JP5769575B2 - 面状照明装置 - Google Patents

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本発明は、方向によって異なる視野角特性を備えた面状照明装置に関する。
従来、面状照明装置をバックライトとして用いた表示装置において、方向によって異なる視野角特性が要求されるものがあり、その典型的な例として、自動車のインストルメントパネルの中央部(運転席と助手席との間)に設置される表示装置が挙げられる。このような表示装置では、その表示画像がフロントウィンドウに写り込むことにより運転者の視界を遮ることを防止するため、上下方向には比較的狭い視野角を有することが要求される。
さらに、このような表示装置では、多くの場合(例えば、カーナビゲーションシステム用の表示装置等)、運転者及び助手席に座る同乗者の双方からの視認性が良好であることが求められ、このため、左右方向には比較的広い視野角を有することが要求される。
従来、このような表示装置において、上下方向に比較的狭くかつ左右方向に比較的広い視野角を実現するために、微細なルーバー構造体を備えた光学フィルム(以下、ルーバーフィルムともいう)を用いて、面状照明装置からの出射光について上下方向の出射角度範囲を制限する技術が、一般に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、このような表示装置において、運転者及び助手席に座る同乗者の双方からの視認性をさらに向上させるためには、単に左右方向の視野角を上下方向の視野角に対して広く保つだけではなく、表示装置の左右方向の輝度分布を、運転席方向と助手席方向の2方向にピーク値を有するものとすることがさらに好ましい。このため、例えば、一方向に延在し、その方向に直交する方向に配列された複数の凸部を設けたプリズムシートを、上記凸部が上下方向に延在するように配置して、面状照明装置からの出射光を、上記プリズムシートを透過させることにより左右方向に屈折させて出射する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−124112号公報 特開2007−328287号公報
しかしながら、従来の技術において一方向の視野角を狭めるために使用されるルーバーフィルムは、一般に高価な部材であり、それを用いた面状照明装置のコストが増大するという問題がある。また、上述したような表示装置において、上下方向及び左右方向の視野角特性及び輝度分布は、表示装置の使用条件等に応じて、柔軟に設計可能であることが望ましく、ルーバーフィルムを用いた方法には、このような設計の自由度に関して難点がある。
本発明は、上記課題に鑑み、安価に構成可能であり、かつ、方向によって異なる視野角特性を柔軟に設計可能な面状照明装置を提供することを目的とする。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、さらに他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)点状光源と、前記点状光源が配置される入光面及び該入光面から入光した前記点状光源からの光を面状に出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の前記出射面上に配置され、前記出射面から出射した光の方向を所定の方向に変更するための複数の第1の線状プリズムが、前記出射面側を向く面に形成された第1のプリズムシートと、前記第1のプリズムシート上に配置され、前記第1の線状プリズムの延在方向と直交する方向に延在して前記第1のプリズムシートから出射した光を2方向に分岐するための複数の第2の線状プリズムが、前記第1のプリズムシートを向く面に形成された第2のプリズムシートと、を備えており、前記第1のプリズムシートの複数の前記第1の線状プリズムが形成された面の反対側の面に形成され、前記第1の線状プリズムに平行に延び、かつ、延在方向に直交する断面の外形が円弧状の第1の凸部、及び、前記第2のプリズムシートの複数の前記第2の線状プリズムが形成された面の反対側の面に形成され、前記第2の線状プリズムに平行に延び、延在方向に直交する断面の外形が円弧状の第2の凸部のいずれか一方または両方をさらに備え、前記第1の凸部の外周面の最大傾斜角度は、40°以下であり、前記第2の凸部の外周面の最大傾斜角度は、60°以下であることを特徴とする面状照明装置。
