本実施の形態に係る評価情報生成システム及びプログラムを、その図面を参照して説明する。本実施の形態に係る評価情報生成システムは、多品種小ロットの製品を生産する製造業において、受け付けた3ヶ月分の注文前における製品の引合量を、製品の生産計画、引合量の時間的バラツキ等の観点からリアルタイムで評価した情報を生成する。ここでの製造業は、例えば鉄鋼業、ファインケミカル製造業、食品製造業、日用雑貨品製造業等である。以下では、鉄鋼業を例に挙げて、本実施の形態に係る評価情報生成システムを説明する。
図1は、評価情報生成システム10のハードウェア構成例を示すブロック図である。評価情報生成システム10は、サーバ20及び端末装置30を含む。
サーバ20は、例えばメインフレーム、ワークステーション、デスクトップPC(パーソナルコンピュータ)等である。サーバ20は、鉄鋼業に係る工場に設置されている。サーバ20は、鉄鋼業に係る営業、企画及び生産の知識を有する担当者により操作される。なお、サーバ20は、鉄鋼業に係る情報を管理する情報管理センタ又は鉄鋼専門商社の建物に設置されてもよい。
端末装置30は、例えばデスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン等である。端末装置30は、特約店に設置されている。特約店は、鉄鋼卸売業者であり、鉄鋼会社から鋼材を仕入れ、仕入れた鋼材を顧客(販売店又はエンドユーザ)に販売する。図1では、3台の端末装置30が描かれているが、端末装置30の台数は、2台以下でもよいし、4台以上でもよい。
サーバ20と、端末装置30とは、ネットワーク1Nで接続されている。ネットワーク1Nは、例えば専用回線、電話回線、衛星通信回線、インターネット等である。
図2は、サーバ20のハードウェア構成例を示すブロック図である。サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22及びRAM(Random Access Memory)23を含む。また、サーバ20は、ハードディスク24、ディスクドライブ25、表示部26、操作部27、タイマ28及び通信部29を含む。
CPU21は、ソフトウェアプログラムに記述された命令セットを実行するためのプロセッサである。CPU21は、サーバ20の各構成部を制御する。CPU21は、ハードディスク24に記憶されたプログラム2PをRAM23に読み出し、RAM23に読み出したプログラム2Pを実行する。
ROM22は、読み出し専用記憶媒体であり、例えば不揮発性の半導体メモリである。ROM22は、サーバ20の起動時にCPU21が実行するBIOS(Basic Input/Output System)、ファームウェア等を記憶している。
RAM23は、主記憶装置である。RAM23は、例えばSRAM又はDRAMであり、CPU21が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記憶する。なお、RAM23の代わりにフラッシュメモリ、メモリカード等が用いられてもよい。
ハードディスク24は、補助記憶装置である。ハードディスク24は、大容量の情報の記憶が可能なフラッシュメモリ又はCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等の光ディスク1dで代替されてもよい。ハードディスク24は、サーバ20の内部に取り付けられるものであっても、サーバ20の外部に置かれるものであってもよい。ハードディスク24は、ネットワーク1Nを介してアクセス可能な記憶装置(例えば、データベースサーバ)で代替されてもよい。
ハードディスク24は、CPU21が実行するプログラム2P、各種テーブル、図示しない電子メールソフトウェア等を記憶している。
ディスクドライブ25は、外部の記憶媒体であるCD、DVD、BD等の光ディスク1dから情報を読み出し、光ディスク1dに情報を記録する。
表示部26は、画像を表示する表示装置である。表示部26は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube)等の画面を有し、CPU21からの指示に従って、プログラム2Pに係る各種情報を当該画面に表示する。
操作部27は、ユーザが各種の入力を行うキーボード、マウス等の入力デバイスである。操作部27は、ユーザによる操作に基づいて入力信号を生成する。生成された入力信号は、バス2bを介してCPU21に出力される。
タイマ28は、クロックを数えることで一定時間の経過を計時する装置である。タイマ28は、計時した結果をCPU21に出力する。
通信部29は、有線又は無線通信のモデム、LAN(Local Area Network)カード、ルータ、USB(Universal Serial Bus)端子、接続コネクタ等である。通信部29は、ネットワーク1Nと接続されている。
なお、CPU21は、ディスクドライブ25を介して、プログラム2Pを光ディスク1dから読み込んでもよい。CPU21は、通信部29を介して、プログラム2Pを外部の情報処理装置又は記憶装置から読み込んでもよい。さらに、プログラム2Pを記憶したフラッシュメモリ等の半導体メモリ1mが、サーバ20内に実装されていてもよい。
図3は、端末装置30のハードウェア構成例を示すブロック図である。端末装置30は、CPU31、ROM32及びRAM33を含む。また、端末装置30は、ハードディスク34、ディスクドライブ35、表示部36、操作部37、タイマ38及び通信部39を含む。
CPU31は、ソフトウェアプログラムに記述された命令セットを実行するためのプロセッサである。CPU31は、端末装置30の各構成部を制御する。CPU31は、ハードディスク34に記憶されたプログラム30PをRAM33に読み出し、RAM33に読み出したプログラム30Pを実行する。
ROM32は、読み出し専用記憶媒体であり、例えば不揮発性の半導体メモリである。ROM32は、端末装置30の起動時にCPU31が実行するBIOS、ファームウェア等を記憶している。
RAM33は、主記憶装置である。RAM33は、例えばSRAM又はDRAMであり、CPU31が実行する処理の過程で必要な作業変数、データ等を一時的に記憶する。なお、RAM33の代わりにフラッシュメモリ、メモリカード等が用いられてもよい。
ハードディスク34は、補助記憶装置である。ハードディスク34は、大容量の情報の記憶が可能なフラッシュメモリ又はCD、DVD、BD等の光ディスク1dで代替されてもよい。ハードディスク34は、端末装置30の内部に取り付けられるものであっても、端末装置30の外部に置かれるものであってもよい。ハードディスク34は、ネットワーク1Nを介してアクセス可能な記憶装置(例えば、データベースサーバ)で代替されてもよい。
ハードディスク34は、在庫管理リスト3L、CPU31が実行するプログラム30P、図示しない電子メールソフトウェア等を記憶している。在庫管理リスト3Lは、鋼材の注文に係る引合量、特約店における鋼材の販売予定数量等を入力するためのファイルである。引合は、鋼材の注文前に、特約店が注文品の数量、納入予定日(納期)等を工場に問い合わせることである。特約店と工場との間で引合の内容について合意が得られた場合、引合情報は注文情報に変わる。
在庫管理リスト3Lは、例えば表計算ソフトウェアのファイルであり、入力された鋼材の引合量に対して各種チェック等を実行するプログラム3Pを含んでいる。プログラム30Pは、特約店の倉庫に係る在庫実績情報、鋼材の販売実績情報等を例えばファイル転送の方式で、サーバ20へアップロードする機能を有している。また、プログラム30Pは、サーバ20に接続し、サーバ20のプログラム2Pが生成する在庫管理リスト3Lと、サーバ20のプログラム2Pが提供する各種テーブルの情報とをサーバ20から受信する機能を有している。
ディスクドライブ35は、外部の記憶媒体であるCD、DVD、BD等の光ディスク1dから情報を読み出し、光ディスク1dに情報を記録する。
表示部36は、画像を表示する表示装置である。表示部36は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ等の画面を有し、CPU31からの指示に従って、プログラム3P、30Pに係る各種情報を当該画面に表示する。
操作部37は、ユーザが各種の入力を行うキーボード、マウス、タッチパネル、電源スイッチ等の入力デバイスである。操作部37は、ユーザによる操作に基づいて入力信号を生成する。生成された入力信号は、バス3bを介してCPU31に出力される。
タイマ38は、クロックを数えることで一定時間の経過を計時する装置である。タイマ38は、計時した結果をCPU31に出力する。
通信部39は、有線又は無線通信のモデム、LANカード、ルータ、USB端子、接続コネクタ等である。通信部39は、ネットワーク1Nと接続されている。
なお、CPU31は、ディスクドライブ35を介して、在庫管理リスト3L及びプログラム30Pを光ディスク1dから読み込んでもよい。CPU31は、通信部39を介して、在庫管理リスト3L及びプログラム30Pを外部の情報処理装置又は記憶装置から読み込んでもよい。さらに、在庫管理リスト3L及びプログラム30Pを記憶したフラッシュメモリ等の半導体メモリ1mが、端末装置30内に実装されていてもよい。
図4は、評価情報生成システム10の機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバ20の各機能部は、ハードディスク24に記憶されたプログラム2Pと、CPU21、RAM23、ハードディスク24等のハードウェア資源とが協働して動作することにより実現される。また、端末装置30の各機能部は、ハードディスク34に記憶されたプログラム3P、30Pと、CPU31、RAM33、ハードディスク34等のハードウェア資源とが協働して動作することにより実現される。
以下では、評価情報生成システム10が有する機能をサーバ20と、端末装置30とに分担させて説明する。ただし、評価情報生成システム10が有する全ての機能は、サーバ20のみ又は端末装置30のみが有していてもよい。かかる場合、サーバ20のみ又は端末装置30のみが、プログラム2P、3P、30Pと同じ機能を有するプログラムを実行する。
