JP5772637B2 - 面発光モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、複数の面光源を備えた面発光モジュールに関する。
特開2005−353560号公報(特許文献1)、特開2009−158188号公報(特許文献2)、および、特開2000−148032号公報(特許文献3)に開示されているように、近年、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)または有機EL(OLED:Organic Electroluminescence)等を面光源として用いる面発光モジュールが注目を集めている。面発光モジュールは、照明器具として用いられる場合に限られず、たとえば、液晶テレビ、計算機モニター、または、屋外広告(サイネージ)などのバックライトとしても用いられている。
照明器具または液晶テレビなどに対する大型化の要請が高まるにつれて、面発光モジュールにもより面積の大きなものが望まれている。面発光モジュールの面積を大きくするためには、面発光モジュールを構成する面光源の面積を大きくすることが考えられる。しかしながら、面光源を構成する発光ダイオードまたは有機EL素子などの面積を大きくすることは、これらを製造する装置が大きくなることに伴って製造コストが増大したり、大きな基板を製造することに伴って歩留まりが低下したりする。
製造コストの増大および歩留まりの低下などを抑制するため、比較的に面積の小さな複数の面光源を配列する方法が知られている。小さな面光源は、比較的に高い生産効率で安価に製造されることができる。しかしながら、一般的な面光源は、封止されたり配線が接続されたりする必要があるため、面光源の端部または周囲に非発光部が設けられる。従来の面発光モジュールにおいては、複数の面光源を配列した際に非発光部が目立ってしまい、輝度のバラツキが存在して全体として一つの面発光モジュールとして見え難いという問題があった。
特開2005−353560号公報 特開2009−158188号公報 特開2000−148032号公報
本発明は、輝度の不均一性を低減し、非発光部を目立たなくすることが可能な面発光モジュールを提供することを目的する。
本発明に基づく面発光モジュールは、各々の端部に非発光部を含み、上記非発光部同士が重なるように配置された第1面光源および第2面光源と、出射基準面を含み、上記第1面光源および上記第2面光源の各々の発光部から出射された光を上記出射基準面に導光する光学素子と、を備え、上記光学素子は、上記第1面光源の上記発光部と光学的に接続される第1接続面と、上記第2面光源の上記発光部と光学的に接続される第2接続面と、上記非発光部同士が重なっている部分に対応するように位置し、上記第1接続面および上記第2接続面の各々を通して上記光学素子の内部に入射した上記光を上記出射基準面側に向かって反射させる光反射部と、を有し、上記光学素子の厚さ方向において、上記第1接続面と上記出射基準面との間の寸法は、上記第2接続面と上記出射基準面との間の寸法よりも小さい。
好ましくは、上記光反射部は、平面状に形成される。好ましくは、上記光反射部は、放物面状に形成される。
好ましくは、上記光反射部は、上記出射基準面側に向かって反射される上記光の反射率を増加させる増反射膜を有する。好ましくは、上記光反射部は、上記出射基準面側に向かって反射される上記光を散乱させる第1光散乱部を有する。
好ましくは、上記出射基準面には、上記出射基準面を通して出射される上記光を散乱させる第2光散乱部が設けられる。好ましくは、上記第1面光源の上記発光部と上記第1接続面との間、およびまたは、上記第2面光源の上記発光部と上記第2接続面との間には、透明部材が設けられる。
本発明によれば、輝度の不均一性を低減し、非発光部を目立たなくすることが可能な面発光モジュールを得ることができる。
実施の形態1における面発光モジュールを示す断面図である。 実施の形態1における面発光モジュールに備えられる面光源を示す斜視図である。 実施の形態1における面発光モジュールに備えられる面光源を示す平面図である。 図3中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における面発光モジュールに備えられる光学素子を示す斜視図である。 実施の形態1における面発光モジュールを拡大して示す断面図である。 実施の形態1における面発光モジュールが動作している状態を拡大して示す断面図である。 実施の形態1の比較例における面発光モジュールを拡大して示す断面図である。 実施の形態2における面発光モジュールを示す断面図である。 実施の形態3における面発光モジュールを示す断面図である。 実施の形態4における面発光モジュールを示す断面図である。 実施の形態5における面発光モジュールを示す断面図である。 実施の形態6における面発光モジュールを示す断面図である。 図13中のXIV線に囲まれる領域を拡大して示す断面図である。 実施の形態6の比較例における面発光モジュールを示す断面図である。 実施の形態7における面発光モジュールの分解した状態を示す斜視図である。 実施の形態7における面発光モジュールの組み立てられた状態を示す斜視図である。 実施の形態7の第1変形例における面発光モジュールに用いられる光学素子を示す斜視図である。 実施の形態7の第2変形例における面発光モジュールに用いられる光学素子を示す平面図である。 実施の形態7の第3変形例における面発光モジュールに用いられる光学素子を示す平面図である。 実施の形態7の第4変形例における面発光モジュールに用いられる光学素子を示す平面図である。
