JP5493375B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機としては、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備えており、その制御基板によって一連の遊技が制御されている。なお、近年においては、CPUやROMが1チップ化されて制御基板に実装されたものもある。
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば、制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換して遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等の不正行為が数多く報告されている。
このため、各種の不正対策が検討されている。不正対策の一例を示すと、基板ボックスを構成する複数のボックス構成体を相互に固定する固定手段として、通常のネジ部材ではなく破断ネジと称される特殊なネジ部材を使用したものが知られている(例えば特許文献1参照)。この種のネジ部材は、ボックス構成体にねじ込まれるネジ溝を含む軸部と、その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部と、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより頭部と軸部とを分離させる分離部と、を備えている。
したがって、ボックス構成体を締結した後に所定トルク以上の回転力を工具係合部に付与することによって頭部が軸部から分離される。これにより軸部に緩める方向への回転力を伝達することができず、ボックス構成体相互の締結状態を維持されるようにし、以ってボックス構成体の不正開封を抑制する対策となっている。なお、このような特殊なネジ部材は、基板ボックスとその設置部品との間での締結など、ボックス構成体相互の締結以外にも適用し得る。
特開2000−157703号公報
しかしながら、頭部が分離されたとしても、軸部に緩める方向への回転力を強制的に伝達することにより、軸部が緩まる方向に回転され、ボックス構成体相互の締結状態が解除されてしまうことが考えられる。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ネジ部材を用いる遊技機において、組み立て作業の後に、そのネジ部材による締結が解除されることを抑制し得る遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
請求項1記載の発明は、
遊技機構成部材である第1部材と第2部材とがネジ部材により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部と、
その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部と、
これら軸部及び頭部を連結するとともに、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより前記軸部から前記頭部を分離させる分離部と、
を備えており、
前記分離部によって前記軸部から前記頭部が分離された場合に当該頭部を反軸部側にて保持する保持部が設けられており、
前記ネジ部材は前記第部材側から前記第1部材に対しネジ込まれるものであり、
前記ネジ部材は、前記軸部の軸線方向と直交する方向へ拡張された拡張部を更に備え、
前記拡張部は、前記分離部よりも前記軸部側でありかつ前記分離部と前記軸部との間に設けられており、
前記保持部は、前記頭部、前記分離部及び前記拡張部を内周側に配置させる筒状に形成され、かつ前記軸線方向に離間した位置に第1規制部及び第2規制部を一体に有した状態で前記ネジ部材に設けられており、
前記頭部及び前記拡張部は、前記第1規制部と前記第2規制部とによって挟まれた領域に配置されており、
前記第1規制部によって前記頭部の反軸部側への移動が規制されるとともに、前記第2規制部によって前記拡張部の反頭部側への移動が規制され、
前記第2部材は、前記保持部及び前記頭部を収容する収容凹部を備え、
前記第2規制部は、貫通孔を有しているものであり、
前記拡張部よりも前記軸部側には、前記第2規制部における前記貫通孔を介して前記保持部から軸部側へ突出する突出部を備え、
前記収容凹部の内周面には第1係合部が設けられており、前記突出部の外周面には第2係合部が設けられており、前記第2係合部を含む前記突出部は前記軸部の軸方向にみて前記拡張部に隠れる大きさであり、前記第1係合部及び前記第2係合部のうち、一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられており、
前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記収容凹部に収容された前記保持部及び前記頭部によって、前記収容凹部の開放側から隠された状態に維持されており、
前記第1部材と第2部材とを連結した状態にて、第1係合部と第2係合部とが係合されることにより、前記軸部の緩みが抑制されていることを特徴とする遊技機。
本発明によれば、ネジ部材を用いる遊技機において、組み立て作業の後に、そのネジ部材による締結が解除されることを抑制し得る。
一実施の形態におけるパチンコ機の構成を示す前方から見た斜視図。 遊技機本体の主要な構成を分解して示す分解斜視図。 内枠の構成を示す正面図。 遊技盤の構成を示す正面図。 内枠の構成を示す背面図。 裏パックユニットの構成を示す正面図。 主制御装置の構成を示す斜視図。 主制御装置の構成を示す正面図。 主制御装置の構成を示す分解斜視図。 (a)主制御装置の一部を拡大して示す側面図、(b)図10(a)のA―A線断面図。 (a)本パチンコ機における基板ボックスの規制箇所を示す断面図、(b)比較対象の基板ボックスの規制箇所を示す断面図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体との組み付け作業を説明するための説明図。 裏側結合領域の構成を示す断面図。 受け部材の構成を示す斜視図。 (a)カバー部材の構成を示す正面図、(b)カバー部材の構成を示す斜視図。 (a)〜(c)裏側結合領域を形成する上での作業を説明するための説明図。 (a)第1表側結合部と裏側結合部との結合箇所を示す主制御装置の断面図、(b)第2表側結合部と裏側結合部との結合箇所を示す主制御装置の断面図。 図8のB−B線部分断面図。 (a)〜(c)表側結合部と裏側結合部とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図。 (a)〜(c)表側構成体と裏側構成体との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図、(d),(e)表側構成体と裏側構成体とを再固定する場合の作業の流れを説明するための説明図。 (a)〜(e)破断ネジを示す概略図。 (a)〜(c)破断ネジの寸法を示す概略図。 (a)破断ネジを取り付ける場合を示す図8のD−D線部分断面図、(b)(a)にて破断ネジを取り付けた場合を示す説明図。 図23の拡大図。 破断ネジの底面図及び円筒部の平面図。 ネジ側凹凸部と当接部とが当接している状態を示す説明図。 破断ネジの製造方法を示す概略図。 破断ネジにホルダを取り付ける方法を示す概略図。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図。 第2の実施形態における図24に相当する断面図。 第3の実施形態における図24に相当する断面図。 第4の実施形態における図23に相当する断面図。 図32における破断ネジ周辺の拡大図。 円筒部の底面の周辺領域を示す説明図。 筒側ラチェット歯部及びネジ側ラチェット歯部の係合の様子を示す説明図。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を前方から見た斜視図、図2はパチンコ機10における遊技機本体12の分解斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機本体12とを有している。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
外枠11は、矩形枠状をなしており、上下の枠が木製であり、左右の枠がアルミニウム等の金属によって形成されている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場に設置される。なお、外枠11を形成する材料は上記のものに限定されることはなく任意である。
外枠11の一側部に遊技機本体12が回動可能に支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具21が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具22が設けられている。これら上側支持用金具21及び下側支持用金具22により支持機構が構成され、当該支持機構によって外枠11に対して遊技機本体12が回動可能に支持されている。
また、遊技機本体12には、図2に示すように、その回動先端部に施錠装置23が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して閉鎖状態とした場合には施錠装置23の鉤部材24が外枠11の右枠部の内側面に設けられた鉤受け部にて受けられ、遊技機本体12の開放が阻止される。一方、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠25に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、外枠11の鉤受け部にて鉤部材24が受けられた状態が解除され、遊技機本体12の外枠11からの開放が可能となる。なお、施錠装置23は、後述する内枠13と前扉枠14との施錠を行う機能も有している。
遊技機本体12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。図3は内枠13の正面図である。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース31を主体に構成されている。樹脂ベース31の中央部には略楕円形状の窓孔32が形成されている。樹脂ベース31には遊技盤33が着脱可能に取り付けられている。遊技盤33は合板よりなり、遊技盤33の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース31の窓孔32を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤33には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口34,可変入賞装置35,作動口36,スルーゲート37及び可変表示ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口34は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口34、可変入賞装置35及び作動口36に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口39が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘40が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット38には、作動口36への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット38には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の上部には、第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44が設けられている。また、センターフレーム42の下部及び上部にはそれぞれ保留ランプ部45,46が設けられている。下側の保留ランプ部45は図柄表示装置41及び第1特定ランプ部43に対応しており、遊技球が作動口36を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部46は第2特定ランプ部44に対応しており、遊技球がスルーゲート37を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部43では、作動口36への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部44では、遊技球のスルーゲート37の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口36に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。なお、これら第1特定ランプ部43及び第2特定ランプ部44の制御は、後述する主制御装置により行われる。
可変入賞装置35は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置35の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置35が繰り返し開放されるものが一般的である。なお、可変入賞装置35の駆動制御は、後述する主制御装置により行われる。
遊技盤33には、内レール部47と外レール部48とが取り付けられており、これら内レール部47と外レール部48とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構50から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構50は、図3に示すように、樹脂ベース31における窓孔32の下方に取り付けられている。遊技球発射機構50は、電磁式のソレノイド51と、発射レール52と、球送り機構53とからなり、ソレノイド51への電気的な信号の入力により当該ソレノイド51の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構53によって発射レール52上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1等に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部55が形成されている。窓部55は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス56が嵌め込まれている。窓部55の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。また、左上及び右上の位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部が設けられている。
前扉枠14における窓部55の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部57と下側膨出部58とが上下に並設されている。上側膨出部57内側には上方に開口した上皿57aが設けられており、下側膨出部58内側には同じく上方に開口した下皿58aが設けられている。上皿57aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿58aは、上皿57a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部58の右方には、手前側へ突出するようにしてハンドル装置59が設けられている。ハンドル装置59が操作されることにより、遊技球発射機構から遊技球が発射される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。図5は内枠13の背面図、図6は裏パックユニット15の正面図である。
図5に示すように、内枠13(遊技盤33)の背面には、主制御装置ユニット61及び音声ランプ制御装置ユニット65が搭載されている。
主制御装置ユニット61は、合成樹脂製の取付台を有し、取付台に主制御装置63が搭載されている。主制御装置63は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備している。なお、主制御装置63の具体的な構成については、後に詳細に説明する。
音声ランプ制御装置ユニット65は、音声ランプ制御装置66と、取付台とを具備する構成となっており、取付台上に音声ランプ制御装置66が装着されている。音声ランプ制御装置66は、主制御装置63からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス68に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図6に示すように、裏パック71を備えており、当該裏パック71に対して、払出機構部72及び制御装置集合ユニット73が取り付けられている。裏パック71は透明性を有する合成樹脂により形成されており、払出機構部72などが取り付けられるベース部74と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部75とを有する。
ベース部74には、その右上部に外部端子板76が設けられている。外部端子板76には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技場側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。ベース部74には、保護カバー部75を迂回するようにして払出機構部72が配設されている。すなわち、裏パック71の最上部には上方に開口したタンク77が設けられており、タンク77には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク77の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置78が設けられている。払出装置78より払い出された遊技球は、当該払出装置78の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿57a又は下皿58aに排出される。
払出機構部72には、裏パック基板79が設置されている。裏パック基板79には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部74の下端部には、制御装置集合ユニット73が取り付けられている。制御装置集合ユニット73は、横長形状をなす取付台81を有し、取付台81に払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とが搭載されている。これら払出制御装置82と電源及び発射制御装置83とは、払出制御装置82がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置82は、基板ボックス84内に払出装置78を制御する払出制御基板が収容されて構成されている。電源及び発射制御装置83は、基板ボックス85内に電源及び発射制御基板が収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者によるハンドル装置59の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
次に、主制御装置63の構成を図7〜図9に基づいて詳細に説明する。図7は主制御装置63の斜視図、図8は主制御装置63の正面図、図9は主制御装置63の分解斜視図である。
主制御装置63は、図9に示すように、主制御基板91と基板ボックス92とを備えており、当該基板ボックス92の内部空間に主制御基板91が収容されてなる。
主制御基板91は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ93に1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ94及びラッチ用ICチップ95が搭載されている。また、図示は省略するが、主制御基板91には、コンデンサや抵抗などの各種素子や、複数のコネクタが搭載されている。
主制御基板91においてCPUチップ93などの各種素子は全て同一の板面上に搭載されており、その逆側の板面にて半田付けされている。つまり、主制御基板91は、一方の板面が素子搭載面96となっており、他方の板面が半田面となっている。なお、半田面とは、素子搭載面96に搭載される各種素子の半田付け部分が設けられる面であるが、当該半田面に対して回路パターンが形成されていてもよい。
基板ボックス92は、複数のボックス構成体として、表側構成体(ボックスカバー)101と裏側構成体(ボックスベース)102とを備えている。これら表側構成体101及び裏側構成体102は、基板ボックス92内に収容された主制御基板91の素子搭載面96及び半田面を基板ボックス92外から視認可能なように透明性を有する材料により形成されている。具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることなく、アクリル樹脂等であってもよい。
表側構成体101及び裏側構成体102が組み合わされることにより、図7及び図8に示すように、基板ボックス92は四角箱状(略直方体形状)に形成されており、所定の内部空間を有している。詳細には、表側構成体101は、図9に示すように、当該表側構成体101の周縁を規定する表側周縁部103と、当該表側周縁部103から一方に膨出するようにして形成された膨出部104とが一体形成されてなる。これら表側周縁部103と膨出部104とにより、表側構成体101は膨出部104の膨出側とは反対側に開放された略直方体形状をなしている。
表側構成体101にはその背面側から主制御基板91がネジ固定されている(着脱可能な状態で固定されている)。なお、表側構成体101への主制御基板91のネジ固定は、主制御基板91の半田面側から行われており、主制御基板91の素子搭載面96に搭載された各種素子は、主制御基板91と表側構成体101との間の領域内に収容されている。
主制御基板91が一体化された表側構成体101に対して、裏側構成体102が固定されている。裏側構成体102は、図9に示すように、正面視で四角形状、具体的には長方形状をなす略板状に形成されており、平面状に形成された平面部105と、当該平面部105の周縁を囲むようにして形成された裏側周縁部106とが一体形成されてなる。
表側構成体101に対してその裏面側から裏側構成体102を固定することにより、表側構成体101の表側周縁部103と裏側構成体102の裏側周縁部106とが重なり、膨出部104の裏面側への開放部分が裏側構成体102の平面部105により閉塞される。この場合、主制御基板91の半田面は、裏側構成体102により覆われている。つまり、主制御基板91の素子搭載面96はその全体が表側構成体101と対向しており、主制御基板91の半田面はその全体が裏側構成体102と対向している。上記構成の主制御装置63は、図5に示すように、表側構成体101の表面がパチンコ機10後方を向くようにして搭載されている。
次に、表側構成体101と裏側構成体102との固定に関する構成について詳細に説明する。両構成体101,102の固定に関する構成としては、両構成体101,102の相互の位置ずれを特定の規制方向のみに規制する規制手段と、当該規制方向への位置ずれを防止するように両構成体101,102を相互に固定する固定手段と、を備えている。
先ず、規制手段について詳細に説明する。なお、以下の規制手段の説明では、図9だけでなく図10も適宜参照する。図10(a)は主制御装置63の一部を拡大して示す側面図、図10(b)は図10(a)のA―A線断面図である。
図9に示すように、規制手段として、表側構成体101には、フック部(係止部又は表側規制部)111が一体形成されている。フック部111は複数設けられており、これらフック部111は表側周縁部103の対向する各長辺部(具体的には、上縁部及び下縁部)において当該長辺部の延びる方向に沿って等間隔で形成されている。この場合、フック部111は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されているが、複数であればその数は任意である。各フック部111は、全て同一形状となるように形成されているとともに、全て同一のサイズに形成されている。
フック部111の形状について詳細に説明する。表側構成体101の表側周縁部103は、当該表側周縁部103に沿って矩形枠状に形成された枠部112を備えている。枠部112は表側周縁部103において膨出部104に連続するベース部110から裏側構成体102側に起立させて形成されている。この場合、枠部112におけるベース部110からの突出寸法(高さ寸法)は、主制御基板91の厚み寸法と同一となっている。なお、枠部112におけるベース部110からの突出寸法を、主制御基板91の厚み寸法よりも大きくしてもよい。