なお、評価情報生成システム10は、一定期間を基本単位として、特約店の倉庫の在庫、引合、合意、注文、在庫補充(納入)、販売等の情報を管理する。例えば鉄鋼業の生産工程は、高炉(溶鉱炉)、転炉、電炉等による鋼素材生産及び各種鍛造、圧延機械等による鋼材生産の2工程を基本とする。受注活動、鋼材製造後の物流活動、納入リードタイム(納入所要時間)等は、各生産工程又は各生産工程の製造設備に起因する生産リードタイムに律速される。また、特約店は、顧客に鋼材を即納しているため、例えば1週間単位の情報管理では販売量の変動が大きく、販売計画、収益計画を立てることが困難である。また、工場も1週間では特約店の需要に追随して鋼材を生産することが困難である。そこで以下では、評価情報生成システム10による情報管理は、例えば1ヶ月単位を基準とする。従って、特約店は、鋼材の補充を1ヶ月単位で工場に要求する。
端末装置30は、通信部301、受付部302及び記憶部303を含む。通信部301は、ハードウェアの通信部39に対応する機能部である。通信部301は、特約店の倉庫の在庫実績、販売実績及び発注残をサーバ20へ送信する。発注残は、特約店と工場との間で合意して、契約が締結した注文の数量のうち、工場から特約店へ未納となっている鋼材の数量に対応する。また、通信部301は、在庫管理リスト3Lを含む情報をサーバ20と送受信する。なお、通信部301がサーバ20と情報の通信をする方式は、FTP(File Transfer Protocol)、電子メール等によるファイル伝送であるが、特定の方式に限定されない。
受付部302は、ハードウェアの操作部37及びCPU31に対応する機能部である。受付部302は、記憶部303に記憶された各種テーブル及び在庫管理リスト3Lに入力される情報を受け付ける。例えば、受付部302は、在庫管理リスト3Lに入力される鋼材の引合量を受け付ける。
記憶部303は、ハードウェアのハードディスク34に対応する機能部である。記憶部303は、販売実績テーブル31T、在庫実績テーブル32T、発注残テーブル33T及び在庫管理リスト3Lを記憶する。以下、販売実績テーブル31T、在庫実績テーブル32T及び発注残テーブル33Tについて説明する。在庫管理リスト3Lについては、後述する。
販売実績テーブル31Tは、特約店別、月別、品目別の販売実績を記憶するテーブルである。端末装置30は、毎月月締めで販売実績を集計し、集計した販売実績のレコードを販売実績テーブル31Tに挿入する。端末装置30は、毎月月初めに販売実績テーブル31Tから前月の品目別販売実績を読み出し、読み出した前月の品目別販売実績をサーバ20へFTP送信する。
在庫実績テーブル32Tは、特約店別、月別、品目別の在庫実績を記憶するテーブルである。端末装置30は、毎月、月末時点における鋼材の在庫実績を受け付ける。端末装置30は、受け付けた月末時点における鋼材の在庫実績のレコードを在庫実績テーブル32Tに挿入する。端末装置30は、毎月月初めに在庫実績テーブル32Tから前月の品目別在庫実績を読み出し、読み出した前月の品目別在庫実績をサーバ20へFTP送信する。
発注残テーブル33Tは、特約店別、月別、品目別の発注残を記憶するテーブルである。端末装置30は、毎月月締めで鋼材が未納となっている発注残のレコードを発注残テーブル33Tに挿入する。端末装置30は、毎月月初めに発注残テーブル33Tから前月末時点における発注残データを読み出し、読み出した前月末時点の発注残データをサーバ20へFTP送信する。
端末装置30は、アクセス部304、算出部305、比較部306、生成部307及び出力部308を含む。これらの機能部は、在庫管理リスト3Lに入力された鋼材の引合量を端末装置30が評価するための機能部である。アクセス部304は、記憶部303にアクセスして、記憶部303から情報を読み出し、記憶部303に情報を書き込む機能部である。例えば、アクセス部304は、記憶部303から各種テーブルのレコード及び在庫管理リスト3Lを読み出す。
算出部305は、受付部302が受け付けた在庫管理リスト3Lへの引合量に対して、各種チェックを実行するために引合量に係る比、変化率等の値を算出する機能部である。比較部306は、算出部305が算出した引合量に係る値を一定の閾値と比較する機能部である。生成部307は、比較部306が比較した結果に基づいて、在庫管理リスト3Lに入力された引合量の評価情報を生成する機能部である。生成部307が生成する評価情報は、例えばアラート情報である。出力部308は、生成部307が生成した情報を表示部36に出力する機能部である。なお、出力部308は、生成部307が生成した情報を通信部301に出力してもよい。
端末装置30は、補正部309及び在庫量算出部310を含む。これらの機能部は、端末装置30が特約店における将来の予定在庫量を算出するための機能部である。補正部309は、受付部302が受け付けた鋼材の引合量と、鋼材の納入リードタイムとに基づいて、特約店の倉庫に納入される鋼材の予定入庫量を月別、品目別に補正する機能部である。補正前の月別、品目別の予定入庫量は、発注残と納入リードタイムとに基づいて、算出される。在庫量算出部310は、前月末の在庫量に対して、補正部309が補正した予定入庫量を加算し、予定出庫量を減算することにより、特約店の倉庫における予定在庫量を月別、品目別に算出する機能部である。在庫量算出部310が算出した予定入庫量は、出力部308により表示部36に出力される。
端末装置30は、基準在庫量算出部311、不足量算出部312、平準化分割部313及び設定部314を含む。これらの機能部は、端末装置30が引合量を自動的に計算するための機能部である。基準在庫量算出部311は、受付部302が受け付けた一定の数値を安全在庫量に乗算して、所定の基準在庫量を算出する機能部である。不足量算出部312は、基準在庫量算出部311が算出した基準在庫量に対する一定期間経過後(例えば2ヶ月後)の予定在庫量の不足量を算出する機能部である。平準化分割部313は、不足量算出部312が算出した不足量が連続した複数の一定期間(例えば、当月、翌月、翌々月)に均等に分散するように、不足量算出部312が算出した不足量を分割する機能部である。設定部314は、平準化分割部313が分割した不足量を連続した複数の一定期間各々に設定する機能部である。設定部314が設定した不足量は、出力部308により仮の引合量として表示部36に出力される。
サーバ20は、通信部201及び記憶部202を含む。通信部201は、在庫実績、販売実績及び発注残と、在庫管理リスト3Lとを含む情報を端末装置30から受信する。また、通信部201は、在庫管理リスト3Lを端末装置30へ送信する。なお、通信部201が端末装置30と情報の通信をする方式は、FTP(File Transfer Protocol)、電子メール等によるファイル伝送であるが、特定の方式に限定されない。
記憶部202は、ハードウェアのハードディスク24に対応する機能部である。記憶部202は、販売実績テーブル21T、販売予定テーブル22T、在庫実績テーブル23T、引合テーブル24T、発注残テーブル25T、納入予定テーブル26T、出荷実績テーブル27T及び予算テーブル28Tを記憶する。以下、販売実績テーブル21T等について説明する。
販売実績テーブル21Tは、特約店別、月別、品目別の販売実績を記憶するテーブルである。サーバ20は、毎月月初めに端末装置30からFTP送信された前月の品目別販売実績を受信し、受信した前月の品目別販売実績のレコードを販売実績テーブル21Tに挿入する。
販売予定テーブル22Tは、1ヶ月当たりの鋼材の販売予定数量を特約店別に記憶するテーブルである。鋼材の販売予定数量は、サーバ20が算出する場合と、特約店の担当者により設定される場合とがある。前者と後者とは、特約店が評価情報生成システム10を導入する際に、予め選択設定される。後者の場合、特約店の担当者により設定された販売予定数量は、在庫管理リスト3Lに入力される。在庫管理リスト3Lを受信したサーバ20は、在庫管理リスト3Lから販売予定数量を読み出し、読み出した販売予定数量のレコードを販売予定テーブル22Tに挿入する。
在庫実績テーブル23Tは、月末時点における特約店別、月別、品目別の在庫実績を記憶するテーブルである。サーバ20は、毎月月初めに特約店の端末装置30からFTP送信された前月末時点における在庫実績を受信し、受信した前月末時点の在庫実績のレコードを在庫実績テーブル23Tに挿入する。
引合テーブル24Tは、特約店別、月別、品目別に鋼材の引合数を記憶するテーブルである。当月、翌月及び翌々月の3ヶ月分の引合量が特約店の担当者により在庫管理リスト3Lに入力される。引合量が入力された在庫管理リスト3Lは、端末装置30からサーバ20へ送信される。サーバ20は、受信した在庫管理リスト3Lに記憶された引合量を読み出し、読み出した引合量のレコードを引合テーブル24Tに挿入する。
発注残テーブル25Tは、特約店別、月別、品目別に発注残を記憶するテーブルである。サーバ20は、毎月月初めに特約店の端末装置30からFTP送信された前月末時点における発注残を受信し、受信した前月末時点の発注残のレコードを発注残テーブル25Tに挿入する。工場から特約店の倉庫へ鋼材が出荷された場合、発注残テーブル25Tに記憶された発注残から、出荷された鋼材に対応する品目の数量が消し込まれる。
なお、特約店の担当者が端末装置30を介してサーバ20にログインし、自身が所属する特約店の発注残情報を発注残テーブル25Tに格納してもよい。
上記では、発注残情報を特約店の端末装置30からサーバ20へ送信した。しかし、サーバ20が受注残情報を管理し、サーバ20から特約店の端末装置30へ受注残情報を送信してもよい。
納入予定テーブル26Tは、特約店別、月別、品目別に工場から特約店の倉庫へ納入される鋼材の納入予定日を記憶するテーブルである。サーバ20は、発注残、端末装置30から受信した在庫管理リスト3Lに入力された引合量、納入希望月、納入リードタイム等に基づいて、特約店へ納入する鋼材の数量及び納入予定日を算出し、算出した数量及び納入予定日のレコードを納入予定テーブル26Tに挿入する。
サーバ20は、特約店へ納入する鋼材の数量及び納入予定日を算出するに当たり、引合量及び納入予定日の調整処理を実行する。なお、調整処理は、工場の担当者が手作業で実行してもよい。かかる場合、工場の担当者は、電話、電子メール等を用いて特約店の担当者と情報交換を行うことにより、調整処理を実行する。以下、調整処理を例示する。