本発明に基づいた各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。各実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。各実施の形態の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態1]
図1〜図7を参照して、本実施の形態における面発光モジュール100について説明する。図1は、面発光モジュール100を示す断面図である。図2は、面発光モジュール100に備えられる面光源11を示す斜視図である。図3は、面光源11を示す平面図である。図4は、図3中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。図5は、面発光モジュール100に備えられる光学素子20を示す斜視図である。図6は、面発光モジュール100を拡大して示す断面図である。図7は、面発光モジュール100が動作している様子を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、面発光モジュール100は、面光源11(第1面光源)、面光源12(第2面光源)、面光源13、面光源14、光学素子20、筐体30、配線31、および、制御駆動回路32を備える。筐体30は、中空状に構成される。面光源11〜14、光学素子20、配線31、および制御駆動回路32は、筐体30の内部に配置される。光学素子20および制御駆動回路32は、所定の保持部材(図示せず)によって、筐体30に対してそれぞれ固定されている。
(面光源11〜14)
面光源11は、発光部11E、および、非発光部としての電極11L,11Rを含む。
面光源12は、発光部12E、および、非発光部としての電極12L,12Rを含む。面光源13は、発光部13E、および、非発光部としての電極13L,13Rを含む。面光源14は、発光部14E、および、非発光部としての電極14L,14Rを含む。面光源12〜14は、面光源11と同様に構成される。以下、代表として面光源11について説明する。
図2〜図4に示すように、本実施の形態の面光源11は、例示として、有機EL素子から構成される。面光源11は、有機EL素子に限られず、1または複数の発光ダイオード(LED)と拡散板とから面状の光源として構成されていてもよいし、冷陰極管を用いて面状の光源として構成されていてもよい。
面光源11は、透明基板11Sと、透明基板11S上に設けられた発光部11Eと、発光部11Eの周囲に設けられた非発光部11Fと、を有する。非発光部11Fは、電極11L、電極11R、および、封止部材(図示せず)を含む。封止部材は、発光部11Eの周囲に設けられ、発光部11Eを外気および水分などから保護する。電極11Lおよび電極11Rは、発光部11Eを挟んで相互に対向するように設けられている。説明の便宜上、図1における面光源11は模式的に図示されており、図1の面光源11においては透明基板11Sが図示されていない。
制御駆動回路32(図1参照)から電極11Lおよび電極11Rを通して発光部11Eに電力が供給されると、発光部11Eが発光する。この際、電極11L、電極11R、および封止部材は、非発光部11Fを構成しており、発光しない。面光源11は、いわゆるボトムエミッションタイプの有機EL素子であり、発光部11Eで生成された光L11は、透明基板11Sを通して外部に取り出される。面光源11は、いわゆるトップエミッションタイプの有機EL素子であってもよい。面光源11がトップエミッションタイプの有機EL素子である場合、発光部11Eで生成された光は、透明基板11Sを通さずに外部に取り出される。
面光源11は、ボトムエミッションタイプの有機EL素子から構成される場合であっても、トップエミッションタイプの有機EL素子から構成される場合であっても、発光ダイオード(LED)と拡散板とから面状の光源として構成される場合であっても、冷陰極管を用いて面状の光源として構成される場合であっても、端部または周囲に非発光部11Fが設けられる。これらについては、面光源12〜14についても同様である。
(光学素子20)
図1および図5を参照して、光学素子20は、可視光の波長領域で透明性を有する単一の部材から構成され、面光源11〜14の各々から出射された光を光学的に接続しつつ(導光しつつ)合成する。光学素子20は、面光源11〜14を一つの光源として面発光モジュール100の使用者に対して擬似的に見せるためのものである。光学素子20の材料としては、たとえばガラス部材、石英、または樹脂材料などを用いることができる。樹脂材料としては、ポリカーボネート、またはアクリルなどが用いられるとよい。
