JP5776579B2 - 磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ヒートポンプシステムにおいて熱輸送媒体を移動させるピストンポンプに関するものである。本発明では、磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプによって移動する熱輸送媒体が、ピストンポンプのシリンダを通過する際の温度損失を小さくして、熱輸送媒体の熱伝導率を向上させている。このようなピストンポンプの使用により、冷房能力及び暖房能力を向上させた磁気ヒートポンプシステム及び該磁気ヒートポンプシステムを用いた空気調和装置が提供される。
従来、車両用の空気調和装置、例えば、自動車や鉄道車両の空気調和装置のヒートポンプシステムとして磁気ヒートポンプシステムが知られている。この磁気ヒートポンプシステムを鉄道車両用空調システムに適用したものが特許文献1に記載されている。磁気ヒートポンプシステムとは、ある種の磁性体に磁場を加えていくと磁性体が発熱し、磁場を取り去ると磁性体の温度が下がる現象(磁気熱量効果)を利用したヒートポンプシステムである。特許文献1ではある種の磁性体は磁気作業物質と記載されるが、本願ではこの磁性体を磁気熱量効果材料と呼ぶ。
このような磁気ヒートポンプシステムは、これまでの気体ヒートポンプシステムと比較すると、気体ヒートポンプに使用されるフロンや代替フロンを使用しないので、環境に優しい。また、磁気ヒートポンプシステムは、気体ヒートポンプでは必要なコンプレッサを使用した圧縮過程や膨張過程が不要であり、エネルギー効率が高い。磁気ヒートポンプシステムに必要な構成は、磁気熱量効果材料を通過させて熱交換を行う熱輸送媒体の移動を行うポンプと、磁気熱量効果材料に磁場変化を与える磁場印加装置のみである。従って、磁気ヒートポンプシステムは自動車の空気調和装置への適用が可能である。
磁気ヒートポンプシステムを用いた空気調和装置では、クーラユニットには低温の熱輸送媒体を供給し、ヒータユニットには高温の熱輸送媒体を供給する。磁気熱量効果材料を通過させて熱交換を行う熱輸送媒体としては、水、或いは不凍液(ロングライフクーラント:LLC)が使用されている。以後の説明では、空気調和装置が車両(自動車)に搭載され、熱輸送媒体として水が使用されている場合について説明する。
空気調和装置に使用する熱輸送媒体が水である場合、車両のエンジンルーム内には、冷水と温水を製造する冷水製造部と温水製造部、及び冷水と温水を移動させる手段としてピストンポンプが設けられている。冷水製造部と温水製造部には、モータによって駆動される共通の回転軸があり、冷水製造部と温水製造部にある複数の材料容器は、この回転軸に対して放射状に配置されている。また、各材料容器内には磁気熱量効果材料が通水可能な状態で内蔵されている。材料容器は材料ベッドとも呼ばれる。
また、前述の回転軸と各材料容器の間の部分には、磁場印加装置として、回転軸によって回転する永久磁石が設けられており、永久磁石が回転することにより各材料容器内の磁気熱量効果材料に磁場変化が与えられる。そして、磁場の変化で冷却されたり発熱したりする磁気熱量効果材料を水が通過することにより、各材料容器内の水が冷水となったり温水となったりする。従って、ピストンポンプは冷水製造部と温水製造部の間の部分に設けられており、ピストンポンプのシリンダ内を往復動するピストンによって、水をシリンダ内から冷水製造部と温水製造部の各材料容器に供給したり、各材料容器からシリンダ内に吸引したりする。
ピストンポンプとしては、複数のシリンダを備えたラジアルピストンポンプが使用される。ラジアルピストンポンプのシリンダは、前述の回転軸の軸線に対して垂直な方向に設けられており、ピストンは回転軸に取り付けられたカムによってシリンダ内を往復動する。そして、複数のシリンダのピストンの上死点とシリンダの端部との間の空間が水の移動流路となっており、この水の移動流路が冷水製造部と温水製造部の各材料容器に接続している。冷水製造部と温水製造部の各材料容器で冷却された冷水と加熱された温水はこの移動流路内を移動する。
磁気ヒートポンプシステムに使用されるピストンポンプとしては、前述のように構成されたラジアルピストンポンプの他に、特許文献2に開示される斜板式ピストンを用いたものもある。
特許第4387892号公報
特開2010−196914号公報
ところが、ラジアルピストンポンプの、ピストンの上死点とシリンダの端部との間の移動流路を冷水または温水が往復する際に、水がピストンやシリンダで熱を奪われるので熱損失が発生し、ラジアルピストンポンプで水に温度勾配が生じていた。ラジアルピストンポンプで水の熱損失が発生すると、磁気ヒートポンプシステムの効率が低下するという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、冷水と温水の両方を製造する磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ、特に、ラジアルピストンポンプにおいて、シリンダ内を通過する熱輸送媒体の、シリンダ内における温度損失を小さくして、磁気ヒートポンプシステムの効率を向上させるピストンポンプを提供するものである。
上記課題を解決する本発明は、磁気ヒートポンプシステム30の媒体冷却部11と媒体加熱部12に対して熱輸送媒体を吸引或いは供給するピストンポンプ13であって、シリンダブロック36内に複数設けられたシリンダ34と、回転軸21の回転によってシリンダ34内を往復動するピストン33と、ピストン33の上死点とシリンダ34の端部31との間に形成される空間35が、媒体冷却部11と媒体加熱部12に連通するピストンポンプ13において、空間35に、空間35を移動する熱輸送媒体の温度変化を抑止する温度変化抑止構造40を設け、温度変化抑止構造40を後述する(1)から(9)の形態としたことを特徴とする磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプである。
