JP5779356B2 - 電源装置、及び電源制御方法 - Google Patents
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Description
複数の電力変換装置を並列に接続して運転させる場合、電力供給の高信頼性を確保するために、常に負荷装置が消費する直流電力が最大になる場合を想定し、全ての電力変換装置を運転させておく必要がある。
そこで、負荷装置に供給する直流電力の電流値に基づいて、運転させる電力変換装置の数を決定し、当該数の電力変換装置を運転させ、他の電力変換装置を停止させることにより、損失を低減させる技術が検討されている(例えば、特許文献1)。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記運転制御部は、更に、現在の運転台数になってから予め定められた待機時間が経過しているときに、前記運転状態で動作している電力変換部を前記待機状態で動作させることを特徴とする。
電力変換部を待機状態で動作させることにより、交流電力を電力変換部に供給していない状態から運転状態で動作させたときに電力変換部が直流電力の供給を開始するまでに要する時間より短い時間で、直流電力の供給を開始することができ、負荷装置が要求する直流電力の変動に対応することができる。また、電力変換部は、待機状態において、負荷装置に直流電力を供給しないので、電力変換効率の低下を低減させつつ、負荷の変動に対応した電力供給を行うことができる。その結果、蓄電池に対する負担を低減することができ、急激な負荷変動に対応できなくなる可能性を低くすることができる。
図1は、第1実施形態における電源装置1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、電源装置1は、交流電源11から入力される交流電力を直流電力に変換し、複数の負荷装置5に対して安定した直流電力を供給する装置であり、電源モジュール(電力変換部)12−1、12−2、…、12−N(Nは2以上の自然数)と、制御部14とを具備している。電源装置1から複数の負荷装置5に電力を供給する電力線には、蓄電池3が接続されている。蓄電池3は、電源装置1から供給される電力が負荷装置5の消費する電力より少ない場合に、蓄えられている電力を出力する。
ここで、負荷装置5は、例えば、通信回線を提供する機器や、コンピュータなどのサーバ装置である。
電源モジュール12−1〜12−Nは、それぞれが同じ構成を有しており、交流電源11と出力端子19との間において並列に接続されている。また、電源モジュール12−1〜12−Nは、それぞれが、制御部14の制御に応じて、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかで動作する。
以下、電源モジュール12−1〜12−Nのうちいずれか1つあるいは全てを示すとき、電源モジュール12という。
電源モジュール12は、制御回路スイッチ121と、電源制御回路122と、主回路入力スイッチ123と、電力変換回路124と、出力スイッチ125とを備えている。
制御回路スイッチ121は、交流電源11から入力される交流電力を電源制御回路122に出力するか否かを切り替える。また、制御回路スイッチ121は、例えば、交流電源11から入力される電力を遮断する遮断器を用いて構成される。
制御回路スイッチ121における出力の切替えは、制御部14から入力される制御信号であって、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかを示す制御信号に基づいて行われる。制御回路スイッチ121は、制御信号が運転状態又は待機状態を示す場合、閉状態となり、交流電力を電源制御回路122に出力し、制御信号が停止状態を示す場合、開状態となり、交流電力を電源制御回路122に出力しない。
また、上述のように構成された電源モジュール12では、待機状態で動作している場合、平滑化コンデンサ124bには電荷が蓄えられた状態を維持している。そのため、電源モジュール12は、待機状態から運転状態に切り替えられた場合、停止状態から運転状態に切り替えられた場合に比べ短い時間で直流電力の出力を開始することができる。
制御部14は、各電源モジュール12−1〜12−Nから出力される総電流値に基づいて、各電源モジュール12を運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかで動作させる制御をして、負荷装置5が消費する直流電力を各電源モジュール12に安定して供給させる。ここで、総電流値は、各電源モジュール12が出力する電流値の総和である。
また、電源モジュール12は、停止状態で動作するとき、電源モジュール12に備えられている電源制御回路122及び電力変換回路124に対して交流電力の供給が断たれ、負荷装置5に対して直流電力の供給を行わない状態である。
また、電源モジュール12は、待機状態で動作するとき、電源モジュール12において、少なくとも電源制御回路122に電力が供給され、制御部14から入力される制御信号に応じて、停止状態より短い時間で負荷装置5に対して直流電力の供給を開始することができる状態である。
指令台数決定部142は、運転履歴記憶部141に記憶されている電源モジュール12の動作状態及び総電流値の時系列から、交流電源11から交流電量の供給を受ける電源モジュール12の数を示す指令台数を算出する。例えば、指令台数決定部142は、毎時ごとに、当該1時間における過去の総電流値の平均値を算出し、算出した平均値により示される電流量を供給できる電源モジュール12の台数、又は当該台数+1台を指令台数に決定する。