本実施の形態の光学素子20は、全体として略平板状に構成される。光学素子20は、接続面21(第1接続面)、接続面22(第2接続面)、接続面23、接続面24、および、出射基準面25を含む。詳細は後述されるが、面光源11〜14から出射された光は、接続面21〜24を通して光学素子20の内部にそれぞれ入射する。光学素子20の内部に入射した光は、出射基準面25を通して外部に取り出される。
接続面21の大きさおよび形状は、面光源11の発光部11Eのそれらに対応している。接続面22の大きさおよび形状は、面光源12の発光部12Eのそれらに対応している。接続面23の大きさおよび形状は、面光源13の発光部13Eのそれらに対応している。接続面24の大きさおよび形状は、面光源14の発光部14Eのそれらに対応している。
本実施の形態においては、面光源11〜14の発光部11E〜14Eの表面(出射面)がそれぞれ平坦に形成されており、これに伴って接続面21〜24も平坦に形成されている。出射基準面25も平坦に形成され、接続面21〜24は、出射基準面25の反対側において一方向に順に並んで形成されている。本実施の形態における接続面21〜24は、出射基準面25に対して平行な位置関係にある。
光学素子20の厚さ方向(図1紙面中の上下方向)において、接続面21と出射基準面25との間の寸法H21は、接続面22と出射基準面25との間の寸法H22よりも小さく設けられる(寸法H21<寸法H22)。接続面22と出射基準面25との間の寸法H22は、接続面23と出射基準面25との間の寸法H23よりも大きく設けられる(寸法H22>寸法H23)。接続面23と出射基準面25との間の寸法H23は、接続面24と出射基準面25との間の寸法H24よりも小さく設けられる(寸法H23<寸法H24)。寸法H21の値および寸法H23の値は、互いに同一であるとよい。寸法H22の値および寸法H24の値も、互いに同一であるとよい。
光学素子20の接続面21が形成されている部分は、接続面21を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面21を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面21の一方の端部には平面状の光反射部21Mが設けられており、接続面21の他方の端部には平面状の光反射部21Nが設けられている。
光学素子20の接続面22が形成されている部分は、接続面22を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面22を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面22の一方の端部には平面状の光反射部22Mが設けられており、接続面22の他方の端部には平面状の光反射部22Nが設けられている。
光学素子20の接続面23が形成されている部分は、接続面23を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面23を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面23の一方の端部には平面状の光反射部23Mが設けられており、接続面23の他方の端部には平面状の光反射部23Nが設けられている。
光学素子20の接続面24が形成されている部分は、接続面24を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面24を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面24の一方の端部には平面状の光反射部24Mが設けられており、接続面24の他方の端部には平面状の光反射部24Nが設けられている。
接続面21および接続面22の間に位置する光反射部21Nおよび光反射部22Mは、台形状にそれぞれ形成されており、断面視(図1参照)においてはV字形状を呈している。接続面22および接続面23の間に位置する光反射部22Nおよび光反射部23Mは、台形状にそれぞれ形成されており、断面視(図1参照)においてはV字形状を呈している。接続面23および接続面24の間に位置する光反射部23Nおよび光反射部24Mは、台形状にそれぞれ形成されており、断面視(図1参照)においてはV字形状を呈している。
図1および図6に示すように、面光源11は、接続面21と相互に対向するように配置されている。面光源11の発光部11Eと接続面21とは、透明部材などを挟んで相互に光学的に接続されている。面光源12は、接続面22と相互に対向するように配置されている。面光源12の発光部12Eと接続面22とは、透明部材などを挟んで相互に光学的に接続されている。面光源13は、接続面23と相互に対向するように配置されている。面光源13の発光部13Eと接続面23とは、透明部材などを挟んで相互に光学的に接続されている。面光源14は、接続面24と相互に対向するように配置されている。面光源14の発光部14Eと接続面24とは、透明部材などを挟んで相互に光学的に接続されている。
