JP5777764B2 - ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置 - Google Patents

ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5777764B2
JP5777764B2 JP2014077317A JP2014077317A JP5777764B2 JP 5777764 B2 JP5777764 B2 JP 5777764B2 JP 2014077317 A JP2014077317 A JP 2014077317A JP 2014077317 A JP2014077317 A JP 2014077317A JP 5777764 B2 JP5777764 B2 JP 5777764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
heating
conductor
longitudinal direction
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014077317A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014134819A (ja
Inventor
榊原 啓之
啓之 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014077317A priority Critical patent/JP5777764B2/ja
Publication of JP2014134819A publication Critical patent/JP2014134819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5777764B2 publication Critical patent/JP5777764B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に搭載される加熱定着装置に利用すれば好適なヒータ、及びこのヒータを搭載する像加熱装置に関する。
複写機やプリンタに搭載する定着装置として、エンドレスベルトと、エンドレスベルトの内面に接触するセラミックヒータと、エンドレスベルトを介してセラミックヒータと定着ニップ部を形成する加圧ローラと、を有する装置がある。この定着装置を搭載する画像形成装置で小サイズ紙を連続プリントすると、定着ニップ部長手方向において紙が通過しない領域の温度が徐々に上昇するという現象(非通紙部昇温)が発生する。非通紙部の温度が高くなり過ぎると、装置内の各パーツへダメージを与えたり、非通紙部昇温が生じている状態で大サイズ紙にプリントすると、小サイズ紙の非通紙部に相当する領域でトナーが高温オフセットすることもある。
この非通紙部昇温を抑制する手法の一つとして、セラミック基板上の発熱抵抗体を負の抵抗温度特性を有する材質で形成することが考えられている。非通紙部が昇温しても非通紙部の発熱抵抗体の抵抗値は下がるので、非通紙部の発熱抵抗体に電流が流れても非通紙部の発熱が抑えられるという発想である。負の抵抗温度特性は、温度が上がると抵抗が下がる特性であり、以後NTC(Negative Temperature Coefficient)と称する。逆に、発熱抵抗体を正の抵抗温度特性を有する材質で形成することも考えられている。非通紙部が昇温すると非通紙部の発熱抵抗体の抵抗値が昇温し、非通紙部の発熱抵抗体に流れる電流が抑制されることにより非通紙部の発熱を抑制するという発想である。正の抵抗温度特性は、温度が上がると抵抗が上がる特性であり、以後PTC(Positive Temperature Coefficient)と称する。
しかしながら、一般的にNTCの材質は体積抵抗が非常に高く、一本のヒータに形成する発熱抵抗体の総抵抗を、商用電源で使用できる範囲内に設定するのは非常に難しい。逆にPTCの材質は体積抵抗が非常に低く、NTCの場合と同様、一本のヒータの発熱抵抗体の総抵抗を、商用電源で使用できる範囲内に設定するのは非常に難しい。
そこで、セラミック基板上に形成する発熱抵抗体をヒータの長手方向で複数のブロックに分割し、各ブロックではヒータの短手方向(記録紙の搬送方向)に電流が流れるように二本の電極を基板の短手方向の両端に配置する。更に複数のブロックを電気的に直列に繋ぐ構成が特許文献1に開示されている。このような形状にすれば、発熱抵抗体の材質がNTCの場合、各ブロックの抵抗値が低くなり、ヒータの長手方向に電流を流す場合と比較してヒータ全体の総抵抗を低く抑えることができる。また、発熱抵抗体の材質がPTCの場合、複数のブロックに分割せずにヒータの短手方向に電流を流す場合と比較してヒータ全体の総抵抗を高くすることができる。
