JP5769459B2 - 面発光レーザの製造方法及び面発光レーザアレイの製造方法 - Google Patents
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Description
この面発光レーザは、活性領域の両側を二つの反射鏡で挟み、基板に対して垂直な方向に共振器を形成し、基板に対して垂直方向に光を出射する。
ところで、このような面発光レーザにおいて、発振する横モードの制御は重要な課題であり、電子写真、あるいは通信などへの応用を考えると、横モード出力は単一モード(シングルモード)であることが求められる。
このため、面発光レーザでは素子内部に選択酸化による電流狭窄構造を設け、これにより活性層の発光領域を制限することによって、単一横モード化が図られている。
しかし、この電流狭窄構造だけで単一横モード化を試みると、狭窄径を小さくしなければならず、狭窄径を小さくすると、発光領域が小さくなり大きなレーザ出力を得ることが難しい。
その方法の一つとして、特許文献1では、面発光レーザにおいて、光出射領域のうち発光中心領域に対応する中央領域を囲む周辺領域の反射率分布が中央領域のそれよりも低くなるように構成された半導体層による段差構造を形成した面発光レーザが提案されている。
特許文献1では、このような構造を形成することにより、中央領域を囲む周辺領域の反射率分布が中央領域のそれよりも相対的に低くなり、基本横モードの光出力を低減することなく高次横モード発振を抑制することが可能とされている。
なお、以上のような段差構造を、本明細書では以下、表面レリーフ構造と称する。
すなわち、高次横モードへの反射損を大きくして、高次横モードの発振を抑制し、基本横モードによる単一モード発振を効率良く得るためには、表面レリーフ構造と電流狭窄構造における非酸化領域との位置合わせを正確にする。それと共に、高反射率面と低反射率面の段差を1/4波長の奇数倍の光学厚さ(λ/4nの奇数倍、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)とすることが望ましい。
例えば、表面レリーフ構造と電流狭窄構造の中心軸がずれていると、発振させたいモード(例えば、基本横モード)に意図しない損失を導入することとなる。
また、高反射率面と低反射率面の段差が1/4波長の奇数倍の光学厚さからずれていると、基本横モードと高次横モードの間に十分な損失差を導入することができなくなる。
この手法は、表面レリーフ構造と電流狭窄構造の中心軸の位置合わせを正確に達成するという観点においては、非常に有益な製造方法である。ところで、表面レリーフ構造の深さ制御という観点においては、更なる精度の向上が必要となる場合もある。
具体的には、特許文献1に開示されている作製方法においては、表面レリーフ構造を初期の工程で形成しており、その後の工程で、先に形成した表面レリーフ構造にダメージを与える(表面を削る)場合がある。そのため、最も損失差を大きく与えられる深さ(段差)である1/4波長の奇数倍の光学厚さを安定に形成する上で、必ずしも満足の得られるものではない。
すなわち、第1および第2のパターンを形成した第一の誘電体膜を含む半導体層の上に、第二の誘電体膜を形成する工程を実施する。
また、メサ構造形成に続いて、電流狭窄構造を形成した後に、少なくとも第2のパターンが形成された半導体層の上の第二の誘電体膜を除去する工程を実施する。
更に、第二の誘電体膜が除去された前記第一の誘電体膜の第2のパターンを用いて、表面レリーフ構造を形成する工程を実施する。
これらにより、表面レリーフ構造の段差(深さ)を1/4波長の奇数倍の光学厚さに安定して形成することが可能となる。
すなわち、表面レリーフ構造の中心位置と電流狭窄構造の中心位置とが位置合わせされ、且つ基本横モードと高次横モードの間に最も大きな損失差を導入する表面レリーフ構造を備えた面発光レーザを製造する方法を提供することができる。また、このような面発光レーザの製造方法による面発光レーザを複数個配置して面発光レーザアレイを製造する面発光レーザアレイの製造方法を提供することができる。
以上のように、本実施形態の構成によれば、表面レリーフ構造の中心位置と電流狭窄構造の中心位置とを高精度で位置合わせすることが可能となる。
また、作製過程において、表面への損傷を軽減することができ、かつ1/4波長の奇数倍の光学長さに対応する深さ(段差)を有する表面レリーフ構造を精度良く形成することが可能となる。
[実施例1]
実施例1においては、凸型の表面レリーフ構造を有する垂直共振器型面発光レーザの製造方法について説明する。
図1に、本発明における垂直共振器型面発光レーザの構成を説明する模式図を示す。
