JP5769363B2 - パラメータ決定装置及び方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、パラメータ決定装置及び方法並びにプログラムに関するものである。
従来、例えば、潜水艇のような航走体では、ピッチ制御及び深度制御等の複数の制御器を備えており、これらの制御器を切替ながら航走を行うことが知られている。制御器を切替える場合、切替後の制御器に所定の初期値を与えることが必要となる。従来、初期値は各制御器が予め保有している演算式を用いて算出していた。
特開2003−121306号公報
従来、上記初期値を求めるための演算式として、主として2つの演算式が知られている。一の演算式を用いて初期値を設定した場合には、切替動作をスムーズに行うことができるが、追従性に劣るということが知られており、他の演算式を用いて初期値を設定した場合には、追従性は向上するが、切替動作がスムーズに行えないということが知られている。
従来、制御器は、いずれか一方の演算式を保有しており、この演算式を用いて制御切替時における初期値を設定していたため、切替動作の円滑性と、制御の追従性とを同時に満足するような初期値を与えることができないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、制御器の切替時において、切替後の制御の特徴を調整することのできるパラメータ決定装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、複数の制御器を備えるシステムにおいて、処理を行う制御器を切り替える場合に、切替後の前記制御器で用いる状態変数の初期値を決定するパラメータ決定装置であって、切替動作の円滑性及び制御の追従性を相反する特徴とし、前記相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなるとともに、該相反する特徴の重み付けを変更可能とするパラメータ算出演算式を備え、前記パラメータ算出演算式は、切替後の前記制御器に対する前記相反する特徴の利き方が、前記相反する特徴の前記重み付けがユーザによって設定されることで状況に応じて調整されるものであり、前記パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の前記制御器において使用される前記初期値を決定することを特徴とするパラメータ決定装置を提供する。
このような構成によれば、パラメータ算出演算式は、相反する特徴を有する複数の演算式が組み合わせられ、かつ、相反する特徴の重みづけを変更可能にされている。このパラメータ算出演算式を用いて切替後の制御器において使用されるパラメータ(例えば、初期値)が決定される。このように、相反する特徴を有する複数の演算式を組み合わせてパラメータ算出演算式が構成されているので、様々な特徴を併せ持つパラメータ(例えば、初期値)を設定することが可能となる。更に、パラメータ算出演算式を構成する各演算式の重み付けを調整することにより、各特徴の利き方を調整することができ、状況に応じたパラメータ(例えば、初期値)を決定することが可能となる。
また、相反する特徴を有する複数の演算式を組み合わせることにより、より広範な特徴を持たせることができる。
このように、相反する特徴を有する複数の演算式を組み合わせることにより、より広範な特徴を持たせることができる。
上記パラメータ決定装置における前記パラメータ算出演算式は、前記相反する特徴を有する複数の演算式をそれぞれ多項式で表し、該相反する特徴を有する複数の演算式を線形結合し、該多項式のそれぞれの項に変更可能な係数を設けた演算式であることを特徴とすることとしてもよい。
このように、多項式のそれぞれの項に設定された係数を変更することで、特徴の重みづけを容易に変更できる。
本発明は、複数の制御器を備えるシステムにおいて、処理を行う制御器を切り替える場合に、切替後の前記制御器で用いる状態変数の初期値を決定するパラメータ決定方法であって、切替動作の円滑性及び制御の追従性を相反する特徴とし、前記相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなり、該相反する特徴の重み付けを変更可能とするパラメータ算出演算式を備え、前記パラメータ算出演算式は、切替後の前記制御器に対する前記相反する特徴の利き方が、前記相反する特徴の前記重み付けがユーザによって設定されることで状況に応じて調整されるものであり、前記パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の前記制御器において使用される前記初期値を決定するパラメータ決定方法を提供する。
