JP5759933B2 - 乗員保護制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員保護制御装置に関する。
従来、車両に搭載される乗員保護装置の一つとしてエアバッグが広く知られている。かかるエアバッグは、車両の衝突時に内部で火薬を爆発させることで袋体を膨張させ、乗員に対して加わる衝撃を緩和する装置である。
そして、かかるエアバッグの起動制御は、「エアバッグECU」と呼ばれる乗員保護制御装置によって行われる。エアバッグECUは、車両に搭載された加速度センサのセンサ信号に基づいてエアバッグの起動を要するか否かを判定し、起動を要すると判定した場合に、着火ユニットへの点火を行う。
ところで、エアバッグは、乗員を保護するという特性上、高い信頼性が求められる装置である。そこで、かかる信頼性を担保するため、たとえば特許文献1には、複数の加速度センサを用いて、エアバッグECUの起動判定の系統をメイン系およびセーフィング系の2系統に冗長化する技術が開示されている。
なお、かかる冗長化においては、メイン系専用およびセーフィング系専用の加速度センサが車両の各所に分散して配置される。たとえば、「フロアセンサ」と呼ばれる加速度センサは車両中央付近に配置され、「フロントセンサ」と呼ばれる加速度センサは車体の周縁部などに配置される。
特開2006−103505号公報
しかしながら、従来技術を用いた場合、上述のようにメイン系専用およびセーフィング系専用の加速度センサを各所に配置するため、車両に搭載する部品の点数が増え、コストがかさむという問題があった。
また、加速度センサは、車両の悪路走行時や乗員の加える衝撃によってもセンサ信号を出力するため、かかる場合には、精度よくエアバッグの起動を防止する必要がある。この点につき、誤動作を防止する精度をより高めていく必要がある。
これらのことから、低コストで、かつ、精度よく、エアバッグの起動を制御することができるエアバッグECUをいかにして実現するかが大きな課題となっている。なお、かかる課題は、衝突検知時に瞬時にシートベルトのたるみをとるプリテンショナーなどの乗員保護装置についても同様に発生する課題である。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、低コストで、かつ、精度よく、乗員保護装置の起動を制御することができる乗員保護制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護制御装置であって、車両の中央部近傍に配置される第1の加速度センサ、および、前記車両の周縁部近傍に配置される第2の加速度センサ双方の出力信号に基づいて、前記乗員保護装置の起動判定を行うメイン起動判定手段と、前記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の第1の閾値以上である場合、または、前記第2の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の閾値以上であるとともに前記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が前記第1の閾値よりも小さい所定の第2の閾値以上である場合に、前記乗員保護装置の起動を要すると判定する第1セーフィング判定手段と、前記メイン起動判定手段と、前記第1セーフィング判定手段のいずれにおいても起動を要すると判定された場合に、前記乗員保護装置を起動させる起動制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、車両の中央部近傍に配置される第1の加速度センサ、および、車両の周縁部近傍に配置される第2の加速度センサ双方の出力信号に基づいて乗員保護装置のメイン起動判定を行い、上記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の第1の閾値以上である場合、または、上記第2の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の閾値以上であるとともに上記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が上記第1の閾値よりも小さい所定の第2の閾値以上である場合に、前記乗員保護装置の起動を要すると判定する第1セーフィング判定を行い、上記メイン起動判定と、上記第1セーフィング判定のいずれにおいても起動を要すると判定された場合に、上記乗員保護装置を起動させることとしたので、低コストで、かつ、精度よく、乗員保護装置の起動を制御することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る起動判定手法の概要を示す図である。 図2は、実施例に係るエアバッグECUの構成を示すブロック図である。 図3は、閾値相互の関係を示す図である。 図4は、フロアLo閾値、フロアHi閾値およびフロント閾値の設定例を示す図である。 図5は、フロントLoマップ、フロアLoマップおよびフロアHiマップの設定例を示す図である。 図6は、実施例に係るエアバッグECUが実行する処理手順を示すフローチャートである。 図7は、実施例に係るエアバッグECUにおけるASIC処理の処理手順を示すフローチャートである。 図8は、実施例に係るエアバッグECUにおけるマイコン処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る起動判定手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る起動判定手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る起動判定手法を適用したエアバッグECUについての実施例を図2〜図8を用いて説明することとする。