図1(a)は本実施例における面発光レーザの断面模式図であり、100はn側電極、102は基板、104は下部DBRミラー(多層膜反射鏡)、106は活性層、108は電流狭窄部(酸化領域)、110は非酸化領域である。
また、112は上部DBRミラー(多層膜反射鏡)、114は誘電体膜、116は絶縁膜、118はp側電極(パッド電極)、120は表面レリーフ構造、122は光出射領域である。
図1(b)は光出射領域122周辺の拡大図であり、124は高反射率領域、126は低反射率領域である。
また、表面レリーフ構造を形成する領域の層構成は、上部DBRミラー112の表面に形成した、p型Al0.5Ga0.5As層128、p型AlGaInPエッチングストップ層130、p型Al0.5Ga0.5As層132、p型GaAsコンタクト層134よりなる。
なお、最も効率良く単一横モード動作を得るためには、つぎの三つの層の合計層厚を、上記した1/4波長の奇数倍の光学厚さ(λ/4nの奇数倍、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)にするのが望ましい。
すなわち、p型AlGaInPエッチングストップ層130、p型Al0.5Ga0.5As層132、p型GaAsコンタクト層134の三つの層の合計層厚を上記光学厚さにするのが望ましい。
特に、非酸化領域110の直径が7ミクロン以下の場合では、表面レリーフ構造120における高反射率領域124の直径が、非酸化領域の直径の半分から3/4となるように形成することにより、高出力かつ単一横モード発振が可能となる。
このように、表面レリーフ構造の中心軸と電流狭窄構造の非酸化領域(発光領域)の中心軸を揃え、且つ非酸化領域の直径と表面レリーフ構造における高反射率領域124の直径の関係を適切にとる。
これらにより、基本モードに損失を与えることなく、且つ高次モードの出射を抑制することができ、高出力かつ基本モードによる単一横モード発振が可能となる。
図2から図7に、本実施例における垂直共振器型面発光レーザの製造方法を説明する図を示す。
まず、図2(a)に示すように、MOCVD結晶成長技術を用いて、n型GaAs基板200上に、バッファー層(不図示)を介して、n型AlAs/Al0.5Ga0.5As多層膜(下部DBRミラー)202を成長させる。
更にその上に、n型AlGaInPスペーサー層204、GaInP/AlGaInPMQW活性層206を、順次成長させる。
そして、この活性層206上に、p型AlGaInPスペーサー層208、p型Al0.98Ga0.02As選択酸化層210を成長させる。
更にその上に、p型Al0.9Ga0.1As/Al0.5Ga0.5As多層膜212を成長させる。
引き続きp型AlGaInPエッチングストップ層214、p型Al0.5Ga0.5As層216、p型GaAsコンタクト層218を、順次成長させ、DBRミラー層とする。
1/2波長のN倍の光学厚さ(λ/2nのN倍、N:1以上の自然数、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)を有するp型Al0.5Ga0.5As層220(前記p型Al0.9Ga0.1As/Al0.5Ga0.5As多層膜212の最上層)と、
p型AlGaInPエッチングストップ層214と、p型Al0.5Ga0.5As層216、p型GaAsコンタクト層218と、
で構成される。
なお、最も効率良く単一横モード動作を得るためには、p型AlGaInPエッチングストップ層214、p型Al0.5Ga0.5As層216、p型GaAsコンタクト層218の三つの層の合計層厚を、
上記した1/4波長の奇数倍の光学厚さ(λ/4nの奇数倍、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)にするのが望ましい。
一例として、p型AlGaInPエッチングストップ層214を10nm、p型GaAsコンタクト層218を20nmとし、p型Al0.5Ga0.5As層216の厚さを適切に取ることで、三つの層の合計層厚を上記した1/4波長の奇数倍の光学厚さとする。
このように、基板上に、下部反射ミラー、活性層、選択酸化層(電流狭窄増)、上部反射ミラー、コンタクト層、を含む複数の半導体層を順次成長させる。
そして、図3(a)に示すように、これらの積層された半導体層上に第一の誘電体膜222を形成する。
例えば、第一の誘電体膜222の材料としては、シリコンオキサイド、シリコンナイトライドまたはシリコンオキシナイトライドのいずれかを用いることができる。
続いて、222の第一の誘電体膜上にリソグラフィ技術を用いて、第一のレジストパターン224を形成する(図3(b))。
