以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明に関する燃料電池(以下、燃料電池セルユニットと記す)及び燃料電池を収納する電池収納室を有する携帯端末機器(具体的には、例えば、装置本体(クレードル)に載置したデバイス負荷部(電子カメラ))の構造について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態であって、携帯端末機器としてのデバイス負荷部とその燃料電池セルユニットを収納する装置本体の外観を示す斜視図であり、図2は図1のデバイス負荷部が装置本体に装着された状態を示すもので、(a)は(b)のA−A′線に沿った断面図、(b)は一部を切り欠いて示した側面図である。
尚、本実施形態に於いては、水素吸蔵合金容器(燃料タンク)、制御弁及び燃料電池セルユニットが一体化された燃料電池セルユニット30とし、デバイス負荷部を携帯端末機器である電子カメラ(以下、デバイス負荷部20)とする。
デバイス負荷部20が装着される装置本体(クレードル)10は、例えば、ガラス繊維が充填されたPPS(ポリフェニレンサルファィド)、ABS(アクリロニトリル(Acrylonitrile)・ブタジエン(Butadiene)・スチレン(Styrene))、PC(ポリカーボネート)等の合成樹脂から構成される。そして、この装置本体10の内部に、後述する挿入面に端子基板35が設けられた燃料電池セルユニット30を装填可能とするために、側面の一部に挿入口11と電池収納室16と、を設けている。そして、図1に於いて、装置本体10の上面部には、デバイス負荷部20を装填可能とするための凹部12が形成されている。この凹部12内には、デバイス負荷部20の図示されない充電池を充電するための、クレードル側接続コネクタ13が設けられている。更に、装置本体10の外部には、図示されない外部機器(例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)またはプリンタ)との間でデータの送受信を行うためのUSB端子14を有している。これにより、装置本体10はUSB端子14を介して接続される、図示されない外部機器との間で双方向通信が可能である。
尚、装置本体10には、USB端子14の他、室内などに於いて燃料電池セルを使用しないときに図示されない電源ケーブル等も接続可能であり、これらUSB端子14、電源ケーブルは着脱可能であることが望ましい。
前記デバイス負荷部(電子カメラ)20には、撮影または再生操作を行うための電源スイッチ釦21、シャッタ釦22や、ファインダ機能として被写体を表示するための表示装置23や、種々の操作を行うためのユーザ操作釦24が設けられている。そして、デバイス負荷部20の下面部には、装置本体10のクレードル側接続コネクタ13と嵌挿するためのカメラコネクタ25が設けられている。
また、装置本体10内部には、図示されないが制御回路が搭載されている。この制御回路は、クレードル側接続コネクタ13を介して接続されるデバイス負荷部20との通信を制御して、データの授受を行うと共に、表示装置23の表示及びユーザ操作釦24による制御や、外部機器(図示せず)との通信制御等を行うものである。
そして、装置本体10にデバイス負荷部20が装着されると、該装着動作に連動して、カメラコネクタ25とクレードル側接続コネクタ13とが接続される。尚、このカメラコネクタ25とクレードル側接続コネクタ13の接続は、図2に於いては、コネクタ接続端子26として記されている。装置本体10にデバイス負荷部20が載置され、カメラ側接続コネクタ25がクレードル側接続コネクタ13に接続される。装置本体10内の制御回路(後述する図6(a)に示される制御回路CPU)は、デバイス負荷部20の接続を自動検出し、図示されていない制御回路(CPU)との双方向通信がなされる。その後、デバイス負荷部20内の2次電池によって、燃料電池セルユニット30を起動する。起動した燃料電池セルユニット30の燃料電池セルから供給電力がデバイス負荷部20側に送られる。
例えば、撮像レンズにより形成された像を撮像素子で受光し、フラッシュメモリに一時的に書き込み、画像圧縮した後、画像データをメモリカード(図示せず)に書き込む等の処理を実行する。デバイス負荷部20内に保存されていた前記画像データがメモリカード(図示せず)に書き込まれた後は、デバイス負荷部20内のフラッシュメモリの画像データを消去する。また、ユーザがスイッチ釦21でデバイス負荷部20の動作が停止すると、装置本体の制御回路は燃料電池セルの電力供給を2次電池に充電する。そして、所定時間後に装置本体10の制御回路は停止する。
更に、上述したバックアップ機能と、ユーザ操作による画像転送処理機能とを選択的に切り替えることができるように構成してもよい。
また、変形例として、メモリカードに代えて装置本体10内に大容量記憶装置(ハードディスクドライブ等)を内蔵させてもよい。
装置本体10には、挿入口11より燃料電池セルユニット30を挿入して装填するべく電池収納室16が設けられている。この電池収納室16の側面には、プリント基板32が固定されている。このプリント基板32には、燃料電池セルユニット30及び図示されない開閉弁及び圧力調節弁に電源を供給するための、第1の電源端子と、燃料電池セルからデバイス負荷部20へ電源を供給するための、第2の電源端子から成る電源端子33と、後述する温度センサ及び検出用圧力センサ用の信号端子34とが設けられている。更に、燃料電池セルユニット30を、公知である電池装着検出用スイッチ端子で回動スライドレバー型の抜け止め部材41に対して押すための圧縮コイルバネ36が、電池収納室16内に固定されている。
装置本体10の挿入口11側には、電池蓋44が設けられている。この電池蓋44には、燃料電池セルユニット30からの蒸発熱を冷却するための外気に通気孔45と接続されたモルトプレーン部材42が接合されている。モルトプレーン部材42と電池蓋44の底面との間には、板バネ43を介して、モルトプレーン部材42が、燃料電池セルユニット30の側面に配置された複数の通気孔45に常に接触するようにする。
一方、燃料電池セルユニット30側の上表面は、その両端部側に、矩形形状した突起部37及び39a、39bが形成されている。更に、燃料電池セルユニット30の表面には、空気を供給するための、矩形形状をした多数の通気口48が形成されている。これらの通気口48から供給された空気は、燃料電池セルユニット30の酸素極であるカソード電極に供給される。
図2(b)に示されるように、電池収納室16の上面には、2つの電池受けガイド面17a、17bが形成される。これらの電池受けガイド面17a、17bが、燃料電池セルユニット30の突起部39a、39bに対向するように配置されている。
このように、2つの電池受けガイド面17a、17bを電池収納室16に設けることで、燃料電池セルユニット30の通気口48へ空気を送り込む領域である空間部49と、2つの電池受けガイド面17a、17bとの間に位置する空間部を連結することができる。したがって、図2(b)に示される空間部の上下方向の断面積が増えて、より燃料電池セルユニット30の通気口からの空気が不足することが低減できるという効果がある。
また、装置本体10内で電池収納室16の上方には、一時的に熱を蓄えるための、インサート成形された蓄熱材38が配置されている。この蓄熱材38は、例えば、約45〜60℃に融点を有するもので、パラフィン、ワックス、硝酸ナトリウム水和物等により構成される。
