JP5758471B2 - 生け簀用収容体およびそれを使用する養殖用生け簀 - Google Patents

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Description

本発明は、網地を使用した生け簀用収容体および養殖用の生け簀であって、特に、海洋生物の養殖用として海水中で使用される収容体および生け簀に関するものである。
海洋生物の養殖用に使用される生け簀は、かつて合成繊維を使用した漁網によって、海中において養殖領域と外部領域を遮断することにより構成されていたが、合成樹脂製の漁網を使用する際には、網に藻や貝類が付着しやすく、網目の面積が減少する事態を招来させ、定期的に漁網を陸揚げし、付着した藻や貝類を除去する必要があった(特許文献1の0002段落〜0003段落参照)。
そこで、これらを解消すべく金網によって生け簀を構成することが案出されたが、海水中における腐食に耐え得るために、銅製または同合金製の網を使用するもの(特許文献1参照)、または、金属の芯線と、この芯線よりもイオン化傾向の大きい金属による被覆層を設ける構成としたもの(特許文献2参照)が開発されている。
しかしながら、金網を使用する生け簀の場合には、海流等によって外力が作用し、その外力によって揺れ動く際に、金網を構成するために金属線を交差させた部分において、当該金属線同士が擦れ合うことから、交差部における金属線が摩耗するという問題点があった。そこで、金属製の網部分と合成繊維を使用した網部分とを組み合わせた構成が開発されている(特許文献3参照)。
特開2001−190179号公報 特開2004−242617号公報 特開2004−305174号公報
前掲した各生け簀は、広い範囲で金属製の網が使用されており、しかも、当該金属製網部分は、海水中における海流等の外力によって容易に変形しないために、その強度を保持させていることから、金属製網部分の搬送時においても容易に変形させることができず、大型の生け簀をそのままの状態で搬送しなければならなかった。また、生け簀の設置現場において金属製の線材から網を組み立てるとしても、その重量は大きく、さらに、線材の状態で搬送する場合には、その搬送途中における線材が変形することがあり、設置現場での組立に支障を来すこととなっていた。そこで、網状に構築した部分を複数の部材に分割し、これを設置現場で一体にすることを想定した場合にあっては、分割できる部分は限定的であるため大面積とならざるを得ず、そのような大面積の金属製網を搬送することは容易でなかった。この場合には、さらに、生け簀を設置すべき場所において構築する場合においても、大面積の金属製網部分は大重量となり、その移動が容易でないことから、生け簀の構築にも労力を要することとなっていた。
しかも金属製の線材によって構築される網は、海水による腐食によって劣化した場合、各線材の一部が破断することとなるため、当該破断部分が露出した状態では、養殖魚が接触する事態を招来させ、その結果、養殖魚を傷つけることとなり、養殖魚の商品価値を低下させ、場合によっては収量を減少させることとなっていた。
他方、合成繊維による漁網を使用する場合、金属製網よりも軽量であることから、搬送および構築は容易となるが、前述した藻や貝類の付着の問題に加え、海流等による外力によって、生け簀の表面が変形するという問題点があった。特に、漁網が変形することにより、網目の形状も変化して海水の流れが悪くなり、または、生け簀全体が変形して、養殖のための領域(生け簀の内側)が縮小することとなり、養殖魚等の遊泳域が狭くなることによって養殖魚等にストレスを与える原因ともなっていた。
また、合成繊維による漁網を使用する場合のみならず、金属製網を使用する場合であっても、網部分に藻や貝類等の付着は皆無ではないことから、少なからず生け簀の清掃作業が必要となるものであった。そして、合成繊維による漁網を使用する場合は、容易に陸揚げすることができるものの、金属製網を使用する場合には、陸揚げが困難なため、ダイバーが潜水して海水内での清掃作業を行わざるを得なかった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、搬送および清掃を容易とする養殖用生け簀を提供することであり、そのための生け簀用収容体を提供することである。
そこで、生け簀用収容体に係る本発明は、硬質の網糸によって構成された硬質網地を使用する生け簀用収容体であって、複数の側面部を側方に有角的に連続することによって多角形の筒状体を形成してなる多角形筒状部と、この多角形筒状部の底面を形成してなる底面部とを備え、前記多角形筒状部を形成するそれぞれの側面部は、前記硬質網地により周縁形状を矩形に形成した二つの網体を一組とする側面部構成部材が高さ方向に複数連続させることによって構成されており、前記側面部構成部材は、前記網体の高さ方向に対向する端縁部同士を折り曲げ可能に連結されており、側方に隣接する二つの前記側面部の間には、前記側面部構成部材の側方の端縁部が対向する領域が形成され、該領域には、柔軟な網糸によって構成された軟質網地が適宜な面積を有して張設されていることを特徴とするものである。
上記構成によれば、側面部が折り曲げ可能な側面部構成部材によって構成されることから、収容可能な状態とする場合は、側面部構成部材を折り曲げない状態とすることによって、側面部として十分な面積を形成させることができる。他方、側面部構成部材を折り曲げることによって、網体を重ねた大きさまで折り畳むことができ、側面部の高さ方向を短尺化させることができる。また、側方に隣接する側面部には、側面部構成部材を折り曲げたときに側方の端縁部が間隙を生じさせることとなるため、この間隙を軟質網地によって閉鎖している。この軟質網地は、網糸が柔軟であることから網目の形状を容易に変形することができ、側面部構成部材が折り曲げられる程度に応じて変化する間隙の大きさに合わせて、その形状を変化させることができることから、前記側面部構成部材の折り曲げに支障を来すことがない。