本発明は、複数の制御器を備えるシステムにおいて、処理を行う制御器を切り替える場合に、切替後の前記制御器で用いる状態変数の初期値を決定するパラメータ決定プログラムであって、切替動作の円滑性及び制御の追従性を相反する特徴とし、前記相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなり、該相反する特徴の重み付けを変更可能とするパラメータ算出演算式を備え、前記パラメータ算出演算式は、切替後の前記制御器に対する前記相反する特徴の利き方が、前記相反する特徴の前記重み付けがユーザによって設定されることで状況に応じて調整されるものであり、前記パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の前記制御器において使用される前記初期値を決定することをコンピュータに実行させるパラメータ決定プログラムを提供する。
本発明によれば、制御器の切替時において、切替後の制御の特徴を調整することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る制御器切替システムの機能を示した一例のブロック図である。 指令値算出部の一例を示したブロック図である。 方式1と方式2とを使用して初期値を設定した場合の切り替え方法の特徴を示した図である。 本発明の一実施形態に係る制御器切替システムの動作フローを示した図である。 本発明の一実施形態に係る制御器切替システムの動作フローを示した図である。
以下に、本発明に係るパラメータ決定装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、3つの制御器の切替を制御する制御器切替システムに適用されるパラメータ決定装置を例に挙げて説明する。また、本実施形態において制御器切替システムの制御対象となる制御器は3つであるが、制御器の個数は特に限定されない。また、本実施形態においては、潜水艇のような航走体に備えられた制御器を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、自動車等の車両に設けられることとしてもよい。
図1は、本実施形態に係る複数の制御器の切替を制御する制御器切替システム1の概略構成を示したブロック図である。
制御器切替システム1は、3台の制御器A、B、Cの切替を制御するシステムであって、初期パラメータ設定部10、データ読込部11、制御器判定部12、パラメータ設定装置13、指令値算出部14、第1前回値設定部15、第2前回値設定部16、および演算継続判定部17を備えている。
初期パラメータ設定部10は、制御器が切り替えられる前に使用されていた制御器(以下「切替前の制御器」という。)を示す切替前フラグCflag_oldを設定する。例えば、制御器切替システム1が初期起動の場合は、制御器の切り替えが行われておらず、切替前の制御器はないので、切替前フラグCflag_oldには初期起動であることを示す「0」が設定される。また、初期起動の場合には、制御器A、B、およびCの制御量は起動時の制御量を設定し、yaold=y、ybold=y、ycold=yとする。
初期パラメータ設定部10は、Cflag_old、yaold、ybold、およびycoldをデータ読込部11に出力する。
データ読込部11は、切替前の制御器におけるパラメータ(以下「切替前パラメータ」という。)を読み込む。この切替前パラメータは、切替後の制御器に対する指令値を算出するのに必要とされる。また、切替後の制御器として選択された制御器の情報を読み取り、切替後の制御器を示すフラグCflagに設定する。なお、データ読込部11が取得する切替前パラメータは、初期パラメータ設定部10または継続判定部17から入力されるデータである。
具体的には、指令値を算出するのに必要とされる切替前パラメータは、例えば、Cflag_old、切替後の制御器として選択された制御器における操作量を検知するセンサの値u、制御量の目標である目標値r、制御器A、BおよびCのそれぞれの制御量yaold、ybold、ycold等である。また、データ読込部11において、切替後の制御器として選択された制御器を示すフラグCflagは、例えば、制御器Aである場合には1、制御器Bである場合は2、制御器Cである場合には3とのように、数値で設定される。
このようにデータ読込部11に読み込まれた制御器の切替前パラメータ、および制御器のフラグCflagは、制御器判定部12に出力される。
