JP5758122B2 - 間質性膀胱炎を検出するための新規マーカー - Google Patents

間質性膀胱炎を検出するための新規マーカー Download PDF

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Description

本発明は、間質性膀胱炎、特に潰瘍型間質性膀胱炎を検出する為に有用なマーカーおよびその利用方法に関する。
間質性膀胱炎(Interstitial Cystitis、以下ICと略すこともある)は、頻尿、尿意切迫感および膀胱疼痛を主訴とする疾患である。重症患者では、灼熱痛、刺痛、疼痛及びそれらに起因する極度の頻尿症状を呈し、極めて重症患者においては膀胱摘出に至る事さえある。一方、間質性膀胱炎の原因および病態については不明な点が多い。そのため、間質性膀胱炎の確定診断に至るまでには多くの除外診断が必要であり、間質性膀胱炎を直接的に診断する方法はない。そのため、間質性膀胱炎の確定診断ができるまでの期間が発症から数年にも及び、その間、患者は間質性膀胱炎の為の適切な治療を受けることができない。
現在、間質性膀胱炎の確定診断は、多くの除外診断の後に行われる水圧拡張時膀胱鏡検査(以下膀胱鏡検査)により行われる。膀胱鏡検査とは、麻酔下膀胱に水を注入して強制的に膀胱を拡張した後、ハンナー潰瘍または点状出血の有無を確認する検査である。ハンナー潰瘍と点状出血のうちハンナー潰瘍は間質性膀胱炎に特異的な所見であり、必須診断所見の1つである。しかし、ハンナー潰瘍確認のための唯一の方法である膀胱鏡検査は極めて専門的検査であり、医師の熟練度・経験により診断結果が左右され得る客観性、正確性に欠ける診断方法である。さらに、膀胱鏡検査の合併症として膀胱破裂という重篤な事例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。また、間質性膀胱炎と類似疾患である膀胱上皮内癌とは膀胱鏡所見において類似点が多い為、膀胱鏡検査を行っても膀胱内皮癌であるリスクを内包する(例えば、非特許文献2参照)。
したがって、間質性膀胱炎の診断マーカー、特にハンナー潰瘍を伴う重篤な間質性膀胱炎(潰瘍型間質性膀胱炎)の診断マーカーとして、低侵襲で合併症がなく、直接的かつ特異的な診断マーカーの開発が切望されている。
このような背景の中、間質性膀胱炎のマーカーとしては、いくつかの報告がある。
抗増殖因子APF(antiproliferative factor)は、間質性膀胱炎患者群と対照群との重なりが最も少ない為、現在、間質性膀胱炎の最も有望なマーカーとして報告されている(例えば、非特許文献3参照)。APFをマーカーとして利用する場合、APFの活性を膀胱上皮細胞の増殖抑制活性で検出する必要がある(例えば、非特許文献4参照)。しかし、このような検出方法は細胞培養系で測定する必要がある。そのため、活性値が間接的に測定されること、測定方法が煩雑であること、測定値がばらつくという問題がある。
この他のマーカーとしてアズール顆粒、ウロプラキンが挙げられる。
アズール顆粒をマーカーとする方法は、尿中の好中球エラスターゼまたはミエロペルオキシダーゼの量を測定する方法である。アズール顆粒は、間質性膀胱炎患者の痛みの有無に相関するため、間質性膀胱炎の症状改善マーカーとして利用されうる。しかし、間質性膀胱炎の類型、即ち潰瘍型・非潰瘍型を判別するものではない(例えば、特許文献1参照)。
ウロプラキン(UP)をマーカーとする方法は、膀胱生検組織中のウロプラキン遺伝子発現量を定量する方法である。ウロプラキンIII(UPIII)が間質性膀胱炎患者で有意に発現量が増加している為、ウロプラキンは間質性膀胱炎を検出する為に利用できると開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、いずれの報告例においても、潰瘍型間質性膀胱炎を感度良く、特異的に検出するマーカー遺伝子の報告は未だ無い。
国際公開2005/114196号 特開2006−10633号
「間質性膀胱炎診療ガイドライン」日本間質性膀胱炎研究会、ガイドライン作成委員会編, Blackwell Publishing, 2007年, p.41 「間質性膀胱炎診療ガイドライン」日本間質性膀胱炎研究会、ガイドライン作成委員会編, Blackwell Publishing, 2007年, p.25 Deborah R. Erickson, et al., 「J. Urol.」, 2002年, 167巻, p.2461-2469 S. Keay, et al., 「J. Urol.」, 1996年,156巻,p.2073-2078
本発明は、間質性膀胱炎、特に潰瘍型間質性膀胱炎の診断マーカーおよび検出方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、潰瘍型間質性膀胱炎患者と非間質性膀胱炎患者との膀胱組織における遺伝子発現量を詳細に比較した。その結果、8個の遺伝子について潰瘍型間質性膀胱炎に著しく発現量に差があることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、前記課題を解決する為の手段は下記の通りである。
(1)TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1から選択される少なくとも1種の遺伝子をマーカーとする間質性膀胱炎を検出する方法。
(2)間質性膀胱炎が、潰瘍性間質性膀胱炎である、〔1〕記載の方法。
(3)TNFSF14、CXCL10、AZGP1およびOVOL1から選択される少なくとも1種の遺伝子をマーカーとする、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
(4)前記マーカー遺伝子から転写されるmRNAを調製する工程を含む、〔1〕〜〔3〕の何れか一項記載の方法。
