JP5760225B2 - 耐震保持器具 - Google Patents
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Description
ロックネジ11は、複数個所に設けてもよく、また、図16のように、締込バンド19を付加して二重にロックして上からの衝撃に耐えるようにすることがある。ロックネジ11と締込バンド19とは、いずれか一方のみで構成することがある。
下受盤8の底面には、図11に示すように、剥離シート14を備えた状態の固着手段15…の複数枚が貼り付けられている。固着手段15は、強力両面粘着層材で、同図右欄のように丸形やそのさらに右欄のように円弧状などでもよい。また、この固着手段15…としては、強力両面粘着層材であって製品(耐震保持器具M)として購入した時点で予め先付けされていてその剥離シートを剥がして床面に粘着するような機能のものになっているが、例えば、エポキシ樹脂系のマイティパティ(商品名:エックスブランズ社製)のように耐震保持器具Mに同梱はされているが付属品とされていて寸切りして捏ねることにより化学反応して所要の接着機能を発揮する化学反応型接着剤(あるいは粘着剤)のようなものや、超強力接着剤であるSU(商品名:コニシ(株))のようなものなど、器具設置直前あるいは途中などに下受盤8に後付けするタイプのものもここに含む。また、前記強力両面粘着層材を使用する場合にその床面側あるいは両面に接着剤を付す場合には、強力両面粘着層材と接着剤の双方を固着手段15と称するものとする。下受盤8は、図11ないし13のように、丸形・正方形・長四角形などにすることができる。尚、図13の右欄に示すように、固着手段15の一部をa程下受盤8よりもはみ出すようにしておけば、下受盤8が上向きに持ち上がって固着手段15のw部分が剥がれ上がろうとしてもa部分は下受盤8に粘着していないので持ち上げにくく、その結果、同a分が固着手段15全体の剥がれを有効に阻止することになる。固着手段15の下受盤8より上側には、同固着手段15と同じものを同じ位置に上から貼り付けることもあり、この場合、上側と下側の固着手段15,15がaの部分で強力に粘着するので、下受盤8の剥がれを有効に防止する(図35・図36参照)。
設置現場では、図3に示すようにテーブルTを逆様にし、その上中央に逆様にした状態の耐震保持器具Mを載せ付けて止着具16…により上取付盤6を止め付けることにより同器具Mが取り付けられる。器具Mはロックネジ11による止めつけによりH−Aのように短い状態で固定されている。ここで、固着手段15の剥離シート14を剥がしておいてもよいし、テーブルTを元に戻したあとに剥がしてもよい。
そののち、ロックネジ11を緩めることで下コラム9はゆっくりと下降してゆきフロアー1に固着手段15…が粘着する。この粘着は、高さ調節コラム9と下受盤8の重さWにより強く粘着する。下受盤8を押し下げることで更に強く粘着する。
この場合、ロックネジ11を緩めることで下受盤8が落下してそこに手指などが挟まれるおそれもあるが、下受盤8の底面には粘着材である固着手段15…が貼ってあるので危害を与えるおそれは少ない。そのことをより完璧に防止するには、図4のように下受盤8にストッパねじ17を補助的に突設しておくことでストッパねじ17が下受盤8を浮かせるようにすることで指詰めなどは防止される。同ストッパねじ17は、その後、上にねじ上げて下受盤8をゆっくり降ろすようにされる。同ねじ17は抜いてもよい。ストッパねじ17は、下受盤8の外周に沿って粘着装備され落下した際にクッションとして作用し落下後に剥ぎ取ることが可能なスポンジ・ゴムなどの粘着性の剥脱弾性帯18に代えて構成することができる。この弾性帯18の存在は、下受盤8の不測の落下により手指などを挟まないようにする。
そのあと、ロックネジ11はねじ込まれて耐震保持器具Mは一体化する。また、締込バンド19を締め込んでさらに一体化してもよい。
