JP5775016B2 - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリュー圧縮機に関し、特に、スクリュー圧縮機のアキシャル吐出ポートの形状に関する。
スクリュー圧縮機は、螺旋状の歯を有する雄ロータ及び雌ロータを備えており、これらは、互いに噛み合った状態でケーシングのボアに収納されている。ケーシングには、ボアに流体を吸入するための吸入ポートと、ボアから圧縮された流体を吐出するための吐出ポートが形成されており、吐出ポートは、軸方向に開口して形成されたアキシャル吐出ポートを有している。
このようなスクリュー圧縮機では、圧縮空気の吐出が終了し、雄ロータと雌ロータとの吐出側端面における噛合いが外れる過程で、噛み合った雄ロータの歯面と雌ロータの歯面との間に、吐出室側と吸入室側とを連通する漏洩隙間(以下、「アキシャル連通路」ともいう)が生じる。このアキシャル連通路を塞ぐために、アキシャル吐出ポートの輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポートの中央部に向けて突出するように延びた突起部がケーシングに形成されている(特許文献1,2参照)。
特開昭56−165790号公報 特開2011−27028号公報
ところで、前記特許文献1,2に記載のスクリュー圧縮機における前記突起部の突出長さは、アキシャル連通路を塞ぐためだけであれば大きい方が好ましいが、突起部の突出長さを大きくするほど、圧縮された流体がアキシャル吐出ポートから吐出する際の吐出抵抗が増大するといった問題が生じる。
しかしながら、前記特許文献1,2に記載のスクリュー圧縮機では、突起部の突出長さは、アキシャル連通路のシールと吐出抵抗の増大防止との両者を勘案して経験的に設定され、突起部の先端は、雄ロータの軸中心と雌ロータの軸中心とを結ぶ連結直線に平行な簡単な水平線で形成されている。このような突起部の先端形状は、スクリュー圧縮機の性能向上の観点からすれば、必ずしも適切な形状ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、性能向上を図りつつ、アキシャル連通路の効果的なシールと吐出抵抗の増大防止とを実現し得るスクリュー圧縮機を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、螺旋状の歯を有する回転可能な雄ロータ及び雌ロータと、前記雄ロータ及び前記雌ロータを互いに噛み合わせた状態で収納可能なボア、前記ボアに流体を吸入するための吸入ポート、及び前記ボアから圧縮された流体を吐出するための吐出ポートを有するケーシングと、を備え、前記吐出ポートは、前記雄ロータ及び前記雌ロータの軸方向に開口して形成されたアキシャル吐出ポートを有し、前記アキシャル吐出ポートの輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポートの中央部に向けて突出するように延びた突起部が、前記ケーシングに形成されており、前記アキシャル吐出ポートの輪郭のうちの前記突起部の先端の輪郭線は、前記雄ロータ側よりも前記雌ロータ側の方が、前記雄ロータの軸中心と前記雌ロータの軸中心とを結ぶ連結直線に対して近付くように傾斜していることを特徴とするスクリュー圧縮機である。
本発明によれば、性能向上を図りつつ、アキシャル連通路の効果的なシールと吐出抵抗の増大防止とを実現し得るスクリュー圧縮機を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機の概略構成を示す断面図である。 図1のA−A線に沿う軸直角断面図である。 図1に示されるスクリュー圧縮機が適用された圧縮機ユニットの一例を示す概略構成図である。 比較例に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。 図4に示されるアキシャル吐出ポートの要部拡大図である。 図4の状態とロータの回転方向の位置(回転角度)が異なる図である。 本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。 図7の状態とロータの回転方向の位置(回転角度)が異なる図である。 図7の状態とロータの回転方向の位置(回転角度)が更に異なる図である。 本発明の第2実施形態に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。 本発明の第3実施形態に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。 