まず、サーバ20は、鋼素材の生産単位量に基づく調整を実行する。
各種溶解炉で生産する鋼素材の重量が例えば100トン単位であり、特約店に納入する鋼材の重量が例えば500kg単位である場合、サーバ20は全引合量に対応する鋼材の重量が100トンに近づくように、引合量及び納入予定日を変更する。
サーバ20は、生産リードタイムに基づく調整を実行する。
サーバ20は、生産に例えば3ヶ月の生産リードタイムを要する鋼材について、特約店の希望納入予定日が引合の月から3ヶ月未満の日である場合、納入予定日の月を引合の月から3ヶ月後の月に変更する。
サーバ20は、製造設備の稼働状況に基づく調整を実行する。製造設備の稼働状況は、予めハードディスク24に記憶されている。
サーバ20は、各品目の生産に使用する製造設備毎に各品目の引合量を合計し、合計した引合量の生産が各製造設備の稼働状況から可能か否かを判定する。サーバ20は、合計した引合量の生産が各製造設備の稼働状況から不可能と判定した場合、該当する製造設備に係る品目の引合量及び納入予定日を総合的に変更する。
例えば、プレス機と鍛造機とのように鋼材を生産する製造設備の違いがある。サーバ20は、プレス機を用いた鋼材の生産計画がオーバーフローしている場合、プレス機で生産する鋼材の引合量又は納入予定日を総合的に調整する。
サーバ20は、特約店間の優先度に基づいて調整を実行する。
例えば、取引量の多い特約店と少ない特約店とがあり、引合情報の変更が容易な特約店に関する優先度を予め決定しておく。サーバ20は、優先度の高い特約店から順に引合量及び納入予定日の調整処理を実行する。
サーバ20は、特約店における希望納入予定日よりも先に前倒しで鋼材を納入することが可能と判断した場合、納入予定日の月を希望納入予定日の月よりも前の月に変更する。
サーバ20は、引合量及び納入予定日の調整処理を実行した場合、調整処理の結果が反映された在庫管理リスト3Lを生成し、生成した在庫管理リスト3Lを端末装置30に送信する。
出荷実績テーブル27Tは、特約店別、日時別、品目別に工場から特約店へ出荷された鋼材の出荷実績を記憶するテーブルである。
予算テーブル28Tは、鋼材の製造予定期間における予定製造量を特約店別、製造設備別に記憶するテーブルである。鋼材の予定製造量は、四半期毎の受注計画、製造設備の生産能力等を総合的に勘案して予め立案される鋼材の生産計画に基づいており、例えば半年単位で作成される。以下、予定製造量を予算と呼ぶ。予算は、鋼材の重量単位で立案される。
テーブルの説明からサーバ20が備える機能部の説明へ戻る。
サーバ20は、アクセス部203及び生成部204を含む。アクセス部203は、記憶部202にアクセスして、記憶部202から情報を読み出し、記憶部202に情報を書き込む機能部である。例えば、アクセス部203は、通信部201が端末装置30から受信した販売実績、在庫実績、発注残、在庫管理リスト3L等の情報を、記憶部202に記憶された各種テーブルに書き込む。また、アクセス部203は、発注残量、納入予定、出荷量等に変動が生じた場合、変動結果を各種テーブルに反映させる。
生成部204は、在庫管理リスト3Lを生成する機能部である。生成部204は、記憶部202に記憶された各種テーブルから特約店別、品目別に鋼材の納入予定月及び納入量を算出する。生成部204は、算出した納入予定月と、算出した納入予定月及び納入量に基づく特約店における将来の在庫予定とが書き込まれた在庫管理リスト3Lを生成する。通信部201は、生成部204が生成した在庫管理リスト3Lを端末装置30へ送信する。
次に、在庫管理リスト3Lについて具体的に説明する。
在庫管理リスト3Lは、サーバ20により生成される。端末装置30の表示部36には、評価情報生成システム10の操作画面(図示せず)が表示される。操作画面に対する一定の操作により、在庫管理リスト3Lはサーバ20から端末装置30へ送信される。なお、在庫管理リスト3Lは、工場の担当者と特約店の担当者との操作により、例えば電子メールに添付されることで、サーバ20と端末装置30との間を送受信されてもよい。
図5〜図10は、在庫管理リスト3Lの画面レイアウトの一例を示す説明図である。図5〜図10の在庫管理リスト3Lにおいて、背景色の違いは濃淡の違いとして描かれている。
在庫管理リスト3Lは、在庫管理シート31S、予算チェックシート32S、変化率チェックシート33S、平準化チェックシート34S及び当初対比チェックシート35Sを含む。在庫管理シート31Sは、発注予定の鋼材に関する引合量の入力、鋼材の納入予定、鋼材の在庫等に関するシートである。端末装置30は、在庫管理シート31Sに入力された引合量に対して、各種のチェック処理を実行する。予算チェックシート32S、変化率チェックシート33S、平準化チェックシート34S及び当初対比チェックシート35Sは、夫々入力された引合量に対して実行された各種チェック処理の結果を表示するシートである。
図5及び図6は、在庫管理シート31Sの画面レイアウトの一例を示す説明図である。図5の紙面スペースでは、在庫管理シート31Sの全てを描くことができない。そのため、在庫管理シート31Sは、2つに分割されて、夫々図5及び図6に描かれている。図5の在庫管理シート31Sの右端には、図6の在庫管理シート31Sが横方向に連続する。
まず、図5を参照して、在庫管理シート31Sを説明する。在庫管理シート31Sは、送信ボタン、製品仕様No、発注予定(ロット)、発注予定(重量)、納入予定(発注残+引合)の各欄を含む。送信ボタンは、引合量等を入力した後の在庫管理リスト3Lをサーバ20に送信するための画面部品である。
製品仕様Noは、鋼材の品目の識別情報である。在庫管理シート31Sの1行1行が、特約店により工場に発注される鋼材の品目を示している。在庫管理シート31Sに表示される品目は、過去の発注実績、工場における鋼材の製造基準設計等に基づいて、特約店と工場との間で予め決定される。決定された品目は、サーバ20が管理するテーブル(図示せず)に記憶される。サーバ20は、当該テーブルを参照して、在庫管理シート31Sの製品仕様Noに、特約店が工場へ発注する鋼材の品目の識別情報を書き込む。在庫管理シート31Sの製品仕様Noは、サーバ20が管理するテーブルを更新することにより、月単位で追加及び削除が可能である。
発注予定(ロット)は、特約店が工場に要求する品目別の引合量をロット単位で入力する欄である。発注予定(ロット)は、当月、1ヶ月先、2ヶ月先の各引合量を品目別に入力する3つの列を含む。以下では、1ヶ月先をフォーキャスト1、2ヶ月先をフォーキャスト2と呼ぶ。
図5〜図10では、2013年10月を当月に仮定している。特約店の担当者は、毎月、当月引合量と2ヶ月先までの引合量との3ヶ月分の引合量を発注予定(ロット)に入力する。在庫管理シート31Sに入力された引合量は、在庫管理リスト3Lがサーバ20へ送信されることにより、サーバ20により引合テーブル24Tに格納される。
在庫管理リスト3Lは、1ヶ月単位で生成される。
サーバ20は、月が前月から当月に変わった時点で、前月の在庫管理シート31Sに入力された3ヶ月分の引合量を、当月の在庫管理シート31Sに係る前月引合量、当月引合量及びフォーキャスト1引合量に変更するスライド処理を実行する。すなわち、前月における当月引合量→当月における前月引合量、前月におけるフォーキャスト1引合量→当月における当月引合量、前月におけるフォーキャスト2引合量→当月におけるフォーキャスト1引合量である。サーバ20は、スライド処理を実行した結果が反映された在庫管理リスト3Lを毎月、月初めに生成する。
図5の例では、2013年9月の在庫管理シート31Sに入力されたフォーキャスト1引合量とフォーキャスト2引合量とが、夫々当月引合量、フォーキャスト1引合量として、発注予定(ロット)に書き込まれている。在庫管理リスト3Lが生成された2013年10月初めの時点では、引合テーブル24Tにフォーキャスト2引合量は登録されていない。そのため、図5の発注予定(ロット)におけるフォーキャスト2引合量は、空欄となっている。図5の発注予定(ロット)におけるフォーキャスト2引合量は、これから特約店の担当者によって入力される情報である。なお、特約店の担当者は、販売状況に応じて在庫管理シート31Sにおける当月引合量及びフォーキャスト1引合量を変更してもよい。
在庫管理シート31Sの発注予定(重量)は、発注予定(ロット)に入力された3ヶ月分の品目別引合量が夫々鋼材の重量に変換して表示される欄である。端末装置30は、引合量が発注予定(ロット)にロット単位で入力された場合、入力されたロット単位の引合量に鋼材の標準ロット重量を掛けて重量変換した値を、対応する月の発注予定(重量)に表示する。鉄鋼業では、鋼材の数量はロットを例外として、全て鋼材の重量で表示する習慣があるため、引合量の重量変換が行なわれる。鋼材の標準ロット重量は、在庫管理リスト3Lが内部的に保持している。なお、在庫管理シート31Sは、鋼材の標準ロット重量を表示する列を有していてもよい。
在庫管理シート31Sの納入予定(発注残+引合)は、特約店の倉庫に納入される予定の鋼材の重量を月別、品目別に表示する欄である。サーバ20は、納入予定テーブル26Tを参照して、発注残及び引合に対応する納入予定製品の重量を納入予定(発注残+引合)に書き込む。
端末装置30は、発注予定(ロット)に新たな引合量が入力された場合、又は引合量が変更された場合、発注予定(ロット)の3ヶ月の各月に対応する納入予定(発注残+引合)の納入月を納入リードタイムに基づいて再計算する。端末装置30は、再計算した納入予定(発注残+引合)の納入月に、新たな引合量又は変更された引合量に対応する重量を、品目別に表示する。在庫管理リスト3Lは、品目別の納入リードタイムを内部に保持している。なお、在庫管理シート31Sは、品目別の納入リードタイムを表示する列を有していてもよい。
次に、図6を参照して、在庫管理シート31Sを引き続き説明する。在庫管理シート31Sは、前月末在庫、納期遅延分、積送中、販売予定、安全係数、安全在庫、発注推奨基準量及び在庫予定(シミュレーション)の各欄並びに引合量自動計算ボタンを含む。なお、図6では、参考のために製品仕様No及び発注予定(ロット)の欄を表示しているが、実際は、図5の在庫管理シート31Sの右端に前月末在庫、納期遅延分等の欄が横方向に連続して配置される。
