JP5767983B2 - イオン注入方法及びイオン注入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン注入に関し、より詳しくは、イオン注入装置を用いて、半導体ウエハに数mmオーダーの領域長を持つ局所的なイオン注入領域を作成するためのイオン注入量制御に関する。
半導体製造工程では、導電性を変化させる目的、半導体ウエハの結晶構造を変化させる目的などのため、半導体ウエハにイオンを入射させる工程が標準的に実施されている。この工程で使用される装置は、イオン注入装置と呼ばれ、イオン源によってイオン化され、その後加速されたイオンビームを形成する機能と、そのイオンビームを半導体ウエハまで輸送し、上記半導体ウエハに照射する機能を持つ。
集積回路などの半導体装置は多数個のトランジスタやその他の電子素子から形成されている。現在作製されているトランジスタの典型的な大きさは、数十nmから百数十nmである。この大きさのなかで、半導体製造工程中のイオン注入工程では、トランジスタの或る部分にのみイオン注入を行ったり、隣り合うトランジスタに異なる条件のイオン注入を行ったりする。このイオン注入工程で重要なことは、半導体ウエハ全面にわたって、目的の位置に目的のイオン注入条件に叶った、イオン注入を行うことである。
現在の半導体製造工程中の通常のイオン注入方法では、半導体ウエハ全体にわたって、同一のイオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量を設定し、その設定に即して、イオン注入装置でイオンビームを加速、形成し、そのイオンビームを半導体ウエハに向けて照射する。従って、通常のイオン注入方法そのもののみを用いたのでは、半導体ウエハの目的位置にイオン注入を行うことができるわけではない。
上記通常のイオン注入方法を用いて、半導体ウエハの目的位置にイオン注入を行うためには、半導体ウエハ上にレジストマスクを置いて、その上部からイオン注入を行うことが良く行われている。レジストマスクとは、多数個の非常に小さな細孔構造を持つ薄膜状素材である。このレジストマスクの細孔部位をイオン透過領域、その他の部位をレジスト領域と呼ぶ。レジストマスク上のレジスト領域に照射されたイオンビームは半導体ウエハまで到達せず、レジストマスク上のイオン透過領域に照射されたイオンビームのみ、半導体ウエハまで到達し、イオンが注入される。このようにして、半導体ウエハ全面にわたって、目的の位置に目的のイオン注入条件に叶った、イオン注入を行うことができる。
上記通常のイオン注入方法では、半導体ウエハ全体にわたって、同一のイオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量を設定するが、現在、半導体製造工程全般を通して、ウエハ面内の半導体素子の電気的特性を均一にするために、特殊なイオン注入方法を用いることもある。例えば、半導体製造工程中、イオン注入工程よりも前の工程にて何らかの問題が発生したとする。にもかかわらず、このまま製造工程を進めると、ウエハ面内の半導体素子の電気的特性が不均一になる不具合が発生する場合がある。このような不具合はウエハ面内不均一性と呼ばれる。この場合、半導体製造工程中のイオン注入工程で上記ウエハ面内不均一性に対する補正を行うために、工夫された特殊なイオン注入方法を行うこともある。例えば、半導体製造工程中のイオン注入工程にてウエハ面内で意図的にドーズ量を不均一にし、イオン注入工程よりも前の工程にて発生したウエハ面内不均一性を補正し、半導体製造工程終了時に得られるウエハ面内の半導体素子の電気的特性の均一性を確保することが行われている。この手法では、半導体製造工程中、イオン注入工程よりも前の工程にて発生した問題に起因するウエハ面内不均一性には対処できるが、イオン注入工程よりも後の工程にて突発的に問題が発生した場合には、その問題に起因するウエハ面内不均一性には対処できない。
ここで重要なことは、半導体製造工程中の通常のイオン注入方法では、まず半導体ウエハ全体にわたって、同一のイオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量を設定することが求められる点である。ここでは、特にイオン注入角度の同一性確保について説明する。
一般に半導体ウエハ全面にイオンを注入する手法は種々考えられる。最も判りやすい手法の一つとして、イオンビームを二次元的にスキャンさせて半導体ウエハ全面に注入する手法が考えられる。この手法は、以前のイオン注入装置では用いられたことがあるが、現在半導体ウエハとして主に用いられる直径200mmの半導体ウエハ及び直径300mmの半導体ウエハに対するイオン注入装置では用いられていない。その理由の一つは、半導体素子の微小化に伴い、以前に比べイオン注入角度誤差の許容範囲が厳しくなったことである。理由の別の一つは、以前に比べ半径が大きくなった半導体ウエハ全面でのイオン注入角度の同一性確保が困難である点にある。
特に後者について説明すると、例えば、直径300mmの半導体ウエハに対して、イオンビームを二次元的にスキャンさせながら、イオン注入角度を均一に設定するためには、以下のことが必要となる。イオン源と半導体ウエハの間のビームライン中に、イオンビームの二次元的スキャンを行う磁場、電場の少なくとも一方を用いた第1の電磁気的機器(ビーム偏向/ビームスキャン装置等)を設置する。この第1の電磁気的機器の下流側に、空間的に少なくとも300mm×300mm(の断面積を持つ立体空間)の余裕を確保し、二次元的にスキャンされたイオンビームの角度を、その空間内の二次元的位置に応じて、イオンビームの二次元的角度制御を行う磁場、電場の少なくとも一方を用いた第2の電磁気的機器(ビーム偏向/ビームスキャン装置等)を用いて、それぞれ別に制御し、そのまましばらくイオンビームを輸送した後、ウエハにイオンを注入する。
しかし実際には、上記第1、第2の電磁気的機器の磁場乱れないし電場乱れの影響、イオンビームが潜在的に持っているイオンビーム自身の電荷に基づく空間電荷効果によるイオンビームの角度広がり効果の影響、イオン注入角度以外のイオン注入に求められる性能確保の困難性などの問題がある。このような問題により、半導体ウエハの大きさが小さい場合には別として、現在半導体ウエハとして主に用いられる直径200mmの半導体ウエハ及び直径300mmの半導体ウエハを用いる場合には、イオンビームを二次元的にスキャンさせながら、イオン注入角度を均一に設定する機能の実現は、非常に困難である。
上記説明をまとめると、イオンビームを二次元的にスキャンさせる手法を用いて、直径200mmの半導体ウエハ及び直径300mmの半導体ウエハの全面にわたって、イオン注入角度を均一にすることは非常に困難である。それが可能であるとしても多大なコストが必要となり、現実的ではない。また、現在直径450mmの半導体ウエハの利用が計画されている。この直径450mmの半導体ウエハ全面にわたってのイオン注入角度の均一性確保は、さらに困難性が高まることは言うまでもない。
一方、イオンビームを一次元的にスキャンさせる手法を用いて、直径200mmの半導体ウエハ及び直径300mmの半導体ウエハの一次元方向に対して、イオン注入角度を同一にすることは比較的容易である。さらに、このようなイオンビームを、同一イオン注入角度を保ちながら、半導体ウエハの全面に注入するためには、上記イオンビームのスキャン方向と直交する方向にウエハを移動させれば良いのであって、これも比較的容易である。実際、イオン源で発生したイオンを半導体ウエハまで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンしながら、イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハをメカニカルに連続的にスキャンさせる方法を用いるイオン注入装置が提供されている。このようなイオン注入装置は、現在半導体ウエハとして主に用いられる直径200mmの半導体ウエハ及び直径300mmの半導体ウエハに対するイオン注入装置として広く用いられている。
ここで重要なことは、ウエハ面内で同一イオン注入角度を保つためには、イオンビームを直線状に往復スキャンしながら、イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを動作させれば良いのであって、ウエハの連続的スキャンは必要条件ではないことである。上記通常のイオン注入方法では、半導体ウエハ全体にわたって、同一のドーズ量を設定するため、半導体ウエハの連続的スキャンを実施している。しかし、単に同一イオン注入角度を保つ目的であれば、一つには、半導体ウエハを間欠的に移動させたり、また別の一つには、半導体ウエハを固定してイオン注入を行い、その後半導体ウエハを移動させ、別の位置で半導体ウエハを固定してイオン注入を行っても、イオン注入角度は同一に保たれる。
ここで本発明では、ウエハ面内に数mm以上の領域長のイオン注入領域とイオン非注入領域を作成することを可能とするが、このようなイオン注入領域とイオン非注入領域を作成する必要性を示す一つの例として、半導体製造工程のウエハ面内不均一性に対する補正がある。
例えば、半導体製造工程中のイオン注入工程にて、何らかの問題が発生し、イオン注入が不均一な半導体ウエハとなる場合があるが、上記説明した通常のイオン注入方法では、その補正が行なえない。すなわち、既にイオン注入されイオン注入の均一性が不十分な半導体ウエハについて、その補正を同じイオン注入を用いて行うためには、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成する必要がある。
また、半導体製造工程中、イオン注入工程よりも後の工程にて、突発的に何らかの問題が発生したにもかかわらず、このまま製造工程を進めると、ウエハ面内の半導体素子の電気的特性が不均一な半導体ウエハとなる場合もある。この場合、半導体製造工程を一旦中止し、半導体ウエハ内で不均一が発生した部分のみ、イオン注入工程をやり直したり、新たなイオン注入工程をつけ加えたりすることによって、その補正を行うことが考えられる。しかし、この場合でも、上記説明した通常のイオン注入方法では、その補正が行なえない。すなわち、このような場合でも、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成する必要性がある。
上記ウエハ面内不均一性の発生要因は、半導体製造工程における半導体製造装置の何らかの機械的問題、電磁気学的問題によるものであり、半導体素子に比べると充分大きな範囲長のウエハ面内不均一性である。すなわち、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成し、半導体製造工程のウエハ面内不均一性に対する補正に使用する場合には、その典型的なイオン注入領域の最小領域長は10mm以上であれば良い。最大領域長は50mm以下で良く、それ以上の長さの領域にイオン注入を行う場合には、複数個のイオン注入領域を組み合わせれば良い。
