JP5761285B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機としては、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものもある。
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換して遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等、の不正行為が数多く報告されている。
このため、各種の不正対策が検討されている(例えば特許文献1参照)。
特開平10−249026号公報
しかしながら、上記各種の不正対策の実施に伴って、次のような問題の発生が懸念される。すなわち、遊技機製造工程において、組み立て作業効率が低下するおそれがある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、組み立て作業効率の低下を抑制しつつ、制御基板に対する不正行為を抑制する遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技機構成部材である第1部材と第2部材とがネジ部材により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材を回転操作する工具が係合される操作部を備え、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部と、
前記軸部に設けられ、当該軸部の軸線上に位置するとともに、前記操作部と係合される係合部を含む操作係合部と、
を有し、
さらに、前記第1部材及び第2部材を連結した場合に、前記操作部を、前記軸部の軸線方向と異なる方向へと変位させる変位手段と、
前記変位手段により前記操作部が変位された状態で、当該操作部を保持可能な保持部と、
を備え、
前記保持部は、各部材を連結する前の状態においては、前記操作部の軸線が前記軸部の軸線とほぼ一致するように当該操作部を保持するものであり、
前記変位手段は、前記操作部に設けられ、前記係合部の軸線方向と交わる方向に付勢する付勢部材であり、
前記保持部は、前記操作部における前記係合部の軸線方向に沿った外周側を覆う筒部を備え、
当該筒部は、
各部材を連結する前の状態では前記係合部の軸線が前記操作部の軸線とほぼ一致するように当該操作部を覆う第1筒部と、
各部材を連結した場合に前記付勢部材により前記操作部を変位可能にその内周が前記第1筒部よりも拡張された第2筒部と、
を備え
前記操作部が前記変位手段により変位された状態において、前記操作部が前記係合部を覆っていることを特徴とする。
本発明によれば、組み立て作業効率の低下を抑制しつつ、制御基板に対する不正行為を抑制できる。
一実施の形態におけるパチンコ機の構成を示す前方から見た斜視図。 遊技機本体の主要な構成を分解して示す分解斜視図。 内枠の構成を示す正面図。 遊技盤の構成を示す正面図。 内枠の構成を示す背面図。 裏パックユニットの構成を示す正面図。 主制御装置の構成を示す斜視図。 主制御装置の構成を示す正面図。 主制御装置の構成を示す分解斜視図。 (a)主制御装置の一部を拡大して示す側面図、(b)図10(a)のA―A線断面図。 (a)本パチンコ機における基板ボックスの規制箇所を示す断面図、(b)比較対象の基板ボックスの規制箇所を示す断面図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体との組み付け作業を説明するための説明図。 裏側結合領域の構成を示す断面図。 受け部材の構成を示す斜視図。 (a)カバー部材の構成を示す正面図、(b)カバー部材の構成を示す斜視図。 (a)〜(c)裏側結合領域を形成する上での作業を説明するための説明図。 (a)第1表側結合部と裏側結合部との結合箇所を示す主制御装置の断面図、(b)第2表側結合部と裏側結合部との結合箇所を示す主制御装置の断面図。 図8のB−B線部分断面図。 (a)〜(c)表側結合部と裏側結合部とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図、(d),(e)表側構成体と裏側構成体とを再固定する場合の作業の流れを説明するための説明図。 (a)〜(c)破断ネジを示す構成図。 (a)図21におけるC−C線断面図、(b)(c)破断部が破断した場合を示す構成図。 (a)破断ネジを取り付ける場合を示す図8のD−D線部分断面図、(b)(a)にて破断ネジを取り付けた場合を示す説明図。 図23の拡大図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 第2の実施形態における主制御装置の構成を示す正面図。 (a)ワンウェイネジ及び操作部の構成を示す正面図、(b)操作部の構成を示す平面図、(c)ワンウェイネジの構成を示す平面図、(d)図27(a)におけるF−F線断面図。 図26におけるG−G線部分断面図。 別例における破断ネジを示す構成図。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の斜視図、図8は主制御装置63の正面図、図9は主制御装置63の分解斜視図である。
主制御装置63は、図9に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92の内部空間に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91には、コンデンサや抵抗などの各種素子や、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子は全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面96となっており、他方の板面が半田面となっている。なお、半田面とは、素子搭載面96に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)101と裏側構成体(ボックスベース)102とを備えている。これら表側構成体101及び裏側構成体102は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面96及び半田面を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体101及び裏側構成体102が組み合わされることにより、図7及び図8に示すように、基板ボックス92は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体101は、図9に示すように、当該表側構成体101の周縁を規定する表側周縁部103と、当該表側周縁部103から一方に膨出するようにして形成された膨出部104とが一体形成されてなる。これら表側周縁部103と膨出部104とにより、表側構成体101は膨出部104の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。
表側構成体101にはその背面側から主制御基板91がネジ固定されている(着脱可能な状態で固定されている)。なお、表側構成体101への主制御基板91のネジ固定は、主制御基板91の半田面側から行われており、主制御基板91の素子搭載面96に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体101との間の領域内に収容されている。
主制御基板91が一体化された表側構成体101に対して、裏側構成体102が固定されている。裏側構成体102は、図9に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部105と、当該平面部105の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部106とが一体形成されてなる。
表側構成体101に対してその裏面側から裏側構成体102を固定することにより、表側構成体101の表側周縁部103と裏側構成体102の裏側周縁部106とが重なり、膨出部104の裏面側への開放部分が裏側構成体102の平面部105により閉塞される。この場合、主制御基板91の半田面は、裏側構成体102により覆われている。つまり、主制御基板91の素子搭載面96はその全体が表側構成体101と対向しており、主制御基板91の半田面はその全体が裏側構成体102と対向している。上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体101の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。両構成体101,102の固定に関する構成としては、両構成体101,102の相互の位置ずれを特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への位置ずれを防止するように両構成体101,102を相互に固定する固定手段と、を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。なお、以下の規制手段の説明では、図9だけでなく図10も適宜参照する。図10(a)は主制御装置63の一部を拡大して示す側面図、図10(b)は図10(a)のA―A線断面図である。
図9に示すように、規制手段として、表側構成体101には、フック部(係止部又は表側規制部)111が一体形成されている。フック部111は複数設けられており、これらフック部111は表側周縁部103の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部111は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部111は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
フック部111の形状について詳細に説明する。表側構成体101の表側周縁部103は、当該表側周縁部103に沿って矩形枠状に形成された枠部112を備えている。枠部112は表側周縁部103において膨出部104に連続するベース部110から裏側構成体102側に起立させて形成されている。この場合、枠部112におけるベース部110からの突出寸法(高さ寸法)は、主制御基板91の厚み寸法と同一となっている。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくしてもよい。
枠部112において一の長辺部を構成する上枠部(一の枠部)113に複数のフック部111が形成されているとともに、当該上枠部113と対向した位置にて一の長辺部を構成する下枠部(他の枠部)114にも複数のフック部111が形成されている。この場合、各フック部111の内側の面は形成元の枠部112における内側の面と同一平面上に位置しているとともに、各フック部111の外側の面は形成元の枠部112における外側の面と同一平面上に位置している。
フック部111は枠部112を基端として形成されており、自由端側が表側構成体101の一方の短辺部側、具体的には、右縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。つまり、フック部111は枠部112から裏側構成体102に向けて起立した起立部115と、起立部115から表側構成体101の側縁に向けて延びる延出部116とが一体形成されてなる。
延出部116は起立部115の高さ寸法分、枠部112から離間されており、延出部116と枠部112との間には係止用溝117が形成されている。当該係止用溝117は延出部116に沿って形成されており、延出部116の自由端側において開放されている。
フック部111に対応させて裏側構成体102には、係止受け(裏側規制部)121が一体形成されている。係止受け121の形状について詳細に説明する。裏側構成体102の裏側周縁部106には、表側構成体101の上枠部113と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の上側周壁部122が一体形成されているとともに、表側構成体101の下枠部114と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の下側周壁部123が一体形成されている。これら上側周壁部122及び下側周壁部123は表側構成体101に向けて起立している。上側周壁部122及び下側周壁部123はそれぞれ、裏側構成体102の周面(上面及び下面)を構成しているとともに、基板ボックス92の周面(上面及び下面)を構成している。
裏側周縁部106には、上側周壁部122及び下側周壁部123にそれぞれ一体形成された上側台座部124及び下側台座部125を備えている。ここで、上側台座部124及び下側台座部125は共に同一の構成を有しており、さらに規制手段について基板ボックス92の上側と下側とで基本的に構成は同一となっているため、下側の構成を例にとって以下説明する。
下側台座部125は、図9に示すように、下側周壁部123の内側の壁面から裏側構成体102の平面部105側に突出させて形成されており、下側周壁部123及び平面部105の両方に対して一体化されている。下側台座部125は下側周壁部123の長さ方向(長手方向)の全体又は略全体に亘って形成されている。
下側台座部125は、表側構成体101に向けて起立している。但し、その高さ寸法(基板ボックス92の厚み方向の寸法)は、下側周壁部123の高さ寸法よりも小さく設定されている。この点、裏側構成体102は、その長辺側の縁部において下側周壁部123と下側台座部125とにより段差状となっていると言える。
下側台座部125には、フック部111と1対1で対応させて係止受け121が形成されている。つまり、係止受け121は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されている。但し、フック部111と1対1で対応しているのであれば、その具体的な数は任意である。各係止受け121は全て同一の形状及び大きさを有している。
係止受け121は、下側台座部125をその高さ方向、すなわち裏側構成体102の厚み方向に貫通するスリットとして構成されている。詳細には、係止受け121は、裏側構成体102において上記のとおり周面を構成する下側周壁部123と、下側台座部125において平面部105との境界部分を構成する内側壁部126と、これら下側周壁部123及び内側壁部126を連結するようにして形成された連結壁部127とにより周囲が規定されており、裏側構成体102の厚み方向(基板ボックス92の厚み方向)に貫通している。
ちなみに、連結壁部127は、隣り合う係止受け121を区画する機能も有しているとともに、下側台座部125において表側構成体101(表側構成体101の枠部112)と対向する対向面を構成している。また、内側壁部126は係止受け121側からの基板ボックス92内への侵入経路を遮断するように形成されているとともに、内側壁部126は基板ボックス92の内部空間の周面を構成している。
係止受け121の幅寸法、すなわち下側周壁部123と内側壁部126との間の距離は、フック部111の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。また、係止受け121の長さ寸法、すなわち対向する連結壁部127間の距離は、延出部116の長さ寸法よりも大きく設定されている。
係止受け121は、図10(a)に示すように、一方の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する受け部128を備えている。この受け部128が形成された側の連結壁部127は、一の係止受け121における両連結壁部127のうち、フック部111の自由端側に対応した側となっている。
受け部128は、係止受け121において表側構成体101側の端部に形成されている。また、受け部128は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、係止受け121において受け部128が形成されていない側の連結壁部127から受け部128までの距離は、フック部111の延出部116が延びる方向の長さ寸法よりも大きくなっている。これにより、上記のように受け部128が形成された構成において、裏側構成体102の表側からフック部111を係止受け121内に挿入可能となっている。受け部128は、上記フック部111の係止用溝117内に入り込み可能な厚み寸法に設定されている。
なお、係止受け121は、受け部128とは逆側の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する閉塞部129を備えている。但し、閉塞部129は係止受け121において受け部128が形成された側とは反対側の端部に形成されている。また、閉塞部129は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。