これにより、媒体冷却部と媒体加熱部との間を往復動する熱輸送媒体の、ピストンポンプの移動流路の部分における温度の変化が小さくなり、磁気ヒートポンプシステムを高効率で運転できる。
ここで、温度変化抑止構造40には以下の形態が可能である。
(1)移動流路35の断面積を圧力損失の増大が所定値を越えない範囲まで絞る断面積縮小構造を備える形態。
(2)断面積縮小構造において、絞られた空間35の熱輸送媒体の移動方向に複数の仕切壁41を設けて空間35を細分化し、ピストン33によって空間35内を往復動する熱輸送媒体が、細分化された空間内で振動流となるようにし、振動流による熱輸送促進効果によって見かけの熱伝導率を熱輸送媒体の熱伝導率より高くした形態。
(3)断面積縮小構造において、絞った移動流路35内の熱輸送媒体の移動方向に平行に複数設置した高熱伝導材から成るメッシュシート42の積層構造とを備える形態。
(4)温度変化抑止構造40が、空間35内の熱輸送媒体の移動方向に対して斜めに設置された整流板43により、媒体冷却部11からの媒体と媒体加熱部12からの媒体が混ざり合わない移動流体分離構造である形態。
(5)温度変化抑止構造40が、空間35内の熱輸送媒体の移動方向を二分する分流板44と、分流板44によって仕切られた各流路35A,35Bに設けられたリード弁44A,44Bにより、媒体冷却部11からの媒体と媒体加熱部12からの媒体が混ざり合わない移動流体分離構造である形態。
(6)温度変化抑止構造40が、空間35内の熱輸送媒体の移動方向に垂直な方向に複数本設置されたフィン45により、媒体冷却部11からの媒体と媒体加熱部12からの媒体の温度変化を抑える温度維持構造を備える形態。
(7)温度変化抑止構造40が、空間35内に設けられた一方向に回転する撹拌子46により、媒体冷却部11からの媒体と媒体加熱部12からの媒体が混ざり合わない移動流体分離構造である形態。
(8)仕切壁41、メッシュシート42、整流板43、分流板44、フィン45又は撹拌子46が、高熱伝導材から形成されている形態。
(9)温度変化抑止構造40が、空間35を備えるシリンダ34の外部に設けられた超音波発生装置47であり、超音波発生装置47によって発生した超音波を空間35内に照射する構造である形態。
移動流路の断面積縮小構造を備える形態では、移動流路を通る熱輸送媒体の温度変化が低減される。移動流体分離構造を備える形態では、移動流路を通る低温と高温の熱輸送媒体が混ざり合わないので熱輸送媒体の温度が維持される。温度維持構造を備える形態では、移動流路35を通る低温と高温の熱輸送媒体の温度変化が抑えられる。超音波発生装置を備える形態では、熱輸送媒体が振動して混ざることにより、温度分布が少なくなり見かけの熱伝導率が向上する。このように、何れの形態でも熱輸送媒体がピストンポンプを通過する時の温度変化が抑えられ、磁気ヒートポンプシステムを高効率で運転できる。
なお、上記に付した符号は、後述する実施形態に記載の具体的実施態様との対応関係を示す一例である。
ピストンポンプを用いた磁気ヒートポンプシステムが車両用空気調和装置に搭載された例を示す説明図である。 (a)は図1に示した磁気ヒートポンプシステムに用いられるピストンポンプの詳細な構成の一例を示す断面図、(b)は(a)の冷水製造部と温水製造部とを接続する連絡通路とピストンポンプの媒体の移動流路の構成の一例を示す断面図、(c)は(b)に示した連絡通路と媒体の移動流路の接続とピストン位置を示す斜視図である。 (a)は図2(a)に示した磁気ヒートポンプシステムのA−A線における局部断面を示す断面図、(b)は(a)に示した磁気熱量効果材料を収容する材料容器の一例の構成を示す組み立て斜視図、(c)は(a)に示した磁石を備えたロータの構成の一例を示す斜視図である。 (a)は図2(a)に示した磁気ヒートポンプの稼動時に、冷水製造部と温水製造部及び両者を接続するピストンポンプの位置と熱輸送媒体の温度の関係を示す特性図、(b)は(a)に示したピストンポンプの位置における熱輸送媒体の温度勾配を低減した本発明の効果を示す図である。 本発明の第1の形態のピストンポンプの移動流路の基本構成を説明するものであり、(a)はピストンポンプの冷水製造部と温水製造部との接続部の構成を拡大して示す要部断面図、(b)は(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図、(c)は(a)のB−B線における断面の別の例を示す断面図、(d)は(c)に示した連絡通路と媒体の移動流路の接続とピストン位置を示す斜視図である。 本発明に係るピストンポンプの第1の形態の第1の実施例の構成を示すものであり、(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、(b)は(a)の水平方向の断面図、(c)は(a)、(b)に示した移動流路を仕切る仕切壁を図5(c)に示した移動流路の斜視図に組み込んだ状態を示す斜視図である。 本発明に係るピストンポンプの第1の形態の第2の実施例の構成を示すものであり、(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、(b)は(a)の水平方向の断面図、(c)は(a)、(b)に示した移動流路に取り付けるメッシュシートを図5(c)に示した移動流路の斜視図に組み込んだ状態を示す組立斜視図である。 本発明に係るピストンポンプの第1の形態の第3の実施例の構成を示すものであり、(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、(b)は(a)の水平方向の断面図、(c)は(a)の変形例の要部断面図、(d)は(c)の水平方向の断面図、(e)は(b)の構成を本発明の第2の形態に適用した実施例の(b)と同じ部位を示す要部断面図である。 