はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.複数のボックス構成体(表側構成体101、裏側構成体102)により形成された基板ボックス(基板ボックス92)と、当該基板ボックス内に収容された制御基板(主制御基板91)と、を有する制御基板装置(主制御装置63)を備えた遊技機において、
前記複数のボックス構成体として第1構成体(裏側構成体102)及び第2構成体(表側構成体101)を有し、
前記第1構成体に設けられているとともに当該第1構成体よりも高強度に形成された受け部材(受け部材153)に対して、離脱不可又は離脱困難な状態で固定具(第1結合具181,第2結合具183)が固定されることにより、前記基板ボックスの内部空間が開放されないように前記第1構成体及び前記第2構成体を固定する構成体固定手段(表側結合領域141、裏側結合領域151)を備え、
前記受け部材は、前記第1構成体に設けられた設置部(結合領域形成部152)に対してその外部から設置されており、
さらに、前記受け部材の取り外し軌道上に配置され、前記固定具の前記受け部材に対する装着を許容しつつ、前記受け部材の前記設置部からの取り外しを規制する規制部材(カバー部材154)と、
前記規制部材を前記第1構成体に対して固定する規制部材固定手段(破断ネジ170)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、第1構成体よりも高強度の受け部材に対して固定具が固定されることで第1構成体と第2構成体との固定が行われるため、受け部材と固定具との固定箇所を破壊して当該固定を解除しようとしてもそれが行いづらくなる。
第1構成体の形成に際して受け部材をインサート成型する構成も考えられるが、この場合、受け部材の不正な取り外し等を困難なものとすることができる反面、金型の複雑化等を招くこととなり好ましくない。また、完成後の第1構成体に対して別体で設けられた受け部材を嵌め込む構成とすれば、上述したインサート成型を行う場合と比較して、金型の簡素化を図ることができる反面、受け部材の不正な取り外しが行われやすくなると懸念される。このように受け部材の取り外しが容易となれば、基板ボックスの不正な開放が行われやすくなったり、受け部材に細工等施すことにより基板ボックスの不正開放の痕跡を隠蔽されやすくなったりすると想定され、防犯性の観点から好ましくない。
これに対して、本手段では、受け部材は第1構成体の設置部に配置され、規制部材によって設置部からの取り外しが規制されているとともに当該規制部材は規制部材固定手段によって第1構成体に固定されている。これにより、製造工程(金型)の複雑化を抑えつつ、受け部材の不正な取り外しを抑制することが可能となる。よって、基板ボックスの形成を良好に行うことを可能としつつ、基板ボックスに対して行われる不正行為の抑制に貢献することができる。
なお、「離脱不可又は離脱困難な状態で固定具が固定される」とは、受け部材に対して離脱不可又は離脱困難となった状態が保持されることをいい、遊びのない状態で固定具が配置されている構成又は遊びのある状態で固定具が配置されている構成のいずれであってもよい。
また、「前記第1構成体及び前記第2構成体を固定する」とは、第1構成体及び第2構成体の分離が規制されていることをいい、遊びのない状態で第1構成体及び第2構成体が組み合わされている構成又は遊びのある状態で第1構成体及び第2構成体が組み合わされている構成のいずれであってもよい。
手段2.前記構成体固定手段は、それぞれ個別に固定状態を実現する第1固定手段(1組の表側結合部142,143と裏側結合部176)及び第2固定手段(他の1組の表側結合部142,143と裏側結合部176)を有し、
前記受け部材は、少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段の両方に跨って設けられていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、受け部材は、少なくとも第1固定手段及び第2固定手段の両方に跨って設けられた部材であるため、第1固定手段及び第2固定手段のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成に比べ、基板ボックスの形成作業を良好に行うことができる。また、受け部材を複数設置する場合、一の規制部材によってそれら全ての受け部材の取り外しを規制することは困難となりやすく、規制部材の数を増やす等の対応がなされやすくなると想定される。仮に各受け部材に対応する複数の規制部材を備える構成が採用された場合、それら各規制部材を規制部材固定手段によってそれぞれ固定する必要が生じる。すなわち、構成体固定手段(受け部材)の数の増加に依存して規制部材を装着する際の作業性が悪化しやすくなると想定される。この点、本手段に示すように第1固定手段及び前記第2固定手段に亘る一の受け部材を有する構成とすれば、規制部材の数の増加を抑えることが容易となり、規制部材の固定作業の煩雑化を抑えることができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
手段3.前記受け部材は、相互に対向する一対の対向板部(対向板部164,165)により少なくとも一部が規定されて形成された一連の溝部(凹み空間161)を備えているとともに、当該溝部内において前記固定具を係止する係止部(係止部158)を少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段に対応させて備えており、前記受け部材に対する前記固定具の係止は前記溝部内において行われるものであり、
前記第1固定手段及び前記第2固定手段は、前記第1構成体側に設けられた第1構成体側固定部(裏側結合部176)と、前記第2構成体側に設けられた第2構成体側固定部(表側結合部142,143)と、を備えており、対応する第1構成体側固定部及び第2構成体側固定部の組み合わせに対して前記固定具が挿通され、当該固定具が前記受け部材の前記係止部にて係止されることで前記第1構成体及び前記第2構成体が固定される構成であり、
前記規制部材は、前記受け部材の溝部の入口を、前記各係止部に対応するとともにそれぞれの係止部に向けた前記固定具の挿通を可能とする複数の開口(貫通孔部174)に区画することで、少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段のそれぞれの前記第1構成体側固定部を形成していることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、溝部内に複数の係止部が形成されており、固定具との係止は溝部内において行われる。つまり、固定具の係止箇所は、第1構成体よりも高強度の受け部材により規定された溝部内において行われる。よって、当該係止箇所の周囲を破壊して、係止状態を解除しようとしてもそれが行いづらくなり、かかる不正行為を阻止することが可能となる。また、一連の溝部内に少なくとも第1固定手段及び第2固定手段に対応した係止部を設けるという比較的簡素な構成により、少なくとも第1固定手段及び第2固定手段について上記優れた効果を得ることができる。
また、第1構成体よりも高強度の受け部材において溝部の入口を複数の開口に区画する部位が設けられていなくても、当該区画する機能が規制部材により果たされる。これにより、受け部材の形状をシンプルなものとすることが可能となる。また、例えば受け部材を金属製とするとともに規制部材を合成樹脂製とした場合、第1構成体側固定部において複雑な形状を有する部位については合成樹脂製の規制部材を用いて形成するとともに、固定具を係止する部位については金属製の受け部材を用いて形成することで、第1固定手段及び第2固定手段の各第1構成体側固定部の一体的な形成を良好に行うことができる。
手段4.前記構成体固定手段は、前記固定具を用いた固定状態を解除して前記第1構成体と前記第2構成体とを分離する場合よりも当該分離が行い易いように破壊し易く形成された解除部(連結部145)を備えており、当該解除部が破壊されることで前記固定具を用いた固定状態を維持しながら前記第1構成体と前記第2構成体との分離を可能とするものであり、
前記解除部は、前記第2構成体側固定部に対して設けられていることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
手段4によれば、解除部を破壊することで、固定具を用いた固定状態を維持しながら第1構成体と第2構成体との分離を可能とする構成であるため、固定具を用いた固定を強固に行うようにしつつ、第1構成体と第2構成体との分離に際してその痕跡を残すことが可能となる。
この場合に、解除部は第2構成体側固定部に対して設けられている。例えば、解除部が第1構成体側固定部に対して設けられている構成を想定すると、解除部を破壊しただけでは第1構成体と第2構成体との分離を行うことができず、さらに受け部材の破壊を要することが想定される。そうすると、第1構成体と第2構成体との分離操作を容易に行うことができない。これに対して、解除部が第2構成体側固定部に対して設けられているため、上記のような不都合が生じることはなく、第1構成体と第2構成体との分離操作を容易に行うことが可能となる。
なお例えば、前記解除部を前記第1固定手段及び前記第2固定手段に対してそれぞれ別個独立に形成するとよい。これにより、第1固定手段及び第2固定手段を異なるタイミングで使用可能とすることができる。すなわち、両構成体の固定状態を解除し、基板ボックスを開放した後、両構成体を再度固定状態とすることができる。
手段5.前記固定具は、前記第1固定手段又は前記第2固定手段を固定状態とすることに基づき、前記第1構成体からの前記規制部材の取り外しを規制するものであり、
前記解除部が破壊されたとしても、前記固定具による前記規制部材の取り外しの規制が維持されることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
手段5によれば、解除部を破壊して第1構成体と第2構成体とを分離させたとしても、固定具を用いた固定状態は維持されるとともに、当該固定具による規制部材の取り外し規制状態も維持される。このように、固定具を介して規制部材の取り外しを規制することにより、規制部材の装着状態を良好に維持することができる。また、固定具に規制部材の取り外しを規制する機能を付与することにより、固定具の多機能化を図ることができる。
固定具に付与された機能についてより詳しく説明する。手段3に示す構成(一の規制部材に開口を形成し第1固定手段及び第2固定手段に対応する第1構成体側固定部を形成している構成)との組み合わせにより、以下の優れた効果を奏する。
仮に第1固定手段及び第2固定手段に対応する規制部材が個別に設けられている場合を想定すれば、解除部を切断等することにより第1固定手段及び第2固定手段のいずれか一方の固定状態を解除した後、その固定手段に対応する規制部材を取り外すには2つ異なるの解除操作が必要となり得る。すなわち、規制部材固定手段の固定状態の解除操作と固定具による取り外し規制の解除操作である。一方、第1固定手段及び第2固定手段の他方に対応する規制部材を取り外すには、規制部材固定手段の固定状態の解除操作が必要となるものの、固定具による取り外し規制の効果はおよばないため当該固定具に関する規制の解除操作は必要とならない。このため、第1固定手段及び第2固定手段のうち解除部の切断等による固定状態解除の対象とならない一方は、他方に対して規制部材の取り外しが容易となり得る。
この点、一の規制部材により第1固定手段及び第2固定手段の両者に対応する構成とすれば、第1固定手段及び第2固定手段のいずれか一方の固定状態を解除した場合であっても、規制部材の取り外しには、必ず2つの解除操作が必要となる。すなわち、解除部の切断等による固定状態の解除対象であるか否かに関係なく、規制部材の取り外しには2つの解除操作が必要となる。具体的には、固定状態が解除された後も固定具(及び規制部材固定手段)によって規制部材の第1構成体からの離れが好適に抑えられる。つまり、固定具による取り外し規制効果は、当該固定具の装着対象となった第1固定手段及び第2固定手段の一方のみならず、同固定具の装着対象以外の第1固定手段及び第2固定手段の他方、すなわち解除部の解除操作対象とならなかった第1固定手段及び第2固定手段の他方に対しても及ぶこととなる。これにより、例えば第1固定手段の解除部が切断等された後に当該第1固定手段に残存する固定具によって第2固定手段における防犯性の向上に貢献することが可能となる。
手段6.前記規制部材固定手段は、前記第1固定手段に対応する前記開口と前記第2固定手段に対応する前記開口との間に配置されていることを特徴とする手段3乃至手段5のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段3等に示した構成においては、規制部材固定手段を第1固定手段及び第2固定手段の間、すなわちそれら第1固定手段及び第2固定手段に対応する各第1構成体側固定部の間に配置することにより、実用上好ましい構成を実現できる。
具体的には、規制部材が受け部材の溝部の入口を複数の開口に区画し第1構成体側固定部を形成している場合、規制部材と受け部材(詳しくは係止部)との相対位置がずれることにより、固定具の挿通作業が行いづらくなるおそれがある。すなわち、規制部材と受け部材との位置ずれにより、基板ボックスの形成作業が妨げられることが懸念される。このような、位置ずれは規制部材固定手段による固定箇所と第1固定手段及び第2固定手段との距離に左右されやすいと想定される。すなわち、規制部材固定手段による固定箇所からの距離が大きくなればなるほど、位置ずれが発生しやすくなると懸念される。
この点、本手段によれば、規制部材固定手段が第1固定手段及び第2固定手段の間、すなわちそれら第1固定手段及び第2固定手段に対応する各第1構成体側固定部の間に配置されている。このため、規制部材固定手段による固定箇所及び第1固定手段の距離寸法と、前記固定箇所及び第2固定手段の距離寸法の偏りを抑えやすくすることができる。つまり、いずれか一方の距離寸法が極端に大きくなることを抑制しやすくできる。これにより、上記位置ずれの発生を抑えやすくし、規制部材を有する構成を採用したとしても、当該規制部材によって基板ボックスを形成する際の作業性を担保することが可能となる。
また、上記構成によれば、受け部材(詳しくは第1構成体)からの規制部材の離れ、例えば浮き上がり等を抑制しやすくできる。これにより、仮に不正行為者が規制部材を第1構成体から引き離すように引っ張り、溝部(詳しくは係止部)を大きく露出させようとしても、いずれか一方の固定手段(詳しくは係止部)へのアクセスが極端に容易になることが抑制され、そのような不正行為を困難なものとすることができる。例えば、規制部材固定手段を第1固定手段及び第2固定手段の中間位置に配するとよい。
手段7.前記第2固定手段に対応する前記開口は、前記第1固定手段に対応する前記開口と前記規制部材固定手段との間に配置されていることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
手段7によれば、規制部材固定手段と第1固定手段に対応する開口との間に第2固定手段に対応する開口が挟まれている。かかる構成において、例えば製造時のボックス構成体の固定に第1固定手段を用い、基板ボックスを開放した後にボックス構成体を再固定する際に第2固定手段を用いることにより、以下の優れた効果を期待できる。
手段5に示したように、解除部が切断等された後には固定具が残存することにより規制部材の取り外しが規制される。規制部材固定手段と固定具によって取り外しが規制された部位との間に第2固定手段が存在すれば、第2固定手段における受け部材(係止部)と規制部材の開口との相対位置がずれにくくなる。これにより、第2固定手段に固定具を挿通する際の引っ掛かりを抑制し、作業性の担保が可能となる。また、仮に不正行為者が規制部材を変形させたり移動させたりして第2固定手段の係止部に対するアクセスを容易化しようとしても、第2固定手段周辺における規制部材の変形や移動が好適に抑えられる。これにより、上述したような不正行為を困難なものとすることができる。すなわち、第1固定手段の解除部が切断等された後に残存する固定具によって、第2固定手段における作業性の担保や防犯性の向上に貢献することが可能となる。
なお、本手段を手段6に示した技術的思想と組み合わせて用いることも可能である。具体的には、対を成す(1組の)第1固定手段の間に、対をなす(1組の)第2固定手段を配置し、それら第2固定手段の間に規制部材固定手段を配置することも可能である。かかる場合、製造時に基板ボックスを形成する際に第1固定手段を用い、基板ボックスを開放した後の再ボックス化の際に第2固定手段を用いれば、更なる防犯性の向上を期待することができる。
手段8.前記規制部材固定手段は、当該規制部材固定手段と前記第1固定手段との距離寸法が、当該規制部材固定手段と前記第2固定手段との距離寸法よりも大きくなるように配置されていることを特徴とする手段6又は手段7に記載の遊技機。
手段8に示すように規制部材固定手段に対する第1固定手段及び第2固定手段の距離寸法が異なる場合、第1固定手段及び第2固定手段のどちらを用いて固定を行うかによって、規制部材の固定状態の安定度が相違する。具体的には、固定具が規制部材の取り外しを規制する機能を有する構成においては、規制部材の取り外しは規制部材固定手段及び固定具の両者によって規制されることとなる。かかる場合、規制部材固定手段と近い側の第2固定手段を用いて規制部材の取り外しを規制すると、規制部材における取り外しの規制が行われる箇所が局所的に集中しやすくなる。このため、規制部材全域における固定状態の安定化を図ることは困難となり得る。一方、第1固定手段を用いて規制部材の取り外しを規制すれば、規制部材における取り外しの規制が行われる箇所を分散させやすくなり、規制部材全体としての固定状態の安定化を促進することが可能となる。例えば、第1固定手段及び第2固定手段を2段階に分けて使用する場合(第2固定手段を再ボックス化の際の再固定手段として使用する場合)、基板ボックスの作成時に第1固定手段を用いて両構成体を固定することにより、第1固定手段による規制部材の固定状態安定機能は、基板ボックス製作時から発揮され、更に両構成体を固定する機能が第2固定手段によって行われる段階になっても維持される。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
手段9.前記第1固定手段及び前記第2固定手段は、前記第1構成体側に設けられた第1構成体側固定部(裏側結合部176)と、前記第2構成体側に設けられた第2構成体側固定部(表側結合部142,143)と、を備えており、対応する第1構成体側固定部及び第2構成体側固定部の組み合わせに対して前記固定具が挿通され、当該固定具が前記受け部材の前記係止部にて係止されることで前記第1構成体及び前記第2構成体が固定される構成であり、
前記固定具を前記第2構成体側固定部にて仮止めする仮止め手段(係止爪部143d)を備えていることを特徴とする手段2乃至手段8のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段9に示すように、予め固定具を待機させておくことで、再ボックス化時の作業の簡略化に貢献することが可能となる。特に手段8との組み合わせにおいては、少なくとも第2固定手段が仮止め手段を備える構成とするとよい。これにより、例えば第2固定手段を再ボックス化の再の再固定手段として用いる場合に、固定具の装着作業を円滑に行うことが可能となる。
手段10.前記固定具を所定の装着軌道に沿って移動させることで前記受け部材に装着させることが可能であり、
前記仮止め手段は、前記固定具を前記装着軌道上にて仮止めし、当該仮止め手段によって仮止めされた状態においては、前記固定具の前記受け部材側への移動が許容されているとともに、前記受け部材から離れる方向への移動が規制されていることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
手段10によれば、固定具を所定の装着軌道に仮止めすることにより、装着時の作業性の向上を図ることができる。また、その固定具の取り外しが規制されることとなるため、固定具が不正に取り外されるといった不都合を生じにくくすることができ、更には固定具の盗難や紛失を抑制することも可能となる。
因みに、固定具は、仮止めされている状態から所定の固定位置への移動は許容されているため、固定時の作業性は担保される。