制御器判定部12は、制御器フラグCflagに基づいて、切替後の制御器として選択された制御器を識別する。また、データ読込部11から取得した切替前フラグCflag_oldと、選択された制御器フラグCflagとを比較し、Cflag_old=Cflagが成立するか否かを判定する。成立する場合には、制御器の切り替えが行われていないので、データ読込部11から取得した切替前パラメータをそのまま指令値算出部14に出力する。また、成立しない場合には、制御器の切り替えが行われているため、データ読込部11から取得した切替前パラメータと該成立しない旨を指令値算出部14とパラメータ設定装置13とに出力する。
例えば、初期起動であることからCflag_old=0であり、選択された制御器が制御器Aである場合にCflag=1とすると、Cflag_old≠Cflagとなる。これにより、制御器判定部12は、制御器の切り替えが行われたと判定し、指令値算出部14とパラメータ設定装置13とに対しCflag_old=0およびCflag=1であること、および切替前パラメータを出力する。
パラメータ決定装置13は、制御器判定部12からCflag_old=0およびCflag=1である旨を取得すると、指令値算出部14において算出される制御器A(例えば、Cflag=1に基づいて制御器Aである。)の指令値に用いられる初期値を算出する。具体的には、パラメータ決定装置13は、異なる特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなり、異なる特徴の重みづけを変更可能とするパラメータ算出演算式を備えており、該パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の制御器において使用される初期値を決定する。

なお、パラメータ算出演算式は、相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなる。例えば、パラメータ算出演算式は、異なる特徴を有する複数の演算式をそれぞれ多項式で表し、この異なる特徴を有する複数の演算式を線形結合し、多項式のそれぞれの項に変更可能な係数を設けた演算式である。本実施形態においては、相反する特徴を有する複数の演算式とは方式1および方式2の2つの演算式が与えられているものとする。
以下に、パラメータ決定装置13が備える方式1および方式2のそれぞれの多項式と特徴とを説明する。
切替後の制御器の指令値を算出する指令値算出部14(詳細は後述する。)において用いられる初期値をxaoldとすると、方式1に基づいて算出される初期値xaoldは(1)式のように示される。ここで、(1)式において、uは切替後の制御器として選択された制御器におけるセンサの操作量、rは目標値、yは制御量、eは目標値rと制御量yとの偏差、Kap1およびKap2は比例ゲイン、Kad1およびKad2は微分ゲインとする。
Figure 0005769363
Figure 0005769363
このように、方式1に基づいて算出される初期値xaoldは、目標値rと制御量yとの偏差eに基づいて算出されるので、偏差eを考慮した制御が行われる。つまり、後段の指令値算出部14において、(1)式のxaoldに基づいて切替後の制御器の指令値を算出すると、この指令値によって切り替えた場合に、偏差を考慮した制御が行われる。具体的には、切り替えがスムーズに行われるが、追従性が悪くなるという切替動作が行われる。
一方、方式2に基づいて算出される初期値をxaoldとすると、xaoldは(5)
式のように示される。
Figure 0005769363
上記(5)式である方式2に基づいて算出される初期値xaoldを用いて、後段の指令値算出部14において切替後の制御器の指令値を算出する。これにより、この指令値に基づいて制御器を切り替えた場合に、切替の追従性がよくなるがスムーズでない切替動作となる。
続いて、パラメータ決定装置13は、前述した方式1の多項式と方式2の多項式とを線形結合し、多項式のそれぞれの項に変更可能な係数を設ける。具体的には、上記(1)式と上記(5)式とを線形結合し、各項に係数を設け、以下の(6)式とする。ここで、xaoldは初期値、uは切替後の制御器として選択された制御器におけるセンサの操作量、Kap1およびKap2は比例ゲイン、Kad1およびKad2は微分ゲインとする。
