JP5775640B2 - 上部浸漬注入式ランス - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、溶融槽乾式冶金作業で使用する上部浸漬注入ランスに関するものである。
発明の背景
槽と酸素含有ガス供給源の間に相互作用を必要とする溶融槽溶錬または他の乾式冶金作業では、ガスを供給するために複数の異なる設備を用いる。一般に、これらの作業には溶融マット/金属への直接注入が含まれる。直接注入は、ベッセマー型溶鉱炉では底吹き羽口を、また、ピアース−スミス型転炉では横吹き羽口を用いて行うことができる。また別の方法として、ランスを使用して、上吹き注入または浸漬注入によりガスを注入してもよい。上吹き型ランスによる注入の例としては、KALDO式およびBOP式の製鉄所があり、ここでは純酸素を槽上方から吹き入れて溶融鉄から鋼を製造する。上吹き型ランスによる注入の別の例が、三菱の製銅法における溶錬およびマット転換段階によって提供される。かかる段階では、注入ランスが空気または酸素富化空気などの酸素含有ガスの噴流を槽の上面に吹き付けるとともに貫通させ、銅マットをそれぞれ生成および転換させる。浸漬ランスを用いる注入の場合、ランスの下端を浸漬させて槽のスラグ層の上からではなく内側で注入を行って上部浸漬型ランス(TSL)式注入を施すものであり、公知の例としては、金属加工において幅広く適用されるオウトテック・オースメルトTSL技術が挙げられる。
上部から注入を行う形態、すなわち上吹き注入およびTSL注入のどちらも、ランスは高い卓越槽温度に晒される。三菱の製銅法における上吹きでは、直径約50mmの内側パイプおよび直径約100mmの外側パイプを有する比較的小型の鋼製ランスを多数用いる。内側パイプの終端はおおよそ溶鉱炉の天井の高さにあり、反応領域よりもはるか高くにある。外側パイプは、溶鉱炉の天井の水冷環に被着しないように回転可能であり、溶鉱炉のガス空間内まで下方に伸び、外側パイプの下端は溶融槽の上面の約500〜800mm上方に位置する。空気中に混入している粒子状供給物は内側パイプを通って吹き込まれ、酸素富化空気はパイプ間の環帯を通って吹き込まれる。槽表面上部の外側パイプの下端に間隔をあけ、この間隔を通るガスによってランスが冷却されるにもかかわらず、外側パイプは1日当たり約400mm焼け細りする。そのため、外側パイプをゆっくりと降下させ、必要に応じて、新たな部分を消耗品である外側パイプの上部に取り付ける。
TSL式注入用のランスは、例えば上述の三菱製法における上吹き用のランスよりもはるかに大きい。以下で前提としているように、TSLランスは通常、少なくとも内側パイプおよび外側パイプを有するが、その他に内側パイプおよび外側パイプと同心のパイプを少なくとも1本有していてもよい。一般的な大型のTSLランスでは、外側パイプの直径は200〜500mmもしくはそれより大きい。また、ランスは非常に長く、TSL式反応炉の天井を通って下方に伸び、その高さが10〜15mほどになる場合もある。したがって、外側パイプの下端は、溶融槽の溶融スラグ相に約300mm以上の深さまで浸漬される。外側パイプの下部領域は、浸漬される部分も含めて、注入ガス流の冷却作用によって外側表面上に形成維持される固化または凍結スラグのコーティングによって保護される。内側パイプの終端は、外側パイプの終端とほぼ同じ高さにあってもよく、あるいは、外側パイプの下端より約1000mmまで高い位置にあってもよい。これにより、外側パイプの下端のみ浸漬される。いずれの場合においても、らせん状羽根または他の流れ成形手段を内側パイプの外面に取り付け、内側パイプと外側パイプの間に環状空間を展開してもよい。羽根は、環帯に沿った空気または酸素富化噴射流に強力な渦巻き作用をもたらすものであり、冷却効果を高めるだけでなく、内側パイプから供給される燃料や供給材とガスを十分に混合させる役目を果たす。混合は、外側パイプによって画成され外側パイプ下端の上方に十分な距離をとって終端している内側パイプ下端の下方に位置する混合チャンバで実質的に発生する。
TSLランスの外側パイプの下端部は損耗および焼け細りするが、その程度は、保護凍結スラグコーティングを用いることにより、コーティングをしない場合よりもかなり低下する。しかしこれは、TSL技術を用いた作業方式によって相当程度抑制される。その作業方式とは、極めて反応性に富んだ腐食環境の溶融スラグ槽にランスの下端を浸漬するにもかかわらず、TSL技術が実行可能なものである。TSLランスの内側パイプを使用して、槽のスラグ層に注入すべき精鉱などの供給材、融剤および還元剤を供給してもよく、あるいは、燃料油、粒子炭、または粉砕されたプラスチック材などの燃料の供給に使用してもよい。空気または酸素富化空気などの酸素含有ガスは、パイプ間の環帯を通じて供給される。槽のスラグ層内への浸漬注入を開始する前に、ランスの下端の位置を合わせる。すなわち、外側パイプの下端を適切な間隔をあけてスラグ表面の上方に配置する。酸素含有ガスと、燃料油、粉炭または炭化水素ガスなどの燃料をランスに供給して、その結果得られた酸素または燃料の混合物を燃やして火炎ジェットを発生させ、火炎ジェットがスラグに吹き付ける。これによりスラグが跳ね飛んで外側ランスパイプ上にスラグ層を形成し、スラグ層はランスを流れるガス流によって固化され、上述の固化スラグコーティングが形成される。その結果、ランスを通る酸素含有ガスの持続的な流れにより、ランスの下端部を固化スラグコーティングが外側パイプを保護し続ける温度に保つことで、ランスを下降させてスラグ内への注入を実現できる。