本発明に係るピストンポンプの第1の形態の第4の実施例の構成を示すものであり、(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、(b)は(a)の水平方向の断面図であり、変形例の構成を示す図である。 本発明に係るピストンポンプの第1の形態の第5の実施例の構成を示すものであり、(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、(b)は(a)の水平方向の断面図、(c)は(a)の変形例の要部断面図、(d)は(c)の水平方向の断面図、(e)は(d)の構成を本発明の第2の形態に適用した実施例の(d)と同じ部位を示す要部断面図である。 本発明に係るピストンポンプの第1の形態の第6の実施例の構成を示すものであり、(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、(b)は(a)の水平方向の断面図、(c)は(a)の変形例の要部断面図、(d)は(c)の水平方向の断面図、(e)は(b)の構成を本発明の第2の形態に適用した実施例の(b)と同じ部位を示す要部断面図である。 本発明に係るピストンポンプの第1と第2の形態の両方に適用できる実施例の構成を示すものであり、図5(a)と同じ部位の要部断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を各実施例に基いて説明する。また、各実施例については、同一構成の部分には同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。本発明のピストンポンプは、冷水を製造する冷水製造部と温水を製造する温水製造部とを備えた磁気ヒートポンプシステムに使用されるが、以下に説明する実施形態では代表例として車両用の空気調和装置に搭載される磁気ヒートポンプシステムを説明する。
図1は、ピストンポンプを用いた磁気ヒートポンプシステム30が車両用の空気調和装置(エアコンディショナ)10に搭載されたときの構成を示すものである。空気調和装置10は車両の室内側にあり、その装置本体1の中に吸熱手段としてのクーラユニット2がある。また、クーラユニット2の下流側には、冷房通路3と、熱輸送媒体である水が有する熱を外部へ放熱する放熱手段としてのヒータユニット5とヒータコア6を備える暖房通路4とがある。そして、冷房通路3と暖房通路4の入口部にはエアミックスダンパ7が設けられており、エアミックスダンパ7の移動によってクーラユニット2を通過した気流を冷房通路3に流すか、暖房通路4を流すかの調節が行われるようになっている。
一方、車両のエンジンルーム内には、モータ20によって駆動される回転軸21によって動作する冷水製造部11、温水製造部12及び水移動手段であるピストンポンプ13がある。ピストンポンプ13は水を往復移動させる。冷水製造部11、温水製造部12及びピストンポンプ13の内部構造については後述する。冷水製造部11は磁気の作用で水を冷却するものであり、冷水製造部11で冷却された水はピストンポンプ13によって冷水循環路(第1の循環路)15に吐出され、クーラユニット2に送られた後に冷水製造部11に戻ってくる。逆に、温水製造部12は磁気の作用で水を加熱するものであり、温水製造部12で加熱された水はピストンポンプ13によって温水循環路(第2の循環路)16に吐出され、ヒータユニット5に送られた後に温水製造部12に戻ってくる。
一方、空気調和装置10では、その暖房通路4に設けられたヒータコア6に、エンジン8を冷却して暖められた冷却水(クーラント)がクーラント循環路9を通じて供給され、ヒータユニット5と共に暖房通路4を通る気流を暖める。ヒータコア6は本発明には直接関係がないので、ヒータコア6についてはこれ以上の説明を省略する。
ここで、冷水循環路15と温水循環路16の構成について詳細に説明する。冷水製造部11には複数の材料容器があり、各材料容器には枝管15Aが接続されている。複数の枝管15Aは集合され、供給管15Bとなってクーラユニット2に水を供給する。クーラユニット2から排出された水は、戻り管15Cによって冷水製造部11まで戻り、各材料容器に接続された枝管15Dに分配されて各材料容器に戻る。供給管15Bと戻り管15Cの間には、クーラユニット2をバイパスするバイパス管(第1のバイパス通路)17Aが設けられている。バイパス管17Aは、戻り管15Cには直接接続されるが、供給管15Bには第1の流路切換弁17を介して接続されている。
暖房時には、第1の流路切換弁17の切り換えにより、供給管15Bを流れる水は、クーラユニット2を経由せず、バイパス管17Aを経由して冷水製造部11まで戻ることができる。更に、戻り管15Cの枝管15Dの上流側には、第3の流路切換弁19があり、第3の流路切換弁19には室外器14を経由して第3の戻り管15Cに戻る迂回管(第3のバイパス通路)19Aが接続されている。暖房時には、第3の流路切換弁19の切り換えにより、戻り管15Cを流れてきた水は、第3の流路切換弁19から迂回管19Aに流れ、室外器14で外気から吸熱して迂回管19Aから戻り管15Cに再流入する。戻り管15Cに再流入した水は冷水製造部11に戻る。
同様に、温水製造部12には水を加熱して温水にする複数の材料容器があり、各材料容器には枝管16Aが接続されている。複数の枝管16Aは集合され、供給管16Bとなってヒータユニット5に水を供給する。ヒータユニット5から排出された水は、戻り管16Cによって温水製造部12まで戻り、前述の各材料容器に接続された枝管16Dに分配されて各材料容器に戻る。枝管16Dの上流側の戻り管16Cには、第2の流路切換弁18があり、第2の流路切換弁18には室外器14を経由して戻り管16Cに戻る迂回管(第2のバイパス通路)18Aが接続されている。第2の流路切換弁18の切り換えにより、戻り管16Cを流れてきた水は、温水製造部12に戻る前に迂回管18Aに流れ、室外器14で外気から吸熱してから、温水製造部12に戻ることができる。