なお、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成し、半導体製造工程のウエハ面内不均一性に対する補正に使用することは、一つの例であって、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成することで、種々の応用が考えられる。ここで、重要なことは、イオン注入領域のイオン注入性能は、上記説明した通常のイオン注入方法と同様でなければならない点である。すなわち、イオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量は、或る精度で制御できなければならない。また、イオン注入領域がウエハ面内に散在する場合でも、各イオン注入領域で目的のイオン注入が同一である場合、それぞれのイオン注入領域のイオン注入角度、ドーズ量の均一性も求められる。また、イオン注入時の外的環境も、上記説明した通常のイオン注入方法と同様でなければならない。つまり、半導体製造工程中のイオン注入工程で重要であるとされている、金属汚染レベル、クロス汚染レベル、イオンエネルギー汚染レベル、パーティクル数レベルなどが、上記説明した通常のイオン注入方法と同様でなければならない。ここで、金属汚染レベルというのは、イオン注入時に半導体ウエハに注入される各種金属原子の量のことであり、クロス汚染レベルというのは、イオン注入時に半導体ウエハに注入される目的原子種以外のイオンの量のことである。イオンエネルギー汚染レベルというのは、イオン注入時にウエハに注入される目的のエネルギーと異なるエネルギーを持つイオンの量のことであり、パーティクル数レベルというのはイオン注入時にウエハ表面に輸送される物質量のことである。
通常の半導体製造工程中のイオン注入工程では、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成するために、既に説明したようにレジストマスクを用いる。レジストマスクは非常に精度良くイオン注入領域とイオン非注入領域を作成することが出来るが、そのコストは非常に高く、またその後処理工程も非常に複雑である。従って、ウエハ面内に数mm以上の領域長を持つイオン注入領域とイオン非注入領域を作成するという、本発明の目的には適さない。
従来、レジストマスクを用いることなく、半導体ウエハ上のある一部分にイオン注入領域を作成するための手法として、多数個の空孔を持つ金属材ないし炭素材からなるマスクを用い、マスクの空孔部を通過したビームのみを半導体ウエハに照射することによる手法が用いられてきた。このような多数個の空孔を持つマスクをステンシルマスクと呼ぶことがある。ステンシルマスクを用いる場合、イオン注入領域の面積及び位置は、ステンシルマスクの空孔部の大きさ及び位置により決定される。ステンシルマスクを用いる方法としては、例えば、特許文献1に挙げられた手法がある。
一方、レジストマスクやステンシルマスクを用いずに、イオン注入装置に設置された複数枚の可動マスクを用いて、半導体ウエハ上に2次元分布を持つイオン注入領域を作成する手法も提案されている(特許文献2)。
特開平8−213339号公報 特開2001−229872号公報
ステンシルマスクを用いる場合、イオン注入領域の面積や位置が異なるイオン注入を実現するためには、それぞれの条件に合わせたステンシルマスクを用意する必要があり、また、それぞれのイオン注入の際にステンシルマスクの交換も必要となる。特許文献1の手法では複数個のステンシルマスクを用意してはいるが、求められるイオン注入領域の面積や位置は、種々様々に異なると考えられるので、ステンシルマスクの交換は必要であり、結果的に多大なコストの発生と、多大な準備時間が発生してしまう。
特許文献2の手法は、可動マスクを用いることにより、ステンシルマスクの交換は不要になっているが、イオンビームがマスクに直接照射されるので、そのマスクの影響が残ってしまう。具体的には、以前マスクに照射したイオン種の影響によりクロス汚染レベルが悪化する。また、マスクから発生する脱ガスの影響によりイオンエネルギー汚染レベルが悪化する。さらに、マスク由来のパーティクルの影響により、パーティクル数レベルが悪化する。また、マスク材質として金属材を用いた場合には、金属汚染レベルも悪化する。すなわち、イオン注入時の外的環境は、上記説明した通常のイオン注入方法と同様とはいえない。
また、特許文献2の手法では、イオンビームが可動マスクに直接照射されるので、時間が経過するにつれ、イオンビームにより可動マスクの構成物質がスパッタされ、あるいはイオンビームによる照射熱により可動マスクの構成物質が昇華することにより、徐々に可動マスクの形状が変化してしまい、結果として可動マスクを交換せざるを得なくなる。従って、ステンシルマスクを用いる場合ほどでないにせよ、結果的に交換コストが発生し、準備時間も発生してしまう。
さらに、特許文献2の手法では、イオンビームを二次元的にスキャンさせる必要がある。従って、イオンビームを二次元的にスキャンさせる機能を持たないイオン注入装置では、特許文献2の手法は採用できない。
加えて、特許文献2の手法では、イオンビームを二次元的にスキャンさせる必要があるが、既に説明したようにイオンビームの二次元的スキャンでは、そもそもウエハ面内のイオン注入角度を一定にすることは困難である。従って、特許文献2の手法では、イオン注入領域がウエハ面内に散在する場合に、それぞれのイオン注入領域のイオン注入角度が一定ではなくなる。
また、特許文献1や特許文献2の手法では、1回の一連のイオン注入ではウエハ面内に同一ドーズ量のイオン注入領域のみ作成可能であるので、ウエハ面内にドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域を作成する場合には、複数回のイオン注入が必要となり、その生産性が悪化してしまう。
本発明の具体的な課題は、以下の内容を実現できるようにすることである。
イオンビームの二次元的スキャン機能を持たないイオン注入装置を用いたイオン注入方法において、レジストマスクまたはステンシルマスクまたは可動マスクのようなマスク形状の物体を用いることなく、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成すること。
前記イオン注入領域として、10mm以下の領域長を持ったイオン注入領域を、半導体ウエハ面内に複数個作成すること。
前記イオン注入領域の領域長が、変更可能であること。
1回の一連のイオン注入により、ウエハ面内にドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域を作成すること。
前記イオン注入領域のイオン注入性能、すなわち、イオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量の制御精度が、通常のイオン注入方法と同様レベルであること。
金属汚染レベル、クロス汚染レベル、イオンエネルギー汚染レベル、パーティクル数レベルなどのイオン注入時の外的環境が、通常のイオン注入方法と同様レベルであること。
この発明に係るイオン注入方法の一つは、イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、イオンビームを輸送途中において直線状のスキャン方向に往復スキャンするとともにスキャンされたイオンビームを偏向して同じ方向に揃えることが可能であり、かつ前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを移動することが可能なイオン注入装置を用いたイオン注入方法において、ウエハ面上に、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に少なくとも一回以上交互に並んだ2種類の面内領域を設定し、そのうちの一つの種類の面内領域は、設定された面内領域の全ての幅にわたって、イオンが注入されない全幅イオン非注入領域とし、そのうちのもう一つの種類の面内領域は、イオンが注入される領域(以下、イオン注入領域と呼ぶ)とイオンが注入されない領域が交互に繰り返す部分的イオン注入領域とし、前記2種類のそれぞれの面内領域で、異なる条件のイオン注入処理を行うことで、ウエハ面内の所定の位置にのみイオンを注入し、それ以外の位置にはイオンを注入しないよう構成したことを特徴とする。
また、前記部分的イオン注入領域の作成時には、ウエハを固定してイオン注入を行ない、前記全幅イオン非注入領域の作成時には、イオン注入を行わずに、ウエハを移動させ、前記ウエハの固定と前記ウエハの移動を複数回繰り返すことも特徴の一つである。
さらに、ウエハ面上に、複数個設定される、前記イオン注入領域におけるウエハ面内に対するイオン注入角度が、どの前記イオン注入領域でも互いに平行になるイオン注入方法であることもまた、特徴の一つである。
また、ウエハへイオン注入を行なう前に予め測定されたビーム電流値とイオン注入領域の設定ドーズ量から、必要なイオンビームのスキャン回数を計算によって求め、前記部分的イオン注入領域では、ウエハを固定したまま、求められたスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることにより、設定したイオン注入領域のドーズ量を実現することもまた、特徴の一つである。
さらにまた、前記イオン源からウエハまでのイオン輸送領域に設置された電極に電圧を意図的に印加してイオンビームの軌道を偏向することにより、ウエハへのイオンビーム照射を中断することで、前記全幅イオン非注入領域を作成し、前記イオン注入領域の作成開始時に、ウエハ上のあらかじめ定めた位置座標で、前記電極への電圧印加を除去し、かつ、前記イオン注入領域の作成終了時に、ウエハ上のあらかじめ定めた位置座標で、前記電極に電圧を意図的に印加し、ウエハへのイオンビーム照射を中断することで、前記部分的イオン注入領域を作成することもまた、特徴の一つである。
加えて、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅と単位時間に単位面積を通過するビーム電流値を測定するために行われる、ウエハへイオン注入を行なう前のイオンビーム確認時のイオンビームのスキャン周波数と、ウエハ面内へのイオン注入中のイオンビームのスキャン周波数が互いに異なっていることも、特徴の一つであると言える。
さらに、同一のイオン注入装置を用いて、イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンしながら、部分的イオン注入領域の作成時にはウエハを固定してイオン注入を行ない、全幅イオン非注入領域の作成時にはイオン注入を行わずにウエハを移動させ、前記ウエハの固定と前記ウエハの移動を複数回繰り返すことにより、ウエハ面内の所定の位置にのみイオンを注入し、それ以外の位置にはイオンを注入しないイオン注入方法と、前記イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンしながら、イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハをメカニカルに連続的にスキャンさせ、ウエハ全面に均一なイオン注入を行うことができるイオン注入方法の、双方が実現可能であることもまた、特徴の一つであると言える。
本発明によれば、イオンビームの二次元的スキャン機能を持たないイオン注入装置を用いたイオン注入方法において、レジストマスクまたはステンシルマスクまたは可動マスクのようなマスク形状の物体を用いることなく、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成することができる。
本発明によれば、10mm以下の領域長を持ったイオン注入領域を半導体ウエハ面内に複数個作成することができ、かつ、その領域長が2mm以上80mm以下で制御可能であるようなイオン注入領域を作成することができる。
本発明によれば、1回の一連のイオン注入により、半導体ウエハ面内に領域長や、ドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域を作成することができる。
