JP5779356B2 - 電源装置、及び電源制御方法 - Google Patents

電源装置、及び電源制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電源装置、及び電源制御方法に関する。
直流電力を使用して稼動する負荷装置、例えば、コンピュータなどのサーバ装置に安定した直流電力を供給するために、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換装置を並列に接続して運転させ、負荷装置に直流電力を供給させる技術が一般に用いられている。
複数の電力変換装置を並列に接続して運転させる場合、電力供給の高信頼性を確保するために、常に負荷装置が消費する直流電力が最大になる場合を想定し、全ての電力変換装置を運転させておく必要がある。
しかし、負荷装置を稼動させる場合に、常に全ての電力変換装置を用いて直流電力を供給すると、交流電力を直流電力に変換する際に生じる損失が大きくなり、無駄な電力を消費することになる。その結果、電力変換装置において、電力変換効率が低下してしまっていた。
そこで、負荷装置に供給する直流電力の電流値に基づいて、運転させる電力変換装置の数を決定し、当該数の電力変換装置を運転させ、他の電力変換装置を停止させることにより、損失を低減させる技術が検討されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−195079号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、出力する電流値に応じて、運転させる電力変換装置の数と、停止させる電力変換装置の数とを決定しているため、負荷装置が消費する電力が急激に変動した場合、電流値の変動を検出してから、停止している電力変換装置を運転させるまでに時間を要し、電力の供給が負荷の変動に追いつかずに、電力が不足してしまう可能性がある。
このような場合に対応するために、電力変換装置と負荷装置との間に蓄電池が設けられている。しかし、蓄電池に頼った負荷変動への対応は、要求される電力の急激な変動が頻繁に生じると、蓄電池に蓄えられた電力が不足して負荷装置に十分な電力を供給できなくなる場合があり、安定した電力供給ができなくなる可能性がある。また、蓄電池から頻繁に電力供給すると蓄電池の劣化が進み、蓄電池に蓄えられる電力量を減少させてしまうので、急激な負荷変動に対応できなくなる可能性がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、電力変換効率の低下を低減させつつ、負荷の変動に対応した電力供給を行うことができる電源装置、及び電源制御方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明は、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して負荷装置に供給する電源装置であって、前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換部であって、変換した直流電力を外部の負荷装置に供給する運転状態と、前記交流電源から交流電力の供給を受けるが前記負荷装置に直流電力を供給しない待機状態とのいずれかで動作する複数の電力変換部と、前記負荷装置に対して前記複数の電力変換部と並列に接続されている蓄電池と、前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値、及び、前記待機状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値を、前記運転状態で動作している電力変換部の数ごとに予め記憶している制御電流値記憶部と、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数と、当該数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値とに基づいて、前記運転状態と前記待機状態とのいずれで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する運転制御部と、前記複数の電力変換部が供給した電流値の履歴に基づいて、前記複数の電力変換部のうち前記交流電源から交流電力の供給を受ける電力変換部の数を示す指令台数を算出する指令台数決定部とを備え、前記複数の電力変換部は、更に、前記運転状態と、前記待機状態と、前記交流電源から交流電力が供給を受けない停止状態とのいずれかで動作し、前記運転制御部は、更に、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数と、当該運転台数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定し、前記運転制御部は、更に、前記運転状態で動作している前記電力変換部の数が前記指令台数未満の場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を、前記運転状態で動作している電力変換部の数と前記指令台数との差に一致させることを特徴とする電源装置である。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記待機電流値と、前記起動電流値とは、前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数を、前記複数の電力変換部における電力損失が最も少なくなる数に切り替える際の電流値に基づいて予め定められていることを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記制御電流値記憶部には、更に、前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記停止状態で動作させるか否かの判定に用いる停止電流値、及び、前記停止状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる強制起動電流値を、前記運転台数ごとに予め記憶し、前記運転制御部は、更に、前記運転台数と、前記運転台数に対応する前記待機電流値、前記起動電流値、前記停止電流値、及び前記強制起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定することを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記運転制御部は、更に、前記運転台数と、前記待機状態で動作している電力変換部の数との和が、前記指令台数より大きく、かつ、前記待機状態で動作している電力変換部がある場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を減らすことを特徴とする。
また、本発明は、上記に記載の発明において、前記運転制御部は、更に、現在の運転台数になってから予め定められた待機時間が経過しているときに、前記運転状態で動作している電力変換部を前記待機状態で動作させることを特徴とする。
また、本発明は、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換部であって変換した直流電力を外部の負荷装置に供給する運転状態と、前記交流電源から交流電力の供給を受けるが直流電力を前記負荷装置に供給しない待機状態とのいずれかで動作する複数の電力変換部と、外部の負荷装置に対して前記複数の電力変換部と並列に接続されている蓄電池と、前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値、及び、前記待機状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値を、前記運転状態で動作している電力変換部の数ごとに予め記憶している制御電流値記憶部とを備えている電源装置における電源制御方法であって、前記複数の電力変換部が供給した電流値の履歴に基づいて、前記複数の電力変換部のうち前記交流電源から交流電力の供給を受ける電力変換部の数を示す指令台数を算出する指令台数決定ステップと、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数と、当該数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値とに基づいて、前記運転状態と前記待機状態とのいずれで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する運転制御ステップを有し、前記複数の電力変換部は、更に、前記運転状態と、前記待機状態と、前記交流電源から交流電力が供給を受けない停止状態とのいずれかで動作し、前記運転制御ステップでは、更に、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数と、当該運転台数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定し、前記運転制御ステップでは、更に、前記運転状態で動作している前記電力変換部の数が前記指令台数未満の場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を、前記運転状態で動作している電力変換部の数と前記指令台数との差に一致させることを特徴とする電源制御方法である。