ここで、図2(a)〜(c)と図3(a)〜(c)を用いて冷水製造部11、温水製造部12及びピストンポンプ13がラジアルピストンポンプ13である場合の内部構造について説明する。ラジアルピストンポンプ13に対して左右逆に取り付けられる冷水製造部11と温水製造部12の構造は同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付し、冷水製造部11の構造について説明する。
図2(a)に示す冷水製造部11は、回転軸21に対して同心円状に配置された円筒状のヨーク部24を備えており、回転軸21には図3(a)、(c)に示すような、断面が扇状のロータ22が対向して設けられている。そして、ロータ22の外周面には永久磁石23が設置されている。永久磁石23の一方は外側がN極であり、他方は外側がS極である。そして、永久磁石23の回転軌跡の外側とヨーク部24の内周面との間には、磁気熱量効果を有する磁気熱量効果材料26が充填された複数の材料容器25が配置される。材料容器25は材料ベッドと呼ばれることもある。磁気熱量効果材料26が充填された材料容器25は水を流通させる。
材料容器25は図3(b)に示すように、その外形が断面が扇紙型の筒状をしており、内部の空間にペレット状の磁気熱量効果材料26が充填され、両端部がメッシュ状の端板25Mで塞がれて、磁気熱量効果材料26を閉じ込めている。水は材料容器25の一端から端板25Mを通って内部に進入し、磁気熱量効果材料26の間の隙間を通って反対側の端部から端板25Mを通って外部に抜け出ることができる。この実施例では、ヨーク部24の内周面に6個の同じ形状の材料容器25が配置されており、材料容器25の内周面側を、ロータ22の外周面に取り付けられた永久磁石23が回転移動する。ロータ22、永久磁石23及びヨーク部24が、材料容器25に充填された磁気熱量効果材料26に与える磁場の大きさを変更する磁場変更手段として機能する。
図2(a)に戻って説明を続けると、ラジアルピストンポンプ13の本体は、冷水製造部11及び温水製造部12のヨーク部24と一体的に形成されている。ラジアルピストンポンプ13には、冷水製造部11にある材料容器25の個数に合わせて6つのシリンダ34が回転軸21に対して放射状に設けられており、各シリンダ34の内部には往復動するピストン33が設けられている。一方、モータ20によって回転する回転軸21には回転軸21に対して偏心しているカム32が取り付けられており、カム32のカムプロファイル(輪郭)に各ピストン33が係合している。カム32が1回転すると、各シリンダ34内のピストン33が1往復する。
回転軸21から遠い側の各シリンダ34の側面は、シリンダブロック36に設けられた連絡通路38によって冷水製造部11と温水製造部12の各材料容器25の端面に接続されている。そして、連絡通路38が接続する各シリンダ34のピストン33の上死点(ピストン33が回転軸21から最も遠くまで移動した点)とシリンダ端部31との間の空間は、両製造部間を往復動する水の移動流路35となっている。
図2(a)に示す例では、ラジアルピストンポンプ13から遠い側の冷水製造部11の端面には、端面板29が取り付けられている。端面板29には、各材料容器25の端面に水を導き入れる吸入弁28と、各材料容器25の端面から排出される水を吐出する吐出弁27とが設けられている。吐出弁27には図1で説明した冷水循環路15の供給管15Bの枝管15Aが接続し、吸入弁28には図1で説明した冷水循環路15の戻り管15Cの枝管15Dが接続する。以上、冷水製造部11の構造を説明したが、ラジアルピストンポンプ13の場合は、冷水製造部11と温水製造部12における永久磁石23の回転軸21に対する位置は、90度ずれている。
図2(b)は、図2(a)の冷水製造部11と温水製造部12とを接続する連絡通路38とラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35の構成の一例を示す断面図である。シリンダブロック36に設けられた連絡通路38と、材料容器25の連絡通路38との接続通路25Cとは段差無く接続しており、材料容器25内にある磁気熱量効果材料26を通過した水をスムーズにシリンダ34の水の移動流路35に導くようになっている。図2(c)は、図2(b)に示した材料容器25の接続通路25C、接続通路25Cに接続するシリンダブロック36の連絡通路38及びシリンダ34の水の移動流路35の接続関係を立体的に示す図である。図2(c)には材料容器25が二点鎖線で示してあり、シリンダ34にはピストン33の位置も示してある。
以上のように構成されたラジアルピストンポンプ13では、磁気熱量効果材料26に加わる磁場により、冷水製造部11は低温となり、温水製造部12は高温となるが、ラジアルピストンポンプ13は磁場の影響を全く受けない。よって、連絡通路38及びシリンダ34の水の移動流路35を流れる水は、ラジアルピストンポンプ13のシリンダブロック36等によって熱を奪われる。図4(a)は水が冷水製造部11から温水製造部12に流れる場合の、冷水製造部11とラジアルピストンポンプ13及び温水製造部12の位置における水の温度変化を示すものである。このように、従来の磁気ヒートポンプシステムでは、ラジアルピストンポンプ13における水の熱伝導による熱輸送が損失となっていた。そこで本発明では、図4(b)に示すように、ラジアルピストンポンプ13における水の熱伝導による熱損失を低減し、この部分における水の温度勾配を無くすことが可能なラジアルピストンポンプ13の温度変化抑止構造を提供するものである。
図5は本発明の温度変化抑止構造の、第1の形態のラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35の基本構成である断面積縮小構造を説明するものであり、図5(a)はラジアルピストンポンプ13の冷水製造部11と温水製造部12との接続部の構成を示している。また、図5(b)は図5(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図、図5(c)は図5(a)のB−B線における断面の別の例を示す断面図である。