ただし、発熱抵抗体を複数の発熱ブロックに分割すると、隣り合う発熱ブロック間に隙間ができてしまい、発熱分布ムラができてしまう。そこで、特許文献1では、発熱ブロックの形状を平行四辺形にすることで、ヒータ長手方向で発熱しない領域が生じないようにしている。
特開2007−025474号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている発熱ブロックの形状では、発熱分布ムラを抑制する効果として不十分であることがその後の検討で判明した。図12はこのヒータの一部を示している。22aは細長い基板であり、この基板上に導電パターン29q(22q1、22q2・・・)と導電パターン29r(22r1、22r2・・・)を基板長手方向に沿って設けてある。導電パターン22qと22rは、共に基板長手方向の複数個所で分断されており、導電パターン22qと導電パターン22rの間には発熱抵抗体29b(29b1、29b2・・・)が接続されている。22e1は給電用コネクタを接続する電極である(他端側の電極の図示は省略してある)。
図12に示すように発熱ブロックの形状を平行四辺形にして、記録紙上の任意の点が必ず発熱抵抗体29bの存在する領域を通過するようにしても、ヒータ長手方向で発熱抵抗体がオーバーラップしている領域Bには電流があまり流れない。なぜなら、オーバーラップしている領域B以外の領域に図12に示すように最短電流経路が存在し、電流の多くはこの最短電流経路を流れてしまうからである。発熱量は電流の二乗に比例するので、流れる電流量が少ない領域の発熱量は低下してしまい、ヒータ長手方向における発熱分布ムラを抑制する効果は小さくなってしまう。このように発熱分布ムラが大きいと画像の加熱ムラが生じてしまう。また、一つの発熱ブロック内においても、電流が流れやすい領域と流れにくい領域が存在してしまうと、上述と同様に発熱分布ムラの課題が生じる。
上述の課題を解決するための本発明は、セラミック基板と、前記基板上に基板長手方向に沿って設けられている第1導電体と、前記基板上に前記第1導電体とは基板短手方向で異なる位置前記長手方向に沿って設けられている第2導電体と、前記第1導電体と前記第2導電体間に電気的に並列に且つ前記長手方向及び前記短手方向に対して傾けて接続されている複数の発熱抵抗体であって隣り合う発熱抵抗体と前記長手方向において互いにオーバーラップするように設けられている複数の発熱抵抗体と、を有するヒータにおいて、前記第1導電体及び前記第2導電体の前記複数の発熱抵抗体が接続されている領域における前記複数の発熱抵抗体が接続されている前記第1導電体及び前記第2導電体の辺全体が一直線である場合よりも、発熱抵抗体の電流が流れる方向に対して直交する方向における前記複数の発熱抵抗体各々の端部領域の電流量が多くなるように、前記第1導電体と前記第2導電体の前記辺のうち前記複数の発熱抵抗体が接続されている各部分が直線で且つ前記長手方向及び前記短手方向に対して傾いていることを特徴とする。
本発明によれば、ヒータ長手方向における発熱分布ムラを抑えることができる。
像加熱装置の断面図である。 ヒータの平面図である。(実施例1) 実施例1のヒータの、最短電流経路を示した図(図3(a))、及び発熱抵抗体の形状を示した図(図3(b))である。 ヒータの平面図である。(実施例2) 実施例2のヒータの、最短電流経路を示した図(図5(a))、及び発熱抵抗体の形状を示した図(図5(b))である。 実施例2のヒータの導電パターンの形状を説明するための図である。 ヒータの平面図である。(実施例3) 実施例3のヒータの、最短電流経路を示した図(図8(a))、及び発熱抵抗体の形状を示した図(図8(b))である。 ヒータの平面図である。(実施例4) 実施例4のヒータの、最短電流経路を示した図(図10(a))、及び発熱抵抗体の形状を示した図(図10(b))である。 ヒータの平面図である。(実施例5) ヒータの平面図である。(背景技術)
図1は像加熱装置としての定着装置6の断面図である。定着装置6は、筒状のフィルム(エンドレスベルト)23と、フィルム23の内面に接触するヒータ22と、フィルム23を介してヒータ22と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ(ニップ部形成部材)24と、を有する。フィルムのベース層の材質は、ポリイミド等の耐熱樹脂、またはステンレス等の金属である。加圧ローラ24は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金24aと、シリコーンゴム等の材質の弾性層24b、PFA等の材質の離型層24cを有する。ヒータ22は耐熱樹脂製の保持部材21に保持されている。保持部材21はフィルム23の回転を案内するガイド機能も有している。加圧ローラ24はモータMから動力を受けて矢印b方向に回転する。加圧ローラ24が回転することによってフィルム23が従動して回転する。
