以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
下皿ユニット13は、前面枠セット14の一部として前面枠ベース部材に固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22とが設けられ、内枠12の左右上端部位置には音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。 従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、外枠11から内枠12を開き、内枠12からセット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
第1制御基板ユニット201は、後述するように、取り外す場合には工具で封止状態を解除する必要があるが取付はネジ等の締結具も工具も何ら要することなく行い得るよう構成されており、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されている。さらにこれに加え、各ユニット201〜203は、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、略L字状をなす取付台を有し、この取付台に主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ボックス201Aに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、取付台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315(この内側に位置するもう一つの基板ボックス),316,318に各種基板がそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、323はRAM消去スイッチである。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。
[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が「1」を点滅表示する。
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯する。そして、状態表示(図示せず)が「2」を点滅表示する。
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が、「3」を点滅表示する。
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、モニターLED(図示せず)及びモニターLED(図示せず)が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示(図示せず)が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示(図示せず)が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED(図示せず)が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、820は、電源スイッチを示す。
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
前記第1制御基板ユニット201は、第1制御基板ボックス201A、後述の開閉機構410および連結取付台座部材430を含み、第1制御基板ボックス201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図15に示すように、外側ケース70および内側ケース85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。上記外側ケース70および内側ケース85は第1ケースおよび第2ケースに相当するものであるが、外側ケース70および内側ケース85のうちいずれを第1ケースとしいずれを第2ケースとするかは任意である。
この第1制御基板ボックス201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1制御基板ボックス201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1制御基板ボックス201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図15に示すようにそのコの字の底板部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
前記第1部材としての支持体412のコの字の底板部分にはネジ孔が設けられ、図15に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結取付台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図16に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1制御基板ボックス201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、後述する破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図16に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413Aが形成されており、その支持部413Aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
尚、前記第1制御基板ボックス201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
次に、図9乃至図18に基づいて、連結取付台座部材430について述べる。
この連結取付台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1制御基板ボックス201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ボックスを取り付けるための取付台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1制御基板ボックス201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1制御基板ボックス201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1制御基板ボックス201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
前記第1制御基板ボックス201Aのうち、前記連結取付台座部材430と連結封止される部位である第1取付台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1制御基板ボックス201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1取付台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており
、従って、第1制御基板ボックス201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。 即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450が配置され、且つ、前記第1制御基板ボックス201Aの背面視(正面)において、前記第1取付台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
そして、前記連結取付台座部材430には、前記第1制御基板ボックス201Aの前記第1取付台座封止部450と連結封止される部位である第2取付台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1取付台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2取付台座封止部432の構造は、この連結取付台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底板分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
前記連結取付台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433が設けられる。この第2係合部433は、この実施例では、後述する第1被覆部材430Aとは別体成型の第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結取付台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結取付台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90度未満の小角度(例えば20〜60度程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は、金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合突片部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433との係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433と係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1制御基板ボックス201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1制御基板ボックス201A側(連結取付台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
ここで、更に、前記連結取付台座部材430について詳述する。前記第2係合部433を被覆するべく前記連結取付台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433が設けられるが、その第2係合部433の薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ボックス201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1制御基板ボックス201Aが位置された状態となり、前記第1制御基板ボックス201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
また、前記連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ボックス201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ボックス201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してある。
前記第1制御基板ボックス201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結取付台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1制御基板ボックス201Aの裏面に沿って第1、第2取付台座封止部や第1連結部の位置する側から第1制御基板ボックス201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結取付台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結取付台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結取付台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結取付台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2取付台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
更に、連結取付台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1制御基板ボックス201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
次に、第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433を被覆することを行い得ながら、第2係合部433を第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433を前記連結取付台座部材430の内部に備えることができる。
また、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ボックス201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1制御基板ボックス201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433の被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
更に、連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ボックス201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ボックス201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ボックスと同等の大型の取付台座を必要とすることがない状態で、その第1制御基板ボックス201Aの開閉を行い得るのである。
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433の係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
また、前記第2係合部433を板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が前記第1制御基板ボックス201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
また、第1制御基板ボックス201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結取付台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432の連結が行い易いのである。
更に、前記第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結取付台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
また、連結取付台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1制御基板ボックス201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432との封止を行うことができる。
(開閉機構の一部変形例)
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2取付台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
また、第1取付台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2取付台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。 更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433の舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、カバー部材501が介装されている。図14及び図15に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記カバー部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
上記カバー部材501を設けた主たる目的は、球集合板460の裏面に設けられた種々の電気部品、例えば、遊技盤30の表面に設けられた電飾用の基板等の電気部品、配線などを保護することになる。即ち、この球集合板460の裏面に露出された状態に配置されているものであるから、裏面側からアタック(多の部品の組み付け時、或いは基板ボックスの開閉時)に際して、破損、破断が生じる虞がある。
この他に、球集合板460の裏面中央には、中継基板470、これにつながるコネクタ、配線が設けられている。ここでは、中継基板470は、表裏2段配置に構成されており、裏面側(外側)では、第1制御基板ユニット201からの入力を、大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサーの出力を中継している。同様に、内側の中継基板については、電飾等の中継を行う。
また、球集合板460の裏面に露出されている基板としては、大当たりに際して開く大入賞口装置471(図5参照)のための制御(ソレノイド、センサー)を行う中継基板473がある。これらの中継基板470、中継基板473については、この実施例では、前記カバー部材501の被覆対象外となっている。即ち、これらの中継基板470、中継基板473を覆いから外すように、即ち、その中継基板470に対しては、このカバー部材501の一部を凹ませた形状とし、その中継基板473については、中抜き形状(窓)として、そのカバー部材501の形状が採られている。
上記カバー部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空体(箱形)に形成され、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
上記カバー部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、カバー部材501の補強の機能だけでなく、該カバー部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
上記カバー部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
上記カバー部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図15では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記カバー部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記カバー部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該カバー部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図15の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてカバー部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
前記第1制御基板ボックス201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなカバー部材501の支持構造とすることにより、該カバー部材501は図14に示すように第1制御基板ボックス201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該カバー部材501と第1制御基板ボックス201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
上記カバー部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、カバー部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有している。この第1封止部520Aおよび第2封止部520Bについて以下順次説明する。
図19に示すように、第1封止部520Aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
カバー部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、カバー部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、カバー部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
一方、球集合板460において上記カバー部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記カバー部材501の挿入部514に螺合し、これによりカバー部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
第2封止部520Bは、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。上記破断ネジ522は、第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432とを連結封止するための、後述する破断ネジ439と同様の構成を有するものとなっており、ここでは説明を省略する。
カバー部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底板から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(カバー部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち、例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。
上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520Aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520Bの切断部515Aとなっている。
一方、図15に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
図19に示すように、カバー部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(カバー部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりカバー部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は、後述するように所定の高トルクで回転させることにより頭部の先端側の分離部が破断して分離する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも破断ネジ522は破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
カバー部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520Aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520Aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底板に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。
また、図15に示すように、球集合板460において上記カバー部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520Bは、カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でカバー部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
上記カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413Aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413Aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1制御基板ボックス201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
図9乃至図11ならびに図21に示すように、上記カバー部材501の外側面(第1制御基板ボックス201A側面)における固定端部(図9、図11及び図21では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1制御基板ボックス201A側に)突出するように配設され、一方、第1制御基板ボックス201Aの内側ケース85の自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図21では右方に)突出するように配設されており、図22に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、カバー部材501に一体成型されている。
また、上記カバー部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結取付台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(カバー部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結取付台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結取付台座部材430の外側面(開放側面)とカバー部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1制御基板ボックス201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
(カバー部材の一部変形例)
図23に示すように、上記カバー部材501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。図23に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、カバー部材501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、カバー部材の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