ここで、硬質網地とは、硬質の網糸によって構成されたものであるが、金属製網のようなものである場合のほか、硬質の合成繊維による網糸によって構成された網地を含むものである。また、軟質網地とは、一般的な漁網として使用されるように、変形容易な網糸によって構成された網地を意味するものである。
また、上記発明において、前記側面部構成部材を形成するために前記網体を連結する連結部が、二つの網体の対向する端縁部を柔軟な網糸によって結束するように構成される場合がある。
上記構成によれば、二つの網体の端縁部が結束状態となっていることから、容易に分離することがない反面、網体の表面を傾倒させることが可能となり、側面部構成部材として、側面を構成することが可能であるとともに、折り畳みを可能にするものである。
さらに、上記各発明において、前記側面部構成部材を連続する連続部が、隣接する側面部構成部材の対向する端縁部を柔軟な網糸によって結束するように構成される場合がある。
上記構成によれば、端縁が結束された側面部構成部材は、相互に分離することが容易でないものとなり、連続された側面部構成部材によって所望の大きさの側面部を構築することが可能となる。また、当該結束により連続された隣接する網体は、その表面を傾倒させることが可能となり、個々の側面部構成部材の折り曲げによって、隣接する網体の表面を容易に傾倒させることができることとなる。
また、上記各発明において、前記網体の端縁部が、該網体の網目を形成する網糸の一部によって構成されていてもよい。
この場合、網体の端縁部として特別な部材を使用することなく、網体を構成するための硬質な網糸のうち、端縁に位置する網糸を端縁部として使用することができる。なお、網体は硬質の網糸によって構成されるものであるから、その網糸を端縁部として機能させることは可能である。
そして、上記各発明においては、前記網体は、周縁形状を長方形とするものであり、前記側面部構成部材は、前記網体の一方の長辺側の端縁部を連結することによって構成されたものとすることができる。
上記構成によれば、網体の高さ方向の長さは長方形の短辺に一致することから、側面部構成部材を折り曲げて側面部を折り畳む場合、網体の短辺の長さに相当する部分が底面部の端縁から外方に突出することとなり、平面視における大きさの変化を僅かにしつつ、全体を小さくすることができる。また、網体の短辺の長さを短くすることによって、側方に隣接する側面部の間において、対向する短辺側の端縁部によって形成される領域を小さくすることができることから、側面部構成部材の折り曲げにより開口する面積が小さくなり、軟質網地を使用する割合を少なくすることができる。また、側面部構成部材を折り曲げない状態のとき(生け簀を構築するとき)には、網体の短辺側の対向端縁部は相互に当接することとなり、これら端縁部によって形成される領域は、開口しない状態となることから、軟質網材が生け簀用収容部の周囲(側面部)を構成しないこととなる。従って、収容可能な状態として海中に設置した場合であっても、軟質網地が海流等による外力の影響を受けないようにすることができる。
また、上記発明において、前記軟質網地は、側方に隣接する前記網体の短辺側の端縁部が相互に対向することによって形成される略四辺形の領域に設けられ、該短辺側の端縁部の長さを一辺とする略正方形に形成されているものとすることができる。
上記構成によれば、軟質網地は、網体の短辺側点縁部の長さを一辺とする略正方形に形成されることから、その略正方形の対角線を高さ方向および側方に向けて張設されることとなる。そのため、側面部構成部材を折り曲げない状態では、高さ方向の対角線に沿って引っ張られることとなり、この軟質網地の復元力により、側面部構成部材を所定の折り曲げ方向に付勢するようにさようさせることも可能となる。
そして、周縁形状を長方形とする網体を使用する上記発明においては、網体端縁のうち少なくとも長辺側の端縁部において、該網体から延出するように設けられた軟質網地によって接続領域を形成させる構成としてもよい。
上記構成によれば、側面部構成部材を構成するために、二つの網体を連結する場合、軟質網地による接続領域を使用することができ、当該連結部を柔軟に折り曲げることが可能となる。また、隣接する側面部構成部材同士を連続させる場合においても接続領域を使用することができることから、側面部構成部材を折り曲げる際に、当該隣接する側面部構成部材の接続部を反対側へ折り曲げることをも容易とすることできる。これにより、前記側面部の折り畳み時においては、単に網体が積層する状態とし得ることができる。
さらに、上記の各発明においては、底面部は、略角錐台形状に形成されており、該底面部中央を最も低位としてなるものとすることができる。
上記構成によれば、生け簀用収容体の底部において、沈殿物を堆積させるための領域を得ることができる。この堆積領域を有することにより、例えば、養殖魚の死骸や糞などが海洋中に排出されることを抑えることができ、また、養殖魚の水揚げ時には、当該堆積領域に養殖魚を誘導させることも可能となる。
ところで、上記各発明における底面部および網体を形成する硬質網地としては、種々の構成が想定されるが、芯部に高粘度ポリエステル樹脂、鞘部に低融点共重合ポリエステル樹脂を配した芯鞘複合マルチフィラメント糸を使用した無結節網を加熱して溶融硬化させて構成したものを使用することができる。
上記のような芯鞘複合マルチフィラメント糸による無結節網を溶融硬化させてなる網地は、合成繊維を使用した網でありながら、容易に変形しない硬質網地であるから、生け簀全体を軽量に構築することができる。また、鞘部を構成する低融点共重合ポリエステル樹脂が加熱により溶融した後の表面は円滑となるため、藻や貝類等の付着を抑えることができる。さらに、上記の網地を構成する網糸部分は、溶融した鞘部が表面を形成することから、溶融後の当該網地表面は摩擦抵抗の小さい平滑なものとなり、仮に、藻や貝類等が付着したとしても、これらの除去は、他の材質による網地に比較して極めて容易なものとなる。なお、前記芯鞘複合マルチフィラメント糸は、溶融処理前は比較的柔軟な状態であるが、溶融処理によって硬化するものであるから、硬質の網糸によって構成された硬質網地には、前述のように芯鞘複合マルチフィラメント糸によって構成された網地を溶融処理した場合が含まれるものである。