なお、固定具を一時的に保持する機能に着目すれば、上記「仮止め手段」を「保持手段」と称することも可能である。
また、例えば受け部材(詳しくは係止部)へ固定具を案内する案内手段を備える構成とすることも可能である。かかる場合、当該案内手段によって「所定の装着軌道」を実現するとよい。
手段11.前記第2構成体側固定部は、前記所定の装着軌道に沿って延び、当該固定具の通過領域を区画形成する区画壁部(周壁部143b)を備え、
前記固定具は、前記仮止め手段により前記通過領域内にて仮止めされていることを特徴とする手段10に記載の遊技機。
手段3等に示したように固定具を挿入する部位が受け部材に対して連なっている構成にあっては、固定具の挿入される部位(開口)を介して不正が行われる可能性がある。このような不都合は特に、複数回の開放を考慮して複数の固定手段を備えている構成(詳しく第2固定手段が再固定手段である構成)において生じやすいと想定される。具体的には、再固定に備えて固定具が挿入されていない開口が設定されている場合、その開口が不正の対象となりやすい。
第1固定手段によって両構成体の1度目の固定を行い、第2固定手段によって両構成体の2度目の固定を行うとよい。本手段に示す仮止め手段によって第2構成体側固定部にて固定具を仮止めすることにより、固定具が挿入される部位(開口)を介して不正具が挿入される等した場合であっても、固定具によって不正具の侵入を困難なものとすることができる。このように仮止めされた固定具によって不正具等の侵入を妨げることができれば、更なる防犯性の向上を期待できる。
手段12.前記第2構成体側固定部は、前記固定具を収容する収容空間を区画形成する区画壁部(周壁部143b)を備え、
前記固定具は、当該固定具の挿入方向と交差する方向に延びる操作面部(操作部183b)を備え、
前記操作面部は、前記固定具が前記仮止め手段によって仮止めされた状態にて、前記収容空間内に収まっていることを特徴とする手段10に記載の遊技機。
手段12によれば、操作面部を押し操作することで固定具の挿入作業を容易に行うことができる。このような押し操作は、操作面部へのアクセス(物理的な接触)が可能な状態であれば容易に実施できる。すなわち、固定具(詳しくは操作面部)が区画壁部によって区画形成された収容空間内に収容された状態であっても、操作面部へのアクセスが可能であることによりその操作性は担保される。一方、操作面部が収容空間内に収容されることにより、操作面部の引っ張り作業(取り出し作業)を行うことは困難となる。具体的には、操作面部を把持しようとしても、そのように操作面部を掴む行為は周囲の区画壁部によって妨げられることとなる。これにより、固定具の受け部材へ向けての移動を担保しつつ、当該固定具の不正な取り外しを困難なものとすることができる。
なお、仮止め手段を区画壁部によって区画形成された収容空間内に設けるとよい。これにより、固定具自身によって仮止め手段へのアクセスを妨げ、仮止め状態が不正に解除されるといった不都合を生じにくくすることができる。
手段13.前記第1構成体及び第2構成体が組み合わせられた状態にて、前記規制部材固定手段の取り外し軌道上に前記第2構成体の少なくとも一部(遮蔽部180)が重なっていることを特徴とする手段1乃至手段12のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
規制部材の固定が解除されると、規制部材の位置ずれ等が生じやすくなり、両構成体を固定する構成体固定手段への不正なアクセスがなされやすくなるおそれがある。特に、規制部材が両構成体の固定に関係する構成においては、このような規制部材の固定が解除されることによる両構成体の固定状態への影響は強まると想定され、好ましくない。この点、本手段によれば、両構成体がボックス化された状態においては、固定手段の取り外し軌道上に第2構成体の少なくとも一部が重なることとなる。これにより規制部材固定手段の取り外し、すなわち装着方向と反対の方向への移動を制限することができるため、規制部材の取り外しを切っ掛けとして行われる不正行為を困難なものとすることができる。
また、仮に規制部材固定手段の取り外しを規制する部材(別部材)を別途設けた場合には、この別部材の取り付け作業等が別途必要になると考えられる。このように構成(機能)の追加に応じて作業工程が増加することは、制御装置作成時の作業性担保の観点から好ましくない。この点、本手段に示すように、両構成体の組み付けに伴って規制部材固定手段の取り外しが規制される構成とすれば、特別な作業を必要とすることはない。故に、作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
手段14.少なくとも前記規制部材固定手段の取り外し軌道と交差するように設けられ、前記規制部材固定手段の取り外しを規制する規制手段(円筒部178及び遮蔽部180)を備えていることを特徴とする手段1乃至手段12のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段14によれば、手段13と同様の効果を奏する。また、仮に両構成体が分離された状態においても規制手段による取り外しの規制が持続される構成とすれば、受け部材の不正な取り外しを一層好適に回避することが可能となる。
手段15.前記規制手段は、
前記規制部材に形成され、前記規制部材固定手段の取り外し方向に延びる筒状の規制部材側壁部(円筒部178)と、
前記第2構成体側に形成され前記規制部材側壁部の開口を覆う構成体側壁部(遮蔽部180)と
からなることを特徴とする手段14に記載の遊技機。
手段15によれば、規制部材側壁部及び構成体側壁部によって、規制部材固定手段の露出を抑えることが可能となる。仮に、規制部材固定手段の露出を抑える部材(遮蔽部材)を別途設けた場合には、この遮蔽部材の取り付け作業が別途必要になると考えられる。このように構成(機能)の追加に応じて作業工程が増加することは、制御装置を作成時の作業性担保の観点から好ましくない。この点、本手段に示すように、両構成の組み付けに伴って規制部材固定手段が格納される構成とすれば、特別な作業を必要としない。これにより、作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
手段16.前記受け部材は前記設置部に対して固定されており、前記規制部材は少なくとも前記受け部材の前記設置部に対する固定箇所を含んだ領域を覆っていることを特徴とする手段1乃至手段15のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段16によれば、規制部材によって受け部材の固定箇所を含んだ領域が覆われている。これにより、受け部材の固定箇所の露出を抑制し、当該受け部材が不正に取り外されるといった不都合を生じにくくすることができる。これにより更なる防犯性の向上に貢献することができる。
なお、本手段に示すように、「規制部材」が受け部材の少なくとも一部覆っている点、詳しくは受け部材の固定箇所を含んだ領域を覆っている点に着目すれば、「規制部材」を「カバー部材」と称することも可能である。
手段17.前記規制部材は、前記第1構成体及び前記第2構成体が固定された状態において、前記第1構成体と前記第2構成体との間に挟持されていることを特徴とする手段1乃至手段16のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段1等に示すように、規制部材は規制部材固定手段によって固定されているが、この規制部材固定手段によって規制部材と第1構成体との離れを一層好適に抑えようとすれば、規制部材固定手段の設定数の増加や、規制部材固定手段の配置領域の増大を招来しやすくなると想定される。この点、本手段に示すように、規制部材が両構成体によって挟持される構成とすれば、規制部材固定手段による固定部位以外の部位においても、当該規制部材と第1構成体との離れを好適に抑えることができる。
手段18.前記規制部材固定手段によって前記受け部材及び前記規制部材が固定されていることを特徴とする手段1乃至手段17のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段18によれば、規制部材固定手段によって受け部材及び規制部材が固定されている。すなわち、規制部材固定手段によって、第1構成体と受け部材と規制部材とが一体化されている。このように、規制部材固定手段によって複数部材を一体化することで、それら各部材の相対位置の位置ずれを生じにくくすることができる。これにより、構成体固定手段による固定状態を安定化することができる。具体的には、規制部材を動かそうとした場合、当該規制部材の移動に追従して受け部材も移動することとなる。すなわち、両者の相対関係は担保される。このため、両者の位置関係をずらすことで、構成体固定手段による固定状態を不安定にするといった不正行為を抑制しやすくできる。
手段19.少なくとも前記第1ボックス構成体と前記規制部材との両者は透明性を有する材料によって形成されていることを特徴とする手段1乃至手段18のいずれか1つの手段に記載の遊技機。
手段19によれば、少なくとも前記第1ボックス構成体と前記規制部材との両者は透明性を有しているため、規制部材固定手段を基板ボックスの外部から視認することができる。これにより、規制部材固定手段の不正な取り外し等が行われていないかを、両構成体を分離することなく、また規制部材をとり外すことなく確認することができる。これにより、実用上好ましい構成を実現できる。
手段20.複数のボックス構成体(表側構成体101、裏側構成体102)により形成された基板ボックス(基板ボックス92)と、当該基板ボックス内に収容された制御基板(主制御基板91)と、を有する制御基板装置(主制御装置63)を備え、
前記複数のボックス構成体として第1構成体(裏側構成体102)及び第2構成体(表側構成体101)を備え、
前記基板ボックスの内部空間が開放されないように前記第1構成体及び前記第2構成体を固定する固定具(第1結合具181,第2結合具183)を有する構成体固定手段(表側結合領域141,裏側結合領域151)を備えた遊技機の製造方法であって、
前記構成体固定手段を構成し、前記固定具が離脱不可又は離脱困難な状態で装着される受け部材(受け部材153)を、前記第1構成体に設けられた設置部(結合領域形成部152)に対してその外部から設置する第1工程と、
前記固定具の前記受け部材に対する装着を許容する規制部材(カバー部材154)を、前記設置部からの前記受け部材の取り外しを規制するように当該受け部材の取り外し軌道上に配置する第2工程と、
前記規制部材を前記第1構成体に固定する固定部(破断ネジ170における連結部分170bを含んだネジ部位)を有するとともに当該固定部に連続させて設けられ着脱操作を可能とする操作部(破断ネジ170の頭部170a)を有する規制部材固定手段を用いて、前記規制部材を前記第1構成体に固定する第3工程と、
前記規制部材を前記第1構成体に対して固定している前記規制部材固定手段から前記操作部を分離する第4工程と、
前記第2構成体に設けられた規制部(遮蔽部180)が前記固定部の取り外し軌道上に重なるように、前記第1構成体及び前記第2構成体を組み合わせる第5工程と
を有し、
前記第4工程にて前記操作部が分離されることにより、前記第5工程における前記規制部材固定手段と前記規制部との干渉が回避され、前記第1構成体及び前記第2構成体の組み合わせが許容されることを特徴とする遊技機の製造工程。
手段20によれば、規制部材固定手段が正常に装着されていない状態、すなわち規制部材固定手段の操作部が分離されていない状態においては、操作部と規制部とが干渉することにより第1構成体及び第2構成体の組み合わせ作業が妨げられる。換言すれば、規制部材固定手段の操作部が分離され、当該規制部材の取り外しが制限された状態となることに基づき規制部材固定手段と規制部との干渉が回避され、第1構成体及び第2構成体の組み合わせ作業が許容される。これにより、操作部の取り外し忘れを防止し、規制部材固定手段が正常に装着されることなく両構成体がボックス化されるといった不都合の発生を抑えることができる。
また、このようにして形成された制御基板装置においては、規制部材固定手段の取り外しが、規制部によって妨げられる。故に、規制部材固定手段が不正に取り除かれるといった不都合を生じにくくすることができ、受け部材に対する不正行為の抑制に貢献することができる。
以上詳述したように規制部に規制部材固定手段の取り外し防止機能と誤組み付け防止機能とを付与することにより、当該規制部の多機能化を図ることができ、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、上述した手段2乃至手段19に示す技術的思想を本手段に適用してもよい。
以下に、本明細書の開示範囲において抽出可能な技術的思想を記載する。
(1).複数のボックス構成体(表側構成体101、裏側構成体102)により形成された基板ボックス(基板ボックス92)と、当該基板ボックス内に収容された制御基板(主制御基板91)と、を有する制御基板装置(主制御装置63)を備えた遊技機において、
前記複数のボックス構成体として第1構成体(裏側構成体102)と第2構成体(表側構成体101)とを備え、
前記第1構成体に設けられているとともに当該第1構成体よりも高強度に形成された受け部材(受け部材153)に対して離脱不可又は離脱困難な状態で固定具(結合具181)が固定されることにより、前記基板ボックスの内部空間が開放されないように前記第1構成体及び前記第2構成体を固定する固定手段(表側結合領域141、裏側結合領域151)を備え、
当該固定手段は、それぞれ個別に固定状態を構成する第1固定手段(1組の表側結合部142と裏側結合部176)及び第2固定手段(他の1組の表側結合部142と裏側結合部176)を有し、
前記受け部材は、少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段の両方に跨って設けられた部材であることを特徴とする遊技機。
(1)によれば、第1構成体よりも高強度の受け部材に対して固定具が固定されることで第1構成体と第2構成体との固定が行われるため、受け部材と固定具との固定箇所を破壊して当該固定を解除しようとしてもそれが行いづらくなる。この場合に、受け部材は、少なくとも第1固定手段及び第2固定手段の両方に跨って設けられた部材であるため、第1固定手段及び第2固定手段のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成に比べ、基板ボックスの形成作業を良好に行うことができる。また、第1固定手段及び第2固定手段のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成に比べ、受け部材に関して部材点数の削減を図ることが可能となる。また、本構成では、所定の領域に跨って高強度の受け部材が位置することとなり、基板ボックスを補強する効果や基板ボックスの周壁部を破壊して内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を抑制する効果を得ることも可能となる。
なお、「離脱不可又は離脱困難な状態で固定具が固定される」とは、受け部材に対して離脱不可又は離脱困難となった状態が保持されることをいい、遊びのない状態で固定具が配置されている構成又は遊びのある状態で固定具が配置されている構成のいずれであってもよい。
また、「前記第1構成体及び前記第2構成体を固定する」とは、第1構成体及び第2構成体の分離が規制されていることをいい、遊びのない状態で第1構成体及び第2構成体が組み合わされている構成又は遊びのある状態で第1構成体及び第2構成体が組み合わされている構成のいずれであってもよい。
また、固定手段とは別の固定手段を備えていてもよく、当該別の固定手段は第2構成体に設けられた受け部材に対して固定具が固定されることにより、前記基板ボックスの内部空間が開放されないように前記第1構成体及び前記第2構成体を固定する構成としてもよい。
(2).(1)において、前記基板ボックスは、前記制御基板の一方の板面と対向する側に配置される表面部(膨出部104等)と、前記制御基板の他方の板面と対向する側に配置される裏面部(平面部105等)と、これら表面部及び裏面部間に設けられ、前記基板ボックスの周面を規定するようにコーナー部分を通じて連結された複数の周面部(表側周縁部103、裏側周縁部106等)と、を備えており、
前記受け部材は、前記複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部(周面部のうち一の短辺部)における前記コーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられていることを特徴とする遊技機。
(2)によれば、基板ボックスにおける複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って、第1構成体よりも高強度の受け部材が設けられていることにより、所定の周面部を破壊して基板ボックスの内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。また、固定手段を構成する受け部材により当該不正行為の阻止を可能とする機能が果たされるため、受け部材の多機能化が図られる。
なお、(2)の構成を、「前記基板ボックスは正面視で多角形状に形成されており、前記受け部材は、前記所定の一辺の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている」としてもよい。
(3).(2)において、前記所定の周面部に、前記第1固定手段及び前記第2固定手段が設けられており、
前記受け部材は、前記所定の周面部の範囲内に設けられていることを特徴とする遊技機。
(3)によれば、受け部材は所定の周面部の範囲内に設けられているため、複数の周面部に亘って受け部材が設けられる構成に比べ、受け部材の構成の複雑化が抑えられる。
(4).(2)又は(3)において、前記受け部材は、相互に対向する一対の対向板部(対向板部164,165)により少なくとも一部が規定されて形成された一連の溝部(凹み空間161)を備えているとともに、当該溝部内において前記固定具を係止する係止部(係止部158)を少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段に対応させて備えており、前記受け部材に対する前記固定具の係止は前記溝部内において行われるものであり、
前記一対の対向板部は、少なくとも前記所定の周面部における前記コーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられていることを特徴とする遊技機。
(4)によれば、溝部内に複数の係止部が形成されており、固定具との係止は溝部内において行われる。つまり、固定具の係止箇所は、第1構成体よりも高強度の受け部材により規定された溝部内において行われる。よって、当該係止箇所の周囲を破壊して、係止状態を解除しようとしてもそれが行いづらくなり、かかる不正行為を阻止することが可能となる。また、一連の溝部内に少なくとも第1固定手段及び第2固定手段に対応した係止部を設けるという比較的簡素な構成により、少なくとも第1固定手段及び第2固定手段について上記優れた効果を得ることができる。
また、本構成においては、溝部を形成する一対の対向板部が、少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。したがって、一の板部が設けられた構成に比べ、所定の周面部の強度が高められ、当該所定の周面部を破壊して基板ボックスの内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。
(5).(1)乃至(3)のいずれか1において、前記受け部材は、一連の溝部(凹み空間161)を備えているとともに、当該溝部内において前記固定具を係止する係止部(係止部158)を少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段に対応させて備えており、前記受け部材に対する前記固定具の係止は前記溝部内において行われることを特徴とする遊技機。
(5)によれば、溝部内に複数の係止部が形成されており、固定具との係止は溝部内において行われる。つまり、固定具の係止箇所は、第1構成体よりも高強度の受け部材により規定された溝部内において行われる。よって、当該係止箇所の周囲を破壊して、係止状態を解除しようとしてもそれが行いづらくなり、かかる不正行為を阻止することが可能となる。また、一連の溝部内に少なくとも第1固定手段及び第2固定手段に対応した係止部を設けるという比較的簡素な構成により、少なくとも第1固定手段及び第2固定手段について上記優れた効果を得ることができる。