枠部112において一の長辺部を構成する上枠部(一の枠部)113に複数のフック部111が形成されているとともに、当該上枠部113と対向した位置にて一の長辺部を構成する下枠部(他の枠部)114にも複数のフック部111が形成されている。この場合、各フック部111の内側の面は形成元の枠部112における内側の面と同一平面上に位置しているとともに、各フック部111の外側の面は形成元の枠部112における外側の面と同一平面上に位置している。
フック部111は枠部112を基端として形成されており、自由端側が表側構成体101の一方の短辺部側、具体的には、右縁に向けて延びるように途中位置で折り曲げて形成されている。つまり、フック部111は枠部112から裏側構成体102に向けて起立した起立部115と、起立部115から表側構成体101の側縁に向けて延びる延出部116とが一体形成されてなる。
延出部116は起立部115の高さ寸法分、枠部112から離間されており、延出部116と枠部112との間には係止用溝117が形成されている。当該係止用溝117は延出部116に沿って形成されており、延出部116の自由端側において開放されている。
フック部111に対応させて裏側構成体102には、係止受け(裏側規制部)121が一体形成されている。係止受け121の形状について詳細に説明する。裏側構成体102の裏側周縁部106には、表側構成体101の上枠部113と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の上側周壁部122が一体形成されているとともに、表側構成体101の下枠部114と対応する辺部に当該辺部の全体に沿って一連の下側周壁部123が一体形成されている。これら上側周壁部122及び下側周壁部123は表側構成体101に向けて起立している。上側周壁部122及び下側周壁部123はそれぞれ、裏側構成体102の周面(上面及び下面)を構成しているとともに、基板ボックス92の周面(上面及び下面)を構成している。
裏側周縁部106には、上側周壁部122及び下側周壁部123にそれぞれ一体形成された上側台座部124及び下側台座部125を備えている。ここで、上側台座部124及び下側台座部125は共に同一の構成を有しており、さらに規制手段について基板ボックス92の上側と下側とで基本的に構成は同一となっているため、下側の構成を例にとって以下説明する。
下側台座部125は、図9に示すように、下側周壁部123の内側の壁面から裏側構成体102の平面部105側に突出させて形成されており、下側周壁部123及び平面部105の両方に対して一体化されている。下側台座部125は下側周壁部123の長さ方向(長手方向)の全体又は略全体に亘って形成されている。
下側台座部125は、表側構成体101に向けて起立している。但し、その高さ寸法(基板ボックス92の厚み方向の寸法)は、下側周壁部123の高さ寸法よりも小さく設定されている。この点、裏側構成体102は、その長辺側の縁部において下側周壁部123と下側台座部125とにより段差状となっていると言える。
下側台座部125には、フック部111と1対1で対応させて係止受け121が形成されている。つまり、係止受け121は、上下にそれぞれ6個ずつ形成されている。但し、フック部111と1対1で対応しているのであれば、その具体的な数は任意である。各係止受け121は全て同一の形状及び大きさを有している。
係止受け121は、下側台座部125をその高さ方向、すなわち裏側構成体102の厚み方向に貫通するスリットとして構成されている。詳細には、係止受け121は、裏側構成体102において上記のとおり周面を構成する下側周壁部123と、下側台座部125において平面部105との境界部分を構成する内側壁部126と、これら下側周壁部123及び内側壁部126を連結するようにして形成された連結壁部127とにより周囲が規定されており、裏側構成体102の厚み方向(基板ボックス92の厚み方向)に貫通している。
ちなみに、連結壁部127は、隣り合う係止受け121を区画する機能も有しているとともに、下側台座部125において表側構成体101(表側構成体101の枠部112)と対向する対向面を構成している。また、内側壁部126は係止受け121側からの基板ボックス92内への侵入経路を遮断するように形成されているとともに、内側壁部126は基板ボックス92の内部空間の周面を構成している。
係止受け121の幅寸法、すなわち下側周壁部123と内側壁部126との間の距離は、フック部111の厚み寸法と同一又はそれよりも若干大きく設定されている。また、係止受け121の長さ寸法、すなわち対向する連結壁部127間の距離は、延出部116の長さ寸法よりも大きく設定されている。
係止受け121は、図10(a)に示すように、一方の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する受け部128を備えている。この受け部128が形成された側の連結壁部127は、一の係止受け121における両連結壁部127のうち、フック部111の自由端側に対応した側となっている。
受け部128は、係止受け121において表側構成体101側の端部に形成されている。また、受け部128は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。そして、係止受け121において受け部128が形成されていない側の連結壁部127から受け部128までの距離は、フック部111の延出部116が延びる方向の長さ寸法よりも大きくなっている。これにより、上記のように受け部128が形成された構成において、裏側構成体102の表側からフック部111を係止受け121内に挿入可能となっている。受け部128は、上記フック部111の係止用溝117内に入り込み可能な厚み寸法に設定されている。
なお、係止受け121は、受け部128とは逆側の連結壁部127側において、スリット状の当該係止受け121を閉塞する閉塞部129を備えている。但し、閉塞部129は係止受け121において受け部128が形成された側とは反対側の端部に形成されている。また、閉塞部129は、スリット状の係止受け121の全体を閉塞しているのではなく、一部のみを閉塞している。
表側構成体101と裏側構成体102とが一体化された状態では、図10(a)及び図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入されおてり、図10(a)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込んでいる。そして、受け部128は、枠部112に当接しているとともに、フック部111の延出部116に当接している。
この場合、表側構成体101と裏側構成体102とを、係止用溝117に対する受け部128の入り込み方向に移動させて分離させようとしても、表側構成体101の起立部115に受け部128が当接することで規制される。また、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させようとしても、フック部111と受け部128との当接により規制される。また、図10(b)に示すように、フック部111は係止受け121を構成する下側周壁部123及び内側壁部126の両方に挟まれた状態となっている。したがって、表側構成体101と裏側構成体102とを上下方向に移動させて分離させようとしても、フック部111が下側周壁部123又は内側壁部126のいずれかに当接することで規制される。つまり、フック部111及び係止受け121により、表側構成体101と裏側構成体とを分離させる際の方向が、係止用溝117から受け部128を抜き取る方向、すなわち基板ボックス92の一方の短辺側に規制されている。
特に、フック部111と係止受け121との組み合わせは、基板ボックス92の両長辺部においてそれぞれ複数組設けられており、さらにはこれらの組み合わせは、各長辺部においてその長さ方向の略全体に亘って分散させた位置にて行われている。したがって、上記規制は強固に行われている。
図10(b)に示すように、係止受け121内にフック部111が挿入され、且つ係止用溝117内に受け部128が入り込んだ規制状態では、表側構成体101の下枠部114が裏側構成体102の下側台座部125と基板ボックス92の厚み方向に重なり合っている。この場合、下側台座部125の全体に亘って下枠部114が重なり合っており、これら下側台座部125と下枠部114とにより基板ボックス92の長辺部において当該基板ボックス92の内部空間の周面の一部が構成されている。
下枠部114は、上記のとおり表側周縁部103のベース部110から裏側構成体102側に起立させて設けられている。また、下側台座部125は上記のとおりスリット状の係止受け121を構成する部位であり、それに伴って下枠部114よりも肉厚に形成されている。さらには、下枠部114は、下側台座部125上において下側周壁部123と接するように当該下側周壁部123側に偏倚した位置に配置されている。したがって、図10(b)に示すように、下枠部114へと続くベース部110と下側台座部125との間には所定の隙間が形成されており、当該隙間には主制御基板91の周縁部の一部が入り込んでいる。
裏側構成体102の下側周壁部123は、上記のとおり下側台座部125よりも表側構成体101側に突出しており、当該突出した部位が下枠部114の外側の側面に対して外方から重なり合っている。また、下側周壁部123はその起立した先端側の端面が表側周縁部103におけるベース部110の表面と面一となっている。つまり、下側周壁部123は表側周縁部103における一長辺部の外側周面の全体と重なり合っている。当該構成であることにより、表側構成体101と裏側構成体102との長辺部における境界は、図8に示すように、線状となっている。
また、当該境界は、図10(b)に示すように、表側周縁部103のベース部110よりも外側にある。当該境界を通じて基板ボックス92の内部空間にリード線などの不正用治具を挿入しようとしても、上記のとおり下枠部114と下側台座部125とがその全体に亘って重なり合っているため、それが阻止される。さらには、上記のとおりフック部111と係止受け121とによる規制は強固に行われているため、下枠部114と下側台座部125とを離間させようとしてもそれが強固に阻止される。
ここで、上記のようにフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。当該構成について、図11を用いて、基板ボックス92の体格が大きくなってしまう構成と比較しながら説明する。図11(a)は本パチンコ機10における基板ボックス92の規制箇所を示す断面図であり、図11(b)は比較対象の基板ボックス131の規制箇所を示す断面図である。
本パチンコ機10の基板ボックス92では上記のとおりフック部111と係止受け121とが設けられていることにより、図11(a)に示すように、基板ボックス92の内部空間の縁部から基板ボックス92の周面までの距離はX1となっている。
これに対して、比較対象の基板ボックス131では、図11(b)に示すように、フック部132と係止受け133とが、上記基板ボックス92とは逆の関係で、表側構成体134及び裏側構成体135に形成されている。つまり、裏側構成体135にフック部132が形成されており、表側構成体134に係止受け133が形成されている。また、上記基板ボックス92ではフック部111が設けられた表側構成体101の縁部において基板ボックス92における内部空間の周面の一部を構成していたが、本基板ボックス131ではフック部132が設けられた裏側構成体135の縁部は内部空間の周面の一部を構成していない。したがって、基板ボックス131の内部空間の縁部から基板ボックス131の周面までの距離はX2となっており、上記基板ボックス92における対応箇所の距離X1よりもX3だけ長くなっている。
以上より、本パチンコ機10における基板ボックス92によれば、基板ボックス92の小型化を図りながら、表側構成体101と裏側構成体102との分離方向の規制が強固に行われている。パチンコ機10では、図柄表示装置41の表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を行うことが好ましい。しかしながら、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を図ろうとすると、パチンコ機10の背面側において電気機器を搭載するスペースに制限が生じてしまう。これに対して、上記のとおり基板ボックス92の小型化を図ることで、表示画面の大型化やパチンコ機10の多機能化を良好に実現することができる。
次に、上記規制手段による表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業について図12を用いて説明する。図12(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との組み付け作業を説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102とを相互に固定する場合、図12(a)の状態から図12(b)の状態となるように、先ず裏側構成体102の裏側からフック部111を係止受け121内に挿入する。この場合、フック部111の自由端が、挿入された係止受け121内の受け部128側を向いている。また、この状態では、表側構成体101と裏側構成体102とは完全に重なり合っておらず、左右方向にずれた状態となっている。
その後、表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方を、両構成体101,102が完全に重なり合う方向にスライド移動させることにより、図12(c)に示すように、フック部111の係止用溝117内に係止受け121の受け部128が入り込む。これにより、係止用溝117に対する受け部128の抜け方向にのみ移動可能なように表側構成体101及び裏側構成体102の移動方向が規制される。そして、当該状態において固定手段による固定を行うことで、規制手段により規制された移動方向への移動も行うことが不可となり、表側構成体101及び裏側構成体102が相互に固定される。
次に、固定手段について説明する。
図8及び図9に示すように、表側構成体101における一方の短辺部には、表側結合領域141が一体形成されている。表側結合領域141は、当該短辺部において膨出部104から側方に延出させて形成されている。表側結合領域141には複数(具体的には、4個)の表側結合部142,143が設けられており、各表側結合部142,143には基板ボックス92の厚み方向に貫通する貫通孔部144が形成されている。なお、本実施の形態においては、主制御装置63を製造する際に使用される表側結合部と、主制御装置63を開放した後、両構成体101,102を再ボックス化する場合に使用される表側結合部との2種類の異なる表側結合部を備えている。以下、説明の便宜上、前者を「第1表側結合部142」と称し、後者を「第2表側結合部143」と称することとする。
各表側結合部142,143は、前記短辺部に沿って並設されている。より具体的には、短辺部に沿い離間して配置された2つの第1表側結合部142の間に、2つの第2表側結合部143が配置されている。また、各第1表側結合部142は第1連結部145を介して膨出部104と連結されているとともに、第2連結部146を介して隣り合う第2表側結合部143と連結されている。この場合、各連結部145,146の周囲には、ニッパやカッタ等の工具を差込可能な空間が確保されており、第1表側結合部142を破壊するよりも上記工具により切断し易くなっている。なお、上述した第2連結部146を省略することも可能である。因みに、第1表側結合部142及び第2表側結合部143の相違点についての詳細は後述する。
表側結合領域141に対応させて、裏側構成体102の裏側周縁部106には裏側結合領域151が設けられている(図13等参照)。ここで、本基板ボックス92では、裏側結合領域151が特徴的な構成となっている。そこで以下に、裏側結合領域151の特徴的な構成を重点的に説明しつつ、上記結合に関する構成を説明する。
先ず、裏側結合領域151の構成を、図9に加え図13〜図15を用いて説明する。図13は裏側結合領域151の断面図、図14は裏側結合領域151を構成する受け部材153の一部破断領域を含む斜視図、図15(a)は裏側結合領域151を構成するカバー部材154の正面図、図15(b)はカバー部材154を裏側から見た斜視図である。
裏側結合領域151は、図9及び図13に示すように、裏側構成体102の裏側周縁部106に一体形成された結合領域形成部152と、当該結合領域形成部152に組み付けられる受け部材(受け金具)153及びカバー部材154と、を備えている。
結合領域形成部152は、裏側構成体102の裏側周縁部106における一方の短辺部において、全体又は略全体に亘って形成されている。結合領域形成部152には、図13に示すように、表側構成体101側に向けて開放された溝部155が形成されている。溝部155は、結合領域形成部152の全体に亘って形成されている。
結合領域形成部152には、溝部155内に挿入された状態で受け部材153が固定されている。受け部材153は、少なくとも裏側構成体102の壁部よりも高強度な(硬質な)金属板を図14に示すように、複数箇所で折り曲げることにより形成されており、結合領域形成部152の溝部155と同一又は略同一の長さ寸法を有している。なお、受け部材153を、金属板を折り曲げることにより形成するのではなく、複数の金属板を溶接することにより形成してもよい。
受け部材153は、溝部155の周面に沿うようにして凹み空間161を有するように形成された受けベース部162と、当該受けベース部162に対して一体形成された引っ掛け板部163と、を備えている。この場合、受けベース部162は相互に対向する対向板部164,165と、これら対向板部164,165を一端において連結する連結板部166と、を備えており、これら各板部164,165,166により、凹み空間161が形成されている。また、引っ掛け板部163も板状であり、一部の板部は内側の対向板部164と対向している。
受け部材153は、受けベース部162の外周面が溝部155の内周面と重なるように、結合領域形成部152に設置されている。この場合、引っ掛け板部163は、結合領域形成部152において溝部155を形成する壁部のうち内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となっている。また、図9及び図14に示すように、受けベース部162の対向板部164,165のうち、外側の対向板部165には係止用凹部167が複数箇所に形成されており、これに対応させて、図9に示すように、結合領域形成部152において溝部155を区画する壁部のうち外側溝壁部157には、係止部158が一体形成されている。係止部158は係止用凹部167に1対1で対応させて複数箇所に形成されている。
受け部材153を結合領域形成部152に設置した状態では、係止用凹部167が係止部158により係止され、結合領域形成部152に対して受け部材153が固定されている。受け部材153が結合領域形成部152に固定された状態においては、受けベース部162における凹み空間161は表側構成体101に向けて開放されており、受けベース部162は溝部155内の略全体に亘って位置している。
つまり、図8に示すように、受け部材153は基板ボックス92における一の短辺部の略全体に亘って位置している。換言すれば、受け部材153は基板ボックス92の複数の周面部のうち少なくとも所定の周面部におけるコーナー部分間の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。さらに換言すれば、基板ボックス92は正面視で多角形状(四角形状)に形成されており、受け部材153は所定の一辺部の当該辺部が延びる方向の全体又は略全体に亘って位置するように設けられている。
受け部材153の対向板部164,165のうち、内側の対向板部164には、図13に示すように、凹み空間161側に突出するように係止片168が設けられている。係止片168は、図14の破断部分に示すように、内側の対向板部164を切除しない範囲で切断を行い、切断によって板バネ状となった箇所を凹み空間161側に曲げることにより形成されている。この場合、係止片168の自由端は、受けベース部162の連結板部166側、すなわち凹み空間161の奥側を向いている。係止片168は、等間隔で複数形成されており、この数は表側結合領域141に形成された表側結合部142,143の数と同数となっているとともに、表側結合部142,143の位置に対応させて形成されている。
上記のように受け部材153が固定された結合領域形成部152に対してカバー部材154が設置されている。カバー部材154は、無色透明のポリカーボネート樹脂により形成されているが、形成材料はこれに限定されることはなく、アクリル樹脂等であってもよい。カバー部材154は、結合領域形成部152と同一又は略同一の長さ寸法を有しており、結合領域形成部152及び受け部材153の全体又は略全体を覆う機能を有しているとともに、受け部材153が固定された結合領域形成部152を表側結合部142,143と同数の裏側結合部176に区画するための機能を有している。
具体的には、カバー部材154は、図13に示すように、第1カバー板部172と、当該第1カバー板部172に対して直交する第2カバー板部173と、を有するカバーベース部171を備えている。カバー部材154を結合領域形成部152に設置した場合には、第1カバー板部172は結合領域形成部152の対向する溝壁部156,157及び結合領域形成部152に固定された受け部材153に対して、受け部材153の凹み空間161の開放側から重なり合っており、第2カバー板部173は結合領域形成部152における外側溝壁部157の外側周面の全体に対して外方から重なり合っている。
第1カバー板部172には、図15(a)に示すように、その長さ方向に等間隔で複数の貫通孔部174が形成されている。当該貫通孔部174が形成されていることにより、受け部材153の凹み空間161は第1カバー部材154により完全に閉塞されておらず、貫通孔部174の位置にて表側構成体101側に向けて開放されている。
貫通孔部174は、受け部材153の係止片168と1対1で対応しており、図13に示すように、一の貫通孔部174と基板ボックス92の厚み方向に並ぶ位置に一の係止片168が位置している。また、貫通孔部174は、表側結合部142,143と1対1で対応している。
第1カバー板部172の表面側には、図15(a),(b)に示すように、当該第1カバー板部172の表面側において各貫通孔部174が形成された領域を個別に区画するようにして区画壁部175が一体形成されている。そして、区画壁部175により区画された各領域によって裏側結合部176が構成されている。各裏側結合部176は、表側構成体101に向けて開放されているとともに、裏側構成体102において裏側結合領域151が形成された側の短辺部と対向する短辺部に向けて開放されている。各裏側結合部176は対応する表側結合部142,143を収容可能な大きさを有しており、各裏側結合部176に対応する各表側結合部142,143が収容された状態では、各表側結合部142,143の貫通孔部144と各裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。
なお、図15(b)に示すように、第1カバー板部172の裏面側には、複数箇所に位置決め用突起177が形成されており、カバー部材154を設置する場合にはこれら位置決め用突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むようにすることで、設置箇所の位置決めを容易に行うことができる。また、当該突起177が受け部材153の凹み空間161内に入り込むことで、カバー部材154をその設置箇所から離脱させる際の離脱方向が規制される。換言すれば、凹み空間161が開放されている方向、すなわち裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制される。
次に、裏側結合領域151を形成する上での作業の流れ及び両構成体101,102の組み合わせ作業の流れを、図16を用いて説明する。図16(a)〜(c)は裏側結合領域151を形成する上での作業を説明するための説明図である。
図16(a)に示す裏側構成体102の結合領域形成部152に対して、図16(b)に示すように受け部材153を設置する。当該設置は、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155内に入り込むように、且つ受け部材153の引っ掛け板部163が結合領域形成部152の内側溝壁部156に引っ掛けられた状態となるように行われる。