また、以下では、フロントセンサが、車両の車体前部の左右に配置されている場合を例に挙げて説明することとする。
まず、本発明に係る起動判定手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る起動判定手法の概要を示す図である。なお、図1の(A)には、車両50を上方からみた場合の概略図を、図1の(B)には、従来の手法の概要を、図1の(C)には、本発明に係る起動判定手法の概要を、それぞれ示している。
図1の(A)に示すように、車両50は、車体前部の右方に右フロントセンサ121を、同じく左方に左フロントセンサ122を、車室にエアバッグECU10をそれぞれ備えているものとする。また、エアバッグECU10は、その内部にフロアセンサ11aおよびフロアセンサ11bと、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)13と、マイコン14とを、それぞれ備えているものとする。
ここで、図1の(B)に示すように、従来の手法によれば、たとえば、フロアセンサ11aは、マイコン14における「メイン起動判定」専用の加速度センサとして用いられていた。また、フロアセンサ11bは、ASIC13における「セーフィング判定」専用の加速度センサとして用いられていた。
なお、ここにいう「メイン起動判定」とは、起動判定の系統を2系統に冗長化した場合に、マイコン14において判定される起動判定の系統を指す。また、同様に、「セーフィング判定」とは、ASIC13において判定される起動判定の系統を指す。
このため、車両50に搭載する加速度センサの点数が起動判定の系統に応じて増えることとなり、高コスト化を招いていた。
そこで、図1の(C)に示すように、本発明に係る起動判定手法では、加速度センサの点数を削減し、エアバッグECU10の内部に単一のフロアセンサ11を備えることとしたうえで、かかるフロアセンサ11を、ASIC13とマイコン14とで併用することとした。
このとき、加速度センサを減らしてなお、精度よくエアバッグの起動制御を行うために、ASIC13においては、右フロントセンサ121および左フロントセンサ122の出力信号を入力し、かかる両フロントセンサの出力信号と、フロアセンサ11の出力信号との双方に基づいて「セーフィング判定」を行うこととした。
すなわち、ASIC13単体において、両フロントセンサの出力信号およびフロアセンサ11の出力信号に基づく細かな「セーフィング判定」を行う。かかる「セーフィング判定」の詳細については、図2以降を用いて後述する。併せて、ASIC13単体において、両フロントセンサの信号系統およびフロアセンサ11の信号系統による冗長化を図る。
また、マイコン14においては、従来からの「メイン起動判定」と併せて、右フロントセンサ121および左フロントセンサ122のセンサ信号に基づく「セーフィング判定」を行う。そして、かかる「メイン起動判定」結果と「セーフィング判定」結果との論理積をとって、マイコン14における起動判定結果とすることとした(図中の「&」参照)。
すなわち、マイコン14単体においても、「メイン起動判定」系統および「セーフィング判定」系統による冗長化を図る。
これらにより、信頼性を担保しつつ、また、起動判定の精度を低下させることなく、搭載する加速度センサの点数を減らすことができる。すなわち、低コストで、かつ、精度よく、エアバッグの起動制御を行うことができる。
ところで、車両50の衝突には、正面衝突やオフセット衝突などさまざまな形態が存在するため、各加速度センサが出力する加速度の大きさも配置場所によりまちまちであるのが通常である。
たとえば、フロアセンサ11は、正面衝突の場合、大きな加速度を出力しやすいが、オフセット衝突の場合、大きな加速度を出力しにくい。したがって、オフセット衝突の場合、図1の(B)に示した従来の手法によれば、フロアセンサ11bにのみ依っていたASIC13の「セーフィング判定」に応答遅れが生じやすかった。
また、各加速度センサは、衝突だけでなく、車両50の悪路走行時の振動や、乗員の加える衝撃、ひいてはノイズなどを加速度として出力する場合がある。かかる場合には、エアバッグの起動を確実に防止しなければならない。
こうした各加速度センサの出力の多様性を考慮し、本発明に係る起動判定手法では、「メイン起動判定」および各「セーフィング判定」に用いる閾値を細かく区分けし、関係付けて、エアバッグの起動の要否を確実に切り分けることとした。かかる点の詳細については、図3から図5を用いて後述する。
このように、本発明に係る起動判定手法では、加速度センサの点数を削減し、エアバッグECU10の内部に単一のフロアセンサ11を備えることとしたうえで、かかるフロアセンサ11を、ASIC13とマイコン14とで併用することとした。
また、ASIC13およびマイコン14のそれぞれに対して、併せてフロントセンサの出力信号を入力し、ASIC13においては「セーフィング判定」を、マイコン14においては「メイン起動判定」および「セーフィング判定」を行うこととした。
したがって、本発明に係る起動判定手法によれば、低コストで、かつ、精度よく、エアバッグの起動を制御することができる。
以下では、図1を用いて説明した起動判定手法を適用したエアバッグECUについての実施例を説明する。なお、以下では、上述した悪路走行時の振動と乗員の加える衝撃とが同時に生じるという要件を「意地悪要件」と記載する場合がある。