固定コラム7と高さ調節コラム9との間には、図1の図内欄に付記するようにゴムなどの緩衝部材10を介装して地震の震動によりテーブルTが緩やかに揺れしかも固着手段15が剥がれにくくなるようにしてもよい。これは図2およびその右欄の例においても同様に実施される。緩衝部材10は、合成ゴムの他に、スポンジゴム・ウレタンゴム・シリコーンゴムなどの軟質系ゴム材がテーブルTの緩衝用には好適である(以下同様)。また、固定コラム7と下コラム9との長さ規定には、止めネジ12A付き金属リング製ストッパー12を装備すれば緩衝部材10が有効に緩衝作用を発揮する(このことは後の実施形態でも同様に適用できる)。止めネジ12Aに代えて仮想線のようなレバー12B付き止めネジにすれば工具なしに簡単・強力に操作できる。尚、図1の緩衝部材10付きのものと図2右欄に示す緩衝部材10付きのものとは、前者が上側で緩衝支持し後者が下側で緩衝支持する点に違いがあるが、後者のように下側で緩衝支持する方が力の関係からして固着手段15を剥がれにくくする。
固着手段15を剥がれにくくする他の方法として、図1の下欄に示すように、固着手段15を複数枚(2枚・3枚あるいはそれにより多くの枚数)に重合粘着してもよい。複数枚にすることで、固着手段15…が水平方向だけでなくこじれなどの複合方向への震動にも弾性変形で対応できる。例えば、3枚の固着手段15…を重合する場合、その全てが粘着質を使用する場合と、中間層のみをエラストマー樹脂のような超緩衝材にする場合がある。これら相互間および相手である下受盤8・床面1との間のいずれかあるいは全てには接着剤を付すことがある。
固着手段15を剥がれにくくする他の方法として、図4の図内欄に示すように、下受盤8の底面に接着剤を介してエラストマー樹脂のような超緩衝材Kを接着しそれに固着手段(両面パッド)15を粘着すれば、超緩衝材Kが緩衝機能を発揮して固着手段15の剥がれを有効に防止する(このことも他の実施形態でも適用することができる)。
上取付盤6は、図5の右欄のように、四角形にしてもよいし、同図5の更に右欄のようにテーブルTの形状に似た長四角形にしてもよい。また、下受盤8も丸形・正方形・長四角形にしてもよい。
上取付盤6とテーブルT間には、図6のように、緩衝部材Gを介装して締め付けると緩衝作用を発揮する。また、図7に示すように、固定コラム7の上端にフランジ7aを固定して同コラム7の上端部を上取付盤6の穴に通して上取付盤6の受皿底内で首振り自在とし、さらにフランジ7aと天板2との間に緩衝部材Gを介装して上取付盤6を天板2に締付ければテーブルTは弾性支持される。緩衝部材Gと上取付盤6の上面は同一面とされるか緩衝部材Gの方が僅か数mm上にあるように位置される(図7参照)。この場合、緩衝部材Gによる方法は、図1の緩衝部材10で弾性支持するものと組み合わせて構成することができるし、図15(図16)・図17のような器具Mの基部を弾性支持するものと組み合わせて構成することができる。緩衝部材Gと図1・図15の緩衝部材10とを適宜に組み合わせることもできる。緩衝部材Gは、図7の左欄に示すように、凹凸型や通孔型にしてもよく、また、図7の右欄に示すように、緩衝部材Gはフランジ7aと上取付盤6との間に介装することもできる。図7の各例のものは、耐震保持器具Mの下部の下受盤8とコラム9との結合部分にも適用できる。
さらに、コラム7,9は、図9のように四角筒でもよく、また、図10のようにコラム7,9を円筒体と四角筒体の組み合わせにしてもよい。さらに、図14およびその右欄のように、上下のコラム7,9の太さを前記例(図1)とは逆にしてもよい。該右欄のコラム9は、その下欄に示すようにゴムロッド(筒も含む)であってもよい。この場合、ゴムロッドの下端にはフランジを一体装備して同フランジに下受盤8をねじ止めするようにしてもよい。また、図14の最も右欄に示すように、高さ調節コラム9は、ゴム製でボルトBにより下受盤8に立設固定されたものにしてもよく、この高さ調節コラム9は、固定コラム7内でゆるやかに昇降調節でき締込バンド19などの固定手段でコラム7,9を一体化できるようになっている。
下受盤8は、図1のように上取付盤6と同じ直径のD1(200〜300mm)としてあるが、D2のように400〜500mm前後の大きい直径にすることもできる。この場合、図1の右欄に示すように、広い下受盤8により揺れでこじられにくくなるとともに固着手段15の剥れを有効に阻止することができる。
また、前記耐震保持器具Mは、1つのテーブルTに対し2本など複数本装備してもよく、脚を左右に対向させる2本脚タイプ(図21の右欄に示す)のテーブルTにも装備可能である。