雄ロータの回転角度とアキシャル連通路の漏洩面積との関係を示す図である。 突起部の先端の形状を雄ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状で形成する際の雄ロータの回転角度に対して、アキシャル連通路からの漏洩による損失比率と、ロータの溝から圧縮空気を吐出室に吐出する際の吐出抵抗による損失比率とをそれぞれ比較して示す図である。 突起部の先端の形状を雄ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状で形成する際の雄ロータの回転角度に対して、漏洩損失と吐出抵抗損失とを合わせた総合損失比率を示す図である。
本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜9を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。本発明は、スクリュー圧縮機全般に適用可能であるが、以下においては、水潤滑スクリュー圧縮機の例について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機の概略構成を示す断面図である。図2は、図1のA−A線に沿う軸直角断面図である。図3は、図1に示されるスクリュー圧縮機が適用された圧縮機ユニットの一例を示す概略構成図である。
図1及び図2に示すように、スクリュー圧縮機100は、螺旋状の歯を有する回転可能な一対のスクリューロータである雄ロータ105及び雌ロータ106(以下、「ロータ105,106」ともいう)を備えており、雄ロータ105と雌ロータ106とは、互いに噛み合った状態でメインケーシング101に設けられたボア111,112内に収納されている。ロータ105,106は、メインケーシング101及びサブケーシング102から構成されるケーシングに設けられた軸受108により回転可能に両端が支持されている。なお、図1ではメインケーシング101とサブケーシング102とは別体となっているが、一体に形成されていてもよい。
各軸受108のボア111,112側には、軸封装置109がそれぞれ設けられており、軸受108を潤滑する油がボア111,112側へ漏れるのを防いでいる。ケーシングには、ボア111,112に空気(流体)を吸入するための吸入ポート103と、ボア111,112から圧縮された空気を吐出するための吐出ポートとが設けられており、吐出ポートは、ロータ105,106の軸方向に開口して形成されたアキシャル吐出ポート104を有している。なお、アキシャル吐出ポート104の下流側(図1の右側)が、圧縮完了後の空気が存在する吐出室となっている。
メインケーシング101のボア111,112内に互いに噛み合って収納されているロータ105,106の隣接する歯間に形成された溝内には、吸入ポート103から吸入した空気が充填されていて、ロータ105,106の図2中矢印方向の回転により溝内の容積が減少することによって空気の圧縮が行われる。
メインケーシング101には、空気の圧縮が進んだ雄ロータ105、雌ロータ106の各溝の位置に開口する水噴射孔107が設けられており、該水噴射孔107から水が噴射される。水の噴射により、空気の圧縮が行われる圧縮室側から空気の吸入が行われる吸入室側へのロータ105,106間の隙間を通した空気の漏洩をシールする効果、ロータ105,106とメインケーシング101との間の隙間を通してロータ105,106の隣接する溝間で生じる漏洩をシールする効果、ロータ105,106とメインケーシング101との冷却効果、及びロータ105,106間の潤滑の効果が得られる。
図3に示すように、水と一緒に吐出された圧縮空気は、スクリュー圧縮機100の下方に設けられた水セパレータ135内に吐出され、水セパレータ135内で旋回することにより、水と空気が分離される。分離された水は、水セパレータ135の下部に循環水136として貯留される。貯留された水は、その後、給水配管137を通り、水クーラ142で冷却された後、再び給水配管138を通って、水フィルタ139を通過した後、スクリュー圧縮機100内へ供給され、圧縮空気と共に吐出されることで循環する。なお、図3中の符号143は、冷却ファンを示す。
水セパレータ135で分離された空気は、調圧逆止弁141における設定圧を超えると、吐出配管140を通って吐出される。吐出空気は、圧縮機ユニット130から吐出される前に、ドライヤ131のエアクーラ132を通過する際に冷却され、水分がドレーンとして除去された乾燥空気が、工場のライン等へ供給される。なお、図3中の白抜き矢印は、空気の流れを示す。
