JP5759102B2 - Vii因子・組織因子共有結合複合体 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの新規な共有結合複合体、特に機能的に活性で、対応する遊離のVII因子ポリペプチドと比較してX因子に対して亢進されたタンパク分解活性を有する該複合体に関する。かかる複合体は出血性疾患の治療に特に有用であると考えられる。
(発明の背景)
高められた生物学的活性を有するVIIa因子ポリペプチドは、組換え型VIIa因子の最適以下の作用強度のため一般的な組換え型VIIa因子療法には部分的もしくは完全に不応性である止血不能の出血の治療のための望ましい分子である。作用強度を高めるための現在のアプローチ法は、組織因子とは無関係に、活性化血小板に対する直接のX因子活性化であると思われる組換え型VIIa因子の作用機序を反映させている。
組織因子は、血管外膜の細胞に常在する263個のアミノ酸の膜内在性糖タンパク質レセプターである。組織因子は、それぞれ単一のジスルフィド結合によって安定化された2つの緻密なフィブロネクチンIII型様ドメインに折り畳まれた細胞外部分(1−219)、膜貫通セグメント(220−242)、及び短い細胞質側末端(243−263)からなる。組織因子は、血管外傷時に循環系から捕捉されるVII因子と密接なCa2+依存性複合体を形成することにより血液凝固の重要な阻害剤として作用する。組織因子はまた最適な巨大分子エキソサイト相互作用のためのスキャフォールドを提供し、VIIa因子のプロテアーゼドメインに立体構造変化を誘導して、活性部位領域を正しく形成することによって、その生理学的基質IX因子及びX因子に向けてのVIIa因子のタンパク分解活性を大きく亢進する。直接のタンパク質間相互作用から生じるTFによるFVIIaの立体構造活性化は、VIIa因子に組織因子の可溶型外部ドメインを供給することによってインビトロで反復されうる。
Miyata等, Biochemistry, 36, 1997, 5120-5127は、ホモ二官能性アミン特異的試薬によって化学的に架橋されている組換え型VIIa因子と可溶型組織因子の共有結合複合体を開示している。しかしながら、その架橋複合体はX因子に対してタンパク分解活性を示さなかった。
(発明の簡単な説明)
本発明は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの新規な共有結合複合体に関する。該複合体は、対応する遊離のVII因子ポリペプチドに対して、巨大分子基質X因子に対する亢進されたタンパク分解活性を示す。
より詳細には、本発明は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの共有結合複合体であって、該VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の指定された結合によって共有結合されている複合体に関する。
更に、本発明は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの共有結合複合体であって、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の結合によって共有結合され、VIIa因子ポリペプチドのタンパク分解活性が、明細書記載のインビトロタンパク分解アッセイによって測定して、遊離の天然(野生型)VIIa因子の活性の少なくとも2倍、例えば少なくとも50倍、例えば少なくとも100倍、例えば少なくとも200倍、又は少なくとも250倍である複合体にも関する。
本発明はまたここで定義されたVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの複合体の製造方法であって、a)(i)VII因子ポリペプチドをコードする核酸分子と該核酸分子に作用可能に結合した発現制御領域を含む発現ベクターと(ii)組織因子ポリペプチドをコードする核酸分子と該核酸分子に作用可能に結合した発現制御領域を含む発現ベクターとを細胞に形質移入し、b)形質移入細胞を、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの発現条件下で培養し、c)発現された複合体を適切な手段によって単離することを含む方法にも関する。
(発明の詳細な説明)
本発明はとりわけVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの共有結合複合体であって、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の指定された結合によって共有結合されている複合体に関する。
本明細書において、「共有結合複合体」なる用語は、少なくとも一つの共有連結又は結合と複数の非共有結合性相互作用、例えば水素結合、疎水性相互作用等々によって関連させられた二分子(ここでは、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチド)のことである。よって、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドはこのようにして共有結合している。
該二つのポリペプチドは、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の指定された結合によって結合している。
ここで用いられる場合、「VII因子ポリペプチド」なる用語は、野生型VII因子(つまり、米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列を有するポリペプチド)、並びに野生型VII因子に対して実質的に同じか又は改善された生物学的活性を示すVII因子の変異体、VII因子誘導体及びVII因子コンジュゲートを包含する。「VII因子」なる用語は、その未切断(チモーゲン)型のVII因子ポリペプチド、並びにタンパク分解的にプロセッシングされてそのそれぞれの生理活性形態を生じるものを包含することを意図しており、これはVIIa因子と標記することができる。「VII因子ポリペプチド」なる用語はまたVIIa因子生物学的活性が野生型VIIa因子の活性に対して実質的に改変されているか又は些か低減されている変異体を含むポリペプチドを包含する。これらのポリペプチドには、限定するものではないが、ポリペプチドの生理活性を変更又は乱す特定のアミノ酸配列改変を導入したVII因子又はVIIa因子が含まれる。
血液凝固におけるVIIa因子の生物学的活性は、(i)組織因子(TF)に結合し、(ii)IX因子又はX因子のタンパク分解性切断を触媒して、活性型IX又はX因子(ぞれぞれIXa又はXa因子)を生産するその能力から導かれる。
本明細書において、「機能的に活性なVII因子ポリペプチド」なる用語は、タンパク分解的にプロセッシングされてその各活性型を生じ、しばしば「VIIa因子ポリペプチド」と称される「VII因子ポリペプチド」を意味する。
ある重要な実施態様では、VII因子ポリペプチドは機能的に活性である。
ここで使用される「野生型ヒトFVIIa」は米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列を有するポリペプチドである。
ここで使用される「VII因子誘導体」なる用語は、親ペプチドのアミノ酸の一又は複数が、例えばアルキル化、グリコシル化、ペグ化、アシル化、エステル形成又はアミド形成等々によって遺伝的及び/又は化学的及び/又は酵素的に修飾されている、野生型VII因子に対して実質的に同じか又は改善された生物学的活性を示すFVIIポリペプチドを示すことを意図している。限定されるものではないが、これには、ペグ化ヒトVIIa因子、システイン-ペグ化ヒトVIIa因子及びそれらの変異体が含まれる。VII因子誘導体の非限定的な例には、国際公開第03/31464号及び米国特許出願第20040043446号、同第20040063911号、同第20040142856号、同第20040137557号、及び同第20040132640号(Neose Technologies, Inc.)に開示された糖ペグ化FVII誘導体;国際公開第01/04287号、米国特許出願第20030165996号、国際公開第01/58935号、同第03/93465号(Maxygen ApS)及び国際公開第02/02764号、米国特許出願第20030211094号 (University of Minnesota)に開示されたFVIIコンジュゲートが含まれる。
「改善された生物学的活性」なる用語は、i)組換え野生型ヒトVIIa因子と比較して実質的に同じか又は増加したタンパク分解活性を持つFVIIポリペプチド、あるいはii)組換え野生型ヒトVIIa因子と比較して実質的に同じか又は増加したTF結合活性を持つFVIIポリペプチドあるいはiii)組換え野生型ヒトVIIa因子と比較して実質的に同じか又は増加した血漿中半減期を持つFVIIポリペプチドを意味する。「ペグ化ヒトVIIa因子」なる用語は、ヒトVIIa因子ポリペプチドにコンジュゲートしたPEG分子を有するヒトVIIa因子を意味する。PEG分子は、VIIa因子ポリペプチドの任意のアミノ酸残基又は糖鎖部分を含むVIIa因子ポリペプチドの任意の部分に結合しうることが理解されなければならない。「システイン-ペグ化ヒトVIIa因子」なる用語はヒトVIIa因子に導入されたシステインのスルフヒドリル基にコンジュゲートしたPEG分子を有するVIIa因子を意味する。
組換え野生型ヒトVIIa因子と比較して実質的に同じか又は増加したタンパク分解活性をVII因子ポリペプチドに付与するVII因子ポリペプチド中のアミノ酸の更なる置換の非限定的な例には、S52A、S60A(Lino等, Arch. Biochem. Biophys. 352: 182-192, 1998);米国特許第5580560号に開示されたような増大したタンパク分解活性を示すFVIIaポリペプチドを提供する置換;残基290と291の間又は残基315と316の間でタンパク分解的に切断されたFVIIaポリペプチドを提供する置換(Mollerup等, Biotechnol. Bioeng. 48:501-505, 1995);VIIa因子の酸化型(Kornfelt等, Arch. Biochem. Biophys. 363:43-54, 1999);国際公開第02/077218号に開示されたようなFVIIaポリペプチドにおける置換;及び国際公開第02/38162(Scripps Research Institute)に開示されたような増加したタンパク分解安定性を示すFVIIaポリペプチドにおける置換;国際第99/20767号、米国特許第6017882号及び同第6747003号、米国特許出願第20030100506号(University of Minnesota)及び国際公開第00/66753号、米国特許出願第20010018414号、同第2004220106号、及び同第200131005号、米国特許第6762286号及び同第6693075号(University of Minnesota)に維持されたような修飾Glaドメインを有し高い膜結合性を示すポリペプチドを提供するFVIIaポリペプチドにおける置換;及び国際公開第01/58935号、米国特許第6806063号、米国特許出願第20030096338号(Maxygen ApS)、国際公開第03/93465号(Maxygen ApS)、国際公開第04/029091号(Maxygen ApS)、国際公開第04/083361号(Maxygen ApS)、及び国際公開第04/111242号(Maxygen ApS)、並びに国際公開第04/108763号(Canadian Blood Services)に開示されたFVIIaポリペプチドにおける置換が含まれる。