(5)mRNAから変換されるcDNAを調製する工程を含む、〔4〕記載の方法。
(6)cDNAから転写される標識化されたcRNAを調製する工程を含む、〔5〕記載の方法。
(7)標識化されたcRNAをフラグメント化する工程を含む、〔6〕記載の方法。
(8)前記マーカー遺伝子を検出するためのプローブを用いる工程を含む、〔1〕〜〔3〕の何れか一項記載の方法。
(9)標識化されたcRNAのフラグメントとプローブとをハイブリダイズさせる工程を含む、〔8〕記載の方法。
(10)標識化されたcRNAのフラグメントの発現量をDNAマイクロアレイにより測定する工程を含む、〔9〕記載の方法。
(11)TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1から選択される少なくとも1種以上の遺伝子を検出するためのプローブを含む、間質性膀胱炎の検査キット。
本発明のマーカー遺伝子を利用する事により、間質性膀胱炎、特に潰瘍型間質性膀胱炎を検出することができる。
潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるTNFSF14の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。マーカー遺伝子TNFSF14のプローブにハイブリダイズしたCy3標識化されたcRNAのフラグメントの蛍光強度をマイクロアレイにより測定し、この測定値を各マーカー遺伝子の発現量を示す蛍光強度(raw signal)とした。検体におけるマーカー遺伝子およびハウスキーピング遺伝子の蛍光強度(raw signal)を測定した。得られたマーカー遺伝子の蛍光強度(raw signal)とハウスキーピング遺伝子の蛍光強度(raw signal)の中央値との比を求め、マーカー遺伝子の蛍光強度を正規化(ノーマライゼーション)した。横軸に潰瘍型間質性膀胱炎群および対照群をおき、縦軸にTNFSF14の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるTNFSF14の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるCXCL9の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にCXCL9の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるCXCL9の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるCXCL10の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にCXCL10の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるCXCL10の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるCXCL11の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にCXCL11の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるCXCL11の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるCXCR3の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にCXCR3の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるCXCR3の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるCCR2の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にCCR2の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるCCR2の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるAZGP1の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にAZGP1の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるAZGP1の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるOVOL1の遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にOVOL1の正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるOVOL1の遺伝子発現量の平均値を示した。 潰瘍型IC群および対照群の検体(ヒト膀胱粘膜上皮組織)におけるUPK3Bの遺伝子発現量(GAPDH正規化後)を示す図である。縦軸にUPK3Bの正規化された蛍光強度(normalized raw signal)をとり、検体個々の値をプロットした。棒線(bar)は、潰瘍型IC群および対照群それぞれにおけるUPK3Bの遺伝子発現量の平均値を示した。
本明細書における用語について説明する。
「遺伝子」または「DNA」とは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス鎖といった各1本鎖DNAを含有する。また、その長さによって特に制限されるものではない。したがって、遺伝子(DNA)とは、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNAおよびcDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)ならびに該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、およびこれらのフラグメントの何れもが含まれる。