表側構成体101と裏側構成体102とが一体化された状態では、図10(a)及び図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入されおてり、図10(a)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込んでいる。そして、受け部128は、枠部112に当接しているとともに、フック部111の延出部116に当接している。
この場合、表側構成体101と裏側構成体102とを、係止用溝117に対する受け部128の入り込み方向に移動させて分離させようとしても、表側構成体101の起立部115に受け部128が当接することで規制される。また、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させようとしても、フック部111と受け部128との当接により規制される。また、図10(b)に示すように、フック部111は係止受け121を構成する下側周壁部123及び内側壁部126の両方に挟まれた状態となっている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102とを上下方向に移動させて分離させようとしても、フック部111が下側周壁部123又は内側壁部126のいずれかに当接することで規制される。つまり、フック部111及び係止受け121により、表側構成体101と裏側構成体とを分離させる際の方向が、係止用溝117から受け部128を抜き取る方向、すなわち基板ボックス92の一方の短辺側に規制されている。
特に、フック部111と係止受け121との組み合わせは、基板ボックス92の両長辺部においてそれぞれ複数組設けられており、さらにはこれらの組み合わせは、各長辺部においてその長さ方向の略全体に亘って分散させた位置にて行われている。したがって、上記規制は強固に行われている。
図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入され、且つ係止用溝117内に受け部128が入り込んだ規制状態では、表側構成体101の下枠部114が裏側構成体102の下側台座部125と基板ボックス92の厚み方向に重なり合っている。この場合、下側台座部125の全体に亘って下枠部114が重なり合っており、これら下側台座部125と下枠部114とにより基板ボックス92の長辺部において当該基板ボックス92の内部空間の周面の一部が構成されている。
下枠部114は、上記のとおり表側周縁部103のベース部110から裏側構成体102側に起立させて設けられている。また、下側台座部125は上記のとおりスリット状の係止受け121を構成する部位であり、それに伴って下枠部114よりも肉厚に形成されている。さらには、下枠部114は、下側台座部125上において下側周壁部123と接するように当該下側周壁部123側に偏倚した位置に配置されている。したがって、図10(b)に示すように、下枠部114へと続くベース部110と下側台座部125との間には所定の隙間が形成されており、当該隙間には主制御基板91の周縁部の一部が入り込んでいる。
裏側構成体102の下側周壁部123は、上記のとおり下側台座部125よりも表側構成体101側に突出しており、当該突出した部位が下枠部114の外側の側面に対して外方から重なり合っている。また、下側周壁部123はその起立した先端側の端面が表側周縁部103におけるベース部110の表面と面一となっている。つまり、下側周壁部123は表側周縁部103における一長辺部の外側周面の全体と重なり合っている。当該構成であることにより、表側構成体101と裏側構成体102との長辺部における境界は、図8に示すように、線状となっている。
また、当該境界は、図10(b)に示すように、表側周縁部103のベース部110よりも外側にある。当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具を挿入しようとしても、上記のとおり下枠部114と下側台座部125とがその全体に亘って重なり合っているため、それが阻止される。さらには、上記のとおりフック部111と係止受け121とによる規制は強固に行われているため、下枠部114と下側台座部125とを離間させようとしてもそれが強固に阻止される。
ここで、上記のようにフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。当該構成について、図11を用いて、基板ボックス92の体格が大きくなってしまう構成と比較しながら説明する。図11(a)は本パチンコ機10における基板ボックス92の規制箇所を示す断面図であり、図11(b)は比較対象の基板ボックス131の規制箇所を示す断面図である。
本パチンコ機10の基板ボックス92では上記のとおりフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、図11(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間の縁部から基板ボックス92の周面までの距離はX1となっている。
これに対して、比較対象の基板ボックス131では、図11(b)に示すように、フック部132と係止受け133とが、上記基板ボックス92とは逆の関係で、表側構成体134及び裏側構成体135に形成されている。つまり、裏側構成体135にフック部132が形成されており、表側構成体134に係止受け133が形成されている。また、上記基板ボックス92ではフック部111が設けられた表側構成体101の縁部において基板ボックス92における内部空間の周面の一部を構成していたが、本基板ボックス131ではフック部132が設けられた裏側構成体135の縁部は内部空間の周面の一部を構成していない。したがって、基板ボックス131の内部空間の縁部から基板ボックス131の周面までの距離はX2となっており、上記基板ボックス92における対応箇所の距離X1よりもX3だけ長くなっている。
以上より、本パチンコ機10における基板ボックス92によれば、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。パチンコ機10では、図柄表示装置41の表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を行うことが好ましい。しかしながら、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を図ろうとすると、パチンコ機10の背面側において電気機器を搭載するスペースに制限が生じてしまう。これに対して、上記のとおり基板ボックス92の小型化を図ることで、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を良好に実現することができる。
次に、上記規制手段による表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業について図12を用いて説明する。図12(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業を説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とを相互に固定する場合、図12(a)の状態から図12(b)の状態となるように、先ず裏側構成体102の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入する。この場合、フック部111の自由端が、挿入された係止受け121内の受け部128側を向いている。また、この状態では、表側構成体101と裏側構成体102とは完全に重なり合っておらず、左右方向にずれた状態となっている。
その後、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させることにより、図12(c)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込む。これにより、係止用溝117に対する受け部128の抜け方向にのみ移動可能なように表側構成体101及び裏側構成体102の移動方向が規制される。そして、当該状態において固定手段による固定を行うことで、規制手段により規制された移動方向への移動も行うことが不可となり、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定される。
次に、固定手段について説明する。
図8及び図9に示すように、表側構成体101における一方の短辺部には、表側結合領域141が一体形成されている。表側結合領域141は、当該短辺部において膨出部104から側方に延出させて形成されている。表側結合領域141には複数(具体的には、4個)の表側結合部142,143が設けられており、各表側結合部142,143には基板ボックス92の厚み方向に貫通する貫通孔部144が形成されている。なお、本実施の形態においては、主制御装置63を製造する際に使用される表側結合部と、主制御装置63を開放した後、両構成体101,102を再ボックス化する場合に使用される表側結合部との2種類の異なる表側結合部を備えている。以下、説明の便宜上、前者を「第1表側結合部142」と称し、後者を「第2表側結合部143」と称することとする。
各表側結合部142,143は、前記短辺部に沿って並設されている。より具体的には、短辺部に沿い離間して配置された2つの第1表側結合部142の間に、2つの第2表側結合部143が配置されている。また、各第1表側結合部142は第1連結部145を介して膨出部104と連結されているとともに、第2連結部146を介して隣り合う第2表側結合部143と連結されている。この場合、各連結部145,146の周囲には、ニッパやカッタ等の工具を差込可能な空間が確保されており、第1表側結合部142を破壊するよりも上記工具により切断し易くなっている。なお、上述した第2連結部146を省略することも可能である。因みに、第1表側結合部142及び第2表側結合部143の相違点についての詳細は後述する。
表側結合領域141に対応させて、裏側構成体102の裏側周縁部106には裏側結合領域151が設けられている(図13等参照)。ここで、本基板ボックス92では、裏側結合領域151が特徴的な構成となっている。そこで以下に、裏側結合領域151の特徴的な構成を重点的に説明しつつ、上記結合に関する構成を説明する。
先ず、裏側結合領域151の構成を、図9に加え図13〜図15を用いて説明する。図13は裏側結合領域151の断面図、図14は裏側結合領域151を構成する受け部材153の一部破断領域を含む斜視図、図15(a)は裏側結合領域151を構成するカバー部材154の正面図、図15(b)はカバー部材154を裏側から見た斜視図である。
裏側結合領域151は、図9及び図13に示すように、裏側構成体102の裏側周縁部106に一体形成された結合領域形成部152と、当該結合領域形成部152に組み付けられる受け部材(受け金具)153及びカバー部材154と、を備えている。
結合領域形成部152は、裏側構成体102の裏側周縁部106における一方の短辺部において、全体又は略全体に亘って形成されている。結合領域形成部152には、図13に示すように、表側構成体101側に向けて開放された溝部155が形成されている。溝部155は、結合領域形成部152の全体に亘って形成されている。
結合領域形成部152には、溝部155内に挿入された状態で受け部材153が固定されている。受け部材153は、少なくとも裏側構成体102の壁部よりも高強度な(硬質な)金属板を図14に示すように、複数箇所で折り曲げることにより形成されており、結合領域形成部152の溝部155と同一又は略同一の長さ寸法を有している。なお、受け部材153を、金属板を折り曲げることにより形成するのではなく、複数の金属板を溶接することにより形成してもよい。
受け部材153は、溝部155の周面に沿うようにして凹み空間161を有するように形成された受けベース部162と、当該受けベース部162に対して一体形成された引っ掛け板部163と、を備えている。この場合、受けベース部162は相互に対向する対向板部164,165と、これら対向板部164,165を一端において連結する連結板部166と、を備えており、これら各板部164,165,166により、凹み空間161が形成されている。また、引っ掛け板部163も板状であり、一部の板部は内側の対向板部164と対向している。
受け部材153は、受けベース部162の外周面が溝部155の内周面と重なるように、結合領域形成部152に設置されている。この場合、引っ掛け板部163は、結合領域形成部152において溝部155を形成する壁部のうち内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となっている。また、図9及び図14に示すように、受けベース部162の対向板部164,165のうち、外側の対向板部165には係止用凹部167が複数箇所に形成されており、これに対応させて、図9に示すように、結合領域形成部152において溝部155を区画する壁部のうち外側溝壁部157には、係止部158が一体形成されている。係止部158は係止用凹部167に1対1で対応させて複数箇所に形成されている。
受け部材153を結合領域形成部152に設置した状態では、係止用凹部167が係止部158により係止され、結合領域形成部152に対して受け部材153が固定されている。受け部材153が結合領域形成部152に固定された状態においては、受けベース部162における凹み空間161は表側構成体101に向けて開放されており、受けベース部162は溝部155内の略全体に亘って位置している。
つまり、図8に示すように、受け部材153は基板ボックス92における一の短辺部の略全体に亘って位置している。換言すれば、受け部材153は基板ボックス92の複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。さらに換言すれば、基板ボックス92は正面視で多角形状(四角形状)に形成されており、受け部材153は所定の一辺部の当該辺部が延びる方向の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。
受け部材153の対向板部164,165のうち、内側の対向板部164には、図13に示すように、凹み空間161側に突出するように係止片168が設けられている。係止片168は、図14の破断部分に示すように、内側の対向板部164を切除しない範囲で切断を行い、切断によって板バネ状となった箇所を凹み空間161側に曲げることにより形成されている。この場合、係止片168の自由端は、受けベース部162の連結板部166側、すなわち凹み空間161の奥側を向いている。係止片168は、等間隔で複数形成されており、この数は表側結合領域141に形成された表側結合部142,143の数と同数となっているとともに、表側結合部142,143の位置に対応させて形成されている。
上記のように受け部材153が固定された結合領域形成部152に対してカバー部材154が設置されている。カバー部材154は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。カバー部材154は、結合領域形成部152と同一又は略同一の長さ寸法を有しており、結合領域形成部152及び受け部材153の全体又は略全体を覆う機能を有しているとともに、受け部材153が固定された結合領域形成部152を表側結合部142,143と同数の裏側結合部176に区画するための機能を有している。
具体的には、カバー部材154は、図13に示すように、第1カバー板部172と、当該第1カバー板部172に対して直交する第2カバー板部173と、を有するカバーベース部171を備えている。カバー部材154を結合領域形成部152に設置した場合には、第1カバー板部172は結合領域形成部152の対向する溝壁部156,157及び結合領域形成部152に固定された受け部材153に対して、受け部材153の凹み空間161の開放側から重なり合っており、第2カバー板部173は結合領域形成部152における外側溝壁部157の外側周面の全体に対して外方から重なり合っている。
第1カバー板部172には、図15(a)に示すように、その長さ方向に等間隔で複数の貫通孔部174が形成されている。当該貫通孔部174が形成されていることにより、受け部材153の凹み空間161は第1カバー部材154により完全に閉塞されておらず、貫通孔部174の位置にて表側構成体101側に向けて開放されている。
貫通孔部174は、受け部材153の係止片168と1対1で対応しており、図13に示すように、一の貫通孔部174と基板ボックス92の厚み方向に並ぶ位置に一の係止片168が位置している。また、貫通孔部174は、表側結合部142,143と1対1で対応している。