また、多項式のそれぞれの項に設けられる変更可能な係数は、Kap1ini、Kad1ini、Kap2ini、Kad2iniとする。なお、本実施形態においては、それぞれの係数は0以上1以下で設定し、整数でない値としてもよい。また、それぞれの係数は、全て同じ値としても良いし、それぞれ異なる値としてもよい。
Figure 0005769363
ここで、rは目標値、yは制御量、eは目標値と制御量との偏差、eaoldは制御器が制御器Aに切り替えられる前の制御器Aの制御量の偏差、DTはサンプリング周期、Kap1、Kap2は比例ゲイン、Kad1、Kad2は微分ゲインである。
Figure 0005769363
また、多項式の各項に設けられた係数Kap1ini、Kad1ini、Kap2ini、Kad2iniは、例えば、外部から入力装置を介してユーザによってそれぞれ設定される。これらの係数は、それぞれの重み付けを変更すると、(6)式により算出されるxaoldから得られる指令値uの特徴の利き方が変更されることとなる。例えば、4つの係数Kap1ini、Kad1ini、Kap2ini、Kad2iniを全て1に設定すれば、方式1によって算出されるxaoldと等しいxaold(換言すると、このxaoldに基づいて行われる切り替えは、スムーズであるが、追従性が悪くなる)が得られる。
なお、Kap1ini、Kad1iniを0に設定し、Kap2ini、Kad2iniを1に設定すると、方式2によって算出されるxaoldと等しいxaold(換言すると、このxaoldに基づいて行われる切り替えは、追従性が良くなるが、スムーズでない)が得られる。また、各係数を0以上1以下の整数でない値(例えば、4つ全ての係数を0.5とする)に設定した場合には、方式1と方式2との特徴を混合した特徴(つまり、ある程度スムーズであり、ある程度追従性が良い)となる。このように、上記(6)式に与えられた係数Kap1ini、Kad1ini、Kap2ini、Kad2iniの重み付けを調整することにより、制御器を切り替える場合の特徴の利き方を調整することができる。
なお、本実施形態に係るパラメータ決定装置13が備える複数の特徴を持つ演算式を線形結合し、この線形結合された演算式の各項に設けられる係数は、それぞれユーザによって設定されることとしていたが、これに限定されない。例えば、各項に設けられる係数は、所定の指標の大小により設定されることとしてもよい。
このようにパラメータ決定装置13は初期値xaoldを算出すると、指令値算出部14に出力する。
指令値算出部14は、切替後の制御器に対する指令値uを算出する。例えば、図2に示されるように指令値の演算はブロック図で示され、IP−PD制御に基づいて目標値rと制御量yとから指令値uが算出される。
図2に示されるように、目標値rと制御量yとの差分eは、PID制御部によって積分され、比例ゲインを与えられ、および微分ゲインを与えて微分され、それぞれ加算される。また、この結果から、制御量yに比例ゲインを与えられた値と制御量yに微分ゲインを与えて微分された値とを減算した結果を指令値uとする。
より具体的には、指令値算出部14による指令値uは、下記(11)〜(14)式に基づいて、(15)式により算出される。
Figure 0005769363
上記(15)式において、前述した(6)式に基づいて算出された初期値xaoldが用いられる。このように、指令値算出部14において指令値uを算出し、切替後の制御器Aに指令値uを出力する。また、この算出結果を第1前回値設定部15に出力する。
次に、本実施形態に係る制御器切替システムについて、より具体的に説明する。ここでは、潜水艇等の操縦における制御をピッチ角制御(例えば、ピッチ角制御をする制御器B。)から深度制御(例えば、深度制御をする制御器A。)に切り替える場合について、図3を用いて説明する。例えば、ピッチ角を−10度の角度に制御を行っている状態から、図3(d)に示されるタイミングでピッチ角制御器から深度制御器に切り替える場合について説明する。
制御器の切り替えを行う場合には切替後の制御器である深度制御(制御器A)の初期値xaoldを上記(6)式により演算する。例えば、図3には、(6)式の各係数Kap1ini、Kad1ini、Kap2ini、Kad2iniを全て「1」に設定して演算された初期値xaoldに基づいて制御器の切り替えを行った場合と、(6)式の係数であるKap1ini、Kad1iniに「0」を設定し、係数Kap2ini、Kad2iniを「1」に設定して演算された初期値xaoldに基づいて制御器の切り替えを行った場合について示す。