ここで、交流電源11から交流電量の供給を受ける電源モジュール12の数とは、運転状態又は待機状態で動作する電源モジュール12の数である。また、指令台数は、運転制御部147が運転状態又は待機状態で動作させる電源モジュール12の数を決定する際に用いられる。
ここで、待機電流値(An,2≦n≦N)は、運転状態で動作している電源モジュール12の数である運転台数がn台のときに、n台の運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させるか否かの判定に用いる電流値である。制御部14は、電源モジュール12が出力する総電流値が待機電流値を下回ると、n台の運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させ、運転台数を(n−1)台にする。
なお、図3に示す待機・運転切替電流値テーブルと、停止・運転切替電流値テーブルとでは、負荷装置5を停止させないために、運転台数を1台から0台にする制御、すなわち全ての電源モジュール12を停止状態又は待機状態で運転させる制御を行わないので、運転台数が1台の場合に対応する待機電流値A1と停止電流値C1とを設定していないが、設定するようにしてもよい。
図4は、運転状態の台数の変化による電力損失の変化の一例を示したグラフである。同図では、1台の電源モジュール12を運転状態とした場合、2台の電源モジュール12を運転状態とした場合、及び3台の電源モジュール12を運転状態とした場合のそれぞれについて、総電流値[A]と損失[W]との関係(損失特性)が示されている。また、同図において、横軸は総電流値を示し、縦軸は電力損失を示している。
図4に示すように、運転状態で動作している電源モジュール12の数(運転台数)から電源モジュール12から供給できる総電流値は決まるが、電源モジュール12の損失特性に応じて運転台数が変化すると損失(効率)も変化する。そこで、損失が最も少なくなる運転台数を総電流値の範囲ごとに定め、運転台数を変化させる閾値を予め決定する。
ここで、電流値I1は、1台運転時の損失特性を示すグラフと、2台運転時の損失特性を示すグラフとの交点に対応する電流値である。また、電流値I2は、2台運転時の損失特性を示すグラフと、3台運転時の損失特性を示すグラフとの交点に対応する電流値である。
具体的には、以下のようにして、運転台数を変化させる電流値を算出する。
運転台数がN1台であり、待機状態で動作している電源モジュール12の台数(以下、待機台数という)がN2台であり、停止状態で動作している電源モジュール12の台数(以下、停止台数という)がN3台である場合の損失Loss(N1,I)は、次式(1)により算出することができる。
また、運転台数が(N1−1)台であり、待機台数が(N2+1)台であり、停止台数がN3台である場合、すなわち式(1)に対し運転台数を1台減らして待機台数を1台増やした場合の損失Loss(N1−1,I)idleは、次式(2)により算出することができる。
そこで、運転状態と待機状態との切替えがヒステリシスに行われるようにするために、式(1)及び式(2)を用いて算出した閾値I1を基準にして、運転状態から待機状態に切り替える際の閾値としての待機電流値Aiと、待機状態から運転状態に切り替える際の閾値としての起動電流値Biとを以下のようにして算出する。
この尤度(k)は、シミュレーションや実測値などに基づいて、予め定められる。
運転台数が(N1−1)台であり、待機台数がN2台であり、停止台数が(N3+1)台である場合、すなわち式(1)に対し運転台数を1台減らして停止台数を1台増やした場合の損失Loss(N1−1,I)haltは、式(2)と同様に、次式(5)により算出することができる。
ここで、待機電流値Ai及び起動電流値Biを算出するときと同様に、運転状態と停止状態との切替えがヒステリシスに行われるようにするために、Loss(N1,I)=Loss(N1−1,I)haltとなる電流値Iに基づいて、尤度(k%)に対する割合xを定めることで停止電流値Ci、及び強制起動電流値Diを算出して定めることができる。
この待機電流値Ai、起動電流値Bi、停止電流値Ci、及び強制起動電流値Diを用いて、制御部14は損失を最小にした運転台数を選択する。
運転台数切替値記憶部144には、指令台数決定部142が指令台数を定めた場合において、制御電流値記憶部143に記憶されている待機・運転切替電流値テーブル及び停止・運転切替電流値テーブルと、指令台数とに基づいた運転台数切替値テーブルが記憶される。運転台数切替値テーブルには、減少閾値と増加閾値とが運転台数(1〜N台)それぞれに対応付けられている。ここで、減少閾値は運転台数を減少させるか否かの判定に用いられる閾値であり、増加閾値は運転台数を増加させるか否かの判定に用いられる閾値である。
運転台数切替値テーブルは、待機・運転切替電流値テーブル、停止・運転切替電流値テーブル、及び指令台数に基づいて更新される。
このようにして、運転制御部147は、指令台数決定部142が算出した指令台数に基づいて、運転台数切替値テーブルにおける運転台数に対応付けられた減少閾値及び増加閾値を更新する。
図6(b)に示す運転台数切替値テーブルは、電源装置1に具備されている電源モジュール12の台数が6台(N=6)であり、指令台数が2台の場合の例である。この場合、運転台数(1〜6台)に対応付けられた減少閾値は、「−,A2,C3,C4,C5,C6」であり、運転台数(1〜6台)に対応付けられた増加閾値は、「B1,D2、D3,D4,D5,−」である。
電源モジュール状態記憶部145には、電源モジュール12それぞれの動作状態、累積運転時間、及び運転開始時間が、各電源モジュール12を識別する識別番号に対応付けられた電源モジュール情報が記憶されている。