他方、養殖用生け簀に係る本発明は、上記に示したいずれかの生け簀用収容体を使用する養殖用生け簀であって、前記生け簀用収容体を構成する多角形筒状部の上端が連結される支持部を備え、該支持部によって前記多角形筒状態の上端が開口状態に維持されることを特徴とするものである。
上記構成によれば、前記多角形筒状部は、支持部を基準として、伸縮可能な状態となり、収容体が折り畳まれた状態で搬送される場合においても、支持部の存在により、変形することを抑制することができる。また、前記収容体は、支持部によって開口された状態が維持されることとなり、当該収容体を折り畳まれた状態から収容可能な状態に変化させる際に、直ちに生け簀として使用することが可能となる。
また、上記発明においては、支持部が、多角形筒状部が形成する多角形開口部と同形とすることができ、さらに、支持部が、多角形筒状部が形成する多角形の開口部の外接円から内接円までの範囲内に軸心を有する円形とすることができる。
上記構成において、支持部を多角形筒状部の開口形状と同形とする場合には、側面部を折り畳んだ場合において、その折り畳みにより積層状態となる網体は支持部と同形となるため、当該維持部と一体となって変形等の発生を抑制し得ることとなる。他方、支持部を円形とする場合には、前記収容体の開口部の形状を正多角形に近似させることが容易となる。すなわち、収容部を構成する各側面部の幅寸法(側方の大きさ)を統一させる場合であっても、各側面部が、それぞれ隣接するものとの間に形成される角度が異なる場合には正多角形にはなり得ないものであるが、円形の支持部を基準としつつ各側面部の上端縁を固定することにより、正多角形に近い状態とすることができるのである。また、収容体の開口部の形状を正多角形に近似させることにより、収容体は、中央から周辺までの距離が等しい状態に近づくこととなり、養殖魚が円を描きながら遊泳する際、その遊泳の可能な範囲を中央から等距離付近に確保させることができる。
なお、前記正多角形としては、正方形、正八角形、正十二角形、正十六角形および正三十二角形など、種々の形状を想定することができる。
さらに、上記各発明において、前記収容体を構成する底面部が、前記多角形筒状部を構成する側面部の高さ方向の長さよりも長尺なロープを備える構成とすることができる。
上記構成によれば、底面部のロープ先端を側面部上端よりも上方に配置することにより、当該ロープ先端を引き上げることによって底面部を上昇させることができる。このとき、底面部の上昇により、側面部は短尺化することとなり、当該短尺化に応じて、側面部構成部材が折り畳まれて、生け簀全体を小さくすることができる。従って、海水中では大きい生け簀となる一方、陸上では小さい生け簀に変形させることが容易となる。
生け簀用収容体に係る本発明によれば、側面部構成部材を折り畳むことによって側面部の高さ方向を短尺化することができ、当該折り畳み状態とする場合には全体が大型化することを抑えることができる。従って、これを養殖用の生け簀に使用する場合には、底面部を上昇させることにより、側面部を折り畳むことができ、その結果、生け簀の高さ方向を短尺化することができるため、容易に陸揚げすることができるとともに、陸揚げ時の生け簀を小さくすることができる。そこで、生け簀を清掃する際には、陸揚げした状態で行うことを可能にするものである。また、芯鞘複合マルチフィラメント糸による網地を使用する場合には、藻や貝類等の付着を少なくすることができることから、清掃の回数を減らすことができる。従って、生け簀の清掃に費やす労力を低減させることができるのである。
また、上記のように、養殖用生け簀として使用しない場合には、折り畳みによって小さくすることができることから、搬送時においても大型化を抑えることができる。そして、搬送時においては、前記のように側面部の高さ方向を短尺化した状態のほか、側面部を分離した状態(底面部、網体および軟質網地に分離した状態)とすることも可能であり、小型の部材の搬送となるため、当該搬送のコストを低減させることとなり得る。そして、網地を芯鞘複合マルチフィラメント糸によって構成することにより、生け簀全体の軽量化をも可能にすることから、さらに搬送を容易にすることができる。
養殖用生け簀の概略を示す説明図である。 生け簀用収容体に係る本発明の実施形態の概略を示す説明図である。 生け簀用収容体の側面部の状態を示す説明図である。 生け簀用収容体の側面部構成部材を構成する網体の状態を示す説明図である。 生け簀用収容体に係る実施形態の変化の状態を示す説明図である。 生け簀用収容体の網体の構成を変更してなる他の実施形態を示す説明図である。 生け簀用収容体の網体の構成を変更してなる他の実施形態を示す説明図である。 生け簀用収容体の網体の構成を変更してなる他の実施形態を示す説明図である。 生け簀用収容体の変更した網体による側面部構成部材の状態を示す説明図である。 生け簀用収容体の変更した網体による側面部の状態を示す説明図である。 生け簀用収容体に係る本発明の他の実施形態を示す説明図である。 養殖用生け簀に係る本発明の他の実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、養殖用生け簀の全体構造について説明する。図1は、養殖用生け簀の全体構造の概略を示す図である。この図に示されているように、底面部1の各端縁11,12,13,14には、側面部2a,2b,2c,2dが連続して設けられている。そして、これらの側面部2a〜2dが相互に側方に隣接する端縁を接合することにより、多角形(図は四角形)の筒状体(多角形筒状部)が形成され、この多角形筒状部と前記底部1とによって、全体として上部を開口してなる収容体が構成されている。また、各側面部2a〜2dの上端縁は、支持部4a,4b,4c,4dに接続されており、開口した状態が維持されるようになっている。この支持部4a〜4dは、連続した環状に構成されており、前記多角形筒状部の上部開口部を所望の形状に開口させるため、その開口状態に合わせた外縁形状としている。本実施形態では、四角形の環状に形成され、多角形筒状部の上部開口部を四角形に開口させている。