前月末在庫は、特約店の倉庫における前月末時点の品目別在庫製品の重量である。サーバ20は、在庫実績テーブル23Tを参照して、前月末在庫に値を書き込む。前月在庫は、端末装置30が月別、特約店別、品目別に将来の在庫製品の重量(在庫予定と呼ぶ)をシミュレーションする場合に、ベースとなる重量である。特約店の担当者は、前月末在庫の値に誤りを発見した場合、手入力で値を修正することができる。
納期遅延分は、納入予定日が前月以前の発注残に係る鋼材の重量を、品目毎に合計したものを表示する欄である。納期遅延分は、納入が遅れ、前月末までに特約店の倉庫に納入されるべきであった鋼材の重量である。納期遅延分は、当月の在庫予定をシミュレーションする場合、当月在庫予定に加算される重量である。
サーバ20は、発注残テーブル25Tを参照して、特約店別、品目別に納入予定日が前月以前の発注残に係る鋼材の重量を合算する。サーバ20は、合算した重量を納期遅延分に書き込む。特約店の担当者は、納期遅延分の値に誤りを発見した場合、手入力で値を修正することができる。
積送中は、工場から特約店の倉庫へ出荷され、搬送中の状態にある鋼材の重量を、特約店別、品目別に表示する欄である。積送中分は、当月の在庫予定をシミュレーションする場合、当月在庫予定に加算される重量である。
工場から特約店へ鋼材が出荷された場合、発注残テーブル25Tの該当するレコードが消し込まれる。しかし、鋼材が工場から特約店の倉庫へ搬送中である場合、特約店では鋼材の入庫処理及び検収処理が終了していないので、搬送中の鋼材は在庫実績テーブル23Tに記憶された前月末在庫に反映されていない。そこで、出荷実績日付が前月末日から過去へ遡及して一定期間に該当する鋼材は、前月末日時点で特約店の倉庫に到着していないとみなす。サーバ20は、出荷実績テーブル27Tを参照して、前月末日から過去へ遡及して一定期間に該当する鋼材の重量を品目別に集計する。サーバ20は、集計した重量を積送中の欄に書き込む。ここでの一定期間は、輸送手段がコンテナである場合、例えば4日であり、輸送手段がトラックである場合、例えば1日である。特約店の担当者は、積送中の値に誤りを発見した場合、手入力で値を修正することができる。
販売予定は、特約店が品目別に1ヶ月間に販売する予定の鋼材の重量を表示する欄である。販売予定は、将来における複数月の在庫予定をシミュレーションする場合、前月末在庫から減算される重量である。販売予定は、デフォルト設定と、ユーザカスタマイズ設定とがある。デフォルト設定は、過去12ヶ月の販売実績に係る鋼材の重量の月平均値を設定する方法である。サーバ20は、デフォルト設定である場合、販売実績テーブル21Tを参照し、特約店別、品目別に直近12ヶ月の販売実績に係る月平均値を算出し、算出した月平均値を販売予定の欄に書き込む。
ユーザカスタマイズ設定は、特約店が立案した販売計画に基づく販売予定製品の重量を設定する方法である。ユーザカスタマイズ設定の場合、販売予定の欄に特約店の担当者が販売予定製品の重量を手入力する。手入力された販売予定製品の重量は、在庫管理リスト3Lが端末装置30からサーバ20へ送信された場合、サーバ20により販売予定テーブル22Tに書き込まれる。そこで、サーバ20は、ユーザカスタマイズ設定の場合、在庫管理リスト3Lを端末装置30へ送信するとき、販売予定テーブル22Tを参照して、販売予定製品の重量を販売予定の欄に書き込む。
なお、ユーザカスタマイズ設定の場合、販売予定は、季節毎又は月毎に異なる値が設定されてもよいし、毎月異なる値が設定されてもよい。特約店の担当者は、販売予定の値を変更したい場合、手入力で値を変更することができる。
安全係数は、許容欠品率を定義するための係数である。安全係数は、安全在庫の算出に利用される。図6の例では、安全係数に1.65(許容欠品率=5%以内)を設定している。なお、特約店の担当者が安全係数を品目毎に手入力で変更できることは勿論である。
安全在庫は、不測の要因により販売量が変動することを見越して欠品を防ぐために必要とされる在庫の水準を重量で表示する欄である。端末装置30は、品目毎に安全在庫を例えば(1)式により算出する。(1)式で用いる数値は、特約店の担当者が在庫管理リスト3Lに手入力する数値と、サーバ20が在庫管理リスト3Lに設定する数値とを含む。
サーバ20は、販売実績テーブル21Tを参照して、特約店及び品目毎に、四半期ごとの平均販売実績、直近12ヶ月の年平均販売実績、直近12ヶ月の月販売実績の標準偏差を算出する。サーバ20は、算出したこれらの値を在庫管理リスト3Lに内部的に保持させる。また、サーバ20は、平均納入リードタイム及び納入リードタイム偏差を在庫管理リスト3Lに内部的に保持させる。
端末装置30は、在庫管理シート31Sの安全係数の欄に表示されている値と、在庫管理シート3Lが内部的に保持している販売実績標準偏差等の値を用いて、安全在庫を算出する。端末装置30は算出した安全在庫を在庫管理シート31Sの安全在庫の欄に書き込む。なお、安全在庫は、端末装置30がシミュレーションする将来の在庫予定を、端末装置30が評価する閾値に利用される。
なお、在庫管理シート31Sは、四半期ごとの平均販売実績、直近12ヶ月の年平均販売実績、直近12ヶ月の月販売実績の標準偏差、平均納入リードタイム及び納入リードタイム偏差を表示する欄を有していてもよい。
発注推奨基準量は、特約店の倉庫における鋼材の基準在庫量を品目毎に算出するための倍率係数である。基準在庫量は、3ヶ月分の品目別引合量を自動計算する場合に用いられる在庫量である。基準在庫量は、発注推奨基準量と安全在庫との積である。そのため、発注推奨基準量が例えば2である場合、基準在庫量は安全在庫の2倍になる。図6では、発注推奨基準量は、全ての品目について1が設定されている。ただし、特約店の担当者は、品目毎に異なる発注推奨基準量を手入力することができる。
発注推奨基準量の入力欄の直上に表示されている引合量自動計算ボタンは、端末装置30に引合量の計算を実行させる場合に押下される画面部品である。引合量自動計算ボタンが押下された場合、端末装置30は、発注推奨基準量及び安全在庫を用いて計算した引合量を、在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)の欄に表示する。
在庫予定(シミュレーション)は、端末装置30によってシミュレーションされた将来の在庫予定が表示される欄である。端末装置30は、発注予定(ロット)の欄に引合量が入力された場合、入力された引合量に基づいて、在庫予定のシミュレーションを実行する。端末装置30は、前月末在庫をベースにして、当月以降の各月における入庫による製品在庫増の重量を加算し、当月以降の各月における出庫による製品在庫減の重量を減算する。製品在庫増の重量は、納期遅延分、積送中及び納入予定(発注残+引合)に係る重量である。製品在庫減の重量は、販売予定である。
端末装置30は、在庫予定(シミュレーション)の欄にシミュレーション結果の在庫予定を表示するに際し、在庫予定の状態に応じて、在庫予定を表示するセルの背景色を変更する。端末装置30は、在庫予定がゼロ以下である場合、セルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、在庫予定がゼロ以下である場合、在庫予定を示す数値を例えば白色で表示する。端末装置30は、在庫予定がゼロより多く、かつ安全在庫未満である場合、セルの背景色に例えば黄色を設定する。端末装置30は、在庫予定が安全在庫以上であり、かつ安全在庫の1.5倍未満である場合、セルの背景色に例えば白色を設定する。端末装置30は、在庫予定が安全在庫の1.5倍以上である場合、セルの背景色に例えば青色を設定する。
特約店の担当者は、在庫予定(シミュレーション)の欄に表示される在庫予定の重量及び背景色を参照して、欠品が発生しない適切な在庫量となるように、月別、品目別に在庫予定を評価し、発注予定(ロット)の欄に再入力する引合量を決定する。
図7は、予算チェックシート32Sの画面レイアウトの一例を示す説明図である。予算チェックシート32Sは、入力された引合量が予め作成された予算から大きく逸脱していないことを製造設備別にチェックするためのシートである。
予算チェックシート32Sは、製造設備、予算、当月引合量、フォーキャスト1引合量、フォーキャスト2引合量、閾値1、閾値2及び予算判定の各欄を含む。製造設備は、鋼材を生産する機械であり、図7では記号により表示されている。鉄鋼業では、半製品、完成品等を生産する生産工程によって製造設備が異なる。引合量をチェックする予算チェックシート32S、変化率チェックシート33S、平準化チェックシート34S及び当初対比チェックシート35Sでは、鋼材の品目を、鋼材を製造する機械毎にマージしてチェック結果が表示される。
予算は、例えば半年単位の予算であり、図7では2013年下半期の予算が製造設備別に示されている。当月引合量は、在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)に品目毎に入力された当月のロット数と、ロット数に対応する重量とを製造設備別に集計したものである。また、当月引合量には、製造設備別の予算比が表示されている。予算比は、次の(2)式により算出される。
フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量は、当月引合量と月が異なる。しかし、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量の内容は当月引合量の内容と同様である。
閾値1及び閾値2は、算出された予算比を評価するための閾値を入力する欄である。特約店の担当者は、閾値1及び閾値2に入力した閾値を手入力により変更することができる。特約店の担当者は、この閾値を変更するときは、必要であれば工場側と協議してもよい。端末装置30は、予算比が閾値1の値以下である場合、該当する予算比が表示されるセルの背景色に例えば黄色を設定する。端末装置30は、予算比が閾値1の値より大きく、かつ閾値2の値より小さい場合、該当する予算比が表示されるセルの背景色に例えば白色を設定する。端末装置30は、予算比が閾値2の値以上である場合、該当する予算比が表示されるセルの背景色に例えば赤色を設定する。