相互に隣り合う面光源11および面光源12は、光学素子20における寸法H21<寸法H22の関係を利用して、電極11R(非発光部)および電極12L(非発光部)同士が(光学素子20の厚さ方向において)重なるように配置されている。当該配置関係により、面光源11および面光源12は、出射基準面25に対する高さが異なっている。電極11Rおよび電極12Lは、配線31を通して相互に電気的に接続されている。電極11Rおよび電極12Lは、光反射部21N,22Mによって形成されているV字状の空間に対向するように配置されている。換言すると、光反射部21N,22Mは、面光源11の電極11Rおよび面光源12の電極12L同士が重なっている部分に対応するように位置している。
相互に隣り合う面光源12および面光源13は、光学素子20における寸法H22>寸法H23の関係を利用して、電極12R(非発光部)および電極13L(非発光部)同士が(光学素子20の厚さ方向において)重なるように配置されている。当該配置関係により、面光源12および面光源13も、出射基準面25に対する高さが異なっている。電極12Rおよび電極13Lは、配線31を通して相互に電気的に接続されている。電極12Rおよび電極13Lは、光反射部22N,23Mによって形成されているV字状の空間に対向するように配置されている。換言すると、光反射部22N,23Mは、面光源12の電極12Rおよび面光源13の電極13L同士が重なっている部分に対応するように位置している。
相互に隣り合う面光源13および面光源14は、光学素子20における寸法H23<寸法H24の関係を利用して、電極13R(非発光部)および電極14L(非発光部)同士が(光学素子20の厚さ方向において)重なるように配置されている。当該配置関係により、面光源13および面光源14も、出射基準面25に対する高さが異なっている。電極13Rおよび電極14Lは、配線31を通して相互に電気的に接続されている。電極13Rおよび電極14Lは、光反射部23N,24Mによって形成されているV字状の空間に対向するように配置されている。換言すると、光反射部23N,24Mは、面光源13の電極13Rおよび面光源14の電極14L同士が重なっている部分に対応するように位置している。
面光源11の電極11Lは、配線31によって制御駆動回路32に接続されている。面光源14の電極14Rは、配線31によって制御駆動回路32に接続されている。配線31を通して、面光源11〜14は直列接続されている。
(面発光モジュール100の動作)
図1および図7を参照して、制御駆動回路32から電力を供給されることによって、面発光モジュール100が駆動される。面光源11〜14の発光部11E〜14Eにおいては、光がそれぞれ生成される。面光源11〜14の発光部11E〜14Eから出射された光は、接続面21〜24を通して光学素子20の内部にそれぞれ入射する。
光学素子20の内部に入射した光のうち、一部の光は、光学素子20の内部において導光されてそのまま出射基準面25から外部に向かって出射される。光学素子20の内部に入射した光のうち、光学素子20の内部において斜め方向に導光された光は、光反射部21M,21N,22M,22N,23M,23N,24M,24Nに反射して、出射基準面25に向かって導光された後、出射基準面25から外部に向かって出射される。
本実施の形態における面発光モジュール100によれば、面光源11〜14の発光部11E〜14Eにおいて生成された光は、光学素子20の内部および出射基準面25を通して効率良く外部に取り出されることができる。特に、出射基準面25から出射される出射光LLのうち、各光反射部の反射によって出射基準面25に取り出された出射光L20は、面光源11〜14の非発光部に対応する部分における出射基準面25上の輝度を向上させている。面発光モジュール100によれば、出射基準面25上の輝度ムラの発生が緩和されており、単一の部材から構成される光学素子20を通して、面光源11〜14を一つの光源として取り扱うことができる。
(実施の形態1の比較例)
図8は、実施の形態1の比較例における面発光モジュール100Zを示す断面図である。面発光モジュール100Zにおいては、光学素子20Zの各接続面が、略同一平面上に位置している。面光源11の電極11Rと面光源12の電極12Lとは重なるようには配置されていない。面光源12の電極12Rと面光源13の電極13Lとも重なるようには配置されていない。面発光モジュール100Zにおける各面光源は、略同一平面上に位置しており、非発光部同士が重なるように配置されてはいない。