本項に記載の面状照明装置によれば、導光板の出射面から出射した光は、複数の第1の線状プリズムによって、第1の線状プリズムの延在方向に直交する面内における輝度分布を広げることなく、その方向が所定の方向に変更されて第1のプリズムシートから出射され、さらに、第1のプリズムシートからの出射光は、複数の第2の線状プリズムによって、第2の線状プリズムの延在方向に直交する面内において2方向に分岐して、第2のプリズムシートから出射されることになる。
本項に記載の面状照明装置では、これによって、第1の線状プリズムの延在方向に直交する面内における視野角が比較的狭く、かつ、第2の線状プリズムの延在方向に直交する面内において、2方向にピーク値をとる輝度分布を有して比較的広い視野角を有する視野角特性が達成される。
本項に記載の面状照明装置によれば、第1のプリズムシートに形成された第1の凸部によって、第1のプリズムシートからの出射光の第1の線状プリズムに直交する面内における輝度分布を調整すること、及び、第2のプリズムシートに形成された第2の凸部によって、第2のプリズムシートからの出射光の、第2の線状プリズムに直交する面内における輝度分布を調整することのいずれか一方または両方が可能となる。
例えば、第1のプリズムシートに形成された第1の凸部は、第1のプリズムシートからの出射光の第1の線状プリズムに直交する面内における輝度分布を、第1の凸部が形成されていない場合と比較して広げるための調整機構として機能する。
これによって、第1の線状プリズムに直交する面内における視野角が必要以上に狭くなることを回避し、僅かな視点の移動によって画像の視認が困難となることを防止して、写り込み等の条件によって許容される範囲内で、表示装置の視認性を向上させることが可能となる。
また、第2のプリズムシートに形成された第2の凸部は、第2のプリズムシートからの出射光の第2の線状プリズムに直交する面内における輝度分布において、輝度がピーク値を取る2つの角度の間の輝度を、第2の凸部が形成されていない場合と比較して、相対的に増大させるための調整機構として機能する。
これによって、第2の線状プリズムに直交する面内での輝度の配光角に対する変化の急峻性を緩和し、表示装置の視認性を向上させることが可能となる。
本項に記載の面状照明装置では、このように、第1のプリズムシート及び第2のプリズムシートを用いて、追加の部材を要することなく、第1及び第2の線状プリズムに直交する面内における視野角特性を、互いに独立かつ柔軟に設計することが可能となる。
)(1)項に記載の面状照明装置において、前記第2のプリズムシートに形成された複数の前記第2の線状プリズムの頂角は、70°以上かつ110°以下であることを特徴とする面状照明装置(請求項)。
)(1)または(2)項に記載の面状照明装置において、前記第1の凸部及び前記第2の凸部のうちのいずれか一方のみを備えており、前記第1のプリズムシート及び前記第2のプリズムシートのうちの凸部を有していない方が備える線状プリズムの先端部分は、該線状プリズムの延在方向に直交する断面の外形が円弧状に形成されることを特徴とする面状照明装置(請求項)。
本発明に係る面状照明装置は、以上のように構成したことにより、安価に構成可能であり、かつ、方向によって異なる視野角特性を柔軟に設計可能な面状照明装置を提供することが可能となる。
(a)は、本発明の一実施形態における面状照明装置の要部を分解して示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す第1及び第2のプリズムシートを、それぞれ第1及び第2の線状プリズムの延在方向に直交する面で切断して示す断面図である。 (a)は、比較例に係る面状照明装置の2例について、上下方向の輝度分布を示すグラフであり、(b)は、本発明の実施形態に係る面状照明装置の3例について、上下方向の輝度分布を示すグラフである。 (a)は、比較例に係る面状照明装置の2例について、左右方向の輝度分布を示すグラフであり、(b)は、本発明の実施形態に係る面状照明装置の3例について、左右方向の輝度分布を示すグラフである。 本発明の一実施形態における面状照明装置が備える第1及び第2のプリズムシートの別の例を、それぞれ第1及び第2の線状プリズムの延在方向に直交する面で切断して示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。尚、面状照明装置の全体または部分を示す各図は、いずれも説明のために特徴を強調して示す模式図であって、図示された各部分の相対的な寸法は、必ずしも実際の縮尺を反映するものではない。