また、上記図23に示す例では、カバー部材501内の壁面に、第2封止部520B用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520Bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではカバー部材の内部に保持しておくことができる。
また、上記パチンコ機10においては、カバー部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520A、520Bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、カバー部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記カバー部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
上記パチンコ機10においては、遊技盤30の裏面の球集合板460の裏面を覆うようにカバー部材501が設けられていることにより、球集合板460の裏面に配置された中継基板、配線等の電気部品を保護することができ、他の電気部品の組み付け、或いは外部からの他物の接触による電気部品の破損、断線が防止できるのである。 即ち、パチンコ機10の組立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると、作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品も少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
又、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。
さらに、このカバー部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
さらに、封止手段が第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有し、第1封止部520Aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではカバー部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
さらに、第2封止部520Bが、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にカバー部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520Aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520Bによって再度カバー部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またカバー部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
さらに、カバー部材501の内部に、第2封止部520B用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520Bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。
さらに、カバー部材501のコーナー部に第1封止部520Aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520Bが設けられていることにより、第1封止部520Aによってカバー部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このカバー部材501の封止を第2封止部520Bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
さらに、カバー部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、カバー部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
さらに、カバー部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、カバー部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、カバー部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにカバー部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、カバー部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにカバー部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
さらに、カバー部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、カバー部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してカバー部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらカバー部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、カバー部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、カバー部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図22には、球集合板460にカバー部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、カバー部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびカバー部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程の作業性がとりわけ良好である。
(特徴構成)
本実施形態のパチンコ機10においては、前述の通り、基板ボックスである第1制御基板ボックス201Aが遊技盤30の裏面側に配設され、取付台座に相当する連結取付台座部材430に該第1制御基板ボックス201Aを連結して取り付けるのに、破断ネジが使用されている。第1制御基板ボックス201Aおよび連結取付台座部材430には、それぞれ第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432が設けられており、該第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432とを破断ネジ651で連結し封止することにより、第1制御基板ボックス201Aが連結取付台座部材430に連結封止されるようになっている。
上記破断ネジ651は、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)よりなり、図24に示すように、頭部652および軸部653で構成され、頭部652は、先端面にネジ穴(図示せず)が形成された分離部654と頭部本体655とが、先端側からこの順に軸方向に並ぶように連続的に形成された構成となっており、頭部本体655からは軸部653が延出している。該分離部654および頭部本体655はいずれも基本的に円柱形状となっており、分離部654よりも頭部本体655のほうが大径となっているが、これらの境界部においては、互いに向けてテーパ状に漸次細径化し、これにより、くびれ状の細径部656が形成されている。
分離部654は、先端側から円柱形状に延び、軸部側端部でやや拡径して、上述のようにテーパ状に漸次細径化する形状となっており、これにより、円柱形状部分654Pとテーパ状部分654Tとの間にフランジ部657が形成されている。
軸部653は、図25の部分拡大図に示すように、ネジ山619に切欠620が形成された構成となっている。各切欠620は、ネジ山619を周縁から平面視概略台形状に切り欠いてなる角型の切欠となっており、ネジ山619の周方向に等間隔に(90°毎に)4箇所に形成され、これら4箇所においてそれぞれ軸部653の軸方向に一直線に整列するように形成されている。破断ネジ651を前記第1取付台座封止部450に螺入すると、該第1取付台座封止部450の構成材料である樹脂が上記切欠620に食い込み、これにより破断ネジ651の緩みが効果的に防止される。
上記破断ネジ651の頭部652には、図24に示す収容部材621が嵌着される。収容部材621は、硫黄快削鋼(SUM)よりなり、概略円筒形状のホルダとなっている。該収容部材621の一方端面部には、前記破断ネジ651の分離部654における円柱形状部654Pの径よりもわずかに大きくかつフランジ部657の外径より小さい径を有する操作孔622が穿設され、該操作孔622の下には、フランジ部657の外径より大きくかつ頭部本体655の外径より小さい径を有するフランジ部収容腔623が連続的に形成され、該フランジ部収容腔623の下には、頭部本体655の外径よりもわずかに大きい径を有する頭部本体収容腔624が連続的に形成され、これにより該収容部材621の内部が、操作孔622から段階的に拡径する形状となっている。
上記収容部材621における頭部本体収容腔624側先端縁部は、外径が若干小さくなるようにやや窄まる形状となっており、これにより薄肉部625が形成されている。本実施形態では、収容部材621における頭部本体収容腔624側先端縁部が、外周を縮小させるようにして薄肉とされているが、後でも述べるように、このような場合は切削加工により薄肉部625を形成しやすく、一方、これとは逆に、内周を拡大させるようにして薄肉とすることも可能であるが、このような場合にはヘッダ加工により薄肉部を形成しやすい。
上記収容部材621内には、頭部本体収容腔624側から破断ネジ651の頭部652を挿入し、この後、図26(a)に示すように、前記薄肉部625をプレスして内側に折曲するように変形加工する。これにより、操作孔622形成側と反対側における周壁の端縁から、収容部材621の中心にむけて内側へ延出し、中心部に頭部本体655の外径より小さい孔径を有する挿通孔627が形成された掛止部628が形成される。前述の通り、操作孔622の径は破断ネジ651の分離部654におけるフランジ部657の外径より小さいため、該フランジ部657が操作孔622の周縁に掛合して該破断ネジ651の頭部652が操作孔622から外部へ抜け出すことはできない一方で、頭部本体655が掛止部628の挿通孔627の周縁に掛合して該破断ネジ651の頭部652が挿通孔627から外部へ抜け出すことはできず、したがって該破断ネジ651の頭部652が収容部材621内に収容された状態に確実に保持される。この状態では、破断ネジ651の頭部652は、分離部654における円柱形状部654Pが操作孔622に嵌合し、ネジ穴(図示せず)が形成された先端面が操作孔622から露出した体勢に保持され、収容部材621内に回転自在に保持されている。
上述のようにして収容部材621を破断ネジ651に嵌着すると、破断ネジ651の頭部652が収容部材621に覆われていることによって分離部654が確実に防護され、これにより、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも、破断ネジ651の誤破断が効果的に防止される。
上述のようにして収容部材621を嵌着した破断ネジ651は、図26(a)に示すように、操作孔622から露出した頭部652における先端面のネジ穴(図示せず)にドライバDR1を嵌入して回転させることにより、螺入対象部である第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432に螺入する。
このとき、前述の通り破断ネジ651の頭部652は収容部材621内に回転自在に保持されているので、該収容部材621を外側から把持しながら破断ネジ651をドライバDR1で回すことができて螺入操作が行いやすい。即ち、破断ネジ651が第2取付台座封止部432の内部にほぼ収容された状態では収容部材621を外側から把持することは困難であるが、それ以前の段階では、収容部材621をつまむように把持しながら破断ネジ651をドライバDR1で回すことができ、したがって螺入操作がしやすく、換言すれば、収容部材621が螺入操作の際の破断ネジ651の支持具(支え)としても機能することができる。
また、分離部654における先端面のネジ穴が操作孔622から露出して収容部材621で覆われない体勢に保持され、破断ネジ651の頭部652は収容部材621内に回転自在に保持されているので、収容部材621を嵌着した状態のままでもネジ穴にドライバDR1を係合して回転操作を行うことができ、したがって、収容部材621を破断ネジ651から取り外したり、取り外した収容部材621を別に取扱うといった余分な手間を要することもなく、簡便に作業を行うことができる。
破断ネジ651を締結(本締め)するまで螺入すると、第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432のそれぞれを構成する樹脂が前記破断ネジ651における軸部653の切欠620に食い込み、これにより破断ネジ651に緩み止めがなされる。この後、さらに大きい高トルクで回転させると、図26(b)に示すように、破断ネジ651の頭部652が前記細径部656で破断し、分離部654が頭部本体655から分離する。
分離した後の分離部654は、前述の通りフランジ部657が操作孔622に掛合して外部へ抜け出すことができない状態にあるため、引き続き収容部材621内に拘束されて留まり、破断ネジ651の頭部本体655と収容部材621の操作孔622との間の位置に保持されるが、分離部654は一定の余裕(遊び)をもって収容されるので、そのぶん、収容部材621内で多少の遊動が可能な状態で保持される。
上記分離部654は、収容部材621に覆われることによって、脱落が確実に防止される。また、分離部654が分離しているため、頭部本体655はもはやドライバによっては逆回しして緩めることができない。さらにこのとき、仮に、例えば外部から操作孔622を通してペンチ等を挿入し頭部本体655を把持したり、あるいは棒状の不正具を挿入してその先端を頭部本体614に接着剤で接合したりして、該頭部本体655を強引に逆回ししようとしても、分離した後の分離部654が破断ネジ651の頭部本体655と収容部材621の操作孔622との間の位置に保持されていることにより、該分離部654が障害となって外部からペンチや不正具を頭部本体に届かせることができず、したがって破断ネジ651による連結状態を不正に解除することは困難となっている。
またこのとき、収容部材621が第2取付台座封止部432の内部に収容された状態では、該第2取付台座封止部432との間には僅かな隙間しかないため、例えば該第2取付台座封止部432の外部から手指や器具を挿入して収容部材621を回すことは困難となっている。仮に、収容部材621を回すことが可能となっていたとすると、収容部材621を回すことで破断ネジ651もこれとともに回転して締結状態が解除されてしまうことがある。
また、分離した後の分離部654が収容部材621により周囲からも包囲されるようにして保持されていることにより、確実に脱落が防止されているとともに、頭部本体655も確実に閉塞されて外部からの不正な操作が及ぶことが困難となっている。
また、分離した後の分離部654が操作孔622に嵌合した体勢に保持されることにより該操作孔622が閉塞された状態に保持されているため、該分離部654が確実に障害として機能することができ、操作孔622から頭部本体655に不正具を近づけることが効果的に防止されている。
以下、図24および図26に示す収容部材621をヘッダ加工(圧造成形)により作製する工程について記述する。
まず、炭素鋼等の金属よりなるコイル材(線材)を所定長に切断し、収容部材621のベースとなる円柱状の金属材を成形する。
切断後、その円柱状の金属材に対し圧力を加えることにより、頭部本体収容腔624、フランジ部収容腔623、薄肉部625および操作孔622の順に成形する。この場合、これら複数の部位を同時に成形する(一度の加圧により成形する)ことも可能であるが、薄肉部625の成形時には特にひび割れ等が生じる可能性が高いため、少なくとも薄肉部625については別個に低速で加圧して成形することが好ましい。
なお、ヘッダ加工により薄肉部625を形成する場合、収容部材621の内周面に段差状に形成することが好ましい。このようにすれば、加圧時の金属材の保持が容易となるため、外周面に形成する場合と比較して容易に薄肉部625を成形することができる。
また、薄肉部625は、切削により成形することも可能である。この場合には、収容部材621の外周面に段差状に形成することが好ましい。このようにすれば、収容部材621の外周面に対し工具を径方向に向けて当てた状態で収容部材621を回転させ切削することができるため、内周面に形成する場合と比較して工具の配置が容易となるとともに、薄肉部625の厚みにばらつきを生じさせないようにすることができる。ただし、薄肉部625は本実施形態のように端部から次第に厚みを増していく(段差ではなく曲面とする)のが望ましい。この場合には、各部位に発生する応力を一定に近づけることが可能となり、破断ネジ651と収容部材621とを一体化させる場合に薄肉部625が破損することを防止できる。
(作用)
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10においては、回転操作を行うための操作器具であるドライバDR1が係合される係合部すなわちネジ穴を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部654が頭部652に形成された破断ネジ651によって、2点の構成部材すなわち第1制御基板ボックス201Aと連結取付台座部材430とが連結可能に構成された構成において、上記破断ネジ651が、破断する以前の状態における分離部654の、上記ネジ穴を除く部位を覆う防護部材として収容部材621を備える構成としたので、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも、分離部654が収容部材621で覆われていることによってこの外力から防護され、これにより破断ネジ651の誤破断が効果的に防止されるようになっている。
また、分離部654のネジ穴は収容部材621で覆われないため、収容部材621を備えた状態のままでもネジ穴にドライバDR1を係合して回転操作を行うことができ、したがって、収容部材621を破断ネジ651から取り外したり、取り外した収容部材621を別に取扱うといった余分な手間を要することもなく、簡便に作業を行うことができる。
また、破断ネジ651の頭部652が、分離部654と、該分離部654が分離した後に軸部側に残留する頭部本体655と、該分離部654と頭部本体655との間に位置して該分離部654および頭部本体655のいずれよりも細径の細径部656とを備え、該分離部654が細径部656で破断することにより分離する構成となっており、収容部材621が、少なくとも細径部656を覆うようになっているので、破断ネジ651の破断する部位である細径部656が確実に防護されて破断ネジ651の誤破断がより効果的に防止されるようになっている。
また、収容部材621が、破断ネジ651の分離部654の、ネジ穴を除く全体を包囲する構成となっているので、分離部654におけるネジ穴以外の全体が外力からさらに確実に防護され、これにより破断ネジ651の誤破断がさらに効果的に防止されるようになっている。
また、収容部材621が、分離した後の破断ネジ651の分離部654を保持し得る構成となっている。破断ネジを用いて締結作業を行うと、分離した分離部がゴミとなってその処理に手間や時間がかかるという問題や、分離部が遊技機内の隙間から入り込み、遊技球通路内の球詰まりや電気部品のショートといった不具合を生じる原因となるという問題があるが、本実施形態のパチンコ機10の構成によれば、分離した後の破断ネジ651の分離部654を収容部材621で保持しておくことにより、分離部654がゴミとならず、処理する手間が不要となっているとともに、パチンコ機10内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止されている。
また、収容部材621が、破断ネジ651の頭部652をドライバDR1によって操作される側から覆う壁(即ち操作孔622形成側端面壁)を有するとともに分離部654が通過し得ずドライバDR1を挿通し得る操作孔622を備え、分離した後の分離部654を、破断ネジ651の頭部本体655と操作孔622との間の位置に保持する構成となっているので、分離した後の分離部654が、収容部材621の壁により覆われた状態となるため、確実に保持されて脱落が防止されるようになっている。
また、分離部654が分離した後の破断ネジ651の頭部652における頭部本体655は、ドライバDR1等の操作器具によっては逆回しして緩めることができないが、仮に、該頭部本体655が外部に開放されているとすると、該頭部本体655に例えば外部から棒状の不正具を接着剤で接合して逆回しするといった強引な方法によって不正に連結状態を解除される場合もあり得る。ところが、本実施形態のパチンコ機10の構成によれば、分離した後の分離部654が収容部材621により頭部本体655と操作孔622との間の位置に保持されていることにより、該分離部654が障害となって外部から不正具を頭部本体655に届かせることができず、したがって不正に連結状態を解除されることがより確実に防止されるようになっている。
また、収容部材621が、破断する以前の状態における破断ネジ651の頭部本体655を収容する第1収容部として頭部本体収容腔624と、分離部654を収容する第2収容部としてフランジ部収容腔623と、を有し、頭部本体655が頭部本体収容腔624(第1収容部)内で軸方向および径方向に遊動し得る余裕が、分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内で軸方向および径方向に遊動し得る余裕とそれぞれ等しいかまたはこれより小となっている。
具体的には、図27に示すように、破断ネジ651は、収容部材621に収容された状態においては、破断ネジ651の頭部本体655におけるテーパ面655Tが収容部材621のフランジ部収容腔623における内周面の頭部本体収容腔624側端縁(下端縁)に突当たるまで、頭部652側方向(図中の上方すなわち矢印A1方向)に移動することができ、即ち、同図に示すようにテーパ面655Tがフランジ部収容腔623における内周面の下端縁に突当たった位置が、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内において頭部652側方向(矢印A1方向)へ最大限に移動した限界位置となっている。このとき、破断ネジ651の頭部本体655は、収容部材621の掛止部628との間に間隔h1をおいた状態にあるから、軸部653側方向(図中の下方すなわち矢印A2方向)へはこの間隔h1だけ移動することができ、したがってこの間隔h1が、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内において軸方向に遊動し得る余裕となっている。一方、この上方の限界位置において、破断ネジ651の分離部654におけるフランジ部657と、フランジ部収容腔623における操作孔622側端面(上端面)との間にはまだ間隔h2があいており、したがって、分離部654は、分離した後の状態であれば、最大で(即ち破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624内において軸部653側方向(矢印A2方向)へ最大限に移動した状態で)、前記頭部本体655と掛止部628との間隔h1と、フランジ部657とフランジ部収容腔623の上端面との間隔h2との和h1+h2だけ移動することができるから、この間隔h1と間隔h2との和h1+h2が、破断ネジ651の分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内において軸方向に遊動し得る余裕となっている。
したがってこのとき、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕h1は、分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕h1+h2よりも、間隔h2のぶんだけ小さくなっているから、破断する以前の破断ネジ651と収容部材621とが互いに最大限に軸方向に遊動しても、頭部本体655が頭部本体収容腔624(第1収容部)の両端に突当たって規制されるだけであって、分離部654はフランジ部収容腔623(第2収容部)の端部に突当たることはなく、常に間隔h2以上の遊びが確保されることとなっている。即ち、破断する以前の破断ネジ651と収容部材621とが外力により互いに軸方向の力を加え合ったとしても、この力は常に頭部本体655と頭部本体収容腔624との間で伝達されるだけであって、分離部654とフランジ部収容腔623との間では伝達されることがない。したがって、分離部654に荷重がかかることがないので、分離部654が誤破断することは困難となっている。
このとき、もし、上方の限界位置において分離部654のフランジ部657とフランジ部収容腔623の上端面との間の間隔h2が0となっていたとすると、分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕は、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕h1と等しくなる。このとき、図27に示すように頭部本体655のテーパ面655Tがフランジ部収容腔623における内周面の下端縁に突当たるのと同時に、分離部654のフランジ部657もフランジ部収容腔623の上端面に突当たることとなり、軸方向の力は頭部本体655および分離部654の双方に均等に加わることとなる。この場合でも、分離部654のみに集中して荷重がかかることはないので、分離部654が誤破断することは困難となっている。また一方、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内において軸部653側方向(矢印A2方向)へ最大限に移動した場合には、該頭部本体655が収容部材621の掛止部628に突当たるが、この途上においては分離部654が突当たる対象となる構造物はないので、分離部654に荷重がかかることはない。
以上のことから、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕h1が、分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕h1+h2に等しいかまたはこれより小(即ちh2≧0)となっていると、例えば外力により破断ネジ651と収容部材621とが互いに軸方向に遊動した場合に、頭部本体655と分離部654とに均等に外力が伝達されるか、あるいは頭部本体655のみに外力が伝達されること、即ち、外力が少なくとも頭部本体655で受け止められることとなって、分離部654のみが外力を受けるということがなく、したがって、分離部654がこの外力によって誤破断することが効果的に防止される。