(6).(4)又は(5)において、前記第1固定手段及び前記第2固定手段はそれぞれ、前記第1構成体に設けられた第1構成体側固定部(裏側結合部176)と、前記第2構成体に設けられた第2構成体側固定部(表側結合部142)と、を備えており、対応する第1構成体側固定部及び第2構成体側固定部の組み合わせに対して前記固定具が挿通され、当該固定具が前記受け部材の前記係止部にて係止されることで前記第1構成体及び前記第2構成体が固定される構成であり、
前記第1構成体には、前記受け部材の溝部の入口を複数の開口(貫通孔部174)に区画し、少なくとも前記第1固定手段及び前記第2固定手段のそれぞれの前記第1構成体側固定部を形成するカバー部材(カバー部材154)が設けられていることを特徴とする遊技機。
(6)によれば、第1構成体よりも高強度の受け部材において溝部の入口を複数の開口に区画する部位が設けられていなくても、当該区画する機能がカバー部材により果たされる。これにより、受け部材の形状をシンプルなものとすることが可能となる。また、例えば受け部材を金属製とするとともにカバー部材を合成樹脂製とした場合、第1構成体側固定部において複雑な形状を有する部位については合成樹脂製のカバー部材を用いて形成するとともに、固定具を係止する部位については金属製の受け部材を用いて形成することで、第1固定手段及び第2固定手段の各第1構成体側固定部の一体的な形成を良好に行うことができる。
(7).(6)において、前記カバー部材は、前記第1構成体及び前記第2構成体を相互に組み付ける際に、前記第1構成体側固定部に対して対応する前記第2構成体側固定部が配置され、これら両固定部に前記固定具を挿通することが可能な状態となるように、前記第2構成体側固定部を所定の位置にガイドするガイド部(区画壁部175)を備えていることを特徴とする遊技機。
(7)によれば、カバー部材にガイド部が形成されていることにより、第1構成体側固定部への対応する第2構成体側固定部の配置を良好に行うことができる。また、本構成によれば、溝部の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材においてガイド部としての機能が果たされるため、カバー部材の多機能化が図られる。
(8).(6)又は(7)において、前記受け部材は、前記第1構成体に設けられた設置部(結合領域形成部152)に対してその外部から設置されているとともに、当該設置部に対して固定されており、
前記カバー部材は、少なくとも前記設置部に対する前記受け部材の固定箇所を覆うようにして設けられていることを特徴とする遊技機。
(8)によれば、受け部材は第1構成体に設けられた設置部に対してその外部から設置される構成である。つまり、受け部材は完成後の第1構成体に対して設置されるものである。第1構成体の形成に際して受け部材をインサート成型する構成も考えられるが、この場合、金型の複雑化等を招くこととなり好ましくない。これに対して、完成後の第1構成体に対して受け部材を設置する構成とすることにより、このような不都合の発生が抑えられる。
また、設置部に対する受け部材の固定箇所はカバー部材により覆われているため、完成後の第1構成体に受け部材を設置するようにした構成において、第1構成体に対する受け部材の固定状態を不正に解除しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。また、本構成によれば、溝部の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材において、設置部に対する受け部材の固定箇所を覆う機能が果たされるため、カバー部材の多機能化が図られる。
(9).(4)又は(5)において、前記受け部材は、前記第1構成体に設けられた設置部(結合領域形成部152)に対してその外部から設置されているとともに、当該設置部に対して固定されており、
少なくとも前記設置部に対する前記受け部材の固定箇所を覆うようにして設けられたカバー部材(カバー部材154)を備えていることを特徴とする遊技機。
(9)によれば、受け部材は第1構成体に設けられた設置部に対してその外部から設置される構成である。つまり、受け部材は完成後の第1構成体に対して設置されるものである。第1構成体の形成に際して受け部材をインサート成型する構成も考えられるが、この場合、金型の複雑化等を招くこととなり好ましくない。これに対して、完成後の第1構成体に対して受け部材を設置する構成とすることにより、このような不都合の発生が抑えられる。また、設置部に対する受け部材の固定箇所はカバー部材により覆われているため、完成後の第1構成体に受け部材を設置するようにした構成において、第1構成体に対する受け部材の固定状態を不正に解除しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。
(10).(6)乃至(9)のいずれか1において、前記カバー部材は前記第1構成体及び前記第2構成体に挟まれて設置箇所に固定されていることを特徴とする遊技機。
(10)によれば、カバー部材は第1構成体及び第2構成体に挟まれてその設置箇所に固定されるため、カバー部材を第1構成体に固定するための専用の固定具などを設けなくてもカバー部材の固定を行うことができる。よって、カバー部材の固定に関して、構成の簡素化を図りつつ、カバー部材の設置箇所への固定を行うことができる。
(11).(6)乃至(10)のいずれか1において、前記カバー部材は、少なくとも前記第1固定手段又は前記第2固定手段を固定状態とすることで、設置箇所に固定されることを特徴とする遊技機。
(11)によれば、カバー部材は第1固定手段又は第2固定手段を固定状態とすることで、その設置箇所に固定されるため、カバー部材を第1構成体に固定するための専用の固定具などを設けてなくてもカバー部材の固定を行うことができる。よって、カバー部材の固定に関して、構成の簡素化を図りつつ、カバー部材の設置箇所への固定を行うことができる。
なお、本手段のより具体的な構成としては、前記カバー部材は、前記固定具を用いた固定状態が維持されている場合には、当該カバー部材の設置箇所への固定状態が維持される構成とするとよい。
(12).(11)において、前記固定手段は、前記固定具を用いた固定状態を解除して前記第1構成体と前記第2構成体とを分離する場合よりも当該分離が行い易いように破壊し易く形成された解除部(例えば連結部145)を備えており、当該解除部が破壊されることで前記固定具を用いた固定状態を維持しながら前記第1構成体と前記第2構成体との分離を可能とするものであり、
前記解除部は、前記第1構成体において前記固定手段を構成する第1構成体側固定部及び前記第2構成体において前記固定手段を構成する第2構成体側固定部のうち第2構成体側固定部に対して設けられていることを特徴とする遊技機。
(12)によれば、解除部を破壊することで、固定具を用いた固定状態を維持しながら第1構成体と第2構成体との分離を可能とする構成であるため、固定具を用いた固定を強固に行うようにしつつ、第1構成体と第2構成体との分離に際してその痕跡を残すことが可能となる。
この場合に、解除部は第2構成体側固定部に対して設けられている。例えば、解除部が第1構成体側固定部に対して設けられている構成を想定すると、解除部を破壊しただけでは第1構成体と第2構成体との分離を行うことができず、さらに受け部材の破壊を要することが想定される。そうすると、第1構成体と第2構成体との分離操作を容易に行うことができない。これに対して、解除部が第1構成体側固定部に対して設けられているため、上記のような不都合が生じることはなく、第1構成体と第2構成体との分離操作を容易に行うことが可能となる。
また、解除部は第2構成体側固定部に対して設けられているため、例えば第1固定手段及び第2固定手段が固定状態となっていることに伴ってカバー部材の固定が行われている状況において、解除部を破壊して第1構成体と第2構成体とを分離させたとしても、固定具を用いた固定状態は維持され、それに伴ってカバー部材が固定された状態が維持される。よって、固定具を介したカバー部材の固定状態を良好に維持することができる。
(13).(11)において、前記固定手段は、前記固定具を用いた固定状態を解除して前記第1構成体と前記第2構成体とを分離する場合よりも当該分離が行い易いように破壊し易く形成された解除部(例えば連結部145)を備えており、当該解除部が破壊されることで前記固定具を用いた固定状態を維持しながら前記第1構成体と前記第2構成体との分離を可能とするものであり、
前記解除部は、前記第1構成体において前記固定手段を構成する第1構成体側固定部及び前記第2構成体において前記固定手段を構成する第2構成体側固定部のうち第2構成体側固定部に対して設けられているとともに、前記第1固定手段及び前記第2固定手段に対して個別に設けられていることを特徴とする遊技機。
(13)によれば、解除部を破壊することで、固定具を用いた固定状態を維持しながら第1構成体と第2構成体との分離を可能とする構成であるため、固定具を用いた固定を強固に行うようにしつつ、第1構成体と第2構成体との分離に際してその痕跡を残すことが可能となる。
この場合に、解除部は第2構成体側固定部に対して設けられている。例えば、解除部が第1構成体側固定部に対して設けられている構成を想定すると、解除部を破壊しただけでは第1構成体と第2構成体との分離を行うことができず、さらに受け部材の破壊を要することが想定される。そうすると、第1構成体と第2構成体との分離操作を容易に行うことができない。これに対して、解除部が第1構成体側固定部に対して設けられているため、上記のような不都合が生じることはなく、第1構成体と第2構成体との分離操作を容易に行うことが可能となる。
また、解除部は第2構成体側固定部に対して設けられているとともに、第1固定手段及び第2固定手段に対して個別に設けられている。これにより、例えば第1固定手段が固定状態となっていることに伴ってカバー部材の固定が行われている状況において、当該第1固定手段に対応した解除部を破壊して第1構成体と第2構成体とを分離させたとしても、第1固定手段について固定具を用いた固定状態は維持され、それに伴ってカバー部材が固定された状態が維持される。よって、固定具を介したカバー部材の固定状態を良好に維持することができる。
(14).(10)乃至(13)のいずれか1において、前記第2構成体に前記制御基板が固定されており、
前記カバー部材には、前記基板ボックスの内部空間に入り込むように設けられ、前記制御基板及び前記第1構成体により挟持される被挟持部(受け板部185)が形成されていることを特徴とする遊技機。
(14)によれば、カバー部材は制御基板及び第1構成体により挟持される入り込み部を有しているため、カバー部材について専用の固定具を設けなくても、カバー部材を安定した状態で設置箇所に保持させることができる。
なお、以下の各項における特徴的な構成を上記(1)乃至(14)の構成に代えて適用してもよく、上記(1)乃至(14)の構成に対して加えてもよい。
(15).複数のボックス構成体(表側構成体101、裏側構成体102)により形成された基板ボックス(基板ボックス92)と、当該基板ボックスの内部空間に収容された制御基板(主制御基板91)と、を有する制御基板装置(主制御装置63)を備え、
前記複数のボックス構成体として、前記制御基板を挟んで対向する領域(膨出部104、平面部105)を有するとともに前記基板ボックスの周縁において境界が生じるように組み合わされた第1構成体(裏側構成体102)と第2構成体(表側構成体101)とを備え、
前記第1構成体及び前記第2構成体のうち一方には、他方の構成体に向けて突出するように形成されるとともに、その少なくとも一部において係止部(フック部111)が形成された第1周壁部(表側周縁部103)が設けられており、
前記第1構成体及び前記第2構成体のうち他方には、前記係止部と係止状態となることで、前記境界を広げる方向への前記第1構成体及び前記第2構成体の分離を規制する係止受け部(受け部128)が形成された第2周壁部(裏側周縁部106)が設けられており、
前記第1周壁部における前記基板ボックスの内側の面において前記基板ボックスの内部空間を規定する周面の一部が構成されていることを特徴とする遊技機。
(15)によれば、係止部と係止受け部とが係止状態となることで、第1構成体と第2構成体との境界を広げようとしても、それが物理的に抑制される。これにより、当該不正行為を好適に抑制することが可能となる。
この場合に、第1周壁部の内側の面において基板ボックスの内部空間を規定する周面の一部が構成されている。例えば、第2周壁部を基板ボックスの内部空間側において第1周壁部の全体と重なり合うように設ける構成が考えられるが、そうすると基板ボックスの内部空間がそれだけ縮小され、上記構成と同じ程度の内部空間を確保しようとすると、上記構成よりも基板ボックスを大型化する必要がある。これに対して本構成によれば、基板ボックスの小型化を図りつつ、上記不正行為を抑制することが可能となる。
なお、前記係止部を前記第1周壁部に沿って複数並設するとともに、前記係止受け部を前記係止部に対応させて前記第2周壁部に沿って複数並設するようにしてもよい。この場合、第1構成体と第2構成体との境界を広げようとする行為をより強固に抑制することが可能となる。
(16).(15)において、前記第1周壁部は、当該第1周壁部に沿って形成された突条部(枠部112)を備えているとともに、当該突条部から前記他方の構成体に向けて突出するように前記係止部が形成されており、
前記第2周壁部は、前記一方の構成体に向けて突出するとともに、前記突条部に沿うようにして形成され、さらに前記係止部と前記係止受け部との係止箇所を前記基板ボックスの内部空間側及び前記基板ボックスの外側において囲む囲み部(周壁部122,123、台座部124,125)を有しており、
前記係止部が前記囲み部内に挿通された状態において、前記突条部の少なくとも前記係止部側とは反対側が前記囲み部の外方に位置しており、
前記突条部における前記基板ボックスの内側の面及び前記囲み部における前記基板ボックスの内側の面により、前記基板ボックスの内部空間を規定する周面の一部が構成されていることを特徴とする遊技機。
(16)によれば、係止部と係止受け部との係止箇所を基板ボックスの内部空間側及び基板ボックスの外側において囲む囲み部が設けられていることにより、係止部と係止受け部との係止状態を不正に解除しようとする行為がそれだけ行いづらくなり、当該不正行為を阻止することが可能となる。この場合に、突条部の内側の面及び囲み部の内側の面により、基板ボックスの内部空間を規定する周面の一部が構成されているため、上記のように係止部と係止受け部との係止状態を不正に解除しようとする行為を阻止可能とした構成において、基板ボックスの小型化が図られる。
(17).(16)において、前記突条部におけるその突出方向の先端部は、前記囲み部における前記係止部の挿入口が形成された部位(台座部124,125)と重なっていることを特徴とする遊技機。
上記(16)を備え、突条部の内側の面により基板ボックスの内部空間を規定する周面の一部を構成するようにした場合、突条部と囲み部との間から基板ボックスの内部空間にリード線などの不正用治具が挿入されてしまうことが想定される。これに対して、突条部におけるその突出方向の先端部は囲み部における係止部の挿入口が形成された部位と重なっているため、突条部と囲み部との間から基板ボックスの内部空間に不正用治具を挿入しようとする行為を阻止することが可能となる。
(18).(17)において、前記囲み部における外側の壁部(周壁部122,123)は、前記突出部の先端部と前記囲み部の前記挿入口が形成された部位との境界を、前記突条部よりも基板ボックス外側において跨ぐように前記一方の構成体に向けて延出させて形成されていることを特徴とする遊技機。
(18)によれば、突条部の先端部と囲み部の挿入口が形成された部位との境界は、囲み部における外側の壁部により塞がれるため、当該境界を通じて基板ボックスの内部空間に不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなる。
(19).(16)乃至(18)のいずれか1において、前記突条部の内側の面に対して前記囲み部の内側の面は、前記基板ボックスの内部空間側に位置しており、
前記制御基板はその周縁部の一部が、前記突条部の内側の面と前記囲み部の内側の面との間の段差領域内に入り込むように配置されていることを特徴とする遊技機。
(19)によれば、突条部の内側の面と囲み部の内側の面との間の段差領域内に制御基板の周縁部の一部が入り込んでいるため、当該領域を有効活用することができる。
(20).(15)乃至(19)のいずれか1において、前記第1構成体における前記対向する領域は前記制御基板の一方の板面と対向しているとともに、前記第2構成体における前記対向する領域は前記制御基板の他方の板面と対向しており、
これら第1構成体及び第2構成体を組み合わせることにより、前記基板ボックスは相互に対向する一対の周縁部を備えており、
前記第1周壁部及び前記第2周壁部の組み合わせは、前記一対の周縁部の両方に対して設けられていることを特徴とする遊技機。
(20)によれば、一対の周縁部の両方において、第1構成体と第2構成体との境界を広げようとする行為を行いづらくすることが可能となる。また、このように一対の周縁部において係止部と係止受け部とが設けられた構成においてはそれだけ基板ボックスの大型化が懸念されるが、当該一対の周縁部の両方において、第1周壁部の内側の面が基板ボックスの内部空間を規定する周面の一部を構成しているため、基板ボックスの小型化を図ることが可能となる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の斜視図、図8は主制御装置63の正面図、図9は主制御装置63の分解斜視図である。
主制御装置63は、図9に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92の内部空間に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91には、コンデンサや抵抗などの各種素子や、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子は全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面96となっており、他方の板面が半田面となっている。なお、半田面とは、素子搭載面96に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)101と裏側構成体(ボックスベース)102とを備えている。これら表側構成体101及び裏側構成体102は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面96及び半田面を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体101及び裏側構成体102が組み合わされることにより、図7及び図8に示すように、基板ボックス92は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体101は、図9に示すように、当該表側構成体101の周縁を規定する表側周縁部103と、当該表側周縁部103から一方に膨出するようにして形成された膨出部104とが一体形成されてなる。これら表側周縁部103と膨出部104とにより、表側構成体101は膨出部104の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。
表側構成体101にはその背面側から主制御基板91がネジ固定されている(着脱可能な状態で固定されている)。なお、表側構成体101への主制御基板91のネジ固定は、主制御基板91の半田面側から行われており、主制御基板91の素子搭載面96に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体101との間の領域内に収容されている。
主制御基板91が一体化された表側構成体101に対して、裏側構成体102が固定されている。裏側構成体102は、図9に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部105と、当該平面部105の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部106とが一体形成されてなる。