スクリュー圧縮機100では、容量制御に対して、インバータ駆動によりモータ133の回転速度を制御する方法が採られている。また、安価な機種にはサクションアンローダ方式が用いられる。図3において、スクリュー圧縮機100の吸入ポート103には、ピストン134aの先端にバルブ134bを設けたサクションアンローダ134が設けられている。吐出配管140から分岐した容量制御用空気配管144は、2方に分岐され、一方は減圧弁145を通して減圧された空気がピストン134aの背面側に加えられ、ピストン134aを前方(図3の右方)にスライドさせることで吸入ポート103は開となり、外部から空気を吸入する。他方は圧力調整弁146を介して、設定圧を超えると、空気圧がピストン134aの前面側に加えられ、ピストン134aを後方(図3の左方)にスライドさせ、徐々に吸入ポート103は閉じられ、外部から空気を吸入しなくなる。
次に、図4〜図6を参照して、比較例としての従来のアキシャル吐出ポートについて説明する。図4は、比較例に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。図5は、図4に示されるアキシャル吐出ポートの要部拡大図である。図6は、図4の状態とロータの回転方向の位置(回転角度)が異なる図である。
図4は、サブケーシング102の端面に設けられたアキシャル吐出ポート204を定める溝形状を実線で示し、これに重ねて、ロータ105,106の吐出側端面の形状、及びボア111,112を二点差線で示している。
図5に示すように、アキシャル吐出ポート204の輪郭のうち、雄ロータ105側の輪郭線は、雄ロータ105の溝形状に近似させて、雄ロータ歯底近似曲線113と、雄ロータ後進面歯形近似曲線115とで形成されており、雌ロータ106側の輪郭線は、雌ロータ106の溝形状に近似させて、雌ロータ歯底近似曲線114と雌ロータ前進面歯形近似曲線116とで形成されている。また、アキシャル吐出ポート204の中央部には、一方の側端の輪郭線が雌ロータ歯先近似曲線117、他方の側端の輪郭線が雄ロータ歯先近似曲線118、先端の輪郭線が水平線119で形成される突起部(「リップ部」と称することもある)226が形成されている。
本明細書において、雄ロータ後進面とは、雄ロータ105の回転方向(図2中の矢印方向)と逆方向側の歯面をいい、雌ロータ後進面とは、雄ロータ後進面に対向し得る雌ロータ106の歯面をいう。雄ロータ前進面とは、雄ロータ105の回転方向側の歯面をいい、雌ロータ前進面とは、雄ロータ前進面に対向し得る雌ロータ106の歯面をいう。
比較例に係るアキシャル吐出ポート204の輪郭において、突起部226の先端の輪郭線を水平線119で形成する理由は、次の通りである(特許文献2参照)。
突起部226は、圧縮空気の吐出が終了し、ロータ105,106の吐出側端面において噛合いが外れる過程で、噛み合った雄ロータ105の歯面と雌ロータ106の歯面との間に生じる吐出室側と吸入室側とを連通する漏洩隙間であるアキシャル連通路120をシールするために設けられている。しかし、このアキシャル連通路120は、図5の下方から上方に順次隙間面積を増加させながら移動する(図5では、例として幾つかが重ね書きされている)。なお、アキシャル連通路120は、始点121が雌ロータ106の歯先に近い位置に沿って形成され、終点122が雄ロータ105の歯先に近い位置に沿って形成されるため、図5に示すような形状となっている。ただし、アキシャル連通路120は、図5の下方の位置においては、まだ、アキシャル連通路(漏洩隙間)120の面積は小さいため、ロータ105,106の回転が進んで多少連通路面積が大きくなった位置から、シール効果を持たせればよい。また、完全にアキシャル連通路120の形成開始からシールするように突起部226を形成すると、吐出時におけるロータ105,106の溝からの圧縮空気の吐出抵抗が増大する。このようなアキシャル連通路120のシールと吐出抵抗の増大防止との相反する2つの要求を勘案した中間形状が従来の突起部226に採用されている。そのため、突起部226の先端の輪郭線は、雄ロータ側の点127と雌ロータ側の点128とを結ぶ水平線119で形成されている。また、図4に示すように、雄ロータ105の軸中心147と雌ロータ106の軸中心148とを結ぶ連結直線149と、水平線119との距離Hは、水平線119の位置を示すものであるが、経験的に任意の値に設定されていた。
なお、アキシャル吐出ポート204の輪郭において、ロータ105,106の各歯形に近似させた曲線の接続部の輪郭線は、両方の曲線に接続する円弧R1、R2、R3、R4で形成されている。また、図4及び図5中の符号110は、アキシャル吐出ポート204の輪郭の一部を成すようにサブケーシング102の端面に形成された液圧縮防止用の溝を示す。