なお、前記支持部4a〜4dには、適宜な大きさおよび数のフロートFLを設けることができ、当該支持部4a〜4dに浮力を与えることによって、多角形筒状部の上部開口部、すなわち、生け簀の上部開口部を水面近傍に配置させることができるものである。また、底面部1の適宜位置(通常角部)にロープ4を介してシンカーSKが設けられ、底面部1を水中下向きに引っ張ることができ、水中に設置される際、生け簀全体は、フロートFLとシンカーSKによって、側面部2a〜2dが上下方向に引っ張られ、収容部による収容が可能な状態に保持されるものである。
次に、生け簀用収容体に係る本発明の実施形態について詳述する。図2は、生け簀用収容体の実施形態の概略を示す図である。この図に示されているように、本実施形態の生け簀用収容体は、多角形筒状部と底面部1とで構成されている。なお、多角形筒状部は、側面部2a〜2dによって構成されている。多角形筒状部を底面部1に一体的に設けるため、底面部1の端縁から高さ方向に側面部2a〜2dを連結するのである。個々の側面部2a〜2dは、それぞれ複数の側面部構成部材6a〜6dによって構成され、この側面部構成部材6a〜6dは、さらに網体7a〜7d,8a〜8dによって構成されている。本実施形態では、各網体7a〜7d,8a〜8dを長方形状とし、底面部1の端縁に対して長辺が平行となるように配置されている。従って、側方に隣接する側面部構成部材6a〜6dの各網体7a〜7d,8a〜8dは、相互に短辺側の端縁部が対向するように配置されているのである。なお、底面部1と、網体7a〜7d,8a〜8dとは、個別に製造されるものであるが、ともに硬質の網糸によって構成された硬質網地で設けられている。
側面部2a〜2dは、側面部構成部材6a〜6dが、高さ方向に連続して設けられており、同じ高さ寸法とした各側面部構成部材6a〜6dを同じ枚数だけ連続させることによって、全ての側面部2a〜2dの高さを一致させている。また、各側面部構成部材6a〜6dは、二枚の網材7a〜7d,8a〜8dを連結して構成され、連結部60を折り曲げることができるようになっている。この折り曲げ方向は、連結部60が底面部1の端縁よりも外方に移動する方向としている。これは、底面部1の端縁よりも内側に折り曲げるとすると、隣接する網体(例えば7aと7d)が接触することとなるためである。
ところで、側面部構成部材6a〜6dの連結部60を外向きに突出させながら折り曲げる場合には、図示のように、側方に隣接する網体7a〜7d,8a〜8dが相互に対向する短辺側の端縁部が大きく離間することから、開口する領域を形成することとなるため、ここに網地9が張設されている。この網地9は軟質の網糸で構成された軟質網地であり、網糸そのものは伸縮しないが、変形容易で強靱な網地(一般的に漁網として使用されるもの)が使用される。
ここで、網体7a〜7d,8a〜8dによる側面部構成部材6a〜6dの構成についてさらに詳述する。図3は、網体7,8による側面部構成部材6の構成の状態を示す図である。なお、各側面構成部6a〜6dおよび網体7a〜7d,8a〜8dは、同じ構成であるため、ここでの説明および図3においては、各符号からa〜dを省略している。
側面部構成部材6は、図3(a)に示されているように、二つの網体7,8を一組として構成されている。両網体7,8は、同じ形状に設けられ、いずれも硬質網地で構成されている。硬質網地は、柔軟な網地を熱処理して硬化させたもののほか、硬質の線材を組んで網状としたものがあり得る。また、網の名称が付されていることから理解されるとおり、網体7,8は、それぞれ横糸71,81と縦糸72,82によって網目が形成されている。そして、横糸および縦糸とは、網地を構成する一般的な名称として使用されるものであり、当初より硬質の線材を使用する場合には、当該線材を縦方向または横方向に整列させた状態を含む概念である。ところで、本実施形態の網体7,8は、長方形に形成したものを使用しており、長辺側の端縁部73,74,83,84を高さ方向に配置し、短辺側の端縁部75,76,85,86を側方に向けて配置している。
そこで、上記網体7,8によって側面部構成部材6を構成するために、それぞれ対向する長辺側端縁部73,83を連結するのである。連結の方法は、両端縁部73,83に位置する横糸71,81を結束することによるものである。結束とは、束ねるように結ぶことであるが、例えば、漁網等に使用する柔軟な素材の糸(結束糸61)を使用して、図3(b)に示すように、両網体7,8の対向する横糸71,81を螺旋状に巻き付ける方法がある。また、同様の柔軟な糸を使用して、複数の適宜箇所を円形に結束する方法もあり得る。いずれの場合であっても、対向する端縁部73,83(横糸71,81)を束ねた状態で連結することによって、両網体7,8は容易に離脱できない状態となり、単一の(一組の)側面部構成部材6が構成されるものである。
また、結束糸61を螺旋状に巻き付けることによって、螺旋状の内側断面形状を略円形とすることができる。適宜箇所を円形に結束する場合も同様に内側断面形状は円形となる。そして、このような円形内部に横糸71,81が挿通されることよって、両網体7,8は、当該横糸71,81の軸心を中心に縦糸72,82の向きを周方向に回転させることが許容されることとなる。従って、端縁部73,83が連結された状態(側面部構成部材6が構成された状態)において、側面部構成部材6を折り曲げること、すなわち、網体7,8の表面の向きを変化させることが可能となるのである。なお、この趣旨からすれば、網体7,8のうち結束されるべき端縁部73,83が、網地を構成する横糸71,81が使用されることに限定されるものではなく、網体7,8の端縁に被結束用の他の糸を設け、この被結束用糸を前記結束糸によって結束させる構成としてもよい。
上記のように構成された側面部構成部材6は、上側に位置する第1の網体7の上側端縁部74を使用して、さらに上方に同種の側面部構成部材6が連続して設け、また、下側に位置する第2の網体8の下側端縁部84を使用して、さらに下方に同種の側面部構成部6が連続して設けることによって、広面積の側面部を形成することが可能となるのである。なお、側面部の最下位に位置する側面部構成部材6の第2の網体8は、その下側端縁部84が底面部1(図1)に同様の結束によって連続され、当該底面部1に側面部が一体的に設けられるものである。