そして、図2(b)に於いて、この蓄熱材38の下面には、温度センサ46が直接的に取り付けられている。但し、温度センサ46がシート状に形成されているものであれば、蓄熱材38の内表面に貼り付けられるものであっても良い。また、温度センサ46は蓄熱材38の下面に取り付けられるとしたが、これに限られるものではなく、蓄熱材38の上面であっても良く、更には上下の面にそれぞれに設けられるものであっても良い。また、蓄熱材38は、電池収納室の上下面にそれぞれ設けられるものであっても良い。
燃料電池セルユニット30の側面と電池収納室16の側壁との隙間によるガタ(遊び)を無くすためには、図示されないが、図2(a)に示される電池収納室16の右側側面と対向する燃料電池セルユニット30の右側面との間に、板バネ等の押圧部材を介在させ、燃料電池セルユニット30の左側面を対向する電池収納室16の側面に押圧することで、安定して燃料電池セルユニット30を電池収納室16に保持することができる。
電池収納室16に燃料電池セルユニット30が挿入されると、燃料電池セルユニット30の突起部39a、39b及び37が電池収納室16の内壁表面を押圧するための燃料電池セルユニット30の通気口48と、電池収納室16の内壁表面との間に、空間部49ができる。このような構造の場合、市販されているリチウム電池の外形と同形状等の場合には、携帯端末機器の電池収納室ヘリチウム電池を挿入することが防止できるという効果がある。
また、燃料電池セルユニット30の一側面部、この場合、装置本体10内に燃料電池セルユニット30を装填した場合に最深部となる面部には、凹凸形状したフィンが形成し、複数の凹部には開閉弁、検出用圧力センサや制御弁(以下、圧力調節弁と称する)のダイヤフラムに大気圧を与えるための複数の通気口がある。燃料電池セルユニット30の中央には空間部を設けて、燃料電池セルユニット30が発生する熱を外気と接触させて冷却する空気の流路になっている。
燃料電池セルユニット30内で端子板35を除く5つの面から成る外側表面の凹部47には、空気を供給するための多数の通気孔45が設けられている。これらの通気孔45を塞ぐことなく、燃料電池セルユニット30ヘの負担を軽減するために、装置本体10に挿入することが重要である。
具体的には、電池収納室16の内壁表面と燃料電池セルユニット30の外側表面との間に、燃料電池セルユニット30側に空間部49が設けられる。電池収納室16に燃料電池セルユニット30が装填されたとき、電池装着検出用スイッチ端子で回動スライドレバー型の抜け止め部材41により、燃料電池セルユニット30が固定されている。電池収納室16の内側の表面は、燃料電池セルユニット30の燃料電池側である突起部39a、39b及び37と接触すると、携帯端末機器を携行するときに、燃料電池セルユニット30が上下に移動しないようになる。
燃料電池セルユニット30の側面には、凹凸状に形成された複数のフィンが設けられており、複数の凹部には開閉弁、検出用圧力センサや圧力調節弁のダイヤフラムに大気圧を与えるための複数の通気孔45が設けられている。燃料電池セルユニット30の中央には空間部49が設けられており、燃料電池セルユニット30が発生する熱を外気と接触させて冷却する空気の流路になっている。そして、装置本体10内で電池収納室16の上方に設けられた温度センサ46により、燃料電池セルユニット30の温度を検出することができるようになっている。
図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池が適用された燃料電池セルユニット30の構成を示す断面図である。
図3(a)に於いて、燃料電池セルユニット30は、水素流路の上層と、該水素流路の下層とが、水素吸蔵合金容器筐体60に設けられて構成されている。前記水素流路の下層は、第1のガラス基板53上に形成された第1のシリコン基板55により設けられたものである。一方、前記水素流路の上層は、電池セルユニット30へ水素を供給する際の水素圧力を、水素吸蔵合金の平衡圧力以下に調整する機能を有する圧力調整機構が、第2のシリコン基板56上に形成されたものである。
第1のガラス基板53上には、第1のシリコン基板55及び第2のシリコン基板56が配置されている。第1のガラス基板53上に載置された第2のシリコン基板56には、温度センサ57や振幅信号増幅回路用のヘッドアンプチップ(HAチップ)58が埋め込まれている。一方、第1のシリコン基板55上の第2のシリコン基板56には、第1のガラス基板53を介して水素吸蔵合金容器59に延出された配管経路A64と、第2のガラス基板54及び断熱部材61を介して電池セルユニット30に延出された配管経路B65が設けられている。これら配管経路A64及び配管経路B65は、電池セルユニット30に水素を供給するために接続されている。
前記第2のガラス基板54は、第1のガラス基板53との空間に配置された各圧力センサや圧力調整弁の素子が静電破壊を防止するため、第1のガラス基板53と平行に位置するように、図示されない保持板に接着されている。電池セルユニット30は水素を燃料として電力を供給するもので、導電性粉体を芯材とし、この芯材を不織布から成る袋中に封入し、外皮で被覆した真空断熱材である断熱部材61を介して第2のガラス基板54が密着されている。この真空断熱材を用いるときは、断熱部材61の厚みが数mmとなるために、第2のガラス基板54を用いずに直接、真空断熱材や45℃から60℃で相変化(固体から液体へ、または液体から固体へ変化する)材料の蓄熱材シートを水素吸蔵合金容器筐体60に接着することが望ましい。このようにすると、燃料電池セルから発生した熱は、水素吸蔵合金容器への熱伝導を少なく抑えた熱遮断ができ、燃料電池セルの動作中に水素吸蔵合金容器が急に温度上昇することのない効果がある。
また、水素吸蔵合金容器59及び水素吸蔵合金容器筐体60には、水素補給口66が設けられている。この水素補給口66は、着脱式で接続することにより弁が開くような機構を有している。そして、水素補給口66に、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の孔質によって水素を発生する水素発生器等の水素補給ボンベが接続されて注入されることによって、水素吸蔵合金容器59内の水素吸蔵合金へ水素が補給、貯蔵される。
水素吸蔵合金容器59は、厚み方向の長さが短い直方体形状を呈し、厚み方向の水素吸蔵合金容器59上に、電池セルユニット30が密着して配置されている。水素吸蔵合金容器筐体60の外形寸法の一例として、矩形形状した水素吸蔵合金容器筐体60を構成する材料としては、水素吸蔵合金容器59の圧力に耐えるように、アルミニウム或いはステンレス等の金属が用いられる。水素吸蔵合金容器筐体60の外側表面は、アルミニウムの場合は多数の溝加工等により冷却用のフィン68が複数形成されている。
また、電池セルユニット30や第1のガラス基板53と第2のガラス基板54との間には、空気吸引口67が挿入されている。空気吸引口67は、端子用基板72が取り付けられた水素吸蔵合金容器筐体60の一面を除くフィン68の溝部に開口を設けることにより、携帯用機器を挿入時に端子用基板72の端子に押圧するための圧縮コイルバネ(図3には示されない)36に妨げられることなく、空気吸引することができる。
また、電池セルユニット30と第2のガラス基板54との間に断熱部材61を介することで、燃料電池セルユニット30から発生する熱を遮断することができ、第2のシリコン基板56上に配置した温度センサ57の誤検出を防ぐことができる。更に、前記端子用基板72にはピン端子71の他、上述した電源端子33、信号端子34が結合されている。前記ピン端子71、温度センサ57、HAチップ58や中継端子基板は、ボンディングワイヤ70によって接続されている。