新設のTSLランスの場合は、外側パイプおよび内側パイプの下端の相対位置、すなわち、内側パイプの下端が外側パイプの下端から少しでも引っ込んでいればその距離は、設計時に決定した特定の乾式冶金処理の範囲に最適な長さである。最適な長さは、TSL技術のさまざま用途に応じて異なっていてよい。そのため、スラグからマットへの酸素移動によって銅マットを粗銅に転換する2段階バッチ作業の各工程、銅マットを粗銅に転換する連続一段式作業、鉛含有スラグの還元工程、または酸化鉄の供給材を溶かして銑鉄を生成する工程では、いずれもそれぞれに適した異なる混合チャンバの長さを用いる必要がある。しかしながら、いずれの場合にも、外側パイプの下端が徐々に損耗したり焼け細ったりするため、混合チャンバの長さは次第に高温冶金作業に最適な長さに足りなくなっていく。同様に、外側パイプおよび内側パイプの端部間に原点オフセットがあると、内側パイプの下端がスラグに露出する可能性もあり、そのために内側パイプの下端も損耗および焼け細りする。そのため、時々は少なくとも外側パイプの下端を切除して端部をきれいにし、その端部に適切な径のパイプを溶接して、パイプの下端を最適な相対位置に設定し直し、溶錬状態を最適にする必要がある。
外側パイプの下端が損耗および焼け細りする速度は、実行する溶融槽での冶金作業によって異なる。進度を決定する要因には、供給処理量、作業温度、槽の流動率および化学的作用、ランス流量などが含まれる。場合によっては、腐食摩耗および燃損の進度が比較的高く、最悪の場合には処理を中断して損耗したランスを作業から外して他のランスに取り替えるとともに作業から取り外され損耗したランスを修繕する必要があり、1日のうちで数時間もの作業時間を浪費してしまうこともある。このような中断は1日のうちに数回起きる場合もあり、中断するごとに処理を行えない時間が増えていく。TSL技術では、費用の削減を含む、他の技術に優る大きな利点をもたらすものの、ランスの交換に係る作業時間の損失は費用面で大きな不利益となる。
本出願人による2012年6月27日出願の係属中出願、PCT/AU2012/000751号では、ランスを交換して修理を行わなければならない際の時間損失の減少を可能とする新規の上部浸漬型ランスを開示している。PCT/AU2012/000751号の新規のランスにおける特徴は、外側パイプの下端に対する内側パイプまたはその隣の最内側のパイプの下端の調整に関して、上部浸漬型ランスに広く適用できる。
上部浸漬型ランスの下位類型は、被覆ランスという呼称で区別されるようになり、被覆ランスについてはオウトテック・オースメルト式TSL技術が有名である。例えば、オーストラリア特許第640955号およびこれに対応するFloydの米国特許第5251879号を参照されたい。この下位類型は、一般的なランスの外側パイプの外側にもう1本パイプを用いることを特徴とする。このもう1本のパイプは比較的短いスリーブまたは覆いを備え、スリーブまたは覆いを通って主ランスの外側パイプが伸び、スリーブまたは覆いは外側パイプの上端部の周囲に固定される。覆いは、ランスの排出口端が浸漬される際、溶融槽の上方位置で終端する。覆いと外側パイプの間の流路を通って反応炉空間内へガスが放出されると、ランスを通過して溶融槽のスラグに注入されるガスによる冷却効果が増す。これにより覆いは、ランスの外側パイプの下端部に施された固化スラグコーティングの厚みを十分な厚さに維持する助けとなる。被覆ランスを用いることで得られる付加的な冷却は、ランスの長さを維持するのに有益であり、ランスを使用する処理工程においてランスによって注入されるガスの流量を制限する必要がある場合にはとくに有用である。覆いによってもたらされる冷却効果は、ランスを長期間使用しなければならない場合にも有利である。また、約1100℃〜約1600℃の温度で稼働する炉では、ランスの外側パイプの固化スラグコーティングの厚みが温度の上昇に伴って減少する。スラグの特定の化学的性質として過熱量は通常大きくないものの、スラグの化学的性質により、あるいは最終生成物に必要となるために、必然的に高温での使用となってしまう。そのため、覆いを通じて供給されるガスによって得られる付加的冷却は、高温の場合、十分な厚さのコーティングを確保するうえでいっそう重要となる。
被覆ランスは他にも重要な有用性を備えている。多くの場合において、溶融スラグ上方の反応炉空間にガスを供給する必要がある。ガスは、空気または酸素富化空気などの酸素含有ガスでよく、例えば、槽から発生するガスの後燃焼に、または発生した金属ヒュームが酸化する際に必要となる。そのために、覆いの排出口を溶融槽の層に対して正確に位置決めする必要がある。層に近すぎると、注入される酸素含有ガスがどんなものであれ、槽の主要材料と相互に作用しあってしまうであろう。また遠すぎると、後燃焼反応または酸化反応が不完全なものとなるであろう。また、このような反応は熱交換というメリットをもたらすものであり、槽から飛散するスラグが発熱反応によって熱せられるため、そのエネルギーの一部は、飛び出た材料が槽の主塊中に戻る際に、直接、槽で回収される。これにより、スラグの状態が維持されつつ排ガスを十分に酸化させて円滑で最適な処理および排ガスの調整を確実に行えるような予長部分にて、酸素ポテンシャルを確実に調整できる。
本発明は、上部浸漬注入用の被覆された改良型ランスの提供を企図している。
本発明によれば、上部浸漬ランス(TSL)注入により乾式冶金作業を行うための次のようなランスが提供される。すなわち、このランスは、少なくとも実質的に同心の内側および外側パイプを有し、ランスはさらに覆いを含み、覆いを通って外側パイプが伸び、覆いは、外側パイプの上部分に取り付けられてこれに伸びて外側パイプとともに流路を画成し、この流路を通してガスが供給され、外側パイプの排出口端に向かって流れてランスの外に排出される。覆いは、外側パイプに対して長手方向に調整可能であり、実質的に、覆いの排出口端と外側パイプの排出口端との間の長手方向の間隔を維持したり、この間隔を変化させたりできる。ランスは、任意で、らせん状の羽根または他の流れ成形装置を含み、これは、外側パイプと内側パイプ間か、あるいは、ランスが少なくも3本の実質的に同心のパイプを有する場合には外側パイプと、外側パイプおよび内側パイプの間で2番目に内側のパイプとの間の環状空間において、長手方向に延伸している。内側パイプの下部排出口端、または少なくとも外側パイプから2番目に最内側のパイプの排出口端は、外側パイプの下部排出口端に対する高さが乾式冶金処理に必要な高さに設定されている。