ヒータ22は、セラミック製のヒータ基板22aと、基板22a上に形成された発熱抵抗体22bと、導電パターン(導電体)22c及び22dと、発熱抵抗体22b及び導電パターン22c及び22dを覆う絶縁性(本実施例ではガラス)の表面保護層22fを有する。ヒータ基板22aの裏面側にはサーミスタ等の温度検知素子22gが当接している。温度検知素子22gの検知温度に応じて商用交流電源から発熱抵抗体22bへ供給する電力が制御される。未定着トナー画像を担持する記録材は、定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱されて定着処理される。
次に、本実施例1のヒータ22の形状及び特性について図2及び図3に基づき説明する。本実施例のヒータでは、基板22aとして幅12mm、長さ280mm、厚さ0.6mmの窒化アルミニウム基板を使用した。発熱抵抗体22b(22b1〜22b13)は、酸化ルテニウム(RuO)、銀・パラジウム(Ag・Pd)を主たる導電成分とする、特性がNTCの発熱抵抗体である。また、ヒータ22は、基板22a上に基板長手方向に沿って設けられている第1導電パターン(第1導電体)22c(22c1〜22c6)と、基板22a上に第1導電パターン22cとは基板短手方向で異なる位置に基板長手方向に沿って設けられている第2導電パターン(第2導電体)22d(22d1〜22d6)を有する。発熱抵抗体22bは第1導電パターン22cと第2導電パターン22dの間に接続されている。22e1、22e2は電力を供給するためのコネクタが接続される電極である。Sは記録材の搬送方向を示している。
図3に示すように、第1導電パターン22cと第2導電パターン22dは、いずれも基板長手方向に複数本に分割されている。また、発熱抵抗体22bは第1導電パターン22cと第2導電パターン22dの間に並列に複数本接続されている。本実施例では第1導電パターン22cと第2導電パターン22dは、いずれも6本に分割されている。第1導電パターン22cの一部である第1導電パターン22c1と、第2導電パターン22dの一部である第2導電パターン22d1の間には13本の発熱抵抗体22b1〜22b13が電気的に並列に接続されており、第1の発熱ブロックH1を形成している。また、第2導電パターン22d1と第1導電パターン22c2の間にも13本の発熱抵抗体22b1〜22b13が電気的に並列に接続されており、第2の発熱ブロックH2を形成している。本実施例のヒータでは、同様にして発熱ブロックが合計11個(H1〜H11)形成されており、11個の発熱ブロック(H1〜H11)は電気的に直列に接続されている。このようにヒータ22は発熱ブロックを複数有する構成となっている。
次に、発熱抵抗体22bの形状について説明する。図3に示すように各発熱ブロック中の13本の発熱抵抗体22b1〜22b13の形状は、いずれも平行四辺形である。そして、図3(a)に示すように、各発熱抵抗体中の最短電流経路は記録材搬送方向Sに対して斜めに傾いており、且つ、各発熱抵抗体の最短電流経路は、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路に対して基板長手方向でオーバーラップしている。図3(a)のW1が発熱抵抗体22b2の最短電流経路の基板長手方向における領域を示しており、W2が発熱抵抗体22b2の隣の発熱抵抗体22b3の最短電流経路の基板長手方向における領域を示している。領域W1と領域W2が基板長手方向においてオーバーラップしていることが判る。発熱抵抗体22bの形状をこのように設計すると、記録材搬送方向Sに対して平行にヒータを見たときに、ヒータの長手方向に亘って最短電流経路が隙間無く存在する。よって、記録材が定着ニップ部Nを通過する時、記録材上の任意の点は、電流が流れて発熱する領域を必ず通過するので、記録材上のトナー像が部分的に加熱不足となる現象を抑えることができる。
次に、記録材搬送方向Sに対して平行にヒータを見たときに、ヒータの長手方向に亘って最短電流経路が隙間無く存在する場合の発熱抵抗体の形状に関して詳しく説明する。なお、ヒータ長手方向において最短電流経路が隙間無く存在する範囲は、像加熱装置或いは画像形成装置で使用可能な最大サイズとして設定されている定型の記録材の幅設けてあればよい。