野生型FVIIaと比較して増大した生物学的活性を有するFVIIポリペプチドを提供するFVIIaポリペプチドにおける更なる置換の非限定的な例には、国際公開第01/83725号、同第02/22776号、同第02/077218号、同第03/027147号、同第04/029090号、同第03/027147号;同第02/38162号(Scripps Research Institute)に開示された置換;及びJP2001061479(Chemo-Sero-Therapeutic Res Inst.)に開示された亢進した活性を有するFVIIaポリペプチドが含まれる。
本発明のFVIIaポリペプチドにおける更なる置換の例には、限定するものではないが、L305V、L305V/M306D/D309S、L305I、L305T、F374P、V158T/M298Q、V158D/E296V/M298Q、K337A、M298Q、V158D/M298Q、L305V/K337A、V158D/E296V/M298Q/L305V、V158D/E296V/M298Q/K337A、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A、K157A、E296V、E296V/M298Q、V158D/E296V、V158D/M298K、及びS336G、L305V/K337A、L305V/V158D、L305V/E296V、L305V/M298Q、L305V/V158T、L305V/K337A/V158T、L305V/K337A/M298Q、L305V/K337A/E296V、L305V/K337A/V158D、L305V/V158D/M298Q、L305V/V158D/E296V、L305V/V158T/M298Q、L305V/V158T/E296V、L305V/E296V/M298Q、L305V/V158D/E296V/M298Q、L305V/V158T/E296V/M298Q、L305V/V158T/K337A/M298Q、L305V/V158T/E296V/K337A、L305V/V158D/K337A/M298Q、L305V/V158D/E296V/K337A、L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、S314E/K316H、S314E/K316Q、S314E/L305V、S314E/K337A、S314E/V158D、S314E/E296V、S314E/M298Q、S314E/V158T、K316H/L305V、K316H/K337A、K316H/V158D、K316H/E296V、K316H/M298Q、K316H/V158T、K316Q/L305V、K316Q/K337A、K316Q/V158D、K316Q/E296V、K316Q/M298Q、K316Q/V158T、S314E/L305V/K337A、S314E/L305V/V158D、S314E/L305V/E296V、S314E/L305V/M298Q、S314E/L305V/V158T、S314E/L305V/K337A/V158T、S314E/L305V/K337A/M298Q、S314E/L305V/K337A/E296V、S314E/L305V/K337A/V158D、S314E/L305V/V158D/M298Q、S314E/L305V/V158D/E296V、S314E/L305V/V158T/M298Q、S314E/L305V/V158T/E296V、S314E/L305V/E296V/M298Q、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q、S314E/L305V/V158T/K337A/M298Q、S314E/L305V/V158T/E296V/K337A、S314E/L305V/V158D/K337A/M298Q、S314E/L305V/V158D/E296V/K337A、S314E/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、S314E/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、K316H/L305V/K337A、K316H/L305V/V158D、K316H/L305V/E296V、K316H/L305V/M298Q、K316H/L305V/V158T、K316H/L305V/K337A/V158T、K316H/L305V/K337A/M298Q、K316H/L305V/K337A/E296V、K316H/L305V/K337A/V158D、K316H/L305V/V158D/M298Q、K316H/L305V/V158D/E296V、K316H/L305V/V158T/M298Q、K316H/L305V/V158T/E296V、K316H/L305V/E296V/M298Q、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q、K316H/L305V/V158T/K337A/M298Q、K316H/L305V/V158T/E296V/K337A、K316H/L305V/V158D/K337A/M298Q、K316H/L305V/V158D/E296V/K337A、K316H/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、K316H/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、K316Q/L305V/K337A、K316Q/L305V/V158D、K316Q/L305V/E296V、K316Q/L305V/M298Q、K316Q/L305V/V158T、K316Q/L305V/K337A/V158T、K316Q/L305V/K337A/M298Q、K316Q/L305V/K337A/E296V、K316Q/L305V/K337A/V158D、K316Q/L305V/V158D/M298Q、K316Q/L305V/V158D/E296V、K316Q/L305V/V158T/M298Q、K316Q/L305V/V158T/E296V、K316Q/L305V/E296V/M298Q、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q、K316Q/L305V/V158T/K337A/M298Q、K316Q/L305V/V158T/E296V/K337A、K316Q/L305V/V158D/K337A/M298Q、K316Q/L305V/V158D/E296V/K337A、K316Q/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、K316Q/L305V/V158T/E296V/M298Q/K337A、F374Y/K337A、F374Y/V158D、F374Y/E296V、F374Y/M298Q、F374Y/V158T、F374Y/S314E、F374Y/L305V、F374Y/L305V/K337A、F374Y/L305V/V158D、F374Y/L305V/E296V、F374Y/L305V/M298Q、F374Y/L305V/V158T、F374Y/L305V/S314E、F374Y/K337A/S314E、F374Y/K337A/V158T、F374Y/K337A/M298Q、F374Y/K337A/E296V、F374Y/K337A/V158D、F374Y/V158D/S314E、F374Y/V158D/M298Q、F374Y/V158D/E296V、F374Y/V158T/S314E、F374Y/V158T/M298Q、F374Y/V158T/E296V、F374Y/E296V/S314E、F374Y/S314E/M298Q、F374Y/E296V/M298Q、F374Y/L305V/K337A/V158D、F374Y/L305V/K337A/E296V、F374Y/L305V/K337A/M298Q、F374Y/L305V/K337A/V158T、F374Y/L305V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V、F374Y/L305V/V158D/M298Q、F374Y/L305V/V158D/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q、F374Y/L305V/E296V/V158T、F374Y/L305V/E296V/S314E、F374Y/L305V/M298Q/V158T、F374Y/L305V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158T/S314E、F374Y/K337A/S314E/V158T、F374Y/K337A/S314E/M298Q、F374Y/K337A/S314E/E296V、F374Y/K337A/S314E/V158D、F374Y/K337A/V158T/M298Q、F374Y/K337A/V158T/E296V、F374Y/K337A/M298Q/E296V、F374Y/K337A/M298Q/V158D、F374Y/K337A/E296V/V158D、F374Y/V158D/S314E/M298Q、F374Y/V158D/S314E/E296V、F374Y/V158D/M298Q/E296V、F374Y/V158T/S314E/E296V、F374Y/V158T/S314E/M298Q