さらに、図3のように、脚3には固着手段15付きの脚固定具19を被せてテーブルTが動かないようにしてもよく、この場合、脚固定具19内には緩衝効果に優れるエラストマー樹脂のような超緩衝材Kを付しておけば、その吸着性により、右下欄のように脚固定具19を脚3に装着したあと左回りに回転させて元に戻す際に抜け落ちるおそれがないし、地震による突き上げ力を有効に緩衝する機能もある。脚固定具19は、様々な太さをもつ脚3に嵌まり合うように少し大き目の内径をもつものにし、また、図示しない細くぎやネジなどの止着具で脚3に固定したりアジャスタねじaで固定することができる。
さらに、この脚固定具19は、図21の右欄に示す2本脚タイプのテーブルTについて実施する場合は、図3の右上欄に示すようにアングル型あるいは溝型の長いものを短いものを片側あたり複数個設置して実施する。脚固定具19は、釘やネジなどの止着具で固定する方法と、両面粘着パッドで固定する方法と、止着具と両面粘着パッドを併用する方法とがある。2本脚タイプの場合、脚固定具19は長尺状にしてもよい。短いあるいは長尺状の脚固定具19は、2本脚タイプのテーブルTにも適用できる。
これらの脚固定具19は、図1以降に示す耐震保持器具Mとともに実施できる他、別個単独にも実施することができる。耐震保持器具Mとともに実施する場合、同器具Mは固着手段で固着するタイプと固着しないタイプとがある。
高さ調節コラム9は固定コラム7にスライド自在な昇降コラム9Aと、同コラム9Aよりは太径な受けコラム9Bとでなっているとともに、受けコラム9B内には、周溝10aを備えた緩衝部材10が嵌め込まれてその内周に昇降コラム9Bが嵌め込まれている。受けコラム9Bは円板や四角板などの下受盤8に固着されており、同下受盤8の底面に固定受具15…が貼り付けられている。
緩衝部材23は、底が盲状の底壁10bを有し下端は嵌め込みやすい先細状に形成されている。また、昇降コラム9Aは緩衝部材10内に嵌め込まれてその下端の蓋20が底壁10b上に当たるようになっている。周溝10aやフランジ10cは設けないこともある。また、蓋20は付けないこともある。
尚、緩衝部材10の外周(あるいは内周)には周溝10aが付されていて上記緩衝効果をより有効にししかも嵌め込み作業をしやすくするが、この溝10aはなくてもよい。緩衝部材10は上下に複数段あってもよい。
また、緩衝部材10は、右上欄のように、縦溝10aを付したものにしてもよい。さらに、図16に示すように、受けコラム9B内の底部にはエラストマー樹脂のような超緩衝部材Kを装填しておけば、地震による突き上げおよび上からの負荷に有効に緩衝機能する。これは図17においても同様である。
逆様にされた天板には、その中央裏面を介して耐震保持器具Mが取り付けられ、その際、高さ調節コラム9は、緩衝部材10の外周に沿って上取付盤6の方向に短くなるように嵌め込まれており、耐震保持器具M全体が脚長さより短い(前記H−A)状態とされている。ストッパー12は仮想線のように固定コラム7の外周に固定されたりあるいは自由に上下できるように設けられている。この段階あるいは天板を元の姿勢に戻した時点で下受盤8の裏面に貼られた固着手段15…の剥離シールが剥がされる。
尚、図17の左欄に示すように、上取付盤6側に固定コラム7を突設し、高さ調節コラム9の外周に備えた緩衝部材10を同固定コラム7内に差し込み、前記逆様状態から戻った時点で、下受盤8付き高さ調節コラム9は下げられるとともに、固着手段15がフロア1に粘着し、さらに、ストッパー12を固定コラム7の下端位置で固着することでセットが完了する。この実施形態は、図17の中央の実施形態の逆様タイプである。
また、右上欄に示すように、高さ調節コラム9の上下外周に緩衝部材10を装備し、上の緩衝部材10は固定コラム7内に固着する一方、下の緩衝部材10は受けコラム9Bを上下させ得るようにしてある。前記逆様状態から戻して下受盤8付き受けコラム9Bを下げることにより下受盤8は固着手段15によりフロアー1上に粘着固定される。そのあと、ストッパー12を受けコラム9B上の位置で固着しておくことにより上からの負荷に抵抗できる耐震保持器具Mとなる。
尚、座盤21を木製として先に床面1上に固着しておき、その座盤21上に下受盤8を載せつけてビス止めするようにしてもよい。