予算判定は、3ヶ月の各引合量についての予算比が1ヶ月分だけでも閾値2以上である場合、製造設備毎にアラームを表示する総合判定領域である。端末装置30は、各製造設備の予算比が1ヶ月分だけでも閾値2以上である場合、予算判定に例えば△を表示し、該当するセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、各製造設備の予算比が3ヶ月のいずれについても閾値2未満である場合、予算判定を空欄にし、該当するセルの背景色に例えば白色を設定する。
図8は、変化率チェックシート33Sの画面レイアウトの一例を示す説明図である。変化率チェックシート33Sは、3ヶ月単位で入力された3ヶ月分の引合量の時間変化を製造設備別にチェックするためのシートである。
変化率チェックシート33Sは、製造設備、今回3ヶ月合計引合量、今回3ヶ月平均引合量、前回引合量、前回3ヶ月平均引合量、変化率、閾値(±)及び変化率判定の各欄を含む。製造設備は、予算チェックシート32Sの製造設備と同じである。今回3ヶ月合計引合量は、在庫管理シート31Sにおける3ヶ月分の発注予定(重量)を製造設備毎に合計したものである。今回3ヶ月合計引合量の今回とは、当月の意味である。今回3ヶ月平均引合量は、今回3ヶ月合計引合量から算出された1ヶ月当たりの平均引合量である。
前回引合量は、端末装置30が前月にサーバ20から受信した在庫管理リスト3Lに入力された3ヶ月分の発注予定(ロット)を月別、製造設備別に、重量に変換したものである。前回引合量の前回とは、前月の意味である。当月が例えば2013年10月である場合、前回引合量は、2013年9月に端末装置30がサーバ20から受信した在庫管理リスト3Lに入力された3ヶ月分の発注予定(ロット)に基づいて、製造設備毎に合計された3ヶ月分の鋼材の重量である。サーバ20は引合テーブル24Tから前月における当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量を抽出し、抽出した引合量を夫々変化率チェックシート33Sの前月引合量に書き込む。
前回3ヶ月平均引合量は、端末装置30が前月にサーバ20から受信した在庫管理リスト3Lに入力された3ヶ月分の発注予定(ロット)に基づいて、製造設備毎に合計した値から算出された1ヶ月当たりの平均引合量である。端末装置30は、前月引合量にサーバ20が書き込んだ前月における当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量を用いて、前回3ヶ月平均引合量を算出する。
変化率は、前回と今回との間における3ヶ月単位の平均引合量の変化率である。変化率は、次の(3)式により算出される。
閾値(±)は、算出された変化率を評価するための閾値を入力する欄である。特約店の担当者は、閾値(±)に入力した閾値を手入力により変更することができる。特約店の担当者は、この閾値を変更するときは、必要であれば工場側と協議してもよい。端末装置30は、変化率が閾値(±)の値以上である場合、該当する変化率が表示されるセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、変化率が閾値(±)の値より小さい場合、該当する変化率が表示されるセルの背景色に例えば白色を設定する。
変化率判定は、3ヶ月の引合量についての変化率が閾値(±)の値以上である場合、製造設備毎にアラームを表示する総合判定領域である。端末装置30は、変化率が閾値(±)の値以上である場合、変化率判定に例えば△を表示し、該当するセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、変化率が閾値(±)の値より小さい場合、変化率判定を空欄にし、該当するセルの背景色に例えば白色を設定する。
なお、(3)式で変化率を算出するため、各月の引合量は一般に以下のように表現することができる。
i番目の月に入力された、i番目からj番目までの各月における製品の引合量を、X(i,j)(i,jは夫々自然数でi≦j)とする。かかる場合、i番目の月からk月前に入力されたi番目からj番目までの各月における製品の引合量は、X(i−k,j−k)(kは自然数)となる。
当月をi番目の月とした場合、例えば今回3ヶ月分の製品の引合量は、j=i+2なので、X(i,i+2)である。また、当月をi番目の月とした場合、例えば前回3ヶ月分の製品の引合量は、k=1なので、X(i−1,i+1)となる。
i番目の月からk月前に入力されたi番目からj番目までの各月における製品の引合量X(i−k,j−k)におけるi−k、j−kは、i、j、kの大小関係によってマイナスになる。かかる場合、マイナスの数値は、iの基準時点に対して過去の月に対応する。
図9は、平準化チェックシート34Sの画面レイアウトの一例を示す説明図である。平準化チェックシート34Sは、3ヶ月単位で入力された各月の引合量が時間的に均一であること(時間的平準化)を製造設備別にチェックするためのシートである。
平準化チェックシート34Sは、製造設備、当月引合量、フォーキャスト1引合量、フォーキャスト2引合量、今回3ヶ月平均引合量、最大引合量−最小引合量、バラツキ度、閾値及び平準化判定の各欄を含む。製造設備は、予算チェックシート32Sの製造設備と同じである。当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量は、図7の予算チェックシート32Sにおける当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量から夫々予算比の欄を削除したものと同じである。今回3ヶ月平均引合量は、図8の変化率チェックシート33Sにおける今回3ヶ月平均引合量と同じである。
最大引合量−最小引合量は、3ヶ月分の引合量のうち、最大値と最小値との差である。バラツキ度は、3ヶ月分の引合量の時間的な凸凹の度合いである。バラツキ度は、次の(4)式により算出される。
閾値は、算出されたバラツキ度を評価するための閾値を入力する欄である。特約店の担当者は、閾値に入力した閾値を手入力により変更することができる。特約店の担当者は、この閾値を変更するときは、必要であれば工場側と協議してもよい。端末装置30は、変化率が閾値の値以上である場合、該当する変化率が表示されるセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、変化率が閾値の値より小さい場合、該当する変化率が表示されるセルの背景色に例えば白色を設定する。
平準化判定は、3ヶ月の引合量についてのバラツキ度が閾値の値以上である場合、製造設備毎にアラームを表示する総合判定領域である。端末装置30は、バラツキ度が閾値の値以上である場合、平準化判定に例えば△を表示し、該当するセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、バラツキ度が閾値の値より小さい場合、平準化判定を空欄にし、該当するセルの背景色に例えば白色を設定する。
なお、上述では、3ヶ月分の引合量における時間的なバラツキを、最大値と最小値との差である範囲から評価した。しかし、3ヶ月分の引合量における時間的なバラツキは、3ヶ月の引合量の分散、標準偏差、四分位範囲、四分位偏差、四分位数、平均差、平均絶対偏差、不偏分散等で評価されてもよい。
図10は、当初対比チェックシート35Sの画面レイアウトの一例を示す説明図である。当初対比チェックシート35Sは、入力された当月引合量が前月に入力されたフォーキャスト1引合量に対して大きく変動していないことを製造設備別にチェックするシートである。変化率チェックシート33Sが前月と当月とに入力された3ヶ月分の引合量をチェックしたのに対し、当初対比チェックシート35Sは、前月と当月とに入力された1ヵ月分の引合量をチェックする。すなわち、当初対比チェックシート35Sは、1ヶ月の期間を隔てて、当月という同一期間における引合量をチェックする。換言するならば、当初対比チェックシート35Sは、所定の期間を隔てた同一期間における引合量をチェックする。
当初対比チェックシート35Sは、製造設備、当月引合量、前月フォーキャスト1引合量、当初比、閾値(±)及び当初比判定の各欄を含む。製造設備は、予算チェックシート32Sの製造設備と同じである。当月引合量は、図7の予算チェックシート32Sにおける当月引合量の重量計と同じである。前月フォーキャスト1引合量は、図8の変化率チェックシート33Sにおける前回引合量の2013/10、重量と同じである。当初比は、前月フォーキャスト1引合量に対する当月引合量の比率である。当初比は、次の(5)式により算出される。
閾値(±)は、算出された当初比を評価するための閾値を入力する欄である。特約店の担当者は、閾値(±)に入力した閾値を手入力により変更することができる。特約店の担当者は、この閾値を変更するときは、必要であれば工場側と協議してもよい。端末装置30は、当初比が閾値の値以上である場合、該当する変化率が表示されるセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、変化率が閾値の値より小さい場合、該当する変化率が表示されるセルの背景色に例えば白色を設定する。
当初比判定は、当初比が閾値の値以上である場合、製造設備毎にアラームを表示する総合判定領域である。端末装置30は、当初比が閾値の値以上である場合、当初比判定に例えば△を表示し、該当するセルの背景色に例えば赤色を設定する。端末装置30は、当初比が閾値の値より小さい場合、当初比判定を空欄にし、該当するセルの背景色に例えば白色を設定する。
なお、(5)式で当初比を算出するため、ある月の引合量は一般に以下のように表現することができる。
n番目の月に入力された、n+m番目の月おける製品の引合量を、Y(n,m)(nは自然数,mはゼロ以上の整数)とする。かかる場合、n番目の月から1ヶ月前に入力されたn+m番目の月における製品の引合量は、Y(n−1,m+1)となる。
当月をi番目の月とした場合、例えば当月引合量は、m=0なので、Y(i,0)である。また、当月をi月とした場合、例えば前月フォーキャスト1引合量は、Y(i−1、1)である。
上述のX()とY()との関係は、当月をi月とし、3ヵ月分の引合量を表現する場合、次のようになる。
X(i,i+2)=Y(i,0),Y(i,1),Y(i,2)
次に、評価情報生成システム10の動作の概要について説明する。
図11、図12及び図13は、評価情報生成システム10による処理の手順の一例を示すフローチャートである。