本発明によれば、イオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量の制御精度が、通常のイオン注入方法と同様レベルである、イオン注入領域を作成することができる。
本発明によれば、金属汚染レベル、クロス汚染レベル、イオンエネルギー汚染レベル、パーティクル数レベルなどのイオン注入時の外的環境が、通常のイオン注入方法と同様レベルであるようにしながら、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成することができる。
本発明によれば、イオンビームの二次元的スキャン機能を持たないイオン注入装置において、レジストマスクまたはステンシルマスクまたは可動マスクのようなマスク形状の物体を用いることなく、ウエハ面内にイオン注入領域とイオン非注入領域を作成することができる。
本発明によるイオン注入装置の一例の構成を説明するための概略図である。 ウエハ面内に設定されるイオン注入領域の例を説明するための図である。 ウエハ面内のイオン注入領域作成手法を説明するための図である。 本発明によるイオン注入領域制御を説明するための図である。 本発明によるイオン注入領域制御を説明するための図である。 本発明によるイオン注入領域制御を説明するための図である。 本発明によるイオン非注入領域制御を説明するための図である。 本発明によるイオン注入装置に備えられるメカニカルスキャン装置の一例について説明するための図である。
図1を参照して、本発明による、イオン注入方法及びイオン注入装置の一例を説明する。本発明では、イオン源1で発生したイオンを半導体ウエハ9まで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンすることが可能であるイオン注入装置を用いる。さらに詳しく説明すると、イオンはイオン源1から引出電極2により引き出され、質量分析磁石装置3及び質量分析スリット4を用いて、目的のイオン種、イオンエネルギーを持ったイオンが選択される。選択されたイオンビームは、ビームスキャナー6を用いて、図1の平面上、上下方向に向かって一次元的に往復スキャンされる。ここで、ビームスキャナー6は、電場方式、磁場方式のいずれを用いても良い。
なお、図1におけるBはイオンビーム、SBはスキャンされかつ平行化されたイオンビーム、Sはイオンビームのスキャン方向を示す。
本発明では、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域上に、半導体ウエハ9に対するイオンビームの注入角度をウエハ面内で一定に保つ一次元的平行化ビームライン構成要素を配設する。以下では、上記一次元的平行化ビームライン構成要素をパラレルレンズ7と呼ぶ。半導体ウエハ9はウエハ保持装置10上に保持される。後で詳しく説明するが、本発明では、ウエハ面上に、イオン注入領域と全幅イオン非注入領域が作成される。本発明では、イオン注入領域作成時には、ウエハ保持装置10を駆動せず、半導体ウエハ9を固定してイオン注入を行なう。また、全幅イオン非注入領域作成時には、イオン注入を行わずに、ウエハ保持装置10を駆動し、半導体ウエハを移動させる。本発明では、上記ウエハ固定とウエハ移動を複数回繰り返すことで、半導体ウエハ9上に、イオン注入領域と全幅イオン非注入領域を作成する。
図1には、ウエハ領域ビーム測定装置8が示されている。図1に例示しているウエハ領域ビーム測定装置8は、イオン注入前にイオンビームのスキャン方向に移動しながらイオンビームを測定し、半導体ウエハ9へのイオン注入中は退避位置に移動させるが、これは例示である。後で詳しく説明するが、本発明では、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅と、単位時間に単位面積を通過するビーム電流をウエハ領域ビーム測定装置8により測定する。それゆえ、ウエハ領域ビーム測定装置8は、上記の測定機能を持てば良く、固定式マルチファラデーカップ型のビーム測定装置であっても良いし、半導体ウエハ9より前方あるいは後方に配設しても良いし、複数個配設しても良い。
また、図1には、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域上に静電レンズ5を図示している。イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域において、何らかの電磁場的レンズが無いと半導体ウエハ9まで十分な量のイオンビームを輸送することや、ビーム断面形状を制御することが困難である。電磁場的レンズには、図1に示したような静電レンズ5のほかに磁場レンズが知られており、これらのいずれかないし双方のレンズが用いられる。なお、図1では、質量分析スリット4とビームスキャナー6の間に静電レンズ5を配設しているが、これは例であって、静電レンズ5はイオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域上の他の場所に配設しても良いし、静電レンズ5を複数個配設しても良い。
図1から明らかなように、本発明のイオン注入装置は、通常イオン注入装置として良く用いられる、イオン源で発生したイオンをイオンビームとして半導体ウエハまで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンしながら、イオンビームのスキャン方向に直交する方向に半導体ウエハをメカニカルに連続的にスキャンさせ、ウエハ全面に均一なイオン注入を行うことが可能であるイオン注入装置(以下、ハイブリッドスキャンイオン注入装置と呼ぶ)と、そのハードウエア構成に共通な部分が多い。具体的には、本発明のイオン注入装置とハイブリッドスキャンイオン注入装置は、イオン源1、引出電極2、質量分析磁石装置3、質量分析スリット4、ビームスキャナー6、パラレルレンズ7、ウエハ領域ビーム測定装置8を共通要素として持つ。従って、本発明で使用するウエハ保持装置10に、ハイブリッドスキャンイオン注入装置で求められる機能を併用できるように構成すれば、本発明のイオン注入装置とハイブリッドスキャンイオン注入装置を同一のハードウエアで実現できることになる。
図2を参照して、半導体ウエハ内のイオン注入領域制御について説明する。既に説明したように、例えば、半導体製造工程のウエハ面内不均一性に対する補正の目的で、半導体ウエハ9の面内にイオン注入領域11とイオン非注入領域を作成することが考えられる。求められるイオン注入領域11は、半導体ウエハ9の面内にランダムに作成され得る。本発明では、イオン注入領域11のイオン注入領域長として、2mm以上を仮定している。また、図2に示したように、求められるイオン注入領域11の個数は、一般的には、半導体ウエハ9の面内に複数個あり得る。複数個のイオン注入領域11のイオン注入領域長は、数種類以上あることが考えられる。さらに、図2に斜線ハッチングないしドット状ハッチングの密度で模式的に示したように、イオン注入領域11に求められるドーズ量は、複数個のイオン注入領域11それぞれに異なることも考えられる。本発明では、半導体ウエハ9の面内に、これらの要求仕様を満たす形でイオン注入領域11を作成することが可能である。
図3を参照して、半導体ウエハ内のイオン注入領域作成手法を説明する。まず、半導体ウエハ9に対して、イオンビームのスキャン方向を定める。本発明では、イオンビームを直線状に往復スキャンすることが可能であり、かつ上記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に半導体ウエハを移動することが可能なイオン注入装置を用いるので、イオンビームのスキャン方向は一次元である。このイオンビームのスキャン方向は、半導体ウエハ9の面内に、どのようにイオン注入領域11を作成するかによって、定めれば良い。図3では、イオンビームのスキャン方向を左右方向に設定した。
本発明では、半導体ウエハ9の面内にイオンビームのスキャン方向を設定した後、そのイオンビームのスキャン方向に直交する方向に、面内領域として、複数個の部分的イオン注入領域12と全幅イオン非注入領域13を短冊状に設定する。図3では、イオンビームのスキャン方向を左右方向に設定しているので、部分的イオン注入領域12と全幅イオン非注入領域13は、図3の上下方向に交互に繰り返し現れる。図3の例では、4個の部分的イオン注入領域12と5個の全幅イオン非注入領域13が設定されている。ここで、部分的イオン注入領域12は、イオン注入領域11を1個以上含んでいるが、全幅イオン非注入領域13にはイオン注入領域は1個も含まれない。すなわち、全幅イオン非注入領域13は、設定された注入領域の全幅にわたって、イオンが注入されない領域として設定される。
また、図3から明らかなように、一つの部分的イオン注入領域中12には、イオン注入領域11とイオン非注入領域が存在する。また、部分的イオン注入領域12中に、イオン注入領域11が複数個含まれている場合、それぞれのイオン注入領域11は、イオン非注入領域によって分離されている。あるいはまた、別の言葉で表現すると、部分的イオン注入領域12では、イオン注入領域11とイオン非注入領域が交互に繰り返すとも言える。
本発明では、半導体ウエハ9の面内に、上記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に、1回以上交互に並んだ、2種類の面内領域を設定し、それぞれの面内領域で異なる注入処理を行うことで、半導体ウエハ9の面内の所定の位置、すなわち図3では、斜線で表した部分にのみイオンを注入し、それ以外の部分にはイオンを注入しないようにしている。
具体的には、本発明では、部分的イオン注入領域12を作成する際には、半導体ウエハ9を固定してイオンを注入する。従って、ある部分的イオン注入領域12を作成する際に、半導体ウエハ9の面内でイオンの影響を受けうる範囲は決まっている。すなわち、イオンビームのスキャン方向(図3では左右方向)に対しては、半導体ウエハ9のビームスキャン方向の各点にイオンの影響を与えることが可能である。一方、イオンビームのスキャン方向に直交する方向(図3では上下方向)に対しては、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅の範囲のみ、イオンの影響を受けうる。つまり、イオンビームのスキャン方向に直交する方向(図3では上下方向)に対しては、半導体ウエハ9の面内である限られた範囲のみ、イオンの影響を与えうる。逆に言えば、部分的イオン注入領域12を作成する際に、イオンビームのスキャン方向に直交する方向の部分的イオン注入領域12の長さは、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を制御することによって、制御できることになる。
イオンビームのスキャン方向に直交する方向の部分的イオン注入領域12の長さは、その部分的イオン注入領域12に含まれるイオン注入領域11の、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域長に等しいので、イオンビームのスキャン方向に直交する方向の部分的イオン注入領域12の長さを制御することによって、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域11の長さを制御することができることになる。