図16(b)に示すように、受け部材153の受けベース部162が結合領域形成部152の溝部155の内周面と重なった状態となることで、受けベース部162の係止用凹部167が結合領域形成部152の係止部158により係止された状態となる。なお、係止部158はその先端が溝部155内に突出しているが、当該係止部158は受けベース部162の溝部155への入り込みに際して当該入り込みを阻害しない位置へと弾性変形可能に形成されている。
その後、図16(c)に示すように、受け部材153が設置された結合領域形成部152にカバー部材154を設置する。この際、カバー部材154に位置決め用突起177が形成されていることにより、カバー部材154の設置を良好に行うことができる。また、カバー部材154を設置した場合には、当該カバー部材154により係止部158が外側から覆われる。さらに、溝部155の開放箇所における、係止部158と係止用凹部167との係止箇所を露出させる部位もカバー部材154により覆われる。これにより、係止部158と係止用凹部167との係止状態を不正に解除しようとしても、当該行為が行いづらくなる。
次に、カバー部材154の円筒部178(詳しくは孔部178a)に対して破断ネジ170を挿入する。そして、この破断ネジ170を丸孔179及び連通孔169に挿通させ、ドライバ等の工具を用いて破断ネジ170を取付穴部159にねじ込む。それ以上破断ネジ170を締めることができない位置までねじ込むことにより、カバー部材154が裏側構成体102に対して固定された状態となる。すなわち、カバー部材154と受け部材153と裏側構成体102とが一体化され、裏側結合領域151の形成が完了する。
ここで、カバー部材154の固定部位(丸孔179)と前記表側結合部142,143の相互の位置関係について説明する。図8等に示すように、カバー部材154の固定部位を挟んだ両側に第1表側結合部142が配置されている。より具体的には、カバー部材154の両短側に偏倚して第1表側結合部142が配置されている。そしてこれらカバー部材154の固定部位と第1表側結合部142との間には第2表側結合部143がそれぞれ配置されている。換言すれば、カバー部材154の固定部位は第1表側結合部142と第2表側結合部143とによって二重に挟まれた状態となっている。すなわち、固定部位と第1表側結合部142までの距離寸法は、固定部位と第2表側結合部143までの距離寸法よりも大きく設定されている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176との結合に関連する構成ついて説明する。上述の如く第1表側結合部142と第2表側結合部143との結合に関連する構成は一部相違している。故に、先ず図17(a)に基づき第1表側結合部142について詳細に説明し、その後、第1表側結合部142との相違点を踏まえて第2表側結合部143について説明する。図17(a)は基板ボックス92における第1表側結合部142と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
各裏側結合部176に対して対応する各第1表側結合部142が収容された状態では、上記のとおり、各第1表側結合部142の貫通孔部144と第1カバー板部172に形成された対応する貫通孔部174とが連通された状態となっている。これら連通された貫通孔部144,174に対して、図17(a)に示すように、第1表側結合部142側から、金属製の第1結合具(固定具)181が挿入されていることで、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合(固定)されている。
第1結合具181は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部181aと、ベース部181aの片側の端部に形成され当該ベース部181aと直交する操作部181bと、によって構成されている。ベース部181aにはその厚み方向に貫通する係止孔部181cが形成されており、第1結合具181を挿入することで当該係止孔部181c内に係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第1結合具181の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部181c内に係止片168が入り込んだ後は第1結合具181の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第1表側結合部142と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。第1結合具181を挿入する際には、操作部181bを指等で押すことにより、作業を容易に行うことができる。
操作部181bは、ベース部181aにおける表側結合部142側の端部に形成されており、装着された状態においては、その板面が第1表側結合部142の当接部142aに当接している。当接部142aは、操作部181bの板面と平行な略板状をなしている。これら操作部181bと当接部142aとが当接することで、操作部181bと裏側結合部176との間に表側結合部142を挟み込んだ状態となっている。すなわち、両結合部142,176が結合された状態となっている。
また、表側結合領域141(詳しくは第1表側結合部142)には、当接部142aを囲って起立するとともに、操作部181bを内部に収容する第1周壁部142bが形成されている。換言すれば、第1周壁部142bによって操作部181bを収容する収容凹部182が形成されている。収容凹部182の内周は操作部181bの外周とほぼ同様となるように設定されており(図8参照)、操作部181bが収容凹部182に収容された後は、操作部181bを掴みづらくなっている。これにより、第1結合具181の不正な取り外しが抑制されている。
次に、第2表側結合部143及び当該第2表側結合部143に関連する構成について図17(b)に基づき説明する。図17(b)は基板ボックス92における第2表側結合部143と裏側結合部176との結合箇所を示す断面図である。
第2表側結合部143は、第1表側結合部142と同様に、当接部143a及び周壁部143bを備えている。また、第1結合具181と同様に、第2表側結合部143と裏側結合部176とを結合(固定)する第2結合具(固定具)183が設けられている。そして、周壁部143b及び膨出部104の壁面によって、第2結合具183を収容可能な収容凹部184が形成されており、第2結合具183が収容凹部184に嵌まり貫通孔部144,174に対して挿入されていることで、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合されている。
第2結合具183は、長尺状をなす金属製の板材が略L字状に折り曲げ形成されてなり、前記貫通孔部144,174に挿通されるベース部183aと、ベース部183aの片側の端部に形成され当該ベース部183aと直交する操作部183bと、によって構成されている。ベース部183aにはその厚み方向に貫通する係止孔部183cが形成されており、第2結合具183を挿入することで当該係止孔部183c内に前記係止片168が入り込む。この場合、係止片168は上記のとおり板バネとしての機能を有しているとともに、自由端が凹み空間161の奥側に向けられているため、第2結合具183の挿入方向の移動は規制しないが、係止孔部183c内に係止片168が入り込んだ後は第2結合具183の抜き取り方向の移動は規制する。これにより、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合され、表側構成体101と裏側構成体102とが固定されることとなる。
周壁部143bは、表側構成体101の膨出部104に対して連なっている。すなわち、第1表側結合部142とは異なり、表側構成体101からの離脱を容易とする(切断を容易とする)連結部145に相当する部位は設けられていない。故に、第2表側結合部143が結合された場合には、両構成体101,102の分離が不可能又は困難なものとなる。
収容凹部184の内部には、第2結合具183の挿入方向を所定の方向、具体的には貫通孔部144の軸線方向に規制する規制部143cが形成されている。規制部143cは、貫通孔部144の軸線方向に延びる複数(本実施の形態においては2つ)の柱状部よりなる。より詳しくは、規制部143cは貫通孔部144を挟んで周壁部143bと対峙しており、それら規制部143cと周壁部143bとの間隔寸法は、第2結合具183におけるベース部183aの板厚寸法とほぼ同等となっている。貫通孔部144に向けて挿入された第2結合具183は、そのベース部183aが規制部143cと周壁部143bとによって挟まれた領域に嵌まることで、その挿入方向が規制される。
操作部183bは、当該操作部183bにおける折り曲げ基端側から先端側までの最大長さ寸法が、その長さ方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その先端縁が周壁部143bに近接した状態となっている。また、操作部183bは、その最大幅寸法(長さ方向と直交する方向における幅寸法)その幅方向において相互に対峙する周壁部143b間の間隔寸法とほぼ同等となるように構成されており、その幅方向における両側の縁部が周壁部143bに近接した状態となっている。このように各縁部を周壁部143bに対して近接させることで、操作部183bを掴みにくくしている。これにより、操作部183bの押し操作の容易さを維持しつつ、操作部183bの引き操作を困難なものとすることが可能となっている。なお、操作部183bにおける各縁部を周壁部143bに対して当接させてもよい。
また図8等に示すように、第2結合具183の操作部183bには、規制部143cに対応する切欠き部183dが形成されている。具体的には切り欠き部183dは、貫通孔部144の軸線方向にて操作部183bにおける前記規制部143cと対峙している部位が削除されてなる。このため、規制部143cによって規制された所定の方向に第2結合具183を押し込んだとしても、これら規制部143cによって第2結合具183の移動が妨げられることはなく、第2結合具183の操作部183bと第2表側結合部143の当接部143aとの接触が担保されている。
なお、規制部143cは周壁部143bに沿って配置されている。これにより、操作部183bの押し込み操作に伴い指が規制部143cに当たるといった不都合を生じにくくしている。すなわち、操作部183bの操作性の担保が図られている。
第2結合具183は、収容凹部184の内部において仮止め(係止)される構成、すなわち結合前の待機状態にて保持される構成となっている。以下、その具体的な構成について図9及び図18に基づき説明する。図18は図8のB−B線部分断面図である。
図18に示すように、収容凹部184の内部(詳しくは周壁部143b)には、内方に突出し前記係止孔部183cに引っ掛かる仮止め部としての係止爪部143dが形成されている。周壁部143bには、第2結合具183の挿入に基づいて係止爪部143dを含んだ部位の撓み変形(弾性変形)を可能とする構成体側可動部143eが形成されている(図9参照)。構成体側可動部143eは板バネとしての機能を有しており、自身が撓み変形(弾性変形)することによって、収容凹部184の内方への係止爪部143dの突出量が減少する構成となっている。
一方、区画壁部175には、当該区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域が他の部位と独立して変形(弾性変形)できるようにカバー側可動部175aが形成されている。具体的には、カバー側可動部175aは、区画壁部175における構成体側可動部143eと対峙している部位を含んだ領域を挟んだ両側に切り込みが形成されており、この切り込みによって区画壁部175の周辺部位に対して独立して変形可能となっている。
収容凹部184内に第2結合具183を挿入した際には、係止爪部143dと第2結合具183のベース部183aとが接触する。第2結合具183の押し込み操作に基づいて、構成体側可動部143eが撓み変形(弾性変形)し、これに伴ってカバー側可動部175aも撓み変形(弾性変形)する。すなわち、両可動部143e,175aが一体となって撓む。これにより、係止爪部143dの突出量が減少し、第2結合具183の挿入が許容される。詳しくは、係止爪部143dがベース部183aの板面上に乗り上げた状態となり、第2結合具183の移動に伴って係止爪部143dがベース部183aの板面上を摺動する。かかる状態においては、両可動部143e,175aの弾性力により、係止爪部143dがベース部183a側に付勢されたまま維持される。
第2結合具183が所定位置まで押し込まれることにより、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり得る状態となる。かかる場合、両可動部143e,175aが自身の弾性力により元の状態に復帰しようとすることで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、それら係止爪部143dと係止孔部183cとが引っ掛かった状態となる。これにより、第2結合具183が仮止めされる。
同図18に示すように、係止孔部183cに対して係止爪部143dが引っ掛かった状態、すなわち仮止めされた状態では、ベース部183aの先端部が貫通孔部144から突出(裏側結合部176側への突出)することが回避されている。このため、仮止めされている第2結合具183によって、両構成体101,102の相対移動が妨げられることはない。更に、第2結合具183が仮止めされた状態においては、操作部183bが収容凹部184内に収まっており、操作部183bを掴みにくくなっている。このため、第2結合具183を仮止めした後の当該第2結合具183の取り外し作業は困難なものとなっている。
また、図7に示すように、カバー側可動部175aは、構成体側可動部143eのみならず周壁部143b(詳しくは周壁部143bにおける構成体側可動部143eを挟んだ両側)にも接触している。このため、仮にカバー側可動部175aが主制御装置63の外方から押された場合、カバー側可動部175aに加わった負荷を周壁部143bによって分散することができ、構成体側可動部143eに対して局所的に負荷が集中することを回避可能となっている。更に、構成体側可動部143eの少なくとも可動先端側を含んだ部分に対してカバー側可動部175aが接触している。これにより、外部から構成体側可動部143eが不正に操作されることを好適に抑制することが可能となっている。
以上詳述した、構成体側可動部143e及びカバー側可動部175aによれば、構成体側可動部143eの撓み変形を許容可能としつつ、外部からの不正な操作等を抑制可能となり、実用上好ましい構成を実現することができる。
なお、両結合具181,183は、裏側構成体102の壁部よりも高強度となるように金属により形成されているが、裏側構成体102の壁部よりも高強度であれば、金属製に限定されることはなく合成樹脂製であってもよく、合成樹脂材料にガラス繊維などの補強剤を分散させた材料により形成してもよく、合成樹脂材料により形成したものに対してメッキなどの表面処理を施すことにより形成してもよい。
上記のとおり設置箇所からのカバー部材154の離脱方向は突起177により、裏側構成体102から表側構成体101に向けた方向に規制されているため、裏側結合部176に対して表側結合部142が重ね合わせられた状態となることで、カバー部材154を離脱させる方向への移動が一層好適に規制される。そして、表側結合部142と裏側結合部176とが結合されることで、カバー部材154は表側結合部142と結合領域形成部152とにより挟持され遊びのない状態となる。
また、図17に示すように、カバー部材154には、第1カバー板部172から基板ボックス92の内部空間に入り込むようにして受け板部185が一体形成されている。受け板部185は、図15(b)に示すように、カバー部材154の長さ方向の概ね全体に亘って位置するように、複数箇所に設けられており、図17に示すように、第1カバー板部172から裏側構成体102側に向けて延びる基端部186と、当該基端部186から基板ボックス92の内部空間の中央側に向けて延びる先端部187と、を備えている。受け板部185の先端部187は、結合領域形成部152にカバー部材154を設置した状態で、裏側構成体102において結合領域形成部152に隣接させて形成された支持台部188に接している。また、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102に表側構成体101を組み合わせた状態で、表側構成体101の枠部112及び表側構成体101に一体化された主制御基板91の周縁部が乗り上げた状態となる。つまり、受け板部185の先端部187は、裏側構成体102の支持台部188と、表側構成体101の枠部112及び主制御基板91の周縁部と、により挟持されている。これにより、カバー部材154の固定がより安定した状態で行われている。
次に、表側結合部142,143と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを、図17を用いて説明する。図19(a)〜(c)は第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とする場合の作業の流れを説明するための説明図である。
図19(a)に示すように結合領域形成部152に受け部材153及びカバー部材154が設置されて裏側結合領域151が形成された状態の裏側構成体102に対して表側構成体101を組み合わせることにより、図19(b)に示すように、第1表側結合部142の貫通孔部144と、対応する裏側結合部176の貫通孔部174とが連通された状態となる。この場合、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された状態とすることで、自ずと第1表側結合部142が裏側結合領域151の各裏側結合部176に対して、対応する各第1表側結合部142が収容された状態となり、上記のとおり各貫通孔部144,174が連通された状態となる。
その後、図19(c)に示すように、連通された貫通孔部144,174に対して、第1表側結合部142側から第1結合具181を挿入することで、それら第1結合具181が挿入された第1表側結合部142及び裏側結合部176の組み合わせが結合状態となり、表側構成体101と裏側構成体102とが固定される。この場合に、第1表側結合部142と裏側結合部176との組み合わせは複数組(具体的には、2組)設けられているが、これら各組み合わせに対して第1結合具181を挿入することで、表側構成体101と裏側構成体102との固定は行われる。
主制御装置63の製造工程においては、上述の如く第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業とともに、第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合待機状態とするための(仮止めするための)予備的作業が行われる。再び図18を用いて、この予備的作業について説明する。
第1表側結合部142と裏側結合部176の結合作業が終了した後に、第2結合具183の仮止め作業が行われる。具体的には、第2表側結合部143の貫通孔部144に向けて第2収容凹部184の開口から第2結合具183を挿入する。かかる場合、第2結合具183のベース部183aを貫通孔部144に向かって押し込むことで、ベース部183aが規制部143cと周壁部143bとの間に挟まれた状態となり、その移動方向が規制される。これとほぼ同期して、ベース部183aの先端が係止爪部143dに当たる。第2結合具183を更に押し込むことで、係止爪部143dが係止孔部183cに嵌まり、第2結合具183が第2表側結合部143に対して引っ掛かった状態となる。かかる場合、操作部183b全体が第2収容凹部184内に収容される。これにより、操作部183bの押し込み操作の操作性を担保しつつ、引っ張り操作を困難なものとしている。
なお、以上詳述した第2結合具183の仮止め作業を行った後、上述した第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業を行うことも可能である。かかる場合、第2結合具183の仮止めを行うことにより、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合作業が可能となる構成としてもよい。
次に、第1表側結合部142と裏側結合部176とを結合状態とした状態において、表側構成体101及び裏側構成体102の固定状態を解除する場合の作業の流れを、図20を用いて説明する。図20(a)〜(c)は表側構成体101と裏側構成体102との固定状態を解除する場合の作業の流れを説明するための説明図である。
表側構成体101と裏側構成体102との固定状態の解除に際しては、図20(a)に示すように、結合状態となっている第1表側結合部142と膨出部104との間の連結部145を切断するとともに、結合状態となっている第1表側結合部142と結合状態となっていない第2表側結合部143との間の連結部146をニッパやカッタ等の工具により切断する。これにより、表側構成体101と裏側構成体102との分離が、第1表側結合部142及び裏側結合部176の結合により阻害されなくなる。
この場合に、連結部145,146は第1表側結合部142に対して設けられており、裏側結合領域151は破壊されない。したがって、結合状態となっている第1表側結合部142は裏側結合領域151側に残る。また、このように結合状態となっている第1表側結合部142が残ることで、当該第1表側結合部142と裏側結合部176との結合を通じて、カバー部材154が結合領域形成部152に固定された状態は維持される。
その後、図20(b)に示すように、フック部111及び係止受け121からなる規制手段により規制された方向に表側構成体101又は裏側構成体102の少なくとも一方をスライド移動させることにより、フック部111と係止受け121との係止状態が解除される。その後、図20(c)に示すように、表側構成体101と裏側構成体102とを基板ボックス92の厚み方向に分離させることで、これら構成体101,102が完全に分離された状態となる。
この場合、上記連結部145が切断されていることにより、当該連結部145の切断箇所を確認することで表側構成体101と裏側構成体102とが分離されたか否かを確認することが可能となる。
このように、両構成体101,102の固定状態を解除することにより、主制御基板91やCPUチップ93を露出させることができ、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を実施可能となる。本実施の形態に示す両構成体101,102は、分離された後に第2表側結合部143及び裏側結合部176を結合することにより再ボックス化可能となっている。
ここで、両構成体101,102の再固定する際の作業について図17(b),図18,図20(d)及び図20(e)を用いて説明する。図20(d)及び図20(e)は表側構成体101と裏側構成体102との再固定する場合の作業の流れを説明するための説明図である。図20(d)→図20(e)の作業に基づいて、第2結合具183が図18→図17(b)の状態に移行される。
図20(c)に示すように、両構成体101,102を分離し、主制御基板91やCPUチップ93の検査等を行った後、再び両構成体101,102を組み合わせる(図19及び図20(d)参照)。この状態では、第2表側結合部143の貫通孔部144と裏側結合部176の貫通孔部174とが連通した状態となる。ここで、図18及び図20(d)に示すように係止爪部143dによって仮止めされている第2結合具183を、裏側構成体102側へと押し込み図17(b)及び図20(e)の状態に移行させる(係止爪部143dについては図18参照)。図17(b)に示すように押し込まれた第2結合具183が係止片168と引っ掛かり、第2表側結合部143と裏側結合部176とが結合された状態となる。これにより、両構成体101,102の再固定が完了する。
第2表側結合部143には第1表側結合部142と異なり、連結部145,146に相当する切断を容易とする箇所が設けられていない。このため、第2表側結合部143を結合した後は、その結合状態の解除は困難なものとなっている。
なお、第2表側結合部143が、第1表側結合部142と同様に、連結部145,146等に相当する積極的に切断を容易とした部分を有する構成とすることも可能である。
カバー部材154の固定に関する構成について説明する。図9及び図15(b)に示すように、第1カバー板部172の中央には、その第1カバー板部172から表側構成体101側に起立する円筒部178が一体成形されている。第1カバー板部172には、円筒部178の孔部178aに連通し、当該円筒部178の軸線方向と同一方向に延びる丸孔179が形成されている。より詳しくは、孔部178aと丸孔179とは段差状に連続しており、その孔径は丸孔179において減縮されている。
