JP5763415B2 - レンズ交換式カメラの測光装置 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ交換式カメラの測光装置に関し、より詳細には、撮影レンズを透過した被写体光を用いて分割測光を行うレンズ交換式カメラの測光装置に関する。
従来から、カメラによる撮影において、撮影レンズを透過した被写体光の一部を測光センサで受光し、得られた測光データを利用して被写体の適切な露出を得る技術が広く用いられている。測光装置を構成する測光センサは複数に分割された測光領域から成り、各測光領域に対応した被写体光を測光することによって高精度に被写体の露出を算出する、分割測光と呼ばれる技術も普及している。
レンズ交換式のカメラで用いられる測光装置は、撮影レンズを透過しピント板において結像・拡散された被写体光を測光する構成となっている。一般的に、この測光装置は撮影レンズの光軸から偏心した位置に設けられるため、被写体光の照度分布にムラが生じ、その結果、測光センサの実際の出力値はセンサ面受光量に対応した理論的な出力値からの誤差を含んでいた。この問題を解決するために、測光センサの出力誤差を補正する種々の技術が従来より提案されている。
例えば、特許文献1に開示の発明では、撮影レンズを通して被写体の明るさを測光し、露出量を決定するレンズ交換式カメラにおいて、交換レンズの射出瞳に関するデータと開放絞り値に関するデータを交換レンズ内のROMより読み取り、読み取った射出瞳に関するデータと開放絞り値に関するデータに基づいて測光値の補正値を算出し、この補正値により補正された測光値を用いて露出量を決定するレンズ交換式カメラの測光装置が開示されている。
また、特許文献2に開示の発明では、上記特許文献1が有する問題点である、分割測光領域毎に測光データの補正量を算出するための補正演算時間の増加、算出された各測光データを記憶するためのメモリの大容量化、そして、画面周辺部の測光データに対する補正値増大に伴う信頼性の低下を解決することを目的として、被写界を複数の測光領域に分割し、撮影レンズを透過した被写体光を測光領域ごとに測光して測光データをそれぞれ出力する測光手段と、少なくとも撮影レンズの射出瞳に関する情報と開放絞り値に関する情報とに基づいて、各測光データを補正するための補正値をそれぞれ算出する補正値算出手段と、この補正値算出手段にて算出された補正値に基づいて各測光データが有効か無効かをそれぞれ判別する判別手段と、有効と判別された測光データを、その測光データに対応する補正値によってそれぞれ補正した各値に基づいて露出値を演算する演算手段とを具備したカメラの露出演算装置が開示されている。
特開平01−100523号公報
特開平06−110105号公報
上記の特許文献2には測光センサ上における照度分布ムラの発生原理が考察されている。その記載によれば、測光誤差の原因となる照度分布ムラは、上下方向の照度分布ムラと同心円状の照度分布ムラとの和であるとされている。
これらの照度分布ムラは、撮影レンズの射出瞳位置により測光センサに届く被写体光の量が変化することに起因して、射出瞳位置が短い場合には長い場合に比べて測光センサ上の照度分布ムラが大きくなる。また、撮影レンズの開放絞り値により測光センサに届く被写体光の量が変化することに起因して、開放絞り値が大きい場合には小さい場合に比べて測光センサに到達する光量が少なくなる。
しかしながら本出願人は、照度分布ムラについて詳細に検証した結果、上記特許文献2では考慮されていなかった測光誤差が発生していることに注目した。この新たな測光誤差は、撮影レンズの開放F値が所定の値より小さいときに顕著に現れるもので、撮影レンズの開放F値と測光センサの直前に設けられる測光光学系の物体側、すなわちピント板側の開口数との関係から説明できる。
上述した特許文献1及び特許文献2に開示の補正式ではこの発生要因について考慮されていないため、これらの発明による測光誤差の補正は不十分であった。
また、特許文献2に開示の補正式には対数計算を行う項が含まれているため、補正演算が複雑になり補正処理の高速化に適していなかった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、測光補正の更なる高精度化と補正処理の高速化を達成したレンズ交換式カメラの測光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、複数の測光領域に分割された被写界を測光し、複数の測光領域の受光量に応じた測光データをそれぞれ出力する測光センサと、撮影レンズを透過してピント板で結像した光を、撮影レンズの光軸外に設けられた測光センサに導く測光光学系と、撮影レンズに固有の開放F値及び射出瞳位置に応じて補正値を算出する補正演算回路と、測光データ及び補正値から補正後の測光データを算出する測光演算回路と、を有し、補正値を算出する補正演算式は第1の補正式及び第2の補正式からなり、各補正式はそれぞれ距離の関数部分と係数部分との積であり、各係数部分は撮影レンズに固有の開放F値により異ならせることを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、撮影レンズに固有の開放F値をF、固有の射出瞳位置をPとしたとき、第1の補正式における係数部分及び第2の補正式における係数部分はそれぞれF/Pの多項式関数であり、各多項式関数は、複数の前記撮影レンズにおいて、撮影レンズと前記測光光学系とから算出される第1の補正係数とF/Pとのプロットから算出した近似式、及び、撮影レンズと前記測光光学系とから算出される第2の補正係数とF/Pとのプロットから算出した近似式であることを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、第1の補正式における距離の関数部分は、測光センサ面における同心円状の光量ムラの中心である補正