表側構成体101に対してその裏面側から裏側構成体102を固定することにより、表側構成体101の表側周縁部103と裏側構成体102の裏側周縁部106とが重なり、膨出部104の裏面側への開放部分が裏側構成体102の平面部105により閉塞される。この場合、主制御基板91の半田面は、裏側構成体102により覆われている。つまり、主制御基板91の素子搭載面96はその全体が表側構成体101と対向しており、主制御基板91の半田面はその全体が裏側構成体102と対向している。上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体101の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。両構成体101,102の固定に関する構成としては、両構成体101,102の相互の位置ずれを特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への位置ずれを防止するように両構成体101,102を相互に固定する固定手段と、を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。なお、以下の規制手段の説明では、図9だけでなく図10も適宜参照する。図10(a)は主制御装置63の一部を拡大して示す側面図、図10(b)は図10(a)のA―A線断面図である。
図9に示すように、規制手段として、表側構成体101には、フック部(係止部又は表側規制部)111が一体形成されている。フック部111は複数設けられており、これらフック部111は表側周縁部103の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部111は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部111は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
フック部111の形状について詳細に説明する。表側構成体101の表側周縁部103は、当該表側周縁部103に沿って矩形枠状に形成された枠部112を備えている。枠部112は表側周縁部103において膨出部104に連続するベース部110から裏側構成体102側に起立させて形成されている。この場合、枠部112におけるベース部110からの突出寸法(高さ寸法)は、主制御基板91の厚み寸法と同一となっている。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくしてもよい。
枠部112において一の長辺部を構成する上枠部(一の枠部)113に複数のフック部111が形成されているとともに、当該上枠部113と対向した位置にて一の長辺部を構成する下枠部(他の枠部)114にも複数のフック部111が形成されている。この場合、各フック部111の内側の面は形成元の枠部112における内側の面と同一平面上に位置しているとともに、各フック部111の外側の面は形成元の枠部112における外側の面と同一平面上に位置している。
フック部111は枠部112を基端として形成されており、自由端側が表側構成体101の一方の短辺部側、具体的には、右縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。つまり、フック部111は枠部112から裏側構成体102に向けて起立した起立部115と、起立部115から表側構成体101の側縁に向けて延びる延出部116とが一体形成されてなる。
延出部116は起立部115の高さ寸法分、枠部112から離間されており、延出部116と枠部112との間には係止用溝117が形成されている。当該係止用溝117は延出部116に沿って形成されており、延出部116の自由端側において開放されている。
フック部111に対応させて裏側構成体102には、係止受け(裏側規制部)121が一体形成されている。係止受け121の形状について詳細に説明する。裏側構成体102の裏側周縁部106には、表側構成体101の上枠部113と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の上側周壁部122が一体形成されているとともに、表側構成体101の下枠部114と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の下側周壁部123が一体形成されている。これら上側周壁部122及び下側周壁部123は表側構成体101に向けて起立している。上側周壁部122及び下側周壁部123はそれぞれ、裏側構成体102の周面(上面及び下面)を構成しているとともに、基板ボックス92の周面(上面及び下面)を構成している。
裏側周縁部106には、上側周壁部122及び下側周壁部123にそれぞれ一体形成された上側台座部124及び下側台座部125を備えている。ここで、上側台座部124及び下側台座部125は共に同一の構成を有しており、さらに規制手段について基板ボックス92の上側と下側とで基本的に構成は同一となっているため、下側の構成を例にとって以下説明する。
下側台座部125は、図9に示すように、下側周壁部123の内側の壁面から裏側構成体102の平面部105側に突出させて形成されており、下側周壁部123及び平面部105の両方に対して一体化されている。下側台座部125は下側周壁部123の長さ方向(長手方向)の全体又は略全体に亘って形成されている。
下側台座部125は、表側構成体101に向けて起立している。但し、その高さ寸法(基板ボックス92の厚み方向の寸法)は、下側周壁部123の高さ寸法よりも小さく設定されている。この点、裏側構成体102は、その長辺側の縁部において下側周壁部123と下側台座部125とにより段差状となっていると言える。
下側台座部125には、フック部111と1対1で対応させて係止受け121が形成されている。つまり、係止受け121は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されている。但し、フック部111と1対1で対応しているのであれば、その具体的な数は任意である。各係止受け121は全て同一の形状及び大きさを有している。
係止受け121は、下側台座部125をその高さ方向、すなわち裏側構成体102の厚み方向に貫通するスリットとして構成されている。詳細には、係止受け121は、裏側構成体102において上記のとおり周面を構成する下側周壁部123と、下側台座部125において平面部105との境界部分を構成する内側壁部126と、これら下側周壁部123及び内側壁部126を連結するようにして形成された連結壁部127とにより周囲が規定されており、裏側構成体102の厚み方向(基板ボックス92の厚み方向)に貫通している。
ちなみに、連結壁部127は、隣り合う係止受け121を区画する機能も有しているとともに、下側台座部125において表側構成体101(表側構成体101の枠部112)と対向する対向面を構成している。また、内側壁部126は係止受け121側からの基板ボックス92内への侵入経路を遮断するように形成されているとともに、内側壁部126は基板ボックス92の内部空間の周面を構成している。
係止受け121の幅寸法、すなわち下側周壁部123と内側壁部126との間の距離は、フック部111の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。また、係止受け121の長さ寸法、すなわち対向する連結壁部127間の距離は、延出部116の長さ寸法よりも大きく設定されている。
係止受け121は、図10(a)に示すように、一方の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する受け部128を備えている。この受け部128が形成された側の連結壁部127は、一の係止受け121における両連結壁部127のうち、フック部111の自由端側に対応した側となっている。
受け部128は、係止受け121において表側構成体101側の端部に形成されている。また、受け部128は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、係止受け121において受け部128が形成されていない側の連結壁部127から受け部128までの距離は、フック部111の延出部116が延びる方向の長さ寸法よりも大きくなっている。これにより、上記のように受け部128が形成された構成において、裏側構成体102の表側からフック部111を係止受け121内に挿入可能となっている。受け部128は、上記フック部111の係止用溝117内に入り込み可能な厚み寸法に設定されている。
なお、係止受け121は、受け部128とは逆側の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する閉塞部129を備えている。但し、閉塞部129は係止受け121において受け部128が形成された側とは反対側の端部に形成されている。また、閉塞部129は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。
表側構成体101と裏側構成体102とが一体化された状態では、図10(a)及び図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入されおてり、図10(a)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込んでいる。そして、受け部128は、枠部112に当接しているとともに、フック部111の延出部116に当接している。
この場合、表側構成体101と裏側構成体102とを、係止用溝117に対する受け部128の入り込み方向に移動させて分離させようとしても、表側構成体101の起立部115に受け部128が当接することで規制される。また、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させようとしても、フック部111と受け部128との当接により規制される。また、図10(b)に示すように、フック部111は係止受け121を構成する下側周壁部123及び内側壁部126の両方に挟まれた状態となっている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102とを上下方向に移動させて分離させようとしても、フック部111が下側周壁部123又は内側壁部126のいずれかに当接することで規制される。つまり、フック部111及び係止受け121により、表側構成体101と裏側構成体とを分離させる際の方向が、係止用溝117から受け部128を抜き取る方向、すなわち基板ボックス92の一方の短辺側に規制されている。
特に、フック部111と係止受け121との組み合わせは、基板ボックス92の両長辺部においてそれぞれ複数組設けられており、さらにはこれらの組み合わせは、各長辺部においてその長さ方向の略全体に亘って分散させた位置にて行われている。したがって、上記規制は強固に行われている。
図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入され、且つ係止用溝117内に受け部128が入り込んだ規制状態では、表側構成体101の下枠部114が裏側構成体102の下側台座部125と基板ボックス92の厚み方向に重なり合っている。この場合、下側台座部125の全体に亘って下枠部114が重なり合っており、これら下側台座部125と下枠部114とにより基板ボックス92の長辺部において当該基板ボックス92の内部空間の周面の一部が構成されている。
下枠部114は、上記のとおり表側周縁部103のベース部110から裏側構成体102側に起立させて設けられている。また、下側台座部125は上記のとおりスリット状の係止受け121を構成する部位であり、それに伴って下枠部114よりも肉厚に形成されている。さらには、下枠部114は、下側台座部125上において下側周壁部123と接するように当該下側周壁部123側に偏倚した位置に配置されている。したがって、図10(b)に示すように、下枠部114へと続くベース部110と下側台座部125との間には所定の隙間が形成されており、当該隙間には主制御基板91の周縁部の一部が入り込んでいる。
裏側構成体102の下側周壁部123は、上記のとおり下側台座部125よりも表側構成体101側に突出しており、当該突出した部位が下枠部114の外側の側面に対して外方から重なり合っている。また、下側周壁部123はその起立した先端側の端面が表側周縁部103におけるベース部110の表面と面一となっている。つまり、下側周壁部123は表側周縁部103における一長辺部の外側周面の全体と重なり合っている。当該構成であることにより、表側構成体101と裏側構成体102との長辺部における境界は、図8に示すように、線状となっている。
また、当該境界は、図10(b)に示すように、表側周縁部103のベース部110よりも外側にある。当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具を挿入しようとしても、上記のとおり下枠部114と下側台座部125とがその全体に亘って重なり合っているため、それが阻止される。さらには、上記のとおりフック部111と係止受け121とによる規制は強固に行われているため、下枠部114と下側台座部125とを離間させようとしてもそれが強固に阻止される。
ここで、上記のようにフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。当該構成について、図11を用いて、基板ボックス92の体格が大きくなってしまう構成と比較しながら説明する。図11(a)は本パチンコ機10における基板ボックス92の規制箇所を示す断面図であり、図11(b)は比較対象の基板ボックス131の規制箇所を示す断面図である。
本パチンコ機10の基板ボックス92では上記のとおりフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、図11(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間の縁部から基板ボックス92の周面までの距離はX1となっている。
これに対して、比較対象の基板ボックス131では、図11(b)に示すように、フック部132と係止受け133とが、上記基板ボックス92とは逆の関係で、表側構成体134及び裏側構成体135に形成されている。つまり、裏側構成体135にフック部132が形成されており、表側構成体134に係止受け133が形成されている。また、上記基板ボックス92ではフック部111が設けられた表側構成体101の縁部において基板ボックス92における内部空間の周面の一部を構成していたが、本基板ボックス131ではフック部132が設けられた裏側構成体135の縁部は内部空間の周面の一部を構成していない。したがって、基板ボックス131の内部空間の縁部から基板ボックス131の周面までの距離はX2となっており、上記基板ボックス92における対応箇所の距離X1よりもX3だけ長くなっている。
以上より、本パチンコ機10における基板ボックス92によれば、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。パチンコ機10では、図柄表示装置41の表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を行うことが好ましい。しかしながら、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を図ろうとすると、パチンコ機10の背面側において電気機器を搭載するスペースに制限が生じてしまう。これに対して、上記のとおり基板ボックス92の小型化を図ることで、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を良好に実現することができる。
次に、上記規制手段による表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業について図12を用いて説明する。図12(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業を説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とを相互に固定する場合、図12(a)の状態から図12(b)の状態となるように、先ず裏側構成体102の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入する。この場合、フック部111の自由端が、挿入された係止受け121内の受け部128側を向いている。また、この状態では、表側構成体101と裏側構成体102とは完全に重なり合っておらず、左右方向にずれた状態となっている。
その後、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させることにより、図12(c)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込む。これにより、係止用溝117に対する受け部128の抜け方向にのみ移動可能なように表側構成体101及び裏側構成体102の移動方向が規制される。そして、当該状態において固定手段による固定を行うことで、規制手段により規制された移動方向への移動も行うことが不可となり、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定される。
次に、固定手段について説明する。
図8及び図9に示すように、表側構成体101における一方の短辺部には、表側結合領域141が一体形成されている。表側結合領域141は、当該短辺部において膨出部104から側方に延出させて形成されている。表側結合領域141には複数(具体的には、4個)の表側結合部142,143が設けられており、各表側結合部142,143には基板ボックス92の厚み方向に貫通する貫通孔部144が形成されている。なお、本実施の形態においては、主制御装置63を製造する際に使用される表側結合部と、主制御装置63を開放した後、両構成体101,102を再ボックス化する場合に使用される表側結合部との2種類の異なる表側結合部を備えている。以下、説明の便宜上、前者を「第1表側結合部142」と称し、後者を「第2表側結合部143」と称することとする。
各表側結合部142,143は、前記短辺部に沿って並設されている。より具体的には、短辺部に沿い離間して配置された2つの第1表側結合部142の間に、2つの第2表側結合部143が配置されている。また、各第1表側結合部142は第1連結部145を介して膨出部104と連結されているとともに、第2連結部146を介して隣り合う第2表側結合部143と連結されている。この場合、各連結部145,146の周囲には、ニッパやカッタ等の工具を差込可能な空間が確保されており、第1表側結合部142を破壊するよりも上記工具により切断し易くなっている。なお、上述した第2連結部146を省略することも可能である。因みに、第1表側結合部142及び第2表側結合部143の相違点についての詳細は後述する。
表側結合領域141に対応させて、裏側構成体102の裏側周縁部106には裏側結合領域151が設けられている(図13等参照)。ここで、本基板ボックス92では、裏側結合領域151が特徴的な構成となっている。そこで以下に、裏側結合領域151の特徴的な構成を重点的に説明しつつ、上記結合に関する構成を説明する。
先ず、裏側結合領域151の構成を、図9に加え図13〜図15を用いて説明する。図13は裏側結合領域151の断面図、図14は裏側結合領域151を構成する受け部材153の一部破断領域を含む斜視図、図15(a)は裏側結合領域151を構成するカバー部材154の正面図、図15(b)はカバー部材154を裏側から見た斜視図である。
裏側結合領域151は、図9及び図13に示すように、裏側構成体102の裏側周縁部106に一体形成された結合領域形成部152と、当該結合領域形成部152に組み付けられる受け部材(受け金具)153及びカバー部材154と、を備えている。
結合領域形成部152は、裏側構成体102の裏側周縁部106における一方の短辺部において、全体又は略全体に亘って形成されている。結合領域形成部152には、図13に示すように、表側構成体101側に向けて開放された溝部155が形成されている。溝部155は、結合領域形成部152の全体に亘って形成されている。
