞りと感度を算出して露出を決定する。
流し撮り制御部11eは、ステップS17において、分割露光時間を決定する。通常、撮像部12は、複数のフレームレートから1つを選択して撮像を行うことができるようになっており、流し撮り制御部11eは、これらのフレームレートの1つを選択して分割露光時間を設定する。また、流し撮り制御部11eは、全体の露光時間と分割露光時間とに基づいて、分割露光回数を求める(ステップS18)。
次に、流し撮り制御部11eは、分割撮影を開始するタイミング、即ち、撮影開始ポイントまでの時間を算出する(ステップS19)。流し撮り制御部11eは、求めた撮影開始ポイントに動体が到達したか否かを判定する(ステップS20)。
図6(e)は、図6(d)の人物66が、ステップS20において撮影開始ポイントに到達したと判定されるまでに、追尾表示67aに示す人物66aとして追尾されていることを示している。この人物66aが更に移動して、撮影開始ポイントに到達するものとする。そうすると、流し撮り制御部11eは、撮像部12を制御して、露光時間決定部11cが決定したシャッター速度、露出決定部11dが決定した絞り及び感度により、動体移動速度に応じて選択した分割露光時間によって、撮像部12を制御して分割撮影を行う(ステップS24)。
なお、流し撮り制御部11eは、動体が撮影開始ポイントに到達する前に、ユーザによるレリーズ操作を検出すると(ステップS22)、ステップS23において、ステップS21と同様の条件により分割撮影を行う。なお、分割撮影時には、表示画面35a上にスルー画を表示するこができないこともある。
分割撮影が終了すると(ステップS25)、流し撮り制御部11eは、分割撮影して得た複数の画像を合成する。即ち、流し撮り制御部11eは、複数の分割撮影による画像を動体の位置が一致するように合成する。図6(f)はこの場合の画面表示を示しており、表示画面35a上には、合成中であることを示す文字のみが表示される。合成画像である流し撮り効果画像は、記録部16によって図示しない記録媒体に記録される。
表示制御部11aは、合成画像である流し撮り効果画像をレックビュー表示する(ステップS27)。図6(g)は流し撮り効果画像のレックビュー表示を示しており、動体である人物の画像71は比較的はっきりした輪郭で表示され、背景である樹木の画像72,73は、人物の動きに応じてぼけた画像となっている。レックビュー表示が終了すると、表示制御部11aは、表示画面35a上にスルー画71を表示する。
(具体例)
次に、本実施の形態において、動体速度が速い場合と遅い場合とで、露光条件がどのように設定されるかを具体的に説明する。なお、以下の例では、検出サンプリングレート(撮像フレームレート)を240fps、検出ポイント距離を撮像面全体の1/16、露光区間距離を検出ポイント距離×2として説明する。
(動体移動速度が速い例)
この例では、動体移動速度の検出開始から動体移動速度の検出終了ポイントに到達するまでに要したフレーム数(検出フレーム数)は2フレームであるものとする。従って、上記(1),(2)式により、以下が得られる。
動体移動速度=(1/240)×2=1/120
露光時間 =(2x/x)×(1/120)=1/60(s)
(xは検出ポイント距離)
検出時の設定がISO1600=9(APEX)、F値 =F22=8(APEX)であるものとすると、
被写体輝度値 =9+8−9=8(APEX)となる。流し撮り露光のISOをISO100=5(APEX)と設定した場合には、絞り値は、
シャッタ速度=1/60=6(APEX)を用いて、
絞り値 =8+5−6=7(APEX)=F11となる。
このように、動体移動速度から、シャッタ速=1/60、ISO感度=ISO100、絞り=F11と、露出条件を決定することができる。
また、分割露光時間は、動体移動速度が比較的高速であるので、例えば1/240sに設定する。従って、分割露光回数は、(3)式から、
分割露光回数=(1/60)/(1/240)=4
また、撮影開始タイミングは、全撮影範囲の7/16の位置を露光区間の開始位置に設定し、現在位置(速度検出の終了ポイント)が全撮影範囲の1/16の位置であるものとすると、(4)式から、
撮影開始タイミング={(7/16−1/16)/(1/16)}×{(1/120)×240}]=12
となり、12フレーム後に撮影を開始すればよいことになる。
(動体移動速度が遅い例)
この例では、動体移動速度の検出開始から動体移動速度の検出終了ポイントに到達するまでに要したフレーム数(検出フレーム数)は60フレームであるものとする。従って、上記(1),(2)式により、以下が得られる。
動体移動速度=(1/240)×60=1/4