また、図27に示すように、破断ネジ651が収容部材621の径方向中央に位置して(即ち同心状態で)収容された状態においては、破断ネジ651における頭部本体655の周面と収容部材621における頭部本体収容腔624の内周面との間には間隔d1があいており、該頭部本体655は頭部本体収容腔624内で径方向に2×d1だけ移動することができる。即ち、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内において径方向に遊動し得る余裕が2d1となっている。一方、この同心状態において、破断ネジ651の分離部654におけるフランジ部657の外周縁と収容部材621におけるフランジ部収容腔623の内周面との間には間隔d2があいており、また、分離部654における円柱形状部分654Pと収容部材621における操作孔622の内周面との間には間隔d3があいているが、前者の間隔d2は後者の間隔d3よりも小(d2<d3)となっている。したがって、分離部654は、分離した後の状態であれば、径方向へはフランジ部657とフランジ部収容腔623との間で移動が規制され、この間の間隔d2の2倍(2×d2)だけ移動することができるから、この可動範囲2d2が、破断ネジ651の分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内において径方向に遊動し得る余裕となっている。さらに、このフランジ部657とフランジ部収容腔623との間の間隔d2は、前記頭部本体655と頭部本体収容腔624との間の間隔d1よりも大となっている。即ち、頭部本体655と頭部本体収容腔624との間の間隔d1、フランジ部657とフランジ部収容腔623との間の間隔d2ならびに円柱形状部分654Pと操作孔622との間の間隔d3は、この順に大となる関係(d1<d2<d3)にあり、したがってこのうち頭部本体655と頭部本体収容腔624との間の間隔d1が最小となっているから、破断する以前の破断ネジ651と収容部材621とが互いに最大限に径方向に遊動しても、頭部本体655が頭部本体収容腔624(第1収容部)の内周面に突当たって規制されるだけであって、分離部654はフランジ部収容腔623(第2収容部)の内周面にも操作孔622の内周面にも突当たることはなく、両内周面との間に常に遊びが確保されることとなっている。即ち、破断する以前の破断ネジ651と収容部材621とが外力により互いに径方向の力を加え合ったとしても、この力は常に頭部本体655と頭部本体収容腔624との間で伝達されるだけであって、分離部654とフランジ部収容腔623ないし操作孔622との間では伝達されることがない。したがって、分離部654に荷重がかかることがないので、分離部654が誤破断することは困難となっている。
このとき、もし、頭部本体655と頭部本体収容腔624との間の間隔d1と、フランジ部657とフランジ部収容腔623との間の間隔d2とが等しい関係(d1=d2)にある、即ち、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内で径方向に遊動し得る余裕2d1が、分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内で径方向に遊動し得る余裕2d2と等しくなっているとすると、頭部本体655が頭部本体収容腔624の内周面に突当たるのと同時に、分離部654のフランジ部657もフランジ部収容腔623の内周面に突当たることとなり、径方向の力は頭部本体655および分離部654の双方に加わることとなる。この場合でも、分離部654のみに集中して荷重がかかることはないので、分離部654が誤破断することは困難となっている。
以上のことから、破断ネジ651の頭部本体655が収容部材621の頭部本体収容腔624(第1収容部)内で径方向に遊動し得る余裕2d1が、分離部654がフランジ部収容腔623(第2収容部)内で径方向に遊動し得る余裕2d2に等しいかまたはこれより小(2d1≦2d2)となっていると、例えば外力により破断ネジ651と収容部材621とが互いに径方向に遊動した場合に、頭部本体655と分離部654とに均等に外力が伝達されるか、あるいは頭部本体655のみに外力が伝達されること、即ち、外力が少なくとも頭部本体655で受け止められることとなって、分離部654のみが外力を受けるということがなく、したがって、分離部654がこの外力によって誤破断することが効果的に防止される。
また、収容部材621が、頭部本体収容腔624(第1収容部)の径がフランジ部収容腔623(第2収容部)の径よりも大となっており、該頭部本体収容腔624からフランジ部収容腔623にかけて階段状に拡径しているので、より成形しやすい形状となっており、特にヘッダ加工により容易に加工し得るものとなっている。
また、破断する以前の状態における破断ネジ651の分離部654が、収容部材621の操作孔622に嵌合した体勢に保持されるようになっている。即ち、図27に示すように、破断ネジ651が上方の限界位置にあるときに、分離部654における円柱形状部分654Pが操作孔622に嵌合している深さh3が、前記頭部本体655が頭部本体収容腔624(第1収容部)内で軸方向に遊動し得る余裕h1よりも大(h3>h1)となっているので、破断ネジ651が、同図に示す上方の限界位置から、軸部653側方向(下方すなわち矢印A2方向)へ掛止部628に突き当たるまで最大限に移動しても、分離部654における円柱形状部分654Pの周面はなお操作孔622の内周面に嵌合した体勢に保持されるようになっている。換言すれば、分離部654における円柱形状部分654Pの上端が下方へ最大可動範囲h1だけ移動しても、該円柱形状部分654Pの操作孔622に対する嵌合深さにはまだ残余がある(h3−h1>0)。したがって、破断ネジ651のネジ穴が収容部材621の操作孔622よりも内奥に引込むことがないので、外部からネジ穴にドライバDR1を係合させやすく締結作業が容易となっている。
また、収容部材621が、図26(b)に示すように、破断ネジ651における分離した後の分離部654を、操作孔622から突出しない体勢に保持するようになっている。即ち、図27に示す収容部材621における操作孔622の深さh4が、破断ネジ651の分離部654における円柱形状部分654Pの高さ(軸方向の長さ)h2+h3に等しいかまたはこれより大(h4≧h2+h3)となっている。
本実施形態においては、収容部材621が別の構造物である第2取付台座封止部432の周壁により包囲されていて、前述の通り該収容部材621を掴んで回すことは困難となっているが、仮に、分離した後の分離部654が操作孔622から突出していたとすると、この突出部分をペンチ等で掴んで強く引っ張りながら回すと収容部材621ごと回転して破断ネジ651が緩むといったこともあり得る。これに対し、本実施形態のパチンコ機10の構成によれば、分離部654が操作孔622から突出しない体勢に保持されているので、分離部654を掴むことは困難であり、したがって外部から収容部材621ごと逆回しして破断ネジ651を緩めることは困難となっている。
(変更態様)
前記実施形態(以下、第一実施形態と称す)のパチンコ機10には、例えば以下に列挙するように、様々な変更を加えることが可能である。
(1)(第二実施形態)
図28は、破断ネジの他の例を示す正面図である。同図に示す破断ネジ439は、前記第一実施形態における破断ネジ651と同様に、頭部491および軸部492で構成され、頭部491は、先端面にネジ穴(図示せず)が形成された分離部613と頭部本体614とが、先端側からこの順に軸方向に並ぶように連続的に形成された構成となっており、頭部本体614からは軸部492が延出している。該分離部613および頭部本体614の形状も前記第一実施形態における破断ネジ651と同様であり、くびれ状の細径部615が形成されているとともに、分離部613の円柱形状部分とテーパ状部分との間にフランジ部616が形成されている。
上記図28に示す破断ネジ439において、前記第一実施形態における破断ネジ651と異なる点は、頭部本体614に、やや分離部613側寄りの位置に径方向に延出する鍔部617が形成されている点である。また、頭部本体614の軸部492形成側端面には、ゆるみ止めのための、放射状に延びる多数の刻み目よりなるナール618が形成されている点も挙げられる。
上記図28に示す破断ネジ439の頭部491には、図29に示すように、前記第一実施形態の場合と同様の収容部材621が嵌着される。このため、前記と同様の部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
上記図28に示す破断ネジ439によれば、破断ネジ439のフランジ部616が収容部材621の操作孔622に掛合して該破断ネジ439の頭部491が操作孔622から外部へ抜け出すことはできない一方で、鍔部617が収容部材621の掛止部628に掛合して該破断ネジ439の頭部491が挿通孔627から外部へ抜け出すことはできず、したがって該破断ネジ439の頭部491が収容部材621内に収容された状態に確実に保持される。
また、前記掛止部628の挿通孔627は破断ネジ439の頭部本体614を挿通し得る孔寸法を有し、図29に示すように、前記鍔部617は、破断ネジ439の頭部本体614における軸部492側端から、収容部材621の掛止部628の厚さt10より大きい間隔d10をおいた位置に形成されている。これにより、掛止部628が、破断ネジ439の頭部本体614における軸部492側端が当接する第2取付台座封止部432の表面と鍔部617との間に、多少の余裕(d10−t10)をもって掛合することとなり、したがって、破断ネジ439を締結した状態でも、収容部材621が破断ネジ439に対して自由に回転すること、即ち自在に空転(空回り)することが可能な状態に保持されるため、破断ネジ439を外部から逆回しすることを確実に防止することができる。仮に、上記のような余裕がない(即ちt10=d10)とすると、収容部材621を回転させると破断ネジ439に対して空転せずに該破断ネジ439をともに回転させ、その結果、外部から収容部材621を回転させることで破断ネジ439を緩めることが可能となってしまうこともあると考えられる。
前記第一実施形態においては、前述の通り、収容部材621が第2取付台座封止部432の内部に収容された状態では、該第2取付台座封止部432との間には僅かな隙間しかないため、例えば該第2取付台座封止部432の外部から手指や器具を挿入して収容部材621を回すことは困難となっているのであるが、上記のように収容部材621を空転させる構成とすることで、破断ネジ439を緩めることをさらに確実に防止することができる。さらには、例えば、収容部材が比較的大きい隙間をあけて包囲される場合や、あるいは、収容部材が封止部の周壁等により包囲されずに露出している場合には、該収容部材が外部から回転させやすい状態となるため、上記のように収容部材621を空転させる構成とすることが特に有用である。
以下、ヘッダ(圧造機)により上記のような鍔部を有する破断ネジを作製する工程の一例を簡略に順次説明する。
1.まず、コイル材(線材)を所定長に切断する。
2.ついで、図30(a)に示すように、ヘッダに上記切断したコイル材S11をセットしてヘッダ加工を行い、該コイル材S11の一部を径方向に膨出させて、頭部本体S12を形成し、また、図30(b)に示すように、該コイル材S11の一方端面に、プラスのネジ穴S15を形成する一方、図30(c)に示すように、頭部本体S12において前記ネジ穴S15から遠い側の端面に、ナールS17を形成する。
3.ついで、図30(d)に示すように、さらにヘッダ加工を行い、上記頭部本体S12における前記ナールS17形成側と反対側の端部(即ち前記ネジ穴S15に近い側の端部)をさらに径方向に膨出させて、鍔部S13を形成する。
4.ついで、図30(e)に示すように、上記頭部本体S12における前記ナールS17形成側端部から延びる丸棒部(即ち前記ネジ穴S15形成側と反対側の丸棒部)に切削加工によりネジ山を削成して、軸部S14を形成する。
5.ついで、図30(f)に示すように、前記ネジ穴S15形成側の丸棒部に、くびれ状の細径部S16を形成する。
上記のようなヘッダ加工を用いた方法により、破断ネジを容易に作製することができる。
(2)(第三実施形態)
図31は、防護部材としての収容部材の他の例を示す斜視図であり、図32はその展開図である。同図に示す収容部材658は、1枚の板状部材である金属板を図32に示すようにやや長く延びる概略長方形状(または帯状)に調製して所定の孔、切込等を形成し、これを折曲して、図31に示すように、直方体における正面および背面が開放され、上面、下面および両側面がそれぞれ天板658T、底板658Bおよび両側板658R、658Lによりほぼ閉塞された、概略角筒形状となるように組み立てて得られるホルダとなっている。
収容部材658の上面部を構成する天板658Tには、前記破断ネジ651の分離部654における円柱形状部654Pの径よりもわずかに大きくかつフランジ部657の外径より小さい径を有する操作孔659が穿設され、図31に示すように、下面部を構成する底板658Bには、前記破断ネジ651の軸部653を挿通することができかつ頭部652の頭部本体655を挿通し得ない孔寸法を有する軸挿通孔660が形成されている。該軸挿通孔660は、図32に示す展開状態における金属板の両端縁(両短縁)の中央部に概略U字形状に内側へ陥入する切欠660R、660Lをそれぞれ設け、該金属板を折曲して両端縁(両短縁)をつき合わせるようにすることで、各切欠660R、660Lをそれぞれ半分としこれらを合わせて1つの孔として構成されている。また、図31に示すように、上記底板658Bには、上記軸挿通孔660から正面側へ漸次拡大する軸導入切欠661が形成されている。該軸導入切欠661は、図32に示す展開状態における金属板の両端部において、底板658Bとなる部分の正面側端縁を内側へ傾斜する斜辺とするとともに、金属板の両端縁(両短縁)における前記軸挿通孔660から正面側の部分を内側へ傾斜する斜辺とする(即ち、金属板の両端部における正面側の直角の隅部をそれぞれ内側へ斜方に引っ込めるようにして鈍角の隅部とする)ことにより形成されている。該軸導入切欠661は、後述するように収容部材658に破断ネジ651を収容する際に、軸部653を正面側から軸挿通孔660へ案内するように機能する。
収容部材658の両側面部を構成する両側板658R、658Lには、内側へ延出する弾性片662R、662Lがそれぞれ設けられている。該弾性片662R、662Lは、図32に示す展開状態における金属板の両側板658R、658Lとなる部分に、コ字形状の切込663R、663Lをそれぞれ設け、各切込663R、663Lの内側に形成された矩形状片を引き起こすように折曲することにより形成されている。
またこのとき、収容部材658の両弾性片662R、662Lが破断ネジ651の頭部本体655におけるテーパ面655Tに当接して破断ネジ651の頭部本体655を上から押し下げるように付勢することとなる。
このとき、前述の通り破断ネジ651の頭部652は収容部材658内に回転自在に保持されているので、該収容部材658を外側から把持しながら破断ネジ651をドライバDR1で回すことができて螺入操作が行いやすい。即ち、前記第一実施形態の場合と同様に、収容部材658が螺入操作の際の破断ネジ651の支持具(支え)としても機能することができる。
前記第一実施形態の場合と同様に、破断ネジ651を締結(本締め)するまで螺入した後、さらに大きい高トルクで回転させると、破断ネジ651の頭部652が前記細径部656で破断し、分離部654が頭部本体655から分離する。
またこのとき、前記第一実施形態の場合と同様に、収容部材658が第2取付台座封止部432の内部に収容された状態では、該第2取付台座封止部432との間には僅かな隙間しかないため、例えば該第2取付台座封止部432の外部から手指や器具を挿入して収容部材658を回すことは困難となっている。
また、収容部材658が、1枚の金属板を加工してなるものであるので、金属板に穿孔加工や折曲加工を施すことにより容易に操作孔659や側板658R、658L、下面部である底板658B等を形成することができる。また、側板658R、658Lに切込663R、663Lを入れて折曲することにより容易に弾性片662R、662Lを形成することができる。
(3)(第四実施形態)
図33は、収容部材の他の例を示す展開図である。同図に示す収容部材671は、前記第三実施形態における収容部材658と同様に、やや長く延びる概略長方形状に調製された1枚の金属板を折曲して構成されるが、本第四実施形態の場合には、該金属板の一方端側から天板671T、側板671Rおよび底板671Bがこの順に形成され、該金属板が側板671Rを中心としてコ字形状に折曲されるようになっている。上記天板671Tおよび側板671Rには、前記第三実施形態における収容部材658の場合と同様の操作孔672および弾性片673Rがそれぞれ設けられている。上記底板671Bは、前記第三実施形態における収容部材658の底板658Bとは異なり、分割構成されずに一体の板体として構成され、中央部に、前記破断ネジ651の軸部653を挿通することができかつ頭部652の頭部本体655を挿通し得ない孔径を有する軸挿通孔674が穿設されている。
本第四実施形態における収容部材671の場合、正面および背面だけでなく一方側面も開放されているので、そのぶん破断ネジ651の頭部652を挿入して収容する作業が容易となるという利点もあるが、その反面、操作孔672を有する部分(天板671T)を折曲方向とは逆方向に戻すように開いて上面部を開放することも容易であるので、収容部材671の内部に対し不正がなされ易いきらいもある。
(4)(第五実施形態)
図34は、収容部材のさらに他の例を示す展開図である。同図に示す収容部材675は、前記第三実施形態における収容部材658の天板658Tに対応する天板675Tから、幅方向に両側に延出してそれぞれ前板675Fおよび背板675Wが形成されている以外は、前記第三実施形態における収容部材658と全く同様の構成となっており、前記第三実施形態における収容部材658が展開状態でやや長く延びる概略長方形状となっていたのに対して、本第五実施形態における収容部材675では、これに上記前板675Fおよび背板675Wが付加されることにより、展開状態で全体として概略十字形状となっている。
本第五実施形態における収容部材675の場合、上面、下面、両側面、正面および背面の6面がすべて閉塞されるので、破断ネジ651の分離した後の分離部654がさらに確実に保持されて脱落防止効果がさらに向上し、また、破断する以前の状態における分離部654の、ネジ穴形成面を除く全部が6面から全的に覆われることとなって防護効果もさらに向上している。
また、頭部本体655も、6面すべてにおいて覆われることにより、外部からの不正な操作が及ぶことがさらに困難な構成となっている。
さらにまた、破断ネジ651が収容部材675から離脱し難く誤破断も生じ難いことから、破断ネジ651に装着した状態の収容部材675を遊技機製造ラインに大量に流すこともできる。
また特に、両側板675L、675R、前板675Fおよび背板675Wの4つの板体が、天板675Tから四方にそれぞれ延出するようにして形成され、このため収容部材675の上面部の周縁が継目でなく折目となっていることから、収容部材675の上方から不正具を進入させるような不正行為がさらに困難となっている。このとき、例えば上面部の周縁を継目とし、この継目を溶接によって接合するようにしてもよいが、そのぶん工数が増加するため、上記のように、不正の対象となりやすい上面部の周縁を折目とすることで、溶接等を行わなくとも効率よく不正を防止し得る構成とすることができる。
また、本第五実施形態における収容部材675には、前記第三実施形態における収容部材658の両弾性片662R、662Lと同様の両弾性片685R、685Lが形成されているが、本第五実施形態における収容部材675は上述の通り6面がすべて閉塞されるので、この閉塞構造によって、分離した後の分離部654を保持するホルダとしての所要の機能は確保されており、したがって、脱落防止効果の観点に限っては、両弾性片685R、685Lの形成は省略して構成をより簡略化することも可能である。
(5)(第六実施形態)
図35は、収容部材のさらに他の例を示す下面図である。同図に示す収容部材682は、底板682Bの構成以外は、前記第三実施形態における収容部材658と全く同様の構成となっている。本第六実施形態における底板682Bは、前記第三実施形態における収容部材658の底板658Bと同様に分割構成されているが、各分割体がそれぞれやや長く形成されて互いに重なり合うように構成されている。これにより、底板682Bの各分割体を前記第三実施形態の場合よりも大きく両側におし拡げるようにしない限り、軸挿通孔683が閉塞した状態に確実に保持されるので、破断ネジ651の軸部653がより脱離し難い構成となっている。
また、本第六実施形態においては、底板682Bの各分割体における互いに対向する斜辺682D、682Dが交差するようにして、正面側からV字状に凹入する形状を有する軸導入切欠684が構成されているが、収容部材682を破断ネジ651に装着する際には、破断ネジ651の軸部653をこの軸導入切欠684の内奥部に押し込むようにすると、これにともない底板682Bの各分割体における両斜辺682D、682Dが次第に両側に拡開して破断ネジ651の軸部653がさらに内側へ案内されていき、該破断ネジ651の軸部653が軸挿通孔683に到達してその内部に納まると、両斜辺682D、682Dが弾性により元の位置に戻って軸挿通孔683も閉塞され、破断ネジ651の軸部653が該軸挿通孔683内に確実に保持されることとなる。このように、底板682Bの各分割体をあえて両側におし拡げるようにしなくとも、破断ネジ651の軸部653を軸導入切欠684から内側に押し込むようにするだけで、破断ネジ651を収容部材682に容易に取り付けることができる。
(6)(第七実施形態)
図36は、収容部材のさらに他の例を示す斜視図である。同図に示す収容部材664は、円筒体の両端面がほぼ閉塞された形状を有する樹脂製のホルダとなっている。
収容部材664における一方端面の中央部には、前記第三実施形態における収容部材658の操作孔659とほぼ等しい孔径を有する操作孔665が穿設され、他方端面の中央部には、破断ネジ651の軸部653を挿通することができかつ頭部652の頭部本体655を挿通し得ない孔径を有する軸挿通孔666が形成されている。収容部材664における周壁部には、上記軸挿通孔666が形成された側の端部に、破断ネジ651の頭部652を挿通し得る寸法を有する正面視矩形状の開口部667が穿設され、該開口部667の周方向中央部と前記軸挿通孔666とに両端で連通するようにして、端面に径方向に延びるスリット668が形成されている。収容部材664における周壁部には、対向する2箇所に、内側へ延出する弾性片669R、669Lがそれぞれ設けられている。
上記収容部材664内には、前記開口部667から破断ネジ651の頭部652を挿入して収容するようにし、このとき、破断ネジ651の軸部653を前記スリット668を通して軸挿通孔666に挿通するようにする。該スリット668の幅は破断ネジ651の軸部653の径よりわずかに小さくなっているが、収容部材664が適度な軟性を有する樹脂成形品となっているため、該スリット668の幅をわずかにおし拡げながら破断ネジ651の軸部653を押し込むようにして挿入することができる一方、破断ネジ651の軸部653を軸挿通孔666に挿通した後は破断ネジ651が該スリット668を通って収容部材664から脱離し難く、軸挿通孔666内に確実に保持される。以上のようにして、破断ネジ651の頭部652に収容部材664が嵌着される。
上記図36に示す本第七実施形態の収容部材664は、弾性片669R、669Lも含め、前記第三実施形態における収容部材658と基本的にほぼ同等に機能することができるが、ここでは、収容部材664の側面部が、破断ネジ651の頭部652の周囲を包囲する周壁状に構成されているので、分離した後の分離部654が周壁状の側面部により周囲を包囲されるようにして保持されることとなり、したがってさらに確実に保持されて脱落防止効果がさらに良好となっており、また、破断する以前の状態における分離部654が周囲からも覆われることとなって防護効果もさらに良好となっている。
また、頭部本体665も、周壁状の側面部により周囲を包囲されることによって、外部からの不正な操作が及ぶことがさらに困難な構成となっている。
また、破断ネジ651の頭部652の周囲を包囲する周壁状に構成されていることから、開口部667等を除けばほぼ全体として閉塞された構成となっているので、前記第五実施形態における収容部材675の場合と同様に、脱落防止効果の観点に限っては、両弾性片669R、669Lの形成は省略して構成をより簡略化することも可能であるが、不正防止の観点からは両弾性片669R、669Lを形成しておくほうが望ましい。
また、収容部材664が樹脂よりなるので、該収容部材664を容易かつ安価に作製することができ、特に、弾性片669R、669Lも一体成形により容易に形成することができる。また、収容部材664が適度な変形性を有するため、該収容部材664を適宜変形させながら破断ネジ651を収容することも可能となっており、したがって破断ネジ651の収容作業が容易となっている。さらに、この適度な変形性により、外部からの衝撃を吸収する緩衝効果を有するため、防護部材としての機能も良好となっている。
(7)(第八実施形態)
図37および図38は、収容部材のさらに他の例を示す斜視図である。同図に示す収容部材687は、前記第一実施形態および第七実施形態における収容部材621、664と同様に、概略円筒状の外形を有する樹脂製のホルダとなっている。
上記収容部材687は、全体として一体の円筒状の外形を(弾性変形や断裂等の場合を除いて)不変的に保持するように成形されているのではなく、図39および図40に示すように、2つの分割部688、689が開閉可能に連なっていて、これら分割部688、689を閉じることで図37および図38に示す円筒状の外形をなすように構成されている。即ち、図39および図40に示すように、概略円筒体における上端部を除く大部分を、軸を含む一平面で切断(縦割り)して2分割し、上端部に円板状の天板部688Tが形成されてこれより下方の大部分が概略半円筒状の形状を有する第1分割部688と、該第1分割部688の概略半円筒状部と対称な概略半円筒状の形状を有する第2分割部689と、を有し、該第1分割部688および第2分割部689のそれぞれにおける対向する一側端縁(切断面と周面との境界に位置し、収容部材687の軸方向に平行に延びる端縁)が、可撓部690を介して連続するように一体的に成形された構成となっている。該可撓部690は、収容部材687の軸方向に沿って長く延びて幅方向中央部がやや薄肉に成形され、該中央部で二つ折りに折曲されて横断面略三角形状をなすように閉じた閉体勢(図38参照)と、この閉体勢から幅方向に押し広げるように拡開した開体勢(図39参照)との間で自在に変形し得る構成を有し、第1分割部688および第2分割部689の双方に一体的に形成されている。
上記収容部材687は、上述のように、上端部に限っては分割構成されず、天板部688Tとして第1分割部688に一体的に形成されている。即ち、第1分割部688における上端部を構成する天板部688Tは、全体として平面視円形をなすように第2分割部689側へ延出し、一方、第2分割部689は、上記天板部688Tの下端に上端が接するように、該天板部688Tの厚さのぶんだけ上端部が第1分割部739よりも短い形状となっている。さらに換言すれば、上記収容部材687は、上端部は天板部688Tとして第1分割部688に一体的に形成され、天板部688Tよりも下方の部分は第1分割部688と第2分割部689とに縦割りして2分割した形状となっている。
上記収容部材687においては、図37および図38に示すように、第1分割部688と第2分割部689との境界線B1が、収容部材687の下端から一方側面に沿って上方に延び、上端よりやや下方の位置すなわち天板部688Tの下端の位置で第2分割部689側へ直角に折れて周方向に沿って他方側面へ平面視180°の角度だけ移動した位置まで水平に延びて、再度下方へ直角に折れて他方側面に沿って下端まで延びている。即ち、第1分割部688と第2分割部689との境界線B1が、収容部材687の上端面すなわち操作孔701形成端面を回避するように延びていて、該操作孔701形成端面には現れないようになっている。