なお、遺伝子またはDNAは、機能領域の別を問うものではなく、例えば、発現制御領域、コード領域、エキソンまたはイントロンを含むことができる。
「RNA」とは、DNAを鋳型にしてDNAの情報が転写された1本鎖ポリヌクレオチドを全て意味する。即ち、RNAには、たんぱく質の合成に関与するRNAおよびタンパク質合成に関与しないRNAの双方が含まれる。具体的には、total RNA、mRNA、cRNA、rRNA、ncRNAおよび合成RNAが含まれる。
「マーカー遺伝子」とは、間質性膀胱炎または潰瘍型間質性膀胱炎に対する患者の罹患の有無を検出する為に利用されるものである。例えば、間質性膀胱炎の罹患および潰瘍の有無などの類型に関連して生体内での発現が変動(増加または減少)する遺伝子、およびその遺伝子から調製されるポリヌクレオチドが包含される。
「ポリヌクレオチド」とは、プリン又はピリミジンが糖にβ−N−グリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステル(AMP、GMP、CMP、UMPまたはTMP;またはdAMP、dGMP、dCMP、dUMP)が3’位と5’位とで結合した分子を意味する。これらには、DNAおよびRNAが含まれる。これらには、cDNA、total RNA、mRNAおよびcRNAのいずれも含まれる。
「フラグメント」とは、タンパク質をコードする遺伝子を規定する核酸または該核酸の一部を含むポリヌクレオチドを意味する。
「プローブ」とは、被検体由来の検体中に発現しているマーカー遺伝子のmRNAまたはmRNAから調製されるcDNA、cRNAまたはそのフラグメントと特異的に結合して検体のマーカー遺伝子をコードするポリヌクレオチドの発現を検出することができるポリヌクレオチドを意味する。プローブは、修飾又は標識化されていてもよい。修飾または標識化には、ビオチン化、蛍光標識化または放射標識化が含まれる。
「ハイブリダイズ」とは、DNAまたはRNAが相補的に複合体を形成する事を意味する。これは、核酸分子に含まれる塩基がAとTまたはU、GとCとが相補的に結合する性質を利用する複合体の形成を言う。
「相補鎖」とは、塩基対からなる2本鎖DNAの一方の鎖に対する他方の鎖を意味する。また、「相補的」とは、少なくとも15個の連続したヌクレオチド領域で完全に相補配列である場合に限らず、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、更に好ましくは少なくとも95%以上の塩基配列の同一性を有することである。
「感度」および「特異度」とは、疾患を検出する為のマーカーがどれだけ精度良く検出できるかを表す指標の1つである。「感度」とは、陽性の被験者を正しく陽性と判定できる確率であり、疾患群の陽性率を示す指標である。「特異度」とは、陰性の被験者を正しく陰性と判定できる確率であり、非疾患群の陰性率を示す指標である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(A)間質性膀胱炎または潰瘍型間質性膀胱炎を検出する為のマーカー遺伝子、mRNA、cDNAおよびcRNA
本発明のマーカー遺伝子は、TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1から選択される少なくとも1種の遺伝子からなる。これらマーカー遺伝子は、表1記載の配列番号に対応する塩基配列を有する。
Figure 0005758122
本発明のマーカー遺伝子としては、TNFSF14、CXCL10、AZGP1およびOVOL1から選択される少なくとも1種の遺伝子が好ましい。TNFSF14およびOVOL1から選択される少なくとも1種の遺伝子がより好ましい。
本発明のマーカー遺伝子には、配列番号1〜8記載の全てまたはその一部の塩基配列を有するものおよびその相補的な塩基配列が含まれる。
本発明の間質性膀胱炎を検出する為のmRNAは、本発明のマーカー遺伝子によって発現される少なくとも1種のポリヌクレオチドからなる。
本発明の間質性膀胱炎を検出する為のcDNAは、前記mRNAから変換されるポリヌクレオチドからなる。
本発明の間質性膀胱炎を検出する為のcRNAは、前記cDNAから調製されるポリヌクレオチドからなる。
本発明の間質性膀胱炎を検出する為のcRNAのフラグメントは、前記のcRNAのフラグメント化により得られるポリヌクレオチドからなる。
本発明のDNA、mRNA、cDNA、cRNA、これらのフラグメントおよび相補鎖は、検出する為の各種修飾および標識化されたポリヌクレオチドを含む。各種修飾および標識化は、ビオチン化、蛍光標識化および放射標識化が含まれる。標識化されたポリヌクレオチドとして好ましくは、標識化されたcRNAおよび標識化されたcRNAのフラグメントである。
(B)間質性膀胱炎を検出する方法
本発明の間質性膀胱炎を検出する方法は、次の工程により実施される。
被験者から検体を得、total RNAを調製する。total RNAから本発明のマーカー遺伝子由来のポリヌクレオチドを調製する。調製されたポリヌクレオチドをプローブとハイブリダイズさせる。その結果得られるマーカー遺伝子の発現量を測定し、マーカー遺伝子の定量をする。マーカー遺伝子の発現量により間質性膀胱炎を検出する。
(B1)検体の調製方法
被験者から得る検体としては、膀胱上皮細胞、尿剥離細胞、血液および尿などが挙げられる。被験者から得る検体としては、膀胱上皮細胞および尿剥離細胞が好ましく、膀胱上皮細胞がより好ましい。膀胱上皮細胞の採取箇所としては膀胱上皮であれば特に限定されるものではなく、非出血部分または非潰瘍部分のいずれも含まれる。