また、前記端子用基板72には、図3(b)に示されるように、信号線(信号端子)73a〜73hと、駆動線(電源端子)74a〜74hのそれぞれ8本の端子が設けられている。前記信号線(信号端子)73a〜73hは、後述する温度センサ、検出用圧力センサ、圧力調節弁から制御回路(CPU)105へ送信するものである。また、駆動線(電源端子)74a〜74hは、電池セルユニット30側からデバイス負荷部や2次電池へ電力供給する駆動線や2次電池から開閉弁、安全弁、検出用圧力センサと圧力調節弁へ電力供給する駆動線である。
このように、同一端子用基板上に異なる2組の電力供給する駆動線を配置することで、燃料電池システム内の配線の引き回しをすることなく、組み立て工数を削減することができ、燃料電池システム内を簡素化することができる。尚、前記第1のガラス基板53と第2のガラス基板54の間は、圧力調整機構として構成されている。
水素吸蔵合金の平衡圧力は水素吸蔵合金の温度によっても変化し、温度上昇に伴って平衡圧力も増加する。例えば、AB5型のLaNi5を主成分とする水素吸蔵合金を用いた場合、使用環境が0〜45℃程度であることを想定し、平衡圧力が0℃で常圧以上、45℃で0.6MPa、そして60℃で1.0MPaを越えないように20℃の平衡圧力が0.25〜0.35MPa程度の水素吸蔵合金用材料を用いると好適である。水素吸蔵合金容器筐体60は、電池セルユニット30と組み合わされ、水素吸蔵合金容器59から電池セルユニット30への経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池システムとなる。前記温度センサ57は、こうした水素吸蔵合金容器筐体60内の温度を測定するために設けられている。
図4及び図5は、燃料電池セルユニット30の外側表面の突起部と空気流路の通気口の他の例を示したもので、それぞれ(a)は燃料電池セルユニット30の上面側から見た図、(b)は(a)の右側方向から見た図である。
図4の例では、3箇所に矩形形状した突起部37及び39a、39bが形成されている。そして、通気口48は矩形形状に設けられている。この例では、図2に示された燃料電池セルユニット30内に於いて突起部の面積に対して通気口の面積を大きくしている。更に、モルトプレーン部材に接触する口を広げて、空気流通を良くしている。尚、図中80は、誤挿入防止用の切り欠きである。この場合、電池収納室16を、この切り欠き80に対応した形状に形成しておけば、当該燃料電池セルユニット30以外のものを誤挿入することから防ぐことができる。
図5の例は、四隅に矩形形状した突起部81を配し、中央に円形状の複数の突起部82を設けている。そして、通気口は、複数の円形状の通気口83と細長い矩形形状の通気口84の2種類を設けている。空気流通をよくするため、通気口の面積を広くすると剛性の低い通気口が壊れやすくなる。この通気口が壊れないように、中央部に円形形状した突起部82を設けている。
ところで、水素吸蔵合金容器内に、一対から成る駆動電極板を用いて残量容量を測定する場合や、公知の歪ゲージによる残量水素量を測定する場合(特開平6−33787号公報)等に於いて、工場出荷前に、予めデータ特性表を求めるために製品と同じ容器を2次加工して、温度センサの出力が20℃、23℃、27℃、30℃、32℃、35℃、40℃、45℃毎に変化できるためにサーモモジュールを容器の外側表面に取り付ける。水素吸蔵合金容器のバルブを開き、温度毎の水素流量計で放出水素量を求める。すなわち、上述した燃料電池セルユニットの構成に於いて、この放出水素量毎に於ける燃料電池の消費総時間の関係が求まる。
残量表示は、残量時間または(残量時間/消費総時間)の%表示とし、残量時間は消費総時間から圧力調整弁と安全弁の使用回数及び使用時間の累積を減算することで求まる。また、各温度に於けるPCT係数を決め、相関(重み付け)を決めておくことになる。ここで得られたデータがROMに格納される。このようにすると、水素吸蔵合金容器に設けた残量検出センサを省略することもできる。
金属材料のステンレス材料から成る水素吸蔵合金筐体の外側表面の凹面内にサーモモジュール(例えば、ペルチェ素子)配線基板を配置することで、CPUによる温度コントロールを20℃(常温)になるように行うことができる。その結果、検出用圧力センサの出力信号を安定化することができる。したがって、常温(20℃)に近傍のデータのみを格納することできる。したがって、メモリ(例えば、ROM等)の記憶容量を大幅に減らすことができる。
また、携帯用の電子機器(例えば、クレードル)には、後述するように、CPU、開閉弁や検出用、圧力センサ及び圧力調節弁を初期駆動する2次充電器、2次電池の残量を検出する電流検出器、切り替えスイッチ、温度変化による前記データが格納されたメモリ、燃料電池の残量表示及びユーザ操作入力キーが備えられている。
ここで、図6(a)及び(b)を参照して、燃料電池セルユニットが装着可能な電池収納室と2次電池やCPUが内蔵された燃料電池システムと、この燃料電池システムを用いた電子機器の残量表示の組み合わせについて説明する。
水素吸蔵合金筐体は、水素吸蔵合金容器85と、シリコン基板86上に配置された開閉弁87、検出用圧力センサ88、圧力調節弁89が形成されており、更に温度センサ90を有している。燃料電池セル95は、アノード電極(燃料極)96、カソード電極(酸素極)97及び高分子固体電解膜98から構成されている。携帯用の電子機器(例えば、クレードル)100には、CPU(制御回路)105と、上述した開閉弁87や検出用圧力センサ88及び圧力調節弁89を初期駆動する2次充電器(2次電池)101と、該2次電池101の残量を検出する電流検出器及び電子カメラ(デバイス負荷部)103と、燃料電池セル95から電力供給されるデバイス負荷部103や2次電池101への充電を切り替えるための切り替えスイッチ102と、温度変化によるデータが格納されたメモリ107と、燃料電池の残量表示を行う表示部108及びユーザ操作用入力キーから成る入力操作部106とが備えられている。
圧力調節弁89からの配管経路は、アノード電極(燃料極)96に接続されている。CPU105は、シリコン基板86に埋め込まれた温度センサ90や検出用圧力センサ88の出力信号をモニタする。また、燃料電池セル95の残量表示やデバイス負荷部103の電流値を監視する。CPU105は、燃料電池セル95が電子機器100に接続されると、切り替えスイッチ102によりデバイス負荷部103の出力信号から残量検出ができる。しかしながら、ここでは無視することで、検出用圧力センサ88の出力信号及び温度センサ90からの出力信号を優先して、メモリ107に格納されたユーザが指定したB社の水素吸蔵合金容器で、AB5型の水素吸蔵合金容器の種別及び温度特性から、前記データの残量演算値を利用して、表示部(ディスプレイ)108に表示する。これにより、ユーザが確認することができる。
デバイス負荷部103の動作開始信号が入力されたときの起動時は、CPU105が2次電池101を動作させる。2次電池101は開閉弁、検出用圧力センサ、圧力調節弁へ電力供給する。そして、開閉弁を開放した後、温度センサ、検出用圧力センサの出力をモニタして燃料タンクの残容量の演算をした後、表示装置に残容量を表示する。圧力調整弁から所望の水素が放出され、燃料電池セル内から2次電池に充電される。つまり、図6(b)に示されるように、燃料電池セル95から2次電池101へは、切り替えスイッチ102によって充電時に接続されるようになっている。携帯用機器であるクレードルの場合には、デバイス負荷部(例えば、電子カメラ等)103が搭載され、燃料電池セル95が動作をすると、CPU105は切り替えスイッチ102を動作させ、2次電池101は休止する。そして、圧力調節弁89の制御や燃料電池セル95は動作状態となり、デバイス負荷部103が動作を行う。このようなとき、CPU105は、燃料電池セル95のみの使用や、燃料電池セル95と2次電池101の併用使用により、コンセントのない屋外等でも利用することができるというメリットがある。