図2は、実施例に係るエアバッグECU10の構成を示すブロック図である。なお、図2では、エアバッグECU10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
図2に示すように、エアバッグECU10は、フロアセンサ11と、サテライト通信I/F(インタフェース)12と、ASIC13と、マイコン14とを備えている。
また、ASIC13は、ADC(Analog to Digital Converter)13aと、演算処理部13bおよび演算処理部13fと、コンパレータ13c、コンパレータ13dおよびコンパレータ13gと、SPI(Serial Peripheral Interface)13eおよびSPI13kと、ANDゲート13hと、ORゲート13iと点火回路13jとをさらに備えている。
なお、図2に示すように、本実施例に係るエアバッグECU10では、コンパレータ13c、コンパレータ13dおよびコンパレータ13gと、ANDゲート13hと、ORゲート13iとが、第1セーフィング判定部として機能する。
また、マイコン14は、ADC14aと、演算処理部14b、演算処理部14fおよび14hと、フロアLoマップ判定部14cと、フロアHiマップ判定部14dと、SPI14eおよび14mと、コンパレータ14gと、フロントLoマップ判定部14iと、ANDゲート14jおよびANDゲート14lと、ORゲート14kとをさらに備えている。
なお、図2に示すように、本実施例に係るエアバッグECU10では、フロアLoマップ判定部14cと、フロアHiマップ判定部14dと、フロントLoマップ判定部14iと、ANDゲート14jと、ORゲート14kとが、メイン起動判定部として機能する。
また、図2に示すように、本実施例に係るエアバッグECU10では、コンパレータ14gが、第2セーフィング判定部として機能する。
フロアセンサ11は、エアバッグECU10の内部に配置され、車室における加速度を検出する加速度センサである。なお、機械式、光学式などの種別は特に限られるものではない。
また、フロアセンサ11は、検出した加速度を含む出力信号を、ASIC13のADC13a、および、マイコン14のADC14aに対して出力する。なお、以下では、フロアセンサ11の出力信号を「フロア信号」と記載する場合がある。
サテライト通信I/F12は、エアバッグECU10と分離して配置されるフロントセンサとの通信を行う通信デバイスである。フロントセンサは、主に車体周縁部の加速度を検出する加速度センサである。
なお、本実施例においては、かかるフロントセンサとして、右フロントセンサ121および左フロントセンサ122が、車両50のフロント部左右にそれぞれ配置されているものとする(図1参照)。
そして、サテライト通信I/F12は、かかる右フロントセンサ121および左フロントセンサ122の出力信号を、ASIC13のSPI13e、および、マイコン14のSPI14eに対して受け渡す。なお、以下では、右フロントセンサ121および左フロントセンサ122の出力信号を「フロント信号」と記載する場合がある。
ASIC13は、いわゆる集積回路であり、フロア信号およびフロント信号の双方に基づき、冗長構成における第1のセーフィング判定を行う制御ユニットである。
ADC13aは、フロアセンサ11から入力したフロア信号を、アナログ信号からデジタル信号へ変換して演算処理部13bへ出力する変換回路である。
演算処理部13bは、ADC13aから入力したフロア信号に基づく信号値(以下、「フロア信号値」と記載する)を算出する処理を行う処理部である。また、演算処理部13bは、算出したフロア信号値を、コンパレータ13cおよびコンパレータ13dに対して出力する処理を併せて行う。
コンパレータ13cは、演算処理部13bから入力したフロア信号値と、エアバッグの起動制御に関する所定の第1の閾値である「フロアHi閾値」とを比較したうえで、フロア信号値がフロアHi閾値以上である場合にはセーフィング判定オン信号を、フロア信号値がフロアHi閾値に満たない場合にはセーフィング判定オフ信号を、ORゲート13iに対して出力する。
コンパレータ13dは、演算処理部13bから入力したフロア信号値と、エアバッグの起動制御に関する所定の第2の閾値である「フロアLo閾値」とを比較したうえで、フロア信号値がフロアLo閾値以上である場合にはセーフィング判定オン信号を、フロア信号値がフロアLo閾値に満たない場合にはセーフィング判定オフ信号を、ANDゲート13hに対して出力する。
SPI13eは、サテライト通信I/F12から入力したフロント信号を演算処理部13fに対して出力するシリアルバスである。
演算処理部13fは、SPI13eから入力したフロント信号に基づく演算値(以下、「フロント信号値」と記載する)を算出する処理を行う処理部である。また、演算処理部13fは、算出したフロント信号値を、コンパレータ13gに対して出力する処理を併せて行う。
コンパレータ13gは、演算処理部13fから入力したフロント信号値と、エアバッグの起動制御に関する所定の閾値である「フロント閾値」とを比較したうえで、フロント信号値がフロント閾値以上である場合にはセーフィング判定オン信号を、フロント信号値がフロント閾値に満たない場合にはセーフィング判定オフ信号を、ANDゲート13hに対して出力する。
ANDゲート13hは、コンパレータ13dおよびコンパレータ13gのそれぞれから入力したセーフィング判定オン/オフ信号の論理積演算を行うことによって、コンパレータ13dおよびコンパレータ13gの双方からセーフィング判定オン信号が出力された場合にのみ、セーフィング判定オン信号をORゲート13iに対して出力する。また、それ以外の場合には、セーフィング判定オフ信号をORゲート13iに対して出力する。