図3(b)に示すヒータの部分的平面図において、平行四辺形の発熱抵抗体22bの長辺長さをg1、短辺長さをc1、一つの発熱ブロック中の隣り合う発熱抵抗体22bの間隔をe1、発熱抵抗体22bの傾斜角度をβ1とする。この場合、発熱抵抗体22bの形状及び隙間e1を(式1)で表される関係に設定すれば、各発熱抵抗体の最短電流経路が、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路に対して基板長手方向でオーバーラップする関係を形成できる。
g1×cos(β1)≧c1+e1 (式1)
また、隣り合う二つの発熱ブロックの境界を形成している2本の発熱抵抗体(例えば発熱ブロックH1の発熱抵抗体22b13と、発熱ブロックH2の発熱抵抗体22b1)の関係も(式2)を満たすように設定すればよい。
g1×cos(β1)≧c1+d1 (式2)
本実施例のヒータは、e1=d1に設定してある。なお、本実施例のヒータにおける各部位の寸法は以下の通りである。ヒータ基板の短手方向の幅a1は12mm、発熱抵抗体22bの基板短手方向の幅b1は5mm、発熱抵抗体22bの長辺g1は6.28mm、短辺c1は1.4mmである。傾斜角度β1は約52.8°、隣り合う導電パターン22d間の距離d1(隣り合う導電パターン22c間の距離もd1である)は0.5mm、一つの発熱ブロック内の隣り合う発熱抵抗体間の距離e1は0.5mm、導電パターン22c及び22dの基板短手方向の幅f1は1.5mmである。なお、発熱抵抗体22bを設けた領域のヒータ長手方向の総幅は237mmである。これらの値を(式1)に当てはめると、g1×cos(β1)≒3.8、c1+e1=1.9となり、(式1)が成り立つ。また、c1+d1=1.9なので(式2)も成り立つ。
本実施例では、発熱抵抗体22bの温度抵抗係数(TCR:Temperature Coefficient of Resistance)が−455ppm/℃、即ちNTCとなるペースト材料を用い、ヒータの総抵抗値が20Ωとなるように導電パターンや発熱抵抗体の形状を設定した。ここで述べるTCRは、一般的に高温側のTCR値として用いられる25℃〜125℃間の数値である。
以上のように、一つの発熱ブロック中の発熱抵抗体の形状を、基板長手方向において幅広くするのではなく基板短手方向に細長くして並列接続することによって、最短電流経路を短手方向Sに対して傾けることができる。この構成に加えて、各発熱抵抗体の最短電流経路が、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路に対して基板長手方向においてオーバーラップするように配置することで、基板長手方向におけるヒータの発熱分布ムラを小さく抑えることが出来る。
図4〜図6を用いて実施例2のヒータを説明する。図4に示すように実施例2のヒータ22は、発熱抵抗体25bの形状が実施例1で示した平行四辺形形状ではなく長方形であり、導電パターン25c及び25dの形状も実施例1と異なっている。発熱抵抗体25b、導電パターン25c及び25d以外の、基板22a、給電用電極22e1及び22e2は、それぞれ実施例1と同様の材料、形状にて形成した。なお、発熱抵抗体25bを設けた領域のヒータ長手方向の総幅は237mmである。また、総抵抗値が実施例1と同じ20Ωになるように材料や混合比を調整して発熱抵抗体25bを形成し、25℃〜125℃におけるTCRは−430ppm/℃であった。
実施例2のヒータも実施例1のヒータ同様、発熱抵抗体25bを11個の発熱ブロックに分けている。また、一つの発熱抵抗体の最短電流経路が記録材搬送方向に対して斜めに傾くようにするため、一つの発熱ブロック中で13個の発熱抵抗体に分割している点も実施例1と同じである。この13個の長方形に分割された発熱抵抗体25b(25b1〜25b13)は電気的に並列に接続されて一つの発熱ブロックを構成している。また、13個の発熱抵抗体25bの群、つまり発熱ブロックは11個あり、11個の発熱ブロック(H1〜H11)は電気的に直列に接続されている。
本実施例では、発熱抵抗体が長方形で形成されているため、個々の発熱抵抗体25bに存在する最短電流経路は単一線ではなく発熱抵抗体の全面になる。本実施例においても実施例1と同様に記録材搬送方向Sに対して最短電流経路が斜めに構成されている。図5(a)には最短電流経路の方向を示してある。実施例1のヒータよりも一つの発熱抵抗体中の最短電流経路が広いので個々の発熱抵抗体に対して2本の矢印を引いてある。また、図6に示すように、各発熱抵抗体の形状を長方形とするため、導電パターン25c及び25dはΔ(デルタ)形状領域を有している。導電パターンのΔ形状領域は、発熱抵抗体を長方形にするためであれば他の形状でもよく、形状をΔに特定するものではない。