また、図9及び図14に示すように受け部材153には丸孔179と連通する連通孔169が形成されており、これら孔部178aと丸孔179と連通孔169とには表側構成体101側から破断ネジ170が挿通されている。裏側構成体102には、この破断ネジ170がねじ込まれる取付穴部159が形成されており、その取付穴部159に対して破断ネジ170が螺着されることによって、裏側構成体102と受け部材153とカバー部材154とが一体化されている。
本実施形態では、破断ネジ170の構成に特徴を有している。破断ネジ170とは、装着作業と取り外し作業とを比較した場合、後者の方が困難となるものであり、一旦装着された後には、固定対象及び自身の少なくともいずれかの破壊を伴うことなくその取り外しが不可とされるものである。本実施形態では、破断ネジ170の一部が破断することにより、破断ネジ170の取り外し作業が困難なものとなる。図21(a)は破断ネジ170の正面図であり、図21(b)は破断ネジ170の平面図であり、図21(c)は破断ネジ170の分解斜視図である。また、図21(d)は図21(a)のC−C線断面図であり、図21(e)は破断ネジ170が破断した状態を示す断面図である。
破断ネジ170は、ドライバなどの工具の先端を差込可能な頭部250を有する領域と、ネジ溝が形成された軸部255を有する領域と、を備えており、これら両領域が破断部260によって連結されてなる。
頭部250は、円柱形状を有しており、その頂部にドライバ等の工具が差し込まれる操作溝250aが設けられている。操作溝250aは、頭部250において軸部255とは反対側の面に設けられている。操作溝250aにドライバ等が差し込まれた状態にてそのドライバ等を回転させることにより、軸部255をその軸線を中心として回転させることができる。
なお、頭部250は工具の先端が差し込まれその工具が操作されることにより破断ネジ170による螺着が行われるため、頭部250を「操作部250」と称することも可能である。
軸部255には、上記のとおりネジ溝が形成されており、頭部250に対するドライバによる操作に伴って回転することで、締結対象に形成されたネジ孔内に入り込む。この場合、軸部255には、当該ネジ溝の一部を形成するようにして図示しない突起が形成されているとともに、当該突起は一連のネジ溝に沿って断続的に多数形成されている。かかる突起が締結対象のネジ孔に食い込むことにより、高いゆるみ止め効果が得られる。
破断部260はその強度が他の部位よりも低く設定されたものであり、それ以上締めることができない位置において頭部250に対して上記工具によりさらに所定以上の力を加えることにより、上記破断部260が切断され、頭部250側の領域と軸部255側の領域とが分離されるものである。つまり、破断ネジ170は、螺着後(切断後)において、上記工具を用いて緩める方向へ回転させることを不可とするものである。
詳細には、頭部250側には、頭部250を一端として軸部255側に延びるとともに、頭部250側から軸部255側に延びるにつれその径方向の大きさが縮小される頭部側絞部265aが設けられており、さらに、破断部260の軸部255側には、軸部255側を一端として頭部250側に延びるとともに、軸部255側から頭部250側に延びるにつれその径方向の大きさが縮小される軸部側絞部265bが設けられている。各絞部265a,265bの縮小された側となる互いに向き合う端部は連続しており、当該連続箇所が破断部260となっている。すなわち、破断部260は、他の部位よりも径が小さく形成されていることにより、その強度が他の部位よりも低くなっている。このように破断部260を設けることにより、それ以上締めることができない位置において頭部250に対して上記工具によりさらに所定以上の力を加えた場合に、破断部260が切断され易くなっている。
また、破断ネジ170は、軸部255と破断部260とに挟まれるとともに、軸部255の径方向に拡張された第1拡径部275aを有している。第1拡径部275aの軸部255側には、第1拡径部275aよりも径方向に縮小されるとともに、軸部255の径方向に拡張された第2拡径部275bが設けられている。第1拡径部275a及び第2拡径部275bは連続して設けられている。
破断ネジ170には、ホルダ278が一体化されている。当該ホルダ278について以下に詳細に説明する。ホルダ278は、軸線方向に貫通した貫通孔280を有する円筒状をなしており、破断ネジ170における頭部250から第2拡径部275bの一部を覆うようにして設けられている。この場合、ホルダ278は、貫通孔280の軸線が破断ネジ170の軸線と同一直線上となるように配置されている。
ホルダ278の貫通孔280には軸線方向に複数の段差部が形成されており、これら段差部によって貫通孔280は軸線方向において複数段階で孔径が変更されている。かかる貫通孔280について、詳細には、貫通孔280において一方の開口を含む第1孔部280aは、頭部250の外径よりも大きな孔径となるように形成されており、第1孔部280aを規定する周面は頭部250において操作溝250aが形成された側の周面と対向している。この場合、第1孔部280aの周面と頭部250の周面との間には、隙間が生じている。ちなみに、第1孔部280aの孔長は、頭部250の軸線方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。
貫通孔280は、第1孔部280a側の第1開口290aとは反対側の第2開口290bを含み、第1孔部280aよりも拡径された第2孔部280bを有している。第2孔部280bは、破断ネジ170の第1拡径部275aの外径よりも大きな孔径となるように形成されている。この場合、第2孔部280bの周面と第1拡径部275aの周面との間には、隙間が生じている。また、第2孔部280bの孔長は、第1拡径部275aの軸線方向の長さ寸法よりも大きく設定されており、第2孔部280bを規定する周面は第1拡径部275aの周面の全体と対向している。このように第2孔部280bの孔径及び孔長が設定された構成において、上記のとおり第1孔部280aの孔径は、頭部250の外径よりも大きく設定されているため、ホルダ278は、破断ネジ170に対して軸線方向に相対移動可能となっている。そして、この相対移動に際しては、第2孔部280b内において第1拡径部275aが上記軸線方向に移動することとなる。
第2孔部280bの周面において第2開口290bの周縁を規定する部位には、内側に突出し環状をなす環状縮径部278aが一体形成されており、当該環状縮径部278aが形成された部位では、孔径が第1拡径部275aの外径よりも小さくなっている。これにより、第2孔部280b内において第1拡径部275aを第2開口290b側に移動させたとしても、第1拡径部275aと第2拡径部275bとの間における環状の段差面295が環状縮径部278aにおける環状の段差面296に当接することで、それ以上の移動が規制される。かかる規制によって、第2開口290b側からの破断ネジ170の抜けが防止されている。
また、第2孔部280bと第1孔部280aとの間には、第1孔部280aよりも拡径されているとともに、第2孔部280bよりも縮径された第3孔部280cが形成されている。第2孔部280bと第3孔部280cとの間には環状の段差面297が形成されており、第3孔部280cの孔径が第1拡径部275aの外径よりも小さく設定されていることに伴って、第2孔部280b内において第1拡径部275aを第3孔部280c側に移動させたとしても、環状の段差面297に対して第1拡径部275aにおける反第2拡径部275b側の端面300の周縁が当接することで、それ以上の移動が規制される。かかる規制によって、第1開口290a側からの破断ネジ170の抜けが防止されている。
上記のとおり第2孔部280bに対して、第1拡径部275aと第2拡径部275bとの間の段差面295及び第1拡径部275aの上記端面300にそれぞれ対向する段差面296,297が形成されていることにより、第1拡径部275aのホルダ278に対する相対位置が第2孔部280bの範囲内に規定されている。換言すれば、破断ネジ170に対するホルダ278の相対位置として、第1拡径部275aの上記端面300が第2孔部280bと第3孔部280cとの間の段差面297に当接する第1位置と、第1拡径部275aと第2拡径部275bとの間の段差面295が第2孔部280bの環状縮径部278aの段差面296に当接する第2位置とが設定されており、これら第1位置及び第2位置の間の範囲における任意の位置に相対位置を変更可能となっている。
この場合に、破断ネジ170に対するホルダ278の相対位置が第1位置となっている状況において、環状縮径部278aが第2拡径部275bよりも軸部255側に突出しないように、ホルダ278が形成されている。環状縮径部278aが第2拡径部275bよりも軸部255側に移動可能とすると、破断ネジ170により各部材153,154を固定した場合、そのカバー部材154に環状縮径部278aひいてはホルダ278が接触する。この場合、ホルダ278を回転させた場合にその回転力が軸部255に伝わりやすく、ホルダ278を回転させることにより、軸部255が緩むことがある。本実施形態では、ホルダ278が固定対象に接触しないことによりホルダ278を回転させた場合にその回転が軸部255に伝わりにくくなっている。
ここで、破断ネジ170は、上記のとおり破断部260を備えており頭部250側と軸部255側に分離可能となっている。この場合に、ホルダ278には、破断部260の破断後において頭部250をホルダ278内から取り外そうとしても、それを不可とする構造が設けられている。そこで、以下にかかる構造について図21に加え、図22を用いて説明する。図22(a)は、破断部260が破断しており、かつ、ホルダ278が第1位置に位置している状態を示すものである。図22(b)は、図22(a)において、頭部250が傾いた状態を示すものである。図22(c)は、破断部260が破断しており、かつ、ホルダ278が第2位置に位置している状態を示すものである。なお、図22は、各部の長さや範囲を説明するために用いるものであり、部材番号が省略されている。
破断ネジ170に対するホルダ278の相対位置が上記第1位置となっている状況において、頭部250において操作溝250aが形成された側の面(以下、この面を操作面250bという)が第1孔部280a内に入り込んでいるとともに、破断ネジ170に対するホルダ278の相対位置が上記第2位置となっている状況であっても、操作面250bが第1孔部280a内に入り込んだ状態が維持されるように第1孔部280aの孔長が設定されている。詳細には、第1孔部280aの軸線方向の長さY1が、第1位置から第2位置へのホルダ278の移動範囲Y2よりも大きくなっている。そして、ホルダ278が第1位置に位置しており、かつ頭部250が傾いた状態では、操作面250bにおける軸部255側に位置した端部が、第1孔部280aに長さY3だけ入り込んで位置している(図22(b)参照)。また、ホルダ278が第2位置に位置しており、かつ、頭部250が傾いた状態において、操作面250bにおける軸部255側に位置した端部が第1孔部280aに長さY4だけ入り込んで位置している(図22(c)参照)。
上記構成であることにより、ホルダ278の相対位置がいずれの場合であっても、操作面250bが第1孔部280aの径Y5内に位置する。よって、頭部250は、軸線方向と直交する方向には第1孔部280aの径Y5内にて移動することが可能となる。この結果、第1孔部280aの径Y5と頭部250の径Y6にて形成される隙間領域内にて頭部250が移動可能となる。本実施形態では、第1孔部280aの径Y5と頭部250の径Y6とによって形成される隙間領域が小さくなるよう設定されている(ほとんどないように設定されている)。かかる寸法関係とすることにより、頭部250の周面と第1孔部280aの周面とが接した場合を含め、常に、頭部250が第1開口290aからみた軸部255の回転中心軸線を遮蔽することが可能となる。すなわち、頭部250は、破断部260が破断した場合に、常に軸部255の軸線上に位置しており、軸部側絞部265bの反軸部255側の領域において軸部255の軸線が通過する部位を、第1開口290aからみて遮蔽している。
なお、第1孔部280aの径Y5と頭部250の径Y6との関係を変更してもよい。但し、頭部250が軸部255の軸線を遮蔽することが望ましく、詳細には、(径Y5−径Y6)<(径Y6÷2)の関係となっていることが望ましい。
さらにまた、既に説明したように、ホルダ278の貫通孔280には、第1孔部280aよりも拡径させて第2孔部280bが形成されている。これにより、両孔部280a,280bの間には環状の段差面301が形成されている。当該段差面301に対応させて、破断ネジ170において頭部250と頭部側絞部265aとの境界部分には、頭部250の周面よりも径方向外側に突出するようにして係止部としての環状のフランジ部305が一体形成されている。当該フランジ部305は、その外径が第1孔部280aの孔径よりも大きく設定されている。この場合に、破断ネジ170に対するホルダ278の相対位置が上記第1位置となっている状況では、フランジ部305は、上記段差面301よりも第2開口290b側に配置されており、フランジ部305において第1開口290a側を向いたフランジ面310は、上記段差面301と対向している。詳細には、ホルダ278が第1位置に位置しており、軸部255の軸線が操作面250bに直交する場合、フランジ面310から第1,第2孔部280a,280bによって形成される段差面301までの長さY7が、操作面250bからホルダ278外部までの長さY8よりも小さくなっている。上記段差面までの長さY7は、頭部250が軸部255の軸線方向に移動可能な範囲である。頭部250の移動可能範囲を上記端面からホルダ278外部までの距離よりも小さくしたことにより、頭部250が反軸部255側に移動した場合に、頭部250の一部がホルダ278外部に位置することを防止できる。
なお、破断部260が破断する前の状態においてはホルダ278の位置に関係なく、長さY7が0とならないようにホルダ278が形成されている。すなわち、破断部260が破断する前の状態においては、ホルダ278が第1位置に位置している場合に、フランジ面310と上記段差面301とが当接しないようになっている。フランジ面310と上記段差面301とが当接する場合、ホルダ278に外力が加わった場合にその外力が破断部260に伝わりやすくなってしまう。上述したように破断部260はその他の部位よりも強度が低く、破断部260にホルダ278から外力が伝わりやすいとすると、破断ネジ170の輸送中や、破断ネジ170の設置作業中等に意図しない破断部260の破断が発生することが考えられる。ホルダ278の位置にかかわらず長さY7を担保することは、ホルダ278に加わった外力が破断部260に伝わりにくく、破断部260の意図しない破断を抑制するための工夫である。
上記構成であることにより、破断部260が分離された後に、頭部250をホルダ278から抜き取ろうとしても、フランジ面310を段差面301に当接した状態よりも、頭部250を反軸部255側に移動させることができず、頭部250の全てがホルダ278、ひいては第1孔部280aの外部に位置することを抑制できる。
本実施形態では、軸線方向に見て、ホルダ278における貫通孔280が円形にて設けられており、破断ネジ170の各部も円形によって形成されている。これにより、破断ネジ170が回転する場合、ホルダ278によってその回転が阻害されなくなっている。すなわち、破断ネジ170とホルダ278とは、軸部255の回転方向に対して係止される部分がなくなっている。例えば、破断部260が破断した後に、ホルダ278内に樹脂等を流し込むことにより、ホルダ278と破断ネジ170とを一体化させた後にホルダ278を回転させ、軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が考えられる。本実施形態では、ホルダ278と破断ネジ170とに回転方向において係止される部分がないため、樹脂を流し込まれたとしても、ホルダ278と破断ネジ170とが滑りやすく、ホルダ278と破断ネジ170とが一体化されることを防ぐことができる。
ここで、カバー部材154の固定に関する構成について、図9及び図23(a)、(b)を用いて説明する。図23(a)、(b)は図8のD−D線部分断面図である。
図23(a)に示すように、破断ネジ170は、円筒部178の上方からカバー部材154に向かって差し込まれる。そして、破断ネジ170が円筒部178に差し込まれた状態では、図23(b)に示すように破断ネジ170は、円筒部178の孔部178a内に収容されている。すなわち、円筒部178の内部に破断ネジ170におけるホルダ278の全てが収容された状態となり、破断ネジ170は円筒部178によって囲われた状態となっている。このように破断ネジ170を囲う機能に着目すれば円筒部178を「囲い部」又は「収容部」と称することも可能である。破断ネジ170の頭部250(操作溝250a)にドライバ等の工具を差し込み、その工具を操作することにより、軸部255を回転させることができる。軸部255が回転することにより、図23(b)に示すように破断ネジ170における軸部255が受け部材153(裏側構成体102)及びカバー部材154を締結した状態にて固定することができる。
受け部材153及びカバー部材154を連結した後に破断ネジ170における破断部260が切断される場合について説明する。図24(a)は破断ネジ170における破断部260が切断される前の状態を示す概略図であり、図24(b)は破断ネジ170における破断部260が切断された後の状態を示す概略図である。なお、図24(a),(b)は、図23における円筒部178周辺の拡大図である。
軸部255をそれ以上締めることができない状態において、破断ネジ170を締める方向に回転させようとした場合、破断部260が切断される。これにより、受け部材153及びカバー部材154の固定が不正に解除されることを抑制できる。破断ネジ170が破断された場合、頭部250が軸線方向及び軸と直交する方向に移動可能となる(図24(a)→図24(b))。上述したように破断部260が分離された後に、頭部250をホルダ278から抜き取ろうとしても、フランジ面310を段差面301に当接した状態よりも頭部250が反軸部255側に移動することがないため、頭部250が意図しない場所へと移動することがなくなる。これにより、パチンコ機10の組み立て作業において、カバー部材154に破断ネジ170を差し込み、破断部260を分離させた後に、頭部250を回収する作業が必要なくなる。
ホルダ278の相対位置が上記第2位置となっている状況であっても、頭部250が軸部255の軸線に対して任意の位置に傾いた場合に、頭部250の周面が第1孔部280aに当接するようになっている。これにより、頭部250の周面が第1孔部280aに当接するため、分離された後にも頭部250は軸部側絞部265bを第1開口290aから遮蔽する。これにより、第1開口290aから軸部側絞部265bひいては軸部255に直接アクセスされることを抑制できる。
上述したように破断ネジ170における破断部260が破断した場合、頭部250が分離した状態では、軸部255を緩める方向へと回転できないようになっている。しかしながら、ホルダ278における第1開口290aより樹脂や接着剤等を流し込み、破断部260が破断した後に頭部250と軸部255とが一体化されることや、ホルダ278と軸部255とが一体化されることが考えられる。各部が一体化された場合、頭部250又はホルダ278を回転操作することにより、その回転力が軸部255に伝わってしまうことが考えられる。本実施形態では、樹脂や接着剤等を用いた不正行為を抑制するための特徴的な構成を有している。
破断ネジ170における第2拡径部275bにおける軸部255側の面には先端が鋭利になっているネジ側凹凸部275cが設けられている。ネジ側凹凸部275cは複数の凹凸によって形成されている。また、カバー部材154における円筒部178の底部には、複数の凹凸によって形成される筒部側凹凸部178bと当接部178cとが設けられている。かかる構成について図24に加え、図25、26を用いて説明する。図25(a)は、破断ネジ170を反頭部250側からみた底面図である。図25(b)は、円筒部178の平面図である。図26は、ネジ側凹凸部275cと当接部178cとが当接している状態を示す説明図である。なお、図25では、円筒部178に破断ネジ170が設置された場合の位置関係を補助線にて示している。
当接部178cによって丸孔179における反受け部材153側の周縁部が規定されている。筒部側凹凸部178bは、当接部178cよりも窪むようにして設けられている。詳細には、筒部側凹凸部178bにおける山側の頂点が当接部178cの頂部を規定する当接面311と同じ高さとなっており、筒部側凹凸部178bにおける谷側の底面が当接面311よりも丸孔179側に位置するようになっている。
当接面311(当接部178c)とネジ側凹凸部275cとが当接することによって、破断ネジ170をそれ以上カバー部材154側へとねじ込むことができないようになっている。すなわち、ネジ側凹凸部275cが当接部178cよりも丸孔179側へと移動することが防止されている。なお、ネジ側凹凸部275cが当接部178cを噛むようにその凹凸部が形成されており、振動等によって軸部255が緩む方向へと回転してしまうことを抑制する効果を得ている。
ネジ側凹凸部275cは、第2拡径部275bにおける軸部255側の面の全体に設けられている。すなわち、頭部250側から円筒部178における筒部側凹凸部178b及び当接部178cを隠している。本構成により、ネジ側凹凸部275cと筒部側凹凸部178bとが対向することとなる。そして、各凹凸部178b,275cにおける凹部分によって若干の隙間が形成されている。また、各凹凸部178b,275cにおける複数の凹凸はそれぞれ軸部255における軸線を中心として放射線状となるように設けられている。
また、円筒部178の底面は、円筒部178の側面から筒部側凹凸部178bに向かって下る傾斜面178dが設けられている。すなわち、円筒部178の底部は、円筒部178の周面から円筒部178の丸孔179に向かったすり鉢状となるように形成されている。
樹脂や接着剤等が流し込まれることによって、破断部260が破断した後に頭部250又はホルダ278と軸部255とが一体化される不正行為が行われることが考えられる。本実施形態では、樹脂や接着剤等が流し込まれた場合、傾斜面178dが設けられていることにより、その樹脂や接着剤等が各凹凸部178b,275cが対向した領域に流れ込みやすくなっている。
樹脂や接着剤等が各凹凸部178b,275cが対向した領域に流れ込み、その樹脂や接着剤等が固まった場合、破断ネジ170とカバー部材154とが一体化される。この結果、軸部255が緩まる方向へと回転されることを抑制し、各部材153,154の締結が不正に解除されることを抑制できる。上述した当接部178cが設けられていることは、ネジ側凹凸部275cが筒部側凹凸部178bに完全に密着してしまい樹脂や接着剤が流れ込む隙間がなくなってしまうことを抑制するための工夫である。
しかしながら、樹脂や接着剤等にて軸部255側の領域とカバー部材154とが一体化されるとしても、その状態にて軸部255を緩める方向へ回転力を加えた場合に、軸部255とカバー部材154とを一体化させている部分の樹脂や接着剤が破断してしまい、その一体化が解除されることが考えられる。本実施形態では、樹脂や接着剤等が流れ込んだ場合、凹凸が設けられた状態にてその樹脂や接着剤等が固まる。この場合、その樹脂や接着剤等の凹凸が各凹凸部178b,275cと噛み合った状態となり、その樹脂や接着剤等にて破断ネジ170とカバー部材154が一体化される場合の強度を高めることができる。
さらに、補足すると、上述したように頭部250及び各拡径部275a,275bとホルダ278とは、軸部255の回転方向に対して係止される部分がなくなっている。すなわち、ホルダ278と頭部250及び各拡径部275a,275bとは滑りやすくなっている。これにより、破断部260が破断した後にホルダ278内に樹脂や接着剤等が流し込まれた場合、ホルダ278内部における頭部250及び各拡径部275a,275bの固着よりも、軸部255側の領域とカバー部材154との固着の方がその強度が強くなる。この結果、樹脂や接着剤等を流し込み、破断ネジ170における各部及びカバー部材154とを一体化させた状態にて、軸部255を緩める方向へ回転させようとすると、ホルダ278と頭部250及び各拡径部275a,275bとの固着部分の樹脂や接着剤等が破断する。すなわち、カバー部材154と破断ネジ170とを一体化させている部分よりもホルダ278内部にその固着強度が低い部分を設けたことにより、カバー部材154と破断ネジ170との一体化が解除されることを抑制する効果を得ることが可能となっている。