原点からの距離の関数であり、第2の補正式における距離の関数部分は、測光センサ面における短辺方向の距離の関数であり、補正原点の位置は、撮影レンズに固有の開放F値により、少なくとも2つ以上に場合分けすることを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、補正原点は、撮影レンズの開放F値に応じて測光センサ面の短辺方向に移動することを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、補正原点は、撮影レンズの開放F値が小さいほど測光センサ面の中心方向に移動することを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、各補正式の係数部分は、撮影レンズの開放F値が所定の値より小さい場合には固定値とすることを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、第1の補正係数は、少なくとも、外部光源装置からの光を撮影したときに前記測光センサから出力される測光データを測定するステップと、第1の補正式における係数部分へ代入する第1の代入値として様々な値を代入したときの第1の暫定補正値を算出するステップと、算出された第1の暫定補正値のみで補正した第1の暫定測光データを算出するステップと複数の測光領域における第1の暫定測光データの標準偏差が最も少なくなる第1の代入値を特定するステップと、特定された第1の代入値を第1の補正係数として設定するステップと、から算出されることを特徴とする。
さらに本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置は、上記発明において、第2の補正係数は、少なくとも、設定された第1の補正係数を第1の補正式の係数部分に代入したときの第1の補正値を算出するステップと、第2の補正式における係数部分へ代入する第2の代入値として様々な値を代入したときの第2の暫定補正値を算出するステップと、算出された第1の補正値及び第2の暫定補正値で補正した第2の暫定測光データを算出するステップと、複数の測光領域における第2の暫定測光データの標準偏差が最も少なくなる第2の代入値を特定するステップと、特定された第2の代入値を第2の補正係数として設定するステップと、から算出されることを特徴とする。
本発明を実施のレンズ交換式カメラの測光装置によれば、測光補正の更なる高精度化と補正処理の高速化を達成することができる。
本発明の一実施形態であるレンズ交換式カメラの測光装置の主要な構成を示すブロック図である。 測光センサの77個のセグメントの配置を示す模式図である。 センサ面上における照度分布ムラを示す模式図である。 様々な交換レンズにおける出力誤差と、その交換レンズの開放F値との関係を示したグラフである。 一般的なピント板の持つ拡散特性を示したグラフである。 ピント板と測光センサの位置関係を、ペンタプリズム等を省略して示した模式図である。 測光光学系の開口数に応じた集光領域と、ピント板透過後の拡散光の広がり具合との関係を示した模式図である。 いくつかの交換レンズのa、bの値とF’/P’との関係を示したグラフである。 測光演算ルーチンを示したフローチャートである。 補正量h1を算出するためのサブルーチンを示したフローチャートである。 補正量h2を算出するためのサブルーチンを示したフローチャートである。
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に係るレンズ交換式カメラの測光装置が適用されたレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラの主要な構成を示したブロック図である。
このデジタル一眼レフカメラは、図1に示すようにカメラ本体100及び交換レンズ200から構成されている。交換レンズ200は概ね円筒形状を有しており、内部に結像光学系201を備えている。
交換レンズ200の後端部には不図示のレンズ側マウントが設けられている。また、カメラ本体100の前面には不図示のカメラ側マウントが設けられており、双方のマウントが結合することで交換レンズ200とカメラ本体100とが着脱可能に固定される。
交換レンズ200内には結像光学系201の他に、結像光学系201の開口量を調節するための絞り羽根を駆動制御する絞り駆動回路202と、レンズCPU203が設けられている。このレンズCPU203は、交換レンズ200に関するレンズデータを格納する不図示のメモリ領域を有している。
格納されるレンズデータとしては、例えば、交換レンズ200の焦点距離、開放F値、射出瞳位置、ズーミング及びフォーカシングに関する光学データ等がある。レンズCPU203は必要に応じてこのメモリ領域にアクセスし、必要な情報の読み出し及び書き換えを行う。特に開放F値及び射出瞳位置については、後述する測光データの補正にも利用される。
レンズCPU203はレンズ側マウント及びカメラ側マウントに設けられた電気接点部を介してカメラ本体100内のカメラCPU101と電気的に接続されており、上述したレンズデータをカメラ本体100に送信したり、カメラ本体100から送られる各種命令を受信し実行する。また、交換レンズ200は不図示のレンズ駆動機構を有しており、カメラCPU101からの指示により、結像光学系201の一部を構成する不図示のフォーカシングレンズを光軸方向に移動させることで被写体に対する合焦動作を行う。
カメラ本体100内の光軸上にはクイックリターンミラー102が設けられており、その上方には撮影者が被写体を確認するためのファインダ光学系が設けられている。また、クイックリターンミラー102後方の光軸上には、被写体光を光電変換するCCD、CMOS等からなる撮像素子103が設けられている。撮像素子103の前面には、撮像素子103の露光時間を調節するためのシャッタ駆動回路104が設けられており、カメラCPU101により制御される。