結合領域形成部152には、溝部155内に挿入された状態で受け部材153が固定されている。受け部材153は、少なくとも裏側構成体102の壁部よりも高強度な(硬質な)金属板を図14に示すように、複数箇所で折り曲げることにより形成されており、結合領域形成部152の溝部155と同一又は略同一の長さ寸法を有している。なお、受け部材153を、金属板を折り曲げることにより形成するのではなく、複数の金属板を溶接することにより形成してもよい。
受け部材153は、溝部155の周面に沿うようにして凹み空間161を有するように形成された受けベース部162と、当該受けベース部162に対して一体形成された引っ掛け板部163と、を備えている。この場合、受けベース部162は相互に対向する対向板部164,165と、これら対向板部164,165を一端において連結する連結板部166と、を備えており、これら各板部164,165,166により、凹み空間161が形成されている。また、引っ掛け板部163も板状であり、一部の板部は内側の対向板部164と対向している。
受け部材153は、受けベース部162の外周面が溝部155の内周面と重なるように、結合領域形成部152に設置されている。この場合、引っ掛け板部163は、結合領域形成部152において溝部155を形成する壁部のうち内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となっている。また、図9及び図14に示すように、受けベース部162の対向板部164,165のうち、外側の対向板部165には係止用凹部167が複数箇所に形成されており、これに対応させて、図9に示すように、結合領域形成部152において溝部155を区画する壁部のうち外側溝壁部157には、係止部158が一体形成されている。係止部158は係止用凹部167に1対1で対応させて複数箇所に形成されている。
受け部材153を結合領域形成部152に設置した状態では、係止用凹部167が係止部158により係止され、結合領域形成部152に対して受け部材153が固定されている。受け部材153が結合領域形成部152に固定された状態においては、受けベース部162における凹み空間161は表側構成体101に向けて開放されており、受けベース部162は溝部155内の略全体に亘って位置している。
つまり、図8に示すように、受け部材153は基板ボックス92における一の短辺部の略全体に亘って位置している。換言すれば、受け部材153は基板ボックス92の複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。さらに換言すれば、基板ボックス92は正面視で多角形状(四角形状)に形成されており、受け部材153は所定の一辺部の当該辺部が延びる方向の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。
受け部材153の対向板部164,165のうち、内側の対向板部164には、図13に示すように、凹み空間161側に突出するように係止片168が設けられている。係止片168は、図14の破断部分に示すように、内側の対向板部164を切除しない範囲で切断を行い、切断によって板バネ状となった箇所を凹み空間161側に曲げることにより形成されている。この場合、係止片168の自由端は、受けベース部162の連結板部166側、すなわち凹み空間161の奥側を向いている。係止片168は、等間隔で複数形成されており、この数は表側結合領域141に形成された表側結合部142,143の数と同数となっているとともに、表側結合部142,143の位置に対応させて形成されている。
上記のように受け部材153が固定された結合領域形成部152に対してカバー部材154が設置されている。カバー部材154は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。カバー部材154は、結合領域形成部152と同一又は略同一の長さ寸法を有しており、結合領域形成部152及び受け部材153の全体又は略全体を覆う機能を有しているとともに、受け部材153が固定された結合領域形成部152を表側結合部142,143と同数の裏側結合部176に区画するための機能を有している。
具体的には、カバー部材154は、図13に示すように、第1カバー板部172と、当該第1カバー板部172に対して直交する第2カバー板部173と、を有するカバーベース部171を備えている。カバー部材154を結合領域形成部152に設置した場合には、第1カバー板部172は結合領域形成部152の対向する溝壁部156,157及び結合領域形成部152に固定された受け部材153に対して、受け部材153の凹み空間161の開放側から重なり合っており、第2カバー板部173は結合領域形成部152における外側溝壁部157の外側周面の全体に対して外方から重なり合っている。
第1カバー板部172には、図15(a)に示すように、その長さ方向に等間隔で複数の貫通孔部174が形成されている。当該貫通孔部174が形成されていることにより、受け部材153の凹み空間161は第1カバー部材154により完全に閉塞されておらず、貫通孔部174の位置にて表側構成体101側に向けて開放されている。
貫通孔部174は、受け部材153の係止片168と1対1で対応しており、図13に示すように、一の貫通孔部174と基板ボックス92の厚み方向に並ぶ位置に一の係止片168が位置している。また、貫通孔部174は、表側結合部142,143と1対1で対応している。
第1カバー板部172の表面側には、図15(a),(b)に示すように、当該第1カバー板部172の表面側において各貫通孔部174が形成された領域を個別に区画するようにして区画壁部175が一体形成されている。そして、区画壁部175により区画された各領域によって裏側結合部176が構成されている。各裏側結合部176は、表側構成体101に向けて開放されているとともに、裏側構成体102において裏側結合領域151が形成された側の短辺部と対向する短辺部に向けて開放されている。各裏側結合部176は対応する表側結合部142,143を収容可能な大きさを有しており、各裏側結合部176に対応する各表側結合部142,143が収容された状態では、各表側結合部142,143の貫通孔部144と各裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。
なお、図15(b)に示すように、第1カバー板部172の裏面側には、複数箇所に位置決め用突起177が形成されており、カバー部材154を設置する場合にはこれら位置決め用突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むようにすることで、設置箇所の位置決めを容易に行うことができる。また、当該突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むことで、カバー部材154をその設置箇所から離脱させる際の離脱方向が規制される。換言すれば、凹み空間161が開放されている方向、すなわち裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制される。
ここで、カバー部材154の固定に関する構成について、図9,図14,図15に加え図16(a)を用いて説明する。図16(a)は図8のB−B線部分断面図である。
図9等に示すように、第1カバー板部172の中央には、その第1カバー板部172から表側構成体101側に起立する円筒部178が一体成形されている。第1カバー板部172には、円筒部178の孔部178aに連通し、当該円筒部178の軸線方向と同一方向に延びる丸孔179が形成されている。より詳しくは、孔部178aと丸孔179とは段差状に連続しており、その孔径は丸孔179において減縮されている。
また、図9及び図14に示すように受け部材153には丸孔179と連通する連通孔169が形成されており、これら孔部178aと丸孔179と連通孔169とには表側構成体101側から破断ネジ170が挿通されている。裏側構成体102には、この破断ネジ170がねじ込まれる取付穴部159が形成されており、その取付穴部159に対して破断ネジ170が螺着されることによって、裏側構成体102と受け部材153とカバー部材154とが一体化されている。
なお、破断ネジ170とは、装着作業と取り外し作業とを比較した場合、後者の方が困難となるものであり、一旦装着された後には、固定対象及び自身の少なくともいずれかの破壊を伴うことなくその取り外しが不可とされるものである。より具体的に説明すれば、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部170aと、ネジ溝が形成された側との連結部分170bの強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部170aに対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分170bが切断され、頭部170aが分離されるものである。つまり、破断ネジ170は、螺着後において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。なお、裏側構成体102に螺着されている破断ネジ170は螺着後においてその頭部170aが分離されている。
因みに、螺着後において裏側構成体102とカバー部材154との結合を緩めることができないようにすることができるのであれば、裏側構成体102とカバー部材154とを結合する固定具は破断ネジ170に限定されることはなく周知のワンウェイネジであってもよい。
図16に示すように、破断ネジ170の連結部分170bは、円筒部178の孔部178a内に収容されている。すなわち、連結部分170bは円筒部178によって囲われた状態となっている。このように連結部分170bを囲う機能に着目すれば円筒部178を「囲い部」と称することも可能であり、連結部分170bをその内部に収容する機能に着目すれば「収容部」と称することも可能である。
ここで、破断ネジ170と円筒部178との関係について詳細に説明する。円筒部178の起立量X5は、第1カバー板部172からの破断ネジ170(詳しくは連結部分170b)の突出量X6よりも大きく設定されており、当該円筒部178によって、破断ネジ170が主制御装置63の側方へ露出することを回避している。
また、両構成体101,102が相互に組み合わせられた状態においては、丸孔179の中心軸線上に表側構成体101が位置している。この表側構成体101によって、破断ネジ170へのアクセスが妨げられている。具体的には、図16に示すように、表側構成体101の表側結合領域141には、円筒部178の開放部分を塞ぐ遮蔽部180が一体成形されている。遮蔽部180は、円筒部178にほぼ接した(近接した)状態となっており、前記円筒部178とともに、前記破断ネジ170の連結部分170bを収容する閉空間を区画形成している。遮蔽部180は、基板ボックス92の長手方向、すなわち前記規制手段による規制方向と反対側に延びる板状をなしており、両構成体101,102が組み合わされる際の円筒部178との引っ掛かりが回避されている。なお、遮蔽部180と円筒部178とが接する(当接する)構成とすることも可能である。
更には、円筒部178の起立量X5は、破断ネジ170の頭部170aが残存している状態における当該破断ネジ170の第1カバー板部172からの突出量X7よりも小さく設定されている。このため、破断ネジ170の頭部170aが分離されていない状態にて、すなわち破断ネジ170の取り外しが規制されていない状態にて、両構成体101,102を組み合わせようとした場合には、破断ネジ170の頭部170aと遮蔽部180とが当接し、所定の組み受け位置への移動が妨げられることとなる。すなわち、遮蔽部180は、上記破断ネジ170の露出を抑える遮蔽機能に加え、破断ネジ170における頭部170aの取り忘れ防止機能を併せ有している。
また、図16(b)に示すように、両構成体101,102を組み合わせた状態、詳しくは図12(b)に示すように両構成体101,102が組み合わされているものの未だ相互に位置ずれした状態においては、丸孔179の中心軸線(破断ネジ170の着脱経路)と遮蔽部180の一部とが重なっている。換言すれば、破断ネジ170を着脱する際の当該破断ネジ170の通過領域E1と遮蔽部180の一部とが、両構成体101,102の装着完了状態のみならず、少なくとも係止受け121に対してフック部111が引っ掛かった状態においては重なるように構成されている。このため、遮蔽部180による破断ネジ170の取り外し制限を解除するには、先ず両構成体101,102を分離する必要があり、両構成体101,102を規制手段による規制方向に若干位置ずれさせることにより破断ネジ170の不正な取り外しが容易化されるといった不都合は生じにくくなっている。
次に、裏側結合領域151を形成する上での作業の流れ及び両構成体101,102の組み合わせ作業の流れを、図16(a)及び図17を用いて説明する。図17(a)〜(c)は裏側結合領域151を形成する上での作業を説明するための説明図である。
図17(a)に示す裏側構成体102の結合領域形成部152に対して、図17(b)に示すように受け部材153を設置する。当該設置は、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155内に入り込むように、且つ受け部材153の引っ掛け板部163が結合領域形成部152の内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となるように行われる。
図17(b)に示すように、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155の内周面と重なった状態となることで、受けベース部162の係止用凹部167が結合領域形成部152の係止部158により係止された状態となる。なお、係止部158はその先端が溝部155内に突出しているが、当該係止部158は受けベース部162の溝部155への入り込みに際して当該入り込みを阻害しない位置へと弾性変形可能に形成されている。
その後、図17(c)に示すように、受け部材153が設置された結合領域形成部152にカバー部材154を設置する。この際、カバー部材154に位置決め用突起177が形成されていることにより、カバー部材154の設置を良好に行うことができる。また、カバー部材154を設置した場合には、当該カバー部材154により係止部158が外側から覆われる。さらに、溝部155の開放箇所における、係止部158と係止用凹部167との係止箇所を露出させる部位もカバー部材154により覆われる。これにより、係止部158と係止用凹部167との係止状態を不正に解除しようとしても、当該行為が行いづらくなる。
次に、カバー部材154の円筒部178(詳しくは孔部178a)に対して破断ネジ170を挿入する。そして、この破断ネジ170を丸孔179及び連通孔169に挿通させ、ドライバ等の工具を用いて破断ネジ170を取付穴部159にねじ込む。それ以上破断ネジ170を締めることができない位置までねじ込むことにより、カバー部材154が裏側構成体102に対して固定された状態となる。すなわち、カバー部材154と受け部材153と裏側構成体102とが一体化され、裏側結合領域151の形成が完了する。
このように、カバー部材154の固定がなされた状態にて、上記工具に更に所定の力を加えることにより、破断ネジ170の連結部分170bを切断する。これにより、破断ネジ170の頭部170aが分離され、当該頭部170aの取り外しが可能となる。そして、このように頭部170aの分離がなされることにより、破断ネジ170の取り外しが困難なものとなり、カバー部材154や受け部材153の裏側構成体102からの取り外しが規制される。
その後、図16(a)に示すように、両構成体101,102を所定の方向に相対移動させることによって両構成体101,102を組み合わせる。かかる場合、破断ネジ170の頭部170aが取り除かれていることによって、両構成体101,102、の組み付け完了位置への移動が許容される。詳しくは、破断ネジ170と表側構成体101の遮蔽部180との干渉が回避され上述した組み付け完了位置への移動が許容されることとなる。このようにして両構成体101,102の組み付けが完了した状態においては、破断ネジ170の取り外し軌道上に遮蔽部180が位置することとなる。より詳しくは、円筒部178の開口が遮蔽部180によって塞がれ、破断ネジ170(詳しくは連結部分170b)の露出が抑えられる。これにより、基板ボックス92の外部からの破断ネジ170へのアクセスが困難なものとなる。故に、破断ネジ170を不正に取り外そうとしても、当該行為が行いづらくなる。
ここで、カバー部材154の固定部位(丸孔179)と前記表側結合部142,143の相互の位置関係について説明する。図8等に示すように、カバー部材154の固定部位を挟んだ両側に第1表側結合部142が配置されている。より具体的には、カバー部材154の両短側に偏倚して第1表側結合部142が配置されている。そしてこれらカバー部材154の固定部位と第1表側結合部142との間には第2表側結合部143がそれぞれ配置されている。換言すれば、カバー部材154の固定部位は第1表側結合部142と第2表側結合部143とによって二重に挟まれた状態となっている。すなわち、固定部位と第1表側結合部142までの距離寸法は、固定部位と第2表側結合部143までの距離寸法よりも大きく設定されている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176との結合に関連する構成ついて説明する。上述の如く第1表側結合部142と第2表側結合部143との結合に関連する構成は一部相違している。故に、先ず図18(a)に基づき第1表側結合部142について詳細に説明し、その後、第1表側結合部142との相違点を踏まえて第2表側結合部143について説明する。図18(a)は基板ボックス92における第1表側結合部142と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
各裏側結合部176に対して対応する各第1表側結合部142が収容された状態では、上記のとおり、各第1表側結合部142の貫通孔部144と第1カバー板部172に形成された対応する貫通孔部174とが連通された状態となっている。これら連通された貫通孔部144,174に対して、図18(a)に示すように、第1表側結合部142側から、金属製の第1結合具(固定具)181が挿入されていることで、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合(固定)されている。
第1結合具181は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部181aと、ベース部181aの片側の端部に形成され当該ベース部181aと直交する操作部181bと、によって構成されている。ベース部181aにはその厚み方向に貫通する係止孔部181cが形成されており、第1結合具181を挿入することで当該係止孔部181c内に係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第1結合具181の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部181c内に係止片168が入り込んだ後は第1結合具181の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。第1結合具181を挿入する際には、操作部181bを指等で押すことにより、作業を容易に行うことができる。
操作部181bは、ベース部181aにおける表側結合部142側の端部に形成されており、装着された状態においては、その板面が第1表側結合部142の当接部142aに当接している。当接部142aは、操作部181bの板面と平行な略板状をなしている。これら操作部181bと当接部142aとが当接することで、操作部181bと裏側結合
部176との間に表側結合部142を挟み込んだ状態となっている。すなわち、両結合部142,176が結合された状態となっている。