この発明によれば、待機電流値及び起動電流値と、複数の電力変換部が出力する電力の電流値とに基づいて、運転状態と待機状態とのいずれで電力変換部それぞれを動作させるか判定して、電力変換部それぞれの動作を決定する。
電力変換部を待機状態で動作させることにより、交流電力を電力変換部に供給していない状態から運転状態で動作させたときに電力変換部が直流電力の供給を開始するまでに要する時間より短い時間で、直流電力の供給を開始することができ、負荷装置が要求する直流電力の変動に対応することができる。また、電力変換部は、待機状態において、負荷装置に直流電力を供給しないので、電力変換効率の低下を低減させつつ、負荷の変動に対応した電力供給を行うことができる。その結果、蓄電池に対する負担を低減することができ、急激な負荷変動に対応できなくなる可能性を低くすることができる。
第1実施形態における電源装置1の構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態における電源モジュール12の構成を示す図である。 同実施形態における制御電流値記憶部143に記憶されている制御電流値テーブルの一例を示す概略図である。 運転状態の台数の変化による電力損失の変化の一例を示したグラフである。 同実施形態における待機電流値A及び起動電流値Bとの算出の方法を示す概略図である。 同実施形態における運転台数切替値記憶部144に記憶されている運転台数切替値テーブルの一例を示す概略図である。 同実施形態における電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報の一例を示す概略図である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(1)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(2)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(3)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(4)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(5)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(6)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(7)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(8)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(9)である。 同実施形態における運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャート(10)である。 同実施形態における電源装置1の動作例を示す概略図である。 第2実施形態における電源システムの構成を示す概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における電源装置、及び電源制御方法を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における電源装置1の構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、電源装置1は、交流電源11から入力される交流電力を直流電力に変換し、複数の負荷装置5に対して安定した直流電力を供給する装置であり、電源モジュール(電力変換部)12−1、12−2、…、12−N(Nは2以上の自然数)と、制御部14とを具備している。電源装置1から複数の負荷装置5に電力を供給する電力線には、蓄電池3が接続されている。蓄電池3は、電源装置1から供給される電力が負荷装置5の消費する電力より少ない場合に、蓄えられている電力を出力する。
ここで、負荷装置5は、例えば、通信回線を提供する機器や、コンピュータなどのサーバ装置である。
交流電源11は、例えば、電力会社より提供される交流の電力を用いたものでもよいし、発動機を用いて交流の電力を発生させるものであってもよい。
電源モジュール12−1〜12−Nは、それぞれが同じ構成を有しており、交流電源11と出力端子19との間において並列に接続されている。また、電源モジュール12−1〜12−Nは、それぞれが、制御部14の制御に応じて、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかで動作する。
以下、電源モジュール12−1〜12−Nのうちいずれか1つあるいは全てを示すとき、電源モジュール12という。
ここで、運転状態とは、電源モジュール12が、交流電源11から交流電力の供給を受け、供給された交流電力を直流電力に変換し、出力端子19を経由して、変換した直流電力を負荷装置5に出力する状態である。また、待機状態とは、交流電源11から交流電力の供給を受けるが、負荷装置5に直流電力を供給しない状態である。また、停止状態とは、交流電源11から交流電力の供給を受けない状態である。
図2は、本実施形態における電源モジュール12の構成を示す図である。
電源モジュール12は、制御回路スイッチ121と、電源制御回路122と、主回路入力スイッチ123と、電力変換回路124と、出力スイッチ125とを備えている。
制御回路スイッチ121は、交流電源11から入力される交流電力を電源制御回路122に出力するか否かを切り替える。また、制御回路スイッチ121は、例えば、交流電源11から入力される電力を遮断する遮断器を用いて構成される。
制御回路スイッチ121における出力の切替えは、制御部14から入力される制御信号であって、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかを示す制御信号に基づいて行われる。制御回路スイッチ121は、制御信号が運転状態又は待機状態を示す場合、閉状態となり、交流電力を電源制御回路122に出力し、制御信号が停止状態を示す場合、開状態となり、交流電力を電源制御回路122に出力しない。
電源制御回路122は、制御回路スイッチ121を介して入力される交流電力によって動作し、電源モジュール12に入力される交流電力の周波数や、電圧、電源モジュール12から出力する直流電力の電圧などに応じて電力変換回路124を制御する。また、電源制御回路122は、電源モジュール12に運転状態又は待機状態を示す制御信号が入力されている場合、電力変換回路124に交流から直流への変換を行わせる。なお、電源モジュール12に停止状態を示す制御信号が入力されている場合、電源制御回路122に交流電力が供給されないので、電源制御回路122は電力変換回路124の制御を行わない。
主回路入力スイッチ123は、交流電源11から入力される交流電力を電力変換回路124に出力するか否かを切り替える。主回路入力スイッチ123における出力の切替えは、制御部14から入力される制御信号に基づいて行われ、制御信号が運転状態又は待機状態を示す場合、閉状態となり、交流電力を電力変換回路124に出力し、制御信号が停止状態を示す場合、開状態となり、交流電力を電力変換回路124に出力しない。
電力変換回路124は、電源制御回路122からの制御により、主回路入力スイッチ123を介して入力される交流電力を、直流電力に変換して出力する。また、電力変換回路124は、例えば、図2に示すように、交流電力を整流して所定の電圧に変換するAC−DC変換回路124aと、AC−DC変換回路124aの出力を平滑化する平滑化コンデンサ124bとを有している。
出力スイッチ125は、制御部14から入力される制御信号に基づいて、電力変換回路124が出力する直流電力を電源モジュール12の外部に出力するか否かを切り替える。出力スイッチ125における出力の切替えは、制御部14から入力される制御信号に基づいて行われ、制御信号が運転状態を示す場合、閉状態となり、電力変換回路124が出力する直流電力を電源モジュール12の外部に出力し、制御信号が待機状態又は停止状態を示す場合、開状態となり、電力変換回路124が出力する直流電力を電源モジュール12の外部に出力しない。
上述の構成のように、電源モジュール12は、待機状態で動作している場合、負荷装置5に直流電力を供給しないが、出力スイッチ125の切替えのみで、負荷装置5に直流電力を供給することができる状態となっている。
また、上述のように構成された電源モジュール12では、待機状態で動作している場合、平滑化コンデンサ124bには電荷が蓄えられた状態を維持している。そのため、電源モジュール12は、待機状態から運転状態に切り替えられた場合、停止状態から運転状態に切り替えられた場合に比べ短い時間で直流電力の出力を開始することができる。
図1に戻って、電源装置1の構成について説明を続ける。