図8に示すように、第一のレジスト膜224には、第一の誘電体膜222上に中心軸が同一である(大小異なる環状の)パターン(第1のパターン226、第2のパターン228)が開口するように形成されている。
なお、図8に示された構成では、中心軸を同じとする、形状の異なるパターンが、大きい径の円環状のパターンと小さい径の円開口パターンで同心円環状に構成されているが、このような構成に限定されるものではない。
例えば、大きい環状のパターンを正方環状のパターンなどとし、同心正方環状に構成してもよい。
なお、この工程において、第1及び第2のパターンは、リソグラフィ技術により、第一の誘電体膜222上に一括で形成されるため、前記第1のパターン及び第2のパターンの相対位置関係が規定されることになる。
小さい径の円開口パターン(第2のパターン228)によって表面レリーフ構造(段差構造)が画定され、大きい径の円環状の開口パターン(第1のパターン226)によってメサ構造の径が決定される。
この結果、酸化狭窄構造と表面レリーフ構造(段差構造)の位置関係を精度よく設定することができる。
なお、この転写はウエットエッチングによるだけでなく、ドライエッチングによって行ってもよい。
この際に、第一の誘電体膜222には、中心軸が同一である大小二つの異なる環状の開口パターンによる前記第1のパターンと第2のパターンが形成されるように転写される。
上記バッファードフッ酸を用いたウエットエッチングを行った後に、第一のレジストパターン224除去する。
次に、図3(d)に示すように、第1のパターン226及び第2のパターン228が形成された第一の誘電体膜222を有した積層された半導体層上に、CVD成膜技術を用いて第二の誘電体膜230を成膜する。
この第二の誘電体膜230は、表面レリーフ構造を保護するための層であり、例えば200nmで形成する。
第二の誘電体膜230としては、例えばシリコンオキサイド膜、シリコンナイトライド膜、シリコンオキシナイトライド膜が挙げられる。
このように、本実施例では、表面レリーフ構造は第二の誘電体膜230で保護されているため、後の工程(図5(a))でレジストを除去するための酸素プラズマアッシングを実施しても、表面レリーフ構造表面への損傷を低減することができる。
ところで、この工程においては、第一の誘電体膜222に形成した第1のパターン226を覆うように第二の誘電体膜230が形成され、フォトリソグラフィにより決定したパターン形状が変化してしまうことになる。
しかし、第二の誘電体膜230は例えばプラズマCVD法を用いて成膜するため、第二の誘電体膜230は第一の誘電体膜222に形成した第1のパターン226の側壁に、第一の誘電体膜222の膜厚より薄い均一な厚さで成膜される。
このため、メサ構造を画定するための第1のパターン226の幅は狭まるが、均一な膜厚の第二の誘電体膜230が等方的に成膜されることから、後の工程(図4(d))のメサ構造の形成に際し、ドライエッチングにおいて支障をきたすことは少ない。
次に、図4(b)に示すように、第二のレジストパターン232をマスクとして、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチングにより、第二の誘電体膜230の一部を除去する。
なお、第二の誘電体膜230は表面レリーフ構造を保護するための層であり、前記第一の誘電体膜222よりも薄い膜厚で形成することが望ましい。
仮に、厚く形成すると、第二の誘電体膜230の一部を除去する際にエッチング時間が長く必要になり、第一の誘電体膜222に対するサイドエッチング量が増すこととなり、当初の設計値からずれる可能性があるからである。
本実施例においては、第一の誘電体膜222の厚さを1μm、第二の誘電体膜230の厚さを200nmとした。
次に、図4(c)に示すように、ドライエッチングにより、n型AlGaInPスペーサー層204が露出するように(下部DBRミラー層202は露出させない)、トレンチ234を形成することにより、メサ構造のポストが作製される。なお、表面レリーフを画定する第2のパターン228に形成した第二のレジストパターン232は、ドライエッチング後にも残存するように形成することが望ましい。
仮に、レジストがなくなると、第二の誘電体膜230がドライエッチング中に除去されることとなり、積層された半導体層にダメージ(削れなど)を与える可能性があるからである。
なお、図4(c)では、n型AlGaInPスペーサー層204が露出するまでドライエッチングを行っている。