端末装置30のCPU31は、月初めに販売実績テーブル31T、在庫実績テーブル32T及び発注残テーブル33Tから、夫々前月末時点の販売実績、在庫実績及び発注残のレコードを検索する(ステップS1)。CPU31は、検索した前月の販売実績、在庫実績及び発注残のレコードをサーバ20へ送信する(ステップS2)。
サーバ20のCPU21は、特約店における前月末時点の販売実績、在庫実績及び発注残のレコードを受信する(ステップS3)。CPU21は、受信した特約店における前月末時点の販売実績レコード及び在庫実績レコードを、夫々販売実績テーブル21T、在庫実績テーブル23T及び発注残テーブル25Tに挿入する(ステップS4)。CPU21は、在庫管理リスト3Lを生成する(ステップS5)。CPU21は、生成した在庫管理リスト3Lを端末装置30へ送信する(ステップS6)。なお、ステップS6の処理は、CPU21により在庫管理リスト3Lの生成が終了した場合に実行されてもよいし、端末装置30における操作画面を介して端末装置30からサーバ20へ在庫管理リスト3Lの送信要求が送信されることにより実行されてもよい。
端末装置30のCPU31は、在庫管理リスト3Lを受信する(ステップS7)。CPU31は、在庫管理リスト3Lへの引合量等の入力を受け付ける(ステップS8)。ステップ8でCPU31が受け付ける引合量は、3ヶ月分の発注予定に係る品目別ロット数である。CPU31は、在庫予定算出処理を実行する(ステップS9)。在庫予定算出処理は、特約店の倉庫における将来の在庫数量をシミュレーションする処理である。CPU31は、予算チェック処理を実行する(ステップS10)。予算チェック処理は、在庫管理リスト3Lに入力された引合量を予算からチェックする処理である。
CPU31は、変化率チェック処理を実行する(ステップS11)。変化率チェック処理は、在庫管理リスト3Lに入力された3ヶ月分の引合量を、在庫管理リスト3Lに前月入力された3ヶ月分の引合量からチェックする処理である。CPU31は、平準化チェック処理を実行する(ステップS12)。平準化チェック処理は、在庫管理リスト3Lに入力された3ヶ月分の引合量を、時間的なバラツキ度からチェックする処理である。CPU31は、当初対比チェック処理を実行する(ステップS13)。当初対比チェック処理は、在庫管理リスト3Lに入力された当月の引合量を、在庫管理リスト3Lに前月入力された1ヶ月先のフォーキャスト1引合量からチェックする処理である。
CPU31は、引合量自動計算ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS14)。CPU31は、引合量自動計算ボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS16へ処理を進める。CPU31は、引合量自動計算ボタンが押下されたと判定した場合(ステップS14:YES)、引合量計算処理を実行する(ステップS15)。引合量計算処理は、引合量を計算し、計算した引合量を在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)に表示する処理である。
CPU31は、在庫管理シート31Sの送信ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS16)。CPU31は、在庫管理シート31Sの送信ボタンが押下されていないと判定した場合(ステップS16:NO)、ステップS16に処理を戻す。CPU31は、在庫管理シート31Sの送信ボタンが押下されたと判定した場合(ステップS16:YES)、在庫管理リスト3Lをサーバ20へ送信する(ステップS17)。
サーバ20のCPU21は、端末装置30から在庫管理リスト3Lを受信する(ステップS18)。CPU21は、受信した在庫管理リスト3Lに入力された引合量の調整処理を実行する必要があるか否かを判定する(ステップS19)。CPU21は、受信した在庫管理リスト3Lに入力された引合量の調整処理をする必要がないと判定した場合(ステップS19:NO)、ステップS21へ処理を進める。CPU21は、受信した在庫管理リスト3Lに入力された引合量の調整処理をする必要があると判定した場合(ステップS19:YES)、受信した在庫管理リスト3Lに入力された引合量の調整処理を実行し(ステップS20)、ステップS6へ処理を戻す。
CPU21は、調整した引合量又は調整しなかった引合量を確定する(ステップS21)。CPU21は、発注残、確定した引合量及び算出した納入予定日に基づいて、鋼材の納入予定を含む納入計画を策定する(ステップS22)。なお、ステップS22で実行される処理には、納入予定日の算出も含まれるものとする。CPU21は、在庫管理リスト3Lに納入計画を書き込んで、在庫管理リスト3Lを更新する(ステップS23)。CPU21は、更新した在庫管理リスト3Lを端末装置30へ送信する(ステップS24)。端末装置30のCPU31は、サーバ20から在庫管理リスト3Lを受信し(ステップS25)、処理を終了する。
その後、工場の担当者と特約店の担当者とは、電話、電子メール等により在庫管理リスト3Lにおける在庫計画及び納入計画の妥当性を確認して、合意を行なう。サーバ20は、納入計画策定処理(ステップS22)で作成したデータから、合意が得られた鋼材に関する発注予定を自動生成する。サーバ20は、自動生成した発注予定をサーバ20の発注予定テーブル(図示せず)に入力する。
在庫管理リスト3Lのプログラム3Pに基づく端末装置30の動作について説明する。
図14及び図15は、在庫予定算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
CPU31は、受け付けた3ヶ月分の発注予定製品の引合量に係るロット数の重量変換処理を、月別、品目別に実行する(ステップS901)。ステップS901において、CPU31は、月別、品目別の引合量に標準ロット重量を乗算する。ステップS901で算出された発注予定製品の重量は、納入リードタイムを考慮して、ステップS905、ステップS906、ステップS907での在庫予定の算出に利用される。
CPU31は、N月末の在庫予定を算出する(ステップS902)。なお以下、当月をN月とする。CPU31は(N+1)月末の在庫予定を算出する(ステップS903)。CPU31は(N+2)月末の在庫予定を算出する(ステップS904)。CPU31は(N+3)月末の在庫予定を算出する(ステップS905)。CPU31は(N+4)月末の在庫予定を算出する(ステップS906)。CPU31は(N+5)月末の在庫予定を算出する(ステップS907)。
N月末の在庫予定〜(N+5)月末の在庫予定を算出する式を、夫々以下に示す。ここでは、鋼材の納入リードタイムを例えば3ヶ月とする。従って、当月引合量に対応する納入は(N+3)月に、フォーキャスト1引合量に対応する納入は(N+4)月に、フォーキャスト2引合量に対応する納入は(N+5)月になる。
N月末の在庫予定=前月末在庫+納期遅延分+積送中+発注残−販売予定
(N+1)月末の在庫予定=N月末の在庫予定+発注残−販売予定
(N+2)月末の在庫予定=(N+1)月末の在庫予定+発注残−販売予定
(N+3)月末の在庫予定=
(N+2)月末の在庫予定+発注残+当月引合量−販売予定
(N+4)月末の在庫予定=
(N+3)月末の在庫予定+発注残+フォーキャスト1引合量−販売予定
(N+5)月末の在庫予定=
(N+4)月末の在庫予定+発注残+フォーキャスト2引合量−販売予定
上述において、ある月末の在庫予定は、前月の在庫予定に発注残を加算し、販売予定を減算する点が共通している。ある月末の在庫予定は、ある月が当月である場合、前月の在庫予定に加算する量として納期遅延分と積送中とが追加される点が他の月と異なる。また、ある月末の在庫予定は、ある月が当月、翌月及び翌々月から夫々納入リードタイムだけシフトした月である場合、前月の在庫予定に加算する量として納入リードタイムを考慮した引合量が追加される点が他の月と異なる。従って、ある月が当月である場合、前月の在庫予定に加算する量を、発注残に対して納期遅延分と積送中とを追加する補正をするといってもよい。また、ある月が当月、翌月及び翌々月から夫々納入リードタイムだけシフトした月である場合、発注残に対して当月、翌月及び翌々月の引合量を追加する補正をするといってもよい。
CPU31は、月別、品目別の在庫予定≦0か否かを判定する(ステップS908)。CPU31は、月別、品目別の在庫予定≦0でないと判定した場合(ステップS908:NO)、ステップS909に処理を進める。CPU31は、0<月別、品目別の在庫予定<安全在庫か否かを判定する(ステップS909)。CPU31は、0<月別、品目別の在庫予定<安全在庫でないと判定した場合(ステップS909:NO)、ステップS910へ処理を進める。CPU31は、安全在庫の1.5倍≦月別、品目別の在庫予定か否かを判定する(ステップS910)。なお、1.5という値は、適正在庫量を判断する基準値の一例である。CPU31は、安全在庫の1.5倍≦月別、品目別の在庫予定でないと判定した場合(ステップS910:NO)、処理を終了する。
CPU31は、月別、品目別の在庫予定≦0であると判定した場合(ステップS908:YES)、在庫管理シート31Sの在庫予定(シミュレーション)の欄における該当セルの背景色に赤色を設定し(ステップS911)、処理を終了する。CPU31は、0<月別、品目別の在庫予定<安全在庫であると判定した場合(ステップS909:YES)、在庫管理シート31Sの在庫予定(シミュレーション)の欄における該当セルの背景色に黄色を設定し(ステップS912)、処理を終了する。CPU31は、安全在庫の1.5倍≦月別、品目別の在庫予定であると判定した場合(ステップS910:YES)、在庫管理シート31Sの在庫予定(シミュレーション)の欄における該当セルの背景色に青色を設定し(ステップS913)、処理を終了する。
なお、在庫管理シート31Sにおける背景色には、白色がデフォルト設定されているものとする。そのため、CPU31は、安全在庫の1.5倍≦月別、品目別の在庫予定でないと判定した場合(ステップS910:NO)、在庫管理シート31Sの在庫予定(シミュレーション)の欄における該当セルの背景色は、白色となる。
