JP2002120219A - 脆性材の穴開け方法及び同装置 - Google Patents

脆性材の穴開け方法及び同装置

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JP2002120219A
JP2002120219A JP2000317115A JP2000317115A JP2002120219A JP 2002120219 A JP2002120219 A JP 2002120219A JP 2000317115 A JP2000317115 A JP 2000317115A JP 2000317115 A JP2000317115 A JP 2000317115A JP 2002120219 A JP2002120219 A JP 2002120219A
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drill
brittle material
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feed motor
speed
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Toru Higuchi
徹 樋口
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスやセラミックスの様な脆性材に穴開け
するときに、穴の出口に発生する欠けを小規模にする。 【解決手段】 図(b)の横軸上B〜C間及びF〜G間
において、ドリル送り速度を低速に切換える。 【効果】 図(a)のドリル11が脆性材10を突き抜
ける手前の特定点B,Fで、ドリルの送り速度を低速に
切換え、脆性材の後面に発生が予想される欠けを抑制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス又はセラミッ
クスからなる脆性材に、ドリルで穴を開ける加工技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】図7(a),(b)は従来のガラス板の
穴開け説明図である。(a)では、ガラス板101をダ
イヤモンドドリル102で穴開けを開始する。103は
穴である。周知の通り、ガラス板101はセラミックス
と同様に脆性材料であり、欠けやすい。(b)はダイヤ
モンドドリル102がガラス板101を貫通したときを
示し、穴103の出口にチッピングと称する欠け10
5,105が不可避的に発生する。欠け105,105
は約45゜の傾斜を有するもので、蛤の貝殻のような波
模様となり見栄えが良くない。従って、従来から欠け1
05,105の発生を抑える若しくは発生したとしても
規模を小さくする研究が進められてきた。
【0003】例えば、特開平7−32205号公報
「ワンウエイ穴明ドリル」では、ドリル20(符号は公
報記載のものを流用する。以下同じ)の先端に刃部21
を備え、この刃部21の先端にアール部Rを設けたこと
により、チッピング幅を狭めることを目的とする。又、
実開平1−60814号公報「ガラス製品用穴明け装
置」では、ダイヤモンドコアドリルでガラス製品に穴を
明けるときに、同ドリルの切込み(前進)と後退を繰り
返すことを特徴とする。前進と後退を繰り返しつつ少し
ずつドリルを前進させることでガラス製品に与える力を
緩和して、欠けの発生し抑える若しくは欠けの程度を軽
減するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のアー
ル付きドリルは、形状が複雑なドリルであり、ドリルの
コストが嵩むと同時に、アール部が摩耗しやすいため頻
繁にドリルを交換する必要があり、その費用も嵩む。ま
た、上記の装置では、ドリルの前進と後退を繰り返し
つつ少しずつドリルを前進させるため、穴開けに要する
時間が長くなり生産性が著しく低下する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記解題を解決するため
本発明者等は、各種の検討及び実験を繰り返すなかで、
次に説明する特有の現象を突き止めることに成功した。
図1(a),(b)は本発明に係る特定点の説明図であ
る。(a)において、ガラス又はセラミックスからなる
脆性材10において、ドリル11が始めて当る面を前面
A、その反対側の面を後面Cと呼び、且つ回転中のドリ