次に、図7及び図8を参照して、本発明の流体制御装置が適用された燃料電池セルユニットについて説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池セルユニットの構成を示す断面図である。また、図8(a)は図7の燃料電池セルユニットを構成する水素吸蔵合金容器に取り付けた第1のガラス基板上に第2のシリコン基板や圧力調節弁、開閉弁とボンディングワイヤ等を組み立てた状態の構造を示した図、図8(b)は(a)の状態の後に第2のガラス基板と水素吸蔵合金筐体に組み込んだ状態の構造を示した図、図8(c)は(a)の圧力調節弁、開閉弁等の配列を示した上面図である。
前記水素吸蔵合金容器、制御弁及び燃料電池セルを保持する容器筐体を有し、前記容器筐体を水素吸蔵合金容器と制御弁を保持する第1の容器筐体と、前記燃料電池セルを保持する第2の容器筐体との間に断熱材を介在させる。このような構成によると、燃料電池セルから発生した熱が、制御弁や水素吸蔵合金容器に熱伝導することなく、制御弁や水素吸蔵合金容器の温度上昇を抑え、誤動作を少なくすることができる。
燃料電池セルユニット110は、圧力調節機構が、水素流路の下層と、水素流路の上層とが、水素吸蔵合金容器筐体126に設けられて構成されている。前記圧力調節機構は、燃料電池セル127へ水素を供給する際の水素圧力を、水素吸蔵合金の平衡圧力以下に調整する機能を有する機構である。前記水素流路の下層は、第1のガラス基板111上に形成された第1のシリコン基板112により設けられている。また、前記水素流路の上層は、第2のシリコン基板114上に形成されている。
第1のガラス基板111は、水素吸蔵合金容器120上に、傾き調整部材119及びOリング(パッキン材)122を介して配置されている。そして、第1のガラス基板111上には、第1のシリコン基板112及び第2のシリコン基板114が配置されている。第1のガラス基板111上に載置された第2のシリコン基板114には、図示されない振幅信号増幅回路用のヘッドアンプチップ(HAチップ)116や、温度センサ及び加速度センサ117が埋め込まれている。
一方、第1のシリコン基板112上には、圧力調節弁133、開閉弁134、検出用圧力センサ140等が設けられている。そして、前記温度センサ及び加速度センサ117と第2のシリコン基板114上に設けられたリード端子118の間と、温度センサ及び加速度センサ117と圧力調節弁133、開閉弁134、検出用圧力センサ140等との間は、それぞれボンディングワイヤ131によって接続されている。
前記開閉弁64は、前記配管経路A121に接続された際に開き、接続が解除された際に閉じるもので、弁機構を兼ね備えた水素補給用の弁である。また、検出用圧力センサ140は、開閉弁134に接続されている。圧力調節弁133は、検出用圧力センサ140と接続され、燃料電池セル127の固体電解質膜を保護するために圧力調節する弁機構であり、燃料電池セル127に水素を供給する配管経路B124に接続されている。
第2のガラス基板113は、第1のガラス基板111との空間に配置された圧力センサ140や圧力調節弁133の素子の静電破壊を防止するため、第1のガラス基板111と平行に位置されるように、図示されない保持板に接着されている。前記燃料電池セル127は水素を燃料として電力を供給するもので、導電性粉体を芯材とし、この芯材を不織布から成る袋中に封入し、外皮で被覆した真空断熱材である断熱部材123及びOリング(パッキン材)125を介して、第2のガラス基板113が密着されている。また、第2のガラス基板を45℃から60℃で相変化(固体から液体へ、または液体から固体へ変化する)材料の蓄熱材シートに置き換えることで、燃料電池セルから発生した熱は水素吸蔵合金容器への熱伝導を少なく抑えた熱遮断ができ、燃料電池セルが動作中に水素吸蔵合金容器が急に温度上昇することのない効果がある。
また、第1のガラス基板111には、該第1のガラス基板111を介して水素吸蔵合金容器120に延出された配管経路A121が設けられている。また、第2のガラス基板113には、該第2のガラス基板113を介して燃料電池セル127に延出された配管経路B124が設けられている。これら配管経路A121及び配管経路B124は、燃料電池セル127に水素を供給するために接続されている。尚、燃料電池セル124には、外部機器と電気的に接続するためのリード端子128が接続されている。
水素吸蔵合金容器120、燃料電池セル127及び水素吸蔵合金容器筐体126には、それぞれ水素補給口137、空気吸入口138が設けられている。前記水素補給口137は、着脱式で接続することにより弁が開くような機構を有している。そして、水素補給口137に、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル等の孔質によって水素を発生する水素発生器等の水素補給ボンベが接続されて注入されることによって、水素吸蔵合金容器120内の水素吸蔵合金へ水素が補給、貯蔵される。
水素吸蔵合金容器120は、厚み方向の長さが短い直方体形状を呈し、厚み方向の水素吸蔵合金容器120上に、燃料電池セル127が密着して配置されている。水素吸蔵合金容器筐体126の外形寸法の一例として、矩形形状した水素吸蔵合金容器筐体126を構成する材料としては、水素吸蔵合金容器120の圧力に耐えるように、アルミニウム或いはステンレス等の金属が用いられる。水素吸蔵合金容器筐体126の外側表面は、アルミニウムの場合は多数の溝加工等により冷却用のフィン139が複数形成されている。
燃料電池セル127や第1のガラス基板111と第2のガラス基板113との間に挿入された空気吸入口138は、端子基板が取り付けられた水素吸蔵合金容器筐体126の1つの面を除くフィンの溝部に開口を設けることにより、携帯機器を挿入時に端子基板の端子に押圧するための板バネ部材に妨げられることなく、空気吸引することができる。また、燃料電池セル127と第2のガラス基板113との間に断熱部材123を介することで、燃料電池セル127から発生する熱を遮断することができ、第2のシリコン基板114上に配置した温度センサの誤検出を防ぐことができる。
水素吸蔵合金の平衡圧力は水素吸蔵合金の温度によっても変化し、温度上昇に伴って平衡圧力も増加する。例えば、AB5型のLaNi5を主成分とする水素吸蔵合金を用いた場合、使用環境が0〜45℃程度であることを想定し、平衡圧力が0℃で常圧以上、45℃で0.6MPa、そして60℃で1.0MPaを越えないように20℃の平衡圧力が0.25〜0.35MPa程度の水素吸蔵合金用材料を用いると好適である。水素吸蔵合金容器筐体126は、燃料電池セル127と組み合わされ、水素吸蔵合金容器120から燃料電池セル127への経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池システムとなる。前記温度センサは、こうした水素吸蔵合金容器筐体126内の温度を測定するために設けられている。