しかし、電流狭窄構造を形成するp型Al0.98Ga0.02As選択酸化層210側壁が完全に露出するまでエッチングすれば良く、必ずしもn型AlGaInPスペーサー層204が露出するまでドライエッチングする必要はない。
次に、図4(d)に示すように、酸素プラズマアッシング技術を用いて、第二のレジストパターン232を除去する。
この際に、積層された半導体層は第二の誘電体膜230で保護されているため、積層された半導体層表面への損傷を防止することができる。
この際に、トレンチ234以外の積層された半導体層の表面は第一の誘電体膜222あるいは第二の誘電体膜230で覆われているため、積層された半導体層の表面を酸化工程から保護することもできる。
このため、後の工程(図7(a)、(b))で形成する電極をコンタクト抵抗が良好な状態で形成することが可能となる。
具体的には、まず図5(b)に示すように、メサ上部の第一の誘電体膜222及び第二の誘電体膜230を露出するように第三のレジストパターン240を形成する。次に、図5(c)に示すように、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウエットエッチングにより、第二の誘電体膜230を除去する。このウエットエッチングは、第二の誘電体を除去するに足る時間以上は行わないことが好ましい。なお、表面への損傷の影響を考慮するとウエットエッチングが好ましいが、ドライエッチングによって行っても良い。本実施例では、メサ構造の側壁を、BHFによる浸食(エッチング)から保護するため、第三のレジストパターン240を形成しているが、必ずしも形成する必要はない。
次に、図5(d)に示すように、第2のパターンが形成された第一の誘電体膜をマスクとして、上部反射ミラー中の第一のエッチングストップ層を用い、半導体層の表面に、第2のパターンを形成する。
このような第一のエッチングストップ層としては、AlとGaとInとPとから、あるいはGaとInとPとから構成される混晶を用いることができる。
具体的には、図5(d)に示すように、第2のパターンが形成された第一の誘電体膜をマスクとし、次のようにパターンを転写する。
ここでは、例えば10nm厚のp型AlGaInPエッチングストップ層(第一のエッチングストップ層)214(例えば(AlxGa)InyP、x=0.5、y=0.5)を用いる。
そして、ウエットエッチングによりp型GaAsコンタクト層218/p型Al0.5Ga0.5As層216にパターンを転写する。
この工程では、エッチングストップ層の選択比が、p型GaAsコンタクト層218、及びp型Al0.5Ga0.5As層216に対して、10倍以上となるリン酸系のエッチャントを用いた。
なお、表面への損傷の影響を考慮するとウエットエッチングが好ましいが、ドライエッチングによって行っても良い。
第二の誘電体膜の除去と、第2のパターンに沿って行われる第一のエッチングストップ層の除去とが、同一工程で実施される。
具体的には、図6(a)に示すように、ウエットエッチングにより、第一の誘電体膜222を除去すると共に、第一のエッチングストップ層を第2のパターンに沿って除去し、この第一のエッチングストップ層にパターンを転写する。図9(a)はウエットエッチング前を示し、図9(b)はウエットエッチング後を示している。
この工程では、図9(a)と図9(b)に示すように、第一の誘電体膜222、p型GaAsコンタクト層218及びp型Al0.5Ga0.5As層216の3層をマスクとし、つぎのようにパターンが転写される。
すなわち、上記3層をマスクとし、p型Al0.5Ga0.5As層220をエッチングストップ層(第二のエッチングストップ層)として機能させる。
そして、この第二のエッチングストップ層を用いて、p型AlGaInPエッチングストップ層(第一のエッチングストップ層)214(例えば(AlxGa)InyP、x=0.5、y=0.5)にパターンが転写される。
このような第二のエッチングストップ層としては、AlとGaとAsとから構成される混晶であり、Al組成が75%以下のものを用いることができる。
また、上記第一のエッチングストップ層にパターンを転写する際、第一の誘電体膜222の直下に配置したp型GaAsコンタクト層218をエッチングストップ層(第三のエッチングストップ層)として用いるようにしてもよい。
このような第三のエッチングストップ層と、上記した第一のエッチングストップ層及び第二のエッチングストップ層とは、同一の伝導型で構成することができる。
また、この際のエッチャントとして、p型Al0.5Ga0.5As層220の選択比が、p型AlGaInPエッチングストップ層214に対して、10倍以上となるフッ化水素酸とフッ化アンモニウムを含むバッファードフッ酸を用いた。