本実施例のように、個々の発熱抵抗体25bに存在する最短電流経路を実施例1のような単一線でなく平面にすることで、実施例1の構成に比べて、フィルム23及び記録材への伝熱効率が向上するメリットがある。また、本実施例においても、各発熱抵抗体の最短電流経路が、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路に対して基板長手方向においてオーバーラップしているので、ヒータの発熱分布ムラを小さく抑えることができる。なお、図5(a)のW3が発熱抵抗体25b1の最短電流経路の基板長手方向における領域を示しており、W4が発熱抵抗体25b1の隣の発熱抵抗体25b2の最短電流経路の基板長手方向における領域を示している。領域W3と領域W4が基板長手方向においてオーバーラップしていることが判る。発熱抵抗体25bの形状をこのように設計すると、記録材搬送方向Sに対して平行にヒータを見たときに、ヒータの長手方向に亘って最短電流経路が隙間無く存在する。よって、記録材が定着ニップ部Nを通過する時、記録材上の任意の点は、電流が流れて発熱する領域を必ず通過するので、記録材上のトナー像が部分的に加熱不足となる現象を抑えることができる。
各発熱抵抗体の最短電流経路が、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路に対して基板長手方向においてオーバーラップ関係にするには、(式3)のように設定すればよい。
g2×cos(β2)−h2×cos(β2)/tan(β2)≧e2 (式3)
ここで、図5(b)に示すように、長方形の発熱抵抗体25bの長辺長さをg2、短辺長さをh2、隣り合う発熱抵抗体25b同士の間隔をe2、発熱抵抗体25bの傾斜角度β2とする。また、隣り合う二つの発熱ブロックの境界を形成している2本の発熱抵抗体(例えば発熱ブロックH1の発熱抵抗体25b13と、発熱ブロックH2の発熱抵抗体25b1)の関係も(式3)のe2をd2に置き換えた(式4)を満たすように設定すればよい。
g2×cos(β2)−h2×cos(β2)/tan(β2)≧d2 (式4)
本実施例のヒータにおける各部位の寸法は以下の通りである。ヒータ基板の短手方向の幅a2は12mm、発熱抵抗体26bの長辺g2は7.0mm、短辺h2は1.0mm、傾斜角度β2は約52.8°、発熱抵抗体間の距離e2及びd2は0.5mmとした。この数値を当てはめると、g2×cos(β2)−h2×cos(β2)/tan(β2)≒3.8、e2=0.5となり(式2)が成り立つ。同様に(式4)も成り立つ。
図7及び図8を用いて実施例3のヒータを説明する。図7に示すように実施例3のヒータ22は発熱抵抗体26bを32個の発熱ブロック(H1〜H32)に分け、各発熱ブロック中では最短電流経路が記録材搬送方向に対して斜めになるように5本の発熱抵抗体(26b1〜26b5)に分割している。この5本の長方形に分割された発熱抵抗体26bは電気的に並列に接続されている。また、32個の発熱抵抗体26bの群、つまり発熱ブロックH1〜H32は電気的に直列に接続されている。図7に示すように、本実施例では、導電パターン26h1〜26h33が基板長手方向に対して平行ではなく傾いているが、基板長手方向に沿って設けられている。発熱ブロックH1においては、導電パターン26h1が第1の導電体に相当し、導電パターン26h2が第2の導電体に相当する。また、発熱ブロックH2においては、導電パターン26h2が第1の導電体に相当し、導電パターン26h3が第2の導電体に相当する。なお、発熱抵抗体26bを形成しているヒータ長手方向の総幅は224.2mmである。発熱抵抗体26bは総抵抗値が実施例1、2と同じ20Ωになるように、材料や混合比を調整して形成し、25℃〜125℃におけるTCRを−435ppm/℃とした。
本実施例においても発熱抵抗体が長方形で形成されているため個々の発熱抵抗体26bに存在する最短電流経路は単一線ではなく発熱抵抗体全面となる。各発熱ブロック中で複数本の発熱抵抗体を並列に接続しているので、本実施の形態においても実施例1、2と同様に記録材搬送方向Sに対して最短電流経路が斜めに構成されている(図8(a))。また、各発熱抵抗体の最短電流経路が、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路に対して基板長手方向においてオーバーラップするように発熱抵抗体が形成されており、ヒータ長手方向における発熱分布ムラが小さく抑えられるようになっている。図8(b)に示すように、本実施例のヒータにおける各部位の寸法は以下の通りである。ヒータ基板の短手方向の幅a3は12mm、発熱抵抗体26bの短辺g3は1.3mm、長辺h3は2.5mm、隣り合う発熱ブロック同士の間隔e3は2.6mm、隣り合う発熱抵抗体26b同士の間隔e31は0.5mm、傾斜角度β3は35°とした。