図6に示すように、前記した比較例に係る従来のアキシャル吐出ポート204での吐出行程においては、吐出時におけるロータ105,106の溝からの圧縮空気の吐出に対して、突起部226が流路を塞ぎ、抵抗となる様子がわかる。ここで、アキシャル吐出ポート204の面積に対して突起部226は大きな面積を占めている。
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るアキシャル吐出ポートについて説明する。図7は、本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。図8は、図7の状態とロータの回転方向の位置(回転角度)が異なる図である。図9は、図7の状態とロータの回転方向の位置(回転角度)が更に異なる図である。なお、図4〜図6に示した比較例と同じ構成については同じ符号を付して重複する説明を省略する。
図7は、サブケーシング102の端面に設けられたアキシャル吐出ポート104を定める溝形状を実線で示し、これに重ねて、ロータ105,106の吐出側端面の形状、及びボア111,112を二点差線で示している。アキシャル吐出ポート104は、サブケーシング102の端面の溝形状とボア111,112とが重なった部分として形成される。
図7に示すように、第1実施形態では、アキシャル吐出ポート104の輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポート104の中央部に向けて突出するように延びた突起部126の先端形状が、前記した比較例と相違している。すなわち、アキシャル吐出ポート104の輪郭のうちの突起部126の先端の輪郭線123は、雄ロータ105側よりも雌ロータ106側の方が、雄ロータ105の軸中心147と雌ロータ106の軸中心148とを結ぶ連結直線149に対して近付くように傾斜している。
また、第1実施形態では特に、突起部126の先端の輪郭線123は、雄ロータ105の雄ロータ後進面、又は雌ロータ106の雌ロータ後進面の、吐出側端縁の歯形形状を呈している。つまり、輪郭線123は、アキシャル連通路120(図5参照)の始点121と終点122とを結ぶ雄ロータ後進面又は雌ロータ後進面の歯形形状となる。ただし、輪郭線123は、雄ロータ後進面又は雌ロータ後進面の歯形形状そのものに限られず、それに近似した曲線であってもよい。
図8に示すように、ロータ105,106が回転して、アキシャル連通路120が突起部126の先端の輪郭線123よりも図8にて上の位置にあるとき、アキシャル連通路(漏洩隙間)120が突起部126によりシールされていることがわかる。
図9は、ロータ105,106の溝がアキシャル吐出ポート104に開口している状態を示す。図7〜図9に示した第1実施形態に係る突起部126は、図4〜図6に示した比較例に係る突起部226に比べて、図5に示す点127(アキシャル連通路120の始点)と点129(アキシャル連通路120の終点)と点128とを頂点とする先端側の略三角形の部分が除去されている。すなわち、除去された略三角形の部分の面積分、圧縮された空気がアキシャル吐出ポート104から吐出する際の吐出抵抗となる面積が比較例の場合よりも縮小されている。
次に、本発明の第1実施形態に係るスクリュー圧縮機100の作用について説明する。
第1実施形態に係るスクリュー圧縮機100では、外部から吸入ポート103を経て吸入した空気は、ロータ105,106の隣接する歯間に形成された溝内に吸入され、ロータ105,106の回転により溝内の容積が減少することによって圧縮される。
ロータ105,106の溝内の空気が設定圧力に達すると、サブケーシング102の端面に設けられたアキシャル吐出ポート104から、圧縮行程においてメインケーシング101に設けられた水噴射孔107から噴射された水と一緒に、吐出される。
前記したように、第1実施形態では、スクリュー圧縮機100は、ロータ105,106の軸方向に開口して形成されたアキシャル吐出ポート104を有するケーシングを備えており、アキシャル吐出ポート104の輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポート104の中央部に向けて突出するように延びた突起部126が、ケーシングに形成されている。アキシャル吐出ポート104の輪郭のうちの突起部126の先端の輪郭線123は、雄ロータ105側よりも雌ロータ106側の方が、雄ロータ105の軸中心147と雌ロータ106の軸中心148とを結ぶ連結直線149に対して近付くように傾斜している。