水素吸蔵合金の平衡圧力は水素吸蔵合金の温度によっても変化し、温度上昇に伴い平衡圧力も増加する。例えば、AB5 型のLaNi5 を主成分とする水素吸蔵合金を用いた場合、使用環境が0〜45℃程度であることを想定し、平衡圧力が0℃で常圧以上、45℃で0.6MPa、そして60℃で1.0MPaを越えないように20℃の平衡圧力が0.25〜0.35MPa程度の水素吸蔵合金用材料を用いると好適である。
水素吸蔵容器筐体は、燃料電池セルと組み合わされ、水素吸蔵容器から燃料電池セルヘの経路が一体化されることにより、本実施形態の燃料電池となる。
また、上述した第1の実施形態では、水素吸蔵合金筐体の側面に配置した端子板に信号線8本と駆動線8本を有している。このうち、第2開閉弁の使用数については、水素吸蔵合金材料等により選択するようにするとよい。加えて、第1開閉弁は公知の機械的な電磁弁を水素吸蔵合金筐体に取り付けてもよい。更に、温度センサや振幅信号増幅回路用のヘッドアンプチップ(HAチップ)が埋め込まれた第2のシリコン基板は、第1シリコン及び第2シリコン基板とは別に第1のガラス基板上に配置することもできる。
また、温度センサと加速度センサを第2のシリコン基板に埋め込むことができる。この加速度センサを設けることは、液体燃料電池に使用する場合等で、液面センサを残量検出に利用する場合には、燃料電池の姿勢により残量測定に誤差が発生するので特に有効である。
このように、燃料電池セルユニット110によると、水素吸蔵容器から燃料電池セルへ水素を供給する配管経路に配置された複数開閉弁、検出用圧力センサ、圧力調節弁と安全弁をガラス基板上のシリコン基板に設け、また、ガラス基板を水素吸蔵容器筐体内部に配置したとして一体化することにより、容積を小さく、安全弁を駆動することで、圧力調節弁の負荷を軽減することができる。この結果、携帯機器用燃料電池全体の小型化が可能となる。
図9は、図8に示された燃料電池セルユニット110の圧力調整機構の部分の構成を示す断面図である。
図9に於いて、下面側に流路を形成するガラス基板142と検出用圧力センサとの間には空洞部となる水素燃料室145を有している。この水素燃料室145の内表面には、シリコン基板143がガス等で腐食するのを保護するための保護膜144が形成されている。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図10乃至図12は、本発明の第2の実施形態の構造を示すものであって、図10は携帯端末機器に用いられる燃料電池セルユニットの構造を示す外観斜視図、図11は図10の燃料電池セルユニットの一部の構造を示す断面図、図12は図11の燃料電池セルユニットを水素吸蔵合金筐体に組み込んだ例を示した外観斜視図である。
尚、以下に述べる実施形態に於いて、本発明に関する燃料電池及び燃料電池を収納する電池収納室を有する携帯端末機器の基本的な構成及び動作については、上述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図10に於いて、この燃料電池セルユニット30aは、複数の通気口152が設けられたステンレス金属で覆われたカソード側電極(カソード電極)が、燃料電池151の上面に露出されている。この燃料電池151の本体は、水素吸蔵合金容器150で覆われている。水素吸蔵合金容器150の上面には、複数の突起部153a〜153cが設けられている。このうち突起部153bと突起部153cの間には、空気流入口157として空気を通過させるための開口部154(電池収納室に燃料電池が挿入されると空間部となる部分;図2(a)参照)を有している。この開口部154と冷却用フィン156の凸部との交わる線上は、例えば、半径0.3〜1mm程度の面取りが設けられている。また、突起部153bと突起部153cのエッジ部にも、面取りが設けられている。
燃料電池151の正面には、短冊状に凹凸の形状に形成された複数の冷却用フィン156が設けられている。これらの冷却用フィン156の凹部には、複数の空気吸引口159と、1つの水素排出口161が設けられている。また、この水素排出口161の下側には、水素補給口162が設けられている。
このような構成に於いて、図1に示されるように、電池収納室16に燃料電池セルユニット30aが挿入されると、図示されない電池蓋のモルトプレーンから挿入された空気の流れは、複数の空気流入口157へ吸い込まれる。また開口部154を通過した空気流は、複数の通気口152に吸い込まれる。このとき、開口部154に突起部153a〜153cや冷却用フィン156の凸部を面取りすることで、流入された空気が開口部出口で渦巻き流となることを低減することが可能となる。
図11に於いて、燃料電池セルユニット30aは、例えば、75〜100μm程度の板材の高分子固体電解膜165、アノード側電極(アノード電極)板166、0.5〜1mm程度のステンレスで構成される第1の金属板167、カソード側電極板170と、例えば0.5〜1mm程度の磁性材から成る第2の金属板171を備えている。この第2の金属板171には、エッチングにより形成された複数の通気口(空気吸引口172)が形成されている。
第1の金属板167上に配置された高分子固体電解膜165の空間部には、厚さ方向に磁化された磁石フィルム層175が接着されている。磁石フィルム層175は、アルニコ磁石、フェライト磁石、希土類磁石(例えば、SmCo等)の永久磁石材料を使用すると、磁力は強く、磁石は薄くできるが、高価である。したがって、ここでは、フェライトボンド磁石やプラスチックボンド磁石とする。ボンド磁石は安価であり、ボンド磁石が外面に露出しないので、磁石破損もなく、使用できる効果がある。
また、第1の金属板167上には、水素注入口168が形成されていると共に、複数の位置決めピン176が立設されている。そして、高分子固体電解膜165と、アノード側電極板166及びカソード側電極板170とが積層されており、第2の金属板171に絶縁材料から成るブッシュ179が埋め込まれている。第2の金属板171のブッシュ179を位置決めピン176に挿入することにより、第1の金属板167と第2の金属板171が結合する。したがって、高分子固体電解膜165、アノード側電極板166、カソード側電極板170の積層が相互に加圧される構造になっている。
更に、燃料電池セルユニット30aの両側を、合成樹脂またはゴムから成るシール部材177で封印し、外形形状を矩形形状にすると共に、上面に複数の突起部178を形成する。ここでは、後述するように、図12に示される突起部153b、153c付近について図11に示したが、左右対称の構造であるので、突起部153a付近については説明を省略する。
図12に示されるように、この燃料電池セルユニット30aは、水素吸蔵合金容器150の上面に凹部を設け、その凹部に燃料電池セルユニット30aを載せて接着剤で固着するようにしたものである。
このように、燃料電池セルユニット30a内に突起部を形成することで、組み立てが簡単である。また、磁石フィルムの吸引力を適宜に選択することで、高分子固体電解膜165、アノード側電極板166とカソード側電極板170の積層が相互に加圧量を調整することができ、第1の金属板167と第2の金属板171を一体化し、固着する際に加圧量が変化することがない。更に、電池収納室16に燃料電池セルユニット30aが挿入され、該電池収納室16の内側表面と、該燃料電池セルユニット30aの突起部との接触による加圧量が変化しないように遊嵌(10〜20μmの遊びがある)状態にする。
図12に示される突起部153a付近について、図11の変形例として図13を参照して説明する。