第1カバー板部172の表面側には、図15(a),(b)に示すように、当該第1カバー板部172の表面側において各貫通孔部174が形成された領域を個別に区画するようにして区画壁部175が一体形成されている。そして、区画壁部175により区画された各領域によって裏側結合部176が構成されている。各裏側結合部176は、表側構成体101に向けて開放されているとともに、裏側構成体102において裏側結合領域151が形成された側の短辺部と対向する短辺部に向けて開放されている。各裏側結合部176は対応する表側結合部142,143を収容可能な大きさを有しており、各裏側結合部176に対応する各表側結合部142,143が収容された状態では、各表側結合部142,143の貫通孔部144と各裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。
なお、図15(b)に示すように、第1カバー板部172の裏面側には、複数箇所に位置決め用突起177が形成されており、カバー部材154を設置する場合にはこれら位置決め用突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むようにすることで、設置箇所の位置決めを容易に行うことができる。また、当該突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むことで、カバー部材154をその設置箇所から離脱させる際の離脱方向が規制される。換言すれば、凹み空間161が開放されている方向、すなわち裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制される。
次に、裏側結合領域151を形成する上での作業の流れ及び両構成体101,102の組み合わせ作業の流れを、図16を用いて説明する。図16(a)〜(c)は裏側結合領域151を形成する上での作業を説明するための説明図である。
図16(a)に示す裏側構成体102の結合領域形成部152に対して、図16(b)に示すように受け部材153を設置する。当該設置は、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155内に入り込むように、且つ受け部材153の引っ掛け板部163が結合領域形成部152の内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となるように行われる。
図16(b)に示すように、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155の内周面と重なった状態となることで、受けベース部162の係止用凹部167が結合領域形成部152の係止部158により係止された状態となる。なお、係止部158はその先端が溝部155内に突出しているが、当該係止部158は受けベース部162の溝部155への入り込みに際して当該入り込みを阻害しない位置へと弾性変形可能に形成されている。
その後、図16(c)に示すように、受け部材153が設置された結合領域形成部152にカバー部材154を設置する。この際、カバー部材154に位置決め用突起177が形成されていることにより、カバー部材154の設置を良好に行うことができる。また、カバー部材154を設置した場合には、当該カバー部材154により係止部158が外側から覆われる。さらに、溝部155の開放箇所における、係止部158と係止用凹部167との係止箇所を露出させる部位もカバー部材154により覆われる。これにより、係止部158と係止用凹部167との係止状態を不正に解除しようとしても、当該行為が行いづらくなる。
次に、カバー部材154の円筒部178(詳しくは孔部178a)に対して破断ネジ170を挿入する。そして、この破断ネジ170を丸孔179及び連通孔169に挿通させ、ドライバ等の工具を用いて破断ネジ170を取付穴部159にねじ込む。それ以上破断ネジ170を締めることができない位置までねじ込むことにより、カバー部材154が裏側構成体102に対して固定された状態となる。すなわち、カバー部材154と受け部材153と裏側構成体102とが一体化され、裏側結合領域151の形成が完了する。
ここで、カバー部材154の固定部位(丸孔179)と前記表側結合部142,143の相互の位置関係について説明する。図8等に示すように、カバー部材154の固定部位を挟んだ両側に第1表側結合部142が配置されている。より具体的には、カバー部材154の両短側に偏倚して第1表側結合部142が配置されている。そしてこれらカバー部材154の固定部位と第1表側結合部142との間には第2表側結合部143がそれぞれ配置されている。換言すれば、カバー部材154の固定部位は第1表側結合部142と第2表側結合部143とによって二重に挟まれた状態となっている。すなわち、固定部位と第1表側結合部142までの距離寸法は、固定部位と第2表側結合部143までの距離寸法よりも大きく設定されている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176との結合に関連する構成ついて説明する。上述の如く第1表側結合部142と第2表側結合部143との結合に関連する構成は一部相違している。故に、先ず図17(a)に基づき第1表側結合部142について詳細に説明し、その後、第1表側結合部142との相違点を踏まえて第2表側結合部143について説明する。図17(a)は基板ボックス92における第1表側結合部142と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
各裏側結合部176に対して対応する各第1表側結合部142が収容された状態では、上記のとおり、各第1表側結合部142の貫通孔部144と第1カバー板部172に形成された対応する貫通孔部174とが連通された状態となっている。これら連通された貫通孔部144,174に対して、図17(a)に示すように、第1表側結合部142側から、金属製の第1結合具(固定具)181が挿入されていることで、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合(固定)されている。
第1結合具181は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部181aと、ベース部181aの片側の端部に形成され当該ベース部181aと直交する操作部181bと、によって構成されている。ベース部181aにはその厚み方向に貫通する係止孔部181cが形成されており、第1結合具181を挿入することで当該係止孔部181c内に係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第1結合具181の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部181c内に係止片168が入り込んだ後は第1結合具181の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。第1結合具181を挿入する際には、操作部181bを指等で押すことにより、作業を容易に行うことができる。
操作部181bは、ベース部181aにおける表側結合部142側の端部に形成されており、装着された状態においては、その板面が第1表側結合部142の当接部142aに当接している。当接部142aは、操作部181bの板面と平行な略板状をなしている。これら操作部181bと当接部142aとが当接することで、操作部181bと裏側結合
部176との間に表側結合部142を挟み込んだ状態となっている。すなわち、両結合部142,176が結合された状態となっている。
また、表側結合領域141(詳しくは第1表側結合部142)には、当接部142aを囲って起立するとともに、操作部181bを内部に収容する第1周壁部142bが形成されている。換言すれば、第1周壁部142bによって操作部181bを収容する収容凹部182が形成されている。収容凹部182の内周は操作部181bの外周とほぼ同様となるように設定されており(図8参照)、操作部181bが収容凹部182に収容された後は、操作部181bを掴みづらくなっている。これにより、第1結合具181の不正な取り外しが抑制されている。
次に、第2表側結合部143及び当該第2表側結合部143に関連する構成について図17(b)に基づき説明する。図17(b)は基板ボックス92における第2表側結合部143と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
第2表側結合部143は、第1表側結合部142と同様に、当接部143a及び周壁部143bを備えている。また、第1結合具181と同様に、第2表側結合部143と裏側結合部176とを結合(固定)する第2結合具(固定具)183が設けられている。そして、周壁部143b及び膨出部104の壁面によって、第2結合具183を収容可能な収容凹部184が形成されており、第2結合具183が収容凹部184に嵌まり貫通孔部144,174に対して挿入されていることで、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合されている。
第2結合具183は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部183aと、ベース部183aの片側の端部に形成され当該ベース部183aと直交する操作部183bと、によって構成されている。ベース部183aにはその厚み方向に貫通する係止孔部183cが形成されており、第2結合具183を挿入することで当該係止孔部183c内に前記係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第2結合具183の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部183c内に係止片168が入り込んだ後は第2結合具183の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定されることとなる。
周壁部143bは、表側構成体101の膨出部104に対して連なっている。すなわち、第1表側結合部142とは異なり、表側構成体101からの離脱を容易とする(切断を容易とする)連結部145に相当する部位は設けられていない。故に、第2表側結合部143が結合された場合には、両構成体101,102の分離が不可能又は困難なものとなる。
収容凹部184の内部には、第2結合具183の挿入方向を所定の方向、具体的には貫通孔部144の軸線方向に規制する規制部143cが形成されている。規制部143cは、貫通孔部144の軸線方向に延びる複数(本実施の形態においては2つ)の柱状部よりなる。より詳しくは、規制部143cは貫通孔部144を挟んで周壁部143bと対峙しており、それら規制部143cと周壁部143bとの間隔寸法は、第2結合具183におけるベース部183aの板厚寸法とほぼ同等となっている。貫通孔部144に向けて挿入された第2結合具183は、そのベース部183aが規制部143cと周壁部143bとによって挟まれた領域に嵌まることで、その挿入方向が規制される。
操作部183bは、当該操作部183bにおける折り曲げ基端側から先端側までの最大長さ寸法が、その長さ方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その先端縁が周壁部143bに近接した状態となっている。また、操作部183bは、その最大幅寸法(長さ方向と直交する方向における幅寸法)その幅方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その幅方向における両側の縁部が周壁部143bに近接した状態となっている。このように各縁部を周壁部143bに対して近接させることで、操作部183bを掴みにくくしている。これにより、操作部183bの押し操作の容易さを維持しつつ、操作部183bの引き操作を困難なものとすることが可能となっている。なお、操作部183bにおける各縁部を周壁部143bに対して当接させてもよい。
また図8等に示すように、第2結合具183の操作部183bには、規制部143cに対応する切欠き部183dが形成されている。具体的には切り欠き部183dは、貫通孔部144の軸線方向にて操作部183bにおける前記規制部143cと対峙している部位が削除されてなる。このため、規制部143cによって規制された所定の方向に第2結合具183を押し込んだとしても、これら規制部143cによって第2結合具183の移動が妨げられることはなく、第2結合具183の操作部183bと第2表側結合部143の当接部143aとの接触が担保されている。
なお、規制部143cは周壁部143bに沿って配置されている。これにより、操作部183bの押し込み操作に伴い指が規制部143cに当たるといった不都合を生じにくくしている。すなわち、操作部183bの操作性の担保が図られている。
第2結合具183は、収容凹部184の内部において仮止め(係止)される構成、すなわち結合前の待機状態にて保持される構成となっている。以下、その具体的な構成について図9及び図18に基づき説明する。図18は図8のB−B線部分断面図である。
図18に示すように、収容凹部184の内部(詳しくは周壁部143b)には、内方に突出し前記係止孔部183cに引っ掛かる仮止め部としての係止爪部143dが形成されている。周壁部143bには、第2結合具183の挿入に基づいて係止爪部143dを含んだ部位の撓み変形(弾性変形)を可能とする構成体側可動部143eが形成されている(図9参照)。構成体側可動部143eは板バネとしての機能を有しており、自身が撓み変形(弾性変形)することによって、収容凹部184の内方への係止爪部143dの突出量が減少する構成となっている。
一方、区画壁部175には、当該区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域が他の部位と独立して変形(弾性変形)できるようにカバー側可動部175aが形成されている。具体的には、カバー側可動部175aは、区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域を挟んだ両側に切り込みが形成されており、この切り込みによって区画壁部175の周辺部位に対して独立して変形可能となっている。
収容凹部184内に第2結合具183を挿入した際には、係止爪部143dと第2結合具183のベース部183aとが接触する。第2結合具183の押し込み操作に基づいて、構成体側可動部143eが撓み変形(弾性変形)し、これに伴ってカバー側可動部175aも撓み変形(弾性変形)する。すなわち、両可動部143e,175aが一体となって撓む。これにより、係止爪部143dの突出量が減少し、第2結合具183の挿入が許容される。詳しくは、係止爪部143dがベース部183aの板面上に乗り上げた状態となり、第2結合具183の移動に伴って係止爪部143dがベース部183aの板面上を摺動する。かかる状態においては、両可動部143e,175aの弾性力により、係止爪部143dがベース部183a側に付勢されたまま維持される。
第2結合具183が所定位置まで押し込まれることにより、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり得る状態となる。かかる場合、両可動部143e,175aが自身の弾性力により元の状態に復帰しようとすることで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、それら係止爪部143dと係止孔部183cとが引っ掛かった状態となる。これにより、第2結合具183が仮止めされる。
同図18に示すように、係止孔部183cに対して係止爪部143dが引っ掛かった状態、すなわち仮止めされた状態では、ベース部183aの先端部が貫通孔部144から突出(裏側結合部176側への突出)することが回避されている。このため、仮止めされている第2結合具183によって、両構成体101,102の相対移動が妨げられることはない。更に、第2結合具183が仮止めされた状態においては、操作部183bが収容凹部184内に収まっており、操作部183bを掴みにくくなっている。このため、第2結合具183を仮止めした後の当該第2結合具183の取り外し作業は困難なものとなっている。
また、図7に示すように、カバー側可動部175aは、構成体側可動部143eのみならず周壁部143b(詳しくは周壁部143bにおける構成体側可動部143eを挟んだ両側)にも接触している。このため、仮にカバー側可動部175aが主制御装置63の外方から押された場合、カバー側可動部175aに加わった負荷を周壁部143bによって分散することができ、構成体側可動部143eに対して局所的に負荷が集中することを回避可能となっている。更に、構成体側可動部143eの少なくとも可動先端側を含んだ部分に対してカバー側可動部175aが接触している。これにより、外部から構成体側可動部143eが不正に操作されることを好適に抑制することが可能となっている。