プローブとハイブリダイズさせるためのtotal RNAから調製されるポリヌクレオチドは、mRNA、cDNAおよびcRNAのいずれでもよい。mRNA、cDNAまたはcRNAは、フラグメント化されていてもよい。このようなポリヌクレオチドとしては、cDNA、cRNAまたはcRNAのフラグメントが好ましい。cRNAまたはcRNAのフラグメントがより好ましい。ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのフラグメントは、修飾又は標識化されていても良い。
total RNAおよびmRNAは、J. Sambrook, et al., 「Molecular Cloning 2nd edition」, 1989年に記載の以下の方法に従って調製できる。採取した検体(組織サンプル)をグアニジウム含有緩衝液中でホモジナイズすることにより、組織ライセートを調製する。組織ライセートに界面活性剤を添加し、室温で遠心分離することにより上清を得る。上清に塩化セシウム水溶液を加え、超遠心法により一晩遠心分離することにより得られた沈殿物を洗浄、乾燥する。さらにエタノール沈殿法により、目的とするtotal RNAを得ることができる。必要に応じてtotal RNAからmRNAを調製することもでき、以下のように調製することができる。total RNAをオリゴdTカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、ポリA配列を有するRNA分画(すなわちmRNA)を濃縮する。得られた濃縮物を洗浄した後、緩衝液を用いて溶出することによりmRNAを得ることができる。
cDNAは、J. Sambrook, et al., 「Molecular Cloning 2nd edition」, 1989年に記載の以下の方法に従って調製できる。cDNA、すなわちmRNAに相補的なDNAは、12塩基から18塩基のデオキシチミジンヌクレオチドのポリマーからなるoligo(dT) primerあるいは6塩基以上のデオキシチミジン、デオキシアデニン、デオキシシチジン、デオキシグアニンが無作為に配列されたrandom oligo primerのいずれか、または混合したプライマーを利用して、total RNAあるいはmRNAを鋳型にしてdNTPs(deoxyribonucleoside triphosphates)の存在下において逆転写酵素の働きによってRNA−DNAハイブリッドとして合成される。
cRNAは、J. Sambrook, et al., 「Molecular Cloning 2nd edition」, 1989年に記載の以下の方法に従って調製できる。cRNA、すなわちcDNAに相補的なRNAは、oligo(dT) primerにバクテリオファージT7 promoterを配置したプライマーを用いて調製したcDNAを鋳型として、NTPs(ribonucleoside triphosphates)の存在下においてT7 RNA polymeraseによって相補鎖を合成させることによって調製する。このとき混合するNTPにCyanine 3-CTPを添加して、蛍光標識化cRNAとして合成することも可能である。
(B2)プローブとハイブリダイズさせる方法
本発明のマーカー遺伝子を検出するプローブとしては表2に示したポリヌクレオチドが例示される。
Figure 0005758122
本発明に使用されるDNAチップは、本発明のマーカー遺伝子によって調製されるポリヌクレオチドとハイブリダイズすることができるプローブを備える。
本発明のマーカー遺伝子を用いた間質性膀胱炎を検出する為に使用するDNAチップは、mRNA、cDNA、cRNA、cRNAのフラグメントの塩基配列またはその相補的配列からなるポリヌクレオチドを備えるDNAチップである。このようなDNAチップとしては、DNAマイクロアレイが好ましい。TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1から選択される少なくとも1種の遺伝子を検出することができるプローブを備えるDNAマイクロアレイがより好ましい。このようなマイクロアレイとしては、アジレントテクノロジーズ社のWhole Human Genome 44K、アフィメトリクス社のGeneChip(登録商標)HG−U133およびイルミナ社のHumanWG−6等を挙げることができる。本発明のマーカー遺伝子を検出する為のマイクロアレイとしては、アジレントテクノロジーズ社のWhole Human Genome 44Kを使用するのが好ましい。
また、本発明のマーカー遺伝子を検出するプローブと本発明のマーカー遺伝子によって調製されるポリヌクレオチドとをハイブリダイズさせる方法としては、DNAチップのほか、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)であってもよい。PCRのために本発明のマーカー遺伝子によって調製されるポリヌクレオチドとしては、total RNA、mRNAまたはcDNAが好ましい。
プローブを使用するPCRとしては、TaqMan法、サイクリングプローブ法またはMolecular Beacon法等の蛍光プローブ法を挙げることができる。
蛍光プローブ法以外のPCRとしては、SYBR green I等を用いるインターカレーター法も挙げることができる。
インターカレーター法において用いることができるプライマーとしては、表3に示したポリヌクレオチドが例示される。
Figure 0005758122
また、PCRは、当該技術分野において周知である。PCRの方法およびそのプロトコールの総説は、例えば、M.Tevfik Dorak編集、「Real−time PCR (BIOS Advanced Methods)」Taylor&Francis社、2006年に記載されている。PCR試薬およびそのプロトコールは、タカラバイオ社等から入手可能である。