したがって、第1実施形態によれば、突起部126の先端の輪郭線は、雄ロータ105側よりも雌ロータ106側の方が連結直線149に対して近付くように傾斜して生じるアキシャル連通路120(図5参照)と略平行な対応した形状となる。これにより、アキシャル連通路120を効果的にシールすると共に、突起部126の面積を極力縮小して圧縮空気がアキシャル吐出ポート104から吐出する際の吐出抵抗を低減することが可能となり、スクリュー圧縮機100の性能向上が図られる。
すなわち、性能向上を図りつつ、アキシャル連通路120の効果的なシールと吐出抵抗の増大防止とを実現し得るスクリュー圧縮機100を提供することができる。
また、第1実施形態では、輪郭線123は、アキシャル連通路120の始点121と終点122とを結ぶ雄ロータ後進面又は雌ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状を呈しているため、アキシャル連通路120をより効果的にシールすると共に、吐出抵抗をより低減することが可能となる。
≪第2実施形態≫
次に、図10を参照しながら本発明の第2実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2実施形態に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。図1〜図9に示したものと同じ構成については同じ符号を付して重複する説明を省略し、主に第1実施形態と相違する点について説明する。
図10に示すように、第2実施形態では、アキシャル吐出ポート104aの輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポート104aの中央部に向けて突出するように延びた突起部126aの先端形状が、前記した第1実施形態(図7参照)と相違している。すなわち、アキシャル吐出ポート104aの輪郭のうちの突起部126aの先端の輪郭線124は、雄ロータ105側よりも雌ロータ106側の方が連結直線149に対して近付くように傾斜する任意形状の曲線である。この場合、輪郭線124は、アキシャル連通路120(図5参照)の始点121からアキシャル連通路120の終点122を結ぶ曲線で構成されることが望ましい。このような第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるほか、突起部126aの先端形状を簡略化でき、加工の容易化及び低コスト化が図られる。
≪第3実施形態≫
次に、図11を参照しながら本発明の第3実施形態について説明する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るスクリュー圧縮機の図1のB−B線に沿う軸直角断面図である。図1〜図9に示したものと同じ構成については同じ符号を付して重複する説明を省略し、主に第1実施形態と相違する点について説明する。
図11に示すように、第3実施形態では、アキシャル吐出ポート104bの輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポート104bの中央部に向けて突出するように延びた突起部126bの先端形状が、前記した第1実施形態(図7参照)と相違している。すなわち、アキシャル吐出ポート104bの輪郭のうちの突起部126bの先端の輪郭線125は、雄ロータ105側よりも雌ロータ106側の方が連結直線149に対して近付くように傾斜する直線である。この場合、輪郭線125は、アキシャル連通路120(図5参照)の始点121からアキシャル連通路120の終点122を結ぶ直線で構成されることが望ましい。このような第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるほか、突起部126aの先端形状をより簡略化でき、加工の容易化及び低コスト化がより図られる。
≪第4実施形態≫
次に、図12〜図14を参照しながら本発明の第4実施形態について説明する。第1実施形態についての説明は第4実施形態に取り込まれるものとして説明を省略し、主に第1実施形態と相違する点について説明する。