ランスは、外側パイプに対して覆いを移動させて、覆いおよび外側パイプの排出口端間の長手方向の間隔を実質的に一定に保ってもよい。本機構は、乾式冶金作業においてランスを使用する際の外側パイプの下端の損耗や焼け細りを前述の間隔によって補償するものでよい。こういった補償を実現するには、処理中、覆いと外側パイプの間の相対的な動きが連続的または段階的でよい。そのためには、覆いは反応炉に対して定置にあるとよく、外側パイプは覆いを通って下降可能とすることで、その下端の損耗および焼け細りを補償する。
もしくは、ランスは、覆いを外側パイプに対して動かして、覆いの反応炉に対する高さを調整可能としてもよい。この場合、覆いは、スラグの形成および/または溶融相もしくは金属相の生成によって溶融槽の容積が増加した際に、あるいは作業の途中で相を反応炉から取り出す際に、覆いの下端と溶融槽の上面の間の間隔を実質的に一定にするように調整できるものでよい。
その他に、覆いを外側パイプに対して調整可能にして、覆いを作動位置と非作動位置の間で、または、覆いの下端から排出されるガスの冷却効果の大きさを調整する位置の間、もしくは当該ガスを後燃焼に使用する溶融槽への熱エネルギー伝達速度を調整する位置の間で移動させてもよい。
覆いは、これらの目的の2つ以上の組合せに応じて、外側パイプに対して移動可能または調整可能なものでよい。これにより、本発明の覆いは、覆いが固定された従来の上部浸漬型ランスに比べいくつかの利点をもたらす。これらの利点には以下のものが含まれる。
−覆いの下端の高さを完全に制御でき、それによって、覆いから反応炉の槽上部の空間にガスを排出する高さも制御でき、
−反応炉の槽上部の空間を強度の酸化状態から強度の還元状態まで調節でき、
−浸漬注入によって飛び跳ねたスラグ同士の相互作用の度合いを制御し、それによって、槽の飛散スラグ相が予長部分から吸収する後燃焼の熱エネルギーの程度を調整でき、
−たとえばNOx、ダイオキシン、不安定硫黄および他の成分の含有量を削減して排ガスの質を制御する。
本発明に係るランスでは、各パイプの関係は、それぞれのパイプに対する覆いの長手方向の調整に対応した固定的なものでよい。あるいは、前述の国際特許出願PCT/AU2012/000751号に記載されたように、ランスは、外側パイプが長手方向に調整可能な機能を備えていてもよい。これにより、一構成では、内側パイプの下端は外側パイプの下端からのオフセットが実質的に0である。別に採り得る一構成では、内側パイプの下端は外側パイプの下端よりも引っ込んでいて、それら下端の間に混合チャンバが形成される。
ランスは2本のパイプを有してよく、らせん状羽根の長手方向の1つの縁端部が内側パイプの外側表面に連結され、他の縁端部は外側パイプの内側面に近接している。しかしながら、ランスは少なくとも3本のパイプを有してもよく、羽根の1つの縁部が外側パイプの次に最内側のパイプの外側表面に連結され、他の縁部が外側パイプの内側面に近接している。後者の場合、外側パイプ以外のパイプはいずれも、互いに対して不動であっても、あるいは長手方向に移動可能でもよい。
TSL式乾式冶金作業で使用するために、ランスを据付装置から吊下することができ、据付装置は、ランス全体をTSL反応炉に対して上昇および下降させることができる。据付装置によりランスをTSL反応炉内まで下降させて、反応炉内の溶融槽上部に形成されるスラグ相の表面の上方にランスの下端を位置させ、上述したようにランスにスラグコーティングを形成することができる。つまり、このようなスラグコーティングは、ランスの外側パイプの下端の外側面に形成され、また覆いの下端部域の外側面に形成されることもある。次に、据付装置はランスを下降させて、ランスの下端をスラグ相中に配置することで、スラグの中で浸漬注入を行うことが可能になり、また覆いの下端をスラグ表面の上方に位置させることができる。また、据付装置はランスを反応炉から引き上げることもできる。これらの動きでは、ランスはその全体が動く。また一方で、据付装置はランスの覆いと外側パイプの間、また好ましくは内側パイプと外側パイプの間において相対的な長手方向の動作をするよう作動可能である。相対的な長手方向の動作とは次のとおりである。
(a)覆いをランスのパイプに対して上昇または下降させて、覆いの排出口端と外側パイプの排出口端の間の間隔を変え、覆いの前述の端部から排出されるガスの働きを変化させる。
(b)覆いをランスのパイプに対して上昇させて、外側パイプの下端の損耗および焼け細りに合わせて覆いの排出口端と外側パイプの排出口端間の間隔を実質的に一定に維持する。もしくは、
(c)外側パイプが内側パイプに対して長手方向に動くのに応じて(a)または(b)に述べた動きを行って、外側および内側パイプの排出口端の相対的な位置を実質的に一定に保つか、もしくは調整する。