ファインダ光学系は、クイックリターンミラー102側から、被写体光の結像面に位置するピント板105、入射面、射出面及び複数の反射面を有するペンタプリズム106、撮影者がファインダ像を観察するための接眼レンズ107、の順番に配置されている。
クイックリターンミラー102は、デジタル一眼レフカメラが非撮影状態にあるときは図1に示すような観察位置に位置している。結像光学系201を透過してカメラ本体100内に入射した被写体光は、観察位置にあるクイックリターンミラー102によって上方に反射され、ピント板105で一次結像する。
ピント板105は、一方の面には所定の拡散特性を有するマット面が形成されており、他方の面にはフレネル面が形成されている。ピント板105のフレネル面を透過した被写体光は、マット面に結像した後ペンタプリズム106に入射する。
被写体光はペンタプリズム106内で反射を繰り返すことで倒立像から正立像に変換された後、ペンタプリズム106後方の射出面より射出される。撮影者は、この射出面に対向するように配置された接眼レンズ107を介して被写体光を観察することで、被写体の確認等を行うことができる。
また、接眼レンズ107の上方には、交換レンズ200の光軸から偏心した位置に測光光学系108が設けられている。ピント板105で拡散された被写体光の一部が、この測光光学系108を介して測光センサ109に導かれている。測光センサ109は、公知の分割測光を行うために複数の測光領域を有しており、各分割測光領域に導かれる被写体光の照度に応じた測光データを出力する。
本実施例のカメラ本体100では、図2に示すような7行×11列に分割された各測光領域に対応する合計77個のセグメントを有する測光センサ109を用いている。各セグメントには1番目から77番目まで番号を付してある。図2に示した測光センサ109は撮影者がファインダから覗いた視野と対応するように描いたものであり、例えば図2の上側がファインダ視野の上側、右側がファインダ視野の右側に対応している。
後述する補正演算において各セグメントを指定するために、センサ面の上端中央に位置するセグメントの座標を(X,Y)=(1,1)とし、このセグメントから数えて右に6番目、下に7番目のセグメントの座標を(X,Y)=(6,7)とする。また、この測光センサ109は各セグメントが左右対称に配置されているため、センサ面中央の列から左側に位置するセグメントを指定する場合も、X座標はマイナスとせずに2から始めることとし、一番左上のセグメントは(6,1)とする。
さらに、センサ面の中央に位置する1番セグメントを基準セグメントと呼ぶこととする。この基準セグメントの座標は(1,4)となる。
なお、測光センサ109と撮影者から見たファインダ視野との関係は上記に限られるものではない。例えば、測光光学系108内にプリズムを有する構成とすることにより上下の対応関係が反転する場合が考えられる。また、ソフトウェア的な処理により対応関係を自由にレイアウトすることも可能である。
測光演算部110では、測光センサ109から出力された測光データに基づいて測光演算や後述する補正演算が行われる。測光演算部110には不図示のメモリが設けられており、ここに測光演算及び補正演算に必要な諸データが記憶されている。
撮影者により不図示のレリーズボタンが半押し(1stレリーズON)されると、測光演算部110による測光演算結果に基づいて露出演算が行われるとともに、不図示の焦点検出部による焦点演算に基づいて交換レンズ200内のフォーカスレンズの駆動が行われ、撮影準備が整う。
続けて撮影者によりレリーズボタンが全押し(2ndレリーズON)されると、クイックリターンミラー102は観察位置からミラーアップされて退避位置に移動される。また、カメラCPU101は、レンズCPU203を介して交換レンズ200内の絞り駆動回路202を所定のステップ数だけ絞り羽根を絞るよう制御し、さらに、シャッタ駆動回路104を所定のシャッタスピードに対応する露光量だけ撮像素子103が露光するように制御する。
シャッタ幕の走査により所定の時間だけ露光された撮像素子103は、被写体光を電子データに変換し取得することで撮像処理が完了する。
撮像素子103で取得された被写体像は、不図示の信号処理回路において所定の画像処理及び記録フォーマットの変換処理等が施され、画像データとしてメモリーカード等の不図示の外部メモリ装置に記録される。また画像データは、カメラ本体100の背面に設けられたLCDや有機EL等からなる不図示の表示部に送られ、これにより撮影者は自分が撮影した画像を確認することができる。カメラ本体100が所謂ライブビュー対応のカメラであった場合には、この表示部に撮像素子103で得られた被写体のライブビュー画像を表示することも可能である。
上述した特許文献2にも開示されているように、レンズ交換式のカメラに設けられる測光センサ109は、一般的に交換レンズ200の光軸から偏心した位置に設けられており、そこで測光センサ109はピント板105により拡散された被写体光を受光する。このことに起因して測光センサ109上の照度分布にはムラが発生することになる。
この照度分布ムラは、カメラで輝度箱等の外部光源装置を観察した場合に図3aに示すような同心円状のムラと上下方向のムラを組み合わせたものとして現れることが知られている。
従って、これらの照度分布ムラを補正するための補正量hは、同心円状のムラに対する補正量h1と上下方向のムラとに対する補正量h2とを用いて、
h=h1+h2 ・・・(1)
と表すことができる。その結果、測光センサ109からの補正前の測光データIと補正後の測光データI’との間の関係は、
I’=I−h1−h2 ・・・(2)
と表すことができる。77個の各セグメントにおいて、これらの関係が成り立っている。