(6)式の各係数に全て「1」を設定した場合は、上記(1)式と同じ演算式となるので、図3のグラフには方式1ラインとして示す。また、係数Kap1ini、Kad1iniに「0」を設定し、係数Kap2ini、Kad2iniに「1」を設定した場合は、上記(5)式と同じ演算式となるので、図3のグラフには方式2ラインとして示す。
図3(a)は、方式1と方式2とから算出される初期値に基づく制御による深度変化を示している。図3(b)は、方式1と方式2とから算出される初期値に基づく制御によるピッチ角の変化を示している。図3(c)は、方式1と方式2とから算出される初期値に基づく制御による舵角変化を示している。
図3(a)および(c)に示されるように、方式1ラインと比較して方式2ラインは、追従性が良いが水平舵角の変動が大きく、切り替えが円滑でない。また、図3(e)は、方式1ラインと方式2ラインとの深度の偏差の大きさを時系列に示した図である。図3(e)に示されるように、方式2は、方式1と比較して、速く目標値に追従している。このように、係数の重み付けを変更することにより、初期値xaoldを調整することができるので、各方式の特徴の利き方を状況に応じて簡便に調整することが可能となる。また、図3においては係数に0か1かの整数を与えていたが、0以上1以下の数値を設定することにより、特徴の利き具合を調整できるので、方式1と方式2との特徴を少しずつ混合した切り替えを行うことができる。
第1前回値設定部15は、選択された制御器において次回演算を行う場合の前回値(切替前パラメータ)の設定として、偏差eaoldと偏差eaoldの積分値であるxaoldを第2前回値設定部16に出力する。例えば、切替後の制御器が制御器Aである場合には、次回演算を行うために制御器Aの切替前の偏差であるeaoldはeを設定し、偏差eの積分xの切替前の値としてxaold=xを設定し、第2前回値設定部16に出力する。
第2前回値設定部16は、選択された制御器に関わらず次回演算を行う場合の制御量と、切替前フラグCflag_old、および切替前指令値uoldを設定する。具体的には、第2前回値設定部16は、yaold=y、ybold=y、ycold=y、Cflag_old=Cflag、およびuold=uに設定し、これらの切替前パラメータを演算継続判定部17に出力する。
演算継続判定部17は、演算を継続するか否かを判定し、継続する場合には第1前回値設定部15と第2前回値設定部16とから出力された情報をデータ読込部11に出力する。また、演算を継続しない場合には、処理を終了する。
次に、本実施形態に係る制御器切替システム1の作用について図4を用いて説明する。
まず、制御器切替システム1が初期起動してから、制御器Aが選択される場合について説明する。
制御器切替システム1が起動されると、制御器切替システム1が有する制御器A、制御器B、制御器Cが起動され、初期パラメータ設定部10において、切替前フラグCflag_oldが「0」に設定される。また、切替前の制御器Aの制御量yaold=yに設定され、制御器Bおよび制御器Cも同様にybold=y、ycold=yが設定される(ステップSA1)。このように設定されたCflag_old=0、yaold=y、ybold=y、ycold=yは、データ読込部11に出力される。データ読込部11において、Cflag_old=0、yaold、ybold、およびycoldが取得されるとともに、選択された制御器Aが識別され、制御器フラグCflagがCflag=1に設定される。Cflag_old=0、yaold、ybold、ycold、およびCflag=1の切替前パラメータは、制御器判定部12に出力される(ステップSA2)。
制御器判定部12において、Cflag=1であることに基づいて選択された制御器が制御器Aであると識別され(ステップSA3)、Cflag_old≠Cflagである場合には以前と異なる制御器が選択されたことと判定される(ステップSA4)。異なる制御器が選択されたと判定された場合には、制御器判定部12に備えられているパラメータ算出演算式において、制御器Aに切り替えられる以前の制御器Aの前回値を用い、制御器Aの指令値に使用される初期値xが決定される。また、ここで算出された初期値xは、指令値算出部14に出力される(ステップSA5)。
指令値算出部14において、所定のパラメータ算出演算式に基づいて初期値xを用い指令値uが算出され、指令値uは、切替後の制御器Aに出力される(ステップSA6)。第1前回値設定部15において、制御器Aが選択されている場合には、目標値rと制御量yとの偏差eは、次回の演算のためにeaoldと設定され、xは、次回の演算のためにxaoldと設定される(ステップSA7)。第2前回値設定部16において、各制御器における制御量が次回の演算のために設定され、yaold=y、ybold=y、ycold=y、Cflagold=Cflag、uold=uと設定される(ステップSA8)。