尚、底盤21は、右上欄に示すように、例えば、縦横30cm角で底面層にゴム下地を有しその上面を繊維起毛状として市販されているラグとし、その面内数個所に、下受盤8と連結する止着具aを通すための孔e…を明け、底面に固着手段15…を貼り付けるようにしてもよい。この底盤21は、板のように堅くなく持ち上げて反り上げ変形可能な材質であるので、底盤21を床面上にセットしたあとの段階で矢印のように持ち上げて剥離シート14…を剥がし固着手段15を初めて粘着させることができる。そのことから、底盤21を床上にセットしたあとでテーブルを動かして正式にレイアウトを決めたあとでシート14を剥がせばよいので、より好ましいレイアウトを決めたあとで粘着固定が可能となる(この実施形態も他の実施形態に適用できる)。また、同底盤21は、全体が弾性質で強靭なものであるので、震動が作用しても該底盤21自身の弾性変形でそれを吸収しテーブルTが飛んだりしないようになるし、固着手段15が剥がれにくくなる。固着手段15と相手面との間には接着剤を使用できる。また、固着方法には図37のような面ファスナーを使用できる。
さらに、底盤21は、図19の右下欄のような八角形などの多角形や丸形などの他の幾何学形状にしてもよい。孔e…は、座盤21と同じ形状をしたマーキング板Yを使用してその中央にあけたマーキング孔m…を使って座盤21上に孔明け位置をマークするようにすれば簡単確実に作業を進めることができる。
また、前記底盤21は、下受盤8よりも可なり大きな寸法にしいてあるが、下受盤8と同じかあるいは少し大きなサイズにすることもある。この場合、テーブルTを逆様にした際あるいはその後下受盤8を床面まで降ろす前の段階で剥離シートを剥がしておくようにすればよい。
高さ調節コラム9には、ドレンも兼ねた注入口26が短筒突設型として開けられている。この耐震保持器具Mは、脚3より短くされた状態で、逆様にされた天板2の中央に固定される。テーブルTは逆様状態から元に戻されて室内の最適位置にレイアウトされてのち、ロックネジ11が緩められると固着手段15により下受盤8がフロアー1上に粘着固定される。その状態では図2右欄の実施形態と同様であるが、この実施形態では、そののち、注入口26を通じてボンベ27のノズルを差し入れ、高さ調節コラム9内に発泡樹脂(ウレタンなど)Sを注入して発泡・固着させることで上下コラム7,9が一体化される。固着手段15は、発泡樹脂Sの膨張力による下向きの力によりフロアー1に押し付けられ剥がれにくくする。内部の発泡樹脂Sは上からの衝撃を緩和しつつ受け止めるので、床抜けなくテーブルTの下に避難空間が確保される。発泡樹脂Sが注入口26からはみ出しても同口26が短筒突設型であるためはみ出し分を取り除けばよい。注入口26は、図22の図内に示すようにノズル27aより僅かに大きな内径にしておけば発泡樹脂Sがはみ出しにくくなるし、またさらに右欄に示すように、注入口26を変形自在な弾性チューブ26Aで作っておけば発泡樹脂Sが発泡する際に曲がってはみ出すことがなくなる。これらのことは以下の図23の実施形態でも適用できる。さらに、はみ出しを防止するには、注入口26を図22のように固定コラム7側に設けることでも対処できるし、前記すべての注入口26にはプラグをはめ込むことでも対処できる。
また、発泡樹脂に代えて液体ゴムや変成シリコーン、接着剤などを充填剤として注入するようにしてもよい。
さらに、図22右下欄に示すように、受ベース8の下には止着具a…により広い面積の座盤21を取り付けてその裏面に固着手段15を貼り付けるようにしてもよい。
また、図24に示すように、発泡樹脂に代えて微細な砂や粉、さらさら塩などの粉粒子Pを注入口31から入れて止めネジ32で封止しておくことで、逆様から元に戻った際に図示のように固定コラム7を受け止めるようになることを利用して、ロックネジ11以外に上方からの負荷を受け止めるように構成してもよい。この場合、ロックネジ11を省略することもできる。尚、右欄のように上取付盤6に孔6aを開けておいてそこから砂P…を投入可能としあとは粘着シール14を貼り付けて運搬中に漏れないように封止するようにしてもよい。また、同図右下欄のように、受けコラム9B内に緩衝部材10を装填してその中に粉粒子Pがくるように入れておくこともできる。
さらに、左欄上側のように固定コラム7の下部を斜め切り面7aにしておいたり、下側に示すように固定コラム7の下端を円錐状部7bにしておけば、粉粒子Pがこれら7a、7bの下まで回り込みやすくなる。