また、表側結合領域141(詳しくは第1表側結合部142)には、当接部142aを囲って起立するとともに、操作部181bを内部に収容する第1周壁部142bが形成されている。換言すれば、第1周壁部142bによって操作部181bを収容する収容凹部182が形成されている。収容凹部182の内周は操作部181bの外周とほぼ同様となるように設定されており(図8参照)、操作部181bが収容凹部182に収容された後は、操作部181bを掴みづらくなっている。これにより、第1結合具181の不正な取り外しが抑制されている。
次に、第2表側結合部143及び当該第2表側結合部143に関連する構成について図18(b)に基づき説明する。図18(b)は基板ボックス92における第2表側結合部143と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
第2表側結合部143は、第1表側結合部142と同様に、当接部143a及び周壁部143bを備えている。また、第1結合具181と同様に、第2表側結合部143と裏側結合部176とを結合(固定)する第2結合具(固定具)183が設けられている。そして、周壁部143b及び膨出部104の壁面によって、第2結合具183を収容可能な収容凹部184が形成されており、第2結合具183が収容凹部184に嵌まり貫通孔部144,174に対して挿入されていることで、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合されている。
第2結合具183は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部183aと、ベース部183aの片側の端部に形成され当該ベース部183aと直交する操作部183bと、によって構成されている。ベース部183aにはその厚み方向に貫通する係止孔部183cが形成されており、第2結合具183を挿入することで当該係止孔部183c内に前記係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第2結合具183の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部183c内に係止片168が入り込んだ後は第2結合具183の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定されることとなる。
周壁部143bは、表側構成体101の膨出部104に対して連なっている。すなわち、第1表側結合部142とは異なり、表側構成体101からの離脱を容易とする(切断を容易とする)連結部145に相当する部位は設けられていない。故に、第2表側結合部143が結合された場合には、両構成体101,102の分離が不可能又は困難なものとなる。
収容凹部184の内部には、第2結合具183の挿入方向を所定の方向、具体的には貫通孔部144の軸線方向に規制する規制部143cが形成されている。規制部143cは、貫通孔部144の軸線方向に延びる複数(本実施の形態においては2つ)の柱状部よりなる。より詳しくは、規制部143cは貫通孔部144を挟んで周壁部143bと対峙しており、それら規制部143cと周壁部143bとの間隔寸法は、第2結合具183におけるベース部183aの板厚寸法とほぼ同等となっている。貫通孔部144に向けて挿入された第2結合具183は、そのベース部183aが規制部143cと周壁部143bとによって挟まれた領域に嵌まることで、その挿入方向が規制される。
操作部183bは、当該操作部183bにおける折り曲げ基端側から先端側までの最大長さ寸法が、その長さ方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その先端縁が周壁部143bに近接した状態となっている。また、操作部183bは、その最大幅寸法(長さ方向と直交する方向における幅寸法)その幅方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その幅方向における両側の縁部が周壁部143bに近接した状態となっている。このように各縁部を周壁部143bに対して近接させることで、操作部183bを掴みにくくしている。これにより、操作部183bの押し操作の容易さを維持しつつ、操作部183bの引き操作を困難なものとすることが可能となっている。なお、操作部183bにおける各縁部を周壁部143bに対して当接させてもよい。
また図8等に示すように、第2結合具183の操作部183bには、規制部143cに対応する切欠き部183dが形成されている。具体的には切り欠き部183dは、貫通孔部144の軸線方向にて操作部183bにおける前記規制部143cと対峙している部位が削除されてなる。このため、規制部143cによって規制された所定の方向に第2結合具183を押し込んだとしても、これら規制部143cによって第2結合具183の移動が妨げられることはなく、第2結合具183の操作部183bと第2表側結合部143の当接部143aとの接触が担保されている。
なお、規制部143cは周壁部143bに沿って配置されている。これにより、操作部183bの押し込み操作に伴い指が規制部143cに当たるといった不都合を生じにくくしている。すなわち、操作部183bの操作性の担保が図られている。
第2結合具183は、収容凹部184の内部において仮止め(係止)される構成、すなわち結合前の待機状態にて保持される構成となっている。以下、その具体的な構成について図9及び図19に基づき説明する。図19は図8のC−C線部分断面図である。
図19に示すように、収容凹部184の内部(詳しくは周壁部143b)には、内方に突出し前記係止孔部183cに引っ掛かる仮止め部としての係止爪部143dが形成されている。周壁部143bには、第2結合具183の挿入に基づいて係止爪部143dを含んだ部位の撓み変形(弾性変形)を可能とする構成体側可動部143eが形成されている(図9参照)。構成体側可動部143eは板バネとしての機能を有しており、自身が撓み変形(弾性変形)することによって、収容凹部184の内方への係止爪部143dの突出量が減少する構成となっている。
一方、区画壁部175には、当該区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域が他の部位と独立して変形(弾性変形)できるようにカバー側可動部175aが形成されている。具体的には、カバー側可動部175aは、区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域を挟んだ両側に切り込みが形成されており、この切り込みによって区画壁部175の周辺部位に対して独立して変形可能となっている。
収容凹部184内に第2結合具183を挿入した際には、係止爪部143dと第2結合具183のベース部183aとが接触する。第2結合具183の押し込み操作に基づいて、構成体側可動部143eが撓み変形(弾性変形)し、これに伴ってカバー側可動部175aも撓み変形(弾性変形)する。すなわち、両可動部143e,175aが一体となって撓む。これにより、係止爪部143dの突出量が減少し、第2結合具183の挿入が許容される。詳しくは、係止爪部143dがベース部183aの板面上に乗り上げた状態となり、第2結合具183の移動に伴って係止爪部143dがベース部183aの板面上を摺動する。かかる状態においては、両可動部143e,175aの弾性力により、係止爪部143dがベース部183a側に付勢されたまま維持される。
第2結合具183が所定位置まで押し込まれることにより、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり得る状態となる。かかる場合、両可動部143e,175aが自身の弾性力により元の状態に復帰しようとすることで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、それら係止爪部143dと係止孔部183cとが引っ掛かった状態となる。これにより、第2結合具183が仮止めされる。
同図19に示すように、係止孔部183cに対して係止爪部143dが引っ掛かった状態、すなわち仮止めされた状態では、ベース部183aの先端部が貫通孔部144から突出(裏側結合部176側への突出)することが回避されている。このため、仮止めされている第2結合具183によって、両構成体101,102の相対移動が妨げられることはない。更に、第2結合具183が仮止めされた状態においては、操作部183bが収容凹部184内に収まっており、操作部183bを掴みにくくなっている。このため、第2結合具183を仮止めした後の当該第2結合具183の取り外し作業は困難なものとなっている。
また、図7に示すように、カバー側可動部175aは、構成体側可動部143eのみならず周壁部143b(詳しくは周壁部143bにおける構成体側可動部143eを挟んだ両側)にも接触している。このため、仮にカバー側可動部175aが主制御装置63の外方から押された場合、カバー側可動部175aに加わった負荷を周壁部143bによって分散することができ、構成体側可動部143eに対して局所的に負荷が集中することを回避可能となっている。更に、構成体側可動部143eの少なくとも可動先端側を含んだ部分に対してカバー側可動部175aが接触している。これにより、外部から構成体側可動部143eが不正に操作されることを好適に抑制することが可能となっている。
以上詳述した、構成体側可動部143e及びカバー側可動部175aによれば、構成体側可動部143eの撓み変形を許容可能としつつ、外部からの不正な操作等を抑制可能となり、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、両結合具181,183は、裏側構成体102の壁部よりも高強度となるように金属により形成されているが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば、金属製に限定されることはなく合成樹脂製であってもよく、合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により形成してもよく、合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことにより形成してもよい。
上記のとおり設置箇所からのカバー部材154の離脱方向は突起177により、裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制されているため、裏側結合部176に対して表側結合部142が重ね合わせられた状態となることで、カバー部材154を離脱させる方向への移動が一層好適に規制される。そして、表側結合部142と裏側結合部176とが結合されることで、カバー部材154は表側結合部142と結合領域形成部152とにより挟持され遊びのない状態となる。
また、図18に示すように、カバー部材154には、第1カバー板部172から基板ボックス92の内部空間に入り込むようにして受け板部185が一体形成されている。受け板部185は、図15(b)に示すように、カバー部材154の長さ方向の概ね全体に亘って位置するように、複数箇所に設けられており、図18に示すように、第1カバー板部172から裏側構成体102側に向けて延びる基端部186と、当該基端部186から基板ボックス92の内部空間の中央側に向けて延びる先端部187と、を備えている。受け板部185の先端部187は、結合領域形成部152にカバー部材154を設置した状態で、裏側構成体102において結合領域形成部152に隣接させて形成された支持台部188に接している。また、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102に表側構成体101を組み合わせた状態で、表側構成体101の枠部112及び表側構成体101に一体化された主制御基板91の周縁部が乗り上げた状態となる。つまり、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102の支持台部188と、表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、により挟持されている。これにより、カバー部材154の固定がより安定した状態で行われている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを、図18を用いて説明する。図20(a)〜(c)は第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図である。
図20(a)は示すように結合領域形成部152に受け部材153及びカバー部材154が設置されて裏側結合領域151が形成された状態の裏側構成体102に対して表側構成体101を組み合わせることにより、図20(b)に示すように、第1表側結合部142の貫通孔部144と、対応する裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。この場合、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された状態とすることで、自ずと第1表側結合部142が裏側結合領域151の各裏側結合部176に対して、対応する各第1表側結合部142が収容された状態となり、上記のとおり各貫通孔部144,174が連通された状態となる。
その後、図20(c)に示すように、連通された貫通孔部144,174に対して、第1表側結合部142側から第1結合具181を挿入することで、それら第1結合具181が挿入された第1表側結合部142及び裏側結合部176の組み合わせが結合状態となり、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。この場合に、第1表側結合部142と裏側結合部176との組み合わせは複数組(具体的には、2組)設けられているが、これら各組み合わせに対して第1結合具181を挿入することで、表側構成体101と裏側構成体102との固定は行われる。
主制御装置63の製造工程においては、上述の如く第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業とともに、第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合待機状態とするための(仮止めするための)予備的作業が行われる。再び図19を用いて、この予備的作業について説明する。
第1表側結合部142と裏側結合部176の結合作業が終了した後に、第2結合具183の仮止め作業が行われる。具体的には、第2表側結合部143の貫通孔部144に向けて第2収容凹部184の開口から第2結合具183を挿入する。かかる場合、第2結合具183のベース部183aを貫通孔部144に向かって押し込むことで、ベース部183aが規制部143cと周壁部143bとの間に挟まれた状態となり、その移動方向が規制される。これとほぼ同期して、ベース部183aの先端が係止爪部143dに当たる。第2結合具183を更に押し込むことで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、第2結合具183が第2表側結合部143に対して引っ掛かった状態となる。かかる場合、操作部183b全体が第2収容凹部184内に収容される。これにより、操作部183bの押し込み操作の操作性を担保しつつ、引っ張り操作を困難なものとしている。
なお、以上詳述した第2結合具183の仮止め作業を行った後、上述した第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業を行うことも可能である。かかる場合、第2結合具183の仮止めを行うことにより、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業が可能となる構成としてもよい。
次に、第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とした状態において、表側構成体101及び裏側構成体102の固定状態を解除する場合の作業の流れを、図21を用いて説明する。図21(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除に際しては、図21(a)に示すように、結合状態となっている第1表側結合部142と膨出部104との間の連結部145を切断するとともに、結合状態となっている第1表側結合部142と結合状態となっていない第2表側結合部143との間の連結部146をニッパやカッタ等の工具により切断する。これにより、表側構成体101と裏側構成体102との分離が、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合により阻害されなくなる。
この場合に、連結部145,146は第1表側結合部142に対して設けられており、裏側結合領域151は破壊されない。したがって、結合状態となっている第1表側結合部142は裏側結合領域151側に残る。また、このように結合状態となっている第1表側結合部142が残ることで、当該第1表側結合部142と裏側結合部176との結合を通じて、カバー部材154が結合領域形成部152に固定された状態は維持される。
その後、図21(b)に示すように、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された方向に表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方をスライド移動させることにより、フック部111と係止受け121との係止状態が解除される。その後、図21(c)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させることで、これら構成体101,102が完全に分離された状態となる。
この場合、上記連結部145が切断されていることにより、当該連結部145の切断箇所を確認することで表側構成体101と裏側構成体102とが分離されたか否かを確認することが可能となる。
このように、両構成体101,102の固定状態を解除することにより、主制御基板91やCPUチップ93を露出させることができ、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を実施可能となる。本実施の形態に示す両構成体101,102は、分離された後に第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合することにより再ボックス化可能となっている。
ここで、両構成体101,102の再固定する際の作業について図18(b),図19,図21(d)及び図21(e)を用いて説明する。図21(d)及び図21(e)は表側構成体101と裏側構成体102との再固定する場合の作業の流れを説明するための説明図である。図21(d)→図21(e)の作業に基づいて、第2結合具183が図19→図18(b)の状態に移行される。
図21(c)に示すように、両構成体101,102を分離し、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を行った後、再び両構成体101,102を組み合わせる(図19及び図21(d)参照)。この状態では、第2表側結合部143の貫通孔部144と裏側結合部176の貫通孔部174とが連通した状態となる。ここで、図19及び図21(d)に示すように係止爪部143dによって仮止めされている第2結合具183を、裏側構成体102側へと押し込み図18(b)及び図21(e)の状態に移行させる(係止爪部143dについては図19参照)。図18(b)に示すように押し込まれた第2結合具183が係止片168と引っ掛かり、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合された状態となる。これにより、両構成体101,102の再固定が完了する。
第2表側結合部143には第1表側結合部142と異なり、連結部145,146に相当する切断を容易とする箇所が設けられていない。このため、第2表側結合部143を結合した後は、その結合状態の解除は困難なものとなっている。
なお、第2表側結合部143が、第1表側結合部142と同様に、連結部145,146等に相当する積極的に切断を容易とした部分を有する構成とすることも可能である。
次に、基板ボックス92に設けられた他の固定構造について簡略に説明する。