図1は、本発明の一実施形態における面状照明装置の要部を示す側面図である。
図1に示す面状照明装置10は、導光板12と、点状光源15とを備えるサイドライト型の面状照明装置である。導光板12は、メタクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明樹脂材料を成形してなる平板状の導光体であり、点状光源15は、導光板12の一側端面(以下、入光面ともいう)13に沿って配置されている。面状照明装置10において、点状光源15は、入光面13の長手方向に沿って配列された複数の発光ダイオードからなるものである。
面状照明装置10において、点状光源15から入光面13を通じて導光板12へと入射した光は、導光板12の一主面である出射面12aと出射面12aとは反対側の面(以下、裏面ともいう)12bとの間で全反射を繰返しつつ、入光面13と対向する側端面側へ向けて導光される。そして、導光板12の裏面12bには、入光面13の長手方向と平行に延びる複数の線状プリズムからなる光路変更手段(図示は省略する)が形成されており、導光の過程で裏面12bに入射した光の一部が光路変更手段によって反射され、臨界角以下の入射角でもって出射面12aに到達することにより、入光面13から入射した光が、出射面12aからの出射光として面状に出射されるものである。
そして、導光板12の裏面12b側には光学シート18が配置されており、この光学シート18は、好ましくは、銀反射シートまたは誘電体多層膜等の正反射部材(例えば、反射率98%以上)、または、黒色PETフィルム等の、光吸収部材を含んでなる反射防止部材(例えば、反射率30%以下)からなるものである。
また、導光板12の出射面12a側には、それぞれ透光性樹脂材料から形成された第1及び第2のプリズムシート14、16が積層配置されている。第1のプリズムシート14は、導光板12の出射面12a上に配置され、出射面12a側を向く面14bには、導光板12の入光面15の長手方向と平行に延びる複数の第1の線状プリズム22が形成されている(第1の線状プリズム22の延在方向を矢印Aで示す)。また、第2のプリズムシート16は、第1のプリズムシート14上に配置され、第1のプリズムシート14を向く面16bには、第1の線状プリズム22の延在方向Aと直交する方向(矢印Bで示す)に延びる第2の線状プリズム26が形成されている。
ここで、第1のプリズムシート14と第2のプリズムシート16は、後述する相違点を除いて、その基本的構成は共通のものであるため、図1(b)には、第1のプリズムシート14を、第1の線状プリズム22の延在方向Aに直交する平面で切断して示す断面図、及び、第2のプリズムシート16を、第2の線状プリズム26の延在方向Bに直交する平面で切断して示す断面図を、1つの共通の図として示している。
また、以下では、面状照明装置10を自動車のインストルメントパネルに設置される表示装置のバックライトとして使用する場合に準じて、第1の線状プリズム22の延在方向Aを左右方向、第2の線状プリズム26の延在方向Bを上下方向、及び、導光板12の出射面12aに直交し、裏面12b側から出射面12a側に向かう方向を、正面方向ともいう。
図1(b)に示すように、第1及び第2の線状プリズム22、26は、それぞれの延在方向A、Bに直交する断面の外形が二等辺三角形からなるものである。そして、第1の線状プリズム22と第2の線状プリズム26とは、第1の線状プリズム22が、その頂角αが65°程度となるように形成され、第2の線状プリズム26は、その頂角が70°以上かつ110°以下(例えば、95°程度)となるように形成される点で相違する。
さらに、本実施形態において、第1のプリズムシート14の、第1の線状プリズム22が形成された面14bの反対側の面14aには、第1の線状プリズム22に平行に延びる複数の第1の凸部24が形成され、第2のプリズムシート16の、第2の線状プリズム26が形成された面16bの反対側の面16aには、第2の線状プリズム26に平行に延びる複数の第の凸部28が形成されている。
第1及び第2の凸部24、28は、それぞれの延在方向A、Bに直交する断面の外形が円弧からなるものである。そして、第1の凸部24と第2凸部2とは、第1の凸部24が、その外周面の最大傾斜角度βが40°以下(例えば、30°程度)となるように形成され、第2の凸部28は、その外周面の最大傾斜角度βが60°以下(例えば、40°程度)となるように形成される点で相違する。