動作状態は、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかの状態を示す。累積運転時間は、電源モジュール12が運転状態で動作した時間を累積した値である。運転開始時間は、電源モジュール12が待機状態又は停止状態から運転状態に切り替わった時点における時刻である。
運転制御部147は、上位の制御装置などから入力される制御情報と、電流測定部146が測定した総電流値と、制御電流値記憶部143に記憶されている待機・運転切替電流値テーブルと、運転台数切替値記憶部144に記憶されている運転台数切替値テーブルとに基づいて、運転状態で動作させる電源モジュール12の数、停止状態で動作させる電源モジュール12の数、待機状態で動作させる電源モジュール12の数を決定する。そして、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報と、決定した運転状態、停止状態、待機状態で動作させる電源モジュール12の数とに基づいて、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれで各電源モジュール12を動作させるかを決定し、決定した動作状態を示す制御信号を各電源モジュール12に出力する。
また、運転制御部147は、決定した各電源モジュール12の動作状態を運転履歴記憶部141に記憶させる。
運転モードは、全ての電源モジュール12を運転状態にする通常運転モード、負荷装置5に供給する総電流値に応じた運転台数と待機状態の組合せで運用する待機制御運転モード、負荷装置5に供給する総電流値に応じた運転台数と待機状態及び停止状態との組合せで運用し、損失を最小に抑えて電力変換効率の低下を低減させつつ安定した電力供給を行う待機・停止制御運転モードのうちいずれか1つを示す。
蓄電池3の状態を示す情報は蓄えられている電力量、劣化の度合いを示す。電源装置1の状態を示す情報は、電源装置1の運用に支障をきたす故障が生じているか否かを示す。交流電源11の状態を示す情報は、停電等で交流電力を供給できない状態にあるか否かを示す。
図8〜図17は、運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャートである。
運転制御部147は、制御ルーチンを開始すると、外部から入力された制御情報から運転モードを読み出し(ステップS101)、運転モードが「通常運転モード」であるか否かを判定する(ステップS102)。
一方、ステップS102において、運転モードが「通常運転モード」でない場合(ステップS102:NO)、運転モードが「待機制御運転モード」であるか否かを判定する(ステップS104)。
一方、ステップS104において、運転モードが「待機制御運転モード」でない場合(ステップS104:NO)、運転モードが「待機・停止制御運転モード」であるか否かを判定する(ステップS105)。
一方、ステップS105において、運転モードが「待機・停止制御運転モード」でない場合(ステップS105:NO)、運転モードが「通常運転モード」、「待機制御運転モード」、及び「待機・停止制御運転モード」のいずれにも該当しないことから、運転モードを示す情報にエラーがあったとみなし(ステップS106)、全ての電源モジュール12を運転状態で動作させる通常運転を行わせる(ステップS103)。
運転制御部147は、検出した運転台数から、全ての電源モジュール12が運転状態で動作しているか否かを判定し(ステップS110)、全ての電源モジュール12が運転状態で動作している場合(ステップS110:YES)、処理をステップS111(図10)に進め、運転状態で動作していない電源モジュール12がある場合(ステップS110:NO)、処理をステップS115(図11)に進める。
一方、運転台数が1台でない場合(ステップS111:NO)、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、運転状態で動作している電源モジュール12それぞれに対して、予め定められた一定時間(待機時間)が運転状態で動作し始めてから経過したか否かを判定する(ステップS112)。
一方、運転状態で動作している全ての電源モジュール12が運転状態で動作し始めてから一定時間が経過している場合(ステップS112:YES)、運転制御部147は、検出した総電流値と読み出した待機電流値Aiとを比較する(ステップS113)。
一方、総電流値が待機電流値Ai以下である場合(ステップS113:YES)、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1つを待機状態で動作させる(ステップS114)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、総電流値が起動電流値Bi以上でない場合(ステップS115:NO)、運転制御部147は、処理をステップS117(図12)に進める。
一方、ステップS117において、停止台数が1台以上である場合、運転制御部147は、停止状態で動作している全ての電源モジュール12を待機状態で動作させる(ステップS118)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態を待機状態に更新し、処理をステップS101に戻して制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、制御開始条件が成立している場合(ステップS119:YES)、運転制御部147は、電流測定部146を介して、電源モジュール12が出力している総電流値を検出するとともに、電源モジュール状態記憶部145から各電源モジュール12の状態を読み出して、現在の運転台数、待機台数、及び停止台数を検出する(ステップS120)。また、運転制御部147は、指令台数決定部142から指令台数を取得する(ステップS121)。