同心円状のムラは、文字通りある点を中心にしてそこから離れるほど照度が低下するムラであり、センサ面におけるムラの中心からの距離の関数であるといえる。このため、このムラを補正するための補正量h1は、補正対象のセグメント(X,Y)から同心円状のムラの中心に対応する補正原点セグメント(Xo,Yo)までの距離をrとし、この補正原点セグメント(Xo,Yo)から上述した基準セグメント(1,4)までの距離をroとしたときに、
h1=a*(r−ro) ・・・(3)
と表すことができる。
距離r及びroはさらに以下のように計算される。
r=√((X−Xo)+(Y−Yo)) ・・・(4)
ro=√((1−Xo)+(4−Yo)) ・・・(5)
この補正式h1の係数部分にあたる係数aについては後述する。
同様に、上下方向のムラはセンサ面における短辺方向(Y方向)の距離の関数といえるから、このムラを補正するための補正量h2は、補正対象のセグメント(X,Y)から基準セグメント(1,4)までのY方向の距離の関数として、
h2=b*(Y−4) ・・・(6)
と表すことができる。
この補正式h2の係数部分にあたる係数bについては後述する。
なお、本実施例では上記の如く補正量h1を距離の2乗の関数、補正量h2を距離の1乗の関数としたが、これに限られるものではない。補正演算に求められる精度に応じて最適と思われる次数を選択することができる。
ここで、交換レンズ200を開放F値のより小さいものに交換すると、センサ面における照度分布ムラは図3aに示すような分布から図3bに示すような分布に変化した。すなわち、カメラ本体100に装着する交換レンズ200の開放F値に応じて、照度分布ムラの中心が移動することが確認された。
本実施例の構成においては、1.4<Fでは概ねセンサ面の上端中央付近にあったムラの中心が、交換レンズ200の開放F値が小さくなるに従ってセンサ面の中央付近に移動していた。そこで本出願人は、より高精度の補正と計算の簡便化を目的として、1.4<Fでは(1,1)に位置するセグメントを補正原点セグメントとして設定し、F≦1.4では(1,4)に位置するセグメントを補正原点セグメントとして設定することとした。このように場合分けすることにより、係数aをより適切に算出でき高精度な補正が可能となる。
このムラ中心の移動については後述する。
本発明に係る測光装置により算出される補正量とは、すなわち測光センサ109から出力される測光データの理論的な出力値と実際に測定される出力値との間の誤差に他ならない。この出力誤差は、例えば以下の如く求めることができる。
まず、基準とする交換レンズ200を装着したカメラ本体100を用いて輝度箱で異なる輝度の光を撮影し、測光センサ109内の1番セグメントからの出力値を得る。これにより、測光センサ109の出力特性、すなわち1EV毎の出力値の変化量が求められる。本実施例では、基準レンズとして焦点距離50mm、開放F値2.8、射出瞳位置72の交換レンズ200を用いることとする。
次に、例えば開放F値F2.0の明るい交換レンズ200を装着し、輝度箱の光(例えば12EV)を撮影した際の出力値を得る。開放F値がF2.8のレンズとF2.0のレンズとでは、測光センサ109のセンサ面における輝度差は理論的にはちょうど1EVとなるはずである。しかしながら、実際にはいくつかの要因により照度分布ムラが発生するため、基準レンズでの測定値からの変化量が1EVに満たない出力値が測定される。
このとき得られる実測値と理論値との差分が補正すべき誤差量である。開放F値F2.0以外の開放F値を持つ様々な交換レンズ200においても、同様に理論値との間の誤差量を求めることができる。
図4は、様々な交換レンズ200において、出力誤差とその交換レンズ200に固有の開放F値との関係を示したグラフである。このグラフから明らかなように、F2.8付近を境にして開放F値に対する出力誤差が大きくなっていることがわかる。以降では、この特性の変化について考察する。
交換レンズ200はそれぞれ固有の開放F値を持っており、また、カメラ本体100内に設けられるピント板105はそれぞれ固有の拡散特性を持っている。一般的なピント板105の持つ拡散特性をグラフに表すと図5のようになる。図5において、横軸はピント板105に入射した光が直進して透過する方向に対する拡散光の角度、縦軸は拡散光の相対強度である。
このような拡散特性を持つピント板105に入射する光の入射角度の広がりは交換レンズ200の開放F値に依存することになる。
図6はピント板105と測光センサ109の位置関係を、それらの間に位置するペンタプリズム106等を省略して示した模式図である。この図では、ピント板105の中心に入射した光の拡散具合を示しており、特に測光センサ109の方向に進む光が、交換レンズ200の開放F値に応じてどのように変化するかを示したものである。また、光線を表す矢印の太さ及び長さで矢印の方向に進む光の量を示している。
開放F値が小さな明るい交換レンズ200の場合には、図6aに示すように、光は大きい角度でピント板105に入射するため、ピント板105後方の偏心した位置に設けられた測光センサ109には入射光の拡散成分よりも直進成分を多く含んだ十分な光量が到達することができる。
一方、開放F値が大きな暗い交換レンズ200の場合には、図6bに示すように、光は小さい角度でピント板105に入射するため、測光センサ109の方向に進む光には入射光の直進成分はほとんど含まれておらず、ほぼ拡散成分のみから成る少量の光量が到達することになる。これにより、測光センサ109に導かれる光量は交換レンズ200の開放F値に依存することになる。
この他にも、測光センサ109への光量ムラの要因として、交換レンズ200の射出瞳位置や測光光学系108の位置、クイックリターンミラー102における被写体光のケラレ等が知られている。