ここで、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域には、図1に例として示したような静電レンズ5や磁場レンズなど、何らかの電磁場的レンズが配設されるので、この電磁場的レンズを用いることで、レジストマスクまたはステンシルマスクまたは可動マスクのようなマスク形状の物体を用いることなく、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を制御することが出来る。本発明では、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を、2mm以上80mm以下の範囲で制御できるような電磁場的レンズを用いる。従って、イオンビームのスキャン方向に直交する方向の部分的イオン注入領域12の長さもまた、2mm以上80mm以下の範囲で制御できる。このことにより、結果として、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域11の長さも2mm以上80mm以下の範囲で制御できることになる。すなわち、図3において、イオン注入領域11の上下方向の長さは、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を制御することによって、2mm以上80mm以下の範囲で制御できる。
半導体ウエハ9の面内で、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域11の長さを、複数種類設定する場合には、それぞれの部分的イオン注入領域12にイオンを注入する際に、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を変更、制御すれば良い。
ここで、図8を参照して、半導体ウエハ9へのイオン注入時における、イオン注入装置の動作をさらに説明する。図8において、イオンビームはビームスキャナー6(図1)によって横方向(イオンビームのスキャン方向)にスキャンされる。一方、半導体ウエハ9はウエハ保持装置10(図1)に保持され、昇降装置100によって上下(縦)方向(ウエハスロースキャン方向)にスキャンされる。図8では、半導体ウエハ9の最上位置と最下位置を示すことで、イオン注入装置の動作を説明している。図8では、一例として、断面形状が横長(すなわち楕円形)のイオンビームがビームスキャナー6(図1)によってスキャンされ、スキャンドイオンビームの状態で半導体ウエハ9に照射される態様を示している。しかし、一般にはビームスキャナー6によってスキャンされるイオンビームは図8の様に断面形状が横長とは限らず、縦長の場合もあれば、円形に近い断面形状の場合もある。
本発明が適用され得るイオン注入装置は、半導体ウエハ9のウエハスロースキャン速度を制御するメカニカルスキャン装置(駆動手段)を備える。メカニカルスキャン装置は、イオン注入装置全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)(制御手段)101で制御される。CPU101は、イオン注入装置全体の制御を実行するために必要な制御プログラムを記憶した記憶装置(図示せず)から制御プログラムを読み出し、一時記憶装置として使用されるRAM(Random Access Memory)102に記憶されたデータを用いて制御プログラムに基づく制御動作を実行する。
メカニカルスキャン装置の制御動作に関して言えば、半導体ウエハ9の上下方向(ウエハスロースキャン方向)の位置やイオンビームのビーム電流値が計測されてRAM102に記憶される。CPU101は、必要に応じてRAM102に記憶されたウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ9の位置を読み出しながら、上記測定されたビーム電流値に合わせて、半導体ウエハ9のウエハスロースキャン速度を適切に制御する。
CPU101はまた、例えば、イオン源1から半導体ウエハ9までのビーム輸送用機器に放電が発生し、半導体ウエハ9にイオンが到達しなくなった場合には、以下のような制御を実行する。CPU101は、一旦半導体ウエハ9のウエハスロースキャンを止める。そして、上記ビーム輸送用機器の放電が解消された後、CPU101はウエハスロースキャン停止の直前にRAM102に記憶されたウエハスロースキャン方向の半導体ウエハ9の位置を読み出し、その読み出した位置から再度イオン注入を開始させる。これによって、イオン注入量のウエハ面内均一性が確保される。
CPU101は、以上のようなメカニカルスキャン装置の制御動作のほか、以下で説明する、イオン注入領域の制御動作を実行する。イオン注入領域の制御動作というのは、前述した部分的イオン注入領域12、全幅イオン非注入領域13を作成するための制御動作である。つまり、以下で説明される部分的イオン注入領域12及び全幅イオン非注入領域13の作成は、CPU101の制御動作により実現される。
図4を参照して、部分的イオン注入領域12の中で、イオン注入領域11の作成方法について説明する。まず、図4では、部分的イオン注入領域12の中に、一つのイオン注入領域11が含まれている場合について説明する。イオン注入領域11は、半導体ウエハ9の面内に、例えば図3のように設定されるので、一つの部分的イオン注入領域12の中で、イオンビームのスキャン方向(図3では左右方向)の位置座標において、或る位置から別の或る位置までに広がるイオン注入領域11を作成すれば良い。図4では、その位置をそれぞれp1、p2としている。図4のように、部分的イオン注入領域12の中に一つのイオン注入領域11のみが含まれる場合には、p1からp2までの位置座標以外では、イオン非注入領域を作成すれば良い。
後で詳しく説明するように、本発明では、一般に、部分的イオン注入領域12の作成時に、イオンビームを半導体ウエハ9上で複数回往復スキャンさせるが、図4では、説明を簡単にするために、片道のみスキャンする場合について説明する。そのスキャンの向きとして、図4では、p1からp2の方向に向かってスキャンするものとする。
図4において、半導体ウエハ9上で位置p1より左の位置においては、イオン非注入領域を作成しなければならない。単にイオンビームをスキャンしてしまうと、半導体ウエハ9までイオンビームが到達してしまい、半導体ウエハ9にイオンが注入され、イオン非注入領域は作成できない。すなわち、半導体ウエハ9上で、位置p1より左の位置においては、図1のビームスキャナー6にビームスキャンを行いうる設定を与えながら、半導体ウエハ9にイオンが注入されないようにする必要がある。本発明では、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域の所定場所に設置された電極へ電圧14(V=V0)を印加することによって、図1のビームスキャナー6にビームスキャンを行いうる設定を与えながら、半導体ウエハ9にイオンが注入されないようにしている。この電極は半導体ウエハ9にイオンが注入されないようにするための電極であるので、以下ではイオン注入回避用電極と呼ぶ。この種のイオン注入回避用電極は、例えば、一対の対向電極を、イオンビームを挟むようにして設置することで実現され、電圧印加によりイオンビームをその通常の軌道から外し、軌道から外れたビームライン上に配置したターゲットに入射させる、いわば偏向電極として作用する。イオン注入回避用電極を設置する所定場所は、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域であればどこでも良く、ビームスキャナー6の上流でも下流でも良い。このようにすると、半導体ウエハ9上でのイオン電流量15は、図4において、半導体ウエハ9上で位置p1より左の位置において、ゼロにすることができる。この状態は、ビームスキャナー6によって仮想的にイオンビームが半導体ウエハ9上でスキャンをされているものの、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域の所定場所に設置されたイオン注入回避用電極への電圧14の印加によって、実際にはイオンビームが半導体ウエハ9上に達していない状態であるとも言える。
図1では、イオン注入回避専用のイオン注入回避用電極20を、質量分析スリット4の上流側、すなわち質量分析磁石装置3と質量分析スリット4との間に配置しているが、イオン注入回避用電極については、他の目的でイオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域に既に配設されている電極を利用しても良い。特に、図1で既に説明したように、イオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域には、イオンビームに対する静電レンズ5が配置されている。このように、静電レンズ5が存在する場合、その静電レンズ5の電極をイオン注入回避用電極として用いても良い。あるいはまた、ビームスキャナー6においてイオンビームをオーバースキャンさせて軌道から外れたビームライン上に配置したターゲットに入射させるようにしても良い。これらの場合、本発明実現に関わるコストがさらに削減できることになる。
本発明では、半導体ウエハ9上のあらかじめ定めた位置座標で、イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、イオン注入領域11の作成を開始する。図4を例にとると、上記ビームスキャナー6による仮想的ビームスキャンの位置がp1まで達したときに、イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去(電圧14がゼロ)することになる。このようにして、半導体ウエハ9上でのイオン電流量15は、半導体ウエハ9上の位置p1で、ある値、図4ではI0となる。
ここで、上記イオン注入回避用電極は、上記ビームスキャナー6による仮想的ビームスキャンの位置がp1まで達したときに、電圧14はゼロとなる。しかし、イオン注入回避用電極として、他の目的でイオン源1から半導体ウエハ9までのイオン輸送領域に既に配設されている電極を利用する場合には、本発明の目的のために与える電圧14はゼロになるが、他の目的で与えている電圧は必ずしもゼロにならないことは言うまでもない。図4ないし以下の説明では、本発明の目的のために与える電圧14のみを説明する。
本発明では、イオン注入領域11を作成している場合には、上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、実際にイオンビームが半導体ウエハ9上に達する状態にしながら、イオンビームをスキャンする。すなわち、図4では、位置p1とp2の間では、上記イオン注入回避用電極への電圧14を、ゼロとし続ける。その結果、半導体ウエハ9上でのイオン電流量15は、半導体ウエハ9上の位置p1とp2の間で、ある値、図4ではI0となり続ける。
本発明では、半導体ウエハ9上のあらかじめ定めた位置座標で、上記イオン注入回避用電極に電圧14を意図的に印加し、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、イオン注入領域11の作成を一旦終了する。図4を例にとると、上記ビームスキャナー6によるビームスキャンの位置がp2まで達したときに、上記イオン注入回避用電極への電圧14を再度印加することになる。このようにして、半導体ウエハ9上でのイオン電流量15は、半導体ウエハ9上の位置p2でゼロとなり、半導体ウエハ9上で位置p2より右の位置において、ゼロにし続けることができる。
本発明では、上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去する位置と、上記イオン注入回避用電極に電圧14を意図的に印加し、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断する位置を適切に変更することによって、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長を設定することが可能である。その最小イオン注入領域長は、イオンビームのスキャン方向のビーム幅、イオンビームのスキャン周波数及び制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加及び除去速度で決まる。