運転制御部147は、検出した運転台数から、全ての電源モジュール12が運転状態で動作しているか否かを判定し(ステップS124)、全ての電源モジュール12が運転状態で動作している場合(ステップS124:YES)、処理をステップS141(図14)に進め、運転状態で動作していない電源モジュール12がある場合(ステップS124:NO)、処理をステップS151(図15)に進める。
運転状態で動作している電源モジュール12のうち、運転状態で動作し始めてから一定時間が経過していない電源モジュール12がある場合(ステップS141:NO)、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、運転状態で動作している全ての電源モジュール12が運転状態で動作し始めてから一定時間が経過している場合(ステップS141:YES)、運転制御部147は、検出した総電流値と読み出した減少閾値とを比較する(ステップS142)。
一方、総電流値が減少閾値以下である場合(ステップS142:YES)、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12のうち1台を待機状態で動作させて、運転台数を減少させる(ステップS143)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、総電流値が増加閾値以上である場合(ステップS151:YES)、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12があれば当該電源モジュール12を運転状態で動作させ、待機状態で動作している電源モジュール12がなければ停止状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させて、運転台数を増加させる(ステップS152)。このとき、運転制御部147は、ステップS114と同様に、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を運転状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、ステップS161において、運転台数と待機台数との和が、指令台数より小さい場合(ステップS161:YES)、運転制御部147は、停止状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させる(ステップS162)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、ステップS171において、運転台数と待機台数との和が、指令台数より大きい場合(ステップS171:YES)、運転制御部147は、待機台数を用いて、待機状態で動作している電源モジュール12があるか否かを判定する(ステップS172)。
一方、ステップS172において、待機状態で動作している電源モジュール12がない場合(ステップS172:NO)、運転制御部147は、運転台数が1台であるか否かを判定する(ステップS174)。
一方、ステップS174において、運転台数が1台でない場合(ステップS174:NO)、運転制御部147は、処理をステップS141(図14)に戻す。
図18(a)は、初期状態として、指令台数が2台であり、1台の電源モジュール12が運転状態であり、1台の電源モジュール12が待機状態で動作しており、2台の電源モジュール12が停止状態で動作している場合の例を示している。
負荷装置5が消費する電力量が増加することで、電源モジュール12が供給する総電流値が増加し、時刻t11において、総電流値が増加閾値(起動電流値B1)以上になると、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させて、運転台数を2台に増加させる(ステップS151、S152の順の処理)。
時刻t13において、指令台数が2台から4台に変更されると、運転制御部147は、停止状態で動作している電源モジュール12を待機状態で動作させる(ステップS162の処理)。
負荷装置5が消費する電力量が低下することで、電源モジュール12が供給する総電流値が低下し、時刻t21において、総電流値が減少閾値(停止電流値C4)以下になると、運転制御部147は、現在の運転台数になってから一定時間が経過しているので、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させ、運転台数を3台に減少させる(ステップS141〜S143の処理)。更に、動作状態が待機状態になった電源モジュール12は運転台数が指令台数以上であるため、運転制御部147は、当該電源モジュール12を停止状態で動作させる(ステップS151、S161、S171〜S173の処理)。
時刻t22において、総電流値が減少閾値(待機電流値A3)以下になると、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させ、運転台数を2台に減少させる(ステップS141〜143の処理)。
総電流値が増加の後に減少し、時刻t24において、総電流値が減少閾値(待機電流値A3)以下になるが、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させない(ステップS141の判定により、運転台数が3台になってから所定の一定時間が経過していないため、運転状態で動作させ続ける)。この後、3台目の電源モジュール12が運転状態で動作し始めてから、所定の一定時間(待機時間)が経過した時刻t25において、運転制御部147は、3台目の電源モジュール12を待機状態で動作させる(ステップS141〜S143の処理)。