すなわち、コンパレータ13gからフロント信号値に基づくセーフィング判定オン信号が入力した場合であっても、ANDゲート13hによってフロア信号値に基づくセーフィング判定オン/オフ信号との論理積をとることで、より厳しいセーフィング要求性能を満たすことが可能となる。
ORゲート13iは、論理和演算を行うことによって、コンパレータ13cあるいはANDゲート13hのいずれかからセーフィング判定オン信号が出力された場合に、セーフィング判定オン信号を点火回路13jに対して出力する。また、それ以外の場合には、セーフィング判定オフ信号を点火回路13jに対して出力する。
SPI13kは、SPI14mから入力した起動判定オン/オフ信号を、点火回路13jに対して出力するシリアルバスである。
点火回路13jは、ORゲート13iからセーフィング判定オン信号が、SPI13kから起動判定オン信号が、それぞれ入力した場合にのみ、スクイブへの点火を行う着火ユニットである。また、それ以外の場合には、点火回路13jは、スクイブへの点火を行わない。
マイコン14は、いわゆる演算処理装置であり、フロア信号およびフロント信号の双方に基づき、冗長構成におけるメイン起動判定を行うとともに、フロント信号に基づき、冗長構成における第2のセーフィング判定を行う制御ユニットである。
ADC14aは、上述したADC13aと同様に、フロアセンサ11から入力したフロア信号を、アナログ信号からデジタル信号へ変換して演算処理部14bへ出力する変換回路である。
演算処理部14bは、上述した演算処理部13bと同様に、ADC14aから入力したフロア信号に基づくフロア信号値を算出する処理を行う処理部である。なお、かかる算出処理には、フィルタを介して行われるノイズ除去などが含まれる。また、演算処理部14bは、算出したフロア信号値を、フロアLoマップ判定部14cおよびフロアHiマップ判定部14dに対して出力する処理を併せて行う。
フロアLoマップ判定部14cは、演算処理部14bから入力したフロア信号値と、エアバッグの起動制御に関する所定の第4の閾値である「フロアLoマップ」とを比較する処理を行う処理部である。また、フロアLoマップ判定部14cは、フロア信号値がフロアLoマップ以上である場合には起動を要とする起動判定オン信号を、フロア信号値がLoマップに満たない場合には起動を不要とする起動判定オフ信号を、ANDゲート14jに対して出力する処理を併せて行う。
なお、フロアLoマップ判定部14cにおける処理動作は、後述するフロントLoマップ判定部14iにおいてフロント信号に基づく「フロント信号値」が所定の「フロントLoマップ」(後述)以上である場合に、有効となる。
フロアHiマップ判定部14dは、演算処理部14bから入力したフロア信号値と、エアバッグの起動制御に関する所定の第3の閾値である「フロアHiマップ」とを比較する処理を行う処理部である。また、フロアHiマップ判定部14dは、フロア信号値がフロアHiマップ以上である場合には起動を要とする起動判定オン信号を、フロア信号値がフロアHiマップに満たない場合には起動を不要とする起動判定オフ信号を、ORゲート14kに対して出力する処理を併せて行う。
SPI14eは、サテライト通信I/F12から入力したフロント信号を演算処理部14fおよび演算処理部14hに対して出力するシリアルバスである。
演算処理部14hは、上述した演算処理部13fと同様に、SPI14eから入力したフロント信号に基づくフロント信号値を算出する処理を行う処理部である。また、演算処理部14hは、算出したフロント信号値を、フロントLoマップ判定部14iに対して出力する処理を併せて行う。
フロントLoマップ判定部14iは、演算処理部14hから入力したフロント信号値と、エアバッグの起動制御に関する所定の閾値である「フロントLoマップ」とを比較する処理を行う処理部である。また、フロントLoマップ判定部14iは、フロント信号値がフロントLoマップ以上である場合には起動を要とする起動判定オン信号を、フロント信号値がフロントLoマップに満たない場合には起動を不要とする起動判定オフ信号を、ANDゲート14jに対して出力する処理を併せて行う。
ANDゲート14jは、フロアLoマップ判定部14cおよびフロントLoマップ判定部14iのそれぞれから入力した起動判定オン/オフ信号の論理積演算を行うことによって、フロアLoマップ判定部14cおよびフロントLoマップ判定部14iの双方から起動判定オン信号が出力された場合にのみ、起動判定オン信号をORゲート14kに対して出力する。また、それ以外の場合には、起動判定オフ信号をORゲート14kに対して出力する。
ORゲート14kは、論理和演算を行うことによって、フロアHiマップ判定部14dあるいはANDゲート14jのいずれかから起動判定オン信号が出力された場合に、起動判定オン信号をANDゲート14lに対して出力する。また、それ以外の場合には、起動判定オフ信号をANDゲート14lに対して出力する。
演算処理部14fは、上述した演算処理部14hと同様に、SPI14eから入力したフロント信号に基づくフロント信号値を算出する処理を行う処理部である。また、演算処理部14fは、算出したフロント信号値を、コンパレータ14gに対して出力する処理を併せて行う。
第2セーフィング判定部として機能するコンパレータ14gは、演算処理部14fから入力したフロント信号値と、前述の所定の閾値である「フロント閾値」とを比較する。そして、フロント信号値がフロント閾値以上である場合にはセーフィング判定オン信号を、フロント信号値がフロント閾値に満たない場合にはセーフィング判定オフ信号を、ANDゲート14lに対して出力する。