上記第1分割部688の自由端縁部(即ち可撓部690形成側と反対側の端縁部)には、図39および図40に示すように、正面視コ字形状に切欠くようにして凹入部691が形成され、該凹入部691の内奥側面における中央部には、第2分割部689に対向する面(切断面)に跨るようにして係合突起692が形成されている。該係合突起692は、収容部材687の軸方向にやや長い四角柱状の概略直方体において、収容部材687の軸方向に平行な4稜線を含む4隅部のうちの1隅部を第1分割部688の自由端縁部に食い込むように断面鉤形状に切欠くとともに、この隅部と対角をなす隅部を丸く角落ちさせて湾曲面692Cを形成した形状となるように、第1分割部688に一体的に形成されている。該係合突起692の突出高さは凹入部691の深さとほぼ等しく、したがって第1分割部688の外周よりも突出することなく凹入部691内に納まるようになっている。第2分割部689の自由端縁部には、第1分割部688に向けてコ字形状をなして環状に突出する係合突片693が形成されている。該係合突片693の外形は上記凹入部691内に納まるようになっているとともに、該係合突片693の内部に形成された矩形状の開口部693Aに、上記係合突起692が出入し得るようになっている。第1分割部688と第2分割部689とを、切断面同士を重ね合わせるようにしてつき合わせると、図37および図38に示すように、係合突片693が係合突起692に弾性的に係合し、これにより第1分割部688と第2分割部689とが閉じた状態に固定されて収容部材687の概略円筒状の外形をなすようになっている。
このとき、係合突起692は湾曲面692Cにより容易に係合突片693の開口部693A内に案内される。また、係合突片693は、係合突起692に係合した状態では、凹入部691内に納まるとともに該凹入部691内の空間をほぼ充填し、図37に示すように、係合突起692とともに収容部材687の外周面の一部を構成するようになっている。また一方、第1分割部688と第2分割部689とをつき合わせる際には、図38に示すように、可撓部690が横断面略三角形状をなすように二つ折りに折曲されながら変形することによりヒンジ状に機能し、これにより、第1分割部688と第2分割部689とが可撓部690形成側端縁部を軸として回動するように開閉動作し得るようになっている。
上記第1分割部688の内部には、図39および図40に示すように、前記第一実施形態の破断ネジ651における分離部654と頭部本体655との外面形状にそれぞれ対応する内面形状を有し、分離部654および頭部本体655のそれぞれの一方側半分を側方から覆う分離部収容凹部694および頭部本体収容凹部695が形成されている。第2分割部689の内部には、上記第1分割部688の分離部収容凹部694および頭部本体収容凹部695と対称に構成された分離部収容凹部696および頭部本体収容凹部697が形成されており、破断ネジ651における分離部654および頭部本体655のそれぞれの他方側半分を側方から覆うようになっている。
上記第1分割部688の天板部688Tには、図37ないし図39に示すように、破断ネジ651の分離部654における円柱形状部654Pの径よりもわずかに大きくかつフランジ部657の外径より小さい径を有する円形の操作孔701が穿設されている。該操作孔701は、前記各実施形態における操作孔と同様に、破断ネジ651における分離部654の先端面に設けられたネジ穴651H(図42参照)を外部へ露出させて螺入操作を可能とするとともに、分離後の分離部654を収容部材687内部に保持するように機能し、また、該操作孔701の内周面は、内側端縁から同径を保持して外側へわずかに延びた後、外側へ向けて次第に拡径しながら延びる逆テーパ状に形成されており、収容部材687が破断ネジ651に装着された状態にあるときに分離部収容凹部694、696内に収容された分離部654のネジ穴651Hにドライバを係合させやすいようになっている。またこの先端部の形状により、破断ネジ651は頭部652の先端が収容部材687の先端よりも内側に後退した位置で収容されるようになっている。
上記天板部688Tの内側面には、図38ないし図40に示すように、操作孔701から第2分割部689側へ向けて延びる断面矩形状の頭部挿通溝701Gが形成されている。該頭部挿通溝701Gは、破断ネジ651の分離部654における先端部(円柱形状部654P)を挿通するための溝であり、操作孔701の径に等しい幅を有し、内側端が該操作孔701に連通するとともに、外側端が天板部688Tの側方へ(第2分割部689側へ)貫通している。
図39および図40に示すように、上記第1分割部688および第2分割部689のそれぞれにおける、底面壁すなわち上記天板部688T形成側と反対側の端面を構成する壁の、対向する端縁の中央には、破断ネジ651における軸部653の外径よりもわずかに大きくかつ頭部本体655の外径より小さい径を有する半円形状の切欠部702、703が形成されており、第1分割部688と第2分割部689とをつき合わせると両切欠部702、703が合一して円形の挿通孔(図示せず)が構成されるようになっている。
上記第1分割部688の周壁における中央部には、図37および図40に示すように、弾性係合片705が形成されている。該弾性係合片705は、第1分割部688の周面における中央部を平面状に切欠いて、内側に矩形状の開口を有する平面部705Sを形成し、該開口の上端縁(天板部688T形成側端縁)から、下端縁近傍まで概略四角柱形状をなして垂下するように延びる形状となるように、第1分割部688に一体的に形成され、第1分割部688の周壁に連続する上端部を固定端部として、自由端側となる延出端側が図37中の矢印A3で示すように内外に(第1分割部688の径方向に)撓むように弾性変形し得るものとなっている。図37に示すように、該弾性係合片705の自由端部(延出端部)は、側面視鉤形状をなして第1分割部688の径方向に沿って外側へ直角に延出し、これにより第1係合突起705Dが形成されている。該第1係合突起705Dの上端側面(弾性係合片705の固定端側を向いた面)は弾性係合片705の長さ方向(延出方向)に直交する平面状に形成され、下端側面(弾性係合片705の自由端側を向いた面)は、内側から外側へかけて上傾する斜面状に形成されており、したがって該第1係合突起705Dは、下端縁が内側から外側へかけて上傾する斜辺をなし、残り3辺が水平片および垂直辺をなす台形状の側面形状を有する突起となっている。さらに、該弾性係合片705において上記第1係合突起705Dよりもやや上方の位置(固定端に近い位置)には、上記第1係合突起705Dと同方向に突出する第2係合突起705Pが形成されている。該第2係合突起705Pは、上下両端縁が内側から外側へかけてそれぞれ下傾および上傾する斜辺をなし、内外両側端縁が垂直辺をなす台形状に先細りする側面形状を有する突起となっている。上記第1係合突起705Dの突出高さ(平面部705Sからの突出高さ)は第2係合突起705Pの突出高さよりも若干大となっている。
第1分割部688と第2分割部689とを開いた状態で、図41に示すように第1分割部688に破断ネジ651を嵌装し、前述のようにして第1分割部688と第2分割部689とを閉じて係合突片693と係合突起692とを係合させ固定することにより、破断ネジ651に収容部材687を装着することができる。破断ネジ651を第1分割部688に嵌装する際、破断ネジ651の分離部654における先端部(円柱形状部654P)を、前記頭部挿通溝701Gの内面に沿って内側へ挿通させるようにする。破断ネジ651が第1分割部688内に嵌合すると、分離部654(円柱形状部654P)の先端面が操作孔701に揃うように位置して、図42に示すように該先端面に形成されたネジ穴651Hが該操作孔701から外部へ露出する。この装着状態では、収容部材687が、破断ネジ651の頭部652を内部に収容した状態(厳密には、頭部652に加え、挿通孔により軸部653の付け根部も覆った状態)となっている。
上記のようにして収容部材687を装着した破断ネジ651は、ネジ固定することが可能な部位であれば、任意の部材の連結部に使用することができ、例えば、周囲に周壁等がなく破断ネジ651が露出した状態となるような部位にも使用することも可能ではあり、これによっても収容部材687が、防護部材としての機能に加えて、分離した後の分離部654を保持するホルダとしての機能を奏することができるのであるが、不正防止の観点からは、前記第一実施形態における第2取付台座封止部432のように、周壁等の構造物により破断ネジ651が包囲されるようになっていることが望ましく、これによれば、例えば破断ネジ651を収容部材687ごと逆回しして緩めたり、あるいは収容部材687を破断ネジ651から取り外して頭部本体655を何らかの手段により強引に逆回しして緩めたりといったことをより困難とすることができる。さらには、以下に例示するように、本第八実施形態の収容部材687に特に適合するように連結部を構成することがより望ましい。
図42は、本第八実施形態の収容部材687を装着した破断ネジ651により連結される封止部の構造の一例を示す分解斜視図、図43は図42に示す封止部の構造の概略断面図である。同図に示す例では、互いに連結される第1構成部材706および第2構成部材707にそれぞれ第1封止部708および第2封止部709が突設されている。
上記第1構成部材706は、概略長方形の板状体の周縁(4辺)から一方面側へ周壁が延出する形状を有し、制御基板を一方面側から覆う基板ボックスの樹脂製の構成部材となっている。第1封止部708は、図44にも示すように、破断ネジ651が螺入される螺入部710と、該螺入部710を周囲から包囲しながら支持する外枠部711とを有して構成され、全体として第1構成部材706に一体的に形成されている。螺入部710は、第1構成部材706の先端面706Pに対し間隔をおいて平行に配置された、横長の(図44における左右方向に長い)長方形状の背面壁713Bの両側端縁から表側へ(第1構成部材706側と反対側へ)平面視略U字形状をなして周壁713Pが延出し、該背面壁713Bおよび周壁713Pの上端部が支承面壁712により閉塞されて、基台部713が構成され、該基台部713の背面を除く周縁から、平面視略U字形状の上部周壁713Fが上方へ延出した構成となっている。基台部713の背面壁713Bの中央部からは表側へリブ714が延びて周壁713Pの先端部に連続しており、さらに、リブ714の中央部には、内部にネジ穴717が形成された円筒状部715が、上下に延びてその下端が基台部713の下端より若干下方へ突出するようにして形成されている。上記リブ714は、ほぼ下側半分が基台部713の背面壁713Bよりも外側へ延出して第1構成部材706の先端面706Pに連続し、これにより、螺入部710を第1構成部材706の先端面706Pに支持するブラケット716が形成されている。該ブラケット716の下端から円筒状部715の下端までは一直線に連続している。上記基台部713を構成する背面壁713B、周壁713P、支承面壁712、リブ714等はいずれもやや厚肉に形成されているが、上部周壁713Fはこれよりもやや薄肉となっている。支承面壁712の中央部には、円筒状部715の下端近傍まで延びる前記ネジ穴717が穿設されているが、支承面壁712上には、該ネジ穴717から裏側へ(第1構成部材706側へ)延びる案内溝718が形成されている。該案内溝718は支承面壁712の裏側端まで貫通し、さらに、該案内溝718の延長線上に位置する第1構成部材706の先端面706Pを構成する壁の上端縁には、該案内溝718の断面形状にほぼ等しい形状を有する切欠719が形成されている。
上記第1封止部708の螺入部710は、第1構成部材706の先端縁に沿って4個並置するようにして突設されている。図42および図44に示す螺入部710は、これら4個のうち、第1構成部材706における先端縁上の一方端部すなわち隅部に最も近接する位置に配置された1個であり、これに隣接して残り3個が第1構成部材706における先端縁上の他方端部へ向けて一直線に並ぶように配置されている。これら4個の螺入部710はいずれも同一の構成となっているため、同図では残り3個の螺入部710は図示省略されているが、同図に示す螺入部710に隣接する別の1個の螺入部710における上部周壁713Fの一部のみが図示されている。
外枠部711は、上記4個の螺入部710を平面視コ字形状をなして外側から包囲する外枠壁721が第1構成部材706の先端面706Pから延出し、4個の螺入部710の間をそれぞれ仕切る仕切壁722が第1構成部材706の先端面706Pから延出して上記外枠壁721に連続する形状となっている。外枠壁721および仕切壁722の下端は螺入部710の基台部713の下端より若干上方に位置し、仕切壁722の上端は基台部713の上端とほぼ等しい高さに位置している。外枠壁721は仕切壁722の上端よりも上方に延びて螺入部710の上部周壁713Fの上端にほぼ等しい高さ位置まで達し、その上端縁は外側へ若干だけ延出し、さらにその延出端縁が上方へ若干だけ延出して、上端縁部が全体として断面略S字状(ないしZ字状)をなして折曲された構造となっており、この折曲構造により、後述するように第2封止部709を受けるようになっている。また、外枠壁721において各螺入部710の先端に対向する部位は、それぞれ該螺入部710の先端部の形状に沿って、先端側(表側)へ弧状に湾曲するように膨出している。図45に示すように、外枠壁721および仕切壁722の下端と螺入部710の基台部713の周壁713Pとの間には下面壁711Bが形成され、該下面壁711Bには、基台部713の周壁713Pに沿って平面視略U字形状をなすようにして、複数個所(4箇所)で間隔をおいて断続的に延びる貫通溝が穿設され、これにより、上記複数個所(4箇所)で螺入部710を包囲するようにして外枠部711に支持する架橋部723が形成されている。螺入部710は、前記ブラケット716と4箇所の架橋部723とを合わせた計5箇所で、第1構成部材706の先端面706Pおよび外枠部711により周囲から包囲されながら支持される構成となっている。このように、第1封止部708は、第1構成部材706の先端面706Pに1列に並置するように形成された4個の螺入部710が、外枠部711の外枠壁721および仕切壁722により1個ずつ包囲されながら支持されるようにして構成されている。
上記第2構成部材707は、図42および図43に示すように、第1構成部材706と同様に、概略長方形の板状体の周縁(4辺)から一方面側へ周壁が延出する形状を有し、制御基板を他方面側から覆う基板ボックスの樹脂製の構成部材となっており、第1構成部材706と第2構成部材707とを、開放側面(周壁形成側面)同士をつき合わせるようにして嵌着、固定することにより、制御基板を収容する内部空間が閉塞されて、概略直方体状の基板ボックスが構成されるようになっている。第2封止部709は、図46にも示すように、収容部材687を装着した破断ネジ651が装填される破断ネジ装填部724と、該破断ネジ装填部724を包囲するように形成された内枠部727とを有して構成され、全体として第2構成部材707に一体的に形成されている。
内枠部727は、前記外枠部711の外枠壁721に内側から嵌合し得る平面視コ字形状の内枠壁736が第2構成部材707の先端面707Pから延出し、該内枠壁736の両側部の間に、第2構成部材707の先端面707Pと平行に基枠壁736Bが形成され、さらに、該基枠壁736Bと内枠壁736の先端部との間に、該基枠壁736Bの長さ方向に所定間隔をおいて3本の架設梁737が形成された構成となっており、上記内枠壁736、基枠壁736Bおよび架設梁737により、前記第1封止部708における4個の螺入部710の位置にそれぞれ対応する4つの区画が形成されている。内枠壁736は、後述するように第1構成部材706と第2構成部材707とをスライドさせて嵌合させる際に、前記第1封止部708の外枠壁721に内側から嵌合することにより、第2構成部材707の先端面707Pを該第1封止部708の外枠壁721との間に所定の距離をおいた位置に保持する(換言すれば第1構成部材706と第2構成部材707とを互いに揃う位置に保持する)ように機能するとともに、第1封止部708の外枠壁721とともに、螺入部710および破断ネジ装填部724を周囲から防護しながら支持するように機能するものとなっている。架設梁737は、破断ネジ装填部724のほぼ中央の高さ位置に配置され、基枠壁736Bから先端側(表側)へ細長に延びる短冊状であって平伏するように形成されており、延出端は内枠壁736の下端縁に連続している。
破断ネジ装填部724は、破断ネジ651の全長にほぼ等しい深さおよび前記収容部材687の外径にほぼ等しい内径を有して上下に延びる円筒体であって、下端面が下面壁728によりほぼ閉塞され、上端面が開放された構成となっており、周面における中央よりやや上方の高さ位置において、両側部2箇所から裏側へ(第2構成部材707側へ)延びるブラケット729により基枠壁736Bに支持されている。上記下面壁728の中央には、破断ネジ651における軸部653の外径よりもわずかに大きい孔径を有する軸挿通孔730が穿設され、下面壁728の下面には、断面台形状をなして下方へ突起しながら、該軸挿通孔730の周縁から裏側へ(第2構成部材707側へ)向けて下面壁728の裏側端まで延びる突条731が形成されている。該突条731の延長線上に位置する基枠壁736Bの下端縁には、該突条731の断面形状にほぼ等しい形状を有する突起732が形成されている。
破断ネジ装填部724の内周面における先端側半部(第2構成部材707から遠い側の半部)の先端部中央には、先端よりやや内側に、第2構成部材707の先端面707Pと平行な平面部733Sが形成され、該平面部733Sの幅方向中央に、上端から下端まで延びる係合溝733が形成されている。該係合溝733は、前記収容部材687の弾性係合片705の幅にほぼ等しい幅を有し、かつ弾性係合片705における第1係合突起705Dの突出高さより若干小さい深さを有する断面概略矩形状の溝となっている。該係合溝733の上端よりやや下方の位置には、係合段部734が形成されている。該係合段部734は、後述するように収容部材687を装着した破断ネジ651を所定の高さ位置に仮保持しておくためのものであり、係合溝733の長さ方向に直交する下面と、係合溝733の内奥から外側へ(破断ネジ装填部724の中心側へ)かけて下傾する上面とを有して断面台形状に形成されており、前記収容部材687の弾性係合片705における第1係合突起705Dの下端側斜面を上面に沿ってスムーズに下方へ案内し、該第1係合突起705Dの上端側面を下面に確実に係合させ得るようになっている。係合溝733の上端から係合段部734までの距離は、前記収容部材687の上端から弾性係合片705の第1係合突起705Dまでの距離にほぼ等しくなっている。上記係合段部734が形成された係合溝733と、収容部材687における第1係合突起705Dが形成された弾性係合片705とにより、収容部材687を装着した破断ネジ651を破断ネジ装填部724内の所定位置に仮保持する仮保持機構が構成されている。
破断ネジ装填部724の内周面における一方側半部の幅方向中央(前記係合溝733の形成位置から一方側へ角度90°だけ離れた位置)には、上端から下端まで延びる可撓部嵌合溝735が形成されている。該可撓部嵌合溝735は、前記収容部材687の可撓部690を嵌合させ得る断面概略弧形状の溝となっている。
破断ネジ装填部724は、第1封止部708における4個の螺入部710にそれぞれ対応するように、上記内枠部727の4区画に1ずつ形成されている。即ち、破断ネジ装填部724は、第2構成部材707の先端縁に沿って4個並置するようにして突設されている。図42および図46に示す破断ネジ装填部724は、これら4個のうち、第2構成部材707における先端縁上の一方端部すなわち隅部に最も近接する位置に配置された1個であり、これに隣接して残り3個が第2構成部材707における先端縁上の他方端部へ向けて一直線に並ぶように配置されている。前述の第1封止部708における螺入部710の場合と同様に、これら4個の破断ネジ装填部724はいずれも同一の構成となっているため、同図では残り3個の破断ネジ装填部724は図示省略されているが、同図に示す破断ネジ装填部724に隣接する別の1個の破断ネジ装填部724における一方のブラケット729の一部のみが図示されている。このように、第2封止部707は、第2構成部材707の先端面707Pに沿って1列に並置するように形成された4個の破断ネジ装填部724が、内枠部727の内枠壁736、基枠壁736Bおよび架設梁737により1個ずつ包囲されながら支持されるようにして構成されている。
また、第2構成部材707の閉塞側表面(周壁形成側と反対側の表面)における先端縁近傍には、各破断ネジ装填部724に対応する位置にそれぞれ浮彫状突起707Nが形成されている。該浮彫状突起707Nは、第1封止部708の螺入部710と第2封止部709の破断ネジ装填部724との組からなる計4組に対して付した4つの番号を表す形状に成形されたものとなっている。図42および図46には、図示された1個の破断ネジ装填部724に対応する番号「1」を表す形状に成形された浮彫状突起707Nが図示されており、これに隣接して、図示省略されているが残り3個の破断ネジ装填部724に対応する番号「2」「3」「4」を表す形状に成形された浮彫状突起707Nが1列に形成されている。
上記第1封止部708の螺入部710と第2封止部709の破断ネジ装填部724との組からなる計4組は、1回につき1組ずつ使用して連結封止するようにすれば、4回まで連結封止およびその解除の操作を繰り返すことができる構成となっている。その際、1回の連結封止を行うごとに、収容部材687を装着した破断ネジ651を用意するようにしてもよいが、本実施形態においては、前述の通り仮保持機構が構成されているので、収容部材687を装着した破断ネジ651を予め第2封止部709に仮保持しておくことができ、これにより連結封止の作業をより簡便に行うことができるようになっている。即ち、例えば遊技機の製造段階で、収容部材687を装着した破断ネジ651を4箇所の第2封止部709にそれぞれ仮保持しておくようにすれば、それ以降に点検等の目的で連結封止を解除しさらに再び連結封止を行うような場合にも、収容部材687を装着した破断ネジ651をあらためて用意する必要もなく、あるいは収容部材687を装着した破断ネジ651を予備として収容しておくスペースないし機構を別途遊技機に設けておく必要もない。
具体的には、遊技機の製造段階で第1構成部材706と第2構成部材707とを連結する際に、図43に矢印A4で示すように、第2封止部709の破断ネジ装填部724に、収容部材687を装着した破断ネジ651を軸部653側から挿入する。このとき、収容部材687の弾性係合片705および可撓部690を、破断ネジ装填部724の係合溝733および可撓部嵌合溝735内にそれぞれ嵌入させ、該係合溝733および可撓部嵌合溝735に沿って摺動させながら、収容部材687を装着した破断ネジ651を挿入する。収容部材687の弾性係合片705における第1係合突起705Dの突出高さは、前述の通り係合溝733の深さよりも若干大きくなっているので、収容部材687を装着した破断ネジ651を挿入する際に多少抵抗となるが、収容部材687が破断ネジ装填部724内に押し込まれるにともない、第1係合突起705Dの下端側の斜面が係合溝733の内奥面の上端に当接し摺動することにより、弾性係合片705が押圧されて内側へ引込むように弾性変形しながら、係合溝733内に挿入されていく。図47に示すように、収容部材687のほぼ全体が破断ネジ装填部724内に収容されるまで挿入されると、弾性係合片705の第1係合突起705Dが係合溝733の係合段部734に到達し、該係合段部734をその下傾する上面に案内されてさらに内側に弾性変形しながら乗り越え、第1係合突起705Dと第2係合突起705Pとで係合段部734を挟むようにして係合した体勢となる。これにより、収容部材687を装着した破断ネジ651が、その上端が破断ネジ装填部724の上端に揃う高さ位置に仮保持される。これと同様にして、残り3個の破断ネジ装填部724にも、収容部材687を装着した破断ネジ651をそれぞれ挿入して仮保持しておくようにする。
このとき、収容部材687の弾性係合片705における第1係合突起705Dの上端面と、破断ネジ装填部724の係合溝733における係合段部734の下端面とは、水平面同士がかみ合うようにして係合する構造となっているので、収容部材687が仮保持位置から外側へは脱離しないように確実に保持される。
またこのとき、前述の通り破断ネジ651は収容部材687に対し内側に後退するようにして収容されているので、そのぶん、収容部材687の上端から破断ネジ651の軸部653の先端までの長さは破断ネジ装填部724の全長よりも大きく、したがって上記仮保持状態では、図47に示すように、破断ネジ651における軸部653の先端部が、破断ネジ装填部724における軸挿通孔730を突き抜けて下面壁728より下方にわずかに突出するようになっている。また、破断ネジ装填部724における下面壁728の下面には前述の通り突条731が形成されており、該突条731は上記破断ネジ651における軸部653の突出部より突出高さがわずかに大きくなるように形成されている。これにより、後述するように第1構成部材706と第2構成部材707とを互いに寄り合うようにスライドさせて嵌合させる際に、第1封止部708における螺入部710の案内溝718内に突条731が嵌入して該案内溝718に沿って移動し、これにともなって、破断ネジ651における軸部653の先端が、該案内溝718の底に当接することなく浮いた体勢に保持されながら、第1封止部708における螺入部710のネジ穴717の直上まで正確に案内されることとなる。また、破断ネジ651における軸部653の突出部が例えば取扱中になんらかの原因により強い衝撃を受けて押し上げられると、収容部材687における弾性係合片705の第1係合突起705Dないし破断ネジ装填部724の係合段部734が破損し、仮保持状態が誤って解除されてしまうといった惧れも考えられるが、上記突条731がこのような強い衝撃から破断ネジ651の軸部653を防護するようにも機能する。
第1構成部材706と第2構成部材707とは、図43中に矢印A5、A6で示すように、第1構成部材706の第1封止部708形成側端が第2構成部材707の第2封止部709形成側端よりも先端側へ突出するように互いにずらした体勢で互いにつき合わせて重合し、ついで両者の端部同士が揃う位置まで、第1構成部材706および第2構成部材707の一方または両方を互いに寄り合う方向にスライドさせるようにして嵌合させる。このとき、第1構成部材706の両側端縁には第2構成部材707に向けて鉤形状の係合片706Eが間隔をおいて複数突設されており、一方、第2構成部材707の両側端縁には該係合片706Eに対応する鉤形状の内部形状を有する係合溝(図示せず)が形成されており、該係合片706Eが係合溝内に嵌入、係合することにより、第1構成部材706と第2構成部材707とが嵌合した状態で固定される。またこのとき、第2封止部709の破断ネジ装填部724が第1封止部708の上部周壁713Fに、第2封止部709の内枠壁736が第1封止部708の外枠壁721にそれぞれつき当たって嵌合し、これにより、第1構成部材706と第2構成部材707との端部同士が揃うように位置合わせがなされるとともに、これ以上のスライド移動が規制される。
またこのとき、破断ネジ装填部724における下面壁728の下面には前述の通り破断ネジ651における軸部653の先端部ならびに突条731が突出しているが、第1封止部708の螺入部710における支承面壁712上には前述の通り案内溝718が形成され、さらに第1構成部材706の先端面706Pを構成する壁の上端縁には切欠719が形成されており、上記破断ネジ651における軸部653の先端部、突条731および突起732が、案内溝718および切欠719内に嵌合しこれに沿って摺動しながら移動するようになっているので、破断ネジ装填部724における下面壁728の下面と螺入部710における支承面壁712の上面とが互いに追随し合う凹凸形状を有するものとなっており、間に実質的に隙間が形成されることなくほぼ密着した状態で嵌合し得るようになっている。