図8に示すように、基板ボックス92において表側結合領域141及び裏側結合領域151が設けられた側とは反対側の短辺部には、貼付板部191が設けられている。当該貼付板部191は、表側構成体101に形成された貼付板部と、裏側構成体102に形成された貼付板部とが重ね合わされることにより構成されている。貼付板部191には、両者の境界を跨ぐようにして封印シール192が貼り付けられている。封印シール192は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部191側に残り、再貼付不可となるものである。
なお、基板ボックス92において貼付板部191が設けられた短辺部には、当該貼付板部191を挟むようにして固定部193が設けられており、当該固定部193に対してネジ固定が行われていることで表側構成体101と裏側構成体102とが固定されている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図22のブロック図に基づいて説明する。図22では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置63の基板ボックス92において、表側結合部142と裏側結合部176とを結合具181により結合することで、表側構成体101と裏側構成体102との分離が阻止される。この場合に、裏側構成体102において結合具181を係止する受け部材153は金属製であるため、受け部材153と結合具181との係止箇所を破壊して当該係止を解除しようとしてもそれが行いづらくなる。本構成において、受け部材153は、全ての裏側結合部176に亘って設けられている。これにより、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材153を設置する構成に比べ、基板ボックス92の形成作業を良好に行うことができる。また、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成に比べ、受け部材153に関して部材点数の削減を図ることが可能となる。
上記金属製の受け部材153は、基板ボックス92の所定の周面部におけるその長さ方向の略全体に亘って設けられているため、当該所定の周面部を破壊して基板ボックス92の内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。また、固定手段を構成する受け部材153により当該不正行為の阻止を可能とする機能が果たされるため、受け部材153の多機能化が図られる。
受け部材153は、相互に対向する一対の対向板部164,165により幅方向が規定されて形成された一連の凹み空間161を備えているとともに、各裏側結合部176に対応した係止部158が凹み空間161内に形成されている。そして、結合具181との係止は凹み空間161内において行われる。つまり、結合具181の係止箇所は、金属製の受け部材153により規定された凹み空間161内において行われる。よって、当該係止箇所の周囲を破壊して、係止状態を解除しようとしてもそれが行いづらくなり、かかる不正行為を阻止することが可能となる。また、一連の凹み空間161内に複数の係止部158を設けるという比較的簡素な構成により、各裏側結合部176について、上記優れた効果を得ることができる。
また、凹み空間161を形成する一対の対向板部164,165が、基板ボックス92の所定の周面部における長さ方向の略全体に亘って位置するように設けられている。したがって、一の板部が設けられた構成に比べ、所定の周面部の強度が高められ、当該所定の周面部を破壊して基板ボックス92の内部空間へ通じる開口を不正に形成しようとする行為を阻止することが可能となる。
裏側構成体102には、受け部材153の凹み空間161の入口を複数の開口に区画し、複数の裏側結合部176を形成するカバー部材154が設けられている。これにより、金属製の受け部材153において凹み空間161の入口を複数の開口に区画する部位が設けられていなくても、当該区画する機能がカバー部材154により果たされる。これにより、受け部材153の形状をシンプルなものとすることが可能となる。特に、カバー部材154は合成樹脂製であるため、裏側結合部176において複雑な形状を有する部位については合成樹脂製のカバー部材154にて形成し、結合具181を係止する部位については金属製の受け部材153にて形成することができ、各裏側結合部176の一体的な形成を良好に行うことができる。
また、4個の裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する構成では、裏側構成体102の結合領域形成部152に設置する部材は少なくとも4個必要となるが、全ての裏側結合部176に亘って設けられた受け部材153と、当該受け部材153をカバーするカバー部材154とを設けた本パチンコ機10の構成では、結合領域形成部152に設置する部材は2個となる。つまり、裏側結合部176が3個以上設けられた構成においては、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けたとしても、各裏側結合部176のそれぞれに対して個別に受け部材を設置する従来の構成に比べ、部材点数の削減を図ることができる。また、これに伴って、裏側構成体102に裏側結合領域151を形成する上での作業工程数も、上記従来の構成に比べ少なくすることが可能となる。
また、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けるのではなく、カバー部材154の機能を裏側構成体102に対して一体形成する構成も考えられるが、この場合、裏側構成体102を成型するための金型の構造上、受け部材153の周辺をカバーして当該受け部材153への不正なアクセスを阻止する機能が低下することが懸念される。これに対して、カバー部材154を裏側構成体102に対して別体で設けることで、上記不正なアクセスを阻止する機能が高められ、さらには上記のとおり、従来の構成に比べ、裏側結合領域151を形成する上での部材点数及び作業工程数の削減が図られる。
カバー部材154に区画壁部175が形成されていることにより、裏側結合部176への対応する表側結合部142の配置が区画壁部175によりガイドされ、当該配置を良好に行うことができる。また、本構成によれば、凹み空間161の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材154においてガイド部としての機能が果たされるため、カバー部材154の多機能化が図られる。
受け部材153は完成後の裏側構成体102の結合領域形成部152に対して設置されている。例えば、裏側構成体102の形成に際して受け部材153をインサート成型する構成も考えられるが、この場合、この場合、受け部材の不正な取り外し等を困難なものとすることができる反面、金型の複雑化等を招くこととなり好ましくない。また、完成後の裏側構成体102(溝部155)に対して別体で設けられた受け部材153を嵌め込む構成とすれば、上述したインサート成型を行う場合と比較して、金型の簡素化を図ることができる反面、受け部材153の不正な取り外しが行われやすくなると懸念される。このように受け部材153の取り外しが容易となれば、基板ボックス92の不正な開放が行われやすくなったり、受け部材153に細工等施すことにより基板ボックス92の不正開放の痕跡を隠蔽されやすくなったりすると想定され、防犯性の観点から好ましくない。
これに対して、本実施の形態においては、受け部材153は裏側構成体102の結合領域形成部152に対して設置され、カバー部材154によって溝部155からの取り外しが規制されている。これにより、製造工程(金型)の複雑化を抑えつつ、受け部材153の不正な取り外しを抑制することが可能となる。よって、基板ボックス92の形成を良好に行うことを可能としつつ、基板ボックス92に対して行われる不正行為の抑制に貢献することができる。
また、結合領域形成部152に対する受け部材153の固定箇所はカバー部材154により覆われている。これにより、完成後の裏側構成体102に受け部材154を設置するようにした構成において、裏側構成体102に対する受け部材153の固定状態を不正に解除しようとする行為を行いづらくすることが可能となる。また、本構成によれば、凹み空間161の入口を複数の開口に区画する機能を有するカバー部材154において、結合領域形成部152に対する受け部材153の固定箇所を覆う機能が果たされるため、カバー部材154の多機能化が図られる。
カバー部材154が固定手段としての破断ネジ170によって裏側構成体102に固定されている。このため、仮に両構成体101,102の境界部位が押し広げられた場合であっても、構成体101,102同士の相対位置の変位に伴って、カバー部材154が受け部材153から離れるといった不都合の発生を抑えることができる。これにより防犯性の向上に貢献している。
破断ネジ170によるカバー部材154の固定は、各構成体101,102の相互の固定とは別個独立して行われている。このため、両構成体101,102が分離された状態であっても、カバー部材154によって受け部材153の取り外し等を好適に回避することができる。
特に図9等に示すように、破断ネジ170によってカバー部材154及び受け部材153が裏側構成体102に対して共締めされている。これにより、カバー部材154及び受け部材153との相対位置がずれにくくなっている。このように、両者を同一対象に固定することで、両構成体101,102が分離された状態における、受け部材153へのアクセスを好適に回避することができる。
カバー部材154は、位置決め用突起177によってその着脱方向が一の方向に規制されている。そして、破断ネジ170が装着されることで、その規制された方向への移動も抑えられる。着脱方向が規制されていない場合、破断ネジ170を中心として、カバー部材154が回転するといった不都合が生じやすくなると想定される。かかる場合、両構成体101,102の組み付け作業の妨げとなったり、受け部材153に対するアクセスが容易となったりすることが懸念される。破断ネジ170の設定数を複数とすることにより、カバー部材154の位置ずれを好適に抑制できるが、このように破断ネジ170の設定数を増すことは、作業性の悪化を招来する可能性があり望ましくない。この点、本実施の形態に示すように、着脱方向を限定することで、破断ネジ170を複数設定することなく、上述した不都合の発生を回避することができる。これにより、作業性の担保と防犯性の向上とを好適に両立することができる。
カバー部材154の固定を、当該カバー部材154の略中央にて行った。このため、カバー部材154のいずれか一方の端部が他方に比べて撓みやすく(浮き上がりやすく)なるといった不都合を発生しにくくし、受け部材153に対する不正なアクセスを好適に抑制することができる。
一つのカバー部材154によって、受け部材153全体(詳しくは複数の係止片168)を覆っている。各係止片168に対応して個々にカバー部材を設ける場合と比較して、カバー部材の取り付けを一つの破断ネジ170によってまとめて行えるため、部品点数削減及び作業性の担保の点で優れている。
両構成体101,102を組み合わせた状態においては、円筒部178や遮蔽部180等によって破断ネジ170の主制御装置63外部への露出が抑えられている。このため、破断ネジ170の不正な取り外しを困難なものとすることができる。このように、破断ネジ170へのアクセスを制限することは、受け部材153への不正なアクセスを回避することに繋がり、防犯性向上を期待できる。
また、両構成体101,102及びカバー部材154は、無色透明な樹脂材料によって形成されている。このため主制御装置63の外部から目視にて、破断ネジ170の取付状態の確認を行うことができるため、取付状態の確認に両構成体101,102の分離を必要としない。故に、破断ネジ170へのアクセスを遮蔽する構成を採用しつつ、それに伴う確認作業の煩雑化を回避することができる。また、結合具181,183や受け部材53を構成体101,102及びカバー部材154を介して視認可能となっており、結合状態の確認作業の容易化が図られている。
更に、破断ネジ170の遮蔽は、両構成体101,102の組み合わせによって実現されている。すなわち、個別の遮蔽部材及び遮蔽操作等を伴うことなく破断ネジ170の遮蔽を実現できている。これにより、防犯性の向上に起因する部品点数の増加や作業性の悪化を好適に回避し、実用上好ましい構成を実現している。
第1表側結合部142が第1結合具181によって結合され、連結部145,146が切断された場合、第1結合具181はカバー部材154を固定する固定手段として残存することとなる。本実施の形態においては特に、カバー部材154は使用されるタイミングの異なる複数の結合部142,143に跨るように形成されている。つまり、第1結合具181は、両構成体101,102を結合するという機能を失った後であっても、カバー部材154の固定状態を維持することにより、未使用の裏側結合部176(詳しくは係止片168)を遮蔽する機能が維持される。すなわち、カバー部材154を複数の結合部142,143に跨るように形成することで、第1結合具181の多機能化を促進している。
主制御装置63が製造される際に使用される第1表側結合部142を第2表側結合部143よりも外側(短手方向における外側)に配置した。すなわち、表側結合領域141における両端部に偏倚させて配置した。第1結合具181による第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合に伴って、カバー部材154の両端部での固定がなされることとなる。切断部144,145が切断された後であっても、第1結合具181によるカバー部材154の固定は維持される。このため、上述した破断ネジ170を挟んだ両側にてカバー部材154の固定がなされ、カバー部材154(受け部材153)の取り外しを一層困難なものとすることができる。そして、破断ネジ170及び第1結合具181によって挟まれた部位に第2表側結合部143が配置されている。このため、第2表側結合部143に対応する係止片168付近でカバー部材154を撓ませることは困難となり、それら係止片168に対する不正なアクセスを好適に抑制することができる。
第2結合具183は、仮止めされることにより、第2収容凹部184内に収容される構成とした。このように第2結合具183を結合準備状態で待機させておくことで、第2結合具183の紛失等を回避しやすくすることができる。また、第2結合具183は結合方向への押し込み操作は容易であるものの、操作部183b全体が第2収容凹部184内に嵌まっているため、その取り外し(引き抜き)操作は困難なものとなっている。これにより、第2結合具183の不正な取り外しを抑制している。
また、一の受け部材153をカバー部材154によって区画する場合、各表側結合部142,143に形成された貫通孔部144を介して受け部材153(特に他の貫通孔部144に対応する係止片168)への不正なアクセスがなされるおそれがある。この点、本実施の形態における貫通孔部144は、両結合具181,183によって予め塞がれている。具体的には、第2表側結合部143の貫通孔部144は仮止めされた第2結合具183によって塞がれている。このため、受け部材153及びカバー部材154がそれぞれ複数の結合部位に跨って設けられている構成であっても、このような構成を採用したことに起因する防犯性の悪化を好適に抑制することができる。また、貫通孔部144を介して破断ネジ170への不正なアクセスがなされることを抑制することもできる。
連結部145,146を破壊することで、結合具181を用いた各結合部142,176の結合状態を維持しながら表側構成体101と裏側構成体102との分離を可能とする構成であるため、結合具181を用いた固定を強固に行うようにしつつ、表側構成体101と裏側構成体102との分離に際してその痕跡を残すことが可能となる。この場合に、連結部145は第1表側結合部142に対して設けられている。例えば、連結部145,146が裏側結合部176に対して設けられている構成を想定すると、連結部145,146を破壊しただけでは表側構成体101と裏側構成体102との分離を行うことができず、さらに受け部材153の破壊を要することが想定される。そうすると、表側構成体101と裏側構成体102との分離操作を容易に行うことができない。これに対して、連結部145,146が第1表側結合部142に対して設けられているため、上記のような不都合が生じることはなく、表側構成体101と裏側構成体102との分離操作を容易に行うことが可能となる。
カバー部材154は受け板部185を備えており、表側構成体101と裏側構成体102とを組み合わせた状態では表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、裏側構成体102の支持台部188とにより受け板部185が挟持される。これにより、カバー部材154を一層安定した状態で設置箇所に保持させることができる。
主制御装置63の基板ボックス92において、表側構成体101の長辺部にフック部111が設けられているとともに、裏側構成体102の長辺部にフック部111に対応させて係止受け121が設けられており、これらフック部111と係止受け121とが係止状態となることで、表側構成体101と裏側構成体102との境界を広げようとしても、それが物理的に抑制される。これにより、当該不正行為を抑制することが可能となる。
この場合に、フック部111が一体形成された枠部112の内側の面において基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部が構成されている。例えば、係止受け121を構成する台座部124,125の内側壁部126を基板ボックス92の内部空間側において枠部112の全体と重なり合うように設ける構成が考えられるが、そうすると基板ボックス92の内部空間がそれだけ縮小され、上記実施の形態と同じ程度の内部空間を確保しようとすると、上記実施の形態よりも基板ボックス92を大型化する必要がある。これに対して本構成によれば、基板ボックス92の小型化を図りつつ、上記不正行為を抑制することが可能となる。
フック部111及び係止受け121の組み合わせは、基板ボックス92において対向する長辺部にそれぞれ設けられているとともに、各長辺部において複数組ずつ設けられている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102との境界を広げようとする行為をより強固に抑制することが可能となる。また、このように対向する長辺部のそれぞれにおいてフック部111及び係止受け121が設けられた構成においては、それだけ基板ボックス92の大型化が懸念される。これに対して、対応する長辺部の両方において、枠部112の内側の面が基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部を構成しているため、基板ボックス92の小型化を図ることが可能となる。
係止受け121は台座部124,125に対して設けられており、周壁部122,123及び内側壁部126により、フック部111と係止受け121との係止箇所は基板ボックス92の内部空間側及び基板ボックスの外側において囲まれている。これにより、フック部111と係止受け121との係止状態を不正に解除しようとする行為がそれだけ行いづらくなり、当該不正行為を阻止することが可能となる。この場合に、枠部112の内側の面及び内側壁部126の内側の面により、基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部が構成されているため、上記のようにフック部111と係止受け121との係止状態を不正に解除しようとする行為を阻止可能とした構成において、基板ボックス92の小型化が図られる。
枠部112の先端部は台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位と重なっている。上記のように枠部112の内側の面により基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部を構成するようにした場合、枠部112と台座部124,125との間から基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具が挿入されてしまうことが想定される。これに対して、枠部112の先端部は台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位と重なっているため、枠部112と台座部124,125との間から基板ボックス92の内部空間に不正用治具を挿入しようとする行為を阻止することが可能となる。