図16は、予算チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
CPU31は、受け付けた3ヶ月分の発注予定製品の引合量に係るロット数の重量変換処理を、月別、品目別に実行する(ステップS101)。ステップS101の重量変換処理は、在庫予定算処理におけるステップS901の処理と同じである。CPU31は、重量変換した月別、品目別の引合量を、月別、製造設備別の引合量にマージする(ステップS102)。CPU31は、(2)式を用いて、月別、製造設備別の予算比を算出する(ステップS103)。
CPU31は、予算比≦80%か否かを判定する(ステップS104)。なお、80%は、閾値の一例である。CPU31は、予算比≦80%でないと判定した場合(ステップS104:NO)、120%≦予算比か否かを判定する(ステップS105)。なお、120%は、閾値の一例である。CPU31は、120%≦予算比でないと判定した場合(ステップS105:NO)、処理を終了する。
CPU31は、予算比≦80%であると判定した場合(ステップS104:YES)、予算チェックシート32Sの予算比の欄における該当セルの背景色に黄色を設定し(ステップS106)、処理を終了する。CPU31は、120%≦予算比であると判定した場合(ステップS105:YES)、予算チェックシート32Sの予算比及び予算判定の欄における該当セルの背景色に赤色を設定し(ステップS107)、処理を終了する。なお、CPU31は、ステップS107において、予算判定の欄における該当セルに△を表示する。
なお、予算チェックシート32Sにおけるセルの背景色には、白色がデフォルト設定されている。そのため、CPU31は、120%≦予算比でないと判定した場合(ステップS105:NO)、予算チェックシート32Sの予算比及び予算判定の欄における該当セルの背景色は、白色となる。
図17は、変化率チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
CPU31は、受け付けた3ヶ月分の発注予定製品の引合量に係るロット数の重量変換処理を、月別、品目別に実行する(ステップS111)。ステップS111の重量変換処理は、在庫予定算処理におけるステップS901の処理と同じである。CPU31は、重量変換した月別、品目別の引合量を、月別、製造設備別の引合量にマージする(ステップS112)。ステップS112におけるマージ処理は、予算チェック処理におけるステップS102の処理と同じである。
CPU31は、月別、製造設備別に今回3ヶ月平均引合量を算出する(ステップS113)。CPU31は、月別、製造設備別に前回3ヶ月平均引合量を算出する(ステップS114)。CPU31は、(3)式を用いて、月別、製造設備別の変化率を算出する(ステップS115)。
CPU31は、±30%≦変化率か否かを判定する(ステップS116)。なお、±30%は閾値の一例である。CPU31は、±30%≦変化率でないと判定した場合(ステップS116:NO)、処理を終了する。
CPU31は、±30%≦変化率であると判定した場合(ステップS116:YES)、変化率チェックシート33Sの変化率及び変化率判定の欄における該当セルの背景色に赤色を設定し(ステップS117)、処理を終了する。なお、CPU31は、ステップS117において、変化率判定の欄における該当セルに△を表示する。
なお、変化率チェックシート33Sにおけるセルの背景色には、白色がデフォルト設定されている。そのため、CPU31は、±30%≦変化率でないと判定した場合(ステップS116:NO)、変化率チェックシート33Sの変化率及び変化率判定の欄における該当セルの背景色は、白色となる。
図18は、平準化チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
CPU31は、受け付けた3ヶ月分の発注予定製品の引合量に係るロット数の重量変換処理を、月別、品目別に実行する(ステップS121)。ステップS121の重量変換処理は、在庫予定算処理におけるステップS901の処理と同じである。CPU31は、重量変換した月別、品目別の引合量を、月別、製造設備別の引合量にマージする(ステップS122)。ステップS122におけるマージ処理は、予算チェック処理におけるステップS102の処理と同じである。
CPU31は、月別、製造設備別に最大引合量を抽出する(ステップS123)。CPU31は、月別、製造設備別に最小引合量を抽出する(ステップS124)。CPU31は、3ヶ月平均引合量を算出する(ステップS125)。CPU31は、(4)式を用いて、月別、製造設備別のバラツキ度を算出する(ステップS126)。
CPU31は、30%≦バラツキ度か否かを判定する(ステップS127)。なお、30%は閾値の一例である。CPU31は、30%≦バラツキ度でないと判定した場合(ステップS127:NO)、処理を終了する。
CPU31は、30%≦バラツキ度であると判定した場合(ステップS127:YES)、平準化チェックシート34Sのバラツキ度及び平準化判定の欄における該当セルの背景色に赤色を設定し(ステップS128)、処理を終了する。なお、CPU31は、ステップS128において、平準化判定の欄における該当セルに△を表示する。
なお、平準化チェックシート34Sにおけるセルの背景色には、白色がデフォルト設定されている。そのため、CPU31は、30%≦バラツキ度でないと判定した場合(ステップS127:NO)、平準化チェックシート34Sのバラツキ度及び平準化判定の欄における該当セルの背景色は、白色となる。
図19は、当初対比チェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
CPU31は、受け付けた3ヶ月分の発注予定製品の引合量に係るロット数の重量変換処理を、月別、品目別に実行する(ステップS131)。ステップS131の重量変換処理は、在庫予定算処理におけるステップS901の処理と同じである。CPU31は、重量変換した月別、品目別の引合量を、月別、製造設備別の引合量にマージする(ステップS132)。ステップS132におけるマージ処理は、予算チェック処理におけるステップS102の処理と同じである。
CPU31は、(5)式を用いて、月別、製造設備別の当初比を算出する(ステップS133)。CPU31は、±10%≦当初比か否かを判定する(ステップS134)。なお、±10%は閾値の一例である。CPU31は、±10%≦当初比でないと判定した場合(ステップS134:NO)、処理を終了する。
CPU31は、±10%≦当初比であると判定した場合(ステップS134:YES)、当初対比チェックシート35Sの当初比及び当初比判定の欄における該当セルの背景色に赤色を設定し(ステップS135)、処理を終了する。なお、CPU31は、ステップS135において、当初比判定の欄における該当セルに△を表示する。
なお、当初対比チェックシート35Sにおけるセルの背景色には、白色がデフォルト設定されている。そのため、CPU31は、±10%≦当初比でないと判定した場合(ステップS134:NO)、当初対比チェックシート35Sの当初比及び当初比判定の欄における該当セルの背景色は、白色となる。
図20及び図21は、引合量計算処理の手順の一例を示すフローチャートである。引合量計算処理が実行開始される前において、在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)は空欄状態にあるものとする。
CPU31は、品目別に、安全在庫に発注推奨基準量を乗じて、基準在庫量を算出する(ステップS1501)。CPU31は、フォーキャスト2引合量に係る発注予定製品が納入リードタイム経過後に納入される月の在庫予定を、在庫管理シート31Sの在庫予定(シミュレーション)の欄から品目別に参照する(ステップS1502)。ステップS1502の時点では、在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)は未入力である。そのため、在庫予定算出処理は、当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量を考慮しないで、将来の在庫予定を算出し、算出した在庫予定を在庫管理シート31Sの在庫予定(シミュレーション)の欄に表示している。
CPU31は、ステップS1501で算出した基準在庫量から、ステップS1502で参照した在庫予定の重量を減算して、基準在庫量に対する不足重量を品目別に算出する(ステップS1503)。ステップS1503で算出される不足量は、当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量に夫々係る未入力のロット数に対応する鋼材の重量を3ヶ月間について合計した値であると考えられる。CPU31は、ステップS1503で算出した不足重量を標準ロット数量で除算した値の小数点以下を切り上げて、不足量ロット数を品目別に算出する(ステップS1504)。
CPU31は、ステップS1504で算出した不足量ロット数を3つにロット単位で品目毎に平準化分割する(ステップS1505)。ここで3つに分割するのは、分割したロット数を後のステップで当月引合量、フォーキャスト1引合量及びフォーキャスト2引合量に割り付けるためである。不足量ロット数が3の倍数である場合、不足量ロット数は、3つに均等に平準化分割される。
しかし、CPU31は、不足量ロット数が3の倍数でない場合、なるべく平準化を満たすように不足量ロット数を3分割する。不足量ロット数が仮に4ロットである場合、2、1、1のように3ヶ月分の物量として分割される。不足ロット数が仮に2ロットである場合、例えば1、1、0のように2ヶ月分の分量として分割される。不足量ロット数が仮に1ロットである場合、例えば1、0、0のように1ヶ月分の物量として分割される。
不足量ロット数が例えば1ロットであるとき、不足量ロット数を3ヶ月間の各月に割り付ける方法には、1ロットを当月引合量に割り付ける場合、フォーキャスト1引合量に割り付ける場合、フォーキャスト2引合量に割り付ける場合の3通りがある、そのため、CPU31は、不足量ロット数を割り付け先の月を一意に決定することができない。そこで、CPU31は、特約店における月毎の引合量の合計が、当月、フォーキャスト1及びフォーキャスト2について、極力ばらつかないように割り付け先の月を決定する。