制御部14は、各電源モジュール12−1〜12−Nから出力される総電流値に基づいて、各電源モジュール12を運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかで動作させる制御をして、負荷装置5が消費する直流電力を各電源モジュール12に安定して供給させる。ここで、総電流値は、各電源モジュール12が出力する電流値の総和である。
電源モジュール12は、運転状態で動作するとき、電源モジュール12に備えられている電源制御回路122及び電力変換回路124に交流電力が供給されている状態である。このとき、電源モジュール12は、入力される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を出力端子19から出力して、負荷装置5に直流電力を供給する。
また、電源モジュール12は、停止状態で動作するとき、電源モジュール12に備えられている電源制御回路122及び電力変換回路124に対して交流電力の供給が断たれ、負荷装置5に対して直流電力の供給を行わない状態である。
また、電源モジュール12は、待機状態で動作するとき、電源モジュール12において、少なくとも電源制御回路122に電力が供給され、制御部14から入力される制御信号に応じて、停止状態より短い時間で負荷装置5に対して直流電力の供給を開始することができる状態である。
制御部14は、運転履歴記憶部141、指令台数決定部142、制御電流値記憶部143、運転台数切替値記憶部144、電源モジュール状態記憶部145、電流測定部146、及び運転制御部147を備えている。
運転履歴記憶部141には、各電源モジュール12の動作状態を示す情報、及び電源モジュール12が出力した総電流値を示す情報などが時刻に対応付けられて記憶されており、動作状態及び総電流値の履歴が記憶されている。
指令台数決定部142は、運転履歴記憶部141に記憶されている電源モジュール12の動作状態及び総電流値の時系列から、交流電源11から交流電量の供給を受ける電源モジュール12の数を示す指令台数を算出する。例えば、指令台数決定部142は、毎時ごとに、当該1時間における過去の総電流値の平均値を算出し、算出した平均値により示される電流量を供給できる電源モジュール12の台数、又は当該台数+1台を指令台数に決定する。
ここで、交流電源11から交流電量の供給を受ける電源モジュール12の数とは、運転状態又は待機状態で動作する電源モジュール12の数である。また、指令台数は、運転制御部147が運転状態又は待機状態で動作させる電源モジュール12の数を決定する際に用いられる。
制御電流値記憶部143には、待機・運転切替電流値テーブルと、停止・運転切替電流値テーブルとが予め記憶されている。待機・運転切替電流値テーブルには、待機状態と運転状態とを切り替える判定に用いる待機電流値及び起動電流値が運転台数(1台〜N台)それぞれに対応付けられている。停止・運転切替電流値テーブルには、停止状態と運転状態とを切り替える判定に用いる停止電流値及び強制起動電流値が運転台数(1台〜N台)それぞれに対応付けられている。
ここで、待機電流値(A,2≦n≦N)は、運転状態で動作している電源モジュール12の数である運転台数がn台のときに、n台の運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させるか否かの判定に用いる電流値である。制御部14は、電源モジュール12が出力する総電流値が待機電流値を下回ると、n台の運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させ、運転台数を(n−1)台にする。
また、起動電流値(B,1≦n≦N−1)は、運転台数がn台あり、少なくとも1台の電源モジュール12が待機状態で動作しているときに、待機状態で動作している電源モジュール12のいずれか1台を運転状態で動作させるか否かの判定に用いる電流値である。制御部14は、電源モジュール12が出力する総電流値が起動電流値B以上になると、待機状態で動作している電源モジュール12のいずれか1台を運転状態で動作させ、運転状態で動作している電源モジュール12を(n+1)台にする。
また、停止電流値(C,2≦n≦N)は、運転台数がn台のときに、n台の運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を停止状態にさせるか否かの判定に用いる電流値である。制御部14は、電源モジュール12が出力する総電流値が停止電流値を下回ると、n台の運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を停止状態で動作させ、運転台数を(n−1)台にする。
また、強制起動電流値(D,1≦n≦N−1)は、運転台数がn台あり、停止状態で動作している電源モジュール12があるときに、停止状態で動作している電源モジュール12のいずれか1台を運転状態で動作させるか否かの判定に用いる電流値である。制御部14は、電源モジュール12が出力する総電流値が強制起動電流値D以上になると、停止状態で動作している電源モジュール12のいずれか1台を運転状態で動作させ、運転台数を(n+1)台にする。
図3は、本実施形態における制御電流値記憶部143に記憶されている待機・運転切替電流値テーブルと、停止・運転切替電流値テーブルとの一例を示す概略図である。図3(a)に示すように、待機・運転切替電流値テーブルは、例えば、行と列とからなる表形式のデータであり、運転台数、待機電流値、及び起動電流値の項目の列を有し、運転台数ごとの行を有している。例えば、運転台数が2台に対して、待機電流値A、及び起動電流値Bが対応付けられている。また、図3(b)に示すように、停止・運転切替電流値テーブルは、例えば、行と列とからなる表形式のデータであり、運転台数、停止電流値、及び強制起動電流値の項目の列を有し、運転台数ごとの列を有している。例えば、運転台数が(N−1)台に対して、停止電流値C(N−1)、及び強制起動電流値D(N−1)が対応付けられている。
なお、図3に示す待機・運転切替電流値テーブルと、停止・運転切替電流値テーブルとでは、負荷装置5を停止させないために、運転台数を1台から0台にする制御、すなわち全ての電源モジュール12を停止状態又は待機状態で運転させる制御を行わないので、運転台数が1台の場合に対応する待機電流値Aと停止電流値Cとを設定していないが、設定するようにしてもよい。
ここで、待機電流値A、起動電流値B、停止電流値C、及び強制起動電流値D(i=1,2,…,N)を定める方法について説明する。
図4は、運転状態の台数の変化による電力損失の変化の一例を示したグラフである。同図では、1台の電源モジュール12を運転状態とした場合、2台の電源モジュール12を運転状態とした場合、及び3台の電源モジュール12を運転状態とした場合のそれぞれについて、総電流値[A]と損失[W]との関係(損失特性)が示されている。また、同図において、横軸は総電流値を示し、縦軸は電力損失を示している。
図4に示すように、運転状態で動作している電源モジュール12の数(運転台数)から電源モジュール12から供給できる総電流値は決まるが、電源モジュール12の損失特性に応じて運転台数が変化すると損失(効率)も変化する。そこで、損失が最も少なくなる運転台数を総電流値の範囲ごとに定め、運転台数を変化させる閾値を予め決定する。
図4に示す例では、電流値が0からIまでの範囲においては、1台運転の損失が最も少なくなり、電流値がIからIまでの範囲においては、2台運転の損失が最も少なくなり、電流値がIより大きい範囲においては、3台運転の損失が最も少なくなっている。そこで、電流値が0からIまでの範囲では1台運転を行い、電流値がIからIまでの範囲では2台運転を行い、電流値がIより大きい範囲においては3台運転を行うようにすることで、損失を最小にすることができる。
ここで、電流値Iは、1台運転時の損失特性を示すグラフと、2台運転時の損失特性を示すグラフとの交点に対応する電流値である。また、電流値Iは、2台運転時の損失特性を示すグラフと、3台運転時の損失特性を示すグラフとの交点に対応する電流値である。
本実施形態における待機電流値A、起動電流値B、停止電流値C、及び強制起動電流値Dは、図4に示した例と同様に、損失を最小にすることができる運転台数を選択できるように算出される。
具体的には、以下のようにして、運転台数を変化させる電流値を算出する。
運転台数がN台であり、待機状態で動作している電源モジュール12の台数(以下、待機台数という)がN台であり、停止状態で動作している電源モジュール12の台数(以下、停止台数という)がN台である場合の損失Loss(N,I)は、次式(1)により算出することができる。
Figure 0005779356
ここで、式(1)において、a、b、及びcは、電源モジュール12の電力変換における損失特性に基づいて予め定められた値である。また、W1は1台の電源モジュール12が待機状態で動作するときに消費する電力量であり、W2は1台の電源モジュール12が停止状態で動作するときに消費する電力量である。また、式(1)において、待機状態及び停止状態で動作している電源モジュール12の消費電力は、負荷装置5に出力されないため、損失とみなしている。
また、運転台数が(N−1)台であり、待機台数が(N+1)台であり、停止台数がN台である場合、すなわち式(1)に対し運転台数を1台減らして待機台数を1台増やした場合の損失Loss(N−1,I)idleは、次式(2)により算出することができる。