以上詳述した、構成体側可動部143e及びカバー側可動部175aによれば、構成体側可動部143eの撓み変形を許容可能としつつ、外部からの不正な操作等を抑制可能となり、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、両結合具181,183は、裏側構成体102の壁部よりも高強度となるように金属により形成されているが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば、金属製に限定されることはなく合成樹脂製であってもよく、合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により形成してもよく、合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことにより形成してもよい。
上記のとおり設置箇所からのカバー部材154の離脱方向は突起177により、裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制されているため、裏側結合部176に対して表側結合部142が重ね合わせられた状態となることで、カバー部材154を離脱させる方向への移動が一層好適に規制される。そして、表側結合部142と裏側結合部176とが結合されることで、カバー部材154は表側結合部142と結合領域形成部152とにより挟持され遊びのない状態となる。
また、図17に示すように、カバー部材154には、第1カバー板部172から基板ボックス92の内部空間に入り込むようにして受け板部185が一体形成されている。受け板部185は、図15(b)に示すように、カバー部材154の長さ方向の概ね全体に亘って位置するように、複数箇所に設けられており、図17に示すように、第1カバー板部172から裏側構成体102側に向けて延びる基端部186と、当該基端部186から基板ボックス92の内部空間の中央側に向けて延びる先端部187と、を備えている。受け板部185の先端部187は、結合領域形成部152にカバー部材154を設置した状態で、裏側構成体102において結合領域形成部152に隣接させて形成された支持台部188に接している。また、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102に表側構成体101を組み合わせた状態で、表側構成体101の枠部112及び表側構成体101に一体化された主制御基板91の周縁部が乗り上げた状態となる。つまり、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102の支持台部188と、表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、により挟持されている。これにより、カバー部材154の固定がより安定した状態で行われている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを、図17を用いて説明する。図19(a)〜(c)は第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図である。
図19(a)に示すように結合領域形成部152に受け部材153及びカバー部材154が設置されて裏側結合領域151が形成された状態の裏側構成体102に対して表側構成体101を組み合わせることにより、図19(b)に示すように、第1表側結合部142の貫通孔部144と、対応する裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。この場合、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された状態とすることで、自ずと第1表側結合部142が裏側結合領域151の各裏側結合部176に対して、対応する各第1表側結合部142が収容された状態となり、上記のとおり各貫通孔部144,174が連通された状態となる。
その後、図19(c)に示すように、連通された貫通孔部144,174に対して、第1表側結合部142側から第1結合具181を挿入することで、それら第1結合具181が挿入された第1表側結合部142及び裏側結合部176の組み合わせが結合状態となり、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。この場合に、第1表側結合部142と裏側結合部176との組み合わせは複数組(具体的には、2組)設けられているが、これら各組み合わせに対して第1結合具181を挿入することで、表側構成体101と裏側構成体102との固定は行われる。
主制御装置63の製造工程においては、上述の如く第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業とともに、第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合待機状態とするための(仮止めするための)予備的作業が行われる。再び図18を用いて、この予備的作業について説明する。
第1表側結合部142と裏側結合部176の結合作業が終了した後に、第2結合具183の仮止め作業が行われる。具体的には、第2表側結合部143の貫通孔部144に向けて第2収容凹部184の開口から第2結合具183を挿入する。かかる場合、第2結合具183のベース部183aを貫通孔部144に向かって押し込むことで、ベース部183aが規制部143cと周壁部143bとの間に挟まれた状態となり、その移動方向が規制される。これとほぼ同期して、ベース部183aの先端が係止爪部143dに当たる。第2結合具183を更に押し込むことで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、第2結合具183が第2表側結合部143に対して引っ掛かった状態となる。かかる場合、操作部183b全体が第2収容凹部184内に収容される。これにより、操作部183bの押し込み操作の操作性を担保しつつ、引っ張り操作を困難なものとしている。
なお、以上詳述した第2結合具183の仮止め作業を行った後、上述した第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業を行うことも可能である。かかる場合、第2結合具183の仮止めを行うことにより、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業が可能となる構成としてもよい。
次に、第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とした状態において、表側構成体101及び裏側構成体102の固定状態を解除する場合の作業の流れを、図20を用いて説明する。図20(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除に際しては、図20(a)に示すように、結合状態となっている第1表側結合部142と膨出部104との間の連結部145を切断するとともに、結合状態となっている第1表側結合部142と結合状態となっていない第2表側結合部143との間の連結部146をニッパやカッタ等の工具により切断する。これにより、表側構成体101と裏側構成体102との分離が、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合により阻害されなくなる。
この場合に、連結部145,146は第1表側結合部142に対して設けられており、裏側結合領域151は破壊されない。したがって、結合状態となっている第1表側結合部142は裏側結合領域151側に残る。また、このように結合状態となっている第1表側結合部142が残ることで、当該第1表側結合部142と裏側結合部176との結合を通じて、カバー部材154が結合領域形成部152に固定された状態は維持される。
その後、図20(b)に示すように、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された方向に表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方をスライド移動させることにより、フック部111と係止受け121との係止状態が解除される。その後、図20(c)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させることで、これら構成体101,102が完全に分離された状態となる。
この場合、上記連結部145が切断されていることにより、当該連結部145の切断箇所を確認することで表側構成体101と裏側構成体102とが分離されたか否かを確認することが可能となる。
このように、両構成体101,102の固定状態を解除することにより、主制御基板91やCPUチップ93を露出させることができ、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を実施可能となる。本実施の形態に示す両構成体101,102は、分離された後に第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合することにより再ボックス化可能となっている。
ここで、両構成体101,102の再固定する際の作業について図17(b),図18,図20(d)及び図20(e)を用いて説明する。図20(d)及び図20(e)は表側構成体101と裏側構成体102との再固定する場合の作業の流れを説明するための説明図である。図20(d)→図20(e)の作業に基づいて、第2結合具183が図18→図17(b)の状態に移行される。
図20(c)に示すように、両構成体101,102を分離し、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を行った後、再び両構成体101,102を組み合わせる(図19及び図20(d)参照)。この状態では、第2表側結合部143の貫通孔部144と裏側結合部176の貫通孔部174とが連通した状態となる。ここで、図18及び図20(d)に示すように係止爪部143dによって仮止めされている第2結合具183を、裏側構成体102側へと押し込み図17(b)及び図20(e)の状態に移行させる(係止爪部143dについては図18参照)。図17(b)に示すように押し込まれた第2結合具183が係止片168と引っ掛かり、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合された状態となる。これにより、両構成体101,102の再固定が完了する。
第2表側結合部143には第1表側結合部142と異なり、連結部145,146に相当する切断を容易とする箇所が設けられていない。このため、第2表側結合部143を結合した後は、その結合状態の解除は困難なものとなっている。
なお、第2表側結合部143が、第1表側結合部142と同様に、連結部145,146等に相当する積極的に切断を容易とした部分を有する構成とすることも可能である。
カバー部材154の固定に関する構成について説明する。図9及び図15(b)に示すように、第1カバー板部172の中央には、その第1カバー板部172から表側構成体101側に起立する円筒部178が一体成形されている。第1カバー板部172には、円筒部178の孔部178aに連通し、当該円筒部178の軸線方向と同一方向に延びる丸孔179が形成されている。より詳しくは、孔部178aと丸孔179とは段差状に連続しており、その孔径は丸孔179において減縮されている。
また、図9及び図14に示すように受け部材153には丸孔179と連通する連通孔169が形成されており、これら孔部178aと丸孔179と連通孔169とには表側構成体101側から破断ネジ170が挿通されている。裏側構成体102には、この破断ネジ170がねじ込まれる取付穴部159が形成されており、その取付穴部159に対して破断ネジ170が螺着されることによって、裏側構成体102と受け部材153とカバー部材154とが一体化されている。
本実施形態では、破断ネジ170の構成に特徴を有している。破断ネジ170とは、装着作業と取り外し作業とを比較した場合、後者の方が困難となるものであり、一旦装着された後には、固定対象及び自身の少なくともいずれかの破壊を伴うことなくその取り外しが不可とされるものである。本実施形態では、破断ネジ170の一部が破断することにより、破断ネジ170の取り外し作業が困難なものとなる。図21(a)は装着作業時(表側構成101とカバー部材154との連結作業時)破断ネジ170の正面図であり、図21(b)は装着作業時における破断ネジ170の平面図であり、図21(c)は装着作業時破断ネジ170の分解斜視図である。また、図22は図21(a)のC−C線断面図であり、図22(b)、(c)は図22(a)における破断ネジ170が破断した状態を示すものである。
破断ネジ170は、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部250を有する領域と、ネジ溝が形成された軸部255を有する領域と、を備えており、これら両領域が破断部260によって連結されてなる。
頭部250は、円柱形状を有しており、その頂部にドライバ等の工具が差し込まれる操作溝250aが設けられている。操作溝250aは、頭部250において軸部255とは反対側の面に設けられている。操作溝250aにドライバ等が差し込まれた状態にてそのドライバ等を回転させることにより、軸部255をその軸線を中心として回転させることができる。
なお、頭部250は工具の先端が差し込まれその工具が操作されることにより破断ネジ170による螺着が行われるため、頭部250を「操作部250」と称することも可能である。
軸部255には、上記のとおりネジ溝が形成されており、頭部250に対するドライバによる操作に伴って回転することで、締結対象に形成されたネジ孔内に入り込む。この場合、軸部255には、当該ネジ溝の一部を形成するようにして図示しない突起が形成されているとともに、当該突起は一連のネジ溝に沿って断続的に多数形成されている。かかる突起が締結対象のネジ孔に食い込むことにより、高いゆるみ止め効果が得られる。
破断部260はその強度が他の部位よりも低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部250に対して上記工具によりさらに所定以上の力を加えることにより、上記破断部260が切断され、頭部250側の領域と軸部255側の領域とが分離されるものである。つまり、破断ネジ170は、螺着後(切断後)において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。
詳細には、頭部250側には、頭部250を一端として軸部255側に延びるとともに、頭部250側から軸部255側に延びるにつれその径方向の大きさが縮小される頭部側絞部265aが設けられており、さらに、破断部260の軸部255側には、軸部255側を一端として頭部250側に延びるとともに、軸部255側から頭部250側に延びるにつれその径方向の大きさが縮小される軸部側絞部265bが設けられている。すなわち、各絞部265a,265bはそれぞれ円錐状をなしている。各絞部265a,265bの縮小された側となる互いに向き合う端部は連続しており、当該連続箇所が破断部260となっている。すなわち、破断部260は、他の部位よりも径が小さく形成されていることにより、その強度が他の部位よりも低くなっている。このように破断部260を設けることにより、それ以上締めることができない位置において頭部250に対して上記工具によりさらに所定以上の力を加えた場合に、破断部260が切断され易くなっている。
また、破断ネジ170は、軸部255と破断部260とに挟まれるとともに、軸部255の径方向に拡張された第1拡径部275aを有している。第1拡径部275aの軸部255側には、第1拡径部275aよりも径方向に縮小されるとともに、軸部255の径方向に拡張された第2拡径部275bが設けられている。第1拡径部275a及び第2拡径部275bは連続して設けられている。
ここで、破断ネジ170には、ホルダ278が一体化されている。当該ホルダ278について以下に詳細に説明する。ホルダ278は、軸線方向に貫通した貫通孔280を有する円筒状をなしており、破断ネジ170における頭部250から第2拡径部275bの一部を覆うようにして設けられている。この場合、ホルダ278は、貫通孔280の軸線が破断ネジ170の軸線と同一直線上となるように配置されている。
貫通孔280の反軸部255側に設けられた第1開口290aの周縁を規定する部位には内側に突出し環状をなす第1環状縮径部283aが設けられ、貫通孔280の軸部255側に設けられた第2開口290bの周縁を規定する部位には内側に突出し環状をなす第2環状縮径部283bが設けられている。各環状縮径部283a,283bは、それぞれホルダ278に一体形成されている。