ここで、第1及び第2の凸部24、28の外周面の最大傾斜角度は、図1(b)に示す断面において、第1及び第2の凸部24、28の仮想底面mと、第1及び第2の凸部24、28の外周の接線とがなす角のうち鋭角の方(以下、接線角度ともいう)が最大となる角度であり、具体的には、第1及び第2の凸部24、28の外周面と仮想底面mとの交点における接線角度となる。
以上のように構成された面状照明照明装置10において、導光板12の裏面12bに形成された光路変更手段は、裏面12bに入射した光を、臨界角よりも僅かに小さく、かつ、導光板12全体にわたってほぼ等しい入射角でもって、出射面12aに到達するように反射する。これによって、導光板12の出射面12aから出射される光は、狭い輝度分布を有して、導光板12の出射面12aから出射面12aに略平行に(但し、出射面12aから僅かに立ち上がるように)出射されることになる。
次いで、導光板12の出射面12aからの出射光は、線状プリズム22の形成面14bから第1のプリズムシート14に入射し、第1の線状プリズム22よって、入射光の方向が正面方向に変更される。この際、第1の線状プリズム22は、導光板12の出射面12aから出射される光の狭い輝度分布を維持しつつ、その方向のみを変更するものである。そして、第1の線状プリズム22によって正面方向に進行方向が変更された光は、第1の凸部24の形成面14aから第1のプリズムシート14を出射し、その際、第1の凸部24の延在方向Aに直交する面内における輝度分布は、第1の凸部24によって、その広がりが拡大するように調整される。
次いで、第1のプリズムシート14からの出射光は、第2の線状プリズム26の形成面16bから第2のプリズムシート16に入射し、第2の線状プリズム26よって、入射光の方向が左右2方向に分岐される。具体的には、第2の線状プリズム26は、第2のプリズムシート16に入射した光の、第2の線状プリズム26の延在方向Bに直交する面内における輝度分布を、第1の線状プリズム22の延在方向Aに直交する面内における輝度分布よりも広げるとともに、その輝度分布を、正面方向に対して略対称な2方向に輝度のピーク値を取る分布形状に変換するものである。
そして、第2の線状プリズム26によって輝度分布が変換された光は、第2の凸部28の形成面16aから第2のプリズムシート16を出射し、その際、第2の凸部28の延在方向Bに直交する面内における輝度分布は、第2の凸部28によって、その正面方向の輝度が、輝度のピーク値に対して相対的に増大するように調整される。
尚、図1(b)に示す例では、第1及び第2のプリズムシート14、16は、それぞれ第1及び第2の凸部24、28を有するものとしたが、面状照明装置10は、第1の凸部24の延在方向Aに直交する面内における上述したような輝度分布の調整作用、及び、第2の凸部28の延在方向Bに直交する面内における上述したような輝度分布の調整作用のいずれか一方または両方を特に要しない場合には、対応する第1の凸部24及び第2の凸部28のいずれか一方を有しないものであってもよい。
また、第1及び第2の線状プリズム22、26の頂角α、及び、第1及び第2の凸部24、28の最大傾斜角度βは、第1及び第2の線状プリズム22、26、及び、第1及び第2の凸部24、28のそれぞれが上述したような機能を果たす限り、使用条件等に応じて、上述した範囲内において任意の適切な値に設定されるものである。
次に、図2及び図3を参照して、以上のような面状照明装置10の作用効果について、より具体的に説明する。ここで、図2は、本実施形態における面状照明装置10の構成例と比較例について、左右方向Aに直交する面内での輝度分布を示すグラフであり、図2に示す輝度分布の広がりが、上下方向の視野角の広さに対応する。図2において、横軸は、正面方向を0°とする配光角(角度)を示し、縦軸は、ピーク値を1とする相対値で表した輝度(ピーク輝度比)を示す。また、図2(a)は、比較例のサンプル(サンプル番号S1及びS2)の輝度分布、図2(b)は、本実施形態における面状照明装置10の構成例(サンプル番号S3、S4、及びS5)の輝度分布である。