ル11を矢印の如く送って穴開け作業を実施する。こ
の際に、ドリル11を矢印の如く送る送りモータの電
流値を記録したものが(b)である。
【0006】すなわち、(b)は横軸がドリル11の先
端12の位置、縦軸が「送りモータ」の電流値を示す。
ドリル11が前面Aに当り脆性材10との接触面が増加
する間に電流値は矢印のごとく増加し、その後、電流
値は矢印のごとく点Eまではほぼ一定となるが、点E
から急減することが認められた。この点Eから横軸に降
ろした点をBとすれば、横軸でA−B間は、図(a)に
おいて脆性材10から実質的にほぼ一定の切削抵抗がド
リル11に作用していたと考えられる。そして、B−C
間では脆性材10の残肉が激減し、残肉の厚さが減少す
ることに比例して脆性材10からの切削抵抗が減少し、
電流値が減少したと考えられる。
【0007】そこで、本発明者等は、前記点E(点B)
を特定点と定め、この特定点以降はドリルの送り速度を
下げれば、脆性材10への作用力が小さくなり、チッピ
ング現象が収る若しくは抑制できると推定し、この手法
で実験を実施したところ、好ましい結果が確認できた。
【0008】具体的には請求項1は、ドリルで、ガラス
又はセラミックスからなる脆性材に穴を開ける方法にお
いて、ドリルが始めて当る面を前面、その反対側の面を
後面、脆性材の内部で且つ前記後面から一定距離離れた
位置における点を特定点と呼ぶときに、回転しつつ高速
で前進するドリルの先端が、特定点に達したときから後
面を抜けるまでの間は、ドリルを低速前進させることを
特徴とする。ドリルが脆性材を突き抜ける手前の特定点
で、ドリルの送り速度を低速に切換える。これで、脆性
材の後面に発生が予想される欠けの発生を抑制すること
ができる。
【0009】請求項2では、特定点は、ドリルを送るド
リル送りモータの電流値をモニターし、この電流値カー
ブを描いたときに、この電流値カーブが減少に転じたと
ころの変曲点としたことを特徴とする。ドリル送りモー
タの電流値が減少に転じた点を、特定点とみなすこと
で、特定点を容易に且つ確実に定めることができる。
【0010】請求項3の脆性材の穴開け装置は、脆性材
を載せるテーブルと、このテーブルに直交配置したドリ
ルと、このドリルを回すドリル回転モータと、このドリ
ル回転モータと共にドリルを脆性材に向って送るドリル
送りモータと、このドリル送りモータの電流を計測する
電流計と、この電流計で計測した電流値の変化率を計算
する演算部と、この演算部で求めた変化率が予め定めて
ある負の領域に入るか否かを判別する判別部と、この判
別部で変化率が負の領域に入ったと判断したときにドリ
ル送りモータを低速に切替え且つ変化率が負の領域から
外れたときにドリル送りモータを高速に戻す速度制御部
と、からなる。
【0011】テーブルとドリルとドリル回転モータとド
リル送りモータとを標準装備した汎用の穴開け装置に、
電流計、演算部、判断部及び速度制御部を付加するだけ
で、ドリルが脆性材を突き抜ける手前の特定点で、ドリ
ルの送り速度を低速に切換えることのできる穴開け装置
を構成することができる。演算部、判断部及び速度制御
部は、一個の制御部に容易に集約することができる。従
って、高価な自動加工機を使用すること無く、請求項3
によれば安価な穴開け装置で欠けの少ない穴開け加工が
可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図2は本発明に係る脆性材の穴開け装置の
原理図であり、脆性材の穴開け装置20は、ガラス又は
セラミックスからなる脆性材10を載せるテーブル21
と、このテーブル21に直交配置したドリル11と、こ
のドリル11を回すドリル回転モータ22と、このドリ
ル回転モータ22と共にドリル11を脆性材10に向っ
て送るドリル送りモータ23と、このドリル送りモータ
23の電流を計測する電流計24と、この電流計24で
計測した電流値の変化率を計算する演算部25と、この
演算部25で求めた変化率が予め定めてある負の領域に
入るか否かを判別する判別部26と、この判別部26で
変化率が負の領域に入ったと判断したときにドリル送り
モータ23を低速に切替え且つ変化率が負の領域から外
れたときにドリル送りモータ23を高速に戻す速度制御
部27と、からなる。
【0013】28は送りねじ、29はナット、31はホ
ルダ、32はスタンドである。また、演算部25、判断
部26及び速度制御部27は、便宜上個別に説明したが