第1環状縮径部283aが形成されているため第1開口290aは、その孔径が頭部250の外径よりも小さくなっている。また、第2環状縮径部283bが形成されているため、第2開口290bはその孔径が第1拡径部275bよりも小さくなっている。これにより、頭部250が第1開口290aからホルダ278外部に移動することを抑制し、第1拡径部275aが第2開口290bからホルダ278外部に移動することを抑制できる。上記構成であることにより、破断部260が破断する前においては各環状縮径部283a,283bにより破断ネジ170の抜けが防止されるとともに、破断部260が破断した後には頭部250が第1開口290aからホルダ278の外部に移動することが防止される。
破断部260が破断した場合、分離された頭部250は、ホルダ278の内周面に当接するまで傾倒可能となっている。詳細には、破断部260の破断前において、頭部250(頭部250の外周面)と貫通孔280の内周面との間には、隙間が形成されている。なお、破断部260が破断する前の状況下において、頭部250が第1環状縮径部283aに係合される構成にしてもよい。この場合、頭部250の反軸部255側の外周面と第1環状縮径部283aとの間にも隙間が形成されるように設定する。
また、頭部側絞部265aが縮径されていることにより、破断部260が破断した場合、頭部250の重心がずれやすく、傾倒を促すようになっている。このため、分離した頭部250が破断部260を支点として傾倒する。この場合、破断部260が破断されているため、頭部250の傾倒による重心の変化が破断面同士を互いに離間させるように作用する。そして、各絞部265a,265bが縮径されていることにより、頭部250と第1拡径部275aとの間に空洞が設けられ、この空洞により頭部250が入り込むスペースが担保される(図22(b)に示すように、ホルダ278の内周面と軸部側絞部265bとの間に頭部250の一部が入り込んだ状態となる)。詳細には、軸部側絞部265aは円錐状に縮径されているため、頭部250の破断面が軸部255の破断面側からホルダ278の内周面側へ誘導され、頭部250の端部が軸部側絞部265bとホルダ278の内周面又は第1環状縮径部283aにおける軸部255側の面とにそれぞれ接触し、傾倒姿勢で頭部250がホルダ278内に保持される。すなわち、ホルダ278の内周面、第1環状縮径部283a及び軸部側絞部265bに囲まれた範囲内において軸部255の軸線方向と、頭部250の軸線方向とを異ならせるよう頭部250が保持されている。
なお、頭部250の傾倒可能な範囲を貫通孔280の内径のみによって規制することも可能である。この場合、上記頭部250と貫通孔280の内径との隙間を小さくすれば、頭部250の一端部及び当該一端部の反対側の他端部が貫通孔280の内径に接触するまでの範囲にて頭部250を傾倒させることが可能となる。
また、本実施形態では、図5に示すように、主制御装置63をパチンコ機10に対して横向きに取り付ける構成であるため、この主制御装置63の取り付け後に頭部250の位置や姿勢が変化し易い。このため、破断ネジ170の締結作業の直後にホルダ278の第1開口290aから光硬化性樹脂などを注入して硬化させるなどしてホルダ278内の頭部250が傾倒した状態を維持することが好ましい。光硬化性樹脂の注入を行わない場合は、主制御装置63がパチンコ機10に取り付けられた状態において分離前の頭部250の位置よりも下方で頭部250を保持し得る空間をホルダ278内に形成することが好ましい。例えば、図22(a)の状態において、ホルダ278の内径と頭部250の外径との差が破断面の幅の2倍より大きければ、主制御装置63が図5の状態とされた場合においても破断面同士が対向しない状態で頭部250をホルダ278内に保持することが可能となる。また、この状態において頭部250が傾倒するように、横向きの頭部250における重心を頭部側絞部265a側に設定しておくことが考えられる。
上記構成であることにより、破断部260が破断した場合に、ホルダ278内にて破断面同士が離間され、頭部250が傾いた状態にて保持可能となっている(図22(b),(c)参照)。仮に、破断部260が破断した場合に分離された頭部250が軸部255と同一の軸線位置となるように(破断面同士が対向した状態で)頭部250が保持されているとすると、その頭部250に対して軸部255側に圧力を加えながら頭部250を回転させた場合にその回転力が軸部255側に伝わり、軸部255が緩まる方向に回転することが考えられる。本実施形態では、破断部260が破断した場合、頭部250と軸部255との軸線方向が異なり、破断面同士も離間しているため、頭部250にドライバ等を差し込み、頭部250を回転させたとしても、その回転力が軸部255に伝わりづらい。
また、本実施形態では、ホルダ278内にて頭部250がいずれの方向に傾倒したとしても、第1開口290aから軸部側絞部265bにおける軸部255の軸線が通過する部位を隠すようになっている。詳細には、ホルダ278内にて分離した頭部がいずれの方向に移動したとしても、頭部250がホルダ278の軸線中心を通過するように、ホルダ278における頭部250が位置することが可能な内部領域が設定されている。頭部250がホルダ278にて大きく傾いた場合(図22(c)参照)、頭部250は、第1環状縮径部283aに係止された状態となり、それ以上傾くことができないようになる。この状態にて頭部側絞部265aが第1開口290aから軸部側絞部265bにおける軸部255の軸線が通過する部位を隠すようになっている。
破断部260が破断した後に不正に軸部255を緩まる方向に回転させようとした場合、軸部255側の領域における軸部255の軸線が通過する部位にアクセスする必要が考えられる。本実施形態によれば、第1開口290aから軸部255の軸線が通過する部位に直接アクセスしようとした場合に、頭部250がそのアクセスを防止することが可能となっている。
本実施形態では、軸線方向に見て、ホルダ278における貫通孔280が円形にて設けられており、破断ネジ170の各部も円形によって形成されている。これにより、破断ネジ170が回転する場合、ホルダ278によってその回転が阻害されなくなっている。すなわち、破断ネジ170とホルダ278とは、軸部255の回転方向に対して係止される部分がなくなっている。例えば、破断部260が破断した後に、ホルダ278内に樹脂等を流し込むことにより、ホルダ278と破断ネジ170とを一体化させた後にホルダ278を回転させ、軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が考えられる。本実施形態では、ホルダ278と破断ネジ170とに回転方向において係止される部分がないため、樹脂を流し込まれたとしても、ホルダ278と破断ネジ170とが滑りやすく、ホルダ278と破断ネジ170とが一体化されることを防ぐことができる。
ここで、カバー部材154の固定に関する構成について、図9及び図23(a)、(b)を用いて説明する。図23(a)、(b)は図8のD−D線部分断面図である。
図23(a)に示すように、破断ネジ170は、円筒部178の上方からカバー部材154に向かって差し込まれる。そして、破断ネジ170が円筒部178に差し込まれた状態では、図23(b)に示すように破断ネジ170は、円筒部178の孔部178a内に収容されている。すなわち、円筒部178の内部に破断ネジ170におけるホルダ278の全てが収容された状態となり、破断ネジ170は円筒部178によって囲われた状態となっている。このように破断ネジ170を囲う機能に着目すれば円筒部178を「囲い部」又は「収容部」と称することも可能である。破断ネジ170の頭部250(操作溝250a)にドライバ等の工具を差し込み、その工具を操作することにより、軸部255を回転させることができる。軸部255が回転することにより、図23(b)に示すように破断ネジ170における軸部255が受け部材153(裏側構成体102)及びカバー部材154を締結した状態にて固定することができる。
受け部材153及びカバー部材154を連結した後に破断ネジ170における破断部260が切断される場合について説明する。図24(a)は破断ネジ170における破断部260が切断される前の状態を示す概略図であり、図24(b)は破断ネジ170における破断部260が切断された後の状態を示す概略図である。なお、図24(a),(b)は、図23における円筒部178周辺の拡大図である。
軸部255をそれ以上締めることができない状態において、破断ネジ170を締める方向に回転させようとした場合、破断部260が切断される。これにより、受け部材153及びカバー部材154の固定が不正に解除されることを抑制できる。破断ネジ170が破断された場合、頭部250が軸線方向及び軸と直交する方向に移動可能となる(図24(a)→図24(b))。上述したように破断部260が分離された後に、頭部250をホルダ278から抜き取ろうとしても、第1環状縮径部283aの軸部255側の端面に当接した状態よりも頭部250が反軸部255側に移動することがないため、頭部250が意図しない場所へと移動することがなくなる。これにより、パチンコ機10の組み立て作業において、カバー部材154に破断ネジ170を差し込み、破断部260を分離させた後に、頭部250を回収する作業が必要なくなる。
破断ネジ170における第2拡径部275bにおける軸部255側の面には先端が鋭利になっている凹凸部275cが設けられている。凹凸部275cが、カバー部材154に噛み合うことにより、振動等によって軸部255が緩む方向へと回転してしまうことを抑制することが可能となる。
なお、凹凸部275cにおける傾斜は、軸部255が締まる方向へは滑らかなものになっており、軸部255が緩まる方向へは急なものとなっている。これにより、軸部255が緩まる方向への力に対する抵抗力をより大きくすることが可能となる。
次に、基板ボックス92に設けられた他の固定構造について簡略に説明する。
図8に示すように、基板ボックス92において表側結合領域141及び裏側結合領域151が設けられた側とは反対側の短辺部には、貼付板部191が設けられている。当該貼付板部191は、表側構成体101に形成された貼付板部と、裏側構成体102に形成された貼付板部とが重ね合わされることにより構成されている。貼付板部191には、両者の境界を跨ぐようにして封印シール192が貼り付けられている。封印シール192は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部191側に残り、再貼付不可となるものである。
なお、基板ボックス92において貼付板部191が設けられた短辺部には、当該貼付板部191を挟むようにして固定部193が設けられており、当該固定部193に対してネジ固定が行われていることで表側構成体101と裏側構成体102とが固定されている。なお、表側構成体101と裏側構成体102との固定に上述した破断ネジ170を用いてもよい。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図25のブロック図に基づいて説明する。図25では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
破断ネジ170における軸部255にて受け部材153及びカバー部材154を締結することができる。受け部材153及びカバー部材154を締結させた後には、工具係合部である操作溝250aに所定トルク以上の回転力を加えることにより、軸部255と頭部250とを分離させることができる。頭部250と軸部255とが分離することにより、軸部255を回転させることが不可となり、受け部材153及びカバー部材154の締結が不正に解除されることを抑制できる。また、分離した頭部250がホルダ278によって保持される。これにより、頭部250はホルダ278内に留まることとなり、分離した頭部250を回収する作業が必要なくなる。仮に、分離した頭部250を回収する必要がある構成においては、分離された頭部250を回収しきれなかった場合、その頭部250が遊技球の通路に残存して円滑な遊技球の流通を阻害したり、頭部250が電気部品に干渉してショートしたりする等、不具合や故障の要因ともなり得ると考えられる。よって、本実施形態では、分離した頭部250を回収する必要がないため、パチンコ機10の組み立て作業効率を向上し得るとともに、上記不都合が発生することを抑制できる。
破断ネジ170とホルダ278とが一体化する構成とし、分離した頭部250がホルダ278内に留まる構成とした。この場合、破断ネジ170にホルダ278が設けられているともいえ、各部材153,154の締結を行う場合に破断ネジ170を設置すれば、同時にホルダ278の設置をも行うことができる。よって、頭部250が分離された場合にその頭部250を保持するホルダ278を有した構成において、その組み立て作業が複雑化することを抑制できる。
頭部250をホルダ278にて覆う構成とした。頭部250が分離した場合、頭部250が転がったりして、移動する方向を特定することは困難であるが、頭部250を覆うことにより、頭部250がホルダ278より外部に移動することを抑制できる。よって、ホルダ278以外の部材を設けることなく、分離した頭部250をホルダ278の内部に保持できる。
貫通孔280の内径、第1環状縮径部283a及び軸部側絞部265bに囲まれた範囲において頭部250が傾倒可能となっている。また、各絞部265a,265bが縮径されており、破断部260が破断した場合、頭部250が傾倒しやすくなっている。すなわち、破断部260の破断の後には頭部250が軸部255の軸方向と異なる方向へ変位される。変位された後には頭部250と軸部255との軸線位置が異なるため、頭部250を回転させたとしてもその回転力が軸部255に伝わりにくい。補足すると、仮に、破断部260が破断した場合に、頭部250と軸部255とが同一軸線上に位置していると、頭部250を軸部255側へと押圧しながら回転させることにより、その回転力が軸部255側の領域に伝わってしまうことが考えられる。本実施形態によれば、分離した頭部250を操作しても軸部255を回転させることができず、各部材153,154の締結の後にその締結が不正に解除されることを抑制する効果を高めることが可能となる。
破断部260が破断した場合、分離された頭部250は軸線上に位置する。すなわち、頭部250は、軸部255側の領域における軸線が通過する部位を反軸部255側から隠している。軸部255を回転させようとした場合、軸部255側の領域の軸線が通過する部位にアクセスする必要がある。軸部255の軸線が通過する部位を分離した頭部250が隠すことにより、軸部255の軸線が通過する部位に直接アクセスされることを抑制することが可能となる。よって、分離した頭部250により軸部255側の領域に直接アクセスされることを抑制する効果が得られる。
軸部側絞部265bにより、軸部255における軸線中心から外側に向かって軸部255側に下る傾斜が形成される。頭部250が分離された場合には、軸部側絞部265bによって形成される傾斜によって当該頭部250が転倒する。これにより、頭部250が分離された場合に、当該頭部250を変位させることが可能となる。本実施形態によれば、破断部260を破断させることにより、頭部250を変位させることが可能となり、頭部250を分離させる作業と頭部250を変位させる作業とを一連の流れにて行うことが可能となる。
また、頭部側絞部265aにより、軸部255中心から外側に向かって反軸部255側に上る傾斜が形成される。さらに、破断部260は、各絞部265a,265bに挟まれて位置している。各絞部265a,265に傾斜が形成されているため、各絞部にて挟まれた位置には隙間が形成される。この隙間により分離部が分離した場合に、操作部を転倒させやすくすることが可能となる。
ホルダ278と、頭部250及び拡径部275a,275bとが接する面が軸線方向に見て円形になっている。この場合、ホルダ278と、頭部250及び拡径部275a,275bとが回転方向に引っかかることを抑制できる。すなわち、ホルダ278と、頭部250及び拡径部275a,275bとが係止されにくいため、頭部250が分離された後にホルダ278が回転操作された場合に、その回転操作により拡径部275a,275b、ひいては軸部255が回転することを抑制できる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上記各実施形態にて説明した破断ネジに代えて、軸部を締める方向に限り回転させることが可能なワンウェイネジ350を用いている。そして、ワンウェイネジ350と分離して設けられた操作部353を操作することにより、ワンウェイネジ350を締める方向へと回転可能となっている。図26は、本実施形態における主制御装置63の構成を示すものである。図27(a)はワンウェイネジ350及び操作部353の正面図であり、図27(b)は操作部353の平面図である。また、図27(c)はワンウェイネジ350の平面図であり、図27(d)は図27(a)におけるF−F線断面図である。図28は、図26におけるG−G線部分断面図である。
本実施形態では、固定部354における各構成体101,102の締結にワンウェイネジ350を用いている。先ず、ワンウェイネジ350について説明する。ワンウェイネジ350は、締める方向にしか回らない特殊なネジである。ワンウェイネジ350は、ドライバ等の工具が差し込まれる操作溝355を有した頭部358と、ネジ溝が形成された軸部360とを有している。操作溝355は、当接部355aと傾斜部355bとを有している。