次に、網地7a〜7d,8a〜8dの側方に隣接する部分の状態について詳述する。図4は、一つの側面部2aに対して側方に隣接する側面部2dの関係を示す図である。この図に示されているように、一つの側面部2aを構成する側面部構成部材6aは、前述のように、二つの網体7a,8aが高さ方向に連結されて構成されており、連結部60は、網体7a,8aにおける端縁に位置する網糸を結束する状態で設けられている。同様に、上記側面部2aに対して、側方に隣接する他方の側面部2dも同じ構成となっている。なお、側方に隣接するといっても、側面部2a,2dは、底面部1(図1)の端縁に連続されることから、平面視において、有角的に配置されるものである。例えば、底面部1が長方形であれば、内角が90度となる状態であり、正八角形の場合は、内角が135度となっている。従って、側面部構成部材6a,6dが折り曲げられる方向は、連結部60を外向きとする状態となる。そうでなければ、対向する短辺側端縁部が接触して折り曲げることができないからである。
ところで、図4に示されているように、側面部2a,2dを構成する各網体7a,7d,8a,8dの短辺側端縁部は、相互に対向した状態となっている。この各端縁部は、側面部構成部材6a,6dがそれぞれ折り曲げられていない状態では、相互に近接する(条件によっては当接する)こととなり、対向する領域が極めて小さく、塞がれた状態となっている。これに対し、側面部構成部材6a,6dを折り曲げた状態では、側面部構成部材6a,6bの上下端縁70,80を軸に各網体7a,7d,8a,8dが傾倒することとなるから、端縁部は、相互に離間することとなり、当該対向する領域が開口することとなる。そこで、側面部構成部材6a,6dを折り曲げた際に、短辺側端縁部が対向する領域を閉鎖するために軟質網地9が設けられているのである。
軟質網地9としては、一般的な漁網等に使用される網糸によって構成される網地が使用される。この種の網地を使用することにより、海水中における腐食に耐えることができ、また、形状変化に対して柔軟に変形できるためである。また、軟質網地9は、一辺の長さを網体7,8の短辺の長さとする略菱形となるように形成されており、網目を硬質網地と同等またはそれ以下の大きさとしている。略菱形とは、四辺の長さが厳密に同じでない場合を含み、また、平面的な菱形の形状に近似する立体的な形状を含む意味である。さらに、軟質網地9の網目を構成する網糸の方向は、一方が第1の網体7aの縦糸72aに沿った方向とする場合、他方は第2の網体8aの縦糸82aに沿った方向とすることによって、前記領域が形成する略菱形の形状に合わせた網目を形成させている。そして、上記軟質網地9の四辺を対向する四つの網体7a〜8dの端縁部に、それぞれ結束する状態で連結されているのである。
このように、軟質網地9を略菱形として、その四辺を四つの端縁部に連結することにより、当該端縁部が最も大きく開口した状態においても面積的に不足することなく、当該端縁部によって形成される領域を閉鎖することができる。また、当該端縁部によって構成される領域が変形する場合には、軟質網地9が網目を変形することによって、全体の形状を変化させることができる。ここで、軟質網地9は端縁部の状態によって変形するとき、網目を復元させるような弾性力(復元力)が生じる。この復元力が最も少ない状態は、本来の形状である略菱形となる場合であることから、側面部構成部材6a,6dが適度に折り曲げられることによって対向する各端縁部が略菱形を形成する状態である。このことから、軟質網地9は、側面部構成部材6a,6dに対して、適度な折り曲げ状態となるように付勢することとなるのである。
従って、側面部構成部材6a,6dがともに折り曲げられていない状態(生け簀として機能している状態)から、折り曲げようとする場合には、上記略菱形形状に復元すべく、側面部構成部材6a,6dの連結部60a,60bが外向きに折り曲げられるように案内することとなるのである。
次に、本実施形態の使用状態について説明する。図5(a)は収容体を収容可能な状態とするときの状態を示し、図5(b)は側面部を折り畳んだときの状態を示す図である。
まず、収容体による収容を可能な状態する場合には、図5(a)に示されているように、側面部2a〜2dを構成する各側面部構成部材6a〜6dは、折り曲げることなく、すなわち各網体7a〜7d,8a〜8dの表面が高さ方向に連続する状態とするのである。このように各網体7a〜7d,8a〜8dの表面によって、四つの側面部2a〜2dをそれぞれ平面状に構成することとなる。なお、厳密な意味では円滑な平面状ではなく、多少の起伏を有する場合があり得るが、概ね平面を構成することとなる。
このとき、軟質網地9は、菱形の対角線が最も長くなる高さ方向に引っ張られ、当該網地9の網目を変形させつつ側面部2a〜2dの境界位置に存在することとなる。そして、網体7a〜7d,8a〜8dの対向する短辺側端縁部は、その対向するもの同士が当接することとなり、これら端縁部によって形成される領域に間隙は生じていない(開口していない)状態となる。そのため、変形した軟質網地9は、生け簀Aの内側または外側に位置する状態で存在することとなるのである。このような構成により、収容体Aを収容可能な状態とする場合には、軟質網地9は、収容体Aを構成する部材としての機能を有するものではないから、海流等の外力が作用する場合であっても、軟質網地9の存在が収容体Aの全体に影響を与えることがないようになっている。なお、上記領域は、表面的には間隙を有しない(開口しない)状態となっているものの、実質的には連結されていないことからスリットが形成された状態であるため、このスリット部分から収容体Aの内外が連通しないように軟質網地9によって補助的に遮断させていることとなる。