1個の制御部に集約することは差支えない。
【0014】以上の穴開け装置20の作用を次に述べ
る。図3は作用説明の為のポジション説明図であり、点
Oはドリルの待機位置兼スタート位置、Aは脆性材10
の前面、Bは特定点、Cは脆性材10の後面、Dは加工
終了位置を示す。
【0015】図4は本発明に係る脆性材の穴開け工程フ
ロー図であり、ST××はステップ番号を示す。 ST01:ドリルの先端をワーク(脆性材)の前面に到
達させる。すなわち、図3にて、点Oから前面Aまで、
ドリル11を超高速で前進させる。 ST02:送り速度を高速Vh1に切換え、この高速Vh1
でワークの穴開けを開始する。すなわち、図3にて前面
Aから後面Cへドリル11を高速Vh1で送る。 ST03:送りモータの電流値Tを連続的に計測する
(図2符号24参照)。 ST04:微小時間dt当りの電流値差dTを、演算
し、変化率(dT/dt)を求める(図2の演算部25
で実施)。
【0016】ST05:負のしきい値K1、これより小
さな負のしきい値K2を判断部に与えておき、ST04
で求めた変化率(dT/dt)がK1とK2との間に入
ったか否かを調べる。種類がサーボモータで、回転数
8,000/分、定格出力400w、定格トルク1.2
7N・m、定格電流2.6Aのドリル送りモータにて、
穴開けを行ったところ、不可避的ノイズは変化率換算で
−0.8、ワークの後面C附近での変化率は−4.8で
あった。従って、この場合は、(−1〜0)の間の変化
率ではノイズを含む虞れがあり、−5以下では想定外の
変化率となり、異常値とみなすことができる。この例で
は、−5≦(dT/dt)≦−1を判断式とする。これ
を一般式に直すと、K2≦(dT/dt)≦K1とな
る。
【0017】ST06:ST05でYESすなわち、変
化率(dT/dt)が(−1)以下になれば、特定点に
達したと判断し、ドリルの送りを低速Vlに切換える。
この切換点が図3の点Bに相当する。低速Vlに切換え
てもドリル送り電流値の減少は続く。ワークの残肉が減
少し、電流値を下げる要素が効いているからである。
【0018】ST07:ワークの残肉が減少し続ける間
は変化率(dT/dt)は(−1)以下であり続ける。
しかし、図3でドリル11が後面Dをほぼ突き抜ける
と、ドリル11に作用していた切削抵抗が消失し、電流
値の変化が見込めなくなる。すなわち、変化率(dT/
dt)はゼロに近似する。ノイズを見込んで、(dT/
dt)>K1になったら、ドリルが実質的にワークの後
面Cを抜けたとみなす。 ST08:ST07でYESならドリルがワークを抜け
たと判断できるので、ドリルの送りを高速Vh2に切換え
る。 ST09:図3でドリル11の先端12が、加工終了点
Dに達したか否かを調べる。 ST10:ST09でYESなら、ドリルをスタート位
置Oへ戻す。これで、穴開け作業の1サイクルが完了し
たことになる。
【0019】以上に述べた工程フローに基づいて確認実
験を行った。 条件: ワーク:8mm厚さのソーダライムガラス ドリルの径:10.2mm ドリルの回転速度:8,000回転/分 ドリルの送り速度:表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1はドリルの送り速度と、加工時間(加
工所要時間)と、欠けに基づく評価をまとめたものであ
る。なお、O→A、A→Bなどは図3に合致させた。ま
た、欠け評価は、幅が0.5mm以下の欠けであれば実
用上差支えないとして「○」、幅が0.5mmを超えた
ときには差支えあるとして「×」とした。
【0022】実験番号1:A→Bにおける高速Vh1を1
50mm/min、B→Cにおける低速Vlを50mm
/min、C→Dにおける高速Vh2を150mm/mi
n、その他を5000mm/minと、設定したとこ
ろ、加工時間は14.4sであり、欠け評価は○であっ
た。
【0023】実験番号2:A→Bにおける高速Vh1を1
50mm/min、B→Cにおける低速Vlを90mm
/min、C→Dにおける高速Vh2を150mm/mi
n、その他を5000mm/minと、設定したとこ
ろ、加工時間は11.3sであり、欠け評価は○であっ
た。
【0024】実験番号3:A→Bにおける高速Vh1を1
50mm/min、B→Cにおける低速Vlを100m
m/min、C→Dにおける高速Vh2を150mm/m
in、その他を5000mm/minと、設定したとこ
ろ、加工時間は10.9sと短くなったが、欠け評価は