この工程において、第一の誘電体膜222がマスクの最上層であるため、表面レリーフ構造表面を削ることなく、十分な選択比を有して表面レリーフ構造を形成することができる。
この工程により、p型GaAsコンタクト層218及びp型Al0.5Ga0.5As層216に加え、p型AlGaInPエッチングストップ層214がエッチングされる。これにより、表面レリーフ構造(1/4波長の奇数倍の光学厚さ(深さ)を有する段差構造)が形成される。
このとき、絶縁膜242の膜厚をdとすると、
d=(Nλ)/(2nd)
の関係を満足させるように構成すれば、表面レリーフ構造として形成した高反射率領域及び低反射率領域の反射率を変化させることはない。
但し、λは発振波長、ndは絶縁膜242の屈折率であり、Nは1以上の自然数である。
次に、図6(c)に示すように、リソグラフィ技術を用いて、第四のレジストパターン244を形成する。
その後、図6(d)に示すように、バッファードフッ酸を用いたウエットエッチングにより、絶縁膜242を除去し、コンタクト層218の一部を露出させる。
次に、図7(b)に示す工程において、金属蒸着技術を用いて表面にTi/Auからなる金属膜248を蒸着する。
次に、図7(c)に示す工程において、リフトオフ技術により、出射口が開くようにパッド電極250を形成する。
次に、図7(d)に示す工程において、金属蒸着技術を用いてn型GaAs基板裏面にn側電極(AuGe/Ni/Au)252を形成する。
以上説明した本実施例の工程によれば、位置精度の高いフォトリソグラフィ技術を用いて、互いの中心軸が一致した、形状の異なる二つの開口パターンが形成される(大きい径の円環状の開口パターンと、小さい径の円開口パターン)。
そして、この小さい円開口パターンによって反射率分布の高低を制御した表面レリーフ構造が画定され、大きい円環状の開口パターンによってメサ構造の外径が画定され電流狭窄構造の非酸化領域が画定される。
したがって、表面レリーフ構造の中心軸と、電流狭窄構造の非酸化領域の中心軸とを高い位置精度で制御することができる。
また、大きい円環状の開口パターンを用いて、ドライエッチングにてメサ構造を形成する際には、小さい円開口パターンに形成されている表面レリーフ構造を誘電体膜とレジストにて保護しており、表面レリーフ構造が外部に露出することがない。
また、電流狭窄構造形成の後に、第一及び第二の誘電体層を除去する際に、p型AlGaInPエッチングストップ層にパターン転写が行われる。
その際には、前述したようにGaAsコンタクト層218およびp型Al0.5Ga0.5As層220(p型AlGaInP層の下の層)をエッチングストップ層として機能させることができる。
これにより、3つの層(GaAsコンタクト層、p型Al0.5Ga0.5As層(GaAsコンタクト層とp型AlGaInP層に挟まれた層)、
および、p型AlGaInP層)の合計層厚に起因する上記した1/4波長の奇数倍の光学厚さ(λ/4nの奇数倍、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)の段差を有する表面レリーフ構造を精度良く形成することができる。
つまり、メサ形成ドライエッチング工程を終了した時点で、第二の誘電体膜230の膜厚が、第二のレジストパターン232を除去しない場合の第二の誘電体膜230の膜厚と同程度残存するように形成しておけば、第二のレジストパターン232を除去してもよい。
このように、メサ形成前に第二のレジストパターン232を除去する場合は、メサ形成ドライエッチングの後に除去する場合と比べ、容易に除去することが可能となり、工程が簡略化できる。
なお、本実施例では、p型AlGaInPエッチングストップ層として、(AlxGa)InyP、x=0.5、y=0.5を用いたが、選択比を満足するのであれば、この組成比に限定されるものではない。
例えば、p型GazInP層(z=0.5)であってもよい。
また、本実施例では、選択酸化により電流狭窄構造を形成した面発光レーザについて述べたがこれに限定されるものではない。
例えば、誘電体膜除去工程により、上記第1のパターンにおける露出した上記第二の誘電体膜と、該第二の誘電体膜よりも下層の第一の誘電体膜を除去する。
そして、この誘電体膜除去工程の後に、絶縁領域形成工程において前記第1のパターンよりプロトンイオン注入を行い、前記半導体層に絶縁領域を形成し、電流狭窄構造を形成するようにしてもよい。
例えば、表面レリーフ構造を形成する層の厚さの合計が、1/4波長の奇数倍の光学厚さ(λ/4nの奇数倍、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)を満たすものであれば、エッチングストップ層とコンタクト層の二つの層の組合せであっても良い。