Figure 0005779356
ここで、式(1)及び式(2)を用いて、Loss(N,I)=Loss(N−1,I)idleとなる電流値Iを(運転台数N,待機台数N,停止台数N)の組合せごとに算出することにより、電力損失を最小にしつつ、運転状態で動作している電源モジュール12のうち1台を待機状態で動作させるか否か、及び、待機状態で動作している電源モジュール12のうち1台を運転状態で動作させるか否かの判断に用いる閾値を算出することができる。
しかし、上述のようにして算出した閾値を判定に用いると、閾値付近で総電流値が変化した場合、運転状態と待機状態との切替えが頻繁に生じてしまうため好ましくない。
そこで、運転状態と待機状態との切替えがヒステリシスに行われるようにするために、式(1)及び式(2)を用いて算出した閾値Iを基準にして、運転状態から待機状態に切り替える際の閾値としての待機電流値Aと、待機状態から運転状態に切り替える際の閾値としての起動電流値Bとを以下のようにして算出する。
図5は、本実施形態における待機電流値A及び起動電流値Bの算出の方法を示す概略図である。同図において、横軸は総電流値を示し、縦軸は損失を示している。関数f(1)により示されるグラフは、運転台数が(N−1)台のときにおける損失を示している。また、関数f(2)により示されるグラフは、運転台数がN台のときにおける損失を示している。電流値Iは、関数f(1)のグラフと、関数f(2)のグラフとの交点に対応する電流値である。
ここで、待機電流値Aと起動電流値Bとは、電流値Iを用いて、次式(3−1)及び式(3−2)と定義する。
Figure 0005779356
このとき、図5に示すように、電流値Iを含む範囲であって電流値Iに予め定められた尤度(k)を加算もしくは減算した範囲において、損失S(=S+S)が最小となるように割合x(尤度に対する割合)定めることで、待機電流値A及び起動電流値Bを決定する。
この尤度(k)は、シミュレーションや実測値などに基づいて、予め定められる。
上述のようにして決定した待機電流値A及び起動電流値Bを用いて運転台数を制御するとき、具体的には、総電流値が待機電流値A以下になったときに運転台数を(N−1)台からN台に変更し、総電流値が起動電流値B以上になったときに運転台数をN台から(N−1)台に変更するとき、電流値Iを用いて運転台数を切り替えたときに比べ損失が増加する。この増加する損失Sは、次式(4−1)〜式(4−3)により算出される。
Figure 0005779356
式(4−1)〜式(4−3)から損失Sを最小とする割合xを算出し、算出した割合xを用いて、待機電流値A及び起動電流値Bとを決定する。
次に、停止電流値C、及び強制起動電流値Dを定める方法について説明する。
運転台数が(N−1)台であり、待機台数がN台であり、停止台数が(N+1)台である場合、すなわち式(1)に対し運転台数を1台減らして停止台数を1台増やした場合の損失Loss(N−1,I)haltは、式(2)と同様に、次式(5)により算出することができる。
Figure 0005779356
ここで、Loss(N,I)=Loss(N−1,I)haltとなる電流値Iを運転台数Nごとに算出することにより、変換損失を最小にしつつ、停止状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させるか否かを判定する際に用いる閾値を算出することができる。
ここで、待機電流値A及び起動電流値Bを算出するときと同様に、運転状態と停止状態との切替えがヒステリシスに行われるようにするために、Loss(N,I)=Loss(N−1,I)haltとなる電流値Iに基づいて、尤度(k%)に対する割合xを定めることで停止電流値C、及び強制起動電流値Dを算出して定めることができる。
上述したように、運転台数ごとに、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値Aと、待機状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値Bと、運転状態で操作している電源モジュール12のうちいずれか1台を停止状態で動作させるか否かの判定に用いる停止電流値Cと、停止状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を運転状態で動作させるか否かの判定に用いる強制起動電流値Dとを電源モジュール12の損失特性に基づいて定める。
この待機電流値A、起動電流値B、停止電流値C、及び強制起動電流値Dを用いて、制御部14は損失を最小にした運転台数を選択する。
図1に戻って、電源装置1の構成について説明を続ける。
運転台数切替値記憶部144には、指令台数決定部142が指令台数を定めた場合において、制御電流値記憶部143に記憶されている待機・運転切替電流値テーブル及び停止・運転切替電流値テーブルと、指令台数とに基づいた運転台数切替値テーブルが記憶される。運転台数切替値テーブルには、減少閾値と増加閾値とが運転台数(1〜N台)それぞれに対応付けられている。ここで、減少閾値は運転台数を減少させるか否かの判定に用いられる閾値であり、増加閾値は運転台数を増加させるか否かの判定に用いられる閾値である。
運転台数切替値テーブルは、待機・運転切替電流値テーブル、停止・運転切替電流値テーブル、及び指令台数に基づいて更新される。
具体的には、指令台数決定部142が指令台数(i)を算出すると、運転制御部147によって、運転台数2〜i台に対応する減少閾値に待機電流値A(2≦m≦i)が定められ、運転台数(i+1)〜N台に対応する減少閾値に停止電流値C(i+1≦m≦N)が定められる。また、運転台数1〜(i−1)台に対応する増加閾値に起動電流値B(1≦m≦i−1)が定められ、運転台数i〜(N−1)台に対応する増加閾値に強制起動電流D(i≦m≦N−1)が定められる。
このようにして、運転制御部147は、指令台数決定部142が算出した指令台数に基づいて、運転台数切替値テーブルにおける運転台数に対応付けられた減少閾値及び増加閾値を更新する。
図6は、本実施形態における運転台数切替値記憶部144に記憶されている運転台数切替値テーブルの一例を示す概略図である。図6(a)に示す運転台数切替値テーブルは、電源装置1に具備されている電源モジュール12の台数が6台(N=6)であり、指令台数が4台の場合の例である。図6(a)に示すように、運転台数(1〜6台)に対応付けた減少閾値として「−,A,A,A,C,C」が定められ、運転台数(1〜6台)に対応付けた増加閾値として「B,B,B,D,D,−」が定められている。
図6(b)に示す運転台数切替値テーブルは、電源装置1に具備されている電源モジュール12の台数が6台(N=6)であり、指令台数が2台の場合の例である。この場合、運転台数(1〜6台)に対応付けられた減少閾値は、「−,A,C,C,C,C」であり、運転台数(1〜6台)に対応付けられた増加閾値は、「B,D、D,D,D,−」である。
再び、図1に戻って、電源装置1の構成について説明を続ける。
電源モジュール状態記憶部145には、電源モジュール12それぞれの動作状態、累積運転時間、及び運転開始時間が、各電源モジュール12を識別する識別番号に対応付けられた電源モジュール情報が記憶されている。
動作状態は、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかの状態を示す。累積運転時間は、電源モジュール12が運転状態で動作した時間を累積した値である。運転開始時間は、電源モジュール12が待機状態又は停止状態から運転状態に切り替わった時点における時刻である。
図7は、本実施形態における電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報の一例を示す概略図である。ここでは、電源装置1に具備されている電源モジュール12の台数が6台(N=6)である場合の例を示している。同図に示すように、例えば、行と列とからなる表形式のデータであり、識別番号、動作状態、累積運転時間、及び運転開始時間の項目の行を有し、識別番号(1〜6)ごとの列を有している。例えば、識別番号「2」に対して、「運転状態」と、「4h(4時間)」と、「hh:mm:ss」とが対応付けられている。ここで、識別番号は、各電源モジュール12を一意に識別するための番号である。
電流測定部146は、各電源モジュール12が出力する電流値の総和である総電流値を測定し、測定した総電流値を示す情報を運転制御部147に出力する。
運転制御部147は、上位の制御装置などから入力される制御情報と、電流測定部146が測定した総電流値と、制御電流値記憶部143に記憶されている待機・運転切替電流値テーブルと、運転台数切替値記憶部144に記憶されている運転台数切替値テーブルとに基づいて、運転状態で動作させる電源モジュール12の数、停止状態で動作させる電源モジュール12の数、待機状態で動作させる電源モジュール12の数を決定する。そして、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報と、決定した運転状態、停止状態、待機状態で動作させる電源モジュール12の数とに基づいて、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれで各電源モジュール12を動作させるかを決定し、決定した動作状態を示す制御信号を各電源モジュール12に出力する。