ここで本出願人は、図4に示した誤差量の急激な変化を説明するために測光光学系108に注目した。一般にレンズ系の明るさを表す数値として開口数が定義できるが、これは測光センサ109に拡散光を導く測光光学系108についても同様である。そのため、ピント板105から様々な方向に放射される拡散光の中で測光光学系108が集光できる領域(範囲)には限りがあることになる。
図7は、ピント板105の中心から測光光学系108の方向を見たときの模式図であり、測光光学系108の集光領域と、測光光学系108の方向に広がる拡散光との大小関係を模式的に示している。測光光学系108の集光領域内に収まる拡散光のみが、測光光学系108により測光センサ109に導かれることになる。
交換レンズ200の開放F値が大きいときは、ピント板105透過後の拡散光はあまり広がらないため、図7aに示したように測光光学系108の集光領域内に拡散光が全て収まり測光センサ109に導かれる。この場合には、交換レンズ200の開放F値の変化に比例して測光センサ109の受光する光量も変化し、その結果、測光センサ109から出力される測光データも比例的に変化することになる。
一方、交換レンズ200の開放F値が小さいときは拡散光が大きく広がるため、図7cに示したように拡散光は測光光学系108の集光領域を越えて分布する。この場合には、測光光学系108では集光しきれない領域、すなわちケラレが生じるため、測光センサ109は実際の値よりも少ない光量しか受光することができない。集光におけるこのケラレは交換レンズ200の開放F値が小さくなるほど顕著になるため、ケラレにより生じる誤差も開放F値が小さくなるほど増すことになる。
また図7bは、測光光学系108の集光領域の大きさとピント板105透過後の拡散光の広がりとが概ね一致する状態を示したものである。従って、このときの開放F値よりも暗い交換レンズ200ではケラレによる誤差は発生していないが、この開放F値よりも明るい交換レンズ200ほどケラレによる誤差量が大きくなっていくことになる。
以上の説明を図4に示した出力誤差のグラフと対応させると、本実施例の構成では、特性変化の境界値となる開放F値はF2.8であることがわかる。そして、この特性変化に対応するため、補正量の算出においては境界値となる開放F値において場合分けを行う必要があることがわかる。
なお、この境界値となる開放F値は、ピント板105の拡散特性や測光光学系108の開口数、測光光学系108と光軸との間の偏心量等の要因で決まると考えられる。
ここで、上述した、交換レンズ200の開放F値により照度分布ムラの中心がセンサ面の短辺方向に移動する現象について定性的に説明する。
測光センサ109には測光光学系108により集光された拡散光が導かれている。この拡散光はピント板105のマット面で拡散されたものであるが、図6にも示したようにこの拡散の度合いはピント板105に入射する入射光の角度に影響され、入射角度の広がりが大きいほど拡散の程度も大きくなる。
開放F値の小さい交換レンズ200では、ピント板105上で入射光は十分に大きく拡散されることになる。この場合、測光光学系108の集光領域には入射光の直進成分だけでなくピント板105の様々な位置で拡散された拡散光も多く含まれることになるため、測光センサ109にはピント板105全体から拡散光が到達することになる。その結果、照度分布ムラの中心は図3bに示すように概ねセンサ面の中央に位置する。
一方、開放F値の大きい交換レンズ200では、ピント板105に入射した光はあまり拡散することなく、ほぼ直進成分のみの拡散光となってピント板105を透過する。この場合、偏心した位置に設けられた測光光学系108から遠い位置のピント板105上で拡散された光は集光領域に到達することができない。
そのため、この集光領域には測光光学系108に近い位置のピント板105上で拡散された拡散光が多く到達することになる。その結果、照度分布ムラの中心は、図3aに示すようにセンサ面の中央から短辺方向に偏心して位置することになる。
以上の理由から、測光センサ109の偏心により交換レンズ200の光軸とは反対側に偏心していた照度分布ムラの中心が、開放F値の小さい交換レンズ200を用いるほど、測光センサ109のセンサ面、すなわちファインダ視野の中央方向に移動することになる。
なお、このムラ中心の移動に伴う補正原点の場合分けを、本実施例では上述したようにF1.4としているが、これに限られるものではない。ムラ中心の移動特性は、ピント板105の拡散特性や、測光光学系108と光軸との間の偏心量等に応じて変化するものと考えられるから、それらに応じて適宜最適な開放F値を設定することができる。
次に、上述したケラレによる影響を踏まえた測光データの補正を行うために、各補正式の係数部分a、bを定式化する。
上述した特許文献2等にも開示されているように、測光センサ109のセンサ面において生じる照度分布ムラは、装着する交換レンズ200の開放F値と射出瞳位置に応じて変化する。すなわち、開放F値Fが大きくなるとセンサ面に届く被写体光量が低下し、開放F値Fが小さくなると光量が増加し、射出瞳位置Pが小さくなると測光センサ109のセンサ面内の位置の違いによる照度分布ムラが大きくなる。従って、上述した補正量のそれぞれの係数a、bは共にF/Pの関数と見なすことができる。
まず本出願人は、本実施例のカメラ本体100に様々な交換レンズ200を装着したときのa、bの値を算出した。以下に、a、bの具体的な算出方法について説明する。
まず、上述した基準レンズを装着したカメラ本体100で外部光源装置である輝度箱を撮影したときの測光センサ109の全てのセグメントから出力される測光データを測定する。次に、係数aに様々な値を代入したときの補正量h1を補正式(3)から算出し、この補正量h1のみを用いて補正した各セグメントにおける暫定的な測光データを得る。
本補正によって、各セグメントにおける補正後の測光データを均一な値とすることが目的であるから、補正後の測光データの標準偏差が最も少なくなるときのaの代入値を基準レンズに固有のaとする。