また、筒部側凹凸部178bに複数の溝部が設けられていることにより、ホルダ278より軸部255側に流れ込んだ樹脂や接着剤等が複数の凹凸のうちいずれかの凹凸に流れ込みやすくなっている。これにより、ホルダ278より軸部255側に樹脂や接着剤が到達したとしても、筒部側凹凸部178bにその樹脂や接着剤等が流れ込まなくなることを抑制している。さらに、各凹凸部178b,275cにおける複数の凹凸はそれぞれ軸部255における軸線を中心として放射線状となるように設けられているため、各凹凸部178b,275cにおける凹凸を形成する壁面を軸部255が緩まる方向に対して直交して設けることが可能となる。これにより、樹脂や接着剤等が流し込まれた場合に、軸部255が緩まる方向に対する樹脂や接着剤等の接着面積を十分に担保することが可能となり、カバー部材154と破断ネジ170とが一体化された場合の固着強度をより高めることが可能となる。
ここで、破断ネジ170の製造方法について図27を用いて説明する。
図27(a)は、金属製(例えば、鉄鋼(炭素鋼))のコイルC(ロープ状)を示す図である。このコイルCが破断ネジ170の材料となる。図27(b)では、コイルCの一部分に軸線方向から圧力を加える。詳細には、コイルCの径方向側から治具にて囲った後にコイルCの軸線方向から圧力が加えられる。圧力が加えられることにより、治具が設けられてない部分が治具に沿って径方向に拡張される。径方向に拡張された部分が円柱状となるように径方向から圧力を加える。これにより、破断ネジ170における第2拡径部275bが形成される。
第2拡径部275bを形成した後に、図27(c)に示すようにコイルCの第2拡径部275bを径方向から囲むようにして治具を設置する。治具を設置した後に、図27(b)と同様、コイル状の材料の軸線方向から圧力を加える。コイル状の材料は治具に沿って径方向に拡張され、第2拡径部275bと接するようにして、第2拡径部275bよりも大径の部分が形成される。この大径部分が円柱状となるように径方向から圧力を加えることにより、第2拡径部275bより大径の第1拡径部275aが形成される。
拡径部275a,275bを形成した後に、第2拡径部275bと連続した箇所(第2拡径部275bを挟んで第1拡径部275aと反対側の箇所)に対してネジ溝を形成する。これにより、図27(d)に示すように軸部255が形成される。なお、ネジ溝を形成した後に、ネジ溝が設けられた部分の一部(先端)を切断して軸部255の長さが均一となる工程を設けてもよい。
軸部255を形成した後に、第1拡径部275aを挟んで軸部255とは反対側に設けられた箇所を囲むようにして治具を設置する(図示略)。この治具は、第1拡径部275aよりも小径となっている。治具を設置した後に、コイル状の材料に対して軸線方向かつ、第1拡径部275a方向に向かって圧力を加える。この後に、余ったコイル状の材料を切断する。これにより、図27(e)に示すように、第1拡径部275aを挟んで軸部255とは反対側に径方向に拡張された部分が形成される。図27(f)に示すように、この径方向に拡張された部分の軸部255とは反対側面に対して溝を形成する。これにより、操作溝250aが形成される。
図27の(e),(f)にて形成された径方向に拡張された部分の一部に、図27(g)に示すように、径方向から圧力を加える。これにより、径方向から圧力を加えることにより、径方向に対して縮小された部分が形成される。この縮小された部分が破断部260である。破断部260を形成する工程により、頭部250、頭部側絞部265a及び軸部側絞部265bが形成される。頭部側絞部265aが形成される場合、径方向から圧力が加えられることにより、頭部側絞部265aの頭部250側の一部が頭部250よりも大径となる。この大径部分がフランジ部305である。
その後に、第2拡径部275bにおける軸部255側の面に凹凸を形成するよう溝を形成する。これにより、ネジ側凹凸部275cが形成される。この段階にてコイルCが破断ネジ170と同形状のネジ部材となる。ネジ側凹凸部275cを形成した後にそのネジ部材に対してメッキ加工を行う。このメッキ加工はネジ部材が腐食されること等を防ぐための工夫である。
以上の工程を実行することにより、図27(h)に示すようにコイルCから破断ネジ170を製造することが可能となる。なお、上述したコイル状の材料に対して圧力を加えることにより破断ネジ170を製造する必要はなく、金型を用いた型成形により破断ネジ170を製造したり、第1拡径部275aよりも大径のコイル状の材料から削りだすことにより破断ネジ170を製造したりしてもよい。
破断ネジ170を収容するホルダ278を取り付ける場合の工程について図28をもとに説明する。本実施形態では、ホルダ278は、金型に金属材料を流し込んだ後に、その金属材料(例えば、鉄鋼(炭素鋼))を固める型成形により製造される。
ホルダ278は、初期段階では環状縮径部278aが形成されていない。環状縮径部278aが形成される部分には、破断ネジ170を内部に収容した状態にて軸部255の軸線方向へ突出されるとともに、ホルダ278の内周面と面一となっている環状突部278bが設けられている。すなわち、第1孔部280aとは反対側から破断ネジ170の抜き差しが阻害されない。環状突部278bはホルダ278外周面と段差を形成するように設けられている。したがって、環状突部278bは、他の部位より肉厚が小さくなっている。
ホルダ278を取り付ける場合、図28(a)に示すように、ホルダ278における第1孔部280aに破断ネジ170における頭部250が収容された状態となるように、破断ネジ170及びホルダ278を設置する。その後に、軸部255側から環状縮径部278aを形成するよう治具により環状突部278bに圧力を加え、ホルダ278の軸部255側の一部を折り曲げる折曲加工を行う。これにより、図28(b)に示すように環状縮径部278aが形成され、ホルダ278と破断ネジ170とが一体化された状態となる。
なお、本実施形態では、折曲加工を行う場合に、ホルダ278における環状縮径部278aが形成される部分が切断されてしまうことを抑制するために、環状突部278bの基端側の外周(段差部分)には、曲面278cが設けられている。また、環状突部278b外周面とホルダ278外周面との間に段差が設けられていることにより、環状突部278bを内周側へ折り曲げた場合にホルダ278の外周が変形しにくい。この場合、ホルダ278の外周を面一とすることが可能となるため、ホルダ278を設置する場合に、ホルダの設置箇所との隙間を小さくすることが可能となり、不正行為抑止効果を高めることができる。
本実施形態では、軸部255の外径(いわゆる呼び径)が3mmであるが、これに限定されるものではない。例えば、外径を0.3mm〜10mmにすることが可能である。但し、軸部255の外径を1mm〜5mmにするのが望ましい。軸部255の外径を1mm〜5mmとすることにより、軸部255が過度に太くなることがなく、かつ各部材を締結した後に軸部255に適度な強度を持たせることが可能となる。
また、軸部255の外径の大きさを3mmとした場合、以下の寸法とすることが望ましい。
破断ネジ170における頭部250の外径は5mmとなっている。頭部250の外径を変更してもよいが、外径を4mm〜6mmとするのが望ましい。頭部250が大き過ぎると、パチンコ機10に破断ネジ170を設置するスペースを大きく確保する必要があり、頭部250が小さ過ぎると、操作溝250aの大きさが小さくなり破断ネジ170を回転させにくくなるからである。
ホルダ278の外径は破断ネジ170における頭部250の2倍程度が望ましく、本実施形態ではホルダ278の外径が10mmとなっている。ホルダ278の外径を変更することも可能であり、例えば、ホルダ278の外径を7mm〜15mmとすることも可能である。但し、ホルダ278の外径を8mm〜12mmとするのが望ましい。ホルダ278が大き過ぎる場合、ホルダ278を設置するスペースが大きく確保する必要があるからである。また、8mm〜12mmとすることによってホルダ278における第1開口290aの大きさを、ドライバ等の工具を差し込むことを妨げない大きさとすることができるからである。
ホルダ278が破断ネジ170に取り付けられる場合の環状突部278b(図28(a)参照)の厚みは0.5mmとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、環状突部278bの厚みを0.3mm〜0.9mmとすることが可能である。但し、環状突部278bの厚みを0.4mm〜0.6mmとするのが望ましい。環状突部278bが厚過ぎる場合は環状突部278bの折曲加工を行いにくく、環状突部278bが薄過ぎる場合には環状突部278bを折り曲げて環状縮径部278aとした場合に、環状縮径部278aの強度が十分に確保できないことが考えられるからである。環状縮径部278aの強度が十分でないと、破断ネジ170を環状縮径部278a側に引き抜こうとした場合、環状縮径部278aが変形して、破断ネジ170が抜けることがあるからである。
本実施形態では、曲面278cの曲率半径が0.3mmとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、0.1mm〜1mmとすることが可能である。但し、望ましくは、0.2mm〜0.5mmとするのがよい。また、ホルダ278外周と環状突部278b外周とによって形成される段差量が0.3mmとなっているが、最低0.1mm以上設けられていればよい。曲率半径が大き過ぎる場合、環状突部278bを折り曲げた場合にホルダ278の外周が変形してしまう。また、曲率半径や段差量が小さすぎる場合、その折曲作業が行いにくい。
各寸法を上記のものにすることで、作業性を向上させつつ、その強度を担保することが可能となる。さらには、上記寸法とする場合、加工後の寸法のバラつきを低減することが可能となる。
次に、基板ボックス92に設けられた他の固定構造について簡略に説明する。
図8に示すように、基板ボックス92において表側結合領域141及び裏側結合領域151が設けられた側とは反対側の短辺部には、貼付板部191が設けられている。当該貼付板部191は、表側構成体101に形成された貼付板部と、裏側構成体102に形成された貼付板部とが重ね合わされることにより構成されている。貼付板部191には、両者の境界を跨ぐようにして封印シール192が貼り付けられている。封印シール192は、貼り付けた後に剥がすと粘着剤層が貼付板部191側に残り、再貼付不可となるものである。
なお、基板ボックス92において貼付板部191が設けられた短辺部には、当該貼付板部191を挟むようにして固定部193が設けられており、当該固定部193に対してネジ固定が行われていることで表側構成体101と裏側構成体102とが固定されている。なお、表側構成体101と裏側構成体102との固定に上述した破断ネジ170を用いてもよい。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図29のブロック図に基づいて説明する。図29では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置63に設けられた主制御基板91には、主制御回路202と停電監視回路203とが内蔵されている。主制御回路202には、CPUチップ93が搭載されている。CPUチップ93には、当該CPUチップ93により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM205と、そのROM205内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM206と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
CPUチップ93には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPUチップ93の入力側には、主制御基板91に設けられた停電監視回路203、払出制御装置82に設けられた払出制御基板211及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路203には電源及び発射制御装置83に設けられた電源及び発射制御基板215が接続されており、CPUチップ93には停電監視回路203を介して電力が供給される。
一方、CPUチップ93の出力側には、停電監視回路203、払出制御基板211及び中継端子板219が接続されている。払出制御基板211には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板219を介して主制御回路202から音声ランプ制御装置66に設けられた音声ランプ制御基板221に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路203は、主制御回路202と電源及び発射制御基板215とを中継し、また電源及び発射制御基板215から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御基板211は、払出装置78により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU212は、そのCPU212により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM213と、ワークメモリ等として使用されるRAM214とを備えている。
払出制御基板211のCPU212には、入出力ポートが設けられている。CPU212の入力側には、主制御回路202、電源及び発射制御基板215、及び裏パック基板79が接続されている。また、CPU212の出力側には、主制御回路202及び裏パック基板79が接続されている。
電源及び発射制御基板215は、電源部216と発射制御部217とを備えている。電源部216は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路202や払出制御基板211等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路202や払出制御基板211等に対して供給する。発射制御部217は、遊技球発射機構50の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構50は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板221は、表示制御装置225を制御するものである。演算装置であるCPU222は、そのCPU222により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM223と、ワークメモリ等として使用されるRAM224とを備えている。
音声ランプ制御基板221のCPU222には入出力ポートが設けられている。CPU222の入力側には中継端子板219に中継されて主制御回路202が接続されており、主制御回路202から出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置225を制御する。表示制御装置225は、音声ランプ制御基板221から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
破断ネジ170における軸部255にて受け部材153及びカバー部材154を締結することができる。受け部材153及びカバー部材154を締結させた後には、工具係合部である操作溝250aに所定トルク以上の回転力を加えることにより、軸部255と頭部250とを分離させることができる。頭部250と軸部255とが分離することにより、軸部255を回転させることが不可となり、受け部材153及びカバー部材154の締結が不正に解除されることを抑制できる。また、分離した頭部250がホルダ278によって保持される。これにより、頭部250はホルダ278内に留まることとなり、分離した頭部250を回収する作業が必要なくなる。仮に、分離した頭部250を回収する必要がある構成においては、分離された頭部250を回収しきれなかった場合、その頭部250が遊技球の通路に残存して円滑な遊技球の流通を阻害したり、頭部250が電気部品に干渉してショートしたりする等、不具合や故障の要因ともなり得ると考えられる。よって、本実施形態では、分離した頭部250を回収する必要がないため、パチンコ機10の組み立て作業効率を向上し得るとともに、上記不都合が発生することを抑制できる。
破断ネジ170とホルダ278とが一体化する構成とし、分離した頭部250がホルダ278内に留まる構成とした。この場合、破断ネジ170にホルダ278が設けられているともいえ、各部材153,154の締結を行う場合に破断ネジ170を設置すれば、同時にホルダ278の設置をも行うことができる。よって、頭部250が分離された場合にその頭部250を保持するホルダ278を有した構成において、その組み立て作業が複雑化することを抑制できる。
頭部250をホルダ278にて覆う構成とした。頭部250が分離した場合、頭部250が転がったりして、移動する方向を特定することは困難であるが、頭部250を覆うことにより、頭部250がホルダ278より外部に移動することを抑制できる。よって、ホルダ278以外の部材を設けることなく、分離した頭部250をホルダ278の内部に保持できる。
環状縮径部278aよりも軸部255側に第2拡径部275bが位置しており、その軸部255側の面がカバー部材154に接している。すなわち、環状縮径部278aとカバー部材154との間に隙間が生じている。これにより、環状縮径部278aがカバー部材154と第2拡径部275bとに挟まれて固定されることがなくなる。すなわち、ホルダ278と軸部255とが固定された状態となることを抑制することが可能となる。よって、ホルダ278に対して回転操作が行われた場合に、その回転力が軸部255に伝わることを抑制できる。ホルダ278に対して回転操作が行われた場合に軸部255にその回転力が伝わりやすいとすると、頭部250が分離されたとしてもホルダ278を操作することにより受け部材153及びカバー部材154の締結が不正に解除されてしまう。ホルダ278への回転力が軸部255へと伝わりにくくすることにより、ホルダ278に対して回転操作を行うことによる不正行為を抑制できる。
ホルダ278及び破断ネジ170が円筒部178に入り込んだ状態にて設置される。ホルダ278及び頭部250が円筒部178に入り込んでいるため、破断ネジ170における軸線方向と直交する方向から直接軸部255にアクセスされることを抑制できる。
頭部250は、分離された後もその全てが第1孔部280aに入り込んでいる。この場合、頭部250は分離された後に第1孔部280aを遮蔽している。これにより、第1開口290aを介して、第1拡径部275a、ひいては軸部255に直接アクセスされることを抑制している。また、軸部側絞部265bの反軸部255側の領域において軸部255の軸線が通過する部位を、頭部250が第1開口290aからみて遮蔽している。例えば、軸部255を緩める方向へと回転させるためには、軸部255側の領域における軸部255の軸線上に位置する部位にアクセスする必要があり、軸線が通過する部位を頭部250が遮蔽していない場合、その部位に接着剤を塗布して工具等と軸部255が設けられた領域とを一体化した後に軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が行われることが考えられる。これに対して本実施形態によれば、上記頭部250による遮蔽により、軸部255の軸線が通過する部位にアクセスされることを防止できるため、上記一体化による不正行為が行われることを防止できる。
カバー部材154に筒部側凹凸部178bが設けられている。破断ネジ170の頭部250が分離され、軸部255を緩める方向に回転できないとしても(軸部255側の軸線が通過する部位に直接接着剤を塗布できないとしても)、ホルダ278の第1開口290aの隙間から樹脂や接着剤等が流し込まれ、頭部250と軸部255とが一体化されたり、ホルダ278と軸部255側とが一体化されたりすることが考えられる。その一体化の後に、ホルダ278や頭部250を回転操作することにより、軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が考えられる。本実施形態では、樹脂や接着剤等が流し込まれ、その樹脂や接着剤等がカバー部材154に到達した場合には、カバー部材154における筒部側凹凸部178bにその樹脂や接着剤等が入り込む。その樹脂や接着剤等が固まった場合、カバー部材154と破断ネジ170とを一体化させることが可能となる。この結果、軸部255が緩まる方向へと回転されることを抑制できる。
筒部側凹凸部178bは、当接部178cよりも反頭部250側に設けられている。これにより、破断ネジ170が筒部側凹凸部178bに接することを抑制できる。仮に、筒部側凹凸部178bと、破断ネジ170とが密着している場合、筒部側凹凸部178bに樹脂や接着剤等が流れ込む隙間がなくなってしまうことが考えられる。上記隙間がなくなることにより、破断ネジ170とカバー部材154とが一体化されず、樹脂や接着剤等が流し込まれる不正行為が行われることが考えられる。筒部側凹凸部178bは当接部178cよりも反頭部250側に設けられていることにより、各凹凸部178b,275cが完全に密着することを抑制している。これにより、樹脂や接着剤等が流し込まれた場合に各凹凸部178b,275cが対向する領域に樹脂や接着剤等が流れ込む隙間がなくなってしまうことを抑制できる。
また、ネジ側凹凸部275cは、頭部250側からみて当接部178cと接するように、かつ、筒部側凹凸部178bと対向するようにして設けられている。当接部178とネジ側凹凸部275cとが接することにより、振動等による緩み止めの効果を得ることが可能となる。この結果、ネジ側凹凸部275cの範囲を設定するのみにて、上記樹脂や接着剤等による一体化が解除されることを抑制する効果を得つつ、樹脂や接着剤等による不正行為が行われていない場合における緩み止め効果を得ることが可能となる。
傾斜面178dが筒部側凹凸部178bに向かって下るように設けられていることにより、樹脂や接着剤等による不正行為が流し込まれた場合にその樹脂や接着剤等を筒部側凹凸部178bに好適に到達させることが可能となる。
ホルダ278と、頭部250及び拡径部275a,275bとが接する面が軸線方向に見て円形になっている。この場合、ホルダ278と、頭部250及び拡径部275a,275bとが回転方向に引っかかることを抑制できる。すなわち、ホルダ278と、頭部250及び拡径部275a,275bとが係止されにくいため、頭部250が分離された後にホルダ278が回転操作された場合に、その回転操作により拡径部275a,275b、ひいては軸部255が回転することを抑制できる。
また、ホルダ278が円形となっている場合、ホルダ278内に樹脂等が流し込まれ、ホルダ278と軸部255とが一体化されたとしても、軸部255とホルダ278とが滑りやすく、ホルダ278と軸部255との一体化の強度を低くすることが可能となる。一方、筒部側凹凸部178bが設けられていることにより、破断ネジ170とカバー部材154との一体化の強度は高くなっている。この結果、カバー部材154と破断ネジ170との一体化を解除しようとして、すなわち、カバー部材154と破断ネジ170とを一体化させている部分の樹脂や接着剤を破断させようとして、ホルダ278又は頭部250に回転力が加えられた場合、カバー部材154と破断ネジ170との一体化させている樹脂や接着剤等よりも先に、ホルダ278と軸部255を一体化させている部分の樹脂や接着剤等が破断する。その後には、ホルダ278又は頭部250の回転力がカバー部材154と破断ネジ170とを一体化させている部分に伝わらず、カバー部材154と破断ネジ170との一体化が解除されることを抑制できる。すなわち、樹脂や接着剤等が流し込まれ各部が一体化された場合に、筒部側凹凸部178bが設けられている部分よりもその一体化の強度が弱い部分を保持部内に設けたことにより、カバー部材154と破断ネジ170との一体化が解除されることを抑制している。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上記第1の実施形態にて説明した破断ネジ170の構成が異なっている。以下には上記第1の実施形態における破断ネジ170との相違点を中心に説明する。
本実施形態における破断ネジ323は、第1の実施形態とはフランジ部の形状が異なっている。図30は、第1の実施形態の図24に相当する本実施形態における断面図である。
上述したように、第1,第2孔部280a,280bの間には環状の段差面301が形成されている。当該段差面301に対応させて、破断ネジ323において頭部250と頭部側絞部265aとの境界部分には、頭部250の周面よりも径方向外側に突出するようにして係止部としての環状のフランジ部325が一体形成されている。当該フランジ部325はその外径が、第1孔部280aの孔径よりも大きく、かつ、第3孔部280cよりも小さく設定されている。これにより、フランジ部325が、第1孔部280aに入り込むことを防止できるとともに、第3孔部280c内に位置することが可能となっている。