このようなPCRは、当該技術分野において周知である。PCRの方法およびそのプロトコールの総説は、例えば、M.Tevfik Dorak編集、「Real−time PCR (BIOS Advanced Methods)」Taylor&Francis社、2006年に記載されている。PCRのための試薬およびプロトコールを含むキットは、市販されており、例えば、タカラバイオ社等から入手可能である。
(B3)マーカー遺伝子の発現量の定量
本発明のマーカー遺伝子を用いた間質性膀胱炎を検出する方法において、マーカー遺伝子の定量は1細胞あたりの絶対量または相対量のいずれで測定してもよい。マーカー遺伝子発現量は、測定操作が簡便かつ正確なことから、相対量として測定することが好ましい。前記相対量は、内部標準となる遺伝子(ハウスキーピング遺伝子)を設定し、マーカー遺伝子発現量とハウスキーピング遺伝子発現量との比較によって相対量を算出することができる。ハウスキーピング遺伝子としては、GAPDHおよびβアクチンが好ましく、GAPDHがより好ましい。
間質性膀胱炎を検出する方法としては、本発明のマーカー遺伝子の絶対量、マーカー遺伝子とハウスキーピング遺伝子との比または間質性膀胱炎患者の膀胱上皮細胞と非間質性膀胱炎患者の膀胱上皮細胞とのマーカー遺伝子の比などを用いることができる。間質性膀胱炎患者のマーカー遺伝子と正常細胞のマーカー遺伝子との発現量の比較は、健常者または非間質性膀胱炎患者の細胞を対照とすることにより行うことができる。
間質性膀胱炎を検出する為には、遺伝子発現量比変化(発現量フォールド変化)を求めるか、またはカットオフ値を設定することにより行うことができる。
ここで「遺伝子発現量比変化(発現量フォールド変化)」とは、正常膀胱粘膜組織と間質性膀胱炎患者の膀胱粘膜組織における任意の遺伝子の発現量の相対的変化量を示すものである。具体的には、ある遺伝子の間質性膀胱炎患者の膀胱粘膜組織の発現量を正常膀胱粘膜組織の発現量で除した値、すなわち正常膀胱粘膜組織の発現量を1とした場合の間質性膀胱炎患者の膀胱粘膜組織における遺伝子の相対的変化量を示す。
ここで「カットオフ値」とは、被験者が当該の疾患であるかを判断する目安となる値である。間質性膀胱炎罹患時に増加する遺伝子においては、マーカー遺伝子の測定値が所定のカットオフ値を上回る場合、間質性膀胱炎である可能性が高いと判断される。間質性膀胱炎罹患時に減少する遺伝子においては、マーカー遺伝子の測定値が所定のカットオフ値を下回る場合、間質性膀胱炎である可能性が高いと判断される。一方、測定値が正常を示す範囲の値(正常値)の範囲内である場合、被験者が当該の疾患ではない可能性が高いと判断される。
本発明のマーカー遺伝子のカットオフ値としては、マーカー遺伝子とハウスキーピング遺伝子との比を用いることができる。検体のマーカー遺伝子およびハウスキーピング遺伝子の遺伝子発現強度を測定する。得られた検体の発現強度(シグナル強度)は、ハウスキーピング遺伝子のシグナル強度平均値との比を計算し、正規化(ノーマライゼーション)する。間質性膀胱炎患者群と対照群とにおいて、それぞれの正規化されたシグナル強度を比較して、両群を分離する事が可能な値を任意に設定する事によりカットオフ値とする事ができる。両群を分離する事が可能なカットオフ値としては、設定されたカットオフ値により、間質性膀胱炎患者群と対照群との間の感度または特異性が65%以上で有ることが好ましく、80%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。
このようなカットオフ値の設定例としては、マイクロアレイを用いた方法を例示する事ができる。検体のマーカー遺伝子およびハウスキーピング遺伝子の蛍光強度をマイクロアレイで測定する。得られた検体の蛍光強度(シグナル強度)は、ハウスキーピング遺伝子のシグナル強度平均値との比を計算し、正規化(ノーマライゼーション)する。間質性膀胱炎患者群と対照群とにおいて、それぞれの正規化されたシグナル強度を比較して、両群を分離する事が可能な値を設定する事によりカットオフ値とする事ができる。両群を分離する事が可能なカットオフ値としては、間質性膀胱炎患者群のシグナル強度平均値と対照群のシグナル強度平均値との間の範囲から1つの値を設定する事ができる。間質性膀胱炎罹患時に増加する遺伝子においては、間質性膀胱炎患者群の最小値と対照群のシグナル最大値との間の範囲から1つの値を設定する事もできる。間質性膀胱炎罹患時に減少する遺伝子においては、間質性膀胱炎患者群の最大値と対照群のシグナル最小値との間の範囲から1つの値を設定する事もできる。
マーカー遺伝子がTNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3およびCCR2である場合、測定された遺伝子発現量がカットオフ値以上であれば、被験者が間質性膀胱炎である可能性が高いことを示す。これらのマーカー遺伝子において、正規化されたシグナル強度を用い、カットオフ値を設定するための好ましい範囲を、間質性膀胱炎患者群のシグナル強度平均値と対照群のシグナル強度平均値との間の範囲、間質性膀胱炎患者群の最小値と対照群のシグナル最大値との間の範囲の順にそれぞれのマーカー遺伝子について以下に示した。
TNFSF14のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、550〜3800が好ましく、800〜2300がより好ましい。
CXCL9のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、1800〜24000が好ましく、3800〜8200がより好ましい。
CXCL10のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、350〜6100が好ましく、690〜2500がより好ましい。