第2の金属板171上にV溝182を設け、このV溝182上にOリング部材180を、紫外線硬化型接着剤181で固着する。カソード側電極板170に直接接触とする。そして、Oリング部材180は第2の金属板171上に矩形形状となって、周囲上に配置される。このようにすると、第1の金属板167と第2の金属板171が結合したとき、Oリング部材180が押圧力により高分子固体電解膜165、アノード側電極板166、カソード側電極板170の積層が、相互に加圧される構造になっている。しかしながら、カソード側電極板170と接触する第2の金属板171上の平面度に於ける高精度加工を省略することができるという効果がある。
(第3の実施形態)
ところで、特開2005−321490号公報には、その図3に於いて、カメラ本体の下方にグリップ部の内部及び外部へ燃料タンク配置(固定)したカメラが開示されている。このカメラでは、前記燃料タンクが空になった場合には、燃料タンクを燃料供給路から取り外して、燃料の充填された新しい燃料タンクを燃料供給路に対して装着する。そして、図5に於いては、グリップユニット内には発電セル、燃料供給器及び燃料タンクが配置されている。前記グリップユニットに設けられた燃料電池接点を介して発電セルで生成された電力が、カメラ本体内の各電子部品に供給されるようになっている。
しかしながら、発電セルのカソード側やカソードと対向するカメラ本体内またはグリップユニット内部にカソード側の外面に突起部が設けられていないため、外気が供給される空気通路が確保されていない。
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態であって、携帯端末機器としての交換レンズマウント部を有するレンズ交換式一眼レフレックスタイプの電子カメラの概略構成を示すもので、(a)は交換レンズを外した状態の電子カメラ本体の一部を切り欠いて示した正面図、(b)は交換レンズを外した状態の電子カメラ本体を上面より見た透視図である。
図14に於いて、この電子カメラ本体190の左側には、ユーザが電子カメラ本体190を把持するためのグリップ部191が設けられている。そして、このグリップ部191の内部に、燃料電池セル192及び燃料タンク193を収納する電池収納室194が設けられている。電池収納室194内の燃料電池セル192のカソード側(酸素極)には、空気取り入れ口195とは接続パイプ196が介在されている。
熱伝導性の高いアルミニウム材や球状黒鉛及びカーボン繊維が装填されたPPS樹脂を用い、電子カメラ内の下部に三脚ネジ部を有するメインフレーム198には、図示されない撮像レンズ系の光軸Oを中心に配置された撮像素子200と、該撮像素子200を絶縁シート199を介して支持する撮像素子支持板201と、燃料電池(燃料電池セル、圧力調節弁等が形成されたシリコン基板が固定されたもの)、及び着脱可能な燃料(水素吸蔵合金)タンク193を収納する電池収納室194とが設けられている。
撮像素子支持板201の背面には、後述する吸熱用ヒートパイプ(登録商標)202が接合されている。そして、この吸熱用ヒートパイプ202は、メインフレーム198に設けられたパイプ載置部203に取り付けられている。
一方、撮像素子200の背面には、図示されていないAFE(アナログ・フロント・エンド)IC素子や制御回路(CPU)が半田付けされたプリント基板が、メインフレーム198に小ネジで固定されている。また、液晶表示部を構成するLCD205及びバックライト206が収納されたシールドボックス207が、図示されていないネジ等により固定されている。LCD205と外装カバー208とは、押え板(窓枠)209によって固定されている。
燃料電池のカソード側(酸素極)には、突起部211が設けられている。該突起部211に対向して、外部の空気を貯蔵する空気貯蔵室212と、この空気貯蔵室212と接続された外部の空気を取り入れる空気取り入れ口195と、空気取り入れ口195と空気貯蔵室212との境界には通気性と撥水性を有する撥水性シート213が接合されている。この撥水性シート213により、外部から空気を通過させるが、水や挨が空気貯蔵室212に侵入しないようにしている。
この空気貯蔵室212は、前記メインフレーム198に固定されている。そして、空気貯蔵室212内には、後述する放熱用ヒートパイプ(登録商標)215及び該放熱用ヒートパイプ215を支持するためのパイプ支持台(ヒートシンク)216が設けられている。前記空気貯蔵室212には、突起部211を介して燃料電池セル192が取り付けられている。尚、図中217は第1開口部、218は第2開口部、219は空気貼り付け口である。
前記燃料電池セル192には、圧力調節弁221等が形成されたシリコン基板が固定されている。そして、この圧力調節弁221と燃料電池セル192は、スペーサを介して取り付けられたフレーム部材223内の燃料供給路224に、接続パイプ196を介して接続される。
前記燃料供給路224の周囲にはパッキン部材225が配されており、その端部に設けられたタンク接続口226がタンク口227と接続されることによって、燃料タンク193から燃料供給路224に燃料が供給されるようになる。
また、図14(a)に於いて、この燃料タンク193の下方にはツマミ229が設けられている。カメラ本体190のグリップ部191の下方に開閉自在に設けられた下蓋230が開閉されることにより、燃料タンク193は図示矢印方向に移動可能となる。これにより、カメラ本体190から燃料タンク193を取り出し、或いは装填することができる。
尚、撮像素子200の前方には、図示されない交換レンズから入射された撮影光束をファインダ光学系に導くためのクイックリターンミラー231が、撮影光路内に進退可能に設けられている。そして、前記クイックリターンミラー231の前方でカメラ本体190には、交換レンズを装着可能とするための交換レンズマウント部232が設けられている。
前記撮像素子200は、その受光面との反対側に熱伝導性の高い絶縁シート199が接着剤で接合されることにより、撮像素子支持板201に取り付けられている。この絶縁シート199には、断面形状が円または楕円形状、多角形をした1本または複数本のウイックが内壁に形成された吸熱用ヒートパイプ202が、撮像素子支持板201にアルミニウム材やヒートパイプと同じ銅合金がメッキされた合成樹脂を介して、直接接合されている。具体的には、図15(a)に示されるように、アルミニウム材の表面に不規則性の凹凸形状や黒色アルマイト処理が施された放射熱を吸収する表面処理とする金属性シートとする。
また、撮像素子支持板201には、複数(ここでは2個)の凹部が形成され、この凹部に吸熱用ヒートパイプ202が接着剤やカシメ加工により固定されて、金属シート材が接合される。
一方、複数の空気貯蔵室212には、放熱用ヒートパイプ215が、放熱効果を有するヒートシンク216を介して、空気貯蔵室212の内壁に、図示されていない小ネジや接着剤等で固定されている。前記放熱用ヒートパイプ215は、断面形状が円または楕円形状、多角形をした1本または複数本のウイックが、その内壁に形成されている。ここでの作動流体は、純水、アルコール等が用いられる。
撮像レンズの光軸Oに垂直に配置された吸熱用ヒートパイプ202と、撮像レンズの光軸Oに平行に配置された放熱用ヒートパイプ215とは、メインフレーム198に設けられてパイプ載置部203に支持された接続箇所のない1本の金属性パイプにより、互いに接続されている。つまり、撮像素子支持板201に設けられた吸熱用ヒートパイプ202と、空気貯蔵室212に配置された放熱用ヒートパイプ215との間は、収納可能なベローズ型接続管234で接続されている。このベローズ型接続管234は、撮像素子200を支持する撮像素子支持板201が2次元方向に移動した場合に、変形可能な構造となっている。