、F374Y/V158T/M298Q/E296V、F374Y/E296V/S314E/M298Q、F374Y/L305V/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/E296V/K337A/S314E、F374Y/E296V/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A、F374Y/L305V/E296V/M298Q/S314E、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A、F374Y/V158D/E296V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158D/K337A/S314E、F374Y/V158D/M298Q/K337A/S314E、F374Y/V158D/E296V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A、F374Y/L305V/V158D/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/S314E、F374Y/V158T/E296V/M298Q/K337A、F374Y/V158T/E296V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158T/K337A/S314E、F374Y/V158T/M298Q/K337A/S314E、F374Y/V158T/E296V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158T/E296V/M298Q、F374Y/L305V/V158T/M298Q/K337A、F374Y/L305V/V158T/E296V/K337A、F374Y/L305V/V158T/M298Q/S314E、F374Y/L305V/V158T/E296V/S314E、F374Y/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E、F374Y/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/V158T/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T、F374Y/L305V/E296V/K337A/V158T/S314E、F374Y/L305V/M298Q/K337A/V158T/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A、F374Y/L305V/V158D/E296V/K337A/S314E、F374Y/L305V/V158D/M298Q/K337A/S314E、F374Y/L305V/E296V/M298Q/K337A/V158T/S314E、F374Y/L305V/V158D/E296V/M298Q/K337A/S314E、S52A、S60A;R152E、S344A、T106N、K143N/N145T、V253N、R290N/A292T、G291N、R315N/V317T、K143N/N145T/R315N/V317T;及び233Thrから240Asnまでのアミノ酸配列における置換、付加又は欠失;
304Argから329Cysまでのアミノ酸配列における置換、付加又は欠失;及び153Ileから223Argまでのアミノ酸配列における置換、付加又は欠失が含まれる。
ここで使用される「変異体」又は「変異体群」なる用語は、その親タンパク質の一又は複数のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されており、及び/又はその親タンパク質の一又は複数のアミノ酸が欠失されており、及び/又は一又は複数のアミノ酸がタンパク質に挿入されており、及び/又は一又は複数のアミノ酸が親タンパク質に付加されている、米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列を有するVII因子を示すことを意図している。かかる付加は親タンパク質のN末端又はC末端の何れか又は双方において生じうる。この定義内の「変異体」又は「変異体群」はその活性化型においてFVII活性をなお有している。一実施態様では、変異体は米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列と70%同一である。一実施態様では、変異体は米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列と80%同一である。他の実施態様では、変異体は米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列と90%同一である。更なる実施態様では、変異体は米国特許第4784950号に開示されたアミノ酸配列と95%同一である。
本明細書において、「組織因子ポリペプチド」なる用語は、組織因子の可溶型外部ドメイン、つまりアミノ酸1−219(以下においてsTF又はsTF(1−219)と言う)を含むポリペプチド、又はその機能性変異体又は切断型を意味する。好ましくは、組織因子ポリペプチドは組織因子のアミノ酸配列6−209に対応する断片を少なくとも含む。その例は、特にsTF(6−209)、sTF(1−209)及びsTF(1−219)である。
成熟型ヒト組織因子のアミノ酸配列(1−263)は配列番号2に与えられ、Spicer等(1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 5148-5152に開示されている。
Ser−Gly−Thr−Thr−Asn−Thr−Val−Ala−Ala−Tyr10−Asn−Leu−Thr−Trp−Lys−Ser−Thr−Asn−Phe−Lys20−Thr−Ile−Leu−Glu−Trp−Glu−Pro−Lys−Pro−Val30−Asn−Gln−Val−Tyr−Thr−Val−Gln−Ile−Ser−Thr40−Lys−Ser−Gly−Asp−Trp−Lys−Ser−Lys−Cys−Phe50−Tyr−Thr−Thr−Asp−Thr−Glu−Cys−Asp−Leu−Thr60−Asp−Glu−Ile−Val−Lys−Asp−Val−Lys−Gln−Thr70−Tyr−Leu−Ala−Arg−Val−Phe−Ser−Tyr−Pro−Ala80−Gly−Asn−Val−Glu−Ser−Thr−Gly−Ser−Ala−Gly90−Glu−Pro−Leu−Tyr−Glu−Asn−Ser−Pro−Glu−Phe100−Thr−Pro−Tyr−Leu−Glu−Thr−Asn−Leu−Gly−Gln110−Pro−Thr−Ile−Gln−Ser−Phe−Glu−Gln−Val−Gly120−Thr−Lys−Val−Asn−Val−Thr−Val−Glu−Asp−Glu130−Arg−Thr−Leu−Val−Arg−Arg−Asn−Asn−Thr−Phe140−Leu−Ser−Leu−Arg−Asp−Val−Phe−Gly−Lys−Asp150−Leu−Ile−Tyr−Thr−Leu−Tyr−Tyr−Trp−Lys−Ser160−Ser−Ser−Ser−Gly−Lys−Lys−Thr−Ala−Lys−Thr170−Asn−Thr−Asn−Glu−Phe−Leu−Ile−Asp−Val−Asp180−Lys−Gly−Glu−Asn−Tyr−Cys−Phe−Ser−Val−Gln190−Ala−Val−Ile−Pro−Ser−Arg−Thr−Val−Asn−Arg200−Lys−Ser−Thr−Asp−Ser−Pro−Val−Glu−Cys−Met210−Gly−Gln−Glu−Lys−Gly−Glu−Phe−Arg−Glu−Ile220−Phe−Tyr−Ile−Ile−Gly−Ala−Val−Val−Phe−Val230−Val−Ile−Ile−Leu−Val−Ile−Ile−Leu−Ala−Ile240−Ser−Leu−His−Lys−Cys−Arg−Lys−Ala−Gly−Val250−Gly−Gln−Ser−Trp−Lys−Glu−Asn−Ser−Pro−Leu260−Asn−Val−Ser263(配列番号2)。
本明細書において、「指定された結合」及び「指定された結合群」なる用語は、(場合によってはリンカー部分を介して)共有結合したアミノ酸側鎖の一又は複数のセットによって、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが共有結合していることを意味することを意図しており、ここで、複合体種の少なくとも90%のセットが複合体種の集団全体においてセットの各々内における2個のアミノ酸の少なくとも一つの位置とタイプについて同一である。このような結合は、アミノ酸側鎖間の直接結合として、例えばシステインアミノ酸側鎖間のS-S架橋の形態で、あるいはアミノ酸側鎖を結合させるリンカー部分によって確立されうる。
好ましくは、複合体種の少なくとも95%、又は更には少なくとも98%、又は更には実質的に全てが複合体種の集団全体においてセットの各々内における2個のアミノ酸の少なくとも一つの位置とタイプについて同一である。
共有結合されたアミノ酸側鎖のセットの数は特に重要ではないが、現在の実験結果に鑑みれば、一つのセットだけが必要であると思われる。結合は「指定」されている、つまりセットの各々内における2個のアミノ酸の少なくとも一方の位置とタイプが予め決まっているので、一般的な(ホモ)二官能性架橋剤を使用する「ショットガン」アプローチ法とは異なり、関連したポリペプチドの機能性及びタンパク分解活性を維持することができることが理解されなければならない。換言すれば、共有結合されたアミノ酸側鎖のセットの数は典型的には1−10、例えば1−5、例えば1−4、又は1−3、1−2、又は2−4、又は2−3の範囲、又は1もしくは2の結合、特に1又は2の結合、好ましくはただ一つの結合である。
一又は複数の指定された結合の形成は、それぞれが他のポリペプチドのアミノ酸と反応することができる一又は複数のアミノ酸を一方又は双方のポリペプチドに導入するか、又は一又は複数の特定のアミノ酸(好ましくは1−10個だけのアミノ酸)と反応することができる架橋剤(最も好ましくはヘテロ二官能性架橋剤)を添加することにより、達成することができる。
重要な一実施態様では、VII因子ポリペプチド及び組織因子ポリペプチドの各々は、分子内ジスルフィド結合を樹立するようにはなされていないがVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチド間に分子内ジスルフィド結合、つまり共有結合を形成することができる一又は複数のシステインアミノ酸を含む。
