JP5780597B2 - 充電装置 - Google Patents
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Description
直流出力電力にリプル量が含まれると、バッテリーに安定した直流出力電力を供給することができなくなるため、バッテリーの寿命に影響を与え、ひいてはユーザーに過大な保守費用の負担を課すことになる。このため、充電装置では、直流出力電力におけるリプル量を低減させる必要がある。
DC/DCコンバータ回路内の温度を検出する温度センサをさらに備え、
制御回路は、
フィードバック制御によりスイッチ手段のオン/オフ制御量を算出する制御量算出部と、
DC/DCコンバータ回路から出力されるリプル補正処理前の出力波形を正弦波で近似した補正パターンに基づいて第1補正量を決定する第1補正量決定部と、
同期信号が出力されてから次の同期信号が出力されるまでの周期が複数の位相区間に分割されているものとみなされ、位相区間ごとに設定された歪み補正量を格納する記憶部と、
記憶部に格納された歪み補正量から、同期信号を基準に特定した現在の位相が含まれる位相区間の歪み補正量を選択し、該歪み補正量により第1補正量を調整して第2補正量を決定する第2補正量決定部と、
を有し、
リプル補正処理として、第2補正量によりオン/オフ制御量を調整してデューティ比を算出し、
記憶部には、位相区間および温度に対応する歪み補正量が示された歪み補正量決定テーブルが格納されており、
第2補正量決定部は、歪み補正量決定テーブルを参照して歪み補正量を選択することを特徴とする。
したがって、この構成によれば、確実にリプル量の低減を図ることができ、その結果、バッテリーに安定した直流出力電力を供給することができる。
また、一般に、正弦波状の補正パターンでキャンセルしきれないリプル量は、位相区間や温度によって異なる。しかしながら、この構成によれば、位相区間および温度に対応する歪み補正量が示された歪み補正量決定テーブルを参照して適切な歪み補正量を選択することができるので、より確実にリプル量の低減を図ることができる。
スイッチ手段で構成され、直流入力電力から1次側交流電力を生成するインバータ部と、
1次側交流電力を2次側交流電力に変換するトランスと、
2次側交流電力を整流および平滑して直流出力電力を生成する出力部と、
を有し、
上記複数の位相区間に、少なくとも、トランスの2次側交流電流において発生する歪みが顕著に現れる位相区間と、歪みが顕著に現れない位相区間とが含まれることが好ましい。
しかしながら、この構成によれば、トランスの2次側交流電流において発生する歪みが顕著に現れる位相区間と、歪みが顕著に現れない位相区間とでそれぞれ適切な歪み補正量を設定することができるので、確実にリプル量の低減を図ることができる。
この構成によれば、分割数が8〜16であるため、リプル量の低減効果と第2補正量決定部にかかる処理負荷の増大防止との両立を図ることができる。
補正パターンの振幅を1に正規化した補正基本パターンを格納する補正基本パターン格納手段と、
直流出力電力の電力値を算出する電力値算出手段と、
リプル補正処理前の直流出力電力の電力値と正弦波の振幅に相当するリプル量との相互関係を示す相互関係データに基づいて、電力値算出手段で算出された電力値に対応したリプル量から補正ゲインを決定する補正ゲイン決定手段と、
を有し、
補正ゲインを補正基本パターンに乗算することにより補正パターンを算出する構成とすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る充電装置1のブロック図である。
同図に示すように、充電装置1は、商用交流電源(AC100V、50Hz/60Hz)等の交流電源2Aから供給された交流電力を整流および平滑して直流入力電力を生成する整流平滑回路3と、直流入力電力をスイッチ手段5a〜5dでスイッチングしてバッテリー2Bに供給すべき直流出力電力に変換するDC/DCコンバータ回路4と、直流出力電力の電力値が予め設定された目標電力値となるようにスイッチ手段5a〜5dのデューティ比を制御する制御回路8とを備えている。
図2は、制御回路8のブロック図である。
