JP5768515B2 - 圧粉成形体の加工用工具および加工方法 - Google Patents
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Description
前記粉末冶金法は、金属粉末からなる素材に焼結を施して、所定形状の機械部品を形成する製造方法である。
具体的には、粉末冶金法は、主に金型を用いたプレス成形によって粉末状の素材を凝集し、該素材を所定形状に造形する圧縮成形工程と、該圧縮成形工程によって造形された素材(以下、「圧粉成形体」と記載する)に焼結を施して、該圧粉成形体の凝集状態をさらに強固なものとする焼結工程と、該焼結工程によって強固な状態となった圧粉成形体に仕上げ加工を行い、該圧粉成形体を機械部品の最終的な製品形状に仕上げる仕上げ加工工程とを有して構成される。
しかし、圧縮成形工程の終了直後の圧粉成形体は未だ脆弱な状態にあり、このような状態における圧粉成形体に孔あけ加工を行えば、コバ欠けなどが発生しやすく、完成後の機械部品の品質低下をもたらす要因となる。
そこで、このようなグリーン加工において、コバ欠けの発生を抑えつつ、圧粉成形体に孔あけ加工を行うための方法として、例えば圧縮成形工程前の素材に対して、特殊なバインダーを予め含有させておく技術が知られている。
しかし、本技術においては、焼結工程を行うための焼入れ炉について、圧粉成形体に焼結を施すための焼入れ室に加えて、焼結を施す前の圧粉成形体に対して、予めバインダーを燃焼除去するための燃焼室が必要となる。
よって、焼入れ炉の設備費用や保全費用が嵩張り、その結果、製造される機械部品の製造コストが増加する傾向にあった。
前記治具としては、例えばブッシングと、貫通孔を有するバックアップ治具とから構成されるものが知られている。即ち、孔あけ加工が行われる圧粉成形体において、これらブッシングおよびバックアップ治具は、該圧粉成形体を挟持しつつ、ブッシングの内周部と、バックアップ治具の貫通孔とが同軸上になるようにして配設される。
そして、ドリルなどの加工用工具を、ブッシングの内周部、圧粉成形体、バックアップ治具の貫通孔と順に貫通させることで、該圧粉成形体への孔あけ加工が行われるが、この際、該圧粉成形体の表面において、加工用工具の先端部が挿入される側(入口側)、および該先端部が突出される側(出口部)は、ブッシングおよびバックアップ治具によって、各々押さえつけられた状態にあるため、コバ欠けの発生が抑制されるのである。
しかし、このような特殊な構造からなる治具を用いる技術では、圧粉成形体の加工部位の形状に応じた、特殊な形状からなる治具をその都度用意する必要があり、前述したバインダーを用いる技術と同様、設備費用が嵩張る結果、製造コストが増加する傾向にあった。
即ち、本発明における圧粉成形体の加工用工具および加工方法を用いれば、粉末冶金法によって製造される各種機械部品において、グリーン加工において孔あけ加工を行う際の、圧粉成形体に発生するコバ欠けの発生を極力抑えることが可能になり、前記機械部品の製造コストの低減化を実現することができる。
先ず、本発明を具現化する圧粉成形体W(図2を参照)の加工用工具101を備えた、加工装置1の全体的な構成について、図1を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1における矢印Aの方向を前方と規定して記述する。また、図1においては、図面上の上下方向を加工装置1の上下方向と規定して記述する。
ここで、加工装置1によってグリーン加工における孔あけ加工が行われる対象物は、圧縮成形工程の終了直後の、未だ脆弱な状態にある圧粉成形体Wである。
また、筐体2の近傍(本実施例においては右側面近傍)には、エアポンプや各種空圧機器群などから構成される空圧装置4が配設されるとともに、加工室3の側面(本実施例においては前側面)には、操作装置5が配設される。
また、加工装置1は、キャスター7・7・・・を介して、その設置場所を容易に変更可能な構成となっているのである。
加工室3は、箱体構造からなるフレーム31を備え、該フレーム31の一部の側面(本実施例においては、前側面および右側面)には、矩形状の開口部31a・31aが形成されている。
そして、圧粉成形体Wの孔あけ加工時において、該圧粉成形体Wの加工箇所からは切削粉が飛散するが、飛散される切削粉は、その大部分が、空圧装置4によって作動される図示せぬ吸引手段を用いて吸引され、該吸引手段によって吸引されなかった切削粉も、開口部31a・31aの縁部にあたるフレーム31の側面によって、機外への飛散が十分遮断されるようになっている。
つまり、加工装置1の加工室3においては、切削粉の飛散を防止しつつ開口部31a・31aの開口状態を確保する扉レス化が実現されており、加工室3内への圧粉成形体Wの搬入・搬出が容易に行え、且つ圧粉成形体Wの孔あけ加工時における、加工室3の室内の様子を容易に観察可能な構成となっているのである。
前記加工機構部33は、後述する加工用工具101を着脱可能に固定保持し、該加工用工具101を回転駆動させるとともに、該加工用工具101の位置を移動させるための部位である。
即ち、加工装置1は、例えば既知のNC旋盤などのような、制御装置を別途機外に設ける場合に比べて、十分な小型化が図られているのである。
次に、本発明を具現化する加工用工具101の構成について、図2乃至図6を用いて詳述する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図2、図3における矢印Aの方向を前方と規定して記述する。