また、最短電流経路がオーバーラップしている点を視覚的に現したのが図8(a)である。W5は発熱抵抗体26b1の最短電流経路の基板長手方向における領域、同様にW6は発熱抵抗体26b1の隣の発熱抵抗体26b2の基板長手方向における領域を示している。図8(a)より明らかなように、隣り合う発熱抵抗体の最短電流経路が基板長手方向でオーバーラップしているので、記録材搬送方向Sに対して平行にヒータを見たときに、ヒータの長手方向に亘って最短電流経路が必ず存在する構成となっている。また、隣り合う二つの発熱ブロックの境界を形成している2本の発熱抵抗体(例えば発熱ブロックH1の発熱抵抗体26b5と、発熱ブロックH2の発熱抵抗体26b1)の関係も、互いの最短電流経路がオーバーラップする関係になっている。
図9及び図10を用いて実施例4のヒータを説明する。図9に示すように実施例4のヒータ22は、発熱抵抗体27bの形状が実施例2で示した形状と同様に長方形であり、長辺の長さが実施例2の発熱抵抗体25bの半分である。また、給電用電極22e1から供給される電流が、ヒータ長手方向で電極22e1が設けられた端部とは反対側のヒータ端部まで達した後に、折り返して給電用電極22e2に達するよう構成されており、発熱抵抗体が複数列設けられている所謂往復発熱パターンとなっている。このため導電パターンが基板短手方向において4列(27i、27j、27m、27k)設けられている。実施例1〜3のヒータは、二つの給電用電極がヒータ長手方向両端部に1つずつ配置されていた。これに対して本実施例の構成は、二つの給電用電極22e1及び22e2が両方ともヒータの長手方向において片側の端部にあるので、電極に接続するコネクタを1つにすることが出来るというメリットがある。
基板22aは実施例1と同様の材料、形状にて形成した。なお、複数に分割された発熱抵抗体27bが形成されている領域のヒータ長手方向の総幅は237mmである。また、総抵抗値が実施例1と同じ20Ωになるように、材料や混合比を調整して発熱抵抗体27bを形成し、25℃〜125℃におけるTCRを−230ppm/℃に設定した。
なお、発熱抵抗体27bをヒータ22の長手方向に22個の発熱ブロックに分け(11個の発熱ブロック×1往復)、最短電流経路が記録材搬送方向に対して斜めになるよう一つの発熱ブロック中で発熱抵抗体は7個に分割(27b1〜27b7)されている。この7個の長方形に分割された発熱抵抗体27bは電気的に並列に接続され、22個の発熱ブロックH1〜H22は電気的に直列に接続されている。本実施例においても、個々の発熱抵抗体が長方形で形成されているため、個々の発熱抵抗体27bに存在する最短電流経路は発熱抵抗体全面になる。
ところで、本実施例では、上述のように、発熱ブロックが基板の短手方向において異なる位置に複数列(本実施例では二列)設けられている。そして、短手方向における一方の列の発熱ブロック内の各発熱抵抗体の最短電流経路が、他方の列の発熱ブロック内の各発熱抵抗体の最短電流経路に対して、長手方向においてオーバーラップしている。具体的には、図10(a)に示すように、一つの発熱ブロック内の隣り合う二つの発熱抵抗体(例えば発熱ブロックH1内の発熱抵抗体27b1と発熱抵抗体27b2)の最短電流経路は基板長手方向でオーバーラップしていない。しかしながら、列が異なる発熱ブロック間で長手方向に隣り合う二つの発熱抵抗体(例えば発熱ブロックH1内の発熱抵抗体27b5(領域W7)と発熱ブロックH22内の発熱抵抗体27b5)の最短電流経路は、基板長手方向でオーバーラップしている。このような形状でも、ヒータの長手方向における発熱分布ムラを小さく抑えることができる。
なお、図10(b)に示すように、本実施例のヒータにおける各部位の寸法は以下の通りである。ヒータ基板22aの基板短手方向の幅a4は12mm、発熱抵抗体27bの長辺g4は3.5mm、短辺h4は1.0mm、傾斜角度β4は約52.8°、7個に分割された発熱抵抗体間の距離e41は2.3mmとした。発熱ブロック間の距離e4も2.3mmとした。
図11を用いて実施例5のヒータを説明する。このヒータの形状は実施例1のヒータの変形例であり、図11に示すように、二本の導電パターン28n及び28pが基板長手方向において分割されていない。したがって発熱ブロックが1つしかない形態である。導電パターン28nと導電パターン28pの間に並列に接続される発熱抵抗体は143本(28b1〜28b143)である。隣り合う発熱抵抗体同士の最短電流経路が基板長手方向でオーバーラップしている点は実施例1と同様である。ただし、発熱抵抗体がNTCではなくPTCである。PTCの材質は体積抵抗が非常に低く、実施例1のように発熱ブロックを複数個に分割する構成が有効であるが、発熱抵抗体として体積抵抗が比較的高いPTCの材質を用いることができれば、本実施例の形状でも構わない。