図12は、雄ロータの回転角度とアキシャル連通路の漏洩面積との関係を示す図である。ここで、ロータ105,106の吸入側端面(吸入ポート103側の端面)において、ロータ105,106の軸方向にアキシャル吐出ポート104側を見て、雄ロータ105と雌ロータ106とが噛み合って圧縮開始にある雄ロータ105の回転方向の位置を示す回転角度を0度(水平位置)とする。そうすると、例えば本実施形態の場合にはロータ105,106の全巻角が270゜なので、雄ロータ105の回転角度αmが270゜で、ロータ105,106の吐出側端面において雄ロータ105の先行する歯が連結直線149(図7参照)上の水平位置にきて、雌ロータ106と噛み合った状態となる。その状態から更に雄ロータ105が回転すると、噛合いが外れて、吸入ポート103に対してロータ105,106の溝が開口していく。
図12に示すように、本実施形態では、雄ロータ105の回転角度αmが340゜からアキシャル連通路120(図5参照)が形成され始め、吐出室側から吸入室側への漏洩が始まる。そして、雄ロータ105の回転角度αmが347゜位から徐々にアキシャル連通路120の開口面積(漏洩面積S)が増している。
図13は、突起部の先端の形状を雄ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状で形成する際の雄ロータの回転角度に対して、アキシャル連通路からの漏洩による損失比率と、ロータの溝から圧縮空気を吐出室に吐出する際の吐出抵抗による損失比率とをそれぞれ比較して示す図である。ここで、損失比率は、突起部126の先端の形状を雄ロータ105の回転角度αmが340°の位置にある雄ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状とした場合のスクリュー圧縮機の性能(全断熱効率)を基準とした場合の損失の比率である。
図13に示すように、アキシャル連通路120からの漏洩による損失は、突起部126の先端の形状を定める雄ロータ105の回転角度αmが大きくなるほど、増大する。一方、吐出抵抗による損失は、突起部126の先端の形状を定める雄ロータ105の回転角度αmを大きくするほど、低減する。
図13の丸印は、漏洩損失についての試験結果を示し、菱形は吐出損失についての試験結果を示す。試験は、突起部126の先端の形状を定める雄ロータ105の回転角度αmが340゜の場合(完全にアキシャル連通路120を遮断した場合)と、その結果を検討して設定した雄ロータ105の回転角度αmが347゜の場合(アキシャル連通路120からの漏洩損失による性能低下が許容できる雄ロータ105の回転角度位置)と、更にその結果を検討して設定した雄ロータ105の回転角度αmが355゜の場合(吐出抵抗を十分に低減可能な雄ロータ105の回転角度位置)について実施した。
前記試験の結果から、突起部126の先端の形状を定める雄ロータ105の回転角度αmが340゜の場合では、漏洩損失は最小であるが、吐出行程において高圧が発生し、吐出抵抗損失が顕著であった。次に、雄ロータ105の回転角度αmが347゜の場合では、漏洩損失に大きな増加は見られず、吐出行程における高圧の発生は低減する傾向がみられ、吐出抵抗の低下による性能向上が図れた。更に、吐出抵抗の低下を目指した雄ロータ105の回転角度αmが355゜の場合では、吐出抵抗は大幅に低減され、吐出行程の高圧発生は低下したが、漏洩損失が大きく増加したため、性能は低下する傾向を示した。
図14は、突起部の先端の形状を雄ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状で形成する際の雄ロータの回転角度に対して、漏洩損失と吐出抵抗損失とを合わせた総合損失比率を示す図である。
図14に示すように、総合損失比率の目標値Kを達成できる最適な突起部126の先端形状を定める雄ロータ後進面歯形は、雄ロータ105の回転角度αmで表わすと342゜〜353゜であることがわかる。換言すれば、最適な突起部126の先端形状を定める雄ロータ後進面歯形は、吐出側端面において連結直線149上の噛合い位置(水平位置)から雄ロータ105の回転方向に対して雄ロータ105の回転角度が−18°〜−7°の位置にある雄ロータ後進面歯形である。
図12〜図14に示した試験結果に基づいて、第4実施形態では、突起部126の先端の輪郭線は、雄ロータ105と雌ロータ106との吐出側端面における連結直線149上の噛合い位置から雄ロータ105の回転方向に対して雄ロータ105の回転角度が−18°〜−7°の位置にある、雄ロータ後進面又は雌ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状を呈している。