面発光モジュール100Zの場合、出射基準面25上の非発光部に対応する幅は、寸法W21となる。一方で、図6に示すように、実施の形態1における面発光モジュール100の場合、出射基準面25上の非発光部に対応する幅は、寸法W20である。面光源に設けられた非発光部の幅が実施の形態1および比較例において同一の場合、出射基準面25上の非発光部に対応する幅は、実施の形態1の方が、比較例の場合に比べて狭く構成されることができる(寸法W21>寸法W20)。
したがって実施の形態1における面発光モジュール100は、比較例における面発光モジュール100Zに比べて、輝度の不均一性を低減し、非発光部をより一層目立たなくすることが可能である。面発光モジュール100によれば、面光源11〜14を一つの光源として使用者に対して擬似的に見せることが可能であり、照明装置またはバックライトなどとして、高い品質のものを提供することができる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1の面発光モジュール100においては、光学素子20の光反射部21N,22M,22N,23Mなどの各光反射部が平面状に形成されるため、光学素子20は容易に作製されることができる。
図9を参照して、本実施の形態の面発光モジュール101においては、光学素子20Aの光反射部21N,22M,22N,23Mなどの各光反射部が、放物面状に形成される。光学素子20Aの各光反射部は、接続面と接する場所で曲率半径が無限大となる放物面状に形成される。当該構成によっても、光学素子20Aの内部に入射した光のうち、光学素子20Aの内部において斜め方向に導光された光は、各光反射部に反射して、出射基準面25に向かって導光された後、出射基準面25から外部に向かって出射される。
各光反射部が放物面状に形成されるために、面光源の発光部から接続面に深い角度を持って入射した光を出射基準面25側により多く反射させることが可能となる。非発光部上方の出射基準面25における輝度の不足をより解消することができ、輝度の均一性を一層向上させることが可能となる。放物面の湾曲の程度を最適化し、より多くの光を出射基準面25から取り出されるように構成するとよい。
[実施の形態3]
図10を参照して、本実施の形態の面発光モジュール102においては、光学素子20Bの光反射部21N,22M,22N,23Mなどの各光反射部に、増反射膜26が設けられる。増反射膜26の配設によって、各光反射部の反射により出射基準面25に取り出される光の反射率を増加させることができる。
増反射膜26の具体例としては、たとえば金属反射膜が挙げられる。金属反射膜としては、可視光の波長領域で反射率の高い、たとえばアルミニウム(Al)または銀(Ag)などが用いられるとよい。金(Au)も、酸化され難いため有効である。銅(Cu)も、導電性が良いため有効である。白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウムまたは、オスミニウムなども、熱的性質および化学的性質の観点から、高温でも酸化されにくく且つ基板材料との化学反応も起さないため有効である。増反射膜26としては、これらの金属材料を複数種類含む合金を用いても良い。
金属反射膜の他にも、誘電体の干渉を利用した多層膜反射膜なども有効である。具体的には、誘電体材料として料(屈折率)という形式で例を挙げると、GaAs(3.3)、Si(3.7)などがあり、Ta(2.5)またはSiOx(1.4〜3.7)を用いることができる。その他の誘電体の材料(波長域)としては、ダイヤモンド(可視全域);III−V族半導体:AlGaAs(近赤外,赤)、GaN(緑,青)、GaAsP(赤,橙,青),GaP(赤,黄,緑)、InGaN(青緑,青),AlGaInP(橙,黄橙,黄,緑);II−VI族半導体:ZnSe(青)、炭化シリコン(SiC)、弗化カルシウム(CaF)、チッ化シリコン(Si)、酸化チタン(TiO)、ダイアモンド(C)などが例示できる。
[実施の形態4]
図11を参照して、本実施の形態の面発光モジュール103においては、光学素子20Cの光反射部21N,22M,22N,23Mなどの各光反射部に、光散乱部27(第1光散乱部)が設けられる。本実施の形態においては、光学素子20Cの各光反射部に光散乱部27が設けられた後、光散乱部27を光学素子20Cの外側から覆うように増反射膜26が設けられる。
光散乱部27としては、光学素子20Cの各光反射部(反射面)上に凹凸加工を施したもの、または、光学素子20Cの各光反射部(反射面)上に微粒子を塗布する加工を施したものなどが挙げられる。凹凸加工を施したり微粒子を塗布する加工を施したりした後に、増反射膜26が成膜などによって必要に応じて設けられるとよい。また、光散乱部27は、微粒子が混在された樹脂膜または凹凸形状を有する樹脂膜などの、光散乱性を有するシート状部材が光学素子20Cの各光反射部(反射面)上に貼り付けられたものであってもよい。必要に応じて、シート状部材の光反射部に貼り付けられる面とは反対側の面に増反射膜が設けられるとよい。
光散乱部27が設けられることにより、各光反射部の反射によって出射基準面25に取り出される光は、各光反射部に対する反射の際に広く散乱されることとなり、結果として出射基準面25において輝度のより高い均一性を確保することが可能となる。