ANDゲート14lは、ORゲート14kから入力した起動判定オン/オフ信号のオン/オフと、コンパレータ14gから入力したセーフィング判定オン/オフ信号のオン/オフとの論理積演算を行うことによって、ORゲート14kから起動判定オン信号が、コンパレータ14gからセーフィング判定オン信号がそれぞれ出力された場合にのみ、マイコン14における起動判定オン信号をSPI14mに対して出力する。また、それ以外の場合には、起動判定オフ信号をSPI14mに対して出力する。
SPI14mは、ANDゲート14lから入力した起動判定オン/オフ信号を、ASIC13のSPI13kに対して出力するシリアルバスである。
なお、上述した「フロアHi閾値」、「フロアLo閾値」、「フロント閾値」、「フロアHiマップ」、「フロアLoマップ」および「フロントLoマップ」といった情報は、いわゆる適合試験などによって導出されたうえで、メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイス(図示せず)へあらかじめ記憶される。
また、上述の点火回路13jに関して換言すれば、点火回路13jは、メイン起動判定部、第1セーフィング判定部および第2セーフィング判定部のいずれにおいてもエアバッグの起動を要すると判定された場合にのみ、エアバッグを起動させる起動制御ユニットであるということができる。
次に、上述した閾値相互の関係について図3を用いて説明する。図3は、閾値相互の関係を示す図である。なお、図3の(A)には、フロア信号値について用いる閾値相互の関係を、図3の(B)には、フロント信号値について用いる閾値相互の関係を、それぞれ示している。
図3の(A)に示すように、フロア信号値について用いる閾値相互の関係は、「ASIC13内の「フロアLo閾値」≦マイコン14内の「フロアLoマップ」の下限値<ASIC13内の「フロアHi閾値」≦マイコン14内の「フロアHiマップ」の下限値」のように関連付けることが好ましい(図3の(A)の破線参照)。
これにより、少なくともASIC13における第1セーフィング判定部の応答遅れを防止することができるので、レスポンス性の高いエアバッグの起動制御を行うことが可能となる。
なお、図3の(A)には「フロアLoマップ」、「フロアHi閾値」および「フロアHiマップ」が所定のレンジを有している例を示しているが、これは、車種などによって異なる加速度の伝達特性などに応じて可変設定可能なことをあらわしている。
また、図3の(A)に示すように、一般にASIC13と比較して処理能力に優れるマイコン14内の「フロアLoマップ」および「フロアHiマップ」について広いレンジを持たせることで、各加速度センサの出力の多様性に応じた、精度の高いエアバッグの起動制御を行うことが可能となる。
なお、ここで、フロア信号値について用いる閾値の要件例について述べておく。たとえば、「フロアLo閾値」は、ノイズをセーフィング判定オフとできるレベルの閾値である。また、たとえば、「フロアLoマップ」は、オフセット衝突のようにフロア信号値に反映されにくいケースに起動判定オン/オフを切り分けるレベルの閾値である。
また、たとえば、「フロアHi閾値」は、ノイズと「意地悪要件」とが同時に生じた場合であっても、セーフィング判定オフとできるレベルの閾値である。また、たとえば、「フロアHiマップ」は、正面衝突のようにフロア信号値に反映されやすいケースに起動判定オン/オフを切り分けるレベルの閾値である。
また、図3の(B)に示すように、フロント信号値について用いる閾値相互の関係は、「ASIC13内およびマイコン14内の「フロント閾値」≦マイコン14内の「フロントLoマップ」の下限値」のように関連付けることが好ましい(図3の(B)の破線参照)。
これにより、フロア信号値について用いる閾値の場合と同様に、少なくとも、ASIC13における第1セーフィング判定部の応答遅れ、および、マイコン14における第2セーフィング判定部の応答遅れを防止することができるので、レスポンス性の高いエアバッグの起動制御を行うことが可能となる。
なお、「フロント閾値」および「フロントLoマップ」が有するレンジに関しては、図3の(A)に示したフロア信号値について用いる閾値の場合と同様であるので、ここでの記載は省略する。
また、ここで、フロント信号値について用いる閾値の要件例についても述べておく。たとえば、「フロント閾値」は、ノイズと「意地悪要件」とが同時に生じた場合であっても、セーフィング判定オフあるいは起動判定オフとできるレベルの閾値である。
また、たとえば、「フロントLoマップ」は、ノイズと「意地悪要件」とが同時に生じた場合に起動判定オフとでき、かつ、フロント信号値に基づく起動判定オン/オフを切り分けるレベルの閾値である。
次に、フロアLo閾値、フロアHi閾値およびフロント閾値の設定例について、図4を用いて説明する。図4は、フロアLo閾値、フロアHi閾値およびフロント閾値の設定例を示す図である。
なお、図4の(A)には、フロアLo閾値およびフロアHi閾値の設定例を、図4の(B)には、フロント閾値の設定例を、それぞれ示している。
図4の(A)に示すように、フロアLo閾値は、ノイズOFF要件Rが生じた場合に、確実にセーフィング判定をオフとできることを目安として設定される。たとえば、図4の(A)には、フロアLo閾値が、「3.0G」と設定された例を示している。
また、図4の(A)に示すように、フロアHi閾値は、ノイズOFF要件Rと、意地悪要件のうちセーフィング判定オフすべき要件であるところの意地悪OFF要件Qとが同時に生じた場合であっても、確実にセーフィング判定をオフとできることを目安として設定される。たとえば、図4の(A)には、フロアHi閾値が、「3.5〜5.5G」のレンジで設定された例を示している。