VII因子ポリペプチドのタンパク分解活性を保持するためには、図1に示されているように、そのようなシステインアミノ酸が対応する非共有結合複合体中のVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチド間の天然界面に位置しているのが有利である。成功裡に設計された場合、分子内ジスルフィド結合は、複合体を安定化させ、VIIa因子の触媒的にコンピテントな立体構造を促進する。ジスルフィド設計は、VIIa因子/組織因子複合体のX線構造の応用により実施されている(特にPDBエントリーコード1DANを持つ構造(Banner等(1996) Nature, 380, 41-46))。2個の導入されたシステインアミノ酸間にジスルフィド結合を樹立するための重要な一つの基準は、そのCα原子間の距離が7Å未満であることである(Petersen等(1999) Protein Eng., 12, 535-548)。VIIa因子−組織因子複合体中のVIIa因子と組織因子のCα原子間の距離の計算は17の潜在的なシステイン対を生じる。これらの間のジスルフィド結合の形成の可能性の更なる評価は、ジスルフィドをモデル化(CHARMMパッケージ, Accelrys, SanDiego)した後 、視覚検査によって実施した。Petersen等(1999) Protein Eng., 12, 535-548によって確立された基準を満たすジスルフィドが生化学評価の候補と考えられる。
他の実施態様では、VII因子ポリペプチド及び/又は組織因子ポリペプチドは、光活性化されると、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの間に対応する分子間結合、つまり共有結合を形成することができる一又は複数の反応性アミノ酸を含む。そのような光反応性アミノ酸の例は、Suchanek等(Suchanek等 2005;スキーム1を参照)によって開発されたフォト-イソロイシン(photo−Ile)、フォト-メチオニン(photo−Met)、及びフォト-ロイシン(photo−Leu)、及びp-ベンゾイル-L-フェニルアラニンである。
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タンパク質中へのphoto−Ile、photo−Met、及びphoto−Leuの導入と次の光誘導架橋はSuchanek等(2005) Nature methods, 2, 261-267に記載されている。
あるいは、一又は複数の指定された結合は、VII因子ポリペプチドのアミノ酸と組織因子ポリペプチドのアミノ酸の一又は複数のセットのアミノ酸側鎖間のリンカー部分によって樹立される。そのようなリンカー部分の例は、特定のアミノ酸側鎖、例えばポリペプチドの一方のシステイン側鎖と反応し、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが非共有結合複合体を形成する場合にその特定のアミノ酸側鎖と密に空間的に近接している別のアミノ酸側鎖と反応することができるヘテロ二官能性試薬から誘導されたものである。
特に適したヘテロ二官能性試薬の例は、システインアミノ酸側鎖と最初に反応し、つづいて(好ましくは活性化、例えば光活性化又はロジウム触媒された際)密に空間的に近接している別のアミノ酸側鎖と反応することができるものである。その特定の例は、Zhang等(Biochem. Biophys. Res. Comm., Vol. 217, 3, 1995, 1177-1184)によって開示されているもの、例えばp-アジドヨードアセトアニリド、臭化p-アジドフェナシル及びp-アジドブロモアセトアニリド、及び
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等々である。
上記に鑑みると、共有結合が反応性側鎖によって又はヘテロ二官能性試薬によって樹立される実施態様は、必ずしも全ての種が同一ではない複合体種の集団を生じうることは明らかである。これは、反応性側鎖(例えば光反応性側鎖)とヘテロ二官能性試薬(アミノ酸側鎖との特定の反応後さえ)が、側鎖/試薬のサイズが減少すると「反応対」の数が劇的に減少するけれども、更なる反応時に一を越える潜在的「反応対」を経験しうるためである。
しかしながら、ある実施態様では、実質的に一つの可能な「反応対」が存在するように関連アミノ酸側鎖(又は二官能性試薬)を選択することができる。これは、可能な「反応対」(つまり、他のシステイン)の存在量が非常に限られているため、結合がジスルフィド結合の形態にあるときに特にしかりである。
よって、好ましい実施態様では、本発明は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の特定の結合によって共有結合されている上に定義された複合体を提供する。
本明細書において、「特定の結合」及び「特定の結合群」なる用語は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、共有結合アミノ酸側鎖の一又は複数のセットによって共有結合していることを意味することを意図しており、ここで、複合体種の少なくとも90%のセットが複合体種の集団全体のセットの各々内の各アミノ酸の位置及びタイプに対して同一である。
好ましくは、複合体種の少なくとも95%、又は更には少なくとも98%、又は実質的に全部が複合体種の集団全体のセットの各々内の各アミノ酸の位置及びタイプに対して同一である。
更により好ましくは、上記一又は複数の特定結合は、VII因子ポリペプチドのアミノ酸と組織因子ポリペプチドのアミノ酸の一又は複数のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の直接結合として樹立される。
よって、本発明は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の直接結合によって共有結合されている上に定義された複合体を提供する。
本明細書において、「直接結合」及び「直接結合群」なる用語は、VII因子ポリペプチドのアミノ酸側鎖と組織因子ポリペプチドのアミノ酸側鎖間の少なくとも一つの共有結合が、架橋剤、試薬等から誘導された残基を含まないが、例えばシステインアミノ酸側鎖間のS-S架橋の形態で、しかしそのようなアミノ酸が天然アミノ酸である必要はないが例えば光反応性側鎖でありうることを考慮して、各アミノ酸側鎖から誘導された原子によって形成されていることを意味することを意図している。従って、直接結合の形成は二官能性試薬等を含まない。
上記に鑑みると、アミノ酸のセットは一又は複数のシステインアミノ酸を含んでいることが好ましい。
一変形例では、セットの各々は、例えばヘテロ二官能性試薬へのカップリングの際に使用される1個のシステインアミノ酸を含んでいる。
他の変形例では、セットの各々は2個のシステインアミノ酸を含んでいる。この変形例では、ジスルフィド結合が樹立される。
タンパク分解活性は主として保持され又は亢進さえもされることが見出された。よって、好ましい実施態様は、VIIa因子ポリペプチドのタンパク分解活性が、ここに記載のインビトロタンパク分解アッセイによって測定して、遊離の天然(野生型)VIIa因子の活性の少なくとも2倍、例えば少なくとも50倍、例えば少なくとも100倍、例えば少なくとも200倍、又は少なくとも250倍であるものである。
よって、本発明はまたVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの共有結合複合体であって、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸のセットのアミノ酸側鎖間の一又は複数の結合によって共有結合され、VIIa因子ポリペプチドのタンパク分解活性が、ここに記載のインビトロタンパク分解アッセイによって測定して、遊離の天然(野生型)VIIa因子の活性の少なくとも2倍、例えば少なくとも50倍、例えば少なくとも100倍、例えば少なくとも200倍、又は少なくとも250倍である複合体に関する。
上述の如く、組織因子ポリペプチドは組織因子の可溶型外部ドメイン(1−219)又はその機能性変異体又は切断型である。
ある重要な実施態様では、可溶型組織因子ポリペプチド中の位置Thr17、Lys20、Ile22、Ser42、Gly43、Asp44、Trp45、Lys46、Ser47、Phe50、Cys57、Asp58、Asp61、Gly109、Gln110、Leu133、Ser205、Pro206及びVal207、特に可溶型組織因子ポリペプチド中のTrp45、Asp58、Gly109、Pro206及びVal207のアミノ酸の少なくとも一つが、指定された結合、例えば特定結合、特に直接結合を生じる反応性側鎖を有するアミノ酸によって置換されている。好ましい変形例では、該少なくとも一つのアミノ酸はシステインアミノ酸である。
好ましくは前記のものと組み合わせられる他の重要な実施態様では、VII因子ポリペプチドの位置Leu39、Phe40、Ile42、Ser43、Tyr44、Gln64、Leu65、Ile69、Glu77、Gly78、Arg79、Val92、Phe275、Val276、Arg277、Met306、Thr307、及びGlu325、特にVII因子ポリペプチドのPhe40、Ser43、Gln64 Glu77及びPhe275のアミノ酸の少なくとも一つが、指定された結合、例えば特定結合、特に直接結合を生じる反応性側鎖を有するアミノ酸によって置換されている。好ましい変形例では、該少なくとも一つのアミノ酸はシステインアミノ酸である。
より詳細には、アミノ酸セット
FVII−Ile69 − sTF−Thr17、
FVII−Ile69 − sTF−Lys20、
FVII−Arg79 − sTF−Ile22、
FVII−Val92 − sTF−Ser47、
FVII−Val92 − sTF−Phe50、
FVII−Gly78 − sTF−Cys57、
FVII−Glu77 − sTF−Asp58、
FVII−Gly78 − sTF−Asp58、
FVII−Arg79 − sTF−Asp58、
FVII−Arg277 − sTF−Ser42、
FVII−Val276 − sTF−Gly43、
FVII−Arg277 − sTF−Gly43、
FVII−Phe275 − sTF−Asp44、
FVII−Val276 − sTF−Asp44、
FVII−Arg277 − sTF−Asp44、
FVII−Phe275 − sTF−Trp45、