本発明では、イオンビームのスキャン方向のビーム幅を、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅と同じく、2mm以上80mm以下の範囲で制御できるような電磁場的レンズを用いるので、イオンビームのスキャン周波数及び制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加及び除去速度の影響が無視できれば、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域11の最小イオン注入領域長を2mmとすることができる。ここで、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域11の最大イオン注入領域長に関しては、技術的にはその制御範囲に限定はないが、本発明の目的から考えて、最大イオン注入領域長は80mmとして良い。従って、イオンビームのスキャン周波数及び制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加及び除去速度の影響が無視できれば、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域11の長さも2mm以上80mm以下の範囲で制御できる。ところが、イオンビームのスキャン周波数として、通常良く用いられる300Hz程度を用いると、イオンビームのスキャン周波数及び制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加及び除去速度の影響が無視できなくなってしまう。以下、詳しく説明する。
上記イオン注入回避用電極への電圧印加開始から終了までの時間、ないし電圧除去開始から終了までの時間は、上記イオン注入回避用電極の電気容量にも依存するが、長くとも100μsecを超えないが、制御命令の頻度を規定する命令時間間隔は、通常イオン注入装置で用いられる制御システムでは1msec程度である。これ以上に速い制御システムも技術的には可能であるが、コストが大きく、現実的には採用できない。従って、制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加及び除去速度としては、1msecと見積もる必要がある。イオンビームのスキャン周波数を、通常良く使われる300Hz程度とすると、制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加開始から終了までに、ないし電圧除去開始から終了までに、イオンビームは少なくとも100mm以上移動してしまう。これは、部分的イオン注入領域12中に目的のイオン注入領域11を作成できないことを意味する。
1msec程度の命令時間間隔を維持しながら、イオンビームのスキャン周波数及び制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加及び除去速度の影響が無視できる程度のイオンビーム移動誤差を得るためには、制御命令を含めた上記イオン注入回避用電極への電圧印加開始から終了までの、ないし電圧除去開始から終了までのイオンビーム移動量は、上記最小イオン注入領域長の1/5程度、すなわち0.4mm程度であればよい。この条件を満たすためには、イオンビームのスキャン周波数を、1Hz以下とすればよい。従って、本発明では、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数として、1Hz以下のスキャン周波数を用いている。
上記構成を用いることによって、本発明では、イオンビームスキャン方向のイオン注入領域長も、イオンビームスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域長も、2mm以上80mm以下で設定可能であるようにしている。
図5を参照して、イオン注入領域11の作成方法についてさらに詳しく説明する。図5でも、部分的イオン注入領域12の中に、一つのイオン注入領域11が含まれている場合について示している。今後、イオンビームのスキャン範囲をL(m)、イオンビームのスキャン周波数をF(Hz)として説明する。ここで、時間T=0(sec)でイオンビームのスキャンが開始され、T=T1(sec)で片道のイオンビームのスキャンが終了し、T=T2(sec)で往復のイオンビームのスキャンが終了するものとする。この場合、T1=1/2F(sec)、T2=1/F(sec)となる。また、イオンビームのスキャン速度はL/T1=2LF(m/sec)となる。
また、スキャン開始位置を基準に、図4で説明したように、位置p1(m)からp2(m)の間にイオン注入領域11を作成するとしよう。ここで、1回目の往路のビームスキャンでは、t1=p1/2LF(sec)に上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、もって半導体ウエハ9上のイオン電流量15をI0とする。続いて、t2=p2/2LF(sec)に上記イオン注入回避用電極に電圧14を意図的に印加し、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、半導体ウエハ9上のイオン電流量15をゼロとする。
1回目の復路のビームスキャンでは、t3=(2L―p2)/2LF(sec)に上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、もって半導体ウエハ9上のイオン電流量15をI0とする。続いて、t4=(2L―p1)/2LF(sec)に上記イオン注入回避用電極に電圧14を意図的に印加し、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、半導体ウエハ9上のイオン電流量15をゼロとする。
以下、2回目の往路のビームスキャンでは、t5=T2+p1/2LF(sec)に上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、もって半導体ウエハ9上のイオン電流量15をI0とする。続いて、t6=T2+p2/2LF(sec)に、上記イオン注入回避用電極に電圧14を意図的に印加し、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、半導体ウエハ9上のイオン電流量15をゼロとする。また、2回目の復路のビームスキャンでは、t7=T2+(2L―p2)/2LF(sec)に上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、もって半導体ウエハ9上のイオン電流量15をI0とする。続いて、t8=T2+(2L―p1)/2LF(sec)に、上記イオン注入回避用電極に電圧14を意図的に印加し、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、半導体ウエハ9上のイオン電流量15をゼロとする。なお、2回目の往路スキャンはT=T3(sec)に終了し、2回目の復路スキャンは、T=T4(sec)に終了することは言うまでもない。
上記の動作を繰り返すことで、半導体ウエハ9上の狙いの位置のみにイオンが注入され、イオン注入領域11を作成することが出来る。図5から明らかなように、イオン注入領域11に注入されるドーズ量は、イオン電流量15とイオンビームのスキャン回数に比例する。すなわち、イオン電流量15を測定し、測定されたイオン電流量15とイオン注入領域11の設定ドーズ量から、必要なイオンビームのスキャン回数を計算によって求める。そして、部分的イオン注入領域12では、半導体ウエハを固定したまま、そのビームスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることにより、設定したイオン注入領域11のドーズ量を実現することができる。
なお、上記の説明から明らかであるが、上記ビームスキャン回数は、往復スキャンを基本単位とした場合に、必ずしも整数である必要はなく、半整数であれば良い。この場合、最後のビームスキャンは往路のみとなる。
ここで、イオン源1で発生したイオンを半導体ウエハ9まで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンすることが可能であるような、通常のイオン注入装置では、既に説明したように、イオンビームのスキャン周波数として、通常良く用いられる300Hz程度が用いられる。それゆえ、通常のイオン注入装置では、半導体ウエハ9のドーズ量制御のために、直接イオンビームスキャン回数を設定せず、半導体ウエハ9へのイオンビーム注入時間を利用するか、半導体ウエハ9をイオンビームのスキャン方向に直交する方向にメカニカルに連続的にスキャンさせた場合のそのメカニカルな速度を利用する。本発明では、部分的イオン注入領域12の作成時には、半導体ウエハ9を固定してイオン注入するので、半導体ウエハ9のメカニカルな速度を利用することはできない。半導体ウエハ9へのイオンビーム注入時間を利用すると、その計算誤差により、イオンビームのスキャン方向に関して、半導体ウエハ9へのイオン注入中に注入終了指令が出ないとも限らない。通常は、半導体ウエハ9をイオンビームのスキャン方向に直交する方向にメカニカルに連続的にスキャンさせているので、イオンビームのスキャン方向に関して形式的に半導体ウエハ9へのイオン注入中に注入終了指令が出ても、イオンビームのスキャン方向に直交する方向にはイオンビームが半導体ウエハ9を抜け出ており、問題は発生しない。しかし、本発明では、部分的イオン注入領域12の作成時には半導体ウエハ9を固定してイオン注入を行なうので、イオンビーム注入時間の計算誤差により、実際に半導体ウエハ9へのイオン注入中に注入終了指令が出され、必要なイオン注入がなされない場合が想定される。
そこで本発明では、イオンビームのスキャン回数によってイオン注入領域11のドーズ量を直接制御している。すなわち、イオンビームのスキャン回数によってイオン注入領域11のドーズ量を直接制御することも、本発明の特徴の一つであると言える。
このように、イオンビームのスキャン回数によってイオン注入領域11のドーズ量を直接制御する場合に、ドーズ量の制御精度を通常のイオン注入方法と同様レベルとするためには、その注入ドーズ量設定値に、若干の制限を設ける必要がある。例えば、ドーズ量の制御精度として1%を仮定すると、100回のビームスキャン回数を確保する必要がある。あるドーズ量においてビームスキャン回数を多くするためには、半導体ウエハ9上でのイオン電流量15を減少させる必要があるが、イオン注入装置のハードウエ制御の限界から、イオン電流量15の最小値には限界がある。通常良く用いられる、300Hz程度のスキャン周波数を用いたイオン注入装置では、その最小ドーズ量は1E11/cm程度である。本発明では、イオン電流量15の最小値制御の工夫により、スキャン周波数は2桁以上異なるが、その最小ドーズ量を1E13/cmに設定することが可能となった。本発明における最大ドーズ量に上記のような技術的限界は無いが、本発明の目的から考えて、最大ドーズ量は1E17/cmとして良い。すなわち、本発明では、イオン注入領域11のドーズ量は、1E13/cm以上1E17/cm以下で設定可能であるとして良い。