[実施の形態5]
図12を参照して、本実施の形態の面発光モジュール104においては、光学素子20Dの出射基準面25上に、光散乱部28(第2光散乱部)が設けられる。光散乱部28としては、光学素子20Dの出射基準面25上に凹凸加工を施したもの、または、光学素子20Dの出射基準面25上に微粒子を塗布する加工を施したものなどが挙げられる。これらに限られず、光散乱部28としては、表面に凹凸加工が施された樹脂膜が出射基準面25上に設けられてもよいし、微粒子が混在された樹脂膜が出射基準面25上に設けられてもよいし、光散乱性を有するシート状の部材が出射基準面25上に設けられてもよい。
光散乱部28が出射基準面25上に設けられることにより、出射基準面25から取り出された光は、出射基準面25から取り出される際に広く散乱されることとなり、結果として出射基準面25において輝度のより高い均一性を確保することが可能となる。
[実施の形態6]
図13を参照して、本実施の形態の面発光モジュール105においては、面光源11の発光部11Eと接続面21との間に、透明部材29が設けられる。同様に、面光源12の発光部12Eと接続面22との間にも透明部材29が設けられ、面光源13の発光部13Eと接続面23との間にも透明部材29が設けられる。
透明部材29は、たとえば光学接着剤である。透明部材29として光学接着剤が用いられる場合、各面光源は、光学的にも機械的にも各接続面に接続される。各面光源と各接続面との光学的な接続のためには、透明部材29としては透明性を有するゴム状の部材が用いられてもよい。この場合、各面光源は、ゴム状の部材を各接続面に押し付けるように固定されるとよい。
図14を参照して、透明部材29は、その屈折率が空気の屈折率より高いものが用いられる。透明部材29の屈折率としては、透明部材29としてたとえば樹脂、ガラス、または透明電極が用いられる場合、1.4〜2.0程度である。図14に示すように、発光部12Eと光学素子20Eの接続面22との間に透明部材29が設けられる場合、発光部12Eの内部で発生した光の多くを光学素子20Eの内部に取り込むことが可能となる。
図15に示す比較例の光学素子20Yのように、空気を通して発光部12Eと光学素子20Yの接続面22とを光学的に接続した場合、発光部12Eの内部で発生した光のうちの発光部12Eと空気との界面における臨界角θ以上の角度を有する光は全反射されてしまう。結果として、その光は光学素子20Yの内部に入射しない状態となり、光エネルギーの一部が損失してしまうこととなる。
これに対して、図13および図14に示す本実施の形態のように透明部材29が用いられる場合、発光部12Eと接続面22との間に空気が存在しない。発光部12Eと空気との間の界面で全反射が生じずに、発光部12Eの内部で発生した光のうち、接続面22に対して深い入射角度を有する光も光学素子20Eの内部に入射することが可能になる。深い入射角度の光は、光学素子20Eの内部の光反射部において出射基準面25側へと反射され、光学素子20Eと外部との間の臨界角よりも浅い角度の光へと変換されるため、外部へ効果的に取り出すことが可能となる。
さらに、このようにして深い角度で光学素子20Eへ入射した光の一部は、隣接する面光源との境界方向へ向かうことになるので、より非発光部を目立たなくすることが可能となる。したがって、面光源と接続面が透明部材29を挟んで光学的に接続されている場合には、非発光部を目立たなくすることが可能であると同時に、面発光モジュールとしてのエネルギー使用効率を向上させるという効果を得ることも可能となる。
[実施の形態7]
上述の各実施の形態は、1次元方向に面光源11〜14を配列するという面発光モジュールに基づいて説明した。本発明の面発光モジュールとしては、複数の面光源が1次元方向に配列される場合に限られず、複数の面光源が2次元方向に配列される場合にも適用可能である。
図16および図17を参照して、本実施の形態における面発光モジュール106は、面光源11〜16と、光学素子20Fとを備える。面光源11〜16は、平面視長方形状に形成される。面光源11および面光源12は、非発光部としての長辺同士が相互に重なるように配置される。面光源12および面光源13も、非発光部としての長辺同士が相互に重なるように配置される。面光源14および面光源15も、非発光部としての長辺同士が相互に重なるように配置される。面光源15および面光源16も、非発光部としての長辺同士が相互に重なるように配置される。
面光源11および面光源14は、同一平面上において相互に隣接するように配置される。面光源12および面光源15は、同一平面上において相互に隣接するように配置される。面光源13および面光源16は、同一平面上において相互に隣接するように配置される。
光学素子20Fにおいては、接続面21〜23が形成される。光学素子20Fの厚さ方向において、接続面21と出射基準面25との間の寸法H21は、接続面22と出射基準面25との間の寸法H22よりも小さく設けられる。接続面23と出射基準面25との間の寸法H23は、接続面22と出射基準面25との間の寸法H22よりも小さく設けられる。寸法H21の値および寸法H23の値は、互いに同一であるとよい。