また、bの値は、上で得られたaの値を用いて算出する。まず、得られたaの値を使って補正量h1を補正式(3)から算出する。次に、係数bに様々な値を代入したときの補正量h2を補正式(6)から算出する。そして、得られた補正量h1とh2を用いて補正式(2)から補正した各セグメントにおける暫定的な測光データを得る。
aを求めたときと同様に、各セグメントにおける補正後の測光データの標準偏差が最も少なくなるときのbの代入値を基準レンズに固有のbとする。
以上の手順を異なる交換レンズ200に対して行うことで、様々な交換レンズ200の持つa、bの値が求められる。
各交換レンズ200に固有の開放F値と射出瞳位置からF/Pが求められるので、算出したa、bの値とF/Pとをそれぞれグラフにプロットする。いくつかの交換レンズ200について、aとF/Pとの関係を実際にプロットしたものを図8aに、bとF/Pとの関係を実際にプロットしたものを図8bに示す。
なお、横軸は上述した基準レンズを用いて正規化を行っており、F’=F/2.8、P’=P/72である。
上述したように、本実施例の測光装置は開放F値F2.8の前後でケラレの有無が生じるので、F2.8で場合分けを行って補正値算出に用いる係数a、bを異ならせる必要がある。まず、開放F値がF2.8以上の交換レンズ200に用いる係数a、bの関数を求める。
上で得られた各プロットにおいて、F2.8未満のものを無視した残りのプロットから多項式近似により関数を求める。本実施例では、aについては2次関数で近似し、bについては1次関数で近似することとし、それぞれ以下の関数が得られた。
a=s*(F’/P’)+t*(F’/P’)+u ・・・(5)
b=v*(F’/P’)+w ・・・(6)
そして、各係数s、t、u、v、wの値は以下の通りであった。
s=0.29
t=0.75
u=1.05
v=1.66
w=−1.42
従って、開放F値がF2.8以上の交換レンズ200に対しては、上で得られた関数a、bを用いて補正量h1、h2を求めることとする。そのために、これらの関数を測光演算部110内のメモリに記憶する。
なお、上記ではaを2次関数、bを1次関数として近似したが、これに限られるものではない。プロットの数や広がり、求められる精度に応じて最適と思われる次数を選択することができる。
次に、開放F値がF2.8未満の明るい交換レンズ200を装着した場合について考える。上述した開放F値F2.8以上の場合と同様に、F2.8未満についても該当するプロットから近似した関数を求めることができる。
ところで、開放F値の小さな、特にF2.8未満の明るい交換レンズ200を実現するには、マウント形状の制約や求められる光学性能(収差、周辺光量低下)が高いこと、さらにはコストの面で高度なバランスが求められることになる。そのため、開放F値がF2.8未満の交換レンズ200の種類はあまり多くない。
開放F値がF2.8未満の交換レンズ200の種類が少ないということは、これらの交換レンズ200に対する測光補正に用いる係数a、bの関数を近似するためのプロット数が少ないということであり、満足な精度の関数が得られない。そこで本発明に係る測光装置では、F2.8未満の交換レンズ200を装着したときの各補正式の係数a、bを関数ではなく固定値で代用することとした。
具体的には、F2.8未満の開放F値を持つ交換レンズ200を装着して得られたa、bの値から、その交換レンズ200の開放F値毎の平均値を算出する。そして、これらの平均値を各開放F値に対する係数a、bとして採用した。
本実施例では開放F値がF2.8未満の交換レンズ200としてF1.4とF1.8のものを想定しており、F1.8以下の開放F値を持つ交換レンズ200に対しては各補正式の係数a、bを固定値とすることになる。
開放F値F1.4に対する各係数は、開放F値がF1.4の交換レンズ200から算出したa、bの値の平均値を採用し、以下の値が得られた。
a=1.6、b=5.0
また、開放F値F1.8に対する各係数は、開放F値がF1.8の交換レンズ200から算出したa、bの値の平均値を採用し、以下の値が得られた。
a=1.8、b=−0.9
従って、開放F値がF2.8未満の交換レンズ200に対しては、上で得られた固定値のa、bを用いて補正量h1、h2を求めることとする。そのために、これらの関数及び値を測光演算部110内のメモリに記憶する。
なお、開放F値がF2.8未満の交換レンズ200としてF1.4及びF1.8以外のレンズも想定した場合には、それらのレンズの持つ開放F値毎に固定値である係数a、bをそれぞれ求めることになる。また、開放F値がF2.8未満の交換レンズ200の種類が十分に増えた場合には、F2.8以下のときと同様に、プロットから関数a、bを求めてもよい。
上述したように、所定の開放F値による場合分けの前後では、開放F値が小さいほどケラレの影響による誤差量が増加する。この誤差を適正に補正するために、補正式に用いられる係数a、bの値は、場合分けの前後において開放F値が小さいほど小さくなることがわかる。
次に、本発明に係る測光装置における補正演算の流れについて説明する。図9は、本発明に係るレンズ交換式カメラの測光装置で行われる測光演算ルーチンを示したフローチャートの一例である。以下のフローチャートでは、上で想定したように開放F値がF2.8未満の交換レンズ200としてF1.4のものとF1.8のものがあるとして説明を行う。
撮影者により不図示のレリーズボタンが半押し(1stレリーズON)され、被写体の測光演算が開始されると、ステップS001において測光センサ109内の各セグメントから被写体の輝度に応じた測光データがそれぞれ出力される。
出力された各測光データは測光演算部110に送られ、ステップS002において補正量h1算出のサブルーチンが実行され、続いてステップS003において補正量h2算出のサブルーチンが実行される。
各サブルーチンで補正量h1及びh2が得られると、ステップS004において測光演算部110は補正後の測光データI’を算出する。