当接部355aは、軸部360の軸線方向に平行に延びている。操作溝355に工具が差し込まれ、軸部360が締まる方向にその工具を回転させた場合、工具と当接部355aとが係止され、その工具の回転が軸部360に伝わるようになっている。
一方、操作溝355に工具が差し込まれ、軸部360が緩まる方向にその工具を回転させた場合、当該工具は傾斜部355bに沿って回転する(滑る)。このため、その回転力が軸部360に伝わらないようになっている。
上記構成であることにより、操作溝355に特殊な工具(傾斜部355bと係止可能に設けられた工具)が差し込まれない限り、ワンウェイネジ350は、締める方向には回転可能となっており、緩める方向には回転不可能となっている。
ここで、各構成体101,102における締結方法について説明する。表側構成体101には、ワンウェイネジ350を差し込む差込孔363が形成されている。差込孔363には、底面にワンウェイネジ350における軸部360が差し込まれる表側締結孔365が貫通形成されている。裏側構成体102には、表側締結孔365から連続するとともに、軸部360がねじ込まれる裏側締結孔366が形成されている。軸部360が各締結孔365,368のうち少なくとも裏側締結孔366に螺入されることによって各構成体101,102が固定される。
差込孔363によって円柱状の中空部が形成されている。差込孔363における反裏側構成体102側の第1開口部367を含む第1差込孔363aにホルダ368が設置されている。
ホルダ368は、合成樹脂材料によって形成されており、円筒状をなしている。そして、表側構成体101及びホルダ368によってワンウェイネジ350を収容可能な内部空間を形成している。詳細には、ホルダ368は、天板部368aと、天板部368aの周縁部から裏側構成体102に向かって延びる壁面部368bとを備えている。
壁面部368bには、ワンウェイネジ350の軸線方向と直交する方向に環状に突出するホルダ側係止部370が設けられている。第1差込孔363aには、ホルダ側係止部370が差込まれる孔側係止部373が設けられている。孔側係止部373は、ホルダ側係止部370が差し込まれる環状溝を形成している。また、壁面部368bは弾性変形可能となっている。ホルダ368の第1差込孔363aへの挿入によって壁面部368bが縮径される側へ弾性変形され、復帰弾性力によって環状溝である孔側係止部373内にホルダ側係止部370が入り込むことにより、ホルダ側係止部370と、孔側係止部373とが係止される。
また、ホルダ側係止部370の裏側構成体102側は、軸部360の軸線外側から軸線中心に向かって下る傾斜面370aが形成されている。ホルダ368を設置する場合、傾斜面370aが第1開口部367の周縁部に当接することにより、壁面部368bがその内径を縮小する方向へとスムーズに歪むようになっている。なお、ホルダ368を金属材料によって形成してもよい。
各係止部370,373が係止されることにより、ホルダ368を設置した後に、ホルダ368が第1差込孔363aから抜け落ちることを防止している。差込孔363は、孔側係止部373よりも裏側構成体102側にてその孔径が縮径された第2差込孔363bが形成されている。第1差込孔363aと第2差込孔363bとの段差(径の差)によって、孔側係止部373から連続した連続端面375が形成されている。そして、ホルダ368が設置された場合、壁面部368bの先端と、連続端面375とが接するようになっている。
ワンウェイネジ350による各構成体101,102の締結の前においては、ホルダ368における壁面部368bの内側に操作部353が収容されている。また、操作部353は、ワンウェイネジ350と同一軸線上に位置するよう収容されている(図28(a)参照)。操作部353は、金属材料によって形成されており、円柱形状をなしている。操作部353には、ワンウェイネジ350側の面に設けられワンウェイネジ350における操作溝355と係合されるネジ側係合部380と、ネジ側係合部380が設けられた面の反対側の面に設けられドライバ等の工具が係合される工具係合部381とが形成されている。ネジ側係合部380には、十字形状をした突出部が設けられている(いわゆるプラスドライバの先端と同形状をなしている)。すなわち、ネジ側係合部380がワンウェイネジ350における操作溝355に係合された状態にて、ワンウェイネジ350における軸部360を締める方向にのみ回転可能となっている。なお、操作部353は、その径が壁面部368bの内径より若干小さくなっており、ホルダ368における反天板部368a側から好適に設置可能となっている。
また、操作部353における軸部360の軸線方向と直交する方向には、板バネ383が設置されている。板バネ383は、取付部383aと板部383bとを有している。取付部383aによって板バネ383が操作部353に取り付けられており、板部383bが操作部353の外周面に沿って設けられている(板部383bが操作部353の外周のうち約3分の1程度を覆っている)。板バネ383は、操作部353の中心側から外側に向かって付勢している。この板バネ383の付勢力により、操作部353はホルダ内にて軸部360の軸線方向と直交する方向に付勢される。この付勢力により、ホルダ368内に操作部353を留めることが可能となっている。
ホルダ368の天板部368aには、操作部353における操作溝355に工具等を挿入する挿入口385が設けられている。これにより、天板部368aよりも軸部360側に操作溝355が設けられている構成において、操作溝355への工具等のアクセスが可能となっている。
操作部353を介してワンウェイネジ350を回転させる場合、工具係合部381にドライバTを係合させる。そして、操作部353をドライバTにてワンウェイネジ350側へと押圧することにより、操作部353におけるネジ側係合部380とワンウェイネジ350における操作溝355とを係合することが可能となる。特に、ワンウェイネジ350と操作部353とが同一軸線上に位置していることにより、ドライバTを工具係合部381に差し込み、ドライバTにてワンウェイネジ350側へと操作部353に押圧するのみにて、ドライバTと工具係合部381との係合及びネジ側係合部380と操作溝355との係合を行うことが可能となっている。第2差込孔363bとホルダ368との径について補足すると、ホルダ368の内径は第2差込孔363bの内径以下となるように設定されている。これにより、操作部353がワンウェイネジ350側に移動する場合に、ホルダ368と第2差込孔363bとによって形成される段差(第2差込孔363bと孔側係止部373とによって形成される段差)に接触することがなくなる。この結果、操作部353はホルダ368内から第2差込孔363bへスムーズに移動することができる。
なお、ワンウェイネジ350と同一軸線上に位置するように操作部353が設置されていなくともよい。この場合、操作部353における工具係合部381にドライバTを係合した後に、操作部353におけるネジ側係合部380がワンウェイネジ350における操作溝355と係合するように、当該ドライバTにて操作部353を押圧すればよい。
ドライバTと工具係合部381とを係合し、かつ、ネジ側係合部380と操作溝355とを係合した状態にて、軸部360を締める方向へとドライバTを回転させることにより、ワンウェイネジ350が裏側構成体102へとねじ込まれる。これにより、表側構成体101及び裏側構成体102を締結することができる(図28(b)参照)。
第2差込孔363bは、操作部353及びワンウェイネジ350が入り込むことが可能な径を有しており、かつ、操作部353と第2差込孔363bとにおける軸部360の軸線方向と直交する方向の隙間がほとんど形成されないようになっている。これは、ドライバTによりワンウェイネジ350のねじ込み作業中において操作部353が第2差込孔363bに入り込んでいる場合に、ドライバTによる押圧を解除したとしても操作部353が軸部360の軸線方向と直交する方向に移動してしまうことを防止するためである。補足すると、上述したように操作部353には板バネ383が設けられており、仮に、第2差込孔363bの径が操作部353の径よりも過度に大きい構成においては、第2差込孔363bに操作部353が入り込んでいる場合にドライバTによる押圧を解除すると、操作部353が板バネ383の付勢力によって軸部360の軸線方向と直交する方向に移動してしまう。このため、第2差込孔363bに操作部353が入り込んでいる場合にドライバTによる押圧を解除すると、ネジ側係合部380と操作溝355とを再び係合することが困難になる不具合が発生することが考えられる。本実施形態では、操作部353との上記隙間がほとんどないように第2差込孔363bが形成されていることにより、上記不具合が発生することを抑制できる。
差込孔363には、第2差込孔363bよりも裏側構成体102側に位置するとともに第2差込孔363bよりも拡径された第3差込孔363cが設けられている。第3差込孔363cは、ワンウェイネジ350における頭部358の軸部360側の端面が差込孔363の底面と接しており(すなわち、ワンウェイネジ350をそれ以上ねじ込むことができない状態)、かつ、操作部353がワンウェイネジ350(操作溝355)に係合されている状態において、操作部353及び頭部358における軸線方向と直交する方向に拡張されている。以下、第2差込孔363bの径よりも第3差込孔363cの径が拡張されている領域を拡張部363dと称する。
ワンウェイネジ350による各構成体101,102の締結を行った後にドライバTによる押圧を解除すると、ワンウェイネジ350と操作部353との係合が解除される。そして、操作部353は、板バネ383の付勢力により拡張部363dに入り込むように位置ずれする(図28(c)参照)。すなわち、各構成体101,102の締結作業を行った場合に、操作部353が軸部360の軸線方向と異なる方向へと変位され、ワンウェイネジ350と操作部353との軸線位置が異なるようになっている。詳細には、ワンウェイネジ350と操作部353との軸部360の軸線方向の長さの合計よりも、拡張部363dの上記軸線方向の長さ(孔長)の方が長くなっている。これにより、操作部353が拡張部363dに入り込むことが可能となっている。
操作部353は、位置ずれした場合、その径方向の約3分の1程度が拡張部363dに入り込むようになっている。位置がずれた状態において挿入口385からワンウェイネジ350における操作溝355を隠すようになっている。詳細には、操作部353の外径が拡張部353dの内径の半分よりも大きくなっている。換言すると、操作部353は、挿入口385からワンウェイネジ350における軸部360の軸線が通過する部位を隠している。また、操作部353の軸線と軸部360の軸線との位置を異なるように操作部353が変位した状態を維持する変位維持手段として板バネ383が機能しているともいえる。
この結果、挿入口385からワンウェイネジ350の操作溝355に直接アクセスしようとした場合に、操作部353がそのアクセスを防止するようになっている。補足すると、ワンウェイネジ350に直接アクセスし、軸部360を緩める方向へと回転させようとする場合、ワンウェイネジ350における軸部360の軸線が通過する部位にアクセスする必要があるが、本実施形態によれば、上述したように操作部353がその軸線が通過する部位を隠すことにより、ワンウェイネジ350に直接アクセスされる不正行為を防止できるようになっている。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
操作部353をワンウェイネジ350における操作溝355に係合した状態にて回転させることにより、軸部360にて各構成体101,102を締結することができる。そして、その締結の後には、板バネ383による付勢力により操作部353が軸部360の軸線方向と異なる方向へと変位され、操作部353と軸部360との軸線をずらすことができる。仮に、締結の後においても操作部353と軸部360とが同一軸線上に位置している場合、差込孔363に樹脂や接着剤等を流し込み操作部353とワンウェイネジ350とを一体化させた後に、操作部353を回転させることにより軸部360を緩める方向へと回転させる不正行為が行われることが考えられる。これに対して本実施形態によれば、変位された後には軸部360と操作部353との軸線位置が異なるため、操作部353を回転させたとしてもその回転力が軸部に伝わりにくい。よって、上述した操作部353とワンウェイネジ350とを一体化させ、軸部360を緩める方向へと回転させる不正行為が行われることを抑制できる。
変位された操作部353は、挿入口385からワンウェイネジ350の操作溝355を隠すように位置する。上述したようにワンウェイネジ350は、通常の工具等では緩める方向へと回転させることができないようになっているが、ワンウェイネジ350を緩める方向へと回転可能な特殊な工具を用いることにより、軸部360が緩める方向へと回転されることが考えられる。これに対して本実施形態によれば、操作溝355を挿入口385から操作部353が隠すため、操作溝355に対して上記特殊な工具が差込まれることを抑制できる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)破断ネジ170を設置する箇所を変更してもよい。例えば、裏パックユニット15を固定する場合に破断ネジ170を用いてもよい。さらには、主制御基板91の固定や、施錠装置23の固定等に破断ネジ170を用いてもよい。すなわち、取り外し操作の防止が必要な他の部位に上記破断ネジ170を適用してもよい。
また、固定対象に設けられている破断ネジ170の数を変更してもよく、1本の破断ネジ170によって固定されていてもよいし、2本、3本又はそれ以上の本数の破断ネジ170によって固定対象が固定されていてもよい。
また、各受け部材にそれぞれ個別に対応する複数のカバー部材を設けることも可能である。複数のカバー部材を有する構成においては、それらカバー部材に個々に対応する破断ネジ170を設けるとよい。さらに、上記第2の実施形態にて説明したワンウェイネジ350、操作部353及びホルダ368を用いて部材を締結する構成をいずれの箇所に設置してもよい。
(2)破断ネジ170の装着方向をカバー部材154及び受け部材153の装着方向と同一となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、破断ネジ170を基板ボックス92の内側から装着する構成としてもよいし、基板ボックス92の外側から装着する構成としてもよい。
(3)円筒部178とホルダ278とは、軸線方向にみてそれぞれ円形状をなしていたが、かかる構成を変更してもよい。例えば、円筒部178又はホルダ278の一方に凸部が設けられており、他方にその凸部が差し込まれる凹部が設けられていてもよい。この場合、凸部と凹部が噛み合されることにより、ホルダ278が円筒部178の内部にて回転することを抑制できる。ホルダ278を回転させることが可能な場合、ホルダ278が回転することにより、そのトルクが軸部255に伝わってしまうと、軸部255が緩まる方向に回転することが考えられる。本構成を適用することにより、ホルダ278が回転することを防ぐことが可能となり、軸部255が緩まることを一層抑制できる。
なお、凸部及び凹部を設ける構成以外に、ホルダ及びホルダを収容する収容部を角形状(例えば方形状)の非円形状とするものも考えられる。これにより、ホルダが回転することを抑制することが可能となる。但し、収容部は、ホルダの角が接触し、ホルダが回転することを抑制できる大きさにしておくことが望ましい。
(4)破断部260が破断した場合、頭部250が破断部260及び第1拡径部275aの軸線方向に位置し、頭部250が軸部側絞部265b(各軸部側絞部265bにおける軸部255の軸線が通過する部位)を遮蔽するものであったが、頭部250が軸部側絞部265bを遮蔽しなくともよい。
(5)頭部250は、円柱状をなしているものであったが、円柱状でなくともよい。例えば、頭部250が円錐状をなしているものが考えられる。
その他の部材についても同様に、貫通孔280、各絞部265a,265b、第1及び第2拡径部275a,275bが円形を有していなくともよい。但し、各部材が円形を有していない場合、ホルダ278が回転した場合に破断ネジ170全体が連動して回転することが考えられる。このため、貫通孔280の径を、各絞部265a,265b及び各拡径部275a,275bの移動を規制しつつ、かつ回転した場合にホルダ278に軸線方向と直交する方向の面がホルダ278に引っかかることがない大きさにするのが望ましい。