FVII−Val276 − sTF−Trp45、
FVII−Arg134 − sTF−Trp45、
FVII−Phe275 − sTF−Lys46、
FVII−Gln64 − sTF−Gly109、
FVII−Gln64 − sTF−Gln110、
FVII−Leu65 − sTF−Gln110、
FVII−Phe71 − sTF−Leu133、
FVII−Ser43 − sTF−Ser205、
FVII−Leu39 − sTF−Pro206、
FVII−Phe40 − sTF−Pro206、
FVII−Ile42 − sTF−Pro206、
FVII−Ser43 − sTF−Pro206、
FVII−Tyr44 − sTF−Pro206、
FVII−Leu39 − sTF−Val207、
FVII−Phe40 − sTF−Val207、及び
FVII−Ser43 − sTF−Val207
の少なくとも一つ、
特にアミノ酸セット
FVII−Phe40 − sTF−Val207、
FVII−Ser43 − sTF−Pro206、
FVII−Gln64 − sTF−Gly109、
FVII−Glu77 − sTF−Asp58、及び
FVII−Phe275 − sTF−Trp45
の少なくとも一つのアミノ酸の一方又は双方が、指定された結合、例えば特定結合、特に直接結合を生じる反応性側鎖を有するアミノ酸によって置換されている。
好ましい変形例では、少なくとも一つの直接結合はジスルフィド結合、つまり2個のシステインアミノ酸間の結合である。より好ましくは、全ての共有結合はジスルフィド結合の形態の直接結合である。特に、そのような結合の数は、1−5、特に1の結合である。
他の変形例では、少なくとも一つの直接結合は、特に、photo−Ile、photo−Leu及びphoto−Metからなる群から選択される光反応性アミノ酸を介して形成される。
また更なる実施態様では、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、(i)VII因子ポリペプチドのアミノ酸と(ii)組織因子ポリペプチドのアミノ酸の一又は複数のセットのアミノ酸側鎖間のリンカー部分によって共有結合されている。特に、リンカー部分はヘテロ二官能性試薬から誘導される。
複合体の調製
ヘテロ二官能性試薬を使用する組織因子とVII因子の架橋
一つの興味深い変形例では、複合体の調製方法は、可溶型組織因子のシステイン変異体を生産し、ついで可溶型組織因子中のシステインを、官能基の一つがシステイン反応性であるヘテロ二官能性試薬で標識し、最後に試薬の第二官能基によってVIIa因子に架橋させることを含む。大腸菌中での組織因子のシステイン変異体のクローニング及び発現並びにシステイン特異的試薬での標識の方法は過去に記載されている(Stone等(1995) Biochem. J., 310, 605-614;Freskgard等(1996) Protein Sci., 5, 1521-1540;Owenius等(1999) Biophys. J., 77, 2237-2250;Osterlund等(2001) Biochemistry, 40, 9324-9328)。一つの特異的システイン及び一つの光活性化可能な官能基を含むヘテロ二官能性試薬を使用するタンパク質の光架橋はZhang等(1995) Biochem. Biophys. Res. Commun., 217, 1177-1184に記載されている。
VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの同時発現
一つの特に興味深い変形例では、複合体の調製方法は、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの同時発現を含み、これにより、2つのポリペプチド間に共有結合を直ぐに樹立させることができる。
より詳細には、本発明は、ここに記載のVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの複合体の製造方法であって、a)(i)VII因子ポリペプチドをコードする核酸分子と該核酸分子に作用可能に結合した発現制御領域を含む発現ベクターと(ii)組織因子ポリペプチドをコードする核酸分子と該核酸分子に作用可能に結合した発現制御領域を含む発現ベクターとを細胞に形質移入し、b)形質移入細胞を、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの発現条件下で培養し、c)発現された複合体を適切な手段によって単離することを含む方法にも関する。
この特に興味深い一実施態様では、二つのポリペプチドは、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチド間の特定結合、より詳細には直接結合、例えば一又は複数のジスルフィド結合によって結合されている。
細胞中でのタンパク質の発現は、タンパク質生産の当業者によく知られている。本発明の方法の実施において、細胞は典型的には真核生物細胞、より好ましくは、限定するものではないが、CHO(例えばATCC CCL61)、COS−1(例えばATCC CRL1650)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、及びHEK293(例えばATCC CRL1573;Graham等, J. Gen. Virol. 36:59-72, 1977)細胞株を含む樹立された真核生物細胞株である。好ましいBHK細胞株は、以下ではBHK570細胞と称されるtkts13BHK細胞株(Waechter及びBaserga, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:1106-1110, 1982)である。BHK570細胞株はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション, 12301 Parklawn Dr., Rockville, MD 20852からATCC受託番号CRL10314として入手可能である。tkts13BHK細胞株はまた受託番号CRL1632としてもATCCから入手可能である。好ましいCHO細胞株は、受託番号CC161としてATCCから入手できるCHO K1細胞株である。
他の適切な細胞株には、限定するものではないが、Rat HepI(Rat肝細胞腫;ATCC CRL1600)、Rat HepII(Rat肝細胞腫;ATCC CRL1548)、TCMK(ATCC CCL139)、ヒト肺(ATCC HB8065)、NCTC 1469(ATCC CCL9.1);DUKX細胞(CHO細胞株)(Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220, 1980)(DUKX細胞はDXB11細胞とも称される)、及びDG44(CHO細胞株)(Cell, 33: 405, 1983,及びSomatic Cell and Molecular Genetics 12: 555, 1986)が含まれる。また有用なものは3T3細胞、Namalwa細胞、メラノーマ及びメラノーマと他の細胞との融合体である。ある実施態様では、細胞は変異体又は組換え細胞、例えばそれらが誘導される細胞型とは定性的又は定量的に異なった範囲のタンパク質の翻訳後修飾を触媒する酵素(例えばグリコシル化酵素、例えばグリコシルトランスフェラーゼ及び/又はグリコシダーゼ、又はプロセシング酵素、例えばプロペプチド)を発現する細胞でありうる。適切な昆虫細胞株には限定するものではないが鱗翅類(Lepidoptera)細胞株、例えばスポドプテラ・フルギペルダ細胞又はイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)細胞(例えば米国特許第5077214号を参照)が含まれる。
ある実施態様では、本発明の実施に使用される細胞は懸濁培養で増殖することができる。ここで使用される場合、懸濁コンピテント細胞は大きな堅い凝集体をつくることなく懸濁体中で増殖し得るもの、つまり単分散性であるか凝集体当たり数個のみの細胞を伴って疎凝集体として増殖する細胞である。浮遊コンピテント細胞には、限定するものではないが、適合化又は操作なしに増殖する細胞(例えば造血細胞又はリンパ球細胞)及び懸濁増殖への付着依存性細胞 の漸次的適応化により懸濁コンピテントにされた細胞が含まれる。
本発明の実施に使用される細胞は接着細胞(足場依存性又は付着依存性細胞としても知られている)でありうる。ここで使用される場合、接着細胞はそれ自身を繁殖及び増殖に適した表面に接着させ又は固着させる必要のあるものである。本発明の一実施態様では、使用される細胞は接着細胞である。これらの実施態様では、増殖段階と生産段階の双方がマイクロキャリアの使用を含む。使用される接着細胞は、増殖段階中において担体上に移動し(マクロポーラス担体が使用される場合には担体の内部構造中に)、製造バイオリアクターに移される場合に新しい担体まで移動することができなければならない。接着細胞がそれ自身で新しい担体まで十分に移動することができない場合には、それらは、細胞含有マイクロキャリアをタンパク分解酵素又はEDTAに接触させることによって担体から遊離させることができる。使用される培地は(特に動物由来成分がない場合)接着細胞を支持するのに適した成分を更に含まなければならない;接着細胞の培養に適した培地は商業的な供給者、例えばSigmaから入手できる。
細胞はまた懸濁適合化又は懸濁コンピテント細胞でありうる。そのような細胞が使用される場合、細胞の増殖は懸濁状態で行わせることができ、よってマイクロキャリアは生産培養容器自体での最終増殖段階及び生産段階においてのみ使用される。懸濁適合化細胞の場合、使用されるマイクロキャリアは典型的にはマクロポーラス担体であり、そこでは、細胞は担体の内部構造内の物理的捕捉体によって付着させられている。そのような実施態様では、真核生物細胞は典型的にはCHO、BHK、HEK293、メラノーマ細胞等々から選択される。
VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドはまた例えば公開番号WO05/075635の国際特許出願に開示されているように大腸菌又はバクテリア又はトランスジェニック動物中で同時発現させることもできる。
次の実施例で使用されるアミノ酸置換の用語法は次の通りである。最初の文字は配列番号1又は配列番号2のある位置に天然に存在しているアミノ酸を表している。次の数は配列番号1又は配列番号2中の位置を表している。二番目の文字は天然のアミノ酸に置換される異なったアミノ酸を表している。一例はVIIa因子F40Cであり、配列番号1の位置40のフェニルアラニンがシステインに置き換えられている。他の例は、sTF(1−219)V207Cで、配列番号2の207位のバリンがシステインで置き換えられている。