測光データの補正が完了すると、このデータを利用して公知の露出演算が行われ、撮影条件が決定される。
図10は上述した図9のステップS002である補正量h1を算出するためのサブルーチンを示したフローチャートの一例である。このサブルーチンが開始されると、まずステップS101において測光演算部110はカメラ本体100に装着されている交換レンズ200の開放F値がF1.8より大きいかどうかを判断する。開放F値FがF1.8より大きい場合にはステップS102に進み、F1.8以下である場合にはステップS106に進む。
開放F値がF1.8より大きい場合にはステップS102において、測光演算部110は補正原点セグメント(Xo,Yo)の座標を(1,1)に設定する。これは、上述した照度分布ムラ中心の交換レンズ200の開放F値による移動を補正演算に加味するためである。
次に測光演算部110はステップS103において、内部メモリにあらかじめ記憶しておいた係数aの関数を読み出し、装着されている交換レンズ200の開放F値及び射出瞳位置を用いて係数aの値を求め、この値を設定する。
係数aの値が設定されると、続いてステップS104において、測光演算部110は設定された係数aの値を用いて各セグメントの位置に応じた補正量h1を算出し、さらにステップS105において、算出した各セグメントの補正量h1を測光演算部110の内部メモリに保存する。
次に、ステップS101において開放F値がF1.8以下であると判断した場合にはステップS106に進み、そこで測光演算部110は開放F値がF1.4より大きいかどうかを判断する。開放F値がこの範囲内にある場合にはステップS107に進み、この範囲外である場合にはステップS109に進む。
開放F値がこの範囲内にある場合にはステップS107において、測光演算部110は補正原点セグメント(Xo,Yo)の座標を(1,1)に設定する。
次に測光演算部110はステップS108において、内部メモリにあらかじめ記憶しておいた係数aの固定値としてa=1.8を読み出し、設定する。
係数aの値が設定されると、続いてステップS104において、測光演算部110は設定された係数aの値を用いて各セグメントの位置に応じた補正量h1を算出し、さらにステップS105において、算出した各セグメントの補正量h1を測光演算部110の内部メモリに保存する。
次に、ステップS106において開放F値がこの範囲外、すなわちF1.4以下であると判断した場合にはステップS109に進み、そこで測光演算部110は補正原点セグメント(Xo,Yo)の座標を(1,4)に設定する。
次に測光演算部110はステップS110において、内部メモリにあらかじめ記憶しておいた係数aの固定値としてa=1.6を読み出し、設定する。
係数aの値が設定されると、続いてステップS104において、測光演算部110は設定された係数aの値を用いて各セグメントの位置に応じた補正量h1を算出し、さらにステップS105において、算出した各セグメントの補正量h1を測光演算部110の内部メモリに保存する。
ステップS105が終了すると本サブルーチンは終了し、図9に示した測光演算ルーチンに戻る。
図11は上述した図9のステップS003である補正量h2を算出するためのサブルーチンを示したフローチャートの一例である。このサブルーチンが開始されると、まずステップS201において測光演算部110はカメラ本体100に装着されている交換レンズ200の開放F値がF1.8より大きいかどうかを判断する。開放F値がF1.8より大きい場合にはステップS202に進み、F1.8以下である場合にはステップS205に進む。
開放F値がF1.8より大きい場合にはステップS202において、測光演算部110は内部メモリにあらかじめ記憶しておいた係数bの関数を読み出し、装着されている交換レンズ200の開放F値及び射出瞳位置を用いて読み出した関数から係数bの値を求め、この値を設定する。
係数bの値が設定されると、続いてステップS203において、測光演算部110は設定された係数bの値を用いて各セグメントの位置に応じた補正量h2を算出し、さらにステップS204において、算出した各セグメントの補正量h2を測光演算部110の内部メモリに保存する。
次に、ステップS201において開放F値がF1.8以下であると判断した場合にはステップS205に進み、そこで測光演算部110は開放F値がF1.4より大きいかどうかを判断する。開放F値がこの範囲内にある場合にはステップS206に進み、この範囲外である場合にはステップS207に進む。
開放F値がこの範囲内にある場合にはステップS206において、測光演算部110は内部メモリにあらかじめ記憶しておいた係数bの固定値としてb=−0.9を読み出し、設定する。
係数bの値が設定されると、続いてステップS203において、測光演算部110は設定された係数bの値を用いて各セグメントの位置に応じた補正量h2を算出し、さらにステップS204において、算出した各セグメントの補正量h2を測光演算部110の内部メモリに保存する。
次に、ステップS205において開放F値がこの範囲外、すなわちF1.4以下であると判断した場合にはステップS207に進み、そこで測光演算部110は内部メモリにあらかじめ記憶しておいた係数bの固定値としてb=5.0を読み出し、設定する。
係数bの値が設定されると、続いてステップS203において、測光演算部110は設定された係数bの値を用いて各セグメントの位置に応じた補正量h2を算出し、さらにステップS204において、算出した各セグメントの補正量h2を測光演算部110の内部メモリに保存する。
ステップS204が終了すると本サブルーチンは終了し、図9に示した測光演算ルーチンに戻る。
上述した実施例では測光光学系108は接眼レンズ107の上方に設けられているが、交換レンズ200の光軸から偏心されていればどこでもよい。例えば、測光光学系108を交換レンズ200の光軸と接眼レンズ107との間のスペースに設けることも可能である。