また、図4の(B)に示すように、フロント閾値は、ノイズOFF要件Rと意地悪OFF要件Qとが同時に生じた場合であっても、余裕をもって確実にセーフィング判定をオフとできることを目安として設定される。たとえば、図4の(B)には、フロント閾値が、「10.0〜20.0G」のレンジで設定された例を示している。
次に、フロントLoマップ、フロアLoマップおよびフロアHiマップの設定例について、図5を用いて説明する。図5は、フロントLoマップ、フロアLoマップおよびフロアHiマップの設定例を示す図である。
なお、図5の(A)には、フロントLoマップの設定例を、図5の(B)には、フロアLoマップおよびフロアHiマップの設定例を、それぞれ示している。ここで、図5の(A)および(B)の縦軸は、たとえば、フロントあるいはフロアにおける加速度を区間積分した積分値である。また、横軸は、たとえば、フロアの加速度を全積分(区間を区切らずに積分)することで速度相当の値となる演算値である。
図5の(A)に示すように、フロントLoマップは、ノイズOFF要件Rと意地悪OFF要件Qとが同時に生じ、かつ、エアバッグを起動すべきでない要件であるところのエアバッグOFF要件Pが生じた場合であっても、確実に起動判定をオフとできることを目安として設定される。たとえば、図5の(A)には、フロントLoマップが、「10.0〜30.0G」のレンジで設定された例を示している。
なお、図5の(A)に示すように、フロントLoマップは、エアバッグを起動すべき要件であるところのエアバッグON要件Oが生じた場合には、確実に起動判定をオンとできる設定値であることは言うまでもない。
また、図5の(B)に示すように、フロアLoマップは、オフセット衝突時などにエアバッグを起動すべきでない要件であるところのエアバッグOFF要件P1、および、ノイズOFF要件Rのいずれが生じた場合であっても、確実に起動判定をオフとできることを目安として設定される。たとえば、図5の(B)には、フロアLoマップが、「3.0〜6.0G」のレンジで設定された例を示している。
また、図5の(B)に示すように、フロアHiマップは、正面衝突時などにエアバッグを起動すべきでない要件であるところのエアバッグOFF要件P2、および、ノイズOFF要件Rと意地悪OFF要件Qとが同時に生じた場合であっても、確実に起動判定をオフとできることを目安として設定される。たとえば、図5の(B)には、フロアHiマップが、「10.0〜20.0G」のレンジで設定された例を示している。
なお、図5の(B)に示すように、フロアLoマップおよびフロアHiマップは、フロントLoマップの場合と同様(図5の(A)参照)、エアバッグON要件Oが生じた場合には、確実に起動判定をオンとできる設定値であることは言うまでもない。
次に、実施例に係るエアバッグECU10が実行する処理手順について図6を用いて説明する。図6は、実施例に係るエアバッグECU10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図6に示したように、実施例に係るエアバッグECU10においては、フロアセンサからのフロア信号が、ASIC13およびマイコン14に対してそれぞれ入力される。また、フロントセンサからのフロント信号についても、ASIC13およびマイコン14に対してそれぞれ入力される。
そして、ASIC13においては、入力されたフロア信号およびフロント信号に基づいてASIC処理を行う(ステップS101)。なお、かかるステップS101のASIC処理においては、マイコン14によって通知される後述の起動判定結果を取得する。ASIC処理の内容については、図7を用いて後述する。
そして、ASIC13は、ステップS101のASIC処理を行った後、処理を終了する。
また、マイコン14においては、入力されたフロア信号およびフロント信号に基づいてマイコン処理を行う(ステップS102)。かかるステップS102のマイコン処理の内容については、図8を用いて後述する。
そして、マイコン14は、ステップS102のマイコン処理において判定された起動判定結果を、ASIC13に対して通知した後(ステップS103)、処理を終了する。
次に、図6のステップS101に示したASIC処理の詳細な処理手順について、図7を用いて説明する。図7は、実施例1に係るエアバッグECU10におけるASIC処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示したように、実施例に係るエアバッグECU10におけるASIC13は、フロアセンサからのフロア信号について、ADC13aにおいてA/D変換を行う(ステップS201)。そして、演算処理部13bが、フロア信号値の演算を行う(ステップS202)。
また、フロントセンサからのフロント信号については、演算処理部13fが、フロント信号値の演算を行う(ステップS203)。
そして、第1セーフィング判定部において、コンパレータ13cが、フロア信号値がフロアHi閾値以上であるか否かを判定する(ステップS204)。ここで、フロア信号値がフロアHi閾値以上であると判定された場合(ステップS204,Yes)、第1セーフィング判定部におけるセーフィング判定をオン、すなわち、第1セーフィング判定部においてはエアバッグの起動を要すると判定する(ステップS205)。
また、ステップS204の判定条件を満たさなかった場合(ステップS204,No)、コンパレータ13dが、フロア信号値がフロアLo閾値以上であるか否かを判定する(ステップS206)。
ここで、フロア信号値がフロアLo閾値以上であると判定された場合(ステップS206,Yes)、コンパレータ13gが、フロント信号値がフロント閾値以上であるか否かを判定する(ステップS207)。