第1の形態のラジアルピストンポンプ13では、シリンダ34におけるピストン33の上死点とシリンダ端部31との間に形成される水の移動流路35の、水が流れる方向の幅を、図5(b)又は図5(c)に示すように狭くしている。即ち、水の流れる方向に直交する方向のシリンダブロック36をシリンダ34方向に張り出して、水の移動流路35の水が流れる方向の幅を狭くして流路の断面積を小さくしている。狭くした水の移動流路35の幅は、水が流れる方向に対して同じである。そして、材料容器25に図2(b)に示した従来のものを使用する場合は、図4(b)のように移動流路35の両側に位置する連絡通路38を、材料容器25の接続通路25Cに対して段差がないように接続通路25Cに接続する。また、材料容器25の接続通路25Cの形状を変更できる場合は、図4(c)のように移動流路35の両側に位置する連絡通路38を材料容器25の接続通路25Cに対して段差がない平面で接続する。
図5(d)は、図5(c)に示した接続通路25C、連絡通路38及び水の移動流路35の形状を、シリンダ34を往復動するピストン33と共に立体的に示す斜視図であり、その輪郭を全て2点鎖線で示してある。また、実際の接続通路25Cの材料容器25との接続部分は、図2(c)に示したように円弧状であるが、ここでは本発明の容易な理解のために、接続通路25Cの材料容器25との接続部分は矩形で描いてある。
第1の形態のラジアルピストンポンプ13においては、シリンダ34におけるピストン33の上死点とシリンダ端部31との間に形成される移動流路35の、水が流れる方向の幅(開口面積)を小さくしているが、幅の大きさには制限がある。移動流路35の幅を余り小さくすると、移動流路35を流れる水の圧力損失が大きくなり、ポンプの動力が増えて性能低下に繋がる。従って、移動流路35の幅は、ポンプの動力が増えない範囲で小さくする。
図6(a)から(c)は、本発明に係るラジアルピストンポンプ13の温度変化抑止構造40の第1の形態の第1の実施例の構成を示すものである。図6(a)には図5(a)と同じ部位の要部断面図が示してある。また、図6(b)には図6(a)の水平方向の断面図が示してある。更に、図6(c)には図6(a)、(b)に示した移動流路35を仕切る仕切壁41を、図5(c)に示した移動流路35の斜視図に組み込んだ状態が示してある。第1の形態の第1の実施例では、移動流路35に複数の仕切壁41を設けて移動流路35を、水の移動方向に平行に細分化している。仕切壁41は移動流路35内のみに設置することもできるが、第1の実施例では仕切壁41は連絡通路38の領域まで延長して設けている。仕切壁41は銅等の高熱伝導材から形成する。
このように、移動流路35を水の移動方向に平行に細分化すると、細分化された流路41Dがドリームパイプの機能を果たし、細分化された流路41Dの中の水による熱移送が格段に促進される。ドリームパイプとは、円管内に封入した液体に振動流を与えると、管軸方向への熱輸送が格段に促進される現象のことである。仕切壁41の枚数は特に限定されるものではなく、ドリームパイプ機能が果たせる枚数とする。また、仕切壁41の部分が水よりも熱伝導率が高いので、仕切壁41に沿って流れる水の見かけの熱伝導率を水よりも高くすることができる。このため、ラジアルピストンポンプ13を流れる水の温度低下が小さくなり、ラジアルピストンポンプ13における水の熱の温度勾配を、図4(b)に示したようなフラットに近い状態にできる。
続いて、図7(a)から(c)を用いて、本発明に係るラジアルピストンポンプ13の温度変化抑止構造40の第1の形態の第2の実施例の構成を説明する。図7(a)には図5(a)と同じ部位の要部断面図が示してある。また、図7(b)には図7(a)の水平方向の断面図が示してある。更に、図7(c)には図7(a)、(b)に示した移動流路35に取り付けるメッシュシートを、図5(c)に示した移動流路35と連絡通路38内の点線で示す部分に組み込む状態を示してある。
第1の形態の第2の実施例では、温度変化抑止構造40として、水の移動流路35に連絡通路38まで延長されたメッシュシート42を、複数枚だけ間隔を開けた積層状態で設けている。メッシュシート42は銅等の高熱伝導材から形成されており、移動流路35内を流れる水の移動方向に平行に複数枚が設置されている。メッシュシート42の枚数と目の粗さは特に限定されるものではない。メッシュシート42は水の移動流路35の中だけに設けても良い。第2の実施例の温度変化抑止構造40は温度維持構造であり、冷水製造部11と温水製造部12の間を流れる水の温度をメッシュシート42で温度維持している。
このように、移動流路35に水の移動方向に平行に、複数枚のメッシュシート42を設置すると、メッシュシート42の部分が水よりも熱伝導率が高いので、複数枚のメッシュシート42に沿って流れる水の見かけの熱伝導率を水よりも高くすることができる。このため、ラジアルピストンポンプ13を流れる水の温度低下が小さくなり、ラジアルピストンポンプ13における水の熱の温度勾配を、図4(b)に示したようなフラットに近い状態にできる。
図8は、本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第3の実施例の構成を示すものであり、図8(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、図8(b)は図8(a)の水平方向の断面図を示している。第3の実施例の温度変化抑止構造40は往復流体分離構造であり、この構造は、移動流路35内の水の移動方向に、整流板43を斜めに設置することにより形成される。整流板43は、移動流路35内に、水の流れる方向に対して水平方向に傾斜するように設けられる。整流板43の傾斜角度は、例えば、45°とすれば良い。