特に、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を主制御基板91の厚み寸法と同一としたことにより、枠部112の内側の面において基板ボックス92の内部空間が規定された領域に主制御基板91の周縁部を挿入可能としつつ、枠部112の先端部の全体を台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位に重ね合わせる(当接させる)ことができる。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくすることで、枠部112の先端部の全体と台座部124,125におけるフック部111の挿入口が形成された部位との重ね合わせを、余裕を持って行うことができる。
また、枠部112と台座部124,125との境界は、周壁部122,123により外側から塞がれているため、当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間に不正用治具を挿入しようとしてもそれが行いづらくなっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、カバー部材154を固定する「固定手段」として破断ネジ170を用いる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、取り付け及び取り外しが共に容易な周知のネジ等を用いてもよい。また、カバー部材の着脱方向が規定されている場合、そのように規定された装着方向へのカバー部材の移動を許容するとともに、当該カバー部材の取り外し方向への移動を制限する移動制限具(例えば連結ピン)を用いることにより、カバー部材の固定を行ってもよい。更には、上記実施の形態に示す第1結合具181のように、両構成体101,102を固定する固定具により、カバー部材の固定を併せて行う構成としてもよい。但し、かかる構成を採用する場合、両構成体101,102の固定状態を解除した後であっても、その固定具によるカバー部材の固定は維持され構成とすべきである。
また、破断ネジ170の個数も1つに限定されるものではなく複数設けてもよい。特に、カバー部材154の取り付け方向が規定されていない場合、すなわちカバー部材154が複数の異なる方向へ位置ずれする可能性がある場合、複数の固定手段によって当該固定手段を起点とするカバー部材154の回動を抑える構成とすることが望ましい。
更には、複数箇所における両構成体101,102の固定を一つの受け部材153によって実現する構成としたが、これを変更し、各固定箇所に対応する受け部材を別個独立して備える構成としてもよい。かかる場合、各受け部材にそれぞれ個別に対応する複数のカバー部材を設けることも可能である。複数のカバー部材を有する構成においては、それらカバー部材に個々に対応する固定手段(破断ネジ等)を設けるとよい。
(2)上記実施の形態では、受け部材153及びカバー部材154を破断ネジ170によって一緒に固定する構成としたが、これを変更し受け部材153及びカバー部材154を個別に固定する構成としてもよい。但し、かかる場合、構成の煩雑化や作業性の悪化を招来することが懸念される。故に、望ましくは、受け部材153及びカバー部材154を同一の固定手段によってまとめて固定するとよい。
また、溝部155に収容された受け部材153の取り外しを、受け部材153の取り外し方向先端側に配置されたカバー部材によって規制することにより、当該受け部材153の固定を実現してもよい。
(3)上記実施の形態では、破断ネジ170の装着方向をカバー部材154及び受け部材153の装着方向と同一となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、破断ネジ170を基板ボックス92の内側から装着する構成としてもよいし、基板ボックス92の外側から装着する構成としてもよい。
(4)上記実施の形態では、円筒部178及び遮蔽部180によって破断ネジ170の主制御装置63外部への露出を抑える構成としたが、これら円筒部178及び遮蔽部180を省略することも可能である。
また、本実施の形態では、破断ネジ170の露出を抑えることで当該破断ネジ170の不正な取り外しを抑制する構成としたが、この構成を簡略化してもよい。すなわち、破断ネジ170の露出を許容しつつ、破断ネジ170の取り外し軌道上に当該破断ネジ170の取り外しを妨げる遮蔽部180に相当するストッパを配置する構成としてもよい。これにより、破断ネジ170の取り外しを制限する構成とすることも可能である。なお、前記ストッパとしての遮蔽部180は、表側構成体101に一体成形するのではなく、別体で形成した後、表側構成体101に装着することも可能である。
(5)上記実施の形態では、カバー部材154の固定部(丸孔179)を挟んだ両側に各表側結合部142,143をそれぞれ配置する構成としたが、これを変更し、各結合部142,143をカバー部材154の固定部の片側に集約して配置することも可能である。換言すれば、カバー部材154の固定部位(破断ネジ170)の位置は任意であり、必ずしも両構成体101,102の固定部位によって挟まれた位置に配する必要はない。
また、第1表側結合部142の間に第2表側結合部143を配置する構成としたが、この配置を逆にすることも可能である。
(6)上記実施の形態では、両構成体101,102の再ボックス化(主制御基板91の再収用)を1度だけ許容する構成としたが、再ボックス化を複数回許容する構成としてもよい。例えば、1つの第1表側結合部142によって両構成体101,102を固定する構成としてもよいし、第3表側結合部を追加して設けてもよい。
(7)上記実施の形態では、破断ネジ170の頭部170aの取り忘れ防止機能を付与する構成としたが、これを省略することも可能である。具体的には、装着完了状態にて破断ネジ170の頭部170aが残存している場合、当該頭部170aの一部が円筒部178から突出する構成としたが、頭部170aが突出しない構成とすることも可能である。
また、破断ネジ170及び遮蔽部180による頭部170aの取り忘れ防止機構代えて、以下の構成を用いることも可能である。すなわち、破断ネジ170に代えて固定位置と固定解除位置とに切替え可能な操作部を有する固定具を設ける。そして、遮蔽部180に代えて、前記操作部が固定位置にある場合には当該操作部との接触を回避することにより両構成体101,102の組み合わせを許容し、前記操作部が固定解除位置にある場合には当該操作部と接触することにより両構成体101,102の組み合わせを阻害する阻止部を設けてもよい。
(8)取付穴部159を有底の穴状とすることも可能である。これにより、破断ネジ170の露出を一層好適に抑えることができる。
(9)上記実施の形態においては、第2結合具183を第2収容凹部184内にて仮止めする「仮止め手段」として係止爪部143dを設けたが、これを省略することも可能である。また、第1表側結合部142に仮止め手段を設定し、第1結合具181を仮止めする構成としてもよい。
(10)上記実施の形態では、第2結合具183の挿入方向を第2表側結合部143に形成された規制部143cによって規定する構成としたが、これを変更し、第2表側結合部143の周壁部143bの内面によって第2結合具183の挿入方向を規定する構成とすることも可能である。具体的には、第2結合具183の操作部183bの周縁がその全域において周壁部143b(第2収容凹部184)の内面に接触する構成とするとともに、操作部183bに対して所定の厚みを付与し、その周縁が周壁部143bに対して面接触する構成とすればよい。これにより、周壁部143bに第2結合具183の挿入方向を規制する機能を付与することができ構成の簡略化に貢献できる。
更には、操作部183bの周縁が周壁部143bに接触していることで、操作部183bを一層掴みにくくすることができる。これにより、第2結合具183の取り外しを困難なものとし、更なる防犯性の向上に貢献することが可能となる。
(11)上記実施の形態では、カバー部材154の位置決め用突起177が、受け部材153の凹み空間161に嵌まることで、カバー部材154の着脱方向が規制されるとともに装着完了位置が特定される構成としたが、位置決め用突起177を省略し、破断ネジ170によって装着完了位置のみが規定される構成とすることも可能である。
(12)上記実施の形態では、第2表側結合部143に第2結合具183の挿入方向を規制する規制部143cを形成したが、これを省略することも可能である。具体的には、第2表側結合部143の操作部183bの外形を第2収容凹部184に対応して変更することで、周壁部143bに規制部としての機能を付与してもよい。例えば、操作部183bの周縁が第2収容凹部184の内壁面に対して、その全域で接触する構成とすればよい。
(13)主制御装置の変形例を、図23(a),(b)に示す。
(14−1)図23(a)に示す主制御装置230は基板ボックス231を備えており、基板ボックス231は上記実施の形態における主制御装置63の基板ボックス92と同様に、結合構造を備えている。但し、結合構造を構成する結合部232は、基板ボックス231の一の短辺部233において両端側に1組ずつ設けられており、両結合部232は離間されている。この場合に、結合構造は、結合具を係止状態とする受け部材234を備えている。当該受け部材234は金属製であり、短辺部233の全体又は略全体に亘って設けられている。そして、離間された両結合部232の両方に亘って位置している。
本構成であっても、結合具を係止状態とする金属製の受け部材234が複数の結合部232に亘って設けられているため、各結合部232に対して個別に係止部を設ける構成に比べ、結合構造の形成作業を行う上での作業性が向上する。また、受け部材234は金属製であり、さらに短辺部233の全体に亘って設けられている。したがって、当該短辺部233を破壊して基板ボックス231の内部空間に不正にアクセスしようとする行為を、受け部材234において阻止することが可能となる。
(14−2)図23(b)に示す主制御装置240は基板ボックス241を備えており、基板ボックス241は上記実施の形態における主制御装置63の基板ボックス92と同様に結合構造を備えている。但し、結合構造は、基板ボックス241の一の短辺部だけでなく、両短辺部242,243に設けられている。この場合に、各短辺部242,243にはそれぞれ複数の結合部244が並設されている。また、両短辺部242,243のそれぞれに対して金属製の受け部材245,246が設けられている。各受け部材245,246は対応する短辺部242,243において全体又は略全体に亘って設けられている。
上記のように両短辺部242,243に結合構造が設けられていることにより、基板ボックス241の各構成体の固定をより強固に行うことができるとともに、その固定の解除に際して痕跡が残る箇所が増えることで発見の容易化が図られる。また、対向する短辺部242,243の全体又は略全体に亘って金属製の受け部材245,246が設けられていることにより、いずれかの短辺部242,243を破壊して基板ボックス241の内部空間に不正にアクセスしようとする行為を、受け部材245,246において阻止することが可能となる。
なお、図23(b)の構成において、対向する長辺部に対しても結合部244を並設するとともに、これら長辺部の全体又は略全体に亘って位置するように金属製の受け部材を設置する構成としてもよい。また、対向する長辺部にのみ結合部244を並設するとともに、これら長辺部の全体又は略全体に亘って位置するように金属製の受け部材を設置する構成としてもよい。
(15)受け部材153が凹み空間161を有していることは必須の構成ではなく、一の板部に対して係止部158が形成されており、受け部材153単体で見た場合に、当該係止部158が空間内に収容されているのではなく、露出している構成としてもよい。この場合、係止部158が空間内に収容されていないことで上記実施の形態よりもセキュリティ性が低下するものの、受け部材154の構成の簡素化が図られる。
(16)上記実施の形態ではカバー部材154を合成樹脂製としたが、これに代えて金属製としてもよい。また、合成樹脂製又は金属製のカバー部材154を表側結合領域141に固定するための専用の固定具を設けてもよく、これに代えて、合成樹脂製又は金属製のカバー部材154を表側結合領域141に接着剤を用いて固定してもよい。この場合、カバー部材154の固定に関して上記実施の形態よりも構成が複雑化するものの、カバー部材154の表側結合領域141における保持を安定した状態で行うことができる。
(17)上記実施の形態では、受け部材153を金属製としたが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば金属製に限定されない。例えば、裏側構成体102を形成する合成樹脂材料又はそれとは別の合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により受け部材153を形成することで、裏側構成体102の壁部よりも高強度にしてもよい。また、裏側構成体102を形成する合成樹脂材料又はそれとは別の合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことによって受け部材153を形成することで、裏側構成体102の壁部よりも高強度にしてもよい。
(18)カバー部材154を不具備とし、代わりに、表側結合部142に対応した形状の開口や、表側結合部142をガイドするためのガイド部としての機能が、受け部材153に一体化された構成としてもよい。この場合、受け部材153を結合領域形成部152に設置することで裏側結合領域151が形成されるため、当該裏側結合領域151の形成作業を簡略化できるとともに、カバー部材154が不具備となることで部材点数の削減が図られる。
(19)表側結合部142と裏側結合部176との結合が結合具181により行われるのではなく、破断ネジにより行われる構成としてもよい。ここで、破断ネジとは、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部と、ネジ溝が形成された側との連結部分の強度が低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部に対して上記工具によりさらに所定の力を加えることにより、上記連結部分が切断され、頭部が分離されるものである。つまり、破断ネジは、螺着後において上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。本構成の場合、受け部材153は、破断ネジを螺着するためのネジ孔部が各裏側結合部176に対応させて設けられた構成であればよい。
また、表側結合部142と裏側結合部176との結合が破断ネジではなく通常のネジにより行われる構成としてもよい。この場合に、当該通常のネジにより表側結合部142と裏側結合部176とを結合した後に、当該ネジの取り外しを不可とするようにネジの頭部を封止することで、表側結合部142と裏側結合部176との結合状態の解除が不可又は困難なものとなる。
(20)基板ボックス92から連結部145,146を不具備とし、代わりに、基板ボックス92において内部空間を規定する壁部に、当該壁部を複数の領域に区画するようにして切断許容部を形成する構成としてもよい。この切断許容部は、複数の貫通孔を並設することにより形成してもよく、周囲に比べ肉薄な部分に形成してもよく、周囲に比べ弱い材料により形成してもよい。
(21)主制御装置の構成を図24に示すように変更してもよい。
図24に示す主制御装置250は基板ボックス251を備えている。当該基板ボックス251は上記実施の形態における主制御装置63の基板ボックス92と同様に、表側構成体252と裏側構成体253とを備えており、これら両構成体252,253が組み合わされて形成された内部空間に主制御基板254が収容されている。
この場合に、上記実施の形態における基板ボックス92では、フック部111が表側構成体101に設けられているとともに、係止受け121が裏側構成体102に設けられていたが、本基板ボックス251では、両者の関係が逆となっている。つまり、フック部255が裏側構成体253に設けられているとともに、係止受け256が表側構成体252に設けられている。当該構成であっても、裏側構成体253においてフック部255を有する縁部にて基板ボックス251の内部空間の周面が構成されているため、上記実施の形態と同様に、基板ボックス251の小型化を図ることができる。
(22)フック部と係止受けとの位置関係について、基板ボックス92の対向する長辺部における一方と他方とで逆となる構成としてもよい。つまり、基板ボックス92の一方の長辺部では、表側構成体101にフック部を設けるとともに、裏側構成体102に係止受けを設ける。また、他方の長辺部では、表側構成体101に係止受けを設けるとともに、裏側構成体102にフック部を設ける。本構成であっても、各構成体101,102においてフック部が形成された周壁部にて、基板ボックス92の内部空間を規定する周面の一部を構成することで、基板ボックス92の小型化が図られる。
(23)上記実施の形態では、基板ボックス92の対向する長辺部に対して、フック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるようにしたが、これに代えて、基板ボックス92の対向する短辺部に対して、フック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるようにしてもよい。また、対向する辺部の両方に対してフック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるのではなく、一方にのみフック部111及び係止受け121の組み合わせを設けるようにしてもよい。
(24)上記実施の形態では、フック部111と係止受け121との係止箇所を基板ボックス92の内部空間及び外側において囲むように囲み部(周壁部122,123及び台座部124,125)を設けたが、これに代えて、囲み部において内側壁部126を不具備とし、フック部111と係止受け121との係止箇所が基板ボックス92の内部空間において露出した構成としてもよい。この場合、上記実施の形態に比べ、フック部111と係止受け121との係止箇所に対してアクセスし易くなるが、台座部124,125において内側壁部126を不具備とすることができるため、上記実施の形態よりも基板ボックス92の内部空間を拡張することができる。
(25)上記実施の形態において、基板ボックス92を形成するボックス構成体の数は複数であれば任意であり、4個以上のボックス構成体を組み合わせることにより、基板ボックス92が形成される構成としてもよい。この場合に、主制御基板91と表側構成体101との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよく、主制御基板91と裏側構成体102との間に両者の空間を遮るように別のボックス構成体が設けられていてもよい。
(26)上記実施の形態においてフック部111及び係止受け121を不具備とし、基板ボックス92の長辺部においては表側構成体101及び裏側構成体102を接着剤により接着する構成としてもよい。
(27)上記実施の形態において主制御装置63の基板ボックス92に適用した構成を、音声ランプ制御装置66、払出制御装置82、電源及び発射制御装置83といった他の制御装置に対して適用してもよい。
(28)上記実施の形態では、外側貯留部として上皿57aと下皿58aとを備えたパチンコ機10に本発明を適用したが、これに代えて、単一の外側貯留部を備えたパチンコ機に本発明を適用してもよい。また、停電監視装置を主制御装置63とは別に設けることで、主制御基板91は主制御回路202のみの機能を有する構成としてもよい。
(29)上記実施の形態では、カバー部材154によって受け部材153を覆う構成としたが、このカバー部材154を省略することも可能である。また、これに伴って破断ネジ170を省略することも可能である。かかる場合、例えば受け部材153が裏側構成体102に対してインサート成型してもよい。このようにインサート成型を行ったとしても、各裏側結合部176に対応させて個別に受け部材が設けられた構成に比べ、単一の受け部材153とすることで、裏側構成体102を成型する金型内に受け部材153を配置する作業の作業性は向上する。
(30)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。