また、このカメラは、図15(a)に於いて、撮像素子支持板201を2次元(撮像レンズの光軸Oに対して垂直な平面(X,Y方向))移動可能とする電磁駆動機構(詳細は後述する)を備えている。撮像素子200の受光面での画像の振れを補正する場合で、高速駆動する撮像素子200の温度上昇を阻止するために、前記吸熱用ヒートパイプ202を撮像素子支持板201に固定するものである。撮像素子200のリード端子(図示せず)は、フレキシブルプリント回路基板(FPC基板)235に半田で接続されている。更に、該FPC基板235の端子は、プリント基板236に、図示されないコネクタによって接続されている。
前記プリント基板236は、小ネジ237によって、レンズユニット238に固定された放熱用ヒートパイプ215の近傍には、蓄熱材246が一体成形されている。また、前記プリント基板236上には、電子カメラに備えられた燃料電池や2次電池の電力制御、ストロボ発光制御、表示部制御、入力操作部制御等、システム制御を行うためのCPU239や、撮像素子200を高速駆動するTG(タイミングジェネレータ)ICチップまたはAFE(アナログ・フロント・エンド)ICチップ240と、一対のX軸駆動用及びY軸駆動用のプリントコイル241及び242が取付けられている。これらの各プリントコイル241及び242は、更にリテーナ付ガイドベアリング245の一部である、矩形状で表面硬度の高く、厚さ1mm程度の金属材料(例えば、鋼材)が接合されている。
上述したように、電磁駆動機構は、例えば、プリント基板236と、該プリント基板236に対向して移動可能に支持された撮像素子支持板201と、該撮像素子支持板201を支持する支持手段であるガイドベアリング245と、を有して構成される。更に、プリント基板236に印刷されたもので、四角形状のX軸駆動用及びY軸駆動用プリントコイル241及び242が配置されている。更に、各駆動用プリントコイルにまたがるように、磁性材247と、各駆動用プリントコイル241及び242の内側にX軸検出用及びY軸検出用のホール素子248及び249が埋め込まれている。これら各ホール素子248及び249は、移動可能な撮像素子支持板201の位置を検出するためのものである。
撮像素子支持板201には、厚さ方向に磁化された異極対向で2つが結合した永久磁石が配置されている。前記撮像素子支持板201の少なくとも一対の、第1及び第2の永久磁石と、プリント基板236の磁性材247との間で、リテーナ付きで少なくとも4つの鋼球を有するガイドベアリング245に磁気的な押圧力(磁気吸引力)が作用する。この押圧力が作用すると、ガイドベアリング245の鋼球が撮像素子支持板201とプリント基板236に押し付けられる。この結果、撮像素子支持板201とプリント基板236とガイドベアリング245との間に介在する鋼球のがた付きが除去される。
撮像素子支持板201には、プリント基板236上に配置されたX軸駆動用プリントコイル241に対向する位置に、厚さ方向に磁化された第1の永久磁石(図示せず)はN極とS極がFPC基板235の延在方向に並ぶように分極着磁されている。また、第2の永久磁石(図示せず)は、N極とS極がFPC基板235の延在方向と直交する方向に並ぶように分極着磁されている。
一方、Y軸駆動用プリントコイル242は横長の長方形状をしており、その長辺が第1の永久磁石の各磁極に対向するように配置されている。同様に、X軸駆動用プリントコイル241は横長の長方形状をしており、その長辺が第2の永久磁石の各磁極に対向するように配置されている。
本実施形態では、前記駆動用プリントコイル241及び242にまたがるように磁性材249を配置し、駆動用プリントコイルの内側にホール素子248及び249を配置し、リテーナ付きガイドベアリング245を用いた撮像素子支持板201とプリント基板236との間に磁気吸引力による支持手段を構成した。しかしながら、プリント基板236上の磁性材247を使用しないで、撮像素子支持板201側に軸受け形成し、プリント基板236側にガイド軸を設けた場合には、撮像素子支持板201とプリント基板236との間に、一軸方向に移動可能な中間部材を配置して、該中間部材の移動方向に対して直交する方向に移動する撮像素子支持板とする構成としたメタル軸受けを用いた支持手段としてもよい。
また、ここでは、1組の第1及び第2永久磁石としたが、それぞれの永久磁石が対角線上に位置するように4つの永久磁石と、対向するプリント基板上に4つの駆動用プリントコイルが位置するような配置とし、X軸、Y軸駆動用プリントコイルの対向する延長線上で各軸駆動用プリントコイルの裏面位置にそれぞれ磁性片を配置することも可能である。或いは、磁性片をX軸またはY軸駆動用プリントコイルによって囲まれるように配置することも可能である。
更に、駆動用コイルと第1の永久磁石はN極とS極にまたがるように磁性片をプリント基板に配置し、マグネットを撮像素子支持板側に配置したが、逆に、駆動用コイルと磁性材を撮像素子支持板側に配置し、マグネットをプリント基板に配置しても良い。
また、撮像素子支持板201とプリント基板236の間には、撮像素子200からの出力信号をプリント基板236側に伝達するためのFPC基板235が接続されている。
次に、撮像素子200を支持する撮像素子支持板201の位置制御を行うCPU239は、プリント基板236上に配置された駆動回路を有する。前記CPU239は、撮像素子支持板201の水平方向であるX軸方向の移動と、撮像素子支持板201の鉛直方向であるY軸方向の移動を駆動するための前記駆動回路を制御する。
CPU239は、図示されないジャイロから入力される角速度に基づいて、撮像素子支持板201を所望の位置へ移動させる制御を行う。撮像素子支持板201に配置されて異極接合された永久磁石の磁束内に鉛直方向のY軸駆動用プリントコイル242が通電されて撮像素子支持板201が移動すると、図示されないホール素子により位置検出が行われる。前記Y軸駆動用プリントコイル242の通電が遮断されると、撮像素子支持板201は、磁石と磁性材との磁気バランスで初期位置に戻る。
同様に、CPU(制御回路、コントローラ)239は、図示されないジャイロから入力される角速度に基づいて、撮像素子支持板201を所望位置へ移動させる制御を行う。撮像素子支持板201に配置された異極接合された永久磁石の磁束内に鉛直方向のY軸駆動用プリントコイル242が通電され、撮像素子支持板201が移動すると、図示されないホール素子により位置検出が行われる。
前記Y軸駆動用プリントコイル242の通電が遮断されると、撮像素子支持板201は、磁石と磁性材との磁気バランスでベローズ型接続管234に反して初期位置に戻る。
このように、レンズユニットが振動したときに、可動可能な撮像素子支持板201上の撮像素子200が2次元方向に移動して、該撮像素子200の受光面で画像の振れを補正することができる。
そして、このような構成に於いて、高速駆動する撮像素子200の温度が上昇すると、撮像素子(熱源)200から発生した熱は、絶縁シート199及び撮像素子支持板201へ伝わる。撮像素子支持板201の伝熱と絶縁シート199の放射、対流熱は、吸熱用ヒートパイプ202に伝達される。そして、吸熱用ヒートパイプ202の作動流体が熱を奪って蒸発し、気圧を上げてベローズ型接続管234を通過して、空気貯蔵室212の放熱用ヒートパイプ215側の気圧の低い方に蒸気は流れて熱を放出して凝縮する。凝縮した作動流体は、再びウィックの毛細管ポンプ力により、吸熱用ヒートパイプ202へ還流する。この蒸発、凝縮、還流のサイクルから、撮像素子200の温度上昇を抑制することができる。