その場合には、開放F値が大きい交換レンズ200では照度分布ムラの中心は図3aに示した分布とは反対となり、センサ面の上端中央付近に位置することになる。そして、交換レンズ200の開放F値が小さくなるのに応じて、このムラ中心はセンサ面の中央に移動してくることになる。
上述してきたように本実施例では開放F値がF2.8未満の交換レンズに対しては、補正式の各係数を固定値とした。しかしながら、これよりも明るい交換レンズの種類が増えれば、F2.8未満のレンズに対しても補正式の各係数をF/Pの関数で定義することができる。同様に、開放F値がF2.8以上の暗いレンズについても、種類が増えることで各係数の関数の精度が向上することは明らかである。
つまり、本願発明の特徴は、適正露出を得るための測光補正に用いる補正式において、ピント板における拡散により所定の開放F値(本実施例ではF2.8)で場合分けが必要となることを解明した点にある。
100 カメラ本体
101 カメラCPU
102 クイックリターンミラー
103 撮像素子
104 シャッタ駆動回路
105 ピント板
106 ペンタプリズム
107 接眼レンズ
108 測光光学系
109 測光センサ
110 測光演算部
200 交換レンズ
201 結像光学系
202 絞り駆動回路
203 レンズCPU

Claims (8)

  1. 複数の測光領域に分割された被写界を測光し、前記複数の測光領域の受光量に応じた測光データをそれぞれ出力する測光センサと、
    撮影レンズを透過してピント板で結像した光を、前記撮影レンズの光軸外に設けられた前記測光センサに導く測光光学系と、
    前記撮影レンズに固有の開放F値及び射出瞳位置に応じて補正値を算出する補正演算回路と、
    前記測光データ及び前記補正値から補正後の測光データを算出する測光演算回路と、
    を有するレンズ交換式カメラの測光装置において、
    前記補正値を算出する補正演算式は第1の補正式及び第2の補正式からなり、前記各補正式はそれぞれ距離の関数部分と係数部分との積であり、前記各係数部分は前記撮影レンズに固有の開放F値により異なることを特徴とするレンズ交換式カメラの測光装置。
  2. 前記撮影レンズに固有の開放F値をF、固有の射出瞳位置をPとしたとき、前記第1の補正式における係数部分及び前記第2の補正式における係数部分はそれぞれF/Pの多項式関数であり、
    前記各多項式関数は、複数の前記撮影レンズにおいて、前記撮影レンズと前記測光光学系とから算出される第1の補正係数とF/Pとのプロットから算出した近似式、及び、前記撮影レンズと前記測光光学系とから算出される第2の補正係数とF/Pとのプロットから算出した近似式であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
  3. 前記第1の補正式における距離の関数部分は、前記測光センサ面における同心円状の光量ムラの中心である補正原点からの距離の関数であり、前記第2の補正式における距離の関数部分は、前記測光センサ面における短辺方向の距離の関数であり、
    前記補正原点の位置は、前記撮影レンズに固有の開放F値により、少なくとも2つ以上に場合分けすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
  4. 前記補正原点は、前記撮影レンズの開放F値に応じて前記測光センサ面の短辺方向に移動することを特徴とする請求項3に記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
  5. 前記補正原点は、前記撮影レンズの開放F値が小さいほど前記測光センサ面の中心方向に移動することを特徴とする請求項4に記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
  6. 前記各補正式の係数部分は、前記撮影レンズの開放F値が所定の値より小さい場合には固定値とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
  7. 前記第1の補正係数は、少なくとも、
    外部光源装置からの光を撮影したときに前記測光センサから出力される測光データを測定するステップと、
    前記第1の補正式における係数部分へ代入する第1の代入値として様々な値を代入したときの第1の暫定補正値を算出するステップと、
    算出された前記第1の暫定補正値のみで補正した第1の暫定測光データを算出するステップと
    前記複数の測光領域における前記第1の暫定測光データの標準偏差が最も少なくなる前記第1の代入値を特定するステップと、
    特定された前記第1の代入値を前記第1の補正係数として設定するステップと、
    から算出されることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
  8. 前記第2の補正係数は、少なくとも、
    設定された前記第1の補正係数を前記第1の補正式の係数部分に代入したときの第1の補正値を算出するステップと、
    前記第2の補正式における係数部分へ代入する第2の代入値として様々な値を代入したときの第2の暫定補正値を算出するステップと、
    算出された前記第1の補正値及び前記第2の暫定補正値で補正した第2の暫定測光データを算出するステップと、
    前記複数の測光領域における前記第2の暫定測光データの標準偏差が最も少なくなる前記第2の代入値を特定するステップと、
    特定された前記第2の代入値を前記第2の補正係数として設定するステップと、
    から算出されることを特徴とする請求項7に記載のレンズ交換式カメラの測光装置。
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