実施例1
材料 − D−Phe−Phe−Arg−クロロメチルケトンをBachemから購入した。発色Z−D−Arg−Gly−Arg−p−ニトロアニリド(S−2765)、及びH−D−Ile−Pro−Arg−p−ニトロアニリド(S−2288)基質をChromogenix(Sweden)から得た。ヒト血漿由来X因子(hFX)、Xa因子(hFXa)、及びIXa因子(hFIXa)をEnzyme・Research・Laboratories社(South Bend, IN)から得た。ヒト全脳マラソン既成cDNAライブラリーをClontech(Mountain View, CA)から得た。大腸菌中に発現された可溶型組織因子1−219(sTF(1−219))は公開された手順(Freskgard等(1996) Protein Sci., 5, 1531-1540)に従って調製した。組換え型VIIa因子の発現と精製を、過去に記載されているようにして(Thim等(1988) Biochemistry, 27, 7785-7793;Persson等(1996) FEBS Lett., 385, 241-243)実施した。他の全ての化学物質は分析用等級又はそれ以上のものであった。
VII因子及びVIIF40C変異体をコードするDNAの構築 − そのプレ(シグナル配列)及びプロ領域を含むVII因子の配列をコードするDNAを、製造者の推奨に従ってExpand・High・Fidelity・PCRシステム(Roche Diagnostics Corporation, Indianapolis, IN) とプライマーoHOJ104−f及びoHOJ104−rを使用し、フランキングNheI及びNotI制限部位(プライマー配列は表1に列挙)を導入するPCRによって増幅させた。PCR反応のDNA鋳型は公開番号WO02/077218の国際特許出願に開示されたNheI及びNotIで切断し、ついでpCI−neo(Promega, Madison, WI) の対応部位に結合させてpHOJ300を得た。天然(野生型)VII因子のアミノ酸は配列番号1に与えられている。そのプレ(シグナル配列)及びプロ領域を含む天然(野生型)VII因子のDNA配列は配列番号3に与えられている。
VII因子F40CをコードするプラスミドpHOJ344を、製造者(Stratagene, La Jolla, CA)の指示書に従って、プライマーoHOJ143−f及びoHOJ143−rと鋳型としてpHOJ300を用いるQuickChange(登録商標)部位特異的突然変異誘発によって構築した。全てのクローン化配列の正確な同一性はDNA配列決定によって実証した。
sTF(1−219)及びsTF(1−219)V207C変異体をコードするDNAの構築 − そのシグナル配列を含むsTF(1−219)のDNAコード配列を、製造者の推奨に従ってExpand・High・Fidelity・PCRシステム(Roche Diagnostics Corporation, Indianapolis, IN) とプライマーoHOJ152−f及びoHOJ152−rを使用し、フランキングNheI及びNotI制限部位(プライマー配列は表1に列挙)を導入するPCRによって、ヒト全脳cDNAライブラリー(マラソン既成cDNA; Clontech Laboratories Inc., Mountain View, CA)から増幅させた。精製されたPCR産物をNheI及びXhoIで切断し、ついでpCI−neo(Promega, Madison, WI) の対応部位に結合させてpHOJ356を得た。
Figure 0005759102
sTF(1−219)のアミノ酸は配列番号4に与えられる。そのシグナル配列を含むsTF(1−219)のDNA配列は配列番号5に与えられる。
sTF(1−219)V207CをコードするプラスミドpHOJ357は、製造者(Stratagene, La Jolla, CA)の指示書に従って、プライマーoHOJ144−f及びoHOJ144−rと鋳型としてpHOJ356を用いるQuickChange(登録商標)部位特異的突然変異誘発によって構築した。全てのクローン化配列の正確な同一性はDNA配列決定によって実証した。
VII因子F40C及びsTF(1−219)V207Cの同時発現 − VIIa因子F40C及びsTF(1−219)V207Cを、製造者の指示に従って、FreestyleTM293発現システム(Invitrogen, Carlsbad, CA)での一過性発現によって同時発現させた。簡潔に述べると、HEK293F細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA)を、FreeStyleTM293発現培地(Invitrogen, Carlsbad, CA)中で1.5×10細胞の72−ml振盪培養物を最初に樹立することによって凍結保存培養物から増殖させた。ついで、培養物を12日の期間をかけて2000mlの2.2×10細胞まで増殖させた。細胞は軌道振盪インキュベーター(Multitron II, Infors, Switzerland)中において37℃、8%CO2、及び100−125rpmで、緩いキャップを有する整流コニカルPEGTフラスコ(Nunc, Denmark)中で増殖させた。細胞密度は培養物の増殖前は1.4×10細胞/mlを決して越えておらず、フラスコ体積はおよそ3:1に維持した。最初の72−ml培養物を除いて、提供された増殖培地に、VII因子の翻訳後γカルボキシル化に必要とされる5ppm(Sigma)までビタミンK1を補填した。拡大したHEK293F培養物(2000ml,2.2×10細胞)についで800μgのプラスミドpHOJ344(1μg/μl)及び1500μgのプラスミドDNA pHOJ357(1μg/μl)を含む混合物を形質移入した。プラスミドDNA及び239フェクチン(fectinTM)(Invitrogen, Carlsbad, CA)のOpti−MEM(登録商標)I溶液(Invitrogen, Carlsbad, CA)への添加、並びにこれらの混合と、形成された脂質DNA複合体の細胞培養物への続く添加を、受け入れる溶液を穏やかに回旋しながら製造者の指示書に従って滴下して実施した。37℃、8%CO2、及び100rpmでの96時間の形質移入培養物のインキュベーション後に、VIIa因子F40C−sTF(1−219)V207C複合体を含む条件増殖培地を遠心分離によって回収し、更なるプロセシングまで−80℃で保存した。
VII因子F40C−sTF(1−219)V207C複合体の精製 − 10mMの濃度までCaClを加えた条件培地を、CNBr活性化セファロース4B(Amersham Biosciences, GE Healthcare)に結合させたモノクローナル抗体F1A2(Novo Nordisk A/S, Bagsvard, Denmark)を含む25mlカラムに充填した。そのカラムを50mM HEPES、100mM NaCl、10mM CaCl、pH7.5で平衡にした。平衡バッファー及び2MのNaClを含む平衡バッファーで洗浄した後、結合した物質を、CaClの代わりに10mMのEDTAを含む平衡バッファーで溶出させた。ついで、集めたピーク画分に20mMの最終濃度まで塩化カルシウムを加えた。
少量の遊離VIIa因子F40Cを除去するために、製造者の指示書に従って4mgのsTF(1−219)が結合された1−ml HiTrap NHSカラム(GE Healthcare)に調製物を通過させた。充填前に、カラムを50mM HEPES、100mM NaCl、10mM CaCl、pH7.5で平衡にした。VII因子F40C−sTF(1−219)V207C複合体を含み、検出可能な遊離VII因子F40C及びsTF(1−219)V207Cを欠くフロースルーを集めた。
VII因子F40C−sTF(1−219)V207C複合体の活性化を促進するために、ヒトIXa因子を0.1mg/mlの最終濃度まで加えた。還元SDS−PAGEで実証しての完全な活性化後に、VIIa因子F40C−sTF(1−219)V207C複合体を、5−mlカラムを使用し、平衡バッファーを10mM MES、100mM NaCl、10mM CaCl、pH6.0とした以外は、上述のようなF1A2セファロース4B親和性クロマトグラフィーによって精製した。最終のタンパク質調製物は−80℃でアリコートとして保存した。
活性部位滴定アッセイ − 天然(野生型)VIIa因子及びVIIa因子F40C−sTF(1−219)V207Cの活性部位濃度を、本質的に他の場所で記載されているようにして(Bock P.E. (1992) J.Biol.Chem., 267, 14963-14973)、準化学量論的レベルのD−Phe−Phe−Arg−クロロメチルケトン(FFR−cmk)での滴定の際のアミド分解活性の不可逆的損失から決定した。簡潔に述べると、各タンパク質を50mM HEPES、100mM NaCl、10mM CaCl、0.01%Tween80、pH7.0のバッファーに、およそ300nMの濃度まで希釈した。ついで、希釈したタンパク質(20μl)を、遊離VIIa因子の場合には20μlの1.5μM sTFと、VIIa因子F40C−sTF(1−219)V207Cの場合には20μlのバッファーと組合せ、最後に20μlの0−1.2μM FFR−cmk(DMSOに溶解させたFFR−cmk原液からバッファー中で新鮮に調製し−80℃で保存)と組み合わせた。室温での一晩のインキュベーション後、残留アミド分解活性を測定した。サンプルの10倍希釈物に対応する、およそ10nMのVIIa因子又はVIIa因子−sTF複合体を含む最終体積の200μlのアッセイバッファー(50mM HEPES、100mM NaCl、5mM CaCl、0.01%Tween80、pH7.4)でポリスチレンマイクロタイタープレート(Nunc, Denmark)において活性アッセイを実施した。室温での15分のプレインキュベーション後に、1mMの発色基質S−2288を添加し、吸光度を、SOFTmaxPROソフトウェア(v2.2; Molecular Devices Corp., Sunnyvale, CA)を装備したSpectraMaxTM340マイクロプレート分光光度計で405nmにて10分間連続的にモニターした。アミド分解活性はブランク減算後の線形プログレス曲線の傾きとして報告された。活性部位濃度は、アミド分解活性を完全に消滅させるFFR−cmkの最小濃度に対応するゼロ活性まで外挿によって決定した。