尚、上述したベローズ型接続管234に代えて、図15(b)に示されるように、吸熱用ヒートパイプ202と放熱用ヒートパイプ215との間に、可塑性合成樹脂で構成されたS字形状の可塑性ケーブル250を接続するようにしても良い。
次に、本実施形態で放熱部材として使用している、上述したヒートパイプ(登録商標)について説明する。
ヒートパイプとは、パイプの軸方向(長手方向)に沿った内壁に、ウイックと称される毛細管作用をする構造を有したパイプに、適量の作動液を封入して減圧密閉して構成されたものである。ヒートパイプの一端である吸熱側に熱が加わると、ウイック内の作動液が熱を奪って蒸発して気圧をあげ、該ヒートパイプの他端である放熱側へ還流する。このように、蒸発→凝縮→還流、のサイクルが極めて速く行われることにより、発熱した部材からの除熱に効果が得られる。
本実施形態に於けるヒートパイプには、上述したように、撮像素子200の背面側に配置された吸熱用ヒートパイプ202と、燃料電池収納室の内部または燃料電池収納室の外壁に配置された放熱用ヒートパイプ215がある。
図16は、放熱部材であるヒートパイプの一構成例を示したもので、(a)はヒートパイプの軸方向に沿った断面図、(b)は該パイプの軸方向と直交する方向に沿った断面図である。
吸熱用ヒートパイプ202と放熱用ヒートパイプ215との間で接続された、銅線等の金属線253に、粒状黒鉛にガラス繊維が充填されたPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂254が圧着成形される。更に、このPPS樹脂254の外装部の凹部にステンレス鋼材のコイルばね255が巻回されて、熱伝導性の高い接着剤で固着される。また、放熱側には、前記放熱用フィンが形成されたPPS樹脂が圧着成形されている。
このような構造にすると、吸熱用ヒートパイプ202(ここでは、銅線)が受熱し、銅線から)放熱側のPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂254及びコイルばね255に熱伝導されて、カメラ内部の空間や隙間に放熱される。したがって、高速駆動による撮像素子200の温度上昇を抑えることができる。また、熱伝導性の高い黒鉛を充填することで、熱伝導性を高くすることができる。
図17は、放熱部材の他の構成例を示したもので、(a)はヒートシンクを示した外観図、(b)は吸熱用ヒートシンクの一部を拡大して示した断面図である。
放熱部材の他の例としては、吸熱用ヒートパイプに形成された吸熱用ヒートシンクがある。この吸熱用ヒートシンクは、2種類の異なる放熱フィン構造を有し、その放熱面積はほぼ同じ形状とする。例えば、図17(a)に示されるように、一方の先端である吸熱用ヒートシンク258側は外形が小さく、且つその軸方向の厚みが厚く形成される。他方、放熱用ヒートシンク259側では外形を大きく、軸方向の厚みが薄く形成される。
そして、放熱用ヒートパイプの構造は、数枚の円形状をした薄板(アルミニウム材などの金属)が数本のワイヤ細線260で接続して結合されている。この数枚の薄板に銅パイプ管257が貫通している。放熱効果を向上するために、ワイヤ細線が用いられている。
このように吸熱用ヒートシンクを形成することで、高速駆動する撮像素子から受熱する吸熱用ヒートパイプから吸熱用ヒートシンクヘと熱伝導されて、カメラ内部の空間や隙間に放熱することができる。更に、銅パイプ管257から放熱用ヒートシンク259への熱伝導に加え、放熱効果が向上する。
また、上述した図16に示された放熱部材の更なる変形例について、図18を参照して説明する。
メインフレーム198、パイプ載置部203及び撮像素子支持板201、電池収納室194の何れかの部分に蓄熱材を一体的にインサート成形する。ここで用いられるメインフレーム198や電池収納室194は、酸化金属や炭素繊維が充填されたABS樹脂やPC(ポリカーボネート)樹脂の合成樹脂等で構成される。ここでは、以下に示す蓄熱材(例えば、パラフィン)263、264への熱伝導性を高めるために、球状黒鉛及びカーボンまたはガラス繊維等が充填されたPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を用いることが最良である。
前記蓄熱材263、264は、機器使用温度以下で相変化(固体が液体または液体が固体となる)する有機系のパラフィンやワックス、または無機系の無機水和塩とする。このとき、電池収納室194、メインフレーム198のパイプ載置部203と撮像素子支持板201には、棒または矩形形状し、低融点金属の蓄熱材263、264が、ヒートパイプ202の近傍に配置される。或いは、前記合成樹脂素材と蓄熱材の混合材料とされる。有機蓄熱材(例えば、パラフィン)とする場合は、流動性を少なくするためにゲル剤を混入することも可能である。尚、図中265は熱伝導性ゴムであり、266は保護ガラスである。
撮像素子200からの熱は、撮像素子支持板201及びヒートパイプ202へ伝達される。そして、この伝達された撮像素子支持板201内の熱は、撮像素子支持板201近傍の蓄熱材263で一時的に吸収され(例えば、60〜80℃付近に融点を持ち、固体が融解し、液体となる相変化材料)、メインフレーム198や電池収納室194から通気口を経て外部へ放出される。また、この伝達されたパイプ載置部203内の熱が蓄熱材264で一時的に吸収され(例えば、60〜80℃付近に融点を持ち、固体が融解し、液体となる相変化材料)、その後、メインフレーム198や電池収納室194から通気口を経て外部へ放出される。
尚、ここで用いる潜熱蓄熱材料は、有機系蓄熱材や無機蓄熱材を芯材や容器で被覆した蓄熱マイクロカプセルとし、例えば、60〜80℃で記憶可能な蓄熱材が融解、凝固することで定温保持ができる。したがって、燃料電池セルや撮像素子の温度が急激に上昇することを抑止することができる。
次に、図19を参照して、本発明の第3の実施形態の一眼レフレックスタイプの電子カメラ変形例について説明する。
上述した図14に示されたような電子カメラでは、空気貯蔵室内に放熱用ヒートパイプが設けられていたが、この変形例では、空気貯蔵室外に放熱用ヒートパイプが設けられた構成となっている。
そして、前記空気貯蔵室の部分が第1空気供給室270として構成され、該第1空気供給室270に連続して第2空気供給室及び水素排出室271が形成されている。また、第1空気供給室270には第1の開口部272が形成され、第2空気供給室及び水素排出室271には第2の開口部273が形成されている。
更に、吸熱用ヒートパイプ202は、熱伝導性ゴム275を介してメインフレーム198に固定され、同様に放熱用ヒートパイプ215は熱伝導性ゴム276を介して第1空気供給室270の外壁に固定されている。尚、図中277は、燃料タンク193を電池収納室に装填して固定するためのガイド部材である。
このように構成しても、高速駆動する撮像素子200の温度上昇を抑制することができる。
また、電子カメラの制御回路は電池収納室で、装填された燃料タンク(水素吸蔵合金容器)の近傍の温度や撮像素子近傍の温度が所望温度(例えば、燃料電池動作限界温度の60℃以上)になると、オートフォーカス動作や撮像または再生動作への燃料電池の電力供給を遮断し、2次電池への充電動作に切り替えて、所定時間後に全ての動作を停止する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。例えば、ガラス基板と半導体基板であるシリコン基板を接合した構成であるが、ガラス基板を半導体基板に置き換え、半導体基板の双方を接合することもできる。
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。