CXCL11のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、280〜6600が好ましく、790〜1800がより好ましい。
CXCR3のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、3800〜21000が好ましく、6000〜10000がより好ましい。
CCR2のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、990〜8700が好ましく、1700〜5100がより好ましい。
マーカー遺伝子がAZGP1およびOVOL1である場合、測定された遺伝子発現量がカットオフ値以下であれば、被験者が間質性膀胱炎である可能性が高いことを示す。これらのマーカー遺伝子において、正規化されたシグナル強度を用い、カットオフ値を設定するための好ましい範囲を、間質性膀胱炎患者群のシグナル強度平均値と対照群のシグナル強度平均値との間の範囲、間質性膀胱炎患者群の最大値と対照群のシグナル最小値との間の範囲の順にそれぞれのマーカー遺伝子について以下に示した。
AZGP1のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、97〜790が好ましく、210〜4600がより好ましい。
OVOL1のカットオフ値としては、以下の何れかの範囲に設ける事が出来る1つの値を設定する事ができる。カットオフ値を選ぶ事ができる範囲としては、590〜9800が好ましく、910〜6400がより好ましい。
また別の本発明のマーカー遺伝子のカットオフ値としては、本発明のマーカー遺伝子の発現量と正常細胞の遺伝子発現量との比も用いることもできる。被験者から得た検体のマーカー遺伝子の発現量が正常細胞の遺伝子発現量に比較して、その比の変動量が大きいほど間質性膀胱炎の可能性が高くなる。間質性膀胱炎罹患時に高発現する遺伝子においては、遺伝子発現量比変化としては、4倍以上が好ましい。間質性膀胱炎罹患時に低発現する遺伝子においては、遺伝子発現量比変化としては、1/4以下が好ましい。すなわち、マーカー遺伝子がTNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3およびCCR2である場合、測定された遺伝子発現量比変化が4倍以上であれば、被験者が間質性膀胱炎である可能性が高いことを示す。マーカー遺伝子がAZGP1およびOVOL1である場合、測定された遺伝子発現量が1/4以下であれば、被験者が間質性膀胱炎である可能性が高いことを示す。
さらに別の本発明のマーカー遺伝子のカットオフ値としては、受信者操作特性曲線(ROC曲線)を作成する事により、カットオフ値を設定する事もできる。ROC曲線を基にしたカットオフ値の求め方は、「生物試料分析」2005年,28巻,pp.133〜139記載の方法に従って設定する事ができる。
本発明のマーカー遺伝子のカットオフ値は、前述遺伝子発現量比変化(発現量フォールド変化)およびROC曲線を基にしたカットオフ値に限定されるものでなく、適宜変更することができる。すなわち、マーカー遺伝子の組み合わせ、マーカー遺伝子の定量方法および比較方法、早期診断、早期治療または治療効果の評価などの臨床上の使用目的など所望する感度や特異度などの条件に応じてカットオフ値や遺伝子量比変化を設定することができる。
(C)間質性膀胱炎を検出する為のキット
本発明のマーカー遺伝子を用いての間質性膀胱炎を診断する為のcRNAを定量する為のキットは、cRNAフラグメントを得る為の試薬、DNAマイクロアレイ、説明書等を含む。cRNAフラグメントを得る為の試薬としては、反応試薬、酵素および緩衝液等が含まれる。
(D)間質性膀胱炎動物モデルの評価
本発明のマーカー遺伝子を検出することによる間質性膀胱炎の検出方法は、各種間質性膀胱炎動物モデルの評価に用いることもできる。間質性膀胱炎動物モデルとしては、マウス、ラット、イヌ、サル、チンパンジーなどの哺乳動物が挙げられる。これらの動物の膀胱組織を採取し、前記(B)間質性膀胱炎を検出する方法に記載の方法でマーカー遺伝子の発現量を測定する。遺伝子発現量の変化量を指標として、間質性膀胱炎、特に潰瘍型間質性膀胱炎の動物モデルとしての妥当性評価を行うことができる。
なお、前記(1)および(2)記載の遺伝子は、ヒト由来の遺伝子配列である為、動物モデルにおいては使用する種のヒト遺伝子に相当する遺伝子をマーカーとして用いる。このような遺伝子としては、表4に示した遺伝子を利用することができる。
Figure 0005758122
なお、各動物種におけるマーカー遺伝子とヒトにおけるマーカー遺伝子との対応は、Tnfsf14がTNFSF14、Cxcl9がCXCL9、Cxcl10がCXCL10、Cxcl11がCXCL11、Cxcr3がCXCR3、Ccr2がCCR2、Ovol1がOVOL1、Azgp1がAZGP1にそれぞれ相当する。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
検体
潰瘍型IC患者(間質性膀胱炎患者の膀胱の非潰瘍部位)における膀胱粘膜の遺伝子発現変動プロファイルを検討するため、潰瘍型IC患者6例と対照5例(膀胱ガン患者の非腫瘍部位)の検体(膀胱粘膜生検サンプル)を収集した。膀胱粘膜生検サンプル(生検サンプル)は、当該研究への臨床検体の使用に関するインフォームドコンセントに基づき、患者本人または代理人の同意を得た上で採取されたものである。採取後の生検サンプルを速やかに十分量のRNAlater試薬(キアゲン社)に浸漬し、−80℃で安定的に保存した。適宜膀胱粘膜からRNeasy mini kit(キアゲン社)を用いてキアゲン社のプロトコルに従いtotal RNAを抽出した。得られたtotal RNAの濃度を常法に従って測定した後、−30℃にて冷凍保存した。
実施例2
DNAマイクロアレイ法