また、運転制御部147は、指令台数決定部142から指令台数を示す情報が入力されると、入力された指令台数に応じて、運転台数切替値記憶部144に記憶されている運転台数切替値テーブルを更新する。
また、運転制御部147は、決定した各電源モジュール12の動作状態を運転履歴記憶部141に記憶させる。
ここで、上位の制御装置などから運転制御部147に入力される制御情報には、運転モードを示す情報と、蓄電池3の状態を示す情報と、電源装置1の状態を示す情報と、交流電源11の状態を示す情報とが含まれている。
運転モードは、全ての電源モジュール12を運転状態にする通常運転モード、負荷装置5に供給する総電流値に応じた運転台数と待機状態の組合せで運用する待機制御運転モード、負荷装置5に供給する総電流値に応じた運転台数と待機状態及び停止状態との組合せで運用し、損失を最小に抑えて電力変換効率の低下を低減させつつ安定した電力供給を行う待機・停止制御運転モードのうちいずれか1つを示す。
蓄電池3の状態を示す情報は蓄えられている電力量、劣化の度合いを示す。電源装置1の状態を示す情報は、電源装置1の運用に支障をきたす故障が生じているか否かを示す。交流電源11の状態を示す情報は、停電等で交流電力を供給できない状態にあるか否かを示す。
以下、運転制御部147による電源モジュール12の制御について説明する。
図8〜図17は、運転制御部147が電源モジュール12を制御する制御ルーチンの処理を示すフローチャートである。
運転制御部147は、制御ルーチンを開始すると、外部から入力された制御情報から運転モードを読み出し(ステップS101)、運転モードが「通常運転モード」であるか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、運転モードが「通常運転モード」である場合(ステップS102:YES)、全ての電源モジュール12を運転状態で動作させる通常運転を行わせる(ステップS103)。
一方、ステップS102において、運転モードが「通常運転モード」でない場合(ステップS102:NO)、運転モードが「待機制御運転モード」であるか否かを判定する(ステップS104)。
ステップS104において、運転モードが「待機制御運転モード」である場合(ステップS104:YES)、処理をステップS107(図9)に進める。
一方、ステップS104において、運転モードが「待機制御運転モード」でない場合(ステップS104:NO)、運転モードが「待機・停止制御運転モード」であるか否かを判定する(ステップS105)。
ステップS105において、運転モードが「待機・停止制御運転モード」である場合(ステップS105:YES)処理をステップS119(図13)に進める。
一方、ステップS105において、運転モードが「待機・停止制御運転モード」でない場合(ステップS105:NO)、運転モードが「通常運転モード」、「待機制御運転モード」、及び「待機・停止制御運転モード」のいずれにも該当しないことから、運転モードを示す情報にエラーがあったとみなし(ステップS106)、全ての電源モジュール12を運転状態で動作させる通常運転を行わせる(ステップS103)。
ステップS107(図9)において、運転制御部147は、上位の制御装置から入力された制御情報に基づいて、制御開始条件が成立しているか否かを判定し、当該条件が成立していない場合(ステップS107:NO)、全ての電源モジュール12を運転状態で動作させる通常運転を行わせる(ステップS103)。ここで、制御開始条件が成立しているか否かの判断は、蓄電池3の状態を示す情報と、電源装置1の状態を示す情報と、交流電源11の状態を示す情報とに基づいて行う。また、この制御開始条件が成立するのは、蓄電池3の劣化の度合いが所定の度合い以下であり、かつ、電源装置1に故障がなく、かつ、交流電源11が交流電力を供給しているときである。
一方、制御開始条件が成立している場合(ステップS107:YES)、運転制御部147は、電流測定部146を介して、電源モジュール12が出力している総電流値を検出し、電源モジュール状態記憶部145から各電源モジュール12の状態を読み出して、運転台数、待機台数、及び停止台数を検出する(ステップS108)。
また、運転制御部147は、制御電流値記憶部143に記憶されている待機・運転切替電流値テーブルから、検出した現在の運転台数iに対応する待機電流値A、及び起動電流値Bを読み出す(ステップS109)。
運転制御部147は、検出した運転台数から、全ての電源モジュール12が運転状態で動作しているか否かを判定し(ステップS110)、全ての電源モジュール12が運転状態で動作している場合(ステップS110:YES)、処理をステップS111(図10)に進め、運転状態で動作していない電源モジュール12がある場合(ステップS110:NO)、処理をステップS115(図11)に進める。
ステップS111(図10)において、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12の数(運転台数)が1台であるか否かを判定し、運転台数が1台である場合(ステップS111:YES)、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、運転台数が1台でない場合(ステップS111:NO)、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、運転状態で動作している電源モジュール12それぞれに対して、予め定められた一定時間(待機時間)が運転状態で動作し始めてから経過したか否かを判定する(ステップS112)。
運転状態で動作している電源モジュール12のうち、運転状態で動作し始めてから一定時間が経過していない電源モジュール12がある場合(ステップS112:NO)、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、運転状態で動作している全ての電源モジュール12が運転状態で動作し始めてから一定時間が経過している場合(ステップS112:YES)、運転制御部147は、検出した総電流値と読み出した待機電流値Aとを比較する(ステップS113)。
ステップS113において、総電流値が待機電流値A以下でない場合(ステップS113:NO)、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、総電流値が待機電流値A以下である場合(ステップS113:YES)、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1つを待機状態で動作させる(ステップS114)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
ステップS115(図11)において、運転制御部147は、検出した総電流値と読み出した起動電流値Bとを比較し、総電流値が起動電流値B以上の場合(ステップS115:YES)、待機状態で動作している電源モジュール12があれば当該電源モジュール12のうちいずれか1つを運転状態で動作させ、待機状態で動作している電源モジュール12がなければ停止状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1つを運転状態で動作させる(ステップS116)。このとき、運転制御部147は、ステップS114と同様に、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報において、動作状態を運転状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、総電流値が起動電流値B以上でない場合(ステップS115:NO)、運転制御部147は、処理をステップS117(図12)に進める。
ステップS117(図12)において、運転制御部147は、停止台数が1台以上であるか否かを判定し、停止台数が1台以上でない場合(ステップS117:NO)、処理をステップS111(図10)に戻す。
一方、ステップS117において、停止台数が1台以上である場合、運転制御部147は、停止状態で動作している全ての電源モジュール12を待機状態で動作させる(ステップS118)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態を待機状態に更新し、処理をステップS101に戻して制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
ステップS119(図13)において、運転制御部147は、制御開始条件が成立していない場合(ステップS119:NO)、全ての電源モジュール12を運転状態で動作させる通常運転を行わせる(ステップS103)。
一方、制御開始条件が成立している場合(ステップS119:YES)、運転制御部147は、電流測定部146を介して、電源モジュール12が出力している総電流値を検出するとともに、電源モジュール状態記憶部145から各電源モジュール12の状態を読み出して、現在の運転台数、待機台数、及び停止台数を検出する(ステップS120)。また、運転制御部147は、指令台数決定部142から指令台数を取得する(ステップS121)。