前記砂や塩を単独で使う以外に、砂や塩に炭粒子を混合したものを使用したり、炭粒子単独で使用したりすれば、耐震保持器具Mに粉粒子Pを注入して目的地まで搬送するまでの間に湿気で固まるおそれがなくなり、逆様から図24の正立状態に戻した場合にさらさらと落ちて固定コラム7を支えるようになる。耐震保持器具Mは、ビニル袋などによる真空パックにして配送すれば湿気による固化は防げる。
座盤21が板物の場合、固着手段15は両面粘着層材あるいは接着剤により固着する。その際、両面粘着層材の片面あるいは両面に接着剤を塗着して固着するようにすれば実験結果より極めて高い固着性能が得られた。座盤21を図25のような既設あるいは新規敷物22上に固着する場合、同様に接着剤のみあるいは接着剤を塗布した両面粘着層材を使用する。敷物22それ自体も上記方法で固着すれば更にテーブルTの固着性能が向上する。
座盤21がカーペットのような敷物である場合は、座盤21と敷物22間の固着には上記方法の他に面ファスナーを使用することがある。尚、図25の右下欄のように、下受盤8そのものを広い板物とすることがある。
図25の例では、座盤21は、テーブルの長手方向と同じ方向に長手を向けた帯長状とされ、その両端に備えた固着手段15により床面上に固着される。座盤21は、楕円状あるいは長円形状、菱形など他の幾何学形状を採用してもよい。下受盤8は複数枚並列に設けてもよい。これらの場合、座盤21は図35,36に示す上面重合方式を採用することができる。このことは図26,27他の実施形態にも適用される。
図26のように座盤21はテーブルTの長手方向に対応する方向を長くした十字形にしてもよいし、図27のように中央帯状部分の両端に直角な帯状部分を備えたI字あるいはH形のものにしてもよい。
敷物製座盤21と敷物22とは、縫い付けなどで重合することがある。
尚、図28の左欄のように、図28の中央図とは逆様のタイプ、即ち、固定コラム107がネジ棒で昇降コラム109Aが筒体であってもよい。
また、下欄左のように昇降コラム109Aの外周に緩衝部材110を備えて受けコラム109Bとの間にスキマを存して設けてもよく、さらに、その右欄のように緩衝部材110は受けコラム109Aの側に固着あるいははめ込みしてスキマをつくるようにしてもよい。スキマがあるとレイアウト後に昇降コラム109Aの位置調整が一定の幅内で自由に行える。
図30はテーブルを引っ繰り返して(あるいは横倒しでもよい)耐震保持器具Mの取付中心を求める方法を示す。
リング120付きゴム紐121を1本のみ用意し、そのゴム紐121の長さ方向中間にリング型などの目安リング122を付したものでも中心を求めることができる。この場合、先に仮設置した固定コラム107が目安リング122内にくるようにすれば上取付盤106も天板2の中央にくることになり、取付孔にマーキングm…をしておいてねじ込めば天板中心に上取付盤106を取り付けることができる。一対のゴム紐121,121は同じ長さになる。この状態で固着手段115の剥離シートを剥がしておいてもよい。
尚、上取付盤106はD1、下受盤108はD2とし、それぞれ円板型あるいは四角板型として200〜300mm前後とするが、D1・D2を400mm〜600mm前後に大きくすれば固着性が大幅に向上する。特に、D1はビス止めする関係で200mm前後でよいが、D2の方を大きな寸法にすれば器具Mへのこじられ度が非常に下がり固着保持性能が大幅に向上する。また、下受盤108には、図21、25ないし27のような座盤を付加することがある。
この実施形態も上記と同様の目的をもつもので特に所要の機能を満足しながら非常に簡単な構造で安価であり設置操作も簡易で安全に行えることを目的とするものである。止着具116でテーブルTの裏面中央に取付可能な円板あるいは角板などの上取付盤106の中央からは丸あるいは角筒などの固定コラム107が長く突設され、その下部内周には、軟質スポンジのような緩衝部材110が固定コラム107に接着あるいは嵌め込みにより自由に抜け出ないように定着状態で挿入されている。
尚、緩衝部材110は、図32の図内右欄のような内外二重ゴム殻でその間に放射リブを備えたタイプのものを採用してもよい。
また、ロック体118は、右上欄に示すように回し用把持環124を取り付けたものにしてもよく、この場合、ロック体118は、内周のメネジを長くすべく高さをできるだけ高くしてもよい。
ロック体118は図32の右欄下に示すようにぶら下がり型レバーを備えたものにしてもよい。