いずれの場合にも、相対的な長手方向の動きは、覆い、外側パイプおよび内側パイプの下端の間の相対位置を実質的に一定に維持する動きである。したがって、混合チャンバを形成するような相対的配置の場合、最も好適な相対的な長手方向の動きによって、混合チャンバを実質的に固定の長さ、所定の長さ、または選択された長さに保ちつつ、覆いおよび外側パイプの各下端を実質的に固定の長さ、所定の長さ、または選択された長さに保つことができる。所定の長さまたは選択された長さを維持するための精度は、実質的に一定であればよい。そのため、外側パイプの下端に対する内側パイプの排出口端の高さは、内側パイプと外側パイプの間の相対的な動きにより、内側パイプに必要な高さの±25mm以内に維持できるとよい。同様に、外側パイプの下端に対する覆いの排出口端の高さも、覆いに必要な高さ±25mm以内に維持できればよい。
ランス、またはランスを含む据付装置は駆動装置を備えていてもよく、駆動装置を使用して、覆いと外側パイプの間の相対的な長手方向の動きと、好ましくは内側パイプと外側パイプの間の動きも発生させる。駆動装置は、外側パイプの下端が損耗および焼け細りする平均速度を判断して、所定の速度で移動をさせるように動作することができる。したがって、ある乾式冶金作業において4時間操業サイクルにおける損耗および焼け細りが約100mmであることが分かっている場合、駆動装置は、覆いと外側パイプとの間、および内側パイプと外側パイプとの間に毎時25mmの相対的な動きを発生させることができ、覆いを実質的に一定の相対的高さに、また覆いおよびパイプの下端を実質的に一定の相対位置に維持し、例えば混合チャンバの長さを実質的に一定に保つ。
覆いと外側パイプの間、ならびに内側パイプと外側パイプの間にこのような一定の速度の相対的な動きをもたらす駆動装置を使用することは、安定的な作業条件では外側パイプ下端の損耗および焼け細りが実質的に一定の速度で起こるという前提に基づくことができる。しかしながら、駆動装置を可変として、作業条件の変化に適応可能にしてもよい。作業条件は、例えば、供給材または燃料および/もしくは還元剤の等級変更や、スラグおよび/もしくは回収金属またはマット相の量の増大などの溶融槽の容積の増加などの理由から、一連の作業サイクルの合間に、あるいは、ある1サイクル内においてさえ、変更してもよい。さらには、ある作業全体の段階の合間、例えば単一の反応炉内で行われる二段階式銅マット転換処理におけるホワイトメタルの吹き込み段階と粗銅の吹き込み段階の合間に、または三段階式鉛回収処理における一連の段階の合間に、変更することも可能である。駆動装置は、手動または遠隔制御で調整できるものであってもよい。あるいは、駆動装置は、プロセスの少なくとも1つのパラメータをモニタ可能な少なくとも1つのセンサからの出力に応じて調整できるものでもよい。例えば、センサは反応炉の排ガスの組成、適切な位置での反応炉の温度、槽の上方またはガス排気ダクト内のガス圧、スラグ相などの槽内成分の導電率、ランスの外側パイプの導電率のモニタに適するものでよい。または、外側パイプの実際の長さを覆いと外側パイプの間、または内側パイプと外側パイプの間でランスの長さに沿って光学的に測定する光学センサでもよく、あるいは上述のパラメータのうちの2以上をモニタするセンサの集合体でもよい。
本発明をより容易に理解することができるよう、ここで添付図面について説明する。
乾式冶金の上部浸漬型ランスによる作業で使用する際のランスの第1の形態の概略側面図である。 図1に類似するが、ランスの第2の形態を示す図である。 TSL乾式冶金作業用のランスの第3の形態の概略断面図である。 図3に類似するが、上述の作業用ランスの第4の形態を示す概略図である。 図3に類似するが、上述の作業用ランスの第5の形態を示す概略図である。
図面の詳細な説明
図1は、上部浸漬型ランス11を使用している状態を概略的に図示している。ランス11は外側パイプ13を含み、外側パイプを通って少なくとも1本の内側パイプ(図示せず)が同軸状に延伸し、またランスはパイプ13の上部域と同心の覆い15を含む。図示では、上部浸漬ランス式反応炉(図示せず)に収容された溶融槽のスラグ17の層中にランス11の下端が浸漬されている。浸漬の及ぶ範囲は、外側パイプ13内を通って落ちる材料がスラグ17の表面より下に注入される一方で、スラグ17の上面の上方に間隔をあけて覆い15の下端が配置されている範囲である。
スラグ17中への注入によって乱流が起こり、スラグが飛び散る。しぶきは線19でパイプ13の右側に簡略的に示しているが、実際にはパイプ13の外周部全体に飛び散るはずである。ランス11は据付装置(図示せず)から吊下され、これにより、矢印Aで表すように、ランス全体を上昇または下降できる。ランス11は、その下端を浸漬させる位置に配置する前に、下端がスラグ17の表面の真上に来るように位置決めする。次に空気をランス11からスラグ17に向かって吹き下ろしてスラグを撹拌し、しぶき19を発生させる。その結果、溶融スラグの飛沫で外側パイプ13の外側面の下部分が覆われる。ランスから吹き込まれるガスがパイプ13を冷却させてスラグのしぶき19を固化させ、固化スラグコーティング21が形成される。その後、ランス11を据付装置によって下降させて、ランス11の下端を浸漬させる。ランスの一部が浸漬していても、注入されたガスがもたらす冷却効果によって、固化スラグが溶融スラグ17と接触するにもかかわらずコーティング21を維持できる。
溶融スラグ17上方に位置する覆い15の下端は、図示のように、覆い15の外側面が全くしぶき19を被らない高さにあるとよい。ガスは一般的に、空気または酸素富化空気であり、覆い15およびパイプ13の間の環状空間から供給されパイプ13に沿って流れ落ち、矢印23で示すようにスラグ17の表面上方の反応炉空間に放出される。覆い15に高さがあるにもかかわらず、ガス流23がパイプ13の冷却をしっかりと補助するので、固化スラグコーティング21が維持される。コーティング21が維持されることで、溶融槽から発生するガスの後燃焼にガス流23を使用する場合でも、後燃焼で発生する熱エネルギーをスラグのしぶき19が吸収できるようにし続けることができる。後燃焼の対象物は、金属蒸気、遊離硫黄、一酸化水素および/または一酸化炭素、NOxおよび/またはダイオキシン、ならびに他の毒性有機物である。