なお、上記収容体Aによって生け簀とする場合には、前述のように、側面部2a〜2dの上端側は支持部4a〜4dによって支持され、この支持部4a〜4dにフロートFLが設けられ、また、収容体Aの下部にはシンカーSKが設けられることとなる(図1参照)。このような構成から、収容体Aは全体として高さ方向に引っ張られ、側面部構成部材6a〜6dは、その引張力によって折り曲げが解除されて略平面状態を形成することとなる。
他方、収容体Aが収納された状態(収容しない状態)とする場合には、図5(b)に示しているように、側面部構成部材6a〜6dを折り畳むことにより、高さ方向に短尺化することが可能となる。このとき、各側面部2a〜2dを構成する個々の側面部構成部材6a〜6dは、連結部60を外向きとして折れ曲がり(二つ折りの状態となり)、これらが高さ方向に積層された状態となっているのである。
また、このときの軟質網地9は、菱形の対角線が最も長くなる横方向に引っ張られることとなる。そして、横方向の対角線で区切られた三角形が二つ折りになった状態で、網体7a〜7d,8a〜8dの短辺側端縁部の間に存在することとなる。
従って、側面部2a〜2dが折り畳まれた状態における平面視では、底面部1の周縁に、ちょうど網体1枚分が張り出した状態となるため、平面視においては底面部1の大きさと大差がない程度となるうえ、高さ方向における大きさを非常に短尺化させることができるものである。
本実施形態は上記のような構成であるから、上記のように収容体Aを折り畳むことにより、非常にコンパクトな大きさに変形させることが可能となり、その折り畳み状態において陸揚げすることも可能となる。そして、生け簀として使用した後、陸揚げした状態で清掃作業を行うことができることから、当該作業が極めて容易となり、作業時間を著しく短縮することができる。このように陸揚げが容易となることは、生け簀を撤去する際や修理などを行う際の作業をも同様に軽減できるものである。
また、収容体Aを折り畳んだ状態とする場合には、生け簀全体を小型にすることができ、その状態で搬送することも可能となることから、省スペース化を図ることができる。また、積層された状態の側面部構成部材6a〜6dを数ヶ所で結束させる等によって、側面部2a〜2dの折り畳み状態を維持することができ、搬送時においては、薄い平面状のものを取り扱うように作業することが可能となる。なお、前述のように、硬質網地として、芯鞘複合マルチフィラメント糸を使用した無結節網を加熱して溶融硬化したものを使用することによって、全体重量を軽量化することも可能となり、陸揚げ後の移動および搬送の労力を軽減させることも可能となる。
次に、他の実施形態について説明する。図6は、側面部構成部材を変形してなる実施形態を示す図である。この図に示すように、側面部構成部材6を構成するための網体7,8の長辺側端縁73,83に接続領域77,87を形成したものである。なお、図6(a)は、接続領域77,87を設けた状態を示し、図6(b)は、網体7,8から接続領域77,87を分離した状態を示す。
この接続領域77,87は、柔軟な網糸によって網状に構成された軟質網地であり、漁網として使用されるものが使用されている。また、接続領域77,87を構成する軟質網地の網目を、網体7,8と同じ大きさとすることによって、網体7,8の網糸が交差する位置(節部分)と、接続領域77,87の軟質網地の節部分の位置を合わせながら両者を同時に縫製することができるものである。この場合、さらに、接続領域77,87を構成する軟質網地は、例えば網目が二つ分となる幅で設けられ、目網体7,8の積層範囲(網目の一つ分)73,83が積層されるように縫製すれば、軟質網地の網目一つ分を網体7,8の長辺側端縁73,83の外方に配置することができる。
上記のように、軟質網地による接続領域77,87が網体7,8の端縁に形成されることによって、図7(a)に示すように、対向する網体7,8の端縁は、それぞれ接続領域77,87の端縁となり、この接続領域77,87の端縁を連結することによって、当該連結された部分が連結部60となるのである。この連結部60は、やはり柔軟な素材の糸が使用され、縫製によって連結されるものである。
このように、柔軟網地による接続領域77,87の端縁が連結されることによって、接続領域77,87の変形によって、隣接する網体7,8の角度を変化させることが可能となる。すなわち、両網体7,8によって構成される側面部構成部材6は、連結部60およびその周辺の接続領域77,87において折り曲げが可能となるのである。上記構成によれば、網体7,8を縫製によって強固に連結することができるとともに、折曲可能な範囲が広く得ることができ、側面部構成部材6を折り畳む際の折りしろが十分に確保されることとなる。そして、折りしろが十分に得られることにより、不十分な折り畳み状態となることを解消し、収容体全体を確実に小型に変形し得ることとなる。
なお、接続領域77,87を設ける場合には、図8(a)に示すように、網体7,8の最も端縁側に位置する網糸と、接続領域77,87の端縁の網糸とを縫製することも可能である。この場合には、さらに折り曲げ可能な範囲を広くすることができる。また、接続領域77,87の網地は、網体7,8の網地と全く同じ網目とする場合に限らず、例えば、図8(b)に示すように、接続領域77,87の網目が、菱目(菱形の網目)であってもよい。菱目の網地を使用する場合は、目の対角線の長さが、網体7,8の網目の糸の間隔と同じであれば使用することができるものである。さらに、接続領域77,87は、折りしろとして機能させるものであるから、目の大きさが異なる場合であっても、接続領域77,87に弛みを持たせれば、網体7,8の端縁に接続領域77,87を設けることは可能となるものである。
そこで、上記のような構成の網体7,8を使用した際の隣接する端縁73,83(接続領域77,87)の連結状態を説明する。図9(a)は連結前の状態を示し、図9(b)は連結状態を示す図である。これらの図に示されるように、隣接する二つの網体7,8の長辺側端縁73,74,83,84には、それぞれ接続領域77,78,87,88が形成されており(図9(a)参照)、その対向する端縁側の接続領域77,87が連結されるのである(図9(b)参照)。この連結に際しては、結束糸61により結束する方法があり、例えば、図9(b)に示されるように、対向する接続領域77,87の網目部分を螺旋状に巻き付ける方法がある。