続いて、運転制御部147は、指令台数決定部142から取得した指令台数に基づいて、運転台数切替値記憶部144に記憶されている運転台数切替値テーブルを更新し(ステップS122)、現在の運転台数に対応する減少閾値及び増加閾値を読み出す(ステップS123)。
運転制御部147は、検出した運転台数から、全ての電源モジュール12が運転状態で動作しているか否かを判定し(ステップS124)、全ての電源モジュール12が運転状態で動作している場合(ステップS124:YES)、処理をステップS141(図14)に進め、運転状態で動作していない電源モジュール12がある場合(ステップS124:NO)、処理をステップS151(図15)に進める。
ステップS141(図14)において、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、運転状態で動作している電源モジュール12それぞれに対して、予め定められた一定時間(待機時間)が運転状態で動作し始めてから経過したか否かを判定する。
運転状態で動作している電源モジュール12のうち、運転状態で動作し始めてから一定時間が経過していない電源モジュール12がある場合(ステップS141:NO)、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、運転状態で動作している全ての電源モジュール12が運転状態で動作し始めてから一定時間が経過している場合(ステップS141:YES)、運転制御部147は、検出した総電流値と読み出した減少閾値とを比較する(ステップS142)。
ステップS142において、総電流値が減少閾値以下でない場合(ステップS142:NO)、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、総電流値が減少閾値以下である場合(ステップS142:YES)、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12のうち1台を待機状態で動作させて、運転台数を減少させる(ステップS143)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
ステップS151(図15)において、運転制御部147は、検出した総電流値と、読み出した増加閾値とを比較し、総電流値が増加閾値以上でない場合(ステップS151:NO)、運転制御部147は、処理をステップS161(図16)に進める。
一方、総電流値が増加閾値以上である場合(ステップS151:YES)、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12があれば当該電源モジュール12を運転状態で動作させ、待機状態で動作している電源モジュール12がなければ停止状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させて、運転台数を増加させる(ステップS152)。このとき、運転制御部147は、ステップS114と同様に、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を運転状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
ステップS161(図16)において、運転制御部147は、運転台数と待機台数との和を指令台数と比較し(ステップS161)、運転台数と待機台数との和が指令台数より小さくない場合(ステップS161:NO)、処理をステップS171(図17)に進める。
一方、ステップS161において、運転台数と待機台数との和が、指令台数より小さい場合(ステップS161:YES)、運転制御部147は、停止状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させる(ステップS162)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、動作状態を待機状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態及び累積運転時間を更新する。その後、運転制御部147は、処理をステップS101に戻し、制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
ステップS171(図17)において、運転制御部147は、運転台数と待機台数との和を指令台数と比較し、運転台数と待機台数との和が指令台数より大きくない場合(ステップS171:NO)、処理をステップS174に進める。
一方、ステップS171において、運転台数と待機台数との和が、指令台数より大きい場合(ステップS171:YES)、運転制御部147は、待機台数を用いて、待機状態で動作している電源モジュール12があるか否かを判定する(ステップS172)。
ステップS172において、待機状態で動作している電源モジュール12がある場合(ステップS172:YES)、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12を停止状態で動作させる(ステップS173)。このとき、運転制御部147は、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報のうち、待機状態を停止状態に変更した電源モジュール12の識別番号に対応する動作状態を停止状態に更新し、処理をステップS101に戻して制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、ステップS172において、待機状態で動作している電源モジュール12がない場合(ステップS172:NO)、運転制御部147は、運転台数が1台であるか否かを判定する(ステップS174)。
ステップS174において、運転台数が1台である場合(ステップS174:YES)、運転制御部147は、処理をステップS101に戻して制御ルーチンを最初(ステップS101)から再度実行する。
一方、ステップS174において、運転台数が1台でない場合(ステップS174:NO)、運転制御部147は、処理をステップS141(図14)に戻す。
運転制御部147は、図8〜図17に示されている制御ルーチンにおいて、待機・停止運転制御モードが選択された場合、電源モジュール12が負荷装置5に供給する総電流値に基づいて、損失が最も少なくなる運転台数、待機台数、及び停止台数を決定して各電源モジュール12の動作状態を変更させる。これにより、電力変換効率の低下を低減させつつ、負荷装置5が消費する電力量に応じた直流電力を供給することができる。
図18は、本実施形態における電源装置1の動作例を示す概略図である。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は電源モジュール12が供給する総電流値と、指令台数とを示す。ここでは、電源装置1が電源モジュール12を4つ(N=4)具備している場合の動作例について説明する。
図18(a)は、初期状態として、指令台数が2台であり、1台の電源モジュール12が運転状態であり、1台の電源モジュール12が待機状態で動作しており、2台の電源モジュール12が停止状態で動作している場合の例を示している。
負荷装置5が消費する電力量が増加することで、電源モジュール12が供給する総電流値が増加し、時刻t11において、総電流値が増加閾値(起動電流値B)以上になると、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させて、運転台数を2台に増加させる(ステップS151、S152の順の処理)。
時刻t12において、総電流値が増加閾値(強制起動電流値D)以上になると、運転制御部147は、停止状態で動作している電源モジュール12のうちずれか1台を運転状態で動作させ、運転台数を3台に増加させる(ステップS151、ステップS152の順の処理)。
時刻t13において、指令台数が2台から4台に変更されると、運転制御部147は、停止状態で動作している電源モジュール12を待機状態で動作させる(ステップS162の処理)。
図18(b)は、初期状態として、指令台数が3台であり、4台の電源モジュール12が運転状態動作している場合の例を示している。
負荷装置5が消費する電力量が低下することで、電源モジュール12が供給する総電流値が低下し、時刻t21において、総電流値が減少閾値(停止電流値C)以下になると、運転制御部147は、現在の運転台数になってから一定時間が経過しているので、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させ、運転台数を3台に減少させる(ステップS141〜S143の処理)。更に、動作状態が待機状態になった電源モジュール12は運転台数が指令台数以上であるため、運転制御部147は、当該電源モジュール12を停止状態で動作させる(ステップS151、S161、S171〜S173の処理)。
時刻t22において、総電流値が減少閾値(待機電流値A)以下になると、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させ、運転台数を2台に減少させる(ステップS141〜143の処理)。