上記のようにして第1構成部材706と第2構成部材707とを嵌合させた状態で、第1封止部708の螺入部710と第2封止部709の破断ネジ装填部724との組からなる計4組のうちのいずれか1組で、図48に示すように、破断ネジ装填部724内に収容部材687とともに仮保持されている破断ネジ651をドライバで螺入、締結し分離部654を分離させ、これにより、第1構成部材706と第2構成部材707とを連結封止する。
この連結封止を行う際、破断ネジ651は、軸部653の先端が第1封止部708の螺入部710におけるネジ穴717の外側に近接して同一軸上に位置した体勢(以下、「螺入待機体勢」とも称す)で仮保持されており、このままドライバで螺入すると、収容部材687とともに破断ネジ装填部724内を軸方向に内奥へ進入していく。即ち、破断ネジ651が、収容部材687および破断ネジ装填部724によりネジ穴717の軸上に正確に保持されながら案内されるようになっている。これにより、破断ネジ651を直に手で保持する必要もなく、しかもより正確かつ確実に螺入可能な体勢に保持された状態で螺入することができ、したがって容易かつスムーズに螺入作業を行うことができる。またこのとき、収容部材687の弾性係合片705における第2係合突起705Pは、前述の通り下端面が上傾する斜面となっており、また係合溝733の係合段部734も上面が下傾する斜面となっているので、該第2係合突起705Pが容易に係合溝733の係合段部734を乗り越えることができ、したがって収容部材687が仮保持位置より内奥側へ容易に進入していくことができる。
なおこの連結封止は、第1封止部708の螺入部710と第2封止部709の破断ネジ装填部724との組からなる計4組のうちのいずれにおいても同様に行うことができ、その使用順も任意であるが、前記浮彫状突起707Nで指示された番号の順に従って1組ずつ連結封止を行っていくようにすると作業がより明瞭となって行いやすい。
またこの連結封止の前に、例えば破断ネジ装填部724内に仮保持されているいずれかの破断ネジ651を誤って仮保持位置より内奥側へ押し込んでしまったような場合でも、収容部材687の弾性係合片705における第2係合突起705Pは、前述の通り上端面が下傾する斜面となっているので、破断ネジ装填部724における軸挿通孔730を突き抜けて下面壁728より下方に突出している破断ネジ651の軸部653の先端を下から押し上げるようにすると、第2係合突起705Pが容易に係合溝733の係合段部734を乗り越え、再び第1係合突起705Dと第2係合突起705Pとで係合段部734を挟むようにして係合した体勢すなわち仮保持状態に復帰することができる。
上記のようにして連結封止を行った後は、破断ネジ651が収容部材687とともに、取り外しが不能な状態で第2封止部709の破断ネジ装填部724と第1封止部708の螺入部710とを締結固定しており、この状態では、収容部材687は破断ネジ装填部724の最内奥部に保持されているのであるが、このとき、前述の通り収容部材687の弾性係合片705および可撓部690が破断ネジ装填部724の係合溝733および可撓部嵌合溝735内にそれぞれ嵌入して係合しており、特に、収容部材687の弾性係合片705は破断ネジ装填部724の係合溝733内に弾性により付勢力をもって確実に係合している。さらには、この係合構造だけでなく、収容部材687における弾性係合片705が突設された平面部705Sと、破断ネジ装填部724における係合溝733が陥設された平面部733Sとが全体として嵌合した状態にある。したがって、収容部材687は、上記係合構造および嵌合構造により、破断ネジ装填部724内で回転が困難な状態に保持され、これにより、破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことがより困難となっている。
この後、点検等に際して第1構成部材706と第2構成部材707との連結封止を解除する場合には、連結封止状態にある第1封止部708においてブラケット716および4箇所の架橋部723をすべてニッパ等により切断して螺入部710を第1構成部材706および外枠部711から分離するとともに、第2封止部709においてブラケット729をニッパ等により切断して破断ネジ装填部724を内枠部727から分離し、該螺入部710および破断ネジ装填部724を第1封止部708および第2封止部709から上方または下方に引き抜くようにして取り除く。ついで、第1構成部材706と第2構成部材707とを前記とは逆に互いにずらすようにスライドさせて取り外す。
第1構成部材706と第2構成部材707とをあらためて連結封止する場合には、未使用の残り3組の螺入部710および破断ネジ装填部724のうちいずれか1組を用い、前述の手順と同様にして連結封止を行うようにする。このとき、前述の通り、2回目以降に使用される破断ネジ651はすでに第2封止部709の破断ネジ装填部724に仮保持されていてこれを別にあらためて用意する必要もなく、しかも、破断ネジ651の螺入作業は、1回目の連結封止の場合と同様、容易かつスムーズに行うことができるようになっている。
なお言うまでもなく、連結封止およびその解除を繰り返していくごとに、螺入部710および破断ネジ装填部724の組は4組のうち1組ずつ除去されていくので、その度に第1封止部708および第2封止部709は連結封止部としての機能を1/4ずつ終えていくこととなり、換言すれば、第1封止部708および第2封止部709において連結封止部として機能し得る領域が1/4ずつ減少していくこととなり、このことはまた、機能的に不要となった領域が1/4ずつ増大していくこととなるということもできるが、これに対し、外枠部711および内枠部727はいずれの時点においても全体として変わらずに残留するので、2回目以降の連結封止の際に第1構成部材706と第2構成部材707との端部同士を揃えるように位置合わせするとともにスライド移動を規制する構造部材としての機能は引き続き減失することなく保持する。
また、パチンコ機10を作製して出荷搬送する段階では、前述の通り、計4箇所ある第2封止部709の破断ネジ装填部724のうち、いずれか1箇所で破断ネジ651が連結封止に使用され、残り3箇所では破断ネジ651が仮保持された未使用の状態にあるが、例えば、パチンコ機10をホールから取り外して廃棄する段階で、上記未使用の3箇所のうち、依然として破断ネジ651が未使用のままで仮保持されて残存している箇所があれば、この未使用の破断ネジ651および収容部材687を取り出して、別の新たなパチンコ機に再利用するようにすることもできる。
(第八実施形態における作用)
上述の通り、第八実施形態によれば、収容部材687が、複数即ち2つの分割体である第1分割部688および第2分割部689を組み合わせることにより破断ネジ651の係合部(ネジ穴)を除く少なくとも一部すなわち頭部652および軸部653の一部を覆う構成となっているので、より容易に破断ネジ651に装着し得るものとなっている。例えばこのように複数の分割体に分割構成することなく本来的に一体的に構成された収容部材の場合には、破断ネジを脱落することなく収容し得るようにするのに多少とも手間をともなう。具体的には、例えば筒形状の収容部材の場合には、内部に破断ネジを装填した後に端部を内側へ変形させたり、何らかの部材で蓋をしたりといった方法により破断ネジを脱落しないように収容する必要がある。これに対し、第八実施形態の収容部材687においては、複数の分割体である第1分割部688および第2分割部689を組み合わせることにより内部に破断ネジ651を脱落することなく収容し得るようになっているので、上記のような変形や蓋といった方法を用いることなく、容易かつ確実に破断ネジ651に装着することができる。
また、第1分割部688および第2分割部689が、破断ネジ651を側方から覆うようにして装着されるようになっているので、該破断ネジ651の形状によく追随する内部形状を有する収容部材687が構成されており、これにより破断ネジ651がより確実に防護されるようになっている。破断ネジ651の場合、頭部652の中間部に小径の破断部すなわち細径部656が形成され、一般のネジとは異なって起伏を有する形状となっているため、例えば筒形状の収容部材の場合には、このような破断ネジ651の起伏形状に追随する内部形状とすると、内部に破断ネジ651を挿入することが困難となることから、破断ネジ651を挿入し得る十分な空隙が確保されるよう、筒状に起伏なく延びるような内部形状とする必要がある。これに対し、本第八実施形態の収容部材687では、該破断ネジ651の形状によく追随する内部形状を有することにより、該破断ネジ651を極力空隙が形成されないようにして収容することができ、したがって収容部材687の内部に破断ネジ651の十分な動きを許容するような余裕も形成されないので、誤破断をより効果的に防止することができる。
また、例えば前述のように内部に破断ネジを装填した後に収容部材の端部を内側へ変形させるような場合には、この収容部材の変形のために加えられる力によって破断ネジが誤破断してしまう惧れがあるのに対し、本第八実施形態の収容部材687のように破断ネジ651を側方から覆うようにして装着される構成であれば、誤破断を生じ得るような力を破断ネジ651にかけることなく収容部材687を装着することができる。
また、第1分割部688および第2分割部689が開閉可能に連なった構成となっているので、より容易かつ確実に破断ネジ651に装着することができる。例えば、収容部材を構成する複数の分割体を互いに分離した構成とし、これら分割体を組み合わせることにより内部に破断ネジを収容するようにしてもよいが、これによれば分割体同士の位置合わせ(位置を揃えること)も必要で、また組み合わせる分割体同士が非対称であれば対応する分割体同士を間違いなく組として用意し取扱う必要があるのに対し、上記本第八実施形態の収容部材687の構成であれば、位置合わせや分割体同士の組み合わせに留意することも不要である。
また、第1分割部688と第2分割部689とが可撓部690を介して連続するように一体的に成形された構成となっているので、簡潔な構成により容易に成形し得る収容部材687となっている。
また、第1分割部688と第2分割部689との境界線B1が、収容部材687の上端面すなわち操作孔701形成端面を回避するように延びていて、該操作孔701形成端面には現れないようになっているので、破断ネジ651が螺入された状態では、第1分割部688と第2分割部689との境界線B1の全体が第2封止部709の破断ネジ装填部724の周壁に覆われて外部には露出せず、したがって例えば外部から境界線B1にドライバ等をこじ入れて収容部材687を逆回しして取り外すといった不正操作が困難となっている。
また、第1分割部688と第2分割部689とが、係合突片693と係合突起692とからなる係合機構により閉じた状態に係合固定される構成となっているので、別の固定手段や工具を要することもなく容易に破断ネジ651に装着することができ、また大きな力を加えることなく閉じた状態に固定することができるので、破断ネジ651の誤破断をより効果的に防止することができる。
また、収容部材687を装着した破断ネジ651が、破断ネジ装填部724の周壁に包囲された状態で螺入されるようになっているので、螺入された破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことが困難となっている。
また、収容部材687と破断ネジ装填部724の周壁との間に実質的に隙間が形成されないようになっているので、螺入された破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことがより困難となっている。
また、収容部材687を装着した破断ネジ651が、破断ネジ装填部724の周壁に加えて上部周壁713Fに包囲された状態すなわち2重の周壁状構造物に包囲された状態で螺入されるようになっているので、螺入された破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことがより困難となっている。換言すれば、破断ネジ651が、収容部材687もあわせれば3重に包囲された構造となっているので、そのぶん外部からの不正行為がより及び難いようになっている。
また、破断ネジ装填部724の周壁が、収容部材687よりも軸方向に大きい深さを有しているので、螺入された破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことがより困難となっている。また、収容部材687を装着した破断ネジ651を、破断ネジ装填部724内を軸方向に沿って内側へ移動させるようにして螺入することができ、これにより破断ネジ装填部724がガイドとして機能して螺入操作が行いやすくなっている。
また、破断ネジ装填部724の周壁の深さが、破断ネジ651の全長に実質的に等しくなっているので、収容部材687を装着した破断ネジ651を螺入待機体勢で収容することができ、したがって破断ネジ651を螺入待機体勢から破断ネジ装填部724により軸方向に沿って内側へ案内させながら螺入することができ、これにより螺入操作がより行いやすくなっている。
なお、上記破断ネジ装填部724の周壁の深さは、破断ネジ651の全長よりも大となるようにしてもよく、これによれば螺入した破断ネジ651に対し外部から不正操作が及ぶことをより困難とすることができるという利点も得られる。ただし、破断ネジ651の全長を超える深さはそれだけスペースを占有し、またこの深さが過大となるほど、そのぶん破断ネジ651を螺入し難くなるので、第八実施形態におけるように破断ネジ装填部724の周壁の深さが破断ネジ651の全長に実質的に等しくなっていることが望ましい。
また、係合段部734を有する係合溝733が破断ネジ装填部724内に、該係合段部734に係合し得る第1係合突起705Dおよび第2係合突起705Pが形成された弾性係合片705が収容部材687にそれぞれ設けられ、該係合溝733および弾性係合片705により、収容部材687を装着した破断ネジ651を所定位置に仮保持する仮保持機構が構成されているので、収容部材687を装着した破断ネジ651を予め所定位置に仮保持しておくことができ、これにより連結封止の作業をより簡便に行うことができるようになっている。即ち、例えば遊技機の製造段階で、収容部材687を装着した破断ネジ651を予備として仮保持しておくようにすれば、それ以降に点検等の目的で連結封止を解除しさらに再び連結封止を行うような場合にも、収容部材687を装着した破断ネジ651をあらためて用意する必要もなく、あるいは収容部材687を装着した破断ネジ651を予備として収容しておくスペースないし機構を別途遊技機に設けておく必要もない。
また、仮保持機構が、収容部材687を装着した破断ネジ651を螺入待機体勢に仮保持するようになっているので、仮保持された破断ネジ651の位置を調整することなくそのまま螺入することができ、これにより螺入操作がより行いやすくなっている。
また、仮保持機構が、破断ネジ651の軸方向に沿って延びる係合溝733と、該係合溝733内に嵌入して係合する弾性係合片705とを有し、これにより、収容部材687の回転を規制する係合機構が構成されているので、螺入された破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことがより困難となっている。
また、弾性係合片705が係合溝733内に弾性的に係合する構成となっているので、より確実に係合し得る係合機構が構成されている。
また、収容部材687が、概略円筒形状の周面の一部に、該周面上から逸脱する変則部として平面部705Sを有し、破断ネジ装填部724が、上記収容部材687の概略円筒形状の周面に対応する内周面に、上記収容部材687の平面部705Sに対応する平面部733Sを有し、上記平面部705S、733S同士が嵌合することにより、収容部材687の回転を規制する嵌合機構が構成されているので、螺入された破断ネジ651を収容部材687ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことがより困難となっている。
(8)(第九実施形態)
図49および図50は、収容部材のさらに他の例を示す側面図である。同図に示す収容部材738は、上端部の構成以外は、前記第八実施形態における収容部材687と全く同様の構成となっており、また前記第八実施形態における第1封止部708および第2封止部709に同様にして使用することができ、このため上端部以外の構成および使用方法については説明を省略する。
本第九実施形態における収容部材738は、前記第八実施形態における収容部材687と同様に、複数(2つ)の分割体である第1分割部739および第2分割部740を組み合わせることにより破断ネジ651の係合部(ネジ穴)を除く少なくとも一部(頭部652および軸部653の一部)を覆う構成となっているが、上端部が、前記第八実施形態における円板状の天板部688Tのように一体的に形成されているのではなく、これより下方の大部分とともに分割構成されている点で、前記第八実施形態における収容部材687とは異なっている。即ち、本第九実施形態における収容部材738は、上端部も含め全体として、概略円筒体を縦割りして2分割した形状をそれぞれ有する概略半円筒状の第1分割部739と第2分割部740とを有し、これら第1分割部739および第2分割部740はほぼ対称をなす概略半円筒体となっている。この構成においては、前記各実施形態の場合と同様に一方端面に円形の操作孔743が形成されているが、この操作孔743も分割構成されている。即ち、上記第1分割部739および第2分割部740のそれぞれにおける、上面壁すなわち操作孔743形成側端面を構成する壁の、対向する端縁の中央には半円形状の切欠部744、745が形成されており、第1分割部739と第2分割部740とをつき合わせると両切欠部744、745が合一して円形の操作孔743が構成されるようになっている。
上記第九実施形態における収容部材738の構成によれば、第1分割部739と第2分割部740との境界線B2が、収容部材738の下端から一方側面に沿って上端まで延び、上端で収容部材738の中心(軸)へ向かって直角に折れ、上端面すなわち操作孔743形成側端面に沿って他方側面まで径方向に延びて、再度下方へ直角に折れて他方側面に沿って下端まで延びている。即ち、第1分割部739と第2分割部740との境界線B2が、収容部材738の上端面すなわち操作孔743形成側端面を回避せず貫通するように延びていて、該操作孔743形成端面に現れるようになっている。このため、破断ネジ装填部724内にあっても、該境界線B2が破断ネジ装填部724の開口から外部に露出することとなり、例えば外部から境界線B2にドライバ等をこじ入れて収容部材738を逆回しして取り外すといった不正操作がなされる惧れもあるので、不正防止の観点からは前記第八実施形態における収容部材687におけるように境界線B1が収容部材687の上端面すなわち操作孔701形成側端面に現れないようになっていることが望ましい。ただし、これ以外の点では、前記第八実施形態における収容部材687の場合と全く同等に機能することができる。
(9)(第十実施形態)
図51は、収容部材のさらに他の例を示す側面図である。同図に示す収容部材746は、弾性係合片747の構成以外は、前記第八実施形態における収容部材687と全く同様の構成となっており、また、同図に示す第2封止部748は、破断ネジ装填部749の係合段部750の構成以外は、前記第八実施形態における第2封止部709と全く同様の構成となっていて、前記第八実施形態における第1封止部708に同様にして使用することができ、このため前記第八実施形態と同様の構成部および使用方法については説明を省略する。
上記第十実施形態における収容部材746の弾性係合片747は、第1係合突起747Dの上端側面(弾性係合片747の固定端側を向いた面)が、内側から外側へかけて下傾する斜面状に形成され、下端側面(弾性係合片747の自由端側を向いた面)は、前記第八実施形態の収容部材687における弾性係合片705の第1係合突起705Dの場合と同様に、内側から外側へかけて上傾する斜面状に形成されており、したがって該第1係合突起747Dは、上端縁および下端縁が内側から外側へかけてそれぞれ下傾および上傾する斜辺をなし、残り2辺が垂直辺をなす台形状の側面形状を有し、外側へ先細りしながら突出する突起となっている。
上記第十実施形態の第2封止部748における破断ネジ装填部749の係合段部750は、内奥から外側へ(破断ネジ装填部749の中心側へ)かけて下傾する上面と、内奥から外側へかけて上傾する下面と、を有して断面台形状に形成されており、前記収容部材746の弾性係合片747における第1係合突起747Dの下端側斜面を上面に沿ってスムーズに下方へ案内し得るとともに、第1係合突起747Dの上端側斜面を下面に沿ってスムーズに上方へ案内し得るようになっている。また、上記破断ネジ装填部749は、前記第八実施形態における第2封止部709の破断ネジ装填部724よりも(軸方向に)やや短くなっている。
上記第2封止部748の破断ネジ装填部749に、収容部材746を装着した破断ネジ651を軸部653側から挿入する際、図51に示すように、収容部材746のほぼ全体が破断ネジ装填部749内に収容されるまで挿入されると、弾性係合片747の第1係合突起747Dが係合段部750に到達し、該係合段部750をその下傾する上面に案内されて内側に弾性変形しながら乗り越え、第1係合突起747Dと第2係合突起747Pとで係合段部750を挟むようにして係合した体勢となる。これにより、収容部材746を装着した破断ネジ651が、その上端が破断ネジ装填部749の上端に揃う高さ位置に仮保持される。
このとき、前述の通り、破断ネジ装填部749が、前記第八実施形態における第2封止部709の破断ネジ装填部724よりも(軸方向に)やや短くなっているので、上記仮保持状態では、図51に示すように、破断ネジ651における軸部653の先端部が、破断ネジ装填部749における軸挿通孔751を突き抜けて下面壁752より下方に突出する突出量P1が、前記第八実施形態の場合よりも大きくなっている。このとき、軸部653の先端を下方から逆に押し上げるようにすると、弾性係合片747の第1係合突起747Dが係合段部750をその上傾する下面に案内されて内側に弾性変形しながら乗り越え、これにより該係合段部750と第1係合突起747Dとの係合による仮保持状態が解除されて収容部材746の上端部が破断ネジ装填部749の上端よりも上方にはみ出し、破断ネジ651が破断ネジ装填部749から取り出し得る状態となる。これにより、この使用前の段階で必要に応じ破断ネジ651を破断ネジ装填部749から容易に取り除くこともできるようになっている。
またこのとき、上記のように破断ネジ651における軸部653の先端部が破断ネジ装填部749における下面壁752より下方に突出していると、この突出部が例えば取扱中になんらかの衝撃等により意図せず押し上げられて仮保持状態が誤って解除されてしまう惧れがあるが、破断ネジ装填部749における下面壁752の下面には突条753が形成されており、該突条753は上記破断ネジ651における軸部653の突出部と突出高さ(突出量P1)がほぼ等しくなるように形成されていて、これにより、なんらかの衝撃等を受けた場合にも該軸部653の突出部が意図せず押し上げられることが防止されるようになっている。
なお、上記第十実施形態の構成においては、収容部材746の弾性係合片747における第2係合突起747Pの上端側面(弾性係合片747の固定端側を向いた面)と、破断ネジ装填部749における係合段部750の下面とがいずれも斜面状となっているが、例えばこれら両面をいずれも水平面となるようにすると、破断ネジ651を螺入した後ではこれら両面が係合して収容部材746がこの位置からは外側へ移動することが困難となるので、破断ネジ651が不正に取り外されることを防止する上でさらに望ましい。
(10)上記第八実施形態ないし第九実施形態におけるように、収容部材687、738が複数の分割体に分割構成される場合、例えば円筒体を3等分に縦割りするといったように3つ以上の分割体に分割構成するようにしてもよいが、2分割とするほうが構成が簡潔で成形も容易である。また、例えば円筒体を軸方向に対し垂直な面で切断するように分割(横割り)することにより分割構成するようにしてもよいが、これによれば破断ネジを内部に挿入し得るように空隙を形成する必要があり、また分割体同士が軸方向に連結されることから、強固に接合しないと使用にともない分離しやすくなるため、縦割りとするほうがより望ましい。
また、上記第八実施形態ないし第九実施形態におけるように、収容部材687、738が第2封止部709の破断ネジ装填部724のような外部の構造物により閉じた体勢に保持される場合には、収容部材を構成する複数の分割体を互いに連なることなく分離した構成とし、これら分割体を組み合わせることにより内部に破断ネジを収容するようにしてもよく、この構成によれば、閉じた体勢で分割体同士を固定しなくとも、上記のように外部の構造物により閉じた体勢に保持されている限りでは、前記第八実施形態ないし第九実施形態の収容部材687、738と同等に機能することができる。即ちこの場合、前記第八実施形態の収容部材687における可撓部690のような連結構造や、さらには係合突片693および係合突起692からなる係合機構のような固定手段は省略することもできる。
また、上記第八実施形態ないし第九実施形態におけるように複数の分割体に分割構成された収容部材は、樹脂以外にも例えば金属等の無機質材料で成形するようにしてもよく、また、上記のような円筒体以外にも、直方体のような角型等の任意の形状としてもよい。
(11)以上の第一ないし第九実施形態においては、いずれも、防護部材である収容部材が、破断ネジ651の頭部652をドライバDR1によって操作される側から覆う壁(即ち操作孔が形成された壁)を有する構成となっていたが、このような壁は設けないようにしてもよく、係合部であるネジ穴を除く少なくとも一部を覆う構成であれば、防護部材として所要の機能を奏することができる。例えば、細径部656(またはテーパ状部分654T)、好ましくは分離部654の全体を周囲から覆う筒状の防護部材としてもよい(図示せず)。
(12)前記第一実施形態においては、第1制御基板ボックス201Aと連結取付台座部材430とが破断ネジ651を用いて連結封止され、さらに加えて、カバー部材501と球集合板460とが同様の破断ネジ522を用いて連結封止されているが、破断ネジはこれ以外にも、遊技機を構成する任意の部材の連結部に使用することができる。
なかでも、
・主制御基板ボックスを構成する第1ケースと第2ケースとの連結部、
・払出基板ボックスと連結取付台座部材との連結部、
・払出基板ボックスを構成する第1ケースと第2ケースとの連結部、
・取付台座部材と球集合板との連結部、
・払出機構部の取付部、
・始動口に対応する入賞装置の入球検出センサや大入賞口に対応する入賞装置の入球検出センサおよびソレノイドと主制御基板とを中継する中継基板の取付部、
等が例示され、これらはいずれも不正対象となりやすく、したがって破断ネジを使用することが特に望ましい。
上記払出機構部は、払出モータ等が設けられており、該払出モータを制御する基板に不正な改変を加え、該払出モータを余分に駆動して賞球を過多に払い出させるといった不正行為がなされやすいため、該払出モータを収容するボックス(ないしカバー部材)の取付等に破断ネジが好適に使用される。また、上記中継基板は、例えば前記第一実施形態におけるように、球集合板(に形成された台座)等に載置してネジ止めにより固定されるが、特にこの中継基板は配線も多く、不正行為がなされても露見し難いため、例えば球集合板(ないし台座)との間に擬似主基板等を隠すように設置するといった不正がなされやすく、したがって破断ネジを用いてこの中継基板を固定することにより容易に不正対策を施すことができる。
(13)(第十一実施形態)