さらに、固着手段115は、図35および図36に示すように、一部が下受盤108よりはみ出すようにしておきその上面から他の固着手段115Aを粘着させる方式にすれば、実験結果からして、下受盤108の下側固着手段115からの浮き剥がれが完全に防止される。上下の固着手段115,115A同士の粘着は一体化するとともに固着手段115,115Aそれ自体の粘り変形が作用するからである。固着手段115の底面は別途強力な接着剤により床面に固着することがある。固着手段115Aは、両面粘着質である必要はなく片面(下面)のみが粘着質のものでもよい。下受盤108の固着手段115に対応する個所には通穴108aを明けておき、上の固着手段115Aを貼り付けた際にこの通穴108aを通じて上下の固着手段115,115Aが直接粘着するようにすればより両者の粘着効果が上がる。図35の右上欄のように、下受盤108に切欠108bを形成して同じような効果を上げるようにしてもよい。また、同図のように、下の固着手段115は長いものにして2枚あるいは3枚1組にし、これにより、上下の粘着がより効果的になされるようにしてもよい。さらに、図35の右下欄のように、下受盤108を四角形にした場合、各辺に平行に固着手段115,115Aを貼り付ける場合と、同図のように角部に斜め貼りするようにしてもよい。この場合も各角部に切欠108b…を形成してもよい。図36右欄のように、固着手段115は、下受盤108裏面に粘着したものを折り返すようにしてもよい。同右欄下のように、固着手段115は複数重合式にしてその上面のものを折り返すようにしてもよい。
下側の固着手段115のみで構成したり、あるいは下側固着手段115は下受盤108から外方へ延ばさずに面内に収まるようにしてもよい。
尚、図36の左下欄に示すように、下受盤108には、1枚あるいは複数枚の固着手段115を止着具aにて粘着しながら取り付けるようにし、同固着手段115に他の数枚の固着手段115を重ね粘着するようにしてもよい。この方式は他の実施形態でも適用がある。
また、図37に示すようにそれぞれに粘着層gを備えた面ファスナー122,123の対によって構成してもよい。この場合、テーブルTのレイアウトを決めたあとでも面ファスナー122,123を互いに剥がして再度係着させることより好ましいレイアウトに変更自在になる。一方、面ファスナー122,123は、粘着層をもたないファスナー本体のみで通気性のあるもので構成し、相手の下受盤108底面および床面に接着剤を使って固着するようにしてもよい。特に、下側の面ファスナー123については接着剤で固着するようにすればより完全な固着効果が得られる。市販接着剤SUのような湿気で反応するタイプの接着剤を使用する場合、前記通気性は湿気を通しより完全な接着力を得ることができる。両固着手段122,123同士はSUのような強力接着剤で接着することもある。これらのことは他のタイプの耐震保持器具Mについても適用できる。固着手段123は固着手段122よりも広くしておくことで剥がれにくくする。また、固着手段122が震動による揺れで一方(例えば、図の左側)が剥がれて浮いた状態になっても他方(右側)は係着しており、さらに逆方向に揺れた場合には前記他方(右側)が係着した状態から一方(左側)が係着する動作に移るので、結果として常時係着した状態を保ちながら剥がれを防止するように作用する。また、固着手段122,123間には接着剤hを施してもよく、さらに、図37の下欄のように、上側の固着手段122の外周部分をめくり上げられるようにしてレイアウト後にも接着剤hを施すことができるようにしてもよい。
尚、前記実施形態の他に、耐震保持器具Mは、図33のような逆様タイプのものを正立状態として構成したものもここに他の態様として含む。
また、図37の左下欄のように、下受盤108にラグである座盤21の中央を当てて止着具a…により結合し、同座盤21の裏面に固着手段115…を備えてフロアー1上に粘着固定するようにしてもよい。この場合、同左下欄のさらに下欄に示すように、座盤21は固定コラム107回りに巻き回して絞め具bで巻き付けておくことで耐震保持器具Mとともに同梱して配送可能である。配送された先では、座盤21を拡げて同図の上欄の状態に固定コラム107を止め付けて粘着固定する。
また、図32に示すように、下方からのP波を緩衝するため、固定コラム107とロック体118との間に緩衝パッドKを介装してもよい。