また、上記のように、対向する二つの網体7,8を連結することにより、側面部構成部材6が形成されることから(図9(b)参照)、これらの網体7,8の短辺側端縁部が側方に対向して形成される領域には、さらに、軟質網地9が設けられるのである。
すなわち、図10に示すように、本実施形態においても、側方に隣接する二つの側面部2a,2dは、相互に接続されることとなるが、この側面部2a,2dを構成する各側面部構成部材6a,6dは、前述のように、それぞれ二つの網体7a,7d,8a,8dが高さ方向に連結されて構成されたものであることから、これらの短辺側端縁部は、側面部構成部材6a,6dを折り曲げるとき、相互に離間し、その領域が開口する。そこで、当該領域に軟質網地9を設けて開口を閉鎖するのである。このとき、各端縁と軟質網地9の端縁は、前記結束糸を使用することにより結束されるものであり、また、軟質網地9としては、一般的な漁網等に使用される網糸によって構成される網地が使用される。また、上記軟質網地9は、一辺の長さを網体7,8の短辺の長さとする略菱形となるように形成されるが、このときの短辺の長さには、接続領域77,78,87,88を含む長さとしており、硬質網地とともに軟質網地で構成される短辺側端縁全体を同時に接続するものとしている。このように、接続領域77,78,87,88が設けられる部分が軟質網地9と接続されることにより、当該接続領域77,78,87,88による折りしろは、折り曲げ可能な状態で接続されることとなり、対向する領域の閉鎖をも可能にすることができる。
本実施形態は、上記のような構成であるから、既述の実施形態と同様に、折り曲げ可能な側面部構成部材によって側面部を構成することができることとなるのである。
さらに、他の実施形態について説明する。図11(a)に示す実施形態は、底面部1に長尺なロープ10a,10b,10c,10dを設けたものである。このロープは、側面部2a〜2dの高さ方向の長さと同等またはそれ以上としており、その上端を引き上げることにより、底面部1を上昇させるものである。底面部1の引き上げは、陸揚げをする場合や底面部1に堆積したものを取り除く際に行われるものであるが、この引き上げに伴って、側面部2a〜2dの高さ方向を短尺化させるものである。従って、陸揚げの際には、ロープ10a〜10dを引き上げることによって、底面部1を上昇させることにより、シンカーによる下向きの引張力が作用しない状態となり、側面部2a〜2dは、側面部構成部材を折り曲げながら短尺化することとなる。これにより、海水面まで底面部1を上昇させるときには、側面部2a〜2dはすでに折り畳まれた状態となるのである。
なお、上記各実施形態は、底面部1を四辺形とした直方体の収容体およびそれを使用する生け簀を例示的に図示して説明しているが、図11(b)に示すように、底面部1を八角形として八角柱状の収容体Bを構築するような態様もあり得る。この場合、底面部1の各端縁に連続する側面部202a〜202hが8つ設けられることとなり、これら各側面部202a〜202hは、相互に隣接しつつ連結されるものである。当然のことながら、その他の多角形柱状とすることも可能である。例えば、十二角形、十六角形、三十二角形などが想定され得る。
さらに、生け簀を構築する場合には、支持部4の形状を収容体の開口部の形状に合わせたものを例示的に示したが、支持部4の形状は適宜変更することが可能である。例えば、図12(a)に示すように、八角柱状の収容部に対して、円形の支持部204を使用することが可能である。このような場合には、収容体の開口部の形状を概略正八角形とし、支持部204の軸心が、当該正八角形の外接円または内接円のいずれか、または、外接円と内接円との中間に位置するように、当該支持部204が形成する円の径が調整されている。このように、支持部204を円形とする場合には、収容体の開口部が概略正多角形とすることとなり、収容体を円柱状に近似させることができる。そして、円柱状に近似した収容体を使用して生け簀を構築することにより、生け簀の周辺部(側面部)は、中央から等距離に近似させることができる。従って、生け簀で魚類を養殖する場合には、養殖魚が円を描きながら遊泳する際、その遊泳の可能な範囲を中央から等距離付近に確保させることができる。その結果、養殖魚が旋回して遊泳する際に、側面部に接触することをできる限り回避させることとなるのである。
また、収容体を概略正多角柱状とする場合には、図12(b)に示すように、底面部301を角錐状もしくは角錐台形状とし、その中央を低い位置に配置させるように構成することができる。すなわち、図示のように、各辺の端縁から中央に向かって二等辺三角形または等脚台形となる各底面構成部310a〜310hによって底面部301を構成することにより、当該底面部301を角錐状もしくは角錐台形状とすることができるのである。なお、中央部320に僅かながら平面状の領域を構成する場合は角錐台形状となるが、この中央部320を設けない場合には、角錐状に形成することができるものである。
このように、底面部301を角錐状もしくは角錐台形状とすることにより、収容体を生け簀として使用する際に、生け簀内において沈殿する物を堆積させることができる。例えば、養殖魚に与えた餌の残骸や、養殖対象魚の死骸(死魚)、さらには養殖魚が排泄する糞などを海洋に排出せず、底面部301に堆積させることが可能となる。また、生け簀から養殖魚を水揚げする際には、底面部301が形成する領域に養殖魚を誘導させ、当該底面部301において養殖魚を捕獲することも可能となる。
本発明の実施形態は以上のとおりであるが、これらは一例であって、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではない。硬質網地については、海流等による外力の作用によって変形(湾曲等の一時的な変形を含む)しないものを使用することが望ましい。そこで、金属製の網地を使用することができるが、金属製の網地の場合は、腐食の問題や、振動による交差部の摩耗の問題があるため、合成繊維を使用した硬質網地を使用することができる。この場合、芯部に高粘度ポリエステル樹脂、鞘部に低融点共重合ポリエステル樹脂を配した芯鞘複合マルチフィラメント糸を使用した無結節網を加熱して溶融硬化させたものがある。