図52は、収容部材のさらに他の例を示す斜視図である。同図に示す収容部材754は、前記第一実施形態の収容部材621と同様に、金属材料を成形して作製されたものとなっているが、前記第一実施形態の収容部材621が概略円筒形状となっていたのに対し、本第十一実施形態の収容部材754は、横断面概略正六角形状の概略六角柱状の外形となっている。図53ないし図55に示すように、本第十一実施形態の収容部材754が装着される破断ネジ755は、前記第二実施形態における破断ネジ439と同様に、頭部本体755Bに鍔部756が形成されたものとなっている。図55に示す鍔部756の厚さt11は2.0mm、鍔部756の径r11は8.0mm、鍔部756の軸部757側面(図55では下面)から軸部757の先端までの距離d11は14.5mm、軸部757の径r12は3.15mmとなっている。
本第十一実施形態の収容部材754は、図52および図54に示すように、前記第一実施形態の収容部材621の場合と同様の操作孔758およびフランジ部収容腔759が連続的に形成されているが、図54に示すように、該フランジ部収容腔759の下には、破断ネジ755の鍔部756を僅かな隙間をもって収容し得る鍔部収容腔760が形成されている。該鍔部収容腔760は、深さh11が2.0mm、内径r13が8.4mmとなっており、破断ネジ755の鍔部756を、深さh11方向に隙間なく、内径r13方向に0.2mmの隙間をおいて収容し得るようになっている。また、図54に示す収容部材754の軸方向の全長L11は7.95mmとなっている。即ち、本第十一実施形態の収容部材754は、破断ネジ755を可及的に隙間が少ない状態で収容し得るように構成されており、これにより収容部材754内での破断ネジ755のガタツキを可及的に抑制し、後述するように破断ネジ755を螺入する際に軸部757の先端が螺入位置に対してずれ難いように構成されている。
図56ないし図58は、本第十一実施形態の収容部材754が装着された破断ネジ755を用いて、主制御基板ボックスを構成する第1ケースと第2ケースとの連結部を連結封止する例を示す。同図に示す第1制御基板ボックス201Mは、前記第一実施形態に係る第1制御基板ボックス201Aの場合と同様に、主制御装置の制御基板を間に挟むようにして、比較的容積のある外側ケース70Mを遊技機の後方側から、蓋体に相当する内側ケース85Mを遊技機の前方側からそれぞれつき合せるようにして閉塞して構成され、正面視概略横長の長方形状で前後にやや厚みのある平板状の外形を有する箱状体となっている。
なお、図56は、第1制御基板ボックス201Mを正面から視た正面図であり、したがって即ち遊技機に設置された状態では遊技機の後方から視た図に相当する。また、図57および図58は、第1制御基板ボックス201Mを、正面を上にして横臥させた状況、即ち正面および背面をそれぞれ上方および下方に向けて厚み方向が上下方向に一致する体勢とした状況を示す図である。以下の説明においては、基本的に図56における方向、即ち第1制御基板ボックス201Mを遊技機に設置された状態で後方から視た場合における方向(したがって上下方向は遊技機の上下方向に一致するが、前後左右方向は遊技機の前後左右方向に対し反転している)に基づいて記述する。
第1制御基板ボックス201Mの一方短縁部(図56では左側縁部)は、所定の取付構造(図示せず)を介し、上下方向の軸を中心に回動可能に(ヒンジ状に)遊技機に連結される側であり、即ち第1制御基板ボックス201Mが開き戸状に開閉可能に軸支される側である(以下、第1制御基板ボックス201Mにおける当該短縁部を「軸支側縁部」とも称す)。この第1制御基板ボックス201Mの軸支側縁部には、軸支側封止部761が設けられている。軸支側封止部761は、外側ケース70Mの軸支側縁部に、略直方体状に突出する金具挿通部761Cが間隔をおいて4個並置するように一体的に形成され、各金具挿通部761Cの先端には前後に貫通するスリットが形成されており、端部に係合孔が穿設された片状の金属板よりなる封印金具(図示せず)を該スリットに内奥まで挿入すると、内側ケース85Mの対応位置に配設された係合片に係合孔が係合し、これにより該封印金具がスリット内奥まで挿入した体勢で離脱不能に保持される構成となっている。外側ケース70Mと内側ケース85Mとは、長さ方向(図56では左右方向)に互いにスライドさせて嵌合、閉塞されており、上記のように金具挿通部761Cのスリットに封印金具を離脱不能に挿入することにより、該封印金具がかんぬき状に機能して、外側ケース70Mと内側ケース85Mとがスライド不能となって閉塞状態で連結封止される。
第1制御基板ボックス201Mの他方短縁部すなわち軸支側縁部と反対側の短縁部(図56では右側縁部;以下、「自由端側縁部」とも称す)には、シール封止部762が設けられている。シール封止部762は、外側ケース70Mおよび内側ケース85Mのそれぞれにおける自由端側縁部に、縦長の矩形の耳状に延出する延出片を一体的に形成し、外側ケース70Mと内側ケース85Mとを閉塞状態としたときに、外側ケース70Mの延出片と内側ケース85Mの延出片とが重なり合った状態で、両延出片に跨るように封印シールを貼付することにより、第1制御基板ボックス201Mが不正に開封された場合に封印シールが破損して痕跡が残るようにしたものである。ここで用いられている封印シールは、ICチップおよびアンテナが内蔵されて外部との電波の送受信が可能に構成されており、封印シールが破損した場合に電波の送受信が不能となって不正な開封がより容易かつ確実に発覚し得るようになっている。また、上記両延出片の間には、該延出片の長さ方向に沿って延びるレバー部材が、一端(図56では上端)を回動可能に軸支されながら介装されている。該レバー部材の他端(図56では下端)には、上記延出片の延出方向と同方向に突出するように、先端部が指を通し得るよう環状に形成されたツマミ部763が設けられている。さらに、上記レバー部材を間に介装した両延出片に封印シールを貼付した状態で、さらにこれを外側から覆うようにカバー部材764が嵌着固定されている。カバー部材764は、上記シールを貼付した延出片を内部に収容し得る、概略縦長の直方体状であって第1制御基板ボックス201Mに対向する一側面(図56では左側面)が全面的に開放された箱形のキャップ状部材となっている。カバー部材764の内部はレバー部材のツマミ部763側端(図56では下端)に噛み合うように構成されている(図示せず)。この構成により、上記シールを貼付した延出片にカバー部材764をいったん嵌着した後は、カバー部材764を取り外すと、これにともない必ずレバー部材が引き出されることとなり、したがってレバー部材の外側から貼付されている封印シールも原状を維持し得なくなるので、不正な開封が容易かつ確実に発覚し得ることとなっている。
第1制御基板ボックス201Mの自由端側縁における一方端部(図56では上端部)には、ネジ固定部765が設けられている。ネジ固定部765は、外側ケース70Mの自由端側端面における一方端部(図56では上端部)から、間隔をおいて互いに平行な2つの横片が延出し、両横片が延出端で正面視円弧状をなして連続し、この円弧状部よりやや内側で、両横片の間に縦片が一体的に架設されて、これにより、先端部に、正面視D字形状をなして周囲を壁により包囲されたネジ挿通部が形成された構成となっている。該ネジ挿通部の内奥部は壁により閉塞され、該内奥部の壁にはネジ挿通孔が穿設されている。該ネジ挿通孔に正面側からネジを挿通して内側ケース85Mの対応箇所に螺入することにより、外側ケース70Mと内側ケース85Mとが当該隅部(図56では右上隅部)でネジ固定される。このネジ固定部765では、一般のネジによりネジ固定されるが、このネジ固定部765においても、破断ネジをそのままで、あるいは適当な収容部材を装着して用いるようにしてもよい。
第1制御基板ボックス201Mの自由端側縁における他方端部(図56では下端部)には、破断ネジ挿通部766が設けられている。破断ネジ挿通部766は、図57および図58にも示すように、上記ネジ固定部765の場合と同様に、外側ケース70Mの自由端側端面から、間隔をおいて互いに平行な2つの横片が延出し、両横片が延出端で正面視略逆く字形状をなして外側へ突出するように屈曲しながら連続し、この逆く字形状部よりやや内側で、該逆く字形状部と対称な正面視略く字形状をなして内側へ突出するように屈曲する縦片が両横片の間に一体的に架設され、これにより、先端部に、正面視略正六角形状をなして前後方向に六角筒状に延びる破断ネジ装填部766Hが形成されている。図58に示すように、破断ネジ装填部766Hの内奥端面すなわち後端面は奥壁766Nにより閉塞され、該奥壁766Nの中央にはネジ挿通孔766Pが穿設されている。奥壁766Nの外側面すなわち後側面からは、半周壁766Sが後方へ延出している。該半周壁766Sは、ネジ挿通孔766Pよりも大径で破断ネジ装填部766Hの幅より小さい径を有する正面視円弧状をなすように先端方向(第1制御基板ボックス201Mの自由端側方向)へ膨出して先端部を閉塞し、その反対側へは上述の破断ネジ装填部766Hの両横片に沿って平行に延びて外側ケース70Mに連続しており、図57にも示すように全体として、正面視略U字形状をなして、先端部が閉塞されその反対側が開放された周壁となっている。
内側ケース85Mにおいて上記破断ネジ挿通部766に対応する位置には、破断ネジ螺入部767が設けられている。破断ネジ螺入部767は、図57に示すように、内側ケース85Mの自由端側端面から正面視コ字形の枠状をなして延出し、その先端片の中央に、前方へ延びる円柱状部767Sが一体的に形成された構成となっている。図58に示すように、円柱状部767Sは上記破断ネジ挿通部766の半周壁766S内にほぼ隙間なく嵌合し得る長さおよび外径を有するものとなっており、中心には螺子孔767Pが形成されている。
上記内側ケース85Mには、第八実施形態における第1構成部材706の係合片706E(図43参照)と同様の鉤形状の係合片が配設され(図示せず)、一方、外側ケース70Mには、第八実施形態における第2構成部材707の係合溝と同様の鉤形状の内部形状を有する係合溝が形成されており(図示せず)、内側ケース85Mと外側ケース70Mとは、該係合片と係合溝とを係合させるようにして互いに嵌着されるようになっている。この構成により、第1制御基板ボックス201Mは、図57および図58における矢印A7で示すように、外側ケース70Mを、内側ケース85Mに対して、自由端側方向(図57および図58では右下方向)へややずれた位置から重ね合わせ、軸支端側方向(図57および図58では左上方向)へ、内側ケース85Mに揃うまでスライドさせることにより、閉塞されるようになっている。このように内側ケース85Mと外側ケース70Mとをスライドさせて互いに嵌着させるのにともなって、図57に示すように、上記破断ネジ螺入部767の円柱状部767Sに、破断ネジ挿通部766の半周壁766Sが自由端側(図57および図58では右下側)から覆い被さるように嵌合する。この嵌合が十分になされると、図58に示すように、上記破断ネジ挿通部766のネジ挿通孔766Pと破断ネジ螺入部767の螺子孔767Pとが同軸上に揃って連通する。
上記のようにして内側ケース85Mと外側ケース70Mとを嵌着させた状態で、図57および図58に示すように、破断ネジ挿通部766の破断ネジ装填部766Hに、収容部材754が装着された破断ネジ755が嵌入される。このとき、同図に示すように、第1制御基板ボックス201Mを正面を上にして横臥させた体勢に保持し、破断ネジ装填部766Hに、収容部材754付破断ネジ755を直上から降下させて嵌入するようにすると、収容部材754付破断ネジ755の嵌入作業が行いやすく、特に、つかみ具で収容部材754付破断ネジ755を把持して破断ネジ装填部766Hに嵌入する場合に好適である。さらにこの場合、収容部材754が前述の通り概略六角柱状に成形されており、したがってその側面に、互いに平行な2面を計3組有しているので、例えばつかみ具が対向する2面部で対象部材を把持する構成を有する場合には、収容部材754を破断ネジ装填部766Hに合致した体勢となるように把持しやすく、またこの体勢を容易かつ確実に保持しながら、破断ネジ装填部766Hまで搬送し嵌入することができる。
上記収容部材754が装着された破断ネジ755を破断ネジ装填部766Hに嵌入すると、図59に示すように、収容部材754の外側面が破断ネジ装填部766Hの内側面に嵌合する。このとき、収容部材754の幅(互いに平行な2側面の間隔)T12は10.0mmであり、これに対応する破断ネジ装填部766Hの内側面の幅(対向する2面の間隔)T13は10.4mmとなっている。したがって、収容部材754の6側面のそれぞれと破断ネジ装填部766Hの内側面との間には0.2mm前後の隙間が確保されるようになっている。この隙間は、収容部材754を破断ネジ装填部766H内でその深さ(L14;図60参照)の方向に自在に移動させるのに過小でない一方で、収容部材754を実質的にガタツキのない体勢で破断ネジ装填部766H内に保持するのに過大でない適度の隙間となっている。
破断ネジ装填部766Hに嵌入した後、収容部材754付破断ネジ755をさらに押し込むように挿入していくと、上述のように収容部材754の外側面が破断ネジ装填部766Hの内側面に嵌合した体勢で、破断ネジ装填部766Hの内奥方にスライドしながら進入していく。図60に示すように、収容部材754における、破断ネジ755の軸部757が突出する側の端面(図60では下端面)から、軸方向の全長L11(図54参照)の50%より大でかつ100%より小である長さL12の部分すなわち収容部材754における上端部を除く過半の大部分が、破断ネジ装填部766H内に進入した時点で、破断ネジ755の軸部757の先端がちょうど破断ネジ挿通部766におけるネジ挿通孔766Pの内側端(図60では上端)に到達する。即ち、破断ネジ755の軸部757の先端から収容部材754の操作孔758形成側端面(図60では上端面)までの長さL13が、破断ネジ装填部766H内の深さL14よりも若干だけ(収容部材754の全長L11の0%より大でかつ50%より小さい半分未満の長さだけ)大となるように設定されている。
上記構成により、破断ネジ755の軸部757の先端が破断ネジ挿通部766におけるネジ挿通孔766Pに到達した時点では、すでに収容部材754の大部分が破断ネジ装填部766H内に進入しているので、収容部材754の軸線が破断ネジ装填部766Hの中心すなわちネジ挿通孔766Pの軸線上に位置する体勢(即ち前述の螺入待機体勢)に正しく定まって保持された状態となっている。このとき、例えば仮に、収容部材754がまだ破断ネジ装填部に届いていない時点で破断ネジの軸部の先端がネジ挿通孔に到達するように破断ネジ装填部ないし破断ネジの寸法が設定されていたり、あるいは例えば図61に示すように、収容部材754が破断ネジ装填部768Hにまだ少しだけ(例えば軸方向の全長L11の50%未満程度の深さL15だけ)しか進入していない時点で破断ネジ769の軸部770の先端がネジ挿通孔768Pに到達するように設定されていたりすると、この収容部材754の進入深さL15が少ない(進入が浅い)ほど、収容部材754の体勢がまだ螺入待機体勢に確実に定まりきらないために、例えば図61に破線で示すように該収容部材754の体勢がネジ挿通孔768Pの軸線に対して傾いたりして正規の螺入待機体勢からずれやすい。収容部材754が螺入待機体勢に正しく保持されていない状態で、破断ネジ769をネジ挿通孔768Pに挿通して破断ネジ螺入部767の螺子孔767Pに螺入しようとすると、同図に破線で示すように破断ネジ769の軸部770の先端がネジ挿通孔768Pから外へ逸脱した状態で外力が加えられることとなりやすく、結果として、破断ネジ769が螺子孔767Pに螺入され難くなるばかりか、破断ネジ769の細径部771に不正常な力が加わって誤破断が生じることとなりやすい。これに対し、本第十一実施形態の構成によれば、図60に示すように収容部材754が螺入待機体勢に正しく保持された状態で破断ネジ755がネジ挿通孔766Pに到達するので、上述のような不具合は生じ難い。
上記のように破断ネジ755の軸部757の先端がネジ挿通孔766Pに到達した後、収容部材754付破断ネジ755をさらに押し込むように挿入すると、図62および図63に示すように、破断ネジ755の軸部757の先端がネジ挿通孔766Pにより案内されて、破断ネジ螺入部767の螺子孔767Pに到達する。このとき、上述の通り収容部材754が螺入待機体勢に正しく保持されているので、破断ネジ755の軸部757が確実に正しくネジ挿通孔766Pに挿通されて螺子孔767Pまで案内される。またこのとき、ネジ挿通孔766Pは、破断ネジ755の軸部757よりも若干大きい径を有しているが、端部の周縁が外側(図62および図63では上側)へ円錐状に拡径する形状となっており、これにより破断ネジ755の軸部757の先端がより容易かつ確実に該ネジ挿通孔766P内に案内されるようになっている。このとき、ネジ挿通孔766Pの端部の周縁が外側へ大きく拡径するほど、破断ネジ755の軸部757の先端のズレが大きくなってもこれをより容易かつ確実に該ネジ挿通孔766P内に案内することができる。ところが、このネジ挿通孔766Pの端部の拡径部すなわち円錐状の斜面部の周囲に拡がる平面部すなわち破断ネジ装填部766H内の底面は、破断ネジ755の頭部本体755Bの下面を受ける座面となる部位であるので、破断ネジ755を確実に締結するためには、破断ネジ755の頭部本体755Bの下面と座面との接触面積を十分に確保する必要があるのに対し、ネジ挿通孔766Pの端部の拡径部の径が大となるほど、この接触面積が小となる。このため、このネジ挿通孔766Pの端部の拡径部の径(ネジ挿通孔766Pと破断ネジ装填部766Hの底面との境界をなす円形の稜線部の径)は、ネジ挿通孔766Pの最小径より大でかつ破断ネジ755の頭部本体755Bの径より小の範囲内で適度な寸法に設定されており、具体的には、破断ネジ755の頭部本体755Bの径のおよそ70%程度となっている。
また一方、破断ネジ螺入部767の螺子孔767Pの端部も、周縁が外側へ円錐状に拡径する形状となっていて、破断ネジ755の軸部757の先端がより容易かつ確実に該螺子孔767Pに案内されるようになっている。
この後、破断ネジ755を螺子孔767Pに最後まで螺入して締結(本締め)し、さらに大きい高トルクで回転させると、図64および図65に示すように、破断ネジ755の頭部が細径部755Nで破断し、分離部755Dが頭部本体755Bから分離する。
以上の操作により、破断ネジ挿通部766で内側ケース85Mと外側ケース70Mとが連結封止される。こうして、第1制御基板ボックス201Mを閉塞状態で、前記軸支側封止部761、シール封止部762および破断ネジ挿通部766の3箇所で、即ち多重に封止することができる。
このとき、上述の通り、破断ネジ挿通部766においては、収容部材754が螺入待機体勢に正しく保持された状態で破断ネジ755がネジ挿通孔766Pに到達するようになっているので、誤破断を生じることなく確実に破断ネジ755を螺子孔767Pに螺入することができる。
また、破断ネジ755を螺子孔767Pに螺入して分離部755Dを分離させた後は、前記第一実施形態の場合と同様に、分離した後の分離部755Dが収容部材754により頭部本体755Bと操作孔758との間の位置に保持されていることにより、該分離部755Dが障害となって外部から不正具を頭部本体755Bに届かせることができず、したがって不正に連結状態を解除されることが効果的に防止されるようになっている(なお、図65では分離部755Dが収容部材754の外部に取り出された状態で示されているが、言うまでもなく実際には頭部本体755Bと操作孔758との間の位置に保持されている)。さらに、本第十一実施形態においては、上述の通り、概略六角柱状の収容部材754が六角筒状の破断ネジ装填部766Hに、僅かな隙間をもって実質的にガタツキのない嵌合体勢で収容されているので、破断ネジ755を収容部材754ごと逆回しして取り外すといったことも困難となっている。例えば仮に、収容部材754が装着された破断ネジ755が周囲を包囲されることなく螺入されたり、あるいは破断ネジ装填部のような周壁に包囲された状態で螺入されるとしても当該周壁との間に十分な余裕が存在する場合には、例えば、操作孔758から収容部材754内に接着剤や半田等の溶融金属などを注入して固化させると、分離状態にあった分離部755Dが収容部材754とともに頭部本体755Bに一体化され、これらが全体として破断ネジ755の頭部としての機能を回復することとなり、したがって分離部755Dをドライバで回転させることにより破断ネジ755を逆回しして取り外すことも可能となる。ところがこれに対し、本第十一実施形態の構成によれば、収容部材754は破断ネジ装填部766H内に上述のような六角形同士の嵌合体勢で収容されているため回転は困難となっており、したがって、たとえ接着剤等によって分離部755Dを収容部材754とともに頭部本体755Bに一体化させたとしても、破断ネジ装填部766Hを破壊して収容部材754を強引に開放させでもしない限り、破断ネジ755を逆回しして取り外すことは困難となっている。よってこれにより、痕跡を残すことなく不正に連結状態を解除されることがより確実に防止されるようになっている。
本第十一実施形態においては、上述の通り、収容部材754において破断ネジ755の軸部757が突出する側の端面から、軸方向の全長L11の50%より大でかつ100%以下の長さL12の部分すなわち収容部材754の過半の大部分が、破断ネジ装填部766H内に進入した時点で、破断ネジ755の軸部757の先端がちょうど破断ネジ挿通部766におけるネジ挿通孔766Pの内側端(図60では上端)に到達する、即ち、破断ネジ755の軸部757の先端から収容部材754の操作孔758形成側端面(図60では上端面)までの長さL13が、破断ネジ装填部766H内の深さL14よりも若干だけ大となるように設定されているが、破断ネジ755の軸部757の先端がちょうどネジ挿通孔766Pに到達する時点における収容部材754の破断ネジ装填部766Hへの進入深さL12が大きいほど、即ち、収容部材754が装着された破断ネジ755の全長L13に対して破断ネジ装填部766H内の深さL14が大きいほど、破断ネジ装填部766H内で収容部材754をより確実に螺入待機体勢に保持することができる。この観点から、破断ネジ755の軸部757の先端がちょうどネジ挿通孔766Pに到達する時点における収容部材754の破断ネジ装填部766Hへの進入深さL12は、収容部材754における軸方向の全長L11の50%より大、より好適には100%以上とすることが望ましい。ただし、収容部材754が装着された破断ネジ755の全長L13に対して破断ネジ装填部766H内の深さL14が過大となると、破断ネジ装填部766Hが必要以上にスペースを専有し、また破断ネジ755の移動距離も必要以上に長くなるため、破断ネジ755の軸部757の先端がちょうどネジ挿通孔766Pに到達する時点における収容部材754の破断ネジ装填部766Hへの進入深さL12は、収容部材754における軸方向の全長L11の200%以下程度、より好適には150%以下程度とすることが望ましい。
(第十一実施形態による作用)
本第十一実施形態の構成によれば、回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部755Dが頭部に形成された破断ネジ755によって、2以上の構成部材すなわち第1制御基板ボックス201Mの外側ケース70Mと内側ケース85Mとが互いに連結可能に構成される構成において、上記破断ネジ755が、破断する以前の状態における分離部755Dの、上記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材として収容部材754を備え、上記構成部材である外側ケース70Mが、上記破断ネジ755で締結される箇所すなわち破断ネジ挿通部766に、上記破断ネジ755の軸部757を螺入位置すなわち破断ネジ螺入部767の螺子孔767Pに案内する案内部として破断ネジ装填部766Hを有する構成となっているので、上記破断ネジ755の締結作業時に軸部757を螺子孔767Pに螺入する際に、当該軸部757が案内部である破断ネジ装填部766Hにより螺入位置に案内されることによって、当該軸部757がズレのない体勢で正確に螺入位置に螺入され、これにより、上記破断ネジ755が、頭部に偏った不正常な外力が伝わり難くて誤破断も生じ難い状態で螺入されるようになっている。
また、上記収容部材754が、上記破断ネジ755の軸方向に対し垂直な断面における断面形状が非円形である概略正六角形状の外形を有し、この収容部材754の断面形状に対応する非円形すなわち概略正六角形状の断面形状を有する中空部を備える周壁部すなわち破断ネジ装填部766H内に嵌合した状態で破断ネジ755が螺入されるようになっているので、収容部材754が破断ネジ装填部766H内に回転困難な体勢で保持され、これにより、たとえ分離後の分離部755Dを接着剤等によって収容部材754とともに頭部本体755Bに一体化させたとしても、破断ネジ755を逆回しして取り外すことは困難となっている。したがって、痕跡を残すことなく不正に連結状態を解除されることがより確実に防止されるようになっている。
(14)(第十ニ実施形態)
図66は、破断ネジ挿通部および該破断ネジ挿通部における封止構造のさらに他の例を示す正面図である。同図に示す破断ネジ挿通部772は、破断ネジ装填部772Hの構成および後述の固化材料が注入される点以外は、前記第十一実施形態の場合と同様となっており、このため以下の記述においては、前記と同様の部位ないし部材については同一の符号を付し、その説明は基本的に省略する。
本第十ニ実施形態に係る破断ネジ装填部772Hは、内部の正面形状以外は、前記第十一実施形態における破断ネジ装填部766Hと同様の構成となっている。即ち、外側ケース70Nの自由端側端面から、間隔をおいて互いに平行な2つの横片が延出し、両横片の延出端(先端部)が、正面視略正六角形状をなして前後方向に六角柱状に延びる外形となるように成形されている。本第十ニ実施形態において前記第十一実施形態と異なる点の一つは、破断ネジ装填部772H内を軸方向に延びる中空部772Aの形状が正面視円形すなわち円穴状となっている点である。
上記破断ネジ装填部772Hにおける中空部772Aの内径R14は、前記第十一実施形態における収容部材754の対角間距離T14よりも僅かに大きくなっている。この中空部772Aの内径R14と収容部材754の対角間距離T14との差は、収容部材754を破断ネジ装填部772H内で自在に移動させるのに過小でない一方で、収容部材754を実質的にガタツキのない体勢で破断ネジ装填部772H内に保持するのに過大でない適度の隙間となっている。
上記のように収容部材754が実質的にガタツキのない体勢で破断ネジ装填部772H内に保持されることにより、前記第十一実施形態の場合と同様に、収容部材754が螺入待機体勢に正しく保持された状態で破断ネジ755がネジ挿通孔(図示せず)に到達することができ、これにより、誤破断を生じることなく確実に破断ネジ755が螺子孔767Pに螺入されるようになっている。
一方、前記第十一実施形態の場合とは異なって、収容部材754が円穴状の中空部772A内で自在に移動し得ることにより、収容部材754が中空部772A内で自在に回転することができる。即ち、収容部材754を軸周りに回転させた場合の回転軌道の外径が対角間距離T14に等しいが、これが円穴状の中空部772Aの内径R14よりも僅かに小さいので、当該中空部772A内に保持された状態でも収容部材754が自在に軸周りに回転することができる。これにより、製造工程において、収容部材754が装着された破断ネジ755を破断ネジ装填部772Hに嵌入する際に、収容部材754の軸周りの回転位置を合わせる必要がない。即ち、収容部材754の軸周りの回転位置がいずれにあっても、破断ネジ装填部772Hに嵌入することができる。したがって、特に手作業による場合に、収容部材754付破断ネジ755を破断ネジ装填部772Hに嵌入しやすく、また一方、機械作業による場合にも、収容部材754の回転位置のズレにより破断ネジ装填部772Hに正しく嵌入されないといった不具合を生じることもない。
しかしながら、上記のように収容部材754が円穴状の中空部772A内で自在に回転し得るようになっていると、もしも分離部755Dが周囲と一体化して回転するようなことがあった場合には破断ネジ755が外れてしまうことがある。