公知の被覆ランスの形態では、覆いの長さは一定であり、覆いの排出口端が外側パイプの下端から離れた位置をとる距離は、覆いの下端を一部切除するか、または既存の覆いに溶接で継ぎ足すかすることでしか変更できない。そのため、覆いは固定的なものであり、ランスを使用していない間に調整を行う場合、基本的に手作業で行わなければならず、比較的細かい調整には適さない。
公知の被覆ランスの形態とは異なり、覆い15はパイプ13の上端にて調整可能なため、覆い15の下端とパイプ13の下側排出口端との間の間隔Xの変更が可能である。ランスの構成は数通りあり、この構成に合わせて間隔Xを変更できる。第1の構成では、覆い15は調整可能にパイプ13の上端に取り付けられ、その全体がパイプに沿って可逆的に移動できる。第2の構成では、覆い15はパイプ13に対して固定されるものの、覆い15の長さを変更できるので、その下端をパイプ13の下端方向に延伸させたり、該方向から後退させたりして、距離Xを伸縮できる。第2の構成の形態の1つでは、覆い15は長手方向に重なりあう少なくとも2つの入れ子部分を備えていてもよく、入れ子部分の一方はパイプ13に対して固定され、もう一方の部分またはそれぞれの入れ子部分は固定の入れ子部分に対して長手方向に摺動可能である。
第2の構成の別の形態においても、覆い15は少なくとも2つの長手方向に重なりあう部分を備えていて、その一方は外側パイプに固定または締結され、各入れ子部分はねじ式係合によって調整できるようになっているため、入れ子部分の少なくとも1つは、延伸または後退可能である。
図1に示す構成にあっては、間隔Xは、パイプ13の浸漬深さについて、覆い15にスラグコーティングが形成されていない状態である。これにより、浸漬深さが深い場合、当然のことながら、乾式冶金処理中にスラグが上昇する高さが変わり得るであろうし、あるいはパイプ13に取り付けた覆い15が下降するかもしくは覆い15の長さが増加することで、間隔Xが狭くなる。また、覆い15の外側面に塵や他の堆積物が積り得る。スラグまたは塵によるコーティングが覆い15に形成される可能性を考慮すると、第2の構成の各形態では、好ましくは、覆い15の最内側の部分をパイプ13に対して不動とすることで、外側部分を完全に後退させても長さXの変化の領域に際内側部分が露呈しないようにする。
図2は、ランス11aの別の形態を示す。本図における構成は、図1のランス11に関する説明から容易に理解できよう。図2に示す構成要素は図1と同じ参照番号の後に「a」を付してある。
ランス11aの構成は主に以下の点が異なる。すなわち、覆い15aが図1の場合よりも長く、それに伴い覆いの下端と外側パイプ13aの下端間の距離Yが図1のランス11の距離Xよりも短くなっている。そのため、スラグコーティング21aがパイプ13aに形成されているのに加え、スラグコーティング25aが覆い15aに形成されている。図から見てとれるように、パイプ13aに形成されたコーティング21aの厚みは、覆い15aが一番低い位置にあるときに、つまり覆い15aをパイプ13aに対して調整して得られる範囲について距離Yが最小値となるときに、覆い15aとパイプ13a間の環状空間の下端を塞がない程度の厚さである。
間隔Yが間隔Xよりも小さいため、覆い15aは、外側パイプ13aを放射熱エネルギーから保護する力を高めることができる。また、覆い15aとパイプ13aとの間の環状空間を通して供給されるガスによって、より長い部分にわたってパイプ13aを冷却できる。これは、溶融スラグ17aに接触する浸漬部分においてさえもパイプ13a表面の固化スラグコーティングを維持するのに役立つ。覆い15aの下端から放出される酸素含有ガスをスラグ17の表面付近で後燃焼に使用することでスラグが後燃焼によって生じる熱エネルギーをたくさん吸収してしまう場合でも、この補助冷却は、固化スラグコーティング21aを維持するのに有益である。
図1のランス11および図2のランス11aは、駆動装置を用いて使用することもできる。駆動装置は、前述のものでよく、または図3および図4について述べるとおりのものでよい。
図3のランス10は、断面が円形の鋼製同心パイプを2本有する。同心パイプには、内側パイプ12および外側パイプ14が含まれる。パイプ12および14の間に環状流路16が形成される。流路16に沿ってらせん状の羽根またはバッフル20を用いることにより、冷却力を高めてもよい。バッフル20の部品または各部品は、パイプ12を囲んでらせん状に伸びるストリップまたはリボンによって作られ、一方の縁端部はパイプ12の外側表面に溶接され、他方の縁端部は外側パイプ14の内側面に密接している。バッフルの形状は、Floydによる米国特許第4,251,271号の図2に示された旋回装置のストリップ14の形状と同様であってもよい。
またランス10は、パイプ12および14と同心で外側パイプ14の上端に取り付けられた環状の覆い22を含む。覆い22は、パイプ12および14に対し不動に設置された内側スリーブ24と、内側スリーブ24に接しながら長手方向に調整可能な外側スリーブ26とからなる2つの同心スリーブを有する。外側スリーブ26を内側スリーブ24に接したまま下降または上昇させることで、スリーブ26の下端と外側パイプ14の下側排出口端の間の間隔Nの大きさを図に示す最大範囲と最小範囲の間で変更できる。