×であった。
【0025】実験番号4:A→Bにおける高速Vh1を2
00mm/min、B→Cにおける低速Vlを60mm
/min、C→Dにおける高速Vh2を200mm/mi
n、その他を5000mm/minと、設定したとこ
ろ、加工時間は11.7sであり、欠け評価は○であっ
た。
【0026】実験番号5:A→Bにおける高速Vh1を2
00mm/min、B→Cにおける低速Vlを95mm
/min、C→Dにおける高速Vh2を200mm/mi
n、その他を5000mm/minと、設定したとこ
ろ、加工時間は9.6sであり、欠け評価は○であっ
た。
【0027】実験番号6:A→Bにおける高速Vh1を2
00mm/min、B→Cにおける低速Vlを100m
m/min、C→Dにおける高速Vh2を200mm/m
in、その他を5000mm/minと、設定したとこ
ろ、加工時間は9.4sと短くなったが、欠け評価は×
であった。
【0028】この実験から、低速Vlは95mm/mi
nが上限であることが分かった。また、前後の高速Vh
1,Vh2は200mm/minであっても差支えなこと
が確認できた。
【0029】ところで、上記の工程フローは、穴開け作
業の1サイクル毎に変化率を演算して特定点を特定する
ものであった。穴開け対象のワークが多数個あり、それ
らの材質などの特性が同一である場合には、前記図4を
1サイクル若しくは数サイクル実施し、特定点が定まっ
たときには、その情報に基づいて次図の工程フローを実
行することで穴開けを行うことは可能である。
【0030】図5は本発明に係る脆性材の穴開け工程フ
ローの別実施例図であり、ST××はステップ番号を示
す。 ST21:まず、特定点情報を読み込む。具体的には、
図3において、後面Cから距離Lだけワーク中央に寄っ
たところに特定点Bが、あることをインプットする。後
面C基準で特定点Bを定めておけば、異なる厚さのワー
クに対応させ得るからである。 ST22:ドリルの先端をワークの前面に到達させる。
すなわち、図3にて、点Oから前面Aまで、ドリル11
を超高速で前進させる。 ST23:送り速度を高速Vh1に切換え、この高速Vh1
でワークの穴開けを開始する。すなわち、図3にて前面
Aから後面Cへドリル11を高速Vh1で送る。 ST24:ドリルの先端が特定点に達したか否かを調べ
る。 ST25:ST24でYESなら、ドリルの送りを低速
Vlに切換える。 ST26:ドリルがワークを貫通したかを調べる。 ST27:ST26でYESなら、ドリルがワークを抜
けたと判断できるので、ドリルの送りを高速Vh2に切換
える。 ST28:図3でドリル11の先端12が、加工終了点
Dに達したか否かを調べる。 ST29:ST28でYESなら、ドリルをスタート位
置Oへ戻す。これで、穴開け作業の1サイクルが完了し
たことになる。
【0031】以上に説明した図4と図5に共通する穴開
け方法は、図3においてドリル11が始めて当る面を前
面A、その反対側の面を後面C、脆性材10の内部で且
つ後面Cから一定距離L(図3参照)離れた位置におけ
る点を特定点Bと呼ぶときに、回転しつつ高速で前進す
るドリル11の先端12が、特定点Bに達したときから
後面Cを抜けるまでの間は、ドリル11を低速前進させ
ることを特徴とする。
【0032】特に図4によれば、特定点Bは、ドリル1
1を送るドリル送りモータの電流値をモニターし、この
電流値カーブを描いたときに、この電流値カーブが減少
に転じたところの変曲点(図1(b)点E参照)とした
ことを特徴とするものである。
【0033】図6(a)〜(c)は図3の別実施例図で
ある。(a)に示す通り、脆性材10の斜面13に、ド
リル11で穴14を開けるときの例を説明する。図中、
Aは第1前面、Bは第1特定点、Cは第1後面、Fは前
記Bより出口に寄った第2特定点、Gは第2後面、Hは
加工終了位置であり、斜面13がドリル11の軸に対し
て約45゜程傾斜しているため、「第1」と「第2」の
ポジションが不可避的に発生する。(b)は横軸がドリ
ル先端の位置、縦軸がドリル送り速度を示し、O→Aは
超高速、A→Bは高速(前記Vh1に相当)、B→Cは低
速(前記Vlに相当)、C→Fは高速(前記Vh2に相
当)、F→Gは低速(前記Vlに相当)、G→Hは高速
(前記Vh2に相当)、H→Oは超高速(戻り)とする。
【0034】(c)は横軸がドリル先端の位置、縦軸が
送りモータ電流値を示し、O→Aは無負荷であるから微