CPU31は、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数に夫々標準ロット重量を乗算することにより、在庫管理シート31Sの全品目について、不足量ロット数を引合量重量に月毎に重量変換する(ステップS1506)。CPU31は、在庫管理シート31Sの先頭行にカーソルを移動する(ステップS1507)。CPU31は、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数が3ヶ月分あるか否かを判定する(ステップS1508)。
CPU31は、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数が3ヶ月分あると判定した場合(ステップS1508:YES)、平常化分割した不足量ロット数に対応する引合量重量を、そのまま当月、フォーキャスト1及びフォーキャスト2に割り付け(ステップS1509)、ステップS1514へ処理を進める。なお、CPU31は、ステップS1509で割り付けた結果をRAM33に記憶しておく。
CPU31は、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数が3ヶ月分ないと判定した場合(ステップS1508:NO)、ステップS1506で重量変換した引合量重量を先頭行の品目から現在カーソルがある行の1行上の品目まで、月毎に合計する(ステップS1510)。ここで、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数が3ヶ月分ない場合は、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数が1ヶ月分又は2ヶ月分の場合である。
CPU31は、現在カーソルがある行の品目について平準化分割した1ヶ月分の引合量重量を、ステップS1510で合計した引合量重量が一番小さい月に割り付ける(ステップS1511)。なお、CPU31は、ステップS1505で平準化分割した不足量ロット数が2ヶ月分である場合、ステップS1510で月毎に合計した引合量重量に、ステップS1511で割り付けた月に係る1ヶ月分の引合量重量を加算した重量が一番小さい月を特定する。そして、CPU31は、もう1ヶ月分の引合量重量を、特定した月に割り付ける。CPU31は、ステップS1511で割り付けた結果をRAM33に記憶しておく。
CPU31は、カーソルが在庫管理シート31Sの最終行に達しているか否かを判定する(ステップS1512)。CPU31は、カーソルが在庫管理シート31Sの最終行に達していないと判定した場合(ステップS1512:NO)、カーソルを1行下へ移動し(ステップS1513)、ステップS1508へ処理を戻す。CPU31は、カーソルが在庫管理シート31Sの最終行に達していると判定した場合(ステップS1512:YES)、平準化分割した3ヶ月分の引合量重量を、月毎、品目毎に標準ロット重量で除算し、夫々ロット数に変換する(ステップS1514)。
CPU31は、平準化分割した3ヶ月分の引合量重量が当月、フォーキャスト1及びフォーキャスト2に夫々割り付けられた情報をRAM33から読み出す(ステップS1515)。CPU31は、読み出した割り付け情報に基づいて、ステップS1514で変換した3ヶ月分のロット数を、月別、品目別に在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)の欄に一括して設定し(ステップS1516)、処理を終了する。
本実施の形態では、1ヶ月を評価情報生成システム10が情報管理する基準の期間(所定の期間)とした。しかし、情報管理をする基準の期間は、製造業毎に又は事業主毎に異なっていてよく、例えば1週間、10日、半月、半年、1年等でもよい。
本実施の形態では、CPU31は、当月、フォーキャスト1及びフォーキャスト2からなる3ヶ月分の引合量を予算に基づいて、月毎に引合量をチェックした。しかし、CPU31は、当月、フォーキャスト1及びフォーキャスト2のうち、いずれか1ヶ月分の引合量又はいずれか2ヶ月分の引合量を予算に基づいて、引合量をチェックしてもよい。
本実施の形態では、CPU31は、予算に対する各月の引合量の比を予算比として求めた。しかし、CPU31は、各月の引合量に対する予算の比を求めてもよい。かかる場合、予算に対する各月の引合量の比を予算比とした場合の閾値とは別に、閾値を準備すればよい。
なお、引合量を評価するために算出される比は、予算以外の変化率、平準化及び当初対比に関しても上述のように本実施の形態で示した比の逆数であってもよい。
本実施の形態では、CPU31は、予算に対する各月の引合量を評価するために、予算と各月の引合量との比を算出した。しかし、CPU31は、予算に対する各月の引合量を評価するために、予算と各月の引合量との差を算出してもよい。かかる場合、予算に対する各月の引合量の比を評価対象の値とした場合の閾値とは別に、予算と各月の引合量との差を評価するための閾値を準備すればよい。
本実施の形態では、CPU31は、前回3ヶ月平均引合量に対する今回3ヶ月平均引合量の変化率に基づいて、引合量をチェックした。しかし、CPU31は、前回3ヶ月の引合量の合計に対する今回3ヶ月の引合量の合計の変化率に基づいて、引合量をチェックしてもよい。
変化率チェック処理における前回と今回との差は、1ヶ月であった。しかし、変化率チェック処理における前回と今回との差は、2ヶ月以上であってもよい。
本実施の形態では、CPU31は、当初対比チェック処理にて、前月フォーキャスト1引合量に対する当月引合量を評価するために、前月フォーキャスト1引合量と当月引合量との比を算出した。しかし、CPU31は、前月フォーキャスト1引合量に対する当月引合量を評価するために、前月フォーキャスト1引合量と当月引合量との差を算出してもよい。かかる場合、前月フォーキャスト1引合量に対する当月引合量の比を評価対象の値とした場合の閾値とは別に、前月フォーキャスト1引合量と当月引合量との差を評価するための閾値を準備すればよい。
本実施の形態では、CPU31は、前月フォーキャスト1引合量に対する当月引合量を評価した。しかし、CPU31は、前月フォーキャスト2引合量に対する当月フォーキャスト1引合量を評価してもよい。また、CPU31は、前々月フォーキャスト2引合量に対する当月引合量を評価してもよい。
本実施の形態では、在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)の欄には、3ヶ月分の引合量が入力された。しかし、在庫管理シート31Sの発注予定(ロット)の欄には、4ヶ月分以上又は2ヶ月分の引合量が入力されるように構成されていてもよい。
本実施の形態では、各種チェック結果に対するアラートとして、スプレッドシートのセルの背景色及び文字のフォントカラーが変更された。しかし、各種チェック結果に対するアラートは、音声出力により行われてもよい。かかる場合、端末装置30に音声を出力するスピーカを備えればよい。
本実施の形態では、在庫管理リスト3Lは、表計算ソフトウェアのファイルであった。しかし、在庫管理リスト3Lは、ユーザが入力可能な機能を有していれば、ワードプロセッサ、簡易データベースソフト等のファイルであってもよいことは勿論である。
評価情報生成システム10によれば、生産工程に負荷がかからないように、受注前の予定製造量に対して大きく変動しない引合量及び引合対象の期間に関するシミュレートを支援することができる。
端末装置30は、予算チェック処理により、特約店の担当者が在庫管理リスト3Lに引合量を入力した段階で、予算に対して引合量が一定範囲内にない場合、アラート情報を出力することができる。これにより、端末装置30は、予算を無視した引合を未然に防ぐことができる。
端末装置30は、変化率チェック処理により、特約店の担当者が在庫管理リスト3Lに引合量を入力した段階で、前月入力された3ヶ月間の引合量に対して、今月入力された3ヶ月間の引合量が一定範囲を超えて変化する場合、アラート情報を出力する。これにより、端末装置30は、納入リードタイムを考慮に入れた、1ヶ月より長い期間について、変動しない引合量を担保することができる。
端末装置30は、平準化チェック処理により、特約店の担当者が在庫管理リスト3Lに引合量を入力した段階で、将来3ヶ月間における引合量のバラツキ度が一定範囲を逸脱する場合、アラート情報を出力することができる。これにより、端末装置30は、時間的にでこぼこのある引合を抑制することができる。
端末装置30は、当初対比チェック処理により、特約店の担当者が在庫管理リスト3Lに引合量を入力した段階で、前月予想して入力された当月引合量に対して今月入力された当月引合量が一定範囲を逸脱する場合、アラート情報を出力することができる。これにより、特約店の担当者は、過去に予想して入力された引合量が現時点の引合量と大きく変化してしない場合、過去に予想して入力された引合量の確度を確認することができる。
端末装置30は、在庫予定算出処理により、特約店の担当者に将来の在庫量を提示することができる。これにより、特約店の担当者は、将来の在庫量を見据えて、引合の物量及び希望納入時期を設定することができる。
端末装置30は、引合量計算処理により、特約店の担当者による引合量入力作業を支援することができる。これにより、特約店の担当者による作業負担が軽減され、工場の担当者も平準化された引合を期待することができる。特約店の担当者は、端末装置30に引合量計算処理を実行させてから、発注予定(ロット)の欄に自動入力された引合量を編集してもよい。これにより、特約店での引合量入力作業が高速化されるため、合意及び発注が前倒しされることにより、余裕を持った鋼材の生産及び納入が可能となる。
従来は、特約店は鋼材を顧客に販売した場合、減少した在庫に基づいて要求量を増大させて、在庫量を維持しようとするため、要求量(発注量)が過多になることがあり、工場側の生産がオーバーフローすることがあった。しかし、評価情報生成システム10は、在庫管理リスト3Lを介して在庫予定を工場から特約店に提示することにより、工場での安定した生産を担保することができる。
開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。