スリーブ26は、スリーブ24上で伸縮自在に摺動可能なものでよい。その場合、一方のスリーブは他方のスリーブに設けられた溝とかみ合う畝または歯を備えて、スプライン結合をなしてもよい。畝または歯および溝は、ランス10の軸と平行に伸び、あるいは軸周りをらせん状に伸びてもよく、これによりスリーブ26は、スリーブ24に沿って直線的に動くか、または回転して長手および円周の両方向に動いてもよい。後者の場合、スリーブ24、26はそれぞれらせん状畝およびらせん状溝を有して、スリーブ間にねじ結合を画成してもよい。
内側パイプ12の下端は、距離L分の間隔をあけて外側パイプ14の下端の上方に配されている。これにより、パイプ12より下方のパイプ14の領域にチャンバ18ができ、チャンバは混合チャンバとして機能する。
図示した簡易な構成では、空気、酸素または酸素富化空気がランス10の上端から流路16に供給される。所要の運搬媒体によって適切な燃料がパイプ12の上端に供給される。流路16のらせん状バッフルは、流路16に供給されるガスに強力な渦巻作用をもたらす。そのため、ガスの冷却効果が増大し、ガスおよび燃料はチャンバ18内で互いに密に混合され、混合物が発火して燃料が効率よく燃焼することができ、強力な燃焼炎が発生してランス10の下端から噴出する。燃料に対する酸素の割合は、ランスの下端またはその下方で起こる還元状態または酸化状態の強度に応じて変更可能である。燃焼炎で消費されなかった酸素または燃料は槽のスラグに注入され、燃焼炎で燃焼しなかった燃料の何らかの成分は還元剤としてスラグ内で利用可能である。このため、TSL式注入ではしばしば、ランスを使用して燃料/還元剤を注入することを意味する。
流路16に酸素または酸素富化空気が供給されるのに加え、覆い22およびパイプ14によって画成される流路28の上端部にも酸素または酸素富化空気が供給される。流路28に供給されるガスは流路16に供給されるガスと同じものでもよく、または別のものでもよい。流路28の長さは、スリーブ24の上端とスリーブ26の下側排出口端の間の間隔に相当し、スリーブ26がスリーブ24に対して伸長または後退するのに合わせて変化する。流路28に沿って供給されるガスは、外側パイプ14を冷却する働きがあり、また、覆い22の下端から排出されると、ランス10を使用して乾式冶金処理または作業を行う溶融槽から発生する金属蒸気、遊離硫黄、水素、一酸化炭素、NOxおよび/またはダイオキシンなどの有機物等を後燃焼させることができる。
図4に示すランス30の構成は、図3に係る説明から理解できるであろう。類似部分には、図3に示す参照番号に20を加算した番号が付されている。本例では、内側パイプ32および外側パイプ34間に第3のパイプ33が配設され、ランス30が同心パイプを3本有する点が異なる。これにより、流路36および旋回装置40がパイプ33と34の間に設けられる。また、パイプ33の下端は距離(M-L)分だけパイプ34の下端より引っ込んでいて、Mはパイプ33、34の下端間の距離を、Lはパイプ32、33の下端間の距離を表す。よって、混合チャンバ38は、パイプ33の端部下方に位置するパイプ32の全長にわたってその周囲に環状領域を有する。
ここでも、らせん状バッフル(図示せず)が設けられている。ただし、本例では、バッフルはパイプ33の外側面に取り付けられて流路36に沿って延伸し、バッフルの外側端がパイプ34の内側面に近接している。図4のランス30もまた、パイプ34に固定されたスリーブ44を備えた覆い42と、スリーブ44に接しながら距離Pを変える可調整スリーブ46とを備える。
このランス30の実施形態では、燃料がパイプ32の上端から供給されるとともに、遊離酸素含有ガスがパイプ34からパイプ33と34の間の流路36および覆い42とパイプ34の間の流路48に沿って供給される。また、精鉱、粒状スラグまたは粒状マットなどの供給材に融剤を加えてパイプ33からパイプ32とパイプ33の間の環状流路37に沿って供給してもよい。酸素含有ガスと供給材料の混合は、パイプ32の端部に到達する前に始まり、次いで、パイプ32の端部下方にてガスと供給材料の混合物が燃料と混合される。ここでもまた、燃料が混合チャンバ38で燃焼するとともに、供給材料は、少なくとも予熱され、場合によってはその一部が溶解または反応してから、ランス30が内部に伸びている反応炉のスラグ層に注入される。
図5は、図3のランス10の別の形を示す。図4のランス30に基づく類似の変形例も可能である。図5のランスにおいて、ランス10に類似する要素はランス10の各要素の参照番号に40を加算した番号で示す。
図5のランス50は、ランス10に関する説明から容易に理解できよう。1つ異なる点として、らせん状バッフルが設けられていないことがあるが、バッフルを使用することも可能である。また、覆い62は単一のスリーブ25のみを備え、スリーブ25は全体がランスの外側パイプ54に沿って調整可能である。スリーブの調整については、ランス10の覆い22の内側スリーブ24に接した外側スリーブ26の調整に関して説明した通りである。
当業者に明白であろうが、図3ないし図5に示した供給に関する構成は、主要概念の変更例にすぎない。種々のガスおよび固形物に合わせて選択される注入用の環帯または流路は、本発明の本質に影響を及ぼさない範囲で変更可能であり、これは、内部における旋回装置またはバッフルの使用、不使用についても同様である。
ランス10、30、および50はいずれも、種々の乾式冶金作業において、さまざまな主供給材および副供給材からさまざまな金属を生産したり、また、さまざまな残留物や廃物から金属を回収したりするのにも使用することができる。ランス10および30は同心パイプで構成され、通常はパイプが2、3本であるが、何らかの特定用途のランスに少なくとももう1本のパイプを設けることができる。これらのランスを使用して供給材、燃料およびプロセスガスを溶融槽に注入することができる。