フランジ部325には、第1開口290aから樹脂や接着剤等が流し込まれた場合に、その樹脂や接着剤等が軸部255側へ流れることを防止する防止壁328が設けられている。防止壁328は、フランジ部325の外縁部より上記段差面301に向かって環状に延びており、その先端が上記段差面301と対向している。
第1開口290aより樹脂や接着剤等が流し込まれた場合、その樹脂や接着剤等がフランジ部325における反軸部255側の面に流れ込む。そして、防止壁328の内周面によって、フランジ部325よりも軸部255側へその樹脂や接着剤等が流れ込むことが抑制されている。すなわち、防止壁328とフランジ部325とによって形成される溝部に第1開口290aから流し込まれた樹脂や接着剤等が貯留されるようになっている。
また、頭部250と第1孔部280a内にて軸部255の軸線方向と直交する方向に移動した位置にかかわらず、防止壁328は上記段差面301と対向するようになっている。すなわち、頭部250が移動したとしても第1開口290a、第1拡径部275a及び防止壁328が一直線上に重なることがないようになっている。これは、防止壁328の反軸部255側の端面上にその樹脂や接着剤等が流し込まれ、防止壁328の内周面と頭部250の外周面との間にその樹脂や接着剤等が溜まることなく、当該樹脂や接着剤等が軸部255側の領域に流れ込むことを防ぐための工夫である。
第1開口290aから樹脂や接着剤等を流し込み、ホルダ278と破断ネジ323とを一体化させた後にホルダ278を回転操作することにより、軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が考えられる。この点、防止壁328が設けられていることにより、軸部255側へと樹脂や接着剤等が流れ込むことを防ぎ、上記軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が行われることを抑制できる。特に、流し込まれた樹脂や接着剤等が速乾性のものであったり、粘性の高いものであったりした場合、防止壁328によって、フランジ部325よりも軸部255側へと流れ込む前にその樹脂や接着剤等が固まることが考えられる。この場合、ホルダ278と頭部250とが一体化されることが考えられるが、第1の実施形態にて説明したように、ホルダ278は、第1,第2拡径部275a,275bに対して空回りするようになっている。この結果、ホルダ278と頭部250とを一体化させた後に頭部250を回転させたとしても、ホルダ278と軸部255側の領域とは固定されておらず、その回転力が軸部255側の領域に伝わりにくくなっており、軸部255を緩める方向へと回転されることが抑制できる。
しかしながら、樹脂や接着剤等として粘性の低いものや遅効性のものが用いられた場合、その樹脂や接着剤等が固まる前にフランジ部325よりも軸部255側へと流れ込むことが考えられる。そこで、本実施形態では、環状縮径部278aの内周側が、第2孔部280b側から軸部255に近づくにつれ縮径されている。すなわち、ホルダ278内部において第2開口290bに向かって下る傾斜面330が形成されている。
第1開口290aから樹脂や接着剤等が流し込まれ、防止壁328を乗り越えて樹脂や接着剤等が軸部255側の領域に到達した場合、傾斜面330により、その樹脂や接着剤等がカバー部材154に誘導される(傾斜面330により第2開口290bを介して第1カバー部材154に誘導される)。この場合、その樹脂や接着剤等により、ホルダ278と破断ネジ323とだけでなく、カバー部材154がその樹脂や接着剤等により一体化される。カバー部材154と破断ネジ323、ひいては軸部255とが一体化されることにより、軸部255を緩める方向へと回転させる不正行為が行われることを抑制できる。
さらに、本実施形態では、ホルダ278が、円筒部178の孔部178a内に位置しており、孔部178aとホルダ278とに隙間がほとんどできないようにホルダ278及び孔部178aの径が設定されている。そして、軸部255が各構成体101,102に螺入されている状態において、第2孔部280bと第1拡径部275aとによって形成される軸部255の軸線方向と直交するに隙間が形成されるとともに、環状縮径部278aと第2拡径部275bとによって軸部255の軸線方向と直交する方向に隙間が形成されるようになっている。これにより、樹脂や接着剤等がフランジ部325よりも軸部255側の領域に流れ込んだ場合には、その隙間を介してカバー部材154にその樹脂や接着剤等が到達しやすくなっている。
本実施形態では、防止壁328は主に粘性が高い又は速乾性の樹脂や接着剤等による不正行為を抑制し、傾斜面330は主に粘性が低い又は遅効性の樹脂や接着剤等による不正行為を抑制する。防止壁328及び傾斜面330が設けられていることにより、樹脂や接着剤等を用いた不正行為を抑制する効果を得ることができるとともに、用いられる樹脂や接着剤等の種類によって上記不正行為を抑制する効果が低下することを抑制している。
なお、防止壁328における軸部255の軸線方向の長さ、及び、ホルダ278に向かって延びる角度は特に限定しないが、防止壁328をホルダ278に可能な限り近接させておけば、破断部260が破断した場合に、樹脂や接着剤等が流れ込む隙間(防止壁328とホルダとによって形成される隙間)を小さくすることが可能となる。
防止壁328は、頭部250から段差面301に向かって延びるものであったが、頭部250の外周面から第3孔部280cの内周面に向かって延びていてもよい。すなわち、頭部250と第3孔部280cとの軸部255の軸線方向と直交する方向に防止壁328が延びていてもよい。この場合でも、防止壁328が設けられていることにより、樹脂や接着剤等が軸部255側へと流れ込むことを抑制できる。なお、弾性を有した合成樹脂材料により防止壁328を構成するとよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、環状縮径部278aに複数の開口が設けられている。かかる構成について図31を用いて説明する。図31(a)は、破断ネジ170が破断する前の状態を示す概略図である。図31(b)は、図31(a)における領域Zを示す拡大図である。なお、図31(a)は、第1の実施形態の図24に相当する本実施形態における断面図である。
本実施形態における環状縮径部278aには、複数の円形の貫通孔333が設けられている。貫通孔333は、頭部250側から軸部255側に貫通している。貫通孔333が設けられていることにより、ホルダ278及び破断ネジ170を一体化させるために第1開口290aから樹脂や接着剤等が流し込まれた場合、その樹脂や接着剤等は貫通孔333を通過してカバー部材154に到達する。これにより、上記第2の実施形態と同様に、その樹脂や接着剤等によってホルダ278と破断ネジ170だけでなくカバー部材154もが一体化される。よって、軸部255とカバー部材154とが一体化され、軸部255を緩める方向へと回転されることが抑制できる。
また、本実施形態では、環状縮径部278aに貫通孔333が設けられているため、環状縮径部278aと第2拡径部275bとにおいて軸部255の軸線方向と直交する方向に隙間を設けなくとも、樹脂や接着剤等をカバー部材154へと到達させることが可能となる。
また、本実施形態では、複数の貫通孔333が設けられていたが、貫通孔333の数は特に限定されるものではなく、貫通孔333が1又は2箇所のみに設けられているものが考えられる。貫通孔333の数を少なくする場合、樹脂や接着剤等をカバー部材154側に流れやすくするため、貫通孔333の径を大きく設けるとよい。但し、貫通孔333の径を大きくした場合、環状縮径部278aの耐久度が低下するおそれがあるため、環状縮径部278aの耐久度を担保した大きさにする必要がある。
また、貫通孔333は円形を有していたが、貫通孔333の形状を変更してもよく、例えば、貫通孔333が矩形状をなしていてもよい。また、複数の貫通孔333を格子状となるように配置する等してもよい。
また、本実施形態及び第2の実施形態にて説明した傾斜面330,貫通孔333及び防止壁328のうちいずれかのみが適用されていてもよい。この場合においても、傾斜面330,貫通孔333又は防止壁328によって、樹脂や接着剤等を用いた所定の不正行為が行われることを抑制することが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、第2拡径部275bの外周面と円筒部178の内周面とにそれぞれラチェット歯部が設けられている。そして、裏側構成体102及び各部材153,154を締結した状態で、各ラチェット歯部が係止される(噛み合う)ことにより、破断ネジ170(軸部255)が緩まる方向へと回転することを防止している。これらの構成について以下に説明する。なお、図32は、第1の実施形態における図23に相当する本実施形態における断面図である。図33は、図32の破断ネジ周辺の拡大図であり、図33(a)は破断ネジ170を連通孔169及び丸孔179に差し込む前の状態を示しており、図33(b)は破断ネジ170を連通孔169及び丸孔179に差し込んだ状態を示している。
図32及び図33に示すように、円筒部178の底面側の領域には、破断ネジ170の第2拡径部275bにおける反頭部250側の一部を収容可能に縮径された筒側縮径部350が設けられている。筒側縮径部350は、その内径が第2拡径部275bの外径と同じ又は若干大きい程度となるように形成されている。つまり、筒側縮径部350に第2拡径部275bが入り込んだ状態では、筒側縮径部350の内周面と第2拡径部275bとの外周面とが向かい合う。
筒側縮径部350の内周面には第1係合部としての筒側ラチェット歯部353が設けられており、第2拡径部275bにおける筒側縮径部350に入り込む部位の外周面には第2係合部としてのネジ側ラチェット歯部355が設けられている。各ラチェット歯部353,355は噛み合うようになっており、第2拡径部275b、ひいては、軸部255が緩まる方向に回転することを防止している。
筒側縮径部350の内径は軸部255の外径よりも大きくなっており、筒側縮径部350によって連通孔169及び丸孔179への軸部255の差込が阻害されないようになっている。つまり、筒側縮径部350は、その内周がホルダ278の外周よりも小さくなっている。このため、円筒部178内において、各ラチェット歯部353,355が、ホルダ278によって反軸部側から隠された状態となる。
また、筒側縮径部350の頭部250側の面は、ホルダ278が軸部255側に移動したとしてもホルダ278の軸部255側の面と接触しないように設けられている。つまり、破断ネジ170は、第2拡径部275bの軸部255側の面と、円筒部178の底面とが接触するまで差込可能となっている。
各ラチェット歯部353,355について説明する。図34は、円筒部178の底面の周辺領域を示すものであり、軸部255の一部が丸孔179に差し込まれた状態を示している。
筒側ラチェット歯部353は、複数の筒側ラチェット歯357を有している。筒側ラチェット歯357は、軸部255が緩まる方向へ回転することを抑制する筒側係止面357aと、軸部255が締まる方向へ回転することをガイドする筒側ガイド面357bと、からなり、筒側縮径部350の内側へと突出するように設けられている。筒側係止面357aは、軸部255が緩まる方向に対して筒側ガイド面357bよりも先側に設けられている。各面357a,357bは軸部255の法線方向に対して非対象となるように設けられており、筒側ガイド面357bが筒側係止面357aよりも軸部255の法線方向に対して傾倒するように設けられている。具体的には、筒側係止面357aが軸部255の法線方向に対して略平行となるように設けられており、筒側ガイド面357bが筒側係止面357aと鋭角を形成するように法線方向に対して傾倒して設けられている。
また、各面357a,357bは、軸部255の軸線方向に対して平行となるように延びている。すなわち、筒側ラチェット歯357は、円筒部178の内周面からの突出量が軸線方向にみて変化しないようになっている。
ネジ側ラチェット歯部355は、複数のネジ側ラチェット歯360を有している。ネジ側ラチェット歯360は、軸部255が緩まる方向へ回転することを抑制するネジ側係止面360aと、軸部255が締まる方向へ回転することをガイドするネジ側ガイド面360bと、からなり、第2拡径部275bの外側へと突出するように設けられている。ネジ側係止面360aは、軸部255が緩まる方向に対してネジ側ガイド面360bよりも先側に設けられている。各面360a,360bは軸部255の法線方向に対して非対象となるように設けられており、ネジ側ガイド面360bがネジ側係止面360aよりも軸部255の法線方向に対して傾倒するように設けられている。具体的には、ネジ側係止面360aが軸部255の法線方向に対して略平行となるように設けられており、ネジ側ガイド面360bがネジ側係止面360aと鋭角を形成するように法線方向に対して傾倒して設けられている。
また、各面360a,360bは、軸部255の軸線方向に対して平行となるように延びている。すなわち、ネジ側ラチェット歯360は、第2拡径部275bからの突出量が軸線方向にみて変化しないようになっている。
軸部255を締結方向に回転させた場合の各ラチェット歯部353,355の係合について説明する。図35は、各ラチェット歯部353,355の係合の様子を示す説明図である。
軸部255を締まる方向に回転させた場合、第2拡径部275bは、ネジ側ラチェット歯部355におけるネジ側ガイド面360bが先側となるように回転する。そして、図35(a)に示すように、筒側ラチェット歯部353における筒側ガイド面357bにネジ側ラチェット歯360が当接する。上述したように、破断ネジ170は金属材料によって形成されており、カバー部材154は合成樹脂材料によって形成されている。このため、ネジ側ラチェット歯360に比べ、筒側ラチェット歯357は歪み易くなっている。各ガイド面357b,360bが当接した状態にて、所定トルク以上の回転力が各ガイド面357b,360bに加わった場合、各ガイド面357b,360bに沿って筒側ラチェット歯357が歪む。そして、筒側ラチェット歯357が歪んだ状態にて、ネジ側ラチェット歯360が筒側ラチェット歯357の頂部を乗り越える。
ネジ側ラチェット歯360が筒側ラチェット歯357を乗り越えた場合、図35(b)に示すように、筒側ラチェット歯357の復帰弾性力によって、筒側ラチェット歯357の歪みがなくなる。軸部255が締まる方向へと第2拡径部275bがさらに回転された場合、ネジ側ラチェット歯360と筒側ガイド面357bとが再び当接し、筒側ラチェット歯357が歪むこととなる。つまり、筒側ラチェット歯357が歪んだ状態と歪んでいない状態とが繰り返されることにより、各ラチェット歯部353,355が噛み合った状態にて軸部255を締まる方向へと回転させることが可能となる。
軸部255を緩まる方向に回転させようとした場合、第2拡径部275bは、ネジ側ラチェット歯部355におけるネジ側係止面360aが先側となるように回転する。そして、筒側ラチェット歯部353における筒側係止面357aに当接する。各係止面357a,360aは、各ガイド面357b,360bに比べ、軸部255の法線方向に対して傾倒していない。このため、各係止面357a,360aが当接した状態にて筒側ラチェット歯357が歪みにくく、各係止面357a,360aが係止した状態にてそれ以上回転することを抑制できる。この結果、軸部255が緩まる方向へと回転することを防止できる(すなわち、軸部255が緩まる方向に回転することにより、図35(b)の状態から図35(a)の状態となることを防止できる)。
上記構成であることにより、破断ネジ170による裏側構成体102及び各部材153,154の締結作業の後に軸部255が緩まる方向へと回転されることを規制できる。この場合、各ラチェット歯部353,355により、一方向にしか回転できないワンウェイクラッチが形成されているともいえる。この結果、裏側構成体102及び各部材153,154の締結の後に軸部255が緩まる方向に回転され、裏側構成体102及び各部材153,154の締結が不正に解除されることを抑制できる。破断部260が切断された後には、頭部250と軸部255とが分離され、軸部を緩める方向へ回転できないとしても、破断ネジ170の周辺領域に樹脂や接着剤等を流し込み、その樹脂や接着剤等によって破断ネジ170と工具等とを一体化させた後に、その工具等を操作することにより破断ネジ170を回転させる不正行為が考えられる。本実施形態によれば、軸部255が緩まる方向へ回転することを、各ラチェット歯部353,355が係合されることにより抑制でき、さらに、上記樹脂や接着剤等による不正行為を抑制できる。
ここで、軸部255の差込量について説明する。上述したように、各ラチェット歯部353,355を設けたことにより、裏側構成体102及び各部材153,154を締結した後には、その締結が解除されないようになっている。しかしながら、その締結作業中において筒側ラチェット歯357を歪ませるため、各ラチェット歯部353,355が設けられていない場合と比して、破断ネジ170の破断部260に大きなトルクが加わり、その締結作業中において頭部250が分離するおそれが考えられる。そこで、本実施形態では、取付穴部159のネジ溝(以下、ネジ溝370という)の配置に特徴的な構成を有している。
図33に示すように、軸部255が取付穴部159、連通孔169及び丸孔179に差し込まれた場合、長さL1の領域に差し込むことが可能となっている。そして、長さL1の領域のうち、頭部250側の長さL2の領域にはネジ溝370が設けられておらず、長さL2の領域よりも反頭部250側の領域にネジ溝370が形成されている。このため、取付穴部159における長さL3の領域において軸部255とネジ溝370とがネジ結合されることとなる。
また、筒側ラチェット歯部353における軸部255の軸線方向の長さL4は、長さL3よりも短くなっている。さらに、筒側ラチェット歯部353は、円筒部178の底面から延びている。この結果、長さL3から長さL4を引いた長さに亘り軸部255とネジ溝370とがネジ結合された場合に、各ラチェット歯部353,355の係合が開始されるようになっている。すなわち、軸部255のネジ結合が開始されなければ各ラチェット歯部353,355が係合されないようになっている。
上記構成であることにより、軸部255のネジ結合が開始される前に各ラチェット歯部353,355の係合が開始され、軸部255による裏側構成体102及び各部材153,154の連結を十分に行う前に破断部260に大きなトルクが加わり、頭部250と軸部255とが分離されることを抑制できる。このため、裏側構成体102及び各部材153,154の締結作業が終了するより随分前に破断部260に伝わる回転トルクが大きくなってしまうことがなくなり、裏側構成体102及び各部材153,154との連結作業中に頭部250と軸部255とが分離されることを抑制できる。
また、破断ネジ170における第2拡径部275bにネジ側ラチェット歯部355を設けた。第2拡径部275は、ホルダ278から軸部255側に向かって突出している。このため、分離した頭部250がホルダ278において保持される破断ネジ170において、そのホルダ278によってネジ側ラチェット歯部355の係合が阻害されない。
各ラチェット歯部353,355が筒側縮径部350の内周面と第2拡径部275bの外周面とに対向するように設けられていることにより、各ラチェット歯部353,355を円筒部178の底面と第2拡径部275bの反頭部250側の面とが対向する部位に設ける場合と比べ、各ラチェット歯部353,355の幅を軸部255の軸線方向において確保することが可能となり、各ラチェット歯部353,355を確実に係合させることが可能となる。
各ラチェット歯部353,355がホルダ278によって反軸部255側から隠される構成とした。これにより、各ラチェット歯部353,355に直接アクセスされることを抑制できる。また、円筒部178の内部に破断ネジ170を設置するため、軸部255の軸線方向と直交する方向から各ラチェット歯部353,355にアクセスされることを抑制できる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)破断ネジ170,323(以下、破断ネジ170等と称する)が固定する固定対象(部材)を変更してもよい。例えば、裏パックユニット15を固定する場合に破断ネジ170等を用いてもよい。さらには、主制御基板91の固定や、施錠装置23の固定等に破断ネジ等を用いてもよい。すなわち、取り外し操作の防止が必要な他の部位に上記破断ネジ170等を適用してもよい。
また、固定対象に設けられている破断ネジ170等の数を変更してもよく、1本の破断ネジ170等によって固定されていてもよいし、2本、3本又はそれ以上の本数の破断ネジ170等によって固定対象が固定されていてもよい。
また、各受け部材にそれぞれ個別に対応する複数のカバー部材を設けることも可能である。複数のカバー部材を有する構成においては、それらカバー部材に個々に対応する破断ネジ170等を設けるとよい。
(2)受け部材153及びカバー部材154を破断ネジ170等によって一緒に固定する構成としたが、これを変更し受け部材153及びカバー部材154を個別に固定する構成としてもよい。但し、かかる場合、構成の煩雑化や作業性の悪化を招来することが懸念される。故に、望ましくは、受け部材153及びカバー部材154を同一の固定手段によってまとめて固定するとよい。
(3)破断ネジ170等の装着方向をカバー部材154及び受け部材153の装着方向と同一となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、破断ネジ170を基板ボックス92の内側から装着する構成としてもよいし、基板ボックス92の外側から装着する構成としてもよい。
(4)円筒部178とホルダ278とは、軸線方向にみてそれぞれ円形状をなしていたが、かかる構成を変更してもよい。例えば、円筒部178又はホルダ278の一方に凸部が設けられており、他方にその凸部が差し込まれる凹部が設けられていてもよい。この場合、凸部と凹部が噛み合されることにより、ホルダ278が円筒部178の内部にて回転することを抑制できる。ホルダ278を回転させることが可能な場合、ホルダ278が回転することにより、そのトルクが軸部255に伝わってしまうと、軸部255が緩まる方向に回転することが考えられる。本構成を適用することにより、ホルダ278が回転することを防ぐことが可能となり、軸部255が緩まることを一層抑制できる。
なお、凸部及び凹部を設ける構成以外に、ホルダ及びホルダを収容する収容部を角形状(例えば方形状)の非円形状とするものも考えられる。これにより、ホルダが回転することを抑制することが可能となる。但し、収容部は、ホルダの角が接触し、ホルダが回転することを抑制できる大きさにしておくことが望ましい。
(5)破断部260が破断した場合、頭部250が破断部260及び第1拡径部275aの軸線方向に位置し、頭部250が軸部側絞部265bを遮蔽するものであったが、頭部250が軸部側絞部265bを遮蔽しなくともよい。
(6)頭部250は、円柱状をなしているものであったが、円柱状でなくともよい。例えば、頭部250が円錐状をなしているものが考えられる。但し、頭部250におけるフランジ部305によって、頭部250がホルダ278より外部に移動することを規制可能な構成とする必要がある。
その他の部材についても同様に、ホルダ278の各孔部280a〜280c、各絞部265a,265b、第1及び第2拡径部275a,275bが円形を有していなくともよい。但し、各部材が円形を有していない場合、ホルダ278が回転した場合に破断ネジ170が連動して回転することが考えられる。このため、各孔部280a〜280cの径を、各絞部265a,265b及び各拡径部275a,275bの移動を規制しつつ、かつ回転した場合にホルダ278に軸線方向と直交する方向の面がホルダ278に引っかかることがない大きさにするのが望ましい。
(7)破断ネジ170が設置された場合、ホルダ278の全ての部分が円筒部178に収容されるものであったが、円筒部178にホルダ278の一部のみが収容されていてもよい。この場合、少なくとも第2拡径部275bを円筒部178にて覆うことにより、ホルダ278に覆われていない第2拡径部275bに直接アクセスされることを抑制できる。また、円筒部178とホルダ278によって形成される軸線方向と直交する方向の隙間を小さくするとよい。上記隙間を小さくすることにより、円筒部178を、ホルダ278が上記軸線方向と直交する方向に移動することを規制する移動規制手段として機能させることが可能となる。
また、円筒部178に代えて、カバー部材154に設けられた凹部に破断ネジ170,等が設置されるようにしてもよい。