同図に示すように、制御回路8は、例えばマイクロコンピュータとその上で実行されるプログラムとからなり、スイッチ手段5a〜5dのオン/オフ制御量を算出する制御量算出部21と、第1補正量を決定する第1補正量決定部22と、記憶部24に格納された歪み補正量により第1補正量を調整して第2補正量を決定する第2補正量決定部23とを有し、第2補正量によりオン/オフ制御量を調整してデューティ比を算出するリプル補正処理を行う。なお、第1補正量、歪み補正量および第2補正量の詳細については、後述する。
補正基本パターンは、DC/DCコンバータ回路4から出力されるリプル補正処理前の出力波形を正弦波で近似し(図3(b)参照)、極性を上下反転させた補正パターン(図3(c)参照)を、振幅が1になるように正規化したものである。
補正パターンおよび補正基本パターンのリプル周期は、ダイオードブリッジ回路9により全波整流された電圧波形(図3(a)参照)の周期と同じである。
補正ゲイン決定手段22cには、交流電源2Aから供給される交流電力の周波数や温度等の条件に応じて異なる複数の相互関係データが予め格納されている。
歪み補正量は、この増加したリプル量をキャンセルするためのものであり、正弦波状の補正パターンでキャンセルしきれないリプル量に応じて第1補正量を調整するためのものである。
本実施形態では、図6(A)に示すよう、リプル周期1周期分を0〜π/4、π/4〜π/2、π/2〜3π/4、3π/4〜π、π〜5π/4、5π/4〜3π/2、3π/2〜7π/4、および7π/4〜2πの位相区間1〜8に8等分し、それぞれ温度に応じて異なる歪み補正量を持たせている。
また、位相特定手段23aは、同期信号を受信してから次の同期信号を受信するまでの間に、カウントしたカウント値に基づいて、2次側交流電流の周波数を特定することもできる。
また、歪み補正処理手段23bは、選択した歪み補正量を第1補正量に加算して第2補正量を決定し、該第2補正量をデューティ比算出手段25に出力する。
したがって、本実施形態に係る充電装置1によれば、上記リプル補正処理により確実にリプル量の低減を図ることができ、その結果、バッテリー2Bに安定した直流出力電力を供給することができる。
次に、本実施形態に係る充電装置1の制御方法について説明する。
なお、本実施形態に係る制御方法では、トランス6近傍の温度が80℃であるものとし、制御量算出部21で算出されたオン/オフ制御量は50%であるものとする。
本実施形態では、温度センサ19で検出される温度が80℃であるため、位相特定手段23aにより特定された現在の位相が位相区間1、2に含まれている場合には、歪み補正量3%が選択され、現在の位相が位相区間3〜8に含まれている場合には、歪み補正量0%が選択される。
これにより、スイッチ手段5a〜5dのデューティ比が変更され、直流出力電流に含まれる全てのリプル量が低減される(図7(h)参照)。
次に、本実施形態に係る充電装置1の制御方法の変形例について、図9を参照して説明する。
すなわち、本変形例における制御方法は、歪み補正処理手段23bにより、第1補正量決定部22で決定された第1補正量が読み込まれ(S1)、温度センサ19で検出された温度が読み込まれて(S2)、該温度が予め設定された閾値以上かどうかが判定される(S3)。閾値は、DC/DCコンバータ回路4の出力波形に歪みが発生し始める温度、例えば80℃に設定される。
上記比例定数は、例えば、補正ゲインK=正弦波リプル量として算出した第1補正量と、現在の電力値における正弦波リプル量との差に基づいて算出することができる。
定数K’を補正ゲインとして用いる場合、電力値算出手段22bで予め求めていた電力値と定数K’との相互関係を一次式で示した相互関係データを補正ゲイン決定手段22cに格納しておき、上記相互関係データから現在の電力値に対応した定数K’を補正ゲインとして決定することが好ましい。
2A 交流電源
2B バッテリー
3 整流平滑回路
4 DC/DCコンバータ回路
5 インバータ部
5a〜5d スイッチ手段
6 トランス
7 出力部
8 制御回路
9 ダイオードブリッジ
10 電解コンデンサ
11 ダイオードブリッジ
12 コイル
13 平滑コンデンサ