アジレントテクノロジーズ社の試薬キット(Low RNA Fluorescent Linear Amplification kit、製品番号5188−5339)を用い、プロトコル(Low RNA Fluorescent Linear Amplification kit対応プロトコル)に従ってマイクロアレイ実験を行った。抽出したtotal RNA(200−1,000 ng)を用い、T7 promoter primerおよびMMLV−Reverse Transcriptaseの存在下において40℃、2時間反応させることにより相補的DNA(cDNA)を合成した。さらに得られたcDNAをもとにシアニン3(Cy3)−CTPおよびT7 RNA polymeraseの存在下において40℃、2時間反応させることにより、Cy3ラベル化相補的RNA(cRNA)を合成した。得られたcRNA(1650ng)をフラグメンテーション緩衝液中で60℃、30分反応させることによりフラグメント化した後、Whole Human Genome 44K DNA microarray(製品番号G4112F)に65℃で17時間ハイブリダイズさせた。その後Wash buffer1、Wash buffer2(製品番号5188−5327)およびアセトニトリル中で適宜洗浄した後、アジレント・マイクロアレイスキャナを用いて画像データを取得した。さらに画像解析ソフトFeature Extraction ver.8.5(アジレントテクノロジーズ社)により、発現量の定量データを算出した。
実施例3
データ解析
個々のサンプルに対応する発現量の定量データファイルをGeneSpring ver.7.3(アジレントテクノロジーズ社)に取り込み、発現データを解析することによって、潰瘍型IC患者群において遺伝子発現に変化の認められる遺伝子の同定を試みた。具体的には潰瘍型IC群と対照群の二群の比較はPer Chip(各サンプルのraw signalの中央値による)正規化後、Per Gene(各プローブのraw signalの中央値による)正規化を行い、Volcano Plot Analysisにより、潰瘍型IC群の定量データを対照群の定量データで除することにより算出された相対的な遺伝子発現量比変化(発現量フォールド変化)及びt−testにおける有意差(p−value)に基づき、それぞれ発現量フォールド変化を4倍以上、p−value cutoffを0.001以下に設定することによって97遺伝子に対応するプローブを抽出した。さらにGeneSpring ver.7.3を用い、前記97遺伝子について階層的クラスタリング解析を行った。さらに目視による検討(マニュアル・インスペクション)を加えた。マニュアル・インスペクションによる選択の条件としては、次の4条件とした。1)正常な膀胱組織で安定して発現する遺伝子、2)潰瘍型間質性膀胱炎の膀胱組織中で安定して発現する遺伝子、3)相対的な遺伝子発現量が潰瘍型IC患者群において全例増加または対照群において全例低下している遺伝子、4)相対的な遺伝子発現量が潰瘍型IC患者群において全例低下または対照群において全例増加している遺伝子とした。その結果、潰瘍型IC患者群と対照群とを分離するマーカー遺伝子として表5に示したTNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1が見出された。
Figure 0005758122
個々の遺伝子の発現データ(raw signal)はハウスキーピング遺伝子Glyceraldehyde−3 phosphate dehydrogenase(GAPDH)の発現データ(raw signal)を用いて正規化した。さらに、グラフ解析ソフトGraphPad Prism ver.4.0(GraphPad Software,Inc.)を用いてMann Whitney U−testによる統計処理を行い、対照群(Control)と潰瘍型IC群(IC(Ulcer))のマイクロアレイ発現データ(raw signal)のグラフとして図1〜8に示した。また、特許文献2記載の公知のマーカー遺伝子であるウロプラキンIII(UPK3B)についても同様に解析した結果を図9に示した。
実施例4
マーカー遺伝子の感度および特異性による評価
実施例3で見出したマーカー遺伝子について、カットオフ値を選定可能な範囲からマーカー遺伝子評価の為の任意の値(評価用カットオフ値)を求め、感度および特異度を指標としてマーカー遺伝子としての有用性を評価した。以下、評価の一例を示した。
実施例3で見出したマーカー遺伝子の評価用カットオフ値は、次の通り設定した。マイクロアレイにより、検体のマーカー遺伝子およびハウスキーピング遺伝子の蛍光強度をマイクロアレイで測定して得られた検体の蛍光強度(Raw siganl強度)は、ハウスキーピング遺伝子の蛍光強度中央値との比を計算し、正規化(ノーマライゼーション)した。TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3およびCCR2については、間質性膀胱炎患者群における正規化された蛍光強度の最小値と対照群の正規化された蛍光強度の最大値との平均値を計算し、これを評価用カットオフ値とした。また、AZGP1およびOVOL1については、間質性膀胱炎患者群における正規化された蛍光強度の最大値と対照群の正規化された蛍光強度の最小値との平均値を計算し、これを評価用カットオフ値とした。各マーカー遺伝子における正規化された蛍光強度による評価用カットオフ値とその設定値から期待される感度および特異度を表6に示した。また、比較例として特許文献2記載の公知マーカー遺伝子であるウロプラキンIII(UPK3B)についても、感度および特異度を本発明のマーカー遺伝子と同様に算出し、表6に示した。
Figure 0005758122
本発明マーカー遺伝子であるTNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1は、潰瘍型間質性膀胱炎を感度良く、特異的に検出できることが分かった。