露光時間 =(2x/x)×(1/4)=1/2(s)
(xは検出ポイント距離)
検出時の設定がISO1600=9(APEX)、F値 =F5.6=5(APEX)であるものとすると、
被写体輝度値 =9+5−9=5(APEX)となる。流し撮り露光のISOをISO100=5(APEX)と設定した場合には、絞り値は、
シャッタ速度=1/2=1(APEX)を用いて、
絞り値 =5+5−1=9(APEX)=F22となる。
このように、動体移動速度から、シャッタ速=1/2、ISO感度=ISO100、絞り=F22と、露出条件を決定することができる。
また、分割露光時間は、動体移動速度が比較的低速であるので、例えば1/120sに設定する。従って、分割露光回数は、(3)式から、
分割露光回数=(1/2)/(1/120)=60
また、撮影開始タイミングは、全撮影範囲の7/16の位置を露光区間の開始位置に設定し、現在位置(速度検出の終了ポイント)が全撮影範囲の1/16の位置であるものとすると、(4)式から、
撮影開始タイミング={(7/16−1/16)/(1/16)}×{(1/4)×240}]=360
となり、360フレーム後に撮影を開始すればよいことになる。
このように本実施の形態においては、流し撮り効果モードにおいて、動体の移動速度に基づいて最適な露出条件を求めて、自動的に最適な露出を設定して分割撮影を行うようになっている。これにより、高画質の流し撮り効果画像を得ることができる。また、流し撮り効果モードでは、動体の移動速度に基づいて最適な撮影開始タイミングを求めて、自動的に最適なタイミングで分割撮影を開始するようになっており、動体の移動速度に拘わらず、動体が最適な位置に表示された流し撮り効果画像を得ることができる。更に、流し撮り効果モードが開始されると、全撮影範囲の中央を切出して、流し撮り効果画像の視野範囲と同じサイズの視野範囲のみをスルー画表示するようになっており、撮影者はスルー画によって、流し撮り効果画像の視野範囲を確認することができ、違和感のない撮影が可能である。
さらに、本発明の各実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話やスマートフォンなど携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等に内蔵されるカメラでも勿論構わない。
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
なお、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。また、これらの動作フローを構成する各ステップは、発明の本質に影響しない部分については、適宜省略も可能であることは言うまでもない。
1…撮影機器、10…本体部、11…信号処理及び制御部、11a…表示制御部、11b…動体検出部、11c…露光時間決定部、11d…露出決定部、11e…流し撮り制御部、12…撮像部、20…交換レンズ、23…制御部、35…表示部。

Claims (5)

  1. 動体を連続撮影して得た画像を上記動体の位置を基準に合成することにより流し撮り効果画像を得る撮影機器において、
    上記動体を連続撮影可能な撮像部と、
    上記動体の移動速度を検出する動体検出部と、
    上記動体の移動速度に基づいて上記撮像部が連続撮影を行う露光時間を決定し、上記露光時間における露出を算出する露出決定部と、
    上記露出決定部が算出した露出に従って上記撮像部を制御して、上記動体を連続撮影する流し撮り制御部と
    を具備したことを特徴する撮影機器。
  2. 上記流し撮り制御部は、上記動体の移動速度に基づいて、上記連続撮影における1回の撮影の分割露光時間及び連続撮影の回数を決定する
    ことを特徴する請求項1に記載の撮影機器。
  3. 上記流し撮り制御部は、上記動体の移動速度に基づいて、上記連続撮影の開始タイミングを決定する
    ことを特徴する請求項1又は2に記載の撮影機器。
  4. 上記流し撮り効果画像を得るためのモードへの移行に従って、上記流し撮り効果画像の視野範囲と同じサイズの視野範囲でスルー画を表示する表示制御部
    を具備したことを特徴とする1乃至3のいずれか1つに記載の撮影機器。
  5. 上記動体検出部は、上記撮像部の全撮影領域のうち上記スルー画によって表示されない領域に対応する撮影領域を利用して上記動体の移動速度を検出する
    ことを特徴する請求項1乃至4のいずれか1つに記載の撮影機器。
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