(6)破断ネジ170が設置された場合、ホルダ278の全ての部分が円筒部178に収容されるものであったが、円筒部178にホルダ278の一部のみが収容されていてもよい。この場合、少なくとも第2拡径部275bを円筒部178にて覆うことにより、ホルダ278に覆われていない第2拡径部275bに直接アクセスされることを抑制できる。また、円筒部178とホルダ278によって形成される軸線方向と直交する方向の隙間を小さくするとよい。上記隙間を小さくすることにより、円筒部178を、ホルダ278が上記軸線方向と直交する方向に移動することを規制する移動規制手段として機能させることが可能となる。
また、円筒部178に代えて、カバー部材154に設けられた凹部に破断ネジ170が設置されるようにしてもよい。
(7)破断ネジ170が設置された場合、ホルダ278は固定対象(カバー部材154)に接触しないものであったが、ホルダ278が固定対象に接触するようにしてもよい。例えば、ホルダ278における第2環状縮径部283bが第1拡径部275aに締め込まれる構成としてもよい。
(8)破断ネジ170における軸部255には、断続的に設けられた突出部が設けられており、その突出部に形成されたネジ溝により固定対象を固定するものであったが、軸部255に連続した螺旋状の溝部が設けられていてもよい。
さらには、ネジの種類を変更してもよく、タップネジ、小ネジ等を用いてもよい。すなわち、締結する場合に操作される操作部が切断されるネジならばいずれの構成であってもよい。
(9)第2拡径部275bの軸部255側の面には、凹凸部275cが設けられていたが、凹凸部275cが設けられていなくともよい。
(10)第2開口290bから破断ネジ170が抜けることを防止するため第2環状縮径部283bが設けられていたが、第1拡径部275aがホルダ278より外部へ移動することを規制する規制手段が設けられていれば、かかる構成に限定しない。
例えば、ホルダ278における軸部255側のうち軸線方向にみて第1拡径部275aと重なり合う位置に突起が設けられていてもよい。
(11)ホルダ278及び破断ネジ170を金属材料によって形成している。これは破断ネジ170及びホルダ278の強度を高めるための工夫である。なお、ホルダ278及び破断ネジ170の材料を変更してもよく、ホルダ278及び破断ネジ170の一方又は両方を樹脂材料によって形成してもよい。例えば、ホルダ278を樹脂材料によって形成すれば、ホルダ278が樹脂材料となり、破断ネジ170が金属材料となる。この場合、破断部260が破断した後に、ホルダ278内部に接着剤を流し込んで破断ネジ170とホルダ278とを固定しようとした場合に、破断ネジ170とホルダ278との材料が異なることにより、破断ネジ170とホルダ278とが固定されにくくなる効果が得られる。破断ネジ170とホルダ278が固定された場合、ホルダ278を回転させることにより、軸部255を緩める方向に回転させる不正行為が行われることが考えられるが、ホルダ278及び破断ネジ170を別材料にて形成することにより、破断ネジ170とホルダ278とが固定されることを抑制できる。
さらに、カバー部材154及び円筒部178が樹脂材料(具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂)によって形成されているため、ホルダ278がカバー部材154及び円筒部178と同一材料によって形成されることとなる。ホルダ278とカバー部材154及び円筒部178とを同一材料にすれば、接着剤がホルダ278内に流し込まれた場合、破断ネジ170とホルダ278とが固定されるよりも、ホルダ278と円筒部178及びカバー部材154とが固定されやすくなる。ホルダ278が円筒部178又はカバー部材154と固定された場合、ホルダ278を回転させることができなくなり、破断ネジ170とホルダ278とを固定することによる不正行為が行われることを防ぐことが可能となる。
(12)破断ネジ170における第2拡径部275bとカバー部材154とに挟まれるようにして、軸部255が通される開口を有した板状の部材(座金(ワッシャ))を設けてもよい。この場合、凹凸部275cがなくともよい。
軸部255に緩み防止の加工を施してもよい。例えば、緩み防止用の粘着材料(接着材料)を軸部255に塗布するものが考えられる。また、カプセル状の粘着材料(接着材料)を軸部255に貼り付ける(雌ネジの溝部にカプセルを設置する)ものや、その粘着材料を含んだ樹脂等を軸部255に巻きつけるものが考えられる。
なお、上記板状の部材が設けられる構成を第2の実施形態に適用してもよい。
(13)ホルダ278は、破断ネジ170と一体化された状態にて設置されるものであったが、かかる構成を変更してもよい。すなわち、破断ネジ170と、破断ネジ170が破断した場合に頭部250を保持する保持手段と、が個別に設けられていてもよい。
(14)第1の実施形態においては、分離された頭部250が軸部255側の領域における軸部255の軸線が通過する部位を第1開口290aから隠すものであったが、かかる構成に限定しない。
ホルダ278の内部空間が大きくなっており、その内部空間にて分離した頭部250を保持するようにしてもよい。この場合、第1開口290aから第1拡径部275aが視認されるようになっていてもよい。この場合においても、パチンコ機10を組み立てる場合に、分離した頭部250を回収する作業が必要なくなる。
(15)各環状縮径部283a,283bが完全に閉じた環状に形成されていたが、かかる構成に限定しない。すなわち、各環状縮径部283a,283bが断続的に設けられていてもよい。
(16)上記第1の実施形態では、第2拡径部275bが設けられており、第2拡径部よりホルダ278が軸部255側へ移動せず、ホルダ278とカバー部材154との間に隙間が設けられていたが、ホルダ278とカバー部材154とが接するようにしてもよい。例えば、第2拡径部275bが設けられていないものが考えられる。この場合、破断部260が破断した場合に軸部255側の領域にホルダ278が締結されないようにすればよい。本構成によれば、ホルダ278とカバー部材154とが接しているとしても、ホルダ278が回転された場合にその回転力が軸部255側に伝わることを抑制できる。
(17)上記第1の実施形態において各絞部265a,265bのうち一方が設けられていなくともよい。この場合、一方の絞部が設けられていることにより頭部250が傾倒するスペースを担保することが可能となる。さらには、各絞部265a,265bの両方が設けられていなくともよい。この場合、頭部250の第1拡径部275a側の面と第1拡径部275aの頭部250側の面と、が対向する領域に頭部250が傾倒可能なスペースを設けておけばよい。例えば、破断部260を円柱状にて形成し、その円柱状の破断部260が頭部250と第1拡径部275aとを連結するようにすればよい。破断部260が設けられていることにより、頭部250と第1拡径部275aとの間に隙間を形成することが可能となり、その隙間において頭部250が傾倒することが可能となる。
(18)上記第1の実施形態において、破断部260が破断した場合に頭部250を傾倒させやすくする構成として以下の構成を適用してもよい。
(18−1)頭部250を傾倒させやすくする構成として付勢手段を用いたものについて説明する。図29(a)は、本構成における図21(a)のC−C線断面図である。図29(b)は、図21(a)における破断ネジ170を軸部255が回転する方向へ90度回転させた状態におけるC−C線断面図である。図29(c)は、図29(a)において破断部260が破断した場合を示すものである。
本構成では、付勢手段としての板バネ400が設けられている。板バネ400は、取付部403と板部405とを有している。取付部403は、ホルダ278における第1環状縮径部283aにおける軸部255側の面に設置されている。板部405は、取付部403から頭部250に向かって延びており、軸部255側に向かって付勢されている。詳細には、板部405は、頭部250の一端側から他端側に向かうように、かつ、第1開口290aから操作溝250aを隠さないように設けられている。第1開口290aから操作溝250aを隠さないことは、操作溝250aへの工具等のアクセスが板部405によって阻害されないようにするための工夫である。すなわち、板バネ400が中央部からずれた位置にて頭部250に対して軸部255側へ付勢している。
破断部260が破断する前の状態では、頭部250は破断部260に支えられており、板バネ400により付勢されているとしても、その付勢力によって移動することがない。そして、破断部260が破断した場合、板バネ400によって軸部255側に力が加えられることにより、分離された頭部250が傾倒する。上述したように、頭部250の中央部からずれた位置にて付勢することにより、板バネ400によって頭部250の傾倒を好適に促すことが可能となる。
破断部260が破断した場合、頭部250が板バネ400の付勢力によって傾倒することにより、頭部250を軸部255の軸線方向と異なる方向へと好適に変位させることが可能となる。そして、その変位の後には、板バネ400によって傾倒された状態が保たれるため、頭部250の軸線と軸部255の軸線とが同一線上となるように頭部250が移動することを抑制できる。補足すると、上記第1の実施形態では、破断部260が破断した場合に頭部250を傾倒可能としても、その傾倒の後に頭部250の軸線と軸部255の軸線とが同一線上となるように頭部250が移動することが考えられる。この場合、頭部250に対して軸部255側へと押圧した状態にて、当該頭部250を回転させることにより、軸部255側の領域にその回転力が伝わることが考えられる。本構成を適用すれば、分離した頭部250を傾倒した状態にて保つことが可能となり、頭部250の移動による不具合が発生することを抑制できる。この場合、板バネ400が、頭部250の軸線と軸部255の軸線との位置を異なるように頭部250が変位した状態を維持する変位維持手段として機能しているともいえる。
なお、板バネ400が設けられている位置を変更してもよく、破断ネジ170に板バネ400を設置してもよい。例えば、頭部250の反軸部255側の面に第1環状縮径部283aに向かって付勢するように板バネ400を設置するものが考えられるし、破断ネジ170における頭部250と第1拡径部275aとに挟まれた領域に板バネ400を設置するものが考えられる。これらの場合でも、破断部260が破断した場合に、頭部250を良好に傾倒させることが可能となる。
また、付勢手段として板バネ400を用いるものであったが、板バネ400以外にコイルバネ等を付勢手段として用いるものが考えられる。
(18−2)分離した頭部250を傾倒させやすくする構成として軸部255の軸線が通過する部位から、頭部250側の領域の重心をずらしたものについて説明する。図29(d)は、本構成における図21(a)におけるC−C線断面図である。図29(e)は、図29(a)において破断部260が破断した場合を示すものである。
本構成では、頭部250の重心位置を調整するための調整部材410が設けられている。頭部側絞部265aの端部から軸部255側に向かって延びる突出部である。上記第1の実施形態では、頭部250は円柱状をなしているため、頭部250の重心位置は、軸部255の軸線上となっている。本構成では、調整部材410が頭部250側の領域に設置されていることにより、頭部250の重心を軸部255の軸線から異ならせることが可能となる。破断部260が破断した場合には、調整部材410が設けられている側へと傾倒する。この結果、破断部260が破断した場合に頭部250を好適に傾倒させることが可能となっている。
なお、調整部材410が設けられている必要はなく、破断部260が破断した場合における頭部250側の領域の重心を軸部255の軸線上からずらすことができればよい。例えば、頭部250に一部に空洞を設けることにより、頭部250の重心をずらすものが考えられるし、頭部側絞部265aの一部分に凹部や凸部を設けることにより、破断部260が破断した場合における頭部250側の領域の重心をずらすものが考えられる。
(19)上記第2の実施形態では、各構成体101,102を締結するネジ部材としてワンウェイネジ350を用いていたが、ワンウェイネジ350に代えて、上記第1の実施形態にて説明した破断ネジ170や、第1拡径部275aを有さない破断ネジ170(いわゆる一般的な破断ネジ)等を用いてもよい。この場合、頭部250に板バネ383を設置しておけばよい。破断ネジ170を用いた場合、破断部260が破断する前においては頭部250と軸部255の領域が繋がっている。これにより、破断部260が破断しない限り、板バネ383の付勢力によって頭部250が移動されることがなくなる。この結果、第2差込孔363bと、破断ネジ170との軸部255の軸線方向と直交する方向の隙間がほとんどないように、当該第2差込孔363bを形成する必要がなくなる。
(20)上記第2の実施形態では、各構成体101,102の締結の後には、ワンウェイネジ350における軸部360の軸線が通過する部位を挿入口385から操作部353が隠すものであったが、操作部353が上記部位を隠さなくともよい。この場合においても、各構成体101,102の締結の後に操作部353を介してワンウェイネジ350が操作されることを抑制できる。
(21)上記第2の実施形態では、付勢手段として板バネ383を用いるものであったが、板バネ383以外の付勢手段を用いてもよい。付勢手段として例えば、コイルバネ等を使用することも可能である。
また、各構成体101,102の締結の後に操作部353を変位させることが可能ならば板バネ383(付勢手段)が設けられていなくともよい。例えば、各構成体101,102の締結の後に操作部353をドライバT等にて変位させ、その変位させた状態が保たれるものが考えられる。具体的には、上述したホルダ側係止部370と孔側係止部373とのうち一方が操作部353対して軸部360の軸線方向と直交する方向を向いて設置されており、他方が拡張部363dに設置されているものが考えられる。そして、各係止部370,373が係止されることにより、操作部353が変位された状態が保たれるようにすればよい。本構成を適用する場合、各構成体101,102の締結の後に、ドライバTにて各係止部370,373が係止されるように操作部353を移動させればよい。
(22)上記第2の実施形態では、操作部353、頭部358及びホルダ368がそれぞれ円形をなしているものであったが、各部材の形状は限定しない。但し、操作部353の形状を変更する場合、その形状に合わせて差込孔363の形状を変更する必要が考えられる。
(23)上記第2の実施形態では、操作部353と第2差込孔363bとにおける軸部360の軸線方向と直交する方向の隙間がほとんどないようになっていたが、上記隙間が大きく設けられていてもよい。
(24)上記第2の実施形態では、操作部353はホルダ368に設置されているものであったが、ホルダ368が設けられておらず、ワンウェイネジ350によって各構成体101,102を締結させる場合に操作部353を設置するようにしてもよい。この場合においても、各構成体101,102の締結の後に、操作部353が変位された状態にて保持され、ワンウェイネジ350に直接アクセスされることを抑制できる。
(25)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.遊技機構成部材である第1部材(表側構成体101、カバー部材154)と第2部材(裏側構成体102、受け部材153)とが連結されてなる遊技機であって、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部(軸部255,360)と、
その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む操作部(頭部250、操作部353)と、
前記第1部材及び第2部材の連結の後に、前記操作部を前記軸部の軸線方向と異なる方向へと変位させた状態で、当該操作部を保持可能な保持部(ホルダ278,368、拡張部363d)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、軸部にて第1部材及び第2部材を連結することができる。その連結の後には、操作部が軸部の軸線方向と異なる方向へと変位された状態で保持される。この結果、変位された後には、操作部を操作しても軸部と軸線方向が異なるため、操作部を回転させたとしてもその回転力が軸部に伝わりにくい。よって、操作部を操作しても軸部を回転させることができず、各部材の連結の後にその連結が不正に解除されることを抑制できる。
なお、「第1部材と第2部材とがネジ部材により連結されてなる」には、第1,第2部材のうち一方の部材が、他方の部材とネジ部材とによって締結されているものが含まれる。また、第1部材と第2部材とがネジ部材を介して結合されているものが含まれる。すなわち、第1部材と第2部材とが所定距離以上離れることがないように、ネジ部材によって位置決めされているものが含まれる。以下、本明細書において同様である。
特徴2.特徴1において、前記軸部は、前記工具によって緩める方向に回転させることができないよう形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、軸部は、操作部を回転させる工具によって緩める方向に回転させることができない。すなわち、第1,第2部材の連結の後には軸部を緩まる方向へと回転させることができず、第1,第2部材の連結が不正に解除されることを抑制できる。