この待機時間は、蓄電池3に蓄えられている電力量である充電量に応じて、変化させるようにしてもよい。例えば、蓄電池3の充電量が最大値の8割以下の場合に、待機時間を長くして蓄電池3に充電できる時間を長くするようにしてもよい。
また、ステップS116及びS152において、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12から、運転状態で動作させる電源モジュール12を選択するとき、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、累積運転時間が最も短い電源モジュール12を選択する。
また、ステップS173において、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12から、停止状態で動作させる電源モジュール12を選択するとき、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、累積運転時間が最も長い電源モジュール12を選択する。
このように、運転制御部147は、累積運転時間を平滑化するように電源モジュール12を選択することで、電源モジュール12の偏った劣化を防ぐことができ、安定した直流電力の供給を行うことができる。
図19は、第2実施形態における電源システムの構成を示す概略図である。電源システムにおいて、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
電源システムは、1つの電源装置1と、電源装置1が供給する直流電力の電圧を予め定められた出力電圧に変換した直流電力を出力する複数の電源装置2と、電源装置1と複数の電源装置2とを接続する電力線に接続されている蓄電池3とを有している。また、複数の電源装置2は、それぞれに接続されている負荷装置5に対して直流電力を供給する。
また、電源ユニット21は、電源モジュール12と同様に、動作状態が運転状態の場合、入力された直流電力の電圧を出力電圧に変換して出力し、動作状態が待機状態の場合、入力された直流電力の電圧を出力電圧に変換するが出力せず、動作状態が停止状態の場合、入力された直流電力の電圧をDC−DC変換回路に入力しない。
本実施形態における電源システムでは、負荷装置5への電力供給の信頼性向上のために、負荷装置5側の電源ユニット21を多重化した場合においても、負荷装置5が要求する電力量に応じて、電力損失を低減しつつ、安定した電力供給を行うことができる。
電源モジュール12に対して、交流電源11から交流電力の供給を受け負荷装置5に直流電力を供給しない待機状態を設けたことにより、交流電力を電力変換部に供給していない状態から運転状態に動作の状態を切り替える際に要する時間を短縮することができ、負荷装置5で消費される電力量の変化に対する応答性を改善することができる。また、待機状態で動作している電源モジュール12は、負荷装置5に直流電力を供給しないので消費電力が低く、電力変換効率が低減することを抑制することができる。
このように、待機状態で動作する電源モジュール12を設けたことにより、負荷の変動に対する応答性を改善して、蓄電池3に対する負担を低減させることで、急激な負荷変動に対応できなくなる可能性を低くすることができる。
例えば、電源制御回路122が電力変換回路124に出力するスイッチング信号を変化させて、待機状態で動作している電力変換回路124から出力される直流電力の電圧を、運転状態で動作している電源モジュール12が出力する直流電力の電圧より低くしてもよい。これにより、出力スイッチ125を切り替えて、負荷装置5との接続を遮断せずとも、待機状態で動作している電源モジュール12から電流が出力されなくなり、出力スイッチ125を開状態にしたときと同じ効果を得ることができる。更に、待機状態においても出力スイッチ125が閉状態となっているため、運転状態で動作させ始めたときに、より短い時間で電流の出力を開始することができる。
また、上記の各実施形態では、電源モジュール12に備えられている電源制御回路122は、待機状態で動作しているときにスイッチング信号を出力する構成を説明したが、待機状態で動作しているときにスイッチング信号を出力しないようにしてもよい。これにより、電源モジュール12が待機状態で動作しているときに消費する電力量を低減することができ、電力変換効率を改善することができる。
Claims (6)
- 交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して負荷装置に供給する電源装置であって、
前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換部であって、変換した直流電力を外部の負荷装置に供給する運転状態と、前記交流電源から交流電力の供給を受けるが前記負荷装置に直流電力を供給しない待機状態とのいずれかで動作する複数の電力変換部と、
前記負荷装置に対して前記複数の電力変換部と並列に接続されている蓄電池と、
前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値、及び、前記待機状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値を、前記運転状態で動作している電力変換部の数ごとに予め記憶している制御電流値記憶部と、