また、本実施例では、680nm帯面発光レーザについて述べたがこれに限定されるものではなく、例えば850nm帯(GaAs/AlGaAs活性層系)などの面発光レーザにも適用可能である。
また、本実施例において示した、MOCVD結晶成長技術、リソグラフィ、エッチング、アッシング及び蒸着に用いた手法(装置)あるいは記述手法(装置)に限るものではなく、同様の効果が得られるのであればいかなる手法(装置)であっても良い。
また、本実施例では、単素子の面発光レーザの製造方法について説明したが、この単素子の面発光レーザを複数個配置したアレイにも上述の製造方法を適用することができる。
実施例2においては、凹型の表面レリーフ構造を有する垂直共振器型面発光レーザの製造方法等について説明する。
図10に、本実施例における垂直共振器型面発光レーザの構成を説明する模式図を示す。
図10(a)は光出射領域を説明する断面模式図であり、122は光出射領域である。図10(b)は上記光出射領域122の拡大図である。
図10では、実施例1の構成を示す図1と同一の構成については同一の符号が用いられていることから、重複する部分の説明は省略する。
実施例1では高反射率領域124が凸状になっていたが、本実施例では、低反射率領域126が凸状になっており、凹型の表面レリーフ構造が形成されている。
実施例1における製造方法と異なり、表面レリーフ構造を形成する領域の層構成は、図10(b)に示すように、つぎのような層構成を備える。
すなわち、p型Al0.9Ga0.1As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層112と、p型AlGaInPエッチングストップ層130、p型GaAs層134とによる層構成を備える。
なお、最も効率良く単一横モード動作を得るためには、p型AlGaInPエッチングストップ層130、p型GaAs層134の二つの層の合計層厚を1/4波長の奇数倍の光学厚さ(λ/4nの奇数倍、λ:発振波長、n:半導体層の屈折率)にするのが望ましい。
また、第一のレジストパターンにおける第2のパターン部分も異なる。
その他の工程は、実施例1と同様である。
図11(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は斜視図におけるy−y’断面図である。
図11において、222は第一の誘電体膜、224は第一のレジストパターン、226は第1のパターン、及び228は第2のパターンである。
図11に示すように、第一のレジストパターン224は、第一の誘電体膜222上に中心軸が同一である大小異なるパターン(第1のパターン226、第2のパターン228)が開口するように形成されている。
この第1のパターン226はメサ構造を形成するためのパターンとなり、第2のパターン228は表面レリーフ構造を形成するためのパターンとなる。
なお、この図11に示された構成では、中心軸を同じとする、形状の異なるパターンが、大きい径の円環状パターンと小さい径の円開口パターンで構成されているが、このような構成に限定されるものではない。
例えば、大きい環状のパターンを正方環状のパターン等としても良い。
実施例3として、図12を用いて本発明を適用した垂直共振器型面発光レーザがアレイ状に配列して構成された面発光レーザアレイを、光源として備えられている光学機器の構成例について説明する。
ここでは、光学機器として、上記面発光レーザによるレーザアレイを用いて構成した画像形成装置の構成例について説明する。
図12(a)は画像形成装置の平面図であり、図12(b)は同装置の側面図である。
図12において、2000は感光ドラム(感光体)、2002は帯電器、2004は現像器、2006は転写帯電器、2008は定着器、2010は回転多面鏡、2012はモータである。
また、2014は面発光レーザアレイ、2016は反射鏡、2018はコリメータレンズ及び2020はf−θレンズである。
本実施例においては、図12(b)に示されるモータ2012によって、回転多面鏡2010が回転駆動するように構成されている。
面発光レーザアレイ2014は、記録用光源となるものであり、レーザドライバ(図示せず)により画像信号に応じて点灯または消灯するように構成されている。
こうして光変調されたレーザ光は、面発光レーザアレイ2014からコリメータレンズ2018を介し回転多面鏡2010に向けて照射される。
回転多面鏡2010は矢印方向に回転していて、面発光レーザアレイ2014から出力されたレーザ光は、回転多面鏡2010の回転に伴い、その反射面で連続的に出射角度を変える偏向ビームとして反射される。