そこで、本第十ニ実施形態においては、上述のようにもしも分離部755Dが周囲と一体化したとしても、収容部材754が装填された破断ネジ装填部772Hに予め固化材料を注入し固化しておくことによって、収容部材754の破断ネジ装填部772Hに対する回転を困難とし、これにより破断ネジ755の逆回しを防止するようにしている。
上記固化材料としては、例えば硬化性の樹脂等を用いることができる。また、例えば破断ネジ装填部772Hを構成する樹脂の融点よりも低い融点を有する熔融金属(半田等)も使用することができる。
本第十ニ実施形態における封止の操作としては、例えば、前記第十一実施形態の場合と同様にして、収容部材754が装着された破断ネジ755を破断ネジ装填部772Hに挿入し、螺入して締結(本締め)してから、さらに大きい高トルクで回転させて分離部755Dを分離した後、収容部材754と破断ネジ装填部772Hとの隙間から、固化材料を注入し、固化させるようにする。これにより、収容部材754と破断ネジ装填部772Hとが一体化され、収容部材754が破断ネジ装填部772H内で回転することが困難となる。換言すれば、収容部材754と破断ネジ装填部772Hとの隙間に固化材料を注入して固化させることで、この隙間が充填され、これにより、収容部材754の周囲が六角穴と同様の形態となって収容部材754の回転が困難となるということもできる。
(第十ニ実施形態による作用)
本第十ニ実施形態の構成によれば、回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部755Dが頭部に形成された破断ネジ755によって、2以上の構成部材すなわち第1制御基板ボックスの外側ケース70Nと内側ケースとが互いに連結可能に構成される構成において、上記破断ネジ755が、破断する以前の状態における分離部755Dの、上記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材として収容部材754を備え、上記収容部材754が周壁部である破断ネジ装填部772Hに包囲された状態で破断ネジ755が螺入され、上記収容部材754と上記破断ネジ装填部772Hとの間に固化材料が注入され固化された構成となっているので、収容部材754が破断ネジ装填部772H内で回転困難な体勢で保持され、これにより、破断ネジ755を逆回しして取り外すことにより不正に連結状態を解除されることがより確実に防止されるようになっている。
また、上記周壁部すなわち破断ネジ装填部772Hが、収容部材754の回転軌道を包含し得る円穴状の中空部を有するものとなっているので、製造工程において、収容部材754が装着された破断ネジ755を破断ネジ装填部772Hに嵌入する際に、収容部材754の軸周りの回転位置を合わせる必要がなく、したがって、収容部材754の軸周りの回転位置がいずれにあっても、破断ネジ装填部772Hに容易かつ確実に嵌入することができる。またこのとき、そのままでは収容部材754の回転が可能であって破断ネジ755の逆回しを許容する構造となっているので、上述のように収容部材754と破断ネジ装填部772Hとの間に固化材料を注入、固化することにより収容部材754の回転を困難とする構成が特に有用となっている。
(15)(第十三実施形態)
図67は、収容部材のさらに他の例を示す斜視図である。同図に示す収容部材773は、横孔773Pを備える点以外は、前記第十一実施形態の収容部材754と同様となっており、このため以下の記述においては、前記と同様の部位ないし部材については同一の符号を付し、その説明は基本的に省略する。
本第十三実施形態に係る収容部材773は、前記第十一実施形態に係る収容部材754と同様に、概略六角柱状の外形を有するが、6側面のそれぞれには、中央に円形の横孔773Pが穿設され、収容部材773の内部空間に連通している。
図68および図69では、本第十三実施形態に係る収容部材773が装着された破断ネジ755を、前記第十一実施形態の場合と同様の破断ネジ装填部766Hに挿入した状況を示している。本第十三実施形態に係る収容部材773を用いた封止の操作は前記第十一実施形態の場合と同様であるが、本第十三実施形態においては収容部材773が横孔773Pを備えるものとなっており、また収容部材773を包囲する破断ネジ装填部766Hは外側ケース70Mと一体で透明樹脂よりなるものとなっているので、この横孔773Pを通して収容部材773の内部の状況が周囲から視認可能となっている。したがって特に、破断ネジ755を螺入した後に、分離部755Dが分離したか否かを外部から容易に確認することができる。分離部755Dは、分離の前後で収容部材773の内部にほぼ同じ体勢で保持されるため、例えば操作孔から視た限りでは分離部755Dが分離しているか否かは判別し難く、したがって操作孔以外で収容部材773の内部の状況が周囲から視認できる構成となっていると作業がしやすい。即ち、横孔773Pは、後述するように主として収容部材773の逆回しをより確実に防止するための構造であるが、収容部材773の内部の状況を確認するための覗き窓としても機能し得るものとなっている。また特に、本第十三実施形態においては横孔773Pが収容部材773の6側面のすべてに穿設されているので、収容部材773の内部の状況を全方位から視認することができる。
収容部材773付破断ネジ755を破断ネジ装填部766Hに挿入し、螺入して破断ネジ755の分離部755Dを分離した後、前記第十ニ実施形態の場合と同様に、収容部材773と破断ネジ装填部766Hとの隙間から、固化材料を注入し、固化させるようにする。固化材料を注入すると、図70に示すように、固化材料774が横孔773Pを通じて収容部材773の内部へも流入し、収容部材773の内外に跨るようにして破断ネジ装填部766H内に充填された状態で固化する。これにより、収容部材773と破断ネジ装填部766Hとの間だけでなく、収容部材773の内部空間および破断ネジ755もが横孔773Pを通じて固化材料774により連続して一体化する。これにより、収容部材773の逆回しをより確実に防止することができる。このとき、固化材料774を破断ネジ装填部766Hの内部に可及的に十全に行き渡るように充填して固化するようにすると、破断ネジ装填部766Hの内部が実質的に中実と同等の状態となり、したがって不正な操作の及ぶ余地も可及的に少なくすることができる。
固化材料は、上述のように収容部材773と破断ネジ装填部766Hとの隙間から注入する以外にも、例えば破断ネジ755の頭部と操作孔との間から注入するようにしてもよい。この場合、固化材料は、収容部材773の内部に流入するとともに、横孔773Pから収容部材773の外部へ流出し、結果的に上述と同様に収容部材773の内外に跨るようにして破断ネジ装填部766H内に充填された状態で固化する。尤も、破断ネジ755の頭部と操作孔との間が狭小で固化材料が注入し難いような場合もあるので、注入し易い箇所から注入すればよい。また、収容部材773の逆回しを阻止するには、収容部材773と破断ネジ装填部766Hとの間に固化材料を充填し固化させることが最も必要であることからすれば、収容部材773と破断ネジ装填部766Hとの隙間から優先的に固化材料を注入することが望ましい。
本第十三実施形態においては、横孔773Pの開口面積は、収容部材773の側面の面積の約24%となっている。横孔773Pの開口面積としては、収容部材773の側面の面積のおよそ20〜70%程度であることが望ましい。横孔773Pの開口面積が20%よりも小となると、固化材料が流通し難くなったり、あるいは収容部材773の内外に跨る部分が細小となって固化後の強度が不十分となったりすることがあり、また破断ネジ755の螺入時に収容部材773の内部の状況が視認し難くなる。一方、横孔773Pの開口面積が70%よりも大となると、収容部材773の強度が不十分となるとともに内部の露出度も過大となり、その結果、内部の破断ネジ755を外力から防護する防護部材としての機能が不十分となることがある。
横孔の形状としては、例えば、楕円形状、長孔状、方形状、多角形状、十字形状、不定形状等の任意の形状とすることができ、開口面積を効率的に確保するには特に方形状とすることが望ましいとも考えられるが、加工性(形成の容易性)や強度等の観点からは、本第十三実施形態の横孔773Pのように円形状とすることが望ましい。
また、横孔は収容部材の少なくとも一部に配設するようにすれば効果が得られるが、複数箇所に、より好適にはできるだけ均等に分散するように(例えば180゜前後の角度間隔をおいた2箇所、120゜前後の角度間隔をおいた3箇所等)、さらに好適には本第十三実施形態の横孔773Pのようになるべく全方位的に配設するほうが、固化材料の流通性や固化後の強度の観点からも視認性の観点からも望ましい。
図68に示すように、本第十三実施形態における横孔773Pは、その下端が、破断ネジ755における頭部本体755Bの上面部すなわち細径部からテーパ状に拡径する斜面部の周縁とほぼ等しい高さ位置にくるように(さらに具体的には、収容部材773の鍔部収容腔の上端にやや交わる程度の高さ位置にくるように)形成されている。このとき、収容部材773の鍔部収容腔は、図54に示す前記第十一実施形態における収容部材754の鍔部収容腔760と同様に、破断ネジ755の鍔部756を可及的に隙間が少ない状態で収容し得るように構成されているが、一方、鍔部収容腔の上に形成されているフランジ部収容腔は、前記第十一実施形態のフランジ部収容腔759と同様に、円筒状の内部形状となるように形成されているので、破断ネジ755の細径部とフランジ部収容腔との間には、細径部が中心側へ細径化するようにくびれているぶん、空間が形成されている。換言すれば、本第十三実施形態の収容部材773は、前記第十一実施形態における収容部材754と同様に、鍔部収容腔で破断ネジ755の鍔部756を可及的に隙間が少ない状態で収容することによって破断ネジ755のガタツキを可及的に抑制する効果が確保されており、その上のフランジ部収容腔では逆にスペースが確保されるように構成されている。したがってこの構成により、注入された固化材料が、横孔773Pを通して収容部材773の内外に連続しながら、上記破断ネジ755の細径部とフランジ部収容腔との間のスペースを利用して収容部材773の内部にも十分に行き渡るようになっている。
(第十三実施形態による作用)
本第十三実施形態の構成によれば、収容部材773が横孔773Pを備えるものとなっているので、固化材料を注入すると該横孔773Pを通じて収容部材773の内外に跨るようにして周壁である破断ネジ装填部766H内に充填された状態で固化する。これにより、収容部材773の内部空間および破断ネジ755が横孔773Pを通じて固化材料774により破断ネジ装填部766Hに連続して一体化する。これにより、収容部材773の逆回しがより確実に防止される。
また、横孔773Pを通して収容部材773の内部の状況を周囲から視認することができるので、特に、破断ネジ755を螺入した後に、分離部755Dが分離したか否かを外部から容易に確認することができる。即ち、操作孔以外で収容部材773の内部の状況が周囲から視認できるため作業がしやすい。換言すれば、横孔773Pが、収容部材773の内部の状況を確認するための覗き窓としても効果的に機能することができるようになっている。
なお、例えば、上述のような固化材料の注入を行わない場合であっても、さらには、破断ネジ装填部のような周壁状の構造物に包囲されることなく収容部材773付破断ネジ755をほぼ全体的に露出した状態で螺入する場合であっても、上記横孔773Pを設けた収容部材773は、上述の通り横孔773Pが覗き窓としての効果を奏するため、構成部材の連結封止に好適に使用することができる。
(16)(第十四実施形態)
上記第十三実施形態においては、横孔773Pを備える概略六角柱状の収容部材773が、前記第十一実施形態の場合と同様の六角筒状の破断ネジ装填部766Hに挿入されていたが、前記第十ニ実施形態に係る破断ネジ装填部772Hのように円穴状の中空部772Aに挿入される場合には収容部材773が回転する問題があるため、収容部材773の逆回しをより確実に防止するための構造である横孔773Pによる効果が特に発揮される。図71は、上記第十三実施形態に係る収容部材773を前記第十ニ実施形態に係る破断ネジ装填部772Hと基本的に同様の破断ネジ装填部775Hに挿入した例を示す。
本第十四実施形態においては、上記第十三実施形態の場合と同様に、固化材料(図示せず)を横孔773Pを通じて収容部材773の内外に跨るようにして破断ネジ装填部775H内に充填し固化させることにより、破断ネジ装填部775Hの内部を一体化させて収容部材773の逆回しをより確実に防止することができる。この場合、前記第十ニ実施形態の場合と同様に、収容部材773が円穴状の中空部に挿入された場合であっても、固化材料を注入して固化させることにより収容部材773の回転を困難とすることができ、さらに加えて、上記第十三実施形態の場合と同様に、横孔773Pを備える概略六角柱状の収容部材773を用いることにより、収容部材773の内外に跨がって固化材料で一体化させるようにすることができ、これによって収容部材773の逆回しをより確実に防止することができる。
さらにまた、本第十四実施形態においては、図71に示すように、破断ネジ装填部775Hの内周面に、複数の凹部として溝縦775Gが形成されている。即ち、破断ネジ装填部775Hの内周面において、60゜の等間隔をおいて、断面矩形状に凹入し破断ネジ装填部775Hの深さ方向(軸方向)に沿って直線状に延びる6条の溝縦775Gが形成されている。この構成によれば、固化材料が溝縦775G内に流入して固化することにより、収容部材773の逆回しがさらに確実に防止される。即ち、溝縦775G内に流入して固化した固化材料が該溝縦775Gに噛み合うことによりアンカー効果が発揮され、これにより収容部材773の逆回しを防止する効果がさらに向上する。また、固化材料を収容部材773と破断ネジ装填部766Hとの隙間から注入する場合に溝縦775Gを固化材料の流路としても機能させることができ、特に、溝縦775Gを破断ネジ装填部766Hの上端まで貫通するように形成すれば、固化材料を注入する隙間をそのぶん拡大させることができる。
なお上記構成の場合、例えば収容部材773の角部が溝縦775Gの位置にくると、溝縦775Gが塞がれて固化材料の流入が困難となる場合がある。そこで、例えば、溝縦775Gの幅を収容部材773の角部の幅よりも大きくしたり、溝縦775Gを5条や7条形成する等して収容部材773における全ての角部の位置に一斉に合致することがないような配置としたり、あるいは、溝縦775Gを破断ネジ装填部775Hの深さ方向(軸方向)に沿って螺旋状に延びるように形成したりすることにより、収容部材773の回転位置に関わらず固化材料を溝縦775G内に流入させるようにすることができる。
(17)上記第十ニ実施形態ないし第十四実施形態においては、上述の通り、収容部材754、773が装填された破断ネジ装填部766H、772H、775Hに予め固化材料を注入し固化するようにしているが、このような固化材料の注入は、破断ネジが周壁状の構造物で包囲される構成の場合にはいずれも好適に適用することができ、例えば、前記第一実施形態ないし第十一実施形態の構成においてもいずれも好適に適用できる。特に、例えば第十ニ実施形態の場合のように、収容部材および破断ネジ装填部の少なくとも一方が円筒状ないし円穴状であってそのままでは収容部材が破断ネジ装填部内で回転可能であるような場合に、固化材料を注入し固化することが有用である。
(18)上記第十一実施形態ないし第十四実施形態においては、収容部材754、773が横断面概略正六角形状の概略六角柱状の外形を有するものとなっていたが、例えばこれ以外の、横断面が多角形状、不定形状の外形を有するものとしても、上記第十一実施形態ないし第十四実施形態の場合と基本的に同様の効果を得ることができる。横断面形状を構成する多角形としては、その角の数が3以上の整数のものであればいずれも可能であるが、例えば丸棒を鍛造して収容部材を成形する場合には、角数が少ないものほど必要な変形量が多くなって加工性の点で不利となり、一方、角数が多くなるほど、周面における角の突起が小さくなって円柱状に近似していくため、収容部材を回転し難くする上で不利となる。このような観点からは、例えば四角形ないし八角形、なかでも第十一実施形態ないし第十四実施形態におけるように六角形とすることが望ましい。また、例えば対向する2面部で対象部材を把持する構成を有するつかみ具で収容部材付破断ネジを把持して破断ネジ装填部に嵌入する場合には、互いに平行な2面を有する収容部材であるほうがつかみ具で把持しやすい。この観点からは、角数が偶数のもの、例えば四角形、六角形、八角形等が有利であるが、この場合、角数が少ないものほどつかみ具に対して回転位置を合わせる度合いが大となり、一方、角数が多くなるほどつかみ具で把持する面が狭小となるため、六角形とすると特に把持しやすい。
また、基本的に円筒形状の収容部材であっても、例えばその一部に、平面部、凹部、凸部等を形成することにより、必ずしも全周が均一でない外形とすれば、収容部材を回転し難くする上で、横断面多角形の外形と基本的に同様の効果が得られる。しかしながらこの場合、例えばこの収容部材の一部不均一な外形に対応して、破断ネジ装填部の内部も一部不均一に成形するとすれば、収容部材を破断ネジ装填部に嵌入する際に回転位置を合わせる手間が必要となる。
さらにまた、例えば前記第一実施形態の収容部材621のように、全周が均一な円筒形状の収容部材であっても、上述のような固化材料の注入、固化により、さらに望ましくは第十三実施形態ないし第十四実施形態の場合と同様に収容部材に横孔を設けて固化材料を注入、固化することにより、収容部材を回転し難くすることが可能である。
(19)破断ネジは、遊技機の製造工程で、2以上の構成部材を連結するのに使用するようにしてもよいが、遊技機の製造工程以降の段階で使用するようにしてもよい。例えば、遊技機の製造工程では破断ネジ以外の手段(例えば通常のネジ等)で2以上の構成部材を連結しておき、その後の段階で点検等の目的でこの連結を解除した後、当該構成部材を破断ネジで連結しなおすといった使用態様も可能である。この場合、遊技機のいずれかの部位に、未使用状態の破断ネジを着脱容易に設置(例えば遊技機のいずれかの樹脂構成部材に係止爪部を一体的に形成しておいてこの係止爪部に破断ネジを弾性的に係止させておく等)しておくように、即ち製造工程以降の任意の段階で使用し得るように破断ネジを遊技機の任意の部位に待機させておくようにしてもよい。換言すれば、本発明においては、製造工程で2以上の構成部材を破断ネジで連結する態様としてもよく、あるいは、破断ネジを待機させておくことによって2以上の構成部材を破断ネジで連結し得る状態としておく態様としてもよく、いずれの態様によっても、破断ネジによって2以上の構成部材が連結可能に構成された遊技機とすることができる。
(20)前記第一実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお本明細書は、次に掲げる手段A1、手段B1、手段C1、手段D1ならびに手段E1ないし手段E27に係る発明についての内容をいずれも開示している。
(手段A1に係る発明が解決しようとする課題)
パチンコ球を使用するパチンコ機等の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば、遊技を統括制御する主制御基板等の制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換し遊技内容を変更するといった不正行為がなされることがある。
このため、制御基板を収容した基板ボックスを、破断ネジと称される特殊なネジを用いて閉塞したり、あるいは基板ボックスをこの破断ネジで所定位置に取り付けたりするようにし、これにより不正行為を防止することがなされている。破断ネジは、頭部の中間部に小径の破断部が形成された構成を有し、ドライバでネジ孔に螺入して締結した後、さらに大きいトルクで回転させると、破断部より先端側の、ドライバを嵌入するネジ穴を有する部分が破断して分離し、したがって以降はネジを逆回しして緩めることができなくなるようになっている。上記基板ボックスの閉塞や取付にこの破断ネジを用いることにより、基板ボックスを開封することや取り外すことを困難とすることができ、したがって効果的に不正行為を防止することができる。
しかしながら、上記のような破断ネジは、破断しやすい破断部が形成されたものであるため、例えば特に、締結作業を行う前に一箇所に多量にまとめて置かれている間などに、何らかの外力を受けて当該破断部が破断してしまい、締結に使用される前にネジとして使い物にならなくなってしまう(誤破断)といった恐れがある。
そこで、破断ネジの頭部に、これを覆う防護部材としてホルダを予め装着しておくことがなされている。この構成によれば、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも、破断ネジの頭部がホルダによってこの外力から防護され、これにより破断ネジの誤破断が効果的に防止される。また、破断ネジの頭部を破断させた後には、分離した部分がゴミとなってその処分の手間が必要となったり、分離した部分が遊技機の他の部位に入り込んで不具合の原因となったりするといった問題があったが、この分離した部分をホルダで保持しておくようにすれば、これらの問題も回避することができる(特許文献1:特開2010−42070号公報参照)。
しかしながら、上記のような締結作業前の誤破断の他にも、例えば破断ネジの締結作業中、特に破断ネジの軸部をネジ孔に螺入する際に、ネジ孔の中心軸上に正確に位置するように破断ネジの軸部を保持しながら螺入するのが難しく、万一破断ネジの軸部がネジ孔の中心軸からズレた状態で螺入しようとするようなことがあった場合には、破断ネジの頭部に偏った不正常な外力が伝わると、誤破断が生じてしまう。
手段A1に係る発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、破断ネジを用いた遊技機において、破断ネジの誤破断を低減してより確実に締結作業を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
そこで、本発明にかかる遊技機は、手段A1として、
回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部が頭部に形成されたネジ(破断ネジ)によって、2以上の構成部材が連結可能に構成された遊技機であって、
前記破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、前記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備え、
前記構成部材が、前記破断ネジで締結される箇所に、前記破断ネジの軸部を螺入位置に案内する案内部を有するものであることを特徴とする。
本発明において、「2以上の構成部材を連結する」とは、遊技機を構成する任意の部材同士を連結することを含意し、例えば、第1ケースと第2ケースとの間に制御基板を収容した構成を有する基板ボックスの該第1ケースと第2ケースとを連結して該基板ボックスを閉塞することや、基板ボックスや制御基板自体をベース(取付台座)部材に連結して所定位置に固定すること等がいずれも含まれる。
上記手段A1の構成によれば、破断ネジの締結作業時に軸部をネジ孔に螺入する際に、当該軸部が案内部により螺入位置に案内されることによって、当該軸部をズレのない体勢で正確に螺入位置に螺入することができ、これにより、破断ネジを、頭部に偏った外力が伝わり難くて誤破断も生じ難い状態で螺入することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段B1として、
回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部が頭部に形成されたネジ(破断ネジ)によって、2以上の構成部材が連結可能に構成された遊技機であって、
前記破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、前記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備え、
前記防護部材が、前記破断ネジの軸方向に対し垂直な断面における断面形状が非円形の外形を有し、この防護部材の断面形状に対応する非円形の断面形状を有する中空部を備える周壁部内に嵌合した状態で該破断ネジが螺入されるようになっていることを特徴とする。
上記手段B1の構成によれば、防護部材が周壁部内に回転困難な体勢で保持され、これにより、たとえ分離後の分離部を周囲と一体化させたとしても、破断ネジを逆回しして取り外すことは困難である。したがって、痕跡を残すことなく不正に連結状態を解除されることをより確実に防止することができる。
なお、防護部材の断面形状は必ずしも非円形でなくてもよく、回転させようとした場合に周壁に抵触し得るものであれば、円形であってもよい。例えば、円形の断面形状を有する防護部材であっても、その中心以外の位置に軸がくる体勢で破断ネジを保持する、即ち、破断ネジを、軸を偏心させた状態で保持する構成とすれば、この防護部材の円形の断面形状に対応する円形の断面形状を有する中空部を備える周壁部内に僅かな隙間をおいて嵌合したような場合であっても、破断ネジの軸まわりに防護部材を回転させることは困難である。
また、本発明にかかる遊技機は、手段C1として、
回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部が頭部に形成されたネジ(破断ネジ)によって、2以上の構成部材が連結可能に構成された遊技機であって、
前記破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、前記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備え、
前記防護部材が周壁部に包囲された状態で前記破断ネジが螺入され、前記防護部材と前記周壁部との間に固化材料が注入され固化されていることを特徴とする。
上記手段C1の構成によれば、防護部材が周壁部内で回転困難な体勢で保持され、これにより、破断ネジを逆回しして取り外すことにより不正に連結状態を解除されることがより確実に防止される。
(手段D1に係る発明が解決しようとする課題)
パチンコ球を使用するパチンコ機等の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、例えば、遊技を統括制御する主制御基板等の制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換し遊技内容を変更するといった不正行為がなされることがある。
このため、制御基板を収容した基板ボックスを、破断ネジと称される特殊なネジを用いて閉塞したり、あるいは基板ボックスをこの破断ネジで所定位置に取り付けたりするようにし、これにより不正行為を防止することがなされている。破断ネジは、頭部の中間部に小径の破断部が形成された構成を有し、ドライバでネジ孔に螺入して締結した後、さらに大きいトルクで回転させると、破断部より先端側の、ドライバを嵌入するネジ穴を有する部分が破断して分離し、したがって以降はネジを逆回しして緩めることができなくなるようになっている。上記基板ボックスの閉塞や取付にこの破断ネジを用いることにより、基板ボックスを開封することや取り外すことを困難とすることができ、したがって効果的に不正行為を防止することができる。
しかしながら、上記のような破断ネジは、破断しやすい破断部が形成されたものであるため、例えば特に、締結作業を行う前に一箇所に多量にまとめて置かれている間などに、何らかの外力を受けて当該破断部が破断してしまい、締結に使用される前にネジとして使い物にならなくなってしまう(誤破断)といった恐れがある。