小、A→Bは高速で送るから電流値は高く、B→Cは低
速に切換えたために電流値が激減するが、C直前で変化
率が小さくなる。そこで、Cで高速に戻しその結果、C
→Fの電流値は上がる。Fで再び低速に戻すと、電流値
が激減するが、G直前で変化率が小さくなるので、Gで
再々度高速に戻す。この結果、G→Hで電流値は高ま
る。H→Oでは無負荷であるから電流値は、微小とな
る。
【0035】このように、BとFとを特定点としてドリ
ル送り速度を低速に切換える。この結果、ドリルの軸に
直交しないところの傾斜面においても、穴の出口におけ
る欠けの発生を有効に抑制することができる。
【0036】尚、脆性材はガラス又はセラミックスから
なる脆い材料を総称するもので、種類、形状を格別に特
定するものではない。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1では、ドリルが脆性材を突き抜ける手前
の特定点で、ドリルの送り速度を低速に切換える。これ
で、脆性材の後面に発生が予想される欠けの発生を抑制
することができる。従って、生産性をそれ程下げること
無くチッピング(欠け)を小規模にすることができ、脆
性材の仕上り品質を大幅に高めることができる。
【0038】請求項2では、ドリル送りモータの電流値
が減少に転じた点を、特定点とみなすことで、特定点を
容易に且つ確実に定めることができる。
【0039】請求項3は、テーブルとドリルとドリル回
転モータとドリル送りモータとを標準装備した汎用の穴
開け装置に、電流計、演算部、判断部及び速度制御部を
付加するだけで、ドリルが脆性材を突き抜ける手前の特
定点で、ドリルの送り速度を低速に切換えることのでき
る穴開け装置を構成することができる。演算部、判断部
及び速度制御部は、一個の制御部に容易に集約すること
ができる。従って、高価な自動加工機を使用すること無
く、請求項3によれば安価な穴開け装置で欠けの少ない
穴開け加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る特定点の説明図
【図2】本発明に係る脆性材の穴開け装置の原理図
【図3】作用説明の為のポジション説明図
【図4】本発明に係る脆性材の穴開け工程フロー図
【図5】本発明に係る脆性材の穴開け工程フローの別実
施例図
【図6】図3の別実施例図
【図7】従来のガラス板の穴開け説明図
【符号の説明】
10…脆性材、11…ドリル、12…ドリルの先端、1
4…穴、20…脆性材の穴開け装置、21…テーブル、
22…ドリル回転モータ、23…ドリル送りモータ、2
4…電流計、25…演算部、26…判断部、27…速度
制御部、A…前面、B…特定点、C…後面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリルで、ガラス又はセラミックスから
    なる脆性材に穴を開ける方法において、前記ドリルが始
    めて当る面を前面、その反対側の面を後面、脆性材の内
    部で且つ前記後面から一定距離離れた位置における点を
    特定点と呼ぶときに、回転しつつ高速で前進するドリル
    の先端が、前記特定点に達したときから後面を抜けるま
    での間は、ドリルを低速前進させることを特徴とした脆
    性材の穴開け方法。
  2. 【請求項2】 前記特定点は、ドリルを送るドリル送り
    モータの電流値をモニターし、この電流値カーブを描い
    たときに、この電流値カーブが減少に転じたところの変
    曲点としたことを特徴とする請求項1記載の脆性材の穴
    開け方法。
  3. 【請求項3】 脆性材を載せるテーブルと、このテーブ
    ルに直交配置したドリルと、このドリルを回すドリル回
    転モータと、このドリル回転モータと共にドリルを脆性
    材に向って送るドリル送りモータと、このドリル送りモ
    ータの電流を計測する電流計と、この電流計で計測した
    電流値の変化率を計算する演算部と、この演算部で求め
    た変化率が予め定めてある負の領域に入るか否かを判別
    する判別部と、この判別部で変化率が負の領域に入った
    と判断したときにドリル送りモータを低速に切替え且つ
    変化率が負の領域から外れたときにドリル送りモータを
    高速に戻す速度制御部と、からなる脆性材の穴開け装
    置。
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