そして、フロント信号値がフロント閾値以上であると判定された場合(ステップS207,Yes)、第1セーフィング判定部におけるセーフィング判定をオンとする(ステップS208)。
なお、ステップS206の判定条件を満たさなかった場合(ステップS206,No)、あるいは、ステップS207の判定条件を満たさなかった場合(ステップS207,No)、第1セーフィング判定部におけるセーフィング判定をオフ、すなわち、第1セーフィング判定部においてはエアバッグの起動を要しないと判定する(ステップS209)。
そして、第1セーフィング判定部におけるセーフィング判定がオンであるか否かを判定する(ステップS210)。ここで、セーフィング判定がオンであると判定された場合(ステップS210,Yes)、点火回路13jは、マイコン14からの起動判定結果を取得する(ステップS211)。
そして、点火回路13jは、マイコン14からの起動判定結果において起動判定がオンであるか否かを判定する(ステップS212)。ここで、起動判定がオンであると判定された場合(ステップS212,Yes)、点火回路13jは、スクイブへの点火を行ったうえで(ステップS213)、処理を終了する。
なお、ステップS212の判定条件を満たさなかった場合(ステップS212,No)、点火回路13jは、スクイブへの点火を行うことなく(ステップS214)、処理を終了する。
また、ステップS210の判定条件を満たさなかった場合についても(ステップS210,No)、スクイブへの点火を行うことなく(ステップS215)、処理を終了する。
次に、図6のステップS102に示したマイコン処理の詳細な処理手順について、図8を用いて説明する。図8は、実施例に係るエアバッグECU10におけるマイコン処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示したように、実施例に係るエアバッグECU10におけるマイコン14は、フロアセンサからのフロア信号について、ADC14aにおいてA/D変換を行う(ステップS301)。そして、演算処理部14bが、フロア信号値の演算を行う(ステップS302)。
また、フロントセンサからのフロント信号については、メイン起動判定系につき、演算処理部14hが、フロント信号値の演算を行う(ステップS303)。
そして、フロントLoマップ判定部14iが、フロント信号値がフロントLoマップ以上であるか否かを判定する(ステップS304)。ここで、フロント信号値がフロントLoマップ以上であると判定された場合(ステップS304,Yes)、フロア閾値について、フロアLoマップが選択される(ステップS305)。
また、ステップS304の判定条件を満たさなかった場合(ステップS304,No)、フロア閾値について、フロアHiマップが選択される(ステップS306)。
つづいて、フロアLoマップ判定部14cあるいはフロアHiマップ判定部14dが、フロア信号値がフロア閾値以上であるか否かを判定する(ステップS307)。ここで、フロア信号値がフロア閾値以上であると判定された場合(ステップS307,Yes)、第2セーフィング判定部として機能するコンパレータ14gが、セーフィング判定系につき、フロント信号値がフロント閾値以上であるか否かを判定する(ステップS308)。
ここで、フロント信号値がフロント閾値以上であると判定された場合(ステップS308,Yes)、フロント信号に基づくセーフィング判定をオンとする(ステップS309)。
また、ステップS308の判定条件を満たさなかった場合(ステップS308,No)、フロント信号に基づくセーフィング判定をオフとする(ステップS310)。
そして、第2セーフィング判定部におけるセーフィング判定がオンであるか否かを判定する(ステップS311)。
ここで、セーフィング判定がオンであると判定された場合(ステップS311,Yes)、実施例に係るエアバッグECU10におけるマイコン14は、マイコン処理における起動判定をオン、すなわち、マイコン処理においてはエアバッグの起動を要すると判定したうえで(ステップS312)、処理を終了する。
なお、ステップS307の判定条件を満たさなかった場合(ステップS307,No)、あるいは、ステップS311の判定条件を満たさなかった場合(ステップS311,No)、マイコン処理における起動判定をオフ、すなわち、マイコン処理においてはエアバッグの起動を要しないと判定したうえで(ステップS313)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例では、車両の中央部近傍に配置されるフロアセンサ、および、車両の周縁部近傍に配置されるフロントセンサ双方の出力信号に基づいてメイン起動判定を行い、フロアセンサおよびフロントセンサ双方の出力信号に基づいて第1のセーフィング判定を行い、フロントセンサの出力信号に基づいて第2のセーフィング判定を行い、メイン起動判定、第1のセーフィング判定および第2のセーフィング判定のいずれにおいても起動を要すると判定された場合に、エアバッグを起動させるようにエアバッグECUを構成した。したがって、低コストで、かつ、精度よく、エアバッグの起動を制御することができる。
ところで、上述した実施例では、車両の車種などによって加速度の伝達特性が異なる点について触れた。かかる伝達特性の違いは、車両の車体周縁部に配置されるフロントセンサの場合に顕著にあらわれるが、車種などによっては、フロントセンサによる加速度の検出が困難なケースも考えられる。
そこで、かかる場合のバックアップ対応について述べておく。かかる場合、フロントセンサの出力信号のみによってセーフィング判定を行うマイコン内の第2セーフィング判定部(実施例で示した図2参照)については、エアバッグECU内に別途フロアセンサを設けたうえで、かかるフロアセンサの出力信号に基づいてセーフィング判定を行わせることでバックアップ対応が可能である。これにより、少なくとも信頼性および精度を保ちつつ、エアバッグの起動を制御することが可能となる。