そこで、破断ネジの頭部に、これを覆う防護部材としてホルダを予め装着しておくことがなされている。この構成によれば、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも、破断ネジの頭部がホルダによってこの外力から防護され、これにより破断ネジの誤破断が効果的に防止される。また、破断ネジの頭部を破断させた後には、分離した部分がゴミとなってその処分の手間が必要となったり、分離した部分が遊技機の他の部位に入り込んで不具合の原因となったりするといった問題があったが、この分離した部分をホルダで保持しておくようにすれば、これらの問題も回避することができる(特許文献1:特開2010−42070号公報参照)。
しかしながら、上述のように破断ネジの頭部にホルダを装着しておくようにすると、破断ネジの分離部は、分離の前後でホルダの内部にほぼ同じ体勢で保持されるため、締結作業において破断ネジの分離部を破断させて分離する際に、分離部が分離したか否かが外部から判別し難い。このため、誤って分離部が分離していない状態で締結作業を終えてしまい、破断ネジを容易にドライバで逆回しして取外すことが可能な状態、即ち封止がなされていない状態のままとなる不良が生じることともなりやすい。
手段D1に係る発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、破断ネジを用いた遊技機において、破断ネジの分離部が分離したか否かを容易に確認することができてより確実に締結作業を行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
そこで、本発明にかかる遊技機は、手段D1として、
回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部が頭部に形成されたネジ(破断ネジ)によって、2以上の構成部材が連結可能に構成された遊技機であって、
前記破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、前記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備え、
前記防護部材が横孔を備えることを特徴とする。
本発明において、「横孔」とは、防護部材に覆われた状態の破断ネジの軸方向に対し平行でない方向(例えば破断ネジの軸方向に対し垂直な方向や傾斜した方向等)に沿って、当該防護部材の一部(例えば側壁の一部等)を貫通して当該防護部材の内外に連通する孔を意味する。
上記手段D1の構成によれば、横孔を通して防護部材の内部の状況を周囲から視認することができるので、特に、破断ネジを螺入した後に、分離部が分離したか否かを外部から容易に確認することができる。即ち、操作孔以外で防護部材の内部の状況が周囲から視認できるため作業がしやすい。換言すれば、横孔が、防護部材の内部の状況を確認するための覗き窓としても効果的に機能することができる。
(手段E1ないし手段E27に係る発明が解決しようとする課題)
破断ネジは、破断しやすい破断部が形成されたものであるため、例えば特に、締結作業を行う前に一箇所に多量にまとめて置かれている間などに、何らかの外力を受けて当該破断部が破断してしまい、締結に使用される前にネジとして使い物にならなくなってしまう(誤破断)といった恐れがある。
そこで、例えば破断ネジを使用時までは硬質のケース等に収納しておくようにして誤破断を防止することも考えられるが、これによれば、破断ネジを使用時にケースから取り出すことが必要となり、またその後にケースを別に取扱う必要も生じるため、そのぶん作業が煩瑣なものとなってしまうこととなる。
手段E1ないし手段E27に係る発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、破断ネジを用いた遊技機において、破断ネジの誤破断を効果的に防止することができ、かつ締結作業も簡便に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、手段E1として、
回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部が頭部に形成されたネジ(破断ネジ)によって、2以上の構成部材が連結可能に構成された遊技機であって、
前記破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、前記係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備えるものであることを特徴とする。
本発明において、「2以上の構成部材を連結する」とは、遊技機を構成する任意の部材同士を連結することを含意し、例えば、第1ケースと第2ケースとの間に制御基板を収容した構成を有する基板ボックスの該第1ケースと第2ケースとを連結して該基板ボックスを閉塞することや、基板ボックスや制御基板自体をベース(取付台座)部材に連結して所定位置に固定すること等がいずれも含まれる。
上記手段E1の構成によれば、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも、分離部が少なくとも一部を防護部材で覆われていることによってこの外力から防護され、これにより破断ネジの誤破断が効果的に防止される。
また、分離部の係合部は防護部材で覆われないため、防護部材を備えた状態のままでも係合部に操作器具を係合して回転操作を行うことができ、したがって、防護部材を破断ネジから取り外したり、取り外した防護部材を別に取扱うといった余分な手間を要することもなく、簡便に作業を行うことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E2として、手段E1の遊技機において、
前記破断ネジの頭部が、分離部と、該分離部が分離した後に軸部側に残留する頭部本体と、該分離部と頭部本体との間に位置して該分離部および頭部本体のいずれよりも細径の細径部とを備え、該分離部が細径部で破断することにより分離する構成となっており、
前記防護部材が、少なくとも前記細径部を覆うことを特徴とする。
上記手段E2の構成によれば、破断ネジの破断する部位である細径部が防護部材で覆われることにより、破断ネジの誤破断がより効果的に防止される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E3として、手段E1または手段E2の遊技機において、
前記防護部材が、破断ネジの分離部の、係合部を除く全体を覆うことを特徴とする。
上記手段E3の構成によれば、分離部が係合部以外の全体を防護部材で覆われることによって外力からさらに確実に防護され、これにより破断ネジの誤破断がさらに効果的に防止される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E4として、手段E1から手段E3のいずれかの遊技機において、
前記防護部材が、分離した後の破断ネジの分離部を保持し得ることを特徴とする。
破断ネジを用いて締結作業を行うと、分離した分離部がゴミとなってその処理に手間や時間がかかるという問題や、分離部が遊技機内の隙間から入り込み、遊技球通路内の球詰まりや電気部品のショートといった不具合を生じる原因となるという問題があるが、上記手段E4の構成によれば、分離した後の破断ネジの分離部を防護部材で保持しておくことにより、分離部がゴミとならず、処理する手間を省くことができるとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E5として、手段E4の遊技機において、
前記防護部材が、前記破断ネジの頭部を少なくとも前記操作器具によって操作される側から覆う壁を有するとともに前記分離部が通過し得ず前記操作器具を挿通し得る操作孔を備え、分離した後の分離部を、前記破断ネジの頭部本体と前記操作孔との間の位置に保持することを特徴とする。
上記手段E5の構成によれば、分離した後の分離部が、防護部材の壁により覆われた状態となるため、確実に保持されて脱落が防止される。
また、分離部が分離した後の破断ネジの頭部における頭部本体は、前述の通り、操作器具によっては逆回しして緩めることができないが、仮に、該頭部本体が外部に開放されているとすると、該頭部本体に例えば外部から棒状の不正具を接着剤で接合して逆回しするといった強引な方法によって不正に連結状態を解除される場合もあり得る。ところが、上記手段E5の構成によれば、分離した後の分離部が防護部材により頭部本体と操作孔との間の位置に保持されていることにより、該分離部が障害となって外部から不正具を頭部本体に届かせることができず、したがって不正に連結状態を解除されることをより確実に防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E6として、手段E1から手段E5のいずれかの遊技機において、
前記防護部材が、破断する以前の状態における破断ネジの頭部本体を収容する第1収容部と分離部を収容する第2収容部とを有し、頭部本体が第1収容部内で軸方向および径方向に遊動し得る余裕が、分離部が第2収容部内で軸方向および径方向に遊動し得る余裕とそれぞれ等しいかまたはこれより小となっていることを特徴とする。
上記手段E6の構成によれば、例えば外力により破断ネジと防護部材とが互いに軸方向ないし径方向に遊動した場合に、頭部本体と分離部とに均等に外力が伝達されるか、あるいは頭部本体のみに外力が伝達されることとなる。換言すれば、外力が少なくとも頭部本体で受け止められることとなって、分離部のみが外力を受けるということがない。したがって、分離部がこの外力によって誤破断することが効果的に防止される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E7として、手段E6の遊技機において、
前記防護部材における第1収容部の径が第2収容部の径よりも大となっていることを特徴とする。
上記手段E7の構成によれば、防護部材が、第1収容部から第2収容部にかけて階段状に拡径するので、より成形しやすい形状となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E8として、手段E5から手段E7のいずれかの遊技機において、
前記破断する以前の状態における破断ネジの分離部が、防護部材の操作孔に嵌合した体勢に保持されることを特徴とする。
上記手段E8の構成によれば、破断ネジの係合部が防護部材の操作孔よりも内奥に引込んでいない体勢に保持されることとなり、したがって、外部から係合部に操作器具を係合させやすく締結作業が容易となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E9として、手段E1から手段E7のいずれかの遊技機において、
前記破断ネジの頭部本体が、径方向に延出する鍔部を有し、
前記防護部材における破断ネジの締結方向側端に、破断ネジの外周側から中心側へむけて内側へ延出して前記鍔部に掛止する掛止部が形成され、
前記破断ネジの頭部本体における軸部側端と鍔部との間隔が、前記防護部材における掛止部の厚さより大となっていることを特徴とする。
上記手段E9の構成によれば、防護部材における掛止部が、破断ネジの頭部本体における軸部側端と鍔部との間に、多少の余裕をもって掛止することとなり、したがって、破断ネジを締結した状態でも、防護部材が破断ネジに対して自由に回転すること、即ち自在に空転(空回り)することが可能な状態に保持されるため、破断ネジを外部から逆回しすることを確実に防止することができる。仮に、上記のような余裕がないとすると、防護部材を回転させると破断ネジに対して空転せずに該破断ネジをともに回転させ、その結果、外部から防護部材を回転させることで破断ネジを緩めることが可能となってしまうこともあるが、上記手段E9のように余裕を設けることにより防護部材が空転し得る構成とすることによって、外部から破断ネジを緩めることを困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E10として、手段E5から手段E9のいずれかの遊技機において、
前記防護部材が、破断ネジにおける分離した後の分離部を、操作孔から突出しない体勢に保持することを特徴とする。
仮に、分離した後の分離部が操作孔から突出していると、この突出部分をペンチ等で掴んで強く引っ張りながら回すと、防護部材ごと回転して破断ネジが緩むといったこともあり得る。このような方法によれば、例えば防護部材が別の何らかの構造物(封止部の周壁など)により包囲されていて該防護部材を掴んで回すことが困難となっていても、破断ネジの分離部から防護部材を介して破断ネジを逆回しすることが可能となる。このとき、たとえ前記手段E9のように防護部材が破断ネジに対して自在に空転し得るように構成されていたとしても、上記のように分離部を掴んで引っ張りながら防護部材ごと回すようにすると、破断ネジも鍔部で防護部材の掛止部に掛止しながら、防護部材とともに回転して緩んでしまうこととなる。これに対し、上記手段E10のように分離部が操作孔から突出しない体勢に保持されていれば、分離部を掴むことは困難であり、したがって外部から防護部材ごと逆回しして破断ネジを緩めることを困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E11として、手段E1から手段E10のいずれかの遊技機において、
前記防護部材が、複数の分割体を組み合わせることにより破断ネジの係合部を除く少なくとも一部を覆う構成となっていることを特徴とする。
上記手段E11の構成によれば、防護部材をより容易に破断ネジに装着することができる。例えばこのように複数の分割体に分割構成することなく本来的に一体的に構成された防護部材の場合には、破断ネジを脱落することなく収容し得るようにするのに多少とも手間をともなう。具体的には、例えば筒形状の防護部材の場合には、内部に破断ネジを装填した後に端部を内側へ変形させたり、何らかの部材で蓋をしたりといった方法により破断ネジを脱落しないように収容する必要がある。これに対し、上記手段E11の構成においては、複数の分割体を組み合わせることにより内部に破断ネジを脱落することなく収容し得るようになっているので、上記のような変形や蓋といった方法を用いることなく、容易かつ確実に破断ネジに装着することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E12として、手段E11の遊技機において、
前記複数の分割体が、破断ネジを側方から覆うようにして装着されるようになっていることを特徴とする。
上記手段E12の構成によれば、破断ネジの形状によく追随する内部形状を有する防護部材を構成することができ、これにより破断ネジをより確実に防護することが可能となる。破断ネジの場合、頭部の中間部に小径の破断部(細径部)が形成され、一般のネジとは異なって起伏を有する形状となっているため、例えば筒形状の収容部材の場合には、このような破断ネジの起伏形状に追随する内部形状とすると、内部に破断ネジを挿入することが困難となることから、破断ネジを挿入し得る十分な空隙が確保されるよう、筒状に起伏なく延びるような内部形状とする必要がある。これに対し、上記手段E12の防護部材によれば、破断ネジの形状によく追随する内部形状を有することにより、該破断ネジを極力空隙が形成されないようにして収容することができ、したがって防護部材の内部に破断ネジの十分な動きを許容するような余裕も形成されないので、誤破断をより効果的に防止することができる。
また、例えば前述のように内部に破断ネジを装填した後に収容部材の端部を内側へ変形させるような場合には、この収容部材の変形のために加えられる力によって破断ネジが誤破断してしまう惧れがあるのに対し、上記手段E12の防護部材のように破断ネジを側方から覆うようにして装着される構成であれば、誤破断を生じ得るような力を破断ネジにかけることなく防護部材を装着することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E13として、手段E11または手段E12の遊技機において、
前記複数の分割体が開閉可能に連なった構成となっていることを特徴とする。
上記手段E13の構成によれば、防護部材をより容易かつ確実に破断ネジに装着することができる。例えば、防護部材を構成する複数の分割体を互いに分離した構成とし、これら分割体を組み合わせることにより内部に破断ネジを収容するようにしてもよいが、これによれば分割体同士の位置合わせ(位置を揃えること)も必要で、また組み合わせる分割体同士が非対称であれば対応する分割体同士を間違いなく組として用意し取扱う必要があるのに対し、上記手段E13の防護部材の構成であれば、位置合わせや分割体同士の組み合わせに留意することも不要である。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E14として、手段E13の遊技機において、
前記複数の分割体が可撓部を介して連続するように一体的に成形された構成となっていることを特徴とする。
上記手段E14の構成によれば、簡潔な構成により容易に成形し得る防護部材とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E15として、手段E11から手段E14のいずれかの遊技機において、
前記複数の分割体が係合機構により閉じた状態に係合固定される構成となっていることを特徴とする。
上記手段E15の構成によれば、別の固定手段や工具を要することもなく容易に破断ネジに装着することができ、また大きな力を加えることなく閉じた状態に固定することができるので、破断ネジの誤破断をより効果的に防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E16として、手段E11から手段E15のいずれかの遊技機において、
前記防護部材を装着した破断ネジが周壁部に包囲された状態で螺入されるようになっていることを特徴とする。
上記手段E16の構成によれば、螺入された破断ネジを防護部材ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことを困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E17として、手段E16の遊技機において、
前記防護部材と周壁部との間に実質的に隙間が形成されないようになっていることを特徴とする。
上記手段E17の構成によれば、螺入された破断ネジを防護部材ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E18として、手段E17の遊技機において、
前記防護部材を装着した破断ネジが、前記周壁部に加えて別の周壁部に包囲された状態すなわち2重の周壁部に包囲された状態で螺入されるようになっていることを特徴とする。
上記手段E18の構成によれば、螺入された破断ネジを防護部材ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことをより困難とすることができる。換言すれば、破断ネジが、防護部材もあわせれば3重に包囲された構造となるので、そのぶん外部からの不正行為がより及び難い構成とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E19として、手段E17または手段E18の遊技機において、
前記周壁部が、防護部材よりも軸方向(破断ネジの軸方向)に大きい深さを有していることを特徴とする。
上記手段E19の構成によれば、螺入された破断ネジを防護部材ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことをより困難とすることができる。また、防護部材を装着した破断ネジを、周壁部内を軸方向に沿って内側へ移動させるようにして螺入することができ、これにより周壁部をガイドとして機能させて螺入操作を行いやすくすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E20として、手段E19の遊技機において、
前記周壁部の深さが、破断ネジの全長に実質的に等しいかまたはそれ以上となっていることを特徴とする。
上記手段E20の構成によれば、防護部材を装着した破断ネジを螺入待機体勢で収容することができ、したがって破断ネジを螺入待機体勢から周壁部により軸方向に沿って内側へ案内させながら螺入することができ、これにより螺入操作をより行いやすくすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E21として、手段E16から手段E20のいずれかの遊技機において、
前記周壁部内に、防護部材を装着した破断ネジを所定位置に仮保持する仮保持機構が構成されていることを特徴とする。
上記手段E21の構成によれば、防護部材を装着した破断ネジを予め所定位置に仮保持しておくことができ、これにより連結封止の作業をより簡便に行うことができる。即ち、例えば遊技機の製造段階で、防護部材を装着した破断ネジを予備として仮保持しておくようにすれば、それ以降に点検等の目的で連結封止を解除しさらに再び連結封止を行うような場合にも、防護部材を装着した破断ネジをあらためて用意する必要もなく、あるいは防護部材を装着した破断ネジを予備として収容しておくスペースないし機構を別途遊技機に設けておく必要もない。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E22として、手段E21の遊技機において、
前記仮保持機構が、防護部材を装着した破断ネジを螺入待機体勢に仮保持するようになっていることを特徴とする。
上記手段E22の構成によれば、仮保持された破断ネジの位置を調整することなくそのまま螺入することができ、これにより螺入操作をより行いやすくすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E23として、手段E21または手段E22の遊技機において、
前記防護部材を装着した破断ネジが、軸部の先端部を周壁部の底面部を突き抜けて下方に突出させるようにして仮保持されるようになっていることを特徴とする。
上記手段E23の構成によれば、軸部の先端を下方から逆に押し上げるようにして仮保持状態を解除し、これにより破断ネジを周壁部から取り出して容易に取り除くこともできる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E24として、手段E16から手段E23のいずれかの遊技機において、
前記周壁部内に、防護部材の回転を規制する係合機構が構成されていることを特徴とする。
上記手段E24の構成によれば、螺入された破断ネジを防護部材ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E25として、手段E24の遊技機において、
前記係合機構が、弾性的に係合する構成を有することを特徴とする。
上記手段E25の構成によれば、より確実に係合し得る係合機構とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E26として、手段E16から手段E25のいずれかの遊技機において、
前記防護部材が、概略円筒形状の外形を有するとともに、周面の一部に、該周面上から逸脱する形状の第1変則部を有し、前記周壁部が、前記防護部材の概略円筒形状の外形に対応する内周面を有するとともに、該内周面に、前記第1変則部に対応する形状の第2変則部を有し、前記第1変則部と第2変則部とが嵌合することにより、前記防護部材の回転を規制する嵌合機構が構成されていることを特徴とする。
上記手段E26の構成によれば、螺入された破断ネジを防護部材ごと外部から不正に逆回しして取り外すといったことをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段E27として、手段E16から手段E26のいずれかの遊技機において、
前記複数の分割体の境界線が、防護部材の操作孔形成端面(破断ネジの係合部に対向する端面)に現れないようになっていることを特徴とする。
上記手段E27の構成によれば、破断ネジが螺入された状態では、複数の分割体の境界線の全体が周壁部内に納まって外部には露出せず、したがって例えば外部から境界線にドライバ等をこじ入れて防護部材を逆回しして取り外すといった不正操作を困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段F1として、手段A1、手段B1、手段C1、手段D1および手段E1から手段E27のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
手段A1に係るパチンコ機にあっては、破断ネジの軸部が案内部により螺入位置に案内される構成としたので、当該軸部をズレのない体勢で正確に螺入位置に螺入することができ、これにより、破断ネジを、頭部に偏った外力が伝わり難くて誤破断も生じ難い状態で螺入することができる。
手段E1から手段E27のいずれかに係るパチンコ機にあっては、破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備える構成としたので、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも分離部が防護部材により防護され、これにより破断ネジの誤破断が効果的に防止され、また、分離部の係合部は防護部材で覆われないため、防護部材を備えた状態のままでも係合部に操作器具を係合して回転操作を行うことができ、したがって、防護部材を破断ネジから取り外したりするといった余分な手間を要することもなく簡便に作業を行うことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段F2として、手段A1、手段B1、手段C1、手段D1および手段E1から手段E27のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
手段A1に係るスロット機にあっては、破断ネジの軸部が案内部により螺入位置に案内される構成としたので、当該軸部をズレのない体勢で正確に螺入位置に螺入することができ、これにより、破断ネジを、頭部に偏った外力が伝わり難くて誤破断も生じ難い状態で螺入することができる。
手段E1から手段E27のいずれかに係るスロット機にあっては、破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備える構成としたので、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも分離部が防護部材により防護され、これにより破断ネジの誤破断が効果的に防止され、また、分離部の係合部は防護部材で覆われないため、防護部材を備えた状態のままでも係合部に操作器具を係合して回転操作を行うことができ、したがって、防護部材を破断ネジから取り外したりするといった余分な手間を要することもなく簡便に作業を行うことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段F3として、手段A1、手段B1、手段C1、手段D1および手段E1から手段E27のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
手段A1に係るパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、破断ネジの軸部が案内部により螺入位置に案内される構成としたので、当該軸部をズレのない体勢で正確に螺入位置に螺入することができ、これにより、破断ネジを、頭部に偏った外力が伝わり難くて誤破断も生じ難い状態で螺入することができる。
手段E1から手段E27のいずれかに係るパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、破断ネジが、破断する以前の状態における分離部の、係合部を除く少なくとも一部を覆う防護部材を備える構成としたので、締結作業を行う前に何らかの外力を受けた場合でも分離部が防護部材により防護され、これにより破断ネジの誤破断が効果的に防止され、また、分離部の係合部は防護部材で覆われないため、防護部材を備えた状態のままでも係合部に操作器具を係合して回転操作を行うことができ、したがって、防護部材を破断ネジから取り外したりするといった余分な手間を要することもなく簡便に作業を行うことができる。