なお、上述した実施例1〜4は、発熱抵抗体としてNTCのものを例に示した。しかしながら、PTCの発熱抵抗体の場合でも、その形状を実施例1〜4のように、最短電流経路をオーバーラップさせる構成にすれば基板長手方向における発熱分布ムラを小さく抑えることが出来る。
本発明は、未定着トナー像を記録材に定着する定着装置だけでなく、記録材上に定着済みのトナー像を再度加熱することによって、画像の光沢度を向上させる光沢付与装置などの像加熱装置にも適用できる。
22 ヒータ
22a ヒータ基板
22b 発熱抵抗体
22c、22d 導電パターン
22e1、22e2 電極
23 フィルム
24 加圧ローラ
P 記録材
N 定着ニップ部

Claims (5)

  1. セラミック基板と、前記基板上に基板長手方向に沿って設けられている第1導電体と、前記基板上に前記第1導電体とは基板短手方向で異なる位置前記長手方向に沿って設けられている第2導電体と、前記第1導電体と前記第2導電体間に電気的に並列に且つ前記長手方向及び前記短手方向に対して傾けて接続されている複数の発熱抵抗体であって隣り合う発熱抵抗体と前記長手方向において互いにオーバーラップするように設けられている複数の発熱抵抗体と、を有するヒータにおいて、
    前記第1導電体及び前記第2導電体の前記複数の発熱抵抗体が接続されている領域における前記複数の発熱抵抗体が接続されている前記第1導電体及び前記第2導電体の辺全体が一直線である場合よりも、発熱抵抗体の電流が流れる方向に対して直交する方向における前記複数の発熱抵抗体各々の端部領域の電流量が多くなるように、前記第1導電体と前記第2導電体の前記辺のうち前記複数の発熱抵抗体が接続されている各部分が直線で且つ前記長手方向及び前記短手方向に対して傾いていることを特徴とするヒータ。
  2. 前記ヒータは、並列接続された前記複数の発熱抵抗体を有する発熱ブロックを複数有し、各発熱ブロックは電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記発熱抵抗体は負の抵抗温度特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のヒータ。
  4. 前記発熱抵抗体は正の抵抗温度特性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のヒータ。
  5. エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内面に接触するヒータと、前記エンドレスベルトを介して前記ヒータと共にニップ部を形成するニップ部形成部材と、を有し、前記ニップ部で画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱する像加熱装置において、
    前記ヒータが請求項1〜4いずれか一項に記載のヒータであることを特徴とする像加熱装置。
JP2014077317A 2014-04-03 2014-04-03 ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置 Active JP5777764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014077317A JP5777764B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014077317A JP5777764B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011530694A Division JP5518080B2 (ja) 2009-09-11 2009-09-11 ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015138173A Division JP6129248B2 (ja) 2015-07-09 2015-07-09 ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014134819A JP2014134819A (ja) 2014-07-24
JP5777764B2 true JP5777764B2 (ja) 2015-09-09

Family

ID=51413063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014077317A Active JP5777764B2 (ja) 2014-04-03 2014-04-03 ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5777764B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6561609B2 (ja) * 2015-06-16 2019-08-21 東芝ライテック株式会社 ヒータおよび画像形成装置