インビトロタンパク分解アッセイ − 天然(野生型)VIIa因子とVIIa因子F40C−sTF(1−219)V207Cを平行してアッセイして、その特異的活性を比較した。アッセイはマイクロタイタープレート(Nunc, Denmark)で実施した。50mM HEPES、100mMのNaCl、5mMのCaCl、0.01%のTween80、pH 7.4の100μlバッファー中のVIIa因子(300nM)又はVIIa因子F40C−sTF(1−219)V207C(15nM)及びヒトX因子(0.2μM)を、雰囲気温度で20分間インキュベートした。ついで、X因子活性化を、TFへのFX結合部位をブロックする0.5μMのTF8−5G9抗体を含む、50mM HEPES、100mM NaCl、40mM EDTA、0.01%Tween80、pH7.4の50μlのバッファーを添加することによって停止させた(Ruf等(1991) Thromb. Haemost., 66, 529-533)。生成されたFXaの量は、50μlの発色基質Z−D−Arg−Gly−Arg−p−ニトロアニリド(S−2765)を最終濃度0.5mMまで添加することによって、測定した。405nmの吸光度を、SOFTmaxPROソフトウェア(v2.2; Molecular Devices Corp., Sunnyvale, CA)を装備したSpectraMaxTM340マイクロプレート分光光度計で連続的に測定した。アッセイにおいてブランク減算後にタンパク質濃度によって割った線形プログレス曲線の傾きとして報告された、アミド分解活性比を使用して、VIIa因子−sTF複合体と野生型VIIa因子のタンパク分解比活性間の比を計算した:
比=((A405nmVIIa因子−sTF複合体)/[VIIa因子−sTF複合体])/((A405nmVIIa因子野生型)/[VIIa因子野生型])
結果は表2に与える。
Figure 0005759102
SDS−PAGE解析 − VIIa因子とVIIa因子F40C−sTF(1−219)V207C(それぞれおよそ1.5μg)を、製造者の推奨に従って、MESバッファー(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)中で35分間200Vで実施される4−12%のBis−Tris NuPAGE(登録商標)ゲル(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)での非還元及び還元SDS−PAGEによって解析した。ゲルは水で洗浄し、製造者の推奨に従って、Simply・BlueTMSafeStain(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)で染色した。ゲルは図2に示す。
配列番号1−天然(野生型)ヒトVII因子のアミノ酸配列(1−406)。3文字表記「GLA」は4-カルボキシグルタミン酸(γ-カルボキシグルタメート)を意味する。
Ala1-Asn-Ala-Phe-Leu-GLA-GLA-Leu-Arg-Pro10-Gly-Ser-Leu-GLA-Arg-GLA-Cys-Lys-GLA-GLA20-Gln-Cys-Ser-Phe-GLA-GLA-Ala-Arg-GLA-Ile30-Phe-Lys-Asp-Ala-GLA-Arg-Thr-Lys-Leu-Phe40-Trp-Ile-Ser-Tyr-Ser-Asp-Gly-Asp-Gln-Cys50-Ala-Ser-Ser-Pro-Cys-Gln-Asn-Gly-Gly-Ser60-Cys-Lys-Asp-Gln-Leu-Gln-Ser-Tyr-Ile-Cys70-Phe-Cys-Leu-Pro-Ala-Phe-Glu-Gly-Arg-Asn80-Cys-Glu-Thr-His-Lys-Asp-Asp-Gln-Leu-Ile90-Cys-Val-Asn-Glu-Asn-Gly-Gly-Cys-Glu-Gln100-Tyr-Cys-Ser-Asp-His-Thr-Gly-Thr-Lys-Arg110-Ser-Cys-Arg-Cys-His-Glu-Gly-Tyr-Ser-Leu120-Leu-Ala-Asp-Gly-Val-Ser-Cys-Thr-Pro-Thr130-Val-Glu-Tyr-Pro-Cys-Gly-Lys-Ile-Pro-Ile140-Leu-Glu-Lys-Arg-Asn-Ala-Ser-Lys-Pro-Gln150-Gly-Arg-Ile-Val-Gly-Gly-Lys-Val-Cys-Pro160-Lys-Gly-Glu-Cys-Pro-Trp-Gln-Val-Leu-Leu170-Leu-Val-Asn-Gly-Ala-Gln-Leu-Cys-Gly-Gly180-Thr-Leu-Ile-Asn-Thr-Ile-Trp-Val-Val-Ser190-Ala-Ala-His-Cys-Phe-Asp-Lys-Ile-Lys-Asn200-Trp-Arg-Asn-Leu-Ile-Ala-Val-Leu-Gly-Glu210-His-Asp-Leu-Ser-Glu-His-Asp-Gly-Asp-Glu220-Gln-Ser-Arg-Arg-Val-Ala-Gln-Val-Ile-Ile230-Pro-Ser-Thr-Tyr-Val-Pro-Gly-Thr-Thr-Asn240-His-Asp-Ile-Ala-Leu-Leu-Arg-Leu-His-Gln250-Pro-Val-Val-Leu-Thr-Asp-His-Val-Val-Pro260-Leu-Cys-Leu-Pro-Glu-Arg-Thr-Phe-Ser-Glu270-Arg-Thr-Leu-Ala-Phe-Val-Arg-Phe-Ser-Leu280-Val-Ser-Gly-Trp-Gly-Gln-Leu-Leu-Asp-Arg290-Gly-Ala-Thr-Ala-Leu-Glu-Leu-Met-Val-Leu300-Asn-Val-Pro-Arg-Leu-Met-Thr-Gln-Asp-Cys310-Leu-Gln-Gln-Ser-Arg-Lys-Val-Gly-Asp-Ser320-Pro-Asn-Ile-Thr-Glu-Tyr-Met-Phe-Cys-Ala330-Gly-Tyr-Ser-Asp-Gly-Ser-Lys-Asp-Ser-Cys340-Lys-Gly-Asp-Ser-Gly-Gly-Pro-His-Ala-Thr350-His-Tyr-Arg-Gly-Thr-Trp-Tyr-Leu-Thr-Gly360-Ile-Val-Ser-Trp-Gly-Gln-Gly-Cys-Ala-Thr370-Val-Gly-His-Phe-Gly-Val-Tyr-Thr-Arg-Val380-Ser-Gln-Tyr-Ile-Glu-Trp-Leu-Gln-Lys-Leu390-Met-Arg-Ser-Glu-Pro-Arg-Pro-Gly-Val-Leu400-Leu-Arg-Ala-Pro-Phe-Pro406
配列番号3−そのプレ(シグナル)及びプロ領域(下線部)を含む天然(野生型)VII因子のDNA配列
ATGGTCTCCCAGGCCCTCAGGCTCCTCTGCCTTCTGCTTGGGCTTCAGGGCTGCCTGGCTGCAGTCTTCGTAACCCAGGAGGAAGCCCAAGGCGTCCTGCACCGGCGCCGGCGCGCCAACGCGTTCCTGGAGGAGCTGCGGCCGGGCTCCCTGGAGAGGGAGTGCAAGGAGGAGCAGTGCTCCTTCGAGGAGGCCCGGGAGATCTTCAAGGACGCGGAGAGGACGAAGCTGTTCTGGATTTCTTACAGTGATGGGGACCAGTGTGCCTCAAGTCCATGCCAGAATGGGGGCTCCTGCAAGGACCAGCTCCAGTCCTATATCTGCTTCTGCCTCCCTGCCTTCGAGGGCCGGAACTGTGAGACGCACAAGGATGACCAGCTGATCTGTGTGAACGAGAACGGCGGCTGTGAGCAGTACTGCAGTGACCACACGGGCACCAAGCGCTCCTGTCGGTGCCACGAGGGGTACTCTCTGCTGGCAGACGGGGTGTCCTGCACACCCACAGTTGAATATCCATGTGGAAAAATACCTATTCTAGAAAAAAGAAATGCCAGCAAACCCCAAGGCCGAATTGTGGGGGGCAAGGTGTGCCCCAAAGGGGAGTGTCCATGGCAGGTCCTGTTGTTGGTGAATGGAGCTCAGTTGTGTGGGGGGACCCTGATCAACACCATCTGGGTGGTCTCCGCGGCCCACTGTTTCGACAAAATCAAGAACTGGAGGAACCTGATCGCGGTGCTGGGCGAGCACGACCTCAGCGAGCACGACGGGGATGAGCAGAGCCGGCGGGTGGCGCAGGTCATCATCCCCAGCACGTACGTCCCGGGCACCACCAACCACGACATCGCGCTGCTCCGCCTGCACCAGCCCGTGGTCCTCACTGACCATGTGGTGCCCCTCTGCCTGCCCGAACGGACGTTCTCTGAGAGGACGCTGGCCTTCGTGCGCTTCTCATTGGTCAGCGGCTGGGGCCAGCTGCTGGACCGTGGCGCCACGGCCCTGGAGCTCATGGTCCTCAACGTGCCCCGGCTGATGACCCAGGACTGCCTGCAGCAGTCACGGAAGGTGGGAGACTCCCCAAATATCACGGAGTACATGTTCTGTGCCGGCTACTCGGATGGCAGCAAGGACTCCTGCAAGGGGGACAGTGGAGGCCCACATGCCACCCACTACCGGGGCACGTGGTACCTGACGGGCATCGTCAGCTGGGGCCAGGGCTGCGCAACCGTGGGCCACTTTGGGGTGTACACCAGGGTCTCCCAGTACATCGAGTGGCTGCAAAAGCTCATGCGCTCAGAGCCACGCCCAGGAGTCCTCCTGCGAGCCCCATTTCCCTAG
配列番号4−sTF(1−219)のアミノ酸配列