このように、移動流路35内の水の移動方向に整流板43を斜めに設置すると、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが分離されて混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離される構造となる。この結果、移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。整流板43は、高熱伝導材から形成することができる。
図8(c)は、図8(a)、(b)で説明した本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第3の実施例の変形例の構成を示すものであり、図8(c)は図8(a)に対応する図、図8(d)は図8(b)に対応する図である。第3の実施例では、整流板43は移動流路35内の水の移動方向に対して、水平方向に斜めに設置されていた。一方、第3の実施例の変形例では、整流板43は、移動流路35内に、水の流れる方向に対して垂直方向に傾斜するように設けられる。整流板43の傾斜角度は、例えば、45°とすれば良い。
第3の実施例では整流板43により、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが水平方向で混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離されていた。一方、第3の実施例の変形例では、整流板43により、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが垂直方向で混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離される。この結果、第3の実施例の変形例でも移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。
以上説明した実施例は、ラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35の断面積を小さくする本発明の第1の形態における実施例である。一方、第1の形態の第3の実施例の温度変化抑止構造40は、ラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35の断面積を従来のままの状態とした第2の形態のラジアルピストンポンプ13に対しても適用できる。図8(e)は、図8(b)で説明した第1の形態の第3の実施例の構造を適用した本発明の第2の形態の第1の実施例を示しており、図8(b)と同じ部位を示している。第1の形態の第3の実施例の構造を第2の形態に適用し、ラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35内に整流板43を、水の移動方向に対して水平方向に斜めに設置しても、移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。
図9は、本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第4の実施例の構成を示すものであり、図9(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図であり、図9(b)は図9(a)の水平方向の断面図で、変形例の構成を示すものである。第4の実施例の温度変化抑止構造40も往復流体の分離構造であり、この構造は移動流路35内の水の移動方向に、リード弁44A,44Bを備える分流板44を設置することにより形成される。分流板44は、移動流路35内に、水の流れを上下方向に二分して2つの流路35A,35Bを形成するように設けられる。リード弁44A,44Bは、ストッパ44Sによって、一方向にしか開弁しないようになっている。第4の実施例では、リード弁44Aは温水製造部12からの温水WHを冷水製造部11の方向にしか流さず、逆にリード弁44Aは冷水製造部11からの冷水WCを温水製造部12の方向にしか流さない。
このように、移動流路35内の水の移動方向にリード弁44A,44Bを備えた分流板44を設置すると、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離される構造となる。この結果、移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。分流板44とリード弁44A,44Bは、高熱伝導材から形成することができる。
図9(b)は、図9(a)で説明した本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第4の実施例の変形例の構成を示すものである。第4の実施例では、分流板44は移動流路35内の水の移動方向に対して、上下方向に設置されていた。一方、第4の実施例の変形例では、分流板44は、移動流路35内に、水の流れを左右に二分して2つの流路35A,35Bを形成するように設けられる。リード弁44Aは分流板44の一方の側の流路35Aに設置され,リード弁44Bは分流板44の反対側の流路35Bに設置される。リード弁44A,44Bは第4の実施例と同様に互いに異なる一方向にしか開弁しない。
第4の実施例では分流板44により、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが上下方向で混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離されていた。同様に、第4の実施例の変形例では、分流板44により、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが左右方向で混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離される。この結果、第4の実施例の変形例でも移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。往復流体を分離するリード弁44A,44Bの代わりに、他の一方向弁や電磁弁等を設けても良い。また、第4の実施例及びその変形例は、断面積縮小構造を無くした第2の形態の第2の実施例も可能であるが、第2の形態の第2の実施例はその図示を省略する。