同様に、図3は、本実施形態における面状照明装置10の構成例と比較例について、上下方向Bに直交する面内での輝度分布を示すグラフであり、図3に示す輝度分布の広がりが、左右方向の視野角の広さに対応する。図3において、横軸は、正面方向を0°とする配光角(角度)を示し、縦軸は、ピーク値を1とする相対値で表した輝度(ピーク輝度比)を示す。また、図3(a)は、上述した比較例のサンプルS1、S2の輝度分布、図3(b)は、上述した本実施形態における面状照明装置10の構成例のサンプルS3、S4、及びS5の輝度分布である。
ここで、比較例のサンプルS1は、導光板上に、導光板を向く側とは反対側の面にプリズムが形成された光学シート(以下、輝度向上フィルムともいう)を配置した構成、比較例のサンプルS2は、比較例S1の構成に対して、さらに、輝度向上フィルム上に上下方向の視野角を制限するルーバーフィルムを積層した構成である。
また、本実施形態における面状照明装置10の構成例の1つであるサンプルS3は、図1(b)を参照して上述した第1及び第2の凸部24、28のうち、第2の凸部28のみを有している構成、サンプルS4は、第1の凸部24のみを有している構成、サンプルS5は、第1及び第2の凸部24、28の両方を有している構成である。
ここで、各サンプルS3、S4、S5を通じて、第1の線状プリズム22の頂角αは65°、第2の線状プリズム26の頂角αは95°とした。また、サンプルS3、S5において、第2の凸部28の最大傾斜角度βは、40°とし、サンプルS4、S5において、第1の凸部24の最大傾斜角度βは、30°とした。
また、導光板の裏面側に配置される光学シートは、比較例のサンプルS1、S2については、車載用表示装置のバックライトにおいて通常使用される拡散反射部材(白色PETフィルム)とし、本実施形態に係る構成例のサンプルS3、S4、S5については、反射防止部材(黒色PETフィルム)とした。
図2(a)に示すように、比較例のサンプルS1とサンプルS2の比較から、ルーバーフィルムを使用した場合(サンプルS2)には、使用しない場合(サンプルS1)と比較して、輝度分布の広がりが狭くなることが分かる。また、サンプルS2の輝度分布では、サンプルS1の輝度分布に見られるサイドローブも消失することが分かる。すなわち、輝度の半値角によって視野角を表すものとすれば、サンプルS2では、ルーバーフィルムの作用により、上下方向の視野角が、半値角で±30°以内(±15°程度)に狭められるものであるといえる。
そして、本実施形態に係る構成例のサンプルS3、S4、S5は、図2(b)に示すように、いずれの場合についても、ルーバーフィルムを用いたサンプルS2と同様に、上下方向の視野角を狭める作用を有することが分かる。特に、第1の凸部24を有していないサンプルS3では、その上下方向の視野角は、半値角で±10°程度となっており、視野角を狭める上で、ルーバーフィルムと同等以上の機能を有することが分かる。
さらに、図3(a)に示すように、比較例のサンプルS1とサンプルS2では、左右方向に、上下方向よりも広い視野角を有するものの、その輝度分布は、正面方向(0°方向)に輝度のピーク値を取り、配光角が大きくなる(左右方向に広角になる)に従って輝度が減少するものである。これに対して、図3(b)に示すように、本実施形態に係るサンプルS3、S4、S5では、左右方向に、上下方向よりも広い視野角を有するだけでなく、その輝度分布が、正面方向(0°方向)から対称な2方向(およそ±30°方向)に輝度のピーク値を取る形状を有している。
本実施形態における面状照明装置10は、高価なルーバーフィルムを用いることなく、上述したような上下方向と左右方向に異なる視野角特性を実現するものである。そして、本実施形態における面状照明装置10を、自動車のインストルメントパネルの中央部(運転席と助手席との間)に設置される表示装置のバックライトとして使用した場合、上下方向の視野角を狭めることによって、表示画像がフロントウィンドウに写り込むことにより運転者の視界を遮ることを防止可能であるとともに、左右方向には、面状照明装置10からの出射光を運転者及び助手席に座る同乗者の双方に対して効果的に振り分けて、双方からの視認性を顕著に向上させることが可能となる。
さらに、図2(b)を参照して、本実施形態に係る構成例のサンプルS3とサンプルS5を比較すれば、第1の凸部24を有する場合(サンプルS5)には、第1の凸部24を有しない場合(サンプルS3)と比較して、上下方向の視野角は、半値角で±18°程度にまで広がることが分かる。
本実施形態における面状照明装置10では、このような第1の凸部24の調整作用によって、上下方向の視野角が必要以上に狭くなることを回避し、僅かな視点の移動によって画像の視認が困難となることを防止して、写り込み等の条件によって許容される範囲内で、表示装置の視認性を向上させることが可能となる。