加工用工具101は、例えば超硬合金などの硬質材料からなる円柱状の部材によって形成され、一方の端部(本実施例においては、前端部)より軸心方向の途中部にかけて設けられる切刃部102と、該切刃部102より他方の端部(本実施例においては、後端部)にかけて設けられるシャンク部103とを有して構成される。
切屑排出溝132・132は、孔あけ加工時における加工用工具101の回転方向(図2において、矢印Tの方向。以下同じ。)と逆方向に向かって捩れている。
また、前記刃先端部102aの先端(前端)は、ホーニングによって球状に研磨されることなく、尖鋭に形成されている。
先ず、図3(b)(c)に示すように、本発明者らは、刃先端部102aの先端角度θが、90°(図3(b)を参照)あるいは120°(図3(c)を参照)となるように形成された二種類の加工用工具101A・101Bをそれぞれ用意し、各加工用工具101A・101Bを用いて、焼結を施す前の圧粉成形体Wに対して、孔あけ加工を行った。
図4は、縦軸に破断荷重(単位[N])を表すこととして、加工用工具101A(即ち、刃先端部102aの先端角度θが90°の場合)、および加工用工具101B(即ち、刃先端部102aの先端角度θが120°の場合)における、「抜け際領域w3」の破断荷重の測定値を、棒グラフによってそれぞれ示した図である。
つまり、加工用工具101Aの刃先端部102aの先端角度θが90°である場合、圧粉成形体Wの「抜け際領域w3」は、前記加工用工具101Aの軸心方向、且つ出口面w1に向かって、P1[N]を超える荷重が付加されない限り崩壊することもなく、コバ欠けを発生させることもない。
つまり、加工用工具101Bの刃先端部102aの先端角度θが120°である場合、圧粉成形体Wの「抜け際領域w3」は、前記加工用工具101Bの軸心方向、且つ出口面w1に向かって、P2[N]を超える荷重が付加されない限り崩壊することもなく、コバ欠けを発生させることもない。
]以下とすることが望ましい。
先ず、本発明者らは、刃先端部102aの先端角度θが90°である加工用工具101(101A)を用いて、焼結前の圧粉成形体Wに孔あけ加工を複数回行った。
また、孔あけ加工時における加工用工具101の切削送りについては、入口面w2から出口面w1までの全ての領域にわたって、0.2[mm/rev]とする場合と、刃先端部102aの後端部が「抜け際領域w3」に到達した際に、0.2[mm/rev]から0.05[mm/rev]に減速させる場合との二通りを設定することとした。
つまり、本発明者らは、「抜け際領域w3」における加工用工具101の切削送りが、0.2[mm/rev]、あるいは0.05[mm/rev]の何れかになるようにして、焼結前の圧粉成形体Wに孔あけ加工を行った。
なお、前記コバ欠け量については、貫通孔w4の外縁部において、コバ欠けの発生によって形成された凹部w5(図6を参照)の幅寸法(貫通孔w4の径方向の寸法)の平均値によって示すこととした。
図5は、縦軸にコバ欠け量(単位[mm])を表すこととして、「抜け際領域w3」における加工用工具101の切削送りを、0.05[mm/rev]、および0.2[mm/rev]のそれぞれの値に設定した場合における前記コバ欠け量の測定値をドットによって示し、また、該測定値のバラツキ範囲を直線によって示した図である。
従って、従来のような、特殊なバインダーや治具などを用いる技術に比べて、設備費用が嵩張ることもないため、粉末冶金法によって製造される各種機械部品において、これら機械部品の製造コストの低減化を実現することができるのである。
102 切刃部
102a 刃先端部(テーパ形状)
131 切刃
O 軸心
W 圧粉成形体
w3 抜け際領域(抜け際)
θ 先端角度
Claims (2)
- 金属粉末からなる素材をプレス成形することにより成形され、焼結が施される前の圧粉成形体に孔あけ加工を行うための、圧粉成形体の加工用工具であって、
該加工用工具は、その一端側に略円柱状の切刃部を有し、
該切刃部の先端部には切刃が形成され、
前記切刃部の先端部は、先端側から基端側へ向かうにつれて拡径し、所定の先端角度を有するテーパ形状に形成され、
該テーパ形状は、その先端形状が尖鋭に形成されるとともに、先端角度が50°以上90°以下となるように形成され、
前記加工用工具は、前記圧粉成形体への孔あけ加工時において、
前記テーパ形状の前記基端側端部が、前記圧粉成形体の抜け際を通過する際に、切削送りが0.05mm/rev以下とされる、
ことを特徴とする圧粉成形体の加工用工具。 - 金属粉末からなる素材をプレス成形することにより成形され、焼結が施される前の圧粉成形体に孔あけ加工を行う際の、圧粉成形体の加工方法であって、
該加工用工具は、その一端側に略円柱状の切刃部を有し、
該切刃部の先端部には切刃が形成され、
前記切刃部の先端部は、先端側から基端側へ向かうにつれて拡径し、所定の先端角度を有するテーパ形状に形成され、
該テーパ形状は、その先端形状が尖鋭に形成されるとともに、先端角度が50°以上90°以下となるように形成され、
前記加工用工具による前記圧粉成形体への孔あけ加工時において、
前記テーパ形状の前記基端側端部が、前記圧粉成形体の抜け際を通過する際に、前記加工用工具の切削送りを0.05mm/rev以下とする、
ことを特徴とする圧粉成形体の加工方法。
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