図10は、本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第5の実施例の構成を示すものであり、図10(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、図10(b)は図10(a)の水平方向の断面図である。第5の実施例の温度変化抑止構造40は温度維持構造であり、移動流路35内の水の移動方向に垂直な方向に、複数のフィン45を設置することにより形成される。複数のフィン45は銅等の高熱伝導材から形成されている。第5の実施例では、複数のフィン45は平行に向かい合うシリンダ34の壁の間に掛け渡されて設けられており、移動流路35内の水の流れる方向に対してこれを横切る方向に設けられる。フィン45の形状は円柱に限定されず、水が流れる方向に流線型であっても良い。また、フィン45の本数も特に限定されるものではない。
このように、移動流路35内の水の移動方向に垂直に複数のフィン45を設置すると、図7で説明した第2の実施例と同様に、フィン45の部分が水よりも熱伝導率が高いので、複数枚のフィン45の間を流れる水の見かけの熱伝導率を水よりも高くすることができる。このため、ラジアルピストンポンプ13を流れる水の温度低下が小さくなり、ラジアルピストンポンプ13における水の熱の温度勾配をフラットに近い状態にできる。
図10(c)は、図10(a)、(b)で説明した本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第5の実施例の変形例の構成を示すものであり、図10(c)は図10(a)に対応する図、図10(d)は図10(b)に対応する図である。第5の実施例では、複数のフィン45は移動流路35内の平行に向かい合うシリンダ34の壁の間に設置されていた。一方、第5の実施例の変形例は、複数のフィン45は、移動流路35内に、シリンダ34の端部31に突設されて設けられている点が異なる。よって、第5の実施例の変形例においても、ラジアルピストンポンプ13における水の熱の温度勾配をフラットに近い状態にできる。
また、第5の実施例は、前述の本発明の第2の形態にも適用できる。図10(e)は、図10(d)で説明した第1の形態の第5の実施例の変形例の構造を適用した本発明の第2の形態の第3の実施例を示しており、図10(d)と同じ部位を示している。第1の形態の第5の実施例の変形例の構造を第2の形態に適用し、ラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35内に複数のフィン45を、シリンダ34の端部31に突設しても、移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。
図11は、本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第6の実施例の構成を示すものであり、図11(a)は図5(a)と同じ部位の要部断面図、図11(b)は図11(a)の水平方向の断面図である。第6の実施例の温度変化抑止構造40は、移動流路35内に撹拌子46を設置することにより形成される。撹拌子46の回転軸46Aは、第6の実施例ではシリンダ34の端部31に突設されている。撹拌子46は、銅等の高熱伝導材から形成すれば良い。また、撹拌子46は一方向にしか回転しないように構成されているが、回転方法には特に限定はない。撹拌子46は、高熱伝導材から形成することができる。
このように、移動流路35内の水の移動方向に一方向にしか回転しない撹拌子46を設置すると、図8、図9で説明した第3、第4の実施例と同様に、冷水製造部11からの冷水WCと温水製造部12からの温水WHが混ざり合わなくなり、移動流路35内を流れる往復流体が分離される構造となる。この結果、移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。
図11(c)は、図11(a)、(b)で説明した本発明に係るラジアルピストンポンプ13の第1の形態の温度変化抑止構造40の第6の実施例の変形例の構成を示すものであり、図11(c)は図11(a)に対応する図、図11(d)は図11(b)に対応する図である。第6の実施例では、撹拌子46の回転軸46Aはシリンダ34の端部31に突設されており、移動流路35内の水の移動方向に対して、水平方向に回転するようになっていた。一方、第6の実施例の変形例は、撹拌子46は、移動流路35内で対向するシリンダブロック36の平行面に掛け渡されており、水の流れる方向に対して垂直方向に回転するように設けられている。第6の実施例の変形例では2つの撹拌子46が移動流路35内に設けられており、2つの撹拌子46の回転方向は同じである。2つの撹拌子46の間の移動流路35内に、第4の実施例のような分流板44を設けても良い。よって、第6の実施例の変形例においても、ラジアルピストンポンプ13における水の熱の温度勾配をフラットに近い状態にできる。
また、第6の実施例は、前述の本発明の第2の形態にも適用できる。図11(e)は、図11(b)で説明した第1の形態の第6の実施例の構造を適用した本発明の第2の形態の第4の実施例を示しており、図11(b)と同じ部位を示している。第1の形態の第6の実施例の構造を第2の形態に適用し、ラジアルピストンポンプ13の水の移動流路35内に撹拌子46を、その回転軸46Aをシリンダ34の端部に突設して設置しても、移動流路35内を流れる冷水WCと温水WHの温度変化が小さくなる。