(8)破断ネジ170等が設置された場合、ホルダ278は固定対象(カバー部材154)に接触しないものであったが、ホルダ278が固定対象に接触するようにしてもよい。例えば、ホルダ278における環状縮径部278aが第1拡径部275aに締め込まれる構成としてもよい。
(9)破断ネジ170等における軸部255には、断続的に設けられた突出部が設けられており、その突出部に形成されたネジ溝により固定対象を固定するものであったが、軸部255等に連続した螺旋状の溝部が設けられていてもよい。
さらには、ネジの種類を変更してもよく、タップネジ、小ネジ等を用いてもよい。すなわち、締結する場合に操作される操作部が切断されるネジならばいずれの構成であってもよい。
(10)上記第1〜第3の実施形態では、第2拡径部275bの軸部255側の面には、ネジ側凹凸部275cが設けられていたが、ネジ側凹凸部275cが設けられていなくともよい。特に、第1の実施形態では、ネジ側凹凸部275cが設けられていなくとも、筒部側凹凸部178bが設けられていることにより、ホルダ278に樹脂や接着剤等が流し込まれ、破断ネジ170とカバー部材154とが一体化された場合の固着強度を高めることが可能となる。
(11)第1拡径部275aがホルダ278より外部に移動することを規制するため環状縮径部278aが設けられていたが、第1拡径部275aがホルダ278より外部へ移動することを規制する規制手段が設けられていれば、かかる構成に限定されない。
例えば、ホルダ278の軸部255側のうち軸線方向にみて第1拡径部275aと重なり合う位置に突起が設けられていてもよい。
(12)ホルダ278及び破断ネジ170等を金属材料によって形成している。これは破断ネジ170等及びホルダ278の強度を高めるための工夫である。なお、ホルダ278及び破断ネジ170等の材料を変更してもよく、ホルダ278及び破断ネジ170等の一方又は両方を樹脂材料によって形成してもよい。例えば、ホルダ278を樹脂材料によって形成すれば、ホルダ278が樹脂材料となり、破断ネジ170等が金属材料となる。この場合、破断部260が破断した後に、ホルダ278内部に接着剤を流し込んで破断ネジ170等とホルダ278とを固定しようとした場合に、破断ネジ170等とホルダ278との材料が異なることにより、破断ネジ170等とホルダ278とが固定されにくくなる効果が得られる。破断ネジ170等とホルダ278が固定された場合、ホルダ278を回転させることにより、軸部255等を緩める方向に回転させる不正行為が行われることが考えられるが、ホルダ278及び破断ネジ170等を別材料にて形成することにより、破断ネジ170等とホルダ278とが固定されることを抑制できる。
さらに、カバー部材154及び円筒部178が樹脂材料(具体的には、無色透明のポリカーボネート樹脂)によって形成されているため、ホルダ278がカバー部材154及び円筒部178と同一材料によって形成されることとなる。ホルダ278とカバー部材154及び円筒部178とを同一材料にすれば、接着剤がホルダ278内に流し込まれた場合、破断ネジ170等とホルダ278とが固定されるよりも、ホルダ278と円筒部178及びカバー部材154とが固定されやすくなる。ホルダ278が円筒部178又はカバー部材154と固定された場合、ホルダ278を回転させることができなくなり、破断ネジ170等とホルダ278とを固定することによる不正行為が行われることを防ぐことが可能となる。
また、筒側ラチェット歯357が歪む構成について説明したが、ネジ側ラチェット歯360が歪む構成としてもよい。破断ネジ170や円筒部178を形成する材料を変更することにより、本構成を好適に実現できる。例えば、ネジ側ラチェット歯360が歪む構成とする場合、ネジ側ラチェット歯360を硬質ゴム等の合成樹脂材料によって形成するとよい。硬質ゴムによって形成する場合、軸部255が締まる方向に回転する場合の弾性変形を可能としつつ、軸部255が緩まる方向に回転しようとした場合にその回転を抑制する適度な硬度を得ることが可能となる。すなわち、各ラチェット歯357,360を構成する材料は任意であり、少なくとも一方のラチェット歯が歪むことにより、軸部255が締まる方向に回転可能となっていればよい。
(13)ホルダ278を型成形にて製造する必要はなく、ブロック状(例えば、円筒状や棒状)の金属材料から削りだすことにより製造してもよいし、さらには、円柱状や棒形状の金属材料に圧力を加える変形させることにより製造してもよい(いわゆる圧造成形)。
削り出しによってホルダ278を製造する場合、外周面に工具をあて、工具をあてた状態にてホルダ278を回転させる(削る)のみでホルダ278の外周面に段差ができるように環状突部278bを形成することが可能となる。したがって、環状突部278bを形成するに際して、その加工部分に工具を当てやすく、工具の配置も簡易となる。
また、ホルダ278における環状突部278bとなる部分を金属材料等から削りだし、その部分をホルダ278に溶接等にて取り付けることも可能である。
(14)ホルダ278における環状突部278bは、ホルダ278の内周面と面一となるように設けられていたが、ホルダ278の外周面と面一となるように設けられてもよい。この場合、環状突部278bによりホルダ278の内周面に段差が設けられることとなる。但し、上記実施形態のように、環状突部278bは、ホルダ278の内周面と面一となっているほうが、環状突部278bの折曲加工を行いやすいことが考えられる。
また、環状突部278b外周面をホルダ278外周面と面一となるようにし、環状突部278b内周面とホルダ278内周面との間に段差を形成する場合には、環状突部278bを他の部位(各孔部280a〜280c)とともに塑性変形による加工(圧造)方法により形成するとよい。
(15)上記第1の実施形態において、ホルダ278は、曲面278cと環状突部278bによって環状縮径部278aが形成されるものであったが、円弧状の曲面278cに代えて直線的としてもよい。
但し、環状突部278bからホルダ278の外周面へは少しずつ厚みを増していくのが望ましく、上記実施の形態のように、次第に厚みの増加量が増す円弧状としたり、曲線状としたりすることが望ましい。破断ネジ170とホルダ278とを一体化させる場合に各部位に発生する応力を一定に近づけることが可能となり、各部材のたわみを均一に近づけることができ、上記一体化させる場合に各部材が破損することを抑制できる。さらには、たわみを均一に近づけることができるため、完成したホルダ278に形状のバラつきが発生することを抑制できる。
(16)破断ネジ170における第2拡径部275bとカバー部材154とに挟まれるようにして、軸部255が通される開口を有した板状の部材(座金(ワッシャ))を設けてもよい。
軸部255に緩み防止の加工を施してもよい。例えば、緩み防止用の粘着材料(接着材料)を軸部255に塗布するものが考えられる。また、カプセル状の粘着材料(接着材料)を軸部255に貼り付ける(雌ネジの溝部にカプセルを設置する)ものや、その粘着材料を含んだ樹脂等を軸部255に巻きつけるものが考えられる。
(17)ホルダ278は、破断ネジ170等と一体化された状態にて設置されるものであったが、かかる構成を変更してもよい。破断ネジ170等と、分離した頭部250を保持する保持手段と、が個別に設けられていてもよい。
(18)上記第1の実施形態では、頭部250が分離された場合、頭部250は、第1孔部280aに入り込んでおり、第1孔部280aの幅においてのみ傾くことにより、頭部250が、軸部255が設けられている側を遮蔽するものであったが、かかる構成に限定しない。
ホルダ278の内部空間が大きくなっており、その内部空間にて分離した頭部250を保持するようにしてもよい。この場合、第1開口290aから第1拡径部275aが視認されるようになっていてもよい。この場合においても、パチンコ機10を組み立てる場合に、分離した頭部250を回収する作業が必要なくなる。
(19)上記第1の実施形態では、頭部250は、分離後及び分離前において常に第1孔部280aに入り込んでいるものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、頭部250が分離前、分離後のいずれの場合であっても第3孔部280cにのみ入り込んでいるものが考えられる。すなわち、頭部250が第1孔部280aに入り込むことがなくともよい。この場合、頭部250の径を調整すれば(第1孔部280aより大きく、第3孔部280cより小さい径とすれば)、第1拡径部275aが第1開口290aから直接アクセスされることを分離した頭部250によって抑制することが可能となる。
(20)上記第1の実施形態においてホルダ278が第1位置及び第2位置に移動した場合、頭部250の分離後及び分離前のいずれの場合においても頭部250の一部が常にホルダ278の外部に突出するようにしてもよい。但し、ホルダ278から突出した頭部250が摘まれ、引き抜かれることが考えられるため、円筒部178との隙間を小さくしておくことが望ましい。
(21)上記第1の実施形態においてホルダ278が第1位置及び第2位置のいずれの位置にあっても、頭部250の分離後か分離前かにかかわらず頭部250の反軸部255側の面が第1孔部280aに入り込むようにしてもよい。この場合、頭部250が常にホルダ278から突出することがなく、頭部250が引き抜かれる不正行為が行われることを抑制できる。また、頭部250が第1孔部280aに常に入りこんでいるため、頭部250と第1孔部280aとの隙間を小さくした状態に維持することが可能となり、その隙間から不正行為が行われることを抑制できる。
(22)環状縮径部278aが完全に閉じた環状に形成されていたが、かかる構成に限定しない。すなわち、環状縮径部278aが断続的に設けられていてもよい。この場合、環状突部278bを断続的に設けておけばよい。環状突部278bを断続的に設けることにより、環状突部278bを折り曲げる場合にひずみが生じたとしても、環状突部278bが破損しにくくなる。すなわち、環状突部278bを断続的に設けることにより、ホルダ278を破断ネジ170に取り付ける場合の折曲加工を行いやすくすることが可能となる。
(23)破断部260の形状を変更してもよい。例えば、各絞部265a,265bが縮径される度合いを変更してもよい。すなわち、各絞部265a,265bにおける軸線方向の長さを変更してもよい。この場合、各絞部265a,265bの軸線方向の長さを等しくしてもよいし、異ならせてもよい。この場合、軸線方向の長さによって各絞部265a,265bによって形成される傾斜角度を変更することが可能となる。
また、軸部側絞部265bの傾斜角度は軸線方向に直交する角度に近い方が望ましい。軸部側絞部265bの傾斜角度が軸線方向に直交する角度に近い場合、仮に、頭部250が軸部側絞部265bを隠さない状態となったとしても、第1開口290aから軸部側絞部265bを摘まむ等の不正行為が行われることを抑制できる。この場合、軸部側絞部265bの軸線方向の長さを短くするか、軸部側絞部265bを大径とすればよい。
また、各絞部265a,265bのみで破断部260を形成する以外に、例えば、円柱部を各絞部265a,265bの間に介在させたものとしてもよい。その他、各絞部265a,265bを省略したものであっても、一部に他の部位よりも切断(破断)され易い箇所さえ有していれば形状は問わない。
(25)上記第1の実施形態では、第2拡径部275bが設けられており、第2拡径部よりホルダ278が軸部255側へ移動せず、ホルダ278とカバー部材154との間に隙間が設けられていたが、ホルダ278とカバー部材154とが接するようにしてもよい。この場合、破断部260が破断した場合に軸部255側の領域にホルダ278が締結されないようにすればよい。本構成によれば、ホルダ278とカバー部材154とが接しているとしても、ホルダ278が回転された場合にその回転力が軸部255側に伝わることを抑制できる。
(26)上記第2又は第3の実施形態におけるカバー部材154対して第1の実施形態における筒部側凹凸部178bを設けてもよい。本構成では、樹脂や接着剤等による不正行為が行われた場合に、傾斜面330又は貫通孔333によりその樹脂や接着剤等をカバー部材154へと到達させやすく、さらに、筒部側凹凸部178bにより破断ネジ170,323とカバー部材154とを一体化させた場合の強度を高めることが可能となる。すなわち、傾斜面330及び貫通孔333が樹脂や接着剤等の流体を誘導する誘導部として機能している。この結果、樹脂や接着剤等を用いた不正行為を抑制する効果を相乗的に高めることが可能となる。また、筒部側凹凸部178bに樹脂や接着剤等を誘導する誘導手段をホルダ278に別途設けてもよい。例えば、傾斜面330や貫通孔333の他に、筒部側凹凸部178bに樹脂や接着剤等を到達させやすくする誘導路が第2拡径部275bに設けられているものが考えられる。
また、傾斜面330及び貫通孔333等の誘導手段を備えている構成においては、筒部側凹凸部178b及びネジ側凹凸部275cが設けられてなくともよい。この場合においても、ホルダ278を介して流し込まれた樹脂や接着剤等が第2拡径部275bのカバー部材154側の面と、カバー部材154の頭部250側の面とが対向する領域に誘導されることにより、破断部260が破断した後の軸部255側と、カバー部材154とを一体化させることができる。なお、本構成においては、カバー部材154及び受け部材153とを連結するのに破断ネジ170以外のネジ部材を用いることも可能である。例えば、頭部と軸部とが分離されることがない一般的なネジ部材を用いたものが考えられるし、軸部が締まる方向にのみ回転可能なワンウェイネジを用いたものが考えられる。これらのネジ部材を用いた場合、樹脂や接着剤等を誘導する誘導部を設ける位置を変更してもよく、例えば、カバー部材154(円筒部178)に設けられているものが考えられる。
(27)上記第1の実施形態において筒部側凹凸部178b及びネジ側凹凸部275cは複数箇所に設けられているものとしたが、かかる構成に限定されない。筒部側凹凸部178b又はネジ側凹凸部275cのうち少なくとも一方が1箇所のみに設けられていてもよい。
(28)上記第1の実施形態では、破断ネジ170にホルダ278が設けられているものであったが、破断ネジ170にホルダ278が設けられていなくともよい。筒部側凹凸部178bが設けられていることによって、破断部260が破断した後に樹脂や接着剤等が流し込まれた場合に、カバー部材154と破断ネジ170とが一体化されることにより、軸部255が緩まる方向へと回転されることを抑制できる。但し、ホルダ278が設けられていない場合、パチンコ機10の組み立て作業において分離した頭部250を回収する作業を要することが考えられるため、ホルダ278を設けることが望ましい。なお、ホルダ278が設けられていない構成においては破断ネジ170に各拡径部275a,275bが設けられている必要がなくなる。
(29)筒部側凹凸部178bは、カバー部材154における頭部250側から第2拡径部275bに隠される部分に設けられていたが、かかる構成に限定されない。
カバー部材154における表側の面のどの部分に筒部側凹凸部178bが設けられていてもよい。また、カバー部材154と第2拡径部275bが当接する部分の一部のみに筒部側凹凸部178bが設けられていてもよい。但し、筒部側凹凸部178bが第2拡径部275bや軸部255から大きく離れている場合、流し込まれた樹脂や接着剤等が筒部側凹凸部178bに到達しないことが考えられる。
(30)上記第1の実施形態では、円筒部178には傾斜面178dが設けられていたが、傾斜面178dが設けられていなくともよい。
(31)上記第1の実施形態において、当接部178cが設けられていなくともよい。但し、当接部178cが設けられていない場合、各凹凸部178b,275cが密着してしまい、樹脂や接着剤等が各凹凸部178b,275cが対向した領域に流れ込まなくなることが考えられる。よって、各凹凸部178b,275cの間に隙間を担保する構成が設けられていることが望ましい。
(32)筒部側凹凸部178bにおける形状は特に限定するものではなかったが、以下の構成としてもよい。
例えば、筒部側凹凸部178bによって形成される溝部が立方体又は直方体形状をなしているものが考えられる。また、傾斜面が交わることによってその溝部が形成されていたり、曲面によってその溝部が形成されていたりするものが考えられる。
また、筒部側凹凸部178bは、軸部255の軸線方向に延びる筒部側軸線面と、その筒部側軸線面と一組の溝部を形成するよう当該筒部側軸線面の端部から延びる差込側溝形成面とを有し、軸部が緩む方向に対して筒部側軸線面が先側となるように、かつ、筒部側溝形成面が後側となるように配置されているものが考えられる。筒部側軸線面は軸部255の軸線方向に延びているため、筒部側凹凸部178bに樹脂や接着剤等が流し込まれ、その樹脂や接着剤等が固まった場合、筒部側軸線面が傾斜面を形成している場合と比して筒部側軸線面にてその樹脂や接着剤等を係止させやすくすることが可能となる。
(34)上記各実施形態では、カバー部材154に第2拡径部275bが当接するものとしたが、カバー部材154と第2拡径部275bとの間に隙間が設けられていてもよい。
(35)上記第1〜第3の実施形態に対して、上記第4の実施形態にて説明した各ラチェット歯部353,355が設けられている構成を適用してもよい。さらには、第1〜第3の実施形態におけるネジ溝を、第4の実施形態にて説明した取付穴部159のネジ溝370と同様のものとしてもよい。
第1の実施形態に、第4の実施形態にて説明した各ラチェット歯部353,355が設けられている構成を適用する場合、第1の実施形態における円筒部178の底面の一部に樹脂や接着剤等を誘導する傾斜面178dを設け、円筒部178の底面の傾斜面178dが設けられていない部分の一部に筒側ラチェット歯部353を設けるようにしてもよい。また、傾斜面178dが筒側ラチェット歯部353に向かって延びるようにしてもよい。傾斜面178dが筒側ラチェット歯部353に向かって延びている場合、ホルダ278に流し込まれた樹脂や接着剤等が各ラチェット歯部353,355に到達することにより、各ラチェット歯部353,355の係合をより強固なものとすることができる。
第4の実施形態に対して第2,第3の実施形態の傾斜面330、貫通孔333が設けられている構成を適用してもよい。本構成においては、ホルダ278内部に樹脂や接着剤等が流し込まれた場合、各ラチェット歯部353,355が設けられている領域にその樹脂や接着剤等が到達し、各ラチェット歯部353,355の係合をより強固なものとすることができる。
上記第4の実施形態に第1〜第3の実施形態を適用することにより、樹脂や接着剤等による不正行為を抑制する効果を高めることが可能となる。
(36)上記第4の実施形態では、ネジ側ラチェット歯部355が拡径部275bの外周面に設けられていたが、ネジ側ラチェット歯部355が設けられている位置を変更してもよい。すなわち、ネジ側ラチェット歯部355が円筒部178の底面側に向かって設けられていてもよい。この場合、筒側ラチェット歯部353を円筒部178の底面から頭部250側に向かって延びるように設ければよい。
(37)上記第4の実施形態では、破断ネジ170を用いて裏側構成体102及び各部材153,154を締結するものとしたが、締結するネジ部材の種類を変更してもよい。例えば、頭部と軸部とが分離されることがない一般的なネジ部材を用いたものが考えられるし、軸部が締まる方向にのみ回転操作可能に工具係合部が設けられたワンウェイネジを用いたものが考えられる。また、これらのネジ部材においては頭部が分離されることがないため、各ネジ部材の頭部の外周面にネジ側ラチェット歯部355を設けるようにしてもよい。さらには、分離した頭部が保持されない破断ネジを用いてもよい。分離した頭部が保持されない破断ネジにおいては、頭部が分離した後の軸部側の領域にネジ側ラチェット歯部355を設けるようにすればよい。
(38)上記第4の実施形態では、円筒部178が設けられていたが、円筒部178が設けられていなくともよい。この場合、カバー部材154の丸孔179の周辺に筒側ラチェット歯部353を設けておけばよい。
(39)上記第4の実施形態において、各ラチェット歯部353,355の各係止面357a,360a及び各ガイド面357b,360bが設けられている角度をそれぞれ変更してもよい。すなわち、各係止面357a,360aよりも各ガイド面357b,360bが、軸部255の法線方向に対して傾倒して設けられていればよい。
(40)軸部255の軸線方向にみた場合、筒側ラチェット歯357及びネジ側ラチェット歯360の突出量が変化しないものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、筒側ラチェット歯357がテーパ状に形成されていてもよい。筒側ラチェット歯357をテーパ状に形成する場合、軸部255の軸線方向にみて反頭部250側になるほど筒側ラチェット歯357の突出量を大きくすればよい。また、例えば、ネジ側ラチェット歯360の突出量が、軸部255の軸線方向にみて反頭部250側になるほど小さくなっていてもよい。
上記構成の少なくともいずれかを適用することにより、軸部255が螺着されていくに連れ、各ラチェット歯357,360にかかるトルクを徐々に大きくできる。このため、各ラチェット歯357,360が噛み合うことにより、破断部260に突如大きなトルクが加わることを抑制し、パチンコ機10を組み立てる場合(裏側構成体102及び各部材153,154との結合作業を行う場合)に各ラチェット歯357,360が充分に噛み合うより以前に破断部260が分離されることを抑制できる。また、軸部255が更に螺着され、裏側構成体102及び各部材153,154との結合作業の完了付近になると、初期段階よりも各ラチェット歯部353,355の係合関係を比較的強いものとすることができる。したがって、本構成によれば、破断ネジ170(軸部255)のネジ込み量が不十分な段階における破断部260の不用意な破断を回避しつつ、各ラチェット歯部353,355同士の係合状態を強固なものとすることができる。
各ラチェット歯の突出量は、連続的(無段階)に変化してもよいし、階段状のように断続的に変化してもよい。各ラチェット歯の突出量を連続的に変化させた場合、各ラチェット歯357,360にかかるトルクが急激に変化することを抑制し、破断部260に突如大きなトルクが加わることを抑制する効果を高めることが可能となる。
補足すると、長さL3の範囲の全てにおいて軸部255とネジ溝370との螺着が行われるまでに、各ラチェット歯357,360が噛み合うことにより破断部260が分離されることが考えられる。この場合に、各ラチェット歯357,360が全く噛み合っていないと、各ラチェット歯357,360による軸部255の緩み防止の効果が得られないことが考えられる。本構成によれば、破断部260にかかるトルクを徐々に大きくし、各ラチェット歯357,360が全く噛み合っていない状態にて破断部260が分離することを抑制できる。この結果、仮に、軸部255とネジ溝370とが長さL3の領域の全てにおいて螺着されるまでに破断部260が分離されたとしても、各ラチェット歯357,360が噛み合うことによる軸部255の緩み防止の効果を得ることが可能となる。
(41)第4の実施形態における各面357a,357b,360a,360bの形状は限定しない。例えば、各係止面357a,360a及び各ガイド面357b、360bのうち少なくとも一方が曲面を形成していてもよい。すなわち、各面357a,357b,360a,360bの一部又は全部が湾曲していてもよい。
(42)上記第4の実施形態では、各ラチェット歯部353,355にラチェット歯357,360がそれぞれ複数設けられていたが、かかる構成に限定されない。すなわち、各ラチェット歯部353,355に少なくとも一のラチェット歯357,360がそれぞれ設けられていればよい。この場合、各ラチェット歯部353,355の少なくとも一方に、断続的にラチェット歯357,360が設けられているともいえる。
(43)第4の実施形態にて説明したネジ側ラチェット歯部355をホルダ278に設け、そのネジ側ラチェット歯部355と噛み合うように筒側ラチェット歯部353を円筒部178の内周面に設けてもよい。本構成においては、ホルダ278が軸部255の緩まる方向に回転されることを防ぐことが可能となり、ホルダ278を介して軸部255が緩まる方向に回転されることを抑制できる。
(44)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技機構成部材である第1部材(裏側構成体102、受け部材153)と第2部材(カバー部材154)とがネジ部材(破断ネジ170)により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部(軸部255)と、
その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部(頭部250)と、
を備えており、
前記ネジ部材は前記第1部材側からネジ込まれるものであり、