よって、本発明において見出されたマーカー遺伝子であるTNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、CCR2、AZGP1およびOVOL1は、間質性膀胱炎、特に潰瘍型間質性膀胱炎を検出する為のマーカー遺伝子として有用であり、潰瘍型間質性膀胱炎を感度および特異度が高く検出する事ができる。
本発明のマーカー遺伝子は、間質性膀胱炎、特に潰瘍型間質性膀胱炎を検出する為に利用できる。
<配列表1>配列番号1は、ヒトTNFSF14のDNAの配列である。
<配列表2>配列番号2は、ヒトCXCL9のDNAの配列である。
<配列表3>配列番号3は、ヒトCXCL10のDNAの配列である。
<配列表4>配列番号4は、ヒトCXCL11のDNAの配列である。
<配列表5>配列番号5は、ヒトCXCR3のDNAの配列である。
<配列表6>配列番号6は、ヒトCCR2のDNAの配列である。
<配列表7>配列番号7は、ヒトAZGP1のDNAの配列である。
<配列表8>配列番号8は、ヒトOVOL1のDNAの配列番号である。
<配列表9>配列番号9は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるTNFSF14を検出する為のプローブの配列である。
<配列表10>配列番号10は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるCXCL9を検出する為のプローブの配列である。
<配列表11>配列番号11は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるCXCL10を検出する為のプローブの配列である。
<配列表12>配列番号12は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるCXCL11を検出する為のプローブの配列である。
<配列表13>配列番号13は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるCXCR3を検出する為のプローブの配列である。
<配列表14>配列番号14は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるCCR2を検出する為のプローブの配列である。
<配列表15>配列番号15は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるAZGP1を検出する為のプローブの配列である。
<配列表16>配列番号16は、本発明のマーカー遺伝子の1つであるOVOL1を検出する為のプローブの配列である。
<配列表17>配列番号17は、ラットTnfsf14のDNAの配列である。
<配列表18>配列番号18は、ラットCxcl9のDNAの配列である。
<配列表19>配列番号19は、ラットCxcl10のDNAの配列である。
<配列表20>配列番号20は、ラットCxcl11のDNAの配列である。
<配列表21>配列番号21は、ラットCxcr3のDNAの配列である。
<配列表22>配列番号22は、ラットCcr2のDNAの配列である。
<配列表23>配列番号23は、ラットAzgp1のDNAの配列である。
<配列表24>配列番号24は、ラットOvol1のDNAの配列である。
<配列表25>配列番号25は、マウスTnfsf14のDNAの配列である。
<配列表26>配列番号26は、マウスCxcl9のDNAの配列である。
<配列表27>配列番号27は、マウスCxcl10のDNAの配列である。
<配列表28>配列番号28は、マウスCxcl11のDNAの配列である。
<配列表29>配列番号29は、マウスCxcr3のDNAの配列である。
<配列表30>配列番号30は、マウスCcr2のDNAの配列である。
<配列表31>配列番号31は、マウスAzgp1のDNAの配列である。
<配列表32>配列番号32は、マウスOvol1のDNAの配列である。

Claims (11)

  1. TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、およびCCR2から選択される少なくとも1種の遺伝子をマーカーとする潰瘍型間質性膀胱炎検出を補助する方法であって、
    測定された前記マーカー遺伝子の発現量がカットオフ値以上であれば、被験者が潰瘍型間質性膀胱炎である可能性が高いことを示し、該カットオフ値の各々は、各マーカー遺伝子とハウスキーピング遺伝子との比を用いて決定される、方法
  2. TNFSF14、又はCXCL10をマーカーとする、請求項1記載の方法。
  3. CXCL10をマーカーとする、請求項2記載の方法。
  4. 前記マーカー遺伝子から転写されるmRNAを調製する工程を含む、請求項1〜3の何れか一項記載の方法。
  5. mRNAから変換されるcDNAを調製する工程を含む、請求項4記載の方法。
  6. cDNAから転写される標識化されたcRNAを調製する工程を含む、請求項5記載の方法。
  7. 標識化されたcRNAをフラグメント化する工程を含む、請求項6記載の方法。
  8. 前記マーカー遺伝子を検出するためのプローブを用いる工程を含む、請求項1〜3の何れか一項記載の方法。
  9. 標識化されたcRNAのフラグメントとプローブとをハイブリダイズさせる工程を含む、請求項8記載の方法。
  10. 標識化されたcRNAのフラグメントの発現量をDNAマイクロアレイにより測定する工程を含む、請求項9記載の方法。
  11. TNFSF14、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCR3、およびCCR2から選択される少なくとも1種以上の遺伝子を検出するためのプローブを含む、潰瘍型間質性膀胱炎の検査キット。
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