また、フロントセンサは、エアバッグECUと分離して配置されるため、断線が生じるようなケースも考えられるが、かかる場合であっても、マイコンのメイン起動判定およびASICの第1のセーフィング判定については、少なくともフロアセンサの信号系統による処理を行うことができるので、冗長構成による信頼性を確保することが可能である。なお、かかる場合、実施例で示した点火回路は、メイン起動判定と、第1のセーフィング判定のいずれにおいてもエアバッグの起動を要すると判定された場合に、エアバッグを起動させればよい。これによっても、低コストで、かつ、精度よく、エアバッグの起動を制御することができる。
また、別途、断線を検出する処理部を設けることとしたうえで、かかる処理部が断線を検出したならば、所定時間、強制的にオン信号を出力するようにしてもよい。かかる場合、断線にも関わらず第2セーフィング判定部を動作させることができるので、信頼性および精度を保ちつつ、エアバッグの起動を制御することができる。
また、上述した実施例では、フロントセンサが、車両の車体前部に配置されている場合について主に説明したが、車体側部あるいは車体後部など、車両の他の箇所へ配置されている場合についても本発明を適用することができる。
また、上述した実施例では、乗員保護装置が、エアバッグである場合について主に説明したが、エアバッグと同様に、車両の衝突検知時に起動するプリテンショナーなどの乗員保護装置の乗員保護制御装置について本発明を適用することとしてもよい。
以上のように、本発明に係る乗員保護制御装置は、低コストで、かつ、精度よく、乗員保護装置の起動を制御したい場合に有用であり、特に、低コストでありながら高い安全性の求められる低価格乗用車などの乗員保護制御装置への適用に適している。
10 エアバッグECU
11、11a、11b フロアセンサ
12 サテライト通信I/F
121 右フロントセンサ
122 左フロントセンサ
13 ASIC
13a ADC
13b、13f 演算処理部
13c、13d、13g コンパレータ
13e、13k SPI
13h ANDゲート
13i ORゲート
13j 点火回路
14 マイコン
14a ADC
14b、14f、14h 演算処理部
14c フロアLoマップ判定部
14d フロアHiマップ判定部
14e、14m SPI
14g コンパレータ
14i フロントLoマップ判定部
14j、14l ANDゲート
14k ORゲート
50 車両

Claims (4)

  1. 乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護制御装置であって、
    車両の中央部近傍に配置される第1の加速度センサ、および、前記車両の周縁部近傍に配置される第2の加速度センサ双方の出力信号に基づいて、前記乗員保護装置の起動判定を行うメイン起動判定手段と、
    前記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の第1の閾値以上である場合、または、前記第2の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の閾値以上であるとともに前記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が前記第1の閾値よりも小さい所定の第2の閾値以上である場合に、前記乗員保護装置の起動を要すると判定する第1セーフィング判定手段と、
    前記メイン起動判定手段と、前記第1セーフィング判定手段のいずれにおいても起動を要すると判定された場合に、前記乗員保護装置を起動させる起動制御手段と
    を備えたことを特徴とする乗員保護制御装置。
  2. 前記第1のセーフィング判定手段が設けられる処理部とは別体で構成される処理部に設けられ、前記第2の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の閾値以上である場合に、前記乗員保護装置の起動を要すると判定する第2のセーフィング判定手段
    をさらに備え、
    前記起動制御手段は、
    前記メイン起動判定手段と、前記第1セーフィング判定手段および前記第2のセーフィング判定手段のいずれにおいても起動を要すると判定された場合に、前記乗員保護装置を起動させることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護制御装置。
  3. 前記メイン起動判定手段は、
    前記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の第3の閾値以上である場合、または、前記第2の加速度センサの出力信号に基づく演算値が所定の閾値以上であるとともに前記第1の加速度センサの出力信号に基づく演算値が前記第3の閾値よりも小さい所定の第4の閾値以上である場合に、前記乗員保護装置の起動を要すると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の乗員保護制御装置。
  4. 前記第1のセーフィング判定手段は集積回路に設けられ、前記メイン起動判定手段および前記第2のセーフィング判定手段は演算処理装置に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の乗員保護制御装置。
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