このような演算が一通り終了すると、演算を継続するか否かが判定され、継続する場合には第1前回値設定部15および第2前回値設定部16で設定された前回値(切替前)である前回値をデータ読込部11に出力する。また、演算を中止する場合には、本処理を終了する(ステップSA9)。なお、制御器判定部12において、以前と異なる制御器でないと判定された場合には、初期値xの算出は行わず、指令値算出部14に進み、指令値算出部14以降の処理を行う。
続いて、制御器が制御器Aから制御器Bに切り替えられる場合について図4および図5を用いて説明する。
データ読込部11において、制御器Aから制御器Bに切り替えられる前のパラメータであるCflag_old=1、yaold=y、ybold=y、ycold=yを取得する。また、制御器Bに切り替えが行われた場合には、制御器フラグCflag=2が識別される(図4のステップSA2)。選択された制御器が制御器Bである場合には、制御器判定部12において、切替前の制御器が制御器Bか否かが判定される(図4のステップSA3、図5のステップSA10)。前回と同じ制御器か否かが判定され、Cflag_old=1およびCflag=2であるため、Cflag_old≠Cflagとなる(図5のステップSA11)。
切替前の制御器が異なる制御器である場合には、パラメータ決定装置13において、切替後の制御器である制御器Bにおいて使用される初期値xが算出される(図5のステップSA12)。算出された初期値xを用いて、指令値算出部14において制御器Bの指令値uが算出され、切替後の制御器Bに指令値uが出力される(図5のステップSA13)。第1前回値設定部15において、ebold=eおよびxaold=xが設定され、第2前回値設定部16に出力される(図5のステップSA14)。第2前回値設定部16において、yaold=y、ybold=y、ycold=yCflagold=Cflag=2、uold=uと設定される(図4のステップSA8)。演算継続判定部17によって演算を継続するか否かが判定され、継続する場合には第1前回値設定部15と第2前回値設定部16とから出力された前回値はデータ読込部11に入力され、本処理が継続される。また、継続しない場合には本処理を終了する(図4のステップSA9)。
また、制御器が制御器Aから制御器Cに切り替えられる場合については、上記ステップSA10からステップSA14の処理を、ステップSA15からステップSA19の処理に置き換え、同様の処理とする。なお、ステップSA15は、制御器Cを使用しているか否かを判定していない。これは制御器が制御器A、B、Cの3つである場合を例に挙げており、ステップSA3において制御器Aでなく、かつ、ステップSA10において制御器Bでないことから、制御器Cと判断されるためである。
以上説明してきたように、本実施形態に係る制御器切替システムにおけるパラメータ決定装置が有するパラメータ算出演算式は、異なる特徴を有する複数の多項式の演算式が組み合わせられ、パラメータ算出演算式の各項に備えられた係数が変更されることにより、制御器を切り替える場合の切替後の制御器の初期値x(iは制御器を示す符号)が設定される。このように、係数を調整することにより算出される制御器の初期値が変更されるので、制御器を切り替える場合に得られる切り替え時の特徴を、ユーザにより簡便に調整することができ、様々な特徴を併せ持つ切り替え方式を設定することが可能となる。
これにより、例えば、従来は、動作をスムーズに行うことを優先させる切替方法を選択した場合には応答性が悪くなり、逆に応答性を優先させる切替方法を選択すると動作がスムーズに行えないといった異なる特徴を有する切替方法があった場合に、いずれか一つを選択する必要があった。本実施形態に係る制御器切替システムにおけるパラメータ決定装置では、このように複数の特徴を持つ切替方法を含み、係数の持たせ方に応じて重み付けを設定することができるので、状況に応じた切り替え方法の調整が可能となる。また、従来のように、いずれか一つの特徴を持つ切り替え方法だけを選択するのでなく、複数の特徴をブレンドさせた切り替えを行うことも可能となる。