総電流値が更に減少したのちに増加して、時刻t23において、総電流値が増加閾値(起動電流値B)以上になると、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12を運転状態で動作させて、運転台数を3台に増加させる(ステップS151〜S152の処理)。
総電流値が増加の後に減少し、時刻t24において、総電流値が減少閾値(待機電流値A)以下になるが、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12のうちいずれか1台を待機状態で動作させない(ステップS141の判定により、運転台数が3台になってから所定の一定時間が経過していないため、運転状態で動作させ続ける)。この後、3台目の電源モジュール12が運転状態で動作し始めてから、所定の一定時間(待機時間)が経過した時刻t25において、運転制御部147は、3台目の電源モジュール12を待機状態で動作させる(ステップS141〜S143の処理)。
運転制御部147は、上述のように、電源モジュール12の損失特性に基づいて予め定められた待機電流値A、起動電流値B、停止電流値C、及び強制起動電流値Dと、電源モジュール12が供給する総電流値とを比較し、運用台数、待機台数、及び停止台数を決定することにより、負荷装置5が消費する電力量に応じて、電源モジュール12に直流電力を供給させつつ、損失を低減させて電力変換効率の低下を低減させることができる。
また、運転制御部147は、電源モジュール12の動作を運転状態から待機状態に変更させる場合、現在の運転台数になってから一定時間(待機時間)が経過したか否かを判定し、一定時間が経過しているとき、運転状態で動作している電源モジュール12うちいずれかを待機状態で動作させる。これにより、負荷装置5が消費する電力量が急激に増加した場合に対応することができるとともに、蓄電池3に蓄えられている電力が消費されている場合に充電することができる。
この待機時間は、蓄電池3に蓄えられている電力量である充電量に応じて、変化させるようにしてもよい。例えば、蓄電池3の充電量が最大値の8割以下の場合に、待機時間を長くして蓄電池3に充電できる時間を長くするようにしてもよい。
なお、ステップS114及びS143において、運転制御部147は、運転状態で動作している電源モジュール12から、待機状態で動作させる電源モジュール12を選択するとき、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、累積運転時間が最も長い電源モジュール12を選択する。
また、ステップS116及びS152において、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12から、運転状態で動作させる電源モジュール12を選択するとき、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、累積運転時間が最も短い電源モジュール12を選択する。
また、ステップS152及びS162において、運転制御部147は、停止状態で動作している電源モジュール12から、運転状態又は待機状態で動作させる電源モジュール12を選択するとき、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、累積運転時間が最も短い電源モジュール12を選択する。
また、ステップS173において、運転制御部147は、待機状態で動作している電源モジュール12から、停止状態で動作させる電源モジュール12を選択するとき、電源モジュール状態記憶部145に記憶されている電源モジュール情報に基づいて、累積運転時間が最も長い電源モジュール12を選択する。
このように、運転制御部147は、累積運転時間を平滑化するように電源モジュール12を選択することで、電源モジュール12の偏った劣化を防ぐことができ、安定した直流電力の供給を行うことができる。
(第2実施形態)
図19は、第2実施形態における電源システムの構成を示す概略図である。電源システムにおいて、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付して、その説明を省略する。
電源システムは、1つの電源装置1と、電源装置1が供給する直流電力の電圧を予め定められた出力電圧に変換した直流電力を出力する複数の電源装置2と、電源装置1と複数の電源装置2とを接続する電力線に接続されている蓄電池3とを有している。また、複数の電源装置2は、それぞれに接続されている負荷装置5に対して直流電力を供給する。
電源装置2は、電源ユニット21と、制御部14とを有している。電源ユニット21は、制御部14の制御に応じて、動作状態が、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれかに定められる。電源ユニット21において、入力される電力が直流電力である点以外は、電源モジュール12と同じ動作をする。具体的には、電源ユニット21は、電源モジュール12が有するAC−DC変換回路124a(図2)がDC−DC変換回路に置き換えられた構成になっている。
また、電源ユニット21は、電源モジュール12と同様に、動作状態が運転状態の場合、入力された直流電力の電圧を出力電圧に変換して出力し、動作状態が待機状態の場合、入力された直流電力の電圧を出力電圧に変換するが出力せず、動作状態が停止状態の場合、入力された直流電力の電圧をDC−DC変換回路に入力しない。
上述の構成を有する電源装置2は、入力される直流電力を電圧の異なる直流電力に出力する点を除いて、電源装置1と同様の動作する。すなわち、電源装置2は、出力電流に基づいて電源ユニット21の動作状態を切り替えて電力損失を低減し、電力変換効率を改善する。
本実施形態における電源システムでは、負荷装置5への電力供給の信頼性向上のために、負荷装置5側の電源ユニット21を多重化した場合においても、負荷装置5が要求する電力量に応じて、電力損失を低減しつつ、安定した電力供給を行うことができる。
本実施形態における電源システムは、例えば、安定した運転が要求されるコンピュータシステムにおけるサーバ装置に適用することができる。この場合、複数の負荷装置5それぞれが、ラックマウント型のサーバ装置に備えられるブレードサーバに対応する。また、電源装置2それぞれがサーバ装置のラックに備えられる電源ユニットに対応し、電源装置1が商用の交流電力を変換して各サーバ装置に電力を供給する交直変換装置などに対応する。
上述の各実施形態の電源装置1において、運転制御部147が、複数の電源モジュール(電力変換部)12から負荷装置5に供給する総電流値に応じて、運転状態、待機状態、及び停止状態のいずれで各電源モジュール12を動作させるか判定する。
電源モジュール12に対して、交流電源11から交流電力の供給を受け負荷装置5に直流電力を供給しない待機状態を設けたことにより、交流電力を電力変換部に供給していない状態から運転状態に動作の状態を切り替える際に要する時間を短縮することができ、負荷装置5で消費される電力量の変化に対する応答性を改善することができる。また、待機状態で動作している電源モジュール12は、負荷装置5に直流電力を供給しないので消費電力が低く、電力変換効率が低減することを抑制することができる。
このように、待機状態で動作する電源モジュール12を設けたことにより、負荷の変動に対する応答性を改善して、蓄電池3に対する負担を低減させることで、急激な負荷変動に対応できなくなる可能性を低くすることができる。
また、待機電流値A、起動電流値B、停止電流値C、及び強制起動電流値Dは、電源モジュール12の電力損失の特性に基づいて、運転台数を電力損失が最も少なくなる数に切り替える際の閾値に基づいて算出しているので、運転状態から待機状態への切替え、待機状態から運転状態への切替え、及び、停止状態から運転状態への切替えは、電力損失が少なくなるように定められており、電力変換効率を改善しつつ、動作状態の変更を行うことができる。
また、指令台数決定部142が、負荷装置5に供給した総電流値の履歴から算出する統計的な情報に基づいて指令台数を算出し、運転制御部147が指令台数に基づいて、待機状態で動作させる電源モジュール12の数を制御することにより、負荷への変動に対応させる電源モジュール12を待機状態で動作させつつ、電源モジュール12を不必要に待機状態で動作させることを抑制することができ、電力変換効率を改善することができる。
また、停止状態から待機状態への切替えに対する閾値と、停止状態から運転状態への切替えに対する閾値とを別々に定めるようにしたので、電流値が閾値近傍にあっても、状態が頻繁に切り替わったりせず、状態の切替えに伴う電力消費を削減することができ、電力変換効率をより改善することができる。
また、上述の各実施形態では、待機状態における電源モジュール12に備えられている出力スイッチ125が開状態にして、直流電力を負荷装置5に出力しない構成について説明したが、これに限ることなく、他の制御方法により、電源モジュール12から直流電力が負荷装置5に出力されなくなるようにしてもよい。