図12は、本発明に係るラジアルピストンポンプの第1と第2の形態の両方に適用できる共通実施例の構成を示すものであり、図5(a)と同じ部位の要部断面図である。第1の形態では前述のように、移動流路35の水が流れる方向の幅を狭くした断面積縮小構造を備えるものであり、第2の形態にはこの断面積縮小構造はない。この共通実施例では、ラジアルピストンポンプ13のシリンダ34の端部31の外側の部分のシリンダブロック36に超音波発生装置47を設けている。超音波発生装置47からは、ラジアルピストンポンプ13の移動流路35に向けて超音波が出射される。この超音波により、移動流路35を通過する水が振動して混ざることにより、温度分布が少なくなって見かけの熱伝導率が向上する。この結果、移動流路35内を流れる冷水と温水の温度変化が小さくなる。
以上説明した本発明の磁気ヒートポンプシステムのラジアルピストンポンプは、自動車の空気調和装置以外にも、冷水と温水をそれぞれ循環させる磁気ヒートポンプシステムであれば有効に適用することができる。また、磁気ヒートポンプシステムに使用されるピストンポンプはラジアルピストンポンプに限られるものではなく、斜板式のアキシャルピストンポンプ等も使用可能である。
10 空気調和装置
11 冷水製造部
12 温水製造部
13 ピストンポンプ(ラジアルピストンポンプ)
21 回転軸
23 永久磁石
25 材料容器
26 磁気熱量効果材料
30 磁気ヒートポンプシステム
33 ピストン
34 シリンダ
35 移動流路
38 連絡通路
40 温度変化抑止構造
41 仕切壁
42 メッシュシート
43 整流板
44 分流板
45 フィン
46 撹拌子
47 超音波発生装置

Claims (9)

  1. 磁気ヒートポンプシステム(30)の媒体冷却部(11)と媒体加熱部(12)に対して熱輸送媒体を吸引或いは供給するピストンポンプ(13)であって、
    シリンダブロック(36)内に複数設けられたシリンダ(34)と、
    回転軸(21)の回転によって前記シリンダ(34)内を往復動するピストン(33)と、
    前記ピストン(33)の上死点と前記シリンダ(34)の端部(31)との間に形成される空間(35)が、前記媒体冷却部(11)と前記媒体加熱部(12)に連通するピストンポンプ(13)において、
    前記空間(35)に、前記空間(35)を移動する前記熱輸送媒体の温度変化を抑止する温度変化抑止構造(40)を設け、
    前記温度変化抑止構造(40)を、前記空間(35)の前記熱輸送媒体の移動方向の断面積を圧力損失の増大が所定値を越えない範囲まで絞る断面積縮小構造としたことを特徴とする磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  2. 前記断面積縮小構造において、絞られた前記空間(35)の前記熱輸送媒体の移動方向に複数の仕切壁(41)を設けて前記空間(35)を細分化し、前記ピストン(33)によって前記空間(35)内を往復動する前記熱輸送媒体が、細分化された前記空間内で振動流となるようにし、振動流による熱輸送促進効果によって見かけの熱伝導率を前記熱輸送媒体の熱伝導率より高くしたことを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  3. 前記断面積縮小構造において、絞られた前記空間(35)の前記熱輸送媒体の移動方向に平行に複数設置されたメッシュシート(42)の積層構造を設けたことを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  4. 前記温度変化抑止構造(40)が、前記空間(35)内の前記熱輸送媒体の移動方向に対して斜めに設置された整流板(43)により、前記媒体冷却部(11)からの媒体と前記媒体加熱部(12)からの媒体が混ざり合わない移動流体分離構造であることを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  5. 前記温度変化抑止構造(40)が、前記空間(35)内の前記熱輸送媒体の移動方向を二分する分流板(44)と、前記分流板(44)によって仕切られた各流路(35A,35B)に設けられたリード弁(44A,44B)により、前記媒体冷却部(11)からの媒体と前記媒体加熱部(12)からの媒体が混ざり合わない移動流体分離構造であることを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  6. 前記温度変化抑止構造(40)が、前記空間(35)内の前記熱輸送媒体の移動方向に垂直な方向に複数本設置されたフィン(45)により、前記媒体冷却部(11)からの媒体と前記媒体加熱部(12)からの媒体の温度変化を抑える温度維持構造であることを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  7. 前記温度変化抑止構造(40)が、前記空間(35)内に設けられた一方向に回転する撹拌子(46)により、前記媒体冷却部(11)からの媒体と前記媒体加熱部(12)からの媒体が混ざり合わない移動流体分離構造であることを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  8. 前記仕切壁(41)、前記メッシュシート(42)、前記整流板(43)、前記分流板(44)、前記フィン(45)又は撹拌子(46)が、高熱伝導材から形成されていることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
  9. 前記温度変化抑止構造(40)が、前記空間(35)を備えるシリンダ(34)の外部に設けられた超音波発生装置(47)であり、前記超音波発生装置(47)によって発生した超音波を前記空間(35)内に照射する構造であることを特徴とする請求項に記載の磁気ヒートポンプシステムのピストンポンプ。
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