特徴3.遊技機構成部材である第1部材(表側構成体101)と第2部材(裏側構成体102)とがネジ部材(ワンウェイネジ350)により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材を回転操作する工具が係合される操作部(操作部353)を備え、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部(軸部360)と、
前記軸部に設けられ、当該軸部の軸線上に位置するとともに、前記操作部と係合される係合部を含む操作係合部(頭部358)と、
を有し、
さらに、前記第1部材及び第2部材を連結した場合に、前記操作部を、前記軸部の軸線方向と異なる方向へと変位させる変位手段(板バネ383)と、
前記変位手段により前記操作部が変位された状態で、当該操作部を保持可能な保持部(拡張部363d,ホルダ368)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴3によれば、操作部を操作係合部に係合した状態にて操作部を回転させることにより、軸部にて第1部材及び第2部材を連結することができる。その連結の後には、操作部が軸部の軸線方向と異なる方向へと変位される。そして、変位された状態にて操作部を保持可能となっている。すなわち、各部材の連結の後には、操作部と軸部との軸線をずらすことができる。仮に、連結の後においても操作部と軸部とが同一軸線上に位置している場合、操作部を軸部側へと押圧しながら回転させることにより、その回転力が軸部側に伝わってしまい、軸部が緩める方向へと回転されることが考えられる。これに対して本特徴によれば、変位された後には軸部と操作部との軸線方向が異なるため、操作部を回転させたとしてもその回転力が軸部に伝わりにくい。よって、各部材の連結の後に操作部を操作しても軸部を回転させることができず、各部材の連結の後にその連結が不正に解除されることを抑制することが可能となる。
特徴4.特徴3において、前記保持部は、前記変位手段に変位された操作部を前記軸部の軸線上に位置するよう保持することを特徴とする遊技機。
特徴4によれば、変位された操作部は軸部の軸線上に位置する。すなわち、操作部は、操作係合部における軸部の軸線が通過する部位を反軸部側から隠している。軸部を回転させようとした場合、軸部の軸線が通過する部位にアクセスする必要がある。軸部の軸線が通過する部位を隠すことにより、軸部の軸線が通過する部位に直接アクセスされることを抑制することが可能となる。
特徴5.特徴3又は4において、前記ネジ部材は、前記軸部を締める方向に限り回転させることが可能なワンウェイネジであることを特徴とする遊技機。
特徴5によれば、ネジ部材はワンウェイネジである。これにより、操作部が変位された後に直接ワンウェイネジにアクセスされたとしても、当該ワンウェイネジを緩める方向へと回転させることができず、各部材の連結が不正に解除されることを一層抑制できる。
特徴6.特徴3乃至5のいずれか1において、前記保持部は、各部材を連結する前の状態においては、前記操作部の軸線が前記軸部の軸線とほぼ一致するように当該操作部を保持することを特徴とする遊技機。
特徴6によれば、各部材の係合前の状態では、操作部の軸線と軸部の軸線との軸線がほぼ一致した状態にて操作部が保持部に保持される。これにより、操作部と係合操作部とを係合する場合に、操作部を係合操作部側へと押圧するのみでよく、操作部と工具とを係合させる係合作業と、操作部と係合操作部とを係合させる係合作業とを、一連の流れ作業として行うことが可能となる。
なお、「各部材を連結する前の状態」とは、各部材の連結作業の実行前が含まれるだけでなく、各部材の連結作業の実行中が含まれる。
特徴7.特徴5又は6において、前記変位手段は、前記操作部に設けられ、前記係合部の軸線方向と交わる方向に付勢する付勢部材(板バネ383における板部383b)であることを特徴とする遊技機。
特徴7によれば、操作部に付勢部材が設けられている。各部材の連結の後に操作部と係合操作部との係合を解除した場合、付勢部材により操作部の位置が変位される。操作部と係合操作部との係合は、操作部から工具を取り外すことにより解除されることが考えられる。付勢部材を設けたことにより、各部材の連結の後に操作部から工具を取り外すことによって、係合操作部と軸線がずれた状態へと操作部を変位させることが可能となる。
特徴8.特徴7において、前記保持部は、前記操作部における前記係合部の軸線方向に沿った外周側を覆う筒部(差込孔363を形成する表側構成体101)を備え、
前記筒部は、
各部材を連結する前の状態では前記係合部の軸線が前記操作部の軸線とほぼ一致するように当該操作部を覆う第1筒部(第2差込孔363b)と、
各部材を連結した場合に前記付勢部材により前記操作部を変位可能にその内周が前記第1筒部よりも拡張された第2筒部(拡張部363d)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴8によれば、各部材の連結前においては、操作部の軸線と係合部の軸線とがほぼ一致するように筒部の幅が設けられている。これにより、付勢部材の付勢力によって各部材の連結を行う前に操作部の位置が係合部の軸線上からずれてしまうことを抑制できる。また、各部材を連結した場合、筒部の内周が拡張されているため、付勢部材による操作部の位置ずれが筒部によって阻害されることがない。
特徴9.遊技機構成部材である第1部材(カバー部材154)と第2部材(受け部材153)とがネジ部材(破断ネジ170)により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部(軸部255)と、
その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む操作部(頭部250)と、
これら軸部及び操作部を連結するとともに、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより前記軸部から前記操作部を分離させる分離部(破断部260)と、
を有し、
さらに、前記操作部が分離された場合、当該操作部を前記軸部の軸線方向と異なる方向へと変位させた状態で、当該操作部を保持可能な保持部(ホルダ278)を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴9によれば、ネジ部材における軸部にて第1部材及び第2部材を連結することができる。第1及び第2部材を連結させた後には、工具係合部に所定トルク以上の回転力を加えることにより、軸部と操作部とを分離させることができる。これにより、操作部を介して軸部を回転させることが困難となり、第1及び第2部材の連結が不正に解除されることを抑制できる。しかしながら、仮に、分離部が分離した場合に、操作部と軸部とが同一軸線上に位置している場合、操作部を軸部側へと押圧しながら回転させることにより、その回転力が軸部側に伝わってしまうことが考えられる。これに対して本特徴によれば、分離部の分離の後には変位される状態で操作部を保持可能となっている。変位された後には操作部と軸部との軸線方向が異なるため、操作部を回転させたとしてもその回転力が軸部に伝わりにくい。よって、操作部を操作しても軸部を回転させることができず、各部材の連結の後にその連結が不正に解除されることを抑制する効果を高めることが可能となる。
特徴10.特徴9において、前記保持部は、前記分離部が分離した場合に、前記軸部の軸線上に位置するように前記操作部を保持することを特徴とする遊技機。
特徴10によれば、分離部が分離した場合、分離された操作部は軸線上に位置する。すなわち、操作部は、軸部側の領域におけるの軸線が通過する部位を反軸部側から隠している。軸部を回転させようとした場合、軸部の軸線が通過する部位にアクセスする必要がある。軸部の軸線が通過する部位を隠すことにより、軸部の軸線が通過する部位に直接アクセスされることを抑制することが可能となる。よって、操作部と軸部との軸線を異ならせ、操作部を操作しても軸部を緩めることができなくする効果を得つつ、分離された操作部により軸部側の領域に直接アクセスされることを抑制する効果が得られる。
特徴11.特徴9又は10において、前記ネジ部材は、前記軸部の軸線方向と略直交する方向へ拡張された拡張部(第1拡径部275a、第2拡径部275b)を更に備え、
前記拡張部は、前記分離部よりも前記軸部側でありかつ前記分離部と前記軸部との間に設けられており、
前記保持部は、
前記軸線方向に離間した位置に第1規制部(第1環状縮径部283a)及び第2規制部(第2環状縮径部283b)を一体に有した状態で前記ネジ部材に設けられており、
さらに、前記操作部及び拡張部の前記軸線方向に沿った外周側を覆う筒部を更に備え、
前記操作部及び前記拡張部は、前記第1規制部と前記第2規制部とによって挟まれた領域に配置されており、
前記第1規制部によって前記操作部の反軸部側への移動が規制されるとともに、前記第2規制部によって前記拡張部の反操作部側への移動が規制され、
前記筒部と前記操作部とによって形成される前記軸部と略直交する方向の隙間が、前記分離部が分離した場合に前記操作部が前記軸部の軸線上に位置するよう設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴11によれば、保持部における第1規制部及び第2規制部に操作部及び拡張部が挟まれている。すなわち、操作部及び拡張部は保持部の所定範囲内に位置することとなる。この場合、ネジ部材に保持部が設けられているともいえ、第1,第2部材の連結を行う場合にネジ部材を設置すれば、同時に保持部の設置をも行うことができる。よって、操作部が分離された場合にその操作部を保持する保持部を有した構成において、その組み立て作業が複雑化することを抑制できる。本特徴によれば、分離された操作部を保持部が保持する具体的構成を得ることが可能となる。
さらに、拡張部及び操作部が筒部に覆われている。操作部が分離した場合、操作部が転がる等、分離した操作部の移動する方向を特定することは困難であるが、拡張部及び操作部を覆うことにより、操作部が保持部より外部に移動することを抑制できる。よって、保持部を有するネジ部材のみによって、分離した操作部を保持部の内部に保持することができる。この場合、筒部と操作部との隙間によって操作部の移動範囲を規定することができる。本特徴では、その隙間が、分離部が分離した場合に操作部が軸部の軸線上に位置するよう設けられている。これにより、分離部が分離した場合に軸部側の領域にアクセスしようとした場合に、分離された操作部がそのアクセスを阻害する。よって、操作部と軸部との軸線を異ならせ、操作部を操作しても軸部を緩めることができなくする効果を得つつ、分離された操作部により軸部側の領域に直接アクセスすることを抑制する効果が得られる。
本特徴によれば、保持部(筒部)の構成により、操作部の移動範囲を規定したため、分離した操作部を軸部の軸線上に位置させるための機構を別途設ける必要がなくなる。
特徴12.特徴9乃至11のいずれか1において、前記保持部は、前記分離部における前記軸部側に設けられ、前記軸部側を一端として前記操作部側に延びるとともに、前記操作部側ほど前記軸部の軸線方向と直交する方向の大きさが縮小される軸部側絞部(軸部側絞部265b)を備え、
前記分離部は、前記軸部側絞部よりも前記操作部側にて分離するものであることを特徴とする遊技機。
特徴12によれば、軸部側絞部は、操作部側ほど細くなっている。軸部側絞部よりも反軸部側にて操作部が分離されるため、操作部が分離された場合には、軸部側絞部が細くなっていることにより、分離した操作部の重心がずれやすく当該操作部が転倒しやすくなっている。この結果、操作部が分離された場合に、当該操作部を変位させることが可能となる。本特徴によれば、分離部を分離させることにより、操作部を変位させることが可能となり、操作部を分離させる作業と操作部を変位させる作業とを一連の流れにて行うことが可能となる。
特徴13.特徴12において、前記保持部は、前記軸部側絞部よりも前記操作部側に設けられ、前記操作部側を一端として前記軸部側に延びるとともに、前記軸部側ほど前記軸線方向と直交する方向の大きさが縮小される操作部側絞部(頭部側絞部265a)を備え、
前記分離部は、前記軸部側絞部よりも前記操作部側、かつ、前記操作部側絞部よりも前記軸部側にて分離するものであることを特徴とする遊技機。
特徴13によれば、操作部側絞部は、軸部側ほど細くなっている。さらに、分離部は、各絞部に挟まれた位置にて分離される。すなわち、各絞部における細くなっている部分にて分離部が分離されるため、各絞部にて挟まれた位置には隙間が形成される。これにより、分離部が分離した場合に操作部が転倒するスペースを担保することが可能となる。よって、分離部が分離した場合における操作部の転倒度合いを大きく担保することが可能となる。
本特徴及び特徴12においては、ネジ部材の形状によって、操作部を転倒させることが可能となっており、操作部を転倒させるために新たな機構を設ける必要がなくなる。
なお、特徴12における「軸部側絞部」と、特徴13における「操作部側絞部」と、の操作部を転倒させる機能に着目すれば、「保持部」に操作部の軸線を変位させる「変位手段」が設けられているともいえる。この場合、特徴12においては、「変位手段」が「軸部側絞部」を有し、特徴13においては、「変位手段」が「操作部側絞部」を有しているともいえる。
特徴14.特徴9乃至13のいずれか1において、前記操作部は、前記分離部の中心軸線上から外れた位置が重心となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴14によれば、操作部の重心は、分離部の軸線上からずれている。これにより、分離部が分離した場合、その重心のずれによって操作部は自重にて転倒しようとする。この結果、分離部を分離させた場合、特に操作部を転倒させる作業を行うことなく、操作部を転倒させることが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(ハンドル装置59)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構50)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部47,48)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、47,48…内,外レール部、50…遊技球発射機構、59…ハンドル装置、63…主制御装置、91…主制御基板、92…基板ボックス、101…表側構成体、102…裏側構成体、103…表側周縁部、153…受け部材、154…カバー部材、170…破断ネジ、178…円筒部、250…頭部、255…軸部、260…破断部、265a…頭部側絞部、265b…軸部側絞部、275a,275b…第1,第2拡径部、278…ホルダ、280a〜280c…第1〜第3孔部、283a,283b…第1,第2環状縮径部、290a…第1開口、350…ワンウェイネジ、353…操作部、358…頭部、360…軸部、363…差込孔、363d…拡張部、383…板バネ、383b…板部。

Claims (1)

  1. 遊技機構成部材である第1部材と第2部材とがネジ部材により連結されてなる遊技機であって、
    前記ネジ部材を回転操作する工具が係合される操作部を備え、
    前記ネジ部材は、
    前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部と、
    前記軸部に設けられ、当該軸部の軸線上に位置するとともに、前記操作部と係合される係合部を含む操作係合部と、
    を有し、
    さらに、前記第1部材及び第2部材を連結した場合に、前記操作部を、前記軸部の軸線方向と異なる方向へと変位させる変位手段と、
    前記変位手段により前記操作部が変位された状態で、当該操作部を保持可能な保持部と、
    を備え、
    前記保持部は、各部材を連結する前の状態においては、前記操作部の軸線が前記軸部の軸線とほぼ一致するように当該操作部を保持するものであり、
    前記変位手段は、前記操作部に設けられ、前記係合部の軸線方向と交わる方向に付勢する付勢部材であり、
    前記保持部は、前記操作部における前記係合部の軸線方向に沿った外周側を覆う筒部を備え、
    当該筒部は、
    各部材を連結する前の状態では前記係合部の軸線が前記操作部の軸線とほぼ一致するように当該操作部を覆う第1筒部と、
    各部材を連結した場合に前記付勢部材により前記操作部を変位可能にその内周が前記第1筒部よりも拡張された第2筒部と、
    を備え
    前記操作部が前記変位手段により変位された状態において、前記操作部が前記係合部を覆っていることを特徴とする遊技機。
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