例えば、電源制御回路122が電力変換回路124に出力するスイッチング信号を変化させて、待機状態で動作している電力変換回路124から出力される直流電力の電圧を、運転状態で動作している電源モジュール12が出力する直流電力の電圧より低くしてもよい。これにより、出力スイッチ125を切り替えて、負荷装置5との接続を遮断せずとも、待機状態で動作している電源モジュール12から電流が出力されなくなり、出力スイッチ125を開状態にしたときと同じ効果を得ることができる。更に、待機状態においても出力スイッチ125が閉状態となっているため、運転状態で動作させ始めたときに、より短い時間で電流の出力を開始することができる。
また、上記の各実施形態では、電源モジュール12に備えられている電源制御回路122は、待機状態で動作しているときにスイッチング信号を出力する構成を説明したが、待機状態で動作しているときにスイッチング信号を出力しないようにしてもよい。これにより、電源モジュール12が待機状態で動作しているときに消費する電力量を低減することができ、電力変換効率を改善することができる。
また、上述の各実施形態では、電源装置1が、各電源モジュール12を制御する制御部14を具備する構成を説明したが、これに限ることなく、制御部14は独立した装置としてもよく、ネットワークを介して各電源モジュール12と接続されていてもよい。また、各電源モジュール12が制御部14を内部に備えていてもよく、その場合、各電源モジュール12に備えられている制御部のいずれか1つが代表して各電源モジュール12を制御するようにしてもよい。
なお、本発明における制御部14の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより電源モジュール12及び電源ユニット22の動作状態の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1,2…電源装置、3…蓄電池、5…負荷装置、11…交流電源、12,12−1,12−2,12−N…電源モジュール、14…制御部、121…制御回路スイッチ、122…電源制御回路、123…主回路入力スイッチ、124…電力変換回路、125…出力スイッチ、141…運転履歴記憶部、142…指令台数決定部、143…制御電流値記憶部、144…運転台数切替値記憶部、145…電源モジュール状態記憶部、146…電流測定部、147…運転制御部

Claims (6)

  1. 交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して負荷装置に供給する電源装置であって、
    前記交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換部であって、変換した直流電力を外部の負荷装置に供給する運転状態と、前記交流電源から交流電力の供給を受けるが前記負荷装置に直流電力を供給しない待機状態とのいずれかで動作する複数の電力変換部と、
    前記負荷装置に対して前記複数の電力変換部と並列に接続されている蓄電池と、
    前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値、及び、前記待機状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値を、前記運転状態で動作している電力変換部の数ごとに予め記憶している制御電流値記憶部と、
    現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数と、当該数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値とに基づいて、前記運転状態と前記待機状態とのいずれで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する運転制御部と
    前記複数の電力変換部が供給した電流値の履歴に基づいて、前記複数の電力変換部のうち前記交流電源から交流電力の供給を受ける電力変換部の数を示す指令台数を算出する指令台数決定部と
    を備え
    前記複数の電力変換部は、更に、前記運転状態と、前記待機状態と、前記交流電源から交流電力が供給を受けない停止状態とのいずれかで動作し、
    前記運転制御部は、更に、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数と、当該運転台数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定し、
    前記運転制御部は、更に、前記運転状態で動作している前記電力変換部の数が前記指令台数未満の場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を、前記運転状態で動作している電力変換部の数と前記指令台数との差に一致させる
    ことを特徴とする電源装置。
  2. 前記待機電流値と、前記起動電流値とは、
    前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数を、前記複数の電力変換部における電力損失が最も少なくなる数に切り替える際の電流値に基づいて予め定められている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記制御電流値記憶部には、更に、
    前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記停止状態で動作させるか否かの判定に用いる停止電流値、及び、前記停止状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる強制起動電流値を、前記運転台数ごとに予め記憶し、
    前記運転制御部は、更に、
    前記運転台数と、前記運転台数に対応する前記待機電流値、前記起動電流値、前記停止電流値、及び前記強制起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の電源装置。
  4. 前記運転制御部は、更に、
    前記運転台数と、前記待機状態で動作している電力変換部の数との和が、前記指令台数より大きく、かつ、前記待機状態で動作している電力変換部がある場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を減らす
    ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
  5. 前記運転制御部は、更に、
    現在の運転台数になってから予め定められた待機時間が経過しているときに、前記運転状態で動作している電力変換部を前記待機状態で動作させる
    ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
  6. 交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換する複数の電力変換部であって変換した直流電力を外部の負荷装置に供給する運転状態と、前記交流電源から交流電力の供給を受けるが直流電力を前記負荷装置に供給しない待機状態とのいずれかで動作する複数の電力変換部と、外部の負荷装置に対して前記複数の電力変換部と並列に接続されている蓄電池と、前記運転状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記待機状態で動作させるか否かの判定に用いる待機電流値、及び、前記待機状態で動作している電力変換部のうち少なくとも1つを前記運転状態で動作させるか否かの判定に用いる起動電流値を、前記運転状態で動作している電力変換部の数ごとに予め記憶している制御電流値記憶部とを備えている電源装置における電源制御方法であって、
    前記複数の電力変換部が供給した電流値の履歴に基づいて、前記複数の電力変換部のうち前記交流電源から交流電力の供給を受ける電力変換部の数を示す指令台数を算出する指令台数決定ステップと、
    現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数と、当該数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値とに基づいて、前記運転状態と前記待機状態とのいずれで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定する運転制御ステップ
    を有し、
    前記複数の電力変換部は、更に、前記運転状態と、前記待機状態と、前記交流電源から交流電力が供給を受けない停止状態とのいずれかで動作し、
    前記運転制御ステップでは、更に、現在の前記運転状態で動作している電力変換部の数である運転台数と、当該運転台数に対応する前記待機電流値及び前記起動電流値と、前記複数の電力変換部が前記負荷装置に供給している電流値と、現在の運転台数になってから経過した時間とに基づいて、前記運転状態と、前記待機状態と、前記停止状態とのいずれかで前記電力変換部それぞれを動作させるか判定し、
    前記運転制御ステップでは、更に、前記運転状態で動作している前記電力変換部の数が前記指令台数未満の場合、前記待機状態で動作している電力変換部の数を、前記運転状態で動作している電力変換部の数と前記指令台数との差に一致させる
    ことを特徴とする電源制御方法。
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