既に説明したように、イオンビームのスキャン回数の設定によってイオン注入領域11のドーズ量を制御することが出来るので、それぞれの部分的イオン注入領域12のビームスキャン回数を変えることによって、イオン注入領域11のドーズ量をそれぞれ制御し、半導体ウエハ9の面内に、ドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域11を作成することもできる。言い換えると、半導体ウエハ9の面内に設定された、ドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域11に合わせて、それぞれの部分的イオン注入領域12で、半導体ウエハを固定したまま、それぞれ設定された複数種類のビームスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることもまた、本発明の特徴の一つであると言える。
図4、図5では、部分的イオン注入領域12の中に、一つのイオン注入領域11が含まれている場合について説明してきた。次に、図6を参照して、部分的イオン注入領域12の中に、複数のイオン注入領域11が含まれている場合について説明する。既に説明したように、イオン注入領域11は、半導体ウエハ9の面内に例えば図3のように設定されるので、一つの部分的イオン注入領域12の中で、イオンビームのスキャン方向(図3では左右方向)の位置座標において、或る位置から別の或る位置までに広がるイオン注入領域11を作成すれば良い。図6では、それぞれp1からp2まで広がるイオン注入領域11、p3からp4まで広がるイオン注入領域11としている。これ以外の範囲では、イオン非注入領域を作成すれば良い。既に図5を用いて説明したように、本発明では、一般に、部分的イオン注入領域12の作成時に、イオンビームを半導体ウエハ9上で複数回往復スキャンさせるが、図6では説明を簡単にするために、片道のみスキャンする場合について説明する。イオンビームのスキャンの向きとして、図6では、p1からp2の方向に向かってスキャンするものとする。
図4の説明と同様に、図6のイオン非注入領域においても、図1のビームスキャナー6にビームスキャンを行いうる設定を与えながら、半導体ウエハ9にイオンが注入されないようにする必要がある。従って、既に図4を用いて説明したように、上記イオン注入回避用電極へ電圧14を印加することによって、図1のビームスキャナー6にビームスキャンを行いうる設定を与えながら、半導体ウエハ9にイオンが注入されないようにしている。
図6のイオン注入領域11の作成手法についても、既に図4で説明した手法を応用すればよい。すなわち、上記ビームスキャナー6による仮想的ビームスキャンの位置がp1まで達したときに、上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加を除去し、イオン注入領域11の作成を開始し、位置p1とp2の間では、上記イオン注入回避用電極への電圧14をゼロとし続けることで、イオン注入領域11の作成を続ける。続いて、上記ビームスキャナー6によるビームスキャンの位置がp2まで達したときに、上記イオン注入回避用電極への電圧14を再度印加することで、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、イオン注入領域11の作成を一旦終了する。同様に、上記ビームスキャナー6による仮想的ビームスキャンの位置がp3まで達したときに、上記電極への電圧14の印加を除去し、イオン注入領域11の作成を開始し、位置p3とp4の間では、上記イオン注入回避用電極への電圧14をゼロとし続けることで、イオン注入領域11の作成を続ける。続いて、上記ビームスキャナー6によるビームスキャンの位置がp4まで達したときに、上記イオン注入回避用電極への電圧14を再度印加することで、半導体ウエハ9へのイオンビーム照射を中断することによって、イオン注入領域11の作成を一旦終了する。この場合、半導体ウエハ9上でのイオン電流量15は、位置p1とp2の間及び位置p3とp4の間である値、図6ではI0となり、それ以外の位置ではゼロとなる。
その後、図5を用いて説明した動作を繰り返すことで、半導体ウエハ9上の狙いの位置のみにイオンが注入され、イオン注入領域11を作成することが出来る。また、図5を用いた説明と同様に、イオン電流量15を測定し、測定されたイオン電流量15とイオン注入領域11の設定ドーズ量から、必要なイオンビームのスキャン回数を計算によって求め、部分的イオン注入領域12では、半導体ウエハを固定したまま、そのビームスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることにより、設定したイオン注入領域11のドーズ量を実現することができる。
図4と図6の説明から明らかなように、図6で説明したイオン注入領域11の作成手法を用いても、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長を、2mm以上80mm以下で設定可能であるようにできる。加えて、一つの部分的イオン注入領域12の中でイオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長の異なるイオン注入領域11を作成することが、可能であることも明らかである。
また、図6から明らかなように、本発明を用いると、一つの部分的イオン注入領域12の中に、複数のイオン注入領域11が存在し、それぞれのイオン注入領域11は、イオン非注入領域によって、分離されているように、イオン注入領域11を構成することができる。
さらに、図5と図6から明らかなように、電圧を意図的に印加する時間、または電圧を除去する時間のパターンを、種々に変更することによって、半導体ウエハ9の面内に、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長の異なるイオン注入領域11を作成することが可能である。
また、本発明によるイオンビームに対して与えられる電磁気力は、上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加による力のみであり、イオン注入領域11の作成中は、その電圧印加も除去されている。既に図1を用いて説明したように、本発明では、イオン源1から半導体ウエハ9までの輸送線上に、パラレルレンズ7と呼ばれる、半導体ウエハ9に対するイオンビームの注入角度をウエハ面内で一定に保つ一次元的平行化ビームライン構成要素を配設する。従って、イオン注入領域11を作成する際に半導体ウエハ9に入射されるイオンビームは、どの位置でも互いに平行である。すなわち、本発明による、一つの部分的イオン注入領域12の中に複数個設定されるイオン注入領域11におけるウエハ面内に対するイオン注入角度は、どのイオン注入領域11でも互いに平行にすることが可能となる。
この点は、上記で紹介した特許文献2の手法と大きく異なる点である。すなわち、既に説明したように、特許文献2の手法では、イオンビームを二次元的にスキャンさせる必要があり、ウエハ面内のイオン注入角度を一定にすることは困難である。従って、特許文献2の手法では、イオン注入領域11がウエハ面内に散在する場合に、それぞれのイオン注入領域11のイオン注入角度が一定ではなくなる。
これに対し、本発明によると、既に説明したように、一つの部分的イオン注入領域12の中に複数個設定されるイオン注入領域11におけるウエハ面内に対するイオン注入角度は、どのイオン注入領域11でも互いに平行にすることが可能となる。このイオン注入角度に関する本発明の特徴は、後で詳しく説明するが、イオン注入領域11がウエハ面内に散在する場合でも同様である。
以上、イオン注入領域11についての説明をまとめると、本発明では、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長が2mm以上80mm以下で設定可能であり、また、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域長も、2mm以上80mm以下で設定可能である。また、イオン注入領域11のドーズ量は、1E13/cm以上1E17/cm以下で設定可能である。さらに、本発明では、半導体ウエハ9の面内に、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長または、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域長の異なる、複数種類のイオン注入領域11が作成可能であり、またドーズ量の異なる、複数種類のイオン注入領域11も作成可能である。
上記イオン注入領域11を多様に制御するために、本発明では、1枚の半導体ウエハ9へのイオン注入時に、電圧を意図的に印加する時間、または電圧を除去する時間のパターンを、複数種類保持しており、この点もまた、本発明の特徴の一つであると言える。
図7を参照して、本発明における、全幅イオン非注入領域13(図3)の作成手法について説明する。全幅イオン非注入領域13では、半導体ウエハ9までイオンビームを到達させなければ良いのであるから、一般的には種々の手法が考えられ得るが、本発明では、部分的イオン注入領域12の作成手法も考慮に入れなければならない。すなわち、1回の一連のイオン注入により、半導体ウエハ9の面内にドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域11を作成することが、本発明の目的であるので、全幅イオン非注入領域13の作成手法についても、この目的を満たすようにしなければならない。そのためには、全幅イオン非注入領域13の作成の際にも、図1のビームスキャナー6にビームスキャンを行い得る設定を与えながら、半導体ウエハ9にイオンが注入されないようにする必要がある。従って、既に説明した、部分的イオン注入領域12中のイオン非注入領域の作成手法と同様な手法を取ることが望ましい。
従って、本発明では、全幅イオン非注入領域13の作成時にも、上記イオン注入回避用電極へ電圧14を印加することによって、半導体ウエハ9上のイオン電流量15をゼロにする。この状態は、既に説明したように、ビームスキャナー6によって仮想的にイオンビームが半導体ウエハ9上でスキャンされるものの、上記イオン注入回避用電極への電圧14の印加によって、実際にはイオンビームが半導体ウエハ9上に達していない状態であるとも言って良い。
ここで、本発明による部分的イオン注入領域12作成時のイオン注入装置の挙動と、全幅イオン非注入領域13作成時のイオン注入装置の挙動で大きく異なる点がある。既に説明したように、本発明では、部分的イオン注入領域12作成時には、そこに含まれるイオン注入領域11の、イオンビームのスキャン方向に直交する方向の長さを制御するために、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を、上記イオン注入領域11のイオンビームのスキャン方向に直交する方向の長さに合わせて制御し、その状況で半導体ウエハ9を固定してイオンを注入する。すなわち、半導体ウエハ9の固定理由は、イオン注入領域11のイオンビームのスキャン方向に直交する方向の長さを制御するためであり、全幅イオン非注入領域13作成時には半導体ウエハ9の固定は必要ない。従って、全幅イオン非注入領域13作成時には、半導体ウエハ9はイオンビームのスキャン方向に直交する方向に移動するようにされる。