JP6589434B2 (ja) * 2015-07-22 2019-10-16 東芝ライテック株式会社 ヒータおよび画像形成装置
JP7415273B2 (ja) 2019-08-16 2024-01-17 株式会社リコー 画像形成装置及び熱圧着装置
JP2022142622A (ja) 2021-03-16 2022-09-30 キヤノン株式会社 ヒータ及び像加熱装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT1257082B (it) * 1992-08-31 1996-01-05 Olivetti Canon Ind Spa Dispositivo riscaldante per il fissaggio di informazioni su un supporto d'informazione di formati differenti.
JP2005209493A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Canon Inc 加熱装置および画像形成装置
JP2007025474A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Canon Inc 加熱装置及び画像形成装置
JP2010054846A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Sharp Corp 抵抗発熱体、定着装置およびこれを備えた画像形成装置
US8395096B2 (en) * 2009-02-05 2013-03-12 Sandvik Thermal Process, Inc. Precision strip heating element

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014134819A (ja) 2014-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5518080B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
JP5495772B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
JP7095125B2 (ja) 像加熱装置及び像加熱装置に用いるヒータ
JP5791264B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
JP5812632B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを有する像加熱装置
JP2012189807A (ja) ヒータ及びこのヒータを有する像加熱装置
JP5777764B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
JP5424786B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
JP6172360B1 (ja) 加熱装置、定着装置および画像形成装置
US10542588B2 (en) Heater with elongated heating resistor layer
JP7004395B2 (ja) ヒータ
JP6129248B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
JP5479075B2 (ja) 画像形成装置
JP6561609B2 (ja) ヒータおよび画像形成装置
JP6589434B2 (ja) ヒータおよび画像形成装置
JP5777758B2 (ja) ヒータ及びこのヒータを搭載する像加熱装置
US9977380B2 (en) Heater for fixing device

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140507

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150707

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5777764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151