このような第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるほか、突起部126の先端の形成位置を、吐出室から吸入室へのアキシャル連通路120を通じた空気の漏洩の増加による性能の低下と、ロータ105,106の溝から吐出室への圧縮空気の吐出抵抗の低下による性能の向上とを総合的に考慮して設定したことにより、スクリュー圧縮機の性能向上を最大限に得ることが可能となる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、各実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
例えば、前記した実施形態では、水潤滑スクリュー圧縮機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種のスクリュー圧縮機に適用可能である。また、圧縮対象の流体は、空気に限定されるものではなく、他の気体や液体であってもよい。
また、前記した第4実施形態では、突起部126の先端の輪郭線が、雄ロータ105と雌ロータ106との吐出側端面における連結直線149上の噛合い位置から雄ロータ105の回転方向に対して雄ロータ105の回転角度が−18°〜−7°の位置にある、雄ロータ後進面又は雌ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状を呈している場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、突起部126の先端の輪郭線は、雄ロータ105と雌ロータ106との吐出側端面における連結直線149上の噛合い位置から雄ロータ105の回転方向に対して雄ロータ105の回転角度が−18°〜−7°の位置にある、雄ロータ後進面又は雌ロータ後進面の吐出側端縁の歯形形状の集合により規定される範囲内に存在するように構成されてもよく、この場合の突起部126の先端の輪郭線は、前記範囲内に存在する任意の曲線又は直線を含むものである。
100 スクリュー圧縮機
101 メインケーシング(ケーシング)
102 サブケーシング(ケーシング)
103 吸入ポート
104,104a,104b アキシャル吐出ポート
105 雄ロータ
106 雌ロータ
111,112 ボア
120 アキシャル連通路
123,124,125 輪郭線
126,126a,126b 突起部
130 圧縮機ユニット
147 雄ロータの軸中心
148 雌ロータの軸中心
149 連結直線
αm 回転角度

Claims (4)

  1. 螺旋状の歯を有する回転可能な雄ロータ及び雌ロータと、
    前記雄ロータ及び前記雌ロータを互いに噛み合わせた状態で収納可能なボア、前記ボアに流体を吸入するための吸入ポート、及び前記ボアから圧縮された流体を吐出するための吐出ポートを有するケーシングと、を備え、
    前記吐出ポートは、前記雄ロータ及び前記雌ロータの軸方向に開口して形成されたアキシャル吐出ポートを有し、
    前記アキシャル吐出ポートの輪郭の一部が当該アキシャル吐出ポートの中央部に向けて突出するように延びた突起部が、前記ケーシングに形成されており、
    前記アキシャル吐出ポートの輪郭のうちの前記突起部の先端の輪郭線は、前記雄ロータ側よりも前記雌ロータ側の方が、前記雄ロータの軸中心と前記雌ロータの軸中心とを結ぶ連結直線に対して近付くように傾斜していることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 前記突起部の先端の輪郭線は、前記雄ロータ側よりも前記雌ロータ側の方が前記連結直線に対して近付くように傾斜する直線であることを特徴とする請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
  3. 前記突起部の先端の輪郭線は、前記雄ロータの回転方向と逆方向側の歯面である雄ロータ後進面、又は前記雄ロータ後進面に対向し得る前記雌ロータの歯面である雌ロータ後進面の、吐出側端縁の歯形形状を呈することを特徴とする請求項1に記載のスクリュー圧縮機。
  4. 前記突起部の先端の輪郭線は、前記雄ロータと前記雌ロータとの吐出側端面における前記連結直線上の噛合い位置から前記雄ロータの回転方向に対して前記雄ロータの回転角度が−18°〜−7°の位置にある、前記雄ロータの回転方向と逆方向側の歯面である雄ロータ後進面、又は前記雄ロータ後進面に対向し得る前記雌ロータの歯面である雌ロータ後進面の、吐出側端縁の歯形形状の集合により規定される範囲内に存在することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のスクリュー圧縮機。
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