そして、サンプルS3とサンプルS5について、図3(b)に示す輝度分布を比較すれば、両者はほぼ同一の輝度分布を有するものであることから、第1の凸部24による上下方向の視野角特性の調整作用は、左右方向の視野角特性に影響を及ぼすことはなく、第1の凸部24によって、上下方向の視野角特性を、左右方向の視野角特性とは独立に制御可能であることが分かる。
また、図3(b)を参照して、本実施形態に係る構成例のサンプルS4とサンプルS5を比較すれば、第2の凸部28を有する場合(サンプルS5)には、第2の凸部28を有しない場合(サンプルS4)と比較して、正面方向(0°方向)のピーク輝度比が大幅に増大することが分かる。
本実施形態における面状照明装置10では、このような第2の凸部28の調整作用によって、左右方向の視野角特性について、配光角に対して輝度が急峻に変化することを防止して、表示装置の視認性を向上させることが可能となる。
そして、サンプルS4とサンプルS5について、図2(b)に示す輝度分布を比較すれば、両者は、上下方向にほぼ同等の視野角を有するものであることから、第2の凸部28による左右方向の視野角特性の調整作用は、上下方向の視野角特性に影響を及ぼすことはなく、第2の凸部28によって、左右方向の視野角特性を、上下方向の視野角特性とは独立に制御可能であることが分かる。
ここで、本実施形態における面状照明装置10において、第1のプリズムシート14に第1の凸部24を形成しない場合、図4に示すように、第1の線状プリズム32の先端部分33を、その延在方向に直交する断面の外形が円弧状となるように形成するものであってもよい。同様に、第2のプリズムシート16に第2の凸部28を形成しない場合、図4に示すように、第2の線状プリズム(同様に符号32で示す)の先端部分33を、その延在方向に直交する断面の外形が円弧状となるように形成するものであってもよい。
この場合、第1及び第2の線状プリズム32の先端部分が、それぞれ第1の凸部24及び第2の凸部28と同様の作用効果を奏するものである。
10:面状照明装置、12:導光板、12a:出射面、13:入光面、14:第1のプリズムシート、15:点状光源、16:第2のプリズムシート、18:光学シート、22:第1の線状プリズム、24:第1の凸部、26:第2の線状プリズム、28:第2の凸部

Claims (3)

  1. 点状光源と、前記点状光源が配置される入光面及び該入光面から入光した前記点状光源からの光を面状に出射する出射面を有する導光板と、前記導光板の前記出射面上に配置され、前記出射面から出射した光の方向を所定の方向に変更するための複数の第1の線状プリズムが、前記出射面側を向く面に形成された第1のプリズムシートと、前記第1のプリズムシート上に配置され、前記第1の線状プリズムの延在方向と直交する方向に延在して前記第1のプリズムシートから出射した光を2方向に分岐するための複数の第2の線状プリズムが、前記第1のプリズムシートを向く面に形成された第2のプリズムシートと、を備えており、
    前記第1のプリズムシートの複数の前記第1の線状プリズムが形成された面の反対側の面に形成され、前記第1の線状プリズムに平行に延び、かつ、延在方向に直交する断面の外形が円弧状の第1の凸部、及び、前記第2のプリズムシートの複数の前記第2の線状プリズムが形成された面の反対側の面に形成され、前記第2の線状プリズムに平行に延び、延在方向に直交する断面の外形が円弧状の第2の凸部のいずれか一方または両方をさらに備え、
    前記第1の凸部の外周面の最大傾斜角度は、40°以下であり、前記第2の凸部の外周面の最大傾斜角度は、60°以下であることを特徴とする面状照明装置。
  2. 前記第2のプリズムシートに形成された複数の前記第2の線状プリズムの頂角は、70°以上かつ110°以下であることを特徴とする請求項1に記載の面状照明装置。
  3. 前記第1の凸部及び前記第2の凸部のうちのいずれか一方のみを備えており、前記第1のプリズムシート及び前記第2のプリズムシートのうちの凸部を有していない方が備える線状プリズムの先端部分は、該線状プリズムの延在方向に直交する断面の外形が円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の面状照明装置。
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