また、上述した実施形態では、制御器切替システムに適用されるパラメータ決定装置としてハードウェアによる処理を前提としていたが、このような構成に限定される必要はない。例えば、別途ソフトウェアにて処理する構成も可能である。この場合、パラメータ決定装置は、CPU、RAM等の主記憶装置、上記処理の全て或いは一部を実現させるためのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、CPUが上記記憶媒体に記録されているプログラムを読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、上述のパラメータ決定装置と同様の処理を実現させる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
なお、本実施形態にかかるパラメータ算出演算式は、複数の演算式は2つの方式であり、それぞれの方式が相反する特徴であるものを使用していたが、これに限定されない。例えば、複数の演算式は式の個数は特に限定されないし、それぞれの方式の特徴は相反していなくても、それぞれ異なる特徴を有していればよいこととする。
また、本実施形態に係るパラメータ決定装置13が備える複数の方式の演算式を線形結合した演算式の各項のそれぞれの係数は、0以上1以下で設定することとしていたが、これに限定されない。例えば、1より大きな値とすることとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 制御器切替システム
10 初期パラメータ設定部
11 データ読込部
12 制御器判定部
13 パラメータ設定装置
14 指令値算出部

Claims (4)

  1. 複数の制御器を備えるシステムにおいて、処理を行う制御器を切り替える場合に、切替後の前記制御器で用いる状態変数の初期値を決定するパラメータ決定装置であって、
    切替動作の円滑性及び制御の追従性を相反する特徴とし、前記相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなるとともに、該相反する特徴の重み付けを変更可能とするパラメータ算出演算式を備え、
    前記パラメータ算出演算式は、切替後の前記制御器に対する前記相反する特徴の利き方が、前記相反する特徴の前記重み付けがユーザによって設定されることで状況に応じて調整されるものであり、
    前記パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の前記制御器において使用される前記初期値を決定することを特徴とするパラメータ決定装置。
  2. 前記パラメータ算出演算式は、前記相反する特徴を有する複数の演算式をそれぞれ多項式で表し、該相反する特徴を有する複数の演算式を線形結合し、該多項式のそれぞれの項に変更可能な係数を設けた演算式であることを特徴とする請求項1に記載のパラメータ決定装置。
  3. 複数の制御器を備えるシステムにおいて、処理を行う制御器を切り替える場合に、切替後の前記制御器で用いる状態変数の初期値を決定するパラメータ決定方法であって、
    切替動作の円滑性及び制御の追従性を相反する特徴とし、前記相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなり、該相反する特徴の重み付けを変更可能とするパラメータ算出演算式を備え、
    前記パラメータ算出演算式は、切替後の前記制御器に対する前記相反する特徴の利き方が、前記相反する特徴の前記重み付けがユーザによって設定されることで状況に応じて調整されるものであり、
    前記パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の前記制御器において使用される前記初期値を決定するパラメータ決定方法。
  4. 複数の制御器を備えるシステムにおいて、処理を行う制御器を切り替える場合に、切替後の前記制御器で用いる状態変数の初期値を決定するパラメータ決定プログラムであって、
    切替動作の円滑性及び制御の追従性を相反する特徴とし、前記相反する特徴を有する複数の演算式の組み合わせからなり、該相反する特徴の重み付けを変更可能とするパラメータ算出演算式を備え、
    前記パラメータ算出演算式は、切替後の前記制御器に対する前記相反する特徴の利き方が、前記相反する特徴の前記重み付けがユーザによって設定されることで状況に応じて調整されるものであり、
    前記パラメータ算出演算式を用いることにより、切替後の前記制御器において使用される前記初期値を決定することをコンピュータに実行させるパラメータ決定プログラム。
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