いかなる場合でも、ランスのパイプはランスが使用されるTSL式反応炉の天井下方に一定の作動長を有する。具体的には、ランスの位置は槽に対して相対的であり、ランス全体の長さは一般的に炉床から一定の距離に達するのに十分な長さとなっている。ただし、ランス10、30、および50はいずれも、それぞれの混合チャンバ18、38および58について特定の乾式冶金作業に必要な長さを実質的に一定に維持するように調整可能なことが望ましい。ランス10および50の場合、その構成ゆえに、パイプ14の下端が損耗し焼け細っても長さLを実質的に一定に保つことができるが、そうでなければ長さLが減少してしまうだろう。同様に、ランス30では、その構成によって、パイプ34の下端が損耗し焼け細っても長さLおよびMを実質的に一定に維持できるが、さもなければ長さLおよびMが減少してしまうであろう。このように、ランス10および50における長さL、ならびにランス30における長さLおよびMを設定値に維持して、所要の乾式冶金作業における上部浸漬ランス注入や必要な作業条件に最適な状態を得ることができる。
ランス30の場合、流路36および37は、異なる材料を互いに別々にしたままチャンバ38に排出し、混合させることができる。ランスは少なくとももう1本別のパイプを有してもよく、これは別の材料を流せる更なる流路となる。この少なくとももう1本の別のパイプには、長さLまたはMに対応する引っ込み距離、あるいはLおよびMと異なる引っ込み距離を持たせてもよい。またランス30では、長さLおよびMのそれぞれと、別の何らかのパイプの引っ込み距離とを調整して、作業条件に必要となる変更を補償してもよい。
ランス10および30は、図示されているように、種々の形態のうちのいずれかの駆動装置Dを有する。各装置Dは、図では、それぞれランス10、30から離隔配されているとともに、ラインまたは駆動リンク41によって対応のランスに動作接続されている。しかしながら、駆動装置Dの特性に応じて、装置Dは据付装置に取り付けられたランス10もしくは30に装着して、据付装置からランスを吊るしてもよく、または、駆動装置は隣接する構造体に取り付けてもよい。したがって、ラインまたはリンク41を直接的機械駆動にして、各覆い22、42の外側スリーブを内側スリーブに対して長手方向に調整できるようにしてもよい。また、外側パイプの下端の損耗または焼け細りを補償すべく、このリンクで1本のパイプが他のパイプに対して長手方向に動けるようにしてもよい。別の手法として、ラインまたはリンク41は、装置Dの動作をランス10、30の吊るされている据付装置へ連結部経由で伝えてもよい。いずれの場合でも、装置Dは、設定した時間制御に基づいて動作可能とし、ランスのスリーブ間、また好ましくはランス10もしくは30のパイプ間の相対的な動作を一定速度で行うものでもよい。あるいは、駆動装置は、制御ユニットCによって生成される信号に応じて制御できるものでもよい。制御ユニットCが監視するセンサSの出力に応じて信号を調整可能な構成でもよい。センサは、ランス10および30の外側パイプの下端の損耗および焼け細りに起因する長さLおよびMの変化を示す出力を送出するような位置に設置して作動可能なものでよい。
駆動装置DおよびセンサSは、上述した通りに作動可能なもの、または上述した特性を有するものでよい。
本発明のランスは、従来の覆い固定型の上部浸漬ランスと比較して多くの利点をもたらすことができる。その利点には、以下の事項が含まれる。
(a) ランスの損耗および焼け細りが避けられない場合、覆いおよび外側パイプの排出口端間に必要な空間を実質的に維持できる。これにより、最適な設定値を乾冶金作業全体にわたって維持できる。
(b) 異なる作業条件を要する一連の段階において乾冶金作業を行う場合、ある段階で覆いを必要としなければ覆いを後退させ、もしくは段階ごとに必要に応じて覆いを配置することができる。
(c) 後燃焼、排ガス制御、および飛散スラグの相互作用を含むプロセスパラメータを炉の上部領域で起こる化学反応で制御する。
最後に、上述の各部の構成および機構に対し、本発明の意図または範囲を逸脱することなくさまざまな変更、改良および/または付加を導入可能である。

Claims (23)

  1. 上部浸漬ランス注入を用いて乾式冶金作業を行うランスにおいて、該ランスは少なくとも実質的に同心の内側パイプおよび外側パイプを有し、該内側パイプまたは少なくとも最内側から2番目のパイプの下側排出口端は、前記乾式冶金作業に必要な前記外側パイプの下側排出口端に対してある高さに設定され、該ランスはさらに覆いを含み、該覆いを通して前記外側パイプが延伸し、該覆いは前記外側パイプの上部に取り付けられ、該上部に沿って延伸して該外側パイプとともに流路を画成し、該流路に沿ってガスを供給でき、該ガスは前記外側パイプの排出口端に向かって流れて該ランスの外に排出され、前記覆いは前記外側パイプに対して調整可能に取り付けられ、前記外側パイプに対して長手方向に調整して前記覆いおよび前記外側パイプの排出口端の間の長手方向の間隔を維持または変化させることができることを特徴とするランス。
  2. 請求項1に記載のランスにおいて、前記覆いは前記外側パイプに対して移動可能であり、該覆いおよび外側パイプの排出口端の間の長手方向の間隔を実質的に一定に維持して、該ランスを乾式冶金作業で使用している際の前記外側パイプの下端の損耗および焼け細りを補償し、スラグおよび排ガスの化学ポテンシャルを維持および調整することを特徴とするランス。
  3. 請求項2に記載のランスにおいて、前記覆いと前記外側パイプの間の相対的な動きは前記作業に際して連続的または段階的であることを特徴とするランス。
  4. 請求項3に記載のランスにおいて、前記覆いは該ランスを含む反応炉に対して定置にあり、前記外側パイプは該覆いを通って下降可能であり、該パイプの下端の損耗および焼け細りを補償することを特徴とするランス。