14 シャント抵抗
15 同期検出回路
16 電流検出回路
17 電圧検出回路
18 目標電力値設定回路
19 温度センサ
20 目標電流値算出手段
21 制御量算出部
22 第1補正量決定部
22a 補正基本パターン格納手段
22b 電力値算出手段
22c 補正ゲイン決定手段
22d 第1補正量演算手段
23 第2補正量決定部
23a 位相特定手段
23b 歪み補正処理手段
24 記憶部
25 デューティ比算出手段
26 PWM信号生成手段
27a、27b AD変換手段
Claims (5)
- 交流電力を整流および平滑して直流入力電力を生成する整流平滑回路と、前記直流入力電力をスイッチ手段でスイッチングして直流出力電力に変換するDC/DCコンバータ回路と、前記交流電力の極性が反転するタイミングで同期信号を出力する同期検出回路と、前記スイッチ手段のデューティ比を制御する制御回路とを備え、前記直流出力電力でバッテリーを充電する充電装置であって、
前記DC/DCコンバータ回路内の温度を検出する温度センサをさらに備え、
前記制御回路は、
フィードバック制御により前記スイッチ手段のオン/オフ制御量を算出する制御量算出部と、
前記DC/DCコンバータ回路から出力されるリプル補正処理前の出力波形を正弦波で近似した補正パターンに基づいて第1補正量を決定する第1補正量決定部と、
前記同期信号が出力されてから次の同期信号が出力されるまでの周期が複数の位相区間に分割されているものとみなされ、前記位相区間ごとに設定された歪み補正量を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記歪み補正量から、前記同期信号を基準に特定した現在の位相が含まれる位相区間の歪み補正量を選択し、該歪み補正量により前記第1補正量を調整して第2補正量を決定する第2補正量決定部と、
を有し、
リプル補正処理として、前記第2補正量により前記オン/オフ制御量を調整して前記デューティ比を算出し、
前記記憶部には、前記位相区間および前記温度に対応する前記歪み補正量が示された歪み補正量決定テーブルが格納されており、
前記第2補正量決定部は、前記歪み補正量決定テーブルを参照して前記歪み補正量を選択することを特徴とする充電装置。 - 前記第2補正量決定部は、前記温度センサにより検出された温度が予め設定された閾値よりも低い場合、前記歪み補正量により調整することなく、前記第1補正量を前記第2補正量とすることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
- 前記DC/DCコンバータ回路は、
前記スイッチ手段で構成され、前記直流入力電力から1次側交流電力を生成するインバータ部と、
前記1次側交流電力を2次側交流電力に変換するトランスと、
前記2次側交流電力を整流および平滑して前記直流出力電力を生成する出力部と、
を有し、
前記複数の位相区間に、少なくとも、前記トランスの2次側交流電流において発生する歪みが顕著に現れる位相区間と、前記歪みが顕著に現れない位相区間とが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。 - 前記周期は、8〜16個に等分割された複数の位相区間からなることを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
- 前記第1補正量決定部は、
前記補正パターンの振幅を1に正規化した補正基本パターンを格納する補正基本パターン格納手段と、
前記直流出力電力の電力値を算出する電力値算出手段と、
前記リプル補正処理前の前記直流出力電力の電力値と前記正弦波の振幅に相当するリプル量との相互関係を示す相互関係データに基づいて、前記電力値算出手段で算出された電力値に対応したリプル量から補正ゲインを決定する補正ゲイン決定手段と、
を有し、
前記補正ゲインを前記補正基本パターンに乗算することにより前記補正パターンを算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の充電装置。
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