この反射光は、f−θレンズ2020により歪曲収差の補正等を受け、反射鏡2016を経て感光ドラム2000に照射され、感光ドラム2000上で主走査方向に走査される。
このとき、回転多面鏡2010の1面を介したビーム光の反射により、感光ドラム2000の主走査方向に面発光レーザアレイ2014に対応した複数のライン分の画像が形成される。
また、感光ドラム2000は矢印方向に回転していて、形成された静電潜像は現像器2004により現像され、現像された可視像は転写帯電器2006により、転写紙に転写される。
可視像が転写された転写紙は、定着器2008に搬送され、定着を行った後に機外に排出される。
なお、上記説明では、光学機器として画像形成装置を構成した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、本発明のレーザアレイを光源として用い、画像表示体と、光偏向器と、を有する構成として、前記光源からの光を前記光偏向器により偏向した光を、前記画像表示体上に入射可能としてプロジェクションディスプレイを構成するようにしてもよい。
102:基板
104:下部DBRミラー
106:活性層
108:電流狭窄部(酸化領域)
110:非酸化領域
112:上部DBRミラー
114:誘電体膜
116:絶縁膜
118:p側電極
120:表面レリーフ構造
122:光出射領域
124:高反射率領域
126:低反射率領域
128:p型Al0.5Ga0.5As層
130:p型AlGaInPエッチングストップ層
132:p型Al0.5Ga0.5As層
134:p型GaAsコンタクト層
Claims (6)
- 基板上に、下部反射ミラーと活性層と選択酸化層と上部反射ミラーとを含む積層体と、前記積層体の表面に形成された表面レリーフ構造と、を備え、メサ構造に構成された面発光レーザの製造方法であって、
下部反射ミラーと活性層と選択酸化層と上部反射ミラーとを含む積層体を形成する工程と、
前記積層体の上に、マスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜に、メサ構造を画定するための第1のパターンと表面レリーフ構造を画定するための第2のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターンと前記第2のパターンが形成された前記マスク膜の上と前記第1のパターンと前記第2のパターンに対応する前記積層体の上に、保護膜を形成する工程と、
前記第2のパターンに対応する前記積層体の上の前記保護膜を残して、前記第1のパターンに対応する積層体の上の前記保護膜を除去する工程と、
前記保護膜が除去された前記マスク膜の前記第1のパターンを用いて、前記メサ構造を形成する工程と、
前記メサ構造を形成する工程の後に、前記選択酸化層を選択的に酸化して電流狭窄構造を形成する工程と、
前記電流狭窄構造を形成する工程の後に、前記第2のパターンに対応する前記積層体の上の前記保護膜を除去する工程と、
前記保護膜が除去された前記マスク膜の前記第2のパターンを用いて、前記積層体の表面に前記第2のパターンを形成する工程と、
前記積層体の表面に形成された前記第2のパターンを用いてエッチングプロセスで表面レリーフ構造の下面を形成する工程と、前記マスク膜を除去して前記表面レリーフ構造の上面を形成する工程と、を同時に行い、前記表面レリーフ構造を形成する工程と、
を有することを特徴とする面発光レーザの製造方法。 - 前記保護膜は、前記マスク膜よりも薄い膜厚を有することを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記保護膜を形成する工程において、前記保護膜は前記マスク膜の側壁にまで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記第1のパターンの中心軸と前記第2のパターンの中心軸とが一致していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記マスク膜と前記保護膜は、誘電体膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面発光レーザの製造方法。
- 複数の面発光レーザを有する面発光レーザアレイの製造方法であって、
前記複数の面発光レーザの少なくとも一つの面発光レーザを、請求項1から5のいずれか1項に記載の面発光レーザの製造方法を用いて製造することを特徴とする面発光レーザアレイの製造方法。
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