図34の図内左欄に示すように工具なしでねじ付けるタイプのロックネジ121を備えたロック体120を前記に代えて装備してもよい。このことは他の実施形態でも適用できる。
図33の実施形態には、図18、19、25,26,27など他の実施形態に示すものを適用することがある。
また、図33に示すように、脚3の端面には、粘着型固着手段115を付加することもある。この場合、右欄のように、固着手段115は、打着ピンやネジなどの止着具pで止め付けてもよい。尚、固着手段115は一般に1〜2mm厚程度に薄いものであるため複数重合式に厚目にすれば、止着具pの頭が床面に当たらず固着手段115の床面への粘着性能を発揮できるようになる。この場合、木質や樹脂などの中介装板Lを挟めば安定度が増す。
前記高さ調節コラム109は緩衝部材110にねじ込まれる関係としてあったが、一定の力を加えると高さ調節コラム109が緩衝部材110内を滑り移動できるような関係に嵌め入れられていてもよい。
図32あるいはその逆様タイプ(図33と同様で下面に固着手段115を付したもの)の耐震保持器具Mは、図21に示す上取付盤6に一対のものを備えた実施形態のものにも適用がある。
図32あるいはその逆様タイプの耐震保持器具Mは、図43・44に示す2脚タイプのテーブルTにも1本あるいは2本併設式として取り付けることができる。
尚、昇降第2コラム132Bと受けコラム132Cとの間は、図28の下欄のように隙間を置いて緩衝部材140を設けたタイプにしてもよい。このことは図40の耐震保持器具Mにも適用できる。
同器具Mの上取付盤141は、周位の複数の通孔を通じて天板2の中央裏面に止着具140…によりねじ止めされる円盤あるいは角板型の板である。この上取付盤141の中央に上端が固着された丸パイプ状(あるいは角パイプ状)で長さLの固定コラム142とを備える。同コラム142の下端部には溶接ナットである受ねじaが一体化されている。
上下の受ねじa、aは互いに逆ねじであるとともに、上下のコラム142,144Bの間には、受ねじa、aと共にターンバックルを構成する昇降コラム144Aが回し孔147を備えてねじ込まれている。昇降コラム144Aは上半部と下半部とが互いに逆ねじとなっている。
その際の耐震保持器具Mは脚3よりも低く短くなるように調整してある。例えば、耐震保持器具Mの固着手段145を含めた初期設定高さ(全高)は、テーブル上面高さを72cmとしテーブル厚さを3cmとした場合にテーブル底面高さは69cmであるのでそれより5〜7cm前後低い64〜62cm程度とされている。
前記粘着方式は接着方式に代えて実施することができ、また、粘着と接着方式双方の組み合わせでも実施できる。
前記受けコラム144Bの下部は、図31の緩衝部材110付き受けコラム109Bで受け止めるようにしてもよい。
天板2と脚3およびつなぎ材345を備えた2脚型テーブルTを逆様にしてつなぎ材345を固定コラム339が跨ぐようにして耐震保持器具Mを持ち込み、上取付盤338を天板2に固定することにより耐震保持器具MをテーブルTに固定する。
固定コラム339は、固定コラム339は、図44に仮想線で示すように逆台形フレーム状であってもよく、また、図44の右下欄に横断面を示すようにコの字やアングルなどのチャンネル材で形成することがある。また、図44の左上欄に示すように、木製にしてもよい。
さらに、図44の左下欄のように、昇降受体250をメネジなしにして高さ調節コラム340が自由に昇降できるようにすることで、テーブルTを逆様から元に戻した際に矢印のように高さ調節コラム340が勝手にあるいは一定の力により下がるように構成し、そのあと、ロック体352を回し操作して上からの負荷を受け止めるように構成してもよい。尚、その図の右下に示すように、底盤353を追加するタイプにしてもよい。
また、図44の右下欄に示すように、受けコラム340Aを200mm前後の充分大きな直径の有底円筒体として固着手段343で床面に固着できるものとし、同コラム340A内に外緩衝部材346Aを軟質なスポンジ状緩衝部材として装着する一方、昇降コラム340Aの外周には、内緩衝部材346を装備してお互いを離間した関係にして緩衝効果を上げてテーブルTをやわらかく受け止めかつ固着手段343の剥がれ防止を図るようにしたものである。内・外緩衝部材はその双方を構成すると緩衝が相乗的に作用するが、その一方のみで構成してもよい。固着手段343は面ファスナーでもよい。