光学素子20Fの接続面21が形成されている部分は、接続面21を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面21を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面21の一方の端部には平面状の光反射部21Mが設けられており、接続面21の他方の端部には平面状の光反射部21Nが設けられている。光反射部21M,21Nは、放物面状に形成されていてもよい。
光学素子20Fの接続面22が形成されている部分は、接続面22を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面22を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面22の一方の端部には平面状の光反射部22Mが設けられており、接続面22の他方の端部には平面状の光反射部22Nが設けられている。光反射部22M,22Nは、放物面状に形成されていてもよい。
光学素子20Fの接続面23が形成されている部分は、接続面23を頂面とする四角錐台形状に形成されている。接続面23を取り囲むように環状の光反射部が形成されている。接続面23の一方の端部には平面状の光反射部23Mが設けられており、接続面23の他方の端部には平面状の光反射部23Nが設けられている。光反射部23M,23Nは、放物面状に形成されていてもよい。
接続面21および接続面22の間に位置する光反射部21Nおよび光反射部22Mは、台形状にそれぞれ形成されており、断面視においてはV字形状を呈している。接続面22および接続面23の間に位置する光反射部22Nおよび光反射部23Mは、台形状にそれぞれ形成されており、断面視においてはV字形状を呈している。接続面23および接続面24の間に位置する光反射部23Nおよび光反射部24Mは、台形状にそれぞれ形成されており、断面視においてはV字形状を呈している。
面発光モジュール106が組み立てられた状態において、面光源11および面光源12は、出射基準面25に対する高さがそれぞれ異なっている。面光源12および面光源13も、出射基準面25に対する高さがそれぞれ異なっている。面光源14および面光源15も、出射基準面25に対する高さがそれぞれ異なっている。面光源15および面光源16も、出射基準面25に対する高さがそれぞれ異なっている。
当該構成によっても、上述の各実施の形態と同様に、光学素子20Fの内部に入射した光のうち、光学素子20Fの内部において斜め方向に導光された光は、光反射部21M,21N,22M,22N,23M,23Nに反射して、出射基準面25に向かって導光された後、出射基準面25から外部に向かって出射される。各光反射部の反射によって出射基準面25に取り出された出射光は、面光源11〜16の非発光部に対応する部分における出射基準面25上の輝度を向上させている。
したがって本実施の形態における面発光モジュール106によっても、面光源11〜16の発光部において生成された光は、光学素子20Fの内部および出射基準面25を通して効率良く外部に取り出され、面光源11〜16を一つの面発光モジュール106として取り扱うことができる。面発光モジュール106によれば、輝度の不均一性を低減し、非発光部を目立たなくすることが可能であり、光学素子20Fが単一の部材から構成されているため面光源11〜14を一つの光源として使用者に対して擬似的に見せることができる。
(第1変形例)
図18に示す光学素子20F1のように、複数の面光源が接続面21〜24にそれぞれ独立して接続される場合は、より非発光部を目立たなくすることができる。光学素子20F1においては、接続面21〜24が、正方格子配列で並べられる。接続面21は、高さ寸法H21を有し、接続面22は、高さ寸法H22を有し、接続面23は、高さ寸法H23を有し、接続面24は、高さ寸法H24を有する。
接続面21〜24は、出射基準面25からの高さがそれぞれ異なっている。さらに、隣接する接続面21〜24の出射基準面25からの高さは、すべて異なっている。このような光学素子20F1を用いて面発光モジュールを構成することにより、隣接するすべての面光源同士の間において、非発光部同士を立体的に重ねることができ、非発光部を目立たなくすることが可能である。隣接するすべての面光源同士の間において非発光部同士を立体的に重ねるように設計する場合、グラフ理論の四色定理なども参考にされるとよい。
(第2変形例)
上述の各実施の形態においては、長方形状を有する接続面を例に説明してきたが、接続面の形状は、面光源の形に合わせることが望ましい。
図19に示す光学素子20F2においては、接続面21〜24が、平面視六角形状に形成されている。接続面21〜24が平面視六角形状に構成される場合、空間の占有密度を向上させることができる。この場合、面光源の発光部の形も六角形状であることが望ましく、発光部の形に合わせて接続面も六角形状に形成される。