既に図3で説明したように、部分的イオン注入領域12と全幅イオン非注入領域13は、交互に繰り返し現れるので、全幅イオン非注入領域13作成時における半導体ウエハ9のイオンビームのスキャン方向に直交する方向への移動は、次の部分的イオン注入領域12まで行われ、その後の部分的イオン注入領域12の作成時には、半導体ウエハ9は固定される。従って、本発明におけるイオン注入装置の動作をまとめると、部分的イオン注入領域12作成時には、半導体ウエハを固定してイオンを注入し、全幅イオン非注入領域13作成時には、イオン注入を行わずに、半導体ウエハを移動させ、上記ウエハ固定とウエハ移動を複数回繰り返すことになる。
言い換えると、本発明の、半導体ウエハ9の面内の所定の位置にのみイオンを注入し、それ以外の位置にはイオンを注入しないイオン注入方法では、ウエハ面内で上記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に、1回以上交互に並んだ、2種類の面内領域、すなわち、部分的イオン注入領域12と全幅イオン非注入領域13を設定し、それぞれの面内領域で、異なる注入処理方法を行っている。
以上、本発明による半導体ウエハ9へのイオン注入時のイオン注入装置の挙動について説明してきたが、既に説明したドーズ量の制御精度以外の内容に関して、通常用いられるイオン注入装置と異なる点はない。従って、イオン源1から半導体ウエハ9までの輸送線上に、既に図1を用いて説明した、半導体ウエハ9に対するイオンビームの注入角度を半導体ウエハ9の面内で一定に保つ一次元的平行化ビームライン構成要素、すなわちパラレルレンズ7を配設することで、イオン注入領域のイオン注入性能、すなわち、イオンエネルギー、イオン注入角度、ドーズ量の制御精度が、通常のイオン注入方法と同様レベルとすることができることは明らかである。
特に、イオン注入角度に関して、念のために付言すると、既に説明したように、本発明による、一つの部分的イオン注入領域12の中に複数個設定されるイオン注入領域11におけるウエハ面内に対するイオン注入角度は、どのイオン注入領域でも互いに平行にすることが可能である。さらに、複数の部分的イオン注入領域12の中に設定されるイオン注入領域11におけるウエハ面内に対するイオン注入角度を考察すると、それらのイオン注入領域11へのイオンビームの注入の間には、本発明に関するイオン注入装置は、半導体ウエハ9の移動ないし固定を、1回ないし複数回行うのみであり、イオン注入角度を変更するような機械的動作は存在しない。従って、複数の部分的イオン注入領域12の中に設定されるイオン注入領域11におけるウエハ面内に対するイオン注入角度についても、どのイオン注入領域でも互いに平行にすることは可能である。まとめると、イオン注入領域11が半導体ウエハ9の面内に散在する場合においても、本発明を用いれば、それぞれのイオン注入領域11のイオン注入角度を一定にすることができる。
既に説明したように、イオンビームを二次元的にスキャンさせる必要があり、ウエハ面内のイオン注入角度を一定にすることは困難であるところ、その二次元的なイオンビームのスキャンを用いる特許文献2の手法では、イオン注入領域11がウエハ面内に散在する場合に、それぞれのイオン注入領域11のイオン注入角度が一定ではなくなる。これに比べ、イオン注入角度に関しての本発明のこの特徴は、大きく異なり、本発明の特徴の一つであると言える。
また、イオン注入時の外的環境についても、本発明では、通常用いられるイオン注入装置と異なる点はない。特に、本発明ではレジストマスクまたはステンシルマスクまたは可動マスクのようなマスク形状の物体を用いることなく、イオン注入領域11とイオン非注入領域を作成しているので、上記マスク形状の物体に由来する金属汚染レベル、クロス汚染レベル、イオンエネルギー汚染レベル、パーティクル数レベルが、通常のイオン注入方法と同様レベルであると言える。
これまで、半導体ウエハ9にイオン注入領域11とイオン非注入領域を作成する際の、本発明の動作を説明してきたが、ここで、半導体ウエハ9にイオン注入を行う前の準備について、説明する。
本発明では、半導体ウエハ9にイオン注入を行う前に、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅と、イオン電流値15を測定する必要がある。スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅を測定する理由は、既に説明したように、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域11の長さを制御するためである。また、イオン電流値15を測定する理由は、既に説明したように、測定したイオン電流値15とイオン注入領域11の設定ドーズ量から、必要なイオンビームのスキャン回数を計算によって求め、イオン注入領域11のドーズ量を制御するためである。
既に説明したように、本発明によるイオン注入を実施する際には、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数として、1Hz以下のスキャン周波数を用いている。このスキャン周波数は、本発明によるイオン注入にとって本質的であり、変更できない。
ここで、上記半導体ウエハ9にイオン注入を行う前のスキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅測定時及び単位時間に単位面積を通過するイオン電流値15測定時(以下、セットアップ測定時と呼ぶ)のイオンビームのスキャン周波数として、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数と同一のスキャン周波数を用いると、セットアップ測定時に必要とされる時間が長くなってしまう。例えば、イオンビームのスキャン周波数が1Hzの場合、イオンビームが半導体ウエハ9の直径を通過するには、速くとも500msecが必要となる。これは、イオンビームをスキャンする周波数として、通常のイオン注入装置で良く使われる300Hz程度のスキャン周波数を用いる場合に、イオンビームが半導体ウエハ9の直径を通過するために必要な時間、すなわち2msec以内に比べて、非常に大きい。
セットアップ測定時には、図1に例示したウエハ領域ビーム測定装置8を用いて、上記ビーム幅及び上記イオン電流値15を測定するが、その際、ビームスキャナー6を用いて、実際にイオンビームをスキャンし、上記測定を行う必要がある。すなわち、セットアップ測定時のイオンビームのスキャン周波数として、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数と同一のスキャン周波数を用いると、イオンビームのスキャンに必要な時間が長くなってしまう。
ここで、セットアップ測定時のイオンビームのスキャン周波数として、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数と同一のスキャン周波数を用いる必要はない。すなわち、既に説明したように、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数上限値は、本発明によるイオン注入にとって本質的であり、変更することは出来ない。しかし、セットアップ測定時のイオンビームのスキャン周波数は、上記ビーム幅及び上記イオン電流値15を正しく測定できるのであれば、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数と同一のスキャン周波数を用いる必要はない。
ここで、イオン源1で発生したイオンをイオンビームとして半導体ウエハ9まで輸送し、そのイオンビームを直線状に往復スキャンすることが可能であり、かつ上記イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを移動させることが可能なイオン注入装置において、ビームスキャン周波数を変更しても、イオンビームの品質が変わらないようにビームスキャナー6を設計し、また設定すれば、セットアップ測定時のイオンビームのスキャン周波数は、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数と同一でなくても良い。すなわち、イオンビームをスキャンさせるイオン注入装置においては、時間的な或る瞬間、瞬間においては、ビームスキャナー6による静電場ないし静磁場がイオンビームに作用していると考えれば良いのであって、イオンビームのスキャン周波数は単にその時間軸を変化させているに過ぎない。従って、スキャン周波数に依存しないようにイオンビームの品質を制御することは可能である。
以上の説明で明らかなように、ビームスキャナー6を適切に設計し、また適切に設定すれば、セットアップ測定時のイオンビームのスキャン周波数を、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数から変更しても、上記ビーム幅及び上記イオン電流値15を正しく測定できる。具体的には、本発明では、セットアップ測定時のイオンビームのスキャン周波数を、ウエハ面内へのイオン注入時のイオンビームのスキャン周波数より40倍以上大きくすることによって、具体的には40Hz以上のスキャン周波数を用いることによって、本発明によるイオン注入を準備するために必要な時間を、通常のイオン注入に比べて同程度としている。この点もまた、本発明の特徴の一つである。
また、既に説明したように、ウエハ面内へのイオン注入中のイオンビームのスキャン周波数は1Hz以下であり、スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅と単位時間に単位面積を通過するビーム電流を測定するために行われる、ウエハ面内へのイオン注入前のイオンビーム確認時のイオンビームのスキャン周波数と、ウエハ面内へのイオン注入中のイオンビームのスキャン周波数が互いに異なっていることは言うまでもないが、このスキャン周波数の変更は、本発明を実際の半導体製造工程に適用するために、半導体ウエハ9の生産性確保の観点から非常に有用である。従って、この点もまた、本発明の特徴の一つとして指摘できる。
さらに、既に説明したが、本発明では、上記セットアップ測定時に測定されたイオン電流値15とイオン注入領域11の設定ドーズ量から、必要なビームスキャン回数を計算によって求め、部分的イオン注入領域12では、半導体ウエハを固定したまま、そのビームスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることにより、設定したイオン注入領域11のドーズ量を実現している。
また、この点も既に説明したが、本発明では、上記イオン注入領域11のドーズ量について、半導体ウエハ9の面内に設定された、ドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域11に合わせて、それぞれの部分的イオン注入領域12で、半導体ウエハ9を固定したまま、それぞれ設定された複数種類のビームスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせるイオン注入方法を採用することによって、半導体ウエハ9の面内に、ドーズ量の異なる複数種類のイオン注入領域11を作成している。
なお、以上の説明から明らかなように、本発明では、ドーズ量制御以外に、通常のイオン注入装置と異なる点はない。既に、図1を用いて説明したが、本発明のイオン注入装置は、通常イオン注入装置として良く用いられる、ハイブリッドスキャンイオン注入装置と、そのハードウエア構成に共通な部分が多い。それゆえ、本発明で使用するウエハ保持装置10に、ハイブリッドスキャンイオン注入装置で求められる機能を併用できるように構成すれば、本発明のイオン注入装置とハイブリッドスキャンイオン注入装置を同一のハードウエアで実現できることになることは明らかである。