  5. 請求項3に記載のランスにおいて、該ランスは前記外側パイプに対する前記覆いの移動によって該ランスを含む反応炉に対する該覆いの高さが調整され、該調整可能な覆いにより、スラグの形成および溶融相または金属相の生成のうち少なくとも一方により溶融槽の容積が変化した際に、あるいは、前記作業において相を前記反応炉から取り出す際に、前記覆いの下端と前記溶融槽の上面との間の間隔を実質的に一定にすることを特徴とするランス。
  6. 請求項3に記載のランスにおいて、前記覆いは前記外側パイプに対して調整可能であり、該覆いを作動位置と非作動位置の間で、または、該覆いの下端から排出されるガスの冷却効果の大きさを調整する位置の間、もしくはガスを後燃焼に使用する溶融槽への熱エネルギー伝達速度を調整する位置の間で移動させることを特徴とするランス。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のランスにおいて、前記パイプは、該パイプのそれぞれに対して前記覆いを長手方向に調整するのに対応した固定的な関係にあることを特徴とするランス。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載のランスにおいて、前記覆いは前記外側パイプに調整可能に取り付けられ、該覆い全体を該外側パイプに沿って移動できることを特徴とするランス。
  9. 請求項1ないし6のいずれかに記載のランスにおいて、前記覆いは少なくとも2つの同心スリーブを含み、該スリーブの1つは前記外側パイプに対して不動であり、少なくとも他の1つのスリーブは該不動のスリーブおよび前記外側パイプに対して調整可能であることを特徴とするランス。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のランスにおいて、前記内側パイプおよび外側パイプの相対位置は長手方向に対し調整可能であり、該外側パイプの下端と該内側パイプの下端の間に画成された混合チャンバの長さを、使用期間中、所望の設定に維持して、前記外側パイプの下端の損耗および焼け細りを補償できることを特徴とするランス。
  11. 請求項10に記載のランスにおいて、前記内側パイプの下端は、前記外側パイプの下端からのオフセットが実質的に0であることを特徴とするランス。
  12. 請求項10に記載のランスにおいて、前記内側パイプの下端は前記外側パイプの下端から引っ込み、両下端の間に混合チャンバが画成されることを特徴とするランス。
  13. 請求項10ないし12のいずれかに記載のランスにおいて、該ランスは少なくとも3本のパイプを有し、羽根が設けられ、該羽根は、1つの長手方向縁部が前記外側パイプに次いで最内側のパイプの外側表面に連結され、他の縁部が該外側パイプの内側面に近接していることを特徴とするランス。
  14. 請求項13に記載のランスにおいて、前記外側パイプ以外のパイプは互いに対して長手方向に不動であることを特徴とするランス。
  15. 請求項10ないし14のいずれかに記載のランスにおいて、該ランスは据付装置から吊るすことができ、該据付装置は、上部浸漬ランス反応炉に対して該ランス全体を上昇または下降させるように作動でき、該ランスは、前記据付装置が取付部を下降させることによって、前記内側パイプと前記外側パイプの間における相対的な長手方向の移動が可能であり、前記内側パイプが前記取付部に対して上昇すると該据付装置によって該ランス全体が支持され、あるいは、該内側パイプを静止状態で前記外側パイプを下降させることによって、該ランスは、前記内側パイプと前記外側パイプの間で長手方向の相対的な移動が可能であることを特徴とするランス。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載のランスにおいて、前記外側パイプの下端に対する前記覆いの排出口端の高さは、該覆いと該外側パイプの間における相対的な動きにより、前記内側パイプに必要な高さの±25mm以内に維持することができることを特徴とするランス。
  17. 請求項1ないし16のいずれかに記載のランスにおいて、該ランスはさらに駆動装置を含み、これによって前記覆いと前記外側パイプの間における相対的な長手方向の移動を行うことを特徴とするランス。
  18. 請求項17に記載のランスにおいて、前記駆動装置は、実質的に一定な所定の速度で相対的な移動をさせるよう作動可能であることを特徴とするランス。
  19. 請求項17に記載のランスにおいて、前記駆動装置は、該ランスを使用する作業条件の変化に適応すべく可変であることを特徴とするランス。
  20. 請求項17ないし19のいずれかに記載のランスにおいて、前記駆動装置は手動で調整できることを特徴とするランス。
  21. 請求項17ないし19のいずれかに記載のランスにおいて、前記駆動装置は遠隔操作で調整できることを特徴とするランス。
  22. 請求項17ないし19のいずれかに記載のランスにおいて、該ランスは、乾式冶金作業における少なくとも1つのパラメータをモニタして、前記駆動装置を調整可能な出力を送出する対応のセンサを含むか、または有することを特徴とするランス。
  23. 請求項1ないし22のいずれかに記載のランスにおいて、該ランスはさらに、らせん状羽根または他の流れ形成装置を含み、該らせん状羽根または他の流れ形成装置は、前記外側パイプと前記内側パイプの間か、または、該ランスが少なくとも3本の実質的に同心のパイプを有する場合には、前記外側パイプと、該外側パイプおよび前記内側パイプの間で2番目に最内側のパイプとの間の環状空間において長手方向に延伸していることを特徴とするランス。
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