現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数と、当該数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値とに基づいて、前記運転状態と前記待機状態とのいずれで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する運転制御部と、
前記複数の電力変換部が供給した電流値の履歴に基づいて、前記複数の電力変換部のうち前記交流電源から交流電力の供給を受ける電力変換部の数を示す指令台数を算出する指令台数決定部と
を備え、
前記複数の電力変換部は、更に、前記運転状態と、前記待機状態と、前記交流電源から交流電力が供給を受けない停止状態とのいずれかで動作し、
前記運転制御部は、更に、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数と、当該運転台数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定し、
前記運転制御部は、更に、前記運転状態で動作している前記電力変換部の数が前記指令台数未満の場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を、前記運転状態で動作している電力変換部の数と前記指令台数との差に一致させる
ことを特徴とする電源装置。 - 前記待機電流値と、前記起動電流値とは、
前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数を、前記複数の電力変換部における電力損失が最も少なくなる数に切り替える際の電流値に基づいて予め定められている
ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。 - 前記制御電流値記憶部には、更に、
前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記停止状態で動作させるか否かの判定に用いる停止電流値、及び、前記停止状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる強制起動電流値を、前記運転台数ごとに予め記憶し、
前記運転制御部は、更に、
前記運転台数と、前記運転台数に対応する前記待機電流値、前記起動電流値、前記停止電流値、及び前記強制起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の電源装置。 - 前記運転制御部は、更に、
前記運転台数と、前記待機状態で動作している電力変換部の数との和が、前記指令台数より大きく、かつ、前記待機状態で動作している電力変換部がある場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を減らす
ことを特徴とする請求項3に記載の電源装置。 - 前記運転制御部は、更に、
現在の運転台数になってから予め定められた待機時間が経過しているときに、前記運転状態で動作している電力変換部を前記待機状態で動作させる
ことを特徴とする請求項4に記載の電源装置。 - 交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換部であって変換した直流電力を外部の負荷装置に供給する運転状態と、前記交流電源から交流電力の供給を受けるが直流電力を前記負荷装置に供給しない待機状態とのいずれかで動作する複数の電力変換部と、外部の負荷装置に対して前記複数の電力変換部と並列に接続されている蓄電池と、前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値、及び、前記待機状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値を、前記運転状態で動作している電力変換部の数ごとに予め記憶している制御電流値記憶部とを備えている電源装置における電源制御方法であって、
前記複数の電力変換部が供給した電流値の履歴に基づいて、前記複数の電力変換部のうち前記交流電源から交流電力の供給を受ける電力変換部の数を示す指令台数を算出する指令台数決定ステップと、
現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数と、当該数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値とに基づいて、前記運転状態と前記待機状態とのいずれで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する運転制御ステップと
を有し、
前記複数の電力変換部は、更に、前記運転状態と、前記待機状態と、前記交流電源から交流電力が供給を受けない停止状態とのいずれかで動作し、
前記運転制御ステップでは、更に、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数と、当該運転台数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定し、
前記運転制御ステップでは、更に、前記運転状態で動作している前記電力変換部の数が前記指令台数未満の場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を、前記運転状態で動作している電力変換部の数と前記指令台数との差に一致させる
ことを特徴とする電源制御方法。
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