こうした実施形態は、4本脚タイプのテーブルTにも適用される。4本脚タイプには受材355は構成されないことがある。
453は受盤状の受ベースで、器具本体452とは完全に別体物で金属・樹脂・ゴムなどで形成され、同受ベース453は、下受盤455と円筒状の制御筒451をもつ上方開口状の深受皿とされ、その内径Dが200mm前後とされており、このDは100mm程に小さいものにしたり、逆に300mmあるいは400mm程に大きくすることもできる。受ベース453の内周あるいは高さ調節コラム447の外周のいずれかあるいは双方には、軟質弾性質の緩衝部材459が円筒状のものとして固着されている。緩衝部材459は受ベース453の底面に対して浮かせて変形しやすいようにしてあるが固着してもよい。aは回転操作ハンドルの差込孔で、前記取っ手452を設ける場合は明けないことがある。456は固着手段で、前述のように両面粘着パッドや面ファスナーなどでなり、接着剤を交えて固着可能とすることがある。
尚、受ベース453は、図45の右欄のように、半球状の転動制御面454を備えたものにしてもよい。この場合、キャスタCが球面に沿った登る動きとなるので、テーブルT側の勝手な動きをテーブルTの重さも手伝って減速させキャスタCのはみ出しを抑制するものとなり、その繰返しにより次第にテーブルTの連れ動きを減衰・抑制してゆくものである。
さらに、受ベース453の底面には、固着手段456を備えた座盤457を止着具458…により装着してもよい。この座盤457は前述の実施形態の全てを適用できる。
また、制御筒451には多孔などの通孔を設けて緩衝部材459が変形しやすくまたデザイン性も良くなるようにしてもよい。
尚、図45の左上欄のように、キャスタCに代えてすべりチップ447Aを備えたものにしてよい。また、左下欄のように、e程偏心したタイプのキャスタCにしてもよく、この場合、押さえ位置が図45の中央の図例のものに比べ常にe程後方にくるので固着手段456の剥がれがより完全になくなる。
465は引き剥がし具で、他の実施形態にも利用できる。109は高さ調節コラム、110は緩衝部材で、図32と同様の方式のものであるが、この耐震保持器具Mは他の実施形態で示す方式を適用できる。緩衝部材110は省略することがある。尚、前記粘着シートとしては、超粘着剤を塗着した、(株)SHIMADA商品名GLUE GUARDに使用の粘着シート主体が細毛群に強力に粘着して剥がれず好ましい。このシートは、薄い基膜rの一側面に強粘着剤sを塗着したものであるが、基膜rの裏面も粘着剤を付したものであるため、基膜r裏面が背中合わせとなるように二つ折りにして上下両面に前記強粘着剤sがくるようにしてそれを固着手段115とすれば、下受盤108と敷物461側の双方の細毛群によくからんで強力に粘着する。下敷463はラグであったが、図47の右下欄のように面ファスナーの一方のものにしてもよい。敷物461は、例えば、その四隅裏面に設けた粘着シート(図47のようなもの)で床面1上に固着しておくとずれない。
Claims (1)
- ダイニングテーブルや机などのテーブル類の天板裏側中央位置に複数本の止着具により止め付け可能な上取付盤を上端に備えたものとして該上取付盤から筒状をなして下向きに伸びる下端開口状の固定コラムと、外周にねじを備えたネジ軸とされその軸上部が固定コラムの下部内に挿通される高さ調節コラムを板中央に備えた下受盤と、高さ調節コラムの外周にねじ付けられて回転により上下進退自在とされたロック体と、下受盤の底面に設けられて床面上に下受盤を定着可能にする両面粘着層材である固着手段とを備えて、下受盤付きの高さ調節コラムが固定コラムから下向きに伸ばされるとともにロック体が回転によりねじ上げられて固定コラムの下端に当たるようにされることで高さ調節コラムが固定コラムに対し短縮方向に移動不能とされるように構成された耐震保持器具であって、前記固定コラムの下部内には、軟質スポンジのような筒状の緩衝部材が挿入されて定着状態とされて高さ調節コラムに対しては一定の力を加えることで滑り移動可能な関係に嵌め入れ保持されるようになっていることを特徴とする耐震保持器具。
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