光学素子20F2においては、4種類の高さを有する接続面が用いられるが、隣接するすべての面光源同士の間において非発光部同士を立体的に重ねるためには、3種類の高さを有する接続面が用いられればよい。
(第3変形例)
図20に示す光学素子20F3においては、接続面21,22が、平面視三角形状に形成されている。接続面21,22が平面視三角形状に構成される場合、面光源の発光部の形も三角形状であることが望ましい。
光学素子20F3においては、2種類の高さを有する接続面が用いられるが、隣接するすべての面光源同士の間において非発光部同士を立体的に重ねるためには、6種類の高さを有する接続面が用いられればよい。
(第4変形例)
図21に示す光学素子20F4においては、接続面21,22が、平面視正方形状に形成されている。接続面21,22が平面視正方形状に構成される場合、面光源の発光部の形も正方形状であることが望ましい。
光学素子20F4においては、2種類の高さを有する接続面が用いられるが、隣接するすべての面光源同士の間において非発光部同士を立体的に重ねるためには、4種類の高さを有する接続面が用いられればよい。
上述の各実施の形態および各変形例において、隣接するすべての面光源同士の間において非発光部同士を立体的に重ねるためには、複数種類の高さを有する接続面を形成する必要があるが、必要に応じて、面光源の角部の一部を切り欠くように構成してもよい。切り欠いた部分を活用して、隣接する面光源同士は同一平面上に配置されることができる。この場合、面発光モジュールとしての厚さが増大することを抑制することが可能となる。
以上、本発明に基づいた各実施の形態および各変形例について説明したが、今回開示された各実施の形態および各変形例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 面光源(第1面光源)、11E,12E,13E,14E 発光部、11F 非発光部、11L,11R,12L,12R,13L,13R,14L,14R 電極(非発光部)、11S 透明基板、12 面光源(第2面光源)、13,14,15,16 面光源、20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20F1,20F2,20F3,20F4,20Y,20Z 光学素子、21 接続面(第1接続面)、22 接続面(第2接続面)、23,24 接続面、21M,21N,22M,22N,23M,23N,24M,24N 光反射部、25 出射基準面、26 増反射膜、27 光散乱部(第1光散乱部)、28 光散乱部(第2光散乱部)、29 透明部材、30 筐体、31 配線、32 制御駆動回路、100,100Z,101,102,103,104,105,106 面発光モジュール、H21,H22,H23,H24,W20,W21 寸法、L11 光、L20,LL 出射光、θ 臨界角。

Claims (7)

  1. 各々の端部に非発光部を含み、前記非発光部同士が重なるように配置された第1面光源および第2面光源と、
    出射基準面を含み、前記第1面光源および前記第2面光源の各々の発光部から出射された光を前記出射基準面に導光する光学素子と、を備え、
    前記光学素子は、
    前記第1面光源の前記発光部と光学的に接続される第1接続面と、
    前記第2面光源の前記発光部と光学的に接続される第2接続面と、
    前記非発光部同士が重なっている部分に対応するように位置し、前記第1接続面および前記第2接続面の各々を通して前記光学素子の内部に入射した前記光を前記出射基準面側に向かって反射させる光反射部と、を有し、
    前記光学素子の厚さ方向において、前記第1接続面と前記出射基準面との間の寸法は、前記第2接続面と前記出射基準面との間の寸法よりも小さい、
    面発光モジュール。
  2. 前記光反射部は、平面状に形成される、
    請求項1に記載の面発光モジュール。
  3. 前記光反射部は、放物面状に形成される、
    請求項1に記載の面発光モジュール。
  4. 前記光反射部は、前記出射基準面側に向かって反射される前記光の反射率を増加させる増反射膜を有する、
    請求項1から3のいずれかに記載の面発光モジュール。
  5. 前記光反射部は、前記出射基準面側に向かって反射される前記光を散乱させる第1光散乱部を有する、
    請求項1から4のいずれかに記載の面発光モジュール。
  6. 前記出射基準面には、前記出射基準面を通して出射される前記光を散乱させる第2光散乱部が設けられる、
    請求項1から5のいずれかに記載の面発光モジュール。
  7. 前記第1面光源の前記発光部と前記第1接続面との間、およびまたは、前記第2面光源の前記発光部と前記第2接続面との間には、透明部材が設けられる、
    請求項1から6のいずれかに記載の面発光モジュール。
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