芯鞘複合マルチフィラメント糸を使用する場合には、芯部の高粘度ポリエステル樹脂によって強度を得ることができるとともに、鞘部の低融点共重合ポリエステル樹脂が溶融して硬化し、縦方向および横方向の糸は当該硬化によって硬直し、節部は熱融着によって相互に接着力が付与されることとなり、所定の形状(略矩形)の状態を維持させつつ硬質な網材を製造することができる。このとき、芯鞘複合マルチフィラメント糸の芯部は、熱融着処理の後においてもファイバー状態が維持されることとなる。従って、製造された硬質な網材を構成する個々の網糸部分が、外部からの荷重によって座屈し、または座屈しない程度に屈曲する場合であっても、芯部の存在により網糸部分が破断に至ることを抑制できるものである。その結果、仮に、想定外の外力が作用した場合であっても、短期間で網材全体が崩壊せず、少なくとも網材としての機能が長期的に維持されることとなる。
芯部を構成する高粘度ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(融点約260°C)、ポリブチレンテレフタレート(融点約220°C)、ポリエチレンナフタレート(融点約270°C)などがあり、鞘部を構成する共重合ポリエステルとしては、融点100°C〜200°Cの共重合ポリエステルが使用され、例えば、テレフタル酸成分、脂肪族ラクトン成分、エチレングリコール成分および1,4ブタジエン成分からなる共重合ポリエステルがある。
1 底面部
2a,2b,2c,2d 側面部
4 支持部
5 ロープ
6,6a,6b,6c,6d 側面部構成部材
7,7a,7b,7c,7d 網体(第1)
8,8a,8b,8c,8d 網体(第2)
9 軟質網地
10a,10b,10c,10d ロープ
11,12,13,14 底面部の端縁
60,60a,60b 側面部構成部材の連結部
71,81 網体の横糸
72,82 網体の縦糸
73,74,83,84 網体の長辺側の端縁部
75,76,85,86 網体の短辺側の端縁部
77,78,87,88 接続領域
A,B 生け簀
FL フロート
SK シンカー

Claims (13)

  1. 硬質の網糸によって構成された硬質網地を使用する生け簀用収容体であって、
    複数の側面部を側方に有角的に連続することによって多角形の筒状体を形成してなる多角形筒状部と、この多角形筒状部の底面を形成してなる底面部とを備え、
    前記多角形筒状部を形成するそれぞれの側面部は、前記硬質網地により周縁形状を矩形に形成した二つの網体を一組とする側面部構成部材が高さ方向に複数連続させることによって構成されており、
    前記側面部構成部材は、前記網体の高さ方向に対向する端縁部同士を折り曲げ可能に連結されており、
    側方に隣接する二つの前記側面部の間には、前記側面部構成部材の側方の端縁部が対向する領域が形成され、該領域には、柔軟な網糸によって構成された軟質網地が適宜な面積を有して張設されている
    ことを特徴とする生け簀用収容体。
  2. 前記側面部構成部材を形成するために前記網体を連結する連結部は、二つの網体の対向する端縁部を柔軟な網糸によって結束することによって構成されている請求項1に記載の生け簀用収容体。
  3. 前記側面部構成部材を連続する連続部は、隣接する側面部構成部材の対向する端縁部を柔軟な網糸によって結束することによって構成されている請求項1または2に記載の生け簀用収容体。
  4. 前記網体の端縁部は、該網体の網目を形成する網糸の一部によって構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の生け簀用収容体。
  5. 前記網体は、周縁形状を長方形とするものであり、
    前記側面部構成部材は、前記網体の一方の長辺側の端縁部を連結することによって構成されたものである
    請求項1ないし4のいずれかに記載の生け簀用収容体。
  6. 前記軟質網地は、側方に隣接する前記網体の短辺側の端縁部が相互に対向することによって形成される略四辺形の領域に設けられ、該短辺側の端縁部の長さを一辺とする略正方形に形成されている
    請求項5に記載の生け簀用収容体。
  7. 前記網体端縁のうち少なくとも長辺側の端縁部には、該網体から延出するように設けられた軟質網地によって接続領域が形成されている請求項5または6に記載の生け簀用収容体。
  8. 前記底面部は、略角錐台形状に形成されており、該底面部中央を最も低位としてなる請求項1ないし7のいずれかに記載の生け簀用収容体。
  9. 前記底面部および前記網体を形成する硬質網地は、芯部に高粘度ポリエステル樹脂、鞘部に低融点共重合ポリエステル樹脂を配した芯鞘複合マルチフィラメント糸を使用した無結節網を加熱して溶融硬化させたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の生け簀用収容体。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の生け簀用収容体を使用する養殖用生け簀であって、
    前記生け簀用収容体を構成する多角形筒状部の上端が連結される支持部を備え、該支持部によって前記多角形筒状態の上端が開口状態に維持されることを特徴とする養殖用生け簀。
  11. 前記支持部は、多角形筒状部が形成する多角形開口部と同形としている請求項10に記載の養殖用生け簀。
  12. 前記支持部は、多角形筒状部が形成する多角形の開口部の外接円から内接円までの範囲内に軸心を有する円形としている請求項10に記載の養殖用生け簀。
  13. 前記収容体を構成する底面部は、前記多角形筒状部を構成する側面部の高さ方向の長さよりも長尺なロープを備えている請求項10ないし12のいずれかに記載の養殖用生け簀。
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