Ser1-Gly-Thr-Thr-Asn-Thr-Val-Ala-Ala-Tyr10-Asn-Leu-Thr-Trp-Lys-Ser-Thr-Asn-Phe-Lys20-Thr-Ile-Leu-Glu-Trp-Glu-Pro-Lys-Pro-Val30-Asn-Gln-Val-Tyr-Thr-Val-Gln-Ile-Ser-Thr40-Lys-Ser-Gly-Asp-Trp-Lys-Ser-Lys-Cys-Phe50-Tyr-Thr-Thr-Asp-Thr-Glu-Cys-Asp-Leu-Thr60-Asp-Glu-Ile-Val-Lys-Asp-Val-Lys-Gln-Thr70-Tyr-Leu-Ala-Arg-Val-Phe-Ser-Tyr-Pro-Ala80-Gly-Asn-Val-Glu-Ser-Thr-Gly-Ser-Ala-Gly90-Glu-Pro-Leu-Tyr-Glu-Asn-Ser-Pro-Glu-Phe100-Thr-Pro-Tyr-Leu-Glu-Thr-Asn-Leu-Gly-Gln110-Pro-Thr-Ile-Gln-Ser-Phe-Glu-Gln-Val-Gly120-Thr-Lys-Val-Asn-Val-Thr-Val-Glu-Asp-Glu130-Arg-Thr-Leu-Val-Arg-Arg-Asn-Asn-Thr-Phe140-Leu-Ser-Leu-Arg-Asp-Val-Phe-Gly-Lys-Asp150-Leu-Ile-Tyr-Thr-Leu-Tyr-Tyr-Trp-Lys-Ser160-Ser-Ser-Ser-Gly-Lys-Lys-Thr-Ala-Lys-Thr170-Asn-Thr-Asn-Glu-Phe-Leu-Ile-Asp-Val-Asp180-Lys-Gly-Glu-Asn-Tyr-Cys-Phe-Ser-Val-Gln190-Ala-Val-Ile-Pro-Ser-Arg-Thr-Val-Asn-Arg200-Lys-Ser-Thr-Asp-Ser-Pro-Val-Glu-Cys-Met210-Gly-Gln-Glu-Lys-Gly-Glu-Phe-Arg-Glu219
配列番号5−そのシグナル配列(下線部)を含むsTF(1−219)のDNA配列
ATGGAGACCCCTGCCTGGCCCCGGGTCCCGCGCCCCGAGACCGCCGTCGCTCGGACGCTCCTGCTCGGCTGGGTCTTCGCCCAGGTGGCCGGCGCTTCAGGCACTACAAATACTGTGGCAGCATATAATTTAACTTGGAAATCAACTAATTTCAAGACAATTTTGGAGTGGGAACCCAAACCCGTCAATCAAGTCTACACTGTTCAAATAAGCACTAAGTCAGGAGATTGGAAAAGCAAATGCTTTTACACAACAGACACAGAGTGTGACCTCACCGACGAGATTGTGAAGGATGTGAAGCAGACGTACTTGGCACGGGTCTTCTCCTACCCGGCAGGGAATGTGGAGAGCACCGGTTCTGCTGGGGAGCCTCTGTATGAGAACTCCCCAGAGTTCACACCTTACCTGGAGACAAACCTCGGACAGCCAACAATTCAGAGTTTTGAACAGGTGGGAACAAAAGTGAATGTGACCGTAGAAGATGAACGGACTTTAGTCAGAAGGAACAACACTTTCCTAAGCCTCCGGGATGTTTTTGGCAAGGACTTAATTTATACACTTTATTATTGGAAATCTTCAAGTTCAGGAAAGAAAACAGCCAAAACAAACACTAATGAGTTTTTGATTGATGTGGATAAAGGAGAAAACTACTGTTTCAGTGTTCAAGCAGTGATTCCCTCCCGAACAGTTAACCGGAAGAGTACAGACAGCCCGGTAGAGTGTATGGGCCAGGAGAAAGGGGAATTCAGAGAATAA
実施例2
sTF(1−219) W45C、sTF(1−219)D58C、sTF(1−219)G109C、及びsTF(1−219)P206CをコードするDNAの構築 − 製造者(Stratagene, La Jolla, CA)の指示書に従って、表3に挙げたプライマー対(順方向及び逆方向)と鋳型としてpHOJ356を用いるQuickChange(登録商標)部位特異的突然変異誘発によって、sTF(1−219)の変異体を構築した。全てのクローン化配列の正確な同一性はDNA配列決定によって証明される。
Figure 0005759102
VII因子S43C、VII因子Q64C、VII因子E77C、及びVII因子F275CをコードするDNAの構築 − 製造者(Stratagene, La Jolla, CA)の指示書に従って、表4に挙げたプライマー対(順方向及び逆方向)と鋳型としてpHOJ300を用いるQuickChange(登録商標)部位特異的突然変異誘発によって、VII因子の変異体を構築した。全てのクローン化配列の正確な同一性はDNA配列決定によって証明される。
Figure 0005759102
VII因子S43C−sTF(1−219)P206C、VII因子Q64C−sTF(1−219)G109C、VII因子E77C−sTF(1−219)D58C、及びVII因子F275C−sTF(1−219)W45Cの同時発現 − VIIa因子とsTF(1−219)のシステイン変異体を、製造者の指示と実施例1に詳細に記載したようにして、FreestyleTM293発現システム(Invitrogen, Carlsbad, CA)での一過性発現によって同時発現させた。
VII因子Q64C−sTF(1−219)G109Cの免疫ブロット検出 − VII因子Q64C及びsTF(1−219)G109Cの一過性同時発現からの条件培地を、製造者の推奨に従って、MESバッファー(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)中で200Vで35分間実施した4−12%Bis−TrisNuPAGE(登録商標)ゲル(Invitrogen Life Technologies, Carlsbad, CA)での非還元SDS−PAGEによって分析した。ついで、複合体を、モノクローナルマウス抗ヒトFVIIa及び抗ヒトTF一次抗体及び二次西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)結合ウサギ抗マウス抗体の混合物を使用して当業者に知られているような免疫ブロット法によって検出した。免疫複合体を、SuperSignalR・West・Pico化学発光検出キット(Pierce)及びLAS−3000イメージリーダー(FUJIFILM Corporation)を使用して検出した。結果を図3に示す。
実施例3
sTF(1−209)及びsTF(1−209)V207CをコードするDNAの構築 − そのシグナルペプチドを含むTF(1−209)のDNAコード配列を、製造者の推奨に従ってExpand・High・Fidelity・PCRシステム(Roche Diagnostics Corporation, Indianapolis, IN)及びプライマーoHOJ152−f(配列は表1に示す)及びoHOJ178−r(配列は表5に示す)を使用し、フランキングNheI及びXhoI制限部位を導入するPCRによって、ヒト全脳cDNAライブラリー(Marathon-ready cDNA; Clontech Laboratories Inc., Mountain View, CA)から増幅させる。精製したPCR産物をNheI及びXhoIで切断し、ついで対応するpCI−neo(Promega, Madison, WI)の対応する部位に結合させる。ついで、得られたプラスミドは、製造者(Stratagene, La Jolla, CA)の指示書に従って、QuickChange(登録商標)部位特異的突然変異誘発及びプライマーoHOJ179−f及びoHOJ179−r(配列は表5に示す)を使用してのsTF(1−209)V207Cの構築のためのテンプレートとなる。全てのクローン化配列の正確な同一性はDNA配列決定によって証明される。
Figure 0005759102
図1は可溶型組織因子のV207CとVIIa因子のF40C間に界面架橋ジスルフィドを含んでいるVIIa因子と可溶型組織因子の共有結合複合体モデルを示す。V207C又はF40Cから界面をわたっての天然(野生型)システイン残基までのCa距離は、二分子間の意図しないジスルフィド対の形成を妨げる7Åよりも有意に大きい。 図2は、それぞれ非還元及び還元条件下での天然(野生型)VIIa因子(レーンA)及び精製したVIIa因子 F40C-sTF(1−219)V207C(レーンB)の複合体のクーマシー染色SDS-ポリアクリルアミドゲルを示す。 図3は、野生型VIIa因子(レーンA)、VII因子Q64C及びsTF(1−219)G109C(レーンB)、及び精製VIIa因子F40C−sTF(1−219)V207C複合体(レーンC)の免疫ブロットを示す。

Claims (8)

  1. VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの共有結合複合体であって、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドが、次のアミノ酸セット:
    FVII−Phe40 − sTF−Val207;
    VII−Gln64 − sTF−Gly109;
    VII−Phe275 − sTF−Trp45
    の少なくとも一つの間での一又は複数の直接結合によって共有結合されている複合体。
  2. VII因子ポリペプチドが機能的に活性なVII因子ポリペプチドである請求項1に記載の複合体。
  3. VII因子ポリペプチドのタンパク分解活性が、インビトロタンパク分解アッセイによって測定して、遊離の天然(野生型)VIIa因子の活性の少なくとも2倍である請求項2に記載の複合体。
  4. アミノ酸のセットが一又は複数のシステインアミノ酸を含む請求項1から3の何れか一項に記載の複合体。
  5. 該セットのそれぞれが1個のシステインアミノ酸を含む請求項4に記載の複合体。
  6. 該セットのそれぞれが2個のシステインアミノ酸を含む請求項4に記載の複合体。
  7. 少なくとも一つの直接結合が2個のシステインアミノ酸間にある請求項1から6の何れか一項に記載の複合体。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載のVII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの複合体の製造方法であって、a)(i)VII因子ポリペプチドをコードする核酸分子と該核酸分子に作用可能に結合した発現制御領域を含む発現ベクターと(ii)組織因子ポリペプチドをコードする核酸分子と該核酸分子に作用可能に結合した発現制御領域を含む発現ベクターとを細胞に形質移入し、b)形質移入細胞を、VII因子ポリペプチドと組織因子ポリペプチドの発現条件下で培養し、c)発現された複合体を単離することを含む方法。
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