これまで、少なくとも一つの例示的実施形態を説明してきたが、上記説明は、単なる例であって、限定を意図しない。
1 イオン源
2 引出電極
3 質量分析磁石装置
4 質量分析スリット
5 静電レンズ
6 ビームスキャナー
7 パラレルレンズ
8 ウエハ領域ビーム測定装置
9 半導体ウエハ
10 ウエハ保持装置
11 イオン注入領域
12 部分的イオン注入領域
13 全幅イオン非注入領域
15 イオン電流値
20 イオン注入回避用電極

Claims (18)

  1. イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、イオンビームを輸送途中において直線状のスキャン方向に往復スキャンするとともにスキャンされたイオンビームを偏向して同じ方向に揃えることが可能であり、かつ前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを移動することが可能なイオン注入装置を用いたイオン注入方法において、
    ウエハ面上に、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に少なくとも一回以上交互に並んだ2種類の面内領域を設定し、
    そのうちの一つの種類の面内領域は、設定された面内領域の全ての幅にわたって、イオンが注入されない全幅イオン非注入領域とし、そのうちのもう一つの種類の面内領域は、イオンが注入される領域(以下、イオン注入領域と呼ぶ)とイオンが注入されない領域が交互に繰り返す部分的イオン注入領域とし、
    前記2種類のそれぞれの面内領域で、異なる条件のイオン注入処理を行うことで、ウエハ面内の所定の位置にのみイオンを注入し、それ以外の位置にはイオンを注入しないよう構成し
    前記部分的イオン注入領域の作成時には、ウエハを固定してイオン注入を行ない、前記全幅イオン非注入領域の作成時には、イオン注入を行わずに、ウエハを移動させ、
    前記ウエハの固定と前記ウエハの移動を複数回繰り返すことを特徴とするイオン注入方法。
  2. 請求項のイオン注入方法において、
    一つの前記部分的イオン注入領域の中に複数個設定される前記イオン注入領域におけるウエハ面内に対するイオン注入角度が、どの前記イオン注入領域でも互いに平行であるイオン注入方法。
  3. 請求項のイオン注入方法において、
    複数の前記部分的イオン注入領域の中に設定される前記イオン注入領域におけるウエハ面内に対するイオン注入角度が、どの前記イオン注入領域でも互いに平行であるイオン注入方法。
  4. 請求項またはのイオン注入方法において、
    ウエハへイオン注入を行なう前に予め測定されたビーム電流値と前記イオン注入領域の設定ドーズ量から、必要なイオンビームのスキャン回数を計算によって求め、
    前記部分的イオン注入領域では、ウエハを固定したまま、求められたスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることにより、設定したイオン注入領域のドーズ量を実現するイオン注入方法。
  5. 請求項のイオン注入方法において、
    前記イオンビームのスキャン回数は、往復スキャンを基本単位とした場合に、整数または半整数であるイオン注入方法。
  6. 請求項1からのいずれか1項のイオン注入方法において、
    前記全幅イオン非注入領域の作成時に、前記イオン源からウエハまでのイオン輸送領域の所定場所に設置された電極に電圧を印加してイオンビームの軌道を偏向することにより、ウエハへのイオンビーム照射を中断するイオン注入方法。
  7. 請求項のイオン注入方法において、
    前記部分的イオン注入領域の作成時であって、前記イオン注入領域の作成開始時に、ウエハ上のあらかじめ定めた位置座標で、前記電極への電圧印加を除去し、かつ、前記イオン注入領域の作成終了時に、ウエハ上の別に定めた位置座標で、前記電極に電圧を印加し、ウエハへのイオンビーム照射を中断するイオン注入方法。
  8. 請求項6または7のイオン注入方法において、
    1枚のウエハへのイオン注入時に、前記複数個設定される部分的イオン注入領域ごとに、前記電極に電圧を印加する時間、または電圧を除去する時間のパターンを複数種類保持しており、かつ、イオンビームのスキャン回数のパターンを複数種類保持しているイオン注入方法。
  9. イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送し、イオンビームを輸送途中において直線状のスキャン方向に往復スキャンするとともにスキャンされたイオンビームを偏向して同じ方向に揃えることが可能であり、かつ前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを移動することが可能なイオン注入装置を用いたイオン注入方法において、
    ウエハ面上に、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に少なくとも一回以上交互に並んだ2種類の面内領域を設定し、
    そのうちの一つの種類の面内領域は、設定された面内領域の全ての幅にわたって、イオンが注入されない全幅イオン非注入領域とし、そのうちのもう一つの種類の面内領域は、イオンが注入される領域(以下、イオン注入領域と呼ぶ)とイオンが注入されない領域が交互に繰り返す部分的イオン注入領域とし、
    前記2種類のそれぞれの面内領域で、異なる条件のイオン注入処理を行うことで、ウエハ面内の所定の位置にのみイオンを注入し、それ以外の位置にはイオンを注入しないよう構成し、
    スキャンされたイオンビームのスキャン方向に直交する方向のビーム幅と単位時間に単位面積を通過するビーム電流値を測定するために行われる、ウエハへイオン注入を行なう前のイオンビーム確認時のイオンビームのスキャン周波数と、ウエハ面内へのイオン注入中のイオンビームのスキャン周波数が互いに異なっているイオン注入方法。
  10. 請求項9のイオン注入方法において、
    ウエハへイオン注入を行なう前のイオンビーム確認時のイオンビームのスキャン周波数として、40Hz以上のスキャン周波数を用い、
    ウエハ面内へのイオン注入中のイオンビームのスキャン周波数として、1Hz以下のスキャン周波数を用いるイオン注入方法。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項のイオン注入方法において、
    ウエハ面内に、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域長、イオン注入領域のドーズ量のうち、いずれか一つ、もしくは複数の値が異なる、複数種類のイオン注入領域が作成されるイオン注入方法。
  12. 請求項11のイオン注入方法において、イオンビームのスキャン方向のイオン注入領域長が、2mm以上80mm以下で設定されるイオン注入方法。
  13. 請求項11または12のイオン注入方法において、イオンビームのスキャン方向に直交する方向のイオン注入領域長が、2mm以上80mm以下で設定されるイオン注入方法。
  14. 請求項11から請求項13のいずれか1項のイオン注入方法において、イオン注入領域のドーズ量が、1E13/cm以上1E17/cm以下で設定されるイオン注入方法。
  15. イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送するビームラインを備え、該ビーラインの途中にはイオンビームを直線状に往復スキャンするビームスキャナーを設置し、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを移動させる駆動手段と、前記ビームスキャナーと前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えたイオン注入装置において、
    前記制御手段は、
    ウエハ面上に、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に、一回以上交互に並んだ2種類の面内領域、すなわち、全幅イオン非注入領域と部分的イオン注入領域を作成し、
    前記全幅イオン非注入領域は、設定された注入領域の全ての幅にわたって、イオンが注入されない面内領域とし、
    前記部分的イオン注入領域は、イオンが注入されるイオン注入領域とイオンが注入されない領域が交互に繰り返す面内領域とし、
    それぞれの面内領域で、異なるイオン注入処理制御を実行することで、ウエハ面内の所定の位置にのみイオンを注入し、それ以外の位置にはイオンを注入しないようにし
    前記制御手段は更に、
    前記部分的イオン注入領域の作成時には、ウエハを固定してイオン注入を行ない、前記全幅イオン非注入領域の作成時には、イオン注入を行わずに、ウエハを移動させ、
    前記ウエハの固定と前記ウエハの移動を複数回繰り返すイオン注入処理制御を実行するイオン注入装置。
  16. 請求項15のイオン注入装置において、
    前記制御手段は、
    一つの前記部分的イオン注入領域の中に複数個設定される前記イオン注入領域におけるウエハ面内に対するイオン注入角度が、どの前記イオン注入領域でも互いに平行になり、
    かつ、複数の前記部分的イオン注入領域の中に設定される前記イオン注入領域におけるウエハ面内に対するイオン注入角度も、どの前記イオン注入領域でも互いに平行になる処理制御を実行するイオン注入装置。
  17. 請求項16のイオン注入装置において、
    前記制御手段は、
    ウエハへのイオン注入前に予め測定されたビーム電流値とイオン注入領域の設定ドーズ量から、必要なイオンビームのスキャン回数を計算によって求め、
    前記部分的イオン注入領域では、ウエハを固定したまま、求められたイオンビームのスキャン回数分だけイオンビームをスキャンさせることにより、設定したイオン注入領域のドーズ量を実現するイオン注入装置。
  18. イオン源で発生したイオンをイオンビームとしてウエハまで輸送するビームラインを備え、該ビーラインの途中にはイオンビームを直線状に往復スキャンするビームスキャナーを設置し、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハを移動させる駆動手段と、前記ビームスキャナーと前記駆動手段を制御する制御手段と、を備えたイオン注入装置において、
    前記制御手段は、
    ウエハ面上に、前記イオンビームのスキャン方向に直交する方向に、一回以上交互に並んだ、2種類の面内領域、すなわち、全幅イオン非注入領域と部分的イオン注入領域を作成し、
    前記部分的イオン注入領域の作成時には、ウエハを固定してイオン注入を行ない、前記全幅イオン非注入領域の作成時には、イオン注入を行わずに、ウエハを移動させ、
    前記ウエハの固定と前記ウエハの移動を複数回繰り返すことで、ウエハ面内の所定の位置にのみイオン注入を行ない、それ以外の位置にはイオンを注入しないイオン注入処理制御を実行し、かつ、前記イオン源で発生したイオンをウエハまで輸送し、イオンビームを直線状に往復スキャンしながら、イオンビームのスキャン方向に直交する方向にウエハをメカニカルに連続的にスキャンさせ、ウエハ全面に均一なイオン注入を行うイオン注入装置。
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