前記第1部材には第1係合部(筒側ラチェット歯部353)が設けられており、前記ネジ部材には第2係合部(ネジ側ラチェット歯部355)が設けられており、前記第1係合部及び前記第2係合部のうち、一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられており、
前記第1部材と第2部材とを連結した状態にて、第1係合部と第2係合部とが係合されることにより、前記軸部の緩みが抑制されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1部材と第2部材とを連結した状態で、第1係合部と第2係合部とが係合され、軸部の緩みが抑制されている。例えば、頭部が分離されるネジ部材(例えば、破断ネジ)や、軸部が締まる方向へしか回転操作できないよう工具係合部が設けられているネジ部材(例えば、ワンウェイネジ)を用いることにより、第1部材と第2部材の連結の不正な解除を抑制する構成が考えられる。しかしながら、ネジ部材の周辺領域に樹脂や接着剤等を流し込み、その樹脂や接着剤等によってネジ部材と工具等とを一体化させた後に、その工具等を操作することによりネジ部材を回転させる不正行為が考えられる。これに対して本特徴によれば、第1部材と第2部材とを連結した後にその連結が不正に解除されることを、各係合部が係合されることにより抑制でき、樹脂や接着剤等による不正行為を好適に抑制できる。
なお、「凸部」及び「凹部」は、第1部材及びネジ部材に少なくとも1箇所ずつ設けられていればよく、第1部材及びネジ部材に複数の「凸部」及び「凹部」がそれぞれ設けられてもよい。また、「第1部材と第2部材とがネジ部材により連結されてなる」には、第1,第2部材のうち一方の部材が、他方の部材とネジ部材とによって締結されているものが含まれる。また、第1部材と第2部材とがネジ部材を介して結合されているものが含まれる。すなわち、第1部材と第2部材とが所定距離以上離れることがないように、ネジ部材によって位置決めされているものが含まれる。以下、本明細書において同様である。
特徴A2.遊技機構成部材である第1部材(裏側構成体102、受け部材153)と第2部材(カバー部材154)とがネジ部材(破断ネジ170)により連結されてなる遊技機であって、
前記ネジ部材は、
前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部(軸部255)と、
その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部(頭部250)と、
これら軸部及び頭部を連結するとともに、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより前記軸部から前記頭部を分離させる分離部(破断部260)と、
を備えており、
前記分離部によって前記軸部から前記頭部が分離された場合に当該頭部を反軸部側にて保持する保持部(ホルダ278)が設けられており、
前記ネジ部材は前記第1部材側からネジ込まれるものであり、
前記第1部材には第1係合部(筒側ラチェット歯部353)が設けられており、前記ネジ部材には第2係合部(ネジ側ラチェット歯部355)が設けられており、前記第1係合部及び前記第2係合部のうち、一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられており、
前記第1部材と第2部材とを連結した状態にて、第1係合部と第2係合部とが係合されることにより、前記軸部の緩みが抑制されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、ネジ部材における軸部にて第1部材及び第2部材を連結することができる。第1及び第2部材を連結させた後には、工具係合部に所定トルク以上の回転力を加えることにより、軸部と頭部とを分離させることができる。頭部と軸部とが分離することにより、頭部を介して軸部を回転させることが困難となり、第1及び第2部材の連結が不正に解除されることを抑制できる。しかしながら、頭部が分離されるネジ部材を用いたことに伴って、次のような問題の発生が懸念される。すなわち、遊技機製造工程において、ネジ部材をネジ込んだ後に分離した頭部の回収作業が煩雑となって組み立て作業効率が低下するおそれがある。また、分離された頭部を回収しきれなかった場合、その頭部が遊技球等の遊技媒体の通路に残存して円滑な遊技媒体の流通を阻害したり、頭部が電気部品に干渉してショートしたりする等、不具合や故障の要因ともなり得ると考えられる。
本特徴は、頭部が分離されるネジ部材を用いているにもかかわらず組み立て作業効率を向上し得るとともに、分離された頭部による不具合を低減させ得る遊技機を提供することを目的とするものである。
本特徴によれば、分離した頭部が保持部によって保持される。仮に、保持部が設けられていない遊技機においては、頭部と軸部とを分離させた場合、頭部を回収する必要性が考えられる。この場合、ネジ部材をネジ込んだ後に分離した頭部の回収作業が煩雑となって組み立て作業効率が低下するおそれがある。分離された頭部を回収しきれなかった場合、その頭部が遊技球等の遊技媒体の通路に残存して円滑な遊技媒体の流通を阻害したり、頭部が電気部品に干渉してショートしたりする等、不具合や故障の要因ともなり得ると考えられる。これに対して本特徴によれば、ネジ部材における頭部が分離した場合には、その頭部が保持部に保持される。これにより、頭部は所定位置又は所定範囲に留まることとなり、上記不都合が発生することを抑制できる。よって、頭部が分離されるネジ部材を用いた遊技機を組み立てる場合に、頭部の回収を要しないため、その組み立て作業効率を向上し得るとともに、分離された頭部による不具合を低減させることができる。
また、第1部材と第2部材とを連結した状態で第1係合部と第2係合部とが係合され、軸部の緩みが抑制されている。例えば、頭部が分離されるとしても、軸部に大きなトルクを加え、強制的に軸部を回転させる不正行為が考えられる。また、頭部が分離され軸部を回転操作できないとしても、ネジ部材の周辺領域に樹脂や接着剤等を流し込み、その樹脂や接着剤等によってネジ部材と工具等とを一体化させた後に、その工具等を操作することによりネジ部材を回転させる不正行為が考えられる。これらに対して本特徴によれば、第1部材と第2部材とを連結した後にその連結が不正に解除されることを、各係合部が係合されることにより抑制でき、樹脂や接着剤等による不正行為を好適に抑制できる。
また、頭部が分離した後に、分離部より軸部側の領域に直接アクセスし、ネジ部材を緩める方向に回転させる不正行為が考えられる。例えば、軸部に接着剤を塗布し、軸部と工具とを一体化させた後にその工具を操作することにより、軸部を緩める方向に回転させるものが考えられる。これに対して本特徴によれば、保持部は、頭部が分離された場合に、その頭部を反軸部側に保持する。これにより、分離された頭部にて軸部を反軸部側から隠すことも可能となる。軸部を回転させるためには、軸部の軸線中心を操作する必要があるが、分離された頭部により軸線中心を隠すようにすれば、軸部の軸線中心にアクセスされることを抑制できる。よって、上記ネジ部材を緩める方向に回転させる不正行為が行われることを抑制できる。また、例えば、分離された頭部にて第1係合部と第2係合部の係合部位を反軸部側から隠すことも可能となる。この場合には、第1係合部及び第2係合部に直接アクセスされ、各係合部の係合が解除されることを抑制できる。
特徴A3.特徴A2において、前記ネジ部材は、前記軸部の軸線方向と直交する方向へ拡張された拡張部(第1及び第2拡径部275a,275b)を更に備え、
前記拡張部は、前記分離部よりも前記軸部側でありかつ前記分離部と前記軸部との間に設けられており、
前記保持部は、前記軸線方向に離間した位置に第1規制部(第1孔部280aと第3孔部280cとによって形成される段差面301)及び第2規制部(環状縮径部278aによって形成される段差面296)を一体に有した状態で前記ネジ部材に設けられており、
前記頭部及び前記拡張部は、前記第1規制部と前記第2規制部とによって挟まれた領域に配置されており、
前記第1規制部によって前記頭部の反軸部側への移動が規制されるとともに、前記第2規制部によって前記拡張部の反頭部側への移動が規制され、
前記第2規制部は、貫通孔(第2孔部280b)を有しているものであり、
前記拡張部よりも前記軸部側には、前記第2規制部における前記貫通孔を介して前記保持部から軸部側へ突出する突出部(第2拡径部275b)を備え、
前記第2係合部は、前記突出部に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、保持部における第1規制部及び第2規制部に頭部及び拡張部が挟まれている。すなわち、頭部及び拡張部は保持部の所定範囲内に位置することとなる。この場合、ネジ部材に保持部が設けられているともいえ、第1,第2部材の連結を行う場合にネジ部材を設置すれば、同時に保持部の設置をも行うことができる。よって、頭部が分離された場合にその頭部を保持する保持部を有した構成において、その組み立て作業が複雑化することを抑制できる。
また、突出部は保持部側から第1部材側へと突出している。そして、突出部に第2係合部が設けられている。保持部が設けられている構成において、その保持部によって各係合部の係合が阻害されることを抑制できる。
なお、「第2係合部」は突出部の外周面に設けられていてもよいし、突出部の第1部材側の面に設けられていてもよい。
特徴A4.特徴A3において、前記第1部材に設けられ、前記保持部及び前記頭部を収容する収容凹部(円筒部178)を備え、
前記第1係合部は、前記収容凹部の内周面に設けられており、
前記第2係合部は、前記突出部の外周面に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、保持部及び頭部が第1部材の収容凹部に入り込んだ状態にて設置される。保持部及び頭部が収容凹部に入り込んでいるため、ネジ部材における軸線方向と直交する方向から各係合部にアクセスされることを抑制できる。
また、収容凹部の内部にて各係合部が係合することにより、収容凹部の外部からその係合部位に直接アクセスされることを抑制できる。
さらに、各係合部が収容凹部の内周面と突出部の外周面とに対向するように設けられていることにより、各係合部を収容凹部の底面と突出部の反頭部側の面とが対向する部位に設ける場合と比べ、各係合部を確実に係合させることが可能となる。これは、係合部の幅を軸部の軸線方向において確保することが可能となり、係合部同士の係合関係を構築することが容易になるためである。
特徴5.特徴4において、前記第1係合部に前記凸部が設けられており、当該凸部は、前記軸部の軸線方向でみて、前記頭部側から前記軸部側になるにつれ前記凹部側への突出量が大きくなるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴6.特徴4において、前記第2係合部に前記凸部が設けられており、当該凸部は、前記軸部の軸線方向でみて、前記頭部側から前記軸部側になるにつれ前記凹部側への突出量が小さくなるように形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴5,6によれば、ネジ部材をネジ込む場合に、第1係合部と第2係合部とが係合される初期段階では両係合部の係合関係を比較的弱いものとすることができる。これにより、両係合部の係合開始段階において分離部に突如大きなトルクがかかることを抑制でき、分離部における分離を抑制し得る。また、ネジ部材を更にネジ込んでいき、第1部材と第2部材との結合作業の完了付近になると、初期段階よりも両係合部の係合関係を比較的強いものとすることができる。
したがって、本特徴によれば、ネジ部材のネジ込み量が不十分な段階における分離部の不用意な分離を回避しつつ、係合部同士の係合状態を強固なものとすることができる。
特徴A7.特徴A2乃至A6のいずれか1において、前記軸部のネジ溝とネジ結合される溝部(ネジ溝370)が形成された差込孔(取付穴部159)を備え、
前記溝部は、前記差込孔のうち前記軸部の差込み側からみて奥側の所定領域に設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、軸部が差込まれる差込孔には、差込み奥側にのみ溝部が設けられている。このため、第1部材と第2部材との連結作業が終了するより随分前に分離部に伝わる回転トルクが大きくなってしまうことがなくなり、第1部材と第2部材との連結作業中に頭部と軸部とが分離されることを抑制できる。
特徴A8.特徴A7において、前記第1係合部と第2係合部とは、前記軸部のネジ溝が前記溝部に到達した後に係合されることを特徴とする遊技機。
特徴A8によれば、軸部のネジ溝が溝部に到達した後に各係合部が係合される。すなわち、軸部のネジ溝が溝部に到達するまでに、各係合部が係合されることによるトルクが分離部に伝わることを抑制できる。これにより、溝部とネジ溝との螺着が始まる前に各係合部が係合され、第1側溝とネジ溝が十分に螺着されない状態で、又は、全く螺着されていない状態で、頭部と軸部とが分離されることを抑制できる。
特徴A9.特徴A2乃至A8のいずれか1において、前記保持部は、前記第2係合部を反軸部側から隠していることを特徴とする遊技機。
特徴A9によれば、ネジ部材に設けられた第2係合部が保持部によって反軸部側から隠される。これにより、第2係合部に直接アクセスされることを抑制できる。
特徴A10.特徴A9において、前記第1部材は、前記保持部及び頭部を収容する収容凹部(円筒部178)を備えたことを特徴とする遊技機。
特徴A10によれば、保持部及び頭部が第1部材の収容凹部に入り込んだ状態にて設置される。保持部及び頭部が収容凹部に入り込んでいるため、ネジ部材における軸線方向と直交する方向から各係合部にアクセスされることを抑制できる。
特徴A11.特徴A2乃至A10のいずれか1において、前記ネジ部材は、前記軸部の軸線方向と直交する方向へ拡張された拡張部(第1及び第2拡径部275a,275b)を更に備え、
前記拡張部は、前記分離部よりも前記軸部側でありかつ前記分離部と前記軸部との間に設けられており、
前記保持部は、前記軸線方向に離間した位置に第1規制部(第1孔部280aと第3孔部280cとによって形成される段差面301)及び第2規制部(環状縮径部278aによって形成される段差面296)を一体に有した状態で前記ネジ部材に設けられ、前記頭部及び拡張部の前記軸線方向に沿った外周側を覆う筒部であり、
前記頭部及び前記拡張部は、前記第1規制部と前記第2規制部とによって挟まれた領域に配置されており、
前記第1規制部によって前記頭部の反軸部側への移動が規制されるとともに、前記第2規制部によって前記拡張部の反頭部側への移動が規制され、
前記第2規制部は、貫通孔(第2孔部280b)を有しているものであり、
さらに、前記第1規制部に設けられ、前記工具係合部に工具が通される通し孔(第1開口290a)と、
前記拡張部よりも前記軸部側に設けられ、前記第2規制部における前記貫通孔を介して前記保持部から軸部側へ突出する突出部(第2拡径部275b)と、
を備え、
前記第2係合部は、前記突出部に設けられており、
前記第2規制部における内周側の面に、各係合部の係合部位に向かった下り傾斜が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A11によれば、保持部における第1規制部及び第2規制部に頭部及び拡張部が挟まれている。すなわち、頭部及び拡張部は保持部の所定範囲内に位置することとなる。この場合、ネジ部材に保持部が設けられているともいえ、第1,第2部材の連結を行う場合にネジ部材を設置すれば、同時に保持部の設置をも行うことができる。よって、頭部が分離された場合にその頭部を保持する保持部を有した構成において、その組み立て作業が複雑化することを抑制できる。
突出部は保持部側から第1部材側へと突出している。そして、突出部に第2係合部が設けられている。これにより、保持部が設けられている構成において、その保持部によって各係合部の係合が阻害されることを抑制できる。
拡張部及び頭部が筒部に覆われている。頭部が分離した場合、頭部が転がる等、分離した頭部の移動する方向を特定することは困難であるが、拡張部及び頭部を覆うことにより、頭部が保持部より外部に移動することを抑制できる。すなわち、保持部を有するネジ部材によって、分離した頭部を保持部の内部に保持することができる。
しかしながら、拡張部が筒部により覆われているため、通し孔から樹脂や接着剤等を流し込み、保持部、拡張部及び軸部が一体化されることが考えられる。保持部、拡張部及び軸部が一体化された場合、保持部を回転操作することによって、その回転力が軸部に伝わり、各部材の連結を不正に解除しようとする不正行為が考えられる。これに対して本特徴によれば、第2規制部の内周側の面に下り傾斜が形成されているため、通し孔より接着剤が流し込まれた場合、下り傾斜を介して各係合部の係合部位に接着剤を到達させることが可能となる。この結果、各係合部の係合強度を高めることが可能となり、上記樹脂や接着剤等による不正行為を抑制する効果を高めることが可能となる。
特徴A12.特徴A2乃至A11のいずれか1において、前記ネジ部材は、前記軸部の軸線方向と直交する方向へ拡張された拡張部(第1及び第2拡径部275a,275b)を更に備え、
前記拡張部は、前記分離部よりも前記軸部側でありかつ前記分離部と前記軸部との間に設けられており、
前記保持部は、前記軸線方向に離間した位置に第1規制部(第1孔部280aと第3孔部280cとによって形成される段差面301)及び第2規制部(環状縮径部278aによって形成される段差面296)を一体に有した状態で前記ネジ部材に設けられ、前記頭部及び拡張部の前記軸線方向に沿った外周側を覆う筒部であり、
前記頭部及び前記拡張部は、前記第1規制部と前記第2規制部とによって挟まれた領域に配置されており、
前記第1規制部によって前記頭部の反軸部側への移動が規制されるとともに、前記第2規制部によって前記拡張部の反頭部側への移動が規制され、
前記第2規制部は、貫通孔(第2孔部280b)を有しているものであり、
さらに、前記第1規制部に設けられ、前記工具係合部に工具が通される通し孔(第1開口290a)と、
前記拡張部よりも前記軸部側に設けられ、前記第2規制部における前記貫通孔を介して前記保持部から軸部側へ突出する突出部(第2拡径部275b)と、
を備え、
前記第2係合部は、前記突出部に設けられており、
前記第2規制部に、前記頭部側から各係合部の係合部位に向けて貫通された規制部側通し孔(貫通孔333)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴A12によれば、保持部における第1規制部及び第2規制部に頭部及び拡張部が挟まれている。すなわち、頭部及び拡張部は保持部の所定範囲内に位置することとなる。この場合、ネジ部材に保持部が設けられているともいえ、第1,第2部材の連結を行う場合にネジ部材を設置すれば、同時に保持部の設置をも行うことができる。よって、頭部が分離された場合にその頭部を保持する保持部を有した構成において、その組み立て作業が複雑化することを抑制できる。
突出部は保持部側から第1部材側へと突出している。そして、突出部に第2係合部が設けられている。これにより、保持部が設けられている構成において、その保持部によって各係合部の係合が阻害されることを抑制できる。
拡張部及び頭部が筒部に覆われている。頭部が分離した場合、頭部が転がる等、分離した頭部の移動する方向を特定することは困難であるが、拡張部及び頭部を覆うことにより、頭部が保持部より外部に移動することを抑制できる。すなわち、保持部を有するネジ部材によって、分離した頭部を保持部の内部に保持することができる。
しかしながら、拡張部が筒部により覆われているため、通し孔から樹脂や接着剤等を流し込み、保持部、拡張部及び軸部が一体化されることが考えられる。すなわち、保持部、拡張部及び軸部を一体化させ、保持部を回転操作することによってその回転力を軸部にえ、各部材の連結を不正に解除しようとする不正行為が考えられる。これに対して本特徴によれば、第2規制部に規制部側通し孔が設けられており、第1規制部における通し孔より接着剤が流し込まれた場合、規制部側通し孔を介して各係合部の係合部位に接着剤を到達させることが可能となる。この結果、各係合部の係合強度を高めることが可能となり、上記樹脂や接着剤等による不正行為を抑制する効果を高めることが可能となる。
特徴A13.特徴A1乃至A12のいずれか1において、前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記軸部が締まる方向には回転可能に係合されているとともに、前記軸部が緩まる方向には回転しない又は回転しにくいように係合されていることを特徴とする遊技機。
特徴A13によれば、各係合部が係合している場合に、軸部が締まる方向には回転できる。これにより、各係合部の係合によって軸部のネジ結合が阻害されることがなくなる。例えば、各係合部をそれぞれラチェット歯によって形成することにより、本特徴における構成を好適に実現できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(ハンドル装置59)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構50)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部47,48)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、47,48…内,外レール部、50…遊技球発射機構、59…ハンドル装置、63…主制御装置、91…主制御基板、92…基板ボックス、101…表側構成体、102…裏側構成体、103…表側周縁部、153…受け部材、154…カバー部材、169…連通孔、170…破断ネジ、178…円筒部、178b…筒部側凹凸部、178c…当接部、178d…傾斜面、179…丸孔、250…頭部、255…軸部、260…破断部、275a,275b…第1,第2拡径部、275c…ネジ側凹凸部275c、278…ホルダ、278a…環状縮径部、280a〜280c…第1〜第3孔部、290a…第1開口、296…段差面、301…段差面、330…傾斜面、333…貫通孔、353…筒側ラチェット歯部、355…ネジ側ラチェット歯部、357…筒側ラチェット歯、357a…筒側係止面、357b…筒側ガイド面、360…ネジ側ラチェット歯、360a…ネジ側係止面、360b…ネジ側ガイド面、370…ネジ溝。

Claims (1)

  1. 遊技機構成部材である第1部材と第2部材とがネジ部材により連結されてなる遊技機であって、
    前記ネジ部材は、
    前記第1部材又は第2部材の少なくとも一方に対してネジ結合されるネジ溝を含む軸部と、
    その軸部を回転操作する工具が係合される工具係合部を含む頭部と、
    これら軸部及び頭部を連結するとともに、その工具係合部に所定トルク以上の回転力が加えられることにより前記軸部から前記頭部を分離させる分離部と、
    を備えており、
    前記分離部によって前記軸部から前記頭部が分離された場合に当該頭部を反軸部側にて保持する保持部が設けられており、
    前記ネジ部材は前記第部材側から前記第1部材に対しネジ込まれるものであり、
    前記ネジ部材は、前記軸部の軸線方向と直交する方向へ拡張された拡張部を更に備え、
    前記拡張部は、前記分離部よりも前記軸部側でありかつ前記分離部と前記軸部との間に設けられており、
    前記保持部は、前記頭部、前記分離部及び前記拡張部を内周側に配置させる筒状に形成され、かつ前記軸線方向に離間した位置に第1規制部及び第2規制部を一体に有した状態で前記ネジ部材に設けられており、
    前記頭部及び前記拡張部は、前記第1規制部と前記第2規制部とによって挟まれた領域に配置されており、
    前記第1規制部によって前記頭部の反軸部側への移動が規制されるとともに、前記第2規制部によって前記拡張部の反頭部側への移動が規制され、
    前記第2部材は、前記保持部及び前記頭部を収容する収容凹部を備え、
    前記第2規制部は、貫通孔を有しているものであり、
    前記拡張部よりも前記軸部側には、前記第2規制部における前記貫通孔を介して前記保持部から軸部側へ突出する突出部を備え、
    前記収容凹部の内周面には第1係合部が設けられており、前記突出部の外周面には第2係合部が設けられており、前記第2係合部を含む前記突出部は前記軸部の軸方向にみて前記拡張部に隠れる大きさであり、前記第1係合部及び前記第2係合部のうち、一方に凸部が設けられ、他方に凹部が設けられており、
    前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記収容凹部に収容された前記保持部及び前記頭部によって、前記収容凹部の開放側から隠された状態に維持されており、
    前記第1部材と第2部材とを連結した状態にて、第1係合部と第2係合部とが係合されることにより、